JP2003216953A - 画像から対象物を抽出する方法およびその装置 - Google Patents

画像から対象物を抽出する方法およびその装置

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JP2003216953A
JP2003216953A JP2002013532A JP2002013532A JP2003216953A JP 2003216953 A JP2003216953 A JP 2003216953A JP 2002013532 A JP2002013532 A JP 2002013532A JP 2002013532 A JP2002013532 A JP 2002013532A JP 2003216953 A JP2003216953 A JP 2003216953A
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Toshiaki Ejima
俊朗 江島
Shii Ryu
志偉 劉
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Kitakyushu Foundation for Advancement of Industry Science and Technology
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像中に存在する、抽出の対象物だけを短い
処理時間で高精度に抽出する。 【解決手段】 対象画像に基づいてこれより小さい複数
の領域画像を得る。このとき、領域画像の形状、大きさ
は、対象物の特徴に応じて設定する。次に、各領域画像
について選択用処理を施し、複数の領域画像から所定の
領域画像を選択する。領域画像の図心と、この領域画像
中の対象物の重心との距離に基づいて選択する。距離が
0または設定値より短い場合は識別用の領域画像として
選択する。この他、例えば各領域画像の平均輝度、その
色調などを用いることもできる。そして、選択された領
域画像に対して識別処理(サポートベクトルマシンアル
ゴリズム処理)を行い、対象物を抽出する。対象物とし
ては、連続した線状図形または平面状図形がある。特に
トンネル内壁のコンクリート壁面を撮像した画像につい
てひび割れを抽出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】この発明は画像から対象物を
抽出する方法、詳しくはクラックなどの対象物が含まれ
たトンネル壁面画像と含まれない画像とを識別し、対象
物を含む画像を取得する画像処理の方法・装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術とその課題】平面画像中で対象物を識別す
る場合で、画素単位で判断することができない場合、領
域で判断しようとすることは、これまでも行われてき
た。この場合、通常、領域内の全ての候補を識別できる
識別器を構成しなければならず、要素数に依存して計算
量が増加する。たとえば、画素数100×100の矩形
領域を設定した場合、10000次元空間の識別器を必
要とするということであり、計算量とそれに伴う処理時
間が膨大となる。したがって、機能性の高い識別器を構
成することはきわめて困難である。
【0003】
【発明の目的】そこで、この発明の目的は、画像中に存
在する、抽出の対象物だけを短い処理時間で高精度に抽
出することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、対象となる画像に基づいてこれより小さい複数の領
域画像を得る工程と、各領域画像について選択用処理を
施すことにより、これらの複数の領域画像から所定の領
域画像を選択する工程と、選択された領域画像に対して
識別処理を行うことにより、対象物を抽出する工程とを
含む画像から対象物を抽出する方法である。
【0005】請求項2に記載の発明は、上記識別処理は
サポートベクトルマシンアルゴリズムを用いた処理であ
る請求項1に記載の画像から対象物を抽出する方法であ
る。このサポートベクトルマシン(SVM)は、監視学
習アルゴリズムである。その詳細は後述する。
【0006】請求項3に記載の発明は、上記領域画像の
形状、大きさなどは、対象物の特徴に応じて設定される
請求項1または請求項2に記載の画像から対象物を抽出
する方法である。
【0007】請求項4に記載の発明は、上記選択処理
は、領域画像の図心と、この領域画像中の対象物の重心
との距離に基づいて行う請求項1〜請求項3のいずれか
1項に記載の画像から対象物を抽出する方法である。
【0008】請求項5に記載の発明は、上記対象物は、
連続した線状の図形または平面状の図形である請求項1
〜請求項4のいずれか1項に記載の画像から対象物を抽
出する方法である。
【0009】請求項6に記載の発明は、コンクリート壁
面を撮像した画像についてひび割れを抽出する請求項1
〜請求項5のいずれか1項に記載の画像から対象物を抽
出する方法である。
【0010】請求項7に記載の発明は、対象となる画像
に基づいてこれより小さい複数の領域画像を得る手段
と、各領域画像について選択用処理を施すことにより、
これらの複数の領域画像から所定の領域画像を選択する
手段と、選択された領域画像に対して識別処理を行うこ
とにより、対象物を抽出する手段とを含む画像から対象
物を抽出する装置である。
【0011】
【作用】請求項1〜請求項7に記載の発明では、まず、
対象となる画像に基づいてこれより小さい複数の領域画
像を得る。このとき、領域画像の形状、大きさなどは、
対象物の特徴に応じて設定される。次に、各領域画像に
ついて選択用処理を施すことにより、これらの複数の領
域画像から所定の領域画像を選択する。例えば領域画像
の図心と、この領域画像中の対象物の重心との距離に基
づいて領域画像を選択する。距離が0または設定値より
短い場合は識別用の領域画像として選択する。この他に
もこの選択の基準として、例えば各領域画像の平均輝
度、または、その色調などを用いることもできる。そし
て、選択された領域画像に対して識別処理(SVM処
理)を行うことにより、対象物を抽出する。例えば上記
対象物としては、連続した線状の図形または平面状の図
形とすることができる。特にコンクリート壁面を撮像し
た画像についてひび割れを抽出することができる。
【0012】ここで、この画像処理に基づくトンネルク
ラックの検出・分類システムについて説明する。このシ
ステムは、クラック強度特性(クラックの大きさ、影響
度など)とサポートベクトルマシン・アルゴリズムのア
プリケーションを組み合わせて構成されている。先ず、
元の画像が2値画像に変換される。2閾値技法に基づい
て、対象となるエッジ画像を得ることができる。画像が
幾つかのローカル画像(領域画像または部分画像)に分
割できるものと仮定して、このローカル画像を3つのタ
イプのパターンに類別する。3つとは、クラックを含む
画像、クラックを含まない画像、それらの中間のタイプ
の画像である。ここで、学習可能な分類子(分類のため
のプログラム、判定基準、ソフトウェアなど)を構築し
て、これらのパターンを分類する。このプロセスでは、
ローカル画像の図心及びこのローカル画像中の対象物の
重心の2つが一致する「バランスの取れた」サブ画像
(ローカル画像)が、分類子用の学習可能なサンプルと
して使用される。クラックの検出および認識は、対象物
検出問題である。対象物検出に関しては、多数のアルゴ
リズムが存在している。これらは2つの技術的アプロー
チに纏めることができる。それは、1)特徴ベースのア
プローチと、2)画像ベースのアプローチである。トン
ネルの壁面には、異なるクラック形状があり、また、い
くつかの対象物(クラックの他にも汚れ、凹凸、設備な
ど)が存在する。特徴ベースのアプローチだけではこれ
らを識別することは難しい。したがって、学習可能なク
ラック検出・分類システムを構築するため、画像ベース
のアプローチを使用する。この場合、画像の前処理に、
クラックエッジピクセルの強度特性を利用している。
【0013】また、このシステムは3つのステージに分
けることができる。第1ステージは画像の前処理であ
り、第2ステージはローカル画像認識であり、第3ステ
ージは全体画像統合である。第1ステージでは、元の画
像が2閾値法を使って2値画像に閾値処理される。その
後、画像フィルタで幾つかのノイズが取り除かれる。第
2ステージには2つのセクションがある。前処理と、本
処理である。前処理とは、サポートベクトルマシンのア
ルゴリズムを使ってサブ画像分類子を学習することであ
る。一方、本処理では、サブ画像をクラックか非クラッ
クに分類する。次の第3ステージは全体画像統合であ
る。これは、全てのサブ画像の統合であり、統合画像を
使って最終的にクラックエッジピクセルを決定する。こ
れらのピクセルを使えば、クラックの境界にアプローチ
することができる。さらに、クラック属性を定量的記述
として作ることができる。トンネル画像には、多くのク
ラックのタイプがある。その中で、クラック領域は、そ
の領域では反射光が少ないため、他の領域に対するグレ
イレベルスケールと比較して、暗い領域として特定され
る。画像は、クラックと背景の2つのクラスに分けるこ
とができると仮定すると、識別分析法を使って強度閾値
を計算することができる。その結果を図1に示す。2つ
のクラスの間の変動と、1つのクラス内の変動との割合
の最大値を捜し、方程式(1)に閾値として示す。 ただし、Vは2つのクラスの間の密度変動、Vは1
つのクラス内の密度変動を示す。しかし、背景では強度
分布が不均一であるため、幾つかのクラック領域を抽出
することができない。そのため、このクラック領域を再
度分析する。クラック領域のエッジ部分では、強度が明
から暗に、またはその逆になる。これは、強度勾配ベク
トルがクラックエッジのピクセルでは大きいということ
を示している。この勾配ベクトルの方程式は、方程式
(2)に定義されている。 強度勾配ベクトル閾値を定義することにより、クラック
エッジのピクセルを効率よく抽出することができる。そ
れ故、元の画像を、2つの閾値に基づいて2値画像に変
換することができる。その結果として、クラックエッジ
の画像を作り出すことができる。検出能力を高めるた
め、2値画像に対し構成要素サイズのフィルタを作る
(図2参照)。これにより、幾つかのノイズを除去する
ことができる。トンネル表面では、幾つかの対象物が同
じ強度特性を持っているため、抽出された2値画像は、
クラック、非クラック、その中間のタイプを含むことに
なり、それらは2つの特性を両方共に有している(図3
参照)。クラックの画像のみを認識するために、これら
のパターンを認識し、分類するための分類子を構築す
る。
【0014】最近、サポートベクトルマシンのアルゴリ
ズムが、分類問題を解くのに幅広く使われている。これ
は、塊になった大きなデータを取り扱うことのできる最
も良い分類子の1つとして知られている。例えば720
x480ピクセルのトンネル画像を使用し、この元の画
像から60x60ピクセルのサブ画像(領域画像、ロー
カル画像)を作ると、結果的に非常に多くのデータを使
わねばならなくなっている。サブ画像には様々なパター
ンがあるので、幾つかの学習可能なサンプルを設定し、
このサンプルを使ってサポートベクトルマシンで学習す
る。サポートベクトルマシン(SVM)は、監視学習ア
ルゴリズムである。統計学習理論に基づいて、SVMは
巨大な有限のサンプルに対するフレームワークの理論を
開発する。SVMは、入力ベクトルxを高次特徴空間R
に、全ての入力ベクトルが高次特徴空間内の点に対応
するように、マッピングする。そして、この空間内に最
適な超平面を構築する。この変換によって、入力特徴空
間内の非線形分類を解くことができる。この変換を行う
ため、カーネル関数による内積のコンボリューションが
以下のように記述される。 高次空間内で、SVMは、2つのクラスを最適のマージ
ンで分離しようと試みる(図4参照;サポートベクトル
は丸で囲んである。)が、それは 最大化することであり、超平面から、2つのクラスを互
いに良好に分け離すことができる。この他の、SVMを
採用する有利な点は、計算コストである。2つのクラス
に対する最適な超平面を見つけ出す場合、次の関係 を満たすベクトルだけを考える。これらはサポートベク
トルである。これはn高速収束に至る。線形可分サンプ
ル の場合、以下の関係 を満足する。非線形可分サンプルの場合、余裕変数 が
付け加えられ、方程式は次の関係 を満足する。
【0015】そして、拡張された状態によって決められ
る最良のマージンは次のように与えられる。 C>0 はパラメータである。Cが大きければエラーに高
いペナルティを課することになる。分離されたエラーと
罰は制御される。非線形可分サンプルの場合、入力ベク
トル空間は、以下のカーネル関数によって、高次特徴空
間に変換することができる。 は入力空間であり、Rは高次特徴空間である。解
(3)に基づいて、決定超平面は次のように定義され
る。 これらの方程式によって、SVMによって作られた決定
済み最適超平面は、限られたサンプル上で良好な生成性
能を維持することができる。このシステムでは、SVM
は、ローカル画像を学習し分類するために使用されるこ
とになる。画像の前処理の後、2値サブ画像から2つの
クラスの学習可能なサンプルを設定する。それはクラッ
クと非クラックである。サンプル画像は、60x60ピ
クセルである。このシステムでは、「バランスの取れ
た」サブ画像を使って学習可能なサンプル(図5に示
す)を設定する。このバランスの取れたサブ画像は、図
心及び重心の2つの中心に関する条件を満足する。各サ
ブ画像の図心及び重心を計算することによって、「バラ
ンスの取れた」サブ画像と「バランスの取れていない」
サブ画像とを決める。クラックのサブ画像では、黒いピ
クセルクラスタが長く曲線を描いているのを見ることが
できる。もしその一部だけがサブ画像のコーナー又はエ
ッジに分布しているのであれば、それは非クラックであ
ると判定される。言い換えると、バランスの取れていな
いサブ画像上でクラックを認識するのは困難である。ク
ラックのサブ画像サンプルはベクトルxを有し、その
ベクトルを高次分類空間に投影するとすれば、バランス
の取れていないサブ画像サンプルの投影された点は、ク
ラス中心から遠く離れているが、バランスの取れたサブ
画像サンプルではその逆となる。
【0016】実験によると、トンネル画像の全体では、
バランスの取れたサブ画像は、ほとんど全ての区域をカ
バーしている。コーナーとエッジは無視できる。さら
に、中心位置のバイアス範囲をバランスの取れたサブ画
像に対して設定すれば、バランスの取れたサブ画像は全
体画像の全てをカバーすることができる。したがって、
バランスの取れたサブ画像に基づいてクラックを検出す
ることは可能である。720x480ピクセルの2値ト
ンネル画像で、サブ画像を連続で(例えば一度に1ピク
セルづつシフトする)捕捉すれば、サブ画像の合計は1
よりも多くなる。一方、バランスの取れたサブ画像
だけを捕捉すれば、サブ画像の合計は10より少なく
なる。それ故、処理費が低減できるのでバランスの取れ
たサブ画像を使用する。このような理由で、バランスの
取れたサブ画像だけを学習可能なサンプルとして選択す
る。採用された特徴ベクトルは、サブ画像内の強度分布
である。それは3600次元のベクトルである。同じ処
理を、クラック認識の間に行うことになる。
【0017】クラック領域の抽出は以下の通りである。
本処理では、60x60ウィンドウを上から下にシフト
させながら、全体画像からサブ画像を捕捉する。常時、
ウィンドウを1ピクセルだけシフトしてサブ画像を取得
する。入手したサブ画像は学習されたSVMで分類され
ることになる。分類の前に、サブ画像は、バランスが取
れているか、いないか判定される。分類結果によって、
サブ画像の類別が決められ、全体画像の関係ピクセル属
性を決めることができる。この処理は全体画像に対して
行われることになる。
【0018】実験は以下の通りである。この実験では、
トンネル壁面の10個の2値画像が使用されている。1
0の画像に対し、1,987のバランスの取れたサブ画像
と、13,513のバランスの取れていないサブ画像を使う。
これらのデータを使って、クラックを認識するために2
つの実験を行う。第1の実験の間に、1,987のバランス
の取れたサブ画像のデータを使用した。全ての全体画像
に対し、約200のバランスの取れたサブ画像を作るこ
とができている。データの全てを10の区分に分けてい
る。9つの画像のデータを使ってSVMを学習し、残り
の1つの画像のデータを使って分類子のテストを行って
いる。このプロセスを10回繰り返している。各回毎に
違うテストデータを使用している。もう1つの実験で
は、バランスの取れていないサブ画像のデータを使用し
た。これらのデータの量は、バランスの取れたサブ画像
のデータに比べて多すぎるので、全ての全体画像から2
00のバランスの取れていないサブ画像をランダムに捕
捉している。9つの画像のデータを使ってSVMを学習
している。残りの1つの画像のデータを使って分類して
いる。このプロセスを、これも10回繰り返している。
実験データを表1に示す。
【0019】
【表1】 ある場合には、両者が同じように見えるせいで、クラッ
ク対非クラック、及び非クラック対クラックの分類の誤
りにより、例えば画像番号9では、肯定的検出と正確な
検出が、それぞれ86.30%と28.04%になって
いる。又、検出性能は、図6のROC曲線で評価するこ
ともできる。ここでは、5つのバイアス閾値を設定し、
正確さと取り消しとの間の割合を変化させている。実験
結果の比較から、バランスの取れたサブ画像に基づく検
出率の方が、バランスの取れていないサブ画像に基づく
検出率よりも良いことが分かる。トンネルクラック検出
及び分類システムでは、線形のクラックのみを考慮し
た。そして、処理はグレイレベル画像に基づいている。
バランスの取れたローカル画像を利用するように管理し
た。バランスの取れたサブ画像に基づくクラック検出
は、バランスの取れていないサブ画像の場合に比べ効果
的であることが、実験を通して証明された。認識精度を
高めるため、例えばヒストグラム等化など他の処理を加
え、前処理ステージの間の画像コントラストを拡大する
ことが考えられる。さらに、画像認識のためには、画像
のカラー特性及び空間周波数特性の適用などが利用でき
る。サポートベクトルマシンを使用するクラック分類子
の学習には、ラベル付のサンプルを作る必要がある。ク
ラックの形状及びクラックのタイプはトンネルの壁面と
共に変化する。前処理のコストは膨大である。少数のラ
ベル付のサンプルと多数のラベルの付いていないサンプ
ル(または、認識されたデータを含む)を使って分類子
を学習しようとする、もう一つのモードに関心を持って
いる。この方法は、分類子を学習し、テキストを分類す
るのに使われてきている。
【0020】
【発明の実施の態様】以下、この発明の実施の態様につ
いて図面を参照して説明する。図7は、この発明に係る
画像処理装置を示すそのブロック図である。この発明の
画像処理装置は、特徴抽出器1,領域選択器2,識別器
3で構成されている。これらはワークステーション、パ
ソコンなどで構成することができる。例えばこれらはC
PU,ROM、RAM,I/Oなどを含む。特徴抽出器
1は、処理対象となるデジタル画像(トンネル壁面のC
CDカメラ画像をAD変換処理などしたもの)から、識
別に係る画像特徴を抽出する機能を具備している。たと
えば、線画像の場合のエッジ抽出に当たる。例えば、平
滑化処理、エッジ処理(微分処理)などにより、ノイズ
が除去されている。領域選択器2では、図8に示すよう
に、特徴抽出器1で得られた特徴抽出画像(図2参照)
において領域5を切り出す。切り出す領域5の大きさ及
び形状は、識別対象を考慮してあらかじめ設定してお
く。また、切り出す領域の相互間隔は、識別する対象を
漏らさないものとする。領域画像を連続する(一部が重
複してもよい)。ここでは、この領域画像について識別
する対象とするか否かの選択を行う。その選択基準は、
領域画像の図心と対象物の画像の重心が一致している
か、あるいは適当な許容値内で一致しているかというこ
とである。この基準は、平均輝度とか色調を用いること
もできる。ここに用いる基準は、識別対象を含む領域を
漏れなく選択でき、かつ、できるだけその計算量が小さ
くなるものを採用する。識別器3は、領域選択器2によ
り選択された領域のみを対象とし、識別対象であるか否
かの判定を行う。ここで、判定する基準を設計するた
め、領域選択器2を通して選択された標本領域を用い
る。これらの方法は、連続した線状の対象また面状の対
象に適用できる。
【0021】
【実施例】コンクリート構造物におけるひび割れ検出に
適用した実施例を図9に示す。6は、入力されたコンク
リート壁面の720×480ピクセル、グレースケール
の階調画像である。特徴抽出器1では、エッジ抽出,2
値化,ノイズ除去処理を行い、特徴抽出画像7が得られ
た。次に、領域選択器2では、60×60ピクセルの矩
形領域を切り出し、所定の選択基準を満足するか否か
を、順次判定する。判定する領域の数は、 (720−59)×(480−59)=278281個 である。本実施例では、選択基準として上記図5に示す
領域の図心と対象物の画像(黒色で示されている)の重
心が一致していることを用いており、選択された領域は
数1000個であった。このように、識別器3で処理し
なければならない領域の数が2桁減少することが判っ
た。8(図10に示す)は、このようにして領域を選択
した例である。識別器3では、サポート・ベクトル・マ
シンを用いて識別判定基準を設計するための学習を行
い、識別実験を行った。それは次のようである。まず、
10枚の画像に対して、領域選択器2により選択した領
域の図心と対象物の画像の重心が一致する2000個の
領域を用いてサポート・ベクトル・マシンで学習させ、
識別判定基準を設計した。その後、別の10枚の画像を
用いて領域選択器2で選択した2000個の領域に対し
て識別を試みた。その結果を、ひび割れの識別率で整理
し、発明の効果を確認した。それを上記図6に示す。図
中の+印がそれである。また同図に示す×印のものは、
ランダムに選んだ2000個の領域を用いて学習し、ラ
ンダムに選んだ2000個の領域に対して識別実験を試
みた結果である。ここで、それぞれ、5個の結果が示さ
れているが、これは2値化する場合のしきい値を5段階
に変えたためである。グラフの横軸は、「ひび割れをひ
び割れと判定」した場合、横軸は「ひび割れと判定され
たものの内、本当にひび割れであった」割合を示してい
る。すなわち。ひび割れの検出率と正答率ということで
ある。結果は、領域選択器2を用いた識別は、ひび割れ
の検出率も高く、正答率も極めて高い。一方、領域選択
器2を用いない場合は、いずれも低い値であった。この
ようにあらかじめひび割れ候補の選択を行い、識別処理
を行うことが有効であるということが実証できた。な
お、トンネルクラックの検出及び計測は、トンネル検査
の間の安全性手続である。クラックの有無をチェックし
て、クラックのタイプ及びクラックのサイズ、トンネル
表面の状態、即ち安全性の程度を評価することができ
る。これには、可動ビデオ装置を使ってトンネルの壁面
を捕捉し。この壁面画像を分析することが行われる。そ
して、この分析において上記手法によりクラックを抽出
する。この結果、安全性評価をデジタルレベルに改善す
ることができる。例えば、クラックデータの履歴を比較
することにより、クラックの外観と発達を見つけ出すこ
とができる。
【0022】
【発明の効果】この発明によれば、対象画像について複
数の部分画像(または領域画像)を得て、その全ての領
域画像からどの領域画像を識別器(対象物の抽出処理)
にかけるかという選択処理を行う。また、選択を前提と
した識別器を構成する。選択器は、選別対象に応じた領
域の大きさ、形状及び得られた画像の特徴などを考慮し
て構成され、識別器にかける候補の選択を行う。これに
より識別器で処理する領域画像の数を減らすことがで
き、処理時間を短くすることができる。また、識別候補
である領域画像の選択においては、抽出したい対象物を
含む領域画像を余さず選択し、かつ、その選別(識別)
に要する計算量を減らすことが重要である。その手段と
して、領域画像の図心と対象物の画像の重心に着目した
選択処理を行う。これにより、現実的な処理時間で、か
つ、高精度に画像中にある抽出したい対象物だけを抽出
することが可能となった。すなわち、この発明によれ
ば、識別対象に応じた領域選択器を設けることにより、
識別対象領域の数を大幅に削減することができる。この
対象領域の削減により、識別器の処理回数が大幅に削減
される。また、選択処理を行うことの全処理時間に及ぼ
す影響が気になるところであるが、該選択処理は、識別
処理と比べるとはるかに小さなものを選べるので、選択
処理時間による処理時間の増加は問題とならない。その
結果、識別対象領域の数を大幅に削減できることが、そ
のまま全処理時間の短縮に繋がることとなる。さらに、
実施例において示したように識別精度が高くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る方法を説明するためのトンネル
壁面の画像を示す図である。
【図2】この発明に係るトンネル壁面を示す識別分析法
により得られた2値画像を示す図である。
【図3】この発明に係る方法を説明するための3つの類
別のローカル画像パターンを示す図である。
【図4】この発明に係る可分の場合に対する線形可分超
平面を示す図である。
【図5】この発明に係る図心と重心との関係を示す図で
ある。図中(a)はサブ画像、(b)はバランスが取れ
ているサブ画像、(c)(d)(e)(f)はバランス
が取れていないサブ画像である。
【図6】この発明に係るバランスの取れたサブ画像、バ
ランスの取れていないサブ画像の両方に対する、検出率
(横軸)と正答率(縦軸)との関係を示す図である。
【図7】この発明に係る画像からの対象物抽出装置を示
すブロック図である。
【図8】この発明に係る特徴抽出画像を示す模式図であ
る。
【図9】この発明の一実施例に係るクラック抽出装置を
示すブロック図である。
【図10】この発明の一実施例に係る特徴抽出画像を示
す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 DA11 DB02 DB09 DC06 DC16 DC33 DC36 5L096 AA06 BA03 EA05 EA43 FA06 FA60 FA66 GA17 JA11 KA04 MA07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対象となる画像に基づいてこれより小さ
    い複数の領域画像を得る工程と、 各領域画像について選択用処理を施すことにより、これ
    らの複数の領域画像から所定の領域画像を選択する工程
    と、 選択された領域画像に対して識別処理を行うことによ
    り、対象物を抽出する工程とを含む画像から対象物を抽
    出する方法。
  2. 【請求項2】 上記識別処理はサポートベクトルマシン
    アルゴリズムを用いた処理である請求項1に記載の画像
    から対象物を抽出する方法。
  3. 【請求項3】 上記領域画像の形状、大きさなどは、対
    象物の特徴に応じて設定される請求項1または請求項2
    に記載の画像から対象物を抽出する方法。
  4. 【請求項4】 上記選択処理は、領域画像の図心と、こ
    の領域画像中の対象物の重心との距離に基づいて行う請
    求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像から対象
    物を抽出する方法。
  5. 【請求項5】 上記対象物は、連続した線状の図形また
    は平面状の図形である請求項1〜請求項4のいずれか1
    項に記載の画像から対象物を抽出する方法。
  6. 【請求項6】 コンクリート壁面を撮像した画像につい
    てひび割れを抽出する請求項1〜請求項5のいずれか1
    項に記載の画像から対象物を抽出する方法。
  7. 【請求項7】 対象となる画像に基づいてこれより小さ
    い複数の領域画像を得る手段と、 各領域画像について選択用処理を施すことにより、これ
    らの複数の領域画像から所定の領域画像を選択する手段
    と、 選択された領域画像に対して識別処理を行うことによ
    り、対象物を抽出する手段とを含む画像から対象物を抽
    出する装置。
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