JP2003150232A - 魚箱供給方法及びそのシステム - Google Patents
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Abstract
も、漁港からの多様な魚箱供給要請に対応することがで
き、しかもその運用に特別な経験を要しない魚箱の供給
方法とそのシステムを提供せんとする。 【解決手段】 複数の魚箱成形工場相互間の生産調整を
行う生産管理装置を設け、この生産管理装置は、入手し
た各漁港の漁獲予測情報に基づいて各工場に対する魚箱
需要を算出するとともに、各工場の魚箱供給能力に関す
る情報を常時更新しながら管理し、魚箱需要に対する魚
箱供給能力の過不足を予測し、生産調整をすべき工場を
特定して成形金型を融通するようにする。
Description
港(以下、水揚げ漁港と称す)に、最寄りの魚箱成形工
場から魚箱を供給する方法とそのシステムに関し、更に
詳しくは、季節変化に伴い変動する漁獲量に対応して、
必要な魚箱を必要数量分、漁港に対して提供することが
できる方法及びシステムに関する。
箱に詰めて取引される。魚箱には木箱や紙箱も存在する
が、主たるものは発泡スチロール製の魚箱である。発泡
スチロール製の魚箱は、保冷性、防水性、耐衝撃性に優
れる反面、嵩高く、保管のためのスペースを多く必要と
する。
工場(以下、単に工場と称す)を設けて、漁港に対する
魚箱の迅速な供給体制を敷くことで、漁港に余分な魚箱
在庫が残らないようにすることが行われている。
させる反面、工場の負担を増大させている。即ち、漁港
近隣に所在する各工場は、漁港が取り扱う魚種すべてに
ついて、魚箱を供給しなければならないが、そのために
は多種多様な魚種についての成形金型を各工場に常備す
る必要がある。しかしながら、金型は高価であるから、
すべての工場がこのような体制をとることはできないう
えに、多額の投資を行って多数の金型を常備しても、こ
れら金型の使用頻度は、それほど高いものとはいえず、
資金効率が良いとはいえなかった。
各工場の負担を軽減しながら、多様な魚種に対応するた
めに、各工場間で成形金型を融通し合うことが行われて
いる。
当者が経験や勘を頼りに行う人的能力に依存したもので
あるから、業務の継承が難しいうえに、対象となる魚種
が増えたり、金型の融通元や融通先が増えた場合には、
処理が複雑で対応できなかったり、処理に時間を要して
いた。また従来の金型融通は、実際に魚箱需要が発生し
てから行われるものであるため、魚箱の供給に時間的ズ
レが生じ、漁港からの魚箱供給要請に必ずしも即応でき
ていなかった。
ものであり、金型の融通を通じて行う工場間の生産調整
を、人的能力に依存しないようにすることにより、業務
の継承を問題なく行うことができ、また対象魚種を増や
したり融通し合う工場数を増やした場合でも処理に遅れ
が発生せず、さらに金型を常備していない魚種を含め
て、あらゆる魚種について漁港からの魚箱供給要請に対
する即応体制を堅持できる魚箱供給方法とそのシステム
を提供せんとするものである。
決すべく検討した結果、以下のような着眼点を得た。第
1に、他工場への支援要請は、魚箱需要の実際の発生が
あってからでは遅すぎる。そこで他工場への支援要請
は、実際の魚箱需要が発生する前に行うことにする。そ
のために各漁港の予測漁獲量に関する情報を入手し、こ
の入手した漁港毎の予測漁獲量から各工場に対して発生
する魚箱需要を算出するようにする。第2に、各工場の
魚箱供給能力を管理するようにする。魚箱供給能力の管
理は生産能力に関する情報と魚箱在庫数量についての情
報を最新のものに更新しながら管理する。第3に、魚箱
需要に対する各工場の魚箱供給能力の過不足を予測し、
それら過不足のある工場相互間で行う魚箱供給能力の融
通関係の特定並びにその融通の内容を演算処理によって
自動的に判定するようにする。第4に、前記魚箱供給能
力の融通は、金型を融通させることで行い、必要な場合
は、補助的に魚箱成形品の融通を併用する。第5に、こ
のような工場間の生産調整を行うために、各工場に設置
した通信端末装置と交信可能なコンピュータそのものあ
るいはコンピュータ搭載の生産管理装置のもとに生産調
整を行うようにする。
る魚箱供給方法は、次の内容を有する。請求項1に係る
発明は、成形金型及び魚箱成形品の融通による生産調整
を互いに受け入れることができる複数の工場を対象とし
て、これら工場間の生産調整を管理する生産管理装置を
設ける。そしてこの生産管理装置は、各工場に設けた端
末装置と通信可能となしておく。そしてこの生産管理装
置に以下の処理を行わせるようにする。まず、各工場の
魚箱供給能力を管理する。魚箱供給能力は、各工場の魚
箱生産能力と魚箱在庫数量との総合によってほぼ決まる
から、これら両情報を管理する。特に魚箱生産能力に関
しては、各工場が保有する金型に関する情報を詳細に管
理する。そしてこれら情報は、各工場に設置された端末
装置から送られてくる最新情報によって常に更新しなが
ら管理するものとする。一方、各工場に対する魚箱需要
を算出する。ここで魚箱需要とは、各漁港からの魚箱供
給要請に基づいて各工場が用意しなければならない必要
魚箱数量である。各工場に対する魚箱需要は、各漁港の
予測漁獲量が決まれば、過去の受注実績に基づいてほぼ
自動的に決まる。各漁港の予測漁獲量は、外部の専門機
関等によって提供される。次に、前記魚箱需要に対する
魚箱供給能力の過不足を判定する。そして、魚箱供給能
力が不足する工場の特定と同能力に余裕のある工場の特
定が行われ、これら工場間において、成形金型を融通す
る生産調整作業を実行する。金型の融通は、輸送手段に
よって運ばれる。
力に余裕のある工場との間で実行する生産調整作業は、
成形金型の融通だけであってもよいが、魚箱成形品を融
通することが好ましい。この場合、成形金型を融通する
第1生産調整作業と、魚箱成形品を融通する第2生産調
整作業とのうち、常に第1生産調整作業を優先させつ
つ、要求される調整範囲が同調整作業による調整範囲を
超えると判断したとき、第2生産調整作業の併用を選択
することが好ましい。
機の設置台数と、保有する金型の品種及び面数とで管理
する。より正確には、成形機の能力も影響し、例えば大
型、中型、小型のいずれの成形機であるかによっても魚
箱生産能力は変わる。第2生産調整作業を併用する場合
にはさらなる工夫をすることができる。それは、魚箱成
形品は蓋部材のみを輸送し、これら蓋部材に対応する本
体部材は魚箱供給能力が不足している現地工場で成形す
るという工夫である。
できる関係にあることが好ましく、その意味では系列工
場であることが望まれる。
別であるが、通常は多品種の魚箱を扱っているから、魚
箱供給能力の過不足の判定も、魚箱の品種毎に行う。
もあるが、通常は各工場にはそれぞれ担当エリアが設定
され、各工場は担当エリア内に所在する複数の漁港に対
して魚箱を供給するようにする。
は、成形金型を輸送する第1生産調整作業に比べて輸送
費の負担が大きいため、避けることが好ましい。従っ
て、第2生産調整作業が発動しないように、各工場にお
ける過去の魚箱需要に基づいて魚箱在庫量を設定するこ
とが望まれる。
ると融通元の生産活動に支障が出る場合があり、他方、
遅すぎると、融通先の工場が水揚げまでに魚箱を全数揃
えて供給することができなくなる。これを避けるため、
成形金型を融通するタイミングは、過去の漁獲量の推移
の解析と、漁獲量の変化の兆候の解析に基づいて行うこ
とが好ましい。
魚の移動があげられる。この場合、回遊経路に沿った魚
群の移動に対応して漁獲量の増加が予想される漁港に、
魚群の移動に先駆けて成形金型を移動させることが望ま
れる。第2生産調整作業を併用する場合、魚箱成形品は
蓋部材のみを輸送し、これら蓋部材に対応する本体部材
は魚箱供給能力が不足している現地工場で成形すること
が好ましい。
き説明する。図1は本発明の1実施例である。図中A、
B、C、Dは海岸線に沿って点在する水揚げ漁港(以
下、単に漁港と称す)、図中1、2、3、4は前記水揚
げ漁港の近隣に所在する魚箱成形工場であり、Kはこれ
ら工場相互間の生産調整を指令する生産管理装置、Nは
当該生産管理装置が情報収集と指令伝達のために用いる
通信網、Lは前記生産管理装置の指令を受けて工場間で
金型及び魚箱成形品の輸送を行う輸送手段である。
れる漁港が対象となる。魚箱成形工場(以下、工場と称
す)としては、前記漁港の近隣に所在してこれら漁港に
魚箱を供給する工場が対象となる。ここで近隣というの
は、漁港からの注文に応えて短時間で魚箱を納入するこ
とができる距離内を指している。
取り扱いされる魚種用魚箱の成形金型を中心に数百面数
の金型を保有している。主力となる魚箱用の成形金型に
ついては、すべての工場が複数面、保有しているが、主
力以外の魚箱用の成形金型については、保有していない
工場も多く、また保有している工場であっても1面程度
を保有しているにすぎない。図1では、ひとつの工場に
対してひとつの漁港を対応させているが、通常は、各工
場ごとにそれぞれが担当するエリアが設定され、各工場
は担当エリア内に所在する複数の漁港に対して魚箱を供
給する。各工場は、互いに支援できる関係にある必要が
あり、また設備の融通を可能にするための設備の共通化
も必要であることから、各工場は、資本系列や取引系列
にあることが現実的である。
送など必要に応じて採用すればよい。生産管理装置K
は、前記複数の工場を対象として、これら工場相互間の
生産調整を指導するもので、その設置場所は各工場のう
ちのいずれかであってもよいし、これらとは独立した管
理センタのようなものを設けて、その中に設置してもよ
い。生産管理装置はコンピュータそのもの、あるいはコ
ンピュータを中心にして当該業務を遂行するうえでの専
用の入力装置や出力装置を装備させたものであってもよ
い。生産管理装置Kは通信網Nを通じて各工場から魚箱
生産能力に関係する情報を収集する。通信網Nは、デー
タ通信が可能なものであれば適宜採用でき、専用線また
は公衆網のいずれであってもよい。具体的には、電話
網、データ通信網、ISDN(総合デジタル通信網)な
どが対象となる。競合する他企業への情報漏えいを防止
する観点からは、セキュリティーに優れた通信網を用い
ることが好ましいことは言うまでもない。図3は生産管
理装置Kとこれに社内LANで結ばれた各工場に設置さ
れる通信端末装置1a、1b、1cとを示している。この図で
は生産管理装置Kにデータベースが構築されており、そ
のデータベースには、各工場の魚箱生産能力に関する情
報や各工場の在庫数量に関する情報、過去の受注実績な
どが管理されている。魚箱生産能力に関する情報として
は、金型種別、面数、取り個数などの金型情報に加え
て、成形機の台数や成形能力、更には成形機の周辺設備
である蒸気設備の能力などが管理されている。また在庫
数量は、魚箱の形、サイズ、色目などが管理されてい
る。また受注実績は、各漁港の漁獲量とともに管理され
ている。これにより、各漁港の漁獲量から、各工場に対
する魚箱需要を推定することを可能にしている。
行うために、次の各機能ルーチンを組み込んだプログラ
ムが搭載される。 [1] 各工場の魚箱供給能力を最新の設備変更情報に
より修正しながら管理する機能ルーチン(魚箱供給能力
管理ルーチン) [2] 入手した各漁港毎の予測漁獲量から各工場毎の
魚箱需要を算出する機能ルーチン(魚箱需要算出ルーチ
ン) [3] 需給過不足を判定する機能ルーチン(過不足算
出ルーチン) [4] 第1生産調整作業単独又は第2生産調整作業の
併用のいずれかを選択する機能ルーチン。(調整作業選
択ルーチン) [5] 決定した生産調整作業を輸送手段に指示する機
能ルーチン。(輸送指令ルーチン)
給能力を管理する。魚箱供給能力の管理はその工場の生
産基盤に関する情報と最新の魚箱供給能力に関する情報
とを管理することで行う。ここで生産基盤とは、その工
場の基礎的生産力を支える基盤設備を指し、成形機台数
や蒸気設備の能力、更にはその周辺設備を含めた総合的
な生産環境を指している。生産基盤に余裕がなければ、
いかに他工場から金型を融通しても増産することができ
ない。従って、この生産基盤に関する情報は、他工場か
ら金型や魚箱成形品を融通したときに実現できる最大供
給能力を知る上で極めて重要である。一方、最新の魚箱
供給能力とは、その工場の現在の魚箱供給能力である。
現在の魚箱供給能力は現在稼働中設備が生み出す通常供
給能力と、保有設備をフル稼働させて生み出される現場
設備における最大供給能力の両方を管理する。また魚箱
供給能力は生産能力と在庫数量とによって規定され、更
に生産能力は成形機の設置台数と、保有する金型の品種
及び面数とでほぼ決定される。各成形機の成形速度が異
なるような場合は、これらも管理対象となる。在庫数量
を規定する主たる要素は在庫品を格納する倉庫の大きさ
と在庫品を抱えるための資金余力などである。生産基盤
に関する情報は日常的に変動しないから初期情報として
取り込んでおけばよく、一方、最新の魚箱供給能力に関
する情報は、定期的に、あるいは金型の融通が行われる
たびに、工場から通信網を経由して得て更新するものと
する。尚、魚箱供給能力は、魚箱の品種毎に管理する必
要がある。魚箱の品種の要素は、形、サイズ、色目など
である。
する漁港それぞれの漁獲量に関する情報を入手し、この
入手した漁獲量情報から自工場に対して発生する魚箱需
要を算出する。漁獲量から魚箱需要を算出するには、漁
港による過去の発注傾向が参考になる。発注傾向のうち
自工場に関するものは、受注実績という形で残っている
ので、これを参考にすることができる。漁港毎の予測漁
獲量の入手は、外部機関から入手することができる。こ
のような外部機関としては、例えば水産庁が運営してい
る「漁獲管理情報処理システム」などがある。このシス
テムは、漁業者(漁業報告者)によって報告された漁獲
量の実績が、漁協設置の端末装置から通信ネットワーク
を経由して水産庁に集められ、集計された結果が公表さ
れたもので極めて信頼性が高い。予測漁獲量は、このよ
うに外部機関が提供するものを活用できるが、外部機関
による情報に頼らず、独自に魚箱需要を予測してもよ
い。また、外部機関によって得られる情報に独自情報を
加味するようにしてもよい。尚、このように予測漁獲量
に関する情報を外部機関から入手し、それをもとに各工
場の需要を算出するものであるから、各工場の魚箱需要
の算出は容易であり、装置を複雑化することなく、実用
的なシステムを構築できる。外部機関が行うこれら調査
には、過去の漁獲実績から予測するのもあれば、水温や
潮流の変化、プランクトンの発生状況に関する情報から
予測するものもあるが、精度の高いものを使用すること
が本システムの信頼性を向上させるで有利であることは
言うまでもない。
能力が前記予測された魚箱需要に対して不足しているか
あるいは過剰であるかを判定するとともに、その過不足
の量を予測する。予測は各工場が現在保有している設備
をフル稼働させたと想定して予測する。ここで重要なの
は、魚箱需要を満たすという意味の中には時間条件も入
っているということである。即ち、漁港への魚箱の納品
は、水揚げ前までに完了することが前提となる。これは
水揚げ後に魚箱の供給をしたのでは、鮮度低下により魚
の商品価値が落ちるからである。また水揚げが開始され
るまでの余裕時間は常に同じではなく、例えば、2〜3
日程度の余裕がある場合もあれば、全く余裕がなく即日
に納品しなければならない場合もある。
ルーチンによって需給に過不足があると判定された工場
間での実行すべき生産調整作業の内容を決定する。生産
調整の種類としては、成形金型を融通する第1生産調整
作業と、魚箱成形品を融通する第2生産調整作業とがあ
る。本発明では第2生産調整作業を単独で行うことはな
く、第2生産調整作業は常に第1生産調整作業の補完と
して行うものである。従って調整作業選択部は、第1生
産調整作業の単独実行或いは第1生産調整作業と第2生
産調整作業の併用実行のいずれかを選択することを決定
する。これによって輸送コストの大きい魚箱成形品の輸
送がなるべく避けられ、融通に伴う輸送コスト負担が軽
減される。尚、輸送コストの負担を小さくするために
は、第2生産調整作業が併用されない環境を整えること
が好ましく、そのために、第2生産調整作業が発動しな
いように、各工場における過去の魚箱需要を解析して、
それら工場の魚箱成形品の在庫数量を設定するようにす
ることが好ましい。
種毎に行う。従って、ある品種の魚箱に関しては金型の
融通を受けながら、他の品種の魚箱については他工場に
金型を融通することもあり得る。また、金型を融通する
工場と、魚箱成形品を融通する工場とは同じである必要
はない。具体的な融通内容の決定は、さまざまな条件を
考慮して行う必要がある。例えば、近距離で輸送費の節
減がはかれる工場相互間の輸送を優先させること、金型
の共用が問題なく行なえる工場を優先することなどであ
る。しかしながらここにおいて重要なのは、第1生産調
整作業のみによる生産調整を常に優先させ、この調整作
業だけでは調整しきれないときに初めて、第2生産調整
作業を併用するということであり、またその調整作業の
結果、必要な品種及び必要な数量の魚箱が水揚げまでに
漁港に準備されるということである。第2生産調整作業
併用の決定は、成形金型の融通による支援だけでは魚箱
需要を満たすことができないと判断したときに行うもの
であり、その判断時期は、金型の融通を始める前であっ
ても、金型の融通が始まってからであってもよいが、通
常は、前者が好ましい。また、魚箱成形品の融通を併用
することを決断する具体的な局面としては、融通を行う
工場側に融通すべき成形金型が枯渇した場合や、融通を
受ける側が不足している数量全体について魚箱の成形か
ら始めていたのでは水揚げまでに時間的に間に合わない
場合などが典型例であるが、それ以外にも、例えば、金
型を融通してもそれを装着する成形機が融通先工場にな
かったり、あるいは蒸気設備などの周辺設備の容量に限
界があり、補充した金型を利用できる環境にない場合な
どの局面が想定される。
置の処理の流れを図2は示している。即ち、まず魚箱供
給能力(W)が取り込まれる。魚箱供給能力は前述した
ように現在の能力が取り込まれると同時に生産基盤に関
する情報と最大供給能力も合わせて取り込まれる。次い
で漁獲情報が取り込まれる。漁獲情報は各種情報提供機
関が提供する予測漁獲量情報が利用される。続いてこの
漁獲情報に基づいて魚箱需要(X)の算出が行われる。
魚箱需要の算出に先立って漁獲量の予測値が情報サービ
ス会社や研究機関などの外部機関から入手される。続い
て上記予測された魚箱需要(X)と魚箱供給能力(W)
とが比較され、魚箱供給能力(W)が魚箱需要(X)に
満たなければ第1生産調整作業を行い、この第1生産調
整作業だけでは、魚箱需要を満たすことができないと判
断されたときには第2生産調整作業の併用実行を選択す
るというものである。
成される魚箱の供給システムを用いて、変動する漁獲量
に対応させるべく成形金型及び魚箱成形品の融通を行う
例を図1は示している。ここでは漁獲量の変動原因とし
て魚群の回遊を例示している。回遊魚としては、さん
ま、マグロ、かつお、さけ、さばなどが挙げられる。例
えば、図示するように、日本列島を南下する寒流に沿っ
て魚群が移動する場合には、図4及び図5のそれぞれに
示すようなスケジュールで成形金型や魚箱成形品を移動
させることが考えられる。図4は魚群の移動によって魚
箱需要の増大が予想される漁港に、魚群の移動に先駆け
て金型や魚箱成形品を移動させるというものであり、一
方、図5として示すものは、魚群は一定期間同じ場所に
滞在するとの考えから、魚群が現在滞在している場所に
最も近い漁港に金型や魚箱成形品を移動させるというも
のである。例えば前者の例では、図1に示すように、魚
群の中心がaにあるときには、金型βは工場Bに移動さ
せ、魚群の中心がbに移動したときには、金型γは工場
cに移動させるというように、常に魚群の移動に先回り
して将来の魚箱供給体制を準備しておくというものであ
る。
すために他工場の支援がどのように為されるかを示した
ものである。(a)は、支援の必要がない場合を示した
もので、300の魚箱需要を自工場の生産量200と在
庫数量100とを動員することで満たすことができてい
る。(b)は400の魚箱需要を消化する例であるが、
この場合は自工場の能力だけでは足りないので、他工場
から生産量100の融通を受ける。この生産量の融通は
成形金型の輸送による生産能力の移転を意味している。
(c)は500の魚箱需要を消化する例であるが、この
場合は他工場の生産量(金型の移動により実現)の全て
を融通してもらっても魚箱需要500を満たすことはで
きない。従ってこの場合は、金型を融通してもらうだけ
では足りず、他工場の在庫から魚箱成形品を融通しても
らうことになる。
あり方の代表的なものをまとめたものである。成形体制
1として記載したものは、蓋金型と本体金型の両方を輸
送する方法であり、先に説明した例がこれに該当する。
一方、成形体制2として記載したものは、より好ましい
実施例である。この実施例は第2生産調整作業が併用さ
れる場合に適用される。この実施例の特徴は、魚箱の蓋
部と本体部とを別々に管理し、支援を受ける工場では魚
箱本体部を優先させて生産し、他工場からは蓋部成形品
の融通を優先させるという形態である。この形態を採用
すれば、魚箱本体部の成形品の輸送に要する空間を蓋部
材の輸送空間として利用することができ、大量の蓋部成
形品を現地に輸送することができる。以上述べたのは、
本発明の一例に過ぎず、本発明の主旨の範囲内であれば
他の変形例を採用することも許容される。
11記載の魚箱の供給システムは、各工場と通信網で結
ばれた生産管理装置を設け、この生産管理装置は、各工
場の最新の魚箱供給能力を管理するとともに、入手した
各漁港の予測漁獲量に基づいて各工場に対する魚箱需要
を算出し、それぞれの工場の魚箱需要に対する魚箱供給
能力の過不足を判定し、能力の不足している工場に、能
力に余裕のある工場から成形金型を融通するようにし
た。即ち、このように成形金型の融通を、人的能力に依
存せず行うようにしたことで、金型融通業務を他の従業
者に継承できるようになり、また取扱魚種や金型を融通
し合う工場数が増えた場合でも、遅延や混乱をもたらす
ことなく、金型の融通を行うことができるようになる。
また、実際に魚箱需要が発生していない段階で、将来の
魚箱需要に即応できる体制を整えるものであるから、実
際の需要が発生した場合の対応に遅延が発生することも
ない。そしてこのように金型を融通し合うことで、各工
場は自工場が担当する漁港からの魚箱供給要請に対し
て、常備していない金型を用いる魚箱についても即納体
制を堅持することができる。
を併用する場合に、魚箱成形品は蓋部材のみを輸送し、
これら蓋部材に対応する本体部材は魚箱供給能力が不足
している現地工場で成形するようにした場合、輸送コス
トの上昇を最小限にとどめながら、魚箱需要の不足を解
消することができる。
なる工場が互いに系列工場である場合には、装置の共通
化がはかれるとともに企業秘密漏えいを心配する必要が
ないため、成形金型の融通が容易となる。また互いに競
合関係にないため、魚箱を供給する担当エリアを設定す
ることが容易である。
が発動しないように、各工場における過去の魚箱需要に
基づいて魚箱在庫量を設定した場合、他工場からの魚箱
成形品の融通を受けることなく、自工場に備蓄されてい
る魚箱成形品を漁港に供給することができるから、輸送
コストの発生を最小限に抑えながら生産調整効果をあげ
ることができる。
た魚群の移動に対応して漁獲量の増加が予想される漁港
に、魚群の移動に先駆けて成形金型を移動させるように
した場合、漁港から魚箱の大量注文が発注されるまでの
時間を長くすることができるので、余裕を持って魚箱の
増産に対応することができる。
応して金型を移動させる実施例を説明した説明図
ト
で結ばれている様子を示す説明図
ケジュールの一例
ケジュールの他の例
作業の具体例を示す説明図
Claims (14)
- 【請求項1】 水揚げ漁港に、最寄りの魚箱成形工場か
ら魚箱を供給する方法において、 成形金型の融通による生産調整を互いに受け入れる複数
の工場を対象として、これら工場間の生産調整を管理す
る生産管理装置を、各工場に設けた通信端末装置と通信
可能に設け、 当該生産管理装置は、 各工場保有の金型情報を含む各工場の魚箱生産能力に関
する情報と、各工場保有の魚箱在庫に関する情報とを総
合した魚箱供給能力に関する情報を、各工場設置の通信
端末装置との交信により得られる最新の設備変更情報に
より更新しながら管理し、 季節変化に伴う魚群移動により変化する各漁港毎の漁獲
量の予測値を外部機関から得るとともに、この各漁港毎
の漁獲量の予測値に対応して、各工場に発生する魚箱需
要を算出し、 前記魚箱需要に対する魚箱供給能力の過不足を判定する
とともに、魚箱供給能力が不足する工場に対して同能力
に余裕がある工場から成形金型を融通する生産調整作業
を実行するようにした魚箱供給方法。 - 【請求項2】 魚箱供給能力が不足している工場と、同
能力に余裕のある工場との間で実行する生産調整作業
が、成形金型を融通する第1生産調整作業と、魚箱成形
品を融通する第2生産調整作業とを含み、両生産調整作
業のうち、常に第1生産調整作業を優先させつつ、要求
される調整範囲が同調整作業による調整範囲を超えると
判断したとき、第2生産調整作業の併用を選択する請求
項1記載の魚箱供給方法。 - 【請求項3】 生産能力は保有する成形機の設置台数
と、保有する金型の品種及び面数並びに取り個数とで管
理される請求項2記載の魚箱供給方法。 - 【請求項4】 第2生産調整作業を併用する場合、魚箱
成形品は蓋部材のみを輸送し、これら蓋部材に対応する
本体部材は魚箱供給能力が不足している現地工場で成形
する請求項2又は3記載の魚箱供給方法。 - 【請求項5】 生産調整の対象となる工場が互いに系列
工場である請求項1〜4のいずれか1項記載の魚箱供給
方法。 - 【請求項6】 魚箱供給能力の過不足の判定を、魚箱の
品種毎に行う請求項1〜5のいずれか1項記載の魚箱供
給方法。 - 【請求項7】 各工場には担当エリアがそれぞれ設定さ
れ、各工場は担当エリア内に所在する複数の漁港に魚箱
を供給する請求項1〜6のいずれか1項記載の魚箱供給
方法。 - 【請求項8】 第2生産調整作業が発動しないように、
各工場における過去の魚箱需要に基づいて魚箱在庫量を
設定する請求2〜7のいずれか1項記載の魚箱供給方
法。 - 【請求項9】 過去の漁獲量の推移の解析と、漁獲量の
変化の兆候の解析に基づいて成形金型を融通するタイミ
ングを決定する請求項2〜8のいずれか1項記載の魚箱
供給方法。 - 【請求項10】 回遊経路に沿った魚群の移動に対応し
て漁獲量の増加が予想される漁港に、魚群の移動に先駆
けて成形金型を移動させる請求項1〜8のいずれか1項
記載の魚箱供給方法。 - 【請求項11】 水揚げ漁港に、最寄りの魚箱成形工場
から魚箱を供給するシステムであって、 成形金型の融通による生産調整を互いに受け入れる複数
の工場を対象として、これら工場間の生産調整を管理す
る生産管理装置を、各工場に設けた通信端末装置と通信
可能に設け、 当該生産管理装置は、 各工場保有の金型情報を含む各工場の魚箱生産能力に関
する情報と、各工場保有の魚箱在庫に関する情報を総合
した魚箱供給能力に関する情報を、各工場設置の通信端
末装置との交信により得られる最新の設備変更情報によ
り更新しながら管理する魚箱供給能力管理部と、 季節変化に伴う魚群移動により変化する各漁港毎の漁獲
量の予測値を外部機関から得るとともに、この各漁港毎
の漁獲量の予測値に対応して、各工場に発生する魚箱需
要を算出する魚箱需要算出部と、 前記魚箱需要に対する魚箱供給能力の過不足を判定し、
魚箱供給能力が不足する工場に対して同能力に余裕があ
る工場から成形金型を融通する生産調整作業の実行を前
記両工場に指令する生産調整実行部とを備えた魚箱供給
システム。 - 【請求項12】 水揚げ漁港に、最寄りの魚箱成形工場
から魚箱を供給するシステムであって、 成形金型の融通による生産調整を互いに受け入れる複数
の工場を対象として、これら工場間の生産調整を管理す
る生産管理装置を、各工場に設けた通信端末装置と通信
可能に設け、 記生産管理装置にはコンピュータが含まれているととも
に、当該コンピュータに搭載されるプログラムには、 各工場保有の金型情報を含む各工場の魚箱生産能力に関
する情報と、各工場保有の魚箱在庫に関する情報を総合
した魚箱供給能力に関する情報を、各工場設置の通信端
末装置との交信により得られる最新の設備変更情報によ
り更新しながら管理する魚箱供給能力管理ルーチンと、 季節変化に伴う魚群移動により変化する各漁港毎の漁獲
量の予測値を外部機関から得るとともに、この各漁港毎
の漁獲量の予測値に対応して、各工場に発生する魚箱需
要を算出する魚箱需要算出ルーチンと、各工場について
魚箱需要に対する魚箱供給能力の過不足を判定する過不
足予測ルーチンと、 前記魚箱需要に対する魚箱供給能力の過不足を判定し、
魚箱供給能力が不足する工場に対して同能力に余裕があ
る工場から成形金型を融通する生産調整作業の実行を前
記両工場に指令する生産調整実行ルーチンと、を備えた
魚箱供給システム。 - 【請求項13】 生産調整作業が、魚箱供給能力が不足
する工場に同能力に余裕のある工場から成形金型を融通
する第1生産調整作業と、魚箱成形品を融通する第2生
産調整作業とを含み、常に第1生産調整作業を優先させ
つつ、要求される調整範囲が同調整作業による調整範囲
を超えると判断したとき、第2生産調整作業の併用を選
択する調整作業選択ルーチンが組み込まれている請求項
12記載の魚箱供給システム。 - 【請求項14】 成形金型及び魚箱成型品の輸送を、輸
送機関に指令する輸送指令ルーチンを内包する請求項1
2又は13記載の魚箱供給システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001350741A JP4120206B2 (ja) | 2001-11-15 | 2001-11-15 | 魚箱供給システム |
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JP2001350741A JP4120206B2 (ja) | 2001-11-15 | 2001-11-15 | 魚箱供給システム |
Publications (2)
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JP2003150232A true JP2003150232A (ja) | 2003-05-23 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN107515578A (zh) * | 2017-09-30 | 2017-12-26 | 宁波琅华泰阁海洋科技有限公司 | 一种水产运输管理系统 |
JP2021163248A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社カネカ | 管理システム |
-
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- 2001-11-15 JP JP2001350741A patent/JP4120206B2/ja not_active Expired - Fee Related
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