JP2003222027A - ガスタービンエンジンのストラットを組立てる方法及び装置 - Google Patents

ガスタービンエンジンのストラットを組立てる方法及び装置

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JP2003222027A JP2002375782A JP2002375782A JP2003222027A JP 2003222027 A JP2003222027 A JP 2003222027A JP 2002375782 A JP2002375782 A JP 2002375782A JP 2002375782 A JP2002375782 A JP 2002375782A JP 2003222027 A JP2003222027 A JP 2003222027A
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Russell Dean Kosel
ラッセル・ディーン・コセル
Paul Bernard Stumbo
ポール・バーナード・スタンボ
Arshad Rehman
アルシャッド・レーマン
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、拡張可能な補強材（１００）を取
り付ける方法に関する。 【解決手段】 取付方法は、その間に空洞（８０）が形
成されるように、前縁（６４）及び後縁（６６）で接合
された第１側壁（１１０）及び第２側壁（１１２）を含
む組立体（６０）を設ける段階と、第１側壁及び第２側
壁を貫通する開口（１０２）を形成する段階と、第１及
び第２ストラット側壁の間を延びるように、第１の拡張
可能なスリーブ（１４０）を組立体の開口を通して挿入
する段階と、該スリーブを第１及び第２側壁に結合する
段階とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般的にガスター
ビンエンジンに関し、より具体的には、ガスタービンエ
ンジンのストラットを組立てる方法及び装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】少なくとも一部の公知のガスタービンエ
ンジンは、軸受けにより支持された１つ又はそれ以上の
ロータシャフトを含み、この軸受けは、環状のフレーム
により支持されている。各フレームは、環状のハブから
半径方向外側に間隔を置いて配置された環状のケーシン
グと、該フレームと環状のハブとの間を延びる円周方向
に間隔を置いて配置された複数のストラットとを含み、
これらストラットが所定の空気流量をフレームから下流
方向に向ける。ストラットは、例えば共通の鋳造でケー
シング及びハブと一体に形成されてもよいし、或いはケ
ーシング及びハブに適切にボルト止めされてもよい。各
ストラットは、前縁及び後縁で結合された一対の側壁を
含み、従って空洞がそれらの間に形成される。
【０００３】上述のいずれのストラット構成において
も、ストラットは、フレーム全体に対する構造的支持と
ロータシャフトを支持するための構造上の剛性とを与え
るのを助け、エンジン運転中にシャフトの変形を最小限
にするのを助ける。従って、ストラットは、運転中にエ
ンジンにより生じる応力を受ける。時が経つにつれて、
低サイクル疲労又は高サイクル疲労負荷によるストラッ
ト側壁の撓みが、遂にはストラット側壁内部に疲労亀裂
を発生させる可能性がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】ストラットに生じる疲
労負荷の影響を減少させるのを助けるために、少なくと
も一部の公知のストラットは、減衰装置、室温加硫（Ｒ
ＴＶ）シリコーン、又はこの２つの組合せを備えてい
る。減衰装置は、エンジンフレームに結合されて、スト
ラットに生じる振動応力を減少させるのを助ける。しか
しながら、かかる装置は、費用がかかり、また、一般的
にストラットがガスタービンエンジン内部のその作動位
置に結合されていない場合には、単にフレームに結合さ
れているだけになる。その上、ろう付け又は溶接のどち
らかが必要な前フレームのあらゆる要素についての修理
は、それに伴い起こる亀裂の開始部位になる可能性があ
る局部応力を取り除くために、前フレーム全体に熱処理
工程を施さなければならないので、同様に費用がかか
る。
【０００５】ＲＴＶシリコーンは、ストラットに発生す
る振動応力を減衰するのを促進するために、ストラット
空洞中に注入される。しかしながら、このようなシリコ
ーンは、減衰装置と比較してコストが非常に手頃ではあ
るが、このようなシリコーンは、限られた範囲の振動減
衰作用を与えることができるだけで、ストラットの構造
的な保全性を増大させない。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明の１つの態様にお
いて、拡張可能な補強材を取り付ける方法が提供され
る。この方法は、その間に空洞が形成されるように、前
縁及び後縁で接合された第１側壁及び第２側壁を含む組
立体を設ける段階と、第１側壁及び第２側壁を貫通する
開口を形成する段階と、第１及び第２ストラット側壁の
間を延びるように、第１の拡張可能なスリーブを組立体
の開口を通して挿入する段階と、スリーブを第１及び第
２側壁に結合する段階とを含む。
【０００７】本発明の別の態様において、ガスタービン
エンジン用のストラットが提供される。このストラット
は、第１側壁と、第２側壁と、少なくとも１つの拡張可
能なスリーブとを含む。第１側壁は、該第１側壁を貫通
する開口を含む。第２側壁は、第１及び第２側壁の間に
空洞が形成されるように前縁及び後縁で第１側壁に接合
される。第２側壁は、該第２側壁を貫通し、第１側壁の
開口に対して同心に位置合わせされた開口を含む。少な
くとも１つの拡張可能なスリーブが、第１及び第２側壁
の開口を通して、第１側壁と第２側壁との間を延びてい
る。スリーブは、ストラットの疲労寿命の増大を助ける
ように構成されている。
【０００８】
【発明の実施の形態】図１は、ガスタービンターボファ
ンエンジン１０の側面断面図であり、該エンジン１０
は、エンジン１０の入口端１６から後方にエンジン１０
の排出端１８まで、ほぼ長手方向に延びる軸線又は中心
線１４を含む。エンジン１０には、全てが直列の軸方向
流れの関係に配置された、低圧圧縮機３０、高圧圧縮機
３２、燃焼器３４、高圧タービン３８、及び、出力ター
ビンすなわち低圧タービン４０を含むコアエンジンが含
まれる。圧縮機３２とタービン３８は、第１のロータシ
ャフト４２により連結される。１つの実施形態におい
て、エンジン１０は、オハイオ州シンシナチにあるＧｅ
ｎｅｒａｌ Ｅｌｅｃｔｒｉｃ ＡｉｒｃｒａｆｔＥｎ
ｇｉｎｅｓから入手可能なＦ１１０型エンジンである。
【０００９】エンジン１０はまた、軸受け（図示せず）
を支持する環状のフレーム５０を含み、該軸受けは次に
シャフト４２のようなシャフトが回転できるように、そ
の１端を支持する。円周方向に間隔を置いて配置された
複数のストラット５２が、外側構造ケースリング（図示
せず）とセンタハブ５４との間を延びており、エンジン
１０に流入する空気流を下流のコアエンジン２０に向け
る。ストラット５２は、中空であり、外側構造リング及
びハブ５４に固定的に結合される。
【００１０】図２は、エンジンストラット５２（図１に
示す）のようなエンジンストラット６０の軸方向側面断
面図である。ストラット６０は、前縁６４及び翼弦方向
に間隔を置いて配置された後縁６６で接合された一対の
側壁６２を含み、該ストラット中に空洞（図２に示す）
が形成される。各側壁６２は、半径方向内端縁７０から
対向する半径方向外端縁７２までのスパンにわたって長
手方向すなわち半径方向外向きに延びる。ストラット６
０は、中空であり、この例示的な実施形態においては、
各ストラット６０をハブ５４（図１に示す）のようなハ
ブ（図２には図示せず）に従来通りの方法で結合するの
に用いられるプラットホーム７４を含む。別の実施形態
においては、ストラット６０は、ハブと一体に形成され
る。
【００１１】図３は、線３−３（図２に示す）に沿って
切断したストラット６０の断面図である。ストラットの
側壁６２は、空洞８０がその中に形成されるように、そ
れぞれ前縁６４及び後縁６６で接合される。より具体的
には、ほぼＵ字形の末端支持部材８２が、側壁６２の間
を延びてストラット後縁６６を形成する。
【００１２】一般的に、ストラット内部補強材８４が、
ストラット側壁６２の間に配置されて、側壁６２の座屈
に抗するのを助ける。補強材８４は、半径方向内端縁７
０と半径方向外端縁７２の間でストラット壁面６２に沿
って半径方向に延びる。１つの実施形態において、補強
材８４は、波形が付けられており、ハニカム又は方形波
に似た形状を有する。補強材８４は、空洞８０を複数の
空洞セル８６に分割する。より具体的には、補強材８４
は、空洞８０を前縁空洞９０とボデー空洞９２に分割す
る。
【００１３】発生するストラット振動をシリコーンゴム
注入による減衰作用により減少させるのを促進すること
は知られている。より具体的には、例示的な実施形態に
おいては、室温加硫（ＲＴＶ）シリコーン９４が、スト
ラット空洞８０中に注入されて、ストラット６０の内部
に限られた範囲の振動減衰作用を与える。例えば、１つ
の実施形態において、用いられる粘弾性材料は、Ｄｕｐ
ｏｎｔ Ｃｈｅｍｉｃａｌ Ｃｏｍｐａｎｙにより製造
されたＫａｌｒｅｚ(登録商標)である。シリコーン９４
は、補強材８４の後部側面９６に隣接して注入され、シ
リコーン９４は半径方向内端縁７０と半径方向外端縁７
２の間で長手方向には広がらないで、むしろそれぞれ内
端縁７０と外端縁７２の間で部分的に広がるだけであ
る。ここで用いられるような粘弾性材料は、初期応力、
歪み、及び、時間当たりの応力の適用率又は時間当たり
の歪みの変化率のいずれかに対応する外部応力に対する
歪みとして通常説明される、伸張又は伸長応答を呈する
材料の１種に付けられる名前である。これらの材料は、
通常、応力に対して歪みのタイムラグを呈し、また通
常、一定の適用応力の下ではクリープを呈する。
【００１４】ストラット６０の内部の振動応力を減少さ
せるのを更に促進するために、各ストラット６０は、ス
トラット側壁６２内に形成された開口１０２を通して延
び、側壁６２を互いに結合するスリーブ組立体１００を
含む。スリーブ組立体１００は、拡張可能であり、塑性
変形可能である材料で製作される。例えば、スリーブ組
立体１００は、それに限定はされないが、ステンレス鋼
又はニッケル合金で製作することができる。より具体的
には、各側壁６２は、外面１０４とストラット空洞８０
を形成する内面１０６とを含む。第１側壁１１０及び第
２側壁１１２の各々は、それぞれ側壁内面１０６と側壁
外面１０４との間で延びる同心に位置合わせされた開口
１０２を含む。
【００１５】開口１０２は、スリーブ組立体１００の最
大外径１２２よりわずかに大きい直径１２０を有する。
スリーブ組立体１００は、後でより詳細に説明するが、
塑性変形工程によりストラット６０内に機械的に結合さ
れる。より具体的には、スリーブ組立体１００は、第１
側壁外面１０４から空洞８０を横切って第２側壁外面１
０４まで延びる。スリーブ組立体１００は、第１及び第
２側壁外面１０４の間のドロップ距離１３２よりわずか
に大きい長さ１３０を有するので、スリーブ組立体１０
０は、ストラット６０内に結合された時、ストラット６
０を通過する空気流に対する破壊を最小限にするのを助
ける。更に、開口１０２は、補強材８４から下流方向に
距離１３４のところに設置されるので、スリーブ組立体
１００が開口１０２を通して挿入される時、スリーブ組
立体１００は粘弾性材料９４に接触もしないし破壊もし
ない。
【００１６】エンジン運転中、シリコーンゴム注入の減
衰作用は、優れた減衰特性を有し、少なくとも他の一部
の公知の減衰方法の限界のいくらかを克服する粘弾性減
衰の形態であるが、エンジン１０（図１に示す）のよう
な航空機エンジンに使用するストラット６０のようなス
トラットにそれを用い得るにはそれでも欠点がある。例
えば、取り付けの間に、粘弾性材料は、ストラット空洞
８０中に注入されて硬化される。いったん注入される
と、粘弾性材料はストラット６０の一体部分となる。し
かしながら、ストラット６０がろう付け又は溶接されな
ければならない場合、ストラット６０内の全ての粘弾性
材料９４が溶融し及び／又は燃焼することになり、スト
ラット空洞８０内部の冷却又は凍結防止通路（図示せ
ず）を詰まらせる可能性がある温度で、前フレーム５０
（図１に示す）全体は熱処理されなければならない。更
に、材料９４は、ストラット側壁６２を結合するスリー
ブ組立体１００と違って、ストラット６０に対して構造
保全性を高めることがたとえあったにしても殆どない。
【００１７】エンジン運転中、例えば、タービン翼配列
（図示せず）の物理的変化により、また、ファンブレー
ドが遷音速又は超音速で作動している場合に、多重純音
及び振動応力が生じる可能性がある。このような運転モ
ードにおいては、多重純音は、前方に伝わり、ストラッ
ト６０を励振又は振動させる可能性がある。発生した振
動応力は、ストラット側壁６２に曲げ又は撓み及び／又
は捻り運動を生じさせる。スリーブ組立体１００は、側
壁６２の撓みを減少させるのを助け、ストラット６０に
生じた振動応力を減衰させ、また、ほぼ全てのモードの
励振及びほぼ全ての多重純音周波数についてストラット
６０内部の減衰作用を著しく増大させる。
【００１８】図４は、ストラット６０及びスリーブ組立
体１００の概略断面図である。スリーブ組立体１００
は、第１スリーブ１４０及び第２スリーブ１４２を含
む。第１スリーブ１４０は、中空であり、外面１４４及
び内面１４６を有する。スリーブ組立体の外径１２２
は、第１スリーブ外面１４４に関して測定され、またス
リーブ組立体の長さ１３０は、第１スリーブ１４０に関
して測定される。より具体的には、第１スリーブの長さ
１３２は、第１端部１５０と第２端部１５２との間で測
定される。カラー１５４が、第１端部１５０においてス
リーブ１４０から距離１５６だけ半径方向外向きに延び
る。より具体的には、カラー１５４は、側壁開口１２０
より大きい直径１５８を有するので、カラー１５４は、
第１スリーブの第１端部１５０が側壁開口１０２に入り
込むのを防止する。更に、カラー１５４は厚さ１５９を
有する。
【００１９】第１スリーブ１４０はまた、第１ボデー部
分１６０及び第２ボデー部分１６２を含む。第１ボデー
部分１６０は、カラー１５０と第２ボデー部分１６２と
の間を延びており、外径１２２を有する。第２ボデー部
分１６２は、第１ボデー部分１６０から第１スリーブの
第２端部１５２まで延びており、第１ボデー部分の外径
１２２より小さい外径１６６を有する。従って、第１ス
リーブ１４０は、第１ボデー部分１６０が、半径方向外
向きにかつ第２ボデー部分１６２からほぼ垂直に延びる
端面１６８を有するように、段が付けられている。より
具体的には、第１ボデー部分の端面１６８は、第１ボデ
ー部分外面１４４と第２ボデー部分１６２との間で測定
された厚さ１７０を有する。
【００２０】第１端部カラー１５４が第１側壁１１０の
外面１０４に当たるように第１スリーブ１４０がストラ
ット６０を貫通して挿入されると、第１スリーブ長さ１
３２により、第２ボデー部分１６２が第２側壁外面１０
４から距離１７４だけ延びることができる。距離１７４
は、第１スリーブのカラー厚さ１５９にほぼ等しいの
で、第１スリーブ端部１５０及び１５２は、ストラット
６０からほぼ等しい距離だけ外方に延びる。
【００２１】第２スリーブ１４２は、中空であり、外面
１８０及び内面１８２を有する。第２スリーブ１４２
は、第２スリーブ外面１８０に関して測定された外径１
２２を有する。第２スリーブ１４２はまた、第２スリー
ブ内面１８２に関して測定された内径１８４を有する。
第２スリーブ内径１８４は、第１スリーブの第２ボデー
部分の直径１６６よりわずかに大きく、従って該第２ス
リーブ内径１８４を通して精密許容差で第１スリーブの
第２ボデー部分を受け入れる寸法にされている。
【００２２】第２スリーブ内径１８４は、第２スリーブ
１４２の第１端部１９０と第２端部１９２との間でほぼ
一定である。より具体的には、第２スリーブ内面１８２
は、第２スリーブの第２端部１９２で外向きに面取りさ
れているので、第２スリーブ内径１８４は、第２スリー
ブの第２端部１９２で増大されている。
【００２３】第２スリーブ１４２はまた、第２スリーブ
の第２端部１９２にカラー２００を含む。カラー２００
は、第２端部１９２において第２スリーブ１４２から半
径方向外向きに距離２０２だけ延びる。より具体的に
は、カラー２００は、第１スリーブのカラー直径１５８
にほぼ等しい直径２０４を有する。従って、第２スリー
ブのカラー直径２０４は、側壁開口１２０より大きいの
で、カラー２００は、第２スリーブの第２端部１９２が
側壁開口１０２に入り込むのを防止する。更に、カラー
２００は、第１スリーブの距離１７４にほぼ等しい厚さ
２０８を有する。
【００２４】第２スリーブ１４２は、第１端部１９０と
第２端部１９２との間で測定された長さ２１０を有す
る。第２スリーブの長さ２１０は、第１スリーブの第２
ボデー部分１６２の長さ２１２より小さい。従って、第
１スリーブ１４０が第１側壁１１０からストラット６０
内に挿入され、第２スリーブ１４２が第２側壁１１２か
らストラット６０内に挿入されると、第２スリーブ１４
２と第１スリーブの第１ボデー部分の端面１６８との間
に、間隙２２０が形成される。第２スリーブ１４２はま
た、それぞれ第２スリーブ内面１８２と外面１８０との
間で測定された厚さ２２４を有しており、この厚さ２２
４は第１ボデー部分の端面厚さ１７０にほぼ等しい。
【００２５】ストラット６０の組立て時、最初に位置合
わせ固定具（図示せず）がストラット６０に結合され
る。位置合わせ固定具は、各ストラット側壁６２を残り
の側壁６２に対して所定の位置に確実に結合するので、
従って側壁６２を貫通する開口１０２を位置合わせする
のを助ける。パイロット孔が、先ず開口１０２の所望位
置の中心点（図示せず）に穿孔される。次いでパイロッ
ト孔は、リーマ加工されて、各開口１０２を形成する。
１つの実施形態において、多軸リーマを用いて開口１０
２が形成される。
【００２６】次にドロップ距離１３２が測定されるの
で、スリーブ組立体の長さ１３０を決定することができ
る。１つの実施形態において、スリーブ組立体１００
は、スリーブ１４０及び１４２が複数の長さ１３０を有
する組立体を形成するように、前もって製作される。次
いで、第１スリーブ１４０が、第１スリーブカラー１５
４が第１側壁外面１０４に当てられて設置されるよう
に、第１側壁開口１０２及び第２側壁１１２を通して挿
入され、また第１スリーブの第２端部１５２は、第２側
壁外面１０４から距離１７４だけ延びる。次いで第２ス
リーブ１４２が、第２スリーブのカラー２００が第２側
壁外面に当てられて設置され、また第２スリーブ１４２
が第１スリーブの第２ボデー部分１６２から半径方向外
側に位置するように、第２側壁開口１０２を通してかつ
第１側壁１１０に向かって挿入される。従って、スリー
ブ１４０及び１４２の全体がストラット６０の内部に完
全に嵌めこまれると、第１スリーブの第２ボデー部分１
６２は、第２スリーブ１４２の内部に精密許容差で受け
入れられる。
【００２７】次に、マンドレル３００が、スリーブ組立
体１００を通して引っ張られる。より具体的には、マン
ドレル３００は、スリーブ組立体１００を通して第２側
壁１１２から第１側壁１００を通して引き抜かれる。マ
ンドレル３００は当業界では公知である。別の実施形態
において、マンドレル３００に代えて、手動の細目ねじ
付きプーラがスリーブ組立体１００を通して引き抜かれ
る。マンドレル３００は、冷間拡張加工として知られる
工程でスリーブ組立体１００を通して引き抜かれると、
スリーブ組立体１００は、側壁開口１０２内で塑性変形
させられるので、スリーブ組立体１００は、ストラット
６０内部の所定位置に保持され機械的に固定される。ス
リーブ組立体の拡張間隙２２０が、スリーブ１４０と１
４２の間の塑性変形を助けるので、スリーブ組立体１０
０の主な保持は、各それぞれのスリーブ１４０及び１４
２と側壁外面１０４との間の圧着、及びスリーブ１４０
とスリーブ１４２との間の圧着によるものである。その
上、第２スリーブ１４２の面取りは、スリーブ組立体１
００の保持マージンを助ける。位置合わせ固定具がその
後除去され、側壁６２はスリーブ組立体１００により結
合される。
【００２８】スリーブ１４０及び１４２は、ストラット
６０がエンジン１０の内部に結合される間に、スリーブ
組立体１００が取り付けられるのを可能にする。より具
体的には、ストラット６０がエンジンフレーム５０から
切り離される必要なく、エンジンフレーム５０がエンジ
ン１０から切り離される必要もなく、また熱処理を必要
とすることもなく、スリーブ組立体１００は、振動減衰
作用を促進するように取り付けられることができる。
【００２９】上述の拡張スリーブ組立体は、その間に拡
張間隙を形成する段付きの第１スリーブと第２スリーブ
とを含む。スリーブ組立体は、時間の掛かる熱処理工程
を必要とすることなく、振動減衰作用を促進するよう
に、スリーブ組立体がストラット内部に結合されること
を可能にする冷間拡張法で取り付けられる。その結果、
スリーブ組立体は、費用効果が良くかつ信頼性がある方
法でエンジンフレームのストラット内部に生じた振動を
減少させるのを助ける。
【００３０】本発明を、様々な特定の実施形態に関して
説明してきたが、本発明が特許請求の範囲の技術思想及
び技術的範囲内の変更で実施可能であることは、当業者
には明らかであろう。なお、特許請求の範囲に記載され
た符号は、理解容易のためであってなんら発明の技術的
範囲を実施例に限縮するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 複数のエンジンストラットを含むガスタービ
ンターボファンエンジンの側面断面図。
【図２】 図１に示すエンジンストラットの軸方向側面
断面図。
【図３】 図２に示すストラットの線３−３に沿って切
断した断面図。
【図４】 図３に示すストラットの概略断面図。
【符号の説明】
６０ エンジンストラット ６２ 側壁 ６４ 前縁 ６６ 後縁 ８０ 空洞 ８２ 末端支持部材 ８４ 内部補強材 ９４ シリコーンゴム １００ スリーブ組立体 １０２ 側壁開口 １０４ 側壁外面 １０６ 側壁内面 １１０ 第１側壁 １１２ 第２側壁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポール・バーナード・スタンボ アメリカ合衆国、オハイオ州、ワイオミン グ、イースト・ミルズ・アベニュー、15番 (72)発明者 アルシャッド・レーマン アメリカ合衆国、オハイオ州、ウエストチ ェスター、ラコタ・スプリングス・ドライ ブ、7400番

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 拡張可能な補強材（１００）を取り付け
    る方法であって、 空洞（８０）が形成されるように、前縁（６４）及び後
    縁（６６）で接合された第１側壁（１１０）及び第２側
    壁（１１２）を含む組立体（６０）を設ける段階と、 前記第１側壁及び前記第２側壁を貫通する開口（１０
    ２）を形成する段階と、 前記第１及び第２ストラット側壁の間を延びるように、
    第１の拡張可能なスリーブ（１４０）を前記組立体の開
    口を通して挿入する段階と、 前記スリーブを前記第１及び第２側壁に結合する段階
    と、を含むことを特徴とする方法。
  2. 【請求項２】 開口（１０２）を形成する前記段階は、
    前記第１側壁の開口が前記第２側壁の開口と同心に位置
    合わせされるのを保証するために、位置合わせ固定具を
    用いる段階を更に含むことを特徴とする、請求項１に記
    載の方法。
  3. 【請求項３】 前記スリーブ（１４０）を結合する前記
    段階は、該スリーブを前記ストラット（６０）内に固定
    するために、該スリーブを前記第１側壁（１１０）及び
    前記第２側壁（１１２）内で半径方向に拡張する段階を
    更に含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法。
  4. 【請求項４】 前記スリーブ（１４０）を半径方向に拡
    張する前記段階は、該スリーブを前記側壁（６２）に固
    定するために、前記スリーブを通してマンドレル（３０
    ０）を引き抜く段階を更に含むことを特徴とする、請求
    項３に記載の方法。
  5. 【請求項５】 前記スリーブ（１４０）を通してマンド
    レル（３００）を引き抜く前記段階は、前記スリーブの
    第１端部（１５０）から該スリーブを通してまた該スリ
    ーブの第２端部（１５２）を通して前記マンドレルを引
    き抜く段階を更に含むことを特徴とする、請求項４に記
    載の方法。
  6. 【請求項６】 第１の拡張可能なスリーブ（１４０）を
    前記開口（１０２）を通して挿入する前記段階は、第１
    スリーブを、該スリーブが前記第１及び第２側壁（１１
    ０、１１２）の両方を貫通して延び、前記第１側壁を前
    記第２側壁に結合するように構成されるように、前記開
    口を通して挿入する段階を更に含むことを特徴とする、
    請求項１に記載の方法。
  7. 【請求項７】 第２スリーブ（１４２）を、該第２スリ
    ーブが前記第１及び第２側壁（１１０、１１２）の少な
    くとも１つから前記空洞（８０）を部分的に横切って延
    びるように、前記開口（１０２）に挿入する段階を更に
    含むことを特徴とする、請求項１に記載の方法。
  8. 【請求項８】 第２スリーブ（１４２）を前記開口（１
    ０２）に挿入する前記段階は、前記第１スリーブ（１４
    ０）の少なくとも１部分（１６２）が、前記第２スリー
    ブから半径方向内側に位置するように、第２スリーブを
    前記開口に挿入する段階を更に含むことを特徴とする、
    請求項７に記載の方法。
  9. 【請求項９】 第２スリーブ（１４２）を前記開口（１
    ０２）に挿入する前記段階は、第２スリーブを、該第２
    スリーブの端部（１９０）と前記第１スリーブ（１４
    ０）の部分（１６８）との間に間隙（２２０）が形成さ
    れるように、前記開口に挿入する段階を更に含むことを
    特徴とする、請求項７に記載の方法。
  10. 【請求項１０】 第１の拡張可能なスリーブ（１４０）
    を前記開口（１０２）に挿入する前記段階は、前記組立
    体の開口（１０２）の直径（１２２）にほぼ等しい直径
    （１２２）を有する第１部分（１６０）と前記組立体の
    開口の直径より小さい直径（１６６）を有する第２部分
    （１６２）とを備える第１の拡張可能なスリーブを前記
    開口を通して挿入する段階を更に含むことを特徴とす
    る、請求項１に記載の方法。
  11. 【請求項１１】 第２スリーブ（１４２）を、該第２ス
    リーブが前記第１及び第２側壁（１１０、１１２）の少
    なくとも１つから前記空洞（８０）を部分的に横切って
    延び、かつ前記第１スリーブの第２部分（１６２）の周
    りで円周方向に延びるように、前記開口（１０２）に挿
    入する段階を更に含むことを特徴とする、請求項１０に
    記載の方法。
  12. 【請求項１２】 第２スリーブ（１４２）を前記開口
    （１０２）に挿入する段階は、前記組立体の開口の直径
    （１２２）にほぼ等しい直径（１２２）を有する第２ス
    リーブを、該第２スリーブの端部（１９０）と前記第１
    スリーブの第１部分（１６０）との間に間隙（２２０）
    が形成されるように、前記開口（１０２）に挿入する段
    階を更に含むことを特徴とする、請求項１１に記載の方
    法。
  13. 【請求項１３】 ガスタービンエンジン（１０）用のス
    トラット（６０）であって、 開口（１０２）を含む第１側壁（１１０）と、 該第１側壁との間に空洞（８０）が形成されるように前
    縁（６４）及び後縁（６６）で前記第１側壁に接合さ
    れ、前記第１側壁の開口に対して同心に位置合わせされ
    た開口（１０２）を含む第２側壁（１１２）と、 前記第１及び第２側壁の開口を通して、前記第１側壁と
    第２側壁との間を延び、前記ストラットの疲労寿命の増
    大を促進するように構成されている、少なくとも１つの
    拡張可能なスリーブ（１４０）と、を含むことを特徴と
    するストラット（６０）。
  14. 【請求項１４】 前記少なくとも１つの拡張可能なスリ
    ーブ（１４０）は、該スリーブが前記第１及び第２側壁
    の開口（１０２）内で半径方向に拡張されるように、前
    記スリーブを通して該スリーブの第１端部（１５０）か
    ら該スリーブの第２端部（１５２）までマンドレル（３
    ００）を引き抜くことにより前記ストラット内に結合さ
    れることを特徴とする、請求項１３に記載のストラット
    （６０）。
  15. 【請求項１５】 前記少なくとも１つのスリーブ（１０
    ０）は、第１スリーブ（１４０）と同心に位置合わせさ
    れた第２スリーブ（１４２）とを更に含み、前記第１ス
    リーブは、前記第１及び第２側壁（１１０、１１２）の
    間を延びており、第１の直径（１２２）を有する第１部
    分（１６０）と第２の直径（１６６）を有する第２部分
    （１６２）とを含むことを特徴とする、請求項１３に記
    載のストラット（６０）。
  16. 【請求項１６】 前記第２スリーブ（１４２）は、前記
    第１側壁（１１０）及び前記第２側壁（１１２）の少な
    くとも１つから前記ストラット空洞（８０）を通って部
    分的に延びていることを特徴とする、請求項１５に記載
    のストラット（６０）。
  17. 【請求項１７】 前記第２スリーブ（１４２）は、前記
    第１スリーブの第１の直径（１２２）にほぼ等しい直径
    （１２２）を有し、前記第２スリーブの直径は、前記第
    １及び第２側壁の開口（１０２）の直径（１２２）にほ
    ぼ等しいことを特徴とする、請求項１６に記載のストラ
    ット（６０）。
  18. 【請求項１８】 前記第１スリーブの第２の直径（１６
    ６）は、前記第１スリーブの第１の直径（１２２）より
    小さく、前記第２スリーブ（１４２）は、前記第１スリ
    ーブの第２部分（１６２）の周りで円周方向に延びてい
    ることを特徴とする、請求項１７に記載のストラット
    （６０）。
  19. 【請求項１９】 前記第２スリーブ（１４２）は、内端
    （１９０）と面取りされた外端（１９２）とを含むこと
    を特徴とする、請求項１６に記載のストラット（６
    ０）。
  20. 【請求項２０】 前記第２スリーブの内端（１９０）
    は、前記第１スリーブと前記第２スリーブ（１４２）と
    の間に所定の間隙（２２０）が形成されるように、前記
    第１スリーブ（１４０）からある距離を置いていること
    を特徴とする、請求項１９に記載のストラット（６
    ０）。
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