JP2003226772A - 熱膨張性ゴム及び配管施工構造 - Google Patents

熱膨張性ゴム及び配管施工構造

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 貫通孔への配管施工が容易で防火性能を高く
し易い熱膨張性ゴムを提供することにあり、さらにその
熱膨張性ゴムを用いた配管施工方法を提供すること。 【解決手段】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、前記ゴ
ム組成物が発泡剤を含有するとともに、前記発泡剤が少
なくとも一部発泡し、かつ、前記熱膨張性グラファイト
が膨張しない条件で加硫成型されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物の防火区画
の仕切壁等に設けられる貫通孔部やその貫通孔部と配管
との間の隙間等を閉塞する技術に関し、特に、このよう
な施工の際に好適に用いられる、熱膨張性グラファイト
を含有するゴム組成物を加硫成形してある熱膨張性ゴ
ム、および、その熱膨張性ゴムを用いて配管施工する構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の熱膨張性ゴムとしては、
CR組成物に熱膨張性グラファイトを配合したものが知
られている。このような熱膨張性ゴムは、前記熱膨張性
グラファイトが膨張しない温度域で加硫成型され、例え
ば防火区画の配管施工の際に用いられる。建築物の防火
区画の仕切壁に設けられる貫通孔部に配管を施工する配
管施工する際には、管に前記熱膨張性ゴムを巻回し、か
つ、その管を貫通孔部に挿通させた状態にし、前記熱膨
張性ゴムが前記貫通孔部内に位置するように固定する。
すると、このように配置された熱膨張性ゴムが火災等に
よる高熱を受けた際に、前記熱膨張性ゴムが膨張し、前
記貫通孔の内部が消失してもその空間を充填してしまう
ため、前記貫通孔を通じての延焼、類焼を防止すること
が出来るとともに、前記管が樹脂管の様な場合には、前
記樹脂管が消失する前に、前記熱膨張性ゴムが膨張しつ
つ管路を閉塞する効果を発揮するため、さらに効果的に
火災等による被害の拡大を防止できるようになる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来の前記熱膨張性ゴ
ムは、比較的硬質であるために、上述の配管施工方法を
行うに当たって、管に巻回する際に、その管に密接しつ
つ全周を覆うように固定することが困難であって、前記
貫通孔内部に配置した場合に、前記貫通孔内で前記管と
前記熱膨張性ゴムとの間に隙間ができて、外観上見栄え
が良くない状態になるうえ、防火性能が低下して十分な
防火性能を発揮できないのではないかとの懸念を起こし
てしまう状態になる場合がある。また、隙間無く施工で
きたとしても、その施工に手間と熟練を要し、効率よく
防火性能の高い配管施工を行うことが困難であるという
実情がある。さらに、前記熱膨張性ゴムは、通常耐火性
に優れたゴム組成物で構成されるため、そのゴム組成物
の耐火性に妨害されて、前記熱膨張性グラファイトの膨
張開始温度が比較的高くなってしまっているという現状
があり、比較的火災の初期で室内があまり高温に達しな
い状態でも十分前記貫通孔を閉塞することのできるもの
が望まれている。
【0004】従って、本発明の目的は、上記実情に鑑
み、貫通孔への配管施工が容易で防火性能の高い熱膨張
性ゴムを提供することにあり、さらにその熱膨張性ゴム
を用いた配管施工構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明の特徴構成は、熱膨張性グラファイトを含有す
るゴム組成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであっ
て、前記ゴム組成物が発泡剤を含有するとともに、前記
発泡剤が少なくとも一部発泡し、かつ、前記熱膨張性グ
ラファイトが実質的に膨張しない条件で加硫成型されて
いる、もしくは、熱膨張性グラファイトを含有するゴム
組成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、前記
熱膨張性グラファイトの一部が膨張する条件で加硫成型
されている点にある。また、熱膨張性グラファイトを含
有するゴム組成物を加硫成形してあり、前記ゴム組成物
の(加硫成型後の体積/加硫成型前の体積)(以下発泡
率と称する)が1.5〜2.8である、もしくは、熱膨
張性グラファイトを含有するゴム組成物を加硫成形して
あり、アスカーC型硬度計による硬さ(以下単にアスカ
ー硬さと称する)が16〜60である、もしくは、熱膨
張性グラファイトを含有するゴム組成物を加硫成形して
あり、加硫成型後のゴム組成物を180℃雰囲気下に3
0分晒す防火耐久試験で、(試験後の体積/試験前の体
積)(以下膨張率と称する)が3倍以上であってもよ
い。また、前記ゴム組成物が、NR、SBRを主成分と
するものであることが好ましい。尚、建築物の防火区画
の仕切壁に設けられる貫通孔部に配管を施工する配管施
工構造として、管に前記熱膨張性ゴムを巻回し、かつ、
その管を貫通孔部に挿通させた状態にし、前記熱膨張性
ゴムが前記貫通孔部内に位置するように固定してあるこ
とを特徴とする。
【0006】〔作用効果〕つまり、熱膨張性グラファイ
トを含有するゴム組成物を加硫成形してある熱膨張性ゴ
ムは、火災等による高熱を受けると前記熱膨張性グラフ
ァイトが膨張するために、先述の防火性能を発揮するこ
とになる。
【0007】ここで、前記ゴム組成物が発泡剤を含有す
ると、前記ゴム組成物の加硫成形の際に、前記発泡剤が
発泡する条件を選ぶことができる。そのため、この加硫
成形の条件を、前記発泡剤が少なくとも一部発泡する条
件としてあれば、前記発泡剤が発泡したときに、前記ゴ
ム組成物は前記発泡による気泡で多孔質に形成されると
ともに、体積膨張した状態になる。すると、加硫成形さ
れた熱膨張性ゴムは、柔軟に形成されるとともに、その
多孔質な構造に基づき、加硫成型された熱膨張性ゴムの
孔部を通じて熱が全体に伝達され易くなるために、熱伝
達率の高いものとできる。よって、前記施工方法を採用
する場合に、前記熱膨張ゴムを管に巻き付ける際には、
前記熱膨張ゴムを容易に巻き付け変形させることができ
るようになり、施工作業性が向上する。また、同様に、
前記発泡剤が発泡する代わりに、前記熱膨張性グラファ
イトの一部が加硫時に膨張する条件を選んだとしても、
同様に前記熱膨張ゴムを柔軟かつ高熱伝達率に成形する
ことができる。つまり、前記熱膨張性グラファイトが実
質的に膨張しない条件を選ぶ事により、火災時等におけ
る前記熱膨張性グラファイトの熱膨張による防火性能を
維持しつつ、前記熱膨張性ゴムの発泡により、柔軟かつ
高熱伝達率に成型できるので、防火性能、施工作業性と
もに向上させられる。
【0008】そのため、前記熱膨張ゴムは、前記管に巻
き付けた状態で、その管に密接させ易いために、この熱
膨張性ゴムを貫通孔に施工するような場合に、前記貫通
孔を容易に密に閉塞させることができるので、あまり労
力や熟練を要さずに防火施工等が行えるようになった。
【0009】さらに、前記熱膨張性ゴムは、発泡により
熱伝達率の高いものとなっているため、その熱膨張性ゴ
ムに含まれる熱膨張性グラファイトは、熱を受けやすく
なり、熱膨張可能な温度に達すると速やかに熱膨張でき
るようになる(後述の実施例(L)〜(Q))。そのた
め、このようにして得られた熱膨張性ゴムは、比較的低
温で確実に膨張しはじめることができるようになるため
に、初期火災の時点で速やかに作用して貫通孔を閉塞し
てしまい、火災の延焼、類焼を防止することが出来るよ
うになって、火事に対する防災性能が向上する。
【0010】尚、ここで、前記熱膨張性グラファイトが
膨張しない条件という場合、添加された熱膨張性グラフ
ァイトのほぼ全量が、膨張せずに残存し、火災時の膨張
を阻害しない程度に維持される条件を指し、熱膨張性グ
ラファイトが全く膨張してはならないことを限定する意
味ではない。また、前記熱膨張性グラファイトの一部が
膨張する条件という場合についても、前記熱膨張ゴムが
多孔質かつ柔軟で高熱伝達率になる程度で、かつ、熱膨
張性グラファイトの大部分が膨張しないで残存し、火災
時の膨張を阻害しない程度に維持される条件を指し、熱
膨張性グラファイトが火災時に膨張する機能を失うまで
にほとんど膨張してしまう状況を含める意図のものでは
ない。
【0011】尚、熱膨張性グラファイトが加硫条件下で
一部膨張した場合であっても同様の製品が得られること
が実験的に明らかになっている(後述の実施例(E)〜
(K))。
【0012】また、熱膨張性グラファイトを含有するゴ
ム組成物を加硫成形してあり、ゴム組成物の発泡率が
1.5〜2.8である(後述の実施例(E)〜(K))
と、前記ゴム組成物は十分軟質かつ高熱伝達率に形成さ
れるため、上述の加硫条件を採用した場合と同様、施工
作業性、防災性が向上する。また、このような発泡率に
設定すると、均一に発泡した状態で、かつ、180℃雰
囲気下に30分晒す防火耐久試験での膨張率の最大値が
大きく設定される(後述の実施例(L)〜(Q))ので
好ましい。
【0013】また、熱膨張性グラファイトを含有するゴ
ム組成物を加硫成形してあり、アスカー硬さが16未満
であると、軟らかすぎて寸法安定性が低下するために施
工作業性が低下する。一方、アスカー硬さが60以上で
あると、硬すぎて管に対する巻き付け作業性が低下す
る。よって、配管施工に用いる場合の施工作業性を良好
に維持するにはアスカー硬さが16〜60であることが
望ましく、上述の加硫条件を採用した場合と同様、施工
作業性、防災性が向上する。(後述の実施例(E)〜
(Q))
【0014】また、これらの条件を備えた熱膨張性ゴム
は、従来のものより膨張率が高く、樹脂管を圧縮閉塞さ
せるような用途で特に有用に用いられることが明らかに
なっている。(後述の実施例(E)〜(Q)) たとえば、熱膨張性グラファイトを含有するゴム組成物
を加硫成形してあり、加硫成型後のゴム組成物を180
℃雰囲気下に30分晒す防火耐久試験で、膨張率が3倍
以上であれば、低温で膨張しはじめるので、初期火災に
対しても迅速に管路遮断機能を発揮できる。また、管路
が熱変形しやすい樹脂管であってもその樹脂管を圧縮閉
塞して管路を遮断できるので好ましい。
【0015】また、前記ゴム組成物としては、任意のゴ
ム材料を適用することができるが、NR、SBR等を主
成分とするものであると、熱膨張性グラファイトに熱が
伝達されやすく、前記熱膨張性グラファイトが熱膨張し
はじめる温度を低く設定する上で有効である。尚、熱膨
張性グラファイトが膨張する際には、前記ゴム組成物を
膨張させなければならず、そのゴム組成物が逆に熱膨張
性グラファイトや発泡剤の膨張を抑制するように作用す
ることになるが、前記ゴム組成物自体が熱を受けて容易
に軟化、分解するNR、SBR等を主成分とするものと
してあれば、前記熱膨張性グラファイトは比較的低温で
前記ゴム組成物による拘束を受けなくなるため、孔部を
通じての熱伝達がさらに促進されて、見かけ上の熱伝達
率が高くなり、比較的低温時における熱膨張性ゴムの膨
張性能が良好に保たれ、初期火災における速やかな膨張
が期待できる。
【0016】尚、建築物の防火区画の仕切壁に設けられ
る貫通孔部に配管を施工する配管施工構造として、管に
前記熱膨張性ゴムを巻回し、かつ、その管を貫通孔部に
挿通させた状態にし、前記熱膨張性ゴムが前記貫通孔部
内に位置するように固定してあれば前記熱膨張性ゴムの
特性が十分に生かせ、施工性、防災性ともに優れた構造
となる。具体的には、前記熱膨張性ゴムが熱を受けて膨
張すると、相対的に前記管を圧縮閉塞する方向に膨張す
ることになり、前記管が焼失した後に空間ができてしま
って、火災によって生じた有害なガスや火炎自体が隣接
する部屋などに達し得るような状況が起きないように、
前記管路も閉塞することができ、防火構造上好ましい形
になる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。本発明の熱膨張性ゴムは、熱膨張
性グラファイトを含有するゴム組成物を加硫成形して形
成する。前記ゴム組成物には、発泡剤を含有させてお
き、前記発泡剤は、一部発泡し、かつ、前記熱膨張性グ
ラファイトが膨張しない条件、あるいは、前記熱膨張性
グラファイトの一部のみが膨張する条件で加硫成型され
ている。前記ゴム組成物としては、NR,SBR等の比
較的耐熱性の低い基材を用いることが好ましい。
【0018】また、この熱膨張性ゴムは、加硫時のゴム
組成物の発泡率が1.5〜2.8であり、アスカー硬さ
が16〜60であり、加硫成型後のゴム組成物を180
℃雰囲気下に30分晒す防火耐久試験で、膨張率が3倍
以上である。
【0019】このような熱膨張性ゴムは、建築物の防火
区画の仕切壁に設けられる貫通孔部に配管を施工する場
合、管に前記熱膨張性ゴムを巻回し、かつ、その管を貫
通孔部に挿通させた状態にし、前記熱膨張性ゴムが前記
貫通孔部内に位置するように固定する。具体的には、図
1に示すように、例えば壁部Wに設けられた貫通孔W1
(防火区画貫通部)に樹脂製の配管1を挿通配置するに
際して、前記貫通孔W1内に位置する部分に前記熱膨張
性ゴム製の薄板状体2を巻回固定しておく。前記薄板状
体2は、金属製のスリット付きの筒状スリーブ3に嵌着
してあり、前記配管1を覆う状態で前記スリーブ3を筒
状に組み立てることにより、前記薄板状体2が前記配管
1を覆って密接する姿勢に巻回される。また、前記スリ
ーブ3と貫通孔W1との間は、モルタルを充填して密閉
される。
【0020】このように施工された貫通孔W1が火災に
見舞われたときには、前記薄板状体2が図2に示すよう
に膨張して、前記配管を圧縮閉塞しつつ前記貫通孔W1
を閉塞し、毒性ガスが隣接する部屋に流れたり、火炎が
隣接する部屋に達して延焼や類焼を派生するのを防止す
る。
【0021】
【実施例】以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。表1に示すA〜Qの配合のゴム組成物を加硫成型
した結果、表2中Rに示す従来の配合のゴム組成物より
も柔軟で、かつ、低い温度で膨張が進行し、しかも、膨
張率の高い熱膨張性ゴムが得られていることが分かっ
た。
【0022】
【表1】
【0023】つまり、A〜Dと、Rとにより原料ゴムに
よる影響を比較すると、原料ゴムをCR(表中R(以下
単に(R)のように記す、))からNR(A)や、SB
R(B)に変更した場合には、低温領域(180℃未
満)における膨張率は大きくは変わらないものの、高温
領域(200℃以上)における膨張率が大きくなってい
る。これは、後述のL、Mの比較からもわかるように、
原料ゴムの違いから採否に差を生じた受酸剤の影響によ
るものであって、前記受酸剤が、前記熱膨張性グラファ
イトの膨張を抑制している事によるものと考えられる。
また、NRとSBRとのブレンドとした場合(C),
(D)であっても、同様の傾向が見られ、(C),
(D)の比較から軟化剤の相違によっては大きな差が生
じないことが読みとれる。従って、原料ゴムの材質や、
軟化材の相違によっては、熱膨張性グラファイトの膨張
に大きな影響は生じないものと考えられる。
【0024】また、加硫条件を種々変更した場合、水蒸
気加硫条件下0.2MPaで30minの場合(E)加
硫不足となることがわかったものの、水蒸気加硫条件下
で0.3MPa以上の場合、15分以上の加硫で初期の
アスカー硬さについて60以下となる十分良好な値が得
られる発泡率となっていることがわかる。発泡率は、実
質的にほとんどの熱膨張性グラファイトが膨張せず、一
部のみが膨張したものと考えられる1.2〜2.0程度
で十分な効果が得られていることがわかった。
【0025】また、発泡剤を添加してある系(L)〜
(Q)における発泡率は、2.0〜2.8と、発泡剤を
添加していない系の同様の加硫条件のものに比べて高い
発泡率となっていることが読みとれる。これは、発泡剤
が少なくとも一部発泡していることによると考えられ
る。
【0026】H〜Kによると、充填材は、熱膨張性グラ
ファイトが多い場合には、やはり高温時の膨張率を高く
設定できる(H)一方、少ない場合(J、K)にも、充
填材含有量を適切に設定すれば、均一に発泡させながら
も高い膨張率を発揮させられることがわかる。また、ゴ
ム配合としては、NR:SBR比を変更しても(H〜
K)発泡率、膨張率ともに特に大きな変化は現れないと
考えられることが分かった。
【0027】さらに、このようなゴム組成物に、常圧で
の発泡開始温度160℃の有機系発泡剤を添加した場合
(L)〜(Q)、初期の発泡率を高くでき、製品のアス
カー硬さを、より低く設定できることが分かる。また、
L、Mの比較より受酸剤は製品の低温域での膨張を抑制
する傾向があることがわかり、L、Nの比較より、発泡
助剤の添加によっても膨張率の増加が見込めることが分
かる。また、190℃近傍の膨張率のデータを参照し
て、M、P、Qより、発泡剤の量は1phrでやや効果
がみられはじめ、5〜10phrで効果の程度がやや飽
和しつつあるので、1〜10phrとすることが好まし
いことが分かる。
【0028】従って、前記ゴム組成物が発泡剤を含有す
るとともに、前記発泡剤が少なくとも一部発泡し、か
つ、前記熱膨張性グラファイトが膨張しない条件で加硫
成型されている、もしくは、前記熱膨張性グラファイト
の一部のみが膨張する条件で加硫成型されている、もし
くは、ゴム組成物の(加硫成型後の体積/加硫成型前の
体積)が1.5〜2.8である、もしくは、アスカーC
型硬度計による硬さが16〜60であるもしくは、加硫
成型後のゴム組成物を180℃雰囲気下に30分晒す防
火耐久試験で、(試験後の体積/試験前の体積)が3以
上である条件を満たすことにより高い柔軟性、低い膨張
開始温度、高い膨張率を実現できる熱膨張性ゴムとで
き、前記ゴム組成物が、NR、SBRを主成分とするも
のであっても、高い防火性能を発揮させられることが分
かった。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱膨張性ゴムの施工状態を示す概略図
【図2】熱膨張性ゴムの防火作用説明図
【符号の説明】
W 壁部 W1 貫通孔 1 配管 2 熱膨張性ゴム製の薄板状体 3 スリーブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16J 15/10 F16J 15/10 L Y 15/14 15/14 B F16L 5/04 F16L 5/02 M (72)発明者 工内 康史 徳島県阿波郡阿波町東川原29番地 株式会 社十川ゴム徳島阿波工場内 Fターム(参考) 2E001 DE04 FA03 FA35 GA76 HE01 HF12 JA18 KA03 LA03 3J040 BA01 EA15 EA19 FA06 HA21 4F074 AA06 AA13 AC02 AG20 BA86 CA21 CC04Y CC06Y DA15 DA24 DA39 4J002 AC011 AC081 DA026 FD320 GL00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
    成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、前記ゴ
    ム組成物が発泡剤を含有するとともに、前記発泡剤が少
    なくとも一部発泡し、かつ、前記熱膨張性グラファイト
    が実質的に膨張しない条件で加硫成型されている熱膨張
    性ゴム。
  2. 【請求項2】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
    成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、前記熱
    膨張性グラファイトの一部が膨張する条件で加硫成型さ
    れている熱膨張性ゴム。
  3. 【請求項3】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
    成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、 前記ゴム組成物の(加硫成型後の体積/加硫成型前の体
    積)が1.5〜2.8である熱膨張性ゴム。
  4. 【請求項4】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
    成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、 アスカーC型硬度計による硬さが16〜60である熱膨
    張性ゴム。
  5. 【請求項5】 熱膨張性グラファイトを含有するゴム組
    成物を加硫成形してある熱膨張性ゴムであって、 加硫成型後のゴム組成物を180℃雰囲気下に30分晒
    す防火耐久試験で、(試験後の体積/試験前の体積)が
    3以上である熱膨張性ゴム。
  6. 【請求項6】 前記ゴム組成物が、NR、SBRを主成
    分とするものである請求項1〜5のいずれか1項に記載
    の熱膨張性ゴム。
  7. 【請求項7】 建築物の防火区画の仕切壁に設けられる
    貫通孔部に配管を施工する配管施工構造であって、 管に請求項1〜6のいずれか1項に記載の熱膨張性ゴム
    を巻回し、かつ、その管を貫通孔部に挿通させた状態に
    し、前記熱膨張性ゴムが前記貫通孔部内に位置するよう
    に固定する配管施工構造。
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