JP2003139150A - 転がり軸受 - Google Patents

転がり軸受

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JP2003139150A
JP2003139150A JP2001339000A JP2001339000A JP2003139150A JP 2003139150 A JP2003139150 A JP 2003139150A JP 2001339000 A JP2001339000 A JP 2001339000A JP 2001339000 A JP2001339000 A JP 2001339000A JP 2003139150 A JP2003139150 A JP 2003139150A
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JP
Japan
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ring
seal
bearing
rolling bearing
lip portion
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JP2001339000A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Kawase
達夫 川瀬
Morihiro Wada
守弘 和田
Mitsuo Sasabe
光男 笹部
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防塵性に優れ、かつ回転トルクが小さい転が
り軸受を提供することである。 【解決手段】 回転側の軌道輪である外輪1に内周側に
リップ部8を有するシール5を固定し、その外側面のリ
ップ部8の位置に形成された環状の凹部7aを円周方向
に仕切る羽根9を設けることにより、外輪1を回転させ
たときに、外輪1とともに回転するシール5の羽根9
で、リップ部8外側近傍に円周方向の空気の流れを発生
させ、遠心力との合成により外向きの空気の流れを形成
して、リップ部8に近づく異物を外輪1側へ排出し、リ
ップ部8内周端のダストリップ8bと内輪2外周面との
間の隙間に異物が接近しにくいようにして、リップ部8
の締め代を増やすことなく防塵性を向上させたのであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、シール部材が組
み込まれた密封型の転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】シールやシールド板等のシール部材が組
み込まれた密封型の転がり軸受は、内部に潤滑剤が封入
されており、外部からの潤滑の必要性がないことから、
広く使用されている。軸受に組み込まれているシール部
材は、軸受内部に封入された潤滑剤の漏洩を防ぐととも
に、外部からの異物の侵入を防止する役割も果たしてい
る。
【0003】このような密封型軸受のシール部材には、
一方の軌道輪に固定されて他方の軌道輪にリップ部を接
触させる接触形と、他方の軌道輪とリップ部との間に微
小な隙間を形成する非接触形とがある。非接触形のシー
ル部材は、軸受を低トルクで回転させることが必要な用
途に適しているが、防塵性の点では必ずしも十分とは言
えない。従って、軸受にダストや泥水等の異物が多量に
接触するような場所では、通常、防塵性に優れた接触形
のシール部材を組み込んだ軸受が使用される。
【0004】しかしながら、従来の密封型転がり軸受で
は、接触形のシール部材を組み込んだタイプのものであ
っても、使用される条件によっては、運転中のリップ部
のバタツキやリップ部と対向する軌道輪との間への異物
の噛み込み等の要因により、リップ部が部分的に軌道輪
から離れて異物が内部へ侵入し、寿命や性能が大きく低
下することがある。リップ部の締め代を大きくしてリッ
プ部を軌道輪から離れにくくすれば、防塵性を向上させ
ることができるが、回転トルクが大きくなる問題が生じ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の課
題は、防塵性に優れ、かつ回転トルクが小さい転がり軸
受を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、この発明は、外輪と内輪のいずれか一方の軌道輪に
環状のシール部材を固定した転がり軸受において、前記
シール部材を前記外輪と内輪のうちの回転する側の軌道
輪に固定して、このシール部材の外側面に、前記回転側
の軌道輪を回転させたときに円周方向の空気の流れを発
生させる羽根を設けた構成を採用したのである。
【0007】すなわち、シール部材を回転側の軌道輪に
固定して、このシール部材の外側面に羽根を設けること
により、回転側の軌道輪を回転させたときに、シール部
材に設けた羽根で、軸受側端部近傍の空気に円周方向の
流れを発生させ、旋回する空気に作用する遠心力との合
成により外向きの空気の流れを形成して、シール部材に
近づく異物を外輪側へ排出し、シール部材と固定側の軌
道輪とが対向して構成するシール部に異物が接近しにく
いようにしたのである。
【0008】前記羽根を、前記シール部材の外側面の同
一円周上に複数設けたり、前記シール部材の外側面の複
数の異なる円周上にそれぞれ一つ以上設けたりすること
により、前記外向きの空気の流れを大きくして、異物の
シール部への接近をより効果的に阻止することができ
る。
【0009】前記羽根の一部またはすべての外輪側を、
軸受半径方向に対して、前記回転側の軌道輪の回転方向
と反対の方向に傾けることにより、前記外向きの空気の
流れをより効率よく形成することができる。
【0010】前記羽根を、軸受側端面よりも外側へ突出
しないように形成して、軸受幅を規格の寸法内におさめ
ることにより、運搬や設置の際に従来の規格品と同様に
取り扱うことができる。
【0011】前記シール部材としては、芯金にゴム製の
シール材を取り付けたシールまたは金属製のシールド板
を使用することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図1乃至図8に基づき、こ
の発明の実施形態を説明する。図1乃至図6は、第1の
実施形態を示す。この転がり軸受は、自動車用アイドラ
プーリやテンションプーリのように外輪1が回転する用
途に使用されるもので、図1(a)に示すように、外輪
1と内輪2との間の隙間に玉3が複数収容されて保持器
4で保持されており、外輪1の両端部の内周面に設けら
れたシール溝1aに外周端部を固定された環状のシール
5により、外輪1と内輪2との間の隙間の両側端が塞が
れている。シール5は、鋼板製の芯金6に合成ゴムで形
成されたシール材7を固着したもので、シール材7の内
周側にリップ部8が設けられている。
【0013】図1(b)に示すように、シール材7のリ
ップ部8は、芯金6内周端から内輪2に向かって延びる
リップ支持部8aと、その内周端に形成されたダストリ
ップ8bおよび主リップ8cとで構成されており、主リ
ップ8cが内輪2の両端部の外周面に設けられたシール
溝2aの内壁と接触し、ダストリップ8bは内輪2の肩
部の外周面との間に微小な隙間を形成するように配され
ている。
【0014】主リップ8cには、軸受の内部と外部とを
連通させる空気流通溝8dが、円周方向の複数箇所に設
けられている。これにより、軸受内部は常に外部と同じ
圧力となって、主リップ8cがほぼ一定の力でシール溝
2aの内壁に押し当てられ、安定した回転トルクで軸受
を運転することができる。
【0015】また、図2にも示すように、シール材7の
外側面には、リップ部8の位置に環状の凹部7aが形成
されており、この凹部7aを円周方向に仕切る羽根9
が、軸受側端面10よりも外側へ突出しないように設け
られている。羽根9は、軸受半径方向に沿って放射状に
延びるように形成されており、円周方向に等間隔で4箇
所に配置されている。
【0016】次に、この軸受の異物侵入防止機構につい
て説明する。軸受運転時に外輪1が回転すると、シール
5が外輪1とともに回転し、シール5の外側面に設けた
羽根9により、リップ部8外側近傍に円周方向の空気の
流れが発生する。このとき、円周方向に旋回する空気に
遠心力が作用することにより、旋回しながら外輪1側へ
広がっていく外向きの空気の流れが形成される。この外
向きの空気の流れにより、軸受外側からリップ部8に近
づく異物は、ダストリップ8bと内輪2外周面との間の
隙間に接近することなく外輪1側へ排出される。また、
たとえ異物がこの隙間の開口部まで到達しても、ダスト
リップ8bおよび主リップ8cの本来のシール効果によ
り軸受内部への侵入は阻止される。
【0017】すなわち、この軸受では、上述した2重の
異物侵入防止機構により優れた防塵性が得られ、しか
も、防塵性向上のために主リップ8cの締め代を増やす
必要がないので、回転トルクも従来と同程度に小さく抑
えられる。
【0018】また、主リップ8cまで到達する異物がほ
とんどないことから、主リップ8cに空気流通溝8dを
必要なだけ設けて、防塵性を損なわずに回転トルクの安
定化を図ることができる。
【0019】さらに、この軸受では、羽根9が軸受側端
面10よりも外側へ突出しないようにシール材7の凹部
7aに形成されているため、軸受幅が規格の寸法内にお
さまり、運搬や設置の際に従来の規格品と同様に取り扱
うことができる。
【0020】なお、羽根9の数や大きさは、羽根9を設
けたことによるリップ支持部8aの剛性の増加が主リッ
プ8cの内輪シール溝2aに対する追従性を損なわない
範囲で、種々の設計が可能である。また、羽根どうしの
位置関係や形状も、種々変更可能である。
【0021】図3は、シールの羽根の向きを変えた例を
示す。この変形例では、各羽根11が、その外輪側を、
軸受半径方向に対して図中に矢印で示す回転方向と反対
の方向に傾けられており、前記外向きの空気の流れがよ
り効率よく形成されるようになっている。なお、この例
ではすべての羽根を傾けて設けたが、一部の羽根のみを
傾けるようにしてもよい。
【0022】図4は、羽根を設ける位置および羽根の形
状を変えた例を示す。図4(a)の例では、羽根12を
シール材7の凹部7aよりも外周側に、図4(b)の例
では、羽根13をシール材7の凹部7aよりも内周側の
ダストリップ8bに設けている。各変形例の羽根12、
13は、矩形状で、シール5の外側面から突出し、かつ
軸受側端面10よりも外側へは突出しないように形成さ
れている。
【0023】図4(c)の例は、図4(a)の例と図4
(b)の例とを組み合わせたもので、外周側の羽根12
と内周側の羽根13とが、シール材7の外側面の異なる
2つの円周上に、互いに円周方向位置を約45度ずらし
て4つずつ設けられている。これらの各羽根12、13
の位置関係は、例えば、外周側と内周側とで円周方向位
置を一致させる等、種々変更可能である。
【0024】図4(a)〜(c)に示した各変形例で
は、羽根12、13がシール5の外側面から突出してい
るので、図1および図2に示した例よりもシール5から
離れた位置に空気の流れを発生させて、軸受外部の異物
を積極的に排除することができる。また、各変形例のう
ち、図4(b)の例は、羽根13の位置がダストリップ
8bと内輪シール溝2aとの間の隙間に近いことから、
図4(a)の例よりも異物を排除する能力が大きく、両
者を組み合わせた図4(c)の例は、当然ながら最も異
物排除能力が大きい。
【0025】なお、これらの各変形例では、羽根12、
13を設けてもリップ支持部8aの剛性が増加しないの
で、主リップ8cの内輪シール溝2aに対する追従性に
ついて考慮する必要なく、羽根の数や大きさを種々変更
することができる。
【0026】図5は非接触形のシール14を組み込んだ
例を示しており、図5(a)はリップ部15の内周端近
傍に、図5(b)はリップ部15より外周側に、それぞ
れ羽根16、17を設けたものである。
【0027】また、図6は接触形のシール18を組み込
んだ例を示しており、図6(a)はシール材19の凹部
19aに、図6(b)は凹部19aより外周側に、それ
ぞれ羽根20、21を設けたものである。
【0028】図7は、第2の実施形態を示す。この実施
形態では、シール22の芯金23が軸受外側に露出して
おり、芯金23の外側面から突出するように羽根24が
設けられている。羽根24は、概ね矩形状で、芯金23
をプレス成形する際に同時に成形される。その他の部分
の構成は、第1の実施形態と同じである。
【0029】図8は、第3の実施形態を示す。この実施
形態は、シール部材として鋼板製のシールド板25を用
いたものである。シールド板25は、外周端部を外輪シ
ール溝1aに固定され、内周端部と内輪シール溝2aと
の間に僅かな隙間が形成されるように配されており、シ
ールド板25の内周端近傍の外側面から突出するように
羽根26が設けられている。羽根26は、概ね三角形状
で、シールド板25をプレス成形する際に同時に成形さ
れる。その他の部分の構成は、第1の実施形態と同じで
ある。
【0030】上述した各実施形態では、外輪が回転する
用途において、外輪に固定したシール部材の外側面に羽
根を設けたが、内輪が回転する場合は、シール部材を内
輪に固定してその外側面に羽根を設ければよい。
【0031】また、この発明は、実施形態のような玉軸
受だけでなく、転動体としてころを用いた転がり軸受に
も適用可能であることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】以上のように、この発明の転がり軸受
は、シール部材を回転側の軌道輪に固定してその外側面
に羽根を設け、回転側の軌道輪を回転させたときに、シ
ール部材に設けた羽根で外向きの空気の流れを形成し
て、シール部材と固定側の軌道輪とが対向して構成する
シール部に異物が接近しにくいようにしたものであるか
ら、従来の軸受よりも防塵性に優れるとともに、回転ト
ルクが従来と同程度に抑えられており、ダストや泥水等
の異物がかかるような厳しい条件のもとでも安定して使
用することができる。
【0033】また、従来でも十分な防塵性が得られてい
る用途では、リップ部の締め代を減少させて回転トルク
を低減させながら防塵性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】aは第1の実施形態の転がり軸受の要部の縦断
面図、bはaの要部拡大縦断面図
【図2】図1のシールの側面図
【図3】図1のシールの羽根の向きを変えた例を示す側
面図
【図4(a)】図1のシールの羽根の変形例を示す要部
の縦断面図
【図4(b)】図1のシールの羽根の変形例を示す要部
の縦断面図
【図4(c)】図1のシールの羽根の変形例を示す側面
【図5】a、bは、それぞれ非接触形シールを組み込ん
だ例を示す要部の縦断面図
【図6】a、bは、それぞれ接触形シールを組み込んだ
例を示す要部の縦断面図
【図7】第2の実施形態の転がり軸受の要部の縦断面図
【図8】第3の実施形態の転がり軸受の要部の縦断面図
【符号の説明】
1 外輪 1a シール溝 2 内輪 2a シール溝 3 玉 4 保持器 5 シール 6 芯金 7 シール材 7a 凹部 8 リップ部 8a リップ支持部 8b ダストリップ 8c 主リップ 8d 空気流通溝 9 羽根 10 軸受側端面 11、12、13 羽根 14 シール 15 リップ部 16、17 羽根 18 シール 19 シール材 19a 凹部 20、21 羽根 22 シール 23 芯金 24 羽根 25 シールド板 26 羽根
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 笹部 光男 三重県桑名市大字東方字尾弓田3066 エヌ ティエヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J016 AA01 BB03 CA01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外輪と内輪のいずれか一方の軌道輪に環
    状のシール部材を固定した転がり軸受において、前記シ
    ール部材を前記外輪と内輪のうちの回転する側の軌道輪
    に固定して、このシール部材の外側面に、前記回転側の
    軌道輪を回転させたときに円周方向の空気の流れを発生
    させる羽根を設けたことを特徴とする転がり軸受。
  2. 【請求項2】 前記羽根を、前記シール部材の外側面の
    同一円周上に複数設けた請求項1に記載の転がり軸受。
  3. 【請求項3】 前記羽根を、前記シール部材の外側面の
    複数の異なる円周上にそれぞれ一つ以上設けた請求項1
    または2に記載の転がり軸受。
  4. 【請求項4】 前記羽根の一部またはすべての外輪側
    を、軸受半径方向に対して、前記回転側の軌道輪の回転
    方向と反対の方向に傾けた請求項1乃至3のいずれかに
    記載の転がり軸受。
  5. 【請求項5】 前記羽根を、軸受側端面よりも外側へ突
    出しないように形成した請求項1乃至4のいずれかに記
    載の転がり軸受。
  6. 【請求項6】 前記シール部材が、芯金にゴム製のシー
    ル材を取り付けたシールまたは金属製のシールド板であ
    る請求項1乃至5のいずれかに記載の転がり軸受。
JP2001339000A 2001-11-05 2001-11-05 転がり軸受 Pending JP2003139150A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007192356A (ja) * 2006-01-20 2007-08-02 Nsk Ltd 転がり軸受用密封装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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