JP2003247175A - 店舗用床フィルム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、床面の衛生保持作業を短時間
で、且つ、低費用で行うことができ、さらに、店舗内の
大きな表面積を占める床面を、店舗の特定雰囲気の醸成
や変更、さらに広告に使用することができる、店舗用床
面保護シートを提供することにある。 【解決手段】本発明の店舗用床面保護フィルムは、張替
え可能な店舗用床フィルムであって、可撓性を有する樹
脂製のベースフィルムと、ベースフィルムの裏面に形成
される、床面に貼着する接地層と、を有し、この店舗用
床フィルムの表面の色または図柄が異なる複数種類を用
意して、それら複数種類から選択されて使用する店舗用
床フィルムとして、上記課題を解決している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンビニエンスス
トアやスーパーマーケット等の店舗の床面に展開される
使い捨ての床フィルムであって、これを定期的に張替え
ることにより、店舗の床面清掃を不要にする店舗用床フ
ィルムに関する。

【０００２】

【従来例】コンビニエンスストアやスーパーマーケット
等の店舗では、多くの場合、床がタイル面となってお
り、床面の清掃は所定期間毎に行われる。床面の清掃
は、専門の清掃作業会社によって請け負われ、２４時間
営業の店舗などでは、通常、来店者の少なくなる深夜時
間帯に、２時間から３時間かけて床面の洗浄、ワックス
がけなどを行い、床面の衛生状態を確保している。

【０００３】また、店舗の入り口にダストマットを配置
し、来店する顧客の靴裏の汚れを取り去って、店舗の床
面を汚れにくくするという方法も広く行われている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
従来の清掃方法では、営業中に長時間の清掃をしなけれ
ばならない、さらに、費用が大きく営業を行う上で負担
が大きいという問題点があった。また、ダストマット方
式では、集塵効果は充分ではなく、それのみでは床面の
衛生状態の保持を行えない、という問題点もあった。

【０００５】また、顧客の視野から見て、床面は店舗内
で大きな面積を占めるにも係わらず、その有効利用が行
われていない。例えば、特開2000-276087号に開示され
るような、床面にシート状の広告媒体を配置して、床面
を広告表示場所として利用する広告方法が提案されてい
るが、かかる広告方法はポイント表示に過ぎず、床面全
体を店舗内の雰囲気醸成や全体広告に使用するという思
想は存在しない。

【０００６】そこで、本発明の目的は、床面の衛生保持
作業を短時間で、且つ、低費用で行うことができ、さら
に、店舗内の大きな表面積を占める床面を、店舗の特定
雰囲気の醸成や変更、さらに広告に使用することができ
る、店舗用床面保護シートを提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明の店舗用床面保護
フィルムは、張替え可能な店舗用床フィルムであって、
可撓性を有する樹脂製のベースフィルムと、ベースフィ
ルムの裏面に形成される、床面に貼着する接地層と、を
有し、この店舗用床フィルムの表面の色または図柄が異
なる複数種類を用意して、それら複数種類から選択され
て使用する店舗用床フィルムとして、上記課題を解決し
ている。

【０００８】また、上記店舗用床フィルムは、ベースフ
ィルムは防虫剤、防カビ剤、消臭剤を含有し、または前
記ベースフィルム表面に防虫剤、防カビ剤、消臭剤を含
有した機能層を積層する構造としてもよい。

【０００９】さらに、上記店舗用床フィルムは、ベース
フィルムまたは機能層の表面側に印刷層を積層し、さら
に印刷層の表面側に透明な保護層を成形してもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図１及び図２
を用いて説明する。図１(a) は本実施形態に係る店舗用
床フィルムの断面図であり、同図(b) は同店舗用床フィ
ルムを巻回したロールの斜視図、図２は同店舗用床フィ
ルムの床面への展開作業の説明図である。

【００１１】図１(a) に示すように、店舗用床フィルム
１は、使い捨ての薄型のフィルムであって、ベースフィ
ルム２を中心に、その裏面側（床面側）に接地層３、そ
の表面側に機能層及び保護層となる透明なラミネート層
４、さらにベースフィルム２とラミネート層４との間に
印刷層５を形成している。なお、同図に示す各層の比率
は、実際製品の各層の厚さを反映するものではない。

【００１２】ベースフィルム２は、材質としてＰＳ（ポ
リスチレン）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＥＴ、ＰＥ
（ポリエチレン）、塩化ビニル等の合成樹脂、またはこ
れらの混合材料により成形された可撓性を有するシート
である。

【００１３】接地層３は、店舗用床フィルム１を店舗の
床面に貼着するためのフィルムであって、エチレンエチ
ルアクリレート等の低粘着性の一般的な接着性樹脂によ
り形成されている。この接地層３は、剥した際、接着剤
等の一部が床面に残留することなく、最低でも店舗用床
シート１上を人が歩いた際、これが床面に対してずれな
い程度の粘着性を有すればよい。なお、この接地層３と
して、接着性樹脂以外にも、例えば柔軟性を有する樹脂
であって表面に微細孔が形成され、これが床面に対して
吸着性能を有するような、表面微細多孔性フィルム等も
用いることができる。

【００１４】ラミネート層４は、機能層および保護層と
しての役割を有し、ＰＳ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＰＥ、塩化ビ
ニル等の合成樹脂で成形された透明の樹脂層であって、
樹脂内に有機燐剤系の殺虫剤、ＴＢＺ・プレベントール
Ａ−３，Ａ−４等の防カビ剤、さらに、天然ポリフェノ
ール成分等の消臭剤を適宜選択して樹脂内に混合してい
る。なお、これらの薬剤は、ベースフィルム２に混在さ
せる、ラミネート層４を保護層のみとする構成を採って
も良い。

【００１５】なお、ラミネート層４の表面には、雨天時
の店内での転倒事故を防止するため、すべり止め機能を
持たせるように微細なエンボス加工等を施して、摩擦係
数を高めることが望ましい。

【００１６】印刷層５は、ベースフィルム２上に直接、
プラスチック印刷塗料をもって印刷され、または印刷フ
ィルムを貼着したりして形成される。この印刷は、例え
ば、木目模様や幾何学模様、または、特定会社や特定商
品の文字や図柄であって、適宜選択される。この印刷層
５を異ならせることにより、店舗用床フィルムは複数種
類が用意される。これらベースフィルム２表面の色、及
び印刷層５の文字や図柄は、透明なラミネート層４を通
して、店舗用床フィルム１の表面に現れ、これが同フィ
ルム１の色及び模様となる。

【００１７】なお、本発明に関する店舗用床フィルム
は、必ずしも印刷層５を有する必要はなく、ベースフィ
ルム２やラミネート層５を特定の多様な色の樹脂で成形
することによって多種類の店舗用床フィルム１を用意す
ることができる。

【００１８】以上のように形成された店舗用床フィルム
１は、図１(b) に示すように、ロール芯10に巻回され
て、ロールＲとして保持される。

【００１９】次に、店舗用床フィルム１の使用方法の一
例を説明する。まず、図２に示すように、ロールＲを店
舗内に持ち込み、これを作業員Ｗが、陳列棚Ｓに隣接し
た通路に沿って転がしてカットすることで、店舗用床フ
ィルム１を床Ｆ上に展開していく。この場合、各店舗に
より通路幅の寸法は多様であるが、ベースフィルム１の
厚さを薄くした場合は、つまづきなどの原因となる段差
が生じないため、一部重なった状態で展開されても問題
はない。

【００２０】なお、もちろん、店舗用床フィルム１の貼
着作業は、展開する床の寸法を測ったうえで、ロールＲ
から所定寸法の切出片を切出して、これを貼着する方法
でもよい。この場合、作業車にロールＲとともに切断装
置を載せて、作業現場で逐次、切出し作業を行って、貼
着作業を行えばよい。

【００２１】この場合、床面に展開される店舗用フィル
ム１は、例えば、夏期は清涼感のある青系の色や図柄を
有するフィルム、冬期は赤やオレンジといった暖色系の
色や図柄を有するフィルム、さらに、コンビニのキャン
ペーン中は特定企業や特定商品の広告文字や広告絵柄を
有するフィルムといったように適宜選択される。また、
郊外で野外に虫の多い店舗には防虫機能を有するフィル
ム、店内で鮮魚や精肉を扱う店舗には消臭機能を有する
フィルム、といったように機能に基づいて適宜選択され
る。このように、店舗用床フィルム１を表面の色や絵
柄、さらに機能を異ならせて複数種類用意することで、
季節やキャンペーン、または、店舗の立地等に合わせて
それぞれの店舗に対して適当な店舗用床フィルムを提供
することができる。

【００２２】そして、上記店舗用床フィルム１は、所定
期間のサイクル、例えば月１回のサイクルで、張替え作
業を行い、既設の床フィルム１は破棄する。このため、
所定期間で常に新しい床表面にすることができ、大規模
な床面の清掃作業を行わなくとも、店舗内の衛生状態を
保つことができる。なお、上記した通り、張替え時に
は、季節等に応じた店舗用床フィルム１を選択すること
により、店舗内の雰囲気または広告を変更することがで
きる。

【００２３】本発明に係る店舗用床フィルムの、他の実
施形態例の断面図を図３に示す。同図に示される店舗用
床フィルム11は、上記した実施形態と同様に、ベースフ
ィルム12、接地層13、さらにラミネート層14を有してい
る。そして、この床フィルム11では、ラミネート層14と
は別に、上記の防虫剤、防カビ剤、消臭剤等を合成樹脂
内に添加した機能層としての薬剤層16をベースフィルム
12上に形成している。

【００２４】そして、さらに薬剤層16とラミネート層14
との間に、ポリウレタンなどの弾性層17を積層し、ラミ
ネート層14及び弾性層17に薬剤層16まで貫通するような
多数の微細孔18を形成している。

【００２５】かかる構造により、同店舗用床フィルム11
を床面に展開した場合、来店者がこれを踏むことで、弾
性層17が圧縮され、微細孔17がポンプの役割をして、薬
剤層16に含有される薬剤を微細孔17を通して効率良く発
散し、または、臭気を吸収することができる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の店舗用床
フィルムによっては、これを定期的に張替えることで、
コンビニエンスストアやスーパーマーケット等の床面の
清掃作業を短時間で、且つ、低費用で行うことができ
る。そして、店舗用床フィルム表面に現れる色や図柄を
複数種類用意してこれを選択することで、店舗内の大き
な表面積を占める床面を、店舗の特定雰囲気の醸成や変
更、さらに広告に使用することができる。

【００２７】また、ベースフィルムが防虫剤、防カビ
剤、消臭剤等を含有し、または前記ベースフィルム表面
に防虫剤、防カビ剤、消臭剤を含有した機能層を積層す
ることにより、さらに複合的な機能を有する店舗用床フ
ィルムとすることができる。

【００２８】さらに、ベースフィルムまたは機能層の表
面側に印刷層を積層し、さらに印刷層の表面側に透明な
保護層を成形した店舗用床フィルムによれば、印刷層が
傷ついたり、かすれることを防止することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施形態に係る店舗用床フィルムの説
明図である。

【図２】同店舗用床フィルムの床面への展開作業の説明
図である。

【図３】本発明の他の実施形態に係る店舗用床フィルム
の説明図である。

【符号の説明】

１、11 … 店舗用床フィルム ２、12 … ベースフィルム ３、13 … 接地層 ４、14 … ラミネート層（機能層） ５ … 印刷層 16 … 薬剤層（機能層） 17 … 弾性層

フロントページの続き Ｆターム(参考） 2E220 AA13 AA15 AA16 AA33 AA45 AA53 AB10 AC01 BA01 BA16 BB02 BB04 BB12 DA02 DB02 EA02 EA03 FA11 GA06X GA22X GA24X GB32X GB33X GB34X 4F055 AA12 BA19 CA13 DA02 DA12 FA05 FA06 FA08 FA11 FA24 FA39 4F100 AK01B AK04B AK07B AK12B AK15B AK42B AR00C AR00D AT00A BA04 BA07 BA10A BA10B BA10D CA12B EJ91D GB07 HB00C HB31C JL05

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】床面を保護する、張替え可能な店舗用床フ
   ィルムであって、 可撓性を有する樹脂製のベースフィルムと、 該ベースフィルムの裏面に形成される、床面に貼着する
   接地層と、を有し、 前記店舗用床フィルムは、その色、図柄または機能が異
   なる複数種類が用意され、それら複数種類から選択され
   て店舗の床面に展開可能な店舗用床フィルム。
2. 【請求項２】請求項１記載の店舗用床フィルムであっ
   て、 前記ベースフィルムは防虫剤、防カビ剤、消臭剤等を含
   有し、または前記ベースフィルム表面に防虫剤、防カビ
   剤、消臭剤を含有した機能層を積層した店舗用床フィル
   ム。
3. 【請求項３】請求項１又は請求項２記載の店舗用床フィ
   ルムであって、 前記ベースフィルムまたは機能層の表面側に印刷層を積
   層し、さらに印刷層の表面側に透明な保護層を成形した
   店舗用床フィルム。