JP2003145197A - メタン醗酵の制御安定化システム - Google Patents
メタン醗酵の制御安定化システムInfo
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- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】発明が解決しようとする課題は、複数のメタン
醗酵施設の間で、効率的にメタン醗酵汚泥の融通をし合
うことにより、全ての複数のメタン醗酵施設のメタン醗
酵を常に安定的に運転するシステムを提供する。 【解決手段】本発明は、メタン醗酵汚泥を融通し合う複
数のメタン醗酵の運転状況をメタン醗酵施設管理センタ
ーにおいて、メタン醗酵施設から収得する運転データか
らメタン醗酵施設の健全性を判断して、選択された健全
メタン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設へメタン醗酵
汚泥を融通することとを特徴とするメタン醗酵の制御安
定化システムとすることにより、上記課題を達成するこ
とができた。
醗酵施設の間で、効率的にメタン醗酵汚泥の融通をし合
うことにより、全ての複数のメタン醗酵施設のメタン醗
酵を常に安定的に運転するシステムを提供する。 【解決手段】本発明は、メタン醗酵汚泥を融通し合う複
数のメタン醗酵の運転状況をメタン醗酵施設管理センタ
ーにおいて、メタン醗酵施設から収得する運転データか
らメタン醗酵施設の健全性を判断して、選択された健全
メタン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設へメタン醗酵
汚泥を融通することとを特徴とするメタン醗酵の制御安
定化システムとすることにより、上記課題を達成するこ
とができた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、メタン醗酵施設のメタ
ン醗酵汚泥を融通し合うことにより安定的に運転するシ
ステムに関する。
ン醗酵汚泥を融通し合うことにより安定的に運転するシ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】有機物を含む廃水や廃棄物の処理方法の
一つとしてメタン醗酵方法が近年普及し始めている。こ
のメタン醗酵方法では、廃水や廃棄物に含まれる高分子
の有機物をメタンにまで分解する際、加水分解菌によ
る低分子化 酸醗酵菌による有機酸の生成 メタン細
菌によるメタンの生成 の3つのステップで、かつ同時
に進行しており、全体として数十種類もの微生物が働い
ている。そのため、種々の環境の変化によりそれらの微
生物のバランスが崩れると、メタン醗酵全体が停止して
しまい、その再開には数ヵ月を要することが、メタン醗
酵施設を運転する際の大きな問題となっている。
一つとしてメタン醗酵方法が近年普及し始めている。こ
のメタン醗酵方法では、廃水や廃棄物に含まれる高分子
の有機物をメタンにまで分解する際、加水分解菌によ
る低分子化 酸醗酵菌による有機酸の生成 メタン細
菌によるメタンの生成 の3つのステップで、かつ同時
に進行しており、全体として数十種類もの微生物が働い
ている。そのため、種々の環境の変化によりそれらの微
生物のバランスが崩れると、メタン醗酵全体が停止して
しまい、その再開には数ヵ月を要することが、メタン醗
酵施設を運転する際の大きな問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題は、複数のメタン醗酵施設の間で、効率的にメタ
ン醗酵汚泥の融通をし合うことにより、全ての複数のメ
タン醗酵施設のメタン醗酵を常に安定的に運転するシス
テムを提供する。
る課題は、複数のメタン醗酵施設の間で、効率的にメタ
ン醗酵汚泥の融通をし合うことにより、全ての複数のメ
タン醗酵施設のメタン醗酵を常に安定的に運転するシス
テムを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明のメタン醗酵の制
御安定化システムは、請求範囲の各請求項に記載の発明
である。すなわち、以下の発明である。 (1)請求項1記載発明は、メタン醗酵汚泥を融通し合
う複数のメタン醗酵施設の運転状況を集中管理するメタ
ン醗酵施設管理センターにおいて、メタン醗酵施設から
収得する運転データからメタン醗酵施設の健全性を判断
して、健全メタン醗酵施設の中から選択された健全メタ
ン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設へ、メタン醗酵汚
泥を融通することを特徴とするメタン醗酵の制御安定化
システムの発明である。本発明の特徴的構成要件は、メ
タン醗酵施設から収得する運転データからメタン醗酵施
設の健全性を判断して、健全メタン醗酵施設の中から選
択された健全メタン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設
へ、メタン醗酵汚泥を融通することである。本発明によ
れば、メタン醗酵施設が不慮の事故等により長期的に運
転不能に陥ることを回避し、複数のメタン醗酵施設を安
定的に運転することを可能となる。かつ、健全メタン醗
酵施設の余裕メタン醗酵汚泥の一部又は全部を不健全メ
タン醗酵施設へ融通することによって、廃棄物処理をし
なければならないメタン醗酵汚泥量を減らし、費用の低
減をも図ることができ、上記効果と併せて、一石二鳥の
効果を発揮することが可能となる。 (2)請求項2記載発明は、メタン醗酵施設から収得す
る運転データを基にしたメタン醗酵健全性判断手法によ
り、不健全メタン醗酵施設と健全メタン醗酵施設とに分
類する方法であることを特徴とする請求項1記載のメタ
ン醗酵の制御安定化システム。本発明は、メタン醗酵汚
泥を融通し合うメタン醗酵施設の健全性判断手法が、メ
タン醗酵施設を健全メタン醗酵施設(融通する側)と不
健全メタン醗酵施設(融通してもらう側)と二つに分類
して、不健全メタン醗酵施設の特定と融通してもらう必
要メタン醗酵汚泥量を特定し、健全メタン醗酵施設の選
定と融通メタン醗酵汚泥量の配分を算出して決定するこ
とを特徴とする。メタン醗酵汚泥の融通を受ける不健全
メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚泥量は処方箋情報作
成手法に基づいて、一義的に決定される。一方、メタン
醗酵汚泥を融通する余裕メタン醗酵汚泥量X(i)の総
和は、上記必要メタン醗酵汚泥量Y(j)を上回るよう
に選定される。すなわち、(1)式で決定される。 ΣX(i)≧Y(j)……(1) (1)を満足するメタン醗酵施設の組み合せは、一般に
は複数あり、(1)式だけでは一義的に決定することが
できない場合もある。かかる場合、コンピューターシス
テムが乱数的に適宜決定することもできるし、コスト的
拘束条件を付加して、コストミニマムから、一義的に決
定することも可能である。例えば、融通メタン醗酵施設
の候補が二つあれば、被融通メタン醗酵施設に最も近い
融通メタン醗酵施設から実際に融通を受けるようシステ
マチックに決定することができる。 (3)請求項3記載発明は、健全メタン醗酵施設が不健
全メタン醗酵施設以外の施設であることを特徴とする請
求項1〜2記載のメタン醗酵の制御安定化システムの発
明である。本発明は、健全性判断を行ない、不健全メタ
ン醗酵施設と判断された場合、残りは健全メタン醗酵施
設と判断することを特徴とする発明である。メタン醗酵
施設は不健全メタン醗酵施設と健全メタン醗酵施設の二
つに二分することが特徴とされることにより、判断手法
が簡略されることになる。
御安定化システムは、請求範囲の各請求項に記載の発明
である。すなわち、以下の発明である。 (1)請求項1記載発明は、メタン醗酵汚泥を融通し合
う複数のメタン醗酵施設の運転状況を集中管理するメタ
ン醗酵施設管理センターにおいて、メタン醗酵施設から
収得する運転データからメタン醗酵施設の健全性を判断
して、健全メタン醗酵施設の中から選択された健全メタ
ン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設へ、メタン醗酵汚
泥を融通することを特徴とするメタン醗酵の制御安定化
システムの発明である。本発明の特徴的構成要件は、メ
タン醗酵施設から収得する運転データからメタン醗酵施
設の健全性を判断して、健全メタン醗酵施設の中から選
択された健全メタン醗酵施設から不健全メタン醗酵施設
へ、メタン醗酵汚泥を融通することである。本発明によ
れば、メタン醗酵施設が不慮の事故等により長期的に運
転不能に陥ることを回避し、複数のメタン醗酵施設を安
定的に運転することを可能となる。かつ、健全メタン醗
酵施設の余裕メタン醗酵汚泥の一部又は全部を不健全メ
タン醗酵施設へ融通することによって、廃棄物処理をし
なければならないメタン醗酵汚泥量を減らし、費用の低
減をも図ることができ、上記効果と併せて、一石二鳥の
効果を発揮することが可能となる。 (2)請求項2記載発明は、メタン醗酵施設から収得す
る運転データを基にしたメタン醗酵健全性判断手法によ
り、不健全メタン醗酵施設と健全メタン醗酵施設とに分
類する方法であることを特徴とする請求項1記載のメタ
ン醗酵の制御安定化システム。本発明は、メタン醗酵汚
泥を融通し合うメタン醗酵施設の健全性判断手法が、メ
タン醗酵施設を健全メタン醗酵施設(融通する側)と不
健全メタン醗酵施設(融通してもらう側)と二つに分類
して、不健全メタン醗酵施設の特定と融通してもらう必
要メタン醗酵汚泥量を特定し、健全メタン醗酵施設の選
定と融通メタン醗酵汚泥量の配分を算出して決定するこ
とを特徴とする。メタン醗酵汚泥の融通を受ける不健全
メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚泥量は処方箋情報作
成手法に基づいて、一義的に決定される。一方、メタン
醗酵汚泥を融通する余裕メタン醗酵汚泥量X(i)の総
和は、上記必要メタン醗酵汚泥量Y(j)を上回るよう
に選定される。すなわち、(1)式で決定される。 ΣX(i)≧Y(j)……(1) (1)を満足するメタン醗酵施設の組み合せは、一般に
は複数あり、(1)式だけでは一義的に決定することが
できない場合もある。かかる場合、コンピューターシス
テムが乱数的に適宜決定することもできるし、コスト的
拘束条件を付加して、コストミニマムから、一義的に決
定することも可能である。例えば、融通メタン醗酵施設
の候補が二つあれば、被融通メタン醗酵施設に最も近い
融通メタン醗酵施設から実際に融通を受けるようシステ
マチックに決定することができる。 (3)請求項3記載発明は、健全メタン醗酵施設が不健
全メタン醗酵施設以外の施設であることを特徴とする請
求項1〜2記載のメタン醗酵の制御安定化システムの発
明である。本発明は、健全性判断を行ない、不健全メタ
ン醗酵施設と判断された場合、残りは健全メタン醗酵施
設と判断することを特徴とする発明である。メタン醗酵
施設は不健全メタン醗酵施設と健全メタン醗酵施設の二
つに二分することが特徴とされることにより、判断手法
が簡略されることになる。
【0005】[用語の説明]本発明の権利内容の解釈上
の疑義を避けるために、用語の説明を以下行なう。・メ
タン醗酵とは、嫌気性の醗酵条件で生ごみ等の有機性成
分をメタンとして回収する方法である。我国において
は、それほど実施例は多くないが、欧州ではかなり盛ん
に行なわれている方法である(吉田邦夫監修 環境大辞
典 1998年12月20日初版第1刷発行466
頁)。メタン醗酵は、嫌気性菌であるメタン生成菌の働
きによって下水汚泥や有機廃棄物等の嫌気性消化を行な
って燃料となるメタンを得るもので好気性消化に比べて
消費電力が少なく、処理後の汚泥(消化汚泥)が安定化
する。発生異臭が低減できるといった利点が得られる。
しかしながら、反応速度が遅く、大容量の設備が必要と
なるといった問題がある。消化によって生成する消化ガ
スはメタンを60〜65%程度含む。残りの大部分は二
酸化炭素であり、微量の水素、窒素、硫化水素などを含
有する。メタン含有率が65%の時の発熱量は23MJ
/m3程度であり、硫化水素を除去した後に、ガスエン
ジン発電などに用いられている。この場合の発電効率は
30%、廃熱回収率は40%で、全体としての熱効率は
70%程度が得られている(吉田邦夫監修 環境大辞典
1998年12月20日初版第1刷発行782頁)。 ・メタン醗酵施設とは、メタン醗酵を行なって、廃水や
廃棄物を処理してメタンを生成する施設をいう。メタン
醗酵施設は、1からnまである。メタン醗酵施設管理セ
ンターとは、メタン醗酵汚泥を融通し合う複数のメタン
醗酵施設の運転データを取得して、各メタン醗酵施設の
メタン醗酵の運転を管理するセンターをいう。運転デー
タとは、メタン醗酵施設のメタン醗酵の運転状況を判断
するための運転状況情報をいう。メタン醗酵施設の健全
性を判断する評価項目と把握することもできる。具体的
には、メタン醗酵施設iの運転データ(D1(i)〜D
k(i))とは、例えば、メタン醗酵槽のpH、メタン
醗酵槽のTS、メタン醗酵槽のCOD、メタン醗酵槽の
水素濃度、メタン醗酵槽のプロピオン酸濃度、メタン醗
酵槽のアンモニア濃度、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌
相、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量等である。 ・メタン醗酵健全性判断手法(単に、健全性判断手法と
もいう。)とは、各メタン醗酵施設の運転データから各
メタン醗酵施設毎に、各メタン醗酵が健全であるか不健
全であるかを判断する判断手法をいう。メタン醗酵健全
性判断手法は、各メタン醗酵施設毎に、それぞれのメタ
ン醗酵施設が、健全であるか不健全であるかを判断する
判断手法をいう。すなわち、 一般には、選定されたメ
タン醗酵施設の各種運転データ(メタン醗酵施設の健全
性を判断する評価項目)について、全ての運転データが
健全範囲に入る場合は当該メタン醗酵施設は健全と判断
し、運転データが1つでも不健全範囲に入る場合は当該
メタン醗酵施設は不健全と判断する。健全メタン醗酵施
設とは、メタン醗酵健全性判断手法により、健全と判断
されたメタン醗酵施設をいう。 ・不健全メタン醗酵施設とは、メタン醗酵健全性判断手
法により、不健全と判断されたメタン醗酵施設をいう。 ・測定システムとは、メタン醗酵槽のpH、メタン醗酵
槽のTS、メタン醗酵槽のCOD、メタン醗酵槽の水素
濃度、メタン醗酵槽のプロピオン酸濃度、メタン醗酵槽
のアンモニア濃度、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相、メ
タン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量等の各種測定器を含み、
各種運転データを取得するためのシステムをいう。 ・余裕メタン醗酵汚泥量とは、健全メタン醗酵施設にお
いて、他の不健全メタン醗酵施に対して融通可能なメタ
ン醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵施設iの余裕メタン醗
酵汚泥をX(i)と表す。必要メタン醗酵汚泥量とは、
不健全メタン醗酵施設において、他の健全メタン醗酵施
から融通が必要なメタン醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵
施設jの必要メタン醗酵汚泥量をY(j)と表す。融通
メタン醗酵汚泥量とは、不健全メタン醗酵施設におい
て、他の健全メタン醗酵施設から実際に融通するメタン
醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵施設iの融通メタン醗酵
汚泥量をZ(i)と表す。融通メタン醗酵汚泥量Z
(i)と必要メタン醗酵汚泥量Y(j)の間には、下式
が成立する。 ΣZ(i)=Y(j)……(1′)
の疑義を避けるために、用語の説明を以下行なう。・メ
タン醗酵とは、嫌気性の醗酵条件で生ごみ等の有機性成
分をメタンとして回収する方法である。我国において
は、それほど実施例は多くないが、欧州ではかなり盛ん
に行なわれている方法である(吉田邦夫監修 環境大辞
典 1998年12月20日初版第1刷発行466
頁)。メタン醗酵は、嫌気性菌であるメタン生成菌の働
きによって下水汚泥や有機廃棄物等の嫌気性消化を行な
って燃料となるメタンを得るもので好気性消化に比べて
消費電力が少なく、処理後の汚泥(消化汚泥)が安定化
する。発生異臭が低減できるといった利点が得られる。
しかしながら、反応速度が遅く、大容量の設備が必要と
なるといった問題がある。消化によって生成する消化ガ
スはメタンを60〜65%程度含む。残りの大部分は二
酸化炭素であり、微量の水素、窒素、硫化水素などを含
有する。メタン含有率が65%の時の発熱量は23MJ
/m3程度であり、硫化水素を除去した後に、ガスエン
ジン発電などに用いられている。この場合の発電効率は
30%、廃熱回収率は40%で、全体としての熱効率は
70%程度が得られている(吉田邦夫監修 環境大辞典
1998年12月20日初版第1刷発行782頁)。 ・メタン醗酵施設とは、メタン醗酵を行なって、廃水や
廃棄物を処理してメタンを生成する施設をいう。メタン
醗酵施設は、1からnまである。メタン醗酵施設管理セ
ンターとは、メタン醗酵汚泥を融通し合う複数のメタン
醗酵施設の運転データを取得して、各メタン醗酵施設の
メタン醗酵の運転を管理するセンターをいう。運転デー
タとは、メタン醗酵施設のメタン醗酵の運転状況を判断
するための運転状況情報をいう。メタン醗酵施設の健全
性を判断する評価項目と把握することもできる。具体的
には、メタン醗酵施設iの運転データ(D1(i)〜D
k(i))とは、例えば、メタン醗酵槽のpH、メタン
醗酵槽のTS、メタン醗酵槽のCOD、メタン醗酵槽の
水素濃度、メタン醗酵槽のプロピオン酸濃度、メタン醗
酵槽のアンモニア濃度、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌
相、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量等である。 ・メタン醗酵健全性判断手法(単に、健全性判断手法と
もいう。)とは、各メタン醗酵施設の運転データから各
メタン醗酵施設毎に、各メタン醗酵が健全であるか不健
全であるかを判断する判断手法をいう。メタン醗酵健全
性判断手法は、各メタン醗酵施設毎に、それぞれのメタ
ン醗酵施設が、健全であるか不健全であるかを判断する
判断手法をいう。すなわち、 一般には、選定されたメ
タン醗酵施設の各種運転データ(メタン醗酵施設の健全
性を判断する評価項目)について、全ての運転データが
健全範囲に入る場合は当該メタン醗酵施設は健全と判断
し、運転データが1つでも不健全範囲に入る場合は当該
メタン醗酵施設は不健全と判断する。健全メタン醗酵施
設とは、メタン醗酵健全性判断手法により、健全と判断
されたメタン醗酵施設をいう。 ・不健全メタン醗酵施設とは、メタン醗酵健全性判断手
法により、不健全と判断されたメタン醗酵施設をいう。 ・測定システムとは、メタン醗酵槽のpH、メタン醗酵
槽のTS、メタン醗酵槽のCOD、メタン醗酵槽の水素
濃度、メタン醗酵槽のプロピオン酸濃度、メタン醗酵槽
のアンモニア濃度、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相、メ
タン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量等の各種測定器を含み、
各種運転データを取得するためのシステムをいう。 ・余裕メタン醗酵汚泥量とは、健全メタン醗酵施設にお
いて、他の不健全メタン醗酵施に対して融通可能なメタ
ン醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵施設iの余裕メタン醗
酵汚泥をX(i)と表す。必要メタン醗酵汚泥量とは、
不健全メタン醗酵施設において、他の健全メタン醗酵施
から融通が必要なメタン醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵
施設jの必要メタン醗酵汚泥量をY(j)と表す。融通
メタン醗酵汚泥量とは、不健全メタン醗酵施設におい
て、他の健全メタン醗酵施設から実際に融通するメタン
醗酵汚泥量をいう。メタン醗酵施設iの融通メタン醗酵
汚泥量をZ(i)と表す。融通メタン醗酵汚泥量Z
(i)と必要メタン醗酵汚泥量Y(j)の間には、下式
が成立する。 ΣZ(i)=Y(j)……(1′)
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のメタン醗酵の制御安定化
システム700は、メタン醗酵施設管理センター600
に設置されたメタン醗酵施設管理システム500と、各
メタン醗酵施設A1〜Anに設置されたメタン醗酵施設
分散システムi100から構成される。メタン醗酵施設
iでは、測定システムi1によって、複数の運転データ
(D1(i)〜Dk(i))を取得情報として、測定デ
ータ記憶装置i2に記憶させる。周期的に、制御演算装
置i4により、メタン醗酵施設iにおいて測定された運
転データ(D1(i)〜Dk(i))を、通信装置i5
から、通信線i6(インターネットを含む。有線の他、
無線の場合を含む。)を介して、メタン醗酵施設管理セ
ンター600内に設置されたメタン醗酵施設管理システ
ム500の通信装置5に送信する。なお、制御演算装置
i4により、適宜出力装置i3に出力させることもでき
る。メタン醗酵施設管理システムでは、制御演算装置4
により、各メタン醗酵施設i(i=1〜n)の健全性判
断が行われる。ここに、メタン醗酵施設健全性判断手法
については、後述する。メタン醗酵健全性判断手法によ
って、メタン醗酵施設iが不健全であると判断された場
合、処方箋情報作成手法から必要メタン醗酵汚泥量を処
方箋情報として決定する。そして、当該処方箋情報は、
通信装置5によって、通信線i6を介して、メタン醗酵
施設iの通信装置i5に送信される。通信装置i5に受
信された処方箋情報は、制御演算装置i4によって、出
力装置i3に出力される。処方箋情報は、出力装置i3
のアラーム信号として音声等で出力することも考えられ
る。出力装置i3によって出力された場合、メタン醗酵
施設iが処方箋情報を受取った旨の受領情報として、制
御演算装置i4によって、通信装置i5から、通信線i
6を介して、通信装置5に送信される。これによって、
メタン醗酵施設管理センター600のメタン醗酵施設管
理システム500は、処方箋情報をメタン醗酵施設iが
受領した旨を受信する。受領情報は、制御演算装置4に
よって、出力装置3に出力させることもできる。一方、
メタン醗酵健全性判断手法によって、メタン醗酵施設i
が健全であると判断された場合、処方箋情報作成手法か
ら各メタン醗酵施設の余裕メタン醗酵汚泥量を算出す
る。そして、不健全メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚
泥量を融通する健全メタン醗酵施設を決定する。1つの
健全メタン醗酵施設の場合もあるし、2以上の健全メタ
ン醗酵施設の場合もある。融通するメタン醗酵施設の余
裕メタン醗酵汚泥量の総和が、不健全メタン醗酵施設の
必要メタン醗酵汚泥量を上回ることが必要である。そし
て、実際に融通する融通メタン醗酵汚泥量の総和が、不
健全メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚泥量となるよう
に、融通するメタン醗酵施設と融通メタン醗酵汚泥量を
決定する。かかる融通するメタン醗酵施設と融通メタン
醗酵汚泥量を処方箋情報からなる当該処方箋情報は、通
信装置5によって、通信線i6を介して、メタン醗酵施
設管理センター600から、メタン醗酵施設iの通信装
置i5に送信される。通信装置i5に受信された処方箋
情報は、制御演算装置i4によって、出力装置i3に出
力される。処方箋情報は、出力装置i3のアラーム信号
として音声で出力することも考えられる。出力装置i3
によって出力された場合、メタン醗酵施設iが処方箋情
報を受取った旨の受領情報として、制御演算装置i4に
よって、通信装置i5から、通信線i6を介して、通信
装置5に送信される。これによって、メタン醗酵施設管
理センター600のメタン醗酵施設管理システム500
は、処方箋情報をメタン醗酵施設iが受領した旨を受信
する。受領情報は、制御演算装置4によって、出力装置
3に出力させることができる。次に、メタン醗酵施設健
全性判断手法について述べる。 [健全性判断手法]メタン醗酵施設管理システム600
は、メタン醗酵施設A1からメタン醗酵施設Anまでの
nのメタン醗酵施設からメタン醗酵施設の運転状況に関
する各種データ(運転データともいう。)を継続的に取
得する。ここに、メタン醗酵施設iのj種の運転データ
をDj(i)と表現することにする。ここに、ここに、
1≦i≦n、1≦j≦kである。メタン醗酵施設iの運
転データ(D1(i)〜Dk(i))とは、例えば、メ
タン醗酵槽のpH、メタン醗酵槽のTS、メタン醗酵槽
のCOD、メタン醗酵槽の水素濃度、メタン醗酵槽のプ
ロピオン酸濃度、メタン醗酵槽のアンモニア濃度、メタ
ン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の
汚泥量等である。従って、メタン醗酵施設iの運転デー
タ(D1(i)〜Dk(i))は、メタン醗酵槽のpH
(D1(i))、メタン醗酵槽のTS(D2(i))、
メタン醗酵槽のCOD(D3(i))、メタン醗酵槽の
水素濃度(D4(i))、メタン醗酵槽のプロピオン酸
濃度(D5(i))、メタン醗酵槽のアンモニア濃度
(D6(i))、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相(D7
(i))、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量(D8
(i))等である。以上、8種類の運転データの種類を
例示したが、本発明はこれのみに限定するものでもな
い。実施態様発明において、運転データから健全性判断
手法は、以下の運転データの全てが健全と判断する場
合、当該メタン醗酵施設は健全と判断し、運転データの
一つでも不健全と判断された場合は不健全と判断する。 (1)メタン発酵槽のpHが、7≦pH≦8の場合は健
全、7>pH、あるいは7<pHの場合、不健全と判断
する。 (2)メタン発酵槽のTSが、下がる場合は健全、経時
的に上昇する場合不健全と判断する。 (3)メタン発酵槽のCODが、下がる場合は健全、経
時的に上昇する場合不健全と判断する。 (4)メタン発酵槽の水素濃度が100ppm以下の場
合は健全、100ppmを越える場合不健全と判断す
る。 (5)メタン発酵槽のプロピオン酸濃度が1000pp
m以下の場合は健全、1000ppmを越える場合不健
全と判断する。 (6)メタン発酵槽のアンモニア濃度が1000ppm
以下の場合は健全、1000ppmを越える場合不健全
と判断する。 メタン醗酵施設管理センター600において、各メタン
醗酵施設A1〜Anからの運転データDj(i)(1≦
i≦n、1≦j≦k)を継続的に集中的に取得する。そ
して、定期的に各メタン醗酵施設A1〜Anの健全性を
健全性判断手法により、判断する。これにより、各メタ
ン醗酵施設A1〜Anは、健全メタン醗酵施設と不健全
メタン醗酵施設とに分類される。以下、本発明の[処方
箋作成手法]について説明する。 [処方箋作成手法]不健全メタン醗酵施設と判断された
メタン醗酵施設については、例えば、以下のような処方
箋情報を作成する。 (1)メタン発酵槽のpHが、pH<7の場合はタンパク
質中心のメタン発酵施設の汚泥を不健全メタン発酵施設
の全汚泥量の1/10の投入指示、pH>8の場合は糖
類中心のメタン発酵施設の全汚泥量の1/10の投入指
示を処方箋情報とする。 (2)メタン発酵槽のTSの経時的な上昇が見られる場
合は、投入有機物が類似しているメタン発酵施設の汚泥
を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/5の投入指示
を処方箋情報とする。 (3)メタン発酵槽のCODの経時的な上昇が見られる
場合は、酢酸資化メタン細菌が優勢なメタン発酵施設の
汚泥を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/10の投
入指示を処方箋情報とする。 (4)メタン発酵槽の水素濃度が100ppmを越える
場合、全パラメータの詳細なチェックおよび菌相分析を
実施指示を処方箋情報とする。 (5)メタン発酵槽のプロピオン酸濃度が1000pp
mを越える時は、健全汚泥と不健全メタン発酵施設の全
汚泥量の1/5以上の入れ換え指示を処方箋情報とす
る。 (6)メタン発酵槽のアンモニア濃度が1000ppm
を越える場合は、タンパク質中心のメタン発酵施設の汚
泥を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/10投入指
示を処方箋情報とする。 不健全メタン醗酵施設と判断された場合、対応として、
必要な健全メタン醗酵汚泥を健全メタン醗酵施設から、
必要量を融通するよう指示を出す。指示を受けた健全メ
タン醗酵施設は、必要量を融通するよう指示旨及び必要
量を出力する。 [余裕メタン醗酵汚泥量]各メタン醗酵施設iにおい
て、メタン醗酵汚泥は,周期的(ここに、周期をT
(i)とする。)に廃棄物として抜き出される。一般に
は、メタン醗酵汚泥を抜き出した後の経過時間をt
(i)とし、周期的に抜き出すメタン醗酵汚泥をX0
(i)とすれば、余裕メタン醗酵汚泥量X(i)は、例
えば X(i)=X0(i)*t(i)/T(i)……(2) と表される。従って、メタン醗酵施設iにおいて、メタ
ン醗酵汚泥を抜き出し時期と抜き出し量等をデータとし
て蓄積させておけば、上式により、メタン醗酵施設iの
余裕メタン醗酵汚泥量が算出できる。すなわち、メタン
醗酵施設iのメタン醗酵汚泥を抜き出し時期に、抜き出
し時期と抜き出し量等をデータとして、送信装置i5か
ら、通信線i6を介して、送信装置5に送信して、記憶
装置4に記憶させて置く必要がある。T(i)、X0
(i)については各メタン発酵施設により異なるが、例
えば有機物処理量1トン/日、滞留時間が20日、1日1回汚
泥引き抜きを行っているメタン発酵施設であれば、T
(i)=1(回/日)、X0(i)=50(kg)となる。メタ
ン醗酵汚泥を抜き出した直後は、メタン醗酵汚泥を融通
する余裕がないが、メタン醗酵汚泥を抜き出す直前は、
メタン醗酵汚泥を融通する最大の余裕があることにな
る。一方、メタン醗酵汚泥を融通する余裕メタン醗酵汚
泥量X(i)の総和は、上記必要メタン醗酵汚泥量Y
(j)を上回るように選定される。すなわち、前述した
(1)式で決定される。 ΣX(i)≧Y(j)……(1) (1)を満足するメタン醗酵施設の組み合せは、一般に
は複数あり、(1)式だけでは一義的に決定することが
できない場合もある。かかる場合、コンピューターシス
テムが乱数的に適宜決定することもできるし、コスト的
拘束条件を付加して、コストミニマムから、一義的に決
定することも可能である。例えば、融通メタン醗酵施設
の候補が二つあれば、被融通メタン醗酵施設に最も近い
融通メタン醗酵施設から実際に融通を受けるようシステ
マチックに決定することができる。なお、メタン醗酵施
設iで受け入れ廃棄物の質の変動等により、上記データ
のうちの一つ若しくは複数が、許容範囲以上の数値を示
した場合、そのデータ内容から、メタン醗酵施設管理セ
ンターのコンピューターで今後起こり得る菌相の変化を
予想する。例えば、受け入れ有機物濃度が高過ぎたた
め、メタン醗酵槽のpHの低下及びCODの上昇が観察
された場合、メタン醗酵施設管理センターでは、コンピ
ューターで過去のデータと照合し、酢酸資化型メタン醗
酵細菌が減少すると予測する。その場合、Ai以外のA
1からAnまでのメタン醗酵施設の中から、酢酸資化型
メタン醗酵細菌の能力が高く、汚泥量に余裕のある施設
jを選出し、その施設jから施設iへ指定量のメタン醗
酵汚泥を委譲するよう指令する。
システム700は、メタン醗酵施設管理センター600
に設置されたメタン醗酵施設管理システム500と、各
メタン醗酵施設A1〜Anに設置されたメタン醗酵施設
分散システムi100から構成される。メタン醗酵施設
iでは、測定システムi1によって、複数の運転データ
(D1(i)〜Dk(i))を取得情報として、測定デ
ータ記憶装置i2に記憶させる。周期的に、制御演算装
置i4により、メタン醗酵施設iにおいて測定された運
転データ(D1(i)〜Dk(i))を、通信装置i5
から、通信線i6(インターネットを含む。有線の他、
無線の場合を含む。)を介して、メタン醗酵施設管理セ
ンター600内に設置されたメタン醗酵施設管理システ
ム500の通信装置5に送信する。なお、制御演算装置
i4により、適宜出力装置i3に出力させることもでき
る。メタン醗酵施設管理システムでは、制御演算装置4
により、各メタン醗酵施設i(i=1〜n)の健全性判
断が行われる。ここに、メタン醗酵施設健全性判断手法
については、後述する。メタン醗酵健全性判断手法によ
って、メタン醗酵施設iが不健全であると判断された場
合、処方箋情報作成手法から必要メタン醗酵汚泥量を処
方箋情報として決定する。そして、当該処方箋情報は、
通信装置5によって、通信線i6を介して、メタン醗酵
施設iの通信装置i5に送信される。通信装置i5に受
信された処方箋情報は、制御演算装置i4によって、出
力装置i3に出力される。処方箋情報は、出力装置i3
のアラーム信号として音声等で出力することも考えられ
る。出力装置i3によって出力された場合、メタン醗酵
施設iが処方箋情報を受取った旨の受領情報として、制
御演算装置i4によって、通信装置i5から、通信線i
6を介して、通信装置5に送信される。これによって、
メタン醗酵施設管理センター600のメタン醗酵施設管
理システム500は、処方箋情報をメタン醗酵施設iが
受領した旨を受信する。受領情報は、制御演算装置4に
よって、出力装置3に出力させることもできる。一方、
メタン醗酵健全性判断手法によって、メタン醗酵施設i
が健全であると判断された場合、処方箋情報作成手法か
ら各メタン醗酵施設の余裕メタン醗酵汚泥量を算出す
る。そして、不健全メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚
泥量を融通する健全メタン醗酵施設を決定する。1つの
健全メタン醗酵施設の場合もあるし、2以上の健全メタ
ン醗酵施設の場合もある。融通するメタン醗酵施設の余
裕メタン醗酵汚泥量の総和が、不健全メタン醗酵施設の
必要メタン醗酵汚泥量を上回ることが必要である。そし
て、実際に融通する融通メタン醗酵汚泥量の総和が、不
健全メタン醗酵施設の必要メタン醗酵汚泥量となるよう
に、融通するメタン醗酵施設と融通メタン醗酵汚泥量を
決定する。かかる融通するメタン醗酵施設と融通メタン
醗酵汚泥量を処方箋情報からなる当該処方箋情報は、通
信装置5によって、通信線i6を介して、メタン醗酵施
設管理センター600から、メタン醗酵施設iの通信装
置i5に送信される。通信装置i5に受信された処方箋
情報は、制御演算装置i4によって、出力装置i3に出
力される。処方箋情報は、出力装置i3のアラーム信号
として音声で出力することも考えられる。出力装置i3
によって出力された場合、メタン醗酵施設iが処方箋情
報を受取った旨の受領情報として、制御演算装置i4に
よって、通信装置i5から、通信線i6を介して、通信
装置5に送信される。これによって、メタン醗酵施設管
理センター600のメタン醗酵施設管理システム500
は、処方箋情報をメタン醗酵施設iが受領した旨を受信
する。受領情報は、制御演算装置4によって、出力装置
3に出力させることができる。次に、メタン醗酵施設健
全性判断手法について述べる。 [健全性判断手法]メタン醗酵施設管理システム600
は、メタン醗酵施設A1からメタン醗酵施設Anまでの
nのメタン醗酵施設からメタン醗酵施設の運転状況に関
する各種データ(運転データともいう。)を継続的に取
得する。ここに、メタン醗酵施設iのj種の運転データ
をDj(i)と表現することにする。ここに、ここに、
1≦i≦n、1≦j≦kである。メタン醗酵施設iの運
転データ(D1(i)〜Dk(i))とは、例えば、メ
タン醗酵槽のpH、メタン醗酵槽のTS、メタン醗酵槽
のCOD、メタン醗酵槽の水素濃度、メタン醗酵槽のプ
ロピオン酸濃度、メタン醗酵槽のアンモニア濃度、メタ
ン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の
汚泥量等である。従って、メタン醗酵施設iの運転デー
タ(D1(i)〜Dk(i))は、メタン醗酵槽のpH
(D1(i))、メタン醗酵槽のTS(D2(i))、
メタン醗酵槽のCOD(D3(i))、メタン醗酵槽の
水素濃度(D4(i))、メタン醗酵槽のプロピオン酸
濃度(D5(i))、メタン醗酵槽のアンモニア濃度
(D6(i))、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の菌相(D7
(i))、メタン醗酵槽の醗酵汚泥の汚泥量(D8
(i))等である。以上、8種類の運転データの種類を
例示したが、本発明はこれのみに限定するものでもな
い。実施態様発明において、運転データから健全性判断
手法は、以下の運転データの全てが健全と判断する場
合、当該メタン醗酵施設は健全と判断し、運転データの
一つでも不健全と判断された場合は不健全と判断する。 (1)メタン発酵槽のpHが、7≦pH≦8の場合は健
全、7>pH、あるいは7<pHの場合、不健全と判断
する。 (2)メタン発酵槽のTSが、下がる場合は健全、経時
的に上昇する場合不健全と判断する。 (3)メタン発酵槽のCODが、下がる場合は健全、経
時的に上昇する場合不健全と判断する。 (4)メタン発酵槽の水素濃度が100ppm以下の場
合は健全、100ppmを越える場合不健全と判断す
る。 (5)メタン発酵槽のプロピオン酸濃度が1000pp
m以下の場合は健全、1000ppmを越える場合不健
全と判断する。 (6)メタン発酵槽のアンモニア濃度が1000ppm
以下の場合は健全、1000ppmを越える場合不健全
と判断する。 メタン醗酵施設管理センター600において、各メタン
醗酵施設A1〜Anからの運転データDj(i)(1≦
i≦n、1≦j≦k)を継続的に集中的に取得する。そ
して、定期的に各メタン醗酵施設A1〜Anの健全性を
健全性判断手法により、判断する。これにより、各メタ
ン醗酵施設A1〜Anは、健全メタン醗酵施設と不健全
メタン醗酵施設とに分類される。以下、本発明の[処方
箋作成手法]について説明する。 [処方箋作成手法]不健全メタン醗酵施設と判断された
メタン醗酵施設については、例えば、以下のような処方
箋情報を作成する。 (1)メタン発酵槽のpHが、pH<7の場合はタンパク
質中心のメタン発酵施設の汚泥を不健全メタン発酵施設
の全汚泥量の1/10の投入指示、pH>8の場合は糖
類中心のメタン発酵施設の全汚泥量の1/10の投入指
示を処方箋情報とする。 (2)メタン発酵槽のTSの経時的な上昇が見られる場
合は、投入有機物が類似しているメタン発酵施設の汚泥
を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/5の投入指示
を処方箋情報とする。 (3)メタン発酵槽のCODの経時的な上昇が見られる
場合は、酢酸資化メタン細菌が優勢なメタン発酵施設の
汚泥を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/10の投
入指示を処方箋情報とする。 (4)メタン発酵槽の水素濃度が100ppmを越える
場合、全パラメータの詳細なチェックおよび菌相分析を
実施指示を処方箋情報とする。 (5)メタン発酵槽のプロピオン酸濃度が1000pp
mを越える時は、健全汚泥と不健全メタン発酵施設の全
汚泥量の1/5以上の入れ換え指示を処方箋情報とす
る。 (6)メタン発酵槽のアンモニア濃度が1000ppm
を越える場合は、タンパク質中心のメタン発酵施設の汚
泥を不健全メタン発酵施設の全汚泥量の1/10投入指
示を処方箋情報とする。 不健全メタン醗酵施設と判断された場合、対応として、
必要な健全メタン醗酵汚泥を健全メタン醗酵施設から、
必要量を融通するよう指示を出す。指示を受けた健全メ
タン醗酵施設は、必要量を融通するよう指示旨及び必要
量を出力する。 [余裕メタン醗酵汚泥量]各メタン醗酵施設iにおい
て、メタン醗酵汚泥は,周期的(ここに、周期をT
(i)とする。)に廃棄物として抜き出される。一般に
は、メタン醗酵汚泥を抜き出した後の経過時間をt
(i)とし、周期的に抜き出すメタン醗酵汚泥をX0
(i)とすれば、余裕メタン醗酵汚泥量X(i)は、例
えば X(i)=X0(i)*t(i)/T(i)……(2) と表される。従って、メタン醗酵施設iにおいて、メタ
ン醗酵汚泥を抜き出し時期と抜き出し量等をデータとし
て蓄積させておけば、上式により、メタン醗酵施設iの
余裕メタン醗酵汚泥量が算出できる。すなわち、メタン
醗酵施設iのメタン醗酵汚泥を抜き出し時期に、抜き出
し時期と抜き出し量等をデータとして、送信装置i5か
ら、通信線i6を介して、送信装置5に送信して、記憶
装置4に記憶させて置く必要がある。T(i)、X0
(i)については各メタン発酵施設により異なるが、例
えば有機物処理量1トン/日、滞留時間が20日、1日1回汚
泥引き抜きを行っているメタン発酵施設であれば、T
(i)=1(回/日)、X0(i)=50(kg)となる。メタ
ン醗酵汚泥を抜き出した直後は、メタン醗酵汚泥を融通
する余裕がないが、メタン醗酵汚泥を抜き出す直前は、
メタン醗酵汚泥を融通する最大の余裕があることにな
る。一方、メタン醗酵汚泥を融通する余裕メタン醗酵汚
泥量X(i)の総和は、上記必要メタン醗酵汚泥量Y
(j)を上回るように選定される。すなわち、前述した
(1)式で決定される。 ΣX(i)≧Y(j)……(1) (1)を満足するメタン醗酵施設の組み合せは、一般に
は複数あり、(1)式だけでは一義的に決定することが
できない場合もある。かかる場合、コンピューターシス
テムが乱数的に適宜決定することもできるし、コスト的
拘束条件を付加して、コストミニマムから、一義的に決
定することも可能である。例えば、融通メタン醗酵施設
の候補が二つあれば、被融通メタン醗酵施設に最も近い
融通メタン醗酵施設から実際に融通を受けるようシステ
マチックに決定することができる。なお、メタン醗酵施
設iで受け入れ廃棄物の質の変動等により、上記データ
のうちの一つ若しくは複数が、許容範囲以上の数値を示
した場合、そのデータ内容から、メタン醗酵施設管理セ
ンターのコンピューターで今後起こり得る菌相の変化を
予想する。例えば、受け入れ有機物濃度が高過ぎたた
め、メタン醗酵槽のpHの低下及びCODの上昇が観察
された場合、メタン醗酵施設管理センターでは、コンピ
ューターで過去のデータと照合し、酢酸資化型メタン醗
酵細菌が減少すると予測する。その場合、Ai以外のA
1からAnまでのメタン醗酵施設の中から、酢酸資化型
メタン醗酵細菌の能力が高く、汚泥量に余裕のある施設
jを選出し、その施設jから施設iへ指定量のメタン醗
酵汚泥を委譲するよう指令する。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、メタン醗酵施設が不慮
の事故等により長期的に運転不能に陥ることを回避し、
複数のメタン醗酵施設を安定的に運転することが可能と
なる。また、メタン醗酵汚泥は、周期的にメタン醗酵槽
から抜き出して廃棄物処理しなければならない。健全メ
タン醗酵施設の余裕メタン醗酵汚泥の一部又は全部を不
健全メタン醗酵施設へ融通することによって、廃棄物処
理をするメタン醗酵汚泥量を減らし、費用の低減をも図
ることができ、上記効果と併せて、一石二鳥の効果を発
揮することができた。
の事故等により長期的に運転不能に陥ることを回避し、
複数のメタン醗酵施設を安定的に運転することが可能と
なる。また、メタン醗酵汚泥は、周期的にメタン醗酵槽
から抜き出して廃棄物処理しなければならない。健全メ
タン醗酵施設の余裕メタン醗酵汚泥の一部又は全部を不
健全メタン醗酵施設へ融通することによって、廃棄物処
理をするメタン醗酵汚泥量を減らし、費用の低減をも図
ることができ、上記効果と併せて、一石二鳥の効果を発
揮することができた。
【図1】 本発明のシステム系統図
【図2】 本発明の健全性判断フローチャート
700 メタン醗酵の制御安定化システム
600 メタン醗酵施設管理センター
500 メタン醗酵施設管理システム
2 測定データ記憶装置
3 出力装置
4 制御演算装置
5 通信装置
i1 測定システム
i2 測定データ記憶装置
i3 出力装置
i4 制御演算装置
i5 通信装置
i100 メタン発酵施設iの分散システム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月27日(2001.12.
27)
27)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 4B029 AA01 BB02 CC01 DF10 DG10
4D004 AA02 BA03 DA02 DA16
4D040 AA01 AA61
4D059 AA03 AA07 BA12 BA25
Claims (3)
- 【請求項1】 メタン醗酵汚泥を融通し合う複数のメタ
ン醗酵施設の運転状況を集中管理するメタン醗酵施設管
理センターにおいて、メタン醗酵施設から収得する運転
データからメタン醗酵施設の健全性を判断して、健全メ
タン醗酵施設の中から選択された健全メタン醗酵施設か
ら不健全メタン醗酵施設へ、メタン醗酵汚泥を融通する
ことを特徴とするメタン醗酵の制御安定化システム。 - 【請求項2】メタン醗酵施設から収得する運転データを
基にしたメタン醗酵健全性判断手法により、不健全メタ
ン醗酵施設と健全メタン醗酵施設とに分類する方法であ
ることを特徴とする請求項1記載のメタン醗酵の制御安
定化システム。 - 【請求項3】健全メタン醗酵施設が不健全メタン醗酵施
設以外の施設であることを特徴とする請求項1〜2記載
のメタン醗酵の制御安定化システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001352586A JP2003145197A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | メタン醗酵の制御安定化システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001352586A JP2003145197A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | メタン醗酵の制御安定化システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003145197A true JP2003145197A (ja) | 2003-05-20 |
Family
ID=19164738
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001352586A Pending JP2003145197A (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | メタン醗酵の制御安定化システム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003145197A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017000982A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 水ing株式会社 | 下排水処理システム及び下排水処理方法 |
JP2017000980A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 水ing株式会社 | 下排水処理方法及び下排水処理システム |
JP2021058834A (ja) * | 2019-10-04 | 2021-04-15 | 栗田工業株式会社 | メタン発酵制御システム及び制御方法 |
-
2001
- 2001-11-19 JP JP2001352586A patent/JP2003145197A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017000982A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 水ing株式会社 | 下排水処理システム及び下排水処理方法 |
JP2017000980A (ja) * | 2015-06-12 | 2017-01-05 | 水ing株式会社 | 下排水処理方法及び下排水処理システム |
JP2021058834A (ja) * | 2019-10-04 | 2021-04-15 | 栗田工業株式会社 | メタン発酵制御システム及び制御方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20041210 |