JP2003222592A - 物理的特性の測定方法 - Google Patents

物理的特性の測定方法

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JP2003222592A JP2002023984A JP2002023984A JP2003222592A JP 2003222592 A JP2003222592 A JP 2003222592A JP 2002023984 A JP2002023984 A JP 2002023984A JP 2002023984 A JP2002023984 A JP 2002023984A JP 2003222592 A JP2003222592 A JP 2003222592A
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Masahiro Oshima
正裕 大嶋
Takeshi Nagata
武史 永田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多成分系の材料についても測定し得る拡散係
数の測定方法の提供。 【解決手段】 サンプル中における被測定対象の物理的
特性を測定するために、本発明の物理的特性の測定方法
は、被測定対象の少なくとも1部に近赤外光を照射し
て、透過又は反射した光を解析することにより、前記被
測定対象の物理的特性を測定することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物理的特性の測定
方法に関し、特に、近赤外光を利用した被測定対象の物
理的特性の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近赤外光とは、赤外線の一種で、可視光
線に近い領域の光を指す。近赤外光分光分析は、このよ
うな近赤外光を利用するもので、近赤外線の吸光度によ
ってサンプルの成分や濃度などの物理的特性を測定する
ものである。例えば、近赤外分光を利用して、食品成分
の測定を行なうことが可能である。
【0003】一方、物理的特性のうち拡散係数の測定
は、従来から盛んに研究されている。例えば、二酸化炭
素を溶解することにより高分子の重量が変化することを
利用した重量法が知られている。
【0004】特に、近年では、重量法のなかでも磁気浮
遊天秤法が開発されている。この磁気浮遊天秤法は、高
分子試料を入れたバスケットを高圧オートクレーブの中
で、永久磁石に牽引し、オートクレーブの外側に電磁石
を設置し、その磁力にて、サンプルバスケットをぶら下
げている永久磁石のオートクレーブ内での垂直な位置を
制御することを特徴とする。二酸化炭素が高分子に拡散
し溶解していくと、サンプルの重さが変化する。その重
量変化を、電磁石を使ってマイクロバランスに伝播し測
定する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような近赤外光を利用した測定方法においては、被測定
対象の状態を変化させた場合、例えば、被測定対象を加
熱状態及び/又は加圧状態で測定することは要求されな
かった。
【0006】また、物理的特性のうち拡散係数の測定に
ついて、上述の磁気浮遊天秤法においては、高分子が二
酸化炭素等の添加剤を含むと膨潤するために、浮力が生
じ浮力補正を行なわないと、天秤による測定値が意味を
持たなくなる。したがって、上述の磁気浮遊天秤法にお
いては、この膨潤の計算は推定値に頼らざるを得なくな
るという欠点を有する。また、超臨界二酸化炭素に溶解
した染料等の化学物質の拡散係数、すなわち、多成分系
の拡散係数の測定は、重量法では不可能であるという欠
点を有する。
【0007】一方、近年では、二酸化炭素を安全な発泡
剤として高分子樹脂の発泡成形に使われ始めており、そ
の基礎データとして、二酸化炭素の各種高分子への拡散
/溶解のデータが要求されている。また、ある種のプラ
スチック樹脂を加熱して反応ガスを加えその成分を分析
することによりプラスチック樹脂の物性を考察したり、
また、プロセスガスを加熱及び/又は加圧することによ
って発生する成分からガスの物性を考察することが要求
されている。
【0008】そこで、本発明は、加熱及び/加圧下にお
いても測定することが可能な物理的特性の測定方法を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らは、近赤外光の分光測定を鋭意研究した
結果、本発明の測定方法を見出した。
【0010】すなわち、本発明の物理的特性の測定方法
は、サンプル中における被測定対象の物理的特性を測定
するために、加圧下及び/又は加熱下において、被測定
対象の少なくとも1部に近赤外光を照射して、透過又は
反射した光を解析することを特徴とする。
【0011】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、前記物理的特性が、拡散係
数、濃度、溶解性から選択される少なくとも1種である
ことを特徴とする。
【0012】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、前記物理的特性が、拡散係数
であることを特徴とする。
【0013】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、拡散係数を、以下の式
【数2】 により求めることを特徴とする。
【0014】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、前記被測定対象が、多成分系
であることを特徴とする。
【0015】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、前記被測定対象が、近赤外光
を吸収する物質であることを特徴とする。
【0016】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、近赤外光を吸収する物質が、
加圧することによりサンプルに溶解する物質であること
を特徴とする。
【0017】また、本発明の物理的特性の測定方法の好
ましい実施態様において、前記サンプルが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリスチレ
ン、ポリ乳酸、ポリエチレンテレフタレート(PET)、
ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、フッ素樹脂からなる群か
ら選択される少なくとも1種の材料からなることを特徴
とする。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の物理的特性の測定方法
は、近赤外光を利用した測定方法である。本発明は、物
質に近赤外光を照射すると、物質内の官能基が特定の波
長の光を吸収することに着目したものである。すなわ
ち、近赤外光による吸収は赤外光に比べ非常に弱いた
め、中赤外光を用いた分析では測定することができない
数mm〜数cmオーダーの長さの試料を測定することが可能
であることを利用したものである。
【0019】本発明において、加圧下及び/又は加熱下
で行なうのは、ある種のプラスチック樹脂を加熱して反
応ガスを加えその成分を分析することによりプラスチッ
ク樹脂の物性を評価したり、また、プロセスガスを加
熱、加圧することによって発生する成分からのガスの物
性を評価することを可能とするためである。
【0020】加圧及び加熱の程度は、被測定対象に応じ
て適宜設定することが可能であり、特に限定されるもの
でない。装置の性能等を考慮し、温度は、250度以下、
圧力は25MPa以下等に設定することができるが、分析装
置に用いるセル次第で、より高い温度、圧力下で測定し
ても良い。
【0021】このように加圧下及び/又は加熱下で分析
することにより、物質の拡散係数、濃度、溶解可能性な
どを測定することが可能となる。また、ブタンなどの発
泡に使用する低級炭化水素は圧をかけることでポリマー
等に拡散していくので、本測定方法によれば、高圧での
低級炭化水素の特性変化を知ることができる。
【0022】また、高温では、溶融ポリマーへの拡散、
低温では、固体状態へのポリマーへの拡散を測定するこ
とができる。
【0023】特に加圧下及び/又は加熱下では超臨界状
態における物質の物理的特性についても測定することが
できるという利点を有する。
【0024】例えば、二酸化炭素を加圧、加熱すると、
超臨界二酸化炭素を得ることができる。したがって、本
発明においては、超臨界状態下における被測定対象の物
理的特性に関する測定を行なうことが可能となる。この
ような測定によれば、超臨界抽出技術において基礎的デ
ーターをも提供し得るという利点を有する。
【0025】ここで、超臨界二酸化炭素とは、超臨界状
態の二酸化炭素を広く意味する。超臨界状態とは、ある
物質の臨界温度を超えるといくら加圧しても液体とはな
らず、液体とも気体とも似つかない流体状態をいう。通
常は、温度、圧力とも臨界値を超えた領域での状態を超
臨界状態と呼ぶ。なお、二酸化炭素では、固有の臨界温
度31.1℃、臨界圧75.2kg/平方センチメートルを持つ。
【0026】本発明においては、被測定対象の少なくと
も1部に近赤外光を照射して、透過又は反射した光を解
析することにより、サンプル中における前記被測定対象
の物理的特性を測定する。
【0027】ここで、被測定対象について説明すると、
被測定対象は、単成分系、多成分系であるとを問わな
い。多成分系であっても同時測定することが可能であ
る。
【0028】近赤外分光法の原理に基づき検出可能性が
あるもの、あるいは溶融樹脂を改質変性するという応用
面から、被測定対象は近赤外光を吸収する物質であるこ
とが好ましい。また、前記近赤外光を吸収する物質が、
分散染料、結晶核造核剤、帯電防止剤、低級炭化水素、
可塑剤などを例示することができる。本発明において
は、これらの成分の物理的特性の変化を、多成分系であ
っても把握することが可能となる。
【0029】また、発泡成型への応用の基礎データを得
るという観点から、近赤外光を吸収する物質が、加圧す
ることにより高分子物質に溶解する物質であることが好
ましい。
【0030】ここで、加圧することによりサンプルに溶
解する物質としては、染料、アルコール、添加剤、低級
炭化水素等を例示することができ、特に、超臨界状態下
において、高分子物質等のサンプルに溶解する既知のあ
らゆる物質を含み限定されない。
【0031】なお、前記高分子物質としては、やはり限
定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカ
ーボネート、ポリスチレン、ポリ乳酸、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル、
フッ素樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の
材料を挙げることができる。
【0032】さらにまた、高分子物質には、可塑剤を含
めることもできる。可塑剤は、高分子物質のガラス転移
点を下げる作用が有る。したがって、ガラス移転の高い
成形体については、可塑剤を混入することにより、低温
でも着色が可能となる。これによって、サンプルを高温
にすることなく着色できるので、余分な熱エネルギーを
浪費することもない。
【0033】可塑剤としては、メタノール、イソプロパ
ノール、アセトン等の有機溶剤を挙げることができる。
サンプルのガラス転移温度を効果的に下げ、超臨界CO2
に溶け出す量が少ないという観点から、アセトンが好ま
しい。
【0034】物理的特性としては、拡散係数、濃度、溶
解性から選択される少なくとも1種を挙げることができ
る。すなわち、本発明においては、1)高分子物質への
染料、アルコール、添加剤等の被測定対象の拡散係数並
びに溶解濃度、2)超臨界二酸化炭素に溶解した染料、
アルコール、添加剤の高分子への拡散係数並び溶解濃
度、3)超臨界二酸化炭素への染料、アルコール、添加
剤の高分子への溶解性等、を測定し得る。このように測
定できるのは、近赤外光での吸収強度と被測定対象の物
性との間にある程度の相関関係があり、主としてこれら
を応用した結果である。
【0035】本発明の別の特徴として、上記拡散係数、
濃度、溶解性等の物理的特性をすべて同時に測定できる
ことにある。すなわち、サンプル中における被測定対象
の拡散係数、濃度、溶解性についてオンラインで同時に
測定し、把握することが可能である。以下では、物理的
特性の一例として、濃度、拡散係数、溶解性を挙げて説
明する。
【0036】被測定対象の(溶解)濃度を求める場合、吸
収強度比と被測定対象の濃度とは比例関係にあり、近赤
外の吸収強度と測定対象の組成との検量線を作成すれ
ば、濃度を測定することができる。検量線は、既知濃度
組成の被測定対象を用意し、セル内で吸収強度を測定し
て、濃度−吸収強度の相関をとることにより作成するこ
とができる。
【0037】拡散係数を求める場合、以下の式
【数3】 により求めることができる。但し、式中A(t)は、時間
tにおける吸収強度の初期状態からの変化量、A(∞)
は最終平衡状態における吸収強度の初期状態からの変化
量を示す。同様に、C(t)は、時間tにおける溶質の初期
状態からの変化量である。C(∞)は最終平衡状態におけ
る溶質の初期状態からの変化量である(飽和溶解度)。D
は溶質の高分子中での拡散係数、erfは、誤差関数であ
る。Lは、高分子サンプルの表面からプローブ位置まで
の距離である。このように拡散係数が求まるのは、近赤
外光の吸収光強度が高分子に溶解する溶質の濃度に比例
するというランベルト・ベールの法則が成り立つことを
利用したものである。
【0038】また、総拡散距離が大きい場合(高分子サ
ンプルの拡散方向の長さが大きい場合)は、次式を使っ
て、吸収光強度の時間的変化から拡散係数を測定するこ
とができる。
【数4】
【0039】ここで、総拡散距離とは、サンプルの表面
から近赤外分光用プローブの位置までの最短距離をい
う。総拡散距離が大きいかどうかの判断基準は、総拡散
距離/サンプルの全長が、1/3より大きいかどうかに
よる。すなわち、サンプルの全長が4.5cmであり総拡散
距離が1cmのときは、1/3以下であるので、式(1)を用
いる。一方、サンプルの全長4.5cmであり総拡散距離が3
cmのときは、1/3より大きくなるので、式(2)を用い
る。
【0040】なお、総拡散距離/サンプルの全長が、お
よそ1/3の場合は、式(1)及び(2)のいずれの式を用い
ても結果にそれほど誤差を含まないため、どちらを用い
ても良い。
【0041】被測定対象の溶解性を調べる場合、拡散係
数を測定する要領で、近赤外分光用プローブの位置まで
被測定対象が浸透してくることを確認すればよい。すな
わち、溶解度までは求めることができないが、サンプル
表面に被測定対象を設置し、被測定対象が拡散してプロ
ーブの位置まで浸透してくることをNIRで検出すること
により確認することができる。
【0042】また、吸収強度それ自体を利用するという
よりはむしろ、結晶によって光が散乱するという性質を
利用して、散乱強度と結晶化度との関係から、オンライ
ンで結晶化の速度を測ることが可能である。
【0043】本発明は、加熱制御及び/又は加圧制御を
備えた適当な近赤外分光装置を用いて実施することが可
能である。当該近赤外分光装置の概略を図1に示す。高
圧セル中に近赤外分光用のプローブを設けて、このプロ
ーブによりプローブ間の高分子を透過する近赤外透過光
の強度を測定できる。プローブ間の距離は、被測定対象
に応じて適宜設定することが可能である。
【0044】図1に示すような近赤外光プローブを装備
した高圧セルに、測定対象となる高分子を充填し、上方
の空間に超臨界状態の二酸化炭素、染料等の添加剤が溶
解した超臨界二酸化炭素、あるいは拡散係数測定の対象
となる溶質を導入する。溶質は、高分子他端より一方拡
散により高分子中を移動し、近赤外プローブまで達す
る。近赤外プローブで測定できる吸収光強度は、溶質が
プローブ位置まで移動してくることにより時間的に変化
する。これによって、被測定対象の物理的性質を測定す
るための相関関係に関するデーターを得ることができ
る。
【0045】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。
【0046】実施例1 発泡用押出機のダイ部分に近赤外プローブを設置し、CO
2をバレル中ほどより定量的に供給し、ダイ出口での樹
脂量をサンプルし、樹脂量対CO2供給量から濃度を測定
し、近赤外分光プローブより得られる吸収強度の相関を
測定した。吸収強度と被測定対象の濃度との比例関係が
成り立つことを確認し検量線を作成した。
【0047】サンプルとしてポリプロピレンを用い、プ
ローブ部分の設定温度を180℃〜200℃内のさまざ
まな条件で実験をおこなった。結果を図4に示す。
【0048】図4から、 C(濃度)CO2=61.7A2019nm+0.804 によりCO2の濃度を測定することが可能であることが分
かる。なお、A2019nmは、2019nmにおける吸光度を示
し、CO2は、サンプル内のCO2濃度を示す。
【0049】この結果、吸収強度から様々な基礎データ
が得られることが理解できる。次に、高分子として低密
度ポリエチレン(LDPE、MFR=8.0g/10min、Mw=1.05×10
5、Mw/Mn=6.94)を使用して、二酸化炭素の拡散係数を測
定した。温度を448.2K(175℃)に保ち、二酸化炭素圧力
を0MPaから2.0MPaに変更し、二酸化炭素が低密度ポリ
エチレン中を拡散していくときの近赤外光吸収強度の時
間変化を測定した。
【0050】得られた赤外光の吸収強度スペクトルの一
例を図2に示す。2019nm付近に二酸化炭素によるピーク
が現れる。得られたスペクトルに対してウエーブレット
変換によるベースライン処理を行ない、2019nmにおける
吸光度の経時変化を接触開始からの時間に対してプロッ
トしたのが図3である。
【0051】用いたサンプルの全長およそ4.5cmに対し
て、総拡散距離がおよそ1.5cmであったので簡素化した
式(1)を用いて拡散係数を求めた。図3のデータより、非
線形最小二乗法を用いて(1)式がデータとフィットする
ように拡散係数を求めた。得られた拡散係数は、7.4×1
0-9m2/sである。
【0052】実施例2 また、同様にして、サンプルとしてポリプロピレン(MF
R=1.0g/10min、Mw=4.15×105、Mw/Mn=5.06)を使用し、
被測定対象として二酸化炭素を用いて、二酸化炭素の拡
散係数を開発した装置で測定した。温度を473.2Kに保
ち、二酸化炭素圧力を0MPaから2MPaに変更し、
二酸化炭素が、ポリプロピレン中を拡散していくときの
近赤外光吸収強度の時間変化を測定した。
【0053】実施例1と同様に、用いたサンプルの全長
およそ4.5cmに対して、総拡散距離がおよそ1.5cmであっ
たので簡素化した式(1)を用いて拡散係数を求めた。得
られた拡散係数は、11.4×10-92/sである。
【0054】実施例3 次に、圧力を10MPa、温度473.2Kの超臨界二酸化炭素
の状態下で、サンプル中における被測定対象の拡散係数
を求めた。サンプルとしてポリプロピレンを用い、被測
定対象として染料(Disperse Blue 14)を用いた。サン
プル上に綿に含ませた染料を超臨界CO2に溶解し、染料
含有超臨界CO2をサンプルに溶解させる試験を試みた。
そのときのNIRの1493nmでのスペクトル変化を調べた。
結果を図5に示す。
【0055】実施例1と同様に、用いたサンプルの全長
およそ4.5cmに対して、総拡散距離がおよそ1.5cmであっ
たので簡素化した式(1)を用いて拡散係数を求めた。武
大敵に、図5の結果から算出される数値を式(1)に当て
はめることによって、染料の拡散係数を求めた。染料の
拡散係数は、5.88×10−9m2/sと判明した。
【0056】以上、具体例を挙げながら発明の実施の形
態に基づいて本発明を詳細に説明したが、本発明は上記
内容に限定されることを意図するものではなく、本発明
の要旨を逸脱しない限りにおいてあらゆる変更が可能で
あることは、当業者にとって明白であろう。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、迅速に分析することが
でき、オンラインで、しかも多成分系の物質を測定し得
るという有利な効果を奏する。
【0058】また、本発明によれば、超臨界状態での物
質の物理的特性を把握することもできるという有利な効
果を奏する。
【0059】また、本発明によれば、種々の物理的特性
に関して同時に測定し得るという有利な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】近赤外分光装置の概略の一例を示す図である。
【図2】赤外光の吸収強度スペクトルの一例を示す図で
ある。
【図3】吸光度の時系列変化とフィッティング線との関
係を示す図である。
【図4】2019nmにおける吸光度とCO2濃度との関係を示
す図である。
【図5】染料(Disperse blue)吸光度ピーク(1493nm)の
時間変化を示す図である。
【符号の説明】
1 光源 2 トランセプト干渉系 3 検出器 4 サンプル 5 CO2ガスボンベ 6 圧力計 7 高圧容器 8 プローブ 9 光ファイバー
フロントページの続き Fターム(参考) 2G040 AA00 AA02 BA00 BA23 BA25 EA00 2G059 AA01 AA10 BB04 BB08 CC04 CC12 CC13 DD16 EE01 EE02 HH01 MM05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サンプル中における被測定対象の物理的
    特性を測定するために、加圧下及び/又は加熱下におい
    て前記被測定対象の少なくとも一部に近赤外光を照射し
    て、透過又は反射した光を解析することを特徴とする物
    理的特性の測定方法。
  2. 【請求項2】 前記物理的特性が、拡散係数、濃度、溶
    解性からなる群から選択される少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2項に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記物理的特性が、拡散係数であること
    を特徴とする請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】 拡散係数を、以下の式、 【数1】 により求めることを特徴とする請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】前記被測定対象が、多成分系であることを
    特徴とする請求項1〜4項のいずれか1項に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記被測定対象が、近赤外光を吸収する物
    質であることを請求項1〜5項のいずれか1項に記載の方
    法。
  7. 【請求項7】前記近赤外光を吸収する物質が、加圧する
    ことによりサンプルに溶解する物質である請求項6項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】前記サンプルが、ポリエチレン、ポリプロ
    ピレン、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ乳酸、
    ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ酢酸ビニ
    ル、塩化ビニル、フッ素樹脂からなる群から選択される
    少なくとも1種の材料からなる請求項7記載の方法。
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