JP2003218923A - パケット送信装置及びパケット送信処理方法 - Google Patents

パケット送信装置及びパケット送信処理方法

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JP2003218923A
JP2003218923A JP2002330800A JP2002330800A JP2003218923A JP 2003218923 A JP2003218923 A JP 2003218923A JP 2002330800 A JP2002330800 A JP 2002330800A JP 2002330800 A JP2002330800 A JP 2002330800A JP 2003218923 A JP2003218923 A JP 2003218923A
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Hiroki Goto
博喜 後藤
Mikio Shimazu
幹夫 島津
Akira Sakai
章 酒井
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 契約帯域幅を保証しつつ、通信品質の良い優
先制御を行うパケット送信装置を提供することである。 【解決手段】 パケット送信装置24において、識別子
付与部214は、第1〜第3の優先識別子のいずれか1
つを、今回受け取ったパケットPbに付与し、これをパ
ケットPcとしてパケット送信部28に渡す。パケット
送信部28は、受け取ったパケットPcに必要な処理を
行って、パケットPdとして中継回線4に送出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パケット送信装置
及びパケット送信処理方法に関し、より特定的には、パ
ケットの優先制御及び帯域幅制御を可能にするパケット
送信装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、インターネットを用いて、動画配
信又は映像の双方向通信が盛んに行われている。これら
動画配信及び映像の双方向通信に代表されるリアルタイ
ム通信は、送信側及び受信側の間で生じるパケットの遅
延及び遅延揺らぎに敏感である。そのため、リアルタイ
ム通信をインターネットに代表されるネットワークを介
して行うには、トラヒックの優先制御が必要になる。こ
のような優先制御の一例として、IETF(Internet En
gineering Task Force )のRFC2475に記されてい
るDiffserv(Differentiated Service)がある。
Diffservでは、ネットワークの入り口におい
て、パケットは、MFC(Multi Field Classifer )に従
ってクラス分けされ、分類されたパケットのIPヘッダ
内にDSCP(Differentiated Service Code Point )が
設定される。各パケットは、DSCPに関連付けられた
転送動作に基づいて、ネットワーク上を転送される。
【0003】ここで、図17は、IPv4(Internet Pr
otocol Version 4 )のヘッダフォーマットを示す模式図
であり、図18は、IPv6(Internet Protocol Versi
on 6)のヘッダフォーマットを示す模式図である。図1
7に示すTOSフィールドを、また、図18に示すトラ
ヒッククラスフィールドを、DSCPは再定義している
(図中のハッチング部分参照)。図19は、DSCPの
構造を示す模式図である。図19において、DSCPは
8ビットからなり、先頭6ビットは、転送動作であるP
HB(Per Hop Behavior)を示すために用い、残り2ビッ
トはCU(Currently Unused)、つまり未定義である。P
HBには、BE(Best Effort )クラス(00000
0)、EF(ExpeditedForwarding)クラス(10111
0)、AF(Assured Forwarding)クラスがある。BEク
ラスは一般的に、無制御のサービスで用いられる。ま
た、EFクラスは一般的に、低遅延及び低遅延揺らぎが
要求されるサービス(例えば、仮想専用線サービス)に
用いられる。また、AFクラスは一般的に、統計多重に
よる最低帯域幅保証のサービスで用いられる。このAF
クラスには現在4つのクラスと3段階の廃棄優先度とが
定義されており、同一AFクラス内のIPパケットの順
序は保証される。ここで、図20は、推奨されているA
FクラスのPHBの値を示す図である。図20の横方向
に示すように、優先度のクラスは4つあり、クラス1
が、4クラスの中で最高の優先度を有している。また、
図20の縦方向は廃棄優先度を示している。廃棄優先度
のレベルは3つあり、廃棄優先度1が最も廃棄されにく
い。
【0004】以上のDiffservを用いて、リアル
タイムトラヒックを優先的に転送するようDSCPを設
定することで、ネットワークにおいて、交換機は、特定
のパケットを優先的に扱うことが可能となる。
【0005】また、データリンク層において、優先すべ
きパケットを示す規定として、IEEE(Institute of
Electrical and Electronics Engineers) 802.1Q
/pがある。図21は、IEEE802.1Q/pで規
定されているイーサネット(登録商標)フレームの構
造、及びタグ制御情報フィールドの構成を示す模式図で
ある。図21において、イーサネットフレームは、VL
ANタグを含み、このVLANタグの中にタグ制御情報
(TCI)のフィールドを有する。このフィールドの上
位3ビットが優先度を示すために使われる。これによっ
て、イーサネットフレームに、互いに異なる8種類の優
先度を与えることが可能となる。
【0006】以上のように優先度が付された各パケット
は一般的に、PQ(Priority Queuing)に従って、ネット
ワーク内を転送される。具体的には、PQでは、優先度
毎にいくつかのキューが交換機に用意される。交換機に
到着したパケットは、自身の優先度に対応したキューに
入れられる。そして、所定の送出タイミングになると、
交換機は、最も優先度の高くかつパケットが入っている
キューを選択し、そこからパケットを取り出して、ネッ
トワークに送出する。
【0007】また、複数のユーザからのトラヒックが一
つの回線に多重される場合、各ユーザが使用可能な保証
帯域幅が設定される。このような保証帯域幅を各ユーザ
が必ず使用できるように、帯域幅制御が必要となる。帯
域幅制御を行う一般的なアプローチとして、WRR(Wei
ghted Round Robin)やWFQ(Weighted Fair Queuing)
がある。WRRでは、セッション毎にキューを設け、要
求帯域幅に比例した重みパラメータを割り当てて、複数
のセッションキューのそれぞれを重み付けに従って順番
に選択していく方式である。ラウンドロビンを基本とし
ているため、WRRは公平性に優れている。また、WF
Qは到着したパケットに対してビット毎のラウンドロビ
ンによってサービスを終了するまでの時間をタグ付け
し、付けられたタグが最小のパケットから出力を行う方
式であり、公平性及び帯域幅利用率に優れている。
【0008】また、上述の優先制御及び帯域幅制御に加
えて、余剰帯域幅を有効利用するために、下記の特許文
献1に開示された帯域幅監視装置がある。帯域幅監視装
置は、ネットワークに収容されるルータに設置される。
帯域幅監視装置において、監視結果判定部は、優先パケ
ットの帯域幅が契約帯域幅未満であるか否かを判定す
る。契約帯域幅未満である場合、DSCP判定部は、非
優先パケットを優先パケットとして送信する。これによ
って、余剰帯域幅を使って非優先パケットを送信でき、
その結果、契約帯域幅を十分に使用することが可能とな
る。
【0009】
【特許文献1】特開2000−349812号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
帯域幅監視装置では、DSCP判定部は、非優先パケッ
トの優先度フィールドに、優先パケットであることを示
す値を設定する場合がある。そのため、ネットワーク内
の後のルータにおいて、帯域幅監視装置は、今回受け取
ったものが元々優先パケットであったのか、途中のルー
タにより優先パケットに変更されたものであるのか区別
できなくなってしまう。つまり、各パケットから、元々
の優先度が欠落してしまう場合がある。その結果、後の
ルータにおいてトラヒックが輻輳状態に陥ってしまう
と、そのルータは、元々の優先度に基づいて優先制御を
行うことができなくなってしまう。具体的には、元々は
非優先パケットであったものが優先パケットとして送信
される場合があるので、元々優先パケットであったもの
が受信側に到着するのが遅れてしまったり、遅延時間に
揺らぎが生じたりして、通信品質が低下してしまうとい
う問題点があった。
【0011】それ故に、本発明は、契約帯域幅を保証し
つつ、通信品質の良い優先制御を行うパケット送信装置
を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】上記目的
を達成するために、本願の第1の発明は、複数の入力側
回線を通じて送られてくるパケットに所定の処理を行っ
て、1つの出力側回線に送出するパケット送信装置であ
って、パケット送信装置は、各入力側回線を転送されて
くるパケットを受け取る度に、今回受け取ったパケット
に、第1〜第3の識別子のいずれか1つを付与する識別
子付与部を備える。ここで、第1の識別子は、優先度が
相対的に高く、かつ所定の方法で決定される保証帯域幅
を超過していないパケットであることを示し、第2の識
別子は、優先度が相対的に低く、かつ保証帯域幅を超過
していないパケットであることを示し、さらに、第3の
識別子は、保証帯域幅を超過しているパケットであるこ
とを少なくとも示す。パケット送信装置はさらに、識別
子付与部で第1〜第3の識別子のいずれかが付与された
パケットに必要な処理を行って、出力側回線に送出する
パケット送信部をさらに備える。
【0013】第2の発明は、第1の発明に従属してお
り、パケット送信装置はさらに、優先キューと、非優先
キューと、各入力側回線を転送されてくるパケットを受
け取る度に、所定のパケット選別処理を行って、今回受
け取ったパケットを、優先キュー及び非優先キューのい
ずれかに追加するパケット選別部と、所定のタイミング
で、優先キュー及び非優先キューのうち、優先キューか
ら優先的にパケットを取り出すスケジューリング部とを
さらに備える。また、スケジューリング部はさらに、優
先キューから取り出した場合には、今回取り出したパケ
ットが高優先度であることを示す優先情報を生成し、非
優先キューから取り出した場合には、今回取り出したパ
ケットが低優先度であることを示す非優先情報を生成す
る。パケット送信装置はさらに、スケジューリング部で
生成された優先情報又は非優先情報を使って、スケジュ
ーリング部から送られてくるパケットの帯域幅が保証帯
域幅を超過しているか否かを判断する帯域幅監視部を備
える。また、帯域幅監視部はさらに、今回のパケットの
帯域幅が保証帯域幅を超過していない場合には保証帯域
内情報を生成し、今回のパケットの帯域幅が保証帯域幅
を超過している場合には保証帯域外情報を生成する。識
別子付与部は、スケジューリング部で生成された優先情
報及び非優先情報の一方と、帯域幅監視部で生成された
保証帯域内情報及び保証帯域外情報の一方との組み合わ
せに基づいて、第1〜第3の識別子の中から、いずれか
1つを選択し、選択したものを、帯域幅監視部から送ら
れてくるパケットに付与する。
【0014】第1又は第2の発明によれば、少なくと
も、第1及び第2の識別子は優先度及び帯域幅の2つの
情報を含んでいる。そのため、パケットはネットワーク
において様々な機器(典型的にはルータ)で処理される
が、各機器において、元々優先度が高かったか否かを識
別することが可能になる。従って、途中で高優先度に変
更されたパケットに邪魔されることなく、元々優先度が
高かったパケットをネットワーク上で継続的に優先的に
処理することが可能になる。これによって、通信品質が
低下することなく、優先制御及び帯域制御の双方を行う
ことが可能になる。
【0015】第3の発明は、第2の発明に従属してお
り、帯域幅監視部は、保証帯域幅が示すレートでトーク
ンが溜まり、予め定められた深さを有するトークンバケ
ットを備えている。スケジューリング部から優先情報を
受け取った場合、帯域幅監視部は、スケジューリング部
から受け取ったパケットの長さに相当するトークンがト
ークンバケットに溜まっているか否かを判断し、必要な
トークンが溜まっている場合に保証帯域内情報を生成
し、また、必要なトークンが溜まっていない場合に保証
帯域外情報を生成する。また、スケジューリング部から
非優先情報を受け取った場合、帯域幅監視部は、トーク
ンバケットに、深さよりも小さい閾値以上の量でありか
つスケジューリング部から受け取ったパケットの長さに
相当するトークンが溜まっているか否かを判断し、必要
なトークンが溜まっている場合に保証帯域内情報を生成
し、また、必要なトークンが溜まっていない場合に保証
帯域外情報を生成する。
【0016】第3の発明によれば、保証帯域内情報が生
成される確率は、優先情報を受け取った時の方が、そう
でない時よりも高くなる。これによって、高優先度の各
パケットは、保証帯域幅の範囲内で転送されるので、低
遅延及び低遅延揺らぎで受信側に送信される。
【0017】第4の発明は、第1の発明に従属してお
り、識別子付与部は、スケジューリング部から優先情報
を、さらに帯域幅監視部から帯域幅内情報を受け取った
場合には、帯域幅監視部から受け取ったパケットに第1
の識別子を付与し、スケジューリング部から非優先情報
を、さらに帯域幅監視部から帯域幅内情報を受け取った
場合には、帯域幅監視部から受け取ったパケットに第2
の識別子を付与し、スケジューリング部から優先情報
を、さらに帯域幅監視部から帯域幅外情報を受け取った
場合には、帯域幅監視部から受け取ったパケットに第3
の識別子を付与する。
【0018】第5の発明は、第4の発明に従属してお
り、識別子付与部はさらに、スケジューリング部から非
優先情報を、さらに帯域幅監視部から帯域幅外情報を受
け取った場合には、帯域幅監視部から受け取ったパケッ
トに第3の識別子を付与する。
【0019】第6の発明は、第1の発明に従属してお
り、パケット送信装置はさらに、各入力側回線を転送さ
れてくる各パケットが第1〜第3の識別子のいずれを有
するかを確認して、第1及び第2の識別子を有するパケ
ットと、第3の識別子を有するパケットとに選別する前
置パケット選別部を備える。前置パケット選別部はさら
に、第1の識別子を有する場合には、今回受け取ったパ
ケットが高優先度を有することを示す優先情報を生成
し、第2の識別子を有する場合には、今回受け取ったパ
ケットが低優先度を有することを示す非優先情報を生成
する。パケット送信装置はさらに、前置パケット選別部
で生成された優先情報又は非優先情報を使って、前置パ
ケット選別部から送られてくるパケットの帯域幅が保証
帯域幅を超過しているか否かを判断する帯域幅監視部を
備える。
【0020】また、帯域幅監視部はさらに、今回の帯域
幅が保証帯域幅を超過していない場合には保証帯域内情
報を生成し、今回の帯域幅が保証帯域幅を超過している
場合には保証帯域外情報を生成する。また、識別子付与
部は、前置パケット選別部で生成された優先情報及び非
優先情報の一方と、帯域幅監視部で生成された保証帯域
内情報及び保証帯域外情報の一方との組み合わせに基づ
いて、第1〜第3の識別子の中から、いずれか1つを選
択し、選択したものを、帯域幅監視部から送られてくる
パケットに付与する。
【0021】第7の発明は、第6の発明に従属してお
り、パケット送信装置はさらに、優先キューと、非優先
キューと、帯域幅外キューと、識別子付与部及び前置パ
ケット選別部のいずれかからパケットを受け取る度に、
所定のパケット選別処理を行うパケット選別部とを備え
る。パケット選別部は、今回受け取ったパケットが第1
〜第3の識別子のいずれを有するかを確認して、第1の
識別子を有するパケットを優先キューに追加し、第2の
識別子を有するパケットを非優先キューに追加、さらに
第3の識別子を有するパケットを帯域幅外キューに追加
する。
【0022】また、パケット送信装置はさらに、所定の
タイミングで、優先キュー、非優先キュー、帯域幅外キ
ューという優先順序に従って、優先キュー、非優先キュ
ー及び帯域幅外キューのいずれかからパケットを取り出
して、パケット送信部に渡すスケジューリング部とを備
える。
【0023】第8の発明は、第4の発明に従属してお
り、識別子付与部はさらに、スケジューリング部から非
優先情報及び帯域幅監視部から帯域幅外情報を受け取っ
た場合には、帯域幅監視部から受け取ったパケットに第
4の識別子を付与する。ここで、第3の識別子は、優先
度が相対的に高く、かつ保証帯域幅を超過しているパケ
ットであることを示し、第4の識別子は、優先度が相対
的に低く、かつ保証帯域幅を超過しているパケットであ
ることを示す。
【0024】第9の発明は、第8の発明に従属してお
り、パケット送信装置はさらに、各入力側回線を転送さ
れてくる各パケットが第1〜第4の識別子をいずれが付
与されているかをチェックして、第1、第2及び第4の
識別子を有するパケットと、第3の識別子を有するパケ
ットに選別する前置パケット選別部を備える。また、前
置パケット選別部はさらに、第1の識別子を有する場合
には、今回受け取ったパケットが高優先度を有すること
を示す優先情報を生成し、第2又は第4の識別子を有す
る場合には、今回受け取ったパケットが低優先度を有す
ることを示す非優先情報を生成する。また、パケット送
信装置はさらに、前置パケット選別部で生成された優先
情報又は非優先情報を使って、前置パケット選別部から
送られてくるパケットの帯域幅が保証帯域幅を超過して
いるか否かを判断する帯域幅監視部を備える。
【0025】また、帯域幅監視部はさらに、今回の帯域
幅が保証帯域幅を超過していない場合には保証帯域内情
報を生成し、今回の帯域幅が保証帯域幅を超過している
場合には保証帯域外情報を生成する。識別子付与部は、
前置パケット選別部で生成された優先情報及び非優先情
報の一方と、帯域幅監視部で生成された保証帯域内情報
及び保証帯域外情報の一方との組み合わせに基づいて、
第1〜第4の識別子の中から、いずれか1つを選択し、
選択したものを、帯域幅監視部から送られてくるパケッ
トに付与する。
【0026】第10の発明は、第9の発明に従属してお
り、パケット送信装置はさらに、優先キューと、非優先
キューと、帯域幅外キューと、識別子付与部及び前置パ
ケット選別部のいずれかからパケットを受け取る度に、
所定のパケット選別処理を行うパケット選別部とを備え
る。パケット選別部は、今回受け取ったパケットが第1
〜第4の識別子のいずれを有するかをチェックして、第
1の識別子を有するパケットを優先キューに追加し、第
2又は第4の識別子を有するパケットを非優先キューに
追加、さらに第3の識別子を有するパケットを帯域幅外
キューに追加する。
【0027】また、パケット送信装置はさらに、所定の
タイミングで、優先キュー、非優先キュー、帯域幅外キ
ューという優先順序に従って、優先キュー、非優先キュ
ー及び帯域幅外キューのいずれかからパケットを取り出
して、パケット送信部に渡すスケジューリング部とを備
える。
【0028】第8、第9又は第10の発明によれば、第
1〜第4の識別子のそれぞれは優先度及び帯域幅の2つ
の情報を含んでいる。そのため、パケットはネットワー
クにおいて様々な機器(典型的にはルータ)で処理され
るが、各機器において、元々優先度が高かったか否かを
識別することが可能になる。従って、途中で高優先度に
変更されたパケットに邪魔されることなく、元々優先度
が高かったパケットをネットワーク上で継続的に優先的
に処理することが可能になる。これによって、通信品質
が低下することなく、優先制御及び帯域制御の双方を行
うことが可能になる。
【0029】第11の発明は、第1の発明に従属してお
り、パケット送信部は、予め保持する変換テーブルに従
って、識別子付与部でパケットに付与された第1〜第3
の識別子のいずれかを、下位層で使われる第4〜第6の
識別子のいずれかに変換し、変換した第4〜第6の識別
子のいずれかを含む下位層のフレームを、識別子付与部
からのパケットを使って組み立てて、出力側回線に送出
する。
【0030】第11の発明によれば、下位層のフレーム
にも、第1の発明と同様の第4〜第6の識別子を付与す
ることにより、通信品質が低下することなく、下位層で
も、優先制御及び帯域制御の双方を行うことが可能にな
る。
【0031】第12の発明は、第1の発明に従属してお
り、保証帯域幅は、出力側回線の帯域幅と、入力側回線
の数とに基づいて決定される。
【0032】第13の発明は、第12の発明に従属して
おり、保証帯域幅は、出力側回線の帯域幅を入力側回線
の数で割った値である。
【0033】第14の発明は、第1の発明に従属してお
り、識別子付与部は、CBR(Constant Bit Rate )トラ
ヒックを構成するパケットに、第1の識別子を付与す
る。
【0034】第15の発明は、複数の入力側回線を通じ
て送られてくるパケットを処理して、1つの出力側回線
に送出するパケット送信処理方法であって、各入力側回
線を転送されてくるパケットに、第1、第2及び第3の
識別子のいずれか1つを付与する識別子付与ステップを
備える。ここで、第1の識別子は、優先度が相対的に高
く、かつ所定の方法で決定される保証帯域幅を超過して
いないパケットであることを示し、第2の識別子は、優
先度が相対的に低く、かつ保証帯域幅を超過していない
パケットであることを示し、さらに、第3の識別子は、
保証帯域幅を超過しているパケットであることを少なく
とも示しす。パケット送信処理方法はさらに、識別子付
与ステップで第1、第2及び第3の識別子のいずれかが
付与されたパケットに必要な処理を行って、出力側回線
に送出するパケット送信ステップをさらに備える。
【0035】第16の発明は、複数の前段のパケット送
信装置で生成され、複数の第1の回線を通じて送られて
くるパケットに所定の処理を行って、第2の回線に送出
するパケット送信装置であって、各前段のパケット送信
装置は、入力パケットに、少なくとも第1〜第3の識別
子のいずれか1つを付与する。ここで、第1の識別子
は、優先度が相対的に高く、かつ所定の方法で決定され
る保証帯域幅を超過していないパケットであることを示
し、第2の識別子は、優先度が相対的に低く、かつ保証
帯域幅を超過していないパケットであることを示し、さ
らに、第3の識別子は、保証帯域幅を超過しているパケ
ットであることを少なくとも示す。また、各前段のパケ
ット送信装置はさらに、第1〜第3の識別子のいずれか
を付与したパケットに必要な処理を行って、第1の回線
に送出する。
【0036】パケット送信装置は、優先キューと、非優
先キューと、帯域幅外キューと、各第1の回線を転送さ
れてくるパケットを受け取る度に、パケット選別処理を
行って、今回のパケットが第1〜第3の識別子のいずれ
を有するかを確認して、第1の識別子を有するパケット
を優先キューに追加し、第2の識別子を有するパケット
を非優先キューに追加、さらに第3の識別子を有するパ
ケットを帯域幅外キューに追加するパケット選別部と、
所定のタイミングで、優先キュー、非優先キュー、帯域
幅外キューという優先順序に従って、優先キュー、非優
先キュー及び帯域幅外キューのいずれかからパケットを
取り出すスケジューリング部と、スケジューリング部に
より取り出されたパケットに必要な処理を行って、第2
の回線に送出するパケット送信部とを備える。
【0037】第17の発明は、第16の発明に従属して
おり、前段のパケット送信装置は、入力パケットに、第
1〜第4の識別子のいずれか1つを付与する。ここで、
第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定の方
法で決定される保証帯域幅を超過していないパケットで
あることを示し、第2の識別子は、優先度が相対的に低
く、かつ保証帯域幅を超過していないパケットであるこ
とを示し、第3の識別子は、優先度が相対的に高く、か
つ保証帯域幅を超過しているパケットであることを示
し、さらに、第4の識別子は、優先度が相対的に低く、
かつ保証帯域幅を超過しているパケットであることを示
す。各前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第4の
識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
って、第1の回線に送出する。
【0038】また、パケット選別部はさらに、非優先キ
ュー用に、第1の基準値と、第1の基準値よりも小さい
第2の基準値とを予め有しており、第2の優先度を有す
るパケットを受け取ると、非優先キューに現在溜まって
いるパケットの量が第1の基準値を超えている場合に今
回受け取ったパケットを廃棄する。第4の識別子を有す
るパケットを受け取ると、パケット選別部は、非優先キ
ュー内のパケットの量が第2の基準値を超えている場合
に今回受け取ったパケットを廃棄する。
【0039】第18の発明は、第16の発明に従属して
おり、前段のパケット送信装置は、入力パケットに、第
1〜第4の識別子のいずれか1つを付与する。ここで、
第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定の方
法で決定される保証帯域幅を超過していないパケットで
あることを示し、第2の識別子は、優先度が相対的に低
く、かつ保証帯域幅を超過していないパケットであるこ
とを示し、第3の識別子は、優先度が相対的に高く、か
つ保証帯域幅を超過しているパケットであることを示
し、さらに、第4の識別子は、優先度が相対的に低く、
かつ保証帯域幅を超過しているパケットであることを示
す。各前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第4の
識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
って、第1の回線に送出する。
【0040】また、パケット選別部はさらに、第2の識
別子に割り当てられた第1の廃棄確率と、第4の識別子
に割り当てられておりかつ第1の廃棄確率よりも高い第
2の廃棄確率とを有しており、第2の優先度を有するパ
ケットを受け取ると、第1の廃棄確率に従って、今回の
パケットを廃棄し、第4の識別子を有するパケットを受
け取ると、第2の廃棄確率に従って、今回のパケットを
廃棄する。
【0041】第19の発明は、複数のパケット送信装置
で生成され、複数の第1の回線を通じて送られてくるパ
ケットに所定の処理を行って、第2の回線に送出するパ
ケット送信処理方法であって、各パケット送信装置は、
入力パケットに、少なくとも第1〜第3の識別子のいず
れか1つを付与する。ここで、第1の識別子は、優先度
が相対的に高く、かつ所定の方法で決定される保証帯域
幅を超過していないパケットであることを示し、第2の
識別子は、優先度が相対的に低く、かつ保証帯域幅を超
過していないパケットであることを示し、さらに、第3
の識別子は、保証帯域幅を超過しているパケットである
ことを少なくとも示す。各前段のパケット送信装置はさ
らに、第1〜第3の識別子のいずれかを付与したパケッ
トに必要な処理を行って、第1の回線に送出する。
【0042】パケット送信処理方法は、各第1の回線を
転送されてくるパケットを受け取る度に、パケット選別
処理を行って、今回のパケットが第1〜第3の識別子の
いずれを有するかを確認して、第1の識別子を有するパ
ケットを優先キューに追加し、第2の識別子を有するパ
ケットを非優先キューに追加、さらに第3の識別子を有
するパケットを帯域幅外キューに追加するパケット選別
ステップと、所定のタイミングで、優先キュー、非優先
キュー、帯域幅外キューという優先順序に従って、優先
キュー、非優先キュー及び帯域幅外キューのいずれかか
らパケットを取り出すスケジューリングステップと、ス
ケジューリングステップで取り出されたパケットに必要
な処理を行って、第2の回線に送出するパケット送信ス
テップとを備える。
【0043】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)図1は、本発
明の第1の実施形態に係る集合住宅用ネットワークシス
テム1の構成例を示す模式図である。図1に示すネット
ワークシステム1は典型的には、集合住宅棟に敷設さ
れ、複数のユーザ私設網2と、少なくとも1台の棟内ゲ
ートウェイ(以下、棟内GWと称す)3と、これらを接
続する複数の中継回線4と、少なくとも1台の棟間ゲー
トウェイ(以下、棟間GWと称す)5とを備える。ユー
ザ私設網2は典型的には、集合住宅棟を構成する各居住
空間に敷設され、複数の端末21と、少なくとも1つの
ホームゲートウェイ(以下、ホームGW)22と、複数
の中継回線23とを備える。ホームGW22は、同じユ
ーザ私設網2に収容される各端末21と、中継回線23
を介して、インターネットプロトコルに代表される通信
プロトコルに従って通信を行う。また、棟内GW3は、
複数の中継回線4により、同じ集合住宅棟に設置される
各ホームGW22と接続され、上述の通信プロトコルに
従って、これらホームGW22と通信を行う。また、棟
間GW5は、共用回線6により、同じ集合住宅に設置さ
れる各棟内GW3を接続され、上述の通信プロトコルに
従って、これら棟内GW3と通信を行う。さらに、棟間
GW5は、インターネットに代表される外部網7と共用
回線8により接続され、上記通信プロトコルで規定され
るパケットを外部網7に送出したり、外部網7を伝送さ
れてくるパケットを受信したりする。以上から明らかな
ように、各ホームGW22は互いに、共用回線6におけ
る上り回線の帯域幅を共用し、さらに共用回線8におけ
る上り回線の帯域幅を共用する。なお、下り回線につい
ては、本実施形態には無関係であるため、説明を省略す
る。
【0044】ここで、図1において、ネットワークシス
テム1に収容されるホームGW22の数を4台とし、共
用回線6の帯域幅BWを100Mbpsと仮定する。さ
らに、各ホームGW22に平等に共用回線6を利用する
と仮定する。この仮定下では、各ホームGW22の保証
帯域幅ABaは25Mbps(100Mbps/4台)
となる。このように、各ホームGW22の保証帯域幅A
Baは、それらの総計が共用回線6の帯域幅BW以下と
なるように設定される。
【0045】次に、ネットワークシステム1の各構成に
ついて詳細に説明する。図2は、図1に示す各ホームG
W22の構成を示すブロック図である。図2において、
ホームGW22は、パケット送信装置24を含み、パケ
ット送信装置24は、パケット受信部25と、ルーティ
ング部26と、送信制御部27と、パケット送信部28
とを備える。パケット受信部25は、同じユーザ私設網
2に収容される端末21から、請求項における入力側回
線の一例としての中継回線23を通じて送られてくるパ
ケットPaを受け取る。受信パケットPaを、パケット
受信部25は、そのままルーティング部26に渡す。
【0046】ルーティング部26は、予め保持するルー
ティングテーブルに従ってルーティング処理を行い、パ
ケット受信部25から受け取ったパケットPaの宛先I
Pアドレス(図17、図18参照)を変更する。ルーテ
ィング処理の対象となったパケットPaを、ルーティン
グ部26は、パケットPbとして送信制御部27に渡
す。
【0047】送信制御部27は、受け取った各パケット
Pbの送信制御を行う。そのために、送信制御部27
は、図2に示すように、パケット選別部29と、優先キ
ュー210と、非優先キュー211と、スケジューリン
グ部212と、帯域幅監視部213と、識別子付与部2
14とを備える。
【0048】パケット選別部29は、ルーティング部2
6からパケットPbを受け取る。パケットPbを受け取
る度に、パケット選別部29は、パケット選別処理を行
って、今回受け取ったパケットPbを、優先キュー21
0及び非優先キュー211のいずれかに追加する。以
下、パケット選別処理の例をいくつか説明する。
【0049】第1に、ユーザ私設網2に収容される端末
21には、リアルタイムデータを送出することが予め分
かっているものがある。ここで、リアルタイムデータと
は、リアルタイム性が要求されるデータであり、典型的
には、映像データ又は音声データである。また、各端末
21で組み立てられたパケットPaには、各自のIPア
ドレスが送信元IPアドレスとして記述される(図1
7、図18参照)。このような状況下で、パケット選別
部29には、リアルタイムデータを送出する端末21の
IPアドレスが登録される。パケット選別部29は、受
け取ったパケットPbの送信元IPアドレスが、予め登
録されているIPアドレスと一致する場合には、今回の
パケットPbを優先キュー210に追加する。逆に、一
致しない場合、今回のパケットPbは、非優先キュー2
11に追加される。
【0050】第2に、端末21は、複数の相手と同時に
通信を行えるよう、複数のポートを保持している場合が
ある。さらに、いずれかの端末21は、予め定められた
いずれかのポートのみを使って、リアルタイムデータを
送出する場合がある。このような状況下で、パケット選
別部29には、リアルタイムデータを送出する端末21
のIPアドレス及び、リアルタイムデータ用のポートに
割り当てられた番号の組みが登録される。パケット選別
部29は、受け取ったパケットPbの送信元IPアドレ
ス及びポート番号が、登録された組みに一致する場合、
今回のパケットPbを優先キュー210に追加する。逆
に、一致しない場合、今回のパケットPbは非優先キュ
ー211に追加される。
【0051】第3に、端末21は、そのペイロードがリ
アルタイムデータで構成されるパケットPaを扱う場合
がある。一般的に、遅延及び遅延揺らぎに敏感なリアル
タイムデータの通信には、輻輳制御及びフロー制御を行
わないUDP(User DatagramProtocol)というトランス
ポートプロトコルが用いられる。また、非リアルタイム
データの通信には、輻輳制御及びフロー制御を行って、
信頼性のある通信を保証するTCP(Transmission Cont
rol Protocol )というプロトコルが使われる場合が多
い。リアルタイム通信をUDPを用いて行い、IPv4
に準拠する場合、パケットPaのプロトコル(図17参
照)に、UDPのプロトコル番号が記述される。このよ
うなトランスポートプロトコル番号がパケット選別部2
9に登録される。パケット選別部29は、受け取ったパ
ケットPbのトランスポートプロトコル番号が、登録さ
れたものに一致する場合、今回のパケットPbを優先キ
ュー210に追加する。逆に、一致しない場合、今回の
パケットPbは非優先キュー211に追加される。ま
た、IPv6に準拠する場合、パケットPaのネクスト
ヘッダ(図18参照)に、トランスポートプロトコル番
号が記述されるので、IPv6に準拠する場合であって
も、パケット選別部29は、IPv4に準拠する場合と
同様に、パケット選別を行うことができる。また、パケ
ット選別部29は、IPv6に準拠するパケットPbに
ついては、フローラベル(図18参照)を参照すること
によっても、パケット選別を行うことができる。
【0052】第4に、端末21は、複数のPHB(図2
0参照)のいずれかを有するDSCP値をパケットPa
に記述して送出する場合がある。ここで、従来の技術の
欄で説明したように、PHBは様々なクラスを表す。こ
れらクラスの内、例えばEFクラスは、低遅延時間つま
りリアルタイム性が要求されるものである。パケット選
別部29には、このようにリアルタイム性が要求される
クラスが登録される。パケット選別部29は、受け取っ
たパケットPbのDSCP値が、予め登録されているも
のに一致する場合、今回のパケットPbを優先キュー2
10に追加する。逆に、一致しない場合、今回のパケッ
トPbは非優先キュー211に追加される。
【0053】第5に、パケット選別部29は、後述する
トークンバケットメータ法等を使うことにより、入力パ
ケットPbのビットレート(つまり、使用帯域幅)を測
定することができる。パケット選別部29は、測定した
パケットPbのトラヒックフローが固定ビットレート
(以下、CBR(Constant Bit Rate )と称する)である
場合、今回のパケットPbを優先キュー210に追加す
る。逆に、CBRでない場合、今回のパケットPbは非
優先キュー211に追加される。
【0054】以上の各方法により、優先キュー210に
は、リアルタイムデータのように優先的に転送されるべ
きパケットPbが追加され、非優先キュー211には、
優先的に転送されなくとも良いパケットPbが追加され
る。ここで、説明の便宜のため、優先キュー210に追
加されたパケットPbを優先パケットPPbと称し、非
優先キュー211に追加されたパケットPbを非優先パ
ケットNPbと称する。
【0055】スケジューリング部212は、予め定めら
れたタイミングで、PQ(PriorityQueuing)に従う処理
を行う。この時、スケジューリング部212は、まず、
優先キュー210に優先パケットPPbがあるか否かを
確認する。優先パケットPPbがある場合、優先キュー
210から1個の優先パケットPPbを、スケジューリ
ング部212は取り出す。スケジューリング部212
は、取り出した優先パケットPPbを帯域幅監視部21
3に渡すと共に、優先情報PIを識別子付与部214に
渡す。ここで、優先情報PIは、優先キュー210から
優先パケットPPbが取り出されたことを、つまり取り
出したものが高優先度を有することを示す情報である。
【0056】また、スケジューリング部212は、優先
キュー210に優先パケットPPbがない場合、非優先
キュー211に非優先パケットNPbがあるか否かをチ
ェックする。非優先パケットNPbがある場合、非優先
キュー211から1個の非優先パケットNPbを、スケ
ジューリング部212は取り出す。スケジューリング部
212は、取り出した非優先パケットNPbを帯域幅監
視部213に渡すと共に、非優先情報NPIを識別子付
与部214に渡す。ここで、非優先情報NPIは、非優
先キュー211から非優先パケットNPbが取り出され
たことを、つまり取り出したものが低優先度を有するこ
とを示す情報である。
【0057】なお、上記キュー210及び211にパケ
ットPPb及びNPbがない場合、スケジューリング部
212は、次の処理タイミングが来ることを待機する。
【0058】帯域幅監視部213は、スケジューリング
部212から受け取ったパケットPb(優先パケットP
Pb又は非優先パケットNPb)が、上述の保証帯域幅
ABa内で転送可能か否かを判定する。さらに、帯域幅
監視部213は、今回のパケットPbが保証帯域幅AB
a内で転送可能であると判断した場合、そのように判定
したことを示す保証帯域内情報IBを生成し識別子付与
部214に渡す。逆の場合、帯域幅監視部213は、今
回のパケットPbが保証帯域幅ABa内で転送可能でき
ないと判定したことを示す保証帯域外情報OBを生成
し、識別子付与部214に渡す。
【0059】以上のような判定処理を行うために、帯域
幅監視部213は、パケットPPb又はNPbとほぼ同
時にスケジューリング部212から受け取る優先情報P
I又は非優先情報NPIと、トークンバケットメータ法
とを使う。ここで、図3は、トークンバケットメータ法
を説明するための模式図である。図3において、トーク
ンバケットメータ法は、いわゆるトークンバケットアル
ゴリズムを、2つのキュー210及び211で同じトー
クンバケット215を共用するよう拡張した方法であ
る。トークンバケット215には、前述の保証帯域幅A
Baが示すレートで、トークンが溜まっていく。しかし
ながら、トークンは、トークンバケット215において
予め定められた深さBDまでしか溜まらない。また、ト
ークンバケット215には、優先パケットPPbが非優
先パケットNPbよりも優先的にトークンを取得できる
ように、深さBDよりも小さい閾値THが設定されてい
る。
【0060】帯域幅監視部213は、スケジューリング
部212から優先情報PIを受け取った場合に、ほぼ同
時に受け取った優先パケットPPbのパケット長に相当
する量のトークンがトークンバケット215に溜まって
いるか否かを判断する。十分な量のトークンが溜まって
いる場合、パケット長に相当する量だけ、トークンバケ
ット215から、帯域幅監視部213はトークンを取得
して、トークンバケット215内のトークンを減らす。
さらに、この場合、帯域幅監視部213は、保証帯域内
情報IBを生成する。その後、帯域幅監視部213は、
生成した保証帯域内情報IB及び、今回受け取った優先
パケットPPbを識別子付与部214に渡す。逆に、十
分なトークンがない場合、帯域幅監視部213は、トー
クンを取得することなく、保証帯域外情報OBを生成す
る。その後、帯域幅監視部213は、生成した保証帯域
外情報OB及び、今回受け取った優先パケットPPbを
識別子付与部214に渡す。
【0061】また、帯域幅監視部213は、スケジュー
リング部212から非優先情報NPIを受け取った場
合、まず、トークンバケット215内に閾値TH以上の
量のトークンが溜まっているか否かを確認する。閾値T
H以上溜まっている場合に限り、帯域幅監視部213
は、スケジューリング部212から非優先情報NPIと
ほぼ同時に受け取った非優先パケットNPbのパケット
長に相当する量のトークンが溜まっているか否かを判断
する。十分な量が溜まっている場合、パケット長に相当
する量だけ、トークンバケット215から、帯域幅監視
部213はトークンを取得して、トークンバケット21
5内のトークンを減らし、さらに、保証帯域内情報IB
を生成する。その後、帯域幅監視部213は、生成した
保証帯域内情報IB及び、今回受け取った非優先パケッ
トNPbを識別子付与部214に渡す。また、トークン
が閾値TH以上、又はパケット長に相当するトークンが
溜まっていない場合、帯域幅監視部213は、トークン
を取得することなく、保証帯域外情報OBを生成する。
その後、帯域幅監視部213は、生成した保証帯域外情
報OB及び、今回受け取った非優先パケットNPbを識
別子付与部214に渡す。
【0062】以上のように、トークンバケット215に
閾値THを設定することにより、保証帯域内情報IBが
生成される確率は、保証帯域外情報OBの生成確率より
も高くなる。これによって、後で詳説するが、各優先パ
ケットPPbを低遅延及び低遅延揺らぎで受信側に転送
することが可能になる。
【0063】識別子付与部214は、スケジューリング
部212から、優先情報PI又は非優先情報NPIを受
け取る。また、識別子付与部214は、優先情報PIの
到着とほぼ同じタイミングで、帯域幅監視部213か
ら、優先パケットPPbと、保証帯域内情報IB及び保
証帯域外情報OBのいずれかとの組み合わせを受け取
る。さらに、識別子付与部214は、非優先情報NPI
の到着とほぼ同じタイミングで、帯域幅監視部213か
ら、非優先パケットNPbと、保証帯域内情報IB及び
保証帯域外情報OBのいずれかとの組み合わせを受け取
る。
【0064】以上のような情報の組み合わせが到着する
度に、識別子付与部214は、識別子付与処理を行っ
て、第1の優先識別子(以下、AF11と称す)、第2
の優先識別子(以下、AF21と称する)及び第3の優
先識別子(以下、AF31と称する)の内の1つを、今
回受け取ったパケットPbに付与する。ここで、図4
は、識別子付与処理の手順を示すフローチャートであ
る。図4において、識別子付与部214は、まず、今
回、優先情報PI及び非優先情報NPIのどちらが到着
したかを判断する(ステップS01)。
【0065】到着したものが優先情報PIである場合、
識別子付与部214は、今回、保証帯域内情報IB及び
保証帯域外情報OBのどちらが到着したかを判断する
(ステップS02)。
【0066】到着したものが保証帯域内情報IBである
場合、識別子付与部214は、今回受け取った優先パケ
ットPPbにAF11を付与する(ステップS03)。
AF11は、優先度が高くかつ保証帯域幅ABa内で転
送可能であることを示す識別子であり、別の言い方をす
ると、パケット優先情報PI及び保証帯域内情報IBの
組み合わせからなる識別子である。また、AF11は好
ましくは、優先パケットPPbがIPv4に従って伝送
される場合サービスタイプ(図17参照)に、またIP
v6に従って伝送される場合トラヒッククラス(図18
参照)に記述される。さらに好ましくは、AF11のD
SCP値(つまり、サービスタイプ及びトラヒッククラ
スの上位6ビット)は、001010である。
【0067】また、ステップS02で保証帯域外情報O
Bが到着したと判断した場合、識別子付与部214は、
受け取った優先パケットPPbにAF31を付与する
(ステップS04)。以上のことから、AF31は、保
証帯域幅ABa内で転送可能ではないことを示す識別子
であり、別の言い方をすれば、少なくとも保証帯域外情
報OBを含む識別子である。また、AF31もまた、A
F11と同様に、サービスタイプ又はトラヒッククラス
に記述されることが好ましい。さらに好ましくは、AF
31のDSCP値は011010である。
【0068】また、ステップS01で、非優先情報NP
Iが到着したと判断した場合、識別子付与部214は、
ステップS02と同様に、保証帯域内情報IB及び保証
帯域外情報OBのどちらが到着したかを判断する(ステ
ップS05)。
【0069】到着したものが保証帯域内情報IBである
場合、識別子付与部214は、今回受け取った非優先パ
ケットNPbに、上述のAF21を付与する(ステップ
S06)。以上のことから、AF21は、低優先度であ
るが保証帯域幅ABa内で転送可能なことを示す識別子
であり、別の言い方をすると、非優先情報NPI及び保
証帯域内情報IBの組み合わせからなる識別子である。
また、AF21は好ましくは、例えばAF11と同様、
サービスタイプ又はトラヒッククラスに記述される。さ
らに好ましくは、AF21のDSCP値は、01001
0である。
【0070】また、ステップS05で保証帯域外情報O
Bを受け取ったと判断した場合、識別子付与部214
は、受け取った非優先パケットNPbに、上述のAF3
1を付与する(ステップS07)。
【0071】以上のステップS03、S04、S06及
びS07のいずれかを実行し終わると、識別子付与部2
14は、処理の対象となった優先パケットPPb又は非
優先パケットNPbを、パケットPcとしてパケット送
信部28に渡し(ステップS08)、その後、新しい情
報の組み合わせが到着ことを待機する。
【0072】パケット送信部28は、受け取ったパケッ
トPcに必要な処理を行い、処理したものをパケットP
dとして、請求項における出力側回線の一例としての中
継回線4に送出する。送出されたパケットPdは、中継
回線4上を伝送され、棟内GW3により受信される。
【0073】図5は、図1に示す各棟内GW3の構成を
示すブロック図である。図5において、棟内GW3は、
パケット送信装置216を含む。パケット送信装置21
6は、パケット送信装置24と比較すると、送信制御部
27の代わりに送信制御部217を備える点で相違す
る。それ以外に、両装置24及び216の間に相違点は
無いので、図5において、図2の構成に相当するものに
は、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を簡素化す
る。
【0074】図5において、パケット受信部25は、請
求項における第1の回線の一例としての中継回線4を伝
送されるパケットPdを受信し、受信パケットPdをル
ーティング部26に渡す。ルーティング部26は、パケ
ット受信部25からのパケットPdの宛先IPアドレス
を変更し、ルーティング処理の対象となったものをパケ
ットPeとして送信制御部217に渡す。
【0075】送信制御部217は、受け取った各パケッ
トPeの送信制御を行う。そのために、送信制御部21
7は、図5に示すように、パケット選別部218と、優
先キュー219と、非優先キュー220と、帯域幅外キ
ュー221と、スケジューリング部222とを備える。
【0076】パケット選別部218は、ルーティング部
26からパケットPeを受け取り、その後、パケット選
別処理を行う。パケット選別処理において、パケット選
別部218は、受け取ったパケットPeにAF11、A
F21及びAF31のどれが付与されているかを確認す
る。その後、パケット選別部218は、AF11が付与
されているものを、優先パケットPPeとして優先キュ
ー219に追加し、AF21が付与されているものを非
優先パケットNPeとして非優先キュー220に追加
し、さらにAF31が付与されているものを帯域幅外パ
ケットOPeとして帯域幅外キュー221に追加する。
【0077】スケジューリング部222は、予め定めら
れたタイミングが来ると、PQ(Priority Queuing)に従
って動作する。その時、スケジューリング部222は、
最優先で優先キュー219から優先パケットPPeを取
り出し、取り出したものをパケットPfとしてパケット
送信部28に渡す。また、スケジューリング部222
は、帯域幅外キュー221よりも優先的に、非優先キュ
ー220から非優先パケットNPeを取り出し、それを
パケットPfとしてパケット送信部28に渡す。さら
に、スケジューリング部222は、キュー219及び2
20にパケットPPe及びNPeがない場合、帯域幅外
キュー221に帯域幅外パケットOPeがあれば、それ
を取り出して、パケットPfとしてパケット送信部28
に渡す。また、全てのキュー219〜221に何もない
場合、次の処理タイミングが来ることを、スケジューリ
ング部222は待機する。
【0078】ここで、上述したように、ネットワークシ
ステム1に収容される各ホームGW22では、各保証帯
域幅ABaを考慮に入れて、入力パケットPaのそれぞ
れにAF11〜AF31のいずれかが付与される。従っ
て、棟内GW3のキュー219及び220への入力パケ
ットPPe及びNPeのトラヒック総計は、最大でも共
用回線6の帯域幅BWとなる。これによって、少なくと
もキュー218及び219には、パケットPPe及びN
Peが定常的に溜まることは無く、その結果、ホームG
W22で優先パケットPPbと選別されたものは、最低
限の遅延で受信側に転送される。さらに言えば、各優先
パケットPPbの遅延揺らぎを抑えることが可能とな
る。
【0079】パケット送信部28は、受け取ったパケッ
トPfに必要な処理を行い、処理したものをパケットP
gとして、請求項における第2の回線の一例としての共
用回線6に送出する。送出されたパケットPgは、共用
回線6上を伝送され、棟間GW5(図1参照)により受
信される。
【0080】図6は、図1に示す各棟間GW5の構成を
示すブロック図である。図6において、棟間GW5は、
パケット送信装置223を含む。パケット送信装置22
3は、パケット送信装置216と比較すると、送信制御
部217の代わりに送信制御部224を備える点で相違
する。それ以外に、両装置216及び223の間に相違
点は無いので、図6において、図5の構成に相当するも
のには、同一の参照符号を付け、それぞれの説明を簡素
化する。
【0081】図6において、パケット受信部25は、請
求項における入力側回線の一例としての共用回線6を伝
送されてくるパケットPgを受信し、受信パケットPg
をルーティング部26に渡す。ルーティング部26は、
パケット受信部25からのパケットPgの宛先IPアド
レスを変更し、ルーティング処理の対象となったものを
パケットPhとして送信制御部224に渡す。
【0082】送信制御部224は、受け取った各パケッ
トPhの送信制御を行う。ここで、送信制御部224
は、図5の送信制御部217と比較すると、前置パケッ
ト選別部225と、帯域幅監視部213と、識別子付与
部214とをさらに備える点で相違する。それ以外に、
両制御部217及び224の間に相違点は無いので、図
6の送信制御部224において、図5の送信制御部21
7の構成に相当するものには、同一の参照符号を付け、
それぞれの説明を簡素化する。また、図6において、帯
域幅監視部213及び識別子付与部214は、図2のホ
ームGW22の構成に相当するものであるため、同一の
参照符号を付け、それぞれの説明を簡素化する。
【0083】前置パケット選別部225は、ルーティン
グ部26からパケットPhを受け取る度に、パケット選
別処理を行う。以下の説明では、前置パケット選別部2
25によるパケット選別処理を、パケット選別部218
のものと明確に区別する観点から、最初のパケット選別
処理と称する。最初のパケット選別処理において、前置
パケット選別部225は、受け取ったパケットPhにA
F11、AF21及びAF31のどれが付与されている
かを確認する。その後、前置パケット選別部225は、
AF11を有するものを、優先パケットPPhとして帯
域幅監視部213に渡す。さらに、AF11を確認した
場合、前置パケット選別部225は、前述と同様の優先
情報PIを生成して、帯域幅監視部213及び識別子付
与部214の双方に渡す。
【0084】また、前置パケット選別部225は、AF
21を有するものを、非優先パケットNPhとして帯域
幅監視部213に渡す。さらに、AF21を確認した場
合、前置パケット選別部225は、前述と同様の非優先
情報NPIを生成して、帯域幅監視部213及び識別子
付与部214の双方に渡す。
【0085】さらに、前置パケット選別部225は、A
F31を有するものを、帯域幅外パケットOPhとして
パケット選別部218に渡す。
【0086】帯域幅監視部213は、前置パケット選別
部225から受け取った優先パケットPPh又は非優先
パケットNPhが、棟間GW5の保証帯域幅ABb内で
転送可能か否かを判定する。保証帯域幅ABb内で転送
可能と判断した場合、帯域幅監視部213は、前述の保
証帯域内情報IBと、今回受け取ったパケットPPh又
はNPhとを識別子付与部214に渡す。保証帯域幅A
Bb内で転送可能と判断しなかった場合、帯域幅監視部
213は、前述の保証帯域外情報OBと、今回受け取っ
たパケットPPh又はNPhとを識別子付与部214に
渡す。
【0087】識別子付与部214は、前置パケット選別
部225から、優先情報PI又は非優先情報NPIを受
け取る。また、識別子付与部214は、優先情報PIを
受け取るのとほぼ同じタイミングで、帯域幅監視部21
3から、優先パケットPPhと、保証帯域内情報IB及
び保証帯域外情報OBのいずれかとの組み合わせを受け
取る。さらに、識別子付与部214は、非優先情報NP
Iを受け取るのとほぼ同じタイミングで、非優先パケッ
トNPbと、保証帯域内情報IB及び保証帯域外情報O
Bのいずれかとの組み合わせを受け取る。以上のような
情報の組み合わせが到着する度に、識別子付与部214
は、図4に示す識別子付与処理を行い、ステップS08
において、処理の対象となった優先パケットPPh又は
非優先パケットNPhを、パケットPiとしてパケット
選別部218に渡す。
【0088】パケット選別部218は、前置パケット選
別部225から帯域幅外パケットOPh又は、識別子付
与部214からパケットPiを受け取る。いずれかを受
け取る度に、パケット選別部218はパケット選別処理
を行う。まず、パケット選別部218は、受け取ったパ
ケットOPh又はPiに、AF11、AF21及びAF
31のどれが付与されているかを確認する。その後、パ
ケット選別部218は、AF11を有するものを、優先
パケットPPjとして優先キュー219に追加し、AF
21を有するものを非優先パケットNPjとして非優先
キュー220に追加し、さらにAF31を有するものを
帯域幅外パケットOPjとして帯域幅外キュー221に
追加する。
【0089】スケジューリング部222は、前述同様、
予め定められたタイミングが来ると、PQ(Priority Qu
euing)に従って動作し、優先パケットPPj、非優先パ
ケットNPj及び帯域幅外パケットOPjのいずれか
を、パケットPkとしてパケット送信部28に渡す。パ
ケット送信部28は、受け取ったパケットPkに必要な
処理を行い、処理したものをパケットPmとして、請求
項における出力側回線の一例としての共用回線8に送出
する。パケットPmは、外部網7を介して、図示しない
受信側に送信される。
【0090】従来の帯域幅監視装置は、前述のようなヘ
ッダの書き換えを行ってしまうため、ネットワーク上の
他装置(ルータ)が各パケットの元々の優先度を知るこ
とが出来なくなる。しかしながら、本実施形態によれ
ば、AF11、AF21及びAF31のように、優先度
及び帯域幅保証の両情報を含んだ形でDSCP値にマッ
ピングすることで、ネットワーク上の各装置が、受信パ
ケットの元々の優先度を識別することが可能になる。こ
れによって、ユーザ私設網2から外部網7への通信にお
いて、棟間GW5から共用回線8への出力時に輻輳が生
じると、元々の優先度を使った優先制御が可能となる。
【0091】例えば、図1において、ある端末21が、
外部網7に向けて10Mbpsで高優先度のパケットP
aを送出すると仮定する。それとほぼ同時に、他の端末
21が、外部網7に向けて、20Mbpsで低優先度の
パケットPaを送出すると仮定する。また、棟内GW3
の保証帯域幅を25Mbpsとし、棟間GW5の保証帯
域幅を20Mbpsとする。以上の仮定下では、高優先
度のパケットPaには、ホームGW22でAF11が付
与される。AF11が付与された各パケットPaは、棟
内GW3の送信制御部217において優先的に処理され
るため、低遅延揺らぎでパケットPgとして共用回線6
に送出される。つまり、高優先度のパケットPgは、共
用回線6上をほぼ10Mbpsで転送される。また、棟
間GW5の保証帯域幅が20Mbpsであるため、棟間
GW5において、高優先度のパケットPgにはAF11
が付与される。AF11を有する各パケットPgは、棟
間GW5の送信制御部221において優先的に処理され
るため、低遅延揺らぎでパケットPmとして共用回線8
に送出される。つまり、高優先度のパケットPmは、共
用回線8上をほぼ10Mbpsで転送される。
【0092】一方、低優先度のパケットPaにはホーム
GW22でAF21が付与される。また、低優先度のパ
ケットPaは棟内GW3の送信制御部21において非優
先的に処理されるが、棟内GW3の保証帯域幅が25M
bpsであることから、低優先度のパケットPgもまた
共用回線6上をほぼ15Mbpsで転送される。しかし
ながら、棟間GW5の保証帯域幅が20Mbpsである
ため、棟間GW5において、低優先度のパケットPgに
はAF21又はAF31が付与される。AF21が付与
された各パケットPgは、棟間GW5の送信制御部22
1において非優先的に処理され、パケットPmとして共
用回線8に送出される。つまり、AF21を持つパケッ
トPmは、共用回線6において残っている帯域幅、つま
りほぼ10Mbpsで転送される。また、AF31が付
与された各パケットPgは、棟間GW5の送信制御部2
21において最後に処理され、パケットPmとして共用
回線8に送出される。つまり、AF31を持つパケット
Pmも、AF21を持つものと同様に、ほぼ10Mbp
sで転送される。このように、共用回線6及び8を対比
した場合に保証帯域幅が5Mbps分減っているが、本
実施形態特有の識別子付与処理により、元々高優先度で
あったパケットPaは、棟内GW3でも棟間GW5でも
優先的に処理される。
【0093】次に、棟内GW3及び棟間GW5の双方を
従来の帯域幅監視装置に置き換えたネットワークシステ
ムについて検討してみる。この場合も、ある端末21
が、外部網7に向けて10Mbpsで高優先度のパケッ
トPaを送出すると仮定する。それとほぼ同時に、他の
端末21が、外部網7に向けて、20Mbpsで低優先
度のパケットPaを送出すると仮定する。また、最初の
帯域幅監視装置の保証帯域幅を25Mbpsとし、後の
帯域幅監視装置の保証帯域幅を20Mbpsとする。後
の帯域幅監視装置では、共用回線6及び8を対比した場
合に保証帯域幅が5Mbps分減っていることになるの
で、保証帯域幅が減った分に相当するパケットが低優先
度に書き換えられる。その際、従来の帯域幅監視装置で
は、書き換えの対象となるパケットが元々低優先度であ
ったのか高優先度であったのかが分からないため、元々
高優先度であったパケットを低優先度と書き換えてしま
う場合がある。その結果、パケットから、元々は高優先
度であったという情報が消えてしまう。従って、従来の
技術の欄で説明したように、このようなパケットを後で
受信する装置(ルータ)においてトラヒックが輻輳状態
に陥った場合、その装置は、元々の優先度に基づいて優
先制御を行うことができなくなってしまう。
【0094】(第2の実施形態)図7は、本発明の第2
の実施形態に係る集合住宅用ネットワークシステム11
の構成例を示す模式図である。図7において、ネットワ
ークシステム11は、図1のネットワークシステム1と
比較すると、ユーザ私設網2、棟内GW3及び棟間GW
5の代わりに、ユーザ私設網12、棟内GW13及び棟
間GW15を備える。それ以外に両システム1及び11
の間に相違点は無いので、図7において、図1に示す構
成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれ
の説明を省略する。また、ユーザ私設網12は、前述の
ユーザ私設網2と比較すると、ホームGW22の代わり
にホームGW122を備える点で相違し、複数の端末2
1を備える点では共通する。
【0095】次に、ネットワークシステム11の各構成
について詳細に説明する。図8は、図7に示すホームG
W122の詳細な構成を示すブロック図である。図8に
おいて、ホームGW122は、図2のホームGW22と
比較して、識別子付与部214の代わりに、識別子付与
部14を備える点で相違する。それ以外に両ホームGW
22及び122の間に相違点は無いので、図8におい
て、図2に示すものに相当する構成には同一の参照符号
を付け、それぞれの説明を省略する。
【0096】識別子付与部214の場合と同様に、識別
子付与部14は、スケジューリング部212から、優先
情報PI又は非優先情報NPIを受け取る。また、識別
子付与部14は、優先情報PIを受け取るのとほぼ同じ
タイミングで、帯域幅監視部213から、優先パケット
PPbと、保証帯域内情報IB及び保証帯域外情報OB
のいずれかとの組み合わせを受け取る。さらに、識別子
付与部14は、非優先情報NPIを受け取るのとほぼ同
じタイミングで、帯域幅監視部213から、非優先パケ
ットNPbと、保証帯域内情報IB及び保証帯域外情報
OBのいずれかとの組み合わせを受け取る。
【0097】以上のような情報の組み合わせを受け取る
度に、識別子付与部14は、識別子付与処理を行って、
前述の第1〜第3の識別子(AF11〜AF31)の他
に、第4の識別子(以下、AF22と称する)を加え
た、4つの識別子の中から、受け取ったパケットPbに
付与するものを決定する。ここで、図9は、識別子付与
処理の手順を示すフローチャートである。図9は、図4
と比較すると、ステップS07の代わりにステップS1
1を含んでいる。それ以外に両フローチャートの間に相
違点は無いので、図9において、図4のステップに相当
するものには同一のステップ番号を付け、それぞれの説
明を省略する。
【0098】ステップS05において、保証帯域外情報
OBを受け取ったと判断した場合、識別子付与部14
は、受け取った非優先パケットNPbにAF22を付与
する(ステップS11)。AF22は、優先度が低くか
つ保証帯域幅ABaの範囲内で転送できないと判定され
た非優先パケットNPbに付与される識別子であり、別
の言い方をすると、非優先情報NPI及び保証帯域外情
報OBの組み合わせからなる識別子である。また、AF
22は好ましくは、AF11等と同様、サービスタイプ
(図17参照)又はトラヒッククラス(図18参照)に
記述される。さらに好ましくは、AF22のDSCP値
は、010100である。
【0099】ここで注意を要するのは、第1の実施形態
において、AF31は、ステップS02及びS05の双
方で保証帯域外情報OBを識別子付与部214が受け取
った場合に、優先パケットPPb及び非優先パケットN
Pbに付与されていた。それゆえ、AF31は、保証帯
域幅ABa内で転送できないパケットPPb及びNPb
に付与されていた。しかし、本実施形態では、非優先情
報NPI及び保証帯域外情報OBを識別子付与部14が
受け取った場合、AF22が付与されることから、AF
31は、優先度が高くかつ保証帯域幅ABaの範囲外の
優先パケットPPbに付与される識別子であり、別の言
い方をすると、優先情報PI及び保証帯域外情報OBの
組み合わせからなる識別子である。
【0100】以上のステップS03、S04、S06及
びS11のいずれかの後、識別子付与部14は、処理の
対象となった優先パケットPPb又は非優先パケットN
Pbを、パケットPcとしてパケット送信部28に渡し
(ステップS08)、その後、新しい情報の組み合わせ
が到着ことを待機する。
【0101】パケット送信部28は、受け取ったパケッ
トPcに必要な処理を行って、パケットPdとして中継
回線4に送出する。送出されたパケットPdは、中継回
線4上を伝送され、棟内GW13により受信される。
【0102】図10は、図7に示す各棟内GW13の構
成を示すブロック図である。図10において、棟内GW
13は、図5の棟内GW3と比較して、パケット選別部
218の代わりに、パケット選別部16を備える点で相
違する。それ以外に両棟内GW3及び13の間に相違点
は無いので、図10において図5に示すものに相当する
構成には同一の参照符号を付け、それぞれの説明を省略
する。
【0103】パケット選別部16は、ルーティング部2
6からパケットPeを受け取り、その後、パケット選別
処理を行う。パケット選別処理において、パケット選別
部16は、受け取ったパケットPeにAF11、AF2
1、AF22及びAF31のどれが付与されているかを
確認する。その後、パケット選別部16は、AF11が
付与されているものを、優先パケットPPeとして優先
キュー219に追加し、また、AF31が付与されてい
るものを帯域幅外パケットOPeとして帯域幅外キュー
221に追加する。この点において、パケット選別部1
6は、パケット選別部218と同じ処理を行う。
【0104】ただし、パケット選別部16は、受け取っ
たパケットPeにAF21及びAF22のいずれかが付
与されている場合に、パケット選別部218とは異なる
処理を行う。具体的には、パケット選別部16は、図1
0の点線円内に示すように、非優先キュー220用に2
つの基準値RVa及びRVbを保持する。基準値RVa
は、AF21を有するパケットPeの廃棄基準となる非
優先キュー220の長さを示す。また、基準値RVb
は、AF22を有するパケットPeの廃棄基準となる非
優先キュー220の長さを示しており、さらに、基準値
RVaよりも小さい値である。そして、パケット選別部
16は、AF21を有するパケットPeを受け取ると、
非優先キュー220に溜まっているパケットPeの量が
基準値RVaを超えているか否かを判断する。超過して
いると判断した場合、パケット選別部16は、今回のパ
ケットPeを廃棄する。超過していないと判断した場
合、今回のパケットPeを非優先パケットNPeとして
非優先キュー220に追加する。
【0105】また、パケット選別部16は、AF22を
有するパケットPeを受け取ると、非優先キュー220
内のパケットPeの量が基準値RVbを超えているか否
かを判断する。超過している場合、パケット選別部16
は、今回のパケットPeを廃棄し、そうで無い場合、今
回のパケットPeを、非優先パケットNPeとして非優
先キュー220に追加する。
【0106】上述から明らかなように、AF22を有す
るパケットPeは、AF21を有するものと比較する
と、廃棄されやすくなっている。つまり、ホームGW1
22で非優先情報NPI及び保証帯域内情報IBが割り
当てられた非優先パケットNPbが、棟内GW13にお
いて保護されるようになっている。ここで、ホームGW
122が優先情報PIを付与するパケットPcのトラヒ
ックがCBRフローであると仮定すると、非優先情報N
PIが付与されたパケットPcのトラヒックにはTCP
フローが含まれる。このTCPフローを構成するパケッ
トPcには、AF21又はAF22が付与されるので、
非優先キュー220に追加されることになる。このよう
にTCPフローは同一の非優先キュー220に入るた
め、受信側でパケットの到着順序が逆転するといった現
象は起きない。ここで、TCPフローが優先及び非優先
の2つのキュー219及び220に追加されると仮定す
ると、優先制御により優先キュー219に追加されたパ
ケットは非優先キュー220に入ったパケットよりも早
く取り出されるので、受信側ではパケットの到着順序が
逆転する現象が起こる。その場合、現在の一般的なTC
Pの実装バージョンであるRENOでは、3パケット以
上の到着順序の逆転が生じると、TCPの輻輳制御機能
が働き、パケットの送信量を下げるような振る舞いを行
うため、TCPフローのスループットが極端に低下して
しまう場合がある。本実施形態では、このような到着順
序の逆転が生じないため、TCPフローのスループット
低下を回避することができる。
【0107】次に、パケット選別部16によるパケット
選別処理の変型例について説明する。変型例でも、AF
11を有するものは優先パケットPPeとして優先キュ
ー219に追加され、AF21又はAF22を有するも
のは非優先パケットNPeとして非優先キュー220に
追加され、AF31を有するものは帯域幅外パケットO
Peとして帯域幅外キュー221に追加される。以上の
点では、変型例でも、上述と同様である。
【0108】しかしながら、AF21及びAF22のそ
れぞれには、互いに異なる廃棄優先度が割り当てられて
いる。また、AF21の廃棄優先度は、AF22のそれ
よりも低く設定される。そして、パケット選別部16
は、AF21及びAF22を有するパケットPeを受け
取った場合、RIO(RED with In and Out )のキューイ
ングアルゴリズムに従って、AF21のパケットPeを
インプロファイルと判定し、AF22を有するものをア
ウトオブプロファイルと判定する。そして、非優先キュ
ー220の平均キュー長が長くなってくると、パケット
選別部16は、アウトオブプロファイルのパケットPe
を優先的に廃棄する。
【0109】図11は、RIOによるパケットの廃棄確
率を表すグラフである。図11において、線αは、イン
プロファイルのパケットPeの廃棄確率を示しており、
線βは、アウトオブプロファイルのパケットPeの廃棄
確率を示す。より具体的には、線αで示されるように、
インプロファイル側の廃棄確率は、非優先キュー220
における平均キュー長が、相対的に小さな基準値RVc
に達するまでは0である。また、平均キュー長が基準値
RVcへ到達してから、基準値RVcよりも大きな基準
値RVdに達するまでの間、廃棄確率は一定の割合で高
くなり続ける。さらに、平均キュー長が基準値RVdを
超えると、以降のインプロファイルのパケットPeは必
ず廃棄される。それに対して、図11から明らかなよう
に、AF22の廃棄優先度を高くすることにより、アウ
トオブプロファイルのパケットPeは、インプロファイ
ルのものよりも、平均キュー長が短い段階で廃棄され
る。
【0110】上述したように、変型例においても、ホー
ムGW122が優先情報PIを付与するパケットPcの
トラヒックが、トランスポートトラヒックにUDPを用
いたCBRフローであると仮定すると、非優先情報NP
Iが付与されたパケットPcのトラヒックには、トラン
スポートプロトコルにTCPを用いたTCPフローが含
まれる。このTCPフローを構成するパケットPcに
は、AF21及びAF22が付与されるので、非優先キ
ュー220に追加されることになる。よって、TCPフ
ローは、同一の非優先キュー220に追加されるため、
受信側で到着順序が逆転するといった現象は起きないた
め、上述と同様、パケットPcの順序は守られる。さら
に、RIOの廃棄制御と、TCPのフローコントロール
とによって、TCPフローを構成するパケットPeであ
っても、インプロファイルのもの(AF21を有するも
の)は保護され、つまり廃棄されにくくなる。
【0111】図12は、図7に示す各棟間GW15の構
成を示すブロック図である。図12において、棟間GW
15は、図6の棟間GW5と比較すると、前置パケット
選別部225、識別子付与部214及びパケット選別部
218が、前置パケット選別部17、識別子付与部14
及びパケット選別部16に代わる点で相違する。それ以
外に両棟間GW5及び15の間に相違点は無いので、図
12において、図6の構成に相当するものには同一の参
照符号を付け、それぞれの説明を省略する。また、識別
子付与部14及びパケット選別部16については、棟内
GW13に備わるそれぞれと同様の処理を行うので、そ
れぞれの説明を省略する。
【0112】前置パケット選別部17は、ルーティング
部26からパケットPhを受け取る度に最初のパケット
選別処理を行う。最初のパケット選別処理において、前
置パケット選別部17は、受け取ったパケットPhにA
F11、AF21、AF22及びAF31のどれが付与
されているかを確認する。その後、前置パケット選別部
17は、前置パケット選別部225と同様に、AF11
を有するパケットPhを優先パケットPPhとして帯域
幅監視部213に渡すと共に、帯域幅監視部213及び
識別子付与部14の双方に優先情報PIを渡す。
【0113】また、前置パケット選別部17は、前置パ
ケット選別部225と同様に、AF31を有するパケッ
トPhを帯域幅外パケットOPhとしてパケット選別部
16に渡す。
【0114】前置パケット選別部225と相違するの
は、前置パケット選別部17が、AF21又はAF22
を有するパケットPhを非優先パケットNPhとして帯
域幅監視部213に渡す点である。さらに、この場合、
前置パケット選別部17は、帯域幅監視部213及び識
別子付与部14の双方に非優先情報NPIを渡す。
【0115】AF11、AF21、AF22及びAF3
1のように、優先度及び帯域幅保証の両情報を含んだ形
でDSCP値にマッピングすることで、第1の実施形態
で説明したように、ネットワーク上の各装置が、受信パ
ケットの元々の優先度を識別することが可能になる。こ
れによって、ユーザ私設網2から外部網7への通信にお
いて、特に棟間GW5から共用回線8への出力時に輻輳
が生じた場合に、元々の優先度を使った優先制御が可能
となる。
【0116】(第3の実施形態)図13は、本発明の第
3の実施形態に係る集合住宅用ネットワークシステム3
1の構成例を示す模式図である。図13において、ネッ
トワークシステム31は、図1のネットワークシステム
1と比較すると、ユーザ私設網2及び棟内GW3の代わ
りに、ユーザ私設網32及びL2スイッチ33を備え
る。それ以外に両ホームネットワークシステム1及び3
1の間に相違点は無いので、図13において、図1の構
成に相当するものには同一の参照符号を付け、それぞれ
の説明を省略する。また、ユーザ私設網32は、ユーザ
私設網2と比較すると、ホームGW22の代わりに、ホ
ームGW322を備える点で相違し、複数の端末21を
備える点で共通する。
【0117】次に、ネットワークシステム31の各構成
について詳細に説明する。図14は、図13に示すホー
ムGW322の詳細な構成を示すブロック図である。図
14において、ホームGW322は、前述のホームGW
2と比較すると、パケット送信部28の代わりに、パケ
ット送信部34を備える点で相違する。それ以外に両ホ
ームGW2及び322の間に相違点は無いので、図14
において、図2に示す構成に相当するものには同一の参
照符号を付け、それぞれの説明を省略する。
【0118】パケット送信部34は、前述の送信制御部
27からパケットPcを受け取り、IEEE802.1
Q/pに従って、受け取ったパケットPcから、図21
に示すようなイーサネットフレームを組み立てる。組み
立てられたイーサネットフレームはパケットPnとし
て、請求項における出力側回線の一例としての中継回線
4に送出される。ここで注意を要するのは、一般的に、
データリンク層ではパケットのことをフレームと呼ぶ
が、パケット及びフレームは、プロトコルデータユニッ
トという点では同じである。そのため、本実施形態で
は、パケット及びフレームは同じ意味を有するとする。
また、送信制御部27で付与されるAF11〜31は、
IP層における識別子であるので、下位層となるデータ
リンク層では使えない。そのため、パケット送信部34
は、予め保持する変換テーブル35を使って、AF11
〜31を、データリンク層における第5〜第7の優先識
別子(IEEE802.1pにおける優先度)に一意に
変換する。ここで、図15は、変換テーブル35の構成
例を示す模式図である。図15において、変換テーブル
35には、AF11を第5の優先識別子である0x7に
変換し、AF21を第6の優先識別子である0x5に変
換し、さらにAF31を第7の優先識別子である0x3
に変換する規則が記述される。以上の第5〜第7の優先
識別子のいずれかを、パケット送信部34は、IEEE
802.1Q/pで規定される優先度のフィールドに設
定して、イーサネットフレームを組み立て、それをパケ
ットPnとして送出する。送出されたパケットPnは、
中継回線4上を伝送され、L2スイッチ33により受信
される。
【0119】図16は、図13に示す各L2スイッチ3
3の詳細な構成を示すブロック図である。図13におい
て、L2スイッチ33は、パケット送信装置36を備え
ており、パケット送信装置36は、パケット受信部37
と、スイッチング部38と、送信制御部39と、パケッ
ト送信部310とを備える。
【0120】図16において、パケット受信部37は、
請求項における第1の回線の一例としての中継回線4を
伝送されるパケットPnを受信し、受信パケットPnを
スイッチング部38に渡す。スイッチング部38は、パ
ケット受信部37からのパケットPnの宛先アドレス
(図21参照)を変更し、スイッチング処理の対象とな
ったものをパケットPrとして送信制御部39に渡す。
【0121】送信制御部39は、受け取った各パケット
Prの送信制御を行う。そのために、送信制御部39
は、図16に示すように、パケット選別部311と、優
先キュー312と、非優先キュー313と、帯域幅外キ
ュー314と、スケジューリング部315とを備える。
【0122】パケット選別部311は、スイッチング部
38からパケットPrを受け取り、その後、パケット選
別部218のものと同様のパケット選別処理を行う。パ
ケット選別部311は、受け取ったパケットPrに0x
7、0x5及び0x3のどれが付与されているかを確認
する。その後、パケット選別部311は、0x7が付与
されているものを、優先パケットPPrとして優先キュ
ー312に追加し、0x5を有するものを非優先パケッ
トNPrとして非優先キュー313に追加し、さらに0
x3を有するものを帯域幅外パケットOPrとして帯域
幅外キュー314に追加する。
【0123】スケジューリング部315は、予め定めら
れたタイミングが来ると、スケジューリング部222と
同様にPQに従って動作して、優先キュー312、非優
先キュー313及び帯域幅外キュー314のいずれかか
ら取り出した優先パケットPPr、非優先パケットNP
r及び帯域幅外パケットOPrをパケットPsとしてパ
ケット送信部310に渡す。なお、スケジューリング部
315の処理は、スケジューリング部222のものから
容易に理解できるため、その説明を省略する。
【0124】以上の処理により、第1の実施形態での説
明と同様に、キュー311及び312に、パケットPP
r及びNPrが定常的に溜まることは無く、その結果、
ホームGW322で優先パケットPPbと選別されたも
のは、最低限の遅延で受信側に転送される。さらに言え
ば、各優先パケットPPbの遅延揺らぎを抑えることが
可能となる。
【0125】パケット送信部310は、受け取ったパケ
ットPsを受け取り、IPに従って、受け取ったパケッ
トPsを、図17又は図18に示すようなフォーマット
のパケットPgに分解して、請求項における第2の回線
の一例としての共用回線6に送出する。送出されたパケ
ットPgは、共用回線6上を伝送され、棟間GW5によ
り受信される。
【0126】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、IP層の第1〜第3の識別子をデータリンク層(つ
まり、下位層)の第5〜第7の優先度にマッピングする
ため、データリンク層においても優先制御が可能にな
る。
【0127】なお、第3の実施形態において、パケット
送信部34は、AF11、AF21及びAF31を0x
7、0x5及び0x3に変換していたが、以上の3種類
の優先識別子に限らず、AF11、AF21、AF22
及びAF31の4種類、又はそれ以上の優先識別子を、
データリンク層の優先度にマッピングしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る集合住宅用ネッ
トワークシステム1の構成例を示す模式図である。
【図2】図1に示す各ホームGW22の構成を示すブロ
ック図である。
【図3】図2に示す帯域幅監視部213で用いられるト
ークンバケットメータ法を説明するための模式図であ
る。
【図4】図2に示す識別子付与部214の処理手順を示
すフローチャートである。
【図5】図1に示す各棟内GW3の構成を示すブロック
図である。
【図6】図1に示す各棟間GW5の構成を示すブロック
図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る集合住宅用ネッ
トワークシステム11の構成例を示す模式図である。
【図8】図7に示すホームGW122の詳細な構成を示
すブロック図である。
【図9】図8に示す識別子付与部14の処理手順を示す
フローチャートである。
【図10】図7に示す各棟内GW13の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】RIO(Red with In and Out )によるパケッ
トPeの廃棄確率を表すグラフである。
【図12】図7に示す各棟間GW15の構成を示すブロ
ック図である。
【図13】本発明の第3の実施形態に係る集合住宅用ネ
ットワークシステム31の構成例を示す模式図である。
【図14】図13に示すホームGW322の詳細な構成
を示すブロック図である。
【図15】図14に示すパケット送信部34が使う変換
テーブル35の構成例を示す模式図である。
【図16】図13に示すL2スイッチ33の詳細な構成
を示すブロック図である。
【図17】IPv4(Internet Protocol Version 4 )の
ヘッダフォーマットを示す模式図である。
【図18】IPv6(Internet Protocol Version 6 )の
ヘッダフォーマットを示す模式図である。
【図19】DSCP(Differentiated Service Code Poi
nt )の構造を示す模式図である。
【図20】推奨されているAF(Assured Forwarding)ク
ラスのPHB(Per Hop Behavior)の値を示す図である。
【図21】IEEE(Institute of Electrical and Ele
ctronics Engineers) 802.1Q/pで規定されてい
るイーサネットフレームの構造、及びタグ制御情報フィ
ールドの構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1,11,31…ネットワークシステム 2,12,32…ユーザ私設網 21…端末 23…中継回線 22,122,322…ホームゲートウェイ(ホームG
W) 4…中継回線 3,13…棟内ゲートウェイ(棟内GW) 33…L2スイッチ 6…共用回線 5,15…棟間ゲートウェイ(棟間GW) 7…外部網 24,216,223,36…パケット送信装置 25,37…パケット受信部 26…ルーティング部 27,217,224,39…送信制御部 28,34,310…パケット送信部 35…変換テーブル 29,218,16,311…パケット選別部 210,219,312…優先キュー 211,220,313…非優先キュー 221,314…帯域幅外キュー 212,222,315…スケジューリング部 213…帯域幅監視部 214,14…識別子付与部 215…トークンバケット 225,17…前置パケット選別部 38…スイッチング部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 酒井 章 神奈川県横浜市港北区綱島東四丁目3番1 号 松下通信工業株式会社内 Fターム(参考) 5K030 GA13 HA08 HB17 HD03 KA03 KX29

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の入力側回線を通じて送られてくる
    パケットに所定の処理を行って、1つの出力側回線に送
    出するパケット送信装置であって、 各前記入力側回線を転送されてくるパケットを受け取る
    度に、今回受け取ったパケットに、第1〜第3の識別子
    のいずれか1つを付与する識別子付与部を備え、 前記第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定
    の方法で決定される保証帯域幅を超過していないパケッ
    トであることを示し、前記第2の識別子は、優先度が相
    対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過していないパケ
    ットであることを示し、さらに、前記第3の識別子は、
    前記保証帯域幅を超過しているパケットであることを少
    なくとも示し、 前記識別子付与部で第1〜第3の識別子のいずれかが付
    与されたパケットに必要な処理を行って、前記出力側回
    線に送出するパケット送信部をさらに備える、パケット
    送信装置。
  2. 【請求項2】 パケット送信装置はさらに、 優先キューと、 非優先キューと、 各前記入力側回線を転送されてくるパケットを受け取る
    度に、所定のパケット選別処理を行って、今回受け取っ
    たパケットを、前記優先キュー及び前記非優先キューの
    いずれかに追加するパケット選別部と、 所定のタイミングで、前記優先キュー及び前記非優先キ
    ューのうち、前記優先キューから優先的にパケットを取
    り出すスケジューリング部とをさらに備え、前記スケジ
    ューリング部はさらに、 前記優先キューから取り出した場合には、今回取り出し
    たパケットが高優先度であることを示す優先情報を生成
    し、 前記非優先キューから取り出した場合には、今回取り出
    したパケットが低優先度であることを示す非優先情報を
    生成し、 パケット送信装置はさらに、前記スケジューリング部で
    生成された優先情報又は非優先情報を使って、前記スケ
    ジューリング部から送られてくるパケットの帯域幅が前
    記保証帯域幅を超過しているか否かを判断する帯域幅監
    視部を備え、前記帯域幅監視部はさらに、 今回のパケットの帯域幅が前記保証帯域幅を超過してい
    ない場合には保証帯域内情報を生成し、 今回のパケットの帯域幅が前記保証帯域幅を超過してい
    る場合には保証帯域外情報を生成し、 前記識別子付与部は、前記スケジューリング部で生成さ
    れた優先情報及び非優先情報の一方と、前記帯域幅監視
    部で生成された保証帯域内情報及び保証帯域外情報の一
    方との組み合わせに基づいて、前記第1〜第3の識別子
    の中から、いずれか1つを選択し、選択したものを、前
    記帯域幅監視部から送られてくるパケットに付与する、
    請求項1に記載のパケット送信装置。
  3. 【請求項3】 前記帯域幅監視部は、 前記保証帯域幅が示すレートでトークンが溜まり、予め
    定められた深さを有するトークンバケットを備えてお
    り、 前記スケジューリング部から優先情報を受け取った場合
    には、前記スケジューリング部から受け取ったパケット
    の長さに相当するトークンが前記トークンバケットに溜
    まっているか否かを判断し、必要なトークンが溜まって
    いる場合に保証帯域内情報を生成し、また、必要なトー
    クンが溜まっていない場合に保証帯域外情報を生成し、 前記スケジューリング部から非優先情報を受け取った場
    合、前記トークンバケットに、前記深さよりも小さい閾
    値以上の量でありかつ前記スケジューリング部から受け
    取ったパケットの長さに相当するトークンが溜まってい
    るか否かを判断し、必要なトークンが溜まっている場合
    に保証帯域内情報を生成し、また、必要なトークンが溜
    まっていない場合に保証帯域外情報を生成する、請求項
    2に記載のパケット送信装置。
  4. 【請求項4】 前記識別子付与部は、 前記スケジューリング部から優先情報を、さらに前記帯
    域幅監視部から帯域幅内情報を受け取った場合には、前
    記帯域幅監視部から受け取ったパケットに第1の識別子
    を付与し、 前記スケジューリング部から非優先情報を、さらに前記
    帯域幅監視部から帯域幅内情報を受け取った場合には、
    前記帯域幅監視部から受け取ったパケットに第2の識別
    子を付与し、 前記スケジューリング部から優先情報を、さらに前記帯
    域幅監視部から帯域幅外情報を受け取った場合には、前
    記帯域幅監視部から受け取ったパケットに第3の識別子
    を付与する、請求項1に記載のパケット送信装置。
  5. 【請求項5】 前記識別子付与部はさらに、前記スケジ
    ューリング部から非優先情報を、さらに前記帯域幅監視
    部から帯域幅外情報を受け取った場合には、前記帯域幅
    監視部から受け取ったパケットに第3の識別子を付与す
    る、請求項4に記載のパケット送信装置。
  6. 【請求項6】 パケット送信装置はさらに、各前記入力
    側回線を転送されてくる各パケットが第1〜第3の識別
    子のいずれを有しているかを確認して、第1及び第2の
    識別子を有するパケットと、第3の識別子を有するパケ
    ットとに選別する前置パケット選別部を備え、 前記前置パケット選別部はさらに、 第1の識別子を有する場合には、今回受け取ったパケッ
    トが高優先度を有することを示す優先情報を生成し、 第2の識別子を有する場合には、今回受け取ったパケッ
    トが低優先度を有することを示す非優先情報を生成し、 パケット送信装置はさらに、前記前置パケット選別部で
    生成された優先情報又は非優先情報を使って、前記前置
    パケット選別部から送られてくるパケットの帯域幅が前
    記保証帯域幅を超過しているか否かを判断する帯域幅監
    視部を備え、前記帯域幅監視部はさらに、 今回の帯域幅が前記保証帯域幅を超過していない場合に
    は保証帯域内情報を生成し、 今回の帯域幅が前記保証帯域幅を超過している場合には
    保証帯域外情報を生成し、 前記識別子付与部は、前記前置パケット選別部で生成さ
    れた優先情報及び非優先情報の一方と、前記帯域幅監視
    部で生成された保証帯域内情報及び保証帯域外情報の一
    方との組み合わせに基づいて、第1〜第3の識別子の中
    から、いずれか1つを選択し、選択したものを、前記帯
    域幅監視部から送られてくるパケットに付与する、請求
    項1に記載のパケット送信装置。
  7. 【請求項7】 パケット送信装置はさらに、 優先キューと、 非優先キューと、 帯域幅外キューと、 前記識別子付与部及び前記前置パケット選別部のいずれ
    かからパケットを受け取る度に、所定のパケット選別処
    理を行うパケット選別部とを備え、 前記パケット選別部は、今回受け取ったパケットが第1
    〜第3の識別子のいずれを有するかを確認して、第1の
    識別子を有するパケットを優先キューに追加し、第2の
    識別子を有するパケットを非優先キューに追加、さらに
    第3の識別子を有するパケットを帯域幅外キューに追加
    し、 前記パケット送信装置はさらに、所定のタイミングで、
    前記優先キュー、前記非優先キュー、前記帯域幅外キュ
    ーという優先順序に従って、前記優先キュー、前記非優
    先キュー及び前記帯域幅外キューのいずれかからパケッ
    トを取り出して、前記パケット送信部に渡すスケジュー
    リング部とを備える、請求項6に記載のパケット送信装
    置。
  8. 【請求項8】 識別子付与部はさらに、前記スケジュー
    リング部から非優先情報及び前記帯域幅監視部から帯域
    幅外情報を受け取った場合には、前記帯域幅監視部から
    受け取ったパケットに第4の識別子を付与し、 前記第3の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ前記
    保証帯域幅を超過しているパケットであることを示し、
    前記第4の識別子は、優先度が相対的に低く、かつ前記
    保証帯域幅を超過しているパケットであることを示す、
    請求項4に記載のパケット送信装置。
  9. 【請求項9】 パケット送信装置はさらに、各前記入力
    側回線を転送されてくる各パケットが第1〜第4の識別
    子をいずれが付与されているかをチェックして、第1、
    第2及び第4の識別子を有するパケットと、第3の識別
    子を有するパケットに選別する前置パケット選別部を備
    え、 前記前置パケット選別部はさらに、 第1の識別子を有する場合には、今回受け取ったパケッ
    トが高優先度を有することを示す優先情報を生成し、 第2又は第4の識別子を有する場合には、今回受け取っ
    たパケットが低優先度を有することを示す非優先情報を
    生成し、 パケット送信装置はさらに、前記前置パケット選別部で
    生成された優先情報又は非優先情報を使って、前記前置
    パケット選別部から送られてくるパケットの帯域幅が前
    記保証帯域幅を超過しているか否かを判断する帯域幅監
    視部を備え、前記帯域幅監視部はさらに、 今回の帯域幅が前記保証帯域幅を超過していない場合に
    は保証帯域内情報を生成し、 今回の帯域幅が前記保証帯域幅を超過している場合には
    保証帯域外情報を生成し、 前記識別子付与部は、前記前置パケット選別部で生成さ
    れた優先情報及び非優先情報の一方と、前記帯域幅監視
    部で生成された保証帯域内情報及び保証帯域外情報の一
    方との組み合わせに基づいて、前記第1〜第4の識別子
    の中から、いずれか1つを選択し、選択したものを、前
    記帯域幅監視部から送られてくるパケットに付与する、
    請求項8に記載のパケット送信装置。
  10. 【請求項10】 パケット送信装置はさらに、 優先キューと、 非優先キューと、 帯域幅外キューと、 前記識別子付与部及び前記前置パケット選別部のいずれ
    かからパケットを受け取る度に、所定のパケット選別処
    理を行うパケット選別部とを備え、 前記パケット選別部は、今回受け取ったパケットが第1
    〜第4の識別子のいずれを有するかをチェックして、第
    1の識別子を有するパケットを優先キューに追加し、第
    2又は第4の識別子を有するパケットを非優先キューに
    追加、さらに第3の識別子を有するパケットを帯域幅外
    キューに追加し、 前記パケット送信装置はさらに、所定のタイミングで、
    前記優先キュー、前記非優先キュー、前記帯域幅外キュ
    ーという優先順序に従って、前記優先キュー、前記非優
    先キュー及び前記帯域幅外キューのいずれかからパケッ
    トを取り出して、前記パケット送信部に渡すスケジュー
    リング部とを備える、請求項9に記載のパケット送信装
    置。
  11. 【請求項11】 前記パケット送信部は、 予め保持する変換テーブルに従って、前記識別子付与部
    でパケットに付与された第1〜第3の識別子のいずれか
    を、下位層で使われる第4〜第6の識別子のいずれかに
    変換し、 変換した第4〜第6の識別子のいずれかを含む下位層の
    フレームを、前記識別子付与部からのパケットを使って
    組み立てて、前記出力側回線に送出する、請求項1に記
    載のパケット送信装置。
  12. 【請求項12】 前記保証帯域幅は、前記出力側回線の
    帯域幅と、前記入力側回線の数とに基づいて決定され
    る、請求項1に記載のパケット送信装置。
  13. 【請求項13】 前記保証帯域幅は、前記出力側回線の
    帯域幅を前記入力側回線の数で割った値である、請求項
    12に記載のパケット送信装置。
  14. 【請求項14】 前記識別子付与部は、CBR(Constan
    t Bit Rate )トラヒックを構成するパケットに、第1の
    識別子を付与する、請求項1に記載のパケット送信装
    置。
  15. 【請求項15】 複数の入力側回線を通じて送られてく
    るパケットを処理して、1つの出力側回線に送出するパ
    ケット送信処理方法であって、 各前記入力側回線を転送されてくるパケットに、第1、
    第2及び第3の識別子のいずれか1つを付与する識別子
    付与ステップを備え、 前記第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定
    の方法で決定される保証帯域幅を超過していないパケッ
    トであることを示し、前記第2の識別子は、優先度が相
    対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過していないパケ
    ットであることを示し、さらに、前記第3の識別子は、
    前記保証帯域幅を超過しているパケットであることを少
    なくとも示し、 前記識別子付与ステップで第1、第2及び第3の識別子
    のいずれかが付与されたパケットに必要な処理を行っ
    て、前記出力側回線に送出するパケット送信ステップを
    さらに備える、パケット送信処理方法。
  16. 【請求項16】 複数の前段のパケット送信装置で生成
    され、複数の第1の回線を通じて送られてくるパケット
    に所定の処理を行って、第2の回線に送出するパケット
    送信装置であって、 各前記前段のパケット送信装置は、入力パケットに、少
    なくとも第1〜第3の識別子のいずれか1つを付与し、
    前記第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定
    の方法で決定される保証帯域幅を超過していないパケッ
    トであることを示し、前記第2の識別子は、優先度が相
    対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過していないパケ
    ットであることを示し、さらに、前記第3の識別子は、
    前記保証帯域幅を超過しているパケットであることを少
    なくとも示し、 各前記前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第3の
    識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
    って、前記第1の回線に送出し、 前記パケット送信装置は、 優先キューと、 非優先キューと、 帯域幅外キューと、 各前記第1の回線を転送されてくるパケットを受け取る
    度に、パケット選別処理を行って、今回のパケットが第
    1〜第3の識別子のいずれを有しているかを確認して、
    第1の識別子を有するパケットを優先キューに追加し、
    第2の識別子を有するパケットを非優先キューに追加、
    さらに第3の識別子を有するパケットを帯域幅外キュー
    に追加するパケット選別部と、 所定のタイミングで、前記優先キュー、前記非優先キュ
    ー、前記帯域幅外キューという優先順序に従って、前記
    優先キュー、前記非優先キュー及び前記帯域幅外キュー
    のいずれかからパケットを取り出すスケジューリング部
    と、 前記スケジューリング部により取り出されたパケットに
    必要な処理を行って、前記第2の回線に送出するパケッ
    ト送信部とを備える、パケット送信装置。
  17. 【請求項17】 前記前段のパケット送信装置は、入力
    パケットに、第1〜第4の識別子のいずれか1つを付与
    し、前記第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ
    所定の方法で決定される保証帯域幅を超過していないパ
    ケットであることを示し、前記第2の識別子は、優先度
    が相対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過していない
    パケットであることを示し、前記第3の識別子は、優先
    度が相対的に高く、かつ前記保証帯域幅を超過している
    パケットであることを示し、さらに、前記第4の識別子
    は、優先度が相対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過
    しているパケットであることを示し、 各前記前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第4の
    識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
    って、前記第1の回線に送出し、前記パケット選別部は
    さらに、 非優先キュー用に、第1の基準値と、前記第1の基準値
    よりも小さい第2の基準値とを予め有しており、 第2の優先度を有するパケットを受け取ると、前記非優
    先キューに現在溜まっているパケットの量が第1の基準
    値を超えている場合に今回受け取ったパケットを廃棄
    し、 第4の識別子を有するパケットを受け取ると、前記非優
    先キュー内のパケットの量が第2の基準値を超えている
    場合に今回受け取ったパケットを廃棄する、請求項16
    に記載のパケット送信装置。
  18. 【請求項18】 前記前段のパケット送信装置は、入力
    パケットに、第1〜第4の識別子のいずれか1つを付与
    し、前記第1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ
    所定の方法で決定される保証帯域幅を超過していないパ
    ケットであることを示し、前記第2の識別子は、優先度
    が相対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過していない
    パケットであることを示し、前記第3の識別子は、優先
    度が相対的に高く、かつ前記保証帯域幅を超過している
    パケットであることを示し、さらに、前記第4の識別子
    は、優先度が相対的に低く、かつ前記保証帯域幅を超過
    しているパケットであることを示し、 各前記前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第4の
    識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
    って、前記第1の回線に送出し、 前記パケット選別部はさらに、 第2の識別子に割り当てられた第1の廃棄確率と、第4
    の識別子に割り当てられておりかつ第1の廃棄確率より
    も高い第2の廃棄確率とを有しており、 第2の優先度を有するパケットを受け取ると、前記第1
    の廃棄確率に従って、今回のパケットを廃棄し、 第4の識別子を有するパケットを受け取ると、前記第2
    の廃棄確率に従って、今回のパケットを廃棄する、請求
    項16に記載のパケット送信装置。
  19. 【請求項19】 複数のパケット送信装置で生成され、
    複数の第1の回線を通じて送られてくるパケットに所定
    の処理を行って、第2の回線に送出するパケット送信処
    理方法であって、 各前記パケット送信装置は、入力パケットに、少なくと
    も第1〜第3の識別子のいずれか1つを付与し、前記第
    1の識別子は、優先度が相対的に高く、かつ所定の方法
    で決定される保証帯域幅を超過していないパケットであ
    ることを示し、前記第2の識別子は、優先度が相対的に
    低く、かつ前記保証帯域幅を超過していないパケットで
    あることを示し、さらに、前記第3の識別子は、前記保
    証帯域幅を超過しているパケットであることを少なくと
    も示し、 各前記前段のパケット送信装置はさらに、第1〜第3の
    識別子のいずれかを付与したパケットに必要な処理を行
    って、前記第1の回線に送出し、 前記パケット送信処理方法は、 各前記第1の回線を転送されてくるパケットを受け取る
    度に、パケット選別処理を行って、今回のパケットが第
    1〜第3の識別子のいずれを有しているかを確認して、
    第1の識別子を有するパケットを優先キューに追加し、
    第2の識別子を有するパケットを非優先キューに追加、
    さらに第3の識別子を有するパケットを帯域幅外キュー
    に追加するパケット選別ステップと、 所定のタイミングで、前記優先キュー、前記非優先キュ
    ー、前記帯域幅外キューという優先順序に従って、前記
    優先キュー、前記非優先キュー及び前記帯域幅外キュー
    のいずれかからパケットを取り出すスケジューリングス
    テップと、 前記スケジューリングステップで取り出されたパケット
    に必要な処理を行って、前記第2の回線に送出するパケ
    ット送信ステップとを備える、パケット送信処理方法。
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