JP2003210175A - プライマー設計装置及びプログラム - Google Patents

プライマー設計装置及びプログラム

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JP2003210175A
JP2003210175A JP2002012420A JP2002012420A JP2003210175A JP 2003210175 A JP2003210175 A JP 2003210175A JP 2002012420 A JP2002012420 A JP 2002012420A JP 2002012420 A JP2002012420 A JP 2002012420A JP 2003210175 A JP2003210175 A JP 2003210175A
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polymorphism
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JP2002012420A
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Akihiko Teramoto
陽彦 寺本
Tsugunori Noutomi
継宣 納富
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Eiken Chemical Co Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Eiken Chemical Co Ltd
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】変異又は多型部位の有無を認識して、目的のプ
ライマーの情報を自動的に生成できるようにする。 【解決手段】複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
を取得するステップと、当該複製すべき遺伝子の塩基配
列における変異又は多型の位置に関する情報を取得する
ステップと、複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
及び変異又は多型の位置に関する情報を用いて、変異又
は多型に関する条件を含む所定の条件を満たすプライマ
ーの情報を生成するステップ(S43,S45)とを含む。こ
のように、複製すべき遺伝子の塩基配列における変異又
は多型の位置に関する情報を取得し、当該情報を用いて
プライマーの情報を生成するため、プライマー内に変異
又は多型部位を含まない又は必ず含むようなプライマー
の情報を自動的に生成できるようになる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、遺伝子増幅用プラ
イマーの設計技術に関する。
【0002】
【従来の技術】遺伝子増幅技術において、遺伝子増幅を
成功させ且つより効率的に遺伝子を増幅するために、複
製すべきDNA鎖との複製開始反応の場となる始点構造
であるプライマーの設計は非常に重要である。
【0003】プライマーは、LAMP(Loop-mediated
isothermal AMPlification)法と呼ばれる遺伝子増幅法
を用いる場合には、図11に示すようなものとなる。す
なわち、増幅の対象である標的DNAの3'末端側に
は、順にF3c領域(cは相補を意味する)、F2c領
域、F1c領域が含まれており、5'末端側には、順に
B3領域、B2領域、B1領域とが含まれている。遺伝
子は二重らせん構造を有しているので、通常の状態にお
いては、標的DNAの下側に示したように、相補的なD
NAが接続している。すなわち、5'末端側には、順に
F3c領域と相補的なF3領域、F2c領域と相補的な
F2領域及びF1c領域と相補的なF1領域が含まれて
おり、3'末端には、順にB3領域と相補的なB3c領
域、B2領域と相補的なB2c領域、B1領域と相補的
なB1c領域が含まれている。そして、F3c領域と相
補的なF3領域を有するF3プライマーと、F2c領域
と相補的なF2領域を3'末端に有し且つF1c領域を
5'末端に有するFIPプライマーと、B3領域を有す
るB3プライマーと、B2領域を3'末端に有し且つB
1領域と相補的なB1c領域を5'末端に有するBIP
プライマーという4つのプライマーを含むプライマー・
セットが使用される。
【0004】なお、LAMP法による遺伝子増幅法の原
理については、例えば、Nucleic Acids Res. 2000 Jun
15;28(12):e63 Loop-mediated isothermal amplificati
on of DNA, Notomi T, Okayama H, Masubuchi H, Yonek
awa T, Watanabe K, Amino N, Hase T. を参照のこと。
【0005】ところでDNAの塩基配列上には変異又は
多型が含まれている。プライマーの設計上、当該変異又
は多型を含まないようにしなければならない場合と、当
該変異又は多型を含むようにしなければならない場合と
がある。例えば、変異又は多型の有無を問わずある程度
共通する遺伝子を増幅したい場合もあれば、変異又は多
型を含む特定の遺伝子のみを増幅したい場合もあるから
である。
【0006】しかし、従来のプライマー設計プログラム
においては、変異又は多型部位の有無について考慮する
ものは無く、変異又は多型部位を必ず含む又は全く含ま
ないようなプライマー・セットを生成したい場合には、
人手で行わなければならなかった。また、図12に示す
ように全プライマー・セットは100万通り以上存在す
る場合があるが、実際にプライマー設計プログラムが設
計できるプライマー・セットの集合は、その処理能力や
処理時間等の関係から一部に限定され、変異又は多型部
位を含まないプライマー・セットの集合又は変異又は多
型部位を必ず含むプライマー・セットの集合(図示せ
ず)とは全く重ならない場合もありえる。すなわち、人
手では目的のプライマー・セットを作成できない場合も
生じえる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】以上のように従来技術
では、遺伝子増幅のために欠かせないプライマーの設計
において変異又は多型部位の有無を認識して処理を行う
ことができないため、不都合が生じていた。
【0008】従って、本発明の目的は、変異又は多型部
位の有無を認識して、目的のプライマーの情報を自動的
に生成できるようにするための技術を提供することであ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプライマー
設計装置は、複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
を取得し、記憶装置に格納する手段と、当該複製すべき
遺伝子の塩基配列における変異又は多型の位置に関する
情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、複製すべき
遺伝子の塩基配列に関する情報及び変異又は多型の位置
に関する情報を用いて、変異又は多型に関する条件を含
む所定の条件を満たすプライマーの情報を生成し、記憶
装置に格納するプライマー情報生成手段とを含む。
【0010】このように、複製すべき遺伝子の塩基配列
における変異又は多型の位置に関する情報を取得し、当
該情報を用いてプライマーの情報を生成するため、プラ
イマー内に変異又は多型部位を含まない又は必ず含むよ
うなプライマーの情報を自動的に選択・生成することが
できるようになる。
【0011】なお、上で述べたプライマー情報生成手段
が、複製すべき塩基配列に関する情報から所定の条件を
満たすプライマーを構成する領域を抽出する手段と、変
異又は多型の位置に関する情報に基づき、抽出されたプ
ライマーを構成する領域が変異又は多型を含まないかを
判断する手段とを含むような構成であってもよい。
【0012】また、上で述べた所定の条件が、プライマ
ーの塩基長とプライマー間の距離の少なくともいずれか
を含むような構成であってもよい。なお、この他の条件
を設定して、より好ましいプライマーを設計するような
構成にすることも可能である。
【0013】なお、本発明はLAMP法だけでなく、P
CR(Polymerase Chain Reaction)法その他の遺伝子
増幅方法にも適用可能である。但し、上で述べたように
LAMP法においては、複製すべき遺伝子の3'末端か
ら順にF3c領域、F2c領域及びF1c領域が、5'
末端からB3領域、B2領域及びB1領域が規定され、
上で述べたプライマー情報生成手段は、変異又は多型に
関する条件を含む所定の条件を満たすように、F3c領
域と相補的なF3領域を有するF3プライマーの情報
と、F2c領域と相補的なF2領域を有するF2領域の
情報と、F1c領域の情報と、B3領域を有するB3プ
ライマーの情報と、B2領域の情報と、B1領域と相補
的なB1c領域の情報とを生成する。LAMP法では必
要な領域数が多いため、本プライマー設計装置を用いて
プライマーの情報を自動的に選択・生成する必要性が高
い。
【0014】また、上で述べたプライマー情報生成手段
が、F2領域及びF1c領域の情報の生成後にF3プラ
イマーの情報を生成し、B2領域及びB1c領域の情報
の生成後にB3プライマーの情報を生成するような構成
であってもよい。このような構成を採用すると、より効
率的にプライマーの情報を選択・生成することができる
ようになる。
【0015】なお、上で述べたプライマー情報生成手段
が、F2領域及びF1c領域の情報を組み合わせてFI
Pプライマーの情報を生成し、B2領域及びB1c領域
の情報を組み合わせてBIPプライマーの情報を生成す
ることにより、B3プライマー及びF3プライマーを合
わせた4つのプライマーを含むプライマー・セットが完
成することなる。
【0016】なお、上述の装置はプログラム及びコンピ
ュータの組み合わせにて実現される場合もあり、その際
プログラムは、例えばフレキシブルディスク、CD−R
OM、光磁気ディスク、半導体メモリ、ハードディスク
等の記憶媒体又は記憶装置に格納される。また、ネット
ワークなどを介して配布される場合もある。尚、中間的
な処理結果はメモリに一時保管される。
【0017】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施の形態に係
るプライマー設計装置10のブロック図を示す。プライ
マー設計装置10には、複製すべき遺伝子の塩基配列中
から各プライマーを生成・選択する上で必要となる各種
条件の入力をユーザに促し、ユーザにより入力された各
種条件を記憶装置に格納するプライマー選択条件入力部
1と、複製すべき遺伝子の塩基配列の情報の入力をユー
ザに促し、ユーザにより入力された塩基配列の情報を記
憶装置に格納する塩基配列入力部3と、複製すべき遺伝
子の塩基配列において変異又は多型が発生している位置
を指定するようユーザに促し、ユーザにより入力された
変異又は多型の位置についての情報を記憶装置に格納す
る変異又は多型部位入力部5と、記憶装置に格納された
各プライマー選択のための各種条件についての情報と塩
基配列の情報と変異又は多型の位置についての情報とを
用いてプライマーの情報を選択又は生成し、記憶装置に
格納するプライマー選択・生成処理部7と、プライマー
選択・生成処理部7により選択又は生成されたプライマ
ーの情報を表示装置や印刷装置等の出力装置に出力する
出力処理部9とが含まれる。
【0018】プライマー選択条件入力部1は、プライマ
ー又はプライマーを構成する領域毎にその塩基長やプラ
イマーを構成する領域間の距離等の選択条件を入力する
ための入力画面を表示装置に表示し、ユーザに当該選択
条件の入力を促す。選択条件についての情報を格納した
ファイルを指定又は選択させるための画面を表示させて
も良い。塩基配列入力部3は、複製すべき遺伝子の塩基
配列の情報を格納したファイルの指定又は選択のための
画面を表示する。画面上で一つ一つ塩基配列をユーザに
入力させるようにしても良い。変異又は多型部位入力部
5は、例えば塩基配列入力部3により入力された塩基配
列を表示し、変異又は多型の位置を一つ一つ指定させる
ための画面を表示する。また、変異又は多型の位置を示
す情報を格納したファイルの指定又は選択のための画面
を表示するようにしてもよい。
【0019】次に、図1に示したプライマー設計装置1
0の処理フローについて図2乃至図9を用いて説明す
る。図2は、プライマー設計装置10の全体の処理フロ
ーを示す。最初に、プライマー選択条件入力部1による
プライマー選択条件の入力処理が実施される(ステップ
S1)。入力されるのは、各プライマー又は領域につい
ての塩基長やプライマーを構成する領域間の距離の情報
である。他の条件を入力して、より好ましいプライマー
又は領域を選択するようにしても良い。次に、塩基配列
入力部3により、複製すべき遺伝子の塩基配列入力処理
が実施される(ステップS3)。例えば、図3に示すよ
うな情報が入力される。Aはアデニン、Tはチミン、G
はグアニン、Cはシトシンである。AとT、GとCは水
素結合する。
【0020】次に、変異又は多型部位入力部5により、
変異又は多型の位置についての入力処理が行われる(ス
テップS5)。変異又は多型の位置についての情報は、
例えば図4に示すような情報が入力される。ここでは*
印は通常の塩基配列を示しており、_印が変異又は多型
を表している。すなわち、図3において第2行第3欄に
おいて塩基配列は「TACGTTGATT」であるが、
図4において同じく第2行第3欄に示された、変異又は
多型の位置についての情報は「*_*******_」
である。従って、_印の位置に対応する「A」と「T」
とが変異又は多型であることが分かる。なお、図4に示
したような情報のみを図3とは別に入力しても良いが、
例えば図5に示すように上段に塩基配列を示し、下段に
通常の配列を示す記号「*」を表示しておき、ユーザが
変異又は多型の位置の「*」印をクリックすると、変異
又は多型の位置を示す記号「−」を表示するような入力
方法を採用しても良い。
【0021】そして、プライマー選択・生成処理部7に
より、プライマー選択・生成処理が実施される(ステッ
プS7)。この処理については後に詳細に説明する。そ
して、出力処理部9により、生成されたプライマー、又
はプライマー及びプライマーを構成する領域の出力処理
が実施される(ステップS9)。出力例を図6に示す。
図6ではID=1のプライマー・セットが示されてい
る。labelの列には、F3プライマー、F2領域、
F1c領域、B1c領域、B2領域、B3プライマー、
F2領域とF1c領域を接続したFIPプライマー、B
1c領域とB2領域を接続したBIPプライマーが示さ
れている。5'の列及び3'の列には、各領域の5'末端
の位置及び3'末端の位置がそれぞれ示されている。但
し、FIPプライマー及びBIPプライマーについては
異なる位置の2つの領域が連結したものであるから5'
末端の位置及び3'末端の位置は示されない。len(l
ength)の列には、各領域及びプライマーの塩基長が示
されている。GCrate(率)の列には、FIP及び
BIPプライマーを除く各領域のG(グアニン)及びC
(シトシン)の含有率である。Sequenceの列に
は、各領域及びプライマーの具体的な塩基配列が示され
ている。図6は一例であって、他の表示方法であっても
よい。プライマー・セットは1つだけでなく多数生成さ
れる場合もあるので、その際には多数列挙するような表
示形態が採られる場合もある。
【0022】次に図7乃至図9を用いて図2のステップ
S7について説明する。図7は、プライマー選択・生成
処理のメインの処理フローである。最初に、プライマー
選択・生成処理部7は、領域候補の生成を行い、生成し
た領域候補を記憶装置に格納する(ステップS11)。
領域候補の生成は、各プライマー又は領域について入力
された選択条件のうち例えば塩基長についての情報に従
って行われる。例えば指定された最も短い塩基長を有す
る領域候補から最も長い塩基長を有する領域候補まで多
数の領域候補をステップS3で入力された塩基配列から
切り出すことにより生成する。また、選択すべき領域
は、入力された塩基配列の一部分だけではなく、入力さ
れた塩基配列の一部分の相補的な塩基配列である場合も
ある。すなわち、F3c領域ではなくF3領域が使用さ
れ、F2c領域ではなくF2領域が使用され、B1領域
ではなくB1c領域が使用される。従って、領域候補に
ついてもステップS3で入力された塩基配列から切り出
した領域候補だけでなく、当該領域候補の相補的な塩基
配列をも領域候補として生成する。
【0023】次に、プライマー選択・生成処理部7は、
プライマー・セットの生成処理を実施する(ステップS
13)。この処理については図8及び図9を用いて詳細
に説明する。そして、一つプライマー・セットが生成さ
れると、処理終了か否かを判断し、終了でなければステ
ップS13に戻り、終了と判断された場合には処理を終
了する(ステップS15)。例えば、生成されたプライ
マー・セットが所定個数を超えた場合や、所定時間処理
を実行した場合等には、処理を終了させる。また、ステ
ップS11で生成した領域候補から生成できるプライマ
ー・セットがもうない場合も処理を終了させる。
【0024】次に図8を用いてプライマー・セットの生
成処理について説明する。図8の例では、最初にF2領
域を選択し、その情報を記憶装置に格納する(ステップ
S21)。次に、F1c領域を選択し、その情報を記憶
装置に格納する(ステップS23)。そして、F2領域
とF1c領域を結合してFIPプライマーを生成し、そ
の情報を記憶装置に格納する(ステップS25)。
【0025】また、B2領域を選択し、その情報を記憶
装置に格納する(ステップS27)。次に、B1c領域
を選択し、その情報を記憶装置に格納する(ステップS
29)。そして、B2領域とB1c領域を結合してBI
Pプライマーを生成し、その情報を記憶装置に格納する
(ステップS31)。
【0026】そして、F3プライマーを選択し、その情
報を記憶装置に格納する(ステップS33)。また、B
3プライマーを選択し、その情報を記憶装置に格納する
(ステップS35)。以上選択されたFIPプライマ
ー、BIPプライマー、F3プライマー及びB3プライ
マーを組み合わせてプライマー・セットを生成し、その
情報を記憶装置に格納する(ステップS37)。
【0027】処理の順番としては、経験的にF3プライ
マー及びB3プライマーは、選択条件が緩い場合が多い
ことが分かっているので、FIPプライマーのためのF
1c領域及びF2領域を選択した後にF3プライマーを
選択し、BIPプライマーのためのB2領域とB1c領
域を選択した後にB3プライマーを選択した方が、プラ
イマー・セットの生成を効率的に行うことができる。な
お、FIPプライマー並びにその要素であるF1c領域
及びF2領域と、BIPプライマー並びにその要素であ
るB1c領域及びB2領域の選択・生成順番について
は、任意である。効率等を考慮しなければ、いずれの領
域から選択・生成しても良い。
【0028】ステップS21、S23、S27、S2
9、S33及びS35の具体的な処理については、図9
に示されている。図9の処理では、最初に、領域候補を
1つ選択する(ステップS41)。そして、選択した領
域候補について、選択条件として設定された所定の条件
を満たしているか判断する(ステップS43)。上でも
述べたように、所定の条件については、現在選択しよう
としている領域又はプライマーの塩基長やプライマーを
構成する領域間の距離である。なお、F2領域、F3プ
ライマー、B1c領域については、増幅すべき遺伝子の
塩基配列の一部ではなく、その相補的な塩基配列を領域
として選択する必要があるので、本ステップにおいては
この相補的な塩基配列を有する領域候補について所定の
条件を満たしているか判断する場合もある。
【0029】所定の条件を満たしていない場合には、全
ての領域候補をチェックしたか判断する(ステップS4
9)。全ての領域候補をチェックした場合には、プライ
マー・セットの生成に失敗したことになるのでステップ
S15に戻る。ここでは単純に、6つの領域のうち1つ
でも生成できなければプライマー・セットは成り立たな
いのでステップS15に戻るようにしている。一方、ま
だ未チェックの領域候補が存在している場合にはステッ
プS41に戻る。
【0030】ステップS43において所定の条件を満た
していると判断された領域候補については、入力された
塩基配列上の変異又は多型部位を含むか否かを判断する
(ステップS45)。変異又は多型を含まないプライマ
ーを選択・生成することが目的であるならば、変異又は
多型部位を含む場合にはプライマー選択の条件を満たし
ているとはいえないので、ステップS49に移行する。
一方、領域候補が変異又は多型部位を含まない場合に
は、当該領域候補を選択して、その情報を記憶装置に格
納する(ステップS47)。そして、元の処理に戻る。
【0031】なお、変異又は多型を含むプライマーを生
成することが目的であれば、ステップS45で含むとい
う判断の場合に、当該領域候補を選択して、その情報を
記憶装置に格納する。そして、当該領域候補が変異又は
多型部位を含まない場合には、ステップS49に移行す
る。
【0032】以上のような処理を実施することにより、
単にユーザ等により指定された所定の条件を満たすだけ
ではなく、複製すべき遺伝子に含まれる変異又は多型を
考慮した形で、領域候補を選択することができる。な
お、変異又は多型を含むように領域候補を選択しても良
いし、変異又は多型を含まないように領域候補を選択し
ても良い。
【0033】このような処理を実施することにより、図
10に示すように変異又は多型を含まないプライマー・
セット若しくは変異又は多型を必ず含むプライマー・セ
ット(図示せず)の集合の中に、プライマー設計プログ
ラムが設計するプライマー・セットの集合が含まれるよ
うな形になるので、変異又は多型を含まない又は必ず含
むという目的のプライマー・セットを得ることができる
ようになる。
【0034】以上本発明の一実施の形態を説明したが、
本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図7
のステップS11において領域候補を生成していたが、
図9のステップS41において生成し且つ選択するよう
な構成にしてもよい。
【0035】また、図9のステップS49において全て
の領域候補をチェックした場合にはステップS15に戻
るような構成を示したが、例えばB3プライマーを選択
する際に適当な領域候補が見つからないという事態が生
じ得る。しかし、B3プライマー以外は既に見つかって
おり、それまでの処理の結果を全て破棄するのは効率的
なプライマー・セットの探索上問題があるので、例えば
B3プライマー選択において影響のある1又は複数の領
域の探索をやり直すという方法を採用する場合もある。
【0036】また、図8の例ではFIPプライマーのた
めのF2領域とF1c領域を先に選択するようになって
いるが、BIPプライマーのためのB2領域とB1c領
域を先に選択するようにしてもよい。また、F2領域と
F1c領域選択の順番も入れ替え可能である。同様にB
2領域とB1c領域の選択順も入れ替え可能である。い
ずれにしても、FIPプライマーの生成の後にF3プラ
イマーを選択し、BIPプライマーの生成の後にB3プ
ライマーを選択する方が、選択処理の効率化が図られる
ことが分かっている。
【0037】また、図9のステップS43における所定
の条件については塩基長及び他の領域との距離について
の条件を示したが、例えば領域の結合度を表す末端安定
度や、2本鎖DNAが熱変性して1本鎖となる温度であ
るTm値についての条件も判断するほうが良い場合もあ
る。この点については、例えば羊土社発行の雑誌「Bio
ベンチャー」、Vol.1,No.1, 2001年7,8月号、p109-p11
5、高野弘、渡辺恵子著に記載がある。
【0038】なお、本発明の適用はLAMP法に限定さ
れるものではなく、PCR法その他の遺伝子増幅法にお
けるプライマー設計において適用可能である。
【0039】(付記1)複製すべき遺伝子の塩基配列に
関する情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、前記
複製すべき遺伝子の塩基配列における変異又は多型の位
置に関する情報を取得し、記憶装置に格納する手段と、
前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報及び前記
変異又は多型の位置に関する情報を用いて、変異又は多
型に関する条件を含む所定の条件を満たすプライマーの
情報を生成し、記憶装置に格納するプライマー情報生成
手段と、を含むプライマー設計装置。
【0040】(付記2)前記変異又は多型に関する条件
が、プライマー内に前記変異又は多型を含まないという
条件であることを特徴とする付記1記載のプライマー設
計装置。
【0041】(付記3)前記プライマー情報生成手段
が、前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報から
所定の条件を満たすプライマーを構成する領域を抽出す
る手段と、前記変異又は多型の位置に関する情報に基づ
き、抽出された前記プライマーを構成する領域が変異又
は多型を含まないかを判断する手段と、を含む付記2記
載のプライマー設計装置。
【0042】(付記4)前記変異又は多型に関する条件
が、プライマー内に前記変異又は多型を含むという条件
であることを特徴とする付記1記載のプライマー設計装
置。
【0043】(付記5)前記所定の条件が、プライマー
又はプライマーの領域の塩基長とプライマーを構成する
領域間の距離の少なくともいずれかを含むことを特徴と
する付記1乃至4のいずれか1つ記載のプライマー設計
装置。
【0044】(付記6)前記複製すべき遺伝子の3'末
端から順にF3c領域、F2c領域及びF1c領域が、
前記複製すべき遺伝子の5'末端からB3領域、B2領
域及びB1領域が規定される場合、前記プライマー情報
生成手段が、変異又は多型に関する条件を含む所定の条
件を満たすように、前記F3c領域と相補的なF3領域
を有するプライマーの情報と、前記F2c領域と相補的
なF2領域の情報と、前記F1c領域の情報と、前記B
3領域を有するB3プライマーの情報と、前記B2領域
の情報と、前記B1領域と相補的なB1c領域の情報と
を生成することを特徴とする付記1乃至5記載のプライ
マー設計装置。
【0045】(付記7)前記プライマー情報生成手段
が、前記F2領域及び前記F1c領域の情報の生成後に
前記F3プライマーの情報を生成し、前記B2領域及び
前記B1c領域の情報の生成後に前記B3プライマーの
情報を生成することを特徴とする付記6記載のプライマ
ー生成装置。
【0046】(付記8)前記プライマー生成手段が、前
記F2領域及び前記F1c領域を組み合わせてFIPプ
ライマーを生成し、前記B2領域及び前記B1c領域を
組み合わせてBIPプライマーを生成することを特徴と
する付記6又は7記載のプライマー生成装置。
【0047】(付記9)複製すべき遺伝子の塩基配列に
関する情報を取得し、記憶装置に格納するステップと、
前記複製すべき遺伝子の塩基配列における変異又は多型
の位置に関する情報を取得し、記憶装置に格納するステ
ップと、前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
及び前記変異又は多型の位置に関する情報を用いて、変
異又は多型に関する条件を含む所定の条件を満たすプラ
イマーの情報を生成し、記憶装置に格納するプライマー
情報生成ステップと、を含むプライマー設計方法。
【0048】(付記10)付記9記載のプライマー設計
方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【0049】(付記11)付記10記載のプログラムを
格納した記録媒体。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、変異又は
多型部位の有無を認識して、目的のプライマーの情報を
自動的に生成できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るプライマー設計装
置のブロック図を説明するための図である。
【図2】プライマー設計の基本処理フローである。
【図3】入力塩基配列の一例を示す図である。
【図4】入力される変異又は多型の位置についての情報
の一例を示す図である。
【図5】変異又は多型位置の入力方法の一例を示す図で
ある。
【図6】出力データの一例を示す図である。
【図7】プライマー選択・生成処理についての処理フロ
ーを示す図である。
【図8】プライマー・セット生成処理についての処理フ
ローを示す図である。
【図9】プライマーを構成する1つの領域を選択する際
の処理フローを示す図である。
【図10】本発明の効果を示す図である。
【図11】LAMP法におけるプライマーを説明するた
めの図である。
【図12】従来技術の欠点を示す図である。
【符号の説明】 1 プライマー選択条件入力部 3 塩基配列入力部 5 変異又は多型部位入力部 7 プライマー選択・生成処理部 9 出力処理部 10 プライマー設計装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 納富 継宣 栃木県大田原市下石上1381−3 栄研化学 那須工場内 Fターム(参考) 4B024 AA11 AA19 AA20 CA01 CA11 CA20 HA11 HA19 HA20 4B029 AA23 BB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
    を取得し、記憶装置に格納する手段と、 前記複製すべき遺伝子の塩基配列における変異又は多型
    の位置に関する情報を取得し、記憶装置に格納する手段
    と、 前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報及び前記
    変異又は多型の位置に関する情報を用いて、変異又は多
    型に関する条件を含む所定の条件を満たすプライマーの
    情報を生成し、記憶装置に格納するプライマー情報生成
    手段と、 を含むプライマー設計装置。
  2. 【請求項2】前記変異又は多型に関する条件が、プライ
    マー内に前記変異又は多型を含まないという条件である
    ことを特徴とする請求項1記載のプライマー設計装置。
  3. 【請求項3】前記プライマー情報生成手段が、 前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報から所定
    の条件を満たすプライマーを構成する領域を抽出する手
    段と、 前記変異又は多型の位置に関する情報に基づき、抽出さ
    れた前記プライマーを構成する領域が変異又は多型を含
    まないかを判断する手段と、 を含む請求項2記載のプライマー設計装置。
  4. 【請求項4】前記所定の条件が、プライマー又はプライ
    マーを構成する領域の塩基長とプライマーを構成する領
    域間の距離の少なくともいずれかを含むことを特徴とす
    る請求項1乃至3のいずれか1つ記載のプライマー設計
    装置。
  5. 【請求項5】前記変異又は多型に関する条件が、プライ
    マー内に前記変異又は多型を含むという条件であること
    を特徴とする付記1記載のプライマー設計装置。
  6. 【請求項6】複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報
    を取得し、記憶装置に格納するステップと、 前記複製すべき遺伝子の塩基配列における変異又は多型
    の位置に関する情報を取得し、記憶装置に格納するステ
    ップと、 前記複製すべき遺伝子の塩基配列に関する情報及び前記
    変異又は多型の位置に関する情報を用いて、変異又は多
    型に関する条件を含む所定の条件を満たすプライマーの
    情報を生成し、記憶装置に格納するプライマー情報生成
    ステップと、 をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110491446A (zh) * 2019-08-27 2019-11-22 上海美吉生物医药科技有限公司 一种快速的批量化SNP/Indel引物设计的方法及系统

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