JP2003238133A - 炭素質材料、水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方法 - Google Patents
炭素質材料、水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 常圧下においても大量の水素を吸蔵させるこ
とができ、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料を
提供する。 【解決手段】 共役系筒状炭素材料1に原子または原子
団Aを導入して炭素質材料とする。原子または原子団A
として、この原子または原子団Aが導入された共役系筒
状炭素材料1の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシ
ャルが、この原子または原子団Aが導入されていない共
役系筒状炭素材料1の近傍に存在する、その水素分子と
位置的に等価関係にある水素分子の化学ポテンシャルよ
り低くなるような原子または原子団Aを用いる。この原
子または原子団Aはたとえばフッ素である。
とができ、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料を
提供する。 【解決手段】 共役系筒状炭素材料1に原子または原子
団Aを導入して炭素質材料とする。原子または原子団A
として、この原子または原子団Aが導入された共役系筒
状炭素材料1の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシ
ャルが、この原子または原子団Aが導入されていない共
役系筒状炭素材料1の近傍に存在する、その水素分子と
位置的に等価関係にある水素分子の化学ポテンシャルよ
り低くなるような原子または原子団Aを用いる。この原
子または原子団Aはたとえばフッ素である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炭素質材料、水
素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方
法に関し、特に、水素エネルギーを用いたエネルギーシ
ステムに適用して好適なものである。
素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方
法に関し、特に、水素エネルギーを用いたエネルギーシ
ステムに適用して好適なものである。
【0002】
【従来の技術】産業革命以後、自動車などのエネルギー
源としてはもちろん、電力製造などのエネルギー源とし
て、ガソリン、軽油などの化石燃料が広く用いられてき
た。この化石燃料の利用によって、人類は飛躍的な生活
水準の向上や産業の発展などの利益を享受することがで
きたが、その反面、地球は深刻な環境破壊の脅威にさら
され、さらに、化石燃料の枯渇の虞が生じてその長期的
な安定供給に疑問が投げかけられる事態となりつつあ
る。
源としてはもちろん、電力製造などのエネルギー源とし
て、ガソリン、軽油などの化石燃料が広く用いられてき
た。この化石燃料の利用によって、人類は飛躍的な生活
水準の向上や産業の発展などの利益を享受することがで
きたが、その反面、地球は深刻な環境破壊の脅威にさら
され、さらに、化石燃料の枯渇の虞が生じてその長期的
な安定供給に疑問が投げかけられる事態となりつつあ
る。
【0003】そこで、水素は、水に含まれ、地球上に無
尽蔵に存在している上、物質量あたりに含まれる化学エ
ネルギー量が大きく、また、エネルギー源として使用す
るときに、有害物質や地球温暖化ガスなどを放出しない
などの理由から、化石燃料に代わるクリーンで、かつ、
無尽蔵なエネルギー源として、近年、大きな注目を集め
るようになっている。
尽蔵に存在している上、物質量あたりに含まれる化学エ
ネルギー量が大きく、また、エネルギー源として使用す
るときに、有害物質や地球温暖化ガスなどを放出しない
などの理由から、化石燃料に代わるクリーンで、かつ、
無尽蔵なエネルギー源として、近年、大きな注目を集め
るようになっている。
【0004】ことに、近年は、水素エネルギーから電気
エネルギーを取り出すことができる燃料電池の研究開発
が盛んに行われており、大規模発電から、オンサイトな
自家発電、さらには、自動車用電源としての応用が期待
されている。
エネルギーを取り出すことができる燃料電池の研究開発
が盛んに行われており、大規模発電から、オンサイトな
自家発電、さらには、自動車用電源としての応用が期待
されている。
【0005】しかしながら、水素は、常温常圧において
気体状態にあるため、液体や固体と比べて取り扱いが難
しく、ことに、液体や固体と比べて気体の密度は非常に
小さいため、体積あたりの化学エネルギーが小さく、ま
た、貯蔵や運搬が困難であるという問題がある。さら
に、気体であるため、水素は漏洩しやすく、漏洩すると
爆発の危険があるという問題もあり、水素エネルギーの
活用上、大きな障害となっていた。
気体状態にあるため、液体や固体と比べて取り扱いが難
しく、ことに、液体や固体と比べて気体の密度は非常に
小さいため、体積あたりの化学エネルギーが小さく、ま
た、貯蔵や運搬が困難であるという問題がある。さら
に、気体であるため、水素は漏洩しやすく、漏洩すると
爆発の危険があるという問題もあり、水素エネルギーの
活用上、大きな障害となっていた。
【0006】したがって、水素エネルギーを用いたエネ
ルギーシステムの実用化に向けて、気体状態にある水素
を効率的かつ安全に小体積内に貯蔵する技術の開発が進
められており、高圧ガスとして貯蔵する方法、液化水素
として貯蔵する方法、水素吸蔵材料を用いる方法などが
提案されている。
ルギーシステムの実用化に向けて、気体状態にある水素
を効率的かつ安全に小体積内に貯蔵する技術の開発が進
められており、高圧ガスとして貯蔵する方法、液化水素
として貯蔵する方法、水素吸蔵材料を用いる方法などが
提案されている。
【0007】しかしながら、高圧ガスとして貯蔵する方
法にあっては、貯蔵容器として、ボンベのような非常に
強固な金属製の耐圧容器を用いる必要があるため、容器
自体がきわめて重くなり、また、高圧ガスの密度も、通
常12mg/cc程度であって、水素の貯蔵密度が非常
に小さく、貯蔵効率が低いという問題があるだけでな
く、高圧であるため、安全面にも問題を有していた。
法にあっては、貯蔵容器として、ボンベのような非常に
強固な金属製の耐圧容器を用いる必要があるため、容器
自体がきわめて重くなり、また、高圧ガスの密度も、通
常12mg/cc程度であって、水素の貯蔵密度が非常
に小さく、貯蔵効率が低いという問題があるだけでな
く、高圧であるため、安全面にも問題を有していた。
【0008】これに対して、液化水素として貯蔵する方
法においては、水素の貯蔵密度は、通常70mg/cc
程度であって、水素の貯蔵密度はかなり大きいが、水素
を液化するため、水素を−250℃以下に冷却すること
が必要になり、冷却装置などの付加的な装置が要求さ
れ、システムが複雑になるだけでなく、冷却のためのエ
ネルギーが必要になるという問題があった。
法においては、水素の貯蔵密度は、通常70mg/cc
程度であって、水素の貯蔵密度はかなり大きいが、水素
を液化するため、水素を−250℃以下に冷却すること
が必要になり、冷却装置などの付加的な装置が要求さ
れ、システムが複雑になるだけでなく、冷却のためのエ
ネルギーが必要になるという問題があった。
【0009】一方、水素吸蔵材料の中では、水素吸蔵合
金が最も有効な材料とされ、たとえば、ランタンニッケ
ル系、バナジウム系、マグネシウム系の水素吸蔵合金が
知られているが、これらの水素吸蔵合金の実用的な水素
貯蔵密度は、通常100mg/cc前後であり、他の物
質中に水素を貯蔵するにもかかわらず、液体水素の密度
以上で、従来の水素貯蔵方法の中では最も効率的であ
る。しかも、水素吸蔵合金を用いる場合には、室温レベ
ルの温度で、水素吸蔵合金へ水素を吸蔵させ、水素吸蔵
合金から水素を放出させることができ、さらには、水素
分圧との平衡で水素の吸蔵状態が制御されるため、高圧
ガスや液体水素に比して取り扱いが容易であるという利
点もある。
金が最も有効な材料とされ、たとえば、ランタンニッケ
ル系、バナジウム系、マグネシウム系の水素吸蔵合金が
知られているが、これらの水素吸蔵合金の実用的な水素
貯蔵密度は、通常100mg/cc前後であり、他の物
質中に水素を貯蔵するにもかかわらず、液体水素の密度
以上で、従来の水素貯蔵方法の中では最も効率的であ
る。しかも、水素吸蔵合金を用いる場合には、室温レベ
ルの温度で、水素吸蔵合金へ水素を吸蔵させ、水素吸蔵
合金から水素を放出させることができ、さらには、水素
分圧との平衡で水素の吸蔵状態が制御されるため、高圧
ガスや液体水素に比して取り扱いが容易であるという利
点もある。
【0010】しかしながら、水素吸蔵合金は、構成材料
が金属合金であるため重く、単位重量あたりの水素吸蔵
量は20mg/g程度にとどまり、十分とは言えず、ま
た、水素吸蔵合金は、水素ガスの吸蔵、放出の繰り返し
によって、徐々に構造が破壊され、性能が劣化するとい
う問題があり、さらに、合金の組成によっては、資源的
な問題や環境的な問題も生じる虞がある。
が金属合金であるため重く、単位重量あたりの水素吸蔵
量は20mg/g程度にとどまり、十分とは言えず、ま
た、水素吸蔵合金は、水素ガスの吸蔵、放出の繰り返し
によって、徐々に構造が破壊され、性能が劣化するとい
う問題があり、さらに、合金の組成によっては、資源的
な問題や環境的な問題も生じる虞がある。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】そこで、従来の水素の
貯蔵方法のかかる問題を解決するため、近年、水素吸蔵
材料として炭素材料に注目が集まっており、種々の角度
からの研究がなされている。
貯蔵方法のかかる問題を解決するため、近年、水素吸蔵
材料として炭素材料に注目が集まっており、種々の角度
からの研究がなされている。
【0012】たとえば、特開平5−270801号公報
は、フラーレン類に水素を付加反応させ、水素を吸蔵さ
せる方法を提案している。しかしながら、この方法にあ
っては、炭素原子と水素原子との間に、共有結合的な化
学結合が形成されてしまうため、吸蔵というよりは水素
付加と呼ぶべきもので、化学結合によって付加すること
のできる水素量の上限は、基本的に、炭素原子の不飽和
結合数に限定されるので、水素の吸蔵量には限界があっ
た。
は、フラーレン類に水素を付加反応させ、水素を吸蔵さ
せる方法を提案している。しかしながら、この方法にあ
っては、炭素原子と水素原子との間に、共有結合的な化
学結合が形成されてしまうため、吸蔵というよりは水素
付加と呼ぶべきもので、化学結合によって付加すること
のできる水素量の上限は、基本的に、炭素原子の不飽和
結合数に限定されるので、水素の吸蔵量には限界があっ
た。
【0013】また、特開平10−72291号公報は、
フラーレン類を水素吸蔵材料として用い、フラーレン類
の表面を、真空蒸着やスパッタリングによって、白金な
どの触媒金属で覆い、水素を吸蔵させる技術を提案して
いる。しかしながら、白金を触媒金属として用いてフラ
ーレン類の表面を覆うためには、多くの白金を使用する
必要があり、コストが高くなるだけでなく、資源的にも
問題があった。
フラーレン類を水素吸蔵材料として用い、フラーレン類
の表面を、真空蒸着やスパッタリングによって、白金な
どの触媒金属で覆い、水素を吸蔵させる技術を提案して
いる。しかしながら、白金を触媒金属として用いてフラ
ーレン類の表面を覆うためには、多くの白金を使用する
必要があり、コストが高くなるだけでなく、資源的にも
問題があった。
【0014】一方、炭素の同素体で、単層グラファイト
であるグラフェンを丸めた円筒状の材料で、直径が約
0.5nmないし10nmで、長さが約数μm程度の微
細な材料であるカーボンナノチューブ(carbon nanotub
e) も水素吸蔵材料として注目を集めているが、低温か
つ加圧下で水素を吸蔵させることが必要で、常圧下で大
量の水素を吸蔵させることのできる炭素質材料、それを
用いた水素吸蔵体の開発が望まれていた。
であるグラフェンを丸めた円筒状の材料で、直径が約
0.5nmないし10nmで、長さが約数μm程度の微
細な材料であるカーボンナノチューブ(carbon nanotub
e) も水素吸蔵材料として注目を集めているが、低温か
つ加圧下で水素を吸蔵させることが必要で、常圧下で大
量の水素を吸蔵させることのできる炭素質材料、それを
用いた水素吸蔵体の開発が望まれていた。
【0015】したがって、この発明が解決しようとする
課題は、常圧下においても大量の水素を吸蔵させること
ができ、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料、こ
の炭素質材料を用いた水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃
料電池および水素吸蔵方法を提供することにある。
課題は、常圧下においても大量の水素を吸蔵させること
ができ、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料、こ
の炭素質材料を用いた水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃
料電池および水素吸蔵方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明の第1の発明は、共役系筒状炭素材料と、
前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、前記原子または原子団は、前記原子または原
子団が導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する水素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原
子団が導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍
に存在する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水
素分子の化学ポテンシャルより低くなるような原子また
は原子団であることを特徴とする炭素質材料である。
に、この発明の第1の発明は、共役系筒状炭素材料と、
前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、前記原子または原子団は、前記原子または原
子団が導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する水素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原
子団が導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍
に存在する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水
素分子の化学ポテンシャルより低くなるような原子また
は原子団であることを特徴とする炭素質材料である。
【0017】この発明の第2の発明は、炭素質材料を含
む水素吸蔵材料であって、前記炭素質材料は、共役系筒
状炭素材料と、前記共役系筒状炭素材料に導入された原
子または原子団とを含み、前記原子または原子団は、前
記原子または原子団が導入された前記共役系筒状炭素材
料の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシャルが、前
記原子または原子団が導入されていない前記共役系筒状
炭素材料の近傍に存在する、前記水素分子と位置的に等
価関係にある水素分子の化学ポテンシャルより低くなる
ような原子または原子団であることを特徴とするもので
ある。
む水素吸蔵材料であって、前記炭素質材料は、共役系筒
状炭素材料と、前記共役系筒状炭素材料に導入された原
子または原子団とを含み、前記原子または原子団は、前
記原子または原子団が導入された前記共役系筒状炭素材
料の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシャルが、前
記原子または原子団が導入されていない前記共役系筒状
炭素材料の近傍に存在する、前記水素分子と位置的に等
価関係にある水素分子の化学ポテンシャルより低くなる
ような原子または原子団であることを特徴とするもので
ある。
【0018】この発明の第3の発明は、耐圧容器と、前
記耐圧容器内に収容された水素吸蔵材料とを含む水素吸
蔵装置であって、前記水素吸蔵材料は炭素質材料を含
み、前記炭素質材料は、共役系筒状炭素材料と、前記共
役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団とを含
み、前記原子または原子団は、前記原子または原子団が
導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水
素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が
導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子
の化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子
団であることを特徴とするものである。
記耐圧容器内に収容された水素吸蔵材料とを含む水素吸
蔵装置であって、前記水素吸蔵材料は炭素質材料を含
み、前記炭素質材料は、共役系筒状炭素材料と、前記共
役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団とを含
み、前記原子または原子団は、前記原子または原子団が
導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水
素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が
導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子
の化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子
団であることを特徴とするものである。
【0019】この発明の第4の発明は、水素吸蔵材料を
用いた燃料電池であって、前記水素吸蔵材料は炭素質材
料を含み、前記炭素質材料は、共役系筒状炭素材料と、
前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、前記原子または原子団は、前記原子または原
子団が導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する水素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原
子団が導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍
に存在する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水
素分子の化学ポテンシャルより低くなるような原子また
は原子団であることを特徴とするものである。
用いた燃料電池であって、前記水素吸蔵材料は炭素質材
料を含み、前記炭素質材料は、共役系筒状炭素材料と、
前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、前記原子または原子団は、前記原子または原
子団が導入された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在
する水素分子の化学ポテンシャルが、前記原子または原
子団が導入されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍
に存在する、前記水素分子と位置的に等価関係にある水
素分子の化学ポテンシャルより低くなるような原子また
は原子団であることを特徴とするものである。
【0020】この発明の第1〜第4の発明において、共
役系筒状炭素材料とは、カーボンナノチューブに代表さ
れるように、グラフェン構造の一部が閉じて円筒形状を
なした炭素材料をいい、その端部が閉じられているか否
かを問うものではなく、カーボンナノチューブに限られ
ず、種々のバリエーションを含むものである。以下にお
いては、便宜上、共役系筒状炭素材料をカーボンナノチ
ューブという表現で代表することもある。カーボンナノ
チューブは、シングル・ウォール・ナノチューブ(singl
e-wall nanotube)とマルチ・ウォール・ナノチューブ(m
ulti-wall nanotube) とに大別されるが、いずれのもの
であってもよい。
役系筒状炭素材料とは、カーボンナノチューブに代表さ
れるように、グラフェン構造の一部が閉じて円筒形状を
なした炭素材料をいい、その端部が閉じられているか否
かを問うものではなく、カーボンナノチューブに限られ
ず、種々のバリエーションを含むものである。以下にお
いては、便宜上、共役系筒状炭素材料をカーボンナノチ
ューブという表現で代表することもある。カーボンナノ
チューブは、シングル・ウォール・ナノチューブ(singl
e-wall nanotube)とマルチ・ウォール・ナノチューブ(m
ulti-wall nanotube) とに大別されるが、いずれのもの
であってもよい。
【0021】共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノ
チューブに導入する原子または原子団は、基本的にはそ
れらの表面、すなわち外周面あるいは内周面のいずれに
導入してもよいが、通常は、それらの外周面に導入され
ることが多い。この原子または原子団は、好適には、共
役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブの表面
に部分的に導入される。この場合、典型的には、共役系
筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブの表面のう
ちのこの原子または原子団が導入されていない領域が、
この原子または原子団が導入された領域によって複数の
領域に分割された構造となる。この原子または原子団
は、具体的には、たとえば、共役系筒状炭素材料あるい
はカーボンナノチューブの表面に帯状に導入され、この
場合、この帯状に導入された領域は、たとえば円筒構造
または螺旋構造となるようにする。この原子または原子
団は、具体的には、たとえば、フッ素原子、水素原子お
よびナトリウム原子よりなる群から選ばれた1つまたは
2つ以上の原子からなる。
チューブに導入する原子または原子団は、基本的にはそ
れらの表面、すなわち外周面あるいは内周面のいずれに
導入してもよいが、通常は、それらの外周面に導入され
ることが多い。この原子または原子団は、好適には、共
役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブの表面
に部分的に導入される。この場合、典型的には、共役系
筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブの表面のう
ちのこの原子または原子団が導入されていない領域が、
この原子または原子団が導入された領域によって複数の
領域に分割された構造となる。この原子または原子団
は、具体的には、たとえば、共役系筒状炭素材料あるい
はカーボンナノチューブの表面に帯状に導入され、この
場合、この帯状に導入された領域は、たとえば円筒構造
または螺旋構造となるようにする。この原子または原子
団は、具体的には、たとえば、フッ素原子、水素原子お
よびナトリウム原子よりなる群から選ばれた1つまたは
2つ以上の原子からなる。
【0022】水素吸蔵材料は、共役系筒状炭素材料ある
いはカーボンナノチューブ以外の他の物質を含んでいて
もよいが、通常は、少なくとも共役系筒状炭素材料ある
いはカーボンナノチューブ以外の他の物質を主成分と
し、典型的には、共役系筒状炭素材料あるいはカーボン
ナノチューブのみからなる。
いはカーボンナノチューブ以外の他の物質を含んでいて
もよいが、通常は、少なくとも共役系筒状炭素材料ある
いはカーボンナノチューブ以外の他の物質を主成分と
し、典型的には、共役系筒状炭素材料あるいはカーボン
ナノチューブのみからなる。
【0023】この発明の第5の発明は、少なくとも1つ
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含むこ
とを特徴とする水素吸蔵材料である。
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含むこ
とを特徴とする水素吸蔵材料である。
【0024】この発明の第6の発明は、耐圧容器と、前
記耐圧容器内に収容された水素吸蔵材料とを含む水素吸
蔵装置であって、前記水素吸蔵材料は、少なくとも1つ
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含むこ
とを特徴とするものである。
記耐圧容器内に収容された水素吸蔵材料とを含む水素吸
蔵装置であって、前記水素吸蔵材料は、少なくとも1つ
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含むこ
とを特徴とするものである。
【0025】この発明の第7の発明は、水素吸蔵材料を
用いた燃料電池であって、前記水素吸蔵材料は、少なく
とも1つのフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料
を含むことを特徴とするものである。
用いた燃料電池であって、前記水素吸蔵材料は、少なく
とも1つのフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料
を含むことを特徴とするものである。
【0026】この発明の第8の発明は、少なくとも1つ
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含む炭
素質材料に水素を供給する工程と、圧力および/または
温度を変化させる工程とを有することを特徴とする水素
吸蔵方法である。ここで、圧力および/または温度を変
化させることにより水素の吸着量を制御することができ
ることは、後述の(1)式より明らかである。
のフッ素原子が導入された共役系筒状炭素材料を含む炭
素質材料に水素を供給する工程と、圧力および/または
温度を変化させる工程とを有することを特徴とする水素
吸蔵方法である。ここで、圧力および/または温度を変
化させることにより水素の吸着量を制御することができ
ることは、後述の(1)式より明らかである。
【0027】この発明の第5〜第8の発明においては、
その性質に反しない限り、この発明の第1〜第4の発明
に関連して述べたことが成立する。この発明において、
共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブに原
子または原子団が導入された炭素質材料は、たとえば、
共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブをこ
の原子または原子団を含むガス雰囲気中で加熱すること
により、共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチュ
ーブにこの原子または原子団を結合させて、生成するこ
とができる。より具体的には、たとえば、共役系筒状炭
素材料あるいはカーボンナノチューブにフッ素原子が導
入された炭素質材料は、たとえば、共役系筒状炭素材料
あるいはカーボンナノチューブを、フッ素ガス雰囲気中
で、150〜600℃程度に昇温させることにより、共
役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブにフッ
素原子を結合させて、生成することができる。
その性質に反しない限り、この発明の第1〜第4の発明
に関連して述べたことが成立する。この発明において、
共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブに原
子または原子団が導入された炭素質材料は、たとえば、
共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブをこ
の原子または原子団を含むガス雰囲気中で加熱すること
により、共役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチュ
ーブにこの原子または原子団を結合させて、生成するこ
とができる。より具体的には、たとえば、共役系筒状炭
素材料あるいはカーボンナノチューブにフッ素原子が導
入された炭素質材料は、たとえば、共役系筒状炭素材料
あるいはカーボンナノチューブを、フッ素ガス雰囲気中
で、150〜600℃程度に昇温させることにより、共
役系筒状炭素材料あるいはカーボンナノチューブにフッ
素原子を結合させて、生成することができる。
【0028】上述のように構成されたこの発明によれ
ば、原子または原子団が導入された共役系筒状炭素材料
の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシャルが、この
原子または原子団が導入されていない共役系筒状炭素材
料の近傍に存在する、その水素分子と位置的に等価関係
にある水素分子の化学ポテンシャルより低いので、この
化学ポテンシャルが低い分だけ、この原子または原子団
が導入された共役系筒状炭素材料が吸着することができ
る水素分子の量を、この原子または原子団が導入されて
いない共役系筒状炭素材料が吸着することができる水素
分子の量に比べて多くすることができる。
ば、原子または原子団が導入された共役系筒状炭素材料
の近傍に存在する水素分子の化学ポテンシャルが、この
原子または原子団が導入されていない共役系筒状炭素材
料の近傍に存在する、その水素分子と位置的に等価関係
にある水素分子の化学ポテンシャルより低いので、この
化学ポテンシャルが低い分だけ、この原子または原子団
が導入された共役系筒状炭素材料が吸着することができ
る水素分子の量を、この原子または原子団が導入されて
いない共役系筒状炭素材料が吸着することができる水素
分子の量に比べて多くすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施形態につい
て説明する。まず、この発明の第1の実施形態について
説明する。一般に、吸着材料の近傍においては、ガス分
子と吸着材料との相互作用によって、ガス分子の化学ポ
テンシャルが変化することが知られており、化学ポテン
シャルが低いほど、ガス分子の濃度が高くなる。
て説明する。まず、この発明の第1の実施形態について
説明する。一般に、吸着材料の近傍においては、ガス分
子と吸着材料との相互作用によって、ガス分子の化学ポ
テンシャルが変化することが知られており、化学ポテン
シャルが低いほど、ガス分子の濃度が高くなる。
【0030】ガス分子が水素分子の場合、その濃度は
N/V={P*exp(−Δμ/kT)}/kT (1)
と表される。ここで、Nは水素分子の数、Vはガス容
積、Pは雰囲気圧力、Tは雰囲気温度(K)、kはボル
ツマン定数で、Δμは、吸着材料近傍の水素分子の化学
ポテンシャルμ1と、吸着材料から十分に離れた領域内
の水素分子の化学ポテンシャルμ2との差(Δμ=μ1
−μ2)である。
積、Pは雰囲気圧力、Tは雰囲気温度(K)、kはボル
ツマン定数で、Δμは、吸着材料近傍の水素分子の化学
ポテンシャルμ1と、吸着材料から十分に離れた領域内
の水素分子の化学ポテンシャルμ2との差(Δμ=μ1
−μ2)である。
【0031】上式から明らかなように、吸着材料近傍の
水素分子濃度(N/V)は、exp(−Δμ/kT)に
比例するため、Δμが低いほど、水素分子濃度は高くな
り、したがって、Δμが低い吸着材料においては、表面
あるいは内部に水素分子が取り込まれる確率が高くな
り、Δμが低い吸着材料は、理論的に高い水素分子吸蔵
能力を有していることになる。
水素分子濃度(N/V)は、exp(−Δμ/kT)に
比例するため、Δμが低いほど、水素分子濃度は高くな
り、したがって、Δμが低い吸着材料においては、表面
あるいは内部に水素分子が取り込まれる確率が高くな
り、Δμが低い吸着材料は、理論的に高い水素分子吸蔵
能力を有していることになる。
【0032】図1はこの発明の第1の実施形態による炭
素質材料を示し、カーボンナノチューブ1に原子または
原子団Aが付加されたカーボンナノチューブ誘導体の概
念図である。
素質材料を示し、カーボンナノチューブ1に原子または
原子団Aが付加されたカーボンナノチューブ誘導体の概
念図である。
【0033】本発明者の研究によれば、図1に示す構造
を有するカーボンナノチューブ誘導体の近傍の水素分子
の化学ポテンシャルΔμは、原子または原子団Aの種類
によって異なり、それぞれ、表1のようになることが判
明している。
を有するカーボンナノチューブ誘導体の近傍の水素分子
の化学ポテンシャルΔμは、原子または原子団Aの種類
によって異なり、それぞれ、表1のようになることが判
明している。
【0034】
表1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
原子または原子団A Δμ(meV)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
なし −5.0
水酸基 −5.1
アルデヒド基 −5.2
シアノ基 −4.8
ナトリウム原子 −7.2
水素原子 −6.3
フッ素原子 −8.1
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0035】表1から、原子または原子団Aとして、ア
ルデヒド基や、シアノ基、水酸基を付加したカーボンナ
ノチューブ誘導体においては、水素分子の化学ポテンシ
ャルΔμは、ほとんど変化しないが、水素分子やナトリ
ウム原子、フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ
誘導体にあっては、純粋なカーボンナノチューブより
も、水素分子の化学ポテンシャルΔμが低くなり、特
に、フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体
においては、水素分子の化学ポテンシャルΔμの低下が
著しく、純粋なカーボンナノチューブに比して、水素吸
蔵能力が大幅に向上することが分かる。
ルデヒド基や、シアノ基、水酸基を付加したカーボンナ
ノチューブ誘導体においては、水素分子の化学ポテンシ
ャルΔμは、ほとんど変化しないが、水素分子やナトリ
ウム原子、フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ
誘導体にあっては、純粋なカーボンナノチューブより
も、水素分子の化学ポテンシャルΔμが低くなり、特
に、フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体
においては、水素分子の化学ポテンシャルΔμの低下が
著しく、純粋なカーボンナノチューブに比して、水素吸
蔵能力が大幅に向上することが分かる。
【0036】図2はexp(−Δμ/kT)と温度
(K)との関係を示すグラフである。図2において、曲
線Xは、純粋なカーボンナノチューブにフッ素原子を付
加したカーボンナノチューブ誘導体におけるexp(−
Δμ/kT)と温度(K)との関係を示し、曲線Yは、
純粋なカーボンナノチューブにおけるexp(−Δμ/
kT)と温度(K)との関係を示している。
(K)との関係を示すグラフである。図2において、曲
線Xは、純粋なカーボンナノチューブにフッ素原子を付
加したカーボンナノチューブ誘導体におけるexp(−
Δμ/kT)と温度(K)との関係を示し、曲線Yは、
純粋なカーボンナノチューブにおけるexp(−Δμ/
kT)と温度(K)との関係を示している。
【0037】図2から、純粋なカーボンナノチューブに
フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体にお
いては、温度80Kにおいて、約3倍の圧縮率が得られ
ることが分かる。したがって、水素分子の化学ポテンシ
ャルΔμを低下させることにより、カーボンナノチュー
ブ誘導体近傍の熱平衡における水素分子濃度が高くなる
ため、常圧にもかかわらず、加圧したのと同様な効果が
得られ、水素吸蔵能力を向上させることが可能になる。
フッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体にお
いては、温度80Kにおいて、約3倍の圧縮率が得られ
ることが分かる。したがって、水素分子の化学ポテンシ
ャルΔμを低下させることにより、カーボンナノチュー
ブ誘導体近傍の熱平衡における水素分子濃度が高くなる
ため、常圧にもかかわらず、加圧したのと同様な効果が
得られ、水素吸蔵能力を向上させることが可能になる。
【0038】図3はこの発明の第2の実施形態による水
素吸蔵装置を示す。図3に示すように、この水素吸蔵装
置は、耐圧容器2を備え、この耐圧容器2内に、純粋な
カーボンナノチューブに原子または原子団Aとしてフッ
素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体3が水素
吸蔵材料として充填されている。
素吸蔵装置を示す。図3に示すように、この水素吸蔵装
置は、耐圧容器2を備え、この耐圧容器2内に、純粋な
カーボンナノチューブに原子または原子団Aとしてフッ
素原子を付加したカーボンナノチューブ誘導体3が水素
吸蔵材料として充填されている。
【0039】この水素吸蔵装置においては、カーボンナ
ノチューブ誘導体の水素分子の化学ポテンシャルΔμ
が、純粋なカーボンナノチューブの水素分子の化学ポテ
ンシャルΔμに比して、はるかに低いため、このカーボ
ンナノチューブ誘導体近傍の熱平衡における水素分子濃
度が高くなり、したがって、大量の水素を吸蔵させるこ
とが可能となる。
ノチューブ誘導体の水素分子の化学ポテンシャルΔμ
が、純粋なカーボンナノチューブの水素分子の化学ポテ
ンシャルΔμに比して、はるかに低いため、このカーボ
ンナノチューブ誘導体近傍の熱平衡における水素分子濃
度が高くなり、したがって、大量の水素を吸蔵させるこ
とが可能となる。
【0040】次に、この発明の第3の実施形態について
説明する。第2の実施形態においては、カーボンナノチ
ューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘
導体3、言い換えればフッ素化カーボンナノチューブ
(fluorocarbon nanotube)を用いたが、この第3の実施
形態においては、水素分子の吸着エネルギーを高くし、
水素分子の吸着能力の向上を図る観点から、フッ素原子
を付加する領域の形状および配置について検討した結果
について説明する。ここでは、フッ素化カーボンナノチ
ューブとしてフッ素化カーボン・シングル・ウォール・
ナノチューブ(fluorocarbon single-wall nanotube, F
−SWNT)を考える。
説明する。第2の実施形態においては、カーボンナノチ
ューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチューブ誘
導体3、言い換えればフッ素化カーボンナノチューブ
(fluorocarbon nanotube)を用いたが、この第3の実施
形態においては、水素分子の吸着エネルギーを高くし、
水素分子の吸着能力の向上を図る観点から、フッ素原子
を付加する領域の形状および配置について検討した結果
について説明する。ここでは、フッ素化カーボンナノチ
ューブとしてフッ素化カーボン・シングル・ウォール・
ナノチューブ(fluorocarbon single-wall nanotube, F
−SWNT)を考える。
【0041】F−SWNTは、シングル・ウォール・ナ
ノチューブ(single-wall nanotube,SWNT)をフッ素
ガス中でアニールすることにより得られることが知られ
ており、前処理方法や加熱条件を工夫することにより、
CFX ,x=0.1〜1.0の高純度のF−SWNTが
得られている(A.Hamwi,H.Alvergnat,S.Bonnamy,F.Begu
in,Carbon vol.35(1997),No.6,723;E.T.Mickelson,C.B.
Huffman,A.G.Rinzler,R.E.Smalley,R.H.Hauge,J.L.Marg
rave,Chem.Phys.Lett.vol.296(1998),188)。より具体的
には、後者の文献(Chem.Phys.Lett.vol.296(1998),18
8)では、150〜200μgのSWNTを、常圧のフ
ッ素(F2 )/ヘリウム(He)混合ガス(フッ素流量
は2SCCM、ヘリウム流量は20SCCM)中におい
て150〜600℃で5時間アニールして反応させるこ
とによりF−SWNTが得られることが報告されてお
り、反応温度が高くなるのに伴ってフッ素導入量(x)
が増大し、たとえば150℃ではC:F≒1:0.1、
400℃ではC:F≒1:0.6であったとされてい
る。また、ガウシアン(gaussian) 分布を使った全エネ
ルギーの計算により、キラルベクトルが(10,10)
および(18,0)のCF X ,x=0.5タイプのF−
SWNTについて安定構造が解明されている(K.N.Kudi
n,H.F.Bettinger,G.E.Scuseria,Phys.Rev.B63(2001),04
5413) 。しかしながら、F−SWNTの水素吸着エネル
ギーについて解析した事例は、本発明者の知る限り報告
されていない。そこで、ここでは、CFX ,x=0.2
5およびx=0.125のF−SWNT(12,0)に
ついて、複数のサイト(site)における水素分子の吸着エ
ネルギーについて第1原理計算による解析を行い、同型
のSWNT(12,0)と比較する。
ノチューブ(single-wall nanotube,SWNT)をフッ素
ガス中でアニールすることにより得られることが知られ
ており、前処理方法や加熱条件を工夫することにより、
CFX ,x=0.1〜1.0の高純度のF−SWNTが
得られている(A.Hamwi,H.Alvergnat,S.Bonnamy,F.Begu
in,Carbon vol.35(1997),No.6,723;E.T.Mickelson,C.B.
Huffman,A.G.Rinzler,R.E.Smalley,R.H.Hauge,J.L.Marg
rave,Chem.Phys.Lett.vol.296(1998),188)。より具体的
には、後者の文献(Chem.Phys.Lett.vol.296(1998),18
8)では、150〜200μgのSWNTを、常圧のフ
ッ素(F2 )/ヘリウム(He)混合ガス(フッ素流量
は2SCCM、ヘリウム流量は20SCCM)中におい
て150〜600℃で5時間アニールして反応させるこ
とによりF−SWNTが得られることが報告されてお
り、反応温度が高くなるのに伴ってフッ素導入量(x)
が増大し、たとえば150℃ではC:F≒1:0.1、
400℃ではC:F≒1:0.6であったとされてい
る。また、ガウシアン(gaussian) 分布を使った全エネ
ルギーの計算により、キラルベクトルが(10,10)
および(18,0)のCF X ,x=0.5タイプのF−
SWNTについて安定構造が解明されている(K.N.Kudi
n,H.F.Bettinger,G.E.Scuseria,Phys.Rev.B63(2001),04
5413) 。しかしながら、F−SWNTの水素吸着エネル
ギーについて解析した事例は、本発明者の知る限り報告
されていない。そこで、ここでは、CFX ,x=0.2
5およびx=0.125のF−SWNT(12,0)に
ついて、複数のサイト(site)における水素分子の吸着エ
ネルギーについて第1原理計算による解析を行い、同型
のSWNT(12,0)と比較する。
【0042】SWNT(12,0)の水素吸着エネルギ
ー 水素分子の吸着エネルギーの計算には、超ソフト擬ポテ
ンシャル(Ultra SoftPseudopotential,USPP)プ
ログラムVASP(G.Kresse and J.Furthmuller,Phys.R
ev.B56(1996),111691)を用い、交換相関ポテンシャルと
して一般化密度勾配近似(GGA)ポテンシャル(J.P.P
erdew and Y.Wang,Phys.Rev.B45(1992),13244)を用い
た。図4に示すようなモデルを使って水素分子の位置と
吸着エネルギーとの関係を計算した。USPP法では、
セル境界における波動関数に対して周期境界条件が付与
されるため、このモデルではc軸方向に無限長のSWN
Tを扱っていることになる。また、隣接するセルの水素
分子の影響を避けるため、c長は単位胞(unit cell)の
2倍(8.53Å)とした。その他の主な計算条件はカ
ットオフエネルギー(Cutoff energy)350eV、K点
(K point)(1×1×4)である。はじめに、SWNT
の最安定構造(c長を含む)と全エネルギーとを算出
し、図4のOP線上に水素分子を配置してa,b方向に
拘束し、全体の最安定構造を計算する。そうして得られ
た全エネルギーからチューブおよび水素分子単独の全エ
ネルギーを引いた値を吸着エネルギーとした。その結果
を図5に示す。図5に示すように、チューブの内外に相
互作用(吸着エネルギー)が負の領域、つまり吸着作用
を持つ領域が存在し、その最小値はチューブ内で−37
meV、外側で−20meVであった。
ー 水素分子の吸着エネルギーの計算には、超ソフト擬ポテ
ンシャル(Ultra SoftPseudopotential,USPP)プ
ログラムVASP(G.Kresse and J.Furthmuller,Phys.R
ev.B56(1996),111691)を用い、交換相関ポテンシャルと
して一般化密度勾配近似(GGA)ポテンシャル(J.P.P
erdew and Y.Wang,Phys.Rev.B45(1992),13244)を用い
た。図4に示すようなモデルを使って水素分子の位置と
吸着エネルギーとの関係を計算した。USPP法では、
セル境界における波動関数に対して周期境界条件が付与
されるため、このモデルではc軸方向に無限長のSWN
Tを扱っていることになる。また、隣接するセルの水素
分子の影響を避けるため、c長は単位胞(unit cell)の
2倍(8.53Å)とした。その他の主な計算条件はカ
ットオフエネルギー(Cutoff energy)350eV、K点
(K point)(1×1×4)である。はじめに、SWNT
の最安定構造(c長を含む)と全エネルギーとを算出
し、図4のOP線上に水素分子を配置してa,b方向に
拘束し、全体の最安定構造を計算する。そうして得られ
た全エネルギーからチューブおよび水素分子単独の全エ
ネルギーを引いた値を吸着エネルギーとした。その結果
を図5に示す。図5に示すように、チューブの内外に相
互作用(吸着エネルギー)が負の領域、つまり吸着作用
を持つ領域が存在し、その最小値はチューブ内で−37
meV、外側で−20meVであった。
【0043】F−SWNT(12,0)CF X ,x=
0.25の水素吸着エネルギー フッ素の配置は図6(球棒モデル)および図7(空間充
填モデル)に示すような帯状で円筒構造であるとする
(図6および図7において、フッ素原子を白丸、カーボ
ン原子を黒丸で示す(以下同様))。SWNT(12,
0)の場合と同様に、隣接するセルの水素分子の影響を
避けるためc長はSWNTの単位胞の2倍(8.42
Å)、K点(1×1×4)とした。フッ素の電子軌道半
径が大きいため、カットオフエネルギーは425eVと
した。はじめにF−SWNTの最安定構造(c長を含
む)と全エネルギーとを計算し、図4のOP線上に水素
分子を配置してa,b方向に拘束し、全体の最安定構造
を計算する。そうして得られた全エネルギーからチュー
ブおよび水素分子単独の全エネルギーを引いた値を吸着
エネルギーとした。図8に示すように、水素分子の吸着
サイトとして、フッ素近傍の6員環を通る線(FF−サ
イト)(図8A)とフッ素から最も遠い6員環を通る線
(CC−サイト)(図8B)との2通りについて計算し
た。その結果を図9に示す。図9から分かるように、い
ずれのサイトもチューブの内外に相互作用(吸着エネル
ギー)が負の領域、つまり吸着作用を持つ領域が存在す
るが、その最小値はFF−サイトよりCC−サイトの方
が小さい。すなわち、FF−サイトの吸着エネルギーは
チューブ内で−31meV、外側で−20meVなのに
対し、CC−サイトの吸着エネルギーはチューブ内で−
37meV、外側で−43meVであった。これより、
CC−サイトのチューブ外側の吸着作用はSWNT(1
2,0)の2倍以上になっていることが分かる。これ
は、本発明者が知る限り、初めて見出されたことであ
る。
0.25の水素吸着エネルギー フッ素の配置は図6(球棒モデル)および図7(空間充
填モデル)に示すような帯状で円筒構造であるとする
(図6および図7において、フッ素原子を白丸、カーボ
ン原子を黒丸で示す(以下同様))。SWNT(12,
0)の場合と同様に、隣接するセルの水素分子の影響を
避けるためc長はSWNTの単位胞の2倍(8.42
Å)、K点(1×1×4)とした。フッ素の電子軌道半
径が大きいため、カットオフエネルギーは425eVと
した。はじめにF−SWNTの最安定構造(c長を含
む)と全エネルギーとを計算し、図4のOP線上に水素
分子を配置してa,b方向に拘束し、全体の最安定構造
を計算する。そうして得られた全エネルギーからチュー
ブおよび水素分子単独の全エネルギーを引いた値を吸着
エネルギーとした。図8に示すように、水素分子の吸着
サイトとして、フッ素近傍の6員環を通る線(FF−サ
イト)(図8A)とフッ素から最も遠い6員環を通る線
(CC−サイト)(図8B)との2通りについて計算し
た。その結果を図9に示す。図9から分かるように、い
ずれのサイトもチューブの内外に相互作用(吸着エネル
ギー)が負の領域、つまり吸着作用を持つ領域が存在す
るが、その最小値はFF−サイトよりCC−サイトの方
が小さい。すなわち、FF−サイトの吸着エネルギーは
チューブ内で−31meV、外側で−20meVなのに
対し、CC−サイトの吸着エネルギーはチューブ内で−
37meV、外側で−43meVであった。これより、
CC−サイトのチューブ外側の吸着作用はSWNT(1
2,0)の2倍以上になっていることが分かる。これ
は、本発明者が知る限り、初めて見出されたことであ
る。
【0044】SWNTに対するフッ素の配置は上記文献
(K.N.Kudin,H.F.Bettinger.G.E.Scuseria,Phys.Rev.B6
3(2001),045413) にみられるように様々なパターンが考
えられ、それぞれ生成熱が異なることが予想されるの
で、実験的に得られる形状と異なる可能性がある。たと
えば、図10に示すようなジグザグ状に配置したモデル
も候補の一つであるが、この場合においても、C−Fボ
ンド周辺の局所的な電子状態と全体の電子状態とは図6
の場合と同等であることから、吸着エネルギーについて
も同様な結果が得られると考えられる。
(K.N.Kudin,H.F.Bettinger.G.E.Scuseria,Phys.Rev.B6
3(2001),045413) にみられるように様々なパターンが考
えられ、それぞれ生成熱が異なることが予想されるの
で、実験的に得られる形状と異なる可能性がある。たと
えば、図10に示すようなジグザグ状に配置したモデル
も候補の一つであるが、この場合においても、C−Fボ
ンド周辺の局所的な電子状態と全体の電子状態とは図6
の場合と同等であることから、吸着エネルギーについて
も同様な結果が得られると考えられる。
【0045】F−SWNT(12,0)CF X 、x=
0.125の水素吸着エネルギー フッ素の配置は図11(球棒モデル)および図12(空
間充填モデル)に示すような帯状で円筒構造であるとす
る。SWNT(12,0)CFX ,x=0.25の場合
と同様に、c長はSWNTの単位胞の2倍(8.53
Å)、K点(1×1×4)、カットオフエネルギーは4
25eVとした。図13に示すように水素分子の吸着サ
イトとして、フッ素近傍のサイト(FF−サイト)とフ
ッ素から最も遠いサイト(CC−サイト)、そしてその
中間のサイト(FC−サイト)の3通りについて計算し
た。その結果を図14に示す。図14から分かるよう
に、得られた吸着エネルギーは3か所ともほぼ等しく、
チューブ内で約−37meV、外側で約−21meVで
あり、SWNT(12,0)のものと同等であった。C
FX ,x=0.25との電子状態の違いとして、C
FX ,x=0.125では一つの共役系がチューブ全体
を被っているのに対し、CFX ,x=0.25ではC−
F結合によるsp3 軌道によって複数の共役系に分断さ
れていることが挙げられる。このことが吸着エネルギー
に重要なファクターであると仮定するなら、図6や図1
0に示すように適当な間隔で帯状に並んだC−F結合に
よりチューブ表面が複数の領域に分割される構造が、吸
着エネルギーの改善に有効であると言える。一方、水素
分子の有効な吸着サイトはC−F結合のないサイトであ
るから、xは小さい方がよい。このことを図示すると図
15に示すようになる。図15に示すように、円筒状の
ナノチューブ表面は連続したC−F結合領域によって分
断されており、連続した共役系は帯状の領域に分けられ
る。これらの構造はこれまで報告されていない。このよ
うな帯状の共役系は導電性高分子にも見られるが、本発
明者の知見によれば、ポリピロールやポリチオフェンで
も比較的高い水素吸着エネルギーが得られることから
も、この仮説が裏付けられる。
0.125の水素吸着エネルギー フッ素の配置は図11(球棒モデル)および図12(空
間充填モデル)に示すような帯状で円筒構造であるとす
る。SWNT(12,0)CFX ,x=0.25の場合
と同様に、c長はSWNTの単位胞の2倍(8.53
Å)、K点(1×1×4)、カットオフエネルギーは4
25eVとした。図13に示すように水素分子の吸着サ
イトとして、フッ素近傍のサイト(FF−サイト)とフ
ッ素から最も遠いサイト(CC−サイト)、そしてその
中間のサイト(FC−サイト)の3通りについて計算し
た。その結果を図14に示す。図14から分かるよう
に、得られた吸着エネルギーは3か所ともほぼ等しく、
チューブ内で約−37meV、外側で約−21meVで
あり、SWNT(12,0)のものと同等であった。C
FX ,x=0.25との電子状態の違いとして、C
FX ,x=0.125では一つの共役系がチューブ全体
を被っているのに対し、CFX ,x=0.25ではC−
F結合によるsp3 軌道によって複数の共役系に分断さ
れていることが挙げられる。このことが吸着エネルギー
に重要なファクターであると仮定するなら、図6や図1
0に示すように適当な間隔で帯状に並んだC−F結合に
よりチューブ表面が複数の領域に分割される構造が、吸
着エネルギーの改善に有効であると言える。一方、水素
分子の有効な吸着サイトはC−F結合のないサイトであ
るから、xは小さい方がよい。このことを図示すると図
15に示すようになる。図15に示すように、円筒状の
ナノチューブ表面は連続したC−F結合領域によって分
断されており、連続した共役系は帯状の領域に分けられ
る。これらの構造はこれまで報告されていない。このよ
うな帯状の共役系は導電性高分子にも見られるが、本発
明者の知見によれば、ポリピロールやポリチオフェンで
も比較的高い水素吸着エネルギーが得られることから
も、この仮説が裏付けられる。
【0046】このようなフッ素を帯状に配置したF−S
WNTは、たとえば次のようにして作製することができ
る。図16に示すように、たとえば紫外域の波長のレー
ザビーム、電子ビーム、X線などの可干渉性のビームB
を用いて基板(図示せず)上に干渉露光を行うことによ
り、強度が周期的に変化する干渉パターンを形成するこ
とができる。いま、基板面上へのビームBの入射角を
θ、ビームBの波長をλとすると、干渉縞の周期Λは Λ=λ/2sinθ となるため、入射角θを変えることにより、λ/2〜∞
の範囲で干渉縞の周期を調整することができる。
WNTは、たとえば次のようにして作製することができ
る。図16に示すように、たとえば紫外域の波長のレー
ザビーム、電子ビーム、X線などの可干渉性のビームB
を用いて基板(図示せず)上に干渉露光を行うことによ
り、強度が周期的に変化する干渉パターンを形成するこ
とができる。いま、基板面上へのビームBの入射角を
θ、ビームBの波長をλとすると、干渉縞の周期Λは Λ=λ/2sinθ となるため、入射角θを変えることにより、λ/2〜∞
の範囲で干渉縞の周期を調整することができる。
【0047】そこで、第1の方法では、図17に示すよ
うに、フッ素を含むガス雰囲気中にSWNT4を置いて
その表面にFを結合させておき、このSWNT4にその
軸を含む平面内でFの結合エネルギー以上のエネルギー
のビームBを入射させて干渉露光を行い、SWNT4の
軸に垂直方向の干渉縞を生じさせる。すると、干渉縞の
強度の高い部分ではSWNT4の表面からFが脱離す
る。その結果、Fが帯状に残されることになる。
うに、フッ素を含むガス雰囲気中にSWNT4を置いて
その表面にFを結合させておき、このSWNT4にその
軸を含む平面内でFの結合エネルギー以上のエネルギー
のビームBを入射させて干渉露光を行い、SWNT4の
軸に垂直方向の干渉縞を生じさせる。すると、干渉縞の
強度の高い部分ではSWNT4の表面からFが脱離す
る。その結果、Fが帯状に残されることになる。
【0048】第2の方法では、フッ素を含むガス雰囲気
中にSWNT4を置き、このSWNT4にその軸を含む
平面内でFの結合エネルギー以上のエネルギーのビーム
Bを入射させて干渉露光を行い、SWNT4の軸に垂直
方向の干渉縞を生じさせる。すると、干渉縞の強度の高
い部分ではSWNT4の表面にFが結合する。その結
果、フッ素が帯状に結合することになる。
中にSWNT4を置き、このSWNT4にその軸を含む
平面内でFの結合エネルギー以上のエネルギーのビーム
Bを入射させて干渉露光を行い、SWNT4の軸に垂直
方向の干渉縞を生じさせる。すると、干渉縞の強度の高
い部分ではSWNT4の表面にFが結合する。その結
果、フッ素が帯状に結合することになる。
【0049】以上、この発明の実施形態について具体的
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
に説明したが、この発明は、上述の実施形態に限定され
るものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の
変形が可能である。
【0050】たとえば、上述の実施形態において挙げた
数値、材料、構造、形状、プロセスなどはあくまでも例
にすぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、材料、構
造、形状、プロセスなどを用いてもよい。
数値、材料、構造、形状、プロセスなどはあくまでも例
にすぎず、必要に応じてこれらと異なる数値、材料、構
造、形状、プロセスなどを用いてもよい。
【0051】具体的には、たとえば、図3に示した第2
の実施形態においては、耐圧容器2内に、純粋なカーボ
ンナノチューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチ
ューブ誘導体3が充填されているが、純粋なカーボンナ
ノチューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチュー
ブ誘導体3を充填することは必ずしも必要でなく、共役
系筒状炭素材料と、この共役系筒状炭素材料に導入され
た原子または原子団とを含み、その原子または原子団
が、フッ素原子、水素原子およびナトリウム原子よりな
る群から選ばれた一つまたは二つ以上の原子からなり、
その原子または原子団が導入されない共役系筒状炭素材
料近傍に存在し、水素分子と等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるように導入された炭素質
材料が充填されていればよく、その原子または原子団
が、フッ素原子、水素原子およびナトリウム原子よりな
る群から選ばれたものであることは必ずしも必要でな
い。
の実施形態においては、耐圧容器2内に、純粋なカーボ
ンナノチューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチ
ューブ誘導体3が充填されているが、純粋なカーボンナ
ノチューブにフッ素原子を付加したカーボンナノチュー
ブ誘導体3を充填することは必ずしも必要でなく、共役
系筒状炭素材料と、この共役系筒状炭素材料に導入され
た原子または原子団とを含み、その原子または原子団
が、フッ素原子、水素原子およびナトリウム原子よりな
る群から選ばれた一つまたは二つ以上の原子からなり、
その原子または原子団が導入されない共役系筒状炭素材
料近傍に存在し、水素分子と等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるように導入された炭素質
材料が充填されていればよく、その原子または原子団
が、フッ素原子、水素原子およびナトリウム原子よりな
る群から選ばれたものであることは必ずしも必要でな
い。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、常圧下においても大量の水素を吸蔵させることがで
き、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料を実現す
ることができ、この炭素質材料を用いて高性能の水素吸
蔵材料、水素吸蔵装置および燃料電池を実現することが
できる。
ば、常圧下においても大量の水素を吸蔵させることがで
き、水素吸蔵能力が大幅に向上した炭素質材料を実現す
ることができ、この炭素質材料を用いて高性能の水素吸
蔵材料、水素吸蔵装置および燃料電池を実現することが
できる。
【図1】カーボンナノチューブに原子または原子団Aが
付加されたカーボンナノチューブ誘導体を概念的に示す
略線図である。
付加されたカーボンナノチューブ誘導体を概念的に示す
略線図である。
【図2】exp(−Δμ/kT)と温度(K)との関係
を示す略線図である。
を示す略線図である。
【図3】この発明の一実施形態による水素吸蔵装置を示
す縦断面図である。
す縦断面図である。
【図4】フッ素化カーボンナノチューブの水素吸着エネ
ルギーの計算に用いたモデルを示す略線図である。
ルギーの計算に用いたモデルを示す略線図である。
【図5】SWNT(12,0)に対する水素分子の吸着
エネルギーとカーボンナノチューブ中心からの距離との
関係を示す略線図である。
エネルギーとカーボンナノチューブ中心からの距離との
関係を示す略線図である。
【図6】フッ素を帯状に配置したF−SWNT(12,
0)CFx ,x=0.25の最安定構造を球棒モデルで
示す略線図である。
0)CFx ,x=0.25の最安定構造を球棒モデルで
示す略線図である。
【図7】フッ素を帯状に配置したF−SWNT(12,
0)CFx ,x=0.25の最安定構造を空間充填モデ
ルで示す略線図である。
0)CFx ,x=0.25の最安定構造を空間充填モデ
ルで示す略線図である。
【図8】F−SWNT(12,0)CFx ,x=0.2
5の水素分子の吸着サイトを球棒モデルで示す略線図で
ある。
5の水素分子の吸着サイトを球棒モデルで示す略線図で
ある。
【図9】F−SWNT(12,0)CFx ,x=0.2
5の水素分子の吸着エネルギーとカーボンナノチューブ
中心からの距離との関係を示す略線図である。
5の水素分子の吸着エネルギーとカーボンナノチューブ
中心からの距離との関係を示す略線図である。
【図10】フッ素を螺旋状に配置したF−SWNT(1
2,0)CFx ,x=0.25の最安定構造を球棒モデ
ルで示す略線図である。
2,0)CFx ,x=0.25の最安定構造を球棒モデ
ルで示す略線図である。
【図11】フッ素を帯状に配置したF−SWNT(1
2,0)CFx ,x=0.125の最安定構造を球棒モ
デルで示す略線図である。
2,0)CFx ,x=0.125の最安定構造を球棒モ
デルで示す略線図である。
【図12】フッ素を帯状に配置したF−SWNT(1
2,0)CFx ,x=0.125の最安定構造を空間充
填モデルで示す略線図である。
2,0)CFx ,x=0.125の最安定構造を空間充
填モデルで示す略線図である。
【図13】F−SWNT(12,0)CFx ,x=0.
125の水素分子の吸着サイトを球棒モデルで示す略線
図である。
125の水素分子の吸着サイトを球棒モデルで示す略線
図である。
【図14】F−SWNT(12,0)CFx ,x=0.
125の水素分子の吸着エネルギーとカーボンナノチュ
ーブ中心からの距離との関係を示す略線図である。
125の水素分子の吸着エネルギーとカーボンナノチュ
ーブ中心からの距離との関係を示す略線図である。
【図15】水素の吸着に有効なF−SWNTの構造例を
示す略線図である。
示す略線図である。
【図16】干渉露光法を説明するための略線図である。
【図17】干渉露光法によるF−SWNTの作製方法を
説明するための略線図である。
説明するための略線図である。
1・・・カーボンナノチューブ、2・・・耐圧容器、3
・・・カーボンナノチューブ誘導体、4・・・SWN
T、A・・・原子または原子団
・・・カーボンナノチューブ誘導体、4・・・SWN
T、A・・・原子または原子団
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
H01M 8/04 H01M 8/04 J
Claims (19)
- 【請求項1】 共役系筒状炭素材料と、 前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、 前記原子または原子団は、前記原子または原子団が導入
された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水素分
子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が導入
されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在す
る、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子団
であることを特徴とする炭素質材料。 - 【請求項2】 前記共役系筒状炭素材料はカーボンナノ
チューブであることを特徴とする請求項1記載の炭素質
材料。 - 【請求項3】 前記原子または原子団は、フッ素原子、
水素原子およびナトリウム原子よりなる群から選ばれた
1つまたは2つ以上の原子からなることを特徴とする請
求項1記載の炭素質材料。 - 【請求項4】 前記原子または原子団は、前記共役系筒
状炭素材料の表面に部分的に導入されていることを特徴
とする請求項1記載の炭素質材料。 - 【請求項5】 前記共役系筒状炭素材料の表面のうちの
前記原子または原子団が導入されていない領域が、前記
原子または原子団が導入された領域によって複数の領域
に分割された構造を有することを特徴とする請求項1記
載の炭素質材料。 - 【請求項6】 前記原子または原子団は、前記共役系筒
状炭素材料の表面に帯状に導入されていることを特徴と
する請求項1記載の炭素質材料。 - 【請求項7】 前記原子または原子団が帯状に導入され
た領域が円筒構造または螺旋構造を有することを特徴と
する請求項6記載の炭素質材料。 - 【請求項8】 炭素質材料を含む水素吸蔵材料であっ
て、 前記炭素質材料は、 共役系筒状炭素材料と、 前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、 前記原子または原子団は、前記原子または原子団が導入
された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水素分
子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が導入
されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在す
る、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子団
であることを特徴とする水素吸蔵材料。 - 【請求項9】 耐圧容器と、 前記耐圧容器内に収容された水素吸蔵材料とを含む水素
吸蔵装置であって、 前記水素吸蔵材料は炭素質材料を含み、 前記炭素質材料は、 共役系筒状炭素材料と、 前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、 前記原子または原子団は、前記原子または原子団が導入
された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水素分
子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が導入
されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在す
る、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子団
であることを特徴とする水素吸蔵装置。 - 【請求項10】 水素吸蔵材料を用いた燃料電池であっ
て、 前記水素吸蔵材料は炭素質材料を含み、 前記炭素質材料は、 共役系筒状炭素材料と、 前記共役系筒状炭素材料に導入された原子または原子団
とを含み、 前記原子または原子団は、前記原子または原子団が導入
された前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在する水素分
子の化学ポテンシャルが、前記原子または原子団が導入
されていない前記共役系筒状炭素材料の近傍に存在す
る、前記水素分子と位置的に等価関係にある水素分子の
化学ポテンシャルより低くなるような原子または原子団
であることを特徴とする燃料電池。 - 【請求項11】 少なくとも1つのフッ素原子が導入さ
れた共役系筒状炭素材料を含むことを特徴とする水素吸
蔵材料。 - 【請求項12】 前記共役系筒状炭素材料はカーボンナ
ノチューブであることを特徴とする請求項11記載の水
素吸蔵材料。 - 【請求項13】 前記フッ素原子は、前記共役系筒状炭
素材料の表面に部分的に導入されていることを特徴とす
る請求項11記載の水素吸蔵材料。 - 【請求項14】 前記共役系筒状炭素材料の表面のうち
の前記フッ素原子が導入されていない領域が、前記フッ
素原子が導入された領域によって複数の領域に分割され
た構造を有することを特徴とする請求項11記載の水素
吸蔵材料。 - 【請求項15】 前記フッ素原子は、前記共役系筒状炭
素材料の表面に帯状に導入されていることを特徴とする
請求項11記載の水素吸蔵材料。 - 【請求項16】 前記フッ素原子が帯状に導入された領
域が円筒構造または螺旋構造を有することを特徴とする
請求項15記載の水素吸蔵材料。 - 【請求項17】 耐圧容器と、前記耐圧容器内に収容さ
れた水素吸蔵材料とを含む水素吸蔵装置であって、前記
水素吸蔵材料は、少なくとも1つのフッ素原子が導入さ
れた共役系筒状炭素材料を含むことを特徴とする水素吸
蔵装置。 - 【請求項18】 水素吸蔵材料を用いた燃料電池であっ
て、 前記水素吸蔵材料は、少なくとも1つのフッ素原子が導
入された共役系筒状炭素材料を含むことを特徴とする燃
料電池。 - 【請求項19】 少なくとも1つのフッ素原子が導入さ
れた共役系筒状炭素材料を含む炭素質材料に水素を供給
する工程と、 圧力および/または温度を変化させる工程とを有するこ
とを特徴とする水素吸蔵方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002174001A JP2003238133A (ja) | 2001-12-14 | 2002-06-14 | 炭素質材料、水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方法 |
US10/320,337 US20040018138A1 (en) | 2001-12-14 | 2002-12-16 | Carbonaceous material, hydrogenoccluding material, hydrogen-occluding apparatus, fuel cell, and method of hydrogen occlusion |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001-380898 | 2001-12-14 | ||
JP2001380898 | 2001-12-14 | ||
JP2002174001A JP2003238133A (ja) | 2001-12-14 | 2002-06-14 | 炭素質材料、水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003238133A true JP2003238133A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27790839
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002174001A Abandoned JP2003238133A (ja) | 2001-12-14 | 2002-06-14 | 炭素質材料、水素吸蔵材料、水素吸蔵装置、燃料電池および水素吸蔵方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US20040018138A1 (ja) |
JP (1) | JP2003238133A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018084297A1 (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-11 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | ナノ炭素材料膜の製造方法と装置 |
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US7794880B2 (en) * | 2005-11-16 | 2010-09-14 | California Institute Of Technology | Fluorination of multi-layered carbon nanomaterials |
US20100221603A1 (en) * | 2006-03-03 | 2010-09-02 | Rachid Yazami | Lithium ion fluoride battery |
EP2132811A1 (en) * | 2007-03-14 | 2009-12-16 | California Institute of Technology | High discharge rate batteries |
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SG109408A1 (en) * | 1999-06-04 | 2005-03-30 | Univ Singapore | Method of reversibly storing h2, and h2-storage system based on metal-doped carbon-based materials |
US6479028B1 (en) * | 2000-04-03 | 2002-11-12 | The Regents Of The University Of California | Rapid synthesis of carbon nanotubes and carbon encapsulated metal nanoparticles by a displacement reaction |
US7008563B2 (en) * | 2000-08-24 | 2006-03-07 | William Marsh Rice University | Polymer-wrapped single wall carbon nanotubes |
-
2002
- 2002-06-14 JP JP2002174001A patent/JP2003238133A/ja not_active Abandoned
- 2002-12-16 US US10/320,337 patent/US20040018138A1/en not_active Abandoned
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018084297A1 (ja) * | 2016-11-07 | 2018-05-11 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | ナノ炭素材料膜の製造方法と装置 |
JPWO2018084297A1 (ja) * | 2016-11-07 | 2019-10-10 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | ナノ炭素材料膜の製造方法と装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US20040018138A1 (en) | 2004-01-29 |
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