JP2003157300A - エネルギー供給システムの設計方法 - Google Patents

エネルギー供給システムの設計方法

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JP2003157300A
JP2003157300A JP2001356138A JP2001356138A JP2003157300A JP 2003157300 A JP2003157300 A JP 2003157300A JP 2001356138 A JP2001356138 A JP 2001356138A JP 2001356138 A JP2001356138 A JP 2001356138A JP 2003157300 A JP2003157300 A JP 2003157300A
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heat source
group
supply system
heat
energy supply
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JP2001356138A
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Minoru Tanaka
稔 田中
Toru Yamamoto
亨 山本
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E & E Planning Kk
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E & E Planning Kk
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的短時間で経済的にエネルギー供給シス
テムを設計する方法を提供する。 【解決手段】 本方法は、建物内に設置された所定機器
にエネルギーを供給するエネルギー供給システムの設計
方法である。本方法は、エネルギー供給システムの熱源
機器の種別の設置実績に基づいて、建物の延べ床面積の
範囲毎に、熱源機器の複数個の種別を選択、設定し、設
定した熱源機器の複数個の種別をグループ化した機器種
別グループを予め規定する。機器種別グループから、設
計対象の建物の延べ床面積に対応する機器種別グループ
を選択する。選択した機器種別グループに設定されてい
る熱源機器の全てを含むエネルギー供給システムの熱源
構成パターンを構成する。構成した熱源構成パターンに
従って経済的に最適な熱源機器の種別と容量を選定す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物又は建物群の
エネルギー供給システムの設計方法に関し、更に詳細に
は、設計対象の建物又は建物群のエネルギー供給システ
ムを経済的にかつ短時間で設計することができるエネル
ギー供給システムの設計方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物のエネルギー供給システムによって
供給されるエネルギーの種類、或いは建物のエネルギー
供給システムに要求されるエネルギーの種類は、多種多
様である。そのため、建物のエネルギー供給システムの
熱源を構成する熱源機器も多種多様であり、従って建物
のエネルギー供給システムの構成が多種多様である。こ
こで、熱源機器とは、供給されるエネルギーを別の種別
のエネルギーに変換して、例えば電力を温水に変換し
て、建物又は建物群にエネルギーを供給する機器又は設
備と、別の種別のエネルギーに変換することなく供給さ
れたエネルギーをその種別のままで、例えば供給された
温水をそのまま建物又は建物群にエネルギーを供給する
機器又は設備の双方を言う。
【0003】ところで、多種多様の種別のエネルギー及
び多種多様の種別の熱源機器を対象とし、熱源機器の所
要容量の検討まで含めて、供給エネルギーの種類と熱源
機器との組み合せを評価して、エネルギー供給システム
の最適設計を行う際には、数理計画法を適用して求める
のが合理的である。そして、数理計画法を適用して、エ
ネルギー供給システムの経済的技術的最適性を評価する
手法もほぼ確立されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、エネルギー供
給システムの最適設計を行う際、評価対象のエネルギー
供給システムのエネルギーの種類、及び熱源機器の組み
合せは、熱源機器の容量検討まで含めると無数に存在す
る。エネルギー供給システムの最適設計に際し、無数に
近い組み合わせについて数理計画法を適用して全てを検
討するのは、コンピュータの性能、計算時間の制約、コ
スト等のために、現実には無理である。つまり、数理計
画法を適用したエネルギー供給システムの最適設計であ
っても、少なくともエネルギーの種別や熱源機器の種別
の数を限定しない限り、供給エネルギーに対応する全て
の種別の熱源機器を評価することは、極めてコストが嵩
み、技術的、物理的にも困難であって、現実的でない。
換言すれば、同時に評価できる供給エネルギーや熱源機
器の種別の数には制約がある。
【0005】そこで、本発明の目的は、最適なエネルギ
ー供給システムを設計する際、比較的短時間で経済的に
エネルギー供給システムを設計する方法を提供すること
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
には、現実には、建物のエネルギー供給システムの設計
対象に応じて、評価すべき供給エネルギーの種類や熱源
機器の種類を限定する必要がある。つまり、建物のエネ
ルギー供給システムの目的に応じて、評価すべき供給エ
ネルギーの種類や熱源機器を限定する必要がある。
【0007】そこで、本発明者は、建物に必要とされる
エネルギーの種類、エネルギーの総需要は建物の延べ床
面積に依存してほぼ決まるので、エネルギー供給システ
ムを設計する対象の建物規模に応じて、供給エネルギー
の種類と熱源機器の種別の組み合わせからなる熱源構成
パターンの数を合理的な数の範囲内に予め設定しておく
ことにより、不必要に多数の供給エネルギーの種類と熱
源機器の組み合わせを評価する手間を省く方法を着想し
た。
【0008】本発明者は、設計対象ごとに適切な供給エ
ネルギーの種類と熱源機器の組み合せを設定するため
に、建築設備士建築設備情報年鑑を参照して、過去20
年間に竣工された合計1359物件にのぼる建物のエネ
ルギー供給システムについて調査を行った。調査結果
は、図5から図9に示す通りである。調査対象の建物
は、用途が、図5(a)に示すように、事務所、ホテ
ル、商業建築、病院、スポーツ施設、博物館、劇場・宴
会場で、竣工年が、図5(b)のうち1980年から1
999年で、延べ床面積が、図5(c)に示す通りであ
る。まず、エネルギー供給システムを構成する熱源機器
の種類の組み合わせは、図6及び図7に示すように、全
部で77種類存在している。図6及び図7の横軸のアル
ファベットの組み合わせは、エネルギー供給システムを
構成する熱源機器の種別を示す。アルファベット毎の熱
源機器の種別は、図6及び図7中の凡例に示す通りであ
る。また、図7は図6の右側に接続し、連続する図であ
って、図6と図7とにより、一つのグラフを構成してい
る。
【0009】建物の延べ床面積別では、図8に示すよう
に、5、000m2以下の延べ床面積では、空冷パッケ
ージ型(直接膨張式)ヒートポンプ(図中の)を中心
としたエネルギー供給システム、5、000m2以上5
0、000m2以下の延べ床面積では、冷温水を熱媒体
とした各種のチラータイプの機器を中心としたエネルギ
ー供給システム、つまり直焚き吸収式冷温水機(図中の
)を中心としたエネルギー供給システム、及び50、
000m2を超える延べ床面積の建物では、地域熱供給
(図中の)を中心としたエネルギー供給システムで構
成されている。ここで、直接膨張式ヒートポンプとは、
冷媒で直接、被冷却物を冷却する方法をとったヒートポ
ンプである。
【0010】また、地域熱供給を中心としたエネルギー
供給システムの構成は、図9(a)に示すように、地域
熱供給による単独供給の方式が最も多く、次いで地域熱
供給に蒸気焚き吸収式冷凍機を組み合わせた方式、続い
て水冷式又は空冷式のヒートポンプ・チラーを併用して
いる方式が挙げられる。
【0011】冷温水を熱媒体とした各種のチラータイプ
の機器を中心としたエネルギー供給システムでは、図9
(b)に示すように、直焚き吸収式冷温水機を主とする
システムが最も多く、次いで空冷ヒートポンプを主とす
るシステムが多く、続いて直焚き吸収式冷温水機とパッ
ケージ型水冷/空冷ヒートポンプとを組み合わせたシス
テムが続き、更に直焚き吸収式冷温水機と空冷ヒートポ
ンプ・チラーとを組み合わせたシステム、蒸気焚き吸収
式冷凍機を主とするシステム等が続いている。
【0012】地域熱供給を中心としたシステムと冷温水
を熱媒体とした各種のチラータイプの機器を中心とした
システムを除くエネルギー供給システムは、大部分が、
図9(c)に示すように、パッケージ型水冷/空冷ヒー
トポンプを主機器とするシステムであって、続いて温水
ボイラとパッケージ型水冷/空冷ヒートポンプとの組み
合わせ、ビル用マルチ、ガスエンジンヒートポンプが続
いている。尚、図9に図示の凡例は、図9(a)から
(c)に適用される。ビル用マルチとは、電力を動力と
する直接膨張式ヒートポンプを言う。
【0013】以上の実績及び解析結果から、エネルギー
供給システムの熱源機器の構成は、建物又は建物群の延
べ床面積毎に、特徴的であることが判る。そこで、本発
明に係るエネルギー供給システムの設計方法は、建物又
は建物群内に設置された所定機器にエネルギーを供給す
るエネルギー供給システムの設計方法であって、エネル
ギー供給システムの熱源を構成する熱源機器の種別の設
置実績に基づいて、建物又は建物群の延べ床面積の範囲
毎に、熱源機器の複数個の種別を選択、設定し、選択、
設定した熱源機器の複数個の種別をグループ化した機器
種別グループを予め規定する第1のステップと、規定さ
れた機器種別グループから、設計対象の建物又は建物群
の延べ床面積に対応する機器種別グループを選択する第
2のステップと、選択した機器種別グループに設定され
ている熱源機器の全てを含むエネルギー供給システムの
熱源構成パターンを構成する第3のステップと、構成し
た熱源構成パターンに従って最適な熱源機器の種別と容
量を選定する第4のステップと、を有することを特徴と
している。
【0014】建物又は建物群の仕様は、調査対象の建物
は、用途が、図5(a)に示すように、事務所、ホテ
ル、商業建築、病院、スポーツ施設、博物館、劇場・宴
会場で、竣工年が、図5(b)のうち1980年から1
999年で、延べ床面積が、図5(c)に示す通りであ
る。熱源構成パターンとは、供給される同じ種類のエネ
ルギー毎に、供給されるエネルギー、熱源機器、並びに
建物又は建物群で使用するエネルギーの入出力を関連付
けたエネルギー供給システムの評価モデルである。本発
明に係るエネルギー供給システムの設計方法は、設計対
象の建物又は建物群の延べ床面積に基づいて、供給エネ
ルギーの種類や熱源機器の種別の組み合わせの評価対象
を限定して、熱源構成パターンを構成し、数理計画法を
適用して計算することにより、設計対象である個々の建
物又は建物群に対応する最適な供給エネルギーの種類と
熱源機器の種別の組み合せを速やかにかつ経済的に設定
することを特徴としている。
【0015】実用的には、第1のステップでは、建物又
は建物群の延べ床面積を5,000m2 以下の第1グル
ープと、5,000m2 以上50,000m2 以下の第
2グループと、50,000m2 以上の第3グループと
に区分する。
【0016】実用的には、第1グループの熱源機器の種
別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・温水ボイラ ・蒸気ボイラ ・直接膨張式エンジン駆動式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式水冷式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式空冷式ヒートポンプ、及
び ・電力を動力とする直接膨張式蓄熱式ヒートポンプ である。
【0017】第2グループの熱源機器の種別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・温水ボイラ ・蒸気ボイラ ・吸収式冷温水機 ・電力を動力とする水冷式ヒートポンプチラー ・電力を動力とする空冷式ヒートポンプチラー ・温水を熱源とする温水焚き吸収冷凍機 ・電力を動力とし、かつ蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒート
ポンプチラー、及び ・蒸気を熱源とする蒸気焚き吸収式冷凍機 である。
【0018】第3グループの熱源機器の種別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・地域熱供給システムからの温水の受配水設備 ・地域熱供給システムからの蒸気の受配蒸気設備 ・地域熱供給システムからの冷水の受配水設備 ・電力を動力とする水冷式ヒートポンプチラー ・電力を動力とする空冷式ヒートポンプチラー ・温水を熱源とする温水焚き吸収冷凍機 ・電力を動力とし、かつ蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒート
ポンプチラー、及び ・蒸気を熱源とする蒸気焚き吸収式冷凍機である。
【0019】また、コジェネレーション・システム、温
水ボイラ、蒸気ボイラ、直接膨張式エンジン駆動式ヒー
トポンプ、及び吸収式冷温水機の燃料は、都市ガス、L
PG、灯油、重油、及びバイオマスのいずれかである。
熱源機器を構成する個別機器の詳細は、次の表1に示す
通りである。
【表1】
【0020】図2から図4に、第1グループから第3グ
ループの熱源構成パターンの一例を示す。熱源構成パタ
ーンは、図2から図4に示すように、第1グループから
第3グループの商用電力、深夜電力、燃料、及び用水な
どのエネルギーに対応する熱源機器と、熱源機器に接続
され電力、冷水、温水、給湯、蒸気などの熱源の需要を
満足させる機器から構成されている。また、表1に示す
ように、各熱源機器は各エネルギーと対応しているた
め、熱源構成パターンは、各エネルギーと各熱源機器の
対応を全てにわたって組み合せることにより構成するこ
とができる。
【0021】尚、図中の燃料とは、表1の都市ガス、L
PG、灯油、重油、バイオマス、などであり、図中の用
水とは、表1の温水、冷水である。図中のCGSはコジ
ェネレーションを、受変電は受変電設備を、水冷チラー
は水冷ヒートポンプチラーを、空冷チラーは空冷ヒート
ポンプチラーを、氷蓄熱は蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒー
トポンプチラーの空冷式氷蓄熱を、蒸気吸収冷凍機は蒸
気焚き吸収冷凍機を、水冷パッケージは水冷パッケージ
型ヒートポンプを、空冷パッケージは空冷パッケージヒ
ートポンプを指す。また、図中の水冷チラー、空冷チラ
ー、氷蓄熱、蒸気吸収冷凍機、水冷パッケージ、空冷パ
ッケージは、表1中の個別機器を記載した。図中の*印
は、エネルギー又は熱源の流れが、矢印の出力側と入力
側とで繋がっていることを示す。
【0022】また実用的には、建物又は建物群の延べ床
面積が4,000m2 以上9,000m2 以下では、第
1グループ及び第2グループの熱源構成パターンを構成
し、第1グループ及び第2グループの熱源構成パターン
に基づいて、最適な熱源機器の種別と容量を選定し、建
物又は建物群の延べ床面積が40,000m2 以上6
0,000m2 以下では、第2グループ及び第3グルー
プの熱源構成パターンを構成し、第2グループ及び第3
グループの熱源構成パターンに基づいて、最適な熱源機
器の種別と容量を選定する。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。実施形態例 本実施形態例は、本発明に係るエネルギー供給システム
の設計方法の実施形態例であり、図1は本実施形態例に
係るエネルギー供給システムの設計方法の手順を示すフ
ローチャートである。本実施形態例のエネルギー供給シ
ステムの設計方法は、数理計画法により技術的妥当性が
あり、かつ経済的なエネルギー供給システムを短時間で
構築する。本実施形態例では、まず、ステップS1 で、
設計対象のエネルギー供給システムの建物又は建物群の
延べ床面積に対応する機器種別グループを選択し、次い
で機器種別グループ内の熱源機器の全てを含む熱源構成
パターンを構成する。そして、熱源機器の機器容量の初
期値を任意に設定する。
【0024】ステップS2 では、設定した初期値に基づ
いて熱源構成パターンの年間設備償却費を算出し、次い
で、ステップS3 で熱源構成パターンの年間保守費を算
出し、ステップS4 で年間基本料金を設定する。次に、
ステップS5 で、混合整数線形計画法を用いて、運転費
用が最小となる運転方策を設定して、その運転方策での
熱源構成パターンの年間運転費を算出する。なお、この
算出では、線形計画法の定法に従って、運転費、設備費
等は、熱源機器の機器容量の関数として表示されてい
る。
【0025】続いて、ステップS6 で熱源構成パターン
の年間総費用を算出する。ステップS1 で上位レベルで
熱源機器の機器容量を決定する際には、非線形計画法を
適用して、それぞれの熱源機器の機器容量を決定するも
のの、年間総費用の算出では、目的関数である年間総費
用を最小化するように機器容量の最適値を探す。年間総
費用には、設備償却費、保守費、基本料金、及び運転費
が含まれている。また、非線形計画法は、具体的には、
逐次線形計画法を用いる。また、ステップS6 の下位レ
ベルでは、上位レベルの計算で、非線形計画法の探査段
階で得られた、それぞれの熱源機器の機器容量に対し
て、混合整数線形計画法を適用して、所定の目的に対す
る最適運用方策を決定する。上位レベルとは、非線形計
画法を用いて各熱源機器の容量を算出する計算過程を言
い、下位レベルとは、上位レベルで算出した各熱源機器
の容量に基づいて運用方策を決定する計算過程を言う。
【0026】ステップS7 では、総経費が最小かどうか
判断する。判断は、非線形計画法の探査段階で逐次得ら
れる各設計変数値の変動幅が一定値以下になれば、年間
総費用が最小値に達したものと判断して終了する。そし
て、終了した時点でのそれぞれの熱源機器の機器容量、
運用方策、及び諸費用などのデータから、最適な熱源機
器、機器容量、機器台数、運用方策を求めて、ステップ
8 で最適な熱源機器、機器容量、機器台数、運用方策
を有するエネルギー供給システムを設定することができ
る。尚、最適な熱源機器の機器容量が零のときには、そ
の熱源機器は不要であることを意味する。ステップS7
で総経費が最小でないときには、ステップS9 で熱源機
器の機器容量を再設定してステップS2 に戻り、ステッ
プS2 からステップS7 を繰り返す。
【0027】具体例 本実施形態例の具体例として、本実施形態例の方法を適
用して、5,000m 2以上50,000m2以下の建物
のエネルギー供給システムを設計した。建物の仕様は、
23,000m2の病院用途の建物である。本具体例で
は、本発明方法に従って、5,000m2以上50,0
00m2以下の建物に対応する以下の第2グループの熱
源機器を有する熱源構成パターンを想定した。 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・温水ボイラ ・蒸気ボイラ ・吸収式冷温水機 ・電力を動力とする水冷式ヒートポンプチラー ・電力を動力とする空冷式ヒートポンプチラー ・温水を熱源とする温水焚き吸収冷凍機 ・電力を動力とし、かつ蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒート
ポンプチラー、及び ・蒸気を熱源とする蒸気焚き吸収式冷凍機
【0028】実施形態例の計算方法を適用して熱源機器
の組み合せの最適化計算の結果は、以下の表2に示す。
また、年間総費用の計算結果を、以下の表3に示す。表
2及び表3の結果から最適な熱源機器、機器容量、機器
台数、運用方策を選択し、最適システムの選定を行うこ
とが可能である。
【表2】
【表3】
【0029】また、本具体例の最適化計算の所要時間
は、非線型計画法における機器容量の探査1回あたりの
計算時間が100秒、最適な機器容量が得られるまでの
探査回数を100回とした場合の計算終了時間を推定計
算終了時間としたときの所要時間は、2.7時間であっ
た。計算には、プログラミング言語としてMS−FOR
TRANを用い、計算機には、CPUが200MHzの
WINDOWS(登録商標)−NT適用のコンピュータ
を用いた。
【0030】比較例 また、本具体例と比較するために、建物又は建物群の延
べ床面積に対応して熱源機器の種別を限定しない従来の
方法に従って、具体例と同じ建物仕様で延べ床面積5,
000m2以上50,000m2以下の建物に対応する第
2グループの区分を用いない場合を比較例として計算し
た。本比較例では、具体例の熱源機器に加えて、以下の
7種別の熱源機器を選定し、具体例と同様にして、実施
形態例1の計算方法により計算を行った。 ・地域熱供給システムからの温水 ・地域熱供給システムからの冷水 ・地域熱供給システムからの蒸気 ・電力を動力とする直接膨張式空冷式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式水冷式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式蓄熱式ヒートポンプ、及
び ・直接膨張式エンジン駆動式ヒートポンプ 計算の結果、最適な組み合せ、及び年間総費用につい
て、上記具体例と同様の結果を得られた。しかし、本比
較例の最適化計算の所要時間は、非線型計画法における
機器容量の探査1回あたりの計算時間が740秒、最適
な機器容量が得られるまでの探査回数を100回とした
場合の計算終了時間を推定計算終了時間としたときの所
要時間は、20.6時間であった。
【0031】具体例と比較例との比較から判る通り、具
体例は、比較例に比べて、最適化計算のための1探査時
間が1/7以下で、推定終了時間も1/7以下で、大幅
に短い時間で最適な熱源構成パターンを有するエネルギ
ー供給システムを設計することができる。
【0032】
【発明の効果】本発明方法によれば、エネルギー供給シ
ステムを設計する対象の建物規模に応じて、供給エネル
ギーの種類と熱源機器の組み合わせからなる熱源構成パ
ターンの数を合理的な数の範囲内に予め設定しておくこ
とにより、不必要に多数の供給エネルギーの種類と熱源
機器の組み合わせを評価する時間とコストを省くことの
できるエネルギー供給システムの設計方法を実現してい
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例のエネルギー供給システムの設計方
法の手順を示すフローチャートである。
【図2】グループ1の熱源構成パターンを示すフロー図
である。
【図3】グループ2の熱源構成パターンを示すフロー図
である。
【図4】グループ3の熱源構成パターンを示すフロー図
である。
【図5】図5(a)は、調査対象の建物の用途別件数を
示すグラフであり、図5(b)は、調査対象の建物の竣
工年分布を示すグラフであり、図5(c)は、調査対象
の建物の延べ床面積別件数を示すグラフである。
【図6】熱源機器の組み合せの実績数を示すグラフであ
る。
【図7】図6の右側に接続し、図6に連続して熱源機器
の組み合せの実績数を示すグラフである。
【図8】建物の延べ床面積別のシステム構成を示すグラ
フである。
【図9】図9(a)は、地域熱供給を中心としたシステ
ムで、熱源機器の組み合せの実績数を示す表であり、図
9(b)は、冷温水を熱媒体とした各種のチラータイプ
の機器を中心としたシステムで、熱源機器の組み合せの
実績数を示す表であり、図9(c)は、地域熱供給を中
心としたシステムと冷温水を熱媒体とした各種のチラー
タイプの機器を中心としたシステムを除いたシステム
で、熱源機器の組み合せの実績数を示す表である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物又は建物群内に設置された所定機器
    にエネルギーを供給するエネルギー供給システムの設計
    方法であって、 エネルギー供給システムの熱源を構成する熱源機器の種
    別の設置実績に基づいて、建物又は建物群の延べ床面積
    の範囲毎に、熱源機器の複数個の種別を選択、設定し、
    選択、設定した熱源機器の複数個の種別をグループ化し
    た機器種別グループを予め規定する第1のステップと、 規定された機器種別グループから、設計対象の建物又は
    建物群の延べ床面積に対応する機器種別グループを選択
    する第2のステップと、 選択した機器種別グループに設定されている熱源機器の
    全てを含むエネルギー供給システムの熱源構成パターン
    を構成する第3のステップと、 構成した熱源構成パターンに従って最適な熱源機器の種
    別と容量を選定する第4のステップと、 を有することを特徴とするエネルギー供給システムの設
    計方法。
  2. 【請求項2】 第1のステップでは、建物又は建物群の
    延べ床面積を5,000m2 以下の第1グループと、
    5,000m2 以上50,000m2 以下の第2グルー
    プと、50,000m2 以上の第3グループとに区分す
    ることを特徴とする請求項1に記載のエネルギー供給シ
    ステムの設計方法。
  3. 【請求項3】 第1グループの熱源機器の種別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・温水ボイラ ・蒸気ボイラ ・直接膨張式エンジン駆動式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式水冷式ヒートポンプ ・電力を動力とする直接膨張式空冷式ヒートポンプ、及
    び ・電力を動力とする直接膨張式蓄熱式ヒートポンプ であることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー供
    給システムの設計方法。
  4. 【請求項4】 第2グループの熱源機器の種別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・温水ボイラ ・蒸気ボイラ ・吸収式冷温水機 ・電力を動力とする水冷式ヒートポンプチラー ・電力を動力とする空冷式ヒートポンプチラー ・温水を熱源とする温水焚き吸収冷凍機 ・電力を動力とし、かつ蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒート
    ポンプチラー、及び ・蒸気を熱源とする蒸気焚き吸収式冷凍機 であることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー供
    給システムの設計方法。
  5. 【請求項5】 第3グループの熱源機器の種別は、 ・電力会社によって供給される商用電力の受配電設備 ・コジェネレーション・システム ・地域熱供給システムからの温水の受配水設備 ・地域熱供給システムからの蒸気の受配蒸気設備 ・地域熱供給システムからの冷水の受配水設備 ・電力を動力とする水冷式ヒートポンプチラー ・電力を動力とする空冷式ヒートポンプチラー ・温水を熱源とする温水焚き吸収冷凍機 ・電力を動力とし、かつ蓄熱槽を併設した蓄熱式ヒート
    ポンプチラー、及び ・蒸気を熱源とする蒸気焚き吸収式冷凍機 であることを特徴とする請求項2に記載のエネルギー供
    給システムの設計方法。
  6. 【請求項6】 コジェネレーション・システム、温水ボ
    イラ、蒸気ボイラ、直接膨張式エンジン駆動式ヒートポ
    ンプ、及び吸収式冷温水機の燃料は、都市ガス、LP
    G、灯油、重油、及びバイオマスのいずれかであること
    を特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のエ
    ネルギー供給システムの設計方法。
  7. 【請求項7】 建物又は建物群の延べ床面積が4,00
    0m2 以上9,000m2 以下では、第1グループ及び
    第2グループの熱源構成パターンを構成し、第1グルー
    プ及び第2グループの熱源構成パターンに基づいて、最
    適な熱源機器の種別と容量を選定し、建物又は建物群の
    延べ床面積が40,000m2 以上60,000m2
    下では、第2グループ及び第3グループの熱源構成パタ
    ーンを構成し、第2グループ及び第3グループの熱源構
    成パターンに基づいて、最適な熱源機器の種別と容量を
    選定することを特徴とする請求項2に記載のエネルギー
    供給システムの設計方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006048475A (ja) * 2004-08-06 2006-02-16 Fuji Electric Systems Co Ltd プラント最適設計方法
JP2012059103A (ja) * 2010-09-10 2012-03-22 Okawara Mfg Co Ltd 乾燥設備の設計支援システム
WO2017017744A1 (ja) * 2015-07-27 2017-02-02 株式会社日立製作所 熱電設備の設備計画立案装置及び熱電設備の設備計画立案方法

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