JP2003219557A - 系統モデル作成方法、潮流計算装置及びそのプログラム - Google Patents

系統モデル作成方法、潮流計算装置及びそのプログラム

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JP2003219557A
JP2003219557A JP2002015321A JP2002015321A JP2003219557A JP 2003219557 A JP2003219557 A JP 2003219557A JP 2002015321 A JP2002015321 A JP 2002015321A JP 2002015321 A JP2002015321 A JP 2002015321A JP 2003219557 A JP2003219557 A JP 2003219557A
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Tomomichi Yamada
智通 山田
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電力系統の電気所内に存在する各設備間の任
意の接続にも対応することができる潮流計算装置及びそ
のための系統モデル作成方法を提供すると共に、処理性
能の向上を図ること。 【解決手段】 電力系統の設備データを持つ設備マスタ
ーに基づいて設備モデルを形成し、この設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加した要素追加設備モデ
ルを作成する。この要素追加設備モデルに基づいてノー
ドとブランチで表現される系統モデルを作成する。ま
た、この系統モデルに系統縮退処理を行って、潮流計算
の処理性能を向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電力系統監視制御
システムに組み込まれ、オンライン情報を元に送電線及
び変圧器の各潮流値を算出する潮流計算装置及びそのた
めの系統モデル作成方法、及びそのプログラムに関す
る。
【0002】
【従来の技術】電力系統を監視、制御するための電力系
統監視制御システムにおいて、送電線及び変圧器の各潮
流値を算出する潮流計算装置では、大規模な電力系統設
備の母線及び発電機をノードと定義し、変圧器及び送電
線区間をブランチと定義してモデル化する方法が一般的
である。
【0003】図12は、このような電力系統監視制御シ
ステムにおける電気所内の設備モデルを同図(a)に、
その設備モデルに対応する潮流計算装置用の従来の系統
モデルを同図(b)に示している図である。この従来の
系統モデルは、図13に示すように、変圧器の周辺に存
在する開閉器群をその変圧器に所属するオン/オフ情報
(以下、SV、と称する)として、変圧器ブランチ内の
フラグレジスタのビットに対応させている。母線BS1
と母線BS2は共に複母線構成であり、変圧器TR1の
始端側(母線BS1側)に所属する開閉器を0から15
のビット位置に対応させ、終端側(母線BS2側)に所
属する開閉器を16から31のビット位置に対応させて
いる。なお、開閉器としては、遮断器CB1、CB2・
・・CBn、及び断路器LS1,LS2・・・LSnが
ある(以下、同じ)。
【0004】また、変圧器TR1の接続母線(甲側及び
乙側)への切り替え用の開閉器(始端側では、断路器L
S1、LS2、終端側では、断路器LS3、LS4)に
ついては、始端側・終端側それぞれ先頭の2ビットに対
応させ、これら2つの開閉器のSV状態により、変圧器
TR1が実際に接続するノード情報を作成する。
【0005】また、甲乙接続切り替え用の開閉器のSV
状態が共にオンの場合には、変圧器TR1の接続先は、
甲側母線及び乙側母線の両側(始端側では、BS1甲と
BS1乙)となる。この場合は、変圧器TR1は甲側と
接続していると見なし、母線の甲側と乙側の間に仮想的
なブランチとして、インピーダンスを持たず、系統縮退
処理にてまとめられる一時的なブランチ、を定義するこ
とにより、変圧器TR1と乙側母線の接続情報を作成し
ている。以後、上述した系統モデルを「従来型潮流計算
モデル」と呼ぶ。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図12、図13に示し
た従来型潮流計算モデルは、定義されるノードとブラン
チの数を少なく抑えることができ、ノード及びブランチ
数の低減は、系統縮退処理にて電気的接続を検索する回
数が減るという効果を有するため、大規模な電力系統範
囲を対象とする潮流計算装置では、処理を高速に行える
という利点を持つ。
【0007】しかしながら、従来型潮流計算モデルで
は、電力系統内の設備を典型的なモデルに当てはめてい
るため、すべての設備に対して適用することが非常に困
難であった。図14及び図15は、従来型潮流計算モデ
ルで表現することが困難な電気所内の設備モデルを示し
ている。
【0008】一般に、電力系統をノードとブランチで表
現する系統モデルでは、ノードに接続するブランチの数
に特別な制約は存在しないが、「ブランチに接続するノ
ードの数は始端側と終端側の2つでなければならない」
という大前提が存在する。そこで、図14を従来型潮流
計算モデルで表現しようとすると、変圧器TR1と周辺
の開閉器群をまとめて1つのブランチに対応させること
になり、始端側の接続先ノードが開閉器群のルートCB
2→CB1→LS2(またはLS1)を介して母線BS
1ノードに接続する経路の他に、開閉器群のルートCB
2→LS5→CB3→LS3(またはLS4)を介して
母線BS1ノードに接続する経路などが存在することに
なる。この状態は、「ブランチに接続するノードの数は
2つでなければならない」という上述の大前提に矛盾す
る。また、図15では、変圧器TR1の終端側(発電機
側)の接続ノードが開閉器CB2を介して発電機G1ノ
ードに接続する経路と開閉器CB3を介して発電機G2
ノードに接続する経路とが存在し、図14の場合と同様
の矛盾が生じている。
【0009】従来型潮流計算モデルにおける甲乙切り替
え用の開閉器が共にオン状態の時に、変圧器の接続先を
甲側の母線と見なし、甲側と乙側の間に接続関係を持た
せたのは、上述の大前提に対処するための特殊処理であ
り、図14及び図15のような設備に対して、同様の特
殊処理を行うことは非常に困難である。そこで、従来の
技術では、ブランチの接続先が2つとなるように変圧器
と接続先(母線または発電機)の中間(開閉器間など)
にノードを追加するような特殊処理を行うか、あるいは
そのような中間ノードを設備固定のデータとして予め定
義することで対処してきた。
【0010】しかしながら、前者の特殊処理を行う方法
においても、処理内容が複雑かつ難解になり易く、また
任意の接続に対処できる万全な方法というものは存在し
ていなかった。さらに、後者の設備固定データとして定
義する方法では、その定義自体を人間系で行うことにな
るため、設備のメンテナンス性が悪く、定義ミスなども
起こり易かった。
【0011】そこで、本発明は、電力系統の電気所内に
存在する各設備(母線、変圧器、発電機、開閉器、引出
口、調相設備、変成器、補助設備、直列コンデンサ)間
の任意の接続にも対応し、かつ処理性能を向上できる潮
流計算装置及びそのための系統モデル作成方法を提供す
ることを目的とする。
【0012】
【課題を達成するための手段】本発明の請求項1の系統
モデル作成方法は、電力系統の設備データを持つ設備マ
スターに基づいて設備モデルを形成し、この設備モデル
における各設備間に設備間要素を追加した要素追加設備
モデルを作成し、この要素追加設備モデルに基づいてノ
ードとブランチで表現される系統モデルを作成する、こ
とを特徴とする。
【0013】この請求項1の発明では、設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加しているから、設備上
任意の接続構成に対応して系統モデルを作成することが
できる。
【0014】本発明の請求項2の系統モデル作成方法
は、請求項1記載の系統モデル作成方法において、前記
要素追加設備モデルに基づいて前記系統モデルを作成す
るに際し、変圧器、開閉器、直列コンデンサをブランチ
と定義し、母線、発電機、引出口、調相設備、変成器を
含む各設備をノードと定義する第1規則と、前記設備間
要素を系統モデル上のノードと定義する第2規則と、前
記第1規則、第2規則によって、ノードとノードとが直
接接続される接続点にはノード間ブランチを定義する第
3規則とを、適用して前記系統モデルを作成する、こと
を特徴とする。
【0015】この請求項2の発明では、設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加し、その設備間要素を
系統モデル上のノードと定義することを含む第1〜第3
規則にしたがって系統モデルを作成するから、従来のよ
うな特殊処理を行う必要がなく、設備間の任意の接続に
も自動的に対応して作成することができる。
【0016】本発明の請求項3の系統モデル作成方法
は、請求項2記載の系統モデル作成方法において、前記
母線と、この母線に接続される前記設備間要素と、この
母線とこの設備間要素間に定義されたノード間ブランチ
とを、1つにまとめてノードと定義し、前記発電機と、
この発電機に接続される前記設備間要素と、この発電機
とこの設備間要素間に定義されたノード間ブランチと
を、1つにまとめてノードと定義し、前記引出口と、こ
の引出口に接続される前記設備間要素と、この引出口と
この設備間要素間に定義されたノード間ブランチとを、
1つにまとめてノードと定義することで、ノード及びブ
ランチの数を削減し、系統縮退させることを特徴とす
る。
【0017】この請求項3の発明では、母線、発電機及
び引出口については、接続先である設備間要素とその間
のノード間ブランチをまとめて1つのノードに代表させ
るから、定義されるノードとブランチの数を削減し、縮
退した系統モデルを作成することができる。
【0018】本発明の請求項4の系統モデル作成方法
は、請求項2記載の系統モデル作成方法において、複数
の開閉器が前記設備間要素を介して直列に並んでいる開
閉器群をまとめて1つのブランチと定義することで、ノ
ード及びブランチの数を削減し、系統縮退させることを
特徴とする。
【0019】この請求項4の発明では、設備間要素を介
して直列に並んでいる開閉器群をまとめて1つのブラン
チと定義するから、定義されるノードとブランチの数を
削減し、縮退した系統モデルを作成することができる。
【0020】本発明の請求項5の系統モデル作成方法
は、請求項2記載の系統モデル作成方法において、直流
法(以下、DC法、という)潮流計算で必要としない調
相設備や変成器を含むDC法不要設備及び、このDC法
不要設備に繋がる設備を含めて、ノード、ブランチの定
義を行わないことで、ノード及びブランチの数を削減
し、系統縮退させることを特徴とする。
【0021】この請求項5の発明では、DC法潮流計算
を行う場合に、DC法不要設備と、それに繋がる設備に
ノード、ブランチの定義を行わないから、定義されるノ
ードとブランチの数を削減し、縮退した系統モデルを作
成することができる。
【0022】本発明の請求項6の系統モデル作成方法
は、請求項2記載の系統モデル作成方法において、変圧
器に付属する計測情報を隣接する設備間要素に割り当
て、系統縮退処理により自動的に系統縮退後の母線ノー
ドの計測情報として対応づける、ことを特徴とする。
【0023】この請求項6の発明では、変圧器に付属す
る計測情報を隣接する設備間要素に割り当て、系統縮退
処理により自動的に系統縮退後の母線ノードの計測情報
として対応づけるから、負荷値の割り当て処理が簡易化
される。
【0024】本発明の請求項7の潮流計算装置は、電力
系統の設備モデルにおける各設備間に設備間要素を追加
し、設備間要素を追加した要素追加設備モデルに基づい
て、ノード及びブランチで表現される系統モデルデータ
を作成する潮流計算用データベース作成手段と、この潮
流計算用データベース作成手段の系統モデルデータ及び
開閉器入切データに基づいて系統状態を作成する系統状
態作成手段と、電力系統上の各点の計測情報データに基
づいて数値データを作成する数値データ作成手段と、前
記系統状態作成手段で作成された系統状態と前記数値デ
ータ作成手段で作成された数値データとに基づいて、系
統の潮流を計算し出力する潮流計算演算手段を備えるこ
とを特徴とする。
【0025】この請求項7の発明では、設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加して系統モデルデータ
を作成しているから、各設備間の任意の接続にも対応し
て潮流計算を行うことができる。
【0026】本発明の請求項8の潮流計算装置は、電力
系統の設備モデルにおける各設備間に設備間要素を追加
し、設備間要素を追加した要素追加設備モデルに基づい
て、ノード及びブランチで表現される系統モデルデータ
を作成する潮流計算用データベース作成手段と、この潮
流計算用データベース作成手段の系統モデルデータ及び
開閉器入切データに基づいて系統状態を作成する系統状
態作成手段と、この系統状態作成手段で作成された系統
状態に系統縮対処理を施して系統縮退データを作成する
系統縮退データ作成手段と、電力系統上の各点の計測情
報データに基づいて数値データを作成する数値データ作
成手段と、前記系統縮退データ作成手段で作成された系
統縮退データと前記数値データ作成手段で作成された数
値データとに基づいて、系統の潮流を計算し、出力する
潮流計算演算手段を備えることを特徴とする。
【0027】この請求項8の発明では、設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加して系統モデルデータ
を作成し、この系統モデルデータ及び開閉器入切データ
に基づいて作成した系統状態に対して系統縮対処理を施
しているから、各設備間の任意の接続にも対応して潮流
計算を容易に行うことができる。
【0028】本発明の請求項9の潮流計算装置は、請求
項7,8のいずれかに記載の潮流計算装置において、前
記系統モデルデータは、前記要素追加設備モデルに基づ
き、かつ、変圧器、開閉器、直列コンデンサをブランチ
と定義し、母線、発電機、引出口、調相設備、変成器を
含む各設備をノードと定義する第1規則と、前記設備間
要素を系統モデル上のノードと定義する第2規則と、前
記第1規則、第2規則によって、ノードとノードとが直
接接続される接続点にはノード間ブランチを定義する第
3規則とを、適用して作成されることを特徴とする。
【0029】この請求項9の発明では、設備モデルにお
ける各設備間に設備間要素を追加し、その設備間要素を
系統モデル上のノードと定義することを含む第1〜第3
規則にしたがって系統モデルデータを作成するから、従
来のような特殊処理を行う必要がなく、設備間の任意の
接続にも自動的に対応して潮流計算を行うことができ
る。
【0030】本発明の請求項10の潮流計算装置は、請
求項9に記載の潮流計算装置において、前記系統縮退デ
ータ作成手段は、前記母線と、この母線に接続される前
記設備間要素と、この母線とこの設備間要素間に定義さ
れたノード間ブランチとを、1つにまとめてノードと定
義し、前記発電機と、この発電機に接続される前記設備
間要素と、この発電機とこの設備間要素間に定義された
ノード間ブランチとを、1つにまとめてノードと定義
し、前記引出口と、この引出口に接続される前記設備間
要素と、この引出口とこの設備間要素間に定義されたノ
ード間ブランチとを、1つにまとめてノードと定義する
ことで、ノード及びブランチの数を削減し系統縮退させ
た系統縮退データを作成することを特徴とする。
【0031】この請求項10の発明では、母線、発電機
及び引出口については、接続先である設備間要素とその
間のノード間ブランチをまとめて1つのノードに代表さ
せて定義し、定義されるノードとブランチの数を削減
し、縮退した系統縮退データを作成するから、潮流計算
処理が容易になる。
【0032】本発明の請求項11の潮流計算装置は、請
求項9に記載の潮流計算装置において、前記系統縮退デ
ータ作成手段は、複数の開閉器が前記設備間要素を介し
て直列に並んでいる開閉器群をまとめて1つのブランチ
と定義することで、ノード及びブランチの数を削減し系
統縮退させた系統縮退データを作成することを特徴とす
る。
【0033】この請求項11の発明では、設備間要素を
介して直列に並んでいる開閉器群をまとめて1つのブラ
ンチと定義し、定義されるノードとブランチの数を削減
し、縮退した系統縮退データを作成するから、潮流計算
処理が容易になる。
【0034】本発明の請求項12の潮流計算装置は、請
求項9に記載の潮流計算装置において、前記系統縮退デ
ータ作成手段は、DC法潮流計算で必要としない調相設
備や変成器を含むDC法不要設備及び、このDC法不要
設備に繋がる設備を含めて、ノード、ブランチの定義を
行わないことで、ノード及びブランチの数を削減し系統
縮退させた系統縮退データを作成することを特徴とす
る。
【0035】この請求項12の発明では、DC法潮流計
算を行う場合に、DC法不要設備と、それに繋がる設備
にノード、ブランチの定義を行わず、定義されるノード
とブランチの数を削減し、縮退した系統縮退データを作
成するから、潮流計算処理が容易になる。
【0036】本発明の請求項13の潮流計算装置は、請
求項9に記載の潮流計算装置において、前記数値データ
作成手段は変圧器に付属する計測情報をそれに隣接する
設備間要素に割り当て、前記系統縮退データ作成手段で
の系統縮退処理により、前記数値データ作成手段で作成
された数値データは自動的に系統縮退後の母線ノードの
計測情報として対応づけられることを特徴とする。
【0037】この請求項13の発明では、変圧器に付属
する計測情報を隣接する設備間要素に割り当て、系統縮
退処理により自動的に系統縮退後の母線ノードの計測情
報として対応づけるから、潮流計算における負荷値の割
り当て処理が簡易化される。
【0038】本発明の請求項14のプログラムは、ノー
ドとブランチで表現される系統モデルを用いて電力系統
の潮流を計算する潮流計算手順を実行するプログラムで
あって、電力系統の設備モデルにおける各設備間に設備
間要素を追加し、設備間要素を追加した要素追加設備モ
デルに基づいて、ノード及びブランチで表現される系統
モデルデータを作成する潮流計算用データベース作成手
段と、この潮流計算用データベース作成手段の系統モデ
ルデータ及び開閉器入切データに基づいて系統状態を作
成する系統状態作成手段と、電力系統上の各点の計測情
報データに基づいて数値データを作成する数値データ作
成手段と、前記系統状態作成手段で作成された系統状態
と前記数値データ作成手段で作成された数値データとに
基づいて、系統の潮流を計算し、出力する潮流計算演算
手段を、コンピュータに実行させることを特徴とする。
【0039】この請求項14の発明では、設備モデルに
おける各設備間に設備間要素を追加して系統モデルデー
タを作成しているから、各設備間の任意の接続にも対応
した潮流計算をコンピュータに実行させることができ
る。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る潮流計算装置
及び系統モデル作成方法の実施の形態を図1ないし図1
1を参照して説明する。
【0041】図1は、本発明に係る潮流計算装置及び潮
流計算データベース作成装置のブロック図である。潮流
計算データベース作成装置1は、設備マスター5を入力
データとして、系統モデルデータ6を作成する装置であ
り、設備間要素作成手段2と系統モデル作成手段3とを
備えている。従来の技術では、系統モデル作成手段3の
入力データとして、設備マスター5を使用していたのに
対し、本発明における実施の形態では、入力データとし
て、設備間要素を追加した設備マスター4を使用してい
る。この設備間要素は、系統モデル作成のために、電力
系統における母線、変圧器、発電機、開閉器、引出口、
調相設備、変成器、補助設備、直列コンデンサ等の設備
間に、新たに追加されたものである。
【0042】また、潮流計算装置7では、系統モデルデ
ータ6を入力データとして、開閉器入切データ8をもと
に、系統状態作成手段9により、系統状態(ブランチの
SV状態)を作成し、系統縮退データ作成手段10によ
り、縮退後ノード・ブランチデータ11を作成する。さ
らに、計測情報データ12をもとに、数値データ作成手
段13により、ノード有効電力及び無効電力が設定さ
れ、潮流計算演算手段14により、出力データ15とし
て送電線及び変圧器の潮流値などが算出される。なお、
図1では、潮流計算データベース作成装置1を、潮流計
算装置7と別の装置として記載しているが、潮流計算装
置7の内部に潮流計算データベース作成手段として設け
てもよい。
【0043】図2は、第1の実施の形態を示す設備モデ
ル及びその設備モデルに対応する系統モデルを示す図で
ある。図2(a)の設備モデル100は、図12(a)
で示した設備モデルと同様なモデルであり、複母線構成
の母線BS1(BS1甲、BS1乙)、母線BS2(B
S2甲、BS2乙)及び変圧器TR1及び開閉器(LS
1〜LS4、CB1、CB2)で構成されている。
【0044】ここで、図1の設備間要素作成手段2によ
り、各設備の間に、任意の設備どうしをつなげる役割を
果たす設備間要素51を新たな設備として追加する。こ
の設備間要素51を追加した本発明に係る要素追加設備
モデル101は、図2(b)に示されており、設備モデ
ル100に対して設備間要素51;CN1〜CN8を追
加したモデルである。なお、以下の説明及び図におい
て、設備間要素51をCN1ないしCNnとして表現す
ることがある。
【0045】図2(b)において図の点線矢印で表現し
た設備間要素51は、自分自身につながっている他設備
(母線、変圧器、発電機、開閉器、引出口、調相設備、
変成器、補助設備、直列コンデンサなど)の識別情報を
接続先という形で持ち、その接続先の数に制限は設けな
い。
【0046】図3は、図2(b)における設備間要素C
N1ないしCN8の接続先を示す接続先テーブルであ
り、設備間要素51が持つ接続情報を示している。例え
ば、設備間要素CN1につながっている設備は、母線B
S1甲と断路器LS2であるため、それがそのまま設備
間要素CN1の接続先となる。つまり、設備間要素51
を導入することにより、設備上は任意の接続が構成可能
となる。
【0047】本発明に係る系統モデル102は、要素追
加設備モデル101に対応した潮流計算用の系統モデル
を示している。即ち、図2(a)における設備モデル1
00、本発明に係る要素追加設備モデル101、本発明
に係る系統モデル102に対応するデータが、図1のブ
ロック図における設備マスター5、設備間要素を追加し
た設備マスター4、系統モデルデータ6にそれぞれ相当
する。
【0048】次に、設備モデルを系統モデルとして定義
する際の3つの規則を定義する。第1規則は、一般的な
電力系統設備(母線、変圧器、発電機、開閉器、引出
口、調相設備、変成器、補助設備、直列コンデンサ)の
内、母線・発電機・引出口・調相設備・変成器・補助設
備をノードに対応させ、変圧器・開閉器・直列コンデン
サをブランチに対応させる。この第1規則は、従来の一
般的な系統モデルとほとんど変わらない。しかしなが
ら、開閉器(即ち、遮断器及び断路器)については、変
圧器ブランチには所属させず、仮想的なブランチ、即ち
インピーダンスを持たず、系統縮退処理にてまとめられ
得る一時的なブランチ、として定義する。
【0049】第2規則は、本発明に係る要素追加設備モ
デル101で新たに追加された設備間要素51を系統モ
デル上のノードと定義することである。この第2規則が
第1の実施の形態におけるポイントであり、これにより
各設備間の任意の接続にも対応することが可能となる。
【0050】第3規則は、第1,第2規則に基づいてノ
ード・ブランチの定義をした場合、ノードとノードが直
接接続するケースが生じる。例えば、設備間要素CN1
と母線BS1甲、設備間要素CN2と母線BS1乙な
ど。そのような場合に、ノード間仮想ブランチ52を追
加定義することである。このノード間仮想ブランチ52
は、開閉器の場合と同じく仮想的なブランチとして定義
し、開閉器でのSV状態が常にオンのものに相当する。
【0051】これら3つの規則に基づき、定義された系
統モデル102では、ノード55として12個、変圧器
ブランチ54として1個、ノード間ブランチ52及び開
閉器ブランチ53として10個定義される。
【0052】図4及び図5は、従来型潮流計算モデルで
表現することが困難であると紹介した図14及び図15
の設備モデルと同様なモデルである。図2の場合と同様
に、図4(a)の設備モデル103、図5(a)の設備
モデル106に対して設備間要素51を追加すること
で、図4(b)及び図5(b)のように、本発明に係る
要素追加設備モデル104、107が得られる。さら
に、上述した3つの規則を適用することで、図4(c)
及び図5(c)のように、本発明に係る系統モデル10
5、108が得られる。
【0053】このように、従来型潮流計算モデルで表現
することが困難であった設備モデルが、第1の実施の形
態により表現可能となる理由について説明する。まず、
従来型潮流計算モデルを適用しようとした場合、変圧器
ブランチに開閉器を所属させようとするため、ブランチ
に接続するノードの数は2つでなければならないという
大前提を満たすことが非常に困難であった。ところが、
本発明に係る系統モデル105、108では、ノードを
細かい単位で定義しているため、ブランチに接続するノ
ードの数は常に2つとなっている。
【0054】即ち、第1の実施の形態によれば、最初か
らノードが定義されているために、ブランチの接続先が
2つとなるように変圧器と接続先(母線や発電機など)
の中間にノードを追加するような特殊処理を行う必要
性、あるいはそのような中間ノードを設備固定のデータ
として定義する必要性がなくなる。また、同様の理由
で、甲乙切り替え用の開閉器が共にオン状態の時に、変
圧器の接続先を甲側の母線と見なし、甲側と乙側の間に
接続関係を持たせるといった特殊処理の必要性もなくな
る。
【0055】ただ、第1の実施の形態では、定義される
ノード・ブランチ数が増加する。例えば図12と図2に
おける系統モデルを比較すると、従来型潮流計算モデル
がノード数4、ブランチ数1であるのに対し、第1の実
施の形態を適用した場合には、ノード数が12、ブラン
チ数が11となり、かなり増えることになる。しかし、
ここで問題とされているノード及びブランチ数の増加
は、潮流計算装置7における系統縮退データ作成手段1
0での系統縮退処理を行う前段階の系統モデルデータ6
である。したがって、潮流計算装置7の潮流計算演算手
段14へ渡す入力データである縮退後状態における縮退
後ノード・ブランチデータ11には、従来型潮流計算モ
デルと第1の実施の形態との間で違いはない。つまり、
第1の実施の形態におけるノード・ブランチ数の増加と
いう問題は、系統状態作成手段9及び電気的な接続を検
索する系統縮退データ作成手段10での処理により解決
されることになる。
【0056】この第1の実施の形態によれば、各設備間
の任意の接続に対応可能な潮流計算装置及びそのための
系統モデルデータを提供することができる。
【0057】図6(a)、(b)、(c)は、第2の実
施の形態を示す設備モデル109及び設備間要素を追加
した本発明に係る要素追加設備モデル110及び3つの
規則を適用した本発明に係る系統モデル111を示す図
である。まず、図6(a)の設備モデル109にある引
出口設備について簡単に説明する。ここで言う引出口と
は、電気所内設備と送電線設備との境界を示すための設
備のことである。ある電気所は、引出口設備を介して送
電線設備(区間、分岐点、ジャンパSW)とつながり、
その先の他の電気所の引出口設備とつながっている。
【0058】次に、図6(c)の本発明に係る系統モデ
ル111において、すでに定義されたノード・ブランチ
の内、削減できる部分があるかどうかに着目する。すで
に、第1規則で述べたように母線・発電機・引出口はノ
ードと定義され、また、第2規則により、設備間要素も
ノードと定義されるため、母線及び発電機及び引出口に
ついては、必ず設備間要素ノードと接続することにな
る。このようなノードとノードが直接接続する場合に、
第3規則では、ノード間ブランチを仮想的なブランチと
して追加定義していた。しかしながら、逆の考えをすれ
ば、ブランチを追加するのではなく、2つのノードをま
とめて1つのノードにすることも可能である。つまり、
母線及び発電機及び引出口ノードについては、接続先の
設備間要素とまとめて1つのノード(母線ノードまたは
発電機ノードまたは引出口ノード)として代表させる。
【0059】図6(c)の本発明に係る系統モデル11
1では、一点鎖線で囲まれた部分が1つのノードにまと
められる。具体的数値上は、第1の実施の形態を適用し
た場合のノード・ブランチ数がそれぞれ15・15であ
るのに対し、この第2の実施の形態を適用すると、それ
ぞれ9・9にまで削減できる。
【0060】ここで、先に述べた第3規則を「第1規則
及び第2規則に基づいてノード・ブランチの定義をした
場合に、ノードとノードが直接接続するような場合に
は、設備間要素とつながっている相手側(母線・発電機
・引出口・調相設備・変成器・補助設備)ノードで代表
させる。ただし、発電機・引出口・調相設備・変成器・
補助設備のいずれかの設備が設備間要素を介して母線と
直結する場合には、その設備と母線の間にノード間ブラ
ンチを追加定義する。」と変更する。この変更第3規則
におけるただし書きの部分については、具体例を、引出
口、発電機が母線と直結する場合として、図7(a)の
設備モデル112、図7(b)の本発明に係る要素追加
設備モデル及び図7(c)の本発明に係る系統モデル1
14に示す。つまり、図7(c)の本発明に係る系統モ
デル114に、第3規則を適用すると、設備間要素がま
とめられて、再び、母線ノードと他設備(引出口、発電
機など)ノードが直接接続してしまうことになるが、こ
の場合には、変更第3規則を適用して、ノード間ブラン
チを追加し、両者を区別することにする。
【0061】この第2の実施の形態によれば、定義され
るノードとブランチの数を削減することができるので、
系統縮退の処理性能を向上することができるという効果
がある。
【0062】図8(a)、(b)、(c)は、第3の実
施の形態を示す設備モデル115、設備間要素51を追
加した本発明に係る要素追加設備モデル116及び3つ
の規則を適用した本発明に係る系統モデル117を示す
図である。
【0063】図8(b)の本発明に係る要素追加設備モ
デル116において、点線で囲んだ直列接続の開閉器群
57の部分は、複数の開閉器が設備間要素51を介して
直列に並んでおり、そのような開閉器群はまとめて1つ
の仮想ブランチとすることが可能である。図8(c)の
本発明に係る系統モデル117における開閉器群ブラン
チ58には、所属する開閉器を0から15のビット位置
に対応させ、各SV状態のアンド条件を開閉器群ブラン
チ58のSV状態とする。従って、1つの開閉器群ブラ
ンチには、最大16まで登録することができる。
【0064】なお、従来型潮流計算モデルと同様の方法
で、開閉器をまとめることができるのは、開閉器群ブラ
ンチ58では、所属する開閉器が複数存在していても、
開閉器群ブランチ全体として考えると、接続するノード
の数は2つを超えることはないからである。本発明に係
る系統モデル117に対して、第1及び第2の実施の形
態を適用した場合には、ノード・ブランチ数はそれぞれ
7・7であるのに対し、この第3の実施の形態を適用す
ると、それぞれ4・4にまで削減できる。この第3の実
施の形態によっても、第2の実施の形態と同様の効果が
ある。
【0065】図9(a)、(b)、(c)は、第4の実
施の形態を示す設備モデル118、設備間要素51を追
加した本発明に係る要素追加設備モデル119及び3つ
の規則を適用した本発明に係る系統モデル120を示す
図である。
【0066】まず、この第4の実施の形態は、潮流計算
手法として、DC法を用いる場合に限定される。一般
に、電力方程式の近似計算であるDC法による潮流計算
では、電圧が定格値にほぼ等しいという仮定のもとに成
り立っており、計算の入力データは、ノード・ブランチ
の系統接続状態、送電線区間及び変圧器のインピーダン
ス、ノードの有効電力のみである。従って、DC法を用
いる場合、母線につながる調相設備、変成器、補助設備
などの設備(以下、DC不要設備と称する)を系統モデ
ル上のノードとして定義する必要はない。また、単に母
線の末端につながっているこのDC不要設備を定義しな
いだけでは、母線とDC不要設備の中間に開閉器や設備
間要素51などが接続している場合に、やはり不要な定
義(ここでは、中間にある開閉器や設備間要素51が相
当する)をしてしまう。
【0067】そこで、この第4の実施の形態では、図1
0に示す系統モデル作成手順により、系統モデルを作成
する。まず、ステップS1により、潮流計算対象となる
母線設備すべてについて、ノードの定義を行う。次に、
ステップS1で定義した母線ノード数分について(ステ
ップS2)、母線ノードを検索の基準として(ステップ
S3)、経路検索処理(ステップS4)を行う。例え
ば、図9(b)における本発明に係る要素追加設備モデ
ル119では、検索経路を示している実線及び点線の片
側矢印が、経路検索処理(ステップS4)にて検索され
た経路に相当する。なお、図9(b)では、実線・点線
を含め10本の経路を示しているが、実際には、これで
全てではなく、一部の経路は省略している。
【0068】次に、ステップS4により検索された経路
数分について(ステップS5)、ステップS6でその経
路の末端設備がDC不要設備でなければ、ステップS7
で末端設備をノードとして定義し、ステップS8で経路
に従って、ステップS3で定義した検索基準の母線ノー
ドに到達するまで、ノード・ブランチの定義を行う。
【0069】なお、DC計算で定義が必要な末端設備
は、母線、引出口、発電機である。要素追加設備モデル
119における計算対象59の経路は、末端の設備が母
線であるため、ステップS6条件を満たしていることに
なり、ステップS7、ステップS8によりノード・ブラ
ンチの定義を行う。また、計算非対象60の経路は、末
端の設備が調相設備(DC不要設備)であるため、ステ
ップS6条件を満たしていないことになり、ノード・ブ
ランチの定義を行わない。
【0070】従って、DC計算で必要としない設備につ
いては、母線からその末端までの接続している設備すべ
てについて定義せずに済ますことができる。図10の系
統モデル作成手順により得られる系統モデルが、図9
(c)の本発明に係る系統モデル120における実線部
分であり、「実線+点線」の部分が、第1から第3の実
施の形態により得られる系統モデルである。具体的数値
上は、本発明に係る系統モデル120に対して、第1か
ら第3の実施の形態を適用した場合には、ノード・ブラ
ンチ数はそれぞれ16・16であるのに対し、この第4
の実施の形態を適用すると、それぞれ9・9にまで削減
できる。補足であるが、3巻型の変圧器については、3
つ(1〜3次側)の変圧器ブランチ62及び1つの3巻
変圧器中間ノード61へ分解して系統モデル上に定義し
ている。
【0071】この第4の実施の形態によれば、潮流計算
手法としてDC法を用いる場合には、計算で必要のない
設備を系統モデル上に定義しないで済むことになり、ノ
ードとブランチの数を削減することができるので、第1
の実施の形態で問題となった系統縮退の処理性能を向上
することができるという効果がある。
【0072】図11(a)、(b)、(c)は、第5の
実施の形態を示す設備モデル121、設備間要素51を
追加した設備モデルに開閉器のSV状態を示した本発明
に係る要素追加設備モデル及びSV状態122、及びこ
れに対応して系統縮退を行った後の本発明に係る系統モ
デル123である。
【0073】一般に、潮流計算装置における負荷値は、
演算手段へ渡す入力データのノード有効電力に相当し、
信頼性のある計算結果(例えば、送電線及び変圧器の各
潮流値)を得るために、非常に重要な要素である。これ
まで、計測情報TM(テレメータ)の内、負荷対象とな
る箇所については、母線設備との対応情報を設備固定の
データとして持ち、その対応情報を基にして、母線ノー
ドへ有効電力の割り当てを行っていた。
【0074】しかしながら、この割り当て方法は、計測
情報TMが母線設備に直接存在していれば問題はない
が、実際には計測情報TMと母線設備との間には、開閉
器が存在している。そのため、母線ノードへ有効電力を
割り当てる際には、計測情報TMと母線との間に存在す
る開閉器のSV状態を参照した上で、TMを割り当てる
かどうかを判断しなければならず、多くの設備固定デー
タと面倒な処理が必要とされていた。
【0075】そこで、この第5の実施の形態では、計測
情報TMの所属設備を母線から第1の実施の形態で追加
した設備間要素51へ変更する。設備モデル121に
は、変圧器に所属する計測情報TMが2つ存在している
が、実線で囲んだ負荷対象64を負荷として割り当てる
場合を考える。この場合、点線で囲んでいる非負荷対象
は考慮する必要がない。
【0076】設備間要素51を追加した要素追加設備モ
デル及びSV状態122より変圧器TR1の1次側、2
次側に対応する設備間要素としてそれぞれ設備間要素C
N4、CN5があるので、ここでは、負荷対象64の計
測情報TMを設備間要素CN5に対応させ、この対応
は、設備固定データとして持つことにする。
【0077】また、要素追加設備モデル及びSV状態1
22には、開閉器のSV状態も示しており、この状態で
系統縮退処理を実施すると、縮退後のノード・ブランチ
が作成される。縮退後の系統モデル123が太線部分で
示されている。開閉器などの仮想ブランチは、まとめら
れ、縮退後のノードとして縮退後ノード65及び縮退後
ノード66の2つとなり、縮退後のブランチとして縮退
後ブランチ67の1つとなる。すると、設備間要素CN
5に所属していた計測情報TMは、系統縮退処理により
縮退後ノード66に所属することになり、自動的に母線
設備に対応づけられる。
【0078】この第5の実施の形態によれば、計測情報
TMと母線との間に存在する開閉器のSV状態を参照す
る処理や多くの設備固定データを持つ必要がなくなるた
め、負荷値の割り当て処理が簡易化されるという効果が
ある。なお、上述した各実施の形態に係わる潮流計算装
置の計算手順を実行するプログラムを磁気ディスク、光
ディスク等のコンピュータが読み取り可能な記憶媒体に
記憶させてもよい。この記憶媒体から、既存のコンピュ
ータなどにプログラムを供給することにより、上述の実
施の形態と同様な作用効果を得ることができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、複数の設備間をつなげ
る役割を持つ設備間要素を電力系統の設備として新たに
設け、設備間要素を系統モデル上のノードと定義するこ
とで、各設備間の任意の接続にも対応可能な潮流計算装
置及びそのための系統モデルをを提供できる。
【0080】また、母線や発電機、引出口に接続する設
備間要素を、接続する設備と1つにまとめてノードと定
義し、複数の開閉器が設備間要素を介して、直列に並ん
でいる開閉器群をまとめて1つの仮想ブランチと定義
し、潮流計算手法としてDC法を用いる場合に、DC法
潮流計算で必要としない設備はその設備に繋がる設備も
含めてノード・ブランチの定義を行わないことで、ノー
ド・ブランチの数を削減でき、潮流計算における系統縮
退処理の性能を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る潮流計算装置及び潮流計算データ
ベース作成装置のブロック図。
【図2】第1の実施の形態に係る電力系統の設備モデル
とその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図3】図2の設備モデルにおける設備間要素の接続先
情報を示す図。
【図4】第1の実施の形態に係る他の電力系統の設備モ
デルとその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図5】第1の実施の形態に係るさらに他の電力系統の
設備モデルとその設備モデルに対応した系統モデルを示
す図。
【図6】第2の実施の形態に係る電力系統の設備モデル
とその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図7】変更第3規則を適用した電力系統の設備モデル
とその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図8】第3の実施の形態に係る電力系統の設備モデル
とその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図9】第4の実施の形態に係る電力系統の設備モデル
とその設備モデルに対応した系統モデルを示す図。
【図10】第4の実施の形態に係る系統モデル作成手順
を示すフローチャート。
【図11】第5の実施の形態に係る電力系統の設備モデ
ル及びSV状態、とそれに対応した縮退後の系統モデル
を示す図。
【図12】電力系統の設備モデルと従来型潮流計算モデ
ルにより得られる系統モデルを示す図。
【図13】変圧器ブランチ内のオン・オフ情報を示す
図。
【図14】従来型潮流計算モデルで表現することが困難
な電力系統の設備モデルを示す図。
【図15】従来型潮流計算モデルで表現することが困難
な電力系統の他の設備モデルを示す図。
【符号の説明】
1 潮流計算データベース作成装置 2 設備間要素作成手段 3 系統モデル作成手段 4 設備間要素を追加した設備マスター 5 設備マスター 6 系統モデルデータ(ノード・ブランチ) 7 潮流計算装置 8 開閉器入切データ(SV) 9 系統状態作成手段 10 系統縮退データ作成手段 11 縮退後ノード・ブランチデータ 12 計測情報データ(TM) 13 数値データ作成手段 14 潮流計算演算手段 15 出力データ 51 設備間要素 52 ノード間仮想ブランチ 53 開閉器ブランチ 54 変圧器ブランチ 55 ノード 56 発電機ノード 57 直列接続の開閉器群 58 開閉器群ブランチ 59 計算対象 60 計算非対象 61 3巻変圧器中間ノード 62 変圧器ブランチ 63 負荷非対象 64 負荷対象 65 縮退後ノード 66 縮退後ノード 67 縮退後ブランチ BS1、BS2 母線 CB1〜CBn 開閉器(遮断器) LS1〜LSn 開閉器(断路器) TR1、TR2 変圧器 CN1〜CNn 設備間要素 SC 調相設備(電力用コンデンサ) ShR 調相設備(分路リアクトル) TM テレメータ(計測データ)

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統の設備データを持つ設備マスタ
    ーに基づいて設備モデルを形成し、 この設備モデルにおける各設備間に設備間要素を追加し
    た要素追加設備モデルを作成し、 この要素追加設備モデルに基づいてノードとブランチで
    表現される系統モデルを作成する、ことを特徴とする系
    統モデル作成方法。
  2. 【請求項2】 前記要素追加設備モデルに基づいて前記
    系統モデルを作成するに際し、変圧器、開閉器、直列コ
    ンデンサをブランチと定義し、母線、発電機、引出口、
    調相設備、変成器を含む各設備をノードと定義する第1
    規則と、前記設備間要素を系統モデル上のノードと定義
    する第2規則と、前記第1規則、第2規則によって、ノ
    ードとノードとが直接接続される接続点にはノード間ブ
    ランチを定義する第3規則とを、適用して前記系統モデ
    ルを作成する、ことを特徴とする、請求項1記載の系統
    モデル作成方法。
  3. 【請求項3】 前記母線と、この母線に接続される前記
    設備間要素と、この母線とこの設備間要素間に定義され
    たノード間ブランチとを、1つにまとめてノードと定義
    し、前記発電機と、この発電機に接続される前記設備間
    要素と、この発電機とこの設備間要素間に定義されたノ
    ード間ブランチとを、1つにまとめてノードと定義し、
    前記引出口と、この引出口に接続される前記設備間要素
    と、この引出口とこの設備間要素間に定義されたノード
    間ブランチとを、1つにまとめてノードと定義すること
    で、ノード及びブランチの数を削減し、系統縮退させる
    ことを特徴とする、請求項2記載の系統モデル作成方
    法。
  4. 【請求項4】 複数の開閉器が前記設備間要素を介して
    直列に並んでいる開閉器群をまとめて1つのブランチと
    定義することで、ノード及びブランチの数を削減し、系
    統縮退させることを特徴とする、請求項2記載の系統モ
    デル作成方法。
  5. 【請求項5】 直流法(以下、DC法、という)潮流計
    算で必要としない調相設備や変成器を含むDC法不要設
    備及び、このDC法不要設備に繋がる設備を含めて、ノ
    ード、ブランチの定義を行わないことで、ノード及びブ
    ランチの数を削減し、系統縮退させることを特徴とす
    る、請求項2記載の系統モデル作成方法。
  6. 【請求項6】 変圧器に付属する計測情報を隣接する設
    備間要素に割り当て、系統縮退処理により自動的に系統
    縮退後の母線ノードの計測情報として対応づける、こと
    を特徴とする、請求項2記載の系統モデル作成方法。
  7. 【請求項7】 電力系統の設備モデルにおける各設備間
    に設備間要素を追加し、設備間要素を追加した要素追加
    設備モデルに基づいて、ノード及びブランチで表現され
    る系統モデルデータを作成する潮流計算用データベース
    作成手段と、 この潮流計算用データベース作成手段の系統モデルデー
    タ及び開閉器入切データに基づいて系統状態を作成する
    系統状態作成手段と、 電力系統上の各点の計測情報データに基づいて数値デー
    タを作成する数値データ作成手段と、 前記系統状態作成手段で作成された系統状態と前記数値
    データ作成手段で作成された数値データとに基づいて、
    系統の潮流を計算し出力する潮流計算演算手段を備える
    ことを特徴とする潮流計算装置。
  8. 【請求項8】 電力系統の設備モデルにおける各設備間
    に設備間要素を追加し、設備間要素を追加した要素追加
    設備モデルに基づいて、ノード及びブランチで表現され
    る系統モデルデータを作成する潮流計算用データベース
    作成手段と、 この潮流計算用データベース作成手段の系統モデルデー
    タ及び開閉器入切データに基づいて系統状態を作成する
    系統状態作成手段と、 この系統状態作成手段で作成された系統状態に系統縮対
    処理を施して系統縮退データを作成する系統縮退データ
    作成手段と、 電力系統上の各点の計測情報データに基づいて数値デー
    タを作成する数値データ作成手段と、 前記系統縮退データ作成手段で作成された系統縮退デー
    タと前記数値データ作成手段で作成された数値データと
    に基づいて、系統の潮流を計算し、出力する潮流計算演
    算手段を備えることを特徴とする潮流計算装置。
  9. 【請求項9】 前記系統モデルデータは、前記要素追加
    設備モデルに基づき、かつ、変圧器、開閉器、直列コン
    デンサをブランチと定義し、母線、発電機、引出口、調
    相設備、変成器を含む各設備をノードと定義する第1規
    則と、前記設備間要素を系統モデル上のノードと定義す
    る第2規則と、前記第1規則、第2規則によって、ノー
    ドとノードとが直接接続される接続点にはノード間ブラ
    ンチを定義する第3規則とを、適用して作成されること
    を特徴とする、請求項7,8のいずれかに記載の潮流計
    算装置。
  10. 【請求項10】 前記系統縮退データ作成手段は、前記
    母線と、この母線に接続される前記設備間要素と、この
    母線とこの設備間要素間に定義されたノード間ブランチ
    とを、1つにまとめてノードと定義し、前記発電機と、
    この発電機に接続される前記設備間要素と、この発電機
    とこの設備間要素間に定義されたノード間ブランチと
    を、1つにまとめてノードと定義し、前記引出口と、こ
    の引出口に接続される前記設備間要素と、この引出口と
    この設備間要素間に定義されたノード間ブランチとを、
    1つにまとめてノードと定義することで、ノード及びブ
    ランチの数を削減し系統縮退させた系統縮退データを作
    成することを特徴とする、請求項9に記載の潮流計算装
    置。
  11. 【請求項11】 前記系統縮退データ作成手段は、複数
    の開閉器が前記設備間要素を介して直列に並んでいる開
    閉器群をまとめて1つのブランチと定義することで、ノ
    ード及びブランチの数を削減し系統縮退させた系統縮退
    データを作成することを特徴とする、請求項9に記載の
    潮流計算装置。
  12. 【請求項12】 前記系統縮退データ作成手段は、DC
    法潮流計算で必要としない調相設備や変成器を含むDC
    法不要設備及び、このDC法不要設備に繋がる設備を含
    めて、ノード、ブランチの定義を行わないことで、ノー
    ド及びブランチの数を削減し系統縮退させた系統縮退デ
    ータを作成することを特徴とする、本発明の請求項9に
    記載の潮流計算装置。
  13. 【請求項13】 前記数値データ作成手段は変圧器に付
    属する計測情報をそれに隣接する設備間要素に割り当
    て、前記系統縮退データ作成手段での系統縮退処理によ
    り、前記数値データ作成手段で作成された数値データは
    自動的に系統縮退後の母線ノードの計測情報として対応
    づけられることを特徴とする、請求項9に記載の潮流計
    算装置。
  14. 【請求項14】 ノードとブランチで表現される系統モ
    デルを用いて電力系統の潮流を計算する潮流計算手順を
    実行するプログラムであって、 電力系統の設備モデルにおける各設備間に設備間要素を
    追加し、設備間要素を追加した要素追加設備モデルに基
    づいて、ノード及びブランチで表現される系統モデルデ
    ータを作成する潮流計算用データベース作成手段と、 この潮流計算用データベース作成手段の系統モデルデー
    タ及び開閉器入切データに基づいて系統状態を作成する
    系統状態作成手段と、 電力系統上の各点の計測情報データに基づいて数値デー
    タを作成する数値データ作成手段と、 前記系統状態作成手段で作成された系統状態と前記数値
    データ作成手段で作成された数値データとに基づいて、
    系統の潮流を計算し、出力する潮流計算演算手段を、コ
    ンピュータに実行させるためのプログラム。
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