JP2003195001A - 有機フォトニック結晶 - Google Patents

有機フォトニック結晶

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JP2003195001A
JP2003195001A JP2001390526A JP2001390526A JP2003195001A JP 2003195001 A JP2003195001 A JP 2003195001A JP 2001390526 A JP2001390526 A JP 2001390526A JP 2001390526 A JP2001390526 A JP 2001390526A JP 2003195001 A JP2003195001 A JP 2003195001A
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organic
rod
photonic crystal
shaped
periodic structure
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Application number
JP2001390526A
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English (en)
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Shintaro Washisu
信太郎 鷲巣
Akinori Harada
明憲 原田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に優しいエコ材料で形成され、ナノオー
ダーの精度のものを低コストで製造でき、構造物のディ
メンジョン(直径、長さ)、屈折率等の制御が容易で、
親水性・疎水性等の機能の付加が容易であり、偏光子、
共振フィルター、光導波路等として好適な有機フォトニ
ック結晶を提供する。 【解決手段】 一次元及び多次元のいずれかの周期構造
を有し、該周期構造の少なくとも一部が有機化合物で形
成された有機フォトニック結晶である。フォトニックバ
ンドギャップが存在する態様、有機化合物が生物分解性
材料から選択される少なくとも1種である態様、生物分
解性材料が棒状有機分子である態様、棒状有機分子が、
α−ヘリックス、DNA及びアミロースから選択される
少なくとも1種である態様、棒状有機分子の側鎖に高屈
折率ナノ粒子がドープされた対湯尾、高屈折率ナノ粒子
の屈折率が2以上である態様、棒状有機分子が両親媒性
である態様などが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、偏光子、LED、
DFBレーザー、DBRレーザー、共振フィルター、光
導波路、光回路、光ファイバー、光偏向、プリズム等を
はじめとする各種分野において好適であり、低コストで
製造することができ、環境に優しいエコ材料で形成され
た有機フォトニック結晶に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報技術、バイオテクノロジー、
医療、エネルギー問題、環境問題などの多くの分野に関
し、ナノテクノロジーがその解決の鍵を握るものとして
大変注目を集めている。このナノテクノロジー分野にお
いて、とりわけ注目されているのがフォトニック結晶で
ある。このフォトニック結晶とは、誘電率の異なる2種
以上の媒質を組合せた人工的な多次元周期構造のことを
いい、構造や性質が固体結晶と似ていることから「結
晶」と称されているものである。光は電子に比べて扱い
難く、自由に折り曲げたり等することは不可能であった
が、前記フォトニック結晶によれば、光を急激に折り曲
げたり等、自在に制御することができる。このため、フ
ォトニック結晶については各種の用途・応用が考えら
れ、その研究は多岐にわたって近時盛んに行われてきて
いる。
【0003】ところで、フォトニック結晶に所望の特性
を発現させるためには、該フォトニック結晶が極めて高
精度に製造される必要がある。極めて高精度な加工を施
すには無機材料の方が容易であることから、現在提案さ
れているフォトニック結晶は、GaAs、InP、Si
、Si、TiO、PS等の無機材料を用いて、ド
ライ又はウェット・エッチング、選択成長等の方法によ
り形成されたものが殆どである。
【0004】しかし、これらの無機材料を用いて高精度
な加工を施したフォトニック結晶は、高コストである
上、廃棄プロセス等において環境汚染等の問題もある。
しかも前記無機材料の場合、構造物のディメンジョン
(直径、長さ)等の制御が容易でない、屈折率の制御が
困難である、パターニングが容易でない、ナノオーダー
の精度の構造を形成するのが容易でない、親水性・疎水
性等の機能の付加が容易でない、等の問題もある。した
がって、環境に優しいエコ材料で形成され、低コストで
得られ、偏光子、LED、DFBレーザー、DBRレー
ザー、共振フィルター、光導波路、光回路、光ファイバ
ー、光偏向、プリズム、等をはじめとする各種分野にお
いて好適なフォトニック結晶は、未だ提供されていない
のが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以下の目的
を達成することを課題とする。即ち、本発明は、前記問
題を解決し、環境に優しいエコ材料で形成され、ナノオ
ーダーの精度のものを低コストで製造することができ、
構造物のディメンジョン(直径、長さ)、屈折率等の制
御が容易で、親水性・疎水性等の機能の付加が容易であ
り、偏光子、LED、DFBレーザー、DBRレーザ
ー、共振フィルター、光導波路、光回路、光ファイバ
ー、光偏向、プリズム等をはじめとする各種分野におい
て好適な有機フォトニック結晶を提供することを目的と
する。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、 <1> 一次元及び多次元のいずれかの周期構造を有
し、該周期構造の少なくとも一部が有機化合物で形成さ
れたことを特徴とする有機フォトニック結晶である。 <2> フォトニックバンドギャップが存在する前記<
1>に記載の有機フォトニック結晶である。 <3> 有機化合物が樹脂材料から選択される少なくと
も1種である前記<1>又は<2>に記載の有機フォト
ニック結晶である。 <4> 有機化合物が生物分解性材料から選択される少
なくとも1種である前記<1>又は<2>に記載の有機
フォトニック結晶である。 <5> 生物分解性材料によるシート状有機分子の層を
複数有してなり、隣接する層の間に空隙が形成された一
次元周期構造を少なくとも有する前記<4>に記載の有
機フォトニック結晶である。 <6> 生物分解性材料による棒状有機分子を並列して
なる層を複数有してなり、隣接する層の間に空隙が形成
された一次元周期構造を少なくとも有する前記<4>に
記載の有機フォトニック結晶である。 <7> 生物分解性材料による棒状有機分子を複数立設
してなり、隣接する棒状体同士の間に空隙が形成された
二次元周期構造を少なくとも有する前記<4>に記載の
有機フォトニック結晶である。 <8> 生物分解性材料による棒状有機分子を複数互い
に密接した状態で立設してなり、該棒状有機分子の立設
方向と同方向に複数の孔部が形成された二次元周期構造
を少なくとも有する前記<4>に記載の有機フォトニッ
ク結晶である。 <9> 生物分解性材料による棒状有機分子を同方向に
かつ互いに接触しないように複数並列させた層を、該層
における棒状有機分子の長さ方向が交互に略直交するよ
うにして複数積層してなる三次元周期構造を少なくとも
有する前記<4>に記載の有機フォトニック結晶であ
る。 <10> 生物分解性材料による棒状有機分子を同方向
にかつ互いに接触しないように複数並列させた層と、板
状体とを交互に複数積層してなる三次元周期構造を少な
くとも有する前記<4>に記載の有機フォトニック結晶
である。 <11> 板状体上に、生物分解性材料による棒状有機
分子を複数立設してなり、隣接する棒状体同士の間に空
隙が形成された単位構造を複数有する三次元周期構造を
少なくとも有する前記<4>に記載の有機フォトニック
結晶である。 <12> 板状体上に、生物分解性材料による棒状有機
分子を複数互いに密接した状体で立設してなり、該棒状
有機分子の立設方向と同方向に複数の孔部が形成された
単位構造を複数有する三次元周期構造を少なくとも有す
る前記<4>に記載の有機フォトニック結晶である。 <13> シート状有機分子がβ−シート・ポリペプチ
ドである前記<5>に記載の有機フォトニック結晶であ
る。 <14> 棒状有機分子が、α−ヘリックス、DNA及
びアミロースから選択される少なくとも1種である前記
<6>から<12>のいずれかに記載の有機フォトニッ
ク結晶である。 <15> 板状体が無機層状化合物である前記<10>
から<12>のいずれかに記載の有機フォトニック結晶
である。 <16> シート状有機分子の側鎖に高屈折率ナノ粒子
がドープされた前記<13>に記載の有機フォトニック
結晶である。 <17> 棒状有機分子の側鎖に高屈折率ナノ粒子がド
ープされた前記<6>から<12>及び<14>から<
15>のいずれかに記載の有機フォトニック結晶であ
る。 <18> 高屈折率ナノ粒子の屈折率が2以上である前
記<17>に記載の有機フォトニック結晶である。 <19> 棒状有機分子が両親媒性である前記<6>か
ら<12>、<14>から<15>及び<17>から<
18>のいずれかに記載の有機フォトニック結晶であ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の有機フォトニック結晶
は、一次元及び多次元のいずれかの周期構造を少なくと
も一部に有し、該周期構造の少なくとも一部が有機化合
物で形成されている。前記有機フォトニック結晶におい
ては、その全部が前記有機化合物で形成されていてもよ
いし、その一部が前記有機化合物で形成されていてもよ
い。
【0008】本発明の有機フォトニック結晶は、偏光
子、LED、DFBレーザー、DBRレーザー、共振フ
ィルター、光導波路、光回路、光ファイバー、光偏向、
プリズム等に応用乃至適用する観点からは、フォトニッ
クバンドギャップが存在しているのが好ましい。
【0009】前記フォトニックバンドギャップは、あら
ゆる方向の光伝搬が禁止される禁制帯を意味する。この
禁制帯に相当する周波数帯では、有機フォトニック結晶
の外部の光は該有機フォトニック結晶の内部には進入す
ることができず反射され、また、有機フォトニック結晶
の内部の光は該フォトニック結晶の外部に漏出すること
ができない。
【0010】本発明の有機フォトニック結晶にフォトニ
ックバンドギャップが存在する場合、該フォトニックバ
ンドギャップ中に不均一要素を導入すれば光の局在が起
こり、共振周波数が現れるので、共振器、光導波路等の
設計が容易である点で有利である。
【0011】本発明の有機フォトニック結晶にフォトニ
ックバンドギャップが存在する場合、該有機フォトニッ
ク結晶における周期構造の周期は、該フォトニックバン
ドギャップ(PBG)によって制限される光の波長の約
1/2程度必要であり、例えば、波長1μmの光に対し
て該周期は約0.5μmであることが必要であり、該有
機フォトニック結晶部分の大きさは約0.2μmである
ことが必要であり、この有機フォトニック結晶が5列程
度必要である。なお、該有機フォトニック結晶において
許容される寸法誤差は10nm程度である。
【0012】本発明の有機フォトニック結晶における周
期構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選
択することができ、一次元及び多次元から選択される。
なお、前記多次元としては、二次元又は三次元が挙げら
れる。
【0013】ここで、本発明の有機フォトニック結晶に
おける周期構造の具体例としては、表1及び図1〜7に
示した、一次元周期構造、二次元周期構造、三次元周期
構造などが挙げられる。
【0014】
【表1】
【0015】前記一次元周期構造としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、図1に示すような深い回折格子型の周期構造、図2
に示すようなエアギャップ型の周期構造、図3に示すよ
うなエアブリッジ型の周期構造などが挙げられる。
【0016】前記二次元周期構造としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、図4に示すような垂直孔型の周期構造、図5に示す
ような柱型の周期構造などが挙げられる。
【0017】前記三次元周期構造としては、特に制限は
なく、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、図6に示すような斜め孔型の周期構造、図7に示す
ような角材の積層型の周期構造、ハニカム状層の積層型
の周期構造、球の堆積型の積層構造、などが挙げられ
る。
【0018】本発明においては、前記周期構造の中で
も、以下の具体的な周期構造が好適に挙げられる。前記
一次元周期構造としては、シート状有機分子の層を複数
有してなり、隣接する層の間に空隙が形成された一次元
周期構造、棒状有機分子を並列してなる層を複数有して
なり、隣接する層の間に空隙が形成された一次元周期構
造、などが好適に挙げられる。
【0019】前記二次元周期構造としては、棒状有機分
子を複数立設してなり、隣接する棒状体同士の間に空隙
が形成された二次元周期構造、棒状有機分子を複数互い
に密接した状態で立設してなり、該棒状有機分子の立設
方向と同方向に複数の孔部が形成された二次元周期構
造、などが好適に挙げられる。
【0020】前記三次元周期構造としては、棒状有機分
子を同方向にかつ互いに接触しないように複数並列させ
た層を、該層における棒状有機分子の長さ方向が交互に
略直交するようにして複数積層してなる三次元周期構
造、棒状有機分子を同方向にかつ互いに接触しないよう
に複数並列させた層と、板状体とを交互に複数積層して
なる三次元周期構造、板状体上に、棒状有機分子を複数
立設してなり、隣接する棒状体同士の間に空隙が形成さ
れた単位構造を複数有する三次元周期構造、板状体上
に、棒状有機分子を複数互いに密接した状体で立設して
なり、該棒状有機分子の立設方向と同方向に複数の孔部
が形成された単位構造を複数有する三次元周期構造、な
どが好適に挙げられる。
【0021】−有機化合物− 前記有機化合物としては、特に制限はなく、目的に応じ
て適宜選択することができるが、例えば、樹脂材料、生
物分解性材料などが挙げられる。これらの中でも、環境
への影響が少ない点で生物分解性材料が好ましい。
【0022】−−樹脂材料−− 前記樹脂材料としては、特に制限はなく、目的に応じて
適宜選択することができるが、高精度の加工への適性の
点で、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬化性
樹脂等の硬化性樹脂などが好適に挙げられる。
【0023】前記熱可塑性物質としては、特に制限はな
く、目的に応じて適宜選択することができるが、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリ
メタクリル酸メチルなど、重縮合系のポリアミド、ポリ
エステル、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキシ
ド、重付加系の熱可塑性ポリウレタン、開環重合系のポ
リアセタールなどが挙げられる。
【0024】前記硬化性樹脂としては、例えば、エポキ
シ樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、などが挙げ
られる。前記硬化性樹脂は、ガラス繊維、木粉、パル
プ、アスベスト、炭酸カルシウム等の充填材が添加され
ていてもよい。
【0025】−−生物分解性材料−− 前記生物分解性材料としては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができるが、例えば、生分解性
プラスチック、タンパク、糖類、核酸、脂質などが挙げ
られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種
以上を併用してもよい。
【0026】−−−生分解性プラスチック−−− 前記生分解性プラスチックとしては、例えば、カードラ
ン、プルラン、バクテリアセルロース、ポリアミノ酸、
キチン、キトサン、海産多糖類、セルロース等、また、
ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリカプロラクトン、脂
肪族共重合ポリエステル、ポリウレタン樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコ
ール等の化学合成で得られるもの、などが挙げられる。
前記生分解性プラスチックは、目的に応じて、適宜選択
した側鎖等を有していてもよい。
【0027】−−−タンパク−−− 前記タンパクとしては、特に制限はなく、目的に応じて
適宜選択することができ、一次構造、二次構造、三次構
造、四次構造のいずれであってもよいが、α−ヘリック
ス構造、β−シート構造などが好ましい。前記タンパク
を構成するアミノ酸としては、特に制限はなく、目的に
応じて適宜選択することができ、アラニン、バリン、ロ
イシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、
トリプトファン、メチオニン、グリシン、セリン、トレ
オニン、システイン、グルタミン、アスパラギン、チロ
シン、リジン、アルギニン、ヒスチジン、アスパラギン
酸、グルタミン酸、などが挙げられる。前記タンパク
は、目的に応じて、適宜選択した糖鎖等を有していても
よい。
【0028】−−−糖類−−− 前記糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、例えば、公知の多糖類が挙げら
れ、具体的には、セルロース、キチン、デンプン、グリ
コーゲン等、また、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、ヘパリン等のヘテロ多糖、ペプチドグリカン等の糖
タンパク、などが挙げられる。前記糖類は、目的に応じ
て、適宜選択した側鎖等を有していてもよい。
【0029】−−−核酸−−− 前記核酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、例えば、DNA、RNAなどが挙
げられる。前記核酸は、目的に応じて、適宜選択した側
鎖等を有していてもよい。
【0030】−−−脂質−−− 前記脂質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜
選択することができ、例えば、中性脂肪、ろう等の単純
脂質、グリセロリン脂質、スフィンゴリン脂質、糖脂質
等の複合脂質、などが挙げられる。前記脂質は、目的に
応じて、適宜選択した側鎖等を有していてもよい。
【0031】本発明においては、前記有機化合物の中で
も、棒状有機分子、シート状有機分子等が特に好まし
い。
【0032】−−棒状有機分子−− 前記棒状有機分子としては、その形状、構造、材質等に
ついて特に制限はなく、本発明の効果を害しない範囲内
において適宜選択することができるが、例えば、生体高
分子、多糖類、液晶、ロッド型ポリマーなどが挙げられ
る。
【0033】前記生体高分子としては、例えば、導電性
繊維状蛋白、α−ヘリックス・ポリペプチド、核酸(D
NA、RNA)などが好適に挙げられる。該導電性繊維
状蛋白としては、例えば、α−ケラチン、ミオシン、エ
ピダーミン、フィブリノゲン、トロポマイシン、絹フィ
ブロイン等のα−ヘリックス構造を有するものが挙げら
れる。前記多糖類としては、例えば、アミロースなどが
好適に挙げられる。
【0034】前記液晶としては、例えば、棒状液晶性分
子、ディスコティック液晶分子、あるいはこれらの液晶
にナノ構造体を添加して該液晶を一次元乃至3次元の結
晶化したもの、などが挙げられる。
【0035】前記棒状液晶分子としては、例えば、アゾ
メチン化合物、アゾキシ化合物、シアノビフェニル化合
物、シアノフェニルエステル化合物、安息香酸エステル
化合物、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル化
合物、シアノフェニルシクロヘキサン化合物、シアノ置
換フェニルピリミジン化合物、アルコキシ置換フェニル
ピリミジン化合物、フェニルジオキサン化合物、トラン
化合物、アルケニルシクロヘキシルベンゾニトリル化合
物などが挙げられる。また、高分子液晶性分子も好適に
挙げられる。
【0036】前記ディスコティック液晶性分子として
は、種々の文献(C.Destrade.,eta
l.,Mol.Crysr.Liq.Cryst.,v
ol.71,page111(1981);日本化学会
編、李刊化学総説、No.22、液晶の化学、第5章、
第10章第2節(1994);B.Kohne et
al.,Angew,Chem.Soc.Chem.C
omm.page 1794(1985);J.Zha
ng et al.,J.Am.Chem.Soc.,
Vo1 116,page 2655(1994))、
及び、特開平5−5837号、特開平8−27284
号、特開平8−334621号、特開平9−10465
6号の各公報に記載の化合物などが挙げられる。
【0037】前記ナノ構造体としては、特に制限はなく
目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シ
リコン、金等の微粒子、液滴、などが挙げられる。前記
ナノ構造体は、結晶化された液晶中では、通常、数nm
〜数100nm程度の間隔で位置している。
【0038】前記ロッド型ポリマーは、前記熱可塑性樹
脂等の樹脂材料のモノマー分子を自己組織化させること
により三次元のロッド型に集合させてなるポリマーであ
る。前記ロッド型ポリマーは、例えば、前記モノマー分
子を機械的結合や分子間力等により連鎖・集合させるこ
とにより、チューブ状、繊維状等のロッド型ポリマーが
得られる。
【0039】前記棒状有機分子の中でも、安定に棒状を
維持することができる点で、前記ナノ構造体により棒状
結晶化した液晶、ロッド型ポリマー、分子がらせん構造
を有するらせん状有機分子、などが好ましい。
【0040】前記らせん状有機分子としては、上述した
ものの内、α−ヘリックス・ポリペプチド、DNA、ア
ミロースなどが該当し、これらの中でも、α−ヘリック
ス・ポリペプチド、DNA及びアミロースから選択され
る少なくとも1種であるのが好ましく、α−ヘリックス
・ポリペプチドがより好ましい。
【0041】前記棒状有機分子の外径としては、特に制
限はなく、本発明の効果を害しない範囲内において適宜
選択することができるが、該棒状有機分子を立設して使
用する場合には、例えば、10〜100nm程度であ
る。前記棒状有機分子の外径は、例えば、側鎖の導入、
螺旋軸に棒状部材の導入、該棒状有機分子の複数束化な
どにより適宜調整することができる。
【0042】前記棒状有機分子の長さとしては、特に制
限はなく、本発明の効果を害しない範囲内において適宜
選択することができるが、該棒状有機分子を立設して使
用する場合には、例えば、100〜10000nm程度
であり、該棒状有機分子を並列して使用する場合には、
例えば、100〜10000nm程度である。前記棒状
有機分子の長さは、例えば、重合度の変更、棒状有機分
子の結合、側鎖の導入などにより適宜調整することがで
きる。
【0043】〔α−ヘリックス・ポリペプチド〕前記α
−ヘリックス・ポリペプチドは、ポリペプチドの二次構
造の一つであり、アミノ酸3.6残基ごとに1回転(1
らせんを形成)し、4番目ごとのアミノ酸のイミド基
(−NH−)とカルボニル基(−CO−)との間に螺旋
軸とほぼ平行な水素結合を作り、7アミノ酸を一単位と
して繰り返すことによりエネルギー的に安定な構造を有
している。
【0044】前記α−ヘリックス・ポリペプチドのらせ
ん方向としては、特に制限はなく、右巻きであってもよ
いし、左巻きであってもよい。なお、天然には安定性の
点から前記らせん方向が右巻きのものしか存在しない。
【0045】前記α−ヘリックス・ポリペプチドを形成
するアミノ酸としては、α−ヘリックス構造を形成可能
であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択するこ
とができるが、該α−ヘリックス構造を形成し易いもの
が好ましく、このようなアミノ酸としては、例えば、ア
スパラギン酸(Asp)、グルタミン酸(Glu)、ア
ルギニン(Arg)、リジン(Lys)、ヒスチジン
(His)、アスパラギン(Asn)、グルタミン(G
ln)、セリン(Ser)、スレオニン(Thr)、ア
ラニン(Ala)、バリン(Val)、ロイシン(Le
u)、イソロイシン(Ile)、システイン(Cy
s)、メチオニン(Met)、チロシン(Tyr)、フ
ェニルアラニン(Phe)、トリプトファン(Trp)
などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用さ
れてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
【0046】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの親性
としては、前記アミノ酸を適宜選択することにより、親
水性、疎水性、両親媒性のいずれにも変え得るが、前記
親水性とする場合、前記アミノ酸としては、セリン(S
er)、スレオニン(Thr)、アスパラギン酸(As
p)、グルタミン酸(Glu)、アルギニン(Ar
g)、リジン(Lys)、アスパラギン(Asn)、グ
ルタミン(Gln)などが好適に挙げられ、前記疎水性
とする場合、前記アミノ酸としては、フェニルアラニン
(Phe)、トリプトファン(Trp)、イソロイシン
(Ile)、チロシン(Tyr)、メチオニン(Me
t)、ロイシン(Leu)、バリン(Val)などが挙
げられる。
【0047】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
においては、該α−ヘリックスを形成する前記アミノ酸
における、ペプチド結合を構成しないカルボキシル基
を、エステル化することにより疎水性にすることがで
き、一方、該エステル化されたカルボキシル基を加水分
解することにより親水性にすることができる。
【0048】前記アミノ酸としては、L−アミノ酸、D
−アミノ酸、これらの側鎖部分が修飾された誘導体など
のいずれであってもよい。
【0049】前記α−ヘリックス・ポリペプチドにおけ
るアミノ酸の結合個数(重合度)としては、特に制限は
なく目的に応じて適宜選択することができるが、10〜
5000であるのが好ましい。前記結合個数(重合度)
が、10未満であると、ポリアミノ酸が安定なα−ヘリ
ックスを形成できなくなることがあり、5000を超え
ると、垂直配向させることが困難となることがある。
【0050】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの具体
例としては、例えば、ポリ(γ−メチル−L−グルタメ
ート)、ポリ(γ−エチル−L−グルタメート)、ポリ
(γ−ベンジル−L−グルタメート)、ポリ(L−グル
タミン酸−γ−ベンジル)、ポリ(n−ヘキシル−L−
グルタメート)等のポリグルタミン酸誘導体、ポリ(β
−ベンジル−L−アスパルテート)等のポリアスパラギ
ン酸誘導体、ポリ(L−ロイシン)、ポリ(L−アラニ
ン)、ポリ(L−メチオニン)、ポリ(L−フェニルア
ラニン)、ポリ(L−リジン)−ポリ(γ−メチル−L
−グルタメート)などのポリペプチド、が好適に挙げら
れる。
【0051】前記α−ヘリックス・ポリペプチドとして
は、市販のものであってもよいし、公知文献等に記載の
方法に準じて適宜合成乃至調製したものであってもよ
い。
【0052】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
の一例として、ブロックコポリペプチド〔ポリ(L−リ
ジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタメート)
60〕PLLZ25−PMLG60の合成をここで示す
と次の通りである。即ち、ブロックコポリペプチド〔ポ
リ(L−リジン)25−ポリ(γ−メチル−L−グルタ
メート)60〕PLLZ25−PMLG60は、下記式
で示したように、n−ヘキシルアミンを開始剤として用
い、Nε−カルボベンゾキシ L−リジン Nα−カル
ボキシ酸無水物(LLZ−NCA)の重合を行い、続け
てγ−メチル L−グルタメート N−カルボキシ酸無
水物(MLG−NCA)の重合を行うことにより合成す
ることができる。
【0053】
【化1】
【0054】前記α−ヘリックス・ポリペプチドの合成
は、上記方法に限られず、遺伝子工学的方法により合成
することもできる。具体的には、前記目的とするポリペ
プチドをコードするDNAを組み込んだ発現ベクターに
より宿主細胞を形質転換し、この形質転換体を培養する
こと等により製造することができる。前記発現ベクター
としては、例えば、プラスミドベクター、ファージベク
ター、プラスミドとファージとのキメラベクター、など
が挙げられる。前記宿主細胞としては、大腸菌、枯草菌
等の原核微生物、酵母菌等の真核微生物、動物細胞など
が挙げられる。
【0055】また、前記α−ヘリックス・ポリペプチド
は、α−ケラチン、ミオシン、エピダーミン、フィブリ
ノゲン、トロポマイシン、絹フィブロイン等の天然の導
電性繊維状蛋白からそのα−ヘリックス構造部分を切り
出すことにより調製してもよい。
【0056】〔DNA〕前記DNAは、1本鎖DNAで
あってもよいが、安定に棒状を維持することができ、内
部に他の物質をインターカレートできる等の点で2本鎖
DNAであるのが好ましい。前記2本鎖DNAは、一つ
の中心軸の回りに、右巻きらせん状の2本のポリヌクレ
オチド鎖が互いに逆方向に延びた状態で位置して形成さ
れた2重らせん構造を有する。前記ポリヌクレオチド鎖
は、アデニン(A)、チミン(T)、グアニン(G)及
びシトシン(C)の4種類の核酸塩基で形成されてお
り、前記ポリヌクレオチド鎖において前記核酸塩基は、
中心軸に対して垂直な平面内で互いに内側に突出した形
で存在して、いわゆるワトソン−クリック型塩基対を形
成し、アデニンに対してはチミンが、グアニンに対して
はシトシンが、それぞれ特異的に水素結合している。そ
の結果、前記2本鎖DNAにおいては、2本のポリペプ
チド鎖が互いに相補的に結合している。
【0057】前記DNAは、公知のPCR(Polym
erase Chain Reaction)法、LC
R(Ligase chain Reaction)
法、3SR(Self−sustained Sequ
ence Replication)法、SDA(St
rand Displacement Amplifi
cation)法等により調製することができるが、こ
れらの中でもPCR法が好適である。
【0058】また、前記DNAは、天然の遺伝子から制
限酵素により酵素的に直接切り出して調製してもよい
し、遺伝子クローニング法により調製してもよいし、化
学合成法により調製してもよい。
【0059】前記遺伝子クローニング法の場合、例え
ば、正常核酸を増幅したものをプラスミドベクター、フ
ァージベクター、プラスミドとファージとのキメラベク
ター等から選択されるベクターに組み込み、大腸菌、枯
草菌等の原核微生物、酵母等の真核微生物、動物細胞な
どから選択される増殖可能な任意の宿主に導入すること
により前記DNAを大量に調製することができる。前記
化学合成法としては、例えば、トリエステル法、亜リン
酸法などのような、液相法又は不溶性の担体を使った固
相合成法などが挙げられる。前記化学合成法の場合、公
知の自動合成機等を用い、1本鎖のDNAを大量に調製
した後、アニーリングを行うことにより、2本鎖DNA
を調製することができる。
【0060】〔アミロース〕前記アミロースは、高等植
物の貯蔵のためのホモ多糖類であるデンプンを構成する
D−グルコースがα−1,4結合で直鎖状につながった
らせん構造を有する多糖である。前記アミロースの分子
量としては、数平均分子量で、数千〜15万程度が好ま
しい。前記アミロースは、市販のものであってもよい
し、公知の方法に従って適宜調製したものであってもよ
い。なお、前記アミロースは、その一部にアミロペクチ
ンが含まれていても構わない。
【0061】前記棒状有機分子の長さとしては、特に制
限はなく目的に応じて適宜選択することができる。
【0062】前記棒状有機分子の径としては、特に制限
はないが、前記α−ヘリックス・ポリペプチドの場合に
は0.8〜2.0nm程度である。
【0063】前記棒状有機分子は、その全部が疎水性又
は親水性であってもよく、また、その一部が疎水性又は
親水性であり、他の部分が該一部と逆の親性を示す両親
媒性であってもよい。前記棒状有機分子が前記両親媒性
であると、これを油相中又は水相中で分散させるとエマ
ルジョンが得られ、成膜化が容易である、LB法(ラン
グミュア−ブロジェット法)により水面展開し、所望の
基板上に分子を配列させることができる等の点で好まし
い。
【0064】ここで、前記両親媒性の棒状有機分子の一
例を図7に示す。図7において、棒状有機分子10は、
その一端側に疎水性部10aを、その他端側に親水性部
10bを有する。
【0065】本発明においては、前記棒状有機分子の直
鎖末端又は側鎖に、対象分子と相互作用可能な作用部を
有していてもよい。該棒状有機分子が該作用部を有して
いる場合、該作用部と相互作用する対象分子を用いるこ
とにより、該棒状有機分子の配置等の制御が容易となる
点で有利である。具体的には、例えば基板上等に前記対
象分子を配置させておき、該基板上に該対象分子と相互
作用可能な作用部を有する棒状有機分子を付与すると、
該作用分子と該作用部との相互作用により該棒状有機分
子の該基板上での配置等を容易に制御することができ
る。
【0066】前記作用部としては、前記対象分子と相互
作用できれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択す
ることができる。前記相互作用の態様としては、特に制
限はないが、物理吸着、化学吸着などが挙げられる。こ
れらは、例えば、水素結合、分子間力(ファン・デル・
ワールス力)、配位結合、イオン結合、共有結合などが
挙げられる。
【0067】前記作用部の具体例としては、例えば、包
接化合物、抗体、核酸、ホルモンレセプター、レクチ
ン、生理活性物質受容体などが好適に挙げられる。これ
らの中でも、任意の配線を容易に形成することができる
点で、核酸が好ましく、1本鎖DNA、RNAがより好
ましい。
【0068】前記対象分子としては、前記作用部がそれ
ぞれ、前記包接化合物の場合にはゲスト(包接される成
分)であり、前記抗体の場合には抗原であり、前記核酸
の場合には核酸、チューブリン、キチン等であり、前記
ホルモンレセプターの場合にはホルモンであり、前記レ
クチンの場合には糖等であり、前記生理活性物質受容体
の場合には生理活性物質である。
【0069】前記包接化合物としては、分子認識能(ホ
スト−ゲスト結合能)を有する限り特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択することができ、例えば、筒状(一
次元)の空洞を有するもの、層状(二次元)の空洞を有
するもの、かご状(三次元)の空洞を有するもの、など
が好適に挙げられる。
【0070】前記筒状(一次元)の空洞を有する包接化
合物としては、例えば、尿素、チオ尿素、デオキシコー
ル酸、ジニトロジフェニル、ジオキシトリフェニルメタ
ン、トリフェニルメタン、メチルナフタリン、スピロク
ロマン、PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)、セル
ロース、アミロース、シクロデキストリン(但し、溶液
中では前記空洞がかご状)などが挙げられる。
【0071】前記尿素が相互作用可能な対象分子として
は、例えば、n−パラフィン誘導体などが挙げられる。
前記チオ尿素が相互作用可能な対象分子としては、例え
ば、分岐状又は環状の炭化水素などが挙げられる。前記
デオキシコール酸が相互作用可能な対象分子としては、
例えば、パラフィン類、脂肪酸、芳香族化合物などが挙
げられる。前記ジニトロジフェニルが相互作用可能な対
象分子としては、例えば、ジフェニル誘導体などが挙げ
られる。
【0072】前記ジオキシトリフェニルメタンが相互作
用可能な対象分子としては、例えば、パラフィン類、n
−アルケン類、スクアレンなどが挙げられる。前記トリ
フェニルメタンが相互作用可能な対象分子としては、例
えば、パラフィン類などが挙げられる。前記メチルナフ
タリンが相互作用可能な対象分子としては、例えば、C
16までのn−パラフィン類、分岐状パラフィン類など
が挙げられる。前記スピロクロマンが相互作用可能な対
象分子としては、例えば、パラフィン類などが挙げられ
る。前記PHTP(ペルヒドロトリフェニレン)が相互
作用可能な対象分子としては、例えば、クロロホルム、
ベンゼン、各種高分子物質などが挙げられる。前記セル
ロースが相互作用可能な対象分子としては、例えば、H
O、パラフィン類、CCl、色素、ヨウ素などが挙
げられる。前記アミロースが相互作用可能な対象分子と
しては、例えば、脂肪酸、ヨウ素などが挙げられる。
【0073】前記シクロデキストリンは、デンプンのア
ミラーゼによる分解で生成する環状のデキストリンであ
り、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリ
ン、γ−シクロデキストリンの3種が知られている。本
発明においては、前記シクロデキストリンとして、これ
らの水酸基の一部を他の官能基、例えば、アルキル基、
アリル基、アルコキシ基、アミド基、スルホン酸基など
に変えたシクロデキストリン誘導体も含まれる。
【0074】前記シクロデキストリンが相互作用可能な
対象分子としては、例えば、チモール、オイゲノール、
レゾルシン、エチレングリコールモノフェニルエーテ
ル、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−ベンゾフェノン等
のフェノール誘導体、サリチル酸、パラオキシ安息香酸
メチル、パラオキシ安息香酸エチル等の安息香酸誘導体
及びそのエステル、コレステロール等のステロイド、ア
スコルビン酸、レチノール、トコフェロール等のビタミ
ン、リモネン等の炭化水素類、イソチオシアン酸アリ
ル、ソルビン酸、ヨウ素分子、メチルオレンジ、コンゴ
ーレッド、2−p−トルイジニルナフタレン−6−スル
ホン酸カリウム塩(TNS)などが挙げられる。
【0075】前記層状(二次元)の包接化合物として
は、例えば、粘土鉱物、グラファイト、スメクタイト、
モンモリロナイト、ゼオライトなどが挙げられる。
【0076】前記粘土鉱物が相互作用可能な対象分子と
しては、例えば、親水性物質、極性化合物などが挙げら
れる。前記グラファイトが相互作用可能な対象分子とし
ては、例えば、O、HSO 、ハロゲン、ハロゲン化
物、アルカリ金属などが挙げられる。前記モンモリロナ
イトが相互作用可能な対象分子としては、例えば、ブル
シン、コデイン、o−フェニレンジアミン、ベンジジ
ン、ピペリジン、アデニン、グイアニン及びこれらのリ
ポシドなどが挙げられる。前記ゼオライトが相互作用可
能な対象分子としては、例えば、HOなどが挙げられ
る。
【0077】前記かご状(三次元)の包接化合物として
は、例えば、ヒドロキノン、気体水化物、トリ−o−チ
モチド、オキシフラバン、ジシアノアンミンニッケル、
クリプタンド、カリックスアレン、クラウン化合物など
が挙げられる。
【0078】前記ヒドロキノンが相互作用可能な対象分
子としては、例えば、HCl、SO 、アセチレン、希
ガス元素などが挙げられる。前記気体水化物が相互作用
可能な対象分子としては、例えば、ハロゲン、希ガス元
素、低級炭化水素などが挙げられる。前記トリ−o−チ
モチドが相互作用可能な対象分子としては、例えば、シ
クロヘキサン、ベンゼン、クロロホルムなどが挙げられ
る。前記オキシフラバンが相互作用可能な対象分子とし
ては、例えば、有機塩基などが挙げられる。前記ジシア
ノアンミンニッケルが相互作用可能な対象分子として
は、例えば、ベンゼン、フェノールなどが挙げられる。
前記クリプタンドが相互作用可能な対象分子としては、
例えば、NH4+、各種金属イオンなどが挙げられる。
【0079】前記カリックスアレンは、フェノールとホ
ルムアルデヒドとから適当な条件で合成されるフェノー
ル単位をメチレン基で結合した環状オリゴマーであり、
4〜8核体が知られている。これらの内、p−t−ブチ
ルカリックスアレン(n=4)が相互作用可能な対象分
子としては、例えば、クロロホルム、ベンゼン、トルエ
ンなどが挙げられる。p−t−ブチルカリックスアレン
(n=5)が相互作用可能な対象分子としては、例え
ば、イソプロピルアルコール、アセトンなどが挙げられ
る。p−t−ブチルカリックスアレン(n=6)が相互
作用可能な対象分子としては、例えば、クロロホルム、
メタノールなどが挙げられる。p−t−ブチルカリック
スアレン(n=7)が相互作用可能な対象分子として
は、例えば、クロロホルムなどが挙げられる。
【0080】前記クラウン化合物としては、電子供与性
のドナー原子として酸素を持つクラウンエーテルのみで
はなく、そのアナログとして窒素、硫黄などのドナー原
子を環構造構成原子として持つ大環状化合物を含み、ま
た、クリプタンドを代表する2個以上の環よりなる複環
式クラウン化合物も含まれ、例えば、シクロヘキシル−
12−クラウン−4、ジベンゾ−14−クラウン−4、
t−ブチルベンゾ−15−クラウン−5、ジベンゾ−1
8−クラウン−6、ジシクロヘキシル−18−クラウン
−6、18−クラウン−6、トリベンゾ−18−クラウ
ン−6、テトラベンゾ−24−クラウン−8、ジベンゾ
−26−クラウン−6などが挙げられる。
【0081】前記クラウン化合物が相互作用可能な対象
分子としては、例えば、Li,Na、K等のアルカリ金
属、Mg、Ca等のアルカリ土類金属などの各種金属イ
オン、NH4+、アルキルアンモニウムイオン、グアニ
ジウムイオン、芳香族ジアゾニウムイオンなどが挙げら
れ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。ま
た、該クラウン化合物が相互作用可能な対象分子として
は、これら以外にも、酸性度が比較的大きいC−H(ア
セトニトリル、マロンニトリル、アジポニトリルな
ど)、N−H(アニリン、アミノ安息香酸、アミド、ス
ルファミド誘導体など)、O−H(フェノール、酢酸誘
導体など)ユニットを有する極性有機化合物などが挙げ
られ、該クラウン化合物はこれらと錯体を形成する。
【0082】−−シート状有機分子−− 前記シート状有機分子としては、その大きさ、形状、構
造、材質等について特に制限はなく、本発明の効果を害
しない範囲内において適宜選択することができるが、例
えば、前記熱可塑性樹脂や硬化性樹脂等を成形してなる
シート、β−シート・ポリペプチド、前記棒状有機分子
を配列させてなる単分子膜又はそれによる積層膜、など
が好ましい。
【0083】前記棒状有機分子を配列させてなる単分子
膜又はそれによる積層膜としては、特に制限はなく、目
的に応じて適宜選択した方法により得ることができる
が、例えば、前記両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプ
チドを配列させてなる単分子膜又はそれによる積層膜の
場合には、例えば、ラングミュア−ブロジェット法(L
B法)に従って形成することができる。なお、その際、
公知のLB膜形成装置(例えば、日本レーザー&エレク
トロニクス・ラボラトリーズ社製のNL−LB400N
K−MWCなどが好適に挙げられる)を使用することが
できる。
【0084】前記単分子膜は、例えば、α−ヘリックス
・ポリペプチドを水面上(水相上)に浮かした状態で、
即ち図9に示すように、α−ヘリックス・ポリペプチド
1を配向させた状態で押出部材60を用いて基板50上
に形成することができる。この操作を繰り返すことによ
り、基板50上に該単分子膜を任意の数だけ積層した前
記積層膜を形成することができる。このとき、基板50
としては、特に制限はなく、目的に応じてその材質、形
状、大きさ等を適宜選択することができるが、後述する
板状体などが好ましく、その表面は、適宜、α−ヘリッ
クス・ポリペプチド1が付着乃至結合し易くする目的で
予め表面処理を行っておくのが好ましく、具体的には、
α−ヘリックス・ポリペプチド1が親水性である場合に
は、オクタデシル・トリメチルシロキサンなどを用いた
親水化処理等の表面処理を予め行っておくのが好まし
い。
【0085】なお、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペ
プチドの単分子膜を形成する際に、該両親媒性のα−ヘ
リックス・ポリペプチドを油相又は水相上に浮かべた状
態としては、図10に示す通り、前記水相又は油相上
で、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチド10の疎
水性部10a同士が互いに隣接して配向し、親水性部1
0b同士が互いに隣接して配向している。
【0086】以上は前記α−ヘリックス・ポリペプチド
が単分子膜の平面方向に配向(横に寝た状態)した単分
子膜又はそれによる積層膜の例であるが、該α−ヘリッ
クス・ポリペプチドが単分子膜の厚み方向に配向(立設
した状態)した単分子膜は、例えば、以下のようにして
形成することができる。即ち、図11に示すように、ま
ず、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチド10を水
面上(水相上)に浮かした状態(横に寝た状態)で、該
水(水相)のpHを12程度のアルカリ性にする。する
と、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチド10にお
ける親水性部10bが、そのα−ヘリックス構造が解け
てランダムな構造をとる。このとき、両親媒性のα−ヘ
リックス・ポリペプチド10における疎水性部10aは
α−ヘリックス構造を維持したままである。次に、該水
(水相)のpHを5程度の酸性にする。すると、両親媒
性のα−ヘリックス・ポリペプチド10における親水性
部10bが、再びα−ヘリックス構造をとるようにな
る。このとき、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチ
ド10に対し、該両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプ
チド10に当接させた押圧部材60をその側面からエア
ーの圧力で押すと、該両親媒性のα−ヘリックス・ポリ
ペプチド10は該水(水相)に対し立設した状態のまま
その親水性部10bが水相中でその水面と略直交する方
向に向かってα−ヘリックス構造をとるようになる。そ
して、図9を用いて上述したように、両親媒性のα−ヘ
リックス・ポリペプチド10を配向させた状態で押出部
材60を用いて基板50上に押し出すことにより基板5
0上に単分子膜を形成することができる。この操作を繰
り返すことにより、基板50上に該単分子膜を任意の数
だけ積層した前記積層膜を形成することができる。
【0087】前記シート状有機分子の厚みとしては、特
に制限はなく、本発明の効果を害しない範囲内において
適宜選択することができるが、例えば、10〜1000
0nm程度である。
【0088】本発明においては、前記棒状有機分子の側
鎖及び/又は前記シート状有機分子の側鎖に、高屈折率
ナノ粒子がドープされているのが好ましい。一般にポリ
マーの屈折率は1.4〜1.6程度であるので、該高屈
折率ナノ粒子がドープさせることにより、前記シート状
有機分子及び/又は前記棒状有機分子の屈折率を向上乃
至調整することができる点で好ましい。
【0089】前記高屈折率ナノ粒子としては、屈折率
が、2以上であることが好ましく、3.0〜6.0であ
ることがより好ましい。前記屈折率が2以上であると、
媒質(例えば、空気)との大きな屈折率差が生じ、明確
な光の禁制帯(フォトニックバンドギャップ:PBG)
を形成することができる点で有利である。なお、前記屈
折率は、例えば、棒状有機分子の屈折率とドープした高
屈折率粒子の屈折率の混合比率から計算による平均値
(屈折率の加成性)から求めることができる。また、実
際のサンプルをアッベの屈折計などで実測することも可
能である。
【0090】前記高屈折率ナノ粒子の具体例としては、
金属原子、金属水酸化物、金属酸化物、金属硫化物、カ
ーボン化合物、イオン化合物、ハロゲン原子、半導体結
晶などが挙げられる。これらは、1種単独で使用しても
よいし、2種以上を併用してもよい。
【0091】前記金属原子としては、特に制限はない
が、例えば、白金、金、銀、銅、クロム、鉄、ニッケ
ル、コバルト、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、ス
ズ、インジウムなどが挙げられる。前記金属酸化物とし
ては、特に制限はないが、例えば、前記金属原子の酸化
物などが挙げられ、また、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、
酸化クロム、鉄黒、複合酸化物、チタンエロー、コバル
トブルー、セルリアンブルー、コバルトグリーン、酸化
スズ・インジウム(ITO)などが好適に挙げられる。
前記金属水酸化物としては、特に制限はないが、例え
ば、前記金属原子の水酸化物などが挙げられ、アルミナ
ホワイト、黄色酸化鉄、ピリジアンなどが挙げられる。
前記金属硫化物としては、特に制限はないが、例えば、
前記金属原子の硫化物などが挙げられ、カドミウムエロ
ー、カドミウムレッド、朱、リトボンなどが挙げられ
る。前記カーボン化合物としては、特に制限はないが、
例えば、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、カ
ーボンナノクラスター、フラーレンなどが挙げられる。
前記イオン化合物としては、特に制限はないが、クロム
酸、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、燐酸塩、ヒ酸塩、フェ
ロシアン化合物、染料等が好ましく、硫酸バリウム、炭
酸カルシウム、群青、アンガンバイオレット、コバルト
バイオレット、エメラルドグリーン、紺青などが挙げら
れる。これらの中でも、カチオン染料、フタロシアニン
染料、アゾ染料、アクリジンオレンジ、エチジウムブロ
マイドなどが好適に挙げられ、該カチオン染料として
は、例えば、塩基性染料、トリフェニルメタン染料、シ
アニン染料、複素環染料などが挙げられる。前記ハロゲ
ン原子としては、特に制限はないが、例えば、フッ素、
塩素、ヨウ素、臭素などが挙げられる。
【0092】前記高屈折率ナノ粒子のドープ量として
は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することが
できるが、高屈折率のフォトニック結晶構造(フォトニ
ックバンドギャップ)を実現するために、有機分子に対
する比率で50%以上であることが好ましい。なお、前
記高屈折率ナノ粒子のドープ量は、金属酸化物などをド
ープした場合には、分子中のヘテロ原子部分のローンペ
アや分子間空隙の籠状サイトに化学吸着、物理吸着す
る。従って、例えば、錯体などを形成すれば吸収スペク
トル変化で計測したり、蛍光X線測定、SEM−EDX
による特定原子のマッピングなどでドープ量を検出する
ことができる。
【0093】前記高屈折率ナノ粒子を前記棒状有機分子
にドープさせる方法としては、特に制限はなく公知の方
法に従って行うことができ、例えば、該棒状有機分子を
前記高屈折率ナノ粒子が含有されている液中に浸漬等す
ることにより行うことができる。
【0094】本発明の有機フォトニック結晶において
は、前記三次元周期構造中に板状体を使用することがで
き、該板状体としては、特に制限はなく、目的に応じて
適宜選択することができ、有機化合物であってもよい
し、無機化合物であってもよいが、無機層状化合物など
が特に好適に挙げられる。前記板状体として前記無機層
状化合物を使用すると、その形状因子(=高アスペクト
比)に起因して高屈折率平板を層状に積層配置し易い点
で有利である。
【0095】前記無機層状化合物としては、スメクタイ
ト、膨潤性合成雲母、膨潤性無機層状化合物が特に好適
に挙げられる。
【0096】前記スメクタイトは、中心にSiが入った
Si−O四面体が平面に広がった四面体シートと、A
l、Mg等の金属原子が中心に入った八面体シートとが
2:1で構成された構造を有する。前記四面体シートと
しては、例えば、バイデライト、ノントロナイト、ボル
コンスコアイト、サポナイトなどが挙げられる。前記八
面体シートとしては、例えば、モンモリロナイト、ヘク
トライト、スチーブンサイトなどが挙げられる。前記ス
メクタイトの中でも、天然スメクタイトとして、モンモ
リロナイト、サポナイト、ヘクトライト等が市販されて
おり、合成スメクタイトとして、サポナイト、ヘクトラ
イト、スチーブンサイト等が市販されている。
【0097】前記膨潤性合成雲母としては、例えば、N
aテトラシックマイカNaMg2. (Si10
、Na又はLiテニオライト(NaLi)Mg
i(Si10)F、Na又はLiヘクトライト
(NaLi)1/3Mg2/3Li1/3(Si
10)F、等が挙げられる。
【0098】前記膨潤性無機層状化合物は、一般式A
(B,C)2−3Si10(OH,F,O)[但
し、Aは、Na及びLiの何れか、B及びCは、Mg及
びLiの何れかである]等で表され、バーミキュライト
等が挙げられる。
【0099】前記板状体の厚みとしては、例えば、1〜
100nm程度が好ましい。前記板状体の大きさとして
は、例えば、0.1〜10μm程度が好ましい。
【0100】本発明の有機フォトニック結晶は、前記周
期構造等の違いに応じて適宜選択した方法により製造す
ることができる。例えば、前記シート状有機分子の層を
複数有してなり、隣接する層の間に空隙が形成された一
次元周期構造を有する有機フォトニック結晶は、上述し
たシート状有機分子の層をフォトニックバンドギャップ
が現れるように間隔を空けて複数配置させることにより
得られる。前記棒状有機分子を並列してなる層を複数有
してなり、隣接する層の間に空隙が形成された一次元周
期構造を有する有機フォトニック結晶は、図9を用いて
上述したように棒状有機分子を並列に配向させた層をフ
ォトニックバンドギャップが現れるように間隔を空けて
複数配置させることにより得られる。
【0101】また、棒状有機分子を複数立設してなり、
隣接する棒状体同士の間に空隙が形成された二次元周期
構造を有する有機フォトニック結晶は、両親媒性のα−
ヘリックス・ポリペプチド等の棒状有機分子をフォトニ
ックバンドギャップが現れるように間隔を空けて立設配
向させることにより得られる。なお、該立設は、図11
を用いて上述した方法や、該棒状有機分子の末端に前記
作用部を設け、前記作用分子を用いて該作用部と相互作
用させること等により行うことができる。棒状有機分子
を複数互いに密接した状態で立設してなり、該棒状有機
分子の立設方向と同方向に複数の孔部が形成された二次
元周期構造を有する有機フォトニック結晶は、両親媒性
のα−ヘリックス・ポリペプチド等の棒状有機分子を複
数互いに密接した状態で立設させ、フォトニックバンド
ギャップが現れるように孔部を複数形成することにより
得られる。該棒状有機分子を互いに密接させるには、分
子間力等を利用する方法、該棒状有機分子の周側面に前
記作用部と前記作用分子とを設け、これらの相互作用を
利用する方法等が挙げられる。
【0102】また、棒状有機分子を同方向にかつ互いに
接触しないように複数並列させた層を、該層における棒
状有機分子の長さ方向が交互に略直交するようにして複
数積層してなる三次元周期構造を有する有機フォトニッ
ク結晶は、上述したように、棒状有機分子を並列にフォ
トニックバンドギャップが現れるように間隔を空けて複
数配置させた層を、該棒状有機分子の長さ方向が略直交
するように交互に積層させることにより得られる。な
お、該層は、図9を用いて上述した方法等により形成す
ることができる。棒状有機分子を同方向にかつ互いに接
触しないように複数並列させた層と、板状体とを交互に
複数積層してなる三次元周期構造を有する有機フォトニ
ック結晶は、棒状有機分子を並列にフォトニックバンド
ギャップが現れるように間隔を空けて板状体上に複数配
置させた単位構造を、該棒状有機分子の長さ方向が略直
交するように交互に積層させることにより得られる。板
状体上に、棒状有機分子を複数立設してなり、隣接する
棒状体同士の間に空隙が形成された単位構造を複数有す
る三次元周期構造有する有機フォトニック結晶は、棒状
有機分子をフォトニックバンドギャップが現れるように
間隔を空けて板状体上に複数立設させた単位構造を積層
することにより得られる。板状体上に、棒状有機分子を
複数互いに密接した状体で立設してなり、該棒状有機分
子の立設方向と同方向に複数の孔部が形成された単位構
造を複数有する三次元周期構造を有する有機フォトニッ
ク結晶は、両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチド等
の棒状有機分子を複数互いに密接した状態で板状体上に
立設させ、フォトニックバンドギャップが現れるように
孔部を複数形成した単位構造を積層することにより得ら
れる。
【0103】本発明の有機フォトニック結晶は、環境に
優しいエコ材料で形成され、低コストで製造することが
でき、偏光子、LED、DFBレーザー、DBRレーザ
ー、共振フィルター、光導波路、光回路、光ファイバ
ー、光偏向、プリズム等をはじめとする各種分野におい
て好適である。
【0104】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0105】(実施例1)以下のようにして、両親媒性
の棒状有機分子を基板(板状体)上に間隔を空けて立設
させた単位構造を繰返単位として積層状態で有してなる
有機フォトニック結晶を作製した。
【0106】まず、棒状有機分子としての両親媒性のα
−ヘリックスブロックコポリペプチドとして、α−ヘリ
ックスコポリペプチドPLLZ25−P(MLG42
LGA18)を以下のようにして調製した。n−ヘキシ
ルアミンを開始剤として用い、Nε−カルボベンゾキシ
L−リジン Nα−カルボキシ酸無水物(LLZ−N
CA)の重合を行い、続けてγ−メチル L−グルタメ
ート N−カルボキシ酸無水物(MLG−NCA)の重
合を行うことによりPLLZ部の重合度が200、PM
LG部の重合度が60のブロックコポリペプチドPLL
200−PMLG60を調製した。その後、PMLG
セグメントを部分的に加水分解してL−グルタミン酸
(LGA)とすることでα−ヘリックスコポリペプチド
PLLZ25−P(MLG42/LGA18)を調製し
た。このα−ヘリックスコポリペプチドPLLZ25
P(MLG42/LGA )において、弱塩基性下で
ハロゲン化アルキルチオールを直接反応させることによ
り、疎水性部としてのポリL−リジン部(PLL
25)の端部に前記作用部として−SH基(チオール
基)を結合させて基板との化学結合を可能とした。
【0107】該コポリペプチドを高濃度溶液にすること
により、親水部同士の水素結合、疎水部同士の疎水性相
互作用、及び棒状分子に起因する形態的な自己配列作用
(熱力学的に安定な自己組織化)などから、平均68個
の束にすることにより、直径が約12nmである両親媒
性の棒状有機分子を得た。そして、さらに該棒状有機分
子の束に、前記高屈折率ナノ粒子として酸化ジルコニア
を結合させた。屈折率計(アタゴ社製、アッベ屈折率
計)を用いて該棒状有機分子の屈折率を測定したとこ
ろ、1.5であった。また、該高屈折率ナノ粒子を結合
させてなる、該棒状有機分子の屈折率を測定したとこ
ろ、4.5であった。
【0108】一方、前記基板(板状体)としては、スメ
クタイト(コープケミカル(株)社製、Lucenti
te SWN、厚み=数nm)を使用した。該スメクタ
イトの両表面に、電子ビームにより前記作用分子として
の金のクラスターを等間隔に描画した。なお、この作用
分子としての金と前記作用部としての−SH基とは互い
に強固に化学結合可能である。
【0109】次に、該棒状有機分子を水面上(水相上)
に浮かした状態(横に寝た状態)で、該水(水相)のp
Hを12程度のアルカリ性にする。すると、該棒状有機
分子における親水性部が、そのα−ヘリックス構造が解
けてランダムな構造をとる。このとき、該棒状有機分子
における疎水性部はα−ヘリックス構造を維持したまま
である。次に、該水(水相)のpHを5程度の酸性にす
る。すると、該棒状有機分子における親水性部が、再び
α−ヘリックス構造をとるようになる。このとき、該棒
状有機分子に対し、該棒状有機分子に当接させた押圧部
材をその側面からエアーの圧力で押すと、該棒状有機分
子は該水(水相)に対し立設した状態のままその親水性
部が水相中でその水面と略直交する方向に向かってα−
ヘリックス構造をとるようになる。そして、上述したよ
うに、該棒状有機分子を配向させた状態で押出部材を用
いて基板(板状体)上に押し出すことにより基板(板状
体)上に該棒状有機分子を立設させた単分子膜を形成す
ることができる。なお、この操作は、L−B膜形成装置
(日本レーザー&エレクトロニクス・ラボラトリー社
製、NL−LB400NK−MWC)を使用して行っ
た。そして、該基板(板状体)上に該棒状有機分子を立
設させた単分子膜を洗浄すると、該基板(板状体)上に
前記作用分子としての金のクラスターを描画した部分に
だけ、前記PHeLGが立設していた。
【0110】この該基板(板状体)上に前記棒状有機分
子が所定の間隔で立設した構造体を繰返単位の単位構造
として、この単位構造を2層積層することにより、図1
2に示すような三次元周期構造を有する有機フォトニッ
ク結晶を作製した。
【0111】前記棒状有機分子による単分子膜は、1層
当たりの厚みを算出すると1.6nmであった。この有
機フォトニック結晶においては、該棒状有機分子同士の
間隔が、270nmであり、該有機フォトニック結晶に
波長500〜600nmの光を透過させたところ、該有
機フォトニック結晶のフォトニックバンドギャップの存
在により、該光は透過することができなかった。
【0112】
【発明の効果】本発明によると、前記問題を解決するこ
とができ、環境に優しいエコ材料で形成され、ナノオー
ダーの精度のものを低コストで製造することができ、構
造物のディメンジョン(直径、長さ)、屈折率等の制御
が容易で、親水性・疎水性等の機能の付加が容易であ
り、偏光子、LED、DFBレーザー、DBRレーザ
ー、共振フィルター、光導波路、光回路、光ファイバ
ー、光偏向、プリズム、等をはじめとする各種分野にお
いて好適な有機フォトニック結晶を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、深い回折格子型の一次元周期構造を有
する有機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図
である。
【図2】図2は、エアギャップ型の一次元周期構造を有
する有機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図
である。
【図3】図3は、エアブリッジ型の一次元周期構造を有
する有機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図
である。
【図4】図4は、垂直孔型の二次元周期構造を有する有
機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図であ
る。
【図5】図5は、柱型の二次元周期構造を有する有機フ
ォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図である。
【図6】図6は、斜め孔型の三次元周期構造を有する有
機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図であ
る。
【図7】図7は、角材の積層型の三次元周期構造を有す
る有機フォトニック結晶の一構造例を示す概略説明図で
ある。
【図8】図8は、棒状有機分子としての両親媒性のα−
ヘリックス・ポリペプチドを示す概略説明図である。
【図9】図9は、α−ヘリックス・ポリペプチドによる
単分子膜の形成を示す概略説明図である。
【図10】図10は、両親媒性のα−ヘリックス・ポリ
ペプチドが水(水相)上で配向している状態の一例を示
す概略説明図である。
【図11】図11は、両親媒性のα−ヘリックス・ポリ
ペプチドを水(水相)上で立設させる方法の一例を示す
概略説明図である。
【図12】図12は、両親媒性のα−ヘリックス・ポリ
ペプチドを基板上に複数立設してなり、隣接するα−ヘ
リックス・ポリペプチド同士の間に空隙が形成された単
位構造を複数有する三次元周期構造の有機フォトニック
結晶の一例を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 α−ヘリックス・ポリペプチド 10 両親媒性のα−ヘリックス・ポリペプチド 10a 疎水性部 10b 親水性部 30 作用分子 50 基板 60 押出部材

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一次元及び多次元のいずれかの周期構造
    を有し、該周期構造の少なくとも一部が有機化合物で形
    成されたことを特徴とする有機フォトニック結晶。
  2. 【請求項2】 フォトニックバンドギャップが存在する
    請求項1に記載の有機フォトニック結晶。
  3. 【請求項3】 有機化合物が樹脂材料から選択される少
    なくとも1種である請求項1又は2に記載の有機フォト
    ニック結晶。
  4. 【請求項4】 有機化合物が生物分解性材料から選択さ
    れる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の有機
    フォトニック結晶。
  5. 【請求項5】 生物分解性材料によるシート状有機分子
    の層を複数有してなり、隣接する層の間に空隙が形成さ
    れた一次元周期構造を少なくとも有する請求項4に記載
    の有機フォトニック結晶。
  6. 【請求項6】 生物分解性材料による棒状有機分子を並
    列してなる層を複数有してなり、隣接する層の間に空隙
    が形成された一次元周期構造を少なくとも有する請求項
    4に記載の有機フォトニック結晶。
  7. 【請求項7】 生物分解性材料による棒状有機分子を複
    数立設してなり、隣接する棒状体同士の間に空隙が形成
    された二次元周期構造を少なくとも有する請求項4に記
    載の有機フォトニック結晶。
  8. 【請求項8】 生物分解性材料による棒状有機分子を複
    数互いに密接した状体で立設してなり、該棒状有機分子
    の立設方向と同方向に複数の孔部が形成された二次元周
    期構造を少なくとも有する請求項4に記載の有機フォト
    ニック結晶。
  9. 【請求項9】 生物分解性材料による棒状有機分子を同
    方向にかつ互いに接触しないように複数並列させた層
    を、該層における棒状有機分子の長さ方向が交互に略直
    交するようにして複数積層してなる三次元周期構造を少
    なくとも有する請求項4に記載の有機フォトニック結
    晶。
  10. 【請求項10】 生物分解性材料による棒状有機分子を
    同方向にかつ互いに接触しないように複数並列させた層
    と、板状体とを交互に複数積層してなる三次元周期構造
    を少なくとも有する請求項4に記載の有機フォトニック
    結晶。
  11. 【請求項11】 板状体上に、生物分解性材料による棒
    状有機分子を複数立設してなり、隣接する棒状体同士の
    間に空隙が形成された単位構造を複数有する三次元周期
    構造を少なくとも有する請求項4に記載の有機フォトニ
    ック結晶。
  12. 【請求項12】 板状体上に、生物分解性材料による棒
    状有機分子を複数互いに密接した状体で立設してなり、
    該棒状有機分子の立設方向と同方向に複数の孔部が形成
    された単位構造を複数有する三次元周期構造を少なくと
    も有する請求項4に記載の有機フォトニック結晶。
  13. 【請求項13】 シート状有機分子がβ−シート・ポリ
    ペプチドである請求項5に記載の有機フォトニック結
    晶。
  14. 【請求項14】 棒状有機分子が、α−ヘリックス、D
    NA及びアミロースから選択される少なくとも1種であ
    る請求項6から12のいずれかに記載の有機フォトニッ
    ク結晶。
  15. 【請求項15】 板状体が無機層状化合物である請求項
    10から12のいずれかに記載の有機フォトニック結
    晶。
  16. 【請求項16】 シート状有機分子の側鎖に高屈折率ナ
    ノ粒子がドープされた請求項5又は13に記載の有機フ
    ォトニック結晶。
  17. 【請求項17】 棒状有機分子の側鎖に高屈折率ナノ粒
    子がドープされた請求項6から12及び14から15の
    いずれかに記載の有機フォトニック結晶。
  18. 【請求項18】 高屈折率ナノ粒子の屈折率が2以上で
    ある請求項17に記載の有機フォトニック結晶。
  19. 【請求項19】 棒状有機分子が両親媒性である請求項
    6から12、14から15及び17から18のいずれか
    に記載の有機フォトニック結晶。
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