JP2003141538A - テンプレート・マッチング方法 - Google Patents

テンプレート・マッチング方法

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JP2003141538A
JP2003141538A JP2001342543A JP2001342543A JP2003141538A JP 2003141538 A JP2003141538 A JP 2003141538A JP 2001342543 A JP2001342543 A JP 2001342543A JP 2001342543 A JP2001342543 A JP 2001342543A JP 2003141538 A JP2003141538 A JP 2003141538A
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JP2001342543A
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Masahide Sasaki
雅英 佐々木
Carlini Alberto
カルリーニ アルベルト
Jozsa Richard
ジョザ リチャード
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Communications Research Laboratory
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来よりも計算量が少なく、短時間で精確に
処理できるテンプレート・マッチング方法を提供するこ
と。 【解決手段】 量子力学的物理系によって表現された未
知のパターンを分類するためのデータベースとして用意
された既知のパターン・クラスの集合と、それぞれのパ
ターン・クラスの特徴を代表する量子力学的物理系によ
って表現されたテンプレートパターンを用いて、与えら
れた未知の量子力学的入力パターンに最もよく合致する
量子力学的テンプレートパターンを選定することによっ
て分類操作を行うテンプレート・マッチングにおいて、
マッチング精度を評価するためのベイズ平均スコアを導
入し、そのベイズ平均スコアを最大にする量子力学的分
類操作を求める量子ベイズ最適化問題として処理するこ
とで、前記パターンを表現している量子状態の量子力学
的干渉効果を効果的に引き出す。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明が属する技術分野】本発明は、所定の様式で定義
されたある種のパターン・クラスに応じて、与えられた
未知のシステムを分類し、そのシステムについて、前記
パターン・クラスおける最適な状態であるテンプレート
を選定するテンプレート・マッチングに関する。特に、
パターンを表現している系が量子力学の法則に従うよう
な物理系である場合に関する。 【0002】 【従来の技術】定義されたある種の特性に応じて種々の
クラスに分類されたパターンを記録したデータベースが
あり、あるパターンAが与えられた時、そのパターンA
がどのクラスに属するかを決定するというテンプレート
・マッチングは、例えば、セキュリティ機能を有した部
屋への出入りを制限するために、その部屋の入り口でT
Vカメラ撮影した人物の顔写真を照合し、登録されてい
る人物であるか否かを判別する場合や、犯罪捜査等にお
いて指紋を照合する場合、手書き文字や音声の認識など
幅広く利用されている。 【0003】テンプレート・マッチングにおいては、パ
ターンAの定義された特性と各クラスの特性を比較しな
がら、データベースを走査し、パターンAがそのデータ
ベースにおけるあるクラスのパターンと十分良好に合致
する場合に、そのパターンAはそのクラスに属する、即
ち、認識されたと見なされる。 【0004】従来のテンプレート・マッチング方法で
は、初期の頃は、使用できるハードウェアの性能上の制
限から、テンプレートの画像の情報量を削減するため、
明るさのレベルの閾値を使用して「明」と「暗」の2つ
の状態にしていた。この方法により、当時使用できたハ
ードウェア上で比較操作が実現されたが、テンプレート
を2値化する時にサブピクセル精度がなくなり、そのた
めオペレータが閾値を選択する必要があり、照明と対象
物の反射率の変化に対して、信頼性の低い結果しか得ら
れなかった。 【0005】その後、「正規化相関法」を使用して、テ
ンプレートの比較操作を行う方法が実用化され、テンプ
レートと対象画像の明暗差がある場合でも、比較的良好
な結果を得ることができるようになったので、この信頼
性は飛躍的に向上した。 【0006】正規化相関係数は、例えば、画像認識の場
合には、テンプレート画像と撮影された画像により定義
され、テンプレート・マッチングを行う場合、全ての画
素で正規化相関係数を計算する。この計算量は膨大であ
るので、処理の高速化を行うために、前処理としておお
よそのマッチングを行い、その後に精密にマッチングを
行う2段階サーチを行う方法が用いられている。 【0007】しかし、前記従来のテンプレート・マッチ
ングでは、正規化相関法において2段階サーチを用いて
も、まだ正規化相関係数の計算量が膨大であるという問
題点は解消されていなかった。 【0008】さらにナノテクノロジーなどの進歩に伴っ
て、極微細領域における量子力学的物理系によって形成
されたパターンのテンプレート・マッチング方法も、そ
の必要性が高まりつつあるものの、量子力学の法則を積
極的に活かした有効なマッチング方法はほとんど確立さ
れていない。 【0009】 【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、量
子力学に従う物理系によって表現されたパターン情報を
分類する際に、従来よりも計算量が少なく、短時間で精
確に処理できるテンプレート・マッチング方法を提供す
ることを課題とする。 【0010】 【課題を解決するための手段】本発明は、未知のパター
ンを比較するためのデータベースとして記録してある既
知のパターン・クラスの集合であるテンプレート状態に
応じて、マッチング対象の各パターン・クラスを、テン
プレート状態の候補の中から、与えられた未知の特性状
態に最もよく合致するテンプレート状態を選定するテン
プレート・マッチングにおいて、マッチング精度を評価
するためのベイズ平均スコアを導入し、そのベイズ平均
スコアを最大にする量子力学的分類操作を求める量子ベ
イズ最適化問題として取り扱うことで、前記パターンを
表現している量子状態の量子力学的干渉効果を効果的に
引き出し、それによって前記分類に要する計算量を低減
し、一方で分類の信頼性を向上させることを特徴とす
る。 【0011】 【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。本発明の実施形態のテンプレート・
マッチングは、例えば、ある人物の写真が与えられたと
き、データサンプルとの照合によってその人物を特定す
るというようなパターン認識の問題を、量子力学の枠組
みへ拡張して解くためのものである。 【0012】即ち、各パターン・クラスCiが、テンプ
レート状態|gi>と呼ばれる既知の状態で表され定義
されたパターン・クラスの集合{Ci}に応じて、その
テンプレート状態|gi>の候補の中から、与えられた
未知の特性状態|f>に最もよく合致するテンプレート
状態を選定するものであり、この選定において、前記パ
ターンに関するデータの存在する特徴ベクトル空間を、
カテゴリーを代表するテンプレート状態により分割する
ベクトル量子化を導入すると共に、ベイズ平均スコアを
導入し、そのベイズ平均スコアを最大化する条件を求め
る標準量子ベイズ最適化問題として取り扱う。 【0013】テンプレート状態|gi>は、次のように
表されるものである。例えば、与えられたイメージをメ
ッシュ上に分割して、分割した第(i,j)番目のピク
セルの内容を、ある定義された強さレベルg(i,j)
で近似して、パターンはベクトルg=(g(1,1)、
g(1,2)、・・・・)Tで表されるとすると、パタ
ーン・クラスCiは、テンプレート・ベクトルと呼ばれ
る典型的なパターンgiで表される。ここで、パターン
・マッチングを量子力学的問題として扱う場合に、パタ
ーン・ベクトルgiをテンプレート状態|gi>として表
す。従って、パターン・クラスCiの集合{Ci}は、集
合{|gi>}と表される。 【0014】未知の特性状態|f>は、前記ベクトルg
と同様に表されるベクトルfを特性状態|f>として表
したものである。 【0015】次に、前記ベイズ平均スコアに関して説明
する。入力特性状態|f>は未知であるが、考えられる
入力に関して先験的確率分布P(|f>)は既知であ
り、パターン・クラスCjを表す各テンプレート状態|
j>は既知であると仮定する。ここで、|f>をパタ
ーン・クラスCjへ分類するために、マッチング基準を
提供するスコアS(Cj||f>)を導入する。 【0016】スコアS(Cj||f>)は、単に入力状
態|f>とテンプレート状態|gj>の間の合致度を指
標する。従って、マッチングの度合いを式1で表される
平均スコアSで評価し、この平均スコアSを最大化する
条件を求めることになる。 【0017】 【数1】 【0018】ここで、P(Cj||f>)≡Tr(πj
|f>)は、状態|f>が与えられたときに第j番目の
結果を得る条件付確率である。Wjは式2で表されるス
コア演算子である。 【0019】 【数2】 【0020】即ち、テンプレート・マッチングの問題
は、スコア演算子{Wj}の集合が与えられたとき、平
均スコアSを最大にするマッチング戦略を表す確率作用
素測度(POM){πj}を求める標準量子ベイズ最適
化問題になる。この最適化のための必要十分条件はよく
知られていて、式3に示す通りである。 【0021】 【数3】 【0022】従って、式1の最適化による最適テンプレ
ート・マッチングの問題は、事前確率をPj=TrWj
ΣjTrWjとした混合状態Wj/TrWj(正規化スコア
演算子)を識別する標準量子状態判別問題へ帰着し、そ
れぞれの場合に応じて前記問題を解くことにより、入力
状態|f>が合致するテンプレート状態|gj>を選定
することができる。 【0023】このように、本発明の実施形態のテンプレ
ート・マッチングは、与えられた入力特性状態に最もよ
く合致するテンプレート状態を見出す際に、マッチング
の質の判断に量子状態の標準オーバーラップを採用し、
この問題を量子ベイズ推論の脈絡において定式化したも
のであって、それぞれ個々のテンプレート状態に対して
定義され、入力に対する先験的情報を全て含むスコア演
算子の形で与えられた混合状態の最適判別問題と等価な
ものである。 【0024】 【実施例】以下、本発明によるテンプレート・マッチン
グの実施例について説明する。 【0025】(実施例1)2状態システムの2値テンプ
レート・マッチングについて説明する。パターン・クラ
スが2つ存在し、各クラスが既知の純粋キュービット状
態であるテンプレート状態で表され、入力状態|f>
は、真の特性パラメータ1個のみに依存するとする。 【0026】適当なキュービット基底{|↑>,|↓
>}をとると、2値テンプレート状態は、テンプレート
間の非直行性を指定する単一の実数パラメータθを用い
て式4と式5で表される。 【0027】 【数4】 【0028】 【数5】 【0029】入力状態|f>については、その入力分布
はテンプレート状態2つによって定義されるブロッホ球
上の大円全体にわたって一様な確率密度を有するものと
仮定する。すると、前記|f>は式6で表される。 【0030】 【数6】 【0031】ここで、先験的密度φは一様であり、P
(f)=P(φ)=(2π)-1である。ここで、与えら
れた|f(φ)>|に、最高状態オーバーラップの形で
最も近いテンプレートを決定する。入力特性状態の同一
コピーをN個、即ち、|F(φ)>=|f(φ)>○N
が与えられたとすると、平均スコアは式7で表される。 【0032】 【数7】 【0033】ここで、F(φ)≡|F(φ)><F
(φ)|である。スコアS(Cj|f)は、単に|<f
(φ)|gj>|2、即ち、入力パターン|f(φ)>と
テンプレート状態|gj>の関係を確立するための単一
コピーに対するオーバーラップであるが、POM
{πj}はコピーN個全体の空間にわたって作用する。
入力システム全体は、H○NのN+1次元完全対称ボソ
ン部分空間HB上に式8に示すように記述される。 【0034】 【数8】 【0035】ここで{|k>}は↓成分の占拠数基底
である。例えば、N=3の場合、基底状態|2>は式9
で表される。 【0036】 【数9】 【0037】スコア演算子は式10で与えられる。 【0038】 【数10】 【0039】ここで各WjはN+1次元完全対称ボソン
部分空間HB上で定着される。式7は式11のように書
き換えられる。 【0040】 【数11】 【0041】マッチング戦略のPOM{π01}をHB
上に構築しても一般性が失われることはない。式8及び
式9による占拠数基底の表現において、スコア演算子は
非負の演算子として与えられる。即ち、k+1が偶数の
場合、式12となる。 【0042】 【数12】 【0043】k+1が奇数の場合は、式13となる。 【0044】 【数13】 【0045】但し、θ0≡θ及びθ1≡π―θである。 【0046】ここで、式3の条件を満足する最適手段を
考える。この2値分類の場合、解析はかなり簡単であ
り、式14と式15で表される量を最大化すればよい。 【0047】 【数14】 【0048】 【数15】 【0049】ここで、式15には恒等元π0+π1=Iの
分解を用いた。Tr(W1)=1/2であるため、Tr
[(W0−W1)π0]が最大となるようにπ0をとる。即
ち、これを演算子W0−W1の正の固有値に対する部分空
間上への射影とする。式12と式13から、k+1が偶
数のとき、式16が得られる。 【0050】 【数16】 【0051】k+1が奇数の場合は、<k|(W0
1)|1>=0である。W0−W1の固有値λkについて
解析的表現を導くことはできないが、式17が成立する
ように対角化演算子Pを導入する。 【0052】 【数17】 【0053】ここで、λ0>λ1>・・・>λNである。
0−W1は(W0−W1k1=−(W0−W1N-K,N-1
満たす性質を有するため、固有値は正と負の値が次のと
おり対応する。即ち、λN=−λ0、λN-1=−λ1などで
ある(Nが偶数のときはλN/2=0)。そして、それぞ
れ正又は0及び負の固有値の部分空間への投射演算子π
0、π1の対によって、最適戦略を構築することができ
る。これは式18と式19で表される。 【0054】 【数18】 【0055】 【数19】 【0056】ここで、LN/2」はN/2の整数部分で
ある。最終的に最大平均スコアは式20で表される。 【0057】 【数20】 【0058】また、POMに対する前記式18と式19
は、マッチング戦略について、2つのステップからな
り、かつ直感的な解釈が可能である。第1のステップ
は、N乗積入力状態|F(φ)>に適用されるユニタリ
演算子Pである。第2のステップは、POM{π0 MV
π1 MV}による変換状態PF(φ)P+の測定である。こ
れは、入力コピー空間上の基底{|↑>,|↓>}によ
る個別測定と、その結果に基づく多数決投票に対応す
る。 【0059】言い換えると、変換Pは,最終測定で適切
な量子干渉が行えるように最適エンタングルメント状態
を準備するための操作で、π0 MV(π1 MV)は↑が多数派
(↓が多数派)を占めるボソン部分空間への射影を行う
過程である。単一コピー(即ち、N=1)の場合、W0
−W1は基底{|↑>,|↓>}において対角的であ
り、従って、P=Iとこの基底における測定値が最適手
段である。 【0060】変換Pを行わず個別多数決測定{π0 MV
π1 MV}を直接適応する準古典的手段においては、これ
に代わって、式21の平均スコアが得られる。 【0061】 【数21】 【0062】図1は、直交テンプレート(θ=0)の場
合について、SOPT(N)とSMV(N)を数値的に比較
したものである。Pには,規定レベルの平均スコアを得
るために必要なサンプル・コピー個数を低減する効果が
あることが分かる(「+」で示した曲線が量子状態推定
と古典的マッチングからなる手段に対応する)。 【0063】次に、サンプル・コピーを3個使用する場
合の最適マッチング戦略を説明する。対角化する演算子
を式22に示す。 【0064】 【数22】【0065】対角化行列を式23に示す。 【0066】 【数23】 【0067】ここで、cosγ=[(2√21+9)/
4√21]1/2及びsinγ=[(2√21−9)/4
√21]1/2である。従って、式24と式25を得る。 【0068】 【数24】 【0069】 【数25】 【0070】図2に、最適マッチング戦略を実現する回
路構成(最適分類器)の1例を示す。入力状態|F
(φ)>をまずPによって変換し、次に制御NOTゲー
ト2個と制御−制御NOTゲート2個を使って、2つの
補助キュービットと相互作用させる。これらのステップ
は{π0 MV,π1 MV}を単一キュービット上の測定に帰着
させるためのものである。基底{|↑>,|↓>}によ
って第2補助キュービット|σ>Xを測定して、出力が
|↑>のときは|g0>が、出力が|↓>のときは|g1
>が、それぞれ最もマッチしたテンプレートであると決
定することができる。 【0071】マッチング戦略としては、キュービットの
最適推定に基づくもう1つの準古典的手段も考えられ
る。量子状態推定は、可能な限り正確に量子状態の未知
のパラメータを測定する方法を取り扱う。この考えは当
然テンプレート・マッチングにも適用することができ
る。まず、量子状態推定を行って入力特性状態を推定
し、そのあとこの再構築された状態とテンプレートを古
典的方法により比較する。準備された同一状態をN個用
いたキュービットの最適推定に関しては、式26に示す
スコアを最大化する離散的かつ有限要素最適POMがわ
かっている。 【0072】 【数26】 【0073】ここで、|f(φm)>は状態推定後に再
構築された状態である。ここで推定状態m→|f(φ
m)>の割り付けも最適化する必要がある。特性状態|
f(φ)>の大円がブロッホ球上の赤道上にくる新しい
基底{|V0>,|V1>}を導入する。テンプレートが
式27と式28の対称的な形となるような基底ベクトル
を固定する。 【0074】 【数27】 【0075】 【数28】 【0076】更に、特性状態は式29で表すことができ
る。 【0077】 【数29】 【0078】ここでも、パラメータφは[0、2π]の
範囲に一様に分布している。 【0079】ここで、式30で表されるブロッホ大円上
に等間隔に配置された状態をM個導入する(これがPO
Mを定義する)。 【0080】 【数30】 【0081】ここで、テンプレート状態から測ったこれ
らの対称状態の相対的位置を決定する位相要因φを導入
したこととなる。対応するN重テンソル積状態は式31
で表される。 【0082】 【数31】 【0083】ここで、{|k>V}は、{|V0>,|V
1>}に対する対称ボソン占拠数基底である。次に、M
>Nの場合、状態{|Fm(φ)>}から構成された平
方根測定{|μm><μm|}、即ち、式32とそれぞれ
の出力値に応じた推定出力状態{|fm(φ)>}が最
適推定戦略を提供することを示すことができる。 【0084】 【数32】 【0085】従って、POM{|μm(φ)><μ
m(φ)|}を適用して、最適入力特性状態が|f
m(φ)>の1つとして再構築される。そのあと、この
再構築された状態とテンプレートを古典的方法によって
比較し、再構築状態とのオーバーラップが最大となるテ
ンプレート状態を抽出することができる。式32は推定
戦略としては、どのように取ったφの値に対しても最適
である。この場合入力状態の分布は一様であるため、式
26のスコアはφとは独立である。 【0086】しかしながら、推定によって再構築された
状態とテンプレートを比較するときは、テンプレートの
位置が固定されているため、テンプレート・マッチング
の平均スコアは相対角φに依存する。従って、マッチン
グスコアを最大にするよう最適戦略のパラメーターψを
最適化しなければならない。 【0087】準古典的テンプレート・マッチング方法を
構成するために、テンプレート状態に応じて、|f
m(φ)>を2つのカテゴリーに分類する。即ち、集合
{|μm(φ)><μm(φ)|}を2要素POM{π
0 EST(φ),π1 EST(φ)}へ集約する。この要素が、
最もよくマッチしたテンプレートがそれぞれ|g0>ま
たは|g1>であることを示す。 【0088】Mが偶数であると仮定する。この場合、対
称性によりψは(0、2π/M)の範囲内で考慮すれば
十分である。分類境界は式33で示す条件によって決定
される。 【0089】 【数33】 【0090】|<g0|fm(φ)>|≧|<g1|f
m(φ)>|とするmの値は|g0>のクラスに分類さ
れ、その他は|g1>のクラス以に分類される。従っ
て、式34に注目すると、2値分類は、式35と式36
で表される。 【0091】 【数34】 【0092】 【数35】 【0093】 【数36】 【0094】この手段の平均スコアは式37と式38で
表される。 【0095】 【数37】 【0096】 【数38】 【0097】ここで、W0は式39で表される。 【0098】 【数39】 【0099】式39から、式40、式41、式42を得
る 【0100】 【数40】 【0101】 【数41】 【0102】 【数42】 【0103】SEST(N、N+1、π/M)の値を、最
適スコアSOPT(N)、及び図1(θ=0)の個別測定
と多数決投票によって得たSMV(N)と比較する。最適
推定と、これに続く古典的マッチングによる戦略は、N
が小さい領域においては最適に近く、Nが大きくなると
最適解からずれ始め、個別測定とそれに続く多数決投票
という戦略に近くなることがわかる。 【0104】これら3つの手段を図3から図5に模式的
に示す。2値出力を有する状態|f>○Nの集合的測定
によって、図3に示す量子最適戦略が実現する。これは
|f>○Nにわた状態空間HBをテンプレートに応じて2
つの部分に分割し、HB内のエンタングルメントに起因
する量子干渉効果をうまく利用することによって得られ
る。 【0105】一方、図4の個別測定とそれに続く多数決
投票という戦略は、状態|f>○Nから得られるエンタ
ングルメントの利点を活用していない。 【0106】図5の最適推定とそれに続く古典的マッチ
ングという戦略においては、|f>を推定するためにま
ず行った一括測定においてエンタングルメント効果を利
用している。しかしながら、これは最良の2値分類方法
ではない。事実、最適推定では、空間HBを少なくとも
N+1個の部分に分割しなければならない。Nが増加す
ると、出力を2つのクラスに分類するためには、古典的
方法にさらに大きく依存する必要がある。このため、N
の値が大きくなるとこの手段は効果的でなくなる。直感
的に、最終決定する前に行う中間的測定は、いずれも性
能全体を悪くし、与えられた平均スコア・レベルに対す
る入力コピーを無駄にする傾向がある。従って、最終測
定まで必ず量子的性質を保持したまま操作を進め、最後
の段階で量子測定を行うというのが、最良の2値分類プ
ロセスである。 【0107】(実施例2)次に、2状態システムの多値
テンプレート・マッチングについて説明する。2値テン
プレート・マッチングは、演算子W0−W1の対角化へ帰
着させることができるが、一般的な場合は、簡単に最適
手段を見出せる方法は存在しない。モデルを取り扱い易
くするため、入力特性状態は、式43に示すパラメータ
2つに依存し、ブロッホ球全体に先験的に一様に分布す
る一般的キュービット状態であると仮定する。 【0108】 【数43】 【0109】更に、パラメータの1つ、例えば、σZ
まわりの角度パラメータφのみが|f>の所要の特性に
関連し、σZ成分自体には関心がないものと仮定する。
この特性に対するテンプレート状態は、式44に示すブ
ロッホ球のx−y平面内の大円まわりに一様に分布した
状態M個であると仮定する。 【0110】 【数44】【0111】前の場合と同じく、式45に示す入力状態
のコピーがN個存在する。 【0112】 【数45】 【0113】これとテンプレートに基づいて式46と式
47に示すスコア演算子を作成する。 【0114】 【数46】 【0115】 【数47】 【0116】次に、式48に示す平均スコアを最大化す
るように、与えられた|f>に最もよく合致するテンプ
レートを見出す手段を求める。 【0117】 【数48】 【0118】この最適テンプレート問題は、先験的確率
を全てpm=1/Mとした混合状態1/2Wmの集合の最
適判別問題と等価である。 【0119】スコア演算子には、式49に示すように明
らかにテンプレートと同じく対称性がある。 【0120】 【数49】 【0121】ここで、Vは式50で表される。 【0122】 【数50】 【0123】式50は、キュービットN個のN+1次元
ボソン部分空間においてMを法とした整数群のユニタリ
表現である。これはまさに、Vをz軸を中心とした1キ
ュービット・ブロッホ球の2π/M回転操作とした乗積
表現V=v○Nである。状態の任意の群共変集合につい
ても、状態判別問題には、同じように群共変である最適
手段が1つ必ず存在することが知られている。即ち、π
m=Vmπ0+mの形をした最適POMが1個と、式51
に示す縮小した最適化条件が存在する。 【0124】 【数51】 【0125】M>Nの場合、即ち、コピーの個数がテン
プレートの個数より少ない場合にのみ、最適手段を導く
ことができた。これも、テンプレート|Gm>≡|gm
N、即ち、|μm>が式52で表される集合{πm
|μm><μm|}から構築される平方根測定値であ
る。 【0126】 【数52】 【0127】事実、式53の直交関係(従って、GはV
と同じく|k>基底状態において対角的であり、G1/2
はVと交換可能)を用いて式54を得る。 【0128】 【数53】 【0129】 【数54】 【0130】このPOMの最適性は、前記式51を直接
チェックして証明することができる。式53から式55
が得られる。 【0131】 【数55】 【0132】その結果、式56が得られる。 【0133】 【数56】 【0134】式56の括弧[ ]内の各2×2マトリッ
クスは、固有値0及び2を有する正又は0の有限値であ
る。Γ−W0も同じであり、前記式51の条件(ii)
が成立する。式51の条件(i)は、式54と式56を
用いて簡単な方法でチェックすることができる。最大平
均スコアはMに依存せず、式57が得られる。 【0135】 【数57】 【0136】|G0>はW0の最大固有値固有状態であ
る。即ち、スペクトル分解は|G0>=|ωN>として、
式58で表される。 【0137】 【数58】 【0138】その他の場合(M≦Nの場合)、即ち、テ
ンプレートの個数より入力コピーの個数の方が多いとき
は、最適POMはさらに複雑になる。これには、N+1
次元ボソン部分空間における要件Σm=0 M-1 πm=Iのた
め、ランク2以上の要素が含まれることになる。このよ
うな高ランクのPOMを構築する系統的な方法はまだ発
見されていない。ここでは簡単なケースについて記述す
る。 【0139】最も簡単なケースは、M=2の場合、即ち
2値分類である。この場合、スコア演算子2つが交換可
能であり、各コピー上の2値テンプレート基底における
個別測定とそれに続く多数決投票による戦略が最適とな
る。 【0140】次に簡単なケースは、M=N=3の場合で
ある。最適POMは式60で指定される。 【0141】 【数59】 【0142】ここでa=(√21+√5)/24、c=
(√35−√3)/24、b=6acである。最大平均
スコアは式61で表される。 【0143】 【数60】 【0144】このπ0は、直接式51の条件(i)の方
程式を解き、式51の条件(ii)を満足する解を抽出
することによって得られる。π0は式62で表され、λ+
=0.964、λ-=0.370とし、かつ、式63及
び式64の値を含むランク2の演算子である。 【0145】 【数61】 【0146】 【数62】 【0147】 【数63】 【0148】ここで、|ω0>、|ω1>、|ω2>、|
ω3>は、増加する順序に並べた固有値に対応するW0
固有状態である(式56) 【0149】従って、π0の主要成分はW0の最大固有値
固有状態|ω3>から得られるが、その他の固有状態も
その当する重み値を伴ってこの決定に関与している。 【0150】最後に、M=3及びN=4のケースについ
て述べる。最適POMは式65で指定される。 【0151】 【数64】 【0152】ここで、b=√(29+√201)/2
4、c=(√67−√3)/(24√2)、a=6bc
である。ここでもπ0は、λ+=1、λ-=2/3とし、
かつ式67及び式68の値を含む式66の形をしてい
る。 【0153】 【数65】 【0154】 【数66】 【0155】 【数67】 【0156】最大平均スコアは式69で表される。 【0157】 【数68】 【0158】 【発明の効果】本発明によれば、従来よりも計算量が少
なく、短時間で精確に、与えられた入力特性状態に対し
て最適なテンプレートを選定することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の実施例のテンプレート・マッチングで
ある存在する入力コピー個数の関数とした2値テンプレ
ート・マッチングにおける平均スコアの計算結果を示す
グラフ 【図2】本発明の実施例のテンプレート・マッチングを
用いた入力サンプルが3個の場合の最適分類器の回路構
造を示す説明図 【図3】図2を一般化した入力サンプルN個に対する最
適分類器回路構造を示す説明図 【図4】従来のテンプレート・マッチングを用いた個別
測定と多数決投票による分類器の回路構造を示し、
(a)は、その直接的図解、(b)は、(a)と等価の
効果を有しながらも、まず多数決投票回路によって変換
を行い、その後に、単一補助キュービットを測定するこ
とで実現する場合の説明図 【図5】従来の最適推定と古典的マッチングによる分類
器の回路構造を示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G10L 15/10 G10L 3/00 531Z 531E (72)発明者 リチャード ジョザ イギリス、ビーエス8 1ティーエッチ、 ブリストル、ティンドール アベニュー、 セネイト ハウス、ユニバーシティー オ ブ ブリストル Fターム(参考) 5B056 BB62 BB91 HH00 5B075 NR12 PR06 5D015 HH04 5L096 AA06 AA13 DA02 FA29 GA30 HA09 JA03 JA09

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】量子力学的物理系によって表現された未知
    のパターンを分類するためのデータベースとして用意さ
    れた既知のパターン・クラスの集合と、それぞれのパタ
    ーン・クラスの特徴を代表する量子力学的物理系によっ
    て表現されたテンプレートパターンを用いて、与えられ
    た未知の量子力学的入力パターンに最もよく合致する量
    子力学的テンプレートパターンを選定することによって
    分類操作を行うテンプレート・マッチングにおいて、 マッチング精度を評価するためのベイズ平均スコアを導
    入し、そのベイズ平均スコアを最大にする量子力学的分
    類操作を求める量子ベイズ最適化問題として処理するこ
    とで、前記パターンを表現している量子状態の量子力学
    的干渉効果を効果的に引き出し、それによって前記分類
    に要する計算量を低減し、一方で分類の信頼性を向上さ
    せることを特徴とするテンプレート・マッチング方法。
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