JP2003154454A - ロータ分割構造体の溶接方法 - Google Patents

ロータ分割構造体の溶接方法

Info

Publication number
JP2003154454A
JP2003154454A JP2001353323A JP2001353323A JP2003154454A JP 2003154454 A JP2003154454 A JP 2003154454A JP 2001353323 A JP2001353323 A JP 2001353323A JP 2001353323 A JP2001353323 A JP 2001353323A JP 2003154454 A JP2003154454 A JP 2003154454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
welding
rotor
divided structure
rotor divided
welded portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001353323A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Inukai
隆夫 犬飼
Masayuki Yamada
政之 山田
Satoru Asai
知 浅井
Masataka Kikuchi
正孝 菊地
Joji Kaneko
丈治 金子
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
Priority to JP2001353323A priority Critical patent/JP2003154454A/ja
Publication of JP2003154454A publication Critical patent/JP2003154454A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E20/00Combustion technologies with mitigation potential
    • Y02E20/16Combined cycle power plant [CCPP], or combined cycle gas turbine [CCGT]

Landscapes

  • Butt Welding And Welding Of Specific Article (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】ロータ分割構造体を溶接接続する際、予め与え
られた溶接条件データを基に軸曲りを演算し、軸曲りが
出たとき修正して溶接機に施工指令を与えるロータ分割
構造体の溶接方法を提供する。 【解決手段】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法
は、溶接機3に、予め入力しておいた溶接条件データを
基に演算し、ロータ分割構造体1,2の溶接部5に軸曲
りが生じたとき、溶接条件データを変更して再び演算
し、軸曲り最小になったとき、溶接制御指令部6から溶
接施工指令を与える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、タービンロータに
係り、特に、予め分割して製作しておいたロータ分割構
造体を溶接接続して一つの回転体として構成するタービ
ンロータに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、火力発電プラント等に適用する
蒸気タービンでは、タービンロータを予め分割したロー
タ分割構造体として製作し、各構造体を溶接接続して一
つの回転体として構成する、いわゆる溶接タイプのター
ビンロータが脚光をあびており、例えばガスタービンプ
ラントに蒸気タービンプラントを組み合わせたコンバイ
ンドサイクル発電により多く採用されている。
【0003】この溶接タイプのタービンロータは、製作
コストの低減化と相まって、蒸気タービンが高圧段落、
中圧段落、低圧段落の三つの段落に別れており、各段落
で使用する温度、圧力等の蒸気条件が異なるがゆえに各
蒸気条件に適応させる特性を持たせたものである。
【0004】すなわち、高圧段落および中圧段落に適用
するタービンロータは、蒸気の圧力、温度等が高いの
で、高温クリープ破断強度の高いものが求められている
のに対し、低圧段落に適用するタービンロータは、蒸気
の圧力、温度等が比較的低いので、引張強さ、耐力、靭
性等の低温強度が求められている。
【0005】このように、一つの回転体であっても、各
蒸気条件毎に見合う異なった特性を持たせる必要上、タ
ービンロータは溶接タイプを採用したものである。
【0006】また、コンバインドサイクル発電に限ら
ず、比較的容量の小さい蒸気タービンでも高圧段落用、
中圧段落用および低圧段落用を一体とするタービンロー
タを製作し、ケーシング個数や軸受個数を削減するとと
もに、設置面積を縮小化してコスト低減化を図っている
が、この点からも溶接タイプが数多く採用されると考え
られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のとおり、今後と
も使用実績が増加すると考えられる溶接タイプのタービ
ンロータであっても、いくつかの問題点を抱えている。
【0008】先ず、第1に、予め分割して製作しておい
たロータ分割構造体を溶接接続してタービンロータにす
る場合、製造上、最も注意すべき点は、溶接施工時、タ
ービンロータの軸心が曲がる点である。
【0009】例えば、事業用蒸気タービンの場合、定格
運転時の回転数は3000〜3600回転/分の高速で
あり、例えば0.2mm程度の曲りがあると、運転中、
振動発生の要因となり、蒸気タービンに不安定な運転を
与えることがある。
【0010】したがって、ロータ分割構造体を溶接接続
し、一つの回転体を形成する場合、事前に各構造体の寸
法、材質を同一にするとともに、溶接施工試験を実施
し、溶接後のタービンロータの変形、残留応力等の機械
的性質を把握しておくことが必要とされる。
【0011】しかし、材料成分の組み合わせが数多くあ
り、また軸直径も数多くあることを考えると、その組み
合わせの都度、溶接施工試験を行わなければならず、実
情を考えるとかなり難しい。むしろ、溶接施工試験を行
なわずに、溶接時のタービンロータの変形、残留応力等
の機械的性質を予め解析結果から予測できることが必要
とされる。
【0012】また、上述の手段を用いたデータから溶接
条件を設定したとしても、溶接施工中で周方向の溶接条
件のわずかな不均一でもタービンロータに曲りが生じる
ことがある。このような場合、溶接量が比較的少ない
と、溶接条件を逆方向に曲りを生じさせるようにタービ
ンロータの周方向に溶接量の変動を与えることもできる
が、何分にもどの程度の溶接条件の変動を与えればよい
か判断する手段がなく、試行錯誤の手探り状態であっ
た。このため、タービンロータの周方向溶接条件変動量
と軸曲りとの関係を事前に得る手段が求められていた。
【0013】また、最終、溶接終了に近い段階で、ター
ビンロータに曲りが生じていたことを検出した場合、溶
接施工後の後熱処理中、タービンロータを低速で回転さ
せながらその曲りを修正しているが、どの程度の回転回
数なら曲りを修正できるのか、材料の成分組成、軸直径
等により異なるため、回転時間を的確に把握することが
できず、作業時間短縮化の隘路になっていた。このた
め、事前にタービンロータの回転時間を把握し、次の作
業工程により早く移行できる何らかの手段が必要とされ
ていた。
【0014】さらに、溶接施工前、タービンロータの構
造体の軸心合わせを行うことは溶接時の曲りを生じさせ
ないために必要不可欠な作業ではあるが、軸心の基準が
ないために、大型の構造体を精確に心合わせを行うこと
が難しく、溶接後の軸曲がりを誘発する要因の一つであ
ると考えられ、簡便に軸心合わせができる手段が求めら
れていた。
【0015】本発明は、このような事情に基づいてなさ
れたもので、予め分割して製作された構造体の溶接施工
試験を行わなくとも溶接中に発生する不具合、不都合点
を容易に把握して迅速に対処するロータ分割構造体の溶
接方法を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係るロータ分割
構造体の溶接方法は、上述の目的を達成するために、請
求項1に記載したように、予め分割して製作しておいた
ロータ分割構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの
回転体にするロータ分割構造体の溶接方法において、予
め入力しておいた溶接条件データを基に演算し、前記ロ
ータ分割構造体の溶接部の軸曲りが生じたとき、前記溶
接条件データを変更して再び演算し、軸曲りが最小にな
ったとき、溶接制御指令部から前記ロータ分割構造体に
溶接施工指令を与えることを特徴とする。
【0017】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項2に記
載したように、溶接制御指令部は、溶接条件を入力する
溶接条件入力工程と、この溶接条件入力工程のデータを
基に溶接アークによる電磁場の強さ、分布を算出する電
磁場解析工程と、この電磁場解析工程からの電磁場の強
さ、分布と電極の電流値、ロータ分割構造体の抵抗を基
にジュール熱を演算するジュール熱解析工程と、このジ
ュール熱解析工程からのジュール熱を基に前記ロータ分
割構造体の熱分布を演算する熱伝導解析工程と、この熱
伝導解析工程からの前記ロータ分割構造体の熱分布を基
に相変態および結晶構造変化分布を求める冶金学解析工
程と、この冶金学解析工程からの相変態および結晶構造
変化分布と、前記熱伝導解析工程からの熱分布とを基に
前記ロータ分割構造体の溶接部の変形を演算する応力解
析工程とをプログラム化していることを特徴とする。
【0018】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項3に記
載したように、溶接制御指令部は、溶接条件を入力する
溶接条件入力工程と、予め数多のロータ分割構造体から
解析収集し、データベース化しておいた実固有ひずみ値
を基に前記溶接条件入力工程からの入力データ値で溶接
条件ひずみ値を演算するひずみ演算工程と、このひずみ
演算工程からの溶接条件ひずみ値を基に前記ロータ分割
構造体の溶接部の変形を演算する弾性解析工程とをプロ
グラム化していることを特徴とする。
【0019】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項4に記
載したように、溶接条件入力工程は、溶接機の種類、溶
加材の成分、ロータ分割構造体の成分、電極の位置、電
流値、ロータ分割構造体の回転速度、その予熱温度を入
力していることを特徴とする。
【0020】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項5に記
載したように、予め分割して製作しておいたロータ分割
構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体を構
成するタービンロータにおいて、予め入力しておいた溶
接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構造体の溶
接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構造体の溶
接部に設けるセンサの検出信号に基づいて前記溶接機か
ら前記溶接部に与える入射熱を入射熱制御指令部で制御
することを特徴とする。
【0021】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項6に記
載したように、予め分割して製作しておいたロータ分割
構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体を構
成するタービンロータにおいて、予め入力しておいた溶
接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構造体の溶
接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構造体の溶
接部のみを加熱炉で後熱処理することを特徴とする。
【0022】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、上述の目的を達成するために、請求項7に記
載したように、予め分割して製作しておいたロータ分割
構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体を構
成するタービンロータにおいて、予め入力しておいた溶
接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構造体の溶
接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構造体の中
心孔に装着するレーザ発受信機と反射鏡とで前記ロータ
分割構造体の溶接部の軸曲りを検出することを特徴す
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るロータ分割構
造体の溶接方法の実施形態を図面および図面に付した符
号を引用して説明する。
【0024】図1は、本発明に係るロータ分割構造体の
溶接方法の第1実施形態を説明する概念図である。
【0025】本実施形態に係るロータ分割構造体の溶接
方法は、予め分割して製作しておいたロータ分割構造体
1,2を溶接接続させる際、溶接機3のトーチ4から溶
接部5に与えられる熱量の過不足により溶接部5に変形
や残留応力が発生しないように溶接機3に溶接制御部6
から溶接施工条件指令が与えられる。
【0026】溶接制御指令部6は、予め入力しておい
た、例えば溶加材の種類、成分、トーチの出力熱量等の
溶接条件を基に演算し、溶接部5の変形、残留応力を演
算し、演算した溶接部5の変形、残留応力を基に溶接施
工条件を設定する溶接施工条件設定手段7をコンピュー
タにプログラム化して入力している。
【0027】溶接施工条件設定手段7は、溶接条件を入
力する溶接条件入力工程ST1、電磁場解析工程ST
2、ジュール熱解析工程ST3、熱伝導解析工程ST
4、冶金学解析工程ST5、応力解析工程ST6、変形
・残留応力算出工程7をコンピュータに入力している。
【0028】溶接条件入力工程ST1は、例えばTIG
溶接、サブマージ溶接等の溶接機種別、例えば溶加材の
組成成分やロータ分割構造体の組成成分等の材料リス
ト、電極の位置、電流値、ロータ分割構造体の移動(回
転)速度、ロータ分割構造体の予熱温度等をコンピュー
タに入力している。
【0029】電磁場解析工程ST2は、上述の溶接条件
入力値のデータを基に溶接アークによる電磁場の強さ、
分布を演算し、演算した電磁場の強さ、分布をジュール
熱解析工程ST3に与える。
【0030】ジュール熱解析工程ST3は、電磁場の強
さ、分布、電極の電流値、ロータ分割構造体の持つ固有
の抵抗等を基にジュール熱を演算する。
【0031】熱伝導解析工程ST4は、ジュール熱解析
工程ST3から与えられるジュール熱のデータを基に、
例えば有限要素法を用いてロータ分割構造体の熱分布を
演算する。
【0032】熱伝導解析工程ST4で演算されるロータ
分割構造体の熱分布は、冶金学解析工程ST5と応力解
析工程ST6とに与えられる。
【0033】冶金学解析工程ST5は、予め作成してお
いた急冷に基づく連続冷却変態図(CTT図)や緩やか
な冷却に基づく恒温変態図(TTT図)等のマスターカ
ーブに熱伝導解析工程ST4からのロータ分割構造体の
熱分布のデータをプロットし、ロータ分割構造体の相変
態および結晶構造変化分布(組織分布)を求める。
【0034】応力解析工程ST6は、冶金学解析工程S
T5から与えられたロータ分割構造体の相変態および結
晶構造変化分布のデータと、熱伝導解析工程ST4から
のロータ分割構造体の熱分布のデータとを基にして溶接
部の変形、残留応力分布を演算する。
【0035】また、応力解析工程ST6は、溶接部に変
形や残留応力があることを演算すると、上述溶接条件入
力工程ST1の、例えば電極の電流値、電圧値、ロータ
分割構造体の回転速度、溶加材の供給速度等のデータを
変更し、ロータ分割構造体の変形や残留応力が最小にな
るまで上述の演算を繰り返して行い、ロータ分割構造体
の変形や残留応力が最小になると、溶接施工条件を設定
する。なお、演算中、上述の各工程処理に長時間を要す
る場合、実験計画法(田口玄一著「第3版実験計画法」
丸善)や応答曲面法を用いて、各解析工程の一部を省略
してもよい。また、本実施形態は、ロータ分割構造体の
変形や残留応力が最小になるまで溶接条件のデータを変
更して演算を行っているが、ロータ分割構造体の変形や
残留応力の予測値を把握する程度にとどめてもよい。
【0036】このように、本実施形態は、複数のロータ
分割構造体を溶接接続させる際、溶接機3に溶接制御指
令部6から溶接施工条件指令を与えるとともに、この溶
接制御指令部6に溶接施工試験を行わなくともロータ分
割構造体の変形や残留応力を演算させ、算出する変形や
残留応力が最小になるように入力値データを変え、演算
結果の最終値が最小になる各解析工程をプログラム化し
て組み込んでいるので、溶接作業をより早く行うことが
でき、品質保証の優れたロータ分割構造体の溶接方法を
実現することができる。
【0037】図3は、本発明に係るロータ分割構造体の
溶接方法の第2実施形態を説明する概念図である。
【0038】本実施形態に係るロータ分割構造体の溶接
方法は、第1実施形態に較べて簡易的にロータ分割構造
体の変形や残留応力を算出するためにプログラム化した
もので、数多くのロータ分割構造体から解析した体積ひ
ずみや熱ひずみ等のひずみ値をデータベース化し、デー
タベース化したひずみ値と溶接条件入力値とからロータ
分割構造体の変形や残留応力を予測値として演算するも
のである。
【0039】プログラム化にあたり、本実施形態は、第
1実施形態と同様に、例えばTIG溶接、サブマージ溶
接等の溶接機種別、例えば、溶加材の組成成分やロータ
分割構造体の組成成分等の材料リスト等を入力する溶接
条件入力工程ST11と、予め数多くのロータ分割構造
体から解析収集し、データベース化しておいた実固有ひ
ずみ値を基にして溶接条件入力工程ST11から与えら
れる入力データ値で溶接条件ひずみ値を演算するひずみ
演算工程ST12と、このひずみ演算工程ST12から
与えられる溶接条件ひずみ値を基に有限要素法を用いて
溶接部の変形や残留応力を演算するとともに、溶接部の
変形や残留応力が最小になるまで溶接条件入力工程ST
11の入力値を変えて再び演算を繰り返す弾性解析工程
ST13とを備えたものである。なお、弾性解析工程S
T13は、ロータ分割構造体の変形や残留応力を予測値
として求めるだけにとどめてもよい。
【0040】このように、本実施形態は、数多くのロー
タ分割構造体の実固有ひずみ値をデータベース化し、デ
ータベース化した実固有ひずみ値を基にして溶接条件入
力工程ST11からの入力値で溶接条件ひずみ値を演算
し、演算した溶接条件ひずみ値を基に有限要素法を用い
て溶接部の変形や残留応力を演算し、最終演算値を最小
に演算する弾性解析工程ST13をプログラム化してい
るので、ロータ分割構造体の溶接作業をより一層迅速化
させることができる。
【0041】図4および図5は、本発明に係るロータ分
割構造体の溶接方法の第3実施形態を説明する概念図で
ある。なお、本実施形態は、第1実施形態または第2実
施形態において、ロータ分割構造体に変形や残留応力が
発生している場合の対処策を適用対象としている。
【0042】本実施形態に係るロータ分割構造体の溶接
方法は、図4および図5に示すようにロータ分割構造体
1,2に溶接機3を用いて溶接接続する際、溶接部5や
ロータ分割構造体1,2に、例えば内径Rから外径R
に向って変形が生じている場合、非接触式のセンサ8
で内径側から変形を検出し、非接触式のセンサ8からの
検出信号に基づいて溶接機3のトーチ4から溶接部5に
照射する入熱の増減を入熱制御部9でコントロールして
いる。なお、非接触式のセンサ8はレーザセンサまたは
渦電流センサである。
【0043】従来、溶接機3は、トーチ4からロータ分
割構造体1,2の周方向に沿って形成する溶接部5に与
える入熱が、図6に示すように、強弱変化すると、図7
に示すように、溶接部5に曲りが生じていた。
【0044】本実施形態は、このような現象に着目した
もので、ロータ分割構造体1,2の溶接部5に非接触式
のセンサ8を備えるとともに、非接触式のセンサ8で溶
接部5に与えられた入熱の強弱を検出し、その検出信号
を基に接続機3に設ける入熱制御指令部9で入熱の強い
領域に弱い入熱を与えるとともに、入熱の弱い領域に強
い入熱を与える演算信号を作り出し、その演算信号を溶
接機3のトーチ4に入熱制御指令値として与えたもので
ある。
【0045】このように、本実施形態は、ロータ分割構
造体1,2の溶接部5に溶接機3のトーチ4から与えら
れる入熱を入熱制御指令部9で制御する指令値を出すの
で、図7の破線で示すように、ロータ分割構造体1,2
の軸曲りを最小にすることができ、タービンロータに振
動発生等のない安定運転を行わせることができる。
【0046】なお、本実施形態は、ロータ分割構造体
1,2の溶接部5に非接触センサ8を設けるとともに、
溶接機3に入熱制御指令部9を設け、溶接機3のトーチ
4から溶接部5に与えられる入熱を制御しているが、こ
の例に限らず、例えば図8に示すように、軸受10,1
0で支持するロータ分割構造体1,2のうち、溶接部5
のみを加熱炉11に収容し、後熱処理の際、軸曲げを最
小に矯正してもよい。
【0047】図9は、本発明に係るロータ分割構造体の
溶接方法の第5実施形態を説明する概念図である。な
お、本実施形態は、第1実施形態または第2実施形態に
おいて、ロータ分割構造体に変形や残留応力が発生して
いる場合の対処策を適用対象としている。
【0048】本実施形態に係るロータ分割構造体の溶接
方法は、ロータ分割構造体1,2の中心孔11,11を
利用し、一方のロータ分割構造体1の中心孔11に設置
するレーザ発受信機12からのレーザ光と、他方のロー
タ分割構造体2の中心孔11に設置する反射鏡13から
のレーザ反射光との食い違いをレーザ発受信機12で検
出し、食い違いを検出した場合、ロータ分割構造体1,
2の溶接部5を再修正する。
【0049】このように、本実施形態は、ロータ分割構
造体1,2の中心孔11,11のうち、一方の中心孔1
1に設置するレーザ発受信機12からのレーザ光と、他
方の中心孔11に設置する反射鏡13からのレーザ受信
波とを比較するので、軸心の一致、不一致を容易に検出
することができる。
【0050】
【発明の効果】以上の説明のとおり、本発明に係るロー
タ分割構造体の溶接方法は、予め分割して作成しておい
たロータ分割構造体を溶接接続して一つの回転体を構成
する際、予め入力しておいた溶接条件データを基に溶接
部の軸曲りを演算し、その演算結果を溶接部にフィード
バックして溶接施工指令を変更して溶接部に与えている
ので、ロータ分割構造体の溶接施工の際、事前の溶接施
工試験を行うことを省略することができ、コストの低減
化を図ることができるとともに、ロータ分割構造体の溶
接部に軸曲りのない高品質を維持させることができる。
【0051】また、本発明に係るロータ分割構造体の溶
接方法は、予め入力しておいた溶接条件データを基に溶
接部の軸曲りを演算し、演算結果、溶接部の軸曲りが生
じたとき、溶接部の軸曲りを是正するので、ロータ分割
構造体に振動の発生の少ない安定運転を行わせることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るロータ分割構造体溶接方法の第1
実施形態を説明する概念図。
【図2】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法に適
用する溶接制御指令部に組み込まれた演算部の演算手順
の第1実施形態を示すフロー線図。
【図3】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法に適
用する溶接制御指令部に組み込まれた演算部の演算手順
の第2実施形態を説明するフロー線図。
【図4】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法の第
3実施形態を示す概念図。
【図5】図4のX部の部分拡大図。
【図6】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法にお
けるロータ分割構造体の周方向に溶接機から与えられた
入熱の分布線図。
【図7】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法にお
けるロータ分割構造体の軸曲り是正前と軸曲り是正後と
を対比させた軸曲り分布線図。
【図8】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法の第
4実施形態を説明する概念図。
【図9】本発明に係るロータ分割構造体の溶接方法の第
5実施形態を説明する概念図。
【符号の説明】
1,2…ロータ分割構造体、3…溶接機、4…トーチ、
5…溶接部、6…溶接制御指令部、7…溶接施工条件設
定手段、8…非接触センサ、9…入熱制御指令部、10
…軸受、11…中心孔、12…レーザ発受信機、13…
反射鏡。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅井 知 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 菊地 正孝 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 金子 丈治 神奈川県横浜市鶴見区末広町二丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 Fターム(参考) 4E081 YG02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め分割して製作しておいたロータ分割
    構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体にす
    るロータ分割構造体の溶接方法において、予め入力して
    おいた溶接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構
    造体の溶接部の軸曲りが生じたとき、前記溶接条件デー
    タを変更して再び演算し、軸曲りが最小になったとき、
    溶接制御指令部から前記ロータ分割構造体に溶接施工指
    令を与えることを特徴とするロータ分割構造体の溶接方
    法。
  2. 【請求項2】 溶接制御指令部は、溶接条件を入力する
    溶接条件入力工程と、この溶接条件入力工程のデータを
    基に溶接アークによる電磁場の強さ、分布を算出する電
    磁場解析工程と、この電磁場解析工程からの電磁場の強
    さ、分布と電極の電流値、ロータ分割構造体の抵抗を基
    にジュール熱を演算するジュール熱解析工程と、このジ
    ュール熱解析工程からのジュール熱を基に前記ロータ分
    割構造体の熱分布を演算する熱伝導解析工程と、この熱
    伝導解析工程からの前記ロータ分割構造体の熱分布を基
    に相変態および結晶構造変化分布を求める冶金学解析工
    程と、この冶金学解析工程からの相変態および結晶構造
    変化分布と、前記熱伝導解析工程からの熱分布とを基に
    前記ロータ分割構造体の溶接部の変形を演算する応力解
    析工程とをプログラム化していることを特徴とする請求
    項1記載のロータ分割構造体の溶接方法。
  3. 【請求項3】 溶接制御指令部は、溶接条件を入力する
    溶接条件入力工程と、予め数多のロータ分割構造体から
    解析収集し、データベース化しておいた実固有ひずみ値
    を基に前記溶接条件入力工程からの入力データ値で溶接
    条件ひずみ値を演算するひずみ演算工程と、このひずみ
    演算工程からの溶接条件ひずみ値を基に前記ロータ分割
    構造体の溶接部の変形を演算する弾性解析工程とをプロ
    グラム化していることを特徴とする請求項1記載のロー
    タ分割構造体の溶接方法。
  4. 【請求項4】 溶接条件入力工程は、溶接機の種類、溶
    加材の成分、ロータ分割構造体の成分、電極の位置、電
    流値、ロータ分割構造体の回転速度、その予熱温度を入
    力することを特徴とする請求項2または3記載のロータ
    分割構造体の溶接方法。
  5. 【請求項5】 予め分割して製作しておいたロータ分割
    構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体にす
    るロータ分割構造体の溶接方法において、予め入力して
    おいた溶接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構
    造体の溶接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構
    造体の溶接部に設けるセンサの検出信号に基づいて前記
    溶接機から前記溶接部に与える入射熱を入射熱制御指令
    部で制御することを特徴とするロータ分割構造体の溶接
    方法。
  6. 【請求項6】 予め分割して製作しておいたロータ分割
    構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体にす
    るロータ分割構造体の溶接方法において、予め入力して
    おいた溶接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構
    造体の溶接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構
    造体の溶接部のみを加熱炉で後熱処理することを特徴と
    するロータ分割構造体の溶接方法。
  7. 【請求項7】 予め分割して製作しておいたロータ分割
    構造体を溶接機を用いて溶接接続し、一つの回転体にす
    るロータ分割構造体の溶接方法において、予め入力して
    おいた溶接条件データを基に演算し、前記ロータ分割構
    造体の溶接部の軸曲りが生じたとき、前記ロータ分割構
    造体の中心孔に装着するレーザ発受信機と反射鏡とで前
    記ロータ分割構造体の溶接部の軸曲りを検出することを
    特徴とするロータ分割構造体の溶接方法。
JP2001353323A 2001-11-19 2001-11-19 ロータ分割構造体の溶接方法 Pending JP2003154454A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001353323A JP2003154454A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 ロータ分割構造体の溶接方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001353323A JP2003154454A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 ロータ分割構造体の溶接方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003154454A true JP2003154454A (ja) 2003-05-27

Family

ID=19165357

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001353323A Pending JP2003154454A (ja) 2001-11-19 2001-11-19 ロータ分割構造体の溶接方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003154454A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100434226C (zh) * 2006-09-22 2008-11-19 四川东风电机厂有限公司 灯泡贯流式机组辐射式转子支架焊接变形控制方法
JP2011505254A (ja) * 2007-11-19 2011-02-24 アルストム テクノロジー リミテッド ロータを製作するための方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100434226C (zh) * 2006-09-22 2008-11-19 四川东风电机厂有限公司 灯泡贯流式机组辐射式转子支架焊接变形控制方法
JP2011505254A (ja) * 2007-11-19 2011-02-24 アルストム テクノロジー リミテッド ロータを製作するための方法
US8533948B2 (en) 2007-11-19 2013-09-17 Alstom Technology Ltd Process for producing a rotor

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Li et al. Linear and rotary friction welding review
US8533948B2 (en) Process for producing a rotor
US7546685B2 (en) Process for producing a rotor
US9797256B2 (en) Turbine rotor
Gao et al. Investigation of a 3D non‐contact measurement based blade repair integration system
CN110614416B (zh) 一种双相高强钢焊接参数优化方法
CN111546017A (zh) 一种轻质合金中厚板焊后预应力校形及强化方法
CN1550281A (zh) 提供焊后热处理的电子束焊接方法
Xu et al. Finite element analysis of residual stress in hybrid laser-arc welding for butt joint of 12 mm-thick steel plate
CN107598402A (zh) 控制棒驱动机构异种金属厚壁对接焊缝一次成型焊接工艺
Hassan et al. Concept of forge application under effect of friction time for AISI 316 using friction welding process
JP2003154454A (ja) ロータ分割構造体の溶接方法
US7065872B2 (en) Method of processing a multiple alloy rotor
US9522441B2 (en) Welding method, welding device and composite part
CN104637552A (zh) 一种反应堆钩爪连杆机构及其制造方法
Rathod et al. Effect of multiple passes on Lüders/yield plateaus, microstructure and tensile behaviour of narrow-gap thick-section weld plates
Wallace et al. A design of experiments approach defining the relationships between processing and microstructure for Ti-6Al-4V
US6175093B1 (en) Method for applying a weld overlay to a wastage susceptible structure
US20100040455A1 (en) Method and device for joining metal elements
CN112651157A (zh) 一种航空薄壁件等离子喷涂变形控制方法
Dai et al. Numerical analysis and experimental verification of optimum heat input in additive manufacturing of aero ultrathin blade
CN108531711A (zh) 一种x形管接头相贯线形焊缝激光冲击强化的方法和装置
JP5556205B2 (ja) 溶接装置及び溶接方法
Dragunov et al. Specific features of electron-beam welding of iter blanket first wall components
Li et al. Application of electrode force change in single sided resistance spot welding using servo gun