JP2003135784A - 遊技機 - Google Patents

遊技機

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JP2003135784A
JP2003135784A JP2001335799A JP2001335799A JP2003135784A JP 2003135784 A JP2003135784 A JP 2003135784A JP 2001335799 A JP2001335799 A JP 2001335799A JP 2001335799 A JP2001335799 A JP 2001335799A JP 2003135784 A JP2003135784 A JP 2003135784A
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JP2001335799A
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Shohachi Ugawa
詔八 鵜川
Takayuki Ishikawa
貴之 石川
Yasuo Kanbayashi
康男 神林
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電源供給開始後に遊技制御手段からのコマン
ドを確実に受信し、遊技機運用上の利便性を向上させ、
不完全な状態で復旧することを防止する。 【解決手段】 電源投入時に、リセットIC651は、
所定時間だけ出力をローレベルにしたあと出力をハイレ
ベルにして各電気部品制御基板におけるCPUを動作可
能状態とする。このとき、遅延回路960は、主基板の
CPUに対するリセット信号の立ち上げを遅延させる。
従って、電源投入時に、主基板のCPUが備えるリセッ
ト端子の入力信号は、他の電気部品制御基板のCPUに
供給されるリセット信号が立ち上げられるときよりも遅
く立ち上げられる。動作可能状態となった各CPUは、
メイン処理を実行し、クリアスイッチ信号を受信せず、
かつ算出したチェックサムと保存されているチェックサ
ムとを比較したチェック結果が正常(一致)であれば、
状態復旧処理を実行する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技媒体を用いて
所定の遊技を行うことが可能であり、払出条件が成立し
たことにもとづいて遊技媒体を払い出すパチンコ遊技機
やスロット機等の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】遊技機として、遊技球などの遊技媒体を
発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けら
れている入賞口などの入賞領域に遊技媒体が入賞する
と、所定個の賞球が遊技者に払い出されるものがある。
さらに、表示状態が変化可能な可変表示部が設けられ、
可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示
態様となった場合に所定の遊技価値を遊技者に与えるよ
うに構成されたものがある。
【0003】なお、遊技価値とは、遊技機の遊技領域に
設けられた可変入賞球装置の状態が遊技球が入賞しやす
い遊技者にとって有利な状態になることや、遊技者にと
って有利な状態となるための権利を発生させたりするこ
とや、賞球払出の条件が成立しやすくなる状態になるこ
とである。
【0004】パチンコ遊技機では、特別図柄を表示する
可変表示部の表示結果があらかじめ定められた特定表示
態様の組合せとなることを、通常、「大当り」という。
大当りが発生すると、例えば、大入賞口が所定回数開放
して遊技球が入賞しやすい大当り遊技状態に移行する。
そして、各開放期間において、所定個(例えば10個)
の大入賞口への入賞があると大入賞口は閉成する。そし
て、大入賞口の開放回数は、所定回数(例えば16ラウ
ンド)に固定されている。なお、各開放について開放時
間(例えば29.5秒)が決められ、入賞数が所定個に
達しなくても開放時間が経過すると大入賞口は閉成す
る。また、大入賞口が閉成した時点で所定の条件(例え
ば、大入賞口内に設けられているVゾーンへの入賞)が
成立していない場合には、大当り遊技状態は終了する。
【0005】また、可変表示装置において最終停止図柄
(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図
柄が、所定時間継続して、特定表示態様と一致している
状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状
態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動した
り、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結
果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している
状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)にお
いて行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ演
出を含む可変表示をリーチ可変表示という。リーチ状態
において、変動パターンを通常状態における変動パター
ンとは異なるパターンにすることによって、遊技の興趣
が高められている。そして、可変表示装置に可変表示さ
れる図柄の表示結果がリーチ状態となる条件を満たさな
い場合には「はずれ」となり、可変表示状態は終了す
る。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽し
みつつ遊技を行う。
【0006】遊技機における遊技進行はマイクロコンピ
ュータ等による遊技制御手段によって制御される。可変
表示部に表示される識別情報、キャラクタ画像および背
景画像は、マイクロコンピュータの指示に応じて画像デ
ータを生成して可変表示部側に転送するビデオディスプ
レイプロセッサ(VDP)とによって制御されるが、マ
イクロコンピュータが必要とするプログラム容量は大き
い。
【0007】従って、プログラムを格納させるメモリ容
量に制限のある遊技制御手段のマイクロコンピュータで
可変表示部に表示される識別情報等を制御することはで
きず、遊技制御手段のマイクロコンピュータとは別の表
示制御用のマイクロコンピュータ等による表示制御手段
を搭載した図柄制御基板が設置される。遊技の進行を制
御する遊技制御手段は、表示制御手段に対して表示制御
のためのコマンドを送信する必要がある。
【0008】賞球払出の制御を行う払出制御手段が、遊
技制御手段が搭載されている主基板とは別の払出制御基
板に搭載されている場合、遊技の進行は主基板に搭載さ
れた遊技制御手段によって制御されるので、入賞にもと
づく賞球個数は、遊技制御手段によって決定され、払出
制御基板に送信される。一方、遊技媒体の貸し出しは、
遊技の進行とは無関係であるから、一般に、遊技制御手
段を介さず払出制御手段によって制御される。
【0009】以上のように、遊技機には、遊技制御手段
の他に種々の制御手段が搭載されている。そして、遊技
の進行を制御する遊技制御手段は、遊技状況に応じて動
作指示を示す各コマンドを、各制御基板に搭載された各
制御手段に送信する。以下、遊技制御手段その他の制御
手段を電気部品制御手段といい、電気部品制御手段が搭
載された基板を電気部品制御基板ということがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、遊技機
には、遊技制御手段を初めとする種々の電気部品制御手
段が搭載されている。一般に、各電気部品制御手段はマ
イクロコンピュータを含んだ構成とされる。そのような
電気部品制御手段は、一般に、電源電圧が立ち上がると
初期化処理を行い初期状態から制御を開始する。する
と、停電等の不測の電源断が生じ、その後、電源復旧す
ると初期状態に戻ってしまうので、遊技者が得た遊技価
値等が消滅してしまう等の問題が生ずることがある。そ
のような問題が生じないようにするには、電源電圧値の
低下に伴なって発生される所定の信号に応じて遊技制御
を中断し、そのときの制御状態を、遊技機に対する電力
供給停止中でも電源バックアップされている記憶手段
(バックアップ記憶手段)に保存し、電力供給が完全に
停止するのを待つように制御すればよい。そのような遊
技機は、記憶手段に遊技状態が保存されている状態で電
力供給が再開されたら、保存されている制御状態にもと
づいて遊技を再開するので、遊技者に不利益が与えられ
ることが防止される。
【0011】一般に、電気部品制御手段はマイクロコン
ピュータを含む構成であるが、マイクロコンピュータは
リセット端子を有し、リセット端子に対してローレベル
が入力されるとリセット状態となりハイレベルが入力さ
れると動作可能状態になる。従って、マイクロコンピュ
ータを含むシステムは、電源投入後、リセット端子に所
定期間ローレベルが入力され、その後、リセット端子に
ハイレベルが継続して入力され、動作可能状態になるよ
うに構成される。しかし、電源投入時に、他の電気部品
制御手段のリセット端子に対するハイレベルの入力が遅
れると、遊技制御手段がコマンドを送出したにも関わら
ず、他の制御手段の受信準備が整っていないことになり
コマンドを取りこぼすおそれがある。
【0012】また、停電等の不測の電源断が生じたとき
に、電気部品制御手段における所定の情報を電源バック
アップするような制御を行うと、遊技機が設置されてい
る遊技店の利便性が損なわれる場合がある。例えば、停
電が生じて遊技が続行できなくなった場合に遊技の再開
を待たずに遊技の続行をあきらめた遊技者があったとき
には、他の遊技者が遊技途中の状態から遊技を開始でき
ることになるので、遊技状態を停電前の状態に復旧させ
ることは好ましくない。
【0013】さらに、制御状態がバックアップ記憶手段
に正しく保存されていない不完全な状態である場合に
は、遊技状態を停電前の状態に復旧させるための処理を
行ったとしても、停電前と同一の制御状態に復旧するこ
とはできない。このような場合には、遊技機に対する電
力供給が再開された場合であっても、遊技状態を停電前
の状態に復旧させるための処理を実行することは無駄で
ある。逆に、バックアップ記憶手段が不完全な状態であ
るにもかかわらず、電力供給が再開されたときに遊技状
態を停電前の状態に復旧させるための処理を実行する
と、停電前とは異なる状態から制御が開始される等の弊
害が生じる結果を招くことになる。
【0014】そこで、本発明は、電力供給が停止したあ
と遊技機の電力供給が再開されたときに各電気部品制御
手段が遊技制御手段からのコマンドを確実に受信するこ
とができ、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上させ
ることができ、さらに、不完全な状態にて制御状態が復
旧されてしまうことを防止することができる遊技機を提
供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による遊技機は、
遊技媒体を用いて所定の遊技を行うことが可能であり、
所定の払出条件(例えば、遊技領域に設けられた入賞領
域への入賞があったときに成立する条件、スロットマシ
ンにおいて予め定められた所定の表示態様での表示が表
示装置になされたときに成立する条件、カードユニット
50からの球貸し要求があっとときに成立する条件)が
成立したことにもとづいて遊技媒体を払い出す遊技機で
あって、遊技媒体の払い出しを行う払出手段(例えば球
払出装置97)と、遊技の進行を制御する遊技制御手段
(例えば、CPU56等)と、遊技制御手段からのコマ
ンド(例えば払出制御コマンド)にもとづいて払出手段
の制御を行う払出制御手段(例えば払出制御用CPU3
71)と、遊技機への電力供給が停止しても所定期間は
記憶内容を保持することが可能な変動データ記憶手段
(例えば主基板31が備える電源バックアップされたR
AM55や払出制御基板37が備える電源バックアップ
されたRAM)と、遊技機で用いられる所定の電源の状
態を監視して、遊技機への電力供給の停止にかかわる検
出条件(例えば監視電圧であるVSL(+30V)の電圧
値が+22Vまで低下したときに成立する条件)が成立
した場合に検出信号(例えば電源断信号)を出力する電
源監視手段(例えば電源監視用IC902)と、遊技機
への電力供給の開始に関連して、遊技制御手段が遊技に
関わる制御が可能な状態になる時期を、払出制御手段が
払出手段の制御が可能な状態になる時期よりも遅い時期
となるように規制する起動順序規制手段(例えば遅延回
路960、リセットIC651A,651Bの外付けの
コンデンサ)と、操作に応じて操作信号(例えばクリア
スイッチ信号)を出力することが可能な操作手段(例え
ばクリアスイッチ921)とを備え、遊技制御手段およ
び払出制御手段は、電源監視手段からの検出信号に応じ
て制御状態を復旧させるために必要なデータ(例えばC
PU56や払出制御用CPU371に用いられるレジス
タのデータ等)を変動データ記憶手段に保存するための
電力供給停止時処理(例えば図22〜図24に示す処理
や図51〜図53に示す処理)を実行し、当該電力供給
停止時処理にて、変動データ記憶手段の記憶内容にもと
づいてチェックデータ(例えばパリティデータ)を生成
する処理(例えばステップS488〜ステップS49
6、ステップS836〜ステップS844)と、生成し
たチェックデータを変動データ記憶手段に保存する処理
(例えばステップS497、ステップS845)とを実
行し、電力供給が復帰し複数の復旧条件(例えばステッ
プS7,ステップS9の条件やステップS707,ステ
ップS709の条件)がすべて成立した場合に変動デー
タ記憶手段に保存されていた記憶内容にもとづいて制御
状態を電力供給が停止する前の状態に復旧させる復旧処
理(例えば図20に示す遊技状態復旧処理や図50に示
す払出状態復旧処理)を実行し、複数の復旧条件のうち
少なくとも1つの条件が不成立であった場合には、変動
データ記憶手段に保持されていた記憶内容を初期化する
初期化処理(例えばステップS11〜ステップS15の
処理、ステップS711〜ステップS714の処理)を
実行し、複数の復旧条件には、少なくとも、電力供給の
復帰に関連した時期に操作手段から操作信号が出力され
なかった場合(例えばステップS7でNと判定された場
合、ステップS707でNと判定された場合)と、変動
データ記憶手段に保存されていたチェックデータにもと
づく判定処理によって変動データ記憶手段に保存されて
いた記憶内容が正当であると判定された場合(例えばス
テップS9でYと判定された場合、ステップS709で
Yと判定された場合)とを含むことを特徴とする。
【0016】遊技制御手段および払出制御手段が、複数
の復旧条件が成立しているか否かを確認する際に、操作
手段から操作信号が出力されているか否かの確認を優先
的に実行し(例えば、遊技制御手段においてステップS
8,ステップS9の条件よりもステップS7の条件につ
いての確認を先に行う、払出制御手段においてステップ
S708,ステップS709の条件よりもステップS7
07の条件についての確認を先に行う)、操作手段から
操作信号が出力されていることを確認した場合には、他
の復旧条件が成立しているか否かの確認を行うことなく
初期化処理を実行するように構成されていてもよい。
【0017】起動順序規制手段(例えば遅延回路96
0、リセットIC651A,651Bの外付けのコンデ
ンサ)が、遊技制御手段および払出制御手段をシステム
リセットさせるためのリセット信号を出力するととも
に、所定の電源が遊技制御手段および払出制御手段が動
作可能な電圧レベル(例えば+5V)以上の電圧レベル
(例えば+9V)となったことを条件にリセット解除信
号を出力する複数のシステムリセット手段(例えばシス
テムリセット回路65A,65B)を含み、遊技制御手
段および払出制御手段へのリセット解除信号の出力順序
を規制することによって、遊技制御手段および払出制御
手段が制御が可能な状態になる時期を規制するように構
成されていてもよい。
【0018】システムリセット手段は、リセット解除信
号を出力するタイミングを決定するためのコンデンサ
(例えばリセットIC651A,651Bの外付けのコ
ンデンサ)を含み、コンデンサの容量を異ならせること
によって遊技制御手段および払出制御手段が制御が可能
な状態になる時期を規制するように構成されていてもよ
い。
【0019】遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
(例えば主基板31)と払出制御手段が搭載された払出
制御基板(例えば払出制御基板37)とを備え、起動順
序規制手段が、遊技制御基板および払出制御基板に搭載
されるように構成されていてもよい。
【0020】遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
(例えば主基板31)と払出制御手段が搭載された払出
制御基板(例えば払出制御基板37)とを備え、遊技制
御基板および払出制御基板とは別個に、遊技機へ供給さ
れる電源から遊技制御基板および払出制御基板で用いら
れる電圧の電源を作成する電源基板(例えば電源基板9
10)を備え、起動順序規制手段(例えば遅延回路96
0)が、電源基板に搭載されるように構成されていても
よい。
【0021】遊技制御手段および払出制御手段は電力供
給の開始に関連して制御が可能になる時期よりも前に自
己の診断を行うセキュリティチェックを実行可能であり
(例えばセキュリティチェックプログラムを実行)、遊
技制御手段が実行するセキュリティチェック時間を、払
出制御手段が実行するセキュリティチェック時間よりも
長くすることにより起動順序規制手段が構成されていて
もよい。
【0022】遊技制御手段からのコマンドに応じて遊技
機に設けられている演出用電気部品(例えばスピーカ2
7、各種ランプ・LED、可変表示装置9)を制御する
演出制御手段(例えば音制御手段、ランプ制御手段、表
示制御手段)を備え、起動順序規制手段が、演出制御手
段が演出用電気部品の制御が可能な状態になる時期を規
制するとともに、遊技制御手段が遊技に関わる制御が可
能な状態になる時期を最も遅い時期となるように規制す
るように構成されていてもよい。
【0023】遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
(例えば主基板31)と払出制御手段が搭載された払出
制御基板(例えば払出制御基板37)とを備え、操作手
段が遊技制御基板および払出制御基板とは別の箇所(例
えば電源基板910、スイッチ基板、ターミナル基板)
に設けられている構成とされていてもよい。
【0024】別の箇所とは遊技機へ供給される電源から
遊技制御基板および払出制御基板で用いられる電圧の電
源を作成する電源基板であり、電源基板には操作手段
と、遊技機への電源の供給または遮断を選択するための
電力供給操作手段(例えば電源スイッチ914)とが搭
載される構成とされていてもよい。
【0025】遊技制御手段は、遊技機に設けられた所定
の報知を行うための報知手段(例えば、可変表示装置
9、遊技制御手段からの制御信号によって制御される表
示装置)を制御するための処理を実行可能であり、遊技
制御手段が制御状態を初期化する処理(例えば「初期化
中」などの表示による報知)が実行されていることを報
知手段を用いて報知するための処理(例えば、報知手段
として用いられている可変表示装置9を制御する表示制
御用CPU101を含む表示制御手段に対して制御コマ
ンドを出力する処理、報知手段として用いられている表
示装置に対して制御信号を出力する処理)を行う構成と
されていてもよい。
【0026】チェックデータは、変動データ記憶手段の
記憶内容のうちの少なくとも一部の内容にもとづいて所
定の論理演算を行って算出されたデータ(例えば図26
に示すパリティデータ)であるとされていてもよい。
【0027】変動データ記憶手段が、データ毎に格納領
域が定められた作業領域(例えば図25に示すバックア
ップフラグからチェックサムバッファまでの領域)を含
み、チェックデータが作業領域の内容にもとづいて生成
されるように構成(例えば図26に示すように「F0
(H)」、「16(H)」、「DF(H)」などの作業
領域の内容にもとづいて生成される構成)されていても
よい。
【0028】電力供給停止時処理で生成されたチェック
データが作業領域(例えば図25に示すチェックサムバ
ッファ)に保存されるように構成されていてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の一
実施形態を図面を参照して説明する。まず、遊技機の一
例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明す
る。図1はパチンコ遊技機を正面からみた正面図、図2
は遊技盤の前面を示す正面図である。なお、以下の実施
の形態では、パチンコ遊技機を例に説明を行うが、本発
明による遊技機はパチンコ遊技機に限られず、例えば画
像式の遊技機やスロット機に適用することもできる。
【0030】パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成
された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取
り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊
技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に
形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対
して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構
部品等が取り付けられる機構板と、それらに取り付けら
れる種々の部品(後述する遊技盤を除く。)とを含む構
造体である。
【0031】図1に示すように、パチンコ遊技機1は、
額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠
2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供
給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技
球を貯留する余剰球受皿4と遊技球を発射する打球操作
ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠
2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられてい
る。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その
板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体であ
る。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されて
いる。
【0032】遊技領域7の中央付近には、それぞれが識
別情報としての図柄を可変表示する複数の可変表示部を
含む可変表示装置(特別図柄表示装置)9が設けられて
いる。可変表示装置9には、例えば「左」、「中」、
「右」の3つの可変表示部(図柄表示エリア)がある。
可変表示装置9の下方には、始動入賞口14が設けられ
ている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の
背面に導かれ、始動口スイッチ14aによって検出され
る。また、始動入賞口14の下部には開閉動作を行う可
変入賞球装置15が設けられている。可変入賞球装置1
5は、ソレノイド16によって開状態とされる。
【0033】可変入賞球装置15の下部には、特定遊技
状態(大当り状態)においてソレノイド21によって開
状態とされる開閉板20が設けられている。開閉板20
は大入賞口を開閉する手段である。開閉板20から遊技
盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域)
に入った入賞球はV入賞スイッチ22で検出され、開閉
板20からの入賞球はカウントスイッチ23で検出され
る。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切り換え
るためのソレノイド21Aも設けられている。また、可
変表示装置9の下部には、始動入賞口14に入った有効
入賞球数すなわち始動記憶数を表示する4つのLEDに
よる特別図柄始動記憶表示器(以下、始動記憶表示器と
いう。)18が設けられている。有効始動入賞がある毎
に、始動記憶表示器18は点灯するLEDを1増やす。
そして、可変表示装置9の可変表示が開始される毎に、
点灯するLEDを1減らす。
【0034】ゲート32に遊技球が入賞しゲートスイッ
チ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の
可変表示が開始される。この実施の形態では、左右のラ
ンプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯す
ることによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の
終了時に右側のランプが点灯すれば当たりとなる。そし
て、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄
(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定
回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10
の近傍には、ゲート32に入った入賞球数を表示する4
つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示
器41が設けられている。ゲート32への入賞がある毎
に、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1
増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始
される毎に、点灯するLEDを1減らす。
【0035】遊技盤6には、複数の入賞口29,30,
33,39が設けられ、遊技球の入賞口29,30,3
3への入賞は、それぞれ入賞口スイッチ29a,30
a,33a,39aによって検出される。各入賞口2
9,30,33,39は、遊技媒体を受け入れて入賞を
許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構
成している。なお、遊技媒体を受け入れて入賞を許容す
る始動入賞口14や、大入賞口も、入賞領域を構成す
る。遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示され
る装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかっ
た遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領
域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピ
ーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天
枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右枠ランプ2
8cが設けられている。さらに、遊技領域7における各
構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置され
ている。天枠ランプ28a、左枠ランプ28bおよび右
枠ランプ28cおよび装飾用LEDは、遊技機に設けら
れている装飾発光体の一例である。
【0036】そして、この例では、左枠ランプ28bの
近傍に、賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51
が設けられ、天枠ランプ28aの近傍に、補給球が切れ
たときに点灯する球切れランプ52が設けられている。
上記のように、この実施の形態のパチンコ遊技機1に
は、発光体としてのランプやLEDが各所に設けられて
いる。さらに、図1には、パチンコ遊技機1に隣接して
設置され、プリペイドカードが挿入されることによって
球貸しを可能にするカードユニット50も示されてい
る。
【0037】カードユニット50には、使用可能状態で
あるか否かを示す使用可表示ランプ151、カードユニ
ット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応してい
るのかを示す連結台方向表示器153、カードユニット
50内にカードが投入されていることを示すカード投入
表示ランプ154、記録媒体としてのカードが挿入され
るカード挿入口155、およびカード挿入口155の裏
面に設けられているカードリーダライタの機構を点検す
る場合にカードユニット50を解放するためのカードユ
ニット錠156が設けられている。
【0038】打球発射装置から発射された遊技球は、打
球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域
7を下りてくる。遊技球が始動入賞口14に入り始動口
スイッチ14aで検出されると、図柄の可変表示を開始
できる状態であれば、可変表示装置9において特別図柄
が可変表示(変動)を始める。図柄の可変表示を開始で
きる状態でなければ、始動記憶数を1増やす。
【0039】可変表示装置9における特別図柄の可変表
示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特
別図柄の組み合わせが大当り図柄(特定表示結果)であ
ると、大当り遊技状態に移行する。すなわち、開閉板2
0が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例え
ば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、
開閉板20の開放中に遊技球がV入賞領域に入賞しV入
賞スイッチ22で検出されると、継続権が発生し開閉板
20の開放が再度行われる。継続権の発生は、所定回数
(例えば15ラウンド)許容される。
【0040】停止時の可変表示装置9における特別図柄
の組み合わせが確率変動を伴う大当り図柄(確変図柄)
の組み合わせである場合には、次に大当りとなる確率が
高くなる。すなわち、確変状態という遊技者にとってさ
らに有利な状態となる。
【0041】遊技球がゲート32に入賞すると、普通図
柄表示器10において普通図柄が可変表示される状態に
なる。また、普通図柄表示器10における停止図柄が所
定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置1
5が所定時間だけ開状態になる。さらに、確変状態で
は、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄に
なる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の
開放時間と開放回数が高められる。すなわち、可変入賞
球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図
柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図
柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態
から有利な状態に変化する。なお、開放回数が高められ
ることは、閉状態から開状態になることも含む概念であ
る。
【0042】次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造につ
いて図3および図4を参照して説明する。図3は、遊技
機を裏面から見た背面図である。図4は、各種部材が取
り付けられた機構板を遊技機背面側から見た背面図であ
る。
【0043】図3に示すように、遊技機裏面側では、可
変表示装置9を制御する図柄制御基板80を含む可変表
示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ
等が搭載された遊技制御基板(主基板)31が設置され
ている。また、球払出制御を行う払出制御用マイクロコ
ンピュータ等が搭載された払出制御基板37が設置され
ている。さらに、遊技盤6に設けられている各種装飾L
ED、始動記憶表示器18および普通図柄始動記憶表示
器41、装飾ランプ25、枠側に設けられている天枠ラ
ンプ28a、左枠ランプ28b、右枠ランプ28c、賞
球ランプ51および球切れランプ52を点灯制御するラ
ンプ制御手段が搭載されたランプ制御基板35、スピー
カ27からの音発生を制御する音制御手段が搭載された
音制御基板70も設けられている。また、また、DC3
0V、DC21V、DC12VおよびDC5Vを作成す
る電源回路が搭載された電源基板910や発射制御基板
91が設けられている。
【0044】遊技機裏面において、上方には、各種情報
を遊技機外部に出力するための各端子を備えたターミナ
ル基板160が設置されている。ターミナル基板160
には、少なくとも、球切れ検出スイッチの出力を導入し
て外部出力するための球切れ用端子、賞球個数信号を外
部出力するための賞球用端子および球貸し個数信号を外
部出力するための球貸し用端子が設けられている。ま
た、中央付近には、主基板31からの各種情報を遊技機
外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情
報出力基板)34が設置されている。
【0045】貯留タンク38に貯留された遊技球は誘導
レール39を通り、図4に示されるように、カーブ樋1
86を経て賞球ケース40Aで覆われた球払出装置に至
る。球払出装置の上部には、遊技媒体切れ検出手段とし
ての球切れスイッチ187が設けられている。球切れス
イッチ187が球切れを検出すると、球払出装置の払出
動作が停止する。球切れスイッチ187は遊技球通路内
の遊技球の有無を検出するスイッチであるが、貯留タン
ク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ
167も誘導レール39における上流部分(貯留タンク
38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出ス
イッチ167が遊技球の不足を検知すると、遊技機設置
島に設けられている補給機構から遊技機に対して遊技球
の補給が行われる。
【0046】入賞にもとづく景品としての遊技球や球貸
し要求にもとづく遊技球が多数払い出されて打球供給皿
3が満杯になり、ついには遊技球が連絡口45に到達し
た後さらに遊技球が払い出されると、遊技球は、余剰球
通路46を経て余剰球受皿4に導かれる。さらに遊技球
が払い出されると、感知レバー47が貯留状態検出手段
としての満タンスイッチ48を押圧して、貯留状態検出
手段としての満タンスイッチ48がオンする。その状態
では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払
出装置の動作が停止するとともに発射装置の駆動も停止
する。
【0047】図4に示すように、球払出装置の側方に
は、カーブ樋186から遊技機下部の排出口192に至
る球抜き通路191が形成されている。球抜き通路19
1の上部には球抜きレバー193が設けられ、球抜きレ
バー193が遊技店員等によって操作されると、誘導レ
ール39から球抜き通路191への遊技球通路が形成さ
れ、貯留タンク38内に貯留されている遊技球は、排出
口192から遊技機外に排出される。
【0048】図5は、球払出装置97の構成例を示す分
解斜視図である。この例では、賞球ケース40Aとして
の3つのケース140,141,142の内部に球払出
装置97が形成されている。ケース140,141の上
部には、球切れスイッチ187の下部の球通路と連通す
る穴170,171が設けられ、遊技球は、穴170,
171から球払出装置97に流入する。
【0049】球払出装置97は駆動源となる払出モータ
(例えばステッピングモータ)289を含む。払出モー
タ289の回転力は、払出モータ289の回転軸に嵌合
しているギア290に伝えられ、さらに、ギア290と
噛み合うギア291に伝えられる。ギア291の中心軸
には、凹部を有するスプロケット292が嵌合してい
る。穴170,171から流入した遊技球は、スプロケ
ット292の凹部によって、スプロケット292の下方
の球通路293a,293bに1個ずつ落下させられ
る。
【0050】球通路(遊技媒体払出通路の一例)293
a,293bには遊技球の流下路を切り替えるための振
分部材311が設けられている。振分部材311は振分
ソレノイド310によって駆動され、賞球払出時には、
球通路293a,293bにおける一方の流下路(球通
路293a:景品遊技媒体通路の一例)を遊技球が流下
するように倒れ、球貸し時には球通路293a,293
bにおける他方の流下路(球通路293b:貸出遊技媒
体通路の一例)を遊技球が流下するように倒れる。な
お、払出モータ289および振分ソレノイド310は、
払出制御基板37に搭載されている払出制御用CPUに
よって制御される。また、払出制御用CPUは、主基板
31に搭載されている遊技制御用のCPUからの指令に
応じて払出モータ289および振分ソレノイド310を
制御する。
【0051】賞球払出時に選択される流下路の下方には
球払出装置によって払い出された遊技球を検出する賞球
センサ(賞球カウントスイッチ)301Aが設けられ、
球貸し時に選択される流下路の下方には球払出装置によ
って払い出された遊技球を検出する球貸しセンサ(球貸
しカウントスイッチ)301Bが設けられている。賞球
カウントスイッチ301Aの検出信号と球貸しカウント
スイッチ301Bの検出信号は払出制御基板37の払出
制御用CPUに入力される。払出制御用CPUは、それ
らの検出信号にもとづいて、実際に払い出された遊技球
の個数を計数する。なお、賞球カウントスイッチ301
Aの検出信号は、主基板31のCPUにも入力される。
球貸しカウントスイッチ301Bに対する電源基板91
0からの電力供給は、払出制御基板37を介してなされ
る。なお、賞球カウントスイッチ301Aに対する電源
基板910からの電力供給は、主基板31を介してなさ
れるが、払出制御基板37を介してなされるようにして
もよい。また、賞球センサと球貸しセンサは、それぞれ
複数設けられていてもよい。また、賞球センサは、主基
板31用のものと払出制御基板37用のものが別個に設
けられていてもよい。
【0052】なお、ギア291の周辺部には、払出モー
タ位置センサを形成する突起部が形成されている。突起
部は、ギア291の回転すなわち払出モータ289の回
転に伴って発光体(図示せず)からの光を、払出モータ
位置センサの受光部(図示せず)に対して透過させたり
遮蔽したりする。払出制御用CPUは、受光部からの検
出信号によって払出モータ289の位置を認識すること
ができる。
【0053】また、球払出装置は、賞球払出と球貸しと
を共に行うように構成されていてもよいが、賞球払出を
行う球払出装置と球貸しを行う球払出装置が別個に設け
られていてもよい。さらに、例えばスプロケットの回転
方向を変えて賞球払出と球貸しとを分けるように構成さ
れていてもよいし、本実施の形態において例示する球払
出装置97以外のどのような構造の球払出装置を用いて
も、本発明を適用することができる。
【0054】図6は、遊技盤6に設置されている電源基
板910の露出部分を示す正面図である。図6に示すよ
うに、電源基板910は、大部分が主基板31と重なっ
ているが、主基板31に重なることなく外部から視認可
能に露出した露出部分がある。この露出部分には、遊技
機1の各電気部品制御基板や各電気部品への電力供給を
実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての
電源スイッチ914と、各基板(主基板31や払出制御
基板37等)に含まれる記憶内容保持手段(例えば、電
力供給停止時にもその内容を保持可能なバックアップR
AM)に記憶されたバックアップデータをクリアするた
めの操作手段としてのクリアスイッチ921とが設けら
れている。このように、電源スイッチ914とクリアス
イッチ921とが近くに配置されているので、電源スイ
ッチ914によって遊技機に電力を供給開始するのに関
連したクリアスイッチ921の操作が容易になる。
【0055】図7は、主基板31における回路構成の一
例を示すブロック図である。なお、図7には、払出制御
基板37、ランプ制御基板35、音制御基板70、発射
制御基板91および図柄制御基板80も示されている。
主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1
を制御する基本回路53と、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301Aおよびクリアスイッチ9
21からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路5
8と、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、
開閉板20を開閉するソレノイド21および大入賞口内
の経路を切り換えるためのソレノイド21Aを基本回路
53からの指令に従って駆動するソレノイド回路59と
が搭載されている。
【0056】なお、図7には示されていないが、カウン
トスイッチ短絡信号もスイッチ回路58を介して基本回
路53に伝達される。また、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、V入賞スイッチ22、カウントス
イッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,
39a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、
賞球カウントスイッチ301A等のスイッチは、センサ
と称されているものでもよい。すなわち、遊技球を検出
できる遊技媒体検出手段(この例では遊技球検出手段)
であれば、その名称を問わない。特に、入賞検出を行う
始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23、および
入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aの各ス
イッチは、入賞検出手段でもある。なお、入賞検出手段
は、複数の入賞口に別個に入賞したそれぞれの遊技球を
まとめて検出するものであってもよい。また、ゲートス
イッチ32aのような通過ゲートであっても、賞球の払
い出しが行われるものであれば、通過ゲートへ遊技球が
進入することが入賞となり、通過ゲートに設けられてい
るスイッチ(例えばゲートスイッチ32a)が入賞検出
手段となる。
【0057】また、基本回路53から与えられるデータ
に従って、大当りの発生を示す大当り情報、可変表示装
置9における図柄の可変表示開始に利用された始動入賞
球の個数を示す有効始動情報、確率変動が生じたことを
示す確変情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等
の外部装置に対して出力する情報出力回路64が搭載さ
れている。
【0058】基本回路53は、ゲーム制御用のプログラ
ム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用さ
れる記憶手段(変動データを記憶する手段)としてのR
AM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU5
6およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態で
は、ROM54,RAM55はCPU56に内蔵されて
いる。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコン
ピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータ
は、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、R
OM54およびI/Oポート部57は外付けであっても
内蔵されていてもよい。
【0059】また、RAM(CPU内蔵RAMであって
もよい。)55の一部または全部が、電源基板910に
おいて作成されるバックアップ電源よってバックアップ
されているバックアップRAMである。すなわち、遊技
機に対する電力供給が停止しても、所定期間は、RAM
55の一部または全部の内容は保存される。
【0060】この実施の形態では、電源基板910から
主基板31に対して、ローレベルがリセット状態を示す
システムリセット信号(以下、リセット信号とい
う。)、ローアクティブの復帰信号およびローアクティ
ブの電源断信号も入力される。リセット信号と復帰信号
とはAND回路161に入力され、AND回路161の
出力がCPU56のリセット端子に入力される。また、
電源断信号は、CPU56のマスク不能割込(NMI)
端子に入力される。
【0061】遊技球を打撃して発射する打球発射装置は
発射制御基板91上の回路によって制御される駆動モー
タ94で駆動される。そして、駆動モータ94の駆動力
は、操作ノブ5の操作量に従って調整される。すなわ
ち、発射制御基板91上の回路によって、操作ノブ5の
操作量に応じた速度で遊技球が発射されるように制御さ
れる。
【0062】なお、この実施の形態では、ランプ制御基
板35に搭載されているランプ制御手段が、遊技盤に設
けられている始動記憶表示器18、普通図柄始動記憶表
示器41および装飾ランプ25の表示制御を行うととも
に、枠側に設けられている天枠ランプ28a、左枠ラン
プ28b、右枠ランプ28c、賞球ランプ51および球
切れランプ52の表示制御を行う。また、特別図柄を可
変表示する可変表示装置9および普通図柄を可変表示す
る普通図柄表示器10の表示制御は、図柄制御基板80
に搭載されている表示制御手段によって行われる。
【0063】図8は、払出制御基板37および球払出装
置97の構成要素などの払出に関連する構成要素を示す
ブロック図である。図8に示すように、満タンスイッチ
48からの検出信号は、中継基板71を介して主基板3
1のI/Oポート部57に入力される。また、球切れス
イッチ187からの検出信号も、中継基板72および中
継基板71を介して主基板31のI/Oポート部57に
入力される。
【0064】主基板31のCPU56は、球切れスイッ
チ187からの検出信号が球切れ状態を示しているか、
または、満タンスイッチ48からの検出信号が満タン状
態を示していると、払出を停止すべき状態であることを
指示する払出制御コマンドを送出する。払出を停止すべ
き状態であることを指示する払出制御コマンドを受信す
ると、払出制御基板37の払出制御用CPU371は球
払出処理を停止する。
【0065】さらに、賞球カウントスイッチ301Aか
らの検出信号は、中継基板72および中継基板71を介
して主基板31のI/Oポート部57に入力されるとと
もに、中継基板72を介して払出制御基板37の入力ポ
ート372bに入力される。賞球カウントスイッチ30
1Aは、球払出装置97の払出機構部分に設けられ、実
際に払い出された賞球払出球を検出する。
【0066】入賞があると、払出制御基板37には、主
基板31の出力ポート(ポート0,1)570,571
から賞球個数を示す払出制御コマンドが入力される。出
力ポート(出力ポート1)571は8ビットのデータを
出力し、出力ポート(出力ポート0)570は1ビット
のINT信号を出力する。賞球個数を示す払出制御コマ
ンドは、入力バッファ回路373Aを介してI/Oポー
ト372aに入力される。INT信号は、入力バッファ
回路373Bを介して払出制御用CPU371の割込端
子に入力されている。払出制御用CPU371は、I/
Oポート372aを介して払出制御コマンドを入力し、
払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動して賞
球払出を行う。なお、この実施の形態では、払出制御用
CPU371は、1チップマイクロコンピュータであ
り、少なくともRAMが内蔵されている。
【0067】また、主基板31において、出力ポート5
70,571の外側にバッファ回路620,68Aが設
けられている。バッファ回路620,68Aとして、例
えば、汎用のCMOS−ICである74HC250,7
4HC14が用いられる。このような構成によれば、外
部から主基板31の内部に入力される信号が阻止される
ので、払出制御基板37から主基板31に信号が与えら
れる可能性がある信号ラインをさらに確実になくすこと
ができる。なお、バッファ回路620,68Aの出力側
にノイズフィルタを設けてもよい。
【0068】払出制御用CPU371は、出力ポート3
72cを介して、貸し球数を示す球貸し個数信号をター
ミナル基板160に出力する。さらに、出力ポート37
2dを介して、エラー表示用LED374にエラー信号
を出力する。
【0069】さらに、払出制御基板37の入力ポート3
72bには、中継基板72を介して、球貸しカウントス
イッチ301B、および払出モータ289の回転位置を
検出するための払出モータ位置センサからの検出信号が
入力される。球貸しカウントスイッチ301Bは、球払
出装置97の払出機構部分に設けられ、実際に払い出さ
れた貸し球を検出する。払出制御基板37からの払出モ
ータ289への駆動信号は、出力ポート372cおよび
中継基板72を介して球払出装置97の払出機構部分に
おける払出モータ289に伝えられ、振分ソレノイド3
10への駆動信号は、出力ポート372eおよび中継基
板72を介して球払出装置97の払出機構部分における
振分ソレノイド310に伝えられる。また、クリアスイ
ッチ921の出力も、入力ポート372bに入力され
る。
【0070】カードユニット50には、カードユニット
制御用マイクロコンピュータが搭載されている。また、
カードユニット50には、使用可表示ランプ151、連
結台方向表示器153、カード投入表示ランプ154お
よびカード挿入口155が設けられている(図1参
照)。残高表示基板74には、打球供給皿3の近傍に設
けられている度数表示LED、球貸しスイッチおよび返
却スイッチが接続される。
【0071】残高表示基板74からカードユニット50
には、遊技者の操作に応じて、球貸しスイッチ信号およ
び返却スイッチ信号が払出制御基板37を介して与えら
れる。また、カードユニット50から残高表示基板74
には、プリペイドカードの残高を示すカード残高表示信
号および球貸し可表示信号が払出制御基板37を介して
与えられる。このように、残高表示基板74とカードユ
ニット50は、直接接続されることなく、払出制御基板
37を介して接続されている。カードユニット50と払
出制御基板37の間では、接続信号(VL信号)、ユニ
ット操作信号(BRDY信号)、球貸し要求信号(BR
Q信号)、球貸し完了信号(EXS信号)およびパチン
コ機動作信号(PRDY信号)が入力ポート372bお
よび出力ポート372eを介してやりとりされる。な
お、カードユニット50と払出制御基板37の間には、
図示しないインタフェース基板が介在している。カード
ユニット50と払出制御基板37の間で、接続信号(V
L信号)等の信号はインタフェース基板を介してやりと
りされる。そして、残高表示基板74とインタフェース
基板との間で、信号が直接やりとりされることはない。
【0072】パチンコ遊技機1の電源が投入されると、
払出制御基板37の払出制御用CPU371は、カード
ユニット50にPRDY信号を出力する。また、カード
ユニット制御用マイクロコンピュータは、VL信号を出
力する。払出制御用CPU371は、VL信号の入力状
態により接続状態/未接続状態を判定する。カードユニ
ット50においてカードが受け付けられ、球貸しスイッ
チが操作され球貸しスイッチ信号が入力されると、カー
ドユニット制御用マイクロコンピュータは、払出制御基
板37にBRDY信号を出力する。この時点から所定の
遅延時間が経過すると、カードユニット制御用マイクロ
コンピュータは、払出制御基板37にBRQ信号を出力
する。
【0073】そして、払出制御基板37の払出制御用C
PU371は、カードユニット50に対するEXS信号
を立ち上げ、カードユニット50からのBRQ信号の立
ち下がりを検出すると、払出モータ289を駆動し、所
定個の貸し球を遊技者に払い出す。このとき、振分ソレ
ノイド310は駆動状態とされている。すなわち、球振
分部材311を球貸し側に向ける。そして、払出が完了
したら、払出制御用CPU371は、カードユニット5
0に対するEXS信号を立ち下げる。その後、カードユ
ニット50からのBRDY信号がオン状態でなければ、
賞球払出制御を実行する。
【0074】以上のように、カードユニット50からの
信号は全て払出制御基板37に入力される構成になって
いる。従って、球貸し制御に関して、カードユニット5
0から主基板31に信号が入力されることはなく、主基
板31の基本回路53にカードユニット50の側から不
正に信号が入力される余地はない。また、カードユニッ
ト50で用いられる電源電圧AC24Vは払出制御基板
37から供給される。
【0075】この実施の形態では、電源基板910から
払出制御基板37に対して、リセット信号、復帰信号お
よび電源断信号も入力される。リセット信号と復帰信号
とはAND回路385に入力され、AND回路385の
出力が払出制御用CPU371のリセット端子に入力さ
れる。また、電源断信号は、払出制御用CPU371の
マスク不能割込(NMI)端子に入力される。さらに、
払出制御基板37に存在するRAM(CPU内蔵RAM
であってもよい。)の少なくとも一部は、電源基板91
0において作成されるバックアップ電源によって、バッ
クアップされている。すなわち、遊技機に対する電力供
給が停止しても、所定期間は、RAMの少なくとも一部
の内容は保存される。
【0076】なお、この実施の形態では、カードユニッ
ト50が遊技機とは別体として遊技機に隣接して設置さ
れている場合を例にするが、カードユニット50は遊技
機と一体化されていてもよい。また、コイン投入に応じ
てその金額に応じた遊技球が貸し出されるような場合で
も本発明を適用できる。
【0077】図9は、電源基板910の一構成例を示す
ブロック図である。電源基板910は、主基板31、図
柄制御基板80、音制御基板70、ランプ制御基板35
および払出制御基板37等の電気部品制御基板と独立し
て設置され、遊技機内の各電気部品制御基板および機構
部品が使用する電圧を生成する。この例では、AC24
V、VSL(DC+30V)、DC+21V、DC+12
VおよびDC+5Vを生成する。また、バックアップ電
源すなわち記憶保持手段となるコンデンサ916は、D
C+5Vすなわち各基板上のIC等を駆動する電源のラ
インから充電される。なお、VSLは、整流回路912に
おいて、整流素子でAC24Vを整流昇圧することによ
って生成される。VSLは、ソレノイド駆動電源となる。
【0078】電源基板910には、遊技機内の各電気部
品制御基板や機構部品への電力供給を実行または遮断す
るための電源スイッチ914が設けられている。トラン
ス911は、交流電源からの交流電圧を24Vに変換す
る。AC24V電圧は、コネクタ915に出力される。
また、整流回路912は、AC24Vから+30Vの直
流電圧を生成し、DC−DCコンバータ913およびコ
ネクタ915に出力する。DC−DCコンバータ913
は、1つまたは複数のコンバータIC920(図9では
1つのみを示す。)を有し、VSLにもとづいて+21
V、+12Vおよび+5Vを生成してコネクタ915に
出力する。コンバータIC920の入力側には、比較的
大容量のコンデンサ923が接続されている。従って、
外部からの遊技機に対する電力供給が停止したときに、
+30V、+12V、+5V等の直流電圧は、比較的緩
やかに低下する。また、コネクタ915の入力側にも、
比較的大容量のコンデンサ924が接続されている。従
って、コネクタ915に出力される+30Vの直流電圧
は、他の直流電圧よりもさらに緩やかに低下する。この
結果、コンデンサ923,924は、後述する補助駆動
電源の役割を果たす。コネクタ915は例えば中継基板
に接続され、中継基板から各電気部品制御基板および機
構部品に必要な電圧の電力が供給される。
【0079】ただし、電源基板910に各電気部品制御
基板に至る各コネクタを設け、電源基板910から、中
継基板を介さずにそれぞれの基板に至る各電圧を供給す
るようにしてもよい。また、図9には1つのコネクタ9
15が代表して示されているが、コネクタは、各電気部
品制御基板対応に設けられている。
【0080】DC−DCコンバータ913からの+5V
ラインは分岐してバックアップ+5Vラインを形成す
る。バックアップ+5Vラインとグラウンドレベルとの
間には大容量のコンデンサ916が接続されている。コ
ンデンサ916は、遊技機に対する電力供給が停止した
ときの電気部品制御基板のバックアップRAM(電源バ
ックアップされているRAMすなわち電力供給停止時に
も記憶内容保持状態となりうるバックアップ記憶手段)
に対して記憶状態を保持できるように電力を供給するバ
ックアップ電源となる。また、+5Vラインとバックア
ップ+5Vラインとの間に、逆流防止用のダイオード9
17が挿入される。なお、この実施の形態では、バック
アップ用の+5Vは、主基板31および払出制御基板3
7に供給される。
【0081】なお、バックアップ電源として、+5V電
源から充電可能な電池を用いてもよい。電池を用いる場
合には、+5V電源から電力供給されない状態が所定時
間継続すると容量がなくなるような充電池が用いられ
る。また、上記のコンデンサ923,924の代わり
に、+30V電源から充電可能な電池を用いてもよい。
コンデンサ923の代わりに電池を用いる場合には、後
述する払出確認期間以上の期間、賞球カウントスイッチ
301Aや球貸しカウントスイッチ301Bに電力を供
給可能な充電池が用いられる。また、コンデンサ924
の代わりに電池を用いる場合には、後述する払出確認期
間以上の期間、振分ソレノイド310に電力を供給可能
な充電池が用いられる。なお、上記の電池は、充電機能
を有するものでなくてもよく、例えばニッカド電池、ア
ルカリ電池、マンガン電池などの電池を用いることもで
きる。
【0082】また、電源基板910には、電源監視回路
としての電源監視用IC902が搭載されている。電源
監視用IC902は、VSL電圧を導入し、VSL電圧を監
視することによって遊技機への電力供給停止の発生を検
出する。具体的には、VSL電圧が所定値(この例では+
22V)以下になったら、電力供給の停止が生ずるとし
て電源断信号を出力する(具体的にはローレベルにす
る。)。従って、賞球カウントスイッチ301Aによる
賞球の検出が有効に行われているときに電源供給停止時
処理を開始することができる。従って、電源供給停止時
処理を開始したあとしばらくは補助駆動電源にたよるこ
となく賞球の検出が可能となり、補助駆動電源としての
コンデンサ923の容量が少なくて済む。なお、監視対
象の電源電圧は、各電気部品制御基板に搭載されている
回路素子の電源電圧(この例では+5V)よりも高い電
圧であることが好ましい。この例では、交流から直流に
変換された直後の電圧であるVSLが用いられている。電
源監視用IC902からの電源断信号は、主基板31や
払出制御基板37等に供給される。
【0083】電源監視用IC902が電力供給の停止を
検知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、各
電気部品制御基板上のCPUが暫くの間動作しうる程度
の電圧である。また、電源監視用IC902が、CPU
等の回路素子を駆動するための電圧(この例では+5
V)よりも高く、また、交流から直流に変換された直後
の電圧を監視するように構成されているので、CPUが
必要とする電圧に対して監視範囲を広げることができ
る。従って、より精密な監視を行うことができる。
【0084】さらに、監視電圧としてVSL(+30V)
を用いる場合には、遊技機の各種スイッチに供給される
電圧が+12Vであることから、電源瞬断時のスイッチ
オン誤検出の防止も期待できる。すなわち、+30V電
源の電圧を監視すると、+30V作成の以降に作られる
+12Vが落ち始める以前の段階でそれの低下を検出で
きる。+12V電源の電圧が低下するとスイッチ出力が
オン状態を呈するようになるが、+12Vより早く低下
する+30V電源電圧を監視して電力供給の停止を認識
すれば、スイッチ出力がオン状態を呈する前に電源復旧
待ちの状態に入ってスイッチ出力を検出しない状態とな
ることができる。
【0085】また、監視電圧としてのVSL(+30V)
の電源監視用IC902への入力ラインと異なり、ソレ
ノイドやモータなどに供給される電圧としてのVSL(+
30V)のコネクタ915への入力ラインには大容量の
コンデンサ924が接続されている。従って、監視電圧
としてのVSL(+30V)は、大容量のコンデンサ92
4が接続されているコネクタ915に出力されるVSL
(+30V)より早く低下する。すなわち、監視電圧と
してのVSL(+30V)が落ち始めた後も、所定期間
は、ソレノイドやモータなどに供給される電圧としての
VSL(+30V)の供給状態が維持される。その後、ソ
レノイドやモータなどに供給される電圧としてのVSL
(+30V)は、緩やかに低下してく。よって、監視電
圧としてのVSL(+30V)が落ち始める場合であって
も、所定期間は、ソレノイドやモータなどを駆動可能な
状態とすることができる。また、コネクタ915に出力
されるVSL(+30V)が落ち始める前に、電力供給の
停止を認識することができる。
【0086】また、電源監視用IC902は、電気部品
制御基板とは別個の電源基板910に搭載されているの
で、電源監視回路から複数の電気部品制御基板に電源断
信号を供給することができる。電源断信号を必要とする
電気部品制御基板が幾つあっても電源監視手段は1つ設
けられていればよいので、各電気部品制御基板における
各電気部品制御手段が後述する復旧制御を行っても、遊
技機のコストはさほど上昇しない。
【0087】なお、図9に示された構成では、電源監視
用IC902の検出信号(電源断信号)は、バッファ回
路918,919を介してそれぞれの電気部品制御基板
(例えば主基板31と払出制御基板37)に伝達される
が、例えば、1つの検出信号を中継基板に伝達し、中継
基板から各電気部品制御基板に同じ信号を分配する構成
でもよい。また、電源断信号を必要とする基板数に応じ
たバッファ回路を設けてもよい。さらに、主基板31と
払出制御基板37とに出力される電源断信号について、
電源断信号を出力することになる電源監視回路の監視電
圧を異ならせてもよい。
【0088】図9に示すように、電源基板910には、
押しボタン構造のクリアスイッチ921が搭載されてい
る。クリアスイッチ921が押下されるとローレベル
(オン状態)のクリアスイッチ信号が出力され、コネク
タ915を介して主基板31等に送信される。また、ク
リアスイッチ921が押下されていなければハイレベル
(オフ状態)の信号が出力される。なお、この実施の形
態では、オン状態のクリア信号が出力される場合が、操
作手段としてのクリアスイッチ921から操作信号が出
力される状態である。
【0089】なお、クリアスイッチ921が、押しボタ
ン構造以外の他の構成とされていてもよい。図10は、
クリアスイッチ921の他の構成例を示す構成図であ
る。図10に示すクリアスイッチ921は、「OF
F」、「ON」および「クリア」の選択切り換えを行う
ための切換操作部921aを有する。切換操作部921
aによって、「OFF」が選択されているときは何らの
信号も発生しない。「ON」が選択されているときはハ
イレベルの信号を出力する。なお、クリアスイッチ92
1が、遊技機1に対する電源供給のオン/オフ切換のた
めのスイッチも兼ねていてもよい。その場合、「OF
F」が選択されると、遊技機1に対する電源供給が停止
された状態(遊技機の電源がオフの状態)になる。「O
N」または「クリア」が選択されると、遊技機1に対し
て電源供給が行われる状態(遊技機の電源がオンの状
態)になる。また、「クリア」が選択されているとき
に、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力される。
【0090】この実施の形態では、クリアスイッチ92
1が電源基板910に搭載されているので、遊技盤6の
入れ替え等の場合に入れ替え後の遊技盤6に対して電源
基板910をそのまま使用しても、入れ替え後の遊技盤
6において、そのままで遊技状態復旧処理等を実行する
ことができる。すなわち、電源基板910の使い回しを
行うことができる。なお、電源基板910ではなく、例
えばスイッチ基板などの他の基板にクリアスイッチ92
1が搭載される構成としてもよい。
【0091】電源基板910には、各基板にリセット信
号および復帰信号を供給するリセット管理回路940が
搭載されている。リセット管理回路940は、遊技制御
手段が遊技に関わる制御が可能な状態になる時期を最も
遅い時期とする(少なくとも、遊技制御手段が遊技に関
わる制御が可能な状態になる時期を、払出制御手段が球
払出装置97の制御が可能な状態になる時期よりも遅い
時期とする)起動順序規制手段の一実現例である。従っ
て、この実施の形態では、起動順序規制手段は電源基板
910に搭載されている。起動順序規制手段は電源基板
910に搭載されている場合には、遊技制御基板および
払出制御基板の起動時期が電源電圧の立ち上がりを利用
して作成される際に、起動順序制御をより容易に実行す
ることができる。
【0092】図11は、リセット管理回路940の構成
例を示すブロック図である。リセット管理回路940に
おいて、システムリセット回路65におけるリセットI
C651は、電源投入時に、外付けのコンデンサの容量
で決まる所定時間だけ出力をローレベルにし(リセット
信号を出力し)、所定時間が経過すると出力をハイレベ
ルにする(実行開始信号としてのリセット解除信号を出
力する)。すなわち、リセット信号をハイレベルに立ち
上げてCPU56を動作可能状態にする。ローレベルか
らハイレベルになるまでの期間は、コンデンサの容量に
よって決まり、容量を大きくするとその期間を長くする
ことができる。
【0093】また、リセットIC651は、電源監視用
IC902が監視する電源電圧と等しい電源電圧である
VSLの電源電圧を監視して電圧値が所定値(電源監視回
路が電源断信号を出力する電源電圧値よりも低い値)以
下になると出力をローレベルにする。従って、CPU5
6および払出制御用CPU371は、電源監視用IC9
02からの電源断信号に応じて所定の電力供給停止時処
理を行った後、システムリセットされる(すなわち、シ
ステムの最初の状態に戻される)。
【0094】リセットIC651の出力は、リセット信
号回路950における各回路941〜949を介して、
バッファ回路961〜964および遅延回路960に供
給される。遅延回路960の出力はバッファ回路965
に入力する。そして、バッファ回路961〜965の出
力が、各電気部品制御基板に対してリセット信号として
供給される。従って、リセットIC651の出力がハイ
レベルになると、各電気部品制御基板におけるCPUが
動作可能状態になる。
【0095】電源基板910から各電気部品制御基板の
CPUにリセット信号が供給されるときに、遅延回路9
60が、主基板31のCPU56に対するリセット信号
の立ち上げを遅延させる。従って、電源投入時に、主基
板31のCPU56が備えるリセット端子の入力信号
は、他の電気部品制御基板のCPUに供給されるリセッ
ト信号が立ち上げられるときよりも遅く立ち上げられ
る。すなわち、電気部品制御手段の起動順序を制御する
起動順序規制手段が、システムリセット回路65と遅延
回路960とを含む構成で実現されている。
【0096】例えば、主基板31のCPU56が他の電
気部品制御基板に対して制御コマンドを出力する際に、
他の電気部品制御基板におけるCPUは既に立ち上がっ
ているので、制御コマンドは確実に受信側の電気部品制
御基板のCPUで受信される。
【0097】図11に示すように、リセットIC651
からのリセット信号は、NAND回路947に入力され
るとともに、反転回路(NOT回路)944を介してカ
ウンタIC941のクリア端子に入力される。カウンタ
IC941は、クリア端子への入力がローレベルになる
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回路9
45,946を介してNAND回路947に入力され
る。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリップ
フロップ(FF)942のクロック端子に入力される。
フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固定さ
れ、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力され
る。OR回路949の他方の入力には、NAND回路9
47の出力がNOT回路948を介して導入される。そ
して、OR回路949の出力が、バッファ回路961〜
965を介して各CPUに供給されている。このような
構成によれば、電源投入時に、各CPUのリセット端子
に2回のリセット信号(ローレベル信号)が与えられる
ので、各CPUは、確実に動作を開始する。
【0098】そして、例えば、電源監視回路の検出電圧
(電源断信号を出力することになる電圧)を+22Vと
し、リセット信号をローレベルにするための検出電圧を
+9Vとする。そのように構成した場合には、電源監視
回路とシステムリセット回路65とが、同一の電源VSL
の電圧を監視するので、電圧監視回路が電源断信号を出
力するタイミングとシステムリセット回路65がリセッ
ト信号を出力するタイミングの差を所望の所定期間に確
実に設定することができる。所望の所定期間とは、電源
監視回路からの電源断信号に応じて電力供給停止時処理
を開始してから電力供給停止時処理が確実に完了するま
での期間である。
【0099】なお、電源監視回路とシステムリセット回
路65とが監視する電源の電圧は異なっていてもよい。
【0100】この例では、電源監視手段が検出信号を出
力することになる検出条件は+30V電源電圧が+22
Vにまで低下したことであり、リセットIC651がリ
セットレベルであるローレベルを出力することになる条
件は+30V電源電圧が+9Vにまで低下したことにな
る。ただし、ここで用いられている電圧値は一例であっ
て、他の値を用いてもよい。
【0101】ただし、監視範囲が狭まるが、電源監視手
段およびリセットIC651の監視電圧として+5V電
源電圧を用いることも可能である。その場合にも、電源
監視回路の検出電圧は、リセットIC651の検出電圧
よりも高く設定される。
【0102】主基板31のCPU56および払出制御基
板37の払出制御用CPU371の駆動電源である+5
V電源から電力が供給されていない間、RAMの少なく
とも一部は、電源基板910から供給されるバックアッ
プ電源によってバックアップされ、遊技機に対する電源
が断しても内容は保存される。そして、電源が復旧する
と、リセット管理回路940からのリセット信号がハイ
レベルになるので、CPU56および払出制御用CPU
371は、通常の動作状態に復帰する。そのとき、必要
なデータがバックアップRAMに保存されているので、
停電等からの復旧時に停電発生時の遊技状態に復帰する
ことができる。
【0103】なお、図11には、電源投入時に各電気部
品制御基板のCPUのリセット端子に2回のリセット信
号(ローレベル信号)が与えられる構成が示されたが、
リセット信号の立ち上がりタイミングが1回しかなくて
も確実にリセット解除されるCPUを使用する場合に
は、符号941〜949で示された回路素子は不要であ
る。そのような場合などには、符号941〜949で示
された回路素子を設けない構成としてもよい。この場
合、リセットIC651の出力がそのままバッファ回路
961〜964および遅延回路960に接続される。
【0104】また、上記の例では、電源基板910にシ
ステムリセット回路65が設けられ、主基板31や払出
制御基板37などの各基板にリセット信号や復帰信号を
出力するようにしていたが、主基板31や払出制御基板
37などの各基板それぞれにリセット回路を設けるよう
にしてもよい。
【0105】電源投入時に、リセット信号がハイレベル
に立ち上がるタイミングをさらに遅らせて、電源監視回
路からの電源断信号(NMI信号)がハイレベルに立ち
上がった後にリセット信号をハイレベルに立ち上げるよ
うにするようにしてもよい。例えば、リセットIC65
1の外付けのコンデンサの容量をさらに大きくして、電
力供給停止時に、所定の入力端子(例えばリセットIC
651におけるコンデンサが接続される端子)に印加さ
れる電圧の上昇を緩やかにし、結果として、リセット信
号がハイレベルに立ち上がるタイミングを遅らせるよう
にする。そのように構成した場合には、リセット状態が
解除されたときに電源断信号が出力状態となっていて電
源供給が再開して復旧しているときに電源断処理が実行
されてしまうことを防止することができる。
【0106】さらに、電源基板910には、待機期間を
計測して復帰信号を出力する復帰信号出力手段の一例で
あるカウンタ971が搭載されている。カウンタ971
は、電源断信号がローレベルになってクリアが解ける
と、発振器943からのクロック信号をカウントする。
そして、カウントアップすると、Q出力として、ハイレ
ベルの1パルスを発生する。そのパルス信号は反転回路
972で論理反転され、バッファ回路973および遅延
回路974に入力する。遅延回路974は、入力信号を
所定期間遅延させてバッファ回路975に入力させる。
【0107】バッファ回路973の出力は、払出制御基
板37への復帰信号となる。また、バッファ回路975
の出力は、主基板31への復帰信号となる。なお、バッ
ファ回路973,975は、払出制御基板37、主基板
31に設けられていてもよい。
【0108】図12は、主基板31におけるCPU56
周りの一構成例を示すブロック図である。図12に示す
ように、電源基板910の電源監視回路(電源監視手
段)からの電源断信号が、CPU56のマスク不能割込
端子(XNMI端子)に接続されている。上述したよう
に、電源監視回路は、遊技機が使用する各種直流電源の
うちのいずれかの電源の電圧を監視して電源電圧低下を
検出する回路である。この実施の形態では、VSLの電源
電圧を監視して電圧値が所定値以下になるとローレベル
の電源断信号を発生する。VSLは、遊技機における直流
電圧のうちで最大のものであり、この例では+30Vで
ある。従って、CPU56は、割込処理によって電源断
の発生を確認することができる。
【0109】また、図12に示すように、電源基板91
0からのリセット信号と復帰信号とはAND回路161
に入力され、AND回路161の出力がCPU56のリ
セット端子(リセット信号入力部)に入力される。
【0110】図13は、この実施の形態における各基板
の立ち上がりタイミングおよび電源投入時または電源復
旧時の各CPUに入力されるリセット信号と電源断信号
との関係の一例を示すタイミング図である。遊技機に電
源が投入され、VSL電源電圧が上昇して所定値(この実
施の形態では+9V)に到達すると、リセットIC65
1の外付けのコンデンサの容量で決まる時間の後にシス
テムリセット回路65は、出力信号をハイレベルに立ち
上げる。システムリセット回路65が出力信号を立ち上
げると、主基板31以外の各電気部品制御基板に供給さ
れるリセット信号が立ち上げられ、主基板31以外の各
電気部品制御基板のCPUが動作を開始する。電源監視
用IC902の外付けのコンデンサの容量を適切に選定
することによって、電源監視用IC902から出力され
る電源断信号がハイレベルに立ち上がることとなる電圧
値(この実施の形態では+22V)にVSL電源電圧が到
達した後に、リセット信号が立ち上がるようにすること
ができる。
【0111】上記のように、主基板31のCPU56に
供給されているリセット信号の立ち上がりを遅延させる
遅延回路960が設けられ、主基板31のCPU56が
他の電気部品制御基板よりも遅れて制御動作を開始する
ので、例えば、主基板31のCPU56が他の電気部品
制御基板に対して制御コマンドを出力する際には、他の
電気部品制御基板におけるCPUは既に立ち上がってい
る。従って、主基板31が出力した制御コマンドは確実
に受信側の電気部品制御基板のCPUで確実に受信され
る。
【0112】また、遊技機への電力供給開始時に、電気
部品制御基板としての払出制御基板37に搭載されてい
る払出制御手段(払出制御用CPU等により構成されて
いる)は、主基板31に搭載されている遊技制御手段
(CPU56等により構成されている)よりも早く立ち
上げるので、払出制御手段の方が、遊技制御手段よりも
早くクリアスイッチ921からのクリアスイッチ信号
(操作信号)の入力を認識することができる。
【0113】さらに、システムリセット回路65に遅延
手段が設けられている場合には、システムリセット回路
65からのリセット信号がハイレベルになるタイミング
を所定時間遅らせることができる。なお、システムリセ
ット回路65に設けられている遅延手段は、例えば、リ
セットIC651および電源監視用IC902の容量を
適切に選定することによって実現される。その場合、電
源断信号がハイレベル(NMIを発生させないレベル)
に立ち上がった後にリセット信号を立ち上げるようにす
ることができるので、リセット信号が立ち上がってリセ
ット解除された後でも電源断信号がローレベルとなって
いる状況は発生しない。すなわち、CPUが動作開始す
る時点では電源断信号は必ずハイレベルになっているの
で、電源断処理が実行されてしまうことを確実に防止す
ることができる。
【0114】図14は、カウンタ971の作用を説明す
るためのタイミング図である。図14(A)に示すよう
に、電源電圧が低下し、VSLの電圧値が電源断信号出力
レベル(この例では+22V)まで低下すると電源断信
号が発生する。具体的には、電源断信号がローレベルに
なる。すると、後述するように、主基板31のCPU3
1および払出制御用CPU371は、電力供給停止時処
理の実行を開始し、その処理が終了すると、何の制御も
しないループ状態(待機状態)に入る。
【0115】カウンタ971は、電源断信号がローレベ
ルになるとカウントを開始するのであるが、カウントア
ップ値は、電源断信号がローレベルになってから、VSL
の電圧値がVcc生成可能電圧にまで低下する時間以上に
設定される。すなわち、少なくとも、電源電圧が、制御
動作が不能になる電圧にまで低下する時間以上に設定さ
れる。カウンタ971はVccを電源として動作するの
で、カウントアップ値は、カウンタ971の動作可能期
間に相当する値以上に設定される。従って、一般には、
カウンタ971がカウントアップして復帰信号が出力さ
れる前に、カウンタ971およびその他の回路部品は動
作しなくなる。
【0116】電源の瞬断等が生ずると、図14(B)に
示すように、VSLの電圧レベルが短期間低下した後に復
旧する。VSLの電圧レベルが電源断信号出力レベル以下
になると、電源断信号がローレベルになって、電力供給
停止時処理が開始される。そして、CPU56および払
出制御用CPU371は電力供給停止時処理終了後にル
ープ状態に入る。何らの制御も行わないと、ループ処理
から抜けられないのであるが、この場合には、カウンタ
971がカウントアップして復帰信号が発生する。
【0117】図7および図8に示されたように、主基板
31および払出制御基板371において、復帰信号は、
AND回路161,385を介して、CPU56および
払出制御用CPU371のリセット端子に入力される。
従って、CPU56および払出制御用CPU371には
システムリセットがかかる。その結果、CPU56およ
び払出制御用CPU371はループ状態から抜け出すこ
とができる。
【0118】なお、図14(B)には、カウンタ971
のカウントアップ後に、直ちに復帰信号が出力される場
合が示されているが、図11に示されたように電源基板
910には遅延回路974があるので、主基板31のC
PU56に対する復帰信号の供給タイミングは、払出制
御用CPU371に対する復帰信号の供給タイミングよ
りも遅れる。すなわち、通常の電力供給開始時にリセッ
ト信号が与えられる場合と同様に、遊技制御手段のリセ
ット解除タイミングは、払出制御手段のリセット解除タ
イミングに対して遅れる。よって、復帰信号によって制
御動作が復旧する場合も、遊技制御手段は、他の電気部
品制御手段に対して、遅れて起動されることになる。
【0119】図15および図16は、この実施の形態に
おける出力ポートの割り当てを示す説明図である。図1
5に示すように、出力ポート0は各電気部品制御基板に
送出される制御コマンドのINT信号の出力ポートであ
る。また、払出制御基板37に送出される払出制御コマ
ンドの8ビットのデータは出力ポート1から出力され、
図柄制御基板80に送出される表示制御コマンドの8ビ
ットのデータは出力ポート2から出力され、ランプ制御
基板35に送出されるランプ制御コマンドの8ビットの
データは出力ポート3から出力される。そして、図16
に示すように、音制御基板70に送出される音制御コマ
ンドの8ビットのデータは出力ポート4から出力され
る。
【0120】また、出力ポート5から、情報出力回路6
4を介して情報端子板34やターミナル基板160に至
る各種情報出力用信号すなわち制御に関わる情報の出力
データが出力される。そして、出力ポート6から、可変
入賞球装置15を開閉するためのソレノイド16、大入
賞口の開閉板2を開閉するためのソレノイド21、およ
び大入賞口内の経路を切り換えるためのソレノイド21
Aに対する駆動信号が出力される。
【0121】図16に示すように、払出制御基板37、
図柄制御基板80、ランプ制御基板35および音制御基
板70に対して出力される各INT信号(払出制御信号
INT、表示制御信号INT、ランプ制御信号INTお
よび音声制御信号INT)を出力する出力ポート(出力
ポート0)と、払出制御信号CD0〜CD7、表示制御
信号CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7お
よび音声制御信号CD0〜CD7を出力する出力ポート
(出力ポート1〜4)とは、別ポートである。
【0122】従って、INT信号を出力する際に、誤っ
て払出制御信号CD0〜CD7、表示制御信号CD0〜
CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7および音声制御
信号CD0〜CD7を変化させてしまう可能性が低減す
る。また、払出制御信号CD0〜CD7、表示制御信号
CD0〜CD7、ランプ制御信号CD0〜CD7または
音声制御信号CD0〜CD7を出力する際に、誤ってI
NT信号を変化させてしまう可能性が低減する。その結
果、主基板31の遊技制御手段から各電気部品制御基板
に対するコマンドは、より確実に送出されることにな
る。さらに、各INT信号は、全て出力ポート0から出
力されるように構成されているので、遊技制御手段のI
NT信号出力処理の負担が軽減される。
【0123】図17は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図17に示
すように、入力ポート0のビット0〜7には、それぞ
れ、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a、
ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ14a、カウン
トスイッチ23、V入賞スイッチ22の検出信号が入力
される。また、入力ポート1のビット0〜4には、それ
ぞれ、賞球カウントスイッチ301A、満タンスイッチ
48、球切れスイッチ187の検出信号、カウントスイ
ッチ短絡信号およびクリアスイッチ921の検出信号が
入力される。なお、各スイッチからの検出信号は、スイ
ッチ回路58において論理反転されている。このよう
に、クリアスイッチ921の検出信号すなわち操作手段
の操作入力は、遊技球を検出するためのスイッチの検出
信号が入力される入力ポート(8ビット構成の入力部)
と同一の入力ポートにおけるビット(入力ポート回路)
に入力されている。
【0124】次に遊技機の動作について説明する。図1
8は、主基板31における遊技制御手段(CPU56お
よびROM,RAM等の周辺回路)が実行するメイン処
理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が
投入され、リセット端子の入力レベルがハイレベルにな
ると、CPU56は、ステップS1以降のメイン処理を
開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、
必要な初期設定を行う。
【0125】初期設定処理において、CPU56は、ま
ず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込
モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS3)。そして、内蔵デバイスレジスタの
初期化を行う(ステップS4)。また、内蔵デバイス
(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)お
よびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化(ステッ
プS5)を行った後、RAMをアクセス可能状態に設定
する(ステップS6)。
【0126】この実施の形態で用いられるCPU56
は、I/Oポート(PIO)およびタイマ/カウンタ回
路(CTC)も内蔵している。また、CTCは、2本の
外部クロック/タイマトリガ入力CLK/TRG2,3
と2本のタイマ出力ZC/TO0,1を備えている。
【0127】この実施の形態で用いられているCPU5
6には、マスク可能な割込のモードとして以下の3種類
のモードが用意されている。なお、マスク可能な割込が
発生すると、CPU56は、自動的に割込禁止状態に設
定するとともに、プログラムカウンタの内容をスタック
にセーブする。
【0128】割込モード0:割込要求を行った内蔵デバ
イスがRST命令(1バイト)またはCALL命令(3
バイト)をCPUの内部データバス上に送出する。よっ
て、CPU56は、RST命令に対応したアドレスまた
はCALL命令で指定されるアドレスの命令を実行す
る。リセット時に、CPU56は自動的に割込モード0
になる。よって、割込モード1または割込モード2に設
定したい場合には、初期設定処理において、割込モード
1または割込モード2に設定するための処理を行う必要
がある。
【0129】割込モード1:割込が受け付けられると、
常に0038(h)番地に飛ぶモードである。
【0130】割込モード2:CPU56の特定レジスタ
(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力
する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)から合成
されるアドレスが、割込番地を示すモードである。すな
わち、割込番地は、上位アドレスが特定レジスタの値と
され下位アドレスが割込ベクタとされた2バイトで示さ
れるアドレスである。従って、任意の(飛び飛びではあ
るが)偶数番地に割込処理を設置することができる。各
内蔵デバイスは割込要求を行うときに割込ベクタを送出
する機能を有している。
【0131】よって、割込モード2に設定されると、各
内蔵デバイスからの割込要求を容易に処理することが可
能になり、また、プログラムにおける任意の位置に割込
処理を設置することが可能になる。さらに、割込モード
1とは異なり、割込発生要因毎のそれぞれの割込処理を
用意しておくことも容易である。上述したように、この
実施の形態では、初期設定処理のステップS2におい
て、CPU56は割込モード2に設定される。
【0132】次いで、CPU56は、入力ポート1を介
して入力されるクリアスイッチ921の出力信号の状態
を1回だけ確認する(ステップS7)。その確認におい
てオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期
化処理を実行する(ステップS11〜ステップS1
5)。クリアスイッチ921がオンである場合(押下さ
れている場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号
が出力されている。なお、入力ポート1では、クリアス
イッチ信号のオン状態はハイレベルである(図17参
照)。また、例えば、遊技店員は、クリアスイッチ92
1をオン状態にしながら遊技機に対する電力供給を開始
する(例えば電源スイッチ914をオンする)ことによ
って、容易に初期化処理を実行させることができる。す
なわち、RAMクリア等を行うことができる。
【0133】クリアスイッチ921がオンの状態でない
場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバック
アップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデ
ータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か
確認する(ステップS8)。この実施の形態では、電力
供給の停止が生じた場合には、バックアップRAM領域
のデータを保護するための処理が行われている。そのよ
うな保護処理が行われていた場合をバックアップありと
する。そのような保護処理が行われていないことを確認
したら、CPU56は初期化処理を実行する。
【0134】この実施の形態では、バックアップRAM
領域にバックアップデータがあるか否かは、電力供給停
止時処理においてバックアップRAM領域に設定される
バックアップフラグの状態によって確認される。この例
では、図19に示すように、バックアップフラグ領域に
「55H」が設定されていればバックアップあり(オン
状態)を意味し、「55H」以外の値が設定されていれ
ばバックアップなし(オフ状態)を意味する。
【0135】バックアップありを確認したら、CPU5
6は、バックアップRAM領域のデータチェック(この
例ではパリティチェック)を行う(ステップS9)。こ
の実施の形態では、クリアデータ(00)をチェックサ
ムデータエリアにセットし、チェックサム算出開始アド
レスをポインタにセットする。また、チェックサムの対
象となるデータ数に対応するチェックサム算出回数をセ
ットする。そして、チェックサムデータエリアの内容と
ポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を演
算する。演算結果をチェックサムデータエリアにストア
するとともに、ポインタの値を1増やし、チェックサム
算出回数の値を1減算する。以上の処理が、チェックサ
ム算出回数の値が0になるまで繰り返される。チェック
サム算出回数の値が0になったら、CPU56は、チェ
ックサムデータエリアの内容の各ビットの値を反転し、
反転後のデータをチェックサムとする。
【0136】電力供給停止時処理において、上記の処理
と同様の処理によってチェックサムが算出され、チェッ
クサムはバックアップRAM領域に保存されている。ス
テップS9では、算出したチェックサムと保存されてい
るチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給
停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRA
M領域のデータは保存されているはずであるから、チェ
ック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック
結果が正常でないということは、バックアップRAM領
域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なってい
ることを意味する。そのような場合には、内部状態を電
力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供
給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初
期化処理を実行する。
【0137】チェック結果が正常であれば、CPU56
は、遊技制御手段の内部状態と表示制御手段等の電気部
品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すた
めの遊技状態復旧処理を行う(ステップS10)。そし
て、バックアップRAM領域に保存されていたPC(プ
ログラムカウンタ)の退避値がPCに設定され、そのア
ドレスに復帰する。
【0138】このように、バックアップフラグの状態に
よって「バックアップあり」が確認されなかった場合に
は、後述する遊技状態復旧処理を行うことなく後述する
初期化処理を行うようにしているので、バックアップデ
ータが存在しないのにもかかわらず遊技状態復旧処理が
実行されてしまうことを防止することができ、初期化処
理によって制御状態を初期状態に戻すことが可能にな
る。
【0139】また、チェックデータを用いたチェック結
果が正常でなかった場合には、後述する遊技状態復旧処
理を行うことなく後述する初期化処理を行うようにして
いるので、電力供給停止時とは異なる内容となってしま
っているバックアップデータにもとづいて遊技状態復旧
処理が実行されてしまうことを防止することができ、初
期化処理によって制御状態を初期状態に戻すことが可能
になる。
【0140】CPU56は、バックアップフラグとチェ
ックサム等のチェックデータとを用いてバックアップR
AM領域のデータが保存されているか否かを確認する。
すなわち、電力供給が復帰した場合には、電力供給が停
止する前の制御状態に復旧させるか否かを決定するため
の複数の復旧条件(この例ではバックアップフラグが正
常に保存されていたこととチェックサムが正常であった
こと)がすべて成立した場合に、変動データ記憶手段に
保存されていた記憶内容にもとづいて制御状態を復旧さ
せる復旧処理を実行し、複数の復旧条件のうち少なくと
も1つの条件が不成立であった場合に変動データ記憶手
段の記憶内容を初期化する初期化処理を実行可能であ
る。複数の復旧条件を用いることによって、遊技状態を
電力供給停止時の状態に正確に戻すことができる。すな
わち、バックアップRAM領域のデータにもとづく状態
復旧処理の確実性が向上する。なお、操作手段から操作
信号が出力された場合には、複数の復旧条件に関わらず
初期化処理を実行する(ステップS7)。なお、この実
施の形態では、バックアップフラグとチェックデータと
の双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存
されているか否かを確認しているが、いずれか一方のみ
を用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェ
ックデータとのいずれかを、状態復旧処理を実行するた
めの契機としてもよい。
【0141】初期化処理では、CPU56は、まず、R
AMクリア処理を行う(ステップS11)。なお、RA
Mの全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば大当り
判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデ
ータ)をそのままにしてもよい。例えば、大当り判定用
乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータを
そのままにした場合には、不正な手段によって初期化処
理が実行される状態になったとしても、大当り判定用乱
数を生成するためのカウンタのカウント値が大当り判定
値に一致するタイミングを狙うことは困難である。ま
た、所定の作業領域(例えば、普通図柄判定用乱数カウ
ンタ、普通図柄判定用バッファ、特別図柄左中右図柄バ
ッファ、特別図柄プロセスフラグ、払出コマンド格納ポ
インタ、賞球中フラグ、球切れフラグ、払出停止フラグ
など制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラ
グ)に初期値を設定する作業領域設定処理を行う(ステ
ップS12)。
【0142】さらに、CPU56は、所定の払出禁止条
件が成立しているか否かを判定し(ステップS13
a)、払出禁止条件が成立していなければ、球払出装置
97からの払出が可能であることを指示する払出許可状
態指定コマンド(以下、払出可能状態指定コマンドとい
う。)を払出制御基板37に対して送信する処理を行う
(ステップS13b)。なお、払出禁止条件が成立して
いれば、主基板31の制御状態を払出禁止状態に設定す
る。この実施の形態では、球切れフラグを球切れ状態を
示す状態(オン状態)とするとともに、満タンフラグを
下皿満タンを示す状態(オン状態)とすることで、主基
板31の制御状態を払出禁止状態に設定する。払出禁止
条件は、例えば球切れ状態となっている場合や下皿満タ
ン状態となっている場合など、払い出すべき遊技球を払
い出すことができないおそれがある場合や遊技球を払い
出すことが適当でない場合に成立する。従って、ステッ
プS13aでは、例えば、球切れスイッチ187による
検出状態の確認や、満タンスイッチ48による検出状態
の確認が行われる。なお、ステップS13aの判定処理
が実行される段階では後述するタイマ割込の設定が行わ
れていないため、ソフトウェアタイマによるウェイト処
理などによって監視時間(例えば2ms)を作成し、後
述するスイッチの状態を監視する処理(ステップS15
0〜ステップS159)と同様の処理を実行すること
で、その監視時間毎に球切れスイッチ187や満タンス
イッチ48の状態を監視してスイッチがオンしたか否か
を判定するようにすればよい。
【0143】また、CPU56は、他のサブ基板(ラン
プ制御基板35、音制御基板70、図柄制御基板80)
を初期化するための初期化コマンドを各サブ基板に送信
する処理を実行する(ステップS14)。初期化コマン
ドとして、可変表示装置9に表示される初期図柄を示す
コマンド(図柄制御基板80に対して)や賞球ランプ5
1および球切れランプ52の消灯を指示するコマンド
(ランプ制御基板35に対して)等がある。
【0144】初期化処理では、払出制御基板37に対し
て、払出禁止条件が成立していない場合に払出可能状態
指定コマンドが送信され、払出禁止条件が成立している
場合に払出禁止状態指定コマンド(以下、払出停止状態
指定コマンドという。)は送信されない。仮に、遊技機
の状態が球払出装置97からの払出が可能でない状態
(払出禁止条件が成立している状態)であった場合であ
っても、払出制御基板37における初期化処理において
払出禁止状態に設定されているはずなので問題はない。
なお、払出可能状態指定コマンドおよび他のサブ基板に
対する初期化コマンドの送信処理において、例えば、各
コマンドが設定されているテーブル(ROM領域)のア
ドレスをポインタにセットし、後述するコマンドセット
処理(図41参照)のような処理ルーチンをコールすれ
ばよい。
【0145】そして、2ms毎に定期的にタイマ割込が
かかるようにCPU56に設けられているCTCのレジ
スタの設定が行われる(ステップS15)。すなわち、
初期値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時
間定数レジスタ)に設定される。
【0146】初期化処理の実行(ステップS11〜S1
5)が完了すると、メイン処理で、表示用乱数更新処理
(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステ
ップS18)が繰り返し実行される。表示用乱数更新処
理および初期値用乱数更新処理が実行されるときには割
込禁止状態とされ(ステップS16)、表示用乱数更新
処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割
込許可状態とされる(ステップS19)。表示用乱数と
は、可変表示装置9に表示される図柄を決定するための
乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発
生するためのカウンタのカウント値を更新する処理であ
る。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を
発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理で
ある。初期値用乱数とは、大当りとするか否かを決定す
るための乱数を発生するためのカウンタ(大当り決定用
乱数発生カウンタ)等のカウント値の初期値を決定する
ための乱数である。後述する遊技制御処理において、大
当り決定用乱数発生カウンタのカウント値が1周する
と、そのカウンタに初期値が設定される。
【0147】なお、表示用乱数更新処理が実行されると
きには割込禁止状態とされるのは、表示用乱数更新処理
が後述するタイマ割込処理でも実行されることから、タ
イマ割込処理における処理と競合してしまうのを避ける
ためである。すなわち、ステップS17の処理中にタイ
マ割込が発生してタイマ割込処理中で表示用乱数を発生
するためのカウンタのカウント値を更新してしまったの
では、カウント値の連続性が損なわれる場合がある。し
かし、ステップS17の処理中では割込禁止状態にして
おけば、そのような不都合が生ずることはない。
【0148】図20は、遊技状態復旧処理の一例を示す
フローチャートである。遊技状態復旧処理において、C
PU56は、まず、スタックポインタの復帰処理を行う
(ステップS80)。スタックポインタの値は、後で詳
述する電力供給停止時処理において、所定のRAMエリ
ア(電源バックアップされている作業領域におけるスタ
ックポインタ退避バッファ)に退避している。よって、
ステップS81では、そのRAMエリアの値をスタック
ポインタに設定することによって復帰させる。なお、復
帰されたスタックポインタが指す領域(すなわちスタッ
ク領域)には、電力供給が停止したときのレジスタ値や
プログラムカウンタ(PC)の値が退避している。
【0149】次いで、CPU56は、払出停止状態であ
ったか否か確認する(ステップS82)。払出停止状態
であったか否かは、電源バックアップされているRAM
エリアに保存されている所定の作業領域(例えば、普通
図柄判定用乱数カウンタ、普通図柄判定用バッファ、特
別図柄左中右図柄バッファ、特別図柄プロセスフラグ、
払出コマンド格納ポインタ、賞球中フラグ、球切れフラ
グ、満タンフラグ、払出停止フラグなど)における払出
状態データとしての払出停止フラグによって確認され
る。払出停止フラグは、球切れフラグまたは満タンフラ
グのいずれか一方がオン状態となったときにオン状態と
なり、球切れフラグおよび満タンフラグの双方がオフし
たときにオフ状態となる。払出停止状態であった場合に
は、主基板31の制御状態を払出禁止状態に設定する。
この実施の形態では、球切れフラグを球切れ状態を示す
状態(オン状態)とするとともに、満タンフラグを下皿
満タンを示す状態(オン状態)とすることで、主基板3
1の制御状態を払出禁止状態に設定する。払出停止状態
でなかった場合には、払出制御手段に対して払出が可能
であることを指示する払出制御コマンド(払出可能状態
指定コマンド)を送信する(ステップS83)。なお、
払出停止状態であった場合には払出の停止を指示する払
出制御コマンド(払出停止状態指定コマンド)は送信さ
れないが、払出制御基板37における復旧処理(図50
参照)において払出禁止状態に設定されているはずなの
で問題はない。
【0150】補給球の不足や余剰球受皿4の満タンにつ
いて払出制御手段は認識できないので、遊技制御手段か
ら通知しないと、停電等からの復旧時に、補給球の不足
や余剰球受皿4の満タンであるにもかかわらず遊技球の
払出処理を開始してしまうおそれがある。しかし、この
実施の形態では、補給球の不足や余剰球受皿4の満タン
でない場合に、遊技状態復旧処理において払出が可能で
あること指示する払出制御コマンドが送信されるととも
に、その払出制御コマンドを受信しない限り払出制御手
段が払出処理を実行しない構成とされているので、補給
球の不足や余剰球受皿4の満タンであるにもかかわらず
払出制御手段が遊技球の払出処理を開始してしまうこと
はない。なお、払出制御手段が実行する処理について
は、あとで詳しく説明する。
【0151】また、CPU56は、無条件に、払出制御
基板37に対して払出が可能であることを指示する払出
制御コマンド(払出可能状態指定コマンド)を送信して
もよい。そのように構成した場合には、払出制御手段
は、遊技制御手段から必ず払出制御コマンドを受信する
ので、遊技制御手段が正常に立ち上がったことを直ちに
認識することができる。また、実際には、補給球の不足
や余剰球受皿4が満タンであったとしても、賞球処理に
おいて払出停止状態指定コマンドが払出制御手段に対し
て送信されるので、補給球の不足や余剰球受皿4が満タ
ンであるにも関わらず、払出制御が続行されてしまうよ
うなことはない。また、払出可能状態指定コマンドの送
信に代えて、電力供給停止前に最後の送信した払出制御
コマンドを送信するようにしてもよい。その場合、払出
制御手段も、制御状態復旧処理を行っているのである
が、制御状態復旧処理を行った後、所定時間内受信した
払出制御コマンドで指定される内容を無視する等の制御
を行う。
【0152】次いで、CPU56は、電力供給が停止し
たときの可変表示装置9における特別図柄の表示状態に
応じて、その表示状態を復旧させるための表示制御コマ
ンドを送信する(ステップS84)。
【0153】また、CPU56は、コマンド送信中フラ
グがオンしているか否か確認する(ステップS85)。
すなわち、電源供給が停止したときにコマンドの送信中
であったか否かを確認する。コマンド送信中フラグは、
電源バックアップされているRAMエリアの所定の領域
に保存されている。なお、コマンド送信中フラグは、後
述するコマンド送信処理(図42参照)において、コマ
ンドの送信処理の実行中にセットされ、コマンドの送信
処理を終えたときにリセットされるフラグである。コマ
ンド送信中フラグがオンであれば、CPU56は、コマ
ンド送信中フラグをリセットする(ステップS86)。
そして、CPU56は、スタック領域における復帰アド
レス(NMIによる電力供給停止時処理によって退避さ
れたアドレス)を示す値を、後述するコマンド送信処理
の最初のアドレスを示す値にセットする(ステップS8
7)。
【0154】その後、CPU56は、バックアップフラ
グをクリアする(ステップS88)すなわち、前回の電
力供給停止時に所定の記憶保護処理が実行されたことを
示すフラグをリセットする。よって、制御状態の復旧後
に不必要な情報が残存しないようにすることができる。
また、スタック領域から各種レジスタの退避値を読み出
して、各種レジスタ(IXレジスタ、HLレジスタ、D
Eレジスタ、BCレジスタ)に設定する(ステップS8
9)。すなわち、レジスタ復元処理を行う。なお、各レ
ジスタが復元させる毎に、スタックポインタの値が減ら
される。すなわち、スタックポインタの値が、スタック
領域の1つ前のアドレスを指すように更新される。そし
て、パリティフラグがオンしていない場合には割込許可
状態にする(ステップS90,S91)。最後に、AF
レジスタ(アキュミュレータとフラグのレジスタ)をス
タック領域から復元する(ステップS92)。
【0155】そして、RET命令が実行される。RET
命令が実行されるときには、CPU56は、スタックポ
インタが指す領域に格納されているデータをプログラム
カウンタに設定することによってプログラムのリターン
動作を実現する。ただし、ここでのリターン先は、遊技
状態復旧処理をコールした部分ではない。なぜなら、ス
テップS81においてスタックポインタの復帰処理がな
され、ステップS89でレジスタの復元処理が終了した
後では、スタック領域を指すスタックポインタは、NM
Iによる電力供給停止時処理が開始されたときに実行さ
れていたプログラムのアドレスが退避している領域を指
している。すなわち、復帰されたスタックポインタが指
すスタック領域に格納されているリターンアドレスは、
プログラムにおける前回の電力供給停止時にNMIが発
生したアドレスである。従って、ステップS92の次の
RET命令によって、電力供給停止時にNMIが発生し
たアドレスにリターンする。
【0156】なお、ステップS87でスタック領域にお
ける復帰アドレスを示す値がコマンド送信処理の最初の
アドレスを示す値に変更されていた場合には、ステップ
S89でレジスタの復元処理が終了した後では、スタッ
ク領域を指すスタックポインタは、ステップS87で書
き換えられたコマンド送信処理のプログラムの最初を示
すアドレスが退避している領域を指していることにな
る。従って、ステップS92の次のRET命令によっ
て、コマンド送信処理が開始されるときのアドレスにリ
ターンする。
【0157】すなわち、この実施の形態では、スタック
領域に退避されていたアドレスデータ(プログラムアド
レスデータ)にもとづいて復旧制御が実行されている。
【0158】タイマ割込が発生すると、CPU56は、
レジスタの退避処理(ステップS20)を行った後、図
21に示すステップS21〜S32の遊技制御処理を実
行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、
スイッチ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、始
動口スイッチ14a、カウントスイッチ23および入賞
口スイッチ29a,30a,33a,39a等のスイッ
チの検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイ
ッチ処理:ステップS21)。
【0159】次いで、パチンコ遊技機1の内部に備えら
れている自己診断機能によって種々の異常診断処理が行
われ、その結果に応じて必要ならば警報が発せられる
(エラー処理:ステップS22)。
【0160】次に、遊技制御に用いられる大当り判定用
の乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタの
カウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。
CPU56は、さらに、表示用乱数および初期値用乱数
を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理
を行う(ステップS24,S25)。
【0161】さらに、CPU56は、特別図柄プロセス
処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス制御
では、遊技状態に応じてパチンコ遊技機1を所定の順序
で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当
する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄
プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更
新される。また、普通図柄プロセス処理を行う(ステッ
プS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示
器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図
柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて
実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、
遊技状態に応じて各処理中に更新される。
【0162】次いで、CPU56は、特別図柄に関する
表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定して
表示制御コマンドを送出する処理を行う(特別図柄コマ
ンド制御処理:ステップS28)。また、普通図柄に関
する表示制御コマンドをRAM55の所定の領域に設定
して表示制御コマンドを送出する処理を行う(普通図柄
コマンド制御処理:ステップS29)。
【0163】さらに、CPU56は、例えばホール管理
用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確
率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う
(ステップS30)。
【0164】また、CPU56は、所定の条件が成立し
たときにソレノイド回路59に駆動指令を行う(ステッ
プS31)。可変入賞球装置15または開閉板20を開
状態または閉状態としたり、大入賞口内の遊技球通路を
切り替えたりするために、ソレノイド回路59は、駆動
指令に応じてソレノイド16,21,21Aを駆動す
る。
【0165】そして、CPU56は、入賞口スイッチ2
9a,30a,33a,39aの検出信号にもとづく賞
球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップ
S32)。具体的には、入賞口スイッチ29a,30
a,33a,39aがオンしたことにもとづく入賞検出
に応じて、払出制御基板37に賞球個数を示す払出制御
コマンドを出力する。払出制御基板37に搭載されてい
る払出制御用CPU371は、賞球個数を示す払出制御
コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。その後、
レジスタの内容を復帰させ(ステップS33)、割込許
可状態に設定する(ステップS34)。
【0166】以上の制御によって、この実施の形態で
は、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。
なお、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御
処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割
込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、
遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにし
てもよい。
【0167】図22〜図24は、電源基板910からの
電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(電
力供給停止時処理)の処理例を示すフローチャートであ
る。なお、マスク不能割込処理とは、割込禁止がかけら
れない処理を意味する。マスク不能割込が発生すると、
CPU56に内蔵されている割込制御機構は、マスク不
能割込発生時に実行されていたプログラムのアドレス
(具体的には実行完了後の次のアドレス)を、スタック
ポインタが指すスタック領域に退避させるとともに、ス
タックポインタの値を増やす。すなわち、スタックポイ
ンタの値がスタック領域の次のアドレスを指すように更
新する。
【0168】電力供給停止時処理において、CPU56
は、AFレジスタ(アキュミュレータとフラグのレジス
タ)を所定のバックアップRAM領域に退避する(ステ
ップS451)。また、割込フラグをパリティフラグに
コピーする(ステップS452)。パリティフラグはバ
ックアップRAM領域に形成されている。また、BCレ
ジスタ、DEレジスタ、HLレジスタ、IXレジスタお
よびスタックポインタをバックアップRAM領域に退避
する(ステップS454〜S458)。なお、電源復旧
時には、退避された内容にもとづいてレジスタ内容が復
元され、パリティフラグの内容に応じて、割込許可状態
/禁止状態の内部設定がなされる。
【0169】次いで、CPU56は、クリアデータ(0
0)を適当なレジスタにセットし(ステップS45
9)、処理数(この例では「7」)を別のレジスタにセ
ットする(ステップS460)。また、出力ポート0の
アドレスをIOポインタに設定する(ステップS46
1)。IOポインタとして、さらに別のレジスタが用い
られる。
【0170】そして、IOポインタが指すアドレスにク
リアデータをセットするとともに(ステップS46
2)、IOポインタの値を1増やし(ステップS46
3)、処理数の値を1減算する(ステップS464)。
ステップS462〜S464の処理が、処理数の値が0
になるまで繰り返される(ステップS465)。その結
果、全ての出力ポート0〜6(図15および図16参
照)にクリアデータが設定される。図15および図16
に示すように、この例では、「1」がオン状態であり、
クリアデータである「00」が各出力ポートにセットさ
れるので、全ての出力ポートがオフ状態になる。
【0171】上記のように、各出力ポートがオフ状態に
なるので、保存される遊技状態と整合しない状況が発生
することは確実に防止される。つまり、パチンコ遊技機
のように可変入賞球装置を有している遊技機において、
実装の関係上、可変入賞球装置における可変入賞口の位
置と入賞を検出する入賞口スイッチの設置位置とを、あ
る程度離さざるを得ない。出力ポート、特に可変入賞球
装置を開放状態にするための信号が出力される出力ポー
トを直ちにオフ状態にしないと、電力供給停止時に、可
変入賞口に入賞したにもかかわらず、電力供給停止時処
理の実行が開始されて入賞口スイッチの検出がなされな
い状況が起こりうる。その場合、可変入賞口に入賞があ
ったことは保存されない。すなわち、実際に生じている
遊技状態(入賞があったこと)と保存される遊技状態と
が整合しない。しかし、この実施の形態では、出力ポー
トがクリアされて可変入賞球装置が閉じられるので、保
存される遊技状態と整合しない状況が発生することは確
実に防止される。
【0172】また、電気部品の駆動が不能になる状態に
なる前に実行される電力供給停止時処理の際に、出力ポ
ートをクリアすることができるので、電気部品の駆動が
不能になる状態となる前に遊技制御手段によって制御さ
れる各電気部品を、適切な動作停止状態にすることがで
きる。例えば、開放中の大入賞口を閉成させ、また開放
中の可変入賞球装置15を閉成させるなど、電気部品に
ついての作動を停止させたあとに電気部品の駆動が不能
になる状態とすることができる。従って、適切な停止状
態で電力供給の復旧を待つことが可能になる。
【0173】さらに、電力供給停止時処理の際に、各電
気部品を動作停止状態にするので、各電気部品を駆動す
るために電力が費やされることがなくなり、また、出力
ポートからの信号出力に用いられる電流が遮断されるの
で、微量ではあるが電力消費を抑えることができる。
【0174】さらに、この実施の形態では、所定期間
(以下、払出確認期間という)、賞球カウントスイッチ
301Aの検出信号をチェックする。そして、賞球カウ
ントスイッチ301Aがオンしたら総賞球数バッファの
内容を1減らす。
【0175】なお、この実施の形態では、払出確認期間
を計測するために、払出確認期間計測用カウンタが用い
られる。払出確認期間計測用カウンタの値は、初期値m
から、以下に説明するスイッチ検出処理のループ(S4
67から始まってS467に戻るループ)が1回実行さ
れる毎に−1され、その値が0になると、払出確認期間
が終了したとする。検出処理のループでは、例外はある
がほぼ一定の処理が行われるので、ループの1周に要す
る時間のm倍の時間が、ほぼ払出確認期間に相当する。
【0176】払出確認期間を計測するために、CPU5
6の内蔵タイマを用いてもよい。すなわち、スイッチ検
出処理開始時に、内蔵タイマに所定値(払出確認期間に
相当)を設定しておく。そして、スイッチ検出処理のル
ープが1回実行される毎に、内蔵タイマのカウント値を
チェックする。そして、カウント値が0になったら、払
出確認期間が終了したとする。内蔵タイマの値が0にな
ったことを検出するために内蔵タイマによる割込を用い
ることもできるが、この段階では制御内容(RAMに格
納されている各値など)を変化させないように、割込を
用いず、内蔵タイマのカウント値を読み出してチェック
するようなプログラム構成の方が好ましい。
【0177】また、払出確認期間は、遊技球が、球払出
装置97から落下した時点(例えば図5に示すスプロケ
ット292の下方の球通路293a,293bに送り出
された時点)から、賞球カウントスイッチ301Aに到
達するまでの時間以上に設定される。球払出装置97か
ら賞球カウントスイッチ301Aまでの距離をLとする
と、その間の落下時間tは、t=√(2L/g)(g:
重力加速度)になるので、払出確認期間は、それ以上に
設定される。払出確認期間の具体的な値は、距離Lの値
や、落下時間tからどの程度余裕を持たせるかによって
異なるが、例えば100[ms]〜150[ms]程度
とされる。
【0178】遊技制御手段において貸し球の払出検出を
行う場合にも、同様にして、払出確認期間が設定され
る。すなわち、遊技球が、球払出装置97から落下した
時点(例えば図5に示すスプロケット292の下方の球
通路293a,293bに送り出された時点)から、球
貸しカウントスイッチ301Bに到達するまでの時間以
上に設定される。従って、球払出装置97から球貸しカ
ウントスイッチ301Bまでの距離をLとすると、その
間の落下時間tは、やはりt=√(2L/g)(g:重
力加速度)になるので、払出確認期間はそれ以上に設定
される。この場合にも、払出確認期間の具体的な値は距
離Lの値や、落下時間tからどの程度余裕を持たせるか
によって異なるが、例えば100[ms]〜150[m
s]程度とされる。なお、球払出装置97から賞球カウ
ントスイッチ301Aまでの距離と貸し球カウントスイ
ッチ301Bまでの距離とが異なる場合には、球払出装
置97からの距離が離れているスイッチの距離にもとづ
いて払出確認期間を定めるようにすればよい。
【0179】少なくとも、スイッチ検出処理が実行され
る払出確認期間では、賞球カウントスイッチ301A
(または賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカ
ウントスイッチ301B)が遊技球を検出できる状態で
なければならない。そこで、この実施の形態では、図9
に示されたように、電源基板910におけるコンバータ
IC920の入力側に比較的大容量の補助駆動電源とし
てのコンデンサ923が接続されている。よって、遊技
機に対する電力供給停止時にも、ある程度の期間は+1
2V電源電圧がスイッチ駆動可能な範囲に維持され、賞
球カウントスイッチ301A(または賞球カウントスイ
ッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ301B)
が動作可能になる。その期間が、上記の払出確認期間以
上になるように、コンデンサ923の容量が決定され
る。
【0180】なお、入力ポートおよびCPU56も、コ
ンバータIC920で作成される+5V電源で駆動され
るので、電力供給停止時にも、比較的長い期間動作可能
になっている。
【0181】上記のように、この例では、払出確認期間
計測用カウンタに初期値mが設定される(ステップS4
66)。また、ステップS467において、2ms計測
用カウンタに2msの時間に相当する初期値nが設定さ
れる。そして、2ms計測用カウンタの値が0になるま
で(ステップS468)、2ms計測用カウンタの値が
−1される(ステップS469)。
【0182】2ms計測用カウンタの値が0になると、
賞球カウントスイッチ301Aの検出信号の入力チェッ
クが行われる。すなわち、後述するスイッチ処理および
スイッチチェック処理に類似した処理が行われる。具体
的には、入力ポート1に入力されているデータを入力す
る(ステップS470)。次いで、クリアデータ(0
0)をセットする(ステップS471)。また、ポート
入力データ、この場合には入力ポート1からの入力デー
タを「比較値」として設定する(ステップS472)。
さらに、賞球カウントスイッチ301Aのためのスイッ
チタイマのアドレスをポインタにセットする(ステップ
S473)。
【0183】そして、ポインタ(スイッチタイマのアド
レスが設定されている)が指すスイッチタイマをロード
するとともに(ステップS474)、比較値を右(上位
ビットから下位ビットへの方向)にシフトする(ステッ
プS475)。比較値には入力ポート1のデータ設定さ
れている。そして、この場合には、賞球カウントスイッ
チ301Aの検出信号がキャリーフラグに押し出され
る。
【0184】キャリーフラグの値が「1」であれば(ス
テップS476)、すなわち賞球カウントスイッチ30
1Aの検出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの
値を1加算する(ステップS477)。キャリーフラグ
の値が「0」であれば、すなわち賞球カウントスイッチ
301Aの検出信号がオフ状態であれば、スイッチタイ
マにクリアデータをセットする(ステップS478)。
すなわち、スイッチがオフ状態であれば、スイッチタイ
マの値が0に戻る。
【0185】そして、スイッチタイマの値が2になった
ときに(ステップS479)、総賞球数格納バッファの
格納値を1減算するとともに(ステップS480)、賞
球情報カウンタの値を+1する(ステップS481)。
そして、賞球情報カウンタの値が10以上であれば(ス
テップS482)、賞球情報出力カウンタの値を+1す
るとともに(ステップS483)、賞球情報カウンタの
値を−10する(ステップS484)。
【0186】次いで、払出確認期間計測用カウンタの値
を−1し(ステップS485)、その値が0になってい
なければステップS467に戻る。
【0187】以上の処理によって、払出確認期間内に賞
球カウントスイッチ301Aがオンしたら、総賞球数格
納バッファの値が−1される。バックアップRAMの内
容を保存するための処理は、このようなスイッチ検出処
理の後で行われるので、払出が完了した賞球について、
必ず総賞球数格納バッファが−1される。従って、遊技
球の払出に関して、保存される制御状態に矛盾が生じて
しまうことが防止される。また、スイッチ検出処理にお
いて、遊技機外部への賞球情報出力のための賞球情報出
力回数カウンタの演算も行われるので、外部に出力され
る賞球情報と実際の払出賞球数とが食い違ってしまうよ
うなこともない。
【0188】また、上記のスイッチ検出処理では、検出
期間用カウンタを用いたタイマ処理が施されている。す
なわち、2ms毎に賞球カウントスイッチ301Aの検
出信号のチェックが行われ、2回連続してオン検出した
場合に、賞球カウントスイッチ301Aが確実にオンし
たと見なされる。すなわち、所定の遊技媒体検出判定期
間(電力供給停止時処理において、遊技媒体(ここでは
払い出された賞球)の検出の有無を判定するための期
間。この実施の形態では、2ms以上の期間)の前後に
2回連続してオン検出した場合に、1個の賞球の払出が
完了したと見なされる。このように、この実施の形態で
は、遊技媒体検出判定期間を、通常遊技媒体検出判定期
間(電力供給停止時処理での処理でない、通常の遊技状
態において遊技媒体の有無を判定するための期間。この
実施の形態では、後述するスイッチオン判定値(図36
参照)によって決定される2ms以上の期間であって、
後述する図34のステップS188の判断で用いられて
いる。)と同じ期間としている。従って、通常の制御と
同一の条件の下で、賞球カウントスイッチ301Aがオ
ンしたか否かを判定することができる。また、通常の制
御と同一の条件の下、同一の処理によって賞球カウント
スイッチ301Aがオンしたか否かを判定するので、電
力供給停止時処理でのスイッチ検出の処理モジュール
と、通常の制御におけるスイッチ検出の処理モジュール
(図30の処理や図31の処理を含む図21のステップ
S21の処理モジュール)を、共通の処理モジュールと
することができる。すなわち、通常の制御におけるスイ
ッチ検出の処理モジュールを、電力供給停止時処理での
スイッチ検出の際に利用することができる。なお、遊技
媒体検出判定期間は、通常遊技媒体検出判定期間と異な
る期間としてもよい。上記のように、2回連続してオン
検出した場合に、賞球カウントスイッチ301Aが確実
にオンしたと見なされるようにしているため、誤ってス
イッチオン検出がなされてしまうことが防止され、払い
出された賞球を確実に検出することが可能になる。
【0189】なお、この実施の形態では、賞球カウント
スイッチ301Aのみのスイッチ検出処理が行われた
が、始動入賞口のスイッチや大入賞口に関連するV入賞
スイッチ22やカウントスイッチについても同様のスイ
ッチ検出処理を行ってもよい。また、他の入賞について
も同様のスイッチ検出処理を行ってもよい。そのような
オンチェックも行う場合には、入賞口に遊技球が入賞し
た直後に停電が発生したような場合でも、その入賞が確
実に検出され、保存される遊技状態に反映される。
【0190】払出確認期間が経過すると(ステップS4
86)、すなわち、払出確認期間計測用カウンタの値が
0になると、バックアップあり指定値(この例では「5
5H」)をバックアップフラグにストアする(ステップ
S487)。バックアップフラグはバックアップRAM
領域に形成されている。次いで、パリティデータを作成
する(ステップS488〜S497)。すなわち、ま
ず、クリアデータ(00)をチェックサムデータエリア
にセットし(ステップS488)、チェックサム算出開
始アドレスをポインタにセットする(ステップS48
9)。また、チェックサム算出回数をセットする(ステ
ップS490)。
【0191】そして、チェックサムデータエリアの内容
とポインタが指すRAM領域の内容との排他的論理和を
演算する(ステップS491)。演算結果をチェックサ
ムデータエリアにストアするとともに(ステップS49
2)、ポインタの値を1増やし(ステップS493)、
チェックサム算出回数の値を1減算する(ステップS4
94)。ステップS491〜S494の処理が、チェッ
クサム算出回数の値が0になるまで繰り返される(ステ
ップS495)。
【0192】チェックサム算出回数の値が0になった
ら、CPU56は、チェックサムデータエリアの内容の
各ビットの値を反転する(ステップS496)。そし
て、反転後のデータをチェックサムデータエリアにスト
アする(ステップS497)。このデータが、電源投入
時にチェックされるパリティデータとなる。次いで、R
AMアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ス
テップS498)。以後、内蔵RAM55のアクセスが
できなくなる。
【0193】そして、RAMアクセスレジスタにアクセ
ス禁止値を設定すると、CPU56は、待機状態(ルー
プ状態)に入る。従って、システムリセットされるま
で、何もしない状態になる。
【0194】この実施の形態では、遊技制御処理におい
て用いられるデータが格納されるRAM領域は全て電源
バックアップされている。従って、その内容が正しく保
存されているか否かを示すチェックサムの生成処理、お
よびその内容を書き換えないようにするためのRAMア
クセス防止処理が、遊技状態を保存するための処理に相
当する。
【0195】なお、この実施の形態では、NMIに応じ
て電力供給停止時処理が実行されたが、電源断信号をC
PU56のマスク可能端子に接続し、マスク可能割込処
理によって電力供給停止時処理を実行してもよい。ま
た、電源断信号を入力ポートに入力し、入力ポートのチ
ェック結果に応じて電力供給停止時処理を実行してもよ
い。
【0196】また、この実施の形態では、電源断信号に
応じて起動される処理の最初にレジスタの保存処理が行
われたが、スイッチ検出処理においてレジスタを使用し
ない場合には、スイッチ検出処理の実行後に、すなわ
ち、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、チェックサム算出処理および出力ポートのオフ設
定処理を電力供給停止時処理と見なすことができる。さ
らに、スイッチ検出処理において幾つかのレジスタを使
用する場合であっても、使用しないレジスタについて
は、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。
【0197】なお、上記の例では、出力ポートのクリア
処理を、スイッチ検出処理の実行前(ステップS466
の前)に行っている。電力供給停止時処理の実行中で
は、CPU56やスイッチ類はコンデンサ923,92
4の充電電力等で駆動されることになる。出力ポートの
クリア処理をスイッチ検出処理の実行前に行っているの
で、大入賞口や可変入賞装置等がソレノイド等の電気部
品で駆動されるように構成されていても、それらが駆動
されることはなく、コンデンサ(特にコンデンサ92
4)の充電電力等を電力供給停止時処理のために効果的
に使用することができる。
【0198】なお、上記の例において、電源が断するこ
とが検出された後にV入賞スイッチ22を検出する場合
には、ソレノイド21(大入賞口をV入賞スイッチに誘
導するための部材を動作させるもの)の出力ポートにつ
いては、スイッチ検出処理の実行後にクリアする。その
ようにすれば、継続権発生の条件であるV入賞をしてい
ない状態で停電が発生した場合、停電発生直前に大入賞
口に入った遊技球をV入賞スイッチ22の側に誘導する
ことができる。従って、不当な継続権の消滅を防止する
ことができる。この場合、上記の払出確認期間の相当す
る期間は、大入賞口に入賞した遊技球がV入賞スイッチ
22に到達するまでの時間以上の所定期間である。な
お、ラッチ式のソレノイドを用いた場合には、出力ポー
トのクリア処理は不要である。
【0199】また、出力ポートのクリアによって大入賞
口が閉じた場合でも、大入賞口内に遊技球があることも
考えられるので、電源断信号に応じて実行されるスイッ
チ検出処理において、カウントスイッチ23の検出も行
うことが望ましい。上記の例外的な処理については、第
1種パチンコ遊技機においてのみならず、第2種パチン
コ遊技機や第3種パチンコ遊技機についても同様であ
る。
【0200】図25は、この実施の形態におけるRAM
領域のアドレスマップを示す説明図である。図25に示
すように、RAM領域の先頭はバックアップフラグの領
域に割り当てられている。そして、最後部にチェックサ
ムバッファの領域が割り当てられている。なお、バック
アップフラグからチェックサムバッファまでの領域が作
業領域に相当し、チェックサムバッファ以降の領域にス
タック領域(待避領域)が設定されている。また、この
実施の形態では、RAM領域の全てが電源バックアップ
されている。
【0201】図26は、チェックサム作成方法の一例を
説明するための説明図である。ただし、図26に示す例
では、説明を容易にするために、バックアップRAM領
域のデータのサイズを3バイトとする。電源電圧低下に
もとづく電力供給停止時処理において、図26に示すよ
うに、チェックサムデータとして初期データ(この例で
は00(H))が設定される。次に、「00(H)」と
「F0(H)」の排他的論理和がとられ、その結果と
「16(H)」の排他的論理和がとられる。さらに、そ
の結果と「DF(H)」の排他的論理和がとられる。そ
して、その結果(この例では「39(H)」)を論理反
転して得られた値(この例では「C6(H)」)がチェ
ックサムバッファに設定される。
【0202】なお、図26では、説明を容易にするため
に、論理反転前のデータ「39(H)」がチェックサム
バッファに格納されている様子が示されている。なお、
初期データとしての00(H)はステップS488で設
定されるチェックサムデータに対するクリアデータに応
じた値であるが、実際には、00(H)との排他的論理
和は演算前と後とで値が変わらないので、00(H)と
の排他的論理和演算を行わなくてもよい。
【0203】この実施の形態では、チェックサムバッフ
ァは、バックアップRAM領域(変動データ記憶手段)
の最後のアドレスに格納されている。従って、例えば、
チェックサム作成方法のプログラムに誤りがないかどう
か確認する際に、容易にその確認を行うことができる。
RAM領域の最終アドレスの値が正しいか否か確認すれ
ばよいからである。また、この実施の形態では、チェッ
クサム算出開始アドレスはバックアップフラグが設定さ
れるアドレスであり、チェックサム算出最終アドレスは
賞球制御用フラグ・バッファのうちの最後のアドレスで
ある(図25参照)。従って、賞球制御用フラグ・バッ
ファの後、すなわち、バックアップRAM領域の最後の
アドレスをチェックサムバッファの領域にすれば、RA
M領域において無駄が生ずることはない。
【0204】なお、確認のしやすさやRAM領域の無駄
防止を考慮すると、バックアップRAM領域の最初のア
ドレスをチェックサムバッファの領域にしてもよい。
【0205】また、遊技機への電力供給開始時にはパリ
ティチェックOKか否かの判断が行われるが(図18に
おけるステップS9)、その判断では、電力供給停止時
処理におけるパリティデータの作成処理(ステップS4
88〜S497)と同様の処理が行われ、処理結果すな
わち演算結果がチェックサムバッファの内容と一致した
らパリティチェックOKと判定される。
【0206】なお、ここでは、バックアップRAM領域
の最後または最初のアドレスをチェックサムバッファの
領域にしたが、バックアップRAM領域の中途の領域に
チェックサムバッファの領域を割り当ててもよい。
【0207】また、この実施の形態では、作業領域のデ
ータにもとづいてチェックサムが生成されているが、ス
タック領域のデータも含めてチェックサムを生成するよ
うにしてもよい。何れのデータにもとづいて生成する場
合であっても、RAM領域に格納されているデータを用
いて算出処理等が行われるので、チェックサムを容易か
つ短時間で生成することが可能となる。
【0208】さらに、この実施の形態では、電力供給開
始時に、電力供給停止時処理における処理と同じ処理に
よってチェックサムを生成し、生成されたチェックサム
とバックアップRAMに保存されていたチェックサムと
を比較したが、他の方法を用いてもよい。例えば、バッ
クアップRAMに保存されていたチェックサムを初期値
として、電力供給停止時処理において演算対象となった
各データについて演算を行い、演算結果が所定値(例え
ば00(H))と一致したらパリティチェックOKと判
定するようにしてもよい。また、パリティチェックのた
めのチェックデータはチェックサムに限られず、バック
アップRAMの内容が正当に保存されているかを判定で
きるものであれば、他のチェックデータを用いてもよ
い。
【0209】図27は、遊技機への電力供給停止時の電
源電圧低下やNMI信号(=電源断信号:電力供給停止
時信号)の様子を示すタイミング図である。遊技機に対
する電力供給が停止すると、最も高い直流電源電圧であ
るVSLのうちの監視電圧(電源監視用IC902に入力
される電圧)の電圧値は徐々に低下する。そして、この
例では、+22Vにまで低下すると、電源基板910に
搭載されている電源監視用IC902から電源断信号が
出力される(ローレベルになる)。
【0210】電源断信号は、電気部品制御基板(この実
施の形態では主基板31および払出制御基板37)に導
入され、CPU56および払出制御用CPU371のN
MI端子に入力される。CPU56および払出制御用C
PU371は、NMI処理によって、所定の電力供給停
止時処理を実行する。
【0211】VSLの電圧値がさらに低下して所定値(こ
の例では+9V)にまで低下すると、主基板31や払出
制御基板37に搭載されているシステムリセット回路の
出力がローレベルになり、CPU56および払出制御用
CPU371がシステムリセット状態になる。なお、C
PU56および払出制御用CPU371は、システムリ
セット状態とされる前に、電力供給停止時処理を完了し
ている。
【0212】VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種
回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な
電圧を下回ると、各基板において各回路が動作できない
状態となる。しかし、少なくとも主基板31や払出制御
基板37では、電力供給停止時処理が実行され、CPU
56および払出制御用CPU371がシステムリセット
状態とされている。
【0213】以上のように、この実施の形態では、電源
監視回路は、遊技機で使用される直流電圧のうちで最も
高い電源VSLの電圧を監視して、その電源の電圧が所定
値を下回ったら電圧低下信号(電源断検出信号)を発生
する。図27に示すように、電源断信号が出力されるタ
イミングでは、IC駆動電圧は、まだ各種回路素子を十
分駆動できる電圧値になっている。従って、IC駆動電
圧で動作する主基板31のCPU56が所定の電力供給
停止時処理を行うための動作時間が確保されている。
【0214】なお、ここでは、電源監視回路は、遊技機
で使用される直流電圧のうちで最も高い電源VSLから分
岐された電圧を監視したが、電源断信号を発生するタイ
ミングが、IC駆動電圧で動作する電気部品制御手段が
所定の電力供給停止時処理を行うための動作時間が確保
されるようなタイミングであれば、監視対象電圧は、最
も高い電源VSLの電圧でなくてもよい。すなわち、少な
くともICやソレノイドの駆動電圧よりも高い電圧を監
視すれば、電気部品制御手段が所定の電力供給停止時処
理を行うための動作時間が確保されるようなタイミング
で電源断信号を発生することができる。この例では、ソ
レノイド等の駆動電圧として電源VSLから分岐された電
圧が用いられるが、監視対象電圧が供給されるラインと
は異なり、ソレノイド等に駆動電圧を供給するラインに
大容量のコンデンサ924が接続されているので、ソレ
ノイド等に対する駆動電圧の供給を継続することができ
る所定期間が確保されているタイミングで電源断信号を
発生することができる。
【0215】最も高い電源VSL以外の電圧を監視対象電
圧とする場合、上述したように、監視対象電圧は、電力
供給停止時のスイッチオン誤検出の防止も期待できる電
圧であることが好ましい。すなわち、遊技機の各種スイ
ッチに供給される電圧(スイッチ電圧:例えば賞球カウ
ントスイッチ301A、球貸しカウントスイッチ301
B)が+12Vであることから、+12V電源電圧が落
ち始める以前の段階で、電圧低下を検出できることが好
ましい。よって、少なくともスイッチ電圧よりも高い電
圧を監視することが好ましい。
【0216】図28は、払出検出手段からの検出信号の
入力処理が実行される様子の一例を示すタイミング図で
ある。この実施の形態では、電源断信号は、主基板31
および払出制御基板37に入力され、主基板31のCP
U56および払出制御用CPU371のNMI端子に入
力される。主基板31のCPU56は、マスク不能割込
処理によって、上述した電力供給停止時処理を実行す
る。
【0217】図28に示すように、電源断信号がオン
(この例ではハイレベルからローレベルに変化)するあ
たりで賞球払出が実行された場合、払出検出手段からの
検出信号の入力処理が実行される払出確認期間内で賞球
カウントスイッチ301Aがオンする。従って、電源断
信号がオンするあたりで実行された球払出についても、
電力供給停止時処理が実行される際に、総賞球数バッフ
ァに反映することができる。
【0218】VSLの電圧値がさらに低下して所定値(こ
の例では+9V)にまで低下すると、主基板31に入力
されているリセットIC651からの信号がローレベル
になり、CPU56がシステムリセット状態になる。な
お、CPU56は、システムリセット状態とされる前
に、電力供給停止時処理を完了している。
【0219】VSLの電圧値がさらに低下してVcc(各種
回路を駆動するための+5V)を生成することが可能な
電圧を下回ると、各基板において各回路が動作できない
状態となる。しかし、主基板31では、電力供給停止時
処理が実行され、CPU56がシステムリセット状態と
されている。
【0220】なお、払出制御基板37における払出制御
用CPU371も、同様に電力供給停止時処理を行った
後にシステムリセット状態になる。
【0221】次に、メイン処理におけるスイッチ処理
(ステップS21)の具体例を説明する。この実施の形
態では、各スイッチの検出信号のオン状態が所定時間継
続すると、確かにスイッチがオンしたと判定されスイッ
チオンに対応した処理が開始される。所定時間を計測す
るために、スイッチタイマが用いられる。スイッチタイ
マは、バックアップRAM領域に形成された1バイトの
カウンタであり、検出信号がオン状態を示している場合
に2ms毎に+1される。図29に示すように、スイッ
チタイマは検出信号の数N(クリアスイッチ921の検
出信号を除く)だけ設けられている。この実施の形態で
はN=13である。また、RAM55において、各スイ
ッチタイマのアドレスは、入力ポートのビット配列順
(図17に示された上から下への順)と同じ順序で並ん
でいる。
【0222】図30は、遊技制御処理におけるステップ
S21のスイッチ処理の処理例を示すフローチャートで
ある。なお、スイッチ処理は、図21に示すように遊技
制御処理において最初に実行される。スイッチ処理にお
いて、CPU56は、まず、入力ポート0に入力されて
いるデータを入力する(ステップS101)。次いで、
処理数として「8」を設定し(ステップS102)、入
賞口スイッチ33aのためのスイッチタイマのアドレス
をポインタにセットする(ステップS103)。そし
て、スイッチチェック処理サブルーチンをコールする
(ステップS104)。
【0223】図31は、スイッチチェック処理サブルー
チンを示すフローチャートである。スイッチチェック処
理サブルーチンにおいて、CPU56は、ポート入力デ
ータ、この場合には入力ポート0からの入力データを
「比較値」として設定する(ステップS121)。ま
た、クリアデータ(00)をセットする(ステップS1
22)。そして、ポインタ(スイッチタイマのアドレス
が設定されている)が指すスイッチタイマをロードする
とともに(ステップS123)、比較値を右(上位ビッ
トから下位ビットへの方向)にシフトする(ステップS
124)。比較値には入力ポート0のデータ設定されて
いる。そして、この場合には、入賞口スイッチ33aの
検出信号がキャリーフラグに押し出される。
【0224】キャリーフラグの値が「1」であれば(ス
テップS125)、すなわち入賞口スイッチ33aの検
出信号がオン状態であれば、スイッチタイマの値を1加
算する(ステップS127)。加算後の値が0でなけれ
ば加算値をスイッチタイマに戻す(ステップS128,
S129)。加算後の値が0になった場合には加算値を
スイッチタイマに戻さない。すなわち、スイッチタイマ
の値が既に最大値(255)に達している場合には、そ
れよりも値を増やさない。
【0225】キャリーフラグの値が「0」であれば、す
なわち入賞口スイッチ33aの検出信号がオフ状態であ
れば、スイッチタイマにクリアデータをセットする(ス
テップS126)。すなわち、スイッチがオフ状態であ
れば、スイッチタイマの値が0に戻る。
【0226】その後、CPU56は、ポインタ(スイッ
チタイマのアドレス)を1加算するとともに(ステップ
S130)、処理数を1減算する(ステップS13
1)。処理数が0になっていなければステップS122
に戻る。そして、ステップS122〜S132の処理が
繰り返される。
【0227】ステップS122〜S132の処理は、処
理数分すなわち8回繰り返され、その間に、入力ポート
0の8ビットに入力されるスイッチの検出信号につい
て、順次、オン状態かオフ状態か否かのチェック処理が
行われ、オン状態であれば、対応するスイッチタイマの
値が1増やされる。
【0228】CPU56は、スイッチ処理のステップS
105において、入力ポート1に入力されているデータ
を入力する。次いで、処理数として「4」を設定し(ス
テップS106)、賞球カウントスイッチ301Aのた
めのスイッチタイマのアドレスをポインタにセットする
(ステップS107)。そして、スイッチチェック処理
サブルーチンをコールする(ステップS108)。
【0229】スイッチチェック処理サブルーチンでは、
上述した処理が実行されるので、ステップS122〜S
132の処理が、処理数分すなわち4回繰り返され、そ
の間に、入力ポート1の4ビットに入力されるスイッチ
の検出信号について、順次、オン状態かオフ状態か否か
のチェック処理が行われ、オン状態であれば、対応する
スイッチタイマの値が1増やされる。
【0230】なお、この実施の形態では、遊技制御処理
が2ms毎に起動されるので、スイッチ処理も2msに
1回実行される。従って、スイッチタイマは、2ms毎
に+1される。
【0231】図32〜図34は、遊技制御処理における
ステップS32の賞球処理の一例を示すフローチャート
である。この実施の形態では、賞球処理では、賞球払出
の対象となる入賞口スイッチ33a,39a,29a,
30a、カウントスイッチ23および始動口スイッチ1
4aが確実にオンしたか否か判定されるとともに、オン
したら賞球個数を示す払出制御コマンドが払出制御基板
37に送出されるように制御し、また、満タンスイッチ
48および球切れスイッチ187が確実にオンしたか否
か判定されるとともに、オンしたら所定の払出制御コマ
ンドが払出制御基板37に送出されるように制御する等
の処理が行われる。
【0232】賞球処理において、CPU56は、入力判
定値テーブルのオフセットとして「1」を設定し(ステ
ップS150)、スイッチタイマのアドレスのオフセッ
トとして「9」を設定する(ステップS151)。入力
判定値テーブル(図36参照)のオフセット「1」は、
入力判定値テーブルの2番目のデータ「50」を使用す
ることを意味する。また、各スイッチタイマは、図17
に示された入力ポートのビット順と同順に並んでいるの
で、スイッチタイマのアドレスのオフセット「9」は満
タンスイッチ48に対応したスイッチタイマが指定され
ることを意味する。そして、スイッチオンチェックルー
チンがコールされる(ステップS152)。
【0233】入力判定値テーブルとは、各スイッチにつ
いて、連続何回のオンが検出されたら確かにスイッチが
オンしたと判定するための判定値が設定されているRO
M領域である。入力判定値テーブルの構成例は図36に
示されている。図36に示すように、入力判定値テーブ
ルには、上から順に、すなわちアドレス値が小さい領域
から順に、「2」、「50」、「250」、「30」、
「250」、「1」の判定値が設定されている。また、
スイッチオンチェックルーチンでは、入力判定値テーブ
ルの先頭アドレスとオフセット値とで決まるアドレスに
設定されている判定値と、スイッチタイマの先頭アドレ
スとオフセット値とで決まるスイッチタイマの値とが比
較され、一致した場合には、例えばスイッチオンフラグ
がセットされる。
【0234】スイッチオンチェックルーチンの一例が図
35に示されている。スイッチオンチェックルーチンに
おいて、満タンスイッチ48に対応するスイッチタイマ
の値が満タンスイッチオン判定値「50」に一致してい
ればスイッチオンフラグがセットされるので(ステップ
S153)、満タンフラグがセットされる(ステップS
154)。なお、図32には明示されていないが、満タ
ンスイッチ48に対応したスイッチタイマの値が0にな
ると、満タンフラグはリセットされる。
【0235】また、CPU56は、入力判定値テーブル
のオフセットとして「2」を設定し(ステップS15
5)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「0A(H)」を設定する(ステップS156)。入力
判定値テーブルのオフセット「2」は、入力判定値テー
ブルの3番目のデータ「250」を使用することを意味
する。また、各スイッチタイマは、図17に示された入
力ポートのビット順と同順に並んでいるので、スイッチ
タイマのアドレスのオフセット「0A(H)」は球切れ
スイッチ187に対応したスイッチタイマが指定される
ことを意味する。そして、スイッチオンチェックルーチ
ンがコールされる(ステップS157)。
【0236】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
球切れスイッチ187に対応するスイッチタイマの値が
球切れスイッチオン判定値「250」に一致していれば
スイッチオンフラグがセットされるので(ステップS1
58)、球切れフラグがセットされる(ステップS15
9)。なお、図32には明示されていないが、球切れス
イッチ187に対応したスイッチオフタイマが用意さ
れ、その値が50になると、球切れフラグはリセットさ
れる。
【0237】そして、CPU56は、払出停止状態であ
るか否か確認する(ステップS160)。払出停止状態
は、払出制御基板37に対して払出を停止すべき状態で
あることを指示する払出制御コマンドである払出停止状
態指定コマンドを送出した後の状態であり、具体的に
は、作業領域における払出停止フラグがセットされてい
る状態である。払出停止状態でなければ、上述した球切
れ状態フラグまたは満タンフラグがオンになったか否か
を確認する(ステップS161)。
【0238】いずれかがオン状態に変化したときには、
払出停止状態フラグをセットするとともに(ステップS
162)、払出停止状態指定コマンドに関するコマンド
送信テーブルをセットし(ステップS163)、コマン
ドセット処理をコールする(ステップS164)。ステ
ップS163では、払出停止状態指定コマンドの払出制
御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル(R
OM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルのアド
レスとして設定される。払出停止状態指定コマンドに関
するコマンド送信テーブルには、後述するINTデー
タ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および払
出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されてい
る。なお、ステップS161において、いずれか一方の
フラグが既にオン状態であったときに他方のフラグがオ
ン状態になったときには、ステップS162〜ステップ
S164の処理は行われない。
【0239】また、払出停止状態であれば、球切れ状態
フラグおよび満タンフラグがともにオフ状態になったか
否かを確認する(ステップS165)。ともにオフ状態
となったとき(後述する解除条件が成立したとき)に
は、払出停止フラグをリセットするとともに(ステップ
S166)、払出可能状態指定コマンドに関するコマン
ド送信テーブルをセットし(ステップS167)、コマ
ンドセット処理をコールする(ステップS168)。ス
テップS167では、払出可能状態指定コマンドの払出
制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブル
(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブルの
アドレスとして設定される。払出可能状態指定コマンド
に関するコマンド送信テーブルには、後述するINTデ
ータ、払出制御コマンドの1バイト目のデータ、および
払出制御コマンドの2バイト目のデータが設定されてい
る。
【0240】なお、解除条件は、払出停止状態を解除す
るための条件であり、払出停止状態を維持する必要がな
くなったときに成立する条件である。この実施の形態で
は、解除条件は、払出停止状態とされているときに、余
剰球受皿4が満タン状態でなく、かつ、球切れ状態でも
ない状態でない状態となったこととされている。
【0241】さらに、CPU56は、入力判定値テーブ
ルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS16
9)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「0」を設定する(ステップS170)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最
初のデータを使用することを意味する。また、各スイッ
チタイマは、図17に示された入力ポートのビット順と
同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオ
フセット「0」は入賞口スイッチ33aに対応したスイ
ッチタイマが指定されることを意味する。また、繰り返
し数として「4」をセットする(ステップS171)。
そして、スイッチオンチェックルーチンがコールされる
(ステップS172)。
【0242】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
CPU56は、入力判定値テーブル(図36参照)の先
頭アドレスを設定する(ステップS281)。そして、
そのアドレスにオフセットを加算し(ステップS28
2)、加算後のアドレスからスイッチオン判定値をロー
ドする(ステップS283)。
【0243】次いで、CPU56は、スイッチタイマの
先頭アドレスを設定し(ステップS284)、そのアド
レスにオフセットを加算し(ステップS285)、加算
後のアドレスからスイッチタイマの値をロードする(ス
テップS286)。各スイッチタイマは、図17に示さ
れた入力ポートのビット順と同順に並んでいるので、ス
イッチに対応したスイッチタイマの値がロードされる。
【0244】そして、CPU56は、ロードしたスイッ
チタイマの値とスイッチオン判定値とを比較する(ステ
ップS287)。それらが一致すれば、スイッチオンフ
ラグをセットする(ステップ228)。
【0245】この場合には、スイッチオンチェックルー
チンにおいて、入賞口スイッチ33aに対応するスイッ
チタイマの値がスイッチオン判定値「2」に一致してい
ればスイッチオンフラグがセットされる(ステップS1
73)。そして、スイッチチェックオンルーチンは、ス
イッチタイマのアドレスのオフセットが更新されつつ
(ステップS178)、最初に設定された繰り返し数分
だけ実行されるので(ステップS176,S177)、
結局、入賞口スイッチ33a,39a,29a,30a
について、対応するスイッチタイマの値がスイッチオン
判定値「2」と比較されることになる。
【0246】スイッチオンフラグがセットされたら、払
い出すべき賞球個数としての「10」をリングバッファ
に設定する(ステップS174)。そして、総賞球数格
納バッファの格納値(未払出数データ)に10を加算す
る(ステップS175)。なお、リングバッファにデー
タを書き込んだときには、書込ポインタをインクリメン
トし、リングバッファの最後の領域にデータを書き込ま
れたときには、書込ポインタを、リングバッファの最初
の領域を指すように更新する。
【0247】総賞球数格納バッファは、払出制御手段に
対して指示した賞球個数の累積値(ただし、払い出しが
なされると減算される)が格納されるバッファであり、
バックアップRAMに形成されている。なお、この実施
の形態では、リングバッファにデータを書き込んだ時点
で総賞球数格納バッファの格納値に対する加算処理が行
われるが、払い出すべき賞球個数を指示する払出制御コ
マンドを出力ポートに出力した時点で総賞球数格納バッ
ファの格納値に対する、出力する払出制御コマンドに対
応した賞球数の加算処理を行ってもよい。
【0248】次に、CPU56は、入力判定値テーブル
のオフセットとして「0」を設定し(ステップS17
9)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「5」を設定する(ステップS180)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最
初のデータを使用することを意味する。また、各スイッ
チタイマは、図17に示された入力ポートのビット順と
同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオ
フセット「5」は始動口スイッチ14aに対応したスイ
ッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイ
ッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS
181)。
【0249】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
始動口スイッチ14aに対応するスイッチタイマの値が
スイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオ
ンフラグがセットされる(ステップS182)。スイッ
チオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数
としての「6」をリングバッファに設定する(ステップ
S183)。また、総賞球数格納バッファの格納値に6
を加算する(ステップS184)。
【0250】次いで、CPU56は、入力判定値テーブ
ルのオフセットとして「0」を設定し(ステップS18
5)、スイッチタイマのアドレスのオフセットとして
「6」を設定する(ステップS186)。入力判定値テ
ーブルのオフセット「0」は、入力判定値テーブルの最
初のデータを使用することを意味する。また、各スイッ
チタイマは、図17に示された入力ポートのビット順と
同順に並んでいるので、スイッチタイマのアドレスのオ
フセット「6」はカウントスイッチ23に対応したスイ
ッチタイマが指定されることを意味する。そして、スイ
ッチオンチェックルーチンがコールされる(ステップS
187)。
【0251】スイッチオンチェックルーチンにおいて、
カウントスイッチ23に対応するスイッチタイマの値が
スイッチオン判定値「2」に一致していればスイッチオ
ンフラグがセットされる(ステップS188)。スイッ
チオンフラグがセットされたら、払い出すべき賞球個数
としての「15」をリングバッファに設定する(ステッ
プS189)。また、総賞球数格納バッファの格納値に
15を加算する(ステップS190)。
【0252】そして、リングバッファにデータが存在す
る場合には(ステップS191)、読出ポインタが指す
リングバッファの内容を送信バッファにセットするとと
もに(ステップS192)、読出ポインタの値を更新
(リングバッファの次の領域を指すように更新)し(ス
テップS193)、賞球個数に関するコマンド送信テー
ブルをセットし(ステップS194)、コマンドセット
処理をコールする(ステップS195)。コマンドセッ
ト処理の動作については後で詳しく説明する。
【0253】ステップS194では、賞球個数に関する
払出制御コマンドが格納されているコマンド送信テーブ
ル(ROM)の先頭アドレスが、コマンド送信テーブル
のアドレスとして設定される。賞球個数に関するコマン
ド送信テーブルには、後述するINTデータ(01
(H))、払出制御コマンドの1バイト目のデータ(F
0(H))、および払出制御コマンドの2バイト目のデ
ータが設定されている。ただし、2バイト目のデータと
して「80(H)」が設定されている。
【0254】以上のように、遊技制御手段から払出制御
基板37に賞球個数を指示する払出制御コマンドを出力
しようとするときに、賞球個数に関するコマンド送信テ
ーブルのアドレス設定と送信バッファの設定とが行われ
る。そして、コマンドセット処理によって、賞球個数に
関するコマンド送信テーブルと送信バッファの設定内容
とにもとづいて払出制御コマンドが払出制御基板37に
送出される。なお、ステップS191において、書込ポ
インタと読出ポインタとの差によってデータがあるか否
か確認することができるが、リングバッファ内の未処理
のデータ個数を示すカウンタを設け、カウント値によっ
てデータがあるか否か確認するようにしてもよい。
【0255】そして、総賞球数格納バッファの内容が0
でない場合、すなわち、まだ賞球残がある場合には、C
PU56は、賞球払出中フラグをオンする(ステップS
196,S197)。
【0256】また、CPU56は、賞球払出中フラグが
オンしているときには(ステップS198)、球払出装
置97から実際に払い出された賞球個数を監視して総賞
球数格納バッファの格納値を減算する賞球個数減算処理
を行う(ステップS199)。なお、賞球払出中フラグ
がオンからオフに変化したときには、ランプ制御基板3
5に対して、賞球ランプ51の点灯を指示するランプ制
御コマンドが送出される。
【0257】なお、払出制御手段は、払出停止状態指定
コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球貸しと
しての球払出とをともに停止させる。また、払出可能状
態指定コマンドを受信すると、賞球としての球払出と球
貸しとしての球払出とをともに可能な状態とする。しか
し、遊技制御手段から払出制御手段に対して、賞球とし
ての球払出を停止または再開させる払出制御コマンド
と、球貸しとしての球払出を停止または再開させる払出
制御コマンドとを、別の制御コマンドとして送信するよ
うにしてもよい。
【0258】また、この実施の形態では、払出停止中で
あっても(ステップS160,S165)、ステップS
169〜S195の処理が実行される。すなわち、遊技
制御手段は、払出停止状態であっても、賞球個数を指示
するための払出制御コマンドを送出することができる。
すなわち、賞球個数を指示するためのコマンドが、払出
停止状態であっても払出制御手段に伝達され、払出停止
状態が解除されたときに、早めに賞球払出を開始するこ
とができる。また、遊技制御手段において、払出停止状
態における入賞にもとづく賞球個数を記憶するための大
きな記憶領域は必要とされない。
【0259】さらに、この実施の形態では、遊技媒体の
払出状況とは無関係に、ステップS169〜S195の
処理が実行される。すなわち、遊技制御手段は、前回ま
でに指定した賞球個数の払い出しが完了しているか否か
に関わらず、新たな賞球個数を指示するための払出制御
コマンドを送信することができる。よって、遊技制御手
段の払い出しに関する処理負担を軽減させることができ
るとともに、賞球の払出処理を迅速に行うことができ
る。
【0260】次に、遊技制御手段から各電気部品制御手
段に対する制御コマンドの送出方式について説明してお
く。遊技制御手段から他の電気部品制御基板(サブ基
板)に制御コマンドを出力しようとするときに、コマン
ド送信テーブルの先頭アドレスの設定が行われる。図3
7(A)は、コマンド送信テーブルの一構成例を示す説
明図である。1つのコマンド送信テーブルは3バイトで
構成され、1バイト目にはINTデータが設定される。
また、2バイト目のコマンドデータ1には、制御コマン
ドの1バイト目のMODEデータが設定される。そし
て、3バイト目のコマンドデータ2には、制御コマンド
の2バイト目のEXTデータが設定される。
【0261】なお、EXTデータそのものがコマンドデ
ータ2の領域に設定されてもよいが、コマンドデータ2
には、EXTデータが格納されているテーブルのアドレ
スを指定するためのデータが設定されるようにしてもよ
い。例えば、コマンドデータ2のビット7(ワークエリ
ア参照ビット)が0であれば、コマンドデータ2にEX
Tデータそのものが設定されていることを示す。そのよ
うなEXTデータはビット7が0であるデータである。
この実施の形態では、ワークエリア参照ビットが1であ
れば、EXTデータとして、送信バッファの内容を使用
することを示す。なお、ワークエリア参照ビットが1で
あれば、他の7ビットが、EXTデータが格納されてい
るテーブルのアドレスを指定するためのオフセットであ
ることを示すように構成することもできる。
【0262】図37(B)は、INTデータの一構成例
を示す説明図である。INTデータにおけるビット0
は、払出制御基板37に払出制御コマンドを送出すべき
か否かを示す。ビット0が「1」であるならば、払出制
御コマンドを送出すべきことを示す。従って、CPU5
6は、例えば賞球処理(メイン処理のステップS32)
において、INTデータに「01(H)」を設定する。
また、INTデータにおけるビット1は、図柄出制御基
板80に表示制御コマンドを送出すべきか否かを示す。
ビット1が「1」であるならば、表示制御コマンドを送
出すべきことを示す。従って、CPU56は、例えば特
別図柄コマンド制御処理(メイン処理のステップS2
8)において、INTデータに「02(H)」を設定す
る。
【0263】INTデータのビット2,3は、それぞ
れ、ランプ制御コマンド、音制御コマンドを送出すべき
か否かを示すビットであり、CPU56は、それらのコ
マンドを送出すべきタイミングになったら、特別図柄プ
ロセス処理等で、ポインタが指しているコマンド送信テ
ーブルに、INTデータ、コマンドデータ1およびコマ
ンドデータ2を設定する。それらのコマンドを送出する
ときには、INTデータの該当ビットが「1」に設定さ
れ、コマンドデータ1およびコマンドデータ2にMOD
EデータおよびEXTデータが設定される。
【0264】この実施の形態では、払出制御コマンドに
ついて、図37(C)に示すように、リングバッファお
よび送信バッファが用意されている。そして、賞球処理
において、賞球払出条件が成立すると、成立した条件に
応じた賞球個数が順次リングバッファに設定される。ま
た、賞球個数に関する払出制御コマンド送出する際に、
リングバッファから1個のデータが送信バッファに転送
される。なお、図37(C)に示す例では、リングバッ
ファには、12個分の払出制御コマンドに相当するデー
タが格納可能になっている。すなわち、12個のバッフ
ァがある。なお、リングバッファにおけるバッファの数
は、賞球を発生させる入賞口の数に対応した数であれば
よい。同時入賞が発生した場合でも、それぞれの入賞に
もとづく払出制御コマンドのデータの格納が可能だから
である。
【0265】図38は、主基板31から他の電気部品制
御基板に送出される制御コマンドのコマンド形態の一例
を示す説明図である。この実施の形態では、制御コマン
ドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマ
ンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの
種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット
7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビット
(ビット7)は必ず「0」とされる。このように、電気
部品制御基板へのコマンドとなる制御コマンドは、複数
のデータで構成され、先頭ビットによってそれぞれを区
別可能な態様になっている。なお、図38に示されたコ
マンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いても
よい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制
御コマンドを用いてもよい。また、図38では払出制御
基板37に送出される払出制御コマンドを例示するが、
他の電気部品制御基板に送出される制御コマンドも同一
構成である。
【0266】図39は、各電気部品制御手段に対する制
御コマンドを構成する8ビットの制御信号CD0〜CD
7とINT信号との関係を示すタイミング図である。図
39に示すように、MODEまたはEXTのデータが出
力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のうちのいずれ
か)に出力されてから、Aで示される期間が経過する
と、CPU56は、データ出力を示す信号であるINT
信号をハイレベル(オンデータ)にする。また、そこか
らBで示される期間が経過するとINT信号をローレベ
ル(オフデータ)にする。さらに、次に送出すべきデー
タがある場合には、すなわち、MODEデータ送出後で
は、Cで示される期間をおいてから2バイト目のデータ
を出力ポートに送出する。2バイト目のデータに関し
て、A,Bの期間は、1バイト目の場合と同様である。
このように、取込信号はMODEおよびEXTのデータ
のそれぞれについて出力される。
【0267】Aの期間は、CPU56が、コマンドの送
出準備の期間すなわちバッファに送出コマンドを設定す
る処理に要する期間であるとともに、制御信号線におけ
るデータの安定化のための期間である。すなわち、制御
信号線において制御信号CD0〜CD7が出力された
後、所定期間(Aの期間:オフ出力期間の一部)経過後
に、取込信号としてのINT信号が出力される。また、
Bの期間(オン出力期間)は、INT信号安定化のため
の期間である。そして、Cの期間(オフ出力期間の一
部)は、電気部品制御手段が確実にデータを取り込める
ように設定されている期間である。B,Cの期間では、
信号線上のデータは変化しない。すなわち、B,Cの期
間が経過するまでデータ出力が維持される。
【0268】この実施の形態では、払出制御基板37へ
の払出制御コマンド、図柄制御基板80への表示制御コ
マンド、ランプ制御基板35へのランプ制御コマンドお
よび音制御基板70への音制御コマンドは、同一のコマ
ンド送信処理ルーチン(共通モジュール)を用いて送出
される。そこで、B,Cの期間すなわち1バイト目に関
するINT信号が立ち上がってから2バイト目のデータ
が送出開始されるまでの期間は、コマンド受信処理に最
も時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間
よりも長くなるように設定される。
【0269】なお、各電気部品制御手段は、INT信号
が立ち上がったことを検知して、例えば割込処理によっ
て1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
【0270】B,Cの期間が、コマンド受信処理に最も
時間がかかる電気部品制御手段における受信処理時間よ
りも長いので、遊技制御手段が、各電気部品制御手段に
対するコマンド送出処理を共通モジュールで制御して
も、いずれの電気部品制御手段でも遊技制御手段からの
制御コマンドを確実に受信することができる。
【0271】CPU56は、INT信号出力処理を実行
した後に所定期間が経過すると次のデータを送出できる
状態になるが、その所定期間(B,Cの期間)は、IN
T信号出力処理の前にデータを送出してからINT信号
を出力開始するまでの期間(Aの期間)よりも長い。上
述したように、Aの期間はコマンドの信号線における安
定化期間であり、B,Cの期間は受信側がデータを取り
込むのに要する時間を確保するための期間である。従っ
て、Aの期間をB,Cの期間よりも短くすることによっ
て、受信側の電気部品制御手段が確実にコマンドを受信
できる状態になるという効果を得ることができるととも
に、1つのコマンドの送出完了に要する期間が短縮され
る効果もある。
【0272】図40は、払出制御コマンドの内容の一例
を示す説明図である。この実施の形態では、払出制御を
実行するために、複数種類の払出制御コマンドが用いら
れる。図40に示された例において、MODE=FF
(H),EXT=00(H)のコマンドFF00(H)
は、払出が可能であることを指示する払出制御コマンド
(払出可能状態指定コマンド)である。MODE=FF
(H),EXT=01(H)のコマンドFF01(H)
は、払出を停止すべき状態であることを指示する払出制
御コマンド(払出停止状態指定コマンド)である。ま
た、MODE=F0(H)のコマンドF0XX(H)
は、賞球個数を指定する払出制御コマンド(払出個数指
定コマンド)である。EXTである「XX」が払出個数
を示す。
【0273】払出制御手段は、主基板31の遊技制御手
段からFF01(H)の払出制御コマンドを受信すると
賞球払出および球貸しを停止する状態となり、FF00
(H)の払出制御コマンドを受信すると賞球払出および
球貸しができる状態になる。また、賞球個数を指定する
払出制御コマンドを受信すると、受信したコマンドで指
定された個数に応じた賞球払出制御を行う。
【0274】なお、払出制御コマンドは、払出制御手段
が認識可能に1回だけ送出される。認識可能とは、この
例では、INT信号のレベルが変化することであり、認
識可能に1回だけ送出されるとは、この例では、払出制
御信号の1バイト目および2バイト目のそれぞれに応じ
てINT信号が1回だけパルス状(矩形波状)に出力さ
れることである。
【0275】各電気部品制御基板への制御コマンドを、
対応する出力ポート(出力ポート1〜4)に出力する際
に、出力ポート0のビット0〜3のうちのいずれかのビ
ットが所定期間「1」(ハイレベル)になるのである
が、INTデータにおけるビット配列と出力ポート0に
おけるビット配列とは対応している。従って、各電気部
品制御基板に制御コマンドを送出する際に、INTデー
タにもとづいて、容易にINT信号の出力を行うことが
できる。
【0276】図41は、コマンドセット処理(ステップ
S164,S168,S195)の処理例を示すフロー
チャートである。コマンドセット処理は、コマンド出力
処理とINT信号出力処理とを含む処理である。コマン
ドセット処理において、CPU56は、まず、コマンド
送信テーブルのアドレス(送信信号指示手段としてのポ
インタの内容)をスタック等に退避する(ステップS3
31)。そして、ポインタが指していたコマンド送信テ
ーブルのINTデータを引数1にロードする(ステップ
S332)。引数1は、後述するコマンド送信処理に対
する入力情報になる。また、コマンド送信テーブルを指
すアドレスを+1する(ステップS333)。従って、
コマンド送信テーブルを指すアドレスは、コマンドデー
タ1のアドレスに一致する。
【0277】そこで、CPU56は、コマンドデータ1
を読み出して引数2に設定する(ステップS334)。
引数2も、後述するコマンド送信処理に対する入力情報
になる。そして、コマンド送信処理ルーチンをコールす
る(ステップS335)。
【0278】図42は、コマンド送信処理ルーチンを示
すフローチャートである。コマンド送信処理ルーチンに
おいて、CPU56は、コマンド送信中フラグをオンし
たあと(ステップS350)、引数1に設定されている
データすなわちINTデータを、比較値として決められ
ているワークエリアに設定する(ステップS351)。
なお、コマンド送信中フラグは、コマンド送信処理中で
あるか否かを示すフラグであって、RAM55の所定の
領域に記憶されている。次いで、CPU56は、送信回
数=4を、処理数として決められているワークエリアに
設定する(ステップS352)。そして、払出制御信号
を出力するためのポート1のアドレスをIOアドレスに
セットする(ステップS353)。この実施の形態で
は、ポート1のアドレスは、払出制御信号を出力するた
めの出力ポートのアドレスである。また、ポート2〜4
のアドレスが、表示制御信号、ランプ制御信号、音声制
御信号を出力するための出力ポートのアドレスである。
【0279】次に、CPU56は、比較値を1ビット右
にシフトする(ステップS354)。シフト処理の結
果、キャリービットが1になったか否か確認する(ステ
ップS355)。キャリービットが1になったというこ
とは、INTデータにおける最も右側のビットが「1」
であったことを意味する。この実施の形態では4回のシ
フト処理が行われるのであるが、例えば、払出制御コマ
ンドを送出すべきことが指定されているときには、最初
のシフト処理でキャリービットが1になる。
【0280】キャリービットが1になった場合には、引
数2に設定されているデータ、この場合にはコマンドデ
ータ1(すなわちMODEデータ)を、IOアドレスと
して設定されているアドレスに出力する(ステップS3
56)。最初のシフト処理が行われたときにはIOアド
レスにポート1のアドレスが設定されているので、その
ときに、払出制御コマンドのMODEデータがポート1
に出力される。
【0281】次いで、CPU56は、IOアドレスを1
加算するとともに(ステップS357)、処理数を1減
算する(ステップS358)。加算前にポート1を示し
ていた場合には、IOアドレスに対する加算処理によっ
て、IOアドレスにはポート2のアドレスが設定され
る。ポート2は、表示制御コマンドを出力するためのポ
ートである。そして、CPU56は、処理数の値を確認
し(ステップS359)、値が0になっていなければ、
ステップS354に戻る。ステップS354で再度シフ
ト処理が行われる。
【0282】2回目のシフト処理ではINTデータにお
けるビット1の値が押し出され、ビット1の値に応じて
キャリーフラグが「1」または「0」になる。従って、
表示制御コマンドを送出すべきことが指定されているか
否かのチェックが行われる。同様に、3回目および4回
目のシフト処理によって、ランプ制御コマンドおよび音
制御コマンドを送出すべきことが指定されているか否か
のチェックが行われる。このように、それぞれのシフト
処理が行われるときに、IOアドレスには、シフト処理
によってチェックされる制御コマンド(払出制御コマン
ド、表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コ
マンド)に対応したIOアドレスが設定されている。
【0283】よって、キャリーフラグが「1」になった
ときには、対応する出力ポート(ポート1〜ポート4)
に制御コマンドが送出される。すなわち、1つの共通モ
ジュールで、各電気部品制御手段に対する制御コマンド
の送出処理を行うことができる。
【0284】また、このように、シフト処理のみによっ
てどの電気部品制御手段に対して制御コマンドを出力す
べきかが判定されるので、いずれの電気部品制御手段に
対して制御コマンドを出力すべきか判定する処理が簡略
化されている。
【0285】次に、CPU56は、シフト処理開始前の
INTデータが格納されている引数1の内容を読み出し
(ステップS360)、読み出したデータをポート0に
出力する(ステップS361)。この実施の形態では、
ポート0のアドレスは、各制御信号についてのINT信
号を出力するためのポートであり、ポート0のビット0
〜4が、それぞれ、払出制御INT信号、表示制御IN
T信号、ランプ制御INT信号、音制御INT信号を出
力するためのポートである。INTデータでは、ステッ
プS351〜S359の処理で出力された制御コマンド
(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コ
マンド、音制御コマンド)に応じたINT信号の出力ビ
ットに対応したビットが「1」になっている。従って、
ポート1〜ポート4のいずれかに出力された制御コマン
ド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御
コマンド、音制御コマンド)に対応したINT信号がハ
イレベルになる。
【0286】次いで、CPU56は、ウェイトカウンタ
に所定値を設定し(ステップS362)、その値が0に
なるまで1ずつ減算する(ステップS363,S36
4)。この処理は、図39に示されたBの期間を設定す
るための処理である。ウェイトカウンタの値が0になる
と、クリアデータ(00)を設定して(ステップS36
5)、そのデータをポート0に出力する(ステップS3
66)。よって、INT信号はローレベルになる。ま
た、ウェイトカウンタに所定値を設定し(ステップS3
62)、その値が0になるまで1ずつ減算する(ステッ
プS368,S369)。この処理は、図39に示され
たCの期間を設定するための処理である。ただし、実際
のCの期間は、ステップS367〜S369で作成され
る時間に、その後の処理時間(この時点でMODEデー
タが出力されている場合にはEXTデータを出力するま
でに要する制御にかかる時間)が加算された期間とな
る。このように、Cの期間が設定されることによって、
連続してコマンドが送出される場合であっても、一のコ
マンドの出力完了後、次にコマンドの送出が開始される
までに所定期間がおかれることになり、コマンドを受信
する電気部品制御手段の側で、容易に連続するコマンド
の区切りを識別することができ、各コマンドは確実に受
信される。
【0287】従って、ステップS367でウェイトカウ
ンタに設定される値は、Cの期間が、制御コマンド受信
対象となる全ての電気部品制御手段が確実にコマンド受
信処理を行うのに十分な期間になるような値である。ま
た、ウェイトカウンタに設定される値は、Cの期間が、
ステップS357〜S359の処理に要する時間(Aの
期間に相当)よりも長くなるような値である。なお、A
の期間をより長くしたい場合には、Aの期間を作成する
ためのウェイト処理(例えば、ウェイトカウンタに所定
値を設定し、ウェイトカウンタの値が0になるまで減算
を行う処理)を行う。
【0288】そして、ウェイトカウンタの値が0になる
と(ステップS369のY)、CPU56は、コマンド
送信中フラグをオフする(ステップS370)。
【0289】以上のようにして、制御コマンドの1バイ
ト目のMODEデータが送出される。そこで、CPU5
6は、図41に示すステップS336で、コマンド送信
テーブルを指す値を1加算する。従って、3バイト目の
コマンドデータ2の領域が指定される。CPU56は、
指し示されたコマンドデータ2の内容を引数2にロード
する(ステップS337)。また、コマンドデータ2の
ビット7(ワークエリア参照ビット)の値が「0」であ
るか否か確認する(ステップS338)。0でなけれ
ば、送信バッファの内容を引数2にロードする(ステッ
プS339)。なお、ワークエリア参照ビットの値が
「1」であるときに拡張データを使用するように構成さ
れている場合には、コマンド拡張データアドレステーブ
ルの先頭アドレスをポインタにセットし、そのポインタ
にコマンドデータ2のビット6〜ビット0の値を加算し
てアドレスを算出する。そして、そのアドレスが指すエ
リアのデータを引数2にロードする。
【0290】送信バッファには賞球個数を特定可能なデ
ータが設定されているので、引数2にそのデータが設定
される。なお、ワークエリア参照ビットの値が「1」で
あるときに拡張データを使用するように構成されている
場合には、コマンド拡張データアドレステーブルには、
電気部品制御手段に送出されうるEXTデータが順次設
定される。よって、ワークエリア参照ビットの値が
「1」であれば、コマンドデータ2の内容に応じたコマ
ンド拡張データアドレステーブル内のEXTデータが引
数2にロードされる。
【0291】次に、CPU56は、コマンド送信処理ル
ーチンをコールする(ステップS340)。従って、M
ODEデータの送出の場合と同様のタイミングでEXT
データが送出される。
【0292】以上のようにして、2バイト構成の制御コ
マンド(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ
制御コマンド、音制御コマンド)が、対応する電気部品
制御手段に送信される。電気部品制御手段ではINT信
号の立ち上がりを検出すると制御コマンドの取り込み処
理を開始するのであるが、各電気部品制御手段でのコマ
ンド受信処理が完了したあとに終了するように設定され
るウェイト期間(ステップS367〜ステップS369
の処理によって特定される期間:Cの期間の一部)が経
過するまでは新たな信号を出力しないようにしているの
で、いずれの電気部品制御手段についても、取り込み処
理が完了する前に遊技制御手段からの新たな信号が信号
線に出力されることはない。すなわち、各電気部品制御
手段において、確実なコマンド受信処理が行われる。な
お、各電気部品制御手段は、INT信号の立ち下がりで
制御コマンドの取り込み処理を開始してもよい。また、
INT信号の極性を図39に示された場合と逆にしても
よい。
【0293】また、この実施の形態では、賞球処理にお
いて、賞球払出条件が成立すると賞球個数を特定可能な
データが、同時に複数のデータを格納可能なリングバッ
ファに格納され、賞球個数を指定する払出制御コマンド
を送出する際に、読出ポインタが指しているリングバッ
ファの領域のデータが送信バッファに転送される。従っ
て、同時に複数の賞球払出条件の成立があっても、それ
らの条件成立にもとづく賞球個数を特定可能なデータが
リングバッファに保存されるので、各条件成立にもとづ
くコマンド出力処理は問題なく実行される。
【0294】さらに、この実施の形態では、1回の賞球
処理内で払出停止状態指定コマンドまたは払出可能状態
指定コマンドと賞球個数を示すコマンドとの双方を送出
することができる。すなわち、2ms毎に起動される1
回の制御期間内において、複数のコマンドを送出するこ
とができる。また、この実施の形態では、各制御手段へ
の制御コマンド(表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド、払出制御コマンド)毎に、それぞ
れ複数のリングバッファが用意されているので、例え
ば、表示制御コマンド、ランプ制御コマンドおよび音制
御コマンドのリングバッファに制御コマンドを特定可能
なデータが設定されている場合には、1回のコマンド制
御処理で複数の表示制御コマンド、ランプ制御コマンド
および音制御コマンドを送出するように構成することも
可能である。すなわち、同時に(遊技制御処理すなわち
2msタイマ割込処理の起動周期での意味)、複数の制
御コマンドを送出することができる。遊技演出の進行
上、それらの制御コマンドの送出タイミングは同時に発
生するので、このように構成されているのは便利であ
る。ただし、払出制御コマンドは、遊技演出の進行とは
無関係に発生するので、一般には、表示制御コマンド、
ランプ制御コマンドおよび音制御コマンドと同時に送出
されることはない。
【0295】図43は、主基板31におけるコマンドの
出力に関する処理と、払出制御基板37などのコマンド
受信側の基板におけるコマンドの受信に関する処理(例
えば、後述するコマンド受信割込処理:図56参照)と
の処理タイミングの一例を示すタイミングチャートであ
る。図43に示すように、コマンド受信側の基板におけ
るMODEデータとEXTデータの受信に関する処理
は、この実施の形態では、それぞれ、INT信号の立ち
上がりとともに開始され、少なくともコマンド送信中フ
ラグがオフ状態となる前に終了する。
【0296】図43に示すように、MODEデータの送
信に関する処理(図42に示された処理)が開始したと
きから終了するまでの期間(a〜dの期間)は、コマン
ド送信中フラグがオン状態となっている。従って、a〜
dの期間中に電力供給が停止した場合には、その後に電
力供給が再開すると、CPU56は、遊技状態復旧処理
において、上述したステップS87の処理を実行するの
で、MODEデータの送信に関する処理を最初から再度
実行することになる。
【0297】MODEデータの送信に関する処理が開始
したときから、送信される制御信号に応じたINT信号
がハイレベルに立ち上げられるまでの期間(a〜bの期
間)中に電力供給が停止した場合には、コマンド出力ポ
ートに設定されていた制御コマンドは電源断処理によっ
てクリアされる。従って、その後に電力供給が開始した
ときに、電力供給が停止したときから制御が再開される
と、コマンド出力ポートに正常なデータがないままIN
Tデータが送信され、受信側の基板で不正常なデータが
受信されてしまう。この実施の形態では、a〜bの期間
中に電力供給が停止した場合には、その後に電力供給が
再開すると、上述したように、MODEデータの送信に
関する処理を最初から再度実行するので、コマンド出力
ポートに正常なデータがないままINTデータが送信さ
れることは回避され、受信側の基板で不正常なデータが
受信されてしまうことは防止される。
【0298】また、MODEデータの送信に関する処理
において、送信される制御信号に応じたINT信号がハ
イレベルに立ち上げられたときから、コマンド受信側の
基板におけるコマンドの受信処理が完了するまでの期間
(b〜cの期間)中に電力供給が停止した場合には、コ
マンド出力ポートに設定されている未送信の制御コマン
ドは電源断処理によってクリアされる。従って、その後
に電力供給が開始したときに、電力供給が停止したとき
から制御が再開されると、コマンドの受信側の基板はコ
マンドの受信処理の途中から制御を開始することとなる
が、主基板31のコマンド出力ポートには正常なデータ
がないので、受信側の基板で不正常なデータが受信され
てしまう。この実施の形態では、b〜cの期間中に電力
供給が停止した場合には、その後に電力供給が再開する
と、上述したように、MODEデータの送信に関する処
理を最初から再度実行するので、受信側の基板で不正常
なデータが受信されてしまうことは防止される。
【0299】さらに、MODEデータの送信に関する処
理において、コマンド受信側の基板におけるコマンドの
受信処理が完了してから、コマンド送信中フラグがオフ
するまでの期間(c〜dの期間)中に電力供給が停止し
た場合には、コマンドの受信側の基板ではコマンドの受
信処理が完了しているが、主基板31においてはコマン
ドの受信処理が完了したことが確認されていない。すな
わち、c〜dの期間中は、主基板は、b〜cの期間中で
あるのかc〜dの期間中であるのかを確実に判定するこ
とはできない。従って、c〜dの期間中に電力供給が停
止した場合には、b〜cの期間中に電力供給が停止した
のである可能性が否定できないので、上述したように受
信側の基板で不正常なデータが受信されてしまうおそれ
がある。この実施の形態では、c〜dの期間中に電力供
給が停止した場合にも、b〜cの期間中に電力供給が停
止した場合と同様に、その後に電力供給が再開すると、
上述したようにMODEデータの送信に関する処理を最
初から再度実行するので、受信側の基板で不正常なデー
タが受信されてしまうことは防止される。
【0300】また、図43に示すように、EXTデータ
の送信に関する処理(図42に示された処理)が開始し
たときから終了するまでの期間(e〜hの期間)は、コ
マンド送信中フラグがオン状態となっている。従って、
e〜fの期間中に電力供給が停止した場合には、その後
に電力供給が再開すると、CPU56は、遊技状態復旧
処理において、上述したステップS87の処理を実行す
るので、EXTデータの送信に関する処理を最初から再
度実行することになる。
【0301】EXTデータの送信に関する処理が開始し
たときから、送信される制御信号に応じたINT信号が
ハイレベルに立ち上げられるまでの期間(e〜fの期
間)中に電力供給が停止した場合には、コマンド出力ポ
ートに設定されていた制御コマンドは電源断処理によっ
てクリアされる。従って、その後に電力供給が開始した
ときに、電力供給が停止したときから制御が再開される
と、コマンド出力ポートに正常なデータがないままIN
Tデータが送信され、受信側の基板で不正常なデータが
受信されてしまう。この実施の形態では、e〜fの期間
中に電力供給が停止した場合には、その後に電力供給が
再開すると、上述したように、EXTデータの送信に関
する処理を最初から再度実行するので、コマンド出力ポ
ートに正常なデータがないままINTデータが送信され
ることは回避され、受信側の基板で不正常なデータが受
信されてしまうことは防止される。
【0302】また、EXTデータの送信に関する処理に
おいて、送信される制御信号に応じたINT信号がハイ
レベルに立ち上げられてから、コマンド受信側の基板に
おけるコマンドの受信処理が完了するまでの期間(f〜
gの期間)中に電力供給が停止した場合には、コマンド
出力ポートに設定されている未送信の制御コマンドは電
源断処理によってクリアされる。従って、その後に電力
供給が開始したときに、電力供給が停止したときから制
御が再開されると、コマンドの受信側の基板はコマンド
の受信処理の途中から制御を開始することとなるが、主
基板31のコマンド出力ポートには正常なデータがない
ので、受信側の基板で不正常なデータが受信されてしま
う。この実施の形態では、f〜gの期間中に電力供給が
停止した場合には、その後に電力供給が再開すると、上
述したように、EXTデータの送信に関する処理を最初
から再度実行するので、受信側の基板で不正常なデータ
が受信されてしまうことは防止される。
【0303】さらに、EXTデータの送信に関する処理
において、コマンド受信側の基板におけるコマンドの受
信処理が完了してから、送信中フラグがオフするまでの
期間(g〜hの期間)中に電力供給が停止した場合に
は、コマンドの受信側の基板ではコマンドの受信処理が
完了しているが、主基板31においてはコマンドの受信
処理が完了したことが確認されていない。すなわち、g
〜hの期間中は、主基板は、f〜gの期間中であるのか
g〜hの期間中であるのかを確実に判定することはでき
ない。従って、g〜hの期間中に電力供給が停止した場
合には、f〜gの期間中に電力供給が停止したのである
可能性が否定できないので、上述したように受信側の基
板で不正常なデータが受信されてしまうおそれがある。
この実施の形態では、g〜hの期間中に電力供給が停止
した場合にも、f〜gの期間中に電力供給が停止した場
合と同様に、その後に電力供給が再開すると、上述した
ようにEXTデータの送信に関する処理を最初から再度
実行するので、受信側の基板で不正常なデータが受信さ
れてしまうことは防止される。
【0304】図44は、賞球個数減算処理の一例を示す
フローチャートである。賞球個数減算処理において、C
PU56は、まず、総賞球数格納バッファの格納値をロ
ードする(ステップS381)。そして、格納値が0で
あるか否か確認する(ステップS382)。0であれば
処理を終了する。
【0305】0でなければ、賞球カウントスイッチ用の
スイッチタイマをロードし(ステップS383)、ロー
ド値とオン判定値(この場合は「2」)とを比較する
(ステップS384)。一致したら(ステップS38
5)、賞球カウントスイッチ301Aが確かにオンした
として、すなわち、確かに1個の遊技球が球払出装置9
7から払い出されたとして、総賞球数格納バッファの格
納値を1減算する(ステップS386)。
【0306】また、賞球情報カウンタの値を+1する
(ステップS387)。そして、賞球情報カウンタの値
が10以上であれば(ステップS388)、賞球情報出
力カウンタの値を+1するとともに(ステップS38
9)、賞球情報カウンタの値を−10する(ステップS
390)。なお、賞球情報出力カウンタの値は、図21
に示された遊技制御処理における情報出力処理(ステッ
プS30)で参照され、その値が1以上であれば、賞球
信号(出力ポート5のビット7:図16参照)として1
パルスが出力される。よって、この実施の形態では、1
0個の遊技球が賞球として払い出される度に、1つの賞
球信号が遊技機外部に出力される。
【0307】そして、総賞球数格納バッファの格納値が
0になったら(ステップS391)、賞球払出中フラグ
をクリアし(ステップS392)、賞球残数がないこと
を報知するために、ランプ制御コマンド用のコマンド送
信テーブルに賞球ランプ51の消灯を示すコマンドデー
タを設定した後(ステップS393)、ランプ制御コマ
ンドの送出処理を実行する(ステップS394)。
【0308】次に、払出制御手段の動作について説明す
る。
【0309】図45は、払出制御用CPU371周りの
一構成例を示すブロック図である。図45に示すよう
に、電源基板910の電源監視回路(電源監視手段)か
らの電源断信号が、バッファ回路980を介して払出制
御用CPU371のマスク不能割込端子(XNMI端
子)に接続されている。従って、払出制御用CPU37
1は、マスク不能割込処理によって電源断の発生を確認
することができる。また、電源基板910からのリセッ
ト信号と復帰信号とはAND回路385に入力され、A
ND回路385の出力が払出制御用CPU371のリセ
ット端子に入力される。
【0310】払出制御用CPU371のCLK/TRG
2端子には、主基板31からのINT信号が接続されて
いる。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力され
ると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマ
カウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウン
トされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生
する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入
力に応じて割込が発生することになる。なお、INT信
号とは、遊技制御手段から払出制御手段に対する払出制
御コマンドが送出されたことを意味する信号である。払
出制御用CPU371は、INT信号の入力に応じて発
生する割込によって、払出制御コマンド受信処理を開始
する。
【0311】図46は、この実施の形態における出力ポ
ートの割り当てを示す説明図である。図46に示すよう
に、出力ポートC(アドレス00H)は、払出モータ2
89に出力される駆動信号等の出力ポートである。ま
た、出力ポートD(アドレス01H)は、7セグメント
LEDであるエラー表示LED374に出力される表示
制御信号の出力ポートである。そして、出力ポートE
(アドレス02H)は、振分ソレノイド310に出力さ
れる駆動信号、およびカードユニット50に対するEX
S信号とPRDY信号とを出力するための出力ポートで
ある。
【0312】図47は、この実施の形態における入力ポ
ートのビット割り当てを示す説明図である。図47に示
すように、入力ポートA(アドレス06H)は、主基板
31から送出された払出制御コマンドの8ビットの払出
制御信号を取り込むための入力ポートである。また、入
力ポートB(アドレス07H)のビット0〜1には、そ
れぞれ、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカ
ウントスイッチ301Bの検出信号が入力される。ビッ
ト2〜5には、カードユニット50からのBRDY信
号、BRQ信号、VL信号およびクリアスイッチ921
の検出信号が入力される。このように、クリアスイッチ
921の検出信号すなわち操作手段の操作入力は、遊技
球を検出するためのスイッチの検出信号が入力される入
力ポート(8ビット構成の入力部)と同一の入力ポート
におけるビット(入力ポート回路)に入力されている。
【0313】図48は、払出制御手段(払出制御用CP
U371およびROM,RAM等の周辺回路)のメイン
処理を示すフローチャートである。メイン処理では、払
出制御用CPU371は、まず、必要な初期設定を行
う。すなわち、払出制御用CPU371は、まず、割込
禁止に設定する(ステップS701)。次に、割込モー
ドを割込モード2に設定し(ステップS702)、スタ
ックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定す
る(ステップS703)。また、払出制御用CPU37
1は、内蔵デバイスレジスタの初期化を行い(ステップ
S704)、CTCおよびPIOの初期化(ステップS
705)を行った後に、RAMをアクセス可能状態に設
定する(ステップS706)。
【0314】この実施の形態では、内蔵CTCのうちの
一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、
ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理お
よびステップS705の処理において、使用するチャネ
ルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込
発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを
設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、その
チャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タ
イマ割込を例えば2ms毎に発生させたい場合は、初期
値として2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定
数レジスタ)に設定される。
【0315】なお、タイマモードに設定されたチャネル
(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベ
クタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するもの
である。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベ
クタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。
タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0316】また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャ
ネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手
段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチ
ャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモード
で使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイ
スレジスタの設定処理およびステップS705の処理に
おいて、使用するチャネルをカウンタモードに設定する
ためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジス
タ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設定
が行われる。
【0317】カウンタモードに設定されたチャネル(チ
ャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマン
ド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。
具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとで
コマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
【0318】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CT
Cのカウントアップにもとづく割込処理を使用すること
ができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた
割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0319】CTCのチャネル2(CH2)のカウント
アップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生
する割込である。従って、例えばステップS705にお
いて、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタC
LK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、
CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりま
たは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタ
レジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるの
であるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上
がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施
の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の
立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
【0320】また、CTCのチャネル3(CH3)のカ
ウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック
(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値
が「0」になったら発生する割込であり、後述する2m
sタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU3
71の動作クロックを分周したクロックがCTCに与え
られ、クロックの入力によってレジスタの値が減算さ
れ、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。
例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/
256周期で減算される。分周したクロックにもとづい
て減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくなら
ない。ステップS705において、CH3のレジスタに
は、初期値として2msに相当する値が設定される。
【0321】CTCのCH2のカウントアップにもとづ
く割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込より
も優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生
じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、
すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込
の方が優先される。
【0322】次いで、払出制御用CPU371は、入力
ポートB(図47参照)を介して入力されるクリアスイ
ッチ921の出力信号の状態を1回だけ確認する(ステ
ップS707)。その確認においてオンを検出した場合
には、払出制御用CPU371は、通常の初期化処理を
実行する(ステップS711〜ステップS714)。ク
リアスイッチ921がオンである場合(押下されている
場合)には、ローレベルのクリアスイッチ信号が出力さ
れている。なお、入力ポート372では、クリアスイッ
チ信号のオン状態はハイレベルである。また、例えば、
遊技店員は、クリアスイッチ921をオン状態にしなが
ら遊技機に対する電力供給を開始する(例えば電源スイ
ッチ914をオンする)ことによって、容易に初期化処
理を実行させることができる。すなわち、RAMクリア
等を行うことができる。
【0323】なお、払出制御用CPU371も、主基板
31のCPU56と同様に、スイッチの検出信号のオン
判定を行う場合には、例えば、オン状態が少なくとも2
ms(2ms毎に起動される処理の1回目の処理におけ
る検出直前に検出信号がオンした場合)継続しないとス
イッチオンとは見なさないが、クリアスイッチ921の
オン検出の場合には、1回のオン判定でオン/オフが判
定される。すなわち、操作手段としてのクリアスイッチ
921が所定の操作状態であるか否かを払出制御用CP
U371が判定するための初期化要求検出判定期間は、
遊技媒体検出手段としての賞球カウントスイッチ等が遊
技媒体を検出したことを判定するための遊技媒体検出判
定期間とは異なる期間とされている。
【0324】クリアスイッチ921がオンの状態でない
場合には、払出制御用CPU371は、払出制御用のバ
ックアップRAM領域にバックアップデータが存在して
いるか否かの確認を行う(ステップS708)。例え
ば、主基板31のCPU56の処理と同様に、遊技機へ
の電力供給停止時にセットされるバックアップフラグが
セット状態になっているか否かによって、バックアップ
データが存在しているか否か確認する。バックアップフ
ラグがセット状態になっている場合には、バックアップ
データありと判断する。
【0325】バックアップありを確認したら、払出制御
用CPU371は、バックアップRAM領域のデータチ
ェック(この例ではパリティチェック)を行う。不測の
停電等の電力供給の停止が生じた後に復旧した場合に
は、バックアップRAM領域のデータは保存されていた
はずであるから、チェック結果は正常になる。チェック
結果が正常でない場合には、内部状態を電力供給の停止
時の状態に戻すことができないので、不足の停電等から
の復旧時ではなく電源投入時に実行される初期化処理を
実行する。
【0326】チェック結果が正常であれば(ステップS
709)、払出制御用CPU371は、内部状態を電力
供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う
(ステップS710)。そして、バックアップRAM領
域に保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指す
アドレスに復帰する。
【0327】払出制御用CPU371は、バックアップ
フラグとチェックサム等のチェックデータとを用いてバ
ックアップRAM領域のデータが保存されているか否か
を確認する。すなわち、電力供給が復帰した場合には、
電力供給が停止する前の制御状態に復旧させるか否かを
決定するための複数の復旧条件(この例ではバックアッ
プフラグが正常に保存されていたこととチェックサムが
正常であったこと)がすべて成立した場合に、変動デー
タ記憶手段に保存されていた記憶内容にもとづいて制御
状態を復旧させる復旧処理を実行し、複数の復旧条件の
うち少なくとも1つの条件が不成立であった場合に変動
データ記憶手段の記憶内容を初期化する初期化処理を実
行可能である。複数の復旧条件を用いることによって、
遊技状態を電力供給停止時の状態に正確に戻すことがで
きる。すなわち、バックアップRAM領域のデータにも
とづく状態復旧処理の確実性が向上する。なお、操作手
段から操作信号が出力された場合には、複数の復旧条件
に関わらず初期化処理を実行する(ステップS70
7)。なお、この実施の形態では、バックアップフラグ
とチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM
領域のデータが保存されているか否かを確認している
が、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バッ
クアップフラグとチェックデータとのいずれかを、状態
復旧処理を実行するための契機としてもよい。
【0328】初期化処理では、払出制御用CPU371
は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS71
1)。そして、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかる
ように払出制御用CPU371に設けられているCTC
のレジスタの設定が行われる(ステップS712)。す
なわち、初期値として2msに相当する値が所定のレジ
スタ(時間定数レジスタ)に設定される。また、この実
施の形態では、払出制御用CPU371は、初期状態と
して払出停止状態に設定する(ステップS713)。な
お、払出停止状態に設定するときには、例えば払出モー
タ289の駆動が停止されるとともに払出停止中である
ことを示す内部フラグ(払出停止中フラグ)がセットさ
れる。すなわち、ステップS713では、払い出しが禁
止された状態であることを示すデータ(セットされた払
出停止中フラグ)を所定の記憶領域に記憶する処理が実
行されている。払出停止中フラグについては、あとで詳
しく説明する。そして、初期設定処理のステップS70
1において割込禁止とされているので、初期化処理を終
える前に割込が許可される(ステップS714)。
【0329】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71の内蔵CTCが繰り返しタイマ割込を発生するよう
に設定される。この実施の形態では、繰り返し周期は2
msに設定される。そして、タイマ割込が発生すると、
図49に示すように、タイマ割込があったことを示すタ
イマ割込フラグがセットされる(ステップS792)。
そして、メイン処理において、タイマ割込フラグがセッ
トされたことが検出されたら(ステップS715)、タ
イマ割込フラグがリセットされるとともに(ステップS
751)、払出制御処理(ステップS751〜S76
0)が実行される。
【0330】なお、タイマ割込では、図49に示すよう
に、最初に割込許可状態に設定される(ステップS79
1)。よって、タイマ割込処理中では割込許可状態にな
り、INT信号の入力にもとづく払出制御コマンド受信
処理を優先して実行することができる。
【0331】払出制御処理において、払出制御用CPU
371は、まず、入力ポート372bに入力される賞球
カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ3
01B等のスイッチがオンしたか否かを判定する(スイ
ッチ処理:ステップS752)。
【0332】次に、払出制御用CPU371は、主基板
31から払出停止状態指定コマンドを受信していたら払
出停止状態に設定し、払出可能状態指定コマンドを受信
していたら払出停止状態の解除を行う(払出停止状態設
定処理:ステップS753)。また、受信した払出制御
コマンドを解析し、解析結果に応じた処理を実行する
(コマンド解析実行処理:ステップS754)。さら
に、プリペイドカードユニット制御処理を行う(ステッ
プS755)。
【0333】次いで、払出制御用CPU371は、球貸
し要求に応じて貸し球を払い出す制御を行う(ステップ
S756)。このとき、払出制御用CPU371は、振
分ソレノイド310によって球振分部材311を球貸し
側に設定する。
【0334】さらに、払出制御用CPU371は、総合
個数記憶に格納された個数の賞球を払い出す賞球制御処
理を行う(ステップS757)。このとき、払出制御用
CPU371は、振分ソレノイド310によって球振分
部材311を賞球側に設定する。そして、出力ポート3
72cおよび中継基板72を介して球払出装置97の払
出機構部分における払出モータ289に対して駆動信号
を出力し、所定の回転数分払出モータ289を回転させ
る払出モータ制御処理を行う(ステップS758)。
【0335】なお、この実施の形態では、払出モータ2
89としてステッピングモータが用いられ、それらを制
御するために1−2相励磁方式が用いられる。従って、
具体的には、払出モータ制御処理において、8種類の励
磁パターンデータが繰り返し払出モータ289に出力さ
れる。また、この実施の形態では、各励磁パターンデー
タが4msずつ出力される。
【0336】次いで、エラー検出処理が行われ、その結
果に応じてエラー表示LED374に所定の表示を行う
(エラー処理:ステップS759)。また、遊技機外部
に出力される球貸し個数信号を出力する処理等を行う
(出力処理:ステップS760)。
【0337】なお、図46に示す出力ポートCは、払出
制御処理における払出モータ制御処理(ステップS75
8)でアクセスされる。また、出力ポートDは、払出制
御処理におけるエラー処理(ステップS759)でアク
セスされる。そして、出力ポートEは、払出制御処理に
おける球貸し制御処理(ステップS756)および賞球
制御処理(ステップS757)でアクセスされる。
【0338】図50は、ステップS710の払出状態復
旧処理の一例を示すフローチャートである。払出状態復
旧処理において、払出制御用CPU371は、まず、ス
タックポインタの復帰処理を行う(ステップS73
1)。スタックポインタの値は、後述する電力供給停止
時処理において、所定のRAMエリア(電源バックアッ
プされている)に退避している。よって、ステップS7
31では、そのRAMエリアの値をスタックポインタに
設定することによって復帰させる。なお、復帰されたス
タックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)に
は、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラム
カウンタ(PC)の値が退避している。
【0339】次いで、払出制御用CPU371は、復旧
する払い出しに関する状態として、この実施の形態では
払出停止状態に設定する(ステップS732)。なお、
払出停止状態に設定するときには、例えば払出モータ2
89の駆動が停止されるとともに払出停止中であること
を示す内部フラグ(払出停止中フラグ)がセットされ
る。すなわち、ステップS732では、払い出しが禁止
された状態であることを示すデータ(セットされた払出
停止中フラグ)を所定の記憶領域に記憶する処理が実行
されている。払出停止中フラグについては、あとで詳し
く説明する。
【0340】また、払出制御用CPU371は、バック
アップフラグをクリアする(ステップS733)すなわ
ち、前回の電力供給停止時に所定の記憶保護処理が実行
されたことを示すフラグをリセットする。また、スタッ
ク領域から各種レジスタの退避値を読み出して、各種レ
ジスタに設定する(ステップS734)。すなわち、レ
ジスタ復元処理を行う。そして、パリティフラグがオン
していない場合には割込許可状態にする(ステップS7
35,S736)。最後に、AFレジスタ(アキュミュ
レータとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元す
る(ステップS737)。
【0341】そして、RET命令が実行されるのである
が、ここでのリターン先は、払出状態復旧処理をコール
した部分ではない。なぜなら、ステップS731におい
てスタックポインタの復帰処理がなされ、復帰されたス
タックポインタが指すスタック領域に格納されているリ
ターンアドレスは、プログラムにおける前回の電力供給
停止時にNMIが発生したアドレスである。従って、ス
テップS737の次のRET命令によって、電力供給停
止時にNMIが発生したアドレスにリターンする。すな
わち、スタック領域に退避されていたアドレスにもとづ
いて復旧制御が実行されている。
【0342】図51〜図53は、電源基板910からの
電源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(N
MI処理:電力供給停止時処理)の処理例を示すフロー
チャートである。この例では、NMIに応じて電力供給
停止時処理が実行されるが、電源断信号を払出制御用C
PU371のマスク可能端子に接続し、マスク可能割込
処理によって電力供給停止時処理を実行してもよい。ま
た、電源断信号を入力ポートに入力し、入力ポートのチ
ェック結果に応じて電力供給停止時処理を実行してもよ
い。
【0343】マスク不能割込処理において、払出制御用
CPU371は、AFレジスタを所定のバックアップR
AM領域に退避する(ステップS801)。また、割込
フラグをパリティフラグにコピーする(ステップS80
2)。パリティフラグはバックアップRAM領域に形成
されている。また、BCレジスタ、DEレジスタ、HL
レジスタ、IXレジスタおよびスタックポインタをバッ
クアップRAM領域に退避する(ステップS804〜8
08)。なお、電源復旧時には、退避された内容にもと
づいてレジスタ内容が復元され、パリティフラグの内容
に応じて、割込許可状態/禁止状態の内部設定がなされ
る。
【0344】なお、この実施の形態では、払出モータ2
89として、払出制御用CPU371からのパルス信号
(駆動信号)によって回転するステッピングモータが用
いられている。従って、払出モータ289に対するパル
ス信号の出力が停止されることによって、球払出装置9
7の駆動は停止する。
【0345】次いで、払出制御用CPU371は、クリ
アデータ(00)を適当なレジスタにセットし(ステッ
プS809)、処理数(この例では「2」)を別のレジ
スタにセットする(ステップS810)。また、出力ポ
ートCのアドレス(この例では「00H」)をIOポイ
ンタに設定する(ステップS811)。IOポインタと
して、さらに別のレジスタが用いられる。
【0346】そして、IOポインタが指すアドレスにク
リアデータをセットするとともに(ステップS81
2)、IOポインタの値を1増やし(ステップS81
3)、処理数の値を1減算する(ステップS814)。
ステップS812〜S814の処理が、処理数の値が0
になるまで繰り返される(ステップS815)。その結
果、出力ポートCおよび出力ポートD(図46参照)に
クリアデータが設定される。図46に示すように、この
例では、「1」がオン状態であり、クリアデータである
「00」が各出力ポートにセットされるので、出力ポー
トCおよび出力ポートDの全てのポートがオフ状態にな
る。この例では、出力ポートEのクリア処理は実行され
ないので、振分ソレノイド310の出力ポートはオフ状
態とはされない。なお、出力ポートEにおける振分ソレ
ノイド310の出力ポート以外の出力ポートについて
も、クリア処理を行うようにしてもよい。
【0347】その後、この実施の形態では、所定期間
(以下、「払出確認期間」という)、払出検出手段とし
ての賞球カウントスイッチ301A(賞遊技媒体払出検
出手段に相当)および球貸しカウントスイッチ301B
(貸出遊技媒体払出検出手段に相当)の検出信号をチェ
ックする。そして、賞球カウントスイッチ301Aがオ
ンしたら総合個数記憶の内容を1減らす。また、球貸し
カウントスイッチ301Bがオンしたら貸し球個数記憶
の内容を1減らす。
【0348】なお、この実施の形態では、払出確認期間
を計測するために、払出確認期間計測用カウンタが用い
られる。払出確認期間計測用カウンタの値は、初期値m
から、以下に説明するスイッチ検出処理のループ(S8
17から始まってS817に戻るループ)が1回実行さ
れる毎に−1され、その値が0になると、払出確認期間
が終了したとする。検出処理のループでは、例外はある
がほぼ一定の処理が行われるので、ループの1周に要す
る時間のm倍の時間が、ほぼ払出確認期間に相当する。
【0349】払出確認期間を計測するために、払出制御
用CPU371の内蔵タイマを用いてもよい。すなわ
ち、スイッチ検出処理開始時に、内蔵タイマに所定値
(払出確認期間に相当)を設定しておく。そして、スイ
ッチ検出処理のループが1回実行される毎に、内蔵タイ
マのカウント値をチェックする。そして、カウント値が
0になったら、払出確認期間が終了したとする。内蔵タ
イマの値が0になったことを検出するために内蔵タイマ
による割込を用いることもできるが、この段階では制御
内容(RAMに格納されている各値など)を変化させな
いように、割込を用いず、内蔵タイマのカウント値を読
み出してチェックするようなプログラム構成の方が好ま
しい。また、払出確認期間は、遊技球が、球払出装置9
7から落下した時点から、賞球カウントスイッチ301
Aまたは球貸しカウントスイッチ301Bに到達するま
での時間以上に設定される。
【0350】少なくとも、スイッチ検出処理が実行され
る払出確認期間(遊技球が球払出装置97から落下した
時点から賞球カウントスイッチ301Aや球貸しカウン
トスイッチ301Bに到達するまでの期間以上の期間。
例えば、100[ms]〜150[ms]程度。)で
は、賞球カウントスイッチ301Aおよび球貸しカウン
トスイッチ301Bが遊技球を検出できる状態でなけれ
ばならない。そこで、この実施の形態では、図9に示さ
れたように、電源基板910におけるコンバータIC9
20の入力側に比較的大容量の補助駆動電源としてのコ
ンデンサ923が接続されている。よって、遊技機に対
する電力供給停止時にも、ある程度の期間は+12V電
源電圧がスイッチ駆動可能な範囲に維持され、賞球カウ
ントスイッチ301Aおよび球貸しカウントスイッチ3
01Bが動作可能になる。その期間が、払出確認期間以
上になるように、コンデンサの容量が決定される。払出
確認期間が長い程、あるいは払出確認期間以上とされる
スイッチ駆動可能な期間に余裕を持たせる程、より容量
の大きいコンデンサが必要になるため、払出確認期間を
短く設定するとともに、スイッチ駆動可能な期間に余裕
を持たせすぎないようにすることが望ましい。
【0351】なお、入力ポートおよび払出制御用CPU
371も、コンバータIC920で作成される+5V電
源で駆動されるので、電力供給停止時にも、比較的長い
期間動作可能になっている。
【0352】さらに、この実施の形態では、賞球路と貸
し球路とを切り換えるために振分ソレノイド310が用
いられている。よって、図9に示されたコンデンサ92
4の容量は、少なくとも上記の払出確認期間の間、振分
ソレノイド310を駆動できるような容量になってい
る。なお、コンデンサ924は、各電気部品に電力供給
を行うためのライン(コネクタ915の入力側のライ
ン)に接続されているが、電源断信号に応じて遊技制御
手段が他のソレノイド(大入賞口開閉用等)の駆動信号
をオフ状態にしているので、電源断信号発生後では、コ
ンデンサ924は、各ソレノイドのうちでは振分ソレノ
イド310のみを駆動できればよい。
【0353】なお、この実施の形態で用いられているコ
ンデンサ923およびコンデンサ924は補助駆動電源
の一つの例であるが、補助駆動電源として他のものを用
いてもよい。少なくとも、上記の払出確認期間の間は、
賞球カウントスイッチ301A、球貸しカウントスイッ
チ301B、振分ソレノイド310および払出制御用C
PU371等の払出制御手段を駆動できるものであれ
ば、他の態様の補助駆動電源を用いることができる。
【0354】払出検出手段からの検出信号の入力処理
(スイッチ検出処理)では、払出制御用CPU371
は、まず、払出確認期間計測用カウンタに、払出確認期
間に対応した値mを設定する(ステップS816)。そ
して、払出制御用CPU371は、払出確認期間計測用
カウンタの値を−1し(ステップS817)、払出確認
期間計測用カウンタの値を確認する(ステップS81
8)。その値が0であれば、スイッチ検出処理を終了
し、制御状態を保存するための処理に移行する。
【0355】払出確認期間計測用カウンタの値が0にな
っていなければ、賞球カウントスイッチオン中であるか
否か確認する(ステップS819)。この確認は、後述
する賞球カウントスイッチON中フラグの状態を確認す
ることで行われる。賞球カウントスイッチON中フラグ
がセットされていれば、賞球カウントスイッチオン中で
あると判定し、検出期間用カウンタの値を1減らした後
(ステップS820)、検出期間用カウンタの値が0に
なったか否か確認する(ステップS821)。0になっ
ていれば、入力ポートを介して賞球カウントスイッチ3
01Aの検出信号を確認し(ステップS822)、オン
状態を示していれば、賞球カウントスイッチ301Aが
確実にオンしたとして、総合個数記憶の値を1減らす
(ステップS823)。
【0356】ステップS819で、賞球カウントスイッ
チオン中でないこと(賞球カウントスイッチON中フラ
グがセットされていないこと)を確認したら、入力ポー
トを介して賞球カウントスイッチ301Aの検出信号を
確認し(ステップS824)、オン状態を示していれ
ば、賞球カウントスイッチON中フラグをセットすると
ともに(ステップS825)、検出期間用カウンタに初
期値nをセットする(ステップS826)。
【0357】以上の処理によって、払出確認期間内に賞
球カウントスイッチ301Aがオンしたら、総合個数記
憶の値が−1される。バックアップRAMの内容を保存
するための処理は、このようなスイッチ検出処理の後で
行われるので、払出が完了した賞球について、必ず総合
個数記憶が−1される。従って、遊技球の払出に関し
て、保存される制御状態に矛盾が生じてしまうことが防
止される。また、上記のスイッチ検出処理では、検出期
間用カウンタを用いたタイマ処理が施されている。すな
わち、一度賞球カウントスイッチ301Aのオンが検出
された後、所定時間(S817からS821に至りS8
17に戻るループにおける処理時間のn倍:遊技媒体検
出判定期間)の経過後にもオンが検出されないとスイッ
チオンと見なされない。つまり、最初のオン検出後、所
定の遊技媒体検出判定期間経過後にもオン検出した場合
に、1個の賞球の払出が完了したと見なされる。従っ
て、誤ってスイッチオン検出がなされてしまうことは防
止される。
【0358】この場合、例えば、遊技媒体検出判定期間
がほぼ2msとなるようにnを設定すれば、遊技媒体検
出判定期間を通常遊技媒体検出判定期間(電力供給停止
時処理での処理でない、通常の遊技状態において遊技媒
体の有無を判定するための期間。この実施の形態では、
後述する図58における751cで賞球カウントスイッ
チオンフラグの値が2であることが確認されるまでの2
ms以上の期間)と同じ期間とすることが可能になる。
このように構成すれば、通常の制御とほぼ同一の条件
で、賞球カウントスイッチ301Aがオンしたか否かを
判定することが可能になる。
【0359】なお、通常時のスイッチ処理(図48にお
けるステップS752)でも、誤検出防止用のタイマ処
理が施されている。よって、そのような通常時のスイッ
チ処理をコールするようにしてもよい。また、ここで
は、検出期間用カウンタを用いたタイマ処理が行われた
が、払出確認期間の計測の場合にCPU内蔵タイマを用
いてもよいのと同様、CPU内蔵タイマを用いてスイッ
チ検出処理におけるタイマ処理を実現してもよい。
【0360】賞球カウントスイッチオン中でなく、か
つ、賞球カウントスイッチ301Aのオン状態が検出で
きない場合には、球貸しカウントスイッチ301Bにつ
いてスイッチ検出処理を行う。すなわち、払出制御用C
PU371は、球貸しカウントスイッチオン中であるか
否か確認する(ステップS827)。オン中であれば、
検出期間用カウンタの値を1減らした後(ステップS8
28)、検出期間用カウンタの値が0になったか否か確
認する(ステップS829)。0になっていれば、入力
ポートを介して球貸しカウントスイッチ301Bの検出
信号を確認し(ステップS830)、オン状態を示して
いれば、球貸しカウントスイッチ301Bが確実にオン
したとして、貸し球個数記憶の値を1減らす(ステップ
S831)。
【0361】ステップS827で、球貸しカウントスイ
ッチオン中でないことを確認したら、入力ポートを介し
て球貸しカウントスイッチ301Bの検出信号を確認し
(ステップS832)、オン状態を示していれば、球貸
しカウントスイッチON中フラグをセットするとともに
(ステップS833)、検出期間用カウンタに初期値n
をセットする(ステップS834)。
【0362】以上の処理によって、払出確認期間内に球
貸しカウントスイッチ301Bがオンしたら、貸し球個
数記憶の値が−1される。バックアップRAMの内容を
保存するための処理は、このようなスイッチ検出処理の
後で行われるので、払出が完了した貸し球について、必
ず貸し球個数記憶が−1される。従って、遊技球の払出
に関して、保存される制御状態に矛盾が生じてしまうこ
とが防止される。また、上記のスイッチ検出処理では、
検出期間用カウンタを用いたタイマ処理が施されてい
る。すなわち、球貸しカウントスイッチ301Bのオン
が所定時間(遊技媒体検出判定期間)以上継続しないと
スイッチオンと見なされない。つまり、賞球の払出検出
の場合と同様に、最初のオン検出後、所定の遊技媒体検
出判定期間経過後にもオン検出した場合に、1個の貸し
球の払出が完了したと見なされる。従って、誤ってスイ
ッチオン検出がなされてしまうことは防止される。
【0363】また、賞球の払出検出の場合と同様に、例
えば、遊技媒体検出判定期間がほぼ2msとなるように
nを設定すれば、遊技媒体検出判定期間を通常遊技媒体
検出判定期間(電力供給停止時処理での処理でない、通
常の遊技状態において遊技媒体の有無を判定するための
期間。この実施の形態では、図58における751hで
球貸しカウントスイッチオンフラグの値が2であること
が確認されるまでの2ms以上の期間)と同じ期間とす
ることが可能になる。このように構成すれば、通常の制
御とほぼ同一の条件で、球貸しカウントスイッチ301
Bがオンしたか否かを判定することが可能になる。
【0364】払出確認期間が経過すると(ステップS8
18)、払出制御用CPU371は、バックアップあり
指定値(この例では「55H」)をバックアップフラグ
にストアする(ステップS835)。バックアップフラ
グはバックアップRAM領域に形成されている。次い
で、主基板31のCPU56の処理と同様の処理を行っ
てパリティデータを作成しバックアップRAM領域に保
存する(ステップS836〜S845)。そして、RA
Mアクセスレジスタにアクセス禁止値を設定する(ステ
ップS846)。以後、内蔵RAMのアクセスができな
くなる。
【0365】なお、この実施の形態では、払出制御処理
において用いられるデータが格納されるRAM領域は全
て電源バックアップされている。従って、その内容が正
しく保存されているか否かを示すチェックサムの生成処
理、およびその内容を書き換えないようにするためのR
AMアクセス防止処理が、払出制御状態を保存するため
の処理に相当する。
【0366】以上のように、この実施の形態では、停電
等の発生に応じて電源断信号が出力されたら、まず、球
払出装置97の駆動を停止した後、払出確認期間、払出
検出手段からの検出信号の入力処理が実行され、その
後、払出制御状態を保存するための処理が行われる。従
って、停電発生時に払出途中であった遊技球も、バック
アップRAMの保存内容に反映される。
【0367】すなわち、この実施の形態では、遊技機へ
の電力供給停止時に制御状態をバックアップ記憶手段に
保存するように構成した場合に、制御の矛盾等を生じさ
せないようにすることができる。
【0368】また、この実施の形態では、遊技媒体検出
手段が所定の遊技媒体検出判定期間の前後において2回
連続してオン検出した場合に、1個の賞球あるいは貸し
球の払出を完了したと見なすようにしたので、誤ってス
イッチオン検出がなされてしまうことを防止することが
できる。従って、電源断時における制御の適正化を図る
ことが可能になる。
【0369】上述したように、この例では、振分ソレノ
イド310の出力ポート以外の出力ポートのクリア処理
が、スイッチ検出処理の実行前(ステップS762の
前)に行われる。電力供給停止時処理の実行中では、払
出制御用CPU371やスイッチ類はコンデンサ92
3,924の充電電力等で駆動されることになる。この
例では、出力ポートのクリア処理をスイッチ検出処理の
実行前に行っているので、コンデンサの充電電力等を電
力供給停止時処理のために効率的に使用することができ
る。
【0370】RAMアクセスレジスタにアクセス禁止値
を設定すると、払出制御用CPU371は、待機状態
(ループ状態)に入る。従って、システムリセットされ
るまで、何もしない状態になる。
【0371】この例では、電源の瞬断等に起因して電源
断信号が発生した場合には、電源電圧は平常時の値に復
旧し遊技機は制御可能な状態に戻る。そのような状況が
発生したときには、電源基板910から復帰信号が払出
基板37に供給される。復帰信号が入力されると、払出
制御用CPU371にリセットがかかる。従って、払出
制御用CPU371は、図48に示されたメイン処理の
実行を開始することができる。その際、電源断信号が出
力されたときに遊技状態が保存されているので、ステッ
プS710の処理で払出状態復旧処理が実行され、払出
制御は、電源断信号発生時の状態に戻り、その状態から
払出制御が続行される。
【0372】なお、ここでは、賞球カウントスイッチ3
01Aまたは球貸しカウントスイッチ301Bの検出信
号がオン状態を示したらタイマ(検出期間用カウンタ)
をセットし、タイマがタイムアップしたときにも検出信
号がオン状態を示していたら、スイッチが確実にオンし
たと判定したが、主基板31のCPU56と同様に、2
msのタイマ(2ms計測用カウンタ)がタイムアップ
する毎に検出信号の判定を行うように構成してもよい。
【0373】また、この実施の形態でも、電源断信号に
応じて起動される処理の最初にレジスタの保存処理が行
われたが、スイッチ検出処理においてレジスタを使用し
ない場合には、スイッチ検出処理の実行後に、すなわ
ち、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。その
場合には、レジスタ保存処理、バックアップフラグ設定
処理、チェックサム算出処理および出力ポートのオフ設
定処理を電力供給停止時処理と見なすことができる。さ
らに、スイッチ検出処理において幾つかのレジスタを使
用する場合であっても、使用しないレジスタについて
は、バックアップフラグの設定とチェックサムの算出の
処理の前にレジスタ保存処理を行うことができる。
【0374】図54は、払出制御用CPU371が内蔵
するRAMの使用例を示す説明図である。この例では、
バックアップRAM領域に、総合個数記憶(例えば2バ
イト)と貸し球個数記憶とがそれぞれ形成されている。
総合個数記憶は、主基板31の側から指示された賞球払
出個数の総数を記憶するものである。貸し球個数記憶
は、未払出の球貸し個数を記憶するものである。なお、
バックアップRAM領域には、上記の遊技球の個数に関
する情報を記憶する領域に限られず、例えば、後述する
払出停止中フラグ、賞球経路エラーフラグなどのエラー
状態を示すフラグ、バックアップフラグなどの各種のフ
ラグを記憶する領域や、受信コマンドバッファなどの各
種のバッファなどを記憶する領域なども形成されてい
る。また、払出制御処理において用いられるデータが格
納されるRAM領域は全て電源バックアップされるよう
にしてもよい。
【0375】そして、払出制御用CPU371は、例え
ば、賞球制御処理(ステップS757)において、遊技
制御手段から賞球個数を示す払出制御コマンドを受信す
ると、指示された個数分だけ総合個数記憶に内容を増加
する。また、球貸し制御処理(ステップS756)にお
いて、カードユニット50から球貸し要求の信号を受信
する毎に1単位(例えば25個)の個数分だけ貸し球個
数記憶に内容を増加する。さらに、払出制御用CPU3
71は、賞球制御処理において賞球カウントスイッチ3
01Aが1個の賞球払出を検出すると総合個数記憶の値
を1減らし、球貸し制御処理において球貸しカウントス
イッチ301Bが1個の貸し球払出を検出すると貸し球
個数記憶の値を1減らす。
【0376】従って、未払出の賞球個数と貸し球個数と
が、所定期間はその内容を保持可能なバックアップRA
M領域に記憶されることになる。よって、停電等の不測
の電力供給停止が生じても、所定期間内に電力供給が復
旧すれば、バックアップRAM領域の記憶内容にもとづ
いて賞球処理および球貸し処理を再開することができ
る。すなわち、遊技機への電力供給が停止しても、電力
供給が再開すれば、電力供給停止時の未払出の賞球個数
と貸し球個数とにもとづいて払い出しが行われ、遊技者
に与えられる不利益を低減することができる。
【0377】図55は、主基板31から受信した払出制
御コマンドを格納するための受信バッファの一構成例を
示す説明図である。この例では、2バイト構成の払出制
御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式の受信
バッファが用いられる。従って、受信バッファは、受信
コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成さ
れる。そして、受信したコマンドをどの領域に格納する
のかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コ
マンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。
【0378】図56は、割込処理による払出制御コマン
ド受信処理を示すフローチャートである。主基板31か
らの払出制御用のINT信号は払出制御用CPU371
のCLK/TRG2端子に入力されている。よって、主
基板31からのINT信号が立ち上がると、払出制御用
CPU371に割込がかかり、図56に示す払出制御コ
マンドの受信処理が開始される。なお、払出制御用CP
U371は、割込が発生すると、ソフトウェアで割込許
可にしない限り、マスク可能割込がさらに生ずることは
ないような構造のCPUである。
【0379】なお、ここでは払出制御手段のコマンド受
信処理について説明するが、表示制御手段、ランプ制御
手段および音制御手段でも、同様のコマンド受信処理が
実行されている。また、この実施の形態では、CLK/
TRG2端子の入力が立ち上がるとタイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2の値が−1されるような初期設定
を行ったが、すなわち、INT信号の立ち上がりで割込
が発生するような初期設定を行ったが、CLK/TRG
2端子の入力が立ち下がるとタイマカウンタレジスタC
LK/TRG2の値が−1されるような初期設定を行っ
てもよい。換言すれば、INT信号の立ち下がりで割込
が発生するような初期設定を行ってもよい。
【0380】すなわち、取込信号としてのパルス状(矩
形波状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッ
ジ)で割込が発生するように構成すれば、エッジは立ち
上がりエッジであっても立ち下がりエッジであってもよ
い。いずれにせよ、取込信号としてのパルス状(矩形波
状)のINT信号のレベル変化タイミング(エッジ)で
割込が発生するように構成される。このようにすること
で、コマンドの取込が指示された段階でいち早くコマン
ド受信を行うことが可能になる。また、Aの期間(図3
9参照)が経過するまでINT信号の出力が待機される
ので、INT信号の出力時に、制御信号CD0〜CD7
のライン上のコマンドデータの出力状態は安定してい
る。よって、払出制御手段において、払出制御コマンド
は良好に受信される。
【0381】払出制御コマンドの受信処理において、払
出制御用CPU371は、まず、各レジスタをスタック
に退避する(ステップS850)。次いで、払出制御コ
マンドデータの入力に割り当てられている入力ポート3
72a(図8参照)からデータを読み込む(ステップS
851)。次いで、読み込んだデータが規則内のデータ
であるか否か確認する(ステップS851a)。規則内
のデータであるか否かは、受信したデータの構成や内容
が予め定められている規則に適合しているか否かを確認
することで行われる。例えば、受信したデータが、正規
のコマンドとはバイト数が異なるデータであった場合
や、データの内容が正規のコマンドではあり得ない内容
となっている場合などには、規則外のデータであると判
定される。読み込んだデータが規則内のデータであれ
ば、2バイト構成の払出制御コマンドのうちの1バイト
目であるか否か確認する(ステップS852)。1バイ
ト目であるか否かは、受信したコマンドの先頭ビットが
「1」であるか否かによって確認される。先頭ビットが
「1」であるのは、2バイト構成である払出制御コマン
ドのうちのMODEバイト(1バイト目)のはずである
(図38参照)。そこで、払出制御用CPU371は、
先頭ビットが「1」であれば、有効な1バイト目を受信
したとして、受信したコマンドを受信バッファ領域にお
けるコマンド受信個数カウンタが示す受信コマンドバッ
ファに格納する(ステップS853)。
【0382】払出制御コマンドのうちの1バイト目でな
ければ、1バイト目を既に受信したか否か確認する(ス
テップS854)。既に受信したか否かは、受信バッフ
ァ(受信コマンドバッファ)に有効なデータが設定され
ているか否かによって確認される。
【0383】1バイト目を既に受信している場合には、
受信した1バイトのうちの先頭ビットが「0」であるか
否か確認する。そして、先頭ビットが「0」であれば、
有効な2バイト目を受信したとして、受信したコマンド
を、受信バッファ領域におけるコマンド受信個数カウン
タ+1が示す受信コマンドバッファに格納する(ステッ
プS855)。先頭ビットが「0」であるのは、2バイ
ト構成である払出制御コマンドのうちのEXTバイト
(2バイト目)のはずである(図38参照)。なお、ス
テップS854における確認結果が1バイト目を既に受
信したである場合には、2バイト目として受信したデー
タのうちの先頭ビットが「0」でなければ処理を終了す
る。なお、ステップS854で「N」と判断された場合
には、ステップS856の処理が行われないので、次に
受信したコマンドは、今回受信したコマンドが格納され
るはずであったバッファ領域に格納される。
【0384】ステップS855において、2バイト目の
コマンドデータを格納すると、コマンド受信個数カウン
タに2を加算する(ステップS856)。そして、コマ
ンド受信カウンタが12以上であるか否か確認し(ステ
ップS857)、12以上であればコマンド受信個数カ
ウンタをクリアする(ステップS858)。その後、退
避されていたレジスタを復帰し(ステップS859)、
最後に割込許可に設定する(ステップS860)。
【0385】コマンド受信割込処理中は割込禁止状態に
なっている。上述したように、2msタイマ割込処理中
は割込許可状態になっているので、2msタイマ割込中
にコマンド受信割込が発生した場合には、コマンド受信
割込処理が優先して実行される。また、コマンド受信割
込処理中に2msタイマ割込が発生しても、その割込処
理は待たされる。このように、この実施の形態では、主
基板31からのコマンド受信処理の処理優先度が高くな
っている。また、コマンド受信処理中には他の割込処理
が実行されないので、コマンド受信処理に要する最長時
間は決まる。コマンド受信処理中に他の割込処理が実行
可能であるように構成したのでは、コマンド受信処理に
要する最長の時間を見積もることは困難である。コマン
ド受信処理に要する最長時間が決まるので、遊技制御手
段のコマンド送出処理におけるCの期間(図39参照)
をどの程度にすればよいのかを正確に判断することがで
きる。さらに具体的には、コマンド受信処理に要する最
長時間が決まるので、ステップS367でセットするウ
ェイトカウンタの値をどの程度にすればよいのかを正確
に判断することができる。
【0386】また、払出制御コマンドは2バイト構成で
あって、1バイト目(MODE)と2バイト目(EX
T)とは、受信側で直ちに区別可能に構成されている。
すなわち、先頭ビットによって、MODEとしてのデー
タを受信したのかEXTとしてのデータを受信したのか
を、受信側において直ちに検出できる。よって、上述し
たように、適正なデータを受信したのか否かを容易に判
定することができる。
【0387】次に、コマンド送信に関する処理の実行中
に電力供給が停止し、その後の電力供給開始時に再送さ
れたコマンドを受信するコマンド受信側基板(例えば、
払出制御基板37)での受信状態について説明する。
【0388】まず、MODEデータの受信中(図43に
示されたb〜cの期間中)に電力供給が停止したあとに
電力供給が再開した場合について説明する。この場合、
図57(A)に示すように、コマンド受信側基板は、例
えばコマンド受信バッファ1に記憶する処理を行ってい
たMODEデータを完全に取り込んでいない状態で電力
供給が停止した状態となる。その後、電力供給が再開す
ると、コマンド受信側基板では、コマンド受信バッファ
の内容が復元される。次いで、受信した初期設定コマン
ド(この例では、ステップS83やステップS84で送
信されるコマンド)のMODEデータをコマンド受信バ
ッファ1に上書き保存する。また、受信した初期設定コ
マンドのEXTデータをコマンド受信バッファ2に保存
する。その後、主基板31の遊技制御処理によって再送
信されてきたMODEデータをコマンド受信バッファ3
に保存し、EXTデータをコマンド受信バッファ4に保
存する。従って、MODEデータの受信中に電力供給が
停止した場合であっても、電力供給が再開したあとに制
御コマンドが正常に受信される。
【0389】次に、MODEデータの受信を終了したあ
とコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前(図43
に示されたc〜dの期間中)に電力供給が停止し、その
後に電力供給が再開した場合について説明する。この場
合、図57(B)に示すように、コマンド受信側基板
は、MODEデータを例えばコマンド受信バッファ1に
保存し終えた状態で電力供給が停止した状態となる。そ
の後、電力供給が再開すると、コマンド受信側基板で
は、コマンド受信バッファの内容が復元される。次い
で、受信した初期設定コマンド(この例では、ステップ
S83やステップS84で送信されるコマンド)のMO
DEデータをコマンド受信バッファ2に保存する。ま
た、受信した初期設定コマンドのEXTデータをコマン
ド受信バッファ3に保存する。すると、隣接するコマン
ド受信バッファにMODEデータが連続して保存された
ことになり、制御コマンドの受信規則に反するため、規
則外のデータであるコマンド受信バッファ1に保存され
ているMODEデータは破棄される。その後、主基板3
1から再送信されてきたMODEデータをコマンド受信
バッファ4に保存し、EXTデータをコマンド受信バッ
ファ5に保存する。従って、MODEデータの受信を終
了したあとコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前
に電力供給が停止した場合であっても、電力供給が再開
したあとに制御コマンドが正常に受信される。
【0390】次に、EXTデータの受信を完了したあと
コマンド送信中フラグがオフ状態とされる前(図43に
示されたg〜hの期間)に電力供給が停止し、その後に
電力供給が再開した場合について説明する。この場合、
図57(C)に示すように、コマンド受信側基板は、M
ODEデータを例えばコマンド受信バッファ1に保存
し、EXTデータをコマンド受信バッファ2に保存し終
えた状態で電力供給が停止した状態となる。その後、電
力供給が再開すると、コマンド受信側基板では、コマン
ド受信バッファの内容が復元される。次いで、受信した
初期設定コマンド(この例では、ステップS83やステ
ップS84で送信されるコマンド)のMODEデータを
コマンド受信バッファ3に保存し、受信した初期設定コ
マンドのEXTデータをコマンド受信バッファ4に保存
する。その後、主基板31から再送信されてきたEXT
データをコマンド受信バッファ5に保存する。しかし、
隣接するコマンド受信バッファにEXTデータが連続し
て保存されたことになり、制御コマンドの受信規則に反
するため、規則外のデータであるコマンド受信バッファ
5に保存されているEXTデータは破棄される。このよ
うに、EXTデータの受信を完了したあとコマンド送信
中フラグがオフ状態とされる前に電力供給が停止した場
合には、電力供給が再開したあとに再送されたEXTデ
ータは破棄されるので、制御コマンドは正常に受信され
ていることになる。
【0391】最後に、EXTデータの受信中(図43に
示されたf〜gの期間中)に電力供給が停止したあとに
電力供給が再開した場合について説明する。この実施の
形態では電力供給が再開した場合に初期設定コマンドが
送信されるので、制御コマンドの取りこぼしを防止する
ため、EXTデータの受信中に電力供給が停止したあと
に電力供給が再開した場合には、MODEデータから再
送する構成とするのが好ましい。この場合、例えば、ス
テップS335のコマンド送信処理によって用いられる
コマンド送信中フラグと、ステップS340のコマンド
送信処理によって用いられるコマンド送信中フラグとを
別個のフラグとし、ステップS340のコマンド送信処
理によって用いられるコマンド送信中フラグがオン状態
であるときに電力供給が停止して、その後に電力供給が
再開した場合には、ステップS87でスタック領域にお
ける復帰アドレスを示す値を、コマンドセット処理(図
41参照)の最初のアドレスを示す値に変更するように
すればよい。
【0392】EXTデータの受信中に電力供給が停止し
たあとに電力供給が再開した場合にMODEデータから
再送する処理を行う構成とした場合には、図57(D)
に示すように、コマンド受信側基板は、例えばコマンド
受信バッファ1にMODEデータを保存したあと、コマ
ンド受信バッファ2に記憶する処理を行っていたEXT
データを完全に取り込んでいない状態で電力供給が停止
した状態となる。その後、電力供給が再開すると、コマ
ンド受信側基板では、コマンド受信バッファの内容が復
元される。次いで、受信した初期設定コマンド(この例
では、ステップS83やステップS84で送信されるコ
マンド)のMODEデータをコマンド受信バッファ2に
上書き保存する。また、受信した初期設定コマンドのE
XTデータをコマンド受信バッファ3に保存する。その
後、主基板31から再送信されたMODEデータをコマ
ンド受信バッファ4に保存し、主基板31から再送信さ
れたEXTデータをコマンド受信バッファ5に保存す
る。従って、MODEデータの受信中に電力供給が停止
した場合であっても、電力供給が再開したあとに、取り
こぼしが発生することなく制御コマンドが正常に受信さ
れる。
【0393】なお、上記のように、EXTデータの受信
中(図43に示されたf〜gの期間中)に電力供給が停
止したあとに電力供給が再開した場合にMODEデータ
から再送する構成とすると、EXTデータの受信を完了
したあとコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前
(図43に示されたg〜hの期間)に電力供給が停止
し、その後に電力供給が再開した場合についても、MO
DEデータから再送する構成となる。従って、EXTデ
ータの受信を完了したあとコマンド送信中フラグがオフ
状態とされる前に電力供給が停止し、その後に電力供給
が再開した場合に、制御コマンドが重複受信されること
を防止するために、図43に示されたg〜hの期間をで
きるだけ短い期間となるように、ステップS362やス
テップS367(図42参照)で設定されるウェイトカ
ウンタの値を調整することが望ましい。理想的には、コ
マンド受信処理の完了時と、コマンド送信中フラグがオ
フ状態とするときとが同一となるように、ステップS3
62やステップS367(図42参照)で設定されるウ
ェイトカウンタの値を調整する。
【0394】上記のように、遊技制御手段(例えば、C
PU56)が、コマンドの送信に関連する処理(例え
ば、コマンド送信処理:図42参照)の実行中に遊技機
への電力供給が停止し、その後に電力供給が開始した場
合には、コマンドの送信に関連する処理を所定のタイミ
ング(例えば、コマンド送信処理の最初)から再度実行
し、電力供給が停止したときに送信中のコマンドがあっ
た場合には、当該、コマンドの少なくとも一部(MOD
Eデータ、EXTデータ、あるいは制御コマンド)を再
送する構成としたので、コマンドの出力にかかわる処理
の実行中に電力供給が停止した場合であっても、電力供
給再開後にそのコマンドを確実に送信することができ
る。
【0395】例えば、払出手段からの遊技媒体の払出数
を特定可能な払出制御コマンドを再送する構成とした場
合には、たとえ遊技制御手段(例えば、CPU56)に
よる払出制御コマンドの送信に関連する処理(例えば、
コマンド送信処理:図42参照)の実行中に電力供給が
停止した場合であっても、払出制御コマンドは確実に送
信されるので、遊技媒体の付与が確実に行なわれ、遊技
者に不利益を及ぼしてしまうことを防止することができ
る。
【0396】また、コマンドの送信に関連する処理(例
えば、コマンド送信処理)は、コマンドの出力に用いら
れるコマンド出力ポートにデータを出力する処理(例え
ば、ステップS356)を含み、コマンドの送信に関連
する処理を再度実行する所定のタイミングは、コマンド
出力ポートにデータを出力する処理の前(例えば、コマ
ンド送信処理の最初)であるように構成されているの
で、コマンド出力ポートにデータを出力する処理が確実
に実行されることが保証される。
【0397】さらに、コマンドの送信に関連する処理
(例えば、コマンド送信処理)を再度実行する所定のタ
イミングは、コマンドの送信に関連する処理の最初であ
るように構成されているので、コマンドの送信に関連す
る処理が確実に実行されることが保証され、コマンドを
確実に送信することができる。
【0398】図58は、ステップS752のスイッチ処
理の一例を示すフローチャートである。スイッチ処理に
おいて、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイ
ッチ301Aがオン状態を示しているか否か確認する
(ステップS751a)。オン状態を示していれば、払
出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチオンカ
ウンタを+1する(ステップS751b)。賞球カウン
トスイッチオンカウンタは、賞球カウントスイッチ30
1Aのオン状態を検出した回数を計数するためのカウン
タである。
【0399】そして、賞球カウントスイッチオンカウン
タの値をチェックし(ステップS751c)、その値が
2になっていれば、1個の賞球の払出が行われたと判断
する。1個の賞球の払出が行われたと判断した場合に
は、払出制御用CPU371は、賞球未払出カウンタ
(総合個数記憶に格納されている賞球個数:未払出数デ
ータ)を−1する(ステップS751d)。
【0400】ステップS751aにおいて賞球カウント
スイッチ301Aがオン状態でないことが確認される
と、払出制御用CPU371は、賞球カウントスイッチ
オンカウンタをクリアする(ステップS751e)。そ
して、この実施の形態では、球貸しカウントスイッチ3
01Bがオン状態を示しているか否か確認する(ステッ
プS751f)。オン状態を示していれば、払出制御用
CPU371は、球貸しカウントスイッチオンカウンタ
を+1する(ステップS751g)。球貸しカウントス
イッチオンカウンタは、球貸しカウントスイッチ301
Bのオン状態を検出した回数を計数するためのカウンタ
である。
【0401】そして、球貸しカウントスイッチオンカウ
ンタの値をチェックし(ステップS751h)、その値
が2になっていれば、1個の貸し球の払出が行われたと
判断する。1個の貸し球の払出が行われたと判断した場
合には、払出制御用CPU371は、貸し球未払出個数
カウンタ(貸し球個数記憶に格納されている貸し球数:
未払出数データ)を−1する(ステップS751i)。
【0402】ステップS751fにおいて球貸しカウン
トスイッチ301Bがオン状態でないことが確認される
と、払出制御用CPU371は、球貸しカウントスイッ
チオンカウンタをクリアする(ステップS751j)。
【0403】図59は、ステップS753の払出停止状
態設定処理の一例を示すフローチャートである。払出停
止状態設定処理において、払出制御用CPU371は、
受信バッファ中に受信コマンドがあるか否かの確認を行
う(ステップS753a)。受信バッファ中に受信コマ
ンドがあれば、受信した払出制御コマンドが払出停止状
態指定コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS
753b)。払出停止状態指定コマンドであれば、払出
制御用CPU371は、払出停止状態に設定する(ステ
ップS753c)。
【0404】ステップS753bで受信コマンドが払出
停止状態指定コマンドでないことを確認すると、受信し
た払出制御コマンドが払出可能状態指定コマンドである
か否かの確認を行う(ステップS753d)。払出可能
状態指定コマンドであれば、払出停止状態を解除する
(ステップS753e)。
【0405】なお、払出停止状態に設定するときには、
例えば払出モータ289の駆動が停止されるとともに払
出停止中であることを示す内部フラグ(払出停止中フラ
グ)がセットされる。また、払出停止状態を解除すると
きには、払出モータ289の駆動が再開されるととも
に、払出停止中フラグがリセットされる。すなわち、ス
テップS753cでは、払い出しが禁止された状態であ
ることを示すデータ(セットされた払出停止中フラグ)
を所定の記憶領域に記憶する処理が実行されており、ス
テップS753eでは、払い出しが許可された状態であ
ることを示すデータ(リセットされた払出停止中フラ
グ)を所定の記憶領域に記憶する処理が実行されてい
る。
【0406】払出停止中フラグは、例えばバックアップ
RAM領域に格納されている。払出停止中フラグは、例
えばD0〜D7の各ビットから成る1バイト構成とされ
る。この場合、例えば、D0が「1」であれば払出停止
状態が設定されている状態を示し、D1が「1」であれ
ば払出停止状態が解除されている状態を示すようにすれ
ばよい。また、D2は、例えば、払出停止状態が解除さ
れたあとの復帰待ち状態であることを示すために用いら
れる。なお、D3〜D7は、未使用領域とされる。
【0407】ここで、図59の処理における払出停止中
フラグの状態を具体的に説明する。ステップS753c
の処理では、払出制御用CPU371は、払出停止中フ
ラグのD0を「0」とするとともに、D1を「1」とす
る。また、ステップS753eの処理では、払出制御用
CPU371は、払出停止中フラグのD0を「1」にす
るとともにD1を「0」とし、D2を「1」とする。な
お、払出制御用CPU371は、D2を「1」とした場
合には、所定期間(例えば1[s])経過後にD2を
「0」にする。この実施の形態では、払出停止中フラグ
は、D0が「0」であり、かつD1が「1」の状態であ
るときに、払出停止状態であることを示す。また、D0
が「1」であり、かつD1が「0」の状態であるとき
に、払出許可状態(払出停止状態状態が解除されている
状態)であることを示す。なお、払出停止中フラグは、
1バイト構成以外の他の構成であってもよく、各ビット
を他の態様で使用するようにしてもよい(例えば、D0
のみを用いるようにして、D0が「0」であれば払出停
止状態を示し、D0が「1」であれば払出許可状態を示
すようにしてもよい)。
【0408】払出停止状態に設定された場合に、直ちに
払出モータ289を停止してもよいが、そのように制御
するのではなく、切りのよいところで払出モータ289
を停止するようにしてもよい。例えば、遊技球の払出を
25個単位で実行し、一単位の払出が完了した時点で払
出モータ289を停止するとともに、内部状態を払出停
止状態に設定するようにしてもよい。上述したように、
球切れスイッチ187は、払出球通路に27〜28個程
度の遊技球が存在することを検出できるような位置に設
置されているので、主基板31の遊技制御手段が球切れ
を検出しても、その時点から少なくとも25個の払出は
可能である。従って、一単位の払出が完了した時点で払
出停止状態にしても問題は生じない。また、一単位の区
切りで払出停止状態とすれば、払出再開時の制御が容易
になる。
【0409】図60は、ステップS754のコマンド解
析実行処理の一例を示すフローチャートである。コマン
ド解析実行処理において、払出制御用CPU371は、
受信バッファに受信コマンドがあるか否かの確認を行う
(ステップS754a)。受信コマンドがあれば、受信
した払出制御コマンドが賞球個数を指定するための払出
制御コマンドであるか否かの確認を行う(ステップS7
54b)。なお、払出制御用CPU371は、コマンド
指示手段としての読出ポインタが指す受信バッファ中の
アドレスに格納されている受信コマンドについてステッ
プS754bの判断を行う。また、その判断後、読出ポ
インタの値は+1される。読出ポインタが指すアドレス
が受信コマンドバッファ12(図55参照)のアドレス
を越えた場合には、読出ポインタの値は、受信コマンド
バッファ1を指すように更新される。
【0410】受信した払出制御コマンドが賞球個数を指
定するための払出制御コマンドであれば、払出制御コマ
ンドで指示された個数を総合個数記憶に加算する(ステ
ップS754c)。すなわち、払出制御用CPU371
は、主基板31のCPU56から送られた払出制御コマ
ンドに含まれる賞球個数をバックアップRAM領域(総
合個数記憶)に記憶する。
【0411】なお、払出制御用CPU371は、必要な
らば、コマンド受信個数カウンタの減算や受信バッファ
における受信コマンドシフト処理を行う。また、払出停
止状態設定処理およびコマンド解析実行処理が、読出ポ
インタの値と受信バッファにおける最新コマンド格納位
置とが一致するまで繰り返すように構成されていてもよ
い。例えば、読出ポインタの値と受信バッファにおける
最新コマンド格納位置との差が「3」であれば未処理の
受信済みコマンドが3つあることになるが、一致するま
で繰り返し処理が実行されることによって、未処理の受
信済みコマンドがなくなる。すなわち、受信バッファに
格納されている受信済みコマンドが、一度の処理で、全
て読み出されて処理される。
【0412】図61は、ステップS755のプリペイド
カードユニット制御処理の一例を示すフローチャートで
ある。プリペイドカードユニット制御処理において、払
出制御用CPU371は、カードユニット制御用マイク
ロコンピュータより入力されるVL信号を検知したか否
かを確認する(ステップS755a)。VL信号を検知
していなければ、VL信号非検知カウンタを+1する
(ステップS755b)。また、払出制御用CPU37
1は、VL信号非検知カウンタの値がこの実施の形態で
は125であるか否か確認する(ステップS755
c)。VL信号非検知カウンタの値が125であれば、
払出制御用CPU371は、発射制御基板91への発射
制御信号出力を停止して、駆動モータ94を停止させる
(ステップS755d)。
【0413】以上の処理によって、125回(2ms×
125=250ms)継続してVL信号のオフが検出さ
れたら、球発射禁止状態に設定される。
【0414】ステップS755aにおいてVL信号を検
知していれば、払出制御用CPU371は、VL信号非
検知カウンタをクリアする(ステップS755e)。そ
して、払出制御用CPU371は、発射制御信号出力を
停止していれば(ステップS755f)、発射制御基板
91への発射制御信号出力を開始して駆動モータ94を
動作可能状態にする(ステップS755g)。
【0415】図62および図63は、ステップS756
の球貸し制御処理の一例を示すフローチャートである。
なお、この実施の形態では、連続的な払出数の最大値を
貸し球の一単位(例えば25個)とするが、連続的な払
出数の最大値は他の数であってもよい。
【0416】球貸し制御処理において、払出制御用CP
U371は、球貸し停止中であるか否かを確認する(ス
テップS510)。停止中であれば、処理を終了する。
なお、球貸し停止中であるか否かは、図59に示された
払出停止状態設定処理などにおいて設定される払出停止
中フラグがオンしているか否かによって確認される。
【0417】球貸し停止中でなければ、払出制御用CP
U371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い
(ステップS511)、貸し球払出中であれば図63に
示す球貸し中の処理に移行する。なお、貸し球払出中で
あるか否かは、後述する球貸し処理中フラグの状態によ
って判断される。貸し球払出中でなければ、賞球の払出
中であるか否か確認する(ステップS512)。賞球の
払出中であるか否は、後述する賞球処理中フラグの状態
によって判断される。
【0418】貸し球払出中でも賞球払出中でもなけれ
ば、払出制御用CPU371は、カードユニット50か
ら球貸し要求があったか否かを確認する(ステップS5
13)。要求があれば、球貸し処理中フラグをオンする
とともに(ステップS514)、25(球貸し一単位
数:ここでは100円分)をバックアップRAM領域の
貸し球個数記憶に設定する(ステップS515)。そし
て、払出制御用CPU371は、EXS信号をオンする
(ステップS516)。また、球払出装置97の下方の
球振分部材311を球貸し側に設定するために振分用ソ
レノイド310を駆動する(ステップS517)。さら
に、払出制御用CPU371は、25個の遊技球を払い
出すためのモータ回転時間を設定するか、または、モー
タ回転時間に応じた数の出力パルス数を決定する。そし
て、払出モータ289をオンして(ステップS51
8)、図63に示す球貸し中の処理に移行する。
【0419】なお、払出モータ289をオンするのは、
厳密には、カードユニット50が受付を認識したことを
示すためにBRQ信号をオフ状態にしてからである。ま
た、球貸し処理中フラグはバックアップRAM領域に設
定される。
【0420】図63は、払出制御用CPU371による
払出制御処理における球貸し中の処理を示すフローチャ
ートである。球貸し処理では、払出モータ289がオン
していなければオンする。なお、この実施の形態では、
ステップS751のスイッチ処理で、球貸しカウントス
イッチ301Bの検出信号による遊技球の払出がなされ
たか否かの確認を行うので、球貸し制御処理では貸し球
個数記憶の減算などは行われない。
【0421】球貸し制御処理において、払出制御用CP
U371は、貸し球通過待ち時間中であるか否かの確認
を行う(ステップS519)。貸し球通過待ち時間中で
なければ、貸し球の払出を行い(ステップS520)、
払出モータ289の駆動を終了すべきか(一単位の払出
動作が終了したか)否かの確認を行う(ステップS52
1)。具体的には、所定個数の払出に対応した回転が完
了したか否かを確認する。所定個数の払出に対応した回
転が完了した場合には、払出制御用CPU371は、払
出モータ289の駆動を停止し(ステップS522)、
貸し球通過待ち時間の設定を行う(ステップS52
3)。
【0422】ステップS519で貸し球通過待ち時間中
であれば、払出制御用CPU371は、貸し球通過待ち
時間が終了したか否かの確認を行う(ステップS52
4)。貸し球通過待ち時間は、最後の払出球が払出モー
タ289によって払い出されてから球貸しカウントスイ
ッチ301Bを通過するまでの時間である。貸し球通過
待ち時間の終了を確認すると、一単位の貸し球は全て払
い出された状態であるので、カードユニット50に対し
て次の球貸し要求の受付が可能になったことを示すため
にEXS信号をオフにする(ステップS525)。ま
た、振分ソレノイドをオフするとともに(ステップS5
26)、球貸し処理中フラグをオフする(ステップS5
27)。なお、貸し球通過待ち時間が経過するまでに最
後の払出球が球貸しカウントスイッチ301Bを通過し
なかった場合には、球貸し経路エラーとされる。また、
この実施の形態では、賞球も球貸しも同じ払出装置で行
われる。
【0423】なお、球貸し要求の受付を示すEXS信号
をオフにした後、所定期間内に再び球貸し要求信号であ
るBRQ信号がオンしたら、振分ソレノイドおよび払出
モータをオフせずに球貸し処理を続行するようにしても
よい。すなわち、所定単位(この例では100円単位)
毎に球貸し処理を行うのではなく、球貸し処理を連続し
て実行するように構成することもできる。
【0424】貸し球個数記憶の内容は、遊技機への電力
供給が停止しても、所定期間電源基板910のバックア
ップ電源によって保存される。従って、所定期間中に電
力供給が復旧すると、払出制御用CPU371は、貸し
球個数記憶の内容にもとづいて球貸し処理を継続するこ
とができる。
【0425】図64および図65は、ステップS757
の賞球制御処理の一例を示すフローチャートである。な
お、この例では、連続的な払出数の最大値を貸し球の一
単位と同数(例えば25個)とするが、連続的な払出数
の最大値は他の数であってもよい。
【0426】賞球制御処理において、払出制御用CPU
371は、まず、賞球停止中であるか否かを確認する
(ステップS530)。停止中であれば、処理を終了す
る。なお、賞球停止中であるか否かは、図59に示され
た払出停止状態設定処理などにおいて設定される払出停
止中フラグがオンしているか否かによって確認される。
【0427】賞球停止中でなければ、払出制御用CPU
371は、貸し球払出中であるか否かの確認を行い(ス
テップS531)、貸し球払出中であれば処理を終了す
る。なお、貸し球払出中であるか否かは、球貸し処理中
フラグの状態によって判断される。貸し球払出中でなけ
れば、既に賞球払出処理が開始されているか否か、すな
わち賞球中であるか否か確認する(ステップS53
2)。賞球中であれば図65に示す賞球中の処理に移行
する。なお、賞球中であるか否かは、後述する賞球処理
中フラグの状態によって判断される。
【0428】賞球払出中でなければ、払出制御用CPU
371は、総合個数記憶に格納されている賞球数(未払
出の賞球数)が0でないか否か確認する(ステップS5
34)。総合個数記憶に格納されている賞球数が0でな
ければ、賞球制御用CPU371は、賞球処理中フラグ
をオンし(ステップS535)、総合個数記憶の値が2
5以上であるか否か確認する(ステップS536)。な
お、賞球処理中フラグは、バックアップRAM領域に設
定される。
【0429】総合個数記憶に格納されている賞球個数が
25以上であると、払出制御用CPU371は、25個
分の遊技球を払い出すまで払出モータ289を回転させ
るように払出モータ289に対して駆動信号を出力する
ために、25個払出動作の設定を行う(ステップS53
7)。具体的には、25個の遊技球を払い出すためのモ
ータ回転時間を設定したり、モータ回転時間に応じた数
の出力パルス数を決定する。
【0430】総合個数記憶に格納されている賞球個数が
25以上でなければ、払出制御用CPU371は、総合
個数記憶に格納されている数に応じた遊技球を払い出す
まで払出モータ289を回転させるように駆動信号を出
力するために、全個数払出動作の設定を行う(ステップ
S538)。具体的には、遊技球を払い出すためのモー
タ回転時間を設定したり、モータ回転時間に応じた数の
出力パルス数を決定する。次いで、払出モータ289を
オンする(ステップS539)。なお、振分ソレノイド
はオフ状態であるから、球払出装置97の下方の球振分
部材は賞球側に設定されている。そして、図65に示す
賞球制御処理における賞球払出中の処理に移行する。
【0431】図65は、払出制御用CPU371による
払出制御処理における賞球中の処理の一例を示すフロー
チャートである。賞球制御処理では、払出モータ289
がオンしていなければオンする。なお、この実施の形態
では、ステップS751のスイッチ処理で、賞球カウン
トスイッチ301Aの検出信号による遊技球の払出がな
されたか否かの確認を行うので、賞球制御処理では総合
個数記憶の減算などは行われない。
【0432】賞球中の処理において、払出制御用CPU
371は、賞球通過待ち時間中であるか否かの確認を行
う(ステップS540)。賞球通過待ち時間中でなけれ
ば、賞球払出を行い(ステップS541)、払出モータ
289の駆動を終了すべきか(25個または25個未満
の所定の個数の払出動作が終了したか)否かの確認を行
う(ステップS542)。具体的には、所定個数の払出
に対応した回転が完了したか否かを確認する。所定個数
の払出に対応した回転が完了した場合には、払出制御用
CPU371は、払出モータ289の駆動を停止し(ス
テップS543)、賞球通過待ち時間の設定を行う(ス
テップS544)。賞球通過待ち時間は、最後の払出球
が払出モータ289によって払い出されてから賞球カウ
ントスイッチ301Aを通過するまでの時間である。
【0433】ステップS540で賞球通過待ち時間中で
あれば、払出制御用CPU371は、賞球通過待ち時間
が終了したか否かの確認を行う(ステップS545)。
賞球通過待ち時間が終了した時点は、ステップS537
またはステップS538で設定された賞球が全て払い出
された状態である。そこで、払出制御用CPU371
は、賞球通過待ち時間が終了していれば、賞球処理中フ
ラグをオフする(ステップS546)。賞球通過待ち時
間が経過するまでに最後の払出球が賞球カウントスイッ
チ301Aを通過しなかった場合には、賞球経路エラー
とされる。
【0434】なお、この実施の形態では、ステップS5
11、ステップS531の判断によって球貸しが賞球処
理よりも優先されることになるが、賞球処理が球貸しに
優先するようにしてもよい。
【0435】総合個数記憶および貸し球個数記憶の内容
は、遊技機への電力供給が停止しても、所定期間電源基
板910のバックアップ電源によって保存される。従っ
て、所定期間中に電力供給が復旧すると、払出制御用C
PU371は、総合個数記憶の内容にもとづいて払出処
理を継続することができる。
【0436】なお、払出制御用CPU371は、主基板
31から指示された賞球個数を賞球個数記憶で総数とし
て管理したが、賞球個数毎(例えば15個、10個、6
個)に管理してもよい。例えば、賞球個数毎に対応した
個数カウンタを設け、払出個数指定コマンドを受信する
と、そのコマンドで指定された個数に対応する個数カウ
ンタを+1する。そして、個数カウンタに対応した賞球
払出が行われると、その個数カウンタを−1する(この
場合、払出制御処理で減算処理を行うようにする)。そ
の場合にも、各個数カウンタはバックアップRAM領域
に形成される。よって、遊技機への電力供給が停止して
も、所定期間中に電源が復旧すれば、払出制御用CPU
371は、各個数カウンタの内容にもとづいて賞球払出
処理を継続することができる。
【0437】なお、この実施の形態では、払出制御手段
は、払出制御信号に関するINT信号が立ち上がったこ
とを検知して、例えば割込処理によって1バイトのデー
タの取り込み処理を開始する。そして、複数の払出制御
コマンドを格納可能な受信リングバッファ(この例では
受信バッファ)が設けられているので、払出制御コマン
ドを受信後、そのコマンドにもとづく制御が開始されな
いうちに次の払出制御コマンドを受信しても、そのコマ
ンドが、払出制御手段において受信されないということ
はない。
【0438】払出制御手段において、払出停止状態であ
っても割込処理は起動されるので、払出制御手段は、払
出停止中であっても、払出制御コマンドを受信すること
ができる。そして、払出停止中では受信した払出制御コ
マンドに応じた払出処理は停止しているのであるが、複
数の払出制御コマンドを格納可能な受信リングバッファ
が設けられているので、遊技制御手段から送出された払
出制御コマンドは、払出制御手段において消失してしま
うようなことはない。
【0439】そして、払出制御手段において、送出コマ
ンドを受信リングバッファにおけるどの領域に格納する
のかを示すアドレス指示手段としてのコマンド受信個数
カウンタが用いられる。よって、どの領域を使用すれば
よいのかの判断は容易である。
【0440】なお、上記の実施の形態では、変動データ
記憶手段としてRAMを用いた場合を示したが、変動デ
ータ記憶手段として、電気的に書き換えが可能な記憶手
段であればRAM以外のものを用いてもよい。
【0441】さらに、上記の実施の形態では、電源監視
手段が電源基板910に設けられ、システムリセットの
ための信号を発生する回路は電気部品制御基板に設けら
れたが、それらがともに電気部品制御基板に設けられて
いてもよい。
【0442】次に、この実施の形態の遊技機が、電力供
給が開始したあとに遊技球の払い出しを開始する際の処
理の例について説明する。図66は、電力供給開始時に
おけるCPU56による払出可能状態指定コマンドの送
信処理や払出制御用CPU371による球払出装置97
を用いた遊技球の払出処理などの処理タイミングの一例
を示すタイミングチャートである。なお、図66でも、
電源基板910に搭載されているシステムリセット回路
65におけるリセットIC651の外付けのコンデンサ
の容量と、電源監視用IC902の外付けのコンデンサ
の容量とを適切に選定することによって、電源監視用I
C902から出力される電源断信号がハイレベルに立ち
上がることとなる電圧値(この実施の形態では+22
V)にVSL電源電圧が到達した後に、リセット信号が立
ち上がる例が示されている。
【0443】遊技機に電源が投入され、VSL電源電圧が
上昇して所定値(この実施の形態では+9V)に到達す
ると、図66に示されたように、主基板31のCPU5
6は、他の電気部品制御基板のCPU(この実施の形態
では払出制御基板37の払出制御用CPU371)が動
作を開始し、遅延回路960によって遅延される時間が
経過したあとに動作を開始する。動作を開始すると、主
基板31のCPU56は、制御状態を復旧する場合に
は、復旧する払出に関する制御状態が払出停止状態でな
ければ払出可能状態指定コマンドを送信する(ステップ
S83参照)。なお、初期化する場合には、CPU56
は、払出停止条件が成立していなければ払出可能状態指
定コマンドを送信する(ステップS13b参照)。
【0444】主基板31のCPU56が払出制御基板3
7に対して払出可能状態指定コマンドを出力することが
できるということは、主基板31のCPU56が既に立
ち上がっていることを意味する。従って、主基板31の
CPU56は、賞球カウントスイッチ301Aの検出信
号を受信することができる状態となっている。
【0445】払出可能状態指定コマンドを受信すると、
払出制御用CPU371は、初期設定における上述した
ステップS713あるいは復旧処理における上述したス
テップS732で設定していた払出停止状態を解除し
(ステップS753e参照)、未払出の遊技球が存在す
る場合には球払出装置97を用いて遊技球の払出処理を
実行する。そして、払い出された遊技球が賞球カウント
スイッチ301Aで検出される。賞球カウントスイッチ
301Aの検出信号は、動作を開始しているCPU56
および払出制御用CPU371それぞれによって確実に
受信される。
【0446】以上説明したように、状態復旧処理におい
て、遊技制御手段(CPU56)の制御状態を、他の電
気部品制御手段(例えば払出制御用CPU371)より
も遅れて復旧させる遅延手段(例えば、コンデンサ、遅
延回路960)を備える構成としたので、遊技制御基板
以外の電気部品制御基板が動作状態となったあとに制御
信号が供給されるため、遊技制御手段からの制御信号を
受信する他の電気部品制御手段が、制御信号を確実に受
信することができる。すなわち、電源供給再開時に、遊
技制御手段が遅れて立ちあがるので、他の電気部品制御
手段がコマンドをとりこぼしてしまうようなことが防止
される。
【0447】また、上述したように、システムリセット
手段(例えば、システムリセット回路65)が、各電気
部品制御手段(CPU56や払出制御用CPU371な
ど)に電源を供給する電源基板(例えば、電源基板91
0)に搭載されるように構成したので、監視電源の供給
源の近くにシステムリセット手段を配することができ、
システムリセット手段が電源の状態の監視を適切に行う
ことができるようになる。また、上記のように構成すれ
ば、電源基板を変更するだけで、システムリセット手段
の交換を行うことができる。
【0448】また、上述したように、電源監視手段(例
えば、電源監視用IC902)が、各電気部品制御手段
(CPU56や払出制御用CPU371など)に供給さ
れる直流電源のうち、最も電圧の高い電源(例えば、V
SL(+30V))を監視するように構成されているの
で、早期に電圧の低下を検出することができる。
【0449】また、上述したように、電源監視手段(例
えば、電源監視用IC902)が、各電気部品制御手段
(CPU56や払出制御用CPU371など)に電源を
供給する電源基板(例えば、電源基板910)に搭載さ
れるように構成されているので、監視電源の供給源の近
くに電源監視手段を配することができ、電源監視手段が
電源の状態の監視を適切に行うことができるようにな
る。また、上記のように構成すれば、電源基板を変更す
るだけで、電源監視手段の交換を行うことができる。
【0450】また、上述したように、電源断処理を実行
させない所定期間(遅延期間)は、少なくとも所定電圧
(例えば、22V)以上に供給される電圧が上昇するま
での期間を含むように構成されているので、不安定な状
態で電源断処理が実行されることを防止することができ
る。特に、上述した実施の形態では所定電圧以下となっ
た場合に電源断処理が実行されるので、上記のような構
成としたことによって、立ち上がり時に電源断処理が誤
って実行されてしまうことを防止することができる。
【0451】また、上述したように、電気部品制御手段
は、電力供給が開始されたときに、電力供給停止時処理
において保存された制御状態が残っていても、操作手段
(クリアスイッチ921)が操作されている場合には、
状態復旧処理を実行せず初期化処理を実行する。よっ
て、遊技店員等が保存状態を容易にクリアすることがで
き、遊技店での遊技機運用上の利便性を向上させること
が可能になる。つまり、遊技店において、遊技機の状態
復旧処理を行う必要がない場合にはバックアップ記憶手
段の記憶内容を初期化することができるので、他の遊技
者に本来与えられるべきでない利益が与えられることを
容易に防止でき、その結果、遊技店における遊技機運用
上の利便性を向上させることができる。
【0452】また、上述したように、電源供給停止時処
理のあとの待機状態が継続して実行されているのにもか
かわらず電力供給が停止していない場合に、待機状態か
ら復帰させるための復帰信号をCPU56や払出制御用
CPU371に出力する構成としたので、復帰信号によ
って、CPU56や払出制御用CPU371を待機状態
から制御実行状態に復帰させることが可能になる。従っ
て、ごく短時間で復旧する電源の瞬断等が生じても制御
に支障を来すことがないようにすることができる。
【0453】すなわち、記憶保持手段(例えばバックア
ップRAM)を有する遊技制御手段および払出制御手段
が電源断信号に応じて電力供給停止時処理を行った後に
システムリセットを待つ待機状態にあるときに、電源復
旧に応じて復帰信号が出力されると、遊技制御手段およ
び払出制御手段は、プログラムの最初部分から動作を再
開する。その際、電力供給停止時処理において保存され
た制御状態が復旧されるので、遊技者から見ると、何事
もなかったかのように遊技が続行される。
【0454】また、上述したように、復帰信号を出力可
能な手段(例えばカウンタ971等で構成される手段:
待機状態復帰手段の一例)が電源基板910に搭載され
る構成としたので、各制御基板毎に待機状態復帰手段を
設ける必要がなく、簡単な構成で待機状態から復帰させ
ることができるようになる。
【0455】また、上述したように、遊技制御手段(例
えば、CPU56)が、コマンドの送信に関連する処理
(例えば、コマンド送信処理:図42参照)の実行中に
遊技機への電力供給が停止し、その後に電力供給が開始
した場合には、コマンドの送信に関連する処理を所定の
タイミング(例えば、コマンド送信処理の最初)から再
度実行し、電力供給が停止したときに送信中のコマンド
があった場合には、当該、コマンドの少なくとも一部
(MODEデータ、EXTデータ、あるいは制御コマン
ド)を再送する構成としたので、コマンドの出力にかか
わる処理の実行中に電力供給が停止した場合であって
も、電力供給再開後にそのコマンドを確実に送信するこ
とができる。
【0456】例えば、払出手段からの遊技媒体の払出数
を特定可能な払出制御コマンドを再送する構成とした場
合には、たとえ遊技制御手段(例えば、CPU56)に
よる払出制御コマンドの送信に関連する処理(例えば、
コマンド送信処理:図42参照)の実行中に電力供給が
停止した場合であっても、払出制御コマンドは確実に送
信されるので、遊技媒体の付与が確実に行なわれ、遊技
者に不利益を及ぼしてしまうことを防止することができ
る。
【0457】また、上述したように、コマンドの送信に
関連する処理(例えば、コマンド送信処理)は、コマン
ドの出力に用いられるコマンド出力ポートにデータを出
力する処理(例えば、ステップS356)を含み、コマ
ンドの送信に関連する処理を再度実行する所定のタイミ
ングは、コマンド出力ポートにデータを出力する処理の
前(例えば、コマンド送信処理の最初)であるように構
成されているので、コマンド出力ポートにデータを出力
する処理が確実に実行されることが保証される。
【0458】また、上述したように、コマンドの送信に
関連する処理(例えば、コマンド送信処理)を再度実行
する所定のタイミングは、コマンドの送信に関連する処
理の最初であるように構成されているので、コマンドの
送信に関連する処理が確実に実行されることが保証さ
れ、コマンドを確実に送信することができる。
【0459】また、上述したように、コマンドが複数の
データ(MODEデータとEXTデータ)によって構成
され、コマンドの送信に関連する処理(例えば、コマン
ド送信処理)を再度実行する所定のタイミングは、複数
のデータにおける1のデータを送信する処理の最初であ
るように構成されているので、コマンドを構成するデー
タを送信する処理が保証され、コマンドを確実に送信す
ることができる。
【0460】また、上述したように、電力供給が開始し
たときに、コマンド送信中フラグがオン状態であった場
合には、コマンドの送信に関連する処理の実行中に電力
供給が停止されたものと判定するように構成されている
ので、電力供給が停止されたときの制御状態を容易に判
定することができる。
【0461】また、上述したように、コマンド受信側基
板のCPU(例えば、払出制御用CPU371)が、遊
技制御手段からのコマンドを所定の記憶領域(例えば、
コマンド受信バッファ)に保存するコマンド受信処理
(図56参照)を実行し、遊技制御手段がコマンドの送
信を行ってコマンドの送信に関連する処理を終了するタ
イミング(例えば、コマンド送信中フラグがオフ状態と
なるタイミング)が、コマンド受信側基板のCPUが当
該コマンドの保存を行ってコマンド受信処理が完了する
タイミングよりも遅いタイミングとされるように構成さ
れているので、コマンド受信側基板のCPUによってコ
マンドが確実に受信されるようにすることができる。
【0462】また、上述したように、コマンド受信側基
板のCPUが、遊技制御手段からのコマンドをコマンド
受信バッファに保存するコマンド受信処理(例えば、図
56に示すコマンド受信割込処理)を実行し、遊技制御
手段がコマンドの送信を行ってコマンド送信処理を終了
するタイミング(例えば、コマンド送信処理が終了する
タイミング)は、電気部品制御手段が当該コマンドの保
存を行ってコマンド受信処理が完了するタイミング(例
えば、コマンド受信割込処理が完了するタイミング)よ
りも遅いタイミングとされるように構成されているの
で、コマンド受信側基板のCPUによってコマンドが受
信されることが保証される。
【0463】また、上述したように、コマンド受信側基
板のCPUが、取り込み信号(例えば、INT信号)の
入力に応じてコマンド受信処理を実行し、遊技制御手段
は、取り込み信号の出力後にコマンド受信処理の終了を
担保する期間(例えば、ステップS362〜ステップS
364や、ステップS367〜ステップS369の処理
が実行されている期間)を設けた構成とされているの
で、コマンド受信側基板のCPUによるコマンドの受信
処理の実行タイミングを把握することができ、コマンド
受信側基板のCPUによってコマンドが確実に受信され
るようにすることができる。
【0464】また、上述したように、電力供給が開始し
た場合に、払出制御手段(払出制御用CPU371)
が、遊技制御手段(CPU56)からの払出可能状態指
定コマンドの受信がなければ遊技球の払出処理を実行し
ない構成としたので、遊技制御手段が制御可能でない状
態であるのにもかかわらず遊技球の払い出しがなされて
しまうことを防止することができる。従って、遊技制御
手段は、払い出された遊技球を検出する賞球カウントス
イッチ301Aや球貸しカウントスイッチ301Bの検
出信号を確実に受信することができる。よって、未払出
の遊技球数について遊技制御手段と払出制御手段とでそ
れぞれ把握している情報の内容に食い違いが生じてしま
うことを防止することができ、遊技制御手段と払出制御
手段とで確実に制御上の整合をとることができる。
【0465】また、上述したように、遊技制御手段が、
遊技状態復旧処理において、バックアップRAM55領
域の記憶内容に応じて払出停止状態か否か判定し(ステ
ップS82)、払出停止状態でない場合に払出可能状態
指定コマンドを送信する(ステップS83)構成とした
ので、電力供給停止前の状態に復旧することができる。
【0466】また、上述したように、遊技制御手段が、
初期化処理において、払出禁止条件が成立しているか否
かの判定を行い(ステップS13a)、払出禁止条件が
成立していない場合に払出可能状態指定コマンドを送信
する(ステップS13b)ように構成されているので、
実際の遊技機の状態に応じて制御を開始することができ
る。
【0467】また、上述したように、遊技状態復旧処
理、払出状態復旧処理、および初期化処理で、払出禁止
条件についての判定をそれぞれ実行する構成とされてい
るので、早期に判定を行うことができ、制御状態を安定
させることができる。
【0468】また、上述したように、遊技制御手段と払
出制御手段は、電力供給停止時処理において、電力供給
停止時処理を行ったことを示すバックアップフラグをセ
ットする処理を行い、電力供給が再開されたときに、バ
ックアップフラグの状態のチェック結果に応じて、状態
復旧処理を行うのか初期化処理を行うのか決定するの
で、簡易な方法によって、確実に、状態復旧処理を行う
のか否か決定することができる。その結果、電力供給停
止時処理によって保存された制御状態を確実に活用する
ことができる。
【0469】電力供給停止時処理が行われることなく電
力供給停止状態とされていた場合には、バックアップフ
ラグがセットされていない状態となっている。よって、
復旧させるためのデータが存在しないにもかかわらず、
状態復旧処理が実行されてしまうことは防止される。
【0470】また、上述したように、遊技制御手段と払
出制御手段は、電力供給停止時処理において、チェック
サムを生成して保存する処理を行い、電力供給が再開さ
れたときに、パリティチェックのチェック結果に応じ
て、状態復旧処理を行うのか初期化処理を行うのか決定
するので、簡易な方法によって、確実に、状態復旧処理
を行うのか否か決定することができる。
【0471】電力供給停止中に、バックアップ電源でバ
ックアップされる変動データ記憶手段の記憶内容が変化
してしまった場合には、パリティチェックのチェック結
果がパリティチェックOKとはならない(すなわち、電
力供給が再開されたときに生成されたチェックサムと保
存されているチェックサムとは一致しない)。よって、
誤った記憶内容にもとづいて状態復旧処理が実行されて
しまうことは防止される。
【0472】また、上述したように、パリティデータ
が、変動データ記憶手段の記憶内容のうちの少なくとも
一部の内容(例えば、ポインタが指すRAM領域の内
容)にもとづいて所定の論理演算(例えば、チェックサ
ムデータエリアの内容とポインタが指すRAM領域の内
容との排他的論理和など)を行って算出されたデータで
あるから、パリティデータを容易に、かつ短時間で生成
することができる。
【0473】さらに、上述したように、所定条件(本例
では、電力供給停止時処理が実行されるための条件)の
成立に応じてデータを退避させるための退避領域(スタ
ック領域)を含み、パリティデータは作業領域の内容に
もとづいて生成され、レジスタの内容が退避領域に保存
されるように構成されているので、パリティデータ生成
の対象となる領域を狭めることができパリティデータを
短時間で生成することができる。
【0474】なお、上記の実施の形態では、電力供給停
止時処理の際に賞球カウントスイッチ301Aや球貸し
カウントスイッチ301Bの状態を確認する処理を行っ
ていたが、電力供給停止時処理にて賞球カウントスイッ
チ301Aや球貸しカウントスイッチ301Bの状態を
確認する処理を行わないようにしてもよい。上記のよう
に、電力供給停止時処理を迅速に終えるようにすれば、
スタックオーバーフローを生じさせ、初期化処理を実行
させることにより大当りを発生させる不正行為を防止す
ることができる。
【0475】すなわち、電力供給の停止が生ずる訳では
ないにも関わらず、電源断を検出する検出回路の側から
マイクロコンピュータの割込端子に至る信号線において
電源断信号が連続的に入力されると、スタック領域のサ
イズには限界があるにもかかわらず、繰り返し割込処理
が実行されることによってスタック領域へのデータ保存
が繰り返され、遂にはスタックオーバーフローが生じて
しまう。その結果、スタックオーバーフローに起因して
RAM領域の内容が破壊されてしまうことによりプログ
ラム暴走が生じたことにもとづいて、ウォッチドッグタ
イマのタイムアップが生じてマイクロコンピュータにリ
セットがかかり、RAM領域の内容が初期化される。
【0476】大当りを発生させるか否かは、一般に、所
定のタイミング(例えば始動入賞の発生時すなわち始動
入賞信号の入力時)において、RAM領域に形成された
乱数発生用カウンタのカウント値があらかじめ決められ
た大当り判定値に一致するか否かによって決定される。
電源断信号が連続的に入力されると、上述したようにシ
ステムリセットがかかり、初期化処理においてRAMの
内容が初期化されるので、大当りを発生させるか否かを
決定するための乱数発生用カウンタのカウント値も初期
化される(0に戻される。)。すると、カウント値が0
から歩進を開始するので、カウント値があらかじめ決め
られた大当り判定値に一致するタイミングを容易に把握
できてしまう。
【0477】つまり、不正基板等の不正手段を遊技機に
搭載し、不正手段からマイクロコンピュータに対して電
源断信号(割込信号)を連続的に入力させるとともに、
乱数発生用カウンタのカウント値が大当り判定値に一致
するようなタイミングで、マイクロコンピュータが搭載
されている遊技制御基板に対して不正に始動入賞信号を
送り込むことによって、不正に大当りを生じさせること
が可能になってしまう。
【0478】上記の実施の形態では、電力供給停止時処
理が迅速に行われるので、不正な行為によって電源断信
号が連続的に入力される前に、最初の電源断信号の入力
にもとづく電力供給停止時処理が完了している可能性を
高めることができる。従って、不正に割込信号を送り込
むような不正行為が行われても、その行為を無効とする
ことが期待できる。なお、例えば電力供給停止時処理に
おけるスイッチチェックを、賞球あるいは貸し球のいず
れかについてのみ行う構成として、電力供給停止時処理
を迅速に終えるようにした場合であっても、同様の効果
を得ることができる。
【0479】なお、上記の実施の形態において、初期化
処理を実行していることを報知するための報知手段を設
けてもよい。報知手段を設けた場合、遊技制御手段は、
初期化処理において、初期化中であることを示す制御コ
マンド(例えば通常の制御で用いられるコマンドであっ
てもよく、初期化中であることを指定する専用のコマン
ドであってもよい)をサブ基板(例えば図柄制御基板8
0など)に送信し、そのコマンドを受信したサブ基板に
おける電気部品制御手段が初期化報知(例えば可変表示
装置9による「初期化中」なる表示や、音やランプによ
って初期化中であることを示す演出などによって行われ
る)を所定期間(例えば5分などのあらかじめ定められ
た期間)継続的に実行する。
【0480】遊技制御手段を初期化中であることを示す
制御コマンドを送信するように構成し、サブ基板におけ
る電気部品制御手段を初期化報知を行うように構成した
場合には、遊技制御手段に不正に信号を送り込むような
不正行為が行われても、そのような不正行為を容易に発
見することができるとともに、不正行為者が報知に気付
いて直ちに離席したような場合でも、再度の不正行為を
実行しづらくすることができるようになる。なお、遊技
制御手段を初期化中であることを示す制御コマンドを送
信するように構成し、サブ基板における電気部品制御手
段を初期化報知を行うように構成した場合、例えば、可
変表示装置9、スピーカ27または各種ランプ・LED
等が報知手段に相当する。また、報知手段を用いて初期
化されたことを報知する処理を行う報知部品制御手段
は、上記のように遊技制御手段以外の電気部品制御手段
によって実現されていてもよいが、遊技制御手段によっ
て実現されてもよい。すなわち、遊技制御手段が、直
接、報知手段を制御するようにしてもよい。遊技制御手
段が報知手段を直接制御して初期化報知を行うように構
成する場合には、例えば、遊技制御手段からの制御信号
によって制御される表示装置、音声出力装置、発光体等
の各種の電気部品を報知手段として用いるようにすれば
よい。
【0481】初期化処理は、遊技店の営業中において、
停電からの復旧時でもない限り実行されることは考えに
くい。それにもかかわらず、初期化処理が実行されてい
るということは、スタックオーバーフローを発生させた
り遊技制御手段にリセット信号を入力させるなどの不正
行為によってシステムリセットされた可能性が高い。従
って、停電復旧時でも遊技店員による初期化操作がなさ
れたわけでもないのに、遊技店の営業時間中に初期化報
知がなされている場合には、不正行為(RAMをクリア
させて初期状態とするなどの行為)が行われたものと判
断することができ、その後の不正行為(大当りを発生さ
せるなどの行為)を未然に防ぐことができる。
【0482】また、遊技制御手段(CPU56)が、初
期化処理において、初期化処理中であることを示す初期
化信号を遊技機外部に出力する構成としてもよい。この
ように構成すれば、遊技店側などにおいて初期化処理中
であることを認識可能とすることができる。よって、実
際には電力供給が停止していないにも関わらず初期化処
理中であることを示す信号が遊技機から出力された場合
には不正行為がなされたと判断することができ、不正行
為者が不正行為を行った遊技機から離れた場所にて容易
に不正行為を発見することができるようになる。
【0483】また、上記の実施の形態では、球払出装置
97が賞球も貸し球も払い出し、振分ソレノイド310
で駆動される振分部材311によって、賞球流下経路
(景品遊技媒体通路)と貸し球流下経路(貸出遊技媒体
経路)とが切り換えられた。しかし、賞球払出球を行う
払出装置と球貸しを行う払出装置とを別個に設けてもよ
い。
【0484】また、上記の実施の形態では、電源基板9
10からの復帰信号は、主基板31においてCPU56
のリセット端子に入力されたが、I/Oポート部57の
入力ポートに入力されてもよい。
【0485】そのように構成される場合には、遊技制御
手段のマスク不能割込処理(電力供給停止時処理)にお
いて、図22〜図24に示されたステップS451〜S
498の処理の後のシステムリセットを待つ待機状態に
おいて、入力ポートを介して復帰信号のオンの検出が実
行されるようにし、復帰信号がオンになったら、図18
に示されたメイン処理のステップS1にジャンプするよ
うにすればよい。メイン処理の実行が開始されると、電
源断信号が出力されたときに遊技状態が保存されている
ので、ステップS10の処理で遊技状態復旧処理が実行
され、遊技制御は、電源断信号発生時の状態に戻り、そ
の状態から遊技制御が続行される。
【0486】なお、復帰信号は、例えば入力ポート1の
ビット5(図17参照)に入力される。また、この例で
は、復帰信号のオンが検出されると直ちにステップS1
にジャンプしたが、ノイズ除去等のために、複数回連続
したオンを検出したらステップS1にジャンプするよう
にしたり、オン検出後所定期間経過後にも再度オンが検
出されたらステップS1にジャンプするようにしてもよ
い。さらに、払出制御手段のマスク不能割込処理におい
ても、入力ポートに入力される復帰信号を検出するよう
にしてもよい。
【0487】また、上記の実施の形態では、復帰信号は
電源基板910で作成されたが、復帰信号を必要とする
電気部品制御基板において作成されてもよい。すなわ
ち、待機状態復帰手段が、主基板31や払出制御基板3
7などの各制御基板にそれぞれ設けられる構成としても
よい。復帰信号が各制御基板において作成される場合に
用いられる電源基板は、復帰信号を出力しない構成とさ
れる。また、リセット管理回路は、図11に示された回
路構成から復帰信号生成部分を除いた構成とすればよ
い。
【0488】図67は、電源基板において復帰信号が生
成されない場合の遊技制御手段のマスク不能割込処理
(電力供給停止時処理)の一例を示すフローチャートで
ある。図67に示すフローチャートは、図22〜図24
に示されたステップS451〜S498の処理に続いて
実行される。すなわち、この実施の形態では、RAMア
クセス禁止値が設定された後(ステップS498)、シ
ステムリセットを待つ待機状態において、まず、カウン
タの初期値Mが設定される(ステップS111)。そし
て、カウンタの値を1減算しつつ(ステップS11
2)、カウンタの値が0になったか否か確認する(ステ
ップS113)。
【0489】そして、カウンタの値が0になったら、図
18に示されたメイン処理のステップS1にジャンプす
る。メイン処理の実行が開始されると、電源断信号が出
力されたときに遊技状態が保存されているので、ステッ
プS10の処理で遊技状態復旧処理が実行され、遊技制
御は、電源断信号発生時の状態に戻り、その状態から遊
技制御が続行される。
【0490】カウンタに初期値Mが設定されてからカウ
ントアップ(=0になる)するまでの時間は、[ステッ
プS112およびS113の処理に要する時間]×Mで
あるが、Mの値は、電源断信号が発生してから、Vcc電
源で動作するCPU56が動作不能になるまでに時間よ
りも長い時間をカウントするように設定される。従っ
て、一般には、一般には、カウンタがカウントアップし
てステップS1にジャンプする前に、CPU56は動作
しなくなる。すなわち、ステップS1にジャンプするこ
とはない。
【0491】しかし、電源の瞬断等が生ずると、電源電
圧レベルが短期間低下した後に復旧する。その場合に
も、VSLの電圧レベルが電源断信号出力レベル以下にな
ると、電源断信号がローレベルになって、電力供給停止
時処理が開始される。そして、CPU56は電力供給停
止時処理終了後ループ状態に入る。何らの制御も行わな
いと、ループ処理から抜けられないのであるが、この場
合には、カウンタがカウントアップしてメイン処理に復
帰することができる。
【0492】すなわち、この実施の形態におけるカウン
タは、電源断信号に応じた処理における待機状態におい
て実行されるタイマ処理を行うためのソフトウェアタイ
マに相当する。そして、カウンタがカウントアップする
と、すなわち、タイマ処理によって所定期間の経過が計
測されると、復帰手段としてのCPU56が、待機状態
から遊技制御状態に復帰させる制御を行う。
【0493】このような構成でも、電源の瞬断等に起因
して電源断信号が発生したにもかかわらず電源電圧が平
常時の値に復旧したときに、CPU56は、図18に示
されたメイン処理の実行を再開することができる。その
際、電源断信号が出力されたときに遊技状態が保存され
ているので、ステップS10の処理で遊技状態復旧処理
が実行され、遊技制御は、電源断信号発生時の状態に戻
り、その状態から遊技制御が続行される。
【0494】このような制御は、払出制御手段が実行す
ることも可能である。図68は、電源基板において復帰
信号が生成されない場合の払出制御手段のマスク不能割
込処理(電力供給停止時処理)の一例を示すフローチャ
ートである。図68に示すフローチャートは、図51〜
図53に示されたステップS801〜S846の処理に
続いて実行される。すなわち、この実施の形態では、R
AMアクセス禁止値が設定された後(ステップS84
6)、システムリセットを待つ待機状態において、ま
ず、カウンタの初期値Mが設定される(ステップS92
1)。そして、カウンタの値を1減算しつつ(ステップ
S922)、カウンタの値が0になったか否か確認する
(ステップS923)。
【0495】そして、カウンタの値が0になったら、図
48に示されたメイン処理のステップS701にジャン
プする。メイン処理の実行が開始されると、電源断信号
が出力されたときに制御状態が保存されているので、ス
テップS710の処理で払出状態復旧処理が実行され、
制御は電源断信号発生時の状態に戻り、その状態から払
出制御が続行される。
【0496】なお、主基板31のCPU56が扱うカウ
ントアップ値(図67におけるS111で設定される
M)は、払出制御用CPU371が扱うカウントアップ
値よりも大きい値であることが好ましい。CPU56が
扱うカウントアップ値の方が大きい値である場合には、
遊技制御手段よりも前に払出制御手段が再起動すること
になる。従って、払出制御手段が先に立ち上がって、遊
技制御手段からの払出制御コマンドを取りこぼすような
ことはない。
【0497】上記のように、電源基板において復帰信号
が生成されない場合にソフトウェアによってタイマ処理
を行うことによって待機状態から制御状態に戻ることが
できるが、タイマ処理は、ハードウェアによって実行さ
れてもよい。
【0498】図69は、電源基板において復帰信号が生
成されない場合にハードウェアによってタイマ処理を行
うような構成の一例を示すブロック図である。この例で
は、主基板31に、ウォッチドッグタイマとして機能す
るカウンタ(ウォッチドッグタイマ回路)162が設け
られる。ウォッチドッグタイマ回路162は、発振回路
164の出力パルスをカウントし、カウントアップする
と、Q出力としてハイレベルの1パルスを発生する。そ
のパルス信号は、反転回路163で論理反転され、復帰
信号としてAND回路161に入力される。AND回路
161は、リセット信号と復帰信号の論理積をとってC
PU56のリセット端子に供給する。なお、CPU56
からシステムクロックまたはその分周クロックを出力す
るように設定し、そのクロックを、ウォッチドッグタイ
マ回路162の入力クロック信号としてもよい。
【0499】カウントアップ値は、電源断信号がローレ
ベルになってから、VSLの電圧値がVcc生成可能電圧に
まで低下する時間以上に設定される。ウォッチドッグタ
イマ回路162はVccを電源として動作するので、カウ
ントアップ値は、ウォッチドッグタイマ回路162の動
作可能期間に相当する値以上に設定される。従って、遊
技機への電力供給停止時には、一般には、ウォッチドッ
グタイマ回路162がカウントアップして復帰信号が出
力される前に、ウォッチドッグタイマ回路162および
その他の回路部品は動作しなくなる。
【0500】なお、CPU56が遊技制御を行っている
ときには、定期的にクリアパルスがウォッチドッグタイ
マ回路162に与えられる。クリアパルスの出力周期
は、ウォッチドッグタイマ回路162がカウントアップ
するまでの時間よりも短い。従って、CPU56が、通
常の遊技制御を行っているときにウォッチドッグタイマ
回路162のQ出力にパルスが現れることはない。
【0501】図70は、ウォッチドッグタイマ回路16
2が設けられた場合の遊技制御手段の2msタイマ割込
処理を示すフローチャートである。図70に示すよう
に、遊技制御処理(ステップS21〜S32a)内にお
いて、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS3
2a)が実行される。従って、ウォッチドッグタイマク
リア処理は、2ms毎に実行される。
【0502】ウォッチドッグタイマクリア処理(ステッ
プS32a)では、ウォッチドッグタイマ回路162の
クリア端子に至る出力ポートに1パルスを出力する処理
が行われる。よって、遊技制御処理の実行中では、ウォ
ッチドッグタイマ回路162に定期的にクリアパルスが
与えられるので、カウントアップすることはない。
【0503】遊技機に対する供給電圧が低下して電源断
信号が出力されると、図22〜図24に示されたような
マスク不能割込処理が開始される。その処理中ではウォ
ッチドッグタイマ回路162に対してクリアパルスは出
力されない。従って、電源電圧が復旧して、ウォッチド
ッグタイマ回路162がカウントアップするまで動作し
ているような場合には復帰信号が出力される。
【0504】図71は、上述したソフトウェアタイマ処
理またはウォッチドッグタイマ回路162によって復帰
信号が作成される場合の復帰信号の出力タイミング等を
示すタイミング図である。図71(A)は、遊技機に対
する電力供給が停止された場合の例である。ソフトウェ
アタイマ処理は電力供給停止時処理が終了して待機状態
になってから開始される。また、マスク不能割込処理で
はウォッチドッグタイマ回路162に対してクリアパル
スは出力されないので、ウォッチドッグタイマ回路16
は、実質的に、電力供給停止時処理の開始時から起動さ
れる。いずれの場合でも、タイムアップ値(カウントア
ップ値)は、電源電圧がVcc生成可能電圧値よりも小さ
くなるまでタイムアップしないように設定されているの
で、復帰信号が発生することはない。
【0505】電源の瞬断等が生ずると、図71(B)に
示すように、VSLの電圧レベルが短期間低下した後に復
旧する。その場合にも、VSLの電圧レベルが電源断信号
出力レベル以下になると、電源断信号がローレベルにな
って、電力供給停止時処理が開始される。そして、CP
U56は電力供給停止時処理終了後ループ状態に入る。
何らの制御も行わないと、ループ処理から抜けられない
のであるが、この場合には、ウォッチドッグタイマ回路
162がカウントアップして復帰信号が発生する。
【0506】図69に示されたように、主基板31にお
いて、復帰信号は、AND回路161を介して、CPU
56のリセット端子に入力される。従って、CPU56
にはシステムリセットがかかる。その結果、CPU56
は待機状態から抜け出すことができる。
【0507】図72は、電源基板において復帰信号が生
成されない場合に払出制御基板37におけるハードウェ
アによってタイマ処理を行うような構成の一例を示すブ
ロック図である。この例では、払出制御基板37に、ウ
ォッチドッグタイマとして機能するカウンタ(ウォッチ
ドッグタイマ回路)386が設けられる。ウォッチドッ
グタイマ回路386は、発振回路388の出力パルスを
カウントし、カウントアップすると、Q出力としてハイ
レベルの1パルスを発生する。そのパルス信号は、反転
回路387で論理反転され、復帰信号としてAND回路
385に入力される。AND回路385は、リセット信
号と復帰信号の論理積をとってCPU56のリセット端
子に供給する。
【0508】カウントアップ値は、電源断信号がローレ
ベルになってから、VSLの電圧値がVcc生成可能電圧に
まで低下する時間以上に設定される。ウォッチドッグタ
イマ回路386はVccを電源として動作するので、カウ
ントアップ値は、ウォッチドッグタイマ回路386の動
作可能期間に相当する値以上に設定される。従って、一
般には、ウォッチドッグタイマ回路386がカウントア
ップして復帰信号が出力される前に、ウォッチドッグタ
イマ回路386およびその他の回路部品は動作しなくな
る。なお、払出制御用CPU371が払出制御を行って
いるときには、定期的にクリアパルスがウォッチドッグ
タイマ回路386に与えられる。クリアパルスの出力周
期は、ウォッチドッグタイマ回路386がカウントアッ
プするまでの時間よりも短い。従って、払出制御用CP
U371が、通常の遊技制御を行っているときにウォッ
チドッグタイマ回路386のQ出力にパルスが現れるこ
とはない。
【0509】図73は、ウォッチドッグタイマ回路38
6が設けられた場合の払出制御手段のメイン処理の一部
を示すフローチャートである。図73に示す処理は、図
48に示されたステップS701〜S714の処理に続
いて実行される。この場合には、払出制御処理のループ
(ステップS715,S751〜S761)内におい
て、ウォッチドッグタイマクリア処理(ステップS76
1)が実行される。従って、ウォッチドッグタイマクリ
ア処理は、2ms毎に実行される。
【0510】ウォッチドッグタイマクリア処理(ステッ
プS761)では、ウォッチドッグタイマ回路386の
クリア端子に至る出力ポートに1パルスを出力する処理
が行われる。よって、払出制御処理の実行中では、ウォ
ッチドッグタイマ回路386に定期的にクリアパルスが
与えられるので、カウントアップすることはない。
【0511】遊技機に対する供給電圧が低下して電源断
信号が出力されると、図51〜図53に示されたような
マスク不能割込処理が開始される。その処理中ではウォ
ッチドッグタイマ回路386に対してクリアパルスは出
力されない。従って、電源電圧が復旧して、ウォッチド
ッグタイマ回路386がカウントアップするまで動作し
ているような場合には復帰信号が出力される。
【0512】図72に示されたように、払出制御基板3
7において、復帰信号は、AND回路385を介して、
払出制御用CPU371のリセット端子に入力される。
従って、払出制御用CPU371にはシステムリセット
がかかる。その結果、払出制御用CPU371は待機状
態から抜け出すことができる。
【0513】上記のように、主基板31および払出制御
基板37においてウォッチドッグタイマ回路162,3
86が設けられている場合には、ハードウェアによって
復帰信号を発生させることができる。しかも、電源電圧
が低下したときのみならず、何らかの理由で、CPU5
6または払出制御用CPU371の制御が無限ループに
入ってしまったような場合にも、ループ状態から抜け出
すことができる。
【0514】なお、主基板31のウォッチドッグタイマ
回路162のカウントアップ値は、払出制御基板37の
ウォッチドッグタイマ回路386のカウントアップ値よ
りも大きい値であることが好ましい。ウォッチドッグタ
イマ回路162のカウントアップ値の方が大きい値であ
る場合には、復帰信号は、遊技制御手段よりも前に払出
制御手段に対して供給される。従って、払出制御手段が
先に立ち上がって、遊技制御手段からの払出制御コマン
ドを取りこぼすようなことはない。
【0515】また、例えば主基板31のみにウォッチド
ッグタイマ回路162を設置し、ウォッチドッグタイマ
回路162による復帰信号をCPU56に供給するとと
もに、払出制御基板37に供給してもよい。そのように
構成した場合には、全体的な回路構成規模を小さくする
ことができる。また、そのように構成した場合には、払
出制御手段が先に立ち上がるように、ウォッチドッグタ
イマ回路162とCPU56のリセット端子との間に遅
延回路を置くことが好ましい。
【0516】さらに、ウォッチドッグタイマ回路16
2,386による復帰信号をCPUのリセット端子に接
続するのではなく、入力ポートの入力するようにしても
よい。その場合には、電力供給停止時処理における待機
状態で入力ポートの監視が行われ、復帰信号がオンした
ことが検出されると、メイン処理の最初にジャンプす
る。さらに、ウォッチドッグタイマ回路162,386
による復帰信号をCPUのCTC端子に入力してもよ
い。その場合には、あらかじめ、復帰信号の入力に応じ
てCTC割込がかかるように設定される。また、待機状
態で割込許可に設定される。そして、CTC割込がかか
ると、メイン処理の最初にジャンプする。
【0517】また、上記の実施の形態では、払出制御基
板37において、NMIに応じて電力供給停止時処理が
実行されたが、電源断信号を払出制御用CPU371の
マスク可能端子に接続し、マスク可能割込処理によって
電力供給停止時処理を実行してもよい。また、電源断信
号を入力ポートに入力し、入力ポートのチェック結果に
応じて電力供給停止時処理を実行してもよい。
【0518】また、上記の実施の形態では、各電気部品
制御手段に供給するリセット信号を発生する回路(シス
テムリセット回路65)が電源基板910に1つ設けら
れる構成としていたが、主基板31のCPU56に供給
するリセット信号を発生する回路と、他の電気部品制御
基板のCPUに供給するリセット信号を発生する回路と
を別個に設ける構成としてもよい。
【0519】また、上述した実施の形態では、各電気部
品制御手段に供給するリセット信号を発生する回路(シ
ステムリセット回路65)が電源基板910に1つ設け
られる構成としていたが、各電気部品制御基板それぞれ
にリセット信号を発生する回路を設ける構成としてもよ
い。
【0520】上記のように、システムリセット手段(シ
ステムリセット回路65)が、各電気部品制御手段が搭
載される各電気部品制御基板それぞれに搭載される構成
とした場合には、システムリセット手段の出力信号を伝
送するケーブル(システムリセット手段とCPUとを接
続するケーブル)を短くすることができ、ノイズの影響
を受けにくくすることができる。
【0521】また、上述した実施の形態では、遅延手段
(例えば、リセットIC651の外付けコンデンサおよ
び電源監視用いC902の外付けコンデンサ)を設ける
ことで、リセット信号が立ち上がる前に電源断信号が立
ち上がるようにしていたが、リセット解除の後であっ
て、制御プログラムが実行される前に、セキュリティチ
ェックプログラム(制御プログラムの正当性をチェック
するためのプログラムすなわち自己の診断を行うための
プログラム)などの起動時処理を実行するように構成さ
れているCPUを用いる場合には、遅延手段を設けるこ
となく、リセット信号が立ち上がってセキュリティチェ
ックなどの起動時処理が終了する前に電源断信号が立ち
上がるようにしてもよい。この場合、例えば、起動時処
理に要する時間を考慮して、起動時処理実行中に電源断
信号が立ち上がるタイミングとなるように、電源監視回
路が電源断信号を立ち上げる電源電圧の電圧値が定めら
れる。
【0522】図74は、起動時処理が終了する前に電源
断信号がハイレベルになるようにした場合における電源
復旧時のリセット信号と電源断信号との関係の一例を示
すタイミング図である。この例では、遊技機に電源が投
入され、VSL電源電圧が上昇して所定値(この実施の形
態では+9V)に到達すると、システムリセット回路6
5は、リセット信号をハイレベルに立ち上げる。リセッ
ト信号がハイレベル立ち上げられると、主基板31以外
の各電気部品制御基板のCPUは、自動的に起動時処理
を開始する。また、システムリセット回路65の出力が
ハイレベル立ち上げられると、主基板31のCPU56
は、上述した遅延回路960によって遅延されたあとに
入力されるリセット解除を示す信号にもとづいて、自動
的に起動時処理を開始する。その後、この実施の形態で
は、起動時処理が実行されているときに、VSL電源電圧
が所定値(この実施の形態では+22V)に到達するの
で、起動時処理の実行中に電源監視回路からの電源断信
号がハイレベルになる。そして、各電気部品制御手段の
CPUは、起動時処理を終えると、制御プログラムを実
行する。各電気部品制御手段のCPUが起動時処理を終
えて制御プログラムの実行処理に移行する時点では、す
でに電源断信号がハイレベルになっているのでNMIは
発生しない。各電気部品制御手段のCPUが起動時処理
を行っているときには、割込禁止状態とされるので、電
源断信号がローレベルとなっていてもNMIは発生しな
い。なお、この例では、図74に示すように、主基板3
1のCPU56に供給されているリセット信号が立ち上
げられるタイミングが、他の電気部品制御手段のCPU
よりも遅延されたタイミングとされている。従って、こ
の例においても、主基板31のCPU56は、他の電気
部品制御基板のCPUよりもあとに制御動作を開始する
ことになる。また、図74ではコンデンサの容量によっ
て決まる時間(電源電圧が+9Vや+22Vになってか
らリセット信号が立ち上がるまでの時間)は省略されて
いる。
【0523】上記のように、リセット信号が立ち上がっ
てCPUが動作を開始したあと、セキュリティチェック
などの起動時処理が終了する前に、電源断信号がハイレ
ベルに立ち上がる構成としたので、割込有効状態となる
前に電源断信号をNMIが発生しないレベル(ハイレベ
ル)にすることができる。その結果、リセット信号が立
ち上がってから電源断信号が立ち上がるまでの間に電源
断処理が実行されてしまうことを確実に防止することが
できる。
【0524】また、上記の例の他、遅延手段(例えば、
システムリセット回路65が備えるコンデンサ)を設け
てリセット信号が立ち上がるタイミングを所定時間遅延
させ、リセット信号がハイレベルとされたあと、セキュ
リティチェックなどの起動時処理が終了する前に、電源
断信号がハイレベルに立ち上がるようにしてもよい。こ
の場合、例えば、起動時処理に要する時間を考慮して、
起動時処理実行中に電源断信号が立ち上がるように、リ
セット信号の立ち上げを遅延させる所定の時間(より具
体的には、所定の時間となるようなコンデンサの容量)
や、各信号を出力することとする電圧値が定められる。
【0525】図75は、遅延手段によりリセット信号の
立ち上がりタイミングを所定時間遅延させ、起動時処理
が終了する前に電源断信号が立ち上がるようにした場合
における電源投入時のリセット信号と電源断信号との関
係を示すタイミング図である。遊技機に電源が投入さ
れ、VSL電源電圧が上昇して所定値(この実施の形態で
は+9V)に到達すると、システムリセット回路65
は、所定の遅延時間が経過したあと、リセット信号をハ
イレベルに立ち上げる。この遅延時間は、システムリセ
ットが解除されたあとの起動時処理の実行中にVSL電源
電圧が所定値(この実施の形態では+22V)に到達す
るように予め定められた時間とされる。主基板31以外
の各電気部品制御基板のCPUは、システムリセットが
解除されると、自動的に起動時処理を開始する。
【0526】また、システムリセット回路65が出力信
号をハイレベルに立ち上げたあと、上述した遅延回路9
60による所定の遅延時間が経過すると、主基板31の
CPU56に供給されているリセット信号が立ち上げら
れ、主基板31のCPU56が、自動的に起動時処理を
開始する。その後、この実施の形態では、起動時処理が
実行されているときに、VSL電源電圧が所定値(この実
施の形態では+22V)に到達するので、起動時処理の
実行中に電源監視回路からの電源断信号がハイレベルに
なる。そして、各電気部品制御手段のCPUは、起動時
処理を終えると、制御プログラムを実行する。各電気部
品制御手段のCPUが起動時処理を終えて制御プログラ
ムの実行処理に移行する時点では、すでに電源断信号が
ハイレベルになっているのでNMIは発生しない。な
お、この例では、図75に示すように、主基板31のC
PU56に供給されているリセット信号が立ち上げられ
るタイミングが、他の電気部品制御手段のCPUよりも
遅延されたタイミングとされている。従って、この例に
おいても、主基板31のCPU56は、他の電気部品制
御基板のCPUよりもあとに制御動作を開始することに
なる。
【0527】この実施の形態では、遅延手段によりリセ
ット信号の立ち上がりタイミングを所定時間遅延させ、
セキュリティチェックなどの起動時処理が終了する前に
電源断信号が立ち上がるように構成されているので、不
安定な状態で電源断処理が実行されることを防止するこ
とができる。特に、上述した実施の形態では所定電圧以
下となった場合に電源断処理が実行されるので、上記の
ような構成としたことによって、割込有効状態となる前
に電源断信号をNMIを生じさせないハイレベルとする
ことができ、各電気部品制御手段のCPUが起動時処理
を終えて制御プログラムの実行処理に移行したときに電
源断信号がハイレベルとなっていることを保障すること
ができるため、電源供給開始時に電源断処理が実行され
てしまうことを確実に防止することができる。
【0528】また、上述した実施の形態では、電源供給
停止時処理においてコマンド出力ポートをクリアする構
成としていたが、出力ポートをクリアする前にコマンド
出力ポートの状態をRAMのバックアップ領域に保存す
る処理を行い、電源復旧処理においてコマンド出力ポー
トの状態を電源断前の状態に復旧する構成としてもよ
い。このように構成すれば、例えば出力ポートに制御コ
マンドを出力したものの、INT信号を出力する前に電
源供給が停止したような場合が発生しても、電源供給が
再開したあとに確実に送信先に制御コマンドを出力する
ことができるようになる。
【0529】また、上述した実施の形態では、遊技状態
復旧処理で初期設定コマンドを送信する構成(ステップ
S82〜ステップS84)としていたが、再送するコマ
ンドデータが存在するときには初期設定コマンドを送信
しない構成としてもよい。この場合、ステップS85で
コマンド送信中フラグがオンでないと判断された場合
に、ステップS82〜ステップS84の処理を行うよう
にすればよい。
【0530】図76は、再送するコマンドデータが存在
するときには初期設定コマンドを送信しない構成とした
場合に、電力供給開始時に再送されたコマンドを受信す
るコマンド受信側基板(例えば、払出制御基板37)で
の受信状態を示す説明図である。なお、遊技状態復旧処
理において初期設定コマンドを常に送信しない構成とさ
れていてもよい。
【0531】まず、MODEデータの受信中(図43に
示されたb〜cの期間中)に電力供給が停止したあとに
電力供給が再開した場合について説明する。この場合、
図76(A)に示すように、コマンド受信側基板は、例
えばコマンド受信バッファ1に記憶する処理を行ってい
たMODEデータを完全に取り込んでいない状態で電力
供給が停止した状態となる。その後、電力供給が再開す
ると、コマンド受信側基板では、コマンド受信バッファ
の内容が復元される。その後、主基板31の遊技制御処
理によって再送信されたMODEデータをコマンド受信
バッファ1に上書き保存し、EXTデータをコマンド受
信バッファ2に保存する。従って、MODEデータの受
信中に電力供給が停止した場合であっても、電力供給が
再開したあとに制御コマンドは正常に受信される。
【0532】次に、MODEデータの受信を終了したあ
とコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前(図43
に示されたc〜dの期間中)に電力供給が停止し、その
後に電力供給が再開した場合について説明する。この場
合、図76(B)に示すように、コマンド受信側基板
は、MODEデータを例えばコマンド受信バッファ1に
保存し終えた状態で電力供給が停止した状態となる。そ
の後、電力供給が再開すると、コマンド受信側基板で
は、コマンド受信バッファの内容が復元される。その
後、主基板31から再送信されてきたMODEデータを
コマンド受信バッファ2に保存し、EXTデータをコマ
ンド受信バッファ3に保存する。すると、隣接するコマ
ンド受信バッファにMODEデータが連続して保存され
たことになり、制御コマンドの受信規則に反するため、
規則外のデータであるコマンド受信バッファ1に保存さ
れているMODEデータは破棄される。従って、MOD
Eデータの受信を終了したあとコマンド送信中フラグが
オフ状態とされる前に電力供給が停止した場合であって
も、電力供給が再開したあとに制御コマンドは正常に受
信される。
【0533】次に、EXTデータの受信を完了したあと
コマンド送信中フラグがオフ状態とされる前(図43に
示されたg〜hの期間)に電力供給が停止し、その後に
電力供給が再開した場合について説明する。この場合、
図76(C)に示すように、コマンド受信側基板は、M
ODEデータを例えばコマンド受信バッファ1に保存
し、EXTデータをコマンド受信バッファ2に保存し終
えた状態で電力供給が停止した状態となる。その後、電
力供給が再開すると、コマンド受信側基板では、コマン
ド受信バッファの内容が復元される。その後、主基板3
1から再送信されてきたコマンドのEXTデータをコマ
ンド受信バッファ3に保存する。しかし、隣接するコマ
ンド受信バッファにEXTデータが連続して保存された
ことになり、制御コマンドの受信規則に反するため、規
則外のデータであるコマンド受信バッファ3に保存され
ているEXTデータは破棄される。このように、EXT
データの受信を完了したあとコマンド送信中フラグがオ
フ状態とされる前に電力供給が停止した場合には、電力
供給が再開したあとに再送されたEXTデータは破棄さ
れるので、制御コマンドが正常に受信されることにな
る。
【0534】最後に、EXTデータの受信中(図43に
示されたf〜gの期間中)に電力供給が停止し、その後
に電力供給が再開した場合について説明する。この場
合、図76(D)に示すように、コマンド受信側基板
は、例えばコマンド受信バッファ1にMODEデータを
保存したあと、コマンド受信バッファ2に記憶する処理
を行っていたEXTデータを完全に取り込んでいない状
態で電力供給が停止した状態となる。その後、電力供給
が再開すると、コマンド受信側基板では、コマンド受信
バッファの内容が復元される。その後、主基板31から
再送信されたEXTデータをコマンド受信バッファ2に
上書き保存する。従って、この例では、EXTデータの
受信中に電力供給が停止したあとに電力供給が再開した
場合についても、制御コマンドは正常に受信される。
【0535】上記のように、少なくとも再送するコマン
ドデータが存在するときには初期設定コマンドを送信し
ない構成とした場合には、ステップS335のコマンド
送信処理によって用いられるコマンド送信中フラグと、
ステップS340のコマンド送信処理によって用いられ
るコマンド送信中フラグとを別個のフラグとするなどの
構成をとることなく、制御コマンドの受信中に電力供給
が停止した場合であっても、電力供給が再開したあとに
制御コマンドが正常に受信されるようにすることができ
る。また、少なくとも再送するコマンドデータが存在す
るときには初期設定コマンドを送信しない構成とした場
合には、制御コマンドを構成するコマンドデータ(MO
DEデータまたはEXTデータ)のみが常に再送される
ようにすることができ、コマンド送信側および受信側の
処理負担を軽減させることができる。
【0536】また、上述した実施の形態では、遊技状態
復旧処理において、コマンド送信中フラグの状態を確認
することでコマンドの再送を行うか否かの判断を行う構
成としていたが(ステップS85)、スタック領域に退
避している復帰アドレス(NMIによる電力供給停止時
処理によって退避されたアドレス)を示す値を確認する
ことで、コマンドの再送を行うか否かの判断を行うよう
にしてもよい。この場合、コマンド送信中フラグの状態
を確認する処理に替えて、スタック領域における復帰ア
ドレスを示す値がコマンド送信処理のアドレスを示す値
であるか否か確認する処理を行う。すなわち、復帰アド
レスを示す値が、コマンド送信処理が実行されていると
きに用いられる何れかのアドレスを示す値であるか否か
を確認する。コマンド送信処理のアドレスを示す値であ
れば、コマンド送信処理の実行中に電力供給が停止した
ことになるので、上述したステップS87の処理が実行
され、ステップS92の次のRET命令によってコマン
ド送信処理が開始されるときのアドレスにリターンする
ようになる。
【0537】このように、スタック領域における復帰ア
ドレスを示す値がコマンドの送信に関連する処理の実行
中に用いられるアドレスを示す値であるか否か確認する
ことで、コマンドの再送を行うか否かの判断を行う場合
には、コマンドの送信に関連する処理の実行中に用いら
れるアドレスが他の処理で用いられないようにしておけ
ば、確実な判定がなされるようになる。すなわち、コマ
ンドの送信に関連する処理が専用のモジュールで実行さ
れるように構成しておけば、スタック領域に退避してい
る復帰アドレスを示す値によって、電力供給が停止した
際にコマンドの送信に関連する処理が実行されていたか
否かを確実に判定することができるようになる。なお、
コマンドの送信に関連する処理を実行する専用のモジュ
ールは、複数のモジュールによって構成するようにして
もよい。この場合、例えば、コマンドの送信に関連する
処理の一部をそれぞれ実行する複数種類の専用のモジュ
ールを設けて、これら複数のモジュールによってコマン
ドの送信に関連する処理を実行する専用のモジュールが
構成されるようにすればよい。
【0538】上記のように、スタック領域における復帰
アドレスを示す値に応じてコマンドの再送を行うか否か
の判断を行う構成とした場合には、スタック領域におけ
る復帰アドレスを示す値にもとづいてコマンドの送信に
関連する処理の実行中に電力供給が停止されたか否かを
判定することができるので、新たなフラグを必要とする
ことなくRAM55の必要容量の削減となり、また、上
述した実施の形態と同様の効果を得ることもできる。
【0539】また、スタック領域における復帰アドレス
を示す値に応じてコマンドの再送を行うか否かの判断を
行う構成とする場合に、例えば、コマンドの送信に関連
する処理のうち、コマンドの取りこぼしなどの弊害を確
実に防止する必要性が高い処理についてだけ専用のモジ
ュール(プログラムモジュール)によって行うようにし
てもよい。このようにすれば、弊害を確実に防止する必
要性が高い処理の実行中に電力供給が停止した場合に
は、電力供給再開後に確実にコマンドが再送されるの
で、防止の必要性が高い弊害を確実に防ぐことができ
る。コマンドの取りこぼしなどの弊害を確実に防止する
必要性が高い処理には、例えば払出制御コマンドの送信
に関連する処理などの、コマンドの取りこぼしによって
遊技者に不利益を及ぼしてしまう処理などが該当する。
例えば、払出制御コマンドの送信に関連する処理を実行
するための専用のモジュールを設けた構成とすれば、遊
技者に付与する遊技媒体数を指定する払出制御コマンド
の送信に関連する処理の実行中に電力供給が停止した場
合には、電力供給の再開後に確実に払出制御コマンドの
送信に関連する処理が再度実行されるので、遊技媒体の
付与が確実に行なわれるようになり、遊技者に不利益を
及ぼすことが回避される。
【0540】また、上述した実施の形態では、コマンド
送信処理の実行中に電力供給が停止した場合に、その後
の電力供給開始時にコマンドを再送する処理を行う構成
としていたが、コマンドセット処理の実行中に電力供給
が停止し、その後に電力供給が開始した場合に、コマン
ドセット処理を再度実行してコマンドを再送する処理を
行う構成としてもよい。この場合、例えばコマンドセッ
ト処理(図41参照)の最初(ステップS331の前)
にコマンド送信中フラグをオンし、最後(ステップS3
40の後)にコマンド送信中フラグをオフするようにす
るとともに、遊技状態復旧処理のステップS87でスタ
ック領域に退避している復帰アドレスにコマンドセット
処理の最初のアドレスを示す値をセットするようにすれ
ばよい。
【0541】上記のように、コマンドセット処理の実行
中に電力供給が停止し、その後に電力供給が開始した場
合に、コマンドセット処理を再度実行してコマンドを再
送する処理を行う構成とした場合には、電力供給が開始
したあとにMODEデータおよびEXTデータが送信さ
れるので、上述した実施の形態と同様に、制御コマンド
を確実に送信し、受信側の基板に取り込ませるようにす
ることができるようになる。
【0542】上記の例では、コマンドセット処理の実行
中に電力供給が停止したあと電力供給が開始すると、M
ODEデータおよびEXTデータが送信される。図77
は、コマンドセット処理の実行中に電力供給が停止した
あとの電力供給開始時に再送されたコマンドを受信する
コマンド受信側基板(例えば、払出制御基板37)での
受信状態を示す説明図である。
【0543】まず、MODEデータの受信中(図43に
示されたb〜cの期間中)に電力供給が停止したあとに
電力供給が再開した場合について説明する。この場合、
図77(A)に示すように、コマンド受信側基板は、例
えばコマンド受信バッファ1に記憶する処理を行ってい
たMODEデータを完全に取り込んでいない状態で電力
供給が停止した状態となる。その後、電力供給が再開す
ると、コマンド受信側基板では、コマンド受信バッファ
の内容が復元される。次いで、受信した初期設定コマン
ド(この例では、ステップS83またはステップS84
で送信されるコマンド)のMODEデータをコマンド受
信バッファ1に上書き保存する。また、受信した初期設
定コマンドのEXTデータをコマンド受信バッファ2に
保存する。その後、主基板31から再送信されたMOD
Eデータをコマンド受信バッファ3に保存し、EXTデ
ータをコマンド受信バッファ4に保存する。従って、M
ODEデータの受信中に電力供給が停止した場合であっ
ても、電力供給が再開したあとに制御コマンドが正常に
受信される。
【0544】次に、MODEデータの受信を終了したあ
とコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前(図43
に示されたc〜dの期間中)に電力供給が停止し、その
後に電力供給が再開した場合について説明する。この場
合、図77(B)に示すように、コマンド受信側基板
は、MODEデータを例えばコマンド受信バッファ1に
保存し終えた状態で電力供給が停止した状態となる。そ
の後、電力供給が再開すると、コマンド受信側基板で
は、コマンド受信バッファの内容が復元される。次い
で、受信した初期設定コマンド(この例では、ステップ
S83またはステップS84で送信されるコマンド)の
MODEデータをコマンド受信バッファ2に保存する。
また、受信した初期設定コマンドのEXTデータをコマ
ンド受信バッファ3に保存する。すると、隣接するコマ
ンド受信バッファにMODEデータが連続して保存され
たことになり、制御コマンドの受信規則に反するため、
規則外のデータであるコマンド受信バッファ1に保存さ
れているMODEデータは破棄される。その後、主基板
31から再送信されたMODEデータをコマンド受信バ
ッファ4に保存し、EXTデータをコマンド受信バッフ
ァ5に保存する。従って、MODEデータの受信を終了
したあとコマンド送信中フラグがオフ状態とされる前に
電力供給が停止した場合であっても、電力供給が再開し
たあとに制御コマンドが正常に受信される。
【0545】次に、EXTデータの受信中(図43に示
されたf〜gの期間中)に電力供給が停止したあとに電
力供給が再開した場合について説明する。この場合、図
77(C)に示すように、コマンド受信側基板は、例え
ばコマンド受信バッファ1にMODEデータを保存した
あと、コマンド受信バッファ2に記憶する処理を行って
いたEXTデータを完全に取り込んでいない状態で電力
供給が停止した状態となる。その後、電力供給が再開す
ると、コマンド受信側基板では、コマンド受信バッファ
の内容が復元される。次いで、受信した初期設定コマン
ド(この例では、ステップS83またはステップS84
で送信されるコマンド)のMODEデータをコマンド受
信バッファ2に上書き保存する。また、受信した初期設
定コマンドのEXTデータをコマンド受信バッファ3に
保存する。その後、主基板31から再送信されたMOD
Eデータをコマンド受信バッファ4に保存し、再送信さ
れたEXTデータをコマンド受信バッファ5に保存す
る。従って、MODEデータの受信中に電力供給が停止
した場合であっても、電力供給が再開したあとに制御コ
マンドが正常に受信される。
【0546】なお、この例では、EXTデータの受信を
完了したあとコマンド送信中フラグがオフ状態とされる
前(図43に示されたg〜hの期間)に電力供給が停止
し、その後に電力供給が再開した場合には、制御コマン
ドがMODEデータから再送されることとなる。従っ
て、EXTデータの受信を完了したあとコマンド送信中
フラグがオフ状態とされる前に電力供給が停止し、その
後に電力供給が再開した場合に、制御コマンドが重複受
信されることを防止するために、図43に示されたg〜
hの期間ができるだけ短い期間となるように、ステップ
S367(図42参照)で設定されるウェイトカウンタ
の値を調整することが望ましい。理想的には、コマンド
受信処理の完了時と、コマンド送信中フラグがオフ状態
とするときとが同一となるように、ステップS367
(図42参照)で設定されるウェイトカウンタの値を調
整する。
【0547】上記のように、遊技制御手段(例えば、C
PU56)が、コマンドの送信に関連する処理(例え
ば、コマンドセット処理:図41参照)の実行中に遊技
機への電力供給が停止し、その後に電力供給が開始した
場合には、コマンドの送信に関連する処理を所定のタイ
ミング(例えば、コマンドセット処理の最初)から再度
実行し、電力供給が停止したときに送信中のコマンドが
あった場合には、当該、コマンドの少なくとも一部(M
ODEデータ、あるいは制御コマンド)を再送する構成
としたので、コマンドの出力にかかわる処理の実行中に
電力供給が停止した場合であっても、電力供給再開後に
そのコマンドを確実に送信することができる。
【0548】なお、上記の例では、遊技状態復旧処理で
初期設定コマンドを送信する構成としていたが、再送す
るコマンドデータが存在するときには初期設定コマンド
を送信しない構成としてもよい。
【0549】また、上述した実施の形態では、制御コマ
ンドがMODEデータとEXTデータとで構成されてい
たが、制御コマンドは3以上のデータによって構成され
ていてもよく、1のデータによって構成されていてもよ
い。また、制御コマンドは、上述したように、2バイト
構成に限られない。
【0550】また、上述した実施の形態では、INT信
号の受信に応じてコマンドの受信処理(図56参照)が
実行される構成としていたが、INT信号が用いられる
ことなくコマンド受信処理を実行する構成とされていて
もよい。この場合、例えば、コマンド受信側の各電気部
品制御基板が、所定期間毎にコマンド入力ポート(例え
ば、図47に示す入力ポートA)を監視するようにし、
ポートの状態に応じてコマンド受信処理を実行する構成
とすればよい。
【0551】また、上述した実施の形態では、コマンド
を複数の信号線を用いて伝送する構成としていたが、コ
マンドをシリアル信号によって構成し、1の信号線を用
いたシリアル伝送を行うように構成されていてもよい。
【0552】なお、上述した実施の形態においては詳し
く説明していなかったが、コマンド受信処理(図56参
照)の実行中に電力供給が停止し、その後に電力供給が
開始すると、コマンド受信側基板のCPUは、コマンド
受信処理を再開するが、復旧時には、入力ポート(例え
ば、図47に示す入力ポートA)の内容が正規のコマン
ド形式とはなっていない。従って、電力供給が開始して
再開したコマンド受信処理において、ステップS851
で読み込んだデータは、規則外のデータと判定されるの
で(ステップS851aのN)、受信コマンドバッファ
に格納されない。その後、コマンド受信側基板のCPU
は、状態復旧した主基板31によって再送されてきたコ
マンドを受信する処理(図56参照)を行う。
【0553】また、上述した実施の形態では、ステップ
S362(図42参照)で設定されるウェイトカウンタ
の値と、ステップS367(図42参照)で設定される
ウェイトカウンタの値とを調整することで、コマンド受
信側の基板でのコマンド受信処理(図56参照)の実行
期間を確保する構成としていたが、何れか一方で設定さ
れるウェイトカウンタの値によってコマンド受信処理の
実行期間を確保するようにしてもよい。例えば、INT
信号が立ち上げられたあとの立下りに従ってコマンド受
信処理が開始される場合(例えば、ステップS336の
処理の実行に応じてコマンド受信処理が開始される場
合)には、ステップS367(図42参照)で設定され
るウェイトカウンタの値を調整することでウェイト期間
を調整し、コマンド受信処理の実行期間を確保するよう
にすればよい。
【0554】また、上記の実施の形態では、遊技制御以
外の電気部品制御手段として、主として、電気部品とし
ての球払出装置97等を制御する払出制御手段を例にし
た。それは、払出制御コマンドの送受信処理に不備があ
ると、払い出されるべき遊技球が払い出されないという
事態を招くおそれがあり、遊技者の不利益に直結するた
め、かかる事態を招くことを回避することが可能な実施
の形態を示すためのである。しかし、他の制御コマンド
の送受信処理に不備があった場合にも遊技者に対して不
利益を及ぼす可能性があり、またコマンドの送受信処理
に不備があった場合に遊技演出が円滑に実行されない事
態を招くおそれもあるため、それらの問題を解消するた
めに、本発明が適用される電気部品制御手段が、払出制
御手段以外の他の制御手段であるとしてもよい。
【0555】また、上述した実施の形態では、遊技媒体
の払い出しが可能であるか否かを判定する払出状態判定
手段(遊技制御手段の一部)が払出可能でないことを検
出したら、原因の如何に関わらず、1種類の払出停止状
態指定コマンド(すなわち、この実施の形態では、払出
停止状態指定コマンドは、払い出しを禁止する複数種類
の条件のうちのどの条件が成立した場合であっても、共
通して用いられるコマンドとされている。)が送信され
るようにしたが、原因別のコマンド(上述した例では、
補給球の不足を示すコマンドと下皿満タンを示すコマン
ド)に分けて送信してもよい。この場合、払出状態判定
手段がいずれかの払出禁止条件が不成立となったことを
検出したら、該当する払出禁止条件が解除されたことを
示すコマンド(例えば、補給球の不足の解消を示すコマ
ンド、下皿満タンの解消を示すコマンド)を送信するよ
うにすればよい。上記の構成とする場合、払出制御手段
は、払い出しの禁止条件の原因別に設けられているコマ
ンドのいずれかを受信した場合に払出制御の実行が不能
な状態とし、払い出しを禁止する複数種類の条件の全て
が解除された場合(例えば、払出禁止条件別に設けられ
たそれぞれのフラグが全て条件不成立を示す状態となっ
た場合)に払出制御の実行が可能な状態とすればよい。
【0556】また、遊技球の払出が可能でない場合に、
遊技の継続を禁止するために遊技球の発射を禁止するこ
とを指示するコマンドを払出制御基板37に対して送信
してもよい。払出制御基板37に搭載された払出制御手
段は、遊技球の発射を禁止することを指示するコマンド
を受信したら、打球発射装置の駆動を停止する。また、
遊技球の払出が可能でない場合に、遊技制御手段が発射
制御手段に対して、直接、遊技球の発射を禁止すること
を指示する信号を与えてもよい。また、払出制御手段
は、払出停止状態指定コマンドを受信した場合に、打球
発射装置の駆動を停止するようにしてもよい。
【0557】また、上述した実施の形態では、電力供給
が開始されたあとに払出制御の実行が可能な状態とする
場合には、払出許可状態指定コマンドを送信する構成と
していたが、例えば払出個数を指定する払出制御コマン
ドなどの他のコマンドを用いる構成としてもよい。すな
わち、払出制御用CPU371が、電源供給が開始され
たあと、主基板31からの何らかのコマンドを受信した
ことにもとづいて、遊技球の払出制御を実行する構成と
してもよい。主基板31がコマンドを送信したというこ
とは、主基板31は確実に立ちあがっていることにな
る。従って、上記のように構成した場合であっても、電
力供給が開始された場合に、CPU56が確実に制御可
能な状態となったあとに払出制御を実行することができ
る。
【0558】また、上記の実施の形態では、CPU56
が初期化処理において払出禁止条件が成立しているか否
かの判定を行う構成としていたが、CPU56が、初期
化処理ではそのような判定処理を実行することなく(す
なわち、ステップS13a、ステップS13bを実行し
ない)、払出禁止状態に設定する(例えば、球切れフラ
グと満タンフラグをともにオン状態とする)処理を行う
ようにし、遊技制御処理で実行される処理(スイッチ処
理など、具体的にはステップS150〜ステップS16
8の処理。)を用いて払出禁止状態の解除を指示する構
成としてもよい。このように構成すれば、CPU56が
制御可能な状態となったあとに払出制御を実行可能にす
ることが、従来から実行されている処理を流用して行う
ことができる。
【0559】電力供給が開始した場合に制御状態を復旧
させる場合についても、同様に、CPU56が、払出禁
止条件が成立しているか否かの判定処理を実行すること
なく(すなわち、ステップS82、ステップS83を実
行しない)、払出禁止状態に設定する(例えば、払出停
止中フラグをオン状態とする)処理を行うようにし、遊
技制御処理で実行される処理(スイッチ処理など、具体
的にはステップS150〜ステップS168の処理。)
を用いて払出禁止状態の解除を指示する構成としてもよ
い。このように構成すれば、制御状態を復旧させる場合
についても、CPU56が制御可能な状態となったあと
に払出制御を実行可能にすることが、従来から実行され
ている処理を流用して行うことができる。
【0560】上記のように、遊技状態復旧処理および払
出状態復旧処理、または遊技制御手段および払出制御手
段での初期化処理においてそれぞれ払出禁止状態に設定
する構成とする場合には、遊技制御手段と払出制御手段
とで払出禁止状態であるか否かの認識に食い違いが発生
してしまうことを防止することができる。
【0561】また、上述した実施の形態では、払出モー
タ289として、払出制御用CPU371からのパルス
信号(駆動信号)によって回転するステッピングモータ
を用いる構成としたが、ソレノイドを用いる構成として
もよい。この場合、電力供給停止時処理において、賞球
カウントスイッチ301Aや球貸しカウントスイッチ3
01Bの状態を確認する処理の前(例えばステップS8
16の前)に、払出モータ289の駆動を停止させる処
理を行うようにすればよい。このように構成すれば、ソ
レノイドを用いて払出モータ289を構成したとして
も、電力消費を抑制することができるようになる。
【0562】また、上記の実施の形態では、払出手段は
球貸しも賞球払出も実行可能な構成であったが、球貸し
を行う機構と賞球払出を行う機構とが独立していても本
発明を適用することができる。その場合、球貸しを行う
機構と賞球払出を行う機構とが独立していても、払出制
御手段が両方の機構を制御するように構成されていれ
ば、上記の実施の形態のように、遊技制御手段が、複数
の景品払出禁止条件のうちいずれの条件が成立した場合
でも、払出手段における賞球払出を行う機構からの景品
としての遊技媒体の払い出しを禁止することを示す共通
の景品払出禁止状態指定コマンドを払出制御手段に対し
て送信し、複数の貸出禁止条件のうちいずれの条件が成
立した場合でも、払出手段における球貸しを行う機構か
らの遊技媒体の貸し出しを禁止することを示す共通の貸
出禁止状態指定コマンドを払出制御手段に対して送信す
るように構成することができる。
【0563】また、上記の実施の形態では、球切れ状態
や下皿満タン状態である場合に払出禁止条件が成立する
ものとしていたが、他の払い出しを行うことが好ましく
ない場合や払い出しを行うことができない場合に払出禁
止条件が成立するようにしてもよい。例えば、ガラス扉
枠2が開状態となっているとき、カウントスイッチ短絡
信号が入力されているとき、VL信号の入力状態により
カードユニット50が未接続状態であることが確認され
ているとき、賞球詰まりフラグがオンであるとき、ある
いは貸し球詰まりフラグがオンであるときなどの場合
に、払出禁止条件が成立するように構成されていてもよ
い。
【0564】実施の形態2.図78は、第2の実施の形
態(実施の形態2)における主基板31から他の各電気
部品制御基板(サブ基板)に送信される制御コマンド
(払出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コ
マンド、音制御コマンド)の送出形態を示すタイミング
図である。この例では、上述した実施の形態とは異なる
形態の制御コマンドを用いる。すなわち、この例では、
図79に示すように、出力ポート0(図8参照)が、各
電気部品制御基板に送出される制御コマンドの割込信号
およびストローブ信号(STB信号)の出力ポートとし
て用いられる。他の出力ポートからは、上述した第1の
実施の形態と同じデータが出力される。例えば、払出制
御信号用の割込信号は、払出制御用CPU371の割込
端子に入力される。また、払出制御信号用のSTB信号
は、I/Oポートに入力される。なお、この実施の形態
では、主として払出制御コマンドに関する処理について
説明するものとする。
【0565】図80は、RAM領域の一部を示す説明図
である。図80に示すように、この例では、RAM55
には、出力ポート0出力内容記憶領域〜出力ポート6出
力内容記憶領域がある。出力ポート0出力内容記憶領域
〜出力ポート6出力内容記憶領域は、それぞれ、出力ポ
ート0〜出力ポート6に出力される内容を記憶する領域
であり、出力ポート0出力内容記憶領域〜出力ポート6
出力内容記憶領域のそれぞれのビット構成は、出力ポー
ト0〜出力ポート6のビット構成と同一である。
【0566】図78に示すように、主基板31(メイ
ン)からコマンドデータが出力された後、割込信号およ
びSTB信号がオン状態になる。このように、遊技制御
手段は、コマンドデータの出力に関連して、データ出力
中信号(この例ではSTB信号)の出力タイミングと同
タイミングで、コマンドデータの電気部品制御手段への
入力を指示するための指示信号としての割込信号を出力
する。
【0567】その後、メインからの割込信号はオフ状態
になり、サブ基板の電気部品制御手段がコマンド受信処
理を完了した後のタイミングで、メインからのSTB信
号はオフ状態になる。
【0568】図81は、払出制御コマンドを送信するた
めのコマンド制御処理の一例を示すフローチャートであ
る。払出制御コマンドを送信するためのコマンド制御処
理は、例えば、図21に示されたフローチャートにおけ
るステップS32の賞球処理において実行される。払出
制御コマンドを送信するためのコマンド制御処理におい
て、CPU56は、出力ポート1出力内容記憶領域(出
力ポート1の出力内容を記憶する領域。なお、払出制御
コマンドの送出要求を行うための払出制御コマンド送出
要求フラグに対応して設けられている。)に、送出すべ
き払出制御コマンドのコマンドデータを書き込む(ステ
ップS321)。そして、払出制御コマンド送出要求フ
ラグをセットする(ステップS322)。なお、ステッ
プS321では出力ポート1出力内容記憶領域ではなく
バックアップRAMにおける他の領域にコマンドデータ
を書き込み、実際にコマンドデータが出力ポート1に出
力されるときに、出力ポート1出力内容記憶領域にコマ
ンドデータを書き込むように構成してもよい。
【0569】例えば、賞球払出数を指定するための払出
制御コマンドとして、01(H)〜0F(H)のいずれ
かが用いられる。従って、1個〜15個の賞球払出数を
指定することができる。また、払出制御状態を指定する
ための払出制御コマンドとして、01(H)〜0F
(H)以外の1バイトのデータが用いられる。例えば、
払出禁止を指定する場合には11(H)が用いられ、払
出禁止解除を指定する場合には12(H)が用いられ
る。あるいは、払出禁止/払出禁止解除の原因毎に払出
制御コマンドを定義してもよい。例えば、球切れ(補給
球不足)の場合にはF0(H)、その解除の場合にはF
1(H)、下皿満タンの場合にはF2(H)、その解除
の場合にはF3(H)のようにしてもよい。さらに、1
バイトのうちの上位の4ビットを指示の種類を示すデー
タとし、下位の4ビットを具体的内容を示すデータとし
てもよい。例えば、上位4ビットが0000であれば賞
球払出数を指示することとし下位4ビットで賞球数を示
すようにする。また、上位4ビットが0001であれば
払出禁止/払出禁止解除を指示することにしてもよい。
【0570】この例では、例えば図21に示した割込処
理(ただし、本例では図21の処理とは異なるタイミン
グで割込処理が実行される)にてポート出力処理および
ポート入力処理が実行され、ポート出力処理によって制
御コマンドが出力されるとともに、ポート入力処理によ
って入力ポートのデータが読み出され、読み出されたデ
ータが所定のRAM領域に書き込まれる。この実施の形
態における割込処理では、RAM領域の内容にもとづい
て入力ポートの入力状態を認識する。ポート出力処理
は、出力ポート1出力内容記憶領域〜出力ポート6出力
内容記憶領域の内容を出力ポート1〜6に出力するとと
もに、制御コマンドが各サブ基板における電気部品制御
手段に受信可能なように割込信号およびSTB信号を制
御する処理である。
【0571】図82は、この実施の形態における割込処
理にて実行されるポート出力処理の構成例を示すフロー
チャートである。ポート出力処理において、CPU56
は、出力ポート5出力内容記憶領域のデータを出力ポー
ト5(図16参照)に出力する(ステップS201)。
また、出力ポート6出力内容記憶領域のデータを出力ポ
ート6(図16参照)に出力する(ステップS20
2)。なお、出力ポート5出力内容記憶領域および、出
力ポート6出力内容記憶領域には、この実施の形態にお
ける割込処理において、出力ポートの各ビットのオン/
オフに応じたデータが設定されている。例えば、出力ポ
ート5出力内容記憶領域のビット0〜2は、割込処理に
おけるソレノイド出力処理(ステップS31)でオン/
オフ(セット/リセット)される。
【0572】次いで、CPU56は、制御コマンド(払
出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)を送信するための制御(ステップ
S203〜S213)を行う。まず、制御コマンド送出
要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラグ、表示制
御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマンド送出要
求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラグ)がセッ
トされているか否か確認する(ステップS203)。い
ずれの制御コマンド送出要求フラグもセットされていな
い場合には、何もせずリターンする。
【0573】いずれかの制御コマンド送出要求フラグが
セットされている場合には、その制御コマンド送出要求
フラグに対応したポート出力内容記憶領域(出力ポート
1出力内容記憶領域〜出力ポート4出力内容記憶領域の
いずれか)のデータを、対応する出力ポート(出力ポー
ト1〜出力ポート4のいずれか)に出力する(ステップ
S204)。例えば、払出制御コマンド送出要求フラグ
がセットされていた場合には、出力ポート1出力内容記
憶領域のデータを出力ポート1(図79参照)に出力す
る。このタイミングは、図78におけるa区間の開始時
に相当する。
【0574】次に、CPU56は、出力ポート0の、デ
ータを出力した出力ポート(出力ポート1〜出力ポート
4のいずれか)に対応した出力ポート0の割込信号のビ
ット(ビット0〜3のいずれか)と、出力ポート0のS
TB信号のビット(ビット4〜7のいずれか)とに
「1」を出力する(ステップS205)。例えば、ステ
ップS204において出力ポート1出力内容記憶領域の
データを出力ポート1に出力した場合には、出力ポート
0のビット0(払出制御信号用割込信号)とビット4
(払出制御信号用STB信号)とに「1」を出力する。
このタイミングは、図78におけるb区間の開始時に相
当する。なお、ステップS204とS205との間に、
ディレイ時間をおいてもよい。
【0575】そして、対応する制御コマンド送出要求フ
ラグをクリアする(ステップS206)。例えば、ステ
ップS204において出力ポート1出力内容記憶領域の
データを出力ポート1に出力した場合には、払出制御コ
マンド送出要求フラグをクリアする。また、出力ポート
0の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピー
しておく(ステップS207)。
【0576】次いで、図78におけるb区間とc区間の
時間の合計に相当する時間だけ待ってから(ステップS
208)、データを出力した出力ポート(出力ポート1
〜出力ポート4のいずれか)に対応した出力ポート0の
割込信号のビット(ビット0〜3のいずれか)を「0」
にする(ステップS209)。例えば、ステップS20
4において出力ポート1出力内容記憶領域のデータを出
力ポート1に出力した場合には、出力ポート0のビット
0(払出制御信号用割込信号)に「0」を出力する。ま
た、出力ポート0の出力状態を出力ポート0出力内容記
憶領域にコピーしておく(ステップS210)。このタ
イミングは、図78におけるd区間の開始時に相当す
る。なお、b区間は、主基板31が割込信号を出力して
からサブ基板において割込が受け付けられるまでの遅れ
時間に相当する。
【0577】さらに、図78におけるd区間とe区間の
時間の合計に相当する時間だけ待ってから(ステップS
351)、データを出力した出力ポート(出力ポート1
〜出力ポート4のいずれか)に対応した出力ポート0の
STB信号のビット(ビット4〜7のいずれか)を
「0」にする(ステップS212)。例えば、ステップ
S204において出力ポート1出力内容記憶領域のデー
タを出力ポート1に出力した場合には、出力ポート0の
ビット4(払出制御信号用STB信号)に「0」を出力
する。また、出力ポート0の出力状態を出力ポート0出
力内容記憶領域にコピーしておく(ステップS21
3)。このタイミングは、図78におけるe区間の終了
時に相当する。
【0578】なお、ステップS203において、制御コ
マンド送出要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラ
グ、表示制御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマ
ンド送出要求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラ
グ)がリセット状態であった場合には、リセット状態で
あった制御コマンド送出要求フラグに対応したポート出
力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜出力
ポート4出力内容記憶領域のいずれか)に、所定のデー
タ(例えばクリアデータとしての00(H)やクリアデ
ータ以外のFF(H))を設定するとともに、対応する
出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)
に、同じ値を出力するようにしてもよい。すなわち、制
御期間(この例では制御周期としての4ms)内に制御
コマンドの送出制御を実行しない場合には、ポート出力
内容記憶領域の内容を所定の内容としてもよい。
【0579】また、タイマ割込処理は4ms毎に実行さ
れるので、ポート出力処理も4msに1回しか実行され
ない。従って、各電気部品制御基板には、主基板31か
ら、1回の制御期間(この例では4ms)において高々
1つの制御コマンドしか出力されない。
【0580】以上のようにして、図78に示されたよう
なタイミングで、制御コマンドがサブ基板に送出され
る。なお、タイマ割込がかかったときに、複数種類の制
御コマンド送出要求フラグがオンしていたときには、例
えば、あらかじめ決められている優先順位に従って、い
ずれかの制御コマンド送出要求フラグについてステップ
S204〜S213の処理が実行される。
【0581】このように、この実施の形態では、制御コ
マンドのコマンドデータを出力するときに、ポート出力
内容記憶領域のデータを出力ポートに出力する。そし
て、ポート出力内容記憶領域のデータは、電力供給が停
止しても所定期間はその内容が保存されるバックアップ
RAMに設定される。メイン処理ではポート出力内容記
憶領域ではなくバックアップRAMにおける他の領域に
コマンドデータを書き込み、実際にコマンドデータが出
力ポートに出力されるときに、ポート出力内容記憶領域
にコマンドデータを書き込むように構成した場合には、
出力ポートにコマンドデータを出力するときに、ポート
出力内容記憶領域に、出力ポートに出力したコマンドデ
ータが設定される。
【0582】図83は、この実施の形態における遊技状
態復旧処理の一例を示すフローチャートである。この例
では、遊技状態復旧処理において、CPU56は、ま
ず、上述した図20に示した処理(ステップS82〜ス
テップS87を除く各処理)を実行する。
【0583】AFレジスタをスタック領域から復元する
(ステップS92)と、CPU56は、保存されていた
出力ポート1〜4出力内容記憶領域(払出制御信号、表
示制御信号、ランプ制御信号および音制御信号のコマン
ドデータを記憶する領域)の内容を出力ポート1〜4に
出力するとともに、保存されていた出力ポート0出力内
容記憶領域(各制御コマンドに関する割込信号とSTB
信号の出力状態を記憶する領域)の内容を出力ポート0
に出力する(ステップS93)。そして、RET命令が
実行される。
【0584】遊技状態復旧処理において、以上のような
処理が行われることによって、電力供給が停止したとき
に(具体的にはマスク不能割込がかかって電力供給停止
時処理を行っていたときに)、図78に示されたa〜e
区間のいずれかの制御を行っていた場合でも、それぞれ
の制御に復旧する。また、ステップS93の処理によっ
て、制御コマンドに関連する出力ポートの状態も完全に
復元される。従って、例えば、a区間の状態に復旧した
場合には、制御コマンドのコマンドデータが出力ポート
に出力された状態で、電力供給が停止したときの制御状
態に復旧することができる。この場合、電力供給が停止
したときの制御状態は、制御コマンドのコマンドデータ
を出力した後、割込信号およびSTB信号を出力する前
の状態である(図82におけるステップS204の処理
完了後、ステップS205の処理開始前)。よって、制
御状態が復旧することによってステップS205の処理
が開始され、割込信号およびSTB信号が出力ポートに
出力される。
【0585】このように、遊技制御手段は、コマンドデ
ータを出力した後にコマンドデータの取り込み(電気部
品制御手段への入力)を指示するための信号(この例で
は割込信号およびSTB信号)を出力するまでの間に電
力供給が停止した場合には、電力供給が再開されたとき
に、コマンドデータに関する出力ポートの状態を復旧さ
せた後、コマンドデータの取り込みを指示するための信
号を出力するように構成されている。従って、コマンド
データを出力した後、指示信号を出力するまでの間に電
力供給が停止しても、確実にコマンドの送受信が実行さ
れる。
【0586】次に、この例における払出制御用CPU3
71の処理について説明する。図84は、この実施の形
態における入力ポートのビット割り当てを示す説明図で
ある。図84に示すように、この例では、入力ポートB
(アドレス07H)のビット7に、主基板31からの払
出制御信号用STB信号が入力される。その他の入力ポ
ートの各ビットには、上述した図47に示した入力ポー
トと同一の信号が入力される。
【0587】図85は、払出制御手段(払出制御用CP
U371およびROM,RAM等の周辺回路)がプログ
ラムに従って実行するメイン処理を示すフローチャート
である。メイン処理では、払出制御用CPU371は、
上述したステップS701〜ステップS705の処理を
実行したあとに(図48参照)、ウォッチドッグクリア
処理(ステップS705A)を行って、RAMをアクセ
ス可能状態に設定する(ステップS706)。ステップ
S705Aでは、払出制御用CPU371がウォッチド
ッグ機能を内蔵し、それを利用している場合には、ウォ
ッチドッグ機能の初期化およびタイマクリア処理が行わ
れる。
【0588】この実施の形態では、内蔵CTCのうちの
一つのチャネルがタイマモードで使用される。従って、
ステップS704の内蔵デバイスレジスタの設定処理お
よびステップS705の処理において、使用するチャネ
ルをタイマモードに設定するためのレジスタ設定、割込
発生を許可するためのレジスタ設定および割込ベクタを
設定するためのレジスタ設定が行われる。そして、その
チャネルによる割込がタイマ割込として用いられる。タ
イマ割込を例えば1ms毎に発生させたい場合は、初期
値として1msに相当する値が所定のレジスタ(時間定
数レジスタ)に設定される。
【0589】なお、タイマモードに設定されたチャネル
(この実施の形態ではチャネル3)に設定される割込ベ
クタは、タイマ割込処理の先頭アドレスに相当するもの
である。具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベ
クタとでタイマ割込処理の先頭アドレスが特定される。
タイマ割込処理では、払出制御処理が実行される。
【0590】また、内蔵CTCのうちの他の一つのチャ
ネル(この実施の形態ではチャネル2)が、遊技制御手
段からの払出制御コマンド受信のための割込発生用のチ
ャネルとして用いられ、そのチャネルがカウンタモード
で使用される。従って、ステップS704の内蔵デバイ
スレジスタの設定処理、およびステップS705の処理
において、使用するチャネルをカウンタモードに設定す
るためのレジスタ設定、割込発生を許可するためのレジ
スタ設定および割込ベクタを設定するためのレジスタ設
定が行われる。
【0591】カウンタモードに設定されたチャネル(チ
ャネル2)に設定される割込ベクタは、後述するコマン
ド受信割込処理の先頭アドレスに相当するものである。
具体的は、Iレジスタに設定された値と割込ベクタとで
コマンド受信割込処理の先頭アドレスが特定される。
【0592】この実施の形態では、払出制御用CPU3
71でも割込モード2が設定される。従って、内蔵CT
Cのカウントアップにもとづく割込処理を使用すること
ができる。また、CTCが送出した割込ベクタに応じた
割込処理開始アドレスを設定することができる。
【0593】CTCのチャネル2(CH2)のカウント
アップにもとづく割込は、上述したタイマカウンタレジ
スタCLK/TRG2の値が「0」になったときに発生
する割込である。従って、例えばステップS705にお
いて、特定レジスタとしてのタイマカウンタレジスタC
LK/TRG2に初期値「1」が設定される。さらに、
CLK/TRG2端子に入力される信号の立ち上がりま
たは立ち下がりで特定レジスタとしてのタイマカウンタ
レジスタCLK/TRG2のカウント値が−1されるの
であるが、所定の特定レジスタの設定によって、立ち上
がり/立ち下がりの選択を行うことができる。この実施
の形態では、CLK/TRG2端子に入力される信号の
立ち上がりで、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2のカウント値が−1されるような設定が行われる。
【0594】また、CTCのチャネル3(CH3)のカ
ウントアップにもとづく割込は、CPUの内部クロック
(システムクロック)をカウントダウンしてレジスタ値
が「0」になったら発生する割込であり、後述する1m
sタイマ割込として用いられる。具体的には、CPU3
71の動作クロックを分周したクロックがCTCに与え
られ、クロックの入力によってレジスタの値が減算さ
れ、レジスタの値が0になるとタイマ割込が発生する。
例えば、CH3のレジスタ値はシステムクロックの1/
256周期で減算される。分周したクロックにもとづい
て減算が行われるので、レジスタの初期値は大きくなら
ない。ステップS705において、CH3のレジスタに
は、初期値として1msに相当する値が設定される。
【0595】CTCのCH2のカウントアップにもとづ
く割込は、CH3のカウントアップにもとづく割込より
も優先順位が高い。従って、同時にカウントアップが生
じた場合に、CH2のカウントアップにもとづく割込、
すなわち、コマンド受信割込処理の実行契機となる割込
の方が優先される。
【0596】次いで、払出制御用CPU371は、図4
8にて説明したように、ステップS707〜ステップS
709の判定処理の一部または全部を実行する。
【0597】なお、この例では、払出制御用CPU37
1は、例えば、オン状態が少なくとも1ms(1ms毎
に起動される処理の1回目の処理における検出直前に検
出信号がオンした場合)継続しないとスイッチオンとは
見なさないが、クリアスイッチ921のオン検出の場合
には、1回のオン判定でオン/オフが判定される。すな
わち、初期化操作手段としてのクリアスイッチ921が
所定の操作状態であるか否かを払出制御用CPU371
が判定するための初期化要求検出判定期間は、遊技媒体
検出手段としての賞球カウントスイッチ等が遊技媒体を
検出したことを判定するための遊技媒体検出判定期間と
は異なる期間とされている。
【0598】ステップS709でのチェック結果が正常
でない場合などには、不測の停電等からの復旧時ではな
く電源投入時に実行される初期化処理を実行する。初期
化処理では、上述したステップS711,ステップS7
12,ステップS714の処理が実行される(図48参
照)。なお、この例では、ステップS712にて、1m
s毎に定期的にタイマ割込がかかるように払出制御用C
PU371に設けられているCTCのレジスタの設定が
行われる。すなわち、初期値として1msに相当する値
が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。
また、この例では、初期化処理にて、内部状態を払出禁
止状態に設定する処理が実行される。
【0599】このように、この例における遊技制御手段
以外の電気部品制御手段においても、電力供給が開始さ
れた場合に、電力供給が停止する前の制御状態に復旧さ
せるか否かを決めるための復旧条件が複数あり、電気部
品制御手段は、復旧条件の全てが成立していたら電力供
給が停止する前の制御状態に復旧させ、復旧条件のうち
少なくとも1つが成立していなかったら制御状態を初期
化する初期化処理を行うように構成されている。従っ
て、誤って復旧処理がなされ、誤った制御がなされてし
まうことが防止される。なお、この例では、復旧条件の
成立は、クリアスイッチ921の押下がないこと、バッ
クアップフラグがオン状態であること、およびパリティ
チェックの結果が正常であったことである。
【0600】ステップS709にてチェック結果が正常
であれば、払出制御用CPU371は、内部状態を電力
供給停止時の状態に戻すための払出状態復旧処理を行う
(ステップS710)。なお、この例では、払出制御用
CPU371は、図50に示した処理と同様にして払出
状態復旧処理を行い、内部状態を払出禁止状態に設定す
る処理を実行する。なお、内部状態を払出禁止状態に設
定するということは、例えば、対応する内部フラグを設
定することである。そして、バックアップRAM領域に
保存されていたPC(プログラムカウンタ)の指すアド
レスに復帰する。
【0601】この実施の形態では、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグとして1バイトデータであ
るバックアップフラグを用いたが、電力供給停止時処理
を実行したことを示すフラグであればどのような形態の
フラグを用いてもよい。また、そのようなフラグは複数
あってもよい。
【0602】次いで、払出制御処理(ステップS751
A〜S760)が繰り返し(ループ処理で)実行され
る。
【0603】払出制御処理において、払出制御用CPU
371は、まず、ウォッチドッグクリア処理を実行する
(ステップS751A)。ステップS751Aでは、払
出制御用CPU371がウォッチドッグ機能を内蔵し、
それを利用している場合には、内蔵されているウォッチ
ドッグタイマにタイマクリアするためのデータを書き込
む処理が行われる。なお、リセットIC976に信号を
与えることによってウォッチドッグ機能を実現する構成
としてもよく、そのように構成されている場合には、1
パルスの信号を出力する。
【0604】そして、上述したステップS752〜ステ
ップS760の処理が実行される(図48参照)。その
後、ステップS751Aに戻る。なお、この例では、後
述するように、タイマ割込処理において、入力ポートの
データが所定のRAM領域に保存されている。従って、
ステップS752のスイッチ処理では、そのRAM領域
を介して、賞球カウントスイッチ301Aや球貸しカウ
ントスイッチ301B等のスイッチの検出信号を認識
し、それらの状態判定を行う。また、この実施の形態で
は、後述するように、タイマ割込処理において、出力ポ
ート出力内容記憶領域のデータが出力ポートに出力され
る。従って、ステップS758の払出モータ制御処理で
は、出力ポート出力内容記憶領域に駆動信号等を設定す
る。
【0605】図86は、この例におけるタイマ割込処理
を示すフローチャートである。タイマ割込処理におい
て、払出制御用CPU371は、レジスタの退避処理を
行った後(ステップS793)、ポート入力処理(ステ
ップS794)、ポート出力処理(ステップS795)
およびタイマ更新処理(ステップS796)を行う。そ
して、レジスタの復旧処理を行い(ステップS79
7)、割込許可状態にして(ステップS798)、処理
を終了する。
【0606】ステップS794のポート入力処理は、入
力ポートのデータを読み出して、読み出したデータを所
定のRAM領域に書き込む処理である。払出制御処理
(図85に示されたループ処理)では、RAM領域の内
容にもとづいて入力ポートの入力状態を認識する。ステ
ップS795のポート出力処理は、出力ポート出力内容
記憶領域の内容を対応する出力ポートに出力する処理で
ある。ステップS796のタイマ更新処理は、払出制御
処理において用いられている各種タイマの値を減算する
処理である。例えば、払出制御処理では、タイマに計測
時間に相当した値をタイマにセットし、タイマの値が0
になったらタイムアウトしたと認識する。
【0607】図87は、主基板31からの割込信号(払
出制御用)に応じて起動されるコマンド受信割込処理を
示すフローチャートである。コマンド受信割込処理にお
いて、払出制御用CPU371は、レジスタの退避処理
を行った後(ステップS850)、入力ポートB(図8
4参照)のデータを入力する(ステップS861)。そ
して、そのビット7を確認する(ステップS862)。
払出制御用STB信号がオン状態であれば、入力ポート
A(図84参照)のデータを入力する(ステップS86
3)。そして、入力したデータを、コマンド受信個数カ
ウンタが示す受信コマンドバッファに格納し(ステップ
S864)、コマンド受信個数カウンタの値を更新する
(ステップS865)。
【0608】その後、レジスタ復旧処理を行い(ステッ
プS859)、割込許可状態にして(ステップS86
0)、処理を終了する。以上のように、この実施の形態
では、払出制御手段は、指示信号(割込信号)とデータ
出力中信号(STB信号)の両方の出力を検出した場合
に、コマンドデータを入力する処理(ステップS86
3)を実行することになる。
【0609】なお、この例では、主基板31から受信し
た払出制御コマンドを格納するための受信バッファとし
て、払出制御コマンドを4個格納可能なリングバッファ
形式の受信バッファが用いられる。従って、受信バッフ
ァは、受信コマンドバッファ1〜4の4バイトの領域で
構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格
納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられ
る。コマンド受信個数カウンタは、0〜3の値をとる。
【0610】なお、コマンド解析実行処理は図85に示
されたメイン処理で実行され、その処理において、読出
ポインタが指す受信バッファの内容が読み出されるとと
もに読出ポインタの値が+1される。また、主基板31
の遊技制御手段は、4msの制御期間において1つしか
払出制御コマンドを送信しない。従って、通常、受信バ
ッファに、複数の払出制御コマンドが記憶されているこ
とはない。
【0611】図88および図89は、この例における払
出制御用CPU371によって電源基板910からの電
源断信号に応じて実行されるマスク不能割込処理(NM
I処理:電力供給停止時処理)の処理例を示すフローチ
ャートである。
【0612】電力供給停止時処理において、払出制御用
CPU371は、上述したステップS801〜ステップ
S807の処理(図51参照)を実行する。なお、ステ
ップS801〜S807の処理は、電源監視手段の検出
信号に応じて制御状態を復旧させるために必要なデータ
を変動データ記憶手段に保存させるためのデータ退避処
理に相当する。
【0613】次に、処理ループ回数としてあらかじめ決
められた値をセットし(ステップS601)、賞球カウ
ントスイッチ301Aのチェック処理と払出制御コマン
ド受信処理とを所定期間実行するループ処理に移行す
る。払出制御用CPU371は、まず、ウォッチドッグ
クリア処理を行う(ステップS602)。次いで、入力
ポートB(図84参照)のデータを入力する(ステップ
S603)。そして、入力したデータのビット7(払出
制御用STB信号)を確認する(ステップS604)。
払出制御用STB信号がオン状態であって、オン状態の
確認が最初のものであれば(ステップS605)、入力
ポートA(図84参照)のデータを入力し、入力したデ
ータをコマンドバッファに格納する(ステップS60
6)。
【0614】コマンドバッファは、通常の制御時に使用
される通常時コマンド記憶領域としての受信バッファと
は異なるRAM領域に設けられているバックアップコマ
ンド記憶領域であり、電力供給停止時でも所定期間は保
存される。
【0615】次いで、ポートチェック回数としてあらか
じめ決められている値をセットし(ステップS60
7)、入力ポートBのデータを入力する(ステップS6
08)。そして、スイッチチェックタイミングが到来し
ていない場合には(ステップS609)、ポートチェッ
ク回数を減算し(ステップS610)、その値が0にな
っていなければステップS608に戻る(ステップS6
11)。0になっていれば、ステップS617に移行す
る。
【0616】スイッチチェックタイミングが到来してい
る場合には、スイッチチェック処理を行う(ステップS
612)。そして、賞球カウントスイッチ301Aがオ
ンしたことを検出したら(ステップS613)、総合個
数記憶(総賞球数格納バッファ)の値を1減算し(ステ
ップS614)、ステップS617に移行する。また、
球貸しカウントスイッチ301Bがオンしたことを検出
したら(ステップS615)、貸し球個数記憶(貸し球
個数格納バッファ)の値を1減算し(ステップS61
6)、ステップS617に移行する。なお、スイッチチ
ェック処理は、賞球カウントスイッチ301Aが確かに
オンしたか否かを検出するとともに、球貸しカウントス
イッチ301Bが確かにオンしたか否かを検出する処理
であり、例えば、所定回連続して賞球カウントスイッチ
301Aあるいは球貸しカウントスイッチ301Bのオ
ン状態が検出されたら、ステップS613で賞球カウン
トスイッチ301Aが確かにオンしたと判断され、ある
いはステップS615で球貸しカウントスイッチ301
Bが確かにオンしたと判断される。
【0617】ステップS617では、処理ループ回数を
減算し、処理ループ回数が0になっていなければステッ
プS602に戻る(ステップS618)。処理ループ回
数が0になっていれば、ステップS808に移行する。
【0618】ステップS808ではスタックポインタを
バックアップRAM領域に退避させる。そして、払出制
御用CPU371は、上述したステップS835〜ステ
ップS846の処理(図53参照)を実行する。
【0619】その後、払出制御用CPU371は、待機
状態(ループ状態)に入る。従って、システムリセット
されるまで、何もしない状態になる。なお、ウォッチド
ッグタイマを使用している場合には、ループ状態でウォ
ッチドッグクリア処理を行っていないので、ウォッチド
ッグタイマがタイムアウトする。ただし、正常な電力供
給停止時にはその前にシステムリセットがかかる。しか
し、例えばノイズ等によってNMIがかかった場合に
は、電力供給停止時ではないのでシステムリセットがか
からないが、ウォッチドッグタイマのタイムアウトによ
ってリセットがかかり、ループから抜け出すことができ
る。
【0620】図78に示されたb〜e期間において電力
供給が停止しマスク不能割込が主基板31のCPU56
にかかると、CPU56は、出力ポートの出力状態を変
更しないので、払出制御用STB信号が出力されていた
場合にはその出力状態は維持されている。すなわち、遊
技制御手段は、コマンドデータの出力に関連してコマン
ドデータを出力していることを示すデータ出力中信号
(この例ではSTB信号)を出力するとともに、電力供
給停止時処理を開始した後にも所定期間(上記の例では
システムリセットされるまでであって、払出制御手段が
コマンド受信を完了するまでの期間よりも短い期間)は
データ出力中信号の出力を維持している。電力供給が停
止するときには払出制御用CPU371にもマスク不能
割込がかかるが、払出制御用CPU371が実行するマ
スク不能割込処理において、所定期間(この例では処理
ループ回数の初期値×S602〜S618のループ時
間)データ出力中信号の状態を監視し(ステップS60
4)、データ出力中信号が出力されている場合には、コ
マンドデータを取り込む処理を実行する。そして、コマ
ンドデータが受信されコマンドバッファに格納される
(ステップS606)。従って、b〜e期間において電
力供給が停止する場合には、払出制御手段において、送
信途中であった払出制御コマンドの受信が完了する。
【0621】なお、図78に示されたc〜d期間におい
て電力供給が停止しマスク不能割込が主基板31のCP
U56にかかると、電力供給停止のタイミングによって
は、電力供給再開後の払出状態復旧処理によってコマン
ド受信割込処理に復旧し、コマンド受信割込処理によっ
て払出制御コマンドを受信してしまう場合も考えられ
る。
【0622】そこで、この実施の形態では、メイン処理
におけるコマンド解析実行処理(ステップS754)に
おいて、まず、コマンドバッファにデータがあるか否か
確認する。コマンドバッファは電力供給停止時処理にお
いて受信した払出制御コマンドを格納するバックアップ
コマンド記憶領域であり、電力供給停止時でも所定期間
は保存されている。コマンドバッファにデータがある場
合には、そのデータについてコマンド解析処理を実行し
た後、コマンドバッファの内容をクリアするとともに、
さらに、通常時コマンド記憶領域としての受信バッファ
をクリアする。すなわち、通常時コマンド記憶領域の内
容を無効にする。
【0623】なお、コマンド解析処理は受信されていた
払出制御コマンドがいかなるコマンドであるかを解析す
る処理であり、例えば、賞球個数を指示する払出制御コ
マンドであったことが確認されたら、総合個数記憶(総
賞球数格納バッファ)の内容を更新する。そして、コマ
ンド受信カウンタを初期化する。すなわち、読出ポイン
タの値と一致させる。
【0624】メイン処理において、このような制御を行
えば、電力供給が停止するときにコマンド受信割込処理
の処理途中であって、電力供給が復旧してコマンド割込
処理の実行が再開され、受信コマンドを受信バッファに
格納したとしても、その受信コマンドはメイン処理にお
いて破棄される。よって、払出制御コマンドがコマンド
バッファと受信バッファの双方に格納されるという状
況、すなわち、払出制御コマンドを二重に受信してしま
うという状況が発生することはない。なお、上述したよ
うに、コマンド受信割込処理中に停電等の不測の電力供
給停止が発生した場合、本来コマンド受信割込処理によ
って受信されるべき払出制御コマンドは、電力供給停止
時処理によって受信され、コマンドバッファに格納され
ている。
【0625】以上に説明したような第2の実施の形態の
構成とした場合であっても、第1の実施の形態と同様の
効果を得ることができる。具体的には、遊技制御手段と
他の電気部品制御手段との間におけるコマンドの送受信
を欠落させないようにすることができる。また、上述し
た第2の実施の形態では、CPU56が、コマンドデー
タとコマンドデータの電気部品制御手段への入力を指示
するための指示信号(例えば割込信号)とを出力ポート
を介して出力することによってコマンドを電気部品制御
手段に送信し、RAM55のバックアップ領域にポート
出力内容記憶領域(例えば出力ポート1出力内容記憶領
域〜出力ポート4出力内容記憶領域)を含むようにする
とともに、CPU56が、電力供給が開始された場合に
RAM55の記憶内容にもとづいて制御状態を復旧させ
る際に、ポート出力内容記憶領域の内容にもとづいて出
力ポートの状態を復旧させる構成としたので、遊技制御
手段と他の電気部品制御手段との間におけるコマンドの
送受信を欠落させないようにすることができる。
【0626】実施の形態3.図90は、第3の実施の形
態(実施の形態3)における主基板31から各電気部品
制御基板(サブ基板)に送信される制御コマンド(払出
制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)の送出形態を示すタイミング図で
ある。この例では、制御コマンドのコマンドデータは1
バイトで構成されている。
【0627】図90に示すように、主基板31(メイ
ン)から割込信号がオン状態になった後オフ状態になっ
たら、コマンドデータが出力される。さらに、STB信
号がオン状態になる。このように、遊技制御手段は、電
気部品制御手段がコマンドデータを入力する入力処理を
実行する契機を示す信号(この例では割込信号)を送信
した後、コマンドデータを出力し、コマンドデータを出
力した後に、入力処理実行中における実際の入力の契機
を示す信号として指示信号(この例ではSTB信号)を
出力する。サブ基板では、電気部品制御手段を構成する
マイクロコンピュータに対して割込信号の立ち上がりで
割込がかかり、制御コマンドの受信処理(入力処理)が
開始される。
【0628】サブ基板の電気部品制御手段は、受信処理
において、STB信号がオン状態になったらコマンドデ
ータを取り込む。その後、サブ基板の電気部品制御手段
がコマンド受信処理を完了した後のタイミングで、メイ
ンからのSTB信号はオフ状態になる。
【0629】この実施の形態では、遊技制御手段は、制
御コマンドの送出処理を除いて、実施の形態2の場合と
同様な制御を行う。すなわち、電源断信号に応じて電力
供給停止時処理を実行する(図22〜図24参照)。ま
た、電力供給開始時に、復旧条件が成立していることを
確認したら、遊技状態復旧処理を行う。遊技状態復旧処
理において、保存されていた出力ポート0〜4出力内容
記憶領域の内容を出力ポート0〜4に出力する処理を行
う(図83のステップS93参照)。なお、この実施の
形態では、入出力ポートの信号割り当ては、実施の形態
2の場合と同じである。
【0630】図91は、この実施の形態における遊技制
御手段の割込処理(例えば図21に示した処理。ただ
し、本例では図21の処理とは異なるタイミングで割込
処理が実行される)で実行されるポート出力処理の構成
例を示すフローチャートである。ポート出力処理におい
て、CPU56は、出力ポート5出力内容記憶領域のデ
ータを出力ポート5(図16参照)に出力する(ステッ
プS221)。また、出力ポート6出力内容記憶領域の
データを出力ポート6(図16参照)に出力する(ステ
ップS222)。なお、出力ポート5出力内容記憶領域
および、出力ポート6出力内容記憶領域には、この実施
の形態における割込処理において、出力ポートの各ビッ
トのオン/オフに応じたデータが設定されている。
【0631】次いで、CPU56は、制御コマンド(払
出制御コマンド、表示制御コマンド、ランプ制御コマン
ド、音制御コマンド)を送信するための制御(ステップ
S223〜S236)を行う。まず、制御コマンド送出
要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラグ、表示制
御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマンド送出要
求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラグ)がセッ
トされているか否か確認する(ステップS223)。い
ずれの制御コマンド送出要求フラグもセットされていな
い場合には、何もせずリターンする。
【0632】いずれかの制御コマンド送出要求フラグが
セットされている場合には、コマンドデータを出力する
出力ポート0の割込信号のビット(ビット0〜3のいず
れか)に「1」を出力する(ステップS224)。例え
ば、払出制御コマンドを送信する場合には、出力ポート
0のビット0(払出制御信号用割込信号)に「1」を出
力する。また、制御コマンド送出要求フラグをリセット
しておく(ステップS225)。さらに、出力ポート0
の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーし
ておく(ステップS226)。このタイミングは、図9
0におけるa区間の開始時に相当する。
【0633】次に、CPU56は、図90におけるa区
間とb区間の時間の合計に相当する時間だけ待ってから
(ステップS227)、コマンドデータを出力する出力
ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に対
応した出力ポート0の割込信号のビット(ビット0〜3
のいずれか)を「0」にする(ステップS228)。例
えば、払出制御コマンドを送信する場合には、出力ポー
ト0のビット0(払出制御信号用割込信号)に「0」を
出力する。さらに、出力ポート0の出力状態を出力ポー
ト0出力内容記憶領域にコピーしておく(ステップS2
29)。このタイミングは、図90におけるc区間の開
始時に相当する。なお、a区間は、主基板31が割込信
号を出力してからサブ基板において割込が受け付けられ
るまでの遅れ時間に相当する。
【0634】次いで、CPU56は、ステップS223
で確認した制御コマンド送出要求フラグに対応したポー
ト出力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜
出力ポート4出力内容記憶領域のいずれか)のデータ
を、対応する出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4
のいずれか)に出力する(ステップS230)。例え
ば、払出制御コマンド送出要求フラグがセットされてい
た場合には、出力ポート1出力内容記憶領域のデータを
出力ポート1(図79参照)に出力する。
【0635】なお、メイン処理ではポート出力内容記憶
領域ではなくバックアップRAMにおける他の領域にコ
マンドデータを書き込み、実際にコマンドデータが出力
ポートに出力されるときに、ポート出力内容記憶領域に
コマンドデータを書き込むように構成した場合には、出
力ポートにコマンドデータを出力するときに、ポート出
力内容記憶領域に、出力ポートに出力したコマンドデー
タを設定する。また、なお、ステップS229とS23
0との間に、ディレイ時間をおいてもよい。
【0636】次に、CPU56は、図90におけるd区
間の時間に相当する時間だけ待ってから(ステップS2
31)、出力ポート0の、コマンドデータを出力した出
力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に
対応した出力ポート0のSTB信号のビット(ビット4
〜7のいずれか)に「1」を出力する(ステップS23
2)。例えば、ステップS230において出力ポート1
出力内容記憶領域のデータを出力ポート1に出力した場
合には、出力ポート0のビット4(払出制御信号用ST
B信号)に「1」を出力する。さらに、出力ポート0の
出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーして
おく(ステップS233)。このタイミングは、図90
におけるe区間の開始時に相当する。なお、ステップS
231の処理を行わないようにしてもよい。また、サブ
基板では、d区間開始のタイミングから、やや遅れて受
信処理が開始される。その遅れは、サブ基板におけるマ
イクロコンピュータの処理遅れ(ソフトウェアがSTB
信号のオンを検知するまでの遅れ)である。
【0637】そして、CPU56は、図90におけるe
区間の時間に相当する時間だけ待ってから(ステップS
234)、出力ポート0の、コマンドデータを出力した
出力ポート(出力ポート1〜出力ポート4のいずれか)
に対応した出力ポート0のSTB信号のビット(ビット
4〜7のいずれか)に「0」を出力する(ステップS2
35)。例えば、ステップS230において出力ポート
1出力内容記憶領域のデータを出力ポート1に出力した
場合には、出力ポート0のビット4(払出制御信号用S
TB信号)に「0」を出力する。さらに、出力ポート0
の出力状態を出力ポート0出力内容記憶領域にコピーし
ておく(ステップS236)。このタイミングは、図9
0におけるe区間の終了時に相当する。
【0638】なお、ステップS223において、制御コ
マンド送出要求フラグ(払出制御コマンド送出要求フラ
グ、表示制御コマンド送出要求フラグ、ランプ制御コマ
ンド送出要求フラグまたは音制御コマンド送出要求フラ
グ)がリセット状態であった場合には、リセット状態で
あった制御コマンド送出要求フラグに対応したポート出
力内容記憶領域(出力ポート1出力内容記憶領域〜出力
ポート4出力内容記憶領域のいずれか)に、所定のデー
タ(例えばFF(H)やクリアデータとしての00
(H))を設定するとともに、対応する出力ポート(出
力ポート1〜出力ポート4のいずれか)に、同じ値を出
力するようにしてもよい。すなわち、制御期間(この例
では1ms)内に制御コマンドの送出制御を実行しない
場合には、ポート出力内容記憶領域の内容を所定内容と
してもよい。所定のデータをFF(H)にした場合に
は、電力供給が復旧したときに、全てのポートのビット
を監視していずれかがオン状態になるかどうかを判断す
るだけで容易にポートの状態が復旧したか否か確認する
ことができる。つまり、変化の有無を確認する場合に比
べて容易にポートの状態が復旧したか否か確認すること
ができる。
【0639】以上のようにして、図90に示されたよう
なタイミングで、制御コマンドがサブ基板に送出され
る。なお、タイマ割込がかかったときに、複数種類の制
御コマンド送出要求フラグがオンしていたときには、例
えば、あらかじめ決められている優先順位に従って、い
ずれかの制御コマンド送出要求フラグについてステップ
S224〜S236の処理が実行される。
【0640】このように、この実施の形態では、制御コ
マンドのコマンドデータを出力するときに、ポート出力
内容記憶領域のデータを出力ポートに出力する。そし
て、ポート出力内容記憶領域のデータは、電力供給が停
止しても所定期間はその内容が保存されるバックアップ
RAMに設定される。上述したように、メイン処理では
ポート出力内容記憶領域ではなくバックアップRAMに
おける他の領域にコマンドデータを書き込み、実際にコ
マンドデータが出力ポートに出力されるときに、ポート
出力内容記憶領域にコマンドデータを書き込むように構
成した場合には、出力ポートにコマンドデータを出力す
るときに、ポート出力内容記憶領域に、出力ポートに出
力したコマンドデータが設定される。
【0641】払出制御手段も、実施の形態2の場合と同
様にメイン処理およびタイマ割込処理を行うことができ
るが、メイン処理における電力供給開始時に復旧条件が
成立していることを確認したら実行される払出状態復旧
処理、コマンド受信割込処理、および電力供給停止時処
理は、実施の形態2の場合とは異なる。なお、この実施
の形態でも、入出力ポートの信号割り当ては、実施の形
態2の場合と同じである。
【0642】図92は、この実施の形態におけるコマン
ド受信割込処理を示すフローチャートである。コマンド
受信割込処理において、払出制御用CPU371は、レ
ジスタの退避処理を行った後(ステップS850)、S
TB信号待ちカウンタをセットする(ステップS89
7)。そして、入力ポートB(図84参照)のデータを
入力し(ステップS861)、そのビット7(払出制御
用STB信号)を確認する(ステップS862)。払出
制御用STB信号がオン状態であれば、ステップS86
3に移行する。
【0643】払出制御用STB信号がオン状態でなけれ
ば、STB信号待ちカウンタのカウント値を−1し(ス
テップS898)、カウント値が0になっているか否か
確認する(ステップS899)。0になっていなけれ
ば、ステップS861に戻る。0になっていたら、ステ
ップS859に移行する。
【0644】ステップS863において、払出制御用C
PU371は、入力ポートA(図84参照)のデータを
入力する。そして、入力したデータを、コマンド受信個
数カウンタが示す受信コマンドバッファに格納し(ステ
ップS864)、コマンド受信個数カウンタの値を更新
する(ステップS865)。
【0645】その後、レジスタ復旧処理を行い(ステッ
プS859)、割込許可状態にして(ステップS86
0)、処理を終了する。
【0646】コマンド受信割込処理は、主基板31から
の割込信号がオン状態になったことに起因して起動され
る。そして、コマンド割込処理において、STB信号が
オン状態になったことを検出したらコマンドデータの取
込が実行される(ステップS863)。また、所定期間
(STB信号待ちカウンタの初期値に対応した時間)内
にSTB信号がオン状態にならなかったら処理を終了す
る。
【0647】図93は、この実施の形態における電源基
板910からの電源断信号に応じて実行されるマスク不
能割込処理(NMI処理:電力供給停止時処理)の処理
例を示すフローチャートである。
【0648】電力供給停止時処理において、払出制御用
CPU371は、上述したステップS801〜ステップ
S807の処理(図51参照)を実行する。なお、ステ
ップS801〜S807の処理は、電源監視手段の検出
信号に応じて制御状態を復旧させるために必要なデータ
を変動データ記憶手段に保存させるためのデータ退避処
理に相当する。また、出力ポートクリア処理を行う(ス
テップS871)。
【0649】次に、ポートチェック回数としてあらかじ
め決められた値をセットし(ステップS607)、賞球
カウントスイッチ301Aのチェック処理と払出制御コ
マンド受信処理とを所定期間実行するループ処理に移行
する。払出制御用CPU371は、まず、入力ポートB
(図84参照)のデータを入力する(ステップS60
8)。そして、スイッチチェック処理を行い(ステップ
S612)、賞球カウントスイッチ301Aがオンした
ことを検出したら(ステップS613)、賞球カウント
値を+1する(ステップS872)。また、球貸しカウ
ントスイッチ301Bがオンしたことを検出したら(ス
テップS615)、球貸しカウント値を+1する(ステ
ップS873)。賞球カウント値および球貸しカウント
値はバックアップRAMに形成され、払出状態復旧処理
において、賞球カウント値のカウント数が総合個数記憶
に反映され、球貸しカウント値のカウント数が貸し球個
数記憶に反映される。
【0650】そして、ポートチェック回数を減算し(ス
テップS610)、その値が0になっていれば、上述し
た図89に示されたステップS808に移行する。0に
なっていなければ、ソフトウェアタイマによって所定時
間のディレイ時間(スイッチチェック間隔をとるための
遅延時間に相当)を設定する(ステップS874)。次
いで、ウェイト用コードにもとづく処理を実行するとと
もに(ステップS875)、ソフトウェアタイマを減算
し(ステップS876)、ディレイ時間が経過していな
ければステップS875に戻る(ステップS877の
N)。ディレイ時間が経過していればステップS608
に戻る(ステップS877のY)。ウェイト用コードに
もとづく処理は、遅延時間が経過するまでに時間を稼ぐ
ための処理であり、他の制御内容に影響を与えない処理
である。
【0651】図94は、この実施の形態における払出状
態復旧処理の一例を示すフローチャートである。払出状
態復旧処理において、払出制御用CPU371は、ま
ず、スタックポインタの復旧処理を行う(ステップS8
81)。スタックポインタの値は、後述する電力供給停
止時処理において、所定のRAMエリア(電源バックア
ップされている)に退避している。よって、ステップS
881では、そのRAMエリアの値をスタックポインタ
に設定することによって復旧させる。なお、復旧された
スタックポインタが指す領域(すなわちスタック領域)
には、電力供給が停止したときのレジスタ値やプログラ
ムカウンタ(PC)の値が退避している。
【0652】この実施の形態では、主基板31のCPU
56は、電力供給開始時に復旧条件が成立していたら実
行される遊技状態復旧処理において、保存されていたポ
ート出力内容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処
理を行う。従って、この実施の形態では、払出制御用C
PU371は、そのような状況を考慮して、主基板31
からポート出力内容記憶領域の内容が出力されたことを
確認してから、電力供給停止直前に実行されていたアド
レスに復帰する制御を行う。
【0653】払出制御用CPU371は、まず、処理ル
ープ回数をセットする(ステップS882)。そして、
入力ポートA(図84参照)のデータすなわちコマンド
データを入力する(ステップS883)。そして、入力
したデータが前回入力したデータと同じであるか否か確
認する(ステップS884)。同じであれば、処理ルー
プ回数を−1する(ステップS885)。そして、処理
ループ回数が0になっていなければステップS883に
戻る。処理ループ回数が0になっていればステップS8
87に移行する。また、ステップS883において入力
したデータが前回入力したデータと同じでないことを確
認した場合にもステップS887に移行する。
【0654】ステップS887において、払出制御用C
PU371は、CTCやPIOなどの内蔵デバイスの初
期設定を行い、また、スタック領域から各種レジスタの
退避値を読み出して、各種レジスタに設定する。すなわ
ち、レジスタ復元処理を行う。ここで、RAMアクセス
許可状態に設定する処理も行う。さらに、バックアップ
フラグをクリアする(ステップS888)。次いで、電
力供給が停止したときに実行された電力供給停止時処理
において保存された賞球カウント値を総合個数記憶に反
映する(ステップS889)。例えば、総合個数記憶の
内容から賞球カウント値を減算する。また、電力供給が
停止したときに実行された電力供給停止時処理において
保存された貸出カウント値を貸し球個数記憶に反映する
(ステップS890)。例えば、貸し球個数記憶の内容
から貸出カウント値を減算する。また、RAM領域にお
ける保護領域以外の領域の内容をクリアする(ステップ
S891)。そして、パリティフラグがオンしていない
場合には割込許可状態にする(ステップS892,S8
93)。最後に、内部状態を払出禁止状態に設定して
(ステップS894)、AFレジスタ(アキュミュレー
タとフラグのレジスタ)をスタック領域から復元する
(ステップS895)。
【0655】そして、所定時間(処理ループ回数の初期
値に応じた時間)内に入力ポートの状態が変化しなかっ
た場合には、すなわち、ステップS882〜S886の
処理において遊技制御手段からのコマンドデータの出力
が確認されなかったら、プログラムカウンタ(PC)を
初期化して(ステップS896)RET命令が実行され
る。従って、この実施の形態では、払出状態復旧処理を
実行した後、初期状態から払出制御が開始される。
【0656】以上のような処理によって、電力供給が開
始したときに、復旧条件が成立していた場合に実行され
る払出状態復旧処理において、主基板31からのコマン
ドデータが入力される入力ポートの状態が変化したこと
を確認してから、電力供給停止時にNMIが発生したア
ドレスに復帰する。従って、そのアドレスがコマンド受
信割込処理におけるアドレスであるような場合に、保存
されていたポート出力内容記憶領域の内容を出力ポート
に出力する処理を主基板31のCPU56が行ったこと
を確認してからコマンド受信割込処理を再開することが
できる。従って、払出制御コマンドの受信を確実に行う
ことができ、払出制御コマンドが消失してしまうことを
確実に防止することができる。なお、コマンド受信割込
処理が完了したら、初期状態から払出制御が開始され
る。
【0657】実施の形態2とは異なり、この実施の形態
では、電力供給停止時処理において、払出制御コマンド
の受信を継続する処理は実行されない。しかし、払出状
態状態復旧処理において、保存されていたポート出力内
容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処理を主基板
31のCPU56が行ったことを確認してからコマンド
受信割込処理を再開する。すなわち、電力供給が開始さ
れた場合に、遊技制御手段によるコマンドデータの出力
ポートへの出力状態を監視し、出力状態に応じてコマン
ドデータを取り込む処理を再開可能な状態にする。従っ
て、電力供給停止の直前に払出制御コマンドの受信が開
始されたにも関わらず受信が完了しなかった場合でも、
電力供給が復旧したときに、確実にコマンド受信処理を
完了させることができる。
【0658】なお、この実施の形態では、主基板31の
CPU56がポート出力内容記憶領域の内容を出力ポー
トに出力する処理を行ったことを確認するための所定時
間内に、CPU56がポート出力内容記憶領域の内容を
出力ポートに出力する処理を行ったことを確認できなか
った場合には、初期状態に戻るようにしたが、そのよう
な場合には、電力供給が停止したときにコマンド受信処
理は行われていなかったはずであり、コマンド受信処理
に復旧することはない。すなわち、CPU56がポート
出力内容記憶領域の内容を出力ポートに出力する処理を
行ったことを確認できなかった場合には、初期状態に戻
っても問題はない。また、初期状態に戻る際にRAMの
保護領域の内容は保存されているので、遊技者に不利益
が与えられることはない。
【0659】また、払出状態復旧処理において保護領域
以外の領域がクリアされるので、不正確なデータによっ
て誤った制御を行ってしまうことが防止される。この実
施の形態では、払出状態復旧処理において保護領域以外
の領域がクリアされるが、電力供給が開始されたときに
コマンド受信処理に復旧するような場合には、コマンド
受信処理におけるコマンドデータの取り込みを実行して
から保護領域以外の領域をクリアするようにしてもよ
い。
【0660】以上に説明したような第3の実施の形態の
構成とした場合であっても、第1の実施の形態と同様の
効果を得ることができる。具体的には、上述した第3の
実施の形態では、CPU56が、コマンドデータとコマ
ンドデータの電気部品制御手段への入力を指示するため
の指示信号(例えばSTB信号)とを出力ポートを介し
て出力することによってコマンドを電気部品制御手段に
送信し、RAM55のバックアップ領域にポート出力内
容記憶領域(例えば出力ポート1出力内容記憶領域〜出
力ポート4出力内容記憶領域)を含むようにするととも
に、CPU56が、電力供給が開始された場合にRAM
55の記憶内容にもとづいて制御状態を復旧させる際
に、ポート出力内容記憶領域の内容にもとづいて出力ポ
ートの状態を復旧させる構成としたので、遊技制御手段
と他の電気部品制御手段との間におけるコマンドの送受
信を欠落させないようにすることができる。
【0661】また、払出制御手段のメイン処理は、第1
の実施の形態または第2の実施の形態の場合と同様に、
図48または図85に示されたように実行される。従っ
て、第3の実施の形態でも、払出制御手段は、電力供給
が開始されたときに、電力供給停止時処理において保存
された制御状態が残っていても、操作手段(クリアスイ
ッチ921)が操作されている場合には、状態復旧処理
を実行せず初期化処理を実行する。よって、遊技店員等
が保存状態を容易にクリアすることができ、遊技店での
遊技機運用上の利便性を向上させることが可能になる。
【0662】なお、第2の実施の形態および第3の実施
の形態では、主として払出制御手段の処理について説明
したが、例えばメイン処理における復旧条件の確認(例
えばクリアスイッチ信号の入力確認)などの処理は、遊
技制御手段で同様に実行される。
【0663】なお、上記の各実施の形態では、待機状態
復帰手段(電力供給停止時処理の後の待機状態におい
て、遊技機への電力供給が停止しない場合に当該待機状
態から復帰させ復旧処理を実行可能(必ずしも復旧処理
を実行させる必要はなく、電気部品制御手段の状態をリ
セットして待機状態から復帰させるようにすればよいこ
とを意味する)にする手段)を、複数の制御手段(CP
U56、払出制御用CPU371)を復帰させる単一の
手段による構成(復帰信号を出力可能な電源基板910
に備えられたカウンタ971による構成)や、遊技制御
手段および払出制御手段それぞれに設けられる構成(ウ
ォッチドッグタイマにタイムアップにもとづきシステム
リセットする機能を有するCPU56や払出制御用CP
U371による構成)とした。しかし、上記のような種
類の異なる待機状態復帰手段を複数備える構成としても
よい。この場合、複数の待機状態復帰手段によって機能
が重複してしまうため、不具合が生じてしまう可能性が
あるので、種類の異なる複数の待機状態復帰手段のうち
いずれか一方を優先させて動作させ、他方は補助的に動
作させる構成とすることが望ましい。これにより一方の
待機状態復帰手段が何らかのトラブルにより機能が停止
した場合であっても、制御手段(CPU56、払出制御
用CPU371)は確実に待機状態から復旧させること
が可能になる。
【0664】また、上述した各実施の形態では、待機状
態として無限ループを用いたが、これに限らず制御プロ
グラムの電力供給停止時処理の最後にHALT(ホール
ト)指令等を用いることで制御手段(CPU56、払出
制御用CPU371)の制御状態を待機状態(割込みを
受付可能な待機状態)としてもよい。この場合には、割
込端子への信号入力が有効になり、割込端子への信号入
力トリガに制御状態を復帰させることが可能になり、簡
単な構成で待機状態復帰手段を構成することができる。
【0665】実施の形態4.上記の実施の形態では、各
電気部品制御手段に供給するリセット信号(システムリ
セット信号)を発生する回路(システムリセット回路6
5)が電源基板910に設けられていたが、起動順序規
制手段として動作するリセット信号を発生する回路が、
電気部品制御手段のそれぞれを搭載した電気部品制御基
板に搭載される構成にしてもよい。以下、各電気部品制
御基板にリセット信号を発生する回路を設けた構成例と
して、図95および図96を参照して、主基板31と払
出制御基板37のCPU周りの構成例について説明す
る。
【0666】図95は、主基板31におけるCPU56
周りの一構成例を示すブロック図である。この実施の形
態では、図95に示すように、システムリセット回路6
5Aが主基板31に搭載されている。また、電源基板9
10の電源監視回路(電源監視手段)からの電源断信号
が、CPU56のマスク不能割込端子(XNMI端子)
に接続されている。なお、この実施の形態では、電源基
板910の構成は、図9に示された構成からリセット管
理回路940を除いた構成である。
【0667】図95に示すように、システムリセット回
路65AにおけるリセットIC651Aは、電源投入時
に、外付けのコンデンサの容量で決まる所定時間だけ出
力をローレベルにし、所定時間が経過すると出力をハイ
レベルにする。すなわち、リセット信号をハイレベルに
立ち上げてCPU56を動作可能状態にする。また、リ
セットIC651Aは、電源監視回路が監視する電源電
圧と等しい電源電圧であるVSLの電源電圧を監視して電
圧値が所定値(電源監視回路が電源断信号を出力する電
源電圧値よりも低い値)以下になると出力をローレベル
にする。従って、CPU56は、電源監視回路からの電
源断信号に応じて所定の電力供給停止時処理を行った
後、システムリセットされる(すなわち、システムの最
初の状態に戻される)。
【0668】図95に示すように、リセットIC651
Aからのリセット信号は、NAND回路947に入力さ
れるとともに、反転回路(NOT回路)944を介して
カウンタIC941のクリア端子に入力される。カウン
タIC941は、クリア端子への入力がローレベルにな
ると、発振器943からのクロック信号をカウントす
る。そして、カウンタIC941のQ5出力がNOT回
路945,946を介してNAND回路947に入力さ
れる。また、カウンタIC941のQ6出力は、フリッ
プフロップ(FF)942のクロック端子に入力され
る。フリップフロップ942のD入力はハイレベルに固
定され、Q出力は論理和回路(OR回路)949に入力
される。OR回路949の他方の入力には、NAND回
路947の出力がNOT回路948を介して導入され
る。そして、OR回路949の出力がCPU56のリセ
ット端子に接続されている。このような構成によれば、
電源投入時に、CPU56のリセット端子に2回のリセ
ット信号(ローレベル信号)が与えられるので、CPU
56は、確実に動作を開始する。
【0669】そして、例えば、電源監視回路の検出電圧
(電源断信号を出力することになる電圧)を+22Vと
し、リセット信号をローレベルにするための検出電圧を
+9Vとする。そのように構成した場合には、電源監視
回路とシステムリセット回路65Aとが、同一の電源V
SLの電圧を監視するので、電圧監視回路が電源断信号を
出力するタイミングとシステムリセット回路65Aがシ
ステムリセット信号を出力するタイミングの差を所望の
所定期間に確実に設定することができる。所望の所定期
間とは、電源監視回路からの電源断信号に応じて電力供
給停止時処理を開始してから電力供給停止時処理が確実
に完了するまでの期間である。なお、電源監視回路とシ
ステムリセット回路65Aとが監視する電源の電圧は異
なっていてもよい。
【0670】CPU56等の駆動電源である+5V電源
から電力が供給されていない間、RAMの少なくとも一
部は、電源基板から供給されるバックアップ電源によっ
てバックアップされ、遊技機に対する電力供給が停止し
ても内容は保存される。そして、+5V電源が復旧する
と、システムリセット回路65Aからリセット信号が発
せられるので、CPU56は、通常の動作状態に復帰す
る。そのとき、必要なデータがバックアップRAMに保
存されているので、停電等からの復旧時に停電等の発生
時の遊技状態に復旧させることができる。
【0671】なお、図95に示す構成では、電源投入時
にCPU56のリセット端子に2回のリセット信号(ロ
ーレベル信号)が与えられるが、リセット信号の立ち上
がりタイミングが1回しかなくても確実にリセット解除
されるCPUを使用する場合には、符号941〜949
で示された回路素子は不要である。その場合、リセット
IC651Aの出力がそのままCPU56のリセット端
子に接続される。
【0672】図96は、この例における払出制御用CP
U371周りの一構成例を示すブロック図である。図9
6に示すように、システムリセット回路65Bが払出制
御基板37に搭載されている。また、電源基板910の
電源監視回路からの電源断信号が、バッファ回路980
を介して払出制御用CPU371のマスク不能割込端子
(XNMI端子)に接続されている。
【0673】払出制御用CPU371のCLK/TRG
2端子には、主基板31からのINT信号が接続されて
いる。CLK/TRG2端子にクロック信号が入力され
ると、払出制御用CPU371に内蔵されているタイマ
カウンタレジスタCLK/TRG2の値がダウンカウン
トされる。そして、レジスタ値が0になると割込が発生
する。従って、タイマカウンタレジスタCLK/TRG
2の初期値を「1」に設定しておけば、INT信号の入
力に応じて割込が発生することになる。
【0674】この実施の形態では、システムリセット回
路65BにおけるリセットIC651Bは、電源投入時
に、外付けのコンデンサに容量で決まる所定時間だけ出
力をローレベルとし、所定時間が経過すると出力をハイ
レベルにする。また、リセットIC651Bは、VSLの
電源電圧を監視して電圧値が所定値(例えば+9V)以
下になると出力をローレベルにする。従って、遊技機へ
の電力供給停止時には、リセットIC651Bからの信
号がローレベルになることによって払出制御用CPU3
71がシステムリセットされる。
【0675】リセットIC651Bが電力供給停止を検
知するための所定値は、通常時の電圧より低いが、払出
制御用CPU371が暫くの間動作しうる程度の電圧で
ある。また、リセットIC651Bが、払出制御用CP
U371が必要とする電圧(この例では+5V)よりも
高い電圧を監視するように構成されているので、払出制
御用CPU371が必要とする電圧に対して監視範囲を
広げることができる。従って、より精密な監視を行うこ
とができる。
【0676】+5V電源から電力が供給されていない
間、払出制御用CPU371の内蔵RAMの少なくとも
一部は、電源基板から供給されるバックアップ電源がバ
ックアップ端子に接続されることによってバックアップ
され、停電等の遊技機に対する電力供給停止が発生して
も内容は保存される。そして、+5V電源が復旧する
と、システムリセット回路65Bからリセット信号が発
せられるので、払出制御用CPU371は、通常の動作
状態に復帰する。そのとき、必要なデータがバックアッ
プされているので、停電等からの復旧時には停電発生時
の払出制御状態に復旧させることができる。
【0677】なお、図96に示された構成では、システ
ムリセット回路65Bは、電源投入時に、コンデンサの
容量で決まる期間のローレベルを出力し、その後ハイレ
ベルを出力する。すなわち、リセット解除タイミングは
1回だけである。しかし、図95に示された主基板31
の場合と同様に、複数回のリセット解除タイミングが発
生するような回路構成を用いてもよい。また、払出制御
基板37以外の電気部品制御基板において、リセット信
号を発生する回路は、図96に示されたように構成され
る。
【0678】主基板31におけるリセットIC651A
の外付けコンデンサの容量は、払出制御基板37におけ
るリセットIC651Bの外付けコンデンサの容量より
も大きい。よって、電源供給開始時に、リセットIC6
51Aが出力をハイレベルにするタイミングは、リセッ
トIC651Bが出力をハイレベルにするタイミングよ
りも遅い。従って、主基板31のCPU56にリセット
解除を示す信号が供給されるタイミングは、主基板31
以外の各電気部品制御基板のCPUにリセット解除を示
す信号が供給されるタイミングよりも遅い。すなわち、
遊技機への電力供給開始時に、遊技制御手段は払出制御
手段よりも遅く立ち上がる。
【0679】図97は、主基板31のCPU56および
払出制御基板37の払出制御用CPU371へのリセッ
ト信号の出力タイミングを示すタイミング図である。図
97に示すように、主基板31におけるリセットIC6
51Aの外付けコンデンサの容量は払出制御基板37に
おけるリセットIC651Bの外付けコンデンサの容量
よりも大きいので、電力供給開始時に、電源電圧が検出
電圧(例えば+9V)に達してからリセット回路65A
が出力をハイレベルにするまでの時間は、リセット回路
65Bが出力をハイレベルにするまでの時間よりも長
い。その結果、リセットIC651Aが出力をハイレベ
ルにする(リセット解除信号を出力する)タイミング
は、リセットIC651Bが出力をハイレベルにするタ
イミングよりも遅くなる。
【0680】主基板31および払出制御基板37以外の
電気部品制御基板に搭載されているリセットICの外付
けコンデンサの容量も、主基板31におけるリセットI
C651Aの外付けコンデンサの容量よりも小さい。従
って、遊技機への電力供給開始時に、遊技制御手段は、
他の電気部品制御手段よりも遅く立ち上がる。よって、
この実施の形態では、コンデンサの容量を異ならせるこ
とによって各電気部品制御手段の起動順序を制御する起
動順序規制手段が実現されている。そして、この実施の
形態でも、起動順序規制手段は、遊技制御手段を最後に
起動する。
【0681】なお、この実施の形態でも、遊技制御手
段、払出制御手段および他の電気部品制御手段は、上記
の各実施の形態の場合と同様に動作する。
【0682】また、この実施の形態のように、各電気部
品制御基板に起動順序規制手段としてのシステムリセッ
ト回路が別個に搭載される場合には、システムリセット
回路の出力信号をCPUに伝送する経路を短くすること
ができ、長いケーブルを必要としないようにすることが
できるので、ノイズの影響を受けにくくすることができ
る。
【0683】電源基板910において、主基板31のC
PU56に供給するリセット信号を発生する回路と、他
の電気部品制御基板のCPUに供給するリセット信号を
発生する回路とを別個に設けてもよい。図98は、その
ような構成における電源基板910のリセット信号出力
に関する部分の構成例を示すブロック図である。
【0684】図98に示すように、電源基板910に
は、主基板31のCPU56に供給するリセット信号を
発生するシステムリセット回路65aと、主基板31以
外の電気部品制御基板のCPUに供給するリセット信号
を発生するシステムリセット回路65bとが備えられて
いる。なお、システムリセット回路65aおよびシステ
ムリセット回路65bは、ともに図11に示されたシス
テムリセット回路65と同様の構成である。ただし、コ
ンデンサの容量は異なる。システムリセット回路65a
におけるリセットIC651aは、電源投入時に、外付
けのコンデンサの容量で決まる所定の時間だけ出力をロ
ーレベルにし、その時間が経過すると出力をハイレベル
にする。リセットIC651aの出力は、バッファ回路
965に供給される。そして、バッファ回路965の出
力が、主基板31にリセット解除を示す信号(リセット
信号がハイレベルに立ち上げられた信号)として供給さ
れる。従って、リセットIC651aの出力がハイレベ
ルになると、主基板31のCPU56が動作可能状態に
なる。
【0685】また、システムリセット回路65bにおけ
るリセットIC651bは、電源投入時に、外付けのコ
ンデンサの容量で決まる所定の時間だけ出力をローレベ
ルにし、その時間が経過すると出力をハイレベルにす
る。リセットIC651bの出力は、バッファ回路96
1〜バッファ回路964に供給される。そして、バッフ
ァ回路961の出力が払出制御基板37に、バッファ回
路962の出力が表示制御基板80に、バッファ回路9
63の出力がランプ制御基板35に、さらにバッファ回
路964の出力が音声制御基板70に、それぞれリセッ
ト解除を示す信号として供給される。従って、リセット
IC651bの出力がハイレベルになると、主基板31
以外の各電気部品制御基板(払出制御基板37、表示制
御基板80、ランプ制御基板35、音声制御基板70)
のCPU(払出制御用CPU371、表示制御用CPU
101、ランプ制御用CPU351、音声制御用CPU
701)が動作可能状態になる。
【0686】そして、リセットIC651aの外付けコ
ンデンサの容量は、リセットIC651bの外付けコン
デンサの容量よりも大きい。よって、電源供給開始時
に、リセットIC651aが出力をハイレベルにするタ
イミングは、リセットIC651bが出力をハイレベル
にするタイミングよりも遅い。従って、主基板31のC
PU56にリセット解除を示す信号が供給されるタイミ
ングは、主基板31以外の各電気部品制御基板のCPU
にリセット解除を示す信号が供給されるタイミングより
も遅い。すなわち、遊技機への電力供給開始時に、遊技
制御手段は、他の電気部品制御手段よりも遅く立ち上が
る。
【0687】各電気部品制御手段に供給するリセット信
号を発生する回路を2つ設け、それぞれの回路が備える
コンデンサの容量を上記のように異ならせる場合には、
遅延回路960を設けることなく、電源基板910から
各電気部品制御基板のCPUにリセット解除を示す信号
が供給されるときに、主基板31におけるCPU56に
供給されるリセット解除を示す信号の出力タイミング
を、他の電気部品制御基板におけるCPU供給されるリ
セット解除を示す信号の出力タイミングに対して遅らせ
ることができる。従って、電源供給開始時に主基板31
における遊技制御手段が他の電気部品制御基板に対して
制御コマンドを出力するときには、他の電気部品制御基
板におけるCPUは既に立ち上がっている。よって、制
御コマンドは確実に受信側の電気部品制御基板のCPU
で受信される。
【0688】なお、図98に示すように構成する場合に
も、例えばバッファ回路965の前段などに遅延回路を
設け、コンデンサの容量に応じて定められる遅延時間を
考慮して、実際に遅延させる時間を調整するようにして
もよい。
【0689】さらに、図99に示すように、主基板31
のCPU56にリセット信号を供給するシステムリセッ
ト回路65aと、払出制御基板37の払出制御用CPU
371にリセット信号を供給するシステムリセット回路
65bとを電源基板910に搭載し、主基板31および
払出制御基板37以外の電気部品制御基板のCPUに供
給するリセット信号を発生するリセット回路を、それぞ
れの電気部品制御基板に搭載するようにしてもよい。
【0690】図99に示す例では、図柄制御基板80
に、表示制御用CPU101に供給するリセット信号を
発生するシステムリセット回路65cが搭載され、ラン
プ制御基板35に、ランプ制御用CPU351に供給す
るリセット信号を発生するシステムリセット回路65d
が搭載され、音制御基板70に、音制御用CPU701
に供給するリセット信号を発生するシステムリセット回
路65eが搭載されている。
【0691】システムリセット回路65c,65d,6
5eにおけるリセットIC651c,651d,651
eは、電源供給開始時に、外付けのコンデンサの容量で
決まる所定の時間だけ出力をローレベルにし、所定時間
が経過すると出力をハイレベルにする。リセットIC6
51cの出力は、表示制御用CPU101にリセット解
除を示す信号として供給される。リセットIC651d
の出力は、ランプ制御用CPU351にリセット解除を
示す信号として供給される。さらに、リセットIC65
1eの出力は、音制御用CPU701にリセット解除を
示す信号として供給される。
【0692】そのような構成にすれば、各システムリセ
ット回路65a〜システムリセット回路65eがそれぞ
れ備えるコンデンサの容量を、それぞれ調整すること
で、各電気部品制御手段のCPUが動作可能となる時期
を容易に異ならせることができる。
【0693】なお、この実施の形態では、リセットIC
の外付けコンデンサの容量によって、リセット信号が立
ち上がる前に電源断信号が立ち上がるようにしている
が、リセット解除の後であって、制御プログラムが実行
される前に、セキュリティチェックプログラムなどの所
定のプログラムによる起動時処理を実行するように構成
されているCPUを用いる場合には、リセット信号が立
ち上がった後セキュリティチェックなどの起動時処理が
終了する前に電源断信号が立ち上がるように、コンデン
サの容量を選定してもよい。その場合、例えば、起動時
処理に要する時間を考慮して、起動時処理実行中に電源
断信号が立ち上がるタイミングとなるように、電源監視
回路が電源断信号を立ち上げる電源電圧の電圧値が定め
られる。
【0694】また、主基板31のCPU56が、電力供
給開始時に、制御プログラムが実行される前に、セキュ
リティチェックプログラムなどの所定のプログラムによ
る起動時処理を実行し、他の電気部品制御手段における
CPUがセキュリティチェックプログラムなどの所定の
プログラムを実行しないように構成されている場合に
は、遊技制御手段および他の電気部品制御手段における
リセット信号がハイレベルに立ち上がるタイミングを同
タイミングにしてもよい。すなわち、電気部品制御手段
のうちに電力供給の開始に関連して所定のプログラムを
実行するものがある場合には、所定のプログラムを実行
する電気部品制御手段は、所定のプログラムを実行しな
い電気部品制御手段よりも遅れて起動するので、特に起
動順序規制手段を設けなくても、セキュリティチェック
プログラムによって起動順序規制手段が実現される。例
えば、遊技制御手段が実行するセキュリティチェック時
間を、払出制御手段が実行するセキュリティチェック時
間よりも長くすることにより起動順序規制手段が構成さ
れる。
【0695】例えば、遊技制御手段からのコマンドにも
とづいて、スピーカ27、各種ランプ・LED、可変表
示装置9を制御する演出制御手段としての音制御手段、
ランプ制御手段、表示制御手段が設けられている場合、
遊技制御手段がセキュリティチェックプログラムなどの
所定のプログラムによる起動時処理を実行し、演出制御
手段がセキュリティチェックプログラムなどの所定のプ
ログラムによる起動時処理を実行しないことによって、
遊技制御手段が、演出制御手段よりも遅れて起動する
(制御が可能な状態になる)ように構成してもよい。
【0696】また、遊技制御手段の他にセキュリティチ
ェックプログラムなどの所定のプログラムを実行する電
気部品制御手段(例えば払出制御手段)がある場合に、
遊技制御手段が実行するセキュリティチェックプログラ
ムなどの所定のプログラムの長さを、他の電気部品制御
手段が実行するセキュリティチェックプログラムなどの
所定のプログラムよりも長くすることによって、遊技制
御手段が、他の電気部品制御手段よりも遅れて起動する
ように構成してもよい。
【0697】さらに、電気部品制御手段がセキュリティ
チェックプログラムを実行することによってセキュリテ
ィチェックを行うのではなく、CPUの外にセキュリテ
ィチェック回路が設けられ、電力供給開始時に、セキュ
リティチェック回路がハードウェア的にセキュリティチ
ェックを行うように構成されている場合にも、セキュリ
ティチェックが終了してCPUが制御動作を開始できる
ようになる時期を異ならせることによって、遊技制御手
段が、他の電気部品制御手段よりも遅れて起動するよう
に構成することができる。
【0698】また、起動順序規制手段として、リセット
解除信号の出力順序を規制することによって各電気部品
制御手段の起動順序を規制したり、セキュリティチェッ
クプログラムの有無やセキュリティチェックプログラム
の長さを変えることによって各電気部品制御手段の起動
順序を規制するものの他、遊技制御手段が制御コマンド
を送信するタイミングより早く他の電気部品制御手段が
制御コマンドを受信可能な状態になっていれば、各電気
部品制御手段に対する電源投入順序を規制する等の他の
方法によって実現されていてもよい。
【0699】また、上述した各実施の形態において、R
AMにバックアップ電源を供給する手段は、制御手段
(CPU56、払出制御用CPU371)毎に設けられ
ている構成としてもよい。すなわち、バックアップRA
M領域を含むRAM毎に、バックアップ電源を供給する
手段が設けられていてもよい。また、そのような手段の
数や搭載位置(制御基板上、あるいは電源基板上に搭載
するか否か)は、どのように構成されていてもよい。
【0700】また、上述した各実施の形態では、記録媒
体処理装置(プリペイドカードユニット50)で使用さ
れる記録媒体が磁気カード(プリペイドカード)であっ
たが、磁気カードに限られず、非接触型あるいは接触型
のICカードであってもよい。また、記録媒体処理装置
が識別符号にもとづいて記録情報を特定できる構成とさ
れている場合には、記録媒体は、記録情報を特定可能な
識別符号などの情報を少なくとも記録媒体処理装置が読
み取り可能に記録できるようなものであってもよい。さ
らに、記録媒体は、例えばバーコードなどの所定の情報
記録シンボル等が読み取り可能にプリントされたもので
あってもよい。また、記録媒体の形状は、カード状のも
のに限られず、例えば円盤形状や球状、あるいはチップ
形状など、どのような形状とされていてもよい。
【0701】また、上記の各実施の形態では、電源監視
手段(例えば電源監視用IC902)は、電源電圧が所
定の値(例えば22V)となった場合に電源断信号を出
力する構成としているが、例えば、交流電源(例えばA
C24V)に関連する交流波をデジタル変換したデジタ
ル信号を監視し、そのデジタル信号が所定期間途切れた
場合に電源断信号を出力する構成としてもよい。
【0702】また、上記の各実施の形態では、電源監視
手段(例えば電源監視用IC902)が、電源電圧が所
定の値(例えば22V)となったことを検出した場合に
電源断時処理が実行され、さらに電源電圧が所定の値
(例えば9V)となったことをシステムリセット手段
(例えばシステムリセット回路65)が検出した場合に
システムリセットされる構成としていたが、電源断時処
理を開始したあと所定期間の経過後に、自動的にシステ
ムリセットされるようにしてもよい。このように構成す
れば、電源電圧が所定の値(例えば22V)となったこ
とが電源監視手段によって検出された場合には、その後
システムリセット手段による検出がなされなかった場合
であっても、確実にシステムリセットすることができる
ようになる。
【0703】上記の各実施の形態のパチンコ遊技機は、
主として、始動入賞にもとづいて可変表示部9に可変表
示される特別図柄の停止図柄が所定の図柄の組み合わせ
になると所定の遊技価値が遊技者に付与可能になる第1
種パチンコ遊技機であったが、始動入賞にもとづいて開
放する電動役物の所定領域への入賞があると所定の遊技
価値が遊技者に付与可能になる第2種パチンコ遊技機
や、始動入賞にもとづいて可変表示される図柄の停止図
柄が所定の図柄の組み合わせになると開放する所定の電
動役物への入賞があると所定の権利が発生または継続す
る第3種パチンコ遊技機であっても、本発明を適用でき
る。
【0704】さらに、遊技媒体が遊技球であるパチンコ
遊技機に限られず、スロット機等においても、遊技媒体
の払い出しを行う電気部品が備えられている場合には本
発明を適用することができる。
【0705】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、遊技機を、遊技機への電力供給の開始に関連し
て、遊技制御手段が遊技に関わる制御が可能な状態にな
る時期を、払出制御手段が払出手段の制御が可能な状態
になる時期よりも遅い時期となるように規制する起動順
序規制手段と、操作に応じて操作信号を出力することが
可能な操作手段とを備え、遊技制御手段および払出制御
手段が、電源監視手段からの検出信号に応じて制御状態
を復旧させるために必要なデータを変動データ記憶手段
に保存するための電力供給停止時処理を実行し、当該電
力供給停止時処理にて、変動データ記憶手段の記憶内容
にもとづいてチェックデータを生成する処理と、生成し
たチェックデータを変動データ記憶手段に保存する処理
とを実行し、電力供給が復帰し複数の復旧条件がすべて
成立した場合に変動データ記憶手段に保存されていた記
憶内容にもとづいて制御状態を電力供給が停止する前の
状態に復旧させる復旧処理を実行し、複数の復旧条件の
うち少なくとも1つの条件が不成立であった場合には、
変動データ記憶手段に保持されていた記憶内容を初期化
する初期化処理を実行し、複数の復旧条件には、少なく
とも、電力供給の復帰に関連した時期に操作手段から操
作信号が出力されなかった場合と、変動データ記憶手段
に保存されていたチェックデータにもとづく判定処理に
よって変動データ記憶手段に保存されていた記憶内容が
正当であると判定された場合とを含むように構成したの
で、電力供給開始時に、遊技制御手段からのコマンドを
受信する払出制御手段が、コマンドを確実に受信するこ
とができるという効果がある。また、復旧処理を行う必
要がない場合には復旧処理が実行されないようにするこ
とができ、遊技機運用上の利便性を向上させることが可
能となるという効果を得ることができるとともに、記憶
内容が変化してしまった場合には状態復旧処理は実行さ
れず、不完全な状態にて制御状態が復旧されてしまうよ
うなことが防止されるという効果を得ることができる。
【0706】請求項2記載の発明では、遊技制御手段お
よび払出制御手段が、複数の復旧条件が成立しているか
否かを確認する際に、操作手段から操作信号が出力され
ているか否かの確認を優先的に実行し、操作手段から操
作信号が出力されていることを確認した場合には、他の
復旧条件が成立しているか否かの確認を行うことなく初
期化処理を実行するように構成されているので、無駄な
確認処理を行うことがなく、早期に初期化処理を実行す
ることが可能となる。
【0707】請求項3記載の発明では、起動順序規制手
段が、遊技制御手段および払出制御手段へのリセット解
除信号の出力順序を規制することによって、遊技制御手
段および払出制御手段が制御が可能な状態になる時期を
規制するように構成されているので、リセット解除信号
によって正確に遊技制御手段および払出制御手段を制御
可能な状態とする時期を規制することができる。
【0708】請求項4記載の発明では、システムリセッ
ト手段が、リセット解除信号を出力するタイミングを決
定するためのコンデンサを含み、コンデンサの容量を異
ならせることによって遊技制御手段および払出制御手段
が制御が可能な状態になる時期を規制するように構成さ
れているので、簡単な構成で起動順序規制手段を実現す
ることができる。
【0709】請求項5記載の発明では、起動順序規制手
段が、遊技制御基板および払出制御基板に搭載されるの
で、遊技制御手段あるいは払出制御手段と起動順序規制
手段との間の経路を短くすることができ、ノイズの影響
を受けにくくすることができる。
【0710】請求項6記載の発明では、遊技制御基板お
よび払出制御基板とは別個に、遊技機へ供給される電源
から遊技制御基板および払出制御基板で用いられる電圧
の電源を作成する電源基板を備え、起動順序規制手段
が、電源基板に搭載される構成にしたので、起動順序規
制手段を制御基板毎に別個に設ける必要がなくなる。
【0711】請求項7記載の発明では、遊技制御手段お
よび払出制御手段が電力供給の開始に関連して制御が可
能になる時期よりも前に自己の診断を行うセキュリティ
チェックを実行可能であり、遊技制御手段が実行するセ
キュリティチェック時間を、払出制御手段が実行するセ
キュリティチェック時間よりも長くすることにより起動
順序規制手段が構成されるので、ソフトウェア的に起動
順序規制手段の機能を実現することができる。
【0712】請求項8記載の発明では、遊技制御手段か
らのコマンドに応じて遊技機に設けられている演出用電
気部品を制御する演出制御手段を備え、起動順序規制手
段が、演出制御手段が演出用電気部品の制御が可能な状
態になる時期を規制するとともに、遊技制御手段が遊技
に関わる制御が可能な状態になる時期を最も遅い時期と
なるように規制するように構成されているので、遊技制
御手段からの制御信号を受信する演出制御手段が、コマ
ンドを確実に受信することができる。
【0713】請求項9記載の発明では、操作手段が遊技
制御基板および払出制御基板とは別の箇所に設けられて
いるので、操作手段を制御基板毎に設ける必要がなくな
る。
【0714】請求項10記載の発明では、別の箇所とは
遊技機へ供給される電源から遊技制御基板および払出制
御基板で用いられる電圧の電源を作成する電源基板であ
り、電源基板には操作手段と、遊技機への電源の供給ま
たは遮断を選択するための電力供給操作手段とが搭載さ
れる構成とされているので、操作手段と電力供給操作手
段を近くに配することができるようになり、操作手段の
操作がより容易となる。
【0715】請求項11記載の発明では、遊技制御手段
が制御状態を初期化する処理が実行されていることを報
知手段を用いて報知するための処理を行うように構成さ
れているので、制御状態を初期化する処理を実行させる
不正行為が行われても、そのような不正行為を容易に発
見することができる。
【0716】請求項12記載の発明では、チェックデー
タが、変動データ記憶手段の記憶内容のうちの少なくと
も一部の内容にもとづいて所定の論理演算を行って算出
されたデータであるから、チェックデータを容易に、か
つ短時間で生成することができる。
【0717】請求項13記載の発明では、チェックデー
タは作業領域の内容にもとづいて生成されているので、
チェックデータ生成の対象となる領域を狭めることがで
き、チェックデータを短時間で生成することができる。
【0718】請求項14記載の発明では、電力供給停止
時処理で生成されたチェックデータが、データ毎に格納
領域が定められた作業領域に保存されるように構成され
ているので、電力供給が開始されたときに、保存されて
いるチェックデータを容易に読み出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 パチンコ遊技機を正面からみた正面図であ
る。
【図2】 ガラス扉枠を取り外した状態での遊技盤の前
面を示す正面図である。
【図3】 遊技機を裏面から見た背面図である。
【図4】 各種部材が取り付けられた機構板を遊技機背
面側から見た背面図である。
【図5】 球払出装置の構成例を示す分解斜視図であ
る。
【図6】 遊技盤に設置されている電源基板の露出部分
を示す正面図である。
【図7】 遊技制御基板(主基板)の回路構成例を示す
ブロック図である。
【図8】 払出制御基板の回路構成例を示すブロック図
である。
【図9】 電源基板の回路構成例を示すブロック図であ
る。
【図10】 クリアスイッチの他の構成例を示す説明図
である。
【図11】 リセット管理回路の構成例を示すブロック
図である。
【図12】 CPU周りの一構成例を示すブロック図で
ある。
【図13】 リセット信号と電源断信号の様子を示すタ
イミング図である。
【図14】 タイマ手段の一例であるカウンタの作用を
説明するためのタイミング図である。
【図15】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図16】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図17】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図18】 主基板におけるCPUが実行するメイン処
理を示すフローチャートである。
【図19】 バックアップフラグと遊技状態復旧処理を
実行するか否かとの関係の一例を示す説明図である。
【図20】 遊技状態復旧処理を示すフローチャートで
ある。
【図21】 2msタイマ割込処理を示すフローチャー
トである。
【図22】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図23】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図24】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図25】 RAMのアドレスマップを示す説明図であ
る。
【図26】 チェックサム作成方法の一例を説明するた
めの説明図である。
【図27】 遊技機への電力供給停止時の電源低下やN
MI信号の様子を示すタイミング図である。
【図28】 検出信号の入力処理が実行される様子の一
例を示すタイミング図である。
【図29】 RAMにおけるスイッチタイマの形成例を
示す説明図である。
【図30】 スイッチ処理の一例を示すフローチャート
である。
【図31】 スイッチチェック処理の一例を示すフロー
チャートである。
【図32】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図33】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図34】 賞球処理の一例を示すフローチャートであ
る。
【図35】 スイッチオンチェック処理を示すフローチ
ャートである。
【図36】 入力判定値テーブルの構成例を示す説明図
である。
【図37】 コマンド送信テーブル等の一構成例を示す
説明図である。
【図38】 制御コマンドのコマンド形態の一例を示す
説明図である。
【図39】 制御コマンドを構成する8ビットの制御信
号とINT信号との関係を示すタイミング図である。
【図40】 払出制御コマンドの内容の一例を示す説明
図である。
【図41】 コマンドセット処理の処理例を示すフロー
チャートである。
【図42】 コマンド送信処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。
【図43】 コマンド送信に関連する処理とコマンド受
信処理の処理タイミングを示すタイミングチャートであ
る。
【図44】 賞球個数減算処理の一例を示すフローチャ
ートである。
【図45】 払出制御用CPU周りの一構成例を示すブ
ロック図である。
【図46】 出力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図47】 入力ポートのビット割り当ての一例を示す
説明図である。
【図48】 払出制御基板におけるCPUが実行するメ
イン処理を示すフローチャートである。
【図49】 2msタイマ割込処理を示すフローチャー
トである。
【図50】 払出状態復旧処理を示すフローチャートで
ある。
【図51】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図52】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図53】 マスク不能割込処理(電力供給停止時処
理)を示すフローチャートである。
【図54】 払出制御手段におけるRAMの一構成例を
示す説明図である。
【図55】 受信コマンドバッファの一構成例を示す説
明図である。
【図56】 払出制御用CPUのコマンド受信処理の例
を示すフローチャートである。
【図57】 コマンド受信状態の例を示す説明図であ
る。
【図58】 スイッチ処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図59】 払出停止状態設定処理の例を示すフローチ
ャートである。
【図60】 コマンド解析実行処理の例を示すフローチ
ャートである。
【図61】 プリペイドカードユニット制御処理の例を
示すフローチャートである。
【図62】 球貸し制御処理の例を示すフローチャート
である。
【図63】 球貸し制御処理の例を示すフローチャート
である。
【図64】 賞球制御処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図65】 賞球制御処理の例を示すフローチャートで
ある。
【図66】 電力供給が開始したあとに払出処理が実行
されるタイミングの例を示すタイミングチャートであ
る。
【図67】 遊技制御手段における電力供給停止時処理
の他の例を示すフローチャートである。
【図68】 払出制御手段における電力供給停止時処理
の他の例を示すフローチャートである。
【図69】 遊技制御手段の他の構成例の一部を示すブ
ロック図である。
【図70】 主基板におけるCPUが実行する2msタ
イマ割込処理の他の例を示すフローチャートである。
【図71】 ソフトウェアタイマおよびウォッチドッグ
タイマ回路の作用を説明するためのタイミング図であ
る。
【図72】 払出制御手段の他の構成例の一部を示すブ
ロック図である。
【図73】 払出制御基板におけるCPUが実行するメ
イン処理の他の例を示すフローチャートである。
【図74】 リセット信号と電源断信号の他の様子を示
すタイミング図である。
【図75】 リセット信号と電源断信号のさらに他の様
子を示すタイミング図である。
【図76】 初期設定コマンドが送信されない場合のコ
マンド受信状態の例を示す説明図である。
【図77】 コマンド受信状態の他の例を示す説明図で
ある。
【図78】 第2の実施の形態において主基板からサブ
基板に送信される制御コマンドの送出形態を示すタイミ
ング図である。
【図79】 第2の実施の形態における出力ポートのビ
ット割り当ての一例を示す説明図である。
【図80】 遊技制御手段におけるRAM領域の一部を
示す説明図である。
【図81】 コマンド制御処理を示すフローチャートで
ある。
【図82】 ポート出力処理を示すフローチャートであ
る。
【図83】 第2の実施の形態における遊技状態復旧処
理を示すフローチャートである。
【図84】 第2の実施の形態における入力ポートのビ
ット割り当ての一例を示す説明図である。
【図85】 払出制御基板におけるCPUが実行するメ
イン処理を示すフローチャートである。
【図86】 タイマ割込処理を示すフローチャートであ
る。
【図87】 コマンド受信処理を示すフローチャートで
ある。
【図88】 第2の実施の形態におけるマスク不能割込
処理(電力供給停止時処理)の例を示すフローチャート
である。
【図89】 第2の実施の形態におけるマスク不能割込
処理(電力供給停止時処理)の例を示すフローチャート
である。
【図90】 第3の実施の形態において主基板からサブ
基板に送信される制御コマンドの送出形態を示すタイミ
ング図である。
【図91】 ポート出力処理を示すフローチャートであ
る。
【図92】 コマンド受信処理を示すフローチャートで
ある。
【図93】 第3の実施の形態におけるマスク不能割込
処理(電力供給停止時処理)の例を示すフローチャート
である。
【図94】 第3の実施の形態における払出状態復旧処
理の例を示すフローチャートである。
【図95】 主基板におけるCPU周りの他の構成例を
示すブロック図である。
【図96】 払出制御用CPU周りの他の構成例を示す
ブロック図である。
【図97】 主基板のCPUおよび払出制御基板の払出
制御用CPUへのリセット信号の出力タイミングを示す
タイミング図である。
【図98】 電源基板におけるリセット信号出力部分の
回路構成の他の例を示すブロック図である。
【図99】 電源基板等のリセット信号の供給に係る部
分の回路構成の例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 パチンコ遊技機 31 遊技制御基板(主基板) 37 払出制御基板 56 CPU 65,65A,65B,65a,65b,65c,65
d,65e システムリセット回路(電源監視手段) 97 球払出装置 371 払出制御用CPU 651,651A,651B,651a,651b,6
51c,651d,651e リセットIC 910 電源基板 902 電源監視用IC(電源監視手段) 914 電源スイッチ 921 クリアスイッチ 923,924 コンデンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神林 康男 群馬県桐生市境野町6丁目460番地 株式 会社三共内 Fターム(参考) 2C088 BA32 BC58 EA10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊技媒体を用いて所定の遊技を行うこと
    が可能であり、所定の払出条件が成立したことにもとづ
    いて遊技媒体を払い出す遊技機であって、 前記遊技媒体の払い出しを行う払出手段と、 遊技の進行を制御する遊技制御手段と、 前記遊技制御手段からのコマンドにもとづいて前記払出
    手段の制御を行う払出制御手段と、 遊技機への電力供給が停止しても所定期間は記憶内容を
    保持することが可能な変動データ記憶手段と、 遊技機で用いられる所定の電源の状態を監視して、遊技
    機への電力供給の停止にかかわる検出条件が成立した場
    合に検出信号を出力する電源監視手段と、 遊技機への電力供給の開始に関連して、前記遊技制御手
    段が遊技に関わる制御が可能な状態になる時期を、前記
    払出制御手段が前記払出手段の制御が可能な状態になる
    時期よりも遅い時期となるように規制する起動順序規制
    手段と、 操作に応じて操作信号を出力することが可能な操作手段
    とを備え、 前記遊技制御手段および前記払出制御手段は、前記電源
    監視手段からの検出信号に応じて制御状態を復旧させる
    ために必要なデータを前記変動データ記憶手段に保存す
    るための電力供給停止時処理を実行し、当該電力供給停
    止時処理にて、前記変動データ記憶手段の記憶内容にも
    とづいてチェックデータを生成する処理と、生成したチ
    ェックデータを前記変動データ記憶手段に保存する処理
    とを実行し、 電力供給が復帰し複数の復旧条件がすべて成立した場合
    に前記変動データ記憶手段に保存されていた記憶内容に
    もとづいて制御状態を電力供給が停止する前の状態に復
    旧させる復旧処理を実行し、前記複数の復旧条件のうち
    少なくとも1つの条件が不成立であった場合には、前記
    変動データ記憶手段に保持されていた記憶内容を初期化
    する初期化処理を実行し、 前記複数の復旧条件には、少なくとも、電力供給の復帰
    に関連した時期に前記操作手段から操作信号が出力され
    なかった場合と、前記変動データ記憶手段に保存されて
    いたチェックデータにもとづく判定処理によって前記変
    動データ記憶手段に保存されていた記憶内容が正当であ
    ると判定された場合とを含むことを特徴とする遊技機。
  2. 【請求項2】 遊技制御手段および払出制御手段は、複
    数の復旧条件が成立しているか否かを確認する際に、操
    作手段から操作信号が出力されているか否かの確認を優
    先的に実行し、操作手段から操作信号が出力されている
    ことを確認した場合には、他の復旧条件が成立している
    か否かの確認を行うことなく初期化処理を実行する請求
    項1記載の遊技機。
  3. 【請求項3】 起動順序規制手段は、遊技制御手段およ
    び払出制御手段をシステムリセットさせるためのリセッ
    ト信号を出力するとともに、所定の電源が前記遊技制御
    手段および前記払出制御手段が動作可能な電圧レベル以
    上の電圧レベルとなったことを条件にリセット解除信号
    を出力する複数のシステムリセット手段を含み、 前記遊技制御手段および前記払出制御手段へのリセット
    解除信号の出力順序を規制することによって、前記遊技
    制御手段および前記払出制御手段が制御が可能な状態に
    なる時期を規制する請求項1または請求項2記載の遊技
    機。
  4. 【請求項4】 システムリセット手段は、リセット解除
    信号を出力するタイミングを決定するためのコンデンサ
    を含み、 前記コンデンサの容量を異ならせることによって遊技制
    御手段および払出制御手段が制御が可能な状態になる時
    期を規制する請求項3記載の遊技機。
  5. 【請求項5】 遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
    と払出制御手段が搭載された払出制御基板とを備え、 起動順序規制手段は、前記遊技制御基板および前記払出
    制御基板に搭載される請求項1から請求項4のうちのい
    ずれかに記載の遊技機。
  6. 【請求項6】 遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
    と払出制御手段が搭載された払出制御基板とを備え、前
    記遊技制御基板および前記払出制御基板とは別個に、遊
    技機へ供給される電源から前記遊技制御基板および前記
    払出制御基板で用いられる電圧の電源を作成する電源基
    板を備え、 起動順序規制手段は、前記電源基板に搭載される請求項
    1から請求項4のうちのいずれかに記載の遊技機。
  7. 【請求項7】 遊技制御手段および払出制御手段は電力
    供給の開始に関連して制御が可能になる時期よりも前に
    自己の診断を行うセキュリティチェックを実行可能であ
    り、 前記遊技制御手段が実行する前記セキュリティチェック
    時間を、前記払出制御手段が実行する前記セキュリティ
    チェック時間よりも長くすることにより起動順序規制手
    段が構成される請求項1または請求項2記載の遊技機。
  8. 【請求項8】 遊技制御手段からのコマンドに応じて遊
    技機に設けられている演出用電気部品を制御する演出制
    御手段を備え、 起動順序規制手段は、前記演出制御手段が前記演出用電
    気部品の制御が可能な状態になる時期を規制するととも
    に、前記遊技制御手段が遊技に関わる制御が可能な状態
    になる時期を最も遅い時期となるように規制する請求項
    1から請求項7のうちのいずれかに記載の遊技機。
  9. 【請求項9】 遊技制御手段が搭載された遊技制御基板
    と払出制御手段が搭載された払出制御基板とを備え、 操作手段は前記遊技制御基板および前記払出制御基板と
    は別の箇所に設けられている請求項1から請求項8のう
    ちいずれかに記載の遊技機。
  10. 【請求項10】 別の箇所とは遊技機へ供給される電源
    から前記遊技制御基板および前記払出制御基板で用いら
    れる電圧の電源を作成する電源基板であり、 前記電源基板には操作手段と、遊技機への電源の供給ま
    たは遮断を選択するための電力供給操作手段とが搭載さ
    れる請求項9記載の遊技機。
  11. 【請求項11】 遊技制御手段は、遊技機に設けられた
    所定の報知を行うための報知手段を制御するための処理
    を実行可能であり、 前記遊技制御手段は制御状態を初期化する処理が実行さ
    れていることを前記報知手段を用いて報知するための処
    理を行う請求項1から請求項10のうちいずれかに記載
    の遊技機。
  12. 【請求項12】 チェックデータは、変動データ記憶手
    段の記憶内容のうちの少なくとも一部の内容にもとづい
    て所定の論理演算を行って算出されたデータである請求
    項1から請求項11のうちいずれかに記載の遊技機。
  13. 【請求項13】 変動データ記憶手段は、データ毎に格
    納領域が定められた作業領域を含み、 チェックデータは前記作業領域の内容にもとづいて生成
    される請求項1から請求項12のうちいずれかに記載の
    遊技機。
  14. 【請求項14】 電力供給停止時処理で生成されたチェ
    ックデータは作業領域に保存される請求項13記載の遊
    技機。
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