JP2003275502A - 油移送装置 - Google Patents
油移送装置Info
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Abstract
的に分離して移送する油移送装置を提供する。 【解決手段】 油輸送装置1は、水と混在している高粘
度油を貯留する一次タンク3と、一次タンク3の上澄み
部を送出する往き配管7と、往き配管7の先につながる
二次タンク5と、二次タンク7から一次タンク3に戻る
配管9を有する。一次タンク3には、低粘度の作動油が
収容されている作動油タンク13から、配管9を通して
作動油が送られる。一次タンク3に貯留された高粘度油
と水の混合液体に作動油を溶かし込むと、高粘度油の粘
度が下がり、液体成分(低粘度油)と固体成分からなる
油層21が形成される。この油層21を配管7を通して
二次タンク5に移送し、その後廃棄処理する。
Description
を移送する装置に関し、特には、海上に流出した油を回
収した水と油の混合液体から油を分離して移送する装置
に関する。 【0002】 【従来の技術】海上や海岸に流出した原油や重油等の油
は、流出油回収船やバキュームポンプさらに人手で回収
される。回収された油には水が混在している。そしてこ
の回収液体から油を分離して、燃焼等の廃棄処理を行っ
ている。通常、油は、回収液体からポンプで汲み上げら
れて分離されている。 【0003】回収液体は水と油の混在した液体であり、
この状態のまま長時間放置すると、油に含まれる揮発成
分が揮発し、また油が水と混合して乳化し、粘度が高く
なる。さらに反応が進むと固体状となる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】固体成分は、一般に
は、ひしゃくや網ですくい取って除去している。一方、
油の液体成分をポンプで吸引して回収する場合、この液
体成分は高粘度であるため、ポンプや配管が詰まること
がある。この作業は、回収された液体が収容されたタン
クと、分離された油を収容するタンクとが離れており、
両者が長い配管で接続された状態で行われることが多
い。例えば、回収された液体が収容されたタンクが船上
に位置し、分離した油の収容タンクが陸上に位置する場
合などである。このように、長い配管を通して高粘度の
油を移送させると、ポンプの負荷が大きく、配管が詰ま
るおそれが高い。このため、回収液体を加熱して粘度を
下げる作業が行われることもある。 【0005】また、油とともに水を意識的に配管に吸込
み、配管の内壁に水の膜を作って、油を流しやすくする
場合もある。この方法では、最終的に回収された油には
水が混じっており、燃焼等の処理に、より多くのエネル
ギが必要になる。 【0006】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、回収された水油混合液体から高粘度油を安
定的に分離して移送する油移送装置を提供することを目
的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の油輸送装置は、 水と混在している高粘度
油を貯留する一次タンクと、 該一次タンクの上澄み部
を送出するための移送配管と、 該移送配管の先につな
がる二次タンクと、 前記一次タンクに前記高粘度油を
溶かし込む低粘度の作動油を注入する手段と、 前記二
次タンクから前記一次タンクに前記作動油を戻す配管
と、を具備することを特徴とする。 【0008】一次タンクに貯留された高粘度油と水の混
合液体に低粘度油を注入すると、高粘度油が低粘度油に
溶け込むことにより粘度が下がり、油層と水層の二層が
形成される。これにより、混在した液体が水と油が分離
する。なお、油層には液体成分(低粘度油)と固体成分
が含まれる。そして、この油層(液体成分と固体成分を
含む)を配管を通して二次タンクに移送する。このと
き、液体成分は粘度が低くなっているため、ポンプに大
きな負荷がかかったり、配管が詰まることなく移送でき
る。さらに、二次タンク内の低粘度の液体成分は一次タ
ンクに戻されて、再度、高粘度油の低粘度化に使用され
る。このような作業により、回収された水油混合液体か
ら油を分離してスムーズに移送できる油移送装置を提供
できる。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ説明す
る。図1は、本発明の実施の形態に係る油移送装置の構
成を模式的に示す図である。この油移送装置1は、一次
タンク3と、二次タンク5と、一次タンク3から二次タ
ンク5へつながる往き配管7とを備える。さらに、二次
タンク5から一次タンク3につながる作動油戻り配管9
と、この戻り配管9に弁11を介して接続する作動油タ
ンク13とを備える。作動油タンク13には、灯油等の
低粘度の液体が収容されている。往き配管7の一次タン
ク3側には、二次タンク5方向へ循環させるポンプ15
が備えられている。また、戻り配管9の、作動油タンク
13の下流には、一次タンク3方向へ循環させるポンプ
17が備えられている。一次タンク3の下部は、流出油
回収船等の回収装置19と接続しており、回収装置19
で回収された液体が貯留される。 【0010】回収装置19と一次タンク3は海上に設置
され、二次タンク5は船上又は陸上に設けられる場合が
多い。例えば、配管5、7の長さは、一例で、船内移送
の場合は数m、海上から船上へ移送する場合は10〜5
0m、海上から陸上、又は、陸上から陸上へ移送する場
合は30〜100m程度である。 【0011】一次タンク3に貯留された液体は水と油が
混在したもので、油が固体化した固体成分も含まれる。
一次タンク3には、作動油が作動油タンク13から戻り
配管9を通って注入される。一次タンク3に作動油が注
入されると、水油混合液体中の高粘度油は作動油に溶か
し込まれ、その粘度が低下する。これにより、一次タン
ク3内は、上層の油層21と、下層の水層23に分離す
る。なお、油層21には、低粘度油と、固形化した固体
成分が含まれる。なお、作動油としては他に軽油を使用
できる。防災・防爆の観点から、作動油は高引火点であ
ることが好ましい。 【0012】往き配管7は、一次タンク3の上部(油層
21の部分)に接続している。往き配管7のポンプ15
を作動させると、往き配管7から油層21が吸引され
て、二次タンク5に移送される。油層21は上述のよう
に、固体成分を含む低粘度油からなり、往き配管7内を
スムーズに流れる。このため、ポンプ15の負荷も大き
くなく、配管の詰まりも生じない。なお、ポンプ15
は、二次タンク5側に設けられてもよく、吸引型、排気
型のいずれでもよい。 【0013】二次タンク5の構成を説明する。二次タン
ク5内には、エンドレスベルト式のネット25が、同タ
ンク5の側面を斜めに分割するように配置されている。
ネット25は、二次タンク外に配置された駆動ローラ2
7と、同タンク内に配置された回転ローラ29との間に
巻き回されている。駆動ローラ27は、ネット25の上
面が上方向に移動するように回転する。往き配管7は、
二次タンク5のネット25で分割された一方(ネット上
方の部分)に接続している。そして戻り配管9は、同タ
ンクのネット25で分割された他方(ネット下方の部
分)に接続している。戻り配管9の口にはフィルタ31
が設置されている。さらに、同タンク5のネット25で
分割された他方(ネット下方の部分)には、弁33を介
して三次タンク35が接続している。 【0014】二次タンク外の駆動ローラ27の近傍に
は、固形物回収容器37が取り付けられている。固形物
回収容器37はスクレーパ39を有し、スクレーパ39
の先端がネット25に接するように配置されている。 【0015】二次タンク5においては、往き配管7か
ら、低粘度油と固体成分からなる油が、ネット上方の部
分へ注入される。注入された油の内、固体成分及び極め
て粘度の高い部分はネット25の上面に捕らえられる。
ネット25は上面が上方向に移動するように回転してい
るため、ネット25上に捕らえられた固体成分はネット
25の移動により固形物回収容器37まで移動する。そ
して同容器のスクレーパ39でかき取られ、容器内に回
収される。 【0016】二次タンク5が所定の容量に達すると、三
次タンク35の弁33を開けて、二次タンク5内の低粘
度油を三次タンク35に収容する。三次タンク35に収
容された低粘度油は、作動油と高粘度油の混合物であ
り、最終的には燃焼させて処理される。なお、回収され
た固体成分も燃焼させて処理される。 【0017】戻り配管9は、二次タンク5と、一次タン
ク3の上部(油層の部分)とを接続している。戻り配管
9に備えられたポンプ17を作動させると、二次タンク
5内のネット25下方の部分に収容されている低粘度油
は、戻り配管9を通って一次タンク3の油層21に送ら
れる。このとき、戻り配管7の口にはフィルタが31設
けられているため、ネット25を通過した細かい固体成
分を除去することができる。 【0018】一次タンク3の油層21に送られた低粘度
油は、回収液体の高粘度の油を低粘度化させ、上述の動
作が繰り返される。このとき、低粘度油は、作動油より
粘度が高いものである。このような作業が繰り返される
と、低粘度油の粘度は徐々に高くなり、高粘度油が十分
に低粘度化されなくなる。同時に、低粘度油は定期的に
二次タンク5から三次タンク35に回収される。そこ
で、この低粘度油の粘度が所定以上となったり、系中の
低粘度油の量が所定以下となると、作動油タンク13の
弁11を開いて、所定量の作動油を新たに戻り配管9に
注入する。また、定期的に系中の低粘度油を全て三次タ
ンク35に排出して、新たに作動油を注入してもよい。 【0019】なお、一次タンク3の下層の水層23の量
も、回収装置19から回収液体が送られる度に増加す
る。そこで、水の量が所定以上となると、配管(図示さ
れず)から水を排出する。 【0020】 【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、高粘度の油に低粘度の作動油を溶かし込ませ
て低粘度化することにより、回収液体から油を分離して
移送する油移送装置を提供する。この装置よれば、ポン
プの負荷が大きくなったり、配管の詰まりが生じること
なく、スムーズに高粘度油を移送できる。
模式的に示す図である。 【符号の説明】 1 油移送装置 3 一次タンク 5 二次タンク 7 往き配管 9 作動油戻り配管 11 弁 13 作動油タンク 15 ポンプ 17 ポンプ 19 回収装置 21 油層 23 水層 25 ネット 27 駆動ローラ 29 回転ローラ 31 フィルタ 33 弁 35 三次タンク 37 固形物回収容器 39 スクレーパ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 水と混在している高粘度油を貯留する一
次タンクと、 該一次タンクの上澄み部を送出するための移送配管と、 該移送配管の先につながる二次タンクと、 前記一次タンクに、前記高粘度油を溶かし込む低粘度の
作動油を注入する手段と、 前記二次タンクから前記一次タンクに前記作動油を戻す
配管と、を具備することを特徴とする油移送装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002085173A JP3924608B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 油移送装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002085173A JP3924608B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 油移送装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003275502A true JP2003275502A (ja) | 2003-09-30 |
JP3924608B2 JP3924608B2 (ja) | 2007-06-06 |
Family
ID=29207117
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002085173A Expired - Lifetime JP3924608B2 (ja) | 2002-03-26 | 2002-03-26 | 油移送装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3924608B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007523796A (ja) * | 2004-02-25 | 2007-08-23 | コリア オーシャン リサーチ アンド デベロップメント インスティチュート | 沈没船の液体物質遠隔回収装置及び回収方法 |
JP2007229685A (ja) * | 2006-03-03 | 2007-09-13 | National Maritime Research Institute | 高粘性油回収装置 |
KR102344641B1 (ko) * | 2020-07-30 | 2021-12-29 | 주식회사 자연바이오 | 오존수를 이용한 오존화 오일 제조 장치 및 방법 |
-
2002
- 2002-03-26 JP JP2002085173A patent/JP3924608B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007523796A (ja) * | 2004-02-25 | 2007-08-23 | コリア オーシャン リサーチ アンド デベロップメント インスティチュート | 沈没船の液体物質遠隔回収装置及び回収方法 |
JP4685088B2 (ja) * | 2004-02-25 | 2011-05-18 | コリア オーシャン リサーチ アンド デベロップメント インスティチュート | 沈没船の液体物質遠隔回収装置及び回収方法 |
JP2007229685A (ja) * | 2006-03-03 | 2007-09-13 | National Maritime Research Institute | 高粘性油回収装置 |
JP4654331B2 (ja) * | 2006-03-03 | 2011-03-16 | 独立行政法人海上技術安全研究所 | 高粘性油回収装置 |
KR102344641B1 (ko) * | 2020-07-30 | 2021-12-29 | 주식회사 자연바이오 | 오존수를 이용한 오존화 오일 제조 장치 및 방법 |
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JP3924608B2 (ja) | 2007-06-06 |
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