JP2003233402A - 処理条件設定装置、その方法、そのプログラムおよび処理プラント - Google Patents

処理条件設定装置、その方法、そのプログラムおよび処理プラント

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JP2003233402A
JP2003233402A JP2002032729A JP2002032729A JP2003233402A JP 2003233402 A JP2003233402 A JP 2003233402A JP 2002032729 A JP2002032729 A JP 2002032729A JP 2002032729 A JP2002032729 A JP 2002032729A JP 2003233402 A JP2003233402 A JP 2003233402A
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JP2002032729A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Suzuki
和廣 鈴木
Eiichiro Kanda
英一郎 神田
Takayuki Watanabe
▲高▼幸 渡邉
Tetsuji Tani
哲次 谷
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Idemitsu Kosan Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
Original Assignee
Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Kosan Co Ltd
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Publication date
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 RFCC装置における重質油をガソリンや軽
油などの高付加価値製品に効率よく容易に処理できる処
理条件設定方法を提供する。 【解決手段】 過去の運転データをID3に基づいて、
所定の規則性の運転データの区分に分類する運転条件変
数を求める。各区分における運転条件変数の重回帰式を
算出する。各区分の重回帰式を加重平均して連続化し、
基準触媒添加量モデルとする。反応理論データからIF
−THEN型の法則で目標分解率を求めるとともに、反
応状態の実測値から実測分解率を求めて比較し、変数を
求める。基準触媒添加量モデルからの基準触媒添加量を
変数で修正し、熟練を要すことなく最も少ない最適な触
媒添加量を求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、素材を所定の条件
で処理して取得物を取得するための処理条件を設定する
処理条件設定装置、その方法、そのプログラムおよび処
理プラントに関する。
【0002】
【背景技術】従来、例えば製油産業では、品質向上、安
定操業、生産性の向上、省力化、省資源化などのため
に、プラントにおける処理工程の自動化が図られてい
る。この自動化のために、例えば特開平10−6046
2号公報などに記載のファジィ制御するものや、特開平
4−63102号公報などに記載の帰納的学習法ID3
を用いるもの、特開2001−273474号公報など
に記載のニューラルネットワークを用いるものなど、各
種自動処理工程が知られている。
【0003】ところで、例えば重質油流動接触分解装置
(RFCC装置)において、重質油を分解するために使
用する触媒を使用により活性力が低下する触媒の一部を
排出し、この排出した分を新しい触媒で補充する制御が
実施されている。この新しい触媒の添加量は、RFCC
装置の運転の際に起こる反応に基づいて理論的に求めら
れたシュミレーションモデルに基づいて決定されてい
る。
【0004】しかしながら、実際の処理では、各種処理
条件や原料状態により触媒の添加量は変動する。このた
め、上述した各種方法を用いることにより、ある程度の
効率的な処理が得られる触媒添加量を求めることは可能
であるものの、最も少ない添加量で効率よく処理するた
めには、長年の処理経験を修得したオペレータの判断に
より、人為的に添加量を修正して、より効率的に処理す
る必要がある。特に、触媒を用いて処理するプロセスに
おいて、触媒を添加してから実際の処理結果が得られる
までには、非線形性や干渉などにより大きなタイムラグ
が生じる処理も少なくない。このことからも、上述した
ような各種方法を用いて効率よく処理させるための方法
を自動化することが困難となっている。
【0005】よって、長年の処理経験が問われることな
く最も少ない触媒の添加量で効率よく処理できる方法が
望まれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、熟練
が要求されることなく効率よく素材を取得物に処理する
ための最適な処理条件を容易に設定できる方法が望まれ
ている。
【0007】本発明は、このような点に鑑みて、素材を
取得物に効率よく容易に処理できる処理条件設定方法、
その装置、そのシステムおよびそのプログラムを提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、素材を所定の条件で処理して取得物を取得するため
の処理条件を設定する処理条件設定装置であって、前記
素材を処理して前記取得物を得る際の処理状態を検出す
る処理状態検出手段と、従前の処理により得られ処理条
件を有した複数の処理データを蓄積する処理条件データ
蓄積手段と、この処理条件データ蓄積手段に蓄積された
前記複数の処理データをデータマイニング手法により所
定の相関関係で分類するための処理条件を基準の処理条
件として設定する基準処理条件設定手段と、前記素材を
処理して前記取得物を得るための計算にて得られる理論
処理条件を有した理論データを蓄積する理論データ蓄積
手段と、前記処理状態検出手段により検出した処理状態
で所望の処理結果を取得するための変数を、前記理論デ
ータ蓄積手段に蓄積された理論データの理論処理条件と
前記処理状態および所望の処理結果とを照合させて設定
する処理条件修正設定手段と、前記基準処理条件設定手
段により設定された基準となる処理条件を前記処理条件
修正設定手段にて設定した変数で修正し、前記素材を前
記取得物に処理するための処理条件を設定する処理条件
設定手段とを具備したことを特徴とした処理条件設定装
置である。
【0009】この発明では、基準処理条件設定手段によ
り、データマイニング手法を用いて処理条件データ蓄積
手段に蓄積された従前の処理により得られ処理条件を有
した複数の処理データを所定の相関関係で分類するため
の処理条件を取得して基準の処理条件として設定する。
また、処理状態検出手段により素材を処理して取得物を
得る際の処理状態を取得し、処理条件修正設定手段によ
り、取得された処理状態で所望の処理結果を取得するた
めの変数を、理論データ蓄積手段に蓄積され素材を処理
して取得物を得るための計算にて得られる理論処理条件
を有した理論データと処理状態および所望の処理結果と
を照合させて設定する。そして、処理条件設定手段によ
り、基準処理条件設定手段にて設定した基準となる処理
条件を処理条件修正設定手段にて設定した変数で修正
し、素材を取得物に処理するための処理条件を設定す
る。このことにより、熟練が要求されることなく効率よ
く素材を取得物に処理するための最適な処理条件が容易
に設定される。
【0010】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の処理条件設定装置において、基準処理条件設定手段
は、帰納的学習法の反復二分化(Iterative Dichotomis
er:ID)3に基づいて複数の処理データを所定の相関
関係で分類するための処理条件を設定することを特徴と
する。
【0011】この発明では、基準処理条件設定手段によ
り、帰納的学習法の反復二分化(Iterative Dichotomis
er:ID)3に基づいてデータマイニング手法を実行す
ることで、複数の処理データを所定の相関関係で分類す
るための処理条件を設定する。このことにより、処理デ
ータを構成する処理条件の処理項目や閾値が最適な処理
条件となるように容易に特定され、効率よく最適な処理
条件が設定される。
【0012】請求項3に記載の発明は、請求項2に記載
の処理条件設定装置において、ID3に基づいて設定し
た処理条件により分類される処理データ毎に重回帰式を
算出し、これら各分類における重回帰式を加重平均によ
り連続して基準の処理条件とすることを特徴とする。
【0013】この発明では、ID3に基づいて設定した
処理条件により分類される処理データ毎に重回帰式を算
出し、これら各分類における重回帰式を加重平均により
連続化して基準の処理条件を設定する。このことによ
り、基準となる処理条件が連続化し、安定した最適な処
理条件が容易に得られる。
【0014】請求項4に記載の発明は、請求項1ないし
3のいずれかに記載の処理条件設定装置において、処理
条件修正設定手段は、理想処理条件によるIF−THE
N型の法則で理論データを構築し、処理状態検出手段に
より検出した処理状態を前記IF−THEN型の法則の
理論データと照合させ、得られる照合結果を所望の処理
結果にする変数を設定することを特徴とする。
【0015】この発明では、処理条件修正設定手段によ
り、理想処理条件によるIF−THEN型の法則で理論
データを構築し、処理状態検出手段にて検出した処理状
態をIF−THEN型の法則の理論データと照合させ、
得られる照合結果を所望の処理結果にするための変数を
設定する。このことにより、基準の処理条件を最適な処
理条件に修正するための変数が容易に得られる。
【0016】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
の処理条件設定装置において、処理条件設定手段は、所
定期間の間に処理条件修正設定手段により設定される複
数の変数の偏差の平均を演算し、この得られた演算結果
で素材を取得物に処理するための処理条件を修正するこ
とを特徴とする。
【0017】この発明では、処理条件設定手段により、
処理条件修正設定手段にて設定される所定時間の間の複
数の変数の偏差の平均を演算し、得られた演算結果で素
材を取得物に処理するための処理条件を修正する。この
ことにより、素材が長期間でも安定して良好に処理され
る。
【0018】請求項6に記載の発明は、請求項1ないし
4に記載の処理条件設定装置と、この処理条件設定装置
により設定された処理条件に基づいて素材を処理して取
得物を取得する処理手段とを具備したことを特徴とした
処理プラントである。
【0019】この発明では、熟練が要求されることなく
効率よく素材を取得物に処理するための最適な処理条件
を容易に設定できる請求項1ないし4に記載の処理条件
設定装置により設定した処理条件に基づいて処理手段で
素材を処理する。このことにより、最適な処理条件で効
率よく良好に素材が取得物に処理される。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項1に記載
の処理条件設定装置を処理条件設定方法に展開したもの
で、素材を所定の条件で処理して取得物を取得するため
の処理条件をコンピュータを用いて設定する処理条件設
定方法であって、データマイニング手法により、従前の
処理により得られ処理条件を有した複数の処理データが
所定の相関関係で分類される処理条件を取得し、この取
得した処理条件を基準の処理条件として設定するととも
に、前記素材を処理して前記取得物を得るための計算に
て得られる理論データの理論処理条件と、前記素材を処
理する際の処理状態および所望の処理結果とを照合し
て、所望の処理結果を取得するための変数を設定し、前
記基準の処理条件を前記変数で修正し、前記素材を前記
取得物に処理するための処理条件とするものである。こ
のことにより、請求項1に記載の発明と同様の作用効果
を享受する。
【0021】請求項8ないし請求項11に記載の発明
は、請求項7に記載の処理条件設定方法において、請求
項2ないし5に記載の処理条件設定装置に対応する処理
条件設定方法で、請求項2ないし5に記載の発明と同様
の作用効果を享受する。
【0022】請求項12に記載の発明は、請求項7ない
し11のいずれかに記載の処理条件設定方法をコンピュ
ータに実行させることを特徴とする処理条件設定プログ
ラムである。
【0023】この発明では、例えば汎用のコンピュータ
を利用してコンピュータにインストールすることにより
請求項7ないし請求項11のいずれかに記載の処理条件
設定方法をコンピュータに実行させることができ、本発
明の利用促進を大幅に図ることができる。
【0024】なお、請求項7ないし12に記載の発明に
おいて、コンピュータは、コンピュータは、1つに限ら
ず、例えば複数のコンピュータをネットワーク状に組み
合わせた構成なども含む。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の一形態を図
面に基づいて説明する。なお、本実施の形態では、重質
油流動接触分解(Residue Fluid Catalytic Cracking:
RFCC)装置を用いて説明する。図1は、処理手段と
しての重質油流動接触分解装置(RFCC装置)の構成
を示す模式図である。
【0026】〔重質油流動接触分解装置(RFCC装
置)の構成〕図1に示すように、重質油流動接触分解装
置(RFCC装置)1は、付加価値の低い例えばC重油
などの素材である重質油を分解し、取得物としてのガソ
リンや軽油といった高付加価値製品を製造する装置であ
る。そして、RFCC装置1は、反応塔2、触媒再生塔
3および主分留塔4を備えている。また、触媒再生塔3
は、第1再生塔5および第2再生塔6を備えている。
【0027】そして、反応塔2は、原料油である重出油
とともに図示しない触媒が流通可能な略円筒状に形成さ
れている。触媒としては、例えばシリカ−アルミナ系や
ゼオライト系のものが利用される。この反応塔2の下部
には、重出油が流入される流入口8および触媒が投入さ
れる触媒投入孔9が設けられている。そして、反応塔2
は、重質油を触媒と例えば490℃〜550℃程度で反
応させて分解油に分解する。
【0028】また、反応塔2の内部上方には、分解油と
触媒とを分離する図示しない分離手段が設けられてい
る。そして、反応塔2の上部には、分解油を流出する流
出口10が設けられている。この流出口10には、主分
留塔4に接続され、分解油を主分留塔4に搬送する分解
油搬送管11が接続されている。さらに、反応塔2の上
部には、分離された触媒を流出する触媒排出口13が設
けられている。この触媒排出口13には、触媒再生塔3
の第1再生塔5に接続され、触媒を第1再生塔5に搬送
する触媒搬送管14が接続されている。
【0029】そして、触媒再生塔3の第1再生塔5の下
部には、反応塔2から流出された触媒が触媒搬送管14
を介して流入する触媒流入口16が設けられている。さ
らに、第1再生塔5には、下部から酸素を含有する気体
である空気を導入する空気導入手段17が設けられてい
る。また、第1再生塔5の上部には、第2再生塔6が接
続されている。この第2再生塔6は、第1再生塔5から
触媒が流入可能に接続されている。また、この第2再生
塔6には、空気導入手段17により、下部から空気が導
入可能となっている。そして、触媒再生塔3は、例えば
575〜630℃程度で触媒に付着した物質であるカー
ボンを燃焼して触媒の活性力を復元させる。
【0030】さらに、触媒再生塔3には、古く活性力が
復元しなくなった触媒を排出する図示しない触媒廃棄手
段が設けられている。また、触媒再生塔3には、新しい
触媒を添加する図示しない触媒添加手段が設けられてい
る。この触媒添加手段は、触媒廃棄手段にて排出される
古い触媒の量と略同量の新しい触媒を添加する。なお、
触媒廃棄手段から廃棄された活性力が低下した触媒は、
粉粒状になっており、例えば建材などに再利用される。
【0031】一方、主分留塔4は、反応塔2に接続さ
れ、反応塔2からの分解油を各留分、例えば燃料ガス、
ガソリン、液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas:
LPG)、軽油(Light Cycle Oil:LCO)、残渣油
(Clarified Oil:CLO)などに分留する。
【0032】〔処理制御装置の構成〕次に、上記RFC
C装置1による重質油から高付加価値の留分に分留する
処理工程を制御する処理条件設定装置としての処理制御
装置21の構成について説明する。図2は、処理制御装
置21を示すブロック図である。
【0033】処理制御装置21は、図2に示すように、
RFCC装置1の処理工程のうち例えば新しい触媒を添
加する量を、データマイニング手法にて基準触媒添加量
を把握しつつファジィ推論により実際の処理の状況に対
応して目標の処理が得られるように変更する制御をす
る。そして、この処理制御装置21は、RFCC装置1
の処理状態を検出する処理状態検出手段22と、運転支
援システム部23と、記憶手段24と、入力手段25A
とを備えている。
【0034】そして、処理状態検出手段22は、例えば
図示しない温度センサと、流量センサとを備えている。
温度センサは、運転支援システム部23に接続され、触
媒再生塔3の温度を検出して運転支援システム部23に
所定の信号を出力する。流量センサは、運転支援システ
ム部23に接続され、燃料ガス、ガソリン、LPG、軽
油、残油などの分留生成物の流量を検出し、運転支援シ
ステム部23に所定の信号を出力する。
【0035】運転支援システム部23は、基準処理条件
設定手段としての基準触媒添加量予測部25と、処理条
件修正設定手段としての修正ブロック部26と、処理条
件設定手段としての触媒添加量演算部27とを備えてい
る。そして、基準触媒添加量予測部25は、ID(Iter
ative Dichotomiser:反復二分化)3演算部28と、重
回帰式演算部29と、加重平均演算部30とを備えてい
る。また、修正ブロック部26は、分解率関数設定部3
1と、修正触媒添加量演算部32とを備えている。
【0036】ID3演算部28は、RFCC装置1の過
去の運転データからIF−THEN型の法則を演算によ
り自動的に導き出す帰納的学習法ID3を実施する。す
なわち、このID3演算部28は、運転データを構成す
る複数、例えば表1に示す24個の運転条件変数から運
転データを所定の相関関係である所定の規則性を有した
区分に分類する。ここで、RFCC装置1における運転
条件変数は、1日当たりの触媒添加量、重質油の性状、
分留された製品の性状、製品の得率など、RFCC装置
1の処理状態を決定する運転条件である。
【0037】
【表1】
【0038】なお、本実施の形態では、例えば図3に示
すように、重質油中に含有される金属量(DSRC−M
etal)50ppmと、反応塔2の温度600℃と、
分留された分留生成物であるガソリン、LPG、燃料ガ
スおよび軽油の分留量の得率、すなわち分解率70体積
%との3つの閾値により、4つの領域A,B,C,Dが
分類されたものとする。
【0039】重回帰式演算部29は、ID3演算部28
に接続され、このID3演算部28にて分類した区分毎
に触媒添加量モデルである重回帰式を算出する。すなわ
ち、この重回帰式演算部29は、図4に示すように、各
区分を区分する閾値を拡げた各区分の領域a,b,c,
dでの運転データを用いて重回帰を実施する。
【0040】なお、本実施の形態では、重質油中に含有
される金属量50ppmの閾値では±10ppmの範
囲、反応塔2の温度600℃の閾値では±3℃の範囲、
分解率70体積%の閾値では±1体積%の範囲で重回帰
を実施する。そして、得られる重回帰式は、以下に示す
ようになる。
【0041】領域aでの触媒添加量:A1×(DSRC-S)+A2
×(DSRC-M)+A3×分解率 領域bでの触媒添加量:B1×(DSRC-S)+B2×(DSRC-M)+
B3×(Temp1)+B4×分解率 領域cでの触媒添加量:C1×(DSRC-M)+C2×(Temp1)+C
3×(Temp2)+C4×(STR-S)+C5×分解率 領域dでの触媒添加量:D1×(DSRC-M)+D2×(Temp1)+D
3×(Temp2)+D4×(STR-S)+D5×分解率+D6×CLO DSRC-S:重質油中の硫黄量 DSRC-M:重質油中の金属量 分解率:原料に対するガソリン分留量+軽油分留量 Temp1:反応塔2の温度 CLO:原料に対する残油量 Temp2:触媒再生塔3の温度 STR-S:ストリッピングスチーム量 A1〜A3,B1〜B4,C1〜C5,D1〜D6:係数
【0042】加重平均演算部30は、重回帰式演算部2
9に接続され、区分する閾値の近傍における加重平均に
より、各領域a〜dの重回帰式を連続的に接続する演算
を実施する。すなわち、この加重平均演算部30は、図
5に示すように、閾値近傍の所定の区間において、閾値
により分類された各領域a〜dの重回帰式から触媒添加
量を加重平均(=(mf1+nf2)/(m+n))する。この
加重平均した結果の集合が、この区間において各区分の
重回帰式を接続する重回帰式となる。そして、各区分の
重回帰式が連続して接続された重回帰式が基準触媒添加
量モデルとなる。
【0043】分解率関数設定部31は、シュミレーショ
ンモデルに基づいて基準触媒添加量モデルを修正する。
すなわち、分解率関数設定部31は、例えばシュミレー
ションモデルに基づいて、分解率を1体積%増大するの
に必要な触媒添加量の変化量をIF−THEN型の法則
の分解率関数として導き出す。ここで、シュミレーショ
ンモデルは、RFCC装置1により重質油を燃料ガス、
LPG、ガソリン、軽油、残油に分留する際の反応式に
基づいて得られ理論上の運転条件変数にて構築された反
応理論データにより構成される。
【0044】この分解率関数は、例えばIF(反応塔温
度700℃)THEN(分解率1増大に必要な修正触媒
添加量0.55t/日添加)、IF(反応塔温度720
℃)THEN(分解率1増大に必要な修正触媒添加量
0.60t/日添加)などのようになる。
【0045】修正触媒添加量演算部32は、実際の分解
率が所定の分解率となるように基準触媒添加量モデルに
て得られる触媒添加量を修正する修正触媒添加量を算出
する演算を実施する。すなわち、修正触媒添加量演算部
32は、運転支援システム部23の処理状態検出手段2
2および分解率関数設定部31に接続されている。
【0046】そして、修正触媒添加量演算部32は、処
理状態検出手段22から触媒再生塔3の温度と、燃料ガ
ス、ガソリン、LPGおよび軽油のそれぞれ得られた分
留量とを認識する。さらに、修正触媒添加量演算部32
は、認識した分留量が全体量に対する分留量の割合であ
る得率としての実測分解率を演算する。また、修正触媒
添加量演算部32は、加重平均演算部30で演算した基
準触媒添加量モデルに基づいてあらかじめ設定された目
標となる目標分解率を認識する。そして、修正触媒添加
量演算部32は、目標分解率と得られた実測分解率とを
比較し、分解率関数設定部31の分解率関数に基づいて
修正触媒添加量を演算する。
【0047】具体的には、触媒再生塔3の温度が700
℃である場合、実測分解率が目標分解率よりα体積%低
い場合、分解率関数から修正触媒添加量は0.55〔t
/日〕×α(変数)、すなわち目標分解率とするために
触媒をさらに0.55α〔t/日〕添加する必要がある
ことが導かれる。
【0048】また、触媒添加量演算部27は、触媒再生
塔3に古い触媒を廃棄するとともに新しい触媒を添加す
るための触媒の廃棄および添加の量を演算する。すなわ
ち、触媒添加量演算部27は、処理状態検出手段22か
ら処理状態、すなわち触媒再生塔3の温度と、燃料ガ
ス、ガソリン、LPGおよび軽油のそれぞれ得られた分
留量とを認識する。この処理状態から加重平均演算部3
0にて得られた基準触媒添加量モデルに基づいて基準触
媒添加量を演算する。そして、触媒添加量演算部27
は、演算した基準触媒添加量と、修正触媒添加量演算部
32で演算した修正触媒添加量とを加算し、修正した触
媒添加量を演算する。この修正した触媒添加量に基づい
て、処理制御装置21が触媒廃棄手段および触媒添加手
段を制御し、古い触媒を廃棄するとともに、廃棄した触
媒量である修正した触媒添加量を添加する制御をする。
【0049】さらに、触媒添加量演算部27は、目標分
解率とするために触媒をさらに0.55α〔t/日〕添
加するという実測データを、所定期間例えば1週間分で
偏差の平均を算出し、この算出した偏差平均で修正触媒
添加量演算部32で演算した修正触媒添加量を修正し
て、さらに修正した触媒添加量を演算する。
【0050】一方、記憶手段24は、処理条件データ蓄
積手段としての運転データデータベース35と、基準触
媒添加量モデルデータベース36と、理論データ蓄積手
段としての反応理論データデータベース37と、実測値
データデータベース38とを備えている。この他に、記
憶手段24は、処理制御装置21の各構成やOSを含む
プログラムなどを記憶する領域をも備えている。
【0051】運転データデータベース35は、RFCC
装置1の過去の運転データ、例えば過去2年程度の運転
データである215件を蓄積する。この運転データデー
タベースは、運転支援システム部23のID3演算部2
8に接続され、ID3演算部28が運転データを読み出
し可能に記憶する。この記憶される運転データは、表2
に示すように、別途入力手段25Aにより入力され、R
FCC装置1の運転日毎に運転条件変数情報を1つのレ
コードとして記憶したテーブル構造のデータベースとし
て構成される。そして、運転条件変数情報は、上述した
ように、例えば表1に示す24変数から構成されてい
る。なお、運転条件変数情報は、必ずしも24変数全て
にて構成する必要はなく、後述する最適な処理条件を設
定するために必要となる変数のみから構成してもよい。
そして、表2は、全運転データの一部のみを表示する。
【0052】
【表2】
【0053】基準触媒添加量モデルデータベース36
は、加重平均演算部30に接続され、この加重平均演算
部30にて演算した結果である基準触媒添加モデルを読
み出し可能に記憶する。この基準触媒添加量モデルデー
タベース36は、基準触媒添加モデルを全運転データの
重回帰式として記憶したテーブル構造のデータベースと
して構成される。
【0054】反応理論データデータベース37は、重出
油を燃料ガス、LPG、ガソリン、軽油、残油に分留す
る際の反応式に基づいて得られ理論上の運転条件変数に
て構築された反応理論データを蓄積する。この反応理論
データデータベース37は、例えば図に示すように、理
論上の運転条件変数情報を各運転条件変数毎に1つのレ
コードとして記憶したテーブル構造のデータベースとし
て構成される。なお、反応理論データは、例えばデータ
ブックなどから入手可能で、図6に示すような情報とし
て得ることができる。そして、反応理論データデータベ
ース37は、運転支援システム部23の修正ブロック部
26の分解率関数設定部31が反応理論データを読み取
り可能に接続されている。
【0055】実測値データデータベース38は、運転デ
ータデータベースと同様に、RFCC装置1の運転日毎
に運転条件変数情報を1つのレコードとして記憶したテ
ーブル構造のデータベースとして構成される。すなわ
ち、実測データを運転データと同様に逐次蓄積する。な
お、この実測値データデータベース38は、運転データ
データベース35に組み込まれ、実測データを運転デー
タとともに蓄積する構成としてもよい。また、実測値デ
ータデータベース38は、修正触媒添加量演算部32で
得られた例えば0.55α〔t/日〕添加するという実
測値データをも記憶する。
【0056】一方、入力手段25Aは、例えばコンピュ
ータのキーボードやマウスなどの入力操作により設定入
力する構成のものである。なお、この設定入力は、例え
ばDCS(分散計装計算機)からプロセスコンピュータ
を介して直接的にデータを収集してもよい。
【0057】〔処理制御装置の動作〕次に、上記一実施
の形態のRFCC装置1の処理の際の処理制御装置21
の動作について図面に基づいて説明する。
【0058】まず、あらかじめ入力手段25Aの入力操
作により、運転データデータベース35にRFCC装置
1の過去の運転データを記憶しておく。運転データは、
RFCC装置1の運転日毎に運転条件や重質油の性状、
品質性状、得率などの24変数にて構成した運転条件変
数情報を1つのレコードとして複数記憶される。また、
入力手段25Aの入力操作により、反応理論データデー
タベース37にRFCC装置1における処理に関する反
応式に基づいた理論上の運転条件変数にて構築された反
応理論データであるシュミレーションモデルを記憶して
おく。
【0059】そして、基準触媒添加量予測部25のID
3演算部28により、図7のフローチャートに示すよう
に、運転データデータベース35に記憶された過去の運
転データを、帰納的学習法ID3にてIF−THEN型
の法則で所定の規則性を有した区分に分類する(ステッ
プ1)。なお、上述したように、本実施の形態では、例
えば図3に示すように、重質油中に含有される金属量
(DSRC−Metal)50ppmと、反応塔2の温
度600℃と、分留された分留生成物であるガソリン、
LPG、燃料ガスおよび軽油の分留量の得率、すなわち
分解率70体積%との3つの閾値により、4つの領域
A,B,C,Dが分類されたものとする。
【0060】次に、重回帰式演算部29により、ID3
演算部28にて分類した各区分毎に、例えば図4に示す
ように、分類する閾値を拡げた領域a,b,c,dでの
運転データを用いて、上述した重回帰式を算出する(ス
テップ2)。なお、上述したように、本実施の形態で
は、例えば重質油中に含有される金属量50ppmの閾
値では±10ppmの範囲、反応塔2の温度600℃の
閾値では±3℃の範囲、分解率70体積%の閾値では±
1体積%の範囲で重回帰を実施する。
【0061】この後、加重平均演算部20により、例え
ば図5に示す閾値近傍の所定の区間において、閾値によ
り分類された各領域a〜dの重回帰式から触媒添加量を
加重平均し、各領域a〜dの重回帰式を連続した重回帰
式に接続する演算を実施する(ステップ3)。なお、本
実施の形態では、加重平均する区間を、例えば重質油中
に含有される金属量50ppmの閾値では±10ppm
の範囲、反応塔2の温度600℃の閾値では±3℃の範
囲、分解率70体積%の閾値では±1体積%の範囲とす
る。この演算により接続された重回帰式が基準触媒添加
量モデルとなり、基準触媒添加量モデルデータベース3
6に記憶される。
【0062】次に、修正ブロック部26の分解率関数設
定部31により、例えば図8のフローチャートに示すよ
うに、反応理論データデータベース37に記憶されたシ
ュミレーションモデルの反応理論データに基づいて、R
FCC装置1における分解率を1体積%増大するのに必
要な触媒添加量の変化量をIF−THEN型の法則にて
構築される分解率関数として導き出す(ステップ5)。
【0063】そして、修正触媒添加量演算部32は、処
理状態検出手段22から反応塔2の温度と、触媒再生塔
3の温度、燃料ガス、ガソリン、LPGおよび軽油のそ
れぞれ得られた分留量とを認識する。さらに、修正触媒
添加量演算部32は、認識した分留量が全体量に対する
分留量の割合である得率としての実測分解率を演算する
(ステップ6)。また、修正触媒添加量演算部32は、
加重平均演算部30で演算した基準触媒添加量モデルに
基づいてあらかじめ設定された目標となる目標分解率を
認識する。そして、修正触媒添加量演算部32は、目標
分解率と得られた実測分解率とを比較し、分解率関数設
定部31の分解率関数に基づいて修正触媒添加量を演算
する(ステップ7)。
【0064】この後、運転支援システム部23の触媒添
加量演算部27により、処理状態検出手段22から反応
塔2の温度と、触媒再生塔3の温度、燃料ガス、ガソリ
ン、LPGおよび軽油のそれぞれ得られた分留量とを認
識する。この認識した処理状態から、基準触媒添加量モ
デルデータベース36に記憶された基準触媒添加量モデ
ルに基づいて、基準触媒添加量を算出する。そして、触
媒添加量演算部27により、算出された基準触媒添加量
と、修正触媒添加量演算部32にて算出された修正触媒
添加量とを加算し、修正した触媒添加量を演算する。
【0065】そして、処理制御装置21は、触媒添加量
演算部にて得られた修正した触媒添加量に基づいて、図
示しない触媒廃棄手段および触媒添加手段を制御する。
すなわち、触媒添加量と同量の古い触媒を廃棄させると
ともに、同量の新しい触媒を添加させる制御をする。こ
の制御により、処理状態が大きく変動することなく、安
定して目標分解率が得られる処理が実施できる。
【0066】また、修正触媒添加量演算部32にて算出
した修正触媒添加量は、図9のフローチャートに示すよ
うに、実測値データデータベース38に実測データとと
もに逐次記憶される(ステップ11)。そして、処理制
御装置21が所定期間、例えば修正触媒添加量の記憶し
たデータが1週間蓄積されたことを認識することによ
り、触媒添加量演算部27は1週間分の修正触媒添加量
の偏差の平均値を算出する(ステップ12)。さらに、
触媒添加量演算部27は、1週間分の修正触媒添加量の
偏差の平均値を、基準触媒添加量モデルにて得られる基
準触媒添加量に加算し、修正した基準触媒添加量モデル
とする(ステップ13)。
【0067】そして、処理制御装置21は、このステッ
プ13で得られた修正した基準触媒添加量モデルに基づ
いて図示しない触媒廃棄手段および触媒添加手段を制御
し、触媒添加量と同量の古い触媒を廃棄させるととも
に、同量の新しい触媒を添加させる制御をする。
【0068】〔処理制御装置の効果〕上述したように、
上記実施の形態によれば、以下に示すような効果を奏す
る。
【0069】(1)基準触媒添加量予測部25により、
データマイニング手法を用いて運転データデータベース
35に蓄積された従前の処理により得られ処理条件を有
した複数の処理データである運転データを、所定の規則
性を有した区分に分類するための処理項目や閾値などの
運転データを構成する運転条件変数を取得して基準の処
理条件となる基準触媒添加量モデルを設定する。また、
処理状態検出手段22により重質油を処理してガソリン
や軽油などの高付加価値製品を得る際の処理状態である
温度などを取得し、修正ブロック部26により、取得さ
れた処理状態で所望の処理結果である触媒添加量を取得
するための変数を、反応理論データデータベース37に
蓄積され重質油を処理してガソリンなどを得るための計
算にて得られる理論処理条件である反応理論データと反
応塔2の温度などの処理状態および所望の触媒添加量と
を照合させて設定する。そして、触媒添加量演算部27
により、基準触媒添加量予測部25にて設定した基準と
なる処理条件である基準触媒添加量モデルによる基準触
媒添加量を修正ブロック部26にて設定した変数、すな
わち目標分解率と実測分解率との差である割合で修正
し、重質油をガソリンなどに処理するための触媒添加量
を設定する。このため、熟練が要求されることなく効率
よく重質油をガソリンなどに処理するための最も少なく
て済む最適な触媒添加量を容易に設定できる。
【0070】(2)基準触媒添加量予測部25により、
帰納的学習法の反復二分化(Iterative Dichotomiser:
ID)3に基づいてデータマイニング手法を実行するこ
とで、複数の運転データを所定の規則性を有した区分に
分類するための運転条件変数を設定する。このため、運
転データを構成する運転条件変数の処理項目や閾値など
が最適な処理条件である最も少ない触媒添加量となるよ
うに容易に特定でき、効率よく最も少ない最適な触媒添
加量を設定できる。
【0071】(3)ID3に基づいて設定した運転条件
変数により分類される区分の運転データ毎に、重回帰式
演算部29で重回帰式を算出し、これら各分類における
重回帰式を加重平均演算部30で加重平均により連続化
して基準触媒添加量モデルを設定する。このため、基準
触媒添加量が連続化し、安定した最も少ない最適な触媒
添加量を容易に得ることができる。
【0072】(4)修正ブロック部26の分解率関数設
定部31によりIF−THEN型の法則で反応理論デー
タを構築し、処理状態検出手段22にて検出した処理状
態をIF−THEN型の法則の反応理論データと照合さ
せて実測分解率を算出し、得られる照合結果である実測
分解率を所望の目標分解率にするための変数αを設定す
る。このため、基準触媒添加量を最も少ない最適な触媒
添加量に修正するための変数αを容易に得ることができ
る。
【0073】(5)触媒添加量演算部27により、修正
ブロック部26にて設定される所定時間例えば1週間の
複数の変数αの偏差平均を演算し、得られた演算結果で
触媒添加量を修正する。このため、重質油を長期間のス
パンでも安定して良好に処理できる。
【0074】(6)熟練が要求されることなく効率よく
重質油をガソリンなどに処理するための最も少ない最適
な触媒添加量を容易に設定できる処理制御装置21によ
り設定した触媒添加量に基づいてRFCC装置1で重質
油を処理する。このため、最も少ない最適な触媒添加量
で効率よく良好に重質油を処理でき、処理コストも低減
できる。
【0075】(7)例えば汎用のコンピュータを利用し
てコンピュータにインストールすることにより上述した
処理制御装置21で処理制御するための動作をコンピュ
ータに実行させることができ、本発明の利用促進を大幅
に図ることができる。
【0076】〔他の実施の形態〕なお、本発明は、上記
実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すよう
な変形をも含むものである。
【0077】すなわち、上記実施の形態では、RFCC
装置1の新しい触媒を添加する添加量を制御して説明し
たが、例えばRFCC装置1の触媒再生塔3の温度を最
適に制御するため、製油に限らず、異なる原料を配合す
るための最適な配合量を設定するため、汚水に凝固剤を
添加するなど反応のために薬剤を添加する添加量を最適
に制御するためなど、素材を取得物に処理するための処
理条件を最適に決定する何れの構成にも利用できる。
【0078】そして、変数αの所定期間における偏差の
平均をも修正して説明したが、この構成を設けなくても
よい。
【0079】また、データマイニング手法として、ID
3に限らず、ID3を発展させたC4.5や、kmea
ns法(k近傍法)、ニューラルネットワーク、AIC
法などを利用してもできる。
【0080】そして、基準触媒添加量モデルを形成する
際に、加重平均にて演算して説明したが、線形モデルや
非線形モデル、これらの組み合わせなど、いずれの方法
により求めることができる。
【0081】また、修正触媒添加量の偏差平均値を基準
触媒添加量に加算して基準触媒添加量モデルを修正して
説明したが、この修正触媒添加量の偏差平均値を加算す
る処理を実施しなくてもよく、偏差平均する間隔として
1週間分の修正触媒添加量に限らず適宜設定できる。
【0082】さらに、基準触媒添加量を修正触媒添加量
で修正した基準触媒添加量モデルに修正触媒添加量の偏
差平均で修正して説明したが、基準触媒添加量をあらか
じめ偏差平均で修正した基準触媒添加量モデルを修正触
媒添加量で修正するなどしてもできる。
【0083】その他、本発明の実施の際の具体的な構造
および形状などは、本発明の目的を達成できる範囲で他
の構造などとしてもよい。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、データマイニング手法
を用いて従前の処理により得られた複数の処理データを
所定の相関関係で分類するための処理条件を取得して基
準の処理条件とするとともに、素材を処理して取得物を
得る際の処理状態を取得し、取得した処理状態で所望の
処理結果を取得するための変数を、素材を処理して取得
物を得るための計算にて得られる理論データと処理状態
および所望の処理結果とを照合させて設定し、基準とな
る処理条件を変数で修正し、素材を取得物に処理するた
めの処理条件を設定するため、熟練が要求されることな
く効率よく素材を取得物に処理するための最適な処理条
件を容易に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るRFCC装置の構
成を表すブロック図である。
【図2】前記一実施の形態における処理制御装置の構成
を示すブロック図である。
【図3】前記一実施の形態における運転データを分類す
る状況を説明する説明図である。
【図4】前記一実施の形態における分類された各区分に
おける重回帰式を算出する状況を説明する説明図であ
る。
【図5】前記一実施の形態における各区分の重回帰式を
加重平均する状況を説明する説明図である。
【図6】前記一実施の形態における反応理論データの具
体例を示すグラフである。
【図7】前記一実施の形態における処理制御装置の動作
を説明するフローチャートである。
【図8】前記一実施の形態における処理制御装置の動作
を説明するフローチャートである。
【図9】前記一実施の形態における処理制御装置の動作
を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 処理手段としてのRFCC装置 21 処理条件設定装置としての処理制御装置 22 処理状態検出手段 25 基準処理条件設定手段としての基準触媒添加量
予測部 26 処理条件修正設定手段としての修正ブロック部 27 処理条件設定手段としての触媒添加量演算部 28 ID演算部 29 重回帰式演算部 30 加重平均演算部 32 修正触媒添加量演算部 35 処理条件データ蓄積手段としての運転データデ
ータベース 37 理論データ蓄積手段としての反応理論データデ
ータベース
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡邉 ▲高▼幸 愛知県知多市南浜町11番地 (72)発明者 谷 哲次 千葉県市原市姉崎海岸26番地 Fターム(参考) 4H029 BD08 5B056 BB62 HH00 5H004 GA14 GA34 GB02 HA01 HA02 JA03 JB07 KC02 KC12 KC22 KC24 KC26 KC28 KD56 KD62

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材を所定の条件で処理して取得物を取
    得するための処理条件を設定する処理条件設定装置であ
    って、 前記素材を処理して前記取得物を得る際の処理状態を検
    出する処理状態検出手段と、 従前の処理により得られ処理条件を有した複数の処理デ
    ータを蓄積する処理条件データ蓄積手段と、 この処理条件データ蓄積手段に蓄積された前記複数の処
    理データをデータマイニング手法により所定の相関関係
    で分類するための処理条件を基準の処理条件として設定
    する基準処理条件設定手段と、 前記素材を処理して前記取得物を得るための計算にて得
    られる理論処理条件を有した理論データを蓄積する理論
    データ蓄積手段と、 前記処理状態検出手段により検出した処理状態で所望の
    処理結果を取得するための変数を、前記理論データ蓄積
    手段に蓄積された理論データの理論処理条件と前記処理
    状態および所望の処理結果とを照合させて設定する処理
    条件修正設定手段と、 前記基準処理条件設定手段により設定された基準となる
    処理条件を前記処理条件修正設定手段にて設定した変数
    で修正し、前記素材を前記取得物に処理するための処理
    条件を設定する処理条件設定手段とを具備したことを特
    徴とした処理条件設定装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の処理条件設定装置にお
    いて、 基準処理条件設定手段は、帰納的学習法の反復二分化
    (Iterative Dichotomiser:ID)3に基づいて複数の
    処理データを所定の相関関係で分類するための処理条件
    を設定することを特徴とした処理条件設定装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の処理条件設定装置にお
    いて、 ID3に基づいて設定した処理条件により分類される処
    理データ毎に重回帰式を算出し、これら各分類における
    重回帰式を加重平均により連続して基準の処理条件とす
    ることを特徴とした処理条件設定装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載の処
    理条件設定装置において、 処理条件修正設定手段は、理想処理条件によるIF−T
    HEN型の法則で理論データを構築し、処理状態検出手
    段により検出した処理状態を前記IF−THEN型の法
    則の理論データと照合させ、得られる照合結果を所望の
    処理結果にする変数を設定することを特徴とする処理条
    件設定装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の処理条件設定装置にお
    いて、 処理条件設定手段は、所定期間の間に処理条件修正設定
    手段により設定される複数の変数の偏差の平均を演算
    し、この得られた演算結果で素材を取得物に処理するた
    めの処理条件を修正することを特徴とした処理条件設定
    装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし4に記載の処理条件設定
    装置と、 この処理条件設定装置により設定された処理条件に基づ
    いて素材を処理して取得物を取得する処理手段とを具備
    したことを特徴とした処理プラント。
  7. 【請求項7】 素材を所定の条件で処理して取得物を取
    得するための処理条件をコンピュータを用いて設定する
    処理条件設定方法であって、 データマイニング手法により、従前の処理により得られ
    処理条件を有した複数の処理データが所定の相関関係で
    分類される処理条件を取得し、この取得した処理条件を
    基準の処理条件として設定するとともに、 前記素材を処理して前記取得物を得るための計算にて得
    られる理論データの理論処理条件と、前記素材を処理す
    る際の処理状態および所望の処理結果とを照合して、所
    望の処理結果を取得するための変数を設定し、 前記基準の処理条件を前記変数で修正し、前記素材を前
    記取得物に処理するための処理条件とすることを特徴と
    する処理条件設定方法。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の処理条件設定方法にお
    いて、 コンピュータにより実行するデータマイニング手法は、
    帰納的学習法の反復二分化(Iterative Dichotomiser:
    ID)3であることを特徴とする処理条件設定方法。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載の処理条件設定方法にお
    いて、 コンピュータにより実行するID3は、設定した処理条
    件により分類される処理データ毎に重回帰式を算出し、
    これら各分類における重回帰式を加重平均により連続し
    て基準の処理条件とすることを特徴とする処理条件設定
    方法。
  10. 【請求項10】 請求項7ないし9のいずれかに記載の
    処理条件設定方法において、 コンピュータは、理想処理条件によるIF−THEN型
    の法則で理論データを構築し、処理状態検出手段により
    検出した処理状態を前記IF−THEN型の法則の理論
    データと照合させ、得られる照合結果を所望の処理結果
    にする変数を設定することを特徴とする処理条件設定方
    法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の処理条件設定方法
    において、 コンピュータは、所定期間の間に設定される複数の変数
    の偏差の平均を演算し、この得られた演算結果で素材を
    取得物に処理するための処理条件を修正することを特徴
    とする処理条件設定方法。
  12. 【請求項12】 請求項7ないし11のいずれかに記載
    の処理条件設定方法をコンピュータに実行させることを
    特徴とする処理条件設定プログラム。
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