JP2003276700A - 衛星用熱真空試験装置及び衛星用熱真空試験方法 - Google Patents

衛星用熱真空試験装置及び衛星用熱真空試験方法

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JP2003276700A JP2002088482A JP2002088482A JP2003276700A JP 2003276700 A JP2003276700 A JP 2003276700A JP 2002088482 A JP2002088482 A JP 2002088482A JP 2002088482 A JP2002088482 A JP 2002088482A JP 2003276700 A JP2003276700 A JP 2003276700A
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重憲 樺島
Steven Hahn
スティーブン ハーン
Takeshi Ozaki
毅志 尾崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 人工衛星の熱真空試験の際、高真空容器を大
気に解放することなく、被験体である衛星の姿勢を変更
することを可能にすることで、熱真空試験に要する時間
の短縮を実現する。 【解決手段】 熱真空試験装置に、温度調整が可能で、
互いに回転自由なリング状部材からなる保持機構と駆動
装置を備えることにより、高真空容器を開閉することな
く衛星の姿勢を変更しながら試験を実施することができ
るようにして、衛星の熱真空試験を短期間で正確に行な
うことができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工衛星の環境試
験の分野に適用し、人工衛星の熱真空試験を効率的に実
施しうる試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人工衛星は高い信頼性が要求される機器
であるので、打ち上げ前に、耐振動負荷試験、耐音響負
荷試験、熱真空真空試験といった環境試験による性能確
認が行なわれる。このうち、熱真空試験は、人工衛星や
人工衛星搭載機器の熱制御性能を確認するための試験
で、宇宙空間の熱環境を模擬した熱真空試験装置内で試
験が行われる。宇宙空間を模擬するためには、空気の対
流による熱移動の影響を避けるために、少なくとも圧力
が1×10-4Torr以下であるような高真空雰囲気を実現す
る必要がある。また、極低温の深宇宙を背景とする輻射
熱交換を模擬することも必要である。このため、一般的
な熱真空試験装置は、図6に示すような二重構造となっ
ていることが多く、外側の真空容器27が高真空環境を
実現し、内側にあって、放射率を高めるために黒色塗料
で塗装し、多くは液体窒素による冷却機構を設けたシュ
ラウド28が極低温の深宇宙を模擬し、内部に設置した
被験体29の熱性能を評価する構造となっている。
【0003】人工衛星内部での熱輸送を速やかに行なう
ために、多くの人工衛星はヒートパイプと呼ばれる熱輸
送デバイスを備えている。ヒートパイプは、気相と液相
の両方を含む高圧アンモニアを内部に封じ込めた直径10
〜30mm程度のパイプで、アンモニアの相変化に伴う熱吸
収と熱放出を利用して、パイプ長手方向に極めて高い効
率での熱輸送を行なう熱伝導デバイスである。衛星構造
内部には、熱の集中を避けるため、このヒートパイプを
縦横に埋め込こんだ、ヒートパイプネットワークが構成
されている。衛星に搭載されるヒートパイプは、無重力
環境下で効率よく機能するように設計されているので、
衛星機器の地上試験を行う場合には、ヒートパイプに対
する重力の影響が除かれるように考慮する必要がある。
具体的には、ヒートパイプは水平に置かれた状態では問
題なく機能するが、垂直に立てられると、ヒートパイプ
下部から上部に向う熱輸送は問題なく行なわれるが、逆
のヒートパイプ上部から下部に向っての熱輸送は行なわ
れない。そこで、衛星の熱真空試験を実施するに当って
は、衛星内部のヒートパイプが水平になるか、熱源がヒ
ートパイプの下部に位置するように考慮して、衛星を熱
真空試験装置内に設置する。しかしながら、ヒートパイ
プは衛星内部で三次元に縦横に走るネットワークを形成
しているので、全てのヒートパイプが問題なく機能する
ような姿勢に衛星を置くことは、実際には難しい。この
ため、実際の試験では、衛星を横に倒すなど様々な姿勢
で熱真空試験装置内に設置して、試験を行っている。
【0004】上記のような事情により、衛星の熱真空試
験は衛星の姿勢を変更しながら複数回繰り返す必要があ
り、その度に高真空容器を開けて衛星を設置し直して、
熱電対などのセンサケーブル類を再設置し、再び真空引
きを行なう手順を繰り返さなければならない。このよう
な作業は、衛星がそのまま入るような大型容器を高真空
にする工程を含んでいることもあって、試験を繰り返す
度に試験準備だけで丸一日から数日の時間を要する。納
期短縮が強く求められている通信衛星の分野では、試験
の準備作業にこれほど多くの時間を割くことは許容しが
たくなっており、試験時間を短縮することが強く求めら
れている。
【0005】図7は特開平2000−185700号公
報に記載の、衛星の調整および試験を行うための方法お
よび装置である。図において、衛星30を設置できる移
動自在の固定具を持つ試験チャンバ31と、温度及び圧
力が制御されたガスを導入するための入口ポート32
と、移動自在の固定具に連結された振動装置33と、チ
ャンバに取り付けられた音響源34と、試験チャンバに
取り付けられた高周波試験アンテナ35と、チャンバ内
に取り付けられた太陽シミュレーター36と、衛星に設
けられた地球検出装置を試験する目的で地球の角位置及
び直径をシミュレートするため、チャンバ内に取り付け
られた地球シミュレーターとを含んでいる。本装置は、
多くの試験構成要素を単一の試験チャンバ内で組み合わ
せることによって衛星の調整及び試験を簡単にし、これ
によって、多数の試験の準備及び分解の必要及び衛星を
多数の試験チャンバ内に移送する必要をなくすことを特
徴としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような試験装置
では、複数種の環境試験を同一の試験容器内で行うこと
で、多数の試験の準備及び分解の必要及び衛星を多数の
試験チャンバ内に移送する必要をなくして試験に要する
期間を短縮することができる。しかしながら、このよう
な形態の試験装置では、1つの試験装置で全ての環境試
験を行うため、例えばある衛星の振動試験を実施してい
る間に、別の衛星の音響試験を行うなど並行して複数の
衛星の試験を実施することができず、必ずしも効率的に
試験を実施できるとは言い難い。衛星の環境試験の効率
化のためには、複数の試験の統合を考えるよりも、むし
ろ個々の試験の効率化を行なう方がより現実的である。
また、衛星の熱真空試験に議論を絞って考えると、上記
試験装置はガスを用いてチャンバ内の温度制御を行なっ
ており、衛星の熱真空試験が高真空環境を必要とするこ
とを考えると、衛星の熱制御性能を正しく評価するのに
適した装置とは言い難い。衛星の保持姿勢の観点から
は、固定具は「少なくとも二つの軸線を中心として回転
自在である」との記述があるものの、その具体的な構成
や使用方法、使用目的についての記述は無く、地球シミ
ュレータと衛星の相対角を調整する際に用いられるので
はないかと推測されるのみである。そもそも、熱真空試
験を実施する際、熱的な条件を考慮することなく衛星の
周囲に大掛りな固定具を設置すれば、測定上の妨げにな
ることは避けがたく、例えば、常温の固定具は、深宇宙
の背景を模擬するべく液体窒素温度に冷されたシュラウ
ドに比較すると、高温の熱源となって衛星に輻射熱を与
え、測定上の妨げとなる。
【0007】本発明は、このような問題を解決されるた
めになされたもので、熱真空試験の際、高真空容器を大
気に解放することなく、被験体である衛星の姿勢を変更
することを可能にすることで、熱真空試験に要する時間
の短縮を実現するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の衛星用熱真空試
験装置は、高真空容器、該高真空容器内に設置されたヒ
ータおよび冷却装置を備えたシュラウドならびに上記高
真空容器に接続された真空ポンプを備えた衛星用熱真空
試験装置において、上記シュラウド内に2つのリング状
部材を組み合わせた被験体の保持機構と、該保持機構を
回転させるための駆動装置と、上記リング状部材に取り
付けられた温度調整可能なヒータとが設置され、上記リ
ング状部材は黒色に塗装された中空のパイプからなり、
該中空パイプに液体窒素を供給する機構を設けたもので
ある。
【0009】上記において、駆動装置は軸受部を有し、
該軸受部を自己潤滑性材料で構成したものである。
【0010】また、上記において、駆動装置は軸受部を
有し、該軸受部に磁気軸受を用いたものである。
【0011】さらに、シュラウド内部の空間に、液体窒
素温度(-198℃)から40℃までの範囲で温度調整され、
黒色に塗装された板状部材を備えたものである。
【0012】さらに、熱真空試験の被験体に、擬似太陽
光を照射することが可能な擬似太陽灯を備えたものであ
る。
【0013】本発明の衛星用熱真空試験方法は、上記の
いずれかの衛星用熱真空試験装置を用い、真空容器内に
被験体を導入し、保持機構に設置する工程、上記真空容
器を真空排気するとともに被験体に熱変化を与える工程
及び駆動装置により上記保持機構を回転させて被験体の
姿勢を変更する工程とを備えたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施の形態1.図1はこの発明の
実施の形態1に係る熱真空試験装置の構成を示した図で
ある。図において、1は高真空容器、2はヒータおよび
冷却装置を備えたシュラウド、10は1×10-4Torr以下
の圧力が達成できる高真空ポンプである。シュラウド2
の内壁は、放射率を高めるために黒色塗装され、例えば
液体窒素などで冷却することにより、極低温である深宇
宙を熱的に模擬することができるようになっている。シ
ュラウド2にヒータを設けるのは、試験終了時などにシ
ュラウドを熱して内部に残留した液体窒素を除くためで
ある。3および4はリング状部材で、軸受6において組
み合わされて、互いに回転可能なように結合されてい
る。図2はリング状部材3、4の構造を示したもので、
図中(a)は斜視図、(b)は断面図である。リング状
部材3、4、例えば図2に示すような形状の中空パイプ
13からなり、その表面は黒色に塗装され、例えば図中
に示すような形状のヒータ15が取り付けられている。
リング状部材の一方、例えば図1ではリング状部材3
は、軸受5において高真空容器1またはシュラウド2に
回転可能なように結合されている。また、リング状部材
3および4には、柔軟に変形可能なパイプ8を介して液
体窒素の供給装置11が、柔軟に変形可能な電気線9を
介して電源12が接続されており、液体窒素の供給装置
11はリング状部材内部の空洞部14に液体窒素を供給
し、電源12はヒータ15に電力を供給する。リング状
部材4には、軸受7があって、ここに被験体である衛星
11が設置される。軸受5、6、7には軸受を回転させ
るための駆動機構が設けられており、この駆動機構によ
り被験体は三軸回りに自由な方向に保持される。
【0015】このような構成の熱真空試験装置では、リ
ング状部材3、4からなる保持機構が被験体を保持する
ので、被験体である衛星はあらゆる姿勢に自由に保持さ
れる。また、姿勢変更は軸受部に設けられた駆動装置に
よるので、高真空容器を開閉することなく、衛星の姿勢
を変更することができる。さらに、保持機構は黒色に塗
装された上、液体窒素およびヒータが取り付けられてい
て温度調整が可能なので、実施する試験の条件に合わせ
て保持機構の温度を調整すれば、保持機構自身が熱源に
なって熱真空試験の妨げになるようなことがない。例え
ば、液体窒素温度に冷却すれば、熱的にはシュラウド2
と同等になって熱的条件を妨げない。
【0016】以上のように、熱真空試験装置が、温度調
整が可能で、互いに回転自由なリング状部材からなる保
持機構と駆動装置とを備えているので、高真空容器を開
閉することなく衛星の姿勢を変更しながら正確な試験を
実施することができ、衛星の熱真空試験を短期間で正確
に行なうことができるようになる。
【0017】実施例1.内径1000mmのシュラウドを備え
た高真空容器に、2つのリング状部材からなる保持装置
を設置した。保持装置は、直径850mmと830mmのリングを
組み合わせたもので、被験体を保持するための治具を備
えていて、被験体を三軸回りの自由な方向に保持でき
る。また、保持装置を構成するリングは黒色に塗装され
たステンレス製のチューブで、その内部に液体窒素を供
給するためのステンレス製フレキシブルチューブが接続
されている。
【0018】内部にヒートパイプの3次元ネットワーク
を備えた、衛星搭載用発熱機器の熱真空試験を、本試験
装置を用いて実施した。その手順は次のようになる。ま
ず、衛星用発熱機器を上記保持装置に固定し、発熱機器
のモニター点に熱電対を取り付けて、試験中の被験体の
温度分布が測定できるようにしておく。また、発熱機器
には電源線を接続する。この後、熱真空容器を密閉し
て、内部の圧力が1×10- 4Torrを下回るまで真空引きを
行なう。一般に、熱真空試験を実施するにあたって、試
験装置内の圧力が1×10-4Torrを下回れば試験精度は保
証されるものとされているが、実際の試験では十分な精
度を保証するため1×10-6Torr程度まで真空引きを行な
っており、この工程に約12時間を要する。続いて、シ
ュラウドと保持装置のリング内に液体窒素を導入して2
℃/分で冷却を行ない、シュラウドとリングを液体窒素
温度の−198℃まで冷却する。これで被験体を取り巻く
環境は、シュラウドと保持機構を含めて、熱的観点から
は深宇宙に近い状態となったので、発熱機器に電流を流
して作動させ、1時間定常運転を行なった後、モニター
点の温度測定を行なう。続いて、保持装置を回転させ、
機器の定常運転を1時間行なった後、再びモニター点の
温度測定を行なう。最後には、2℃/分でシュラウドと
リングの温度を室温まで上昇させて試験を終了する。こ
の手順を繰り返して、3つの設置方向に関して、機器の
温度測定を行なうと、試験に要する時間は全部で約20
時間である。
【0019】これに対し、回転式の保持機構を有しない
従来の装置で同じ試験を実施したところ、被験体の設置
方向を変更するたびに、真空引き、冷却、常温への昇温
の工程を繰り返す必要があるため、約55時間を要し
た。すなわち、本発明の装置を用いることにより、試験
に必要な時間が半分以下に短縮されることとなった。
【0020】実施の形態2.本実施の形態では、上記実
施の形態1の軸受5、6、7の一部または全てが、例え
ば二硫化タングステンを含む自己潤滑性材料を用いた軸
受を備えている。このような構成の熱真空試験装置によ
れば、高真空環境下であっても軸受部が滑らかに稼働す
るので、軸受の構造が簡単になり、駆動装置も小型のも
のとすることができる。ここでは、自己潤滑性材料の例
として二硫化タングステンを挙げたが、二硫化モリブデ
ン,グラファイト、フッ素系樹脂、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK)などの材料であってもよい。
【0021】実施の形態3.本実施の形態では、上記実
施の形態1の軸受5、6、7の一部または全てが、磁気
軸受となっている。このような構成の熱真空試験装置に
よれば、高真空環境下であっても軸受部が滑らかに稼働
しするので、駆動装置を小型のものとすることができ、
長期間使用しても、軸受部の摩耗が生じることが無い。
【0022】実施の形態4.図3は、この発明の実施の
形態4に係る熱真空試験装置の構成図で、図1と同じ番
号の構成要素は相当部分を示す。16は黒色に塗装され
た板状部材で、17は液体窒素の供給装置、18は電源
である。16の板状部材を、例えば中空として液体窒素
を供給し、板状部材に、例えばヒータを備えて電力を供
給することにより、板状部材の温度は、液体窒素温度か
ら40℃の範囲で温度調整可能となっている。この板状
部材を例えば30℃に保つと、地球表面から衛星への熱
の輻射を模擬することができる。
【0023】上記のような熱真空試験装置では、シュラ
ウドと別に温度調整可能な板状部材を設けたので、例え
ば地球からの熱の輻射を模擬するなどして、より多様な
条件下で熱真空試験を実施することができるようにな
る。
【0024】実施の形態5.図4は、この発明の実施の
形態5に係る熱真空試験装置の構成を示した図で、図1
と同じ番号の構成要素は相当部分を示す。19は擬似太
陽灯、20および21は高真空容器1およびシュラウド
2のそれぞれに設けられた擬似太陽光が透過可能な窓
で、たとえば透明なガラスをはめ込んで作ることができ
る。
【0025】上記のような熱真空試験装置では、被験体
に擬似太陽光を照射可能な擬似太陽灯を備えているの
で、軌道上で太陽光に衛星が曝された状況を想定した熱
真空試験を実施することができる。なお、ここでは、擬
似太陽灯を高真空容器の外部に設置する例を示したが、
シュラウドの内部に設置して、直接被験体に擬似太陽光
を照射してもよい。
【0026】実施の形態6.図5は、実施の形態6に係
る熱真空試験方法を説明するためのフロー図である。2
2は、実施の形態1乃至5のいずれかの熱真空試験装
置、23、24はそれぞれ、高真空容器とシュラウドの
蓋、25は被験体の保持機構、26は被験体である。被
験体は、人工衛星であってもよいし、人工衛星に搭載す
る機器であってもよい。
【0027】(a)において、高真空容器とシュラウドの
蓋を開け、被験体を装置内に導入して保持機構に被験体
を設置する。(b)において、蓋を閉めて装置内部を高真
空にし、熱変化を与え(冷却して)熱真空試験を実施す
る。(c)において、保持機構を回転させて被験体の姿勢
を変更して、再度熱真空試験を実施する。以上のような
熱真空試験方法によれば、高真空容器を開閉して被験体
を装置の外に取り出すことなく被験体の姿勢を変更する
ことができるので、試験を繰り返しても、真空引きや装
置に接続するセンサケーブルなどの再設定の作業が省略
でき、短期間で試験を終了させることができる。
【0028】なお、ここでは、被験体の姿勢を一回だけ
変更する例を示したが、必要に応じて(c)の作業を繰り
返すことで、何回でも姿勢を変更させて試験を行うこと
ができる。
【0029】
【発明の効果】この発明は、以上説明したような構成に
なっているため、以下に記載されるような効果を奏す
る。本発明の衛星用熱真空試験装置は、駆動装置を備
え、温度調整が可能で、互いに回転自由なリング状部材
からなる保持機構を備えているので、高真空容器を開閉
することなく衛星の姿勢を変更しながら正確な試験を実
施することができるので、衛星の熱真空試験を短期間で
正確に行なうことができる。
【0030】上記において、衛星用熱真空試験装置が自
己潤滑性材料を用いた軸受を備えており、高真空環境下
であっても軸受部が滑らかに稼働するので、軸受の構造
が簡単になり、駆動装置も小型のものとすることができ
る。
【0031】上記において、衛星用熱真空試験装置が磁
気軸受を備えており、高真空環境下であっても軸受部が
滑らかに稼働しするので、駆動装置を小型のものとする
ことができ、長期間使用しても、軸受部の摩耗が生じる
ことが無い。
【0032】上記において、シュラウドと別に温度調整
可能な板状部材を設けたので、例えば地球からの熱の輻
射を模擬するなどして、より多様な条件下で熱真空試験
を実施することができる。
【0033】上記において、さらに、被験体に擬似太陽
光を照射可能な擬似太陽灯を備えているので、軌道上で
太陽光に衛星が曝された状況を想定した熱真空試験を実
施することができる。
【0034】本発明の衛星用熱真空試験方法は、上記の
試験装置を用い、高真空容器を開閉して被験体を装置の
外に取り出すことなく被験体の姿勢を変更することがで
きるので、試験を繰り返しても、真空引きや装置に接続
するセンサケーブルなどの再設定の作業が省略でき、短
期間で試験を終了させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係る衛星用熱真空試
験装置の説明図である。
【図2】 本発明の衛星用熱真空試験装置に用いられる
リング状部材の構成となる中空パイプを示す図で、
(a)は斜視図、(b)は断面図である。
【図3】 本発明の実施の形態4に係る衛星用熱真空試
験装置の説明図である。
【図4】 本発明の実施の形態5に係る衛星用熱真空試
験装置の説明図である。
【図5】 本発明の実施の形態6に係る衛星用熱真空試
験方法のフローを示した図である。
【図6】 従来の衛星用熱真空試験装置を説明するため
の図である。
【図7】 従来の別の衛星用熱真空試験装置の構成図で
ある。
【符号の説明】
1 高真空容器、 2 シュラウド、 3 リング状部
材、 4リング状部材、5 軸受、 6 軸受、 7
軸受、 8 柔軟に変形可能なパイプ、9 柔軟に変形
可能な電気線、 10 真空ポンプ、11 液体窒素
供給装置、 12 電源、 13 中空パイプ、14
空洞、 15 ヒータ、 16 板状部材、17 液体
窒素の供給装置、 18 電源、 19 擬似太陽灯、
20 窓、21 窓、 22 熱真空試験装置、 2
3 高真空容器の蓋、24 シュラウドの蓋、 25
保持機構、 26 被験体。
フロントページの続き (72)発明者 尾崎 毅志 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高真空容器、該高真空容器内に設置され
    たヒータおよび冷却装置を備えたシュラウドならびに上
    記高真空容器に接続された真空ポンプを備えた衛星用熱
    真空試験装置において、上記シュラウド内に2つのリン
    グ状部材を組み合わせた被験体の保持機構と、該保持機
    構を回転させるための駆動装置と、上記リング状部材に
    取り付けられた温度調整可能なヒータとが設置され、上
    記リング状部材は黒色に塗装された中空のパイプからな
    り、該中空パイプに液体窒素を供給する機構を設けたこ
    とを特徴とする衛星用熱真空試験装置。
  2. 【請求項2】 駆動装置は軸受部を有し、該軸受部を自
    己潤滑性材料で構成したことを特徴とする請求項1に記
    載の衛星用熱真空試験装置。
  3. 【請求項3】 駆動装置は軸受部を有し、該軸受部に磁
    気軸受を用いたことを特徴とする請求項1に記載の衛星
    用熱真空試験装置。
  4. 【請求項4】 シュラウド内部の空間に、液体窒素温度
    (-198℃)から40℃までの範囲で温度調整され、黒色に
    塗装された板状部材を備えたことを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の衛星用熱真空試験装置。
  5. 【請求項5】 熱真空試験の被験体に、擬似太陽光を照
    射することが可能な擬似太陽灯を備えたことを特徴とす
    る請求項1乃至4のいずれかに記載の衛星用衛星用熱真
    空試験装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5のいずれかの衛星用熱真
    空試験装置を用いて行う衛星用熱真空試験方法であっ
    て、真空容器内に被験体を導入し、保持機構に設置する
    工程、上記真空容器を真空排気するとともに被験体に温
    度変化を与える工程及び駆動装置により上記保持機構を
    回転させて被験体の姿勢を変更する工程とを備えた衛星
    用熱真空試験方法。
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