JP2003132296A - 建物の地震被害予測方法,それに用いる最適条件決定処理方法およびそれらのプログラム - Google Patents

建物の地震被害予測方法,それに用いる最適条件決定処理方法およびそれらのプログラム

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JP2003132296A
JP2003132296A JP2001330319A JP2001330319A JP2003132296A JP 2003132296 A JP2003132296 A JP 2003132296A JP 2001330319 A JP2001330319 A JP 2001330319A JP 2001330319 A JP2001330319 A JP 2001330319A JP 2003132296 A JP2003132296 A JP 2003132296A
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earthquake
building
seismic
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Tetsuya Yamada
哲也 山田
Masaharu Tanigaki
正治 谷垣
Kuniaki Yamagishi
邦彰 山岸
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Mitsui Construction Co Ltd
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Mitsui Construction Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 既存建物の地震に対する被害率および被害額
を精度よく予測できるようにする。 【解決手段】 評価対象建物の耐震指標入力部31は,
評価対象建物の構造耐震診断結果である構造耐震指標を
入力する。破壊確率算出部32は,その入力された構造
耐震指標をもとに,あらかじめ過去に起きた地震の被害
データから最適条件決定処理装置10によって算定され
た破壊確率算出条件を用いて,地震入力レベルに応じた
破壊確率を算出する。被害予測情報出力部33は,算出
された破壊確率から評価対象建物の被害予測結果として
被害率曲線,リスク曲線などを出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,建物の構造部材・
非構造部材の耐震性を評価して,地震時の被害予測を客
観的な数値で表現することを可能にした建物の地震被害
予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】既存建物の被害予測方法は,過去の震害
結果をもとに行うのが一般的である。この際,建物の建
築年や構造形式の違いにより被害程度が異なるという調
査結果に基づき,被害予測対象の建物の特性から,その
耐震性を判断して被害予測を行う。
【0003】建物の耐震性は,財団法人日本建築防災協
会出版の耐震診断基準に準じ評価する。耐震性は,強度
指標・靭性指標・その他形状などをもとに構造耐震指標
(I S 値)で評価される。構造耐震指標(IS 値)が規
定値(例えば0.6)以下の場合,耐震性が不足してい
ると評価され,耐震改修により構造耐震指標(IS 値)
を規定値以上になるようにする必要がある。
【0004】ただし,構造耐震指標(IS 値)による耐
震改修が必要かどうかの評価方法は,建物の被害予測を
目的としたものではないので,構造耐震指標(IS 値)
を直接,被害予測(被害確率)に結び付けることはでき
ない。構造耐震指標(IS 値)と被害予測とを直接的に
結び付けることはできないが,これらの関連を評価する
手法については,以下の参考文献1,2で論じられてい
る。 [参考文献1]宇賀田 他5名,構造物の耐震安全性に
関する検討(耐震性能指標Isと年損傷確率Pfの関
係),日本建築学会大会学術講演梗概集,41-42pp.,20
00年9月. [参考文献2]吉田献一 他8名,通信施設の地震リス
クに関する研究,日本建築学会技術報告集,第12号,
65-68pp.,2001年1月.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の地震被害予測
は,過去の地震被害調査(例えば阪神・淡路大震災等)
に基づいている。調査は,鉄骨(S)造,鉄筋コンクリ
ート(RC)造,鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)
造,ピロティ有り・無しなどといった建物の構造形式や
階数など,比較的概観で分かる建物分類毎に行われてい
る。また,建築年を調査対象とし,被害レベルとの関連
を示している例が多い。建築構造物にとって,どの時代
の耐震設計規準・指針を用いているかにより耐震性が異
なるため,建築年度の違いが,被害レベルに与える影響
が大きいことが一般に知られている。
【0006】しかし,これらの分類から得られる被害レ
ベルは,建物の個々の耐震性を正確に反映したものでは
ない。より詳細な耐震性を評価するためには,耐震診断
が必要になる。耐震診断結果と被害レベルの関係を見つ
けることにより,より精度の高い建物の被害予想ができ
ることになる。
【0007】しかし,耐震診断の結果である構造耐震指
標(IS 値)を用いて,直接に被害レベルを推定する方
法が存在しないため,上記の被害予想を実施することが
できなかった。
【0008】上記参考文献1で採用されている手法の問
題点は,地震入力加速度の大きさにかかわらず,同じ標
準偏差を用いていることである。このため,解析結果の
損傷度曲線は,実際の震災の被害率曲線よりも急激に被
害率が増加する傾向にある。すなわち,これは地震入力
加速度分布の標準偏差が実際よりも小さいことを意味す
る。
【0009】上記参考文献2で採用されている手法の問
題点は,構造耐震指標(IS 値)と損害確率の算定方法
が明確にされていないことである。ただし,参考文献1
と異なり,阪神・淡路大震災の被害率調査結果を参考
に,破壊レベル毎の最大地震入力加速度の中央値を求め
ている。
【0010】また,以上の問題とは別に,従来は,構造
部材の地震による被害の予測方法はあっても,非構造部
材(外装材など)の地震による被害を客観的に予測する
方法はなかった。
【0011】本発明は,上記の問題点の解決を図り,耐
震診断の結果である構造耐震指標(IS 値)と被害率の
関係を正確に算定し,精度のよい被害予測を可能にする
ことを目的とする。また,従来行われていなかった外装
材などの非構造部材に関する被害予測も,非構造耐震指
標(IN 値)を用いて,被害率データと結び付けること
により可能にすることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記課題を解
決するために,既存建物の地震に対する被害率および被
害額を予測するにあたって,評価対象建物の構造体に関
する耐震診断結果である構造耐震指標を入力し,その入
力された構造耐震指標をもとに,あらかじめ過去に起き
た地震の被害データから算定された破壊確率算出条件を
用いて,地震入力レベルに応じた破壊確率を算出し,算
出された破壊確率に基づき,評価対象建物の被害予測を
行う。既往の震害結果のデータ分析をもとに,構造耐震
指標から建物の被害予測を行うことにより,実際の地震
被害結果に合った精度のよい被害予測が可能になる。
【0013】また,第2の発明は,既存建物の地震に対
する被害率および被害額を予測するにあたって,評価対
象建物の構造体に関する耐震診断結果である構造耐震指
標および非構造体に関する耐震診断結果である非構造耐
震指標を入力し,その入力された構造耐震指標および非
構造耐震指標をもとに,あらかじめ定められた破壊確率
算出条件を用いて地震入力レベルに応じた破壊確率を算
出し,算出された破壊確率に基づき,評価対象建物の被
害予測を行う。構造耐震指標および非構造耐震指標のそ
れぞれについて被害予測を行うことにより,構造体およ
び外装材などの非構造体のそれぞれについて被害率,被
害額を算出し,構造体および非構造体についてのトータ
ルの期待損失を算出することができる。
【0014】また,前記破壊確率算出条件は,例えば建
設年代別,構造形式別,建物用途別といった特定条件下
の各グループに属する建物の耐震指標分布を用いた各予
測被害率と前記各グループの過去に起きた地震の各被害
率データとを最適にそれぞれ一致させるような条件を設
定することにより,精度のよい被害予測が可能になる。
分析対象とするグループ数が多いほど,より正確な被害
予測が可能になる。
【0015】前記破壊確率算出条件として,地震入力レ
ベルと荷重効果係数の関係,地震入力レベルの変動係数
および破壊レベルの違いを表す指標を規定する情報を用
いる。これにより,過去の事例に基づく被害率曲線に適
合する破壊確率算出条件を算定し,精度のよい被害予測
を実現することができる。
【0016】前記既存建物の地震被害予測方法に用いる
最適な破壊確率算出条件の決定では,構造耐震指標また
は非構造耐震指標に関する耐震指標分布情報を入力し,
設定された破壊確率算出条件に従って,入力された耐震
指標分布情報から地震入力レベルに応じた破壊確率を算
出し,計算に基づく被害率曲線を求め,また過去に起き
た地震の被害データから得られる事例に基づく被害率曲
線を入力し,計算に基づく被害率曲線と事例に基づく被
害率曲線とを比較し,その比較結果から破壊確率算出条
件を変更して,上記処理を繰り返すことにより,試行錯
誤的に最適な破壊確率算出条件を求める。これによっ
て,実際の事例に適合する最適な破壊確率算出条件を算
定することができる。
【0017】特に,破壊確率算出条件として,地震入力
レベルと荷重効果係数の関係,地震入力レベルの変動係
数および破壊レベルの違いを表す指標を規定する情報を
用いることにより,精度のよい被害予測を行うための最
適な破壊確率算出条件を算定することが可能になる。
【0018】以上の処理は,コンピュータと,そのコン
ピュータにインストールされ実行されるソフトウェアプ
ログラムとによって実現することができ,そのプログラ
ムは,コンピュータが読み取り可能な可搬媒体メモリ,
半導体メモリ,ハードディスク等の適当な記録媒体に格
納することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は,本発明を実施する装置の
構成例を示す図である。
【0020】最適条件決定処理装置10は,CPUおよ
びメモリなどからなる装置であり,既存建物の耐震診断
結果を用いて,その建物の被害率および被害額を予測す
る際に必要となるパラメータである破壊確率算出条件を
求める装置である。最適条件決定処理装置10は,ソフ
トウェアプログラム等によって実現される耐震指標分布
入力部11,破壊確率算出条件設定部12,破壊確率算
出部13,被害率曲線出力部14,過去の地震の被害率
曲線入力部15,比較部16,条件変更部17および破
壊確率算出条件出力部18を備える。
【0021】破壊確率算出条件記憶部20は,最適条件
決定処理装置10が決定した最適な破壊確率算出条件を
記憶する手段である。
【0022】地震被害予測処理装置30は,CPUおよ
びメモリなどからなる装置であり,評価対象建物の構造
耐震指標またはそれと非構造耐震指標とを入力し,破壊
確率算出条件記憶部20に記憶されている破壊確率算出
条件に基づいて,その建物の被害率および被害額を予測
する装置である。地震被害予測処理装置30は,ソフト
ウェアプログラム等によって実現される評価対象建物の
耐震指標入力部31,破壊確率算出部32および被害予
測情報出力部33を備える。
【0023】最初に,構造部材の耐震性能指標である構
造耐震指標(Is 値という)に関する最適な破壊確率算
出条件を決定する処理について説明し,その後,外装材
などの非構造部材の耐震性能指標である非構造耐震指標
(IN 値という)に関する最適な破壊確率算出条件を決
定する処理について説明する。
【0024】図2は,図1に示す最適条件決定処理装置
10の機能概要を説明する図である。最適条件決定処理
装置10は,過去の事例を用いて建物の構造耐震指標
(IS値)または非構造耐震指標(IN 値)と被害率の
関係を,特定の条件下の集合(グループ)ごとに求め,
地震被害予測処理装置30は,最適条件決定処理装置1
0が求めた建物の構造耐震指標(IS 値)または非構造
耐震指標(IN 値)と被害率の関係から,評価対象建物
の被害率,被害額を予想する。この建物の構造耐震指標
(IS 値)または非構造耐震指標(IN 値)と被害率の
関係として,以下の三つのパラメータからなる破壊確率
算出条件を決定する。
【0025】 1.地震入力レベル(入力地震動レベル)と荷重効果係
数の関係 2.地震入力レベルの変動係数(ばらつき) 3.破壊レベルの分類定義情報 破壊レベルの分類定義情報は,構造部材の場合には大破
・中破・小破の定義情報である。
【0026】(a)まず,任意グループ(G1,G2,
…)別の構造耐震指標(Is 値)分布を既往の文献から
求める。ここで,グループ別とは,建設年の年代別,建
物の構造形式別(例えば鉄骨(S)造,鉄筋コンクリー
ト(RC)造,鉄骨・鉄筋コンクリート(SRC)造,
…),建物の用途別(例えばオフィスビル,マンショ
ン,公共施設,…)といった任意の条件で分類した各デ
ータ群を意味する。
【0027】なお,建設年代別の構造耐震指標(I
s 値)分布が記載されている文献としては,例えば以下
の参考文献3,参考文献4がある。 [参考文献3]中埜良昭,岡田恒男,信頼性理論による
鉄筋コンクリート造建築物の耐震安全性に関する研究,
日本建築学会構造系論文報告集,第406号,1989年12
月,pp.37-43. [参考文献4]東京における直下地震の被害想定に関す
る調査報告書(被害想定手法編),東京都,平成9年8
月. (b)次に,この任意グループ別の構造耐震指標(Is
値)分布のそれぞれに対して,破壊確率算出条件に基づ
き被害率曲線を求める。破壊確率算出条件は,最初は適
当なパラメータを初期条件として仮定したものを用い
る。
【0028】(c)グループ別に求めた被害率曲線を一
時的に保存する。
【0029】(d)同じ任意グループ別の過去の地震の
被害率曲線を,被害調査結果が記載された既往の文献か
ら求める。例えば建設年代別の被害率曲線としては,以
下の参考文献5に記載されているものを利用することが
できる。 [参考文献5]阪神・淡路大震災調査報告編集委員会,
阪神・淡路大震災調査報告建築編−1鉄筋コンクリート
造構造物,日本建築学会・地盤工学会・土木学会・日本
機械学会・日本地震学会,1997,444pp . (e)上記(c)で求めた被害率曲線と,上記(d)で
求めた過去の事例の被害率曲線とを比較する。一致すれ
ば,(b)で用いた破壊確率算出条件が最適であること
がわかるので,それを地震被害予測処理装置30で用い
る破壊確率算出条件とする。
【0030】(f)上記(e)における比較の結果,上
記(c)で求めた被害率曲線と,上記(d)で求めた過
去の事例の被害率曲線とが不一致であれば,上記(b)
で仮定した破壊確率算出条件を変更して,(b)〜
(e)を被害率曲線が一致するまで繰り返す。なお,実
用上一致するとみなすことができる範囲であれば,完全
に一致しなくても,一致するとみなしてよい。一致すれ
ば,最後に用いた破壊確率算出条件を最適な破壊確率算
出条件として出力する。また,三つのパラメータのいろ
いろな組み合わせについて(b)〜(e)を試行し,そ
の中で被害率曲線が最も一致する破壊確率算出条件を最
適な破壊確率算出条件としてもよい。
【0031】図3は,最適条件決定処理装置10の処理
フローチャートである。耐震指標分布入力部11は,グ
ループ毎の構造耐震指標(Is 値)分布を入力する(ス
テップS1)。図4に,建設年代別の構造耐震指標分布
の例を示す。図4(a)は,1974年以前の構造耐震
指標分布,図4(b)は1974年から1980年まで
の構造耐震指標分布,図4(c)は1980年以降の構
造耐震指標分布を示している。建設年代が新しいほど,
耐震性能がよくなっていることがわかる。したがって,
年代別にグループ化したデータを利用することにより,
既存の建物についての地震被害予測を行う場合に,その
建設年代に応じた破壊確率算出条件を用いて高精度の破
壊確率を算出することができる。
【0032】次に,破壊確率算出条件設定部12は,破
壊確率算出条件(パラメータ)を仮定してそれを初期条
件として設定する(ステップS2)。パラメータは,地
震入力レベルと荷重効果係数の関係,地震入力レベルの
変動係数,大破・中破・小破の分類定義情報である。
【0033】図5に,地震入力レベルと荷重効果係数の
関係をグラフ化して表した図を示す。横軸が地震入力レ
ベル,縦軸が荷重効果係数(Et )を表している。荷重
効果係数(Et )は,地震入力レベルをIs 値に換算し
たもので,ある加速度レベルの地震動に対して安全であ
るために必要なIs 値を示すものである。
【0034】地震入力レベル(地震入力加速度)と荷重
効果係数との関係の詳細については,例えば以下の参考
文献6に記載されている。 [参考文献6]村上雅也,耐震性能の評価と判定値の設
定,建築雑誌,Vol.95,No.1170 ,昭和55年9月,pp
32-39 . 地震入力レベルの変動係数(ν)は,地震入力レベルの
ばらつきを示すものである。
【0035】図6に,大破・中破・小破の分類定義情報
の例を示す。大破・中破・小破の分類定義情報は,破壊
レベルの違いを表す指標であり,図6に示すように,無
損と小破を分類する境界値a,小破と中破を分類する境
界値b,中破と大破を分類する境界値cの三つの値a,
b,cからなる。これらのa,b,cの値は,耐震性能
基準値IS0に対する構造耐震指標Is の比で定義され
る。
【0036】破壊確率算出部13は,破壊確率算出条件
設定部12が設定した破壊確率算出条件のうち,まず地
震入力レベルと荷重効果係数の関係および地震入力レベ
ルの変動係数を用いて,中破の場合の破壊確率を評価す
る(ステップS3)。この処理の詳細については後述す
る。
【0037】次に,破壊確率算出部13は,中破につい
て計算した破壊確率をもとに,小・中・大破を分類する
境界値a,b,cを用いて,大破・中破・小破の破壊確
率を算定する(ステップS5)。被害率曲線出力部14
は,大破・中破・小破の破壊確率を表す被害率曲線を比
較部16へ送る。
【0038】一方,過去の地震の被害率曲線入力部15
は,ステップS1で入力したのと同じグループの構造耐
震指標(Is 値)に対応する実際に起きた地震の被害調
査結果から得られた被害率曲線を入力し,これを比較部
16へ送る。
【0039】図7に,過去に実際に起きた地震の被害調
査結果から得られた被害率曲線の例を示す。図7(a)
は,1970年以前の建物の被害率曲線,図7(b)は
1971年から1980年までの建物の被害率曲線,図
7(c)は1981年以降の建物の被害率曲線を示して
いる。建設年代が新しいほど,特に中破以上の被害率が
小さくなっている。
【0040】比較部16は,破壊確率算出条件を仮定し
て算出した被害率曲線と,図7に示す該当するグループ
(建設年代)の過去の事例による被害率曲線とを照合
し,一致するかどうかの比較を行う(ステップS6)。
一致しない場合,ステップS8へ進み,一致する場合に
はステップS9へ進む(ステップS7)。
【0041】ステップS8では,条件変更部17によっ
て破壊確率算出条件を変更する。破壊確率算出条件を変
更する方法としては,三つの条件(地震入力レベルと荷
重効果係数の関係,地震入力レベルと変動係数,破壊レ
ベルの分類定義情報)の離散的なあらゆる組み合わせを
生成し,その各々について順次試行していく方法を用い
ることができる。また,ヒューリスティックな方法の導
入による最適パラメータ探索の高速化のために,破壊確
率算出条件を仮定して算出した被害率曲線と,過去の事
例による被害率曲線とを照合した場合の不一致の態様か
ら,例えば中破の被害率曲線が一致して大破・小破の被
害率曲線が一致しない場合には,破壊レベルの分類定義
情報a,b,cだけを変更するとか,被害率曲線の傾斜
の度合に着目して地震入力レベルの変動係数を変更する
とか,地震入力レベルに対する全体的な被害率の大小か
ら,地震入力レベルと荷重効果係数の関係を変更すると
いった方法を用いることもできる。
【0042】破壊確率算出条件設定部12は,条件変更
部17によって変更された破壊確率算出条件を破壊確率
算出部13へ通知し,破壊確率算出部13は,変更され
た破壊確率算出条件を用いて再度,ステップS3以降の
処理を繰り返す。
【0043】ステップS3〜S8を処理を繰り返し,計
算で求めた被害率曲線と過去の事例による被害率曲線が
一致した場合(ステップS7)には,破壊確率算出条件
出力部18によって,そのときの破壊確率算出条件をグ
ループ種別の情報とともに,ハードディスク装置などの
破壊確率算出条件記憶部20に出力する(ステップS
9)。以上が最適条件決定処理装置10による処理であ
る。
【0044】図8および図9を用いて,破壊確率算出部
13が行う処理をさらに詳しく説明する。
【0045】耐震指標分布入力部11から入力されるI
s 値分布は,対数正規分布を仮定すると,次の式1のよ
うに表される。ここで,xが構造耐震指標(Is ),y
がその自然対数,σy はyの標準偏差である。P(x)
は相対頻度を表す。式1は,図8(a)に示すような形
状となる。
【0046】
【数1】
【0047】破壊確率算出条件の一つである地震入力レ
ベル(Aとする)と荷重効果係数(Et とする)の関係
は,図8(b)に示すようなものであり,次の式2のよ
うに,Et はAに対するある関数Fとして表される。
【0048】
【数2】
【0049】また,地震入力レベルAの変動係数をνと
すると,地震入力レベルAの変動係数νを考慮した破壊
確率Pf (x,A)は,次の式3のように表される。σ
Etは標準偏差であり,Et にνを乗じたものである。破
壊確率Pf (x,A),すなわち被害率は,Is 値と地
震入力レベルの大きさに応じて,図8(c)に示すよう
になる。
【0050】
【数3】
【0051】破壊確率算出部13は,以上の破壊確率算
出条件に関するパラメータによって規定される式1〜式
3から,次の式4に従って,地震入力レベルAに対する
破壊レベルが中破以上の破壊確率Pm (A)を算出す
る。これにより,図8(d)のように,各地震入力レベ
ルに応じた中破以上の破壊確率(被害率)が算出される
ことになる。
【0052】
【数4】
【0053】次に,破壊確率算出部13は,算出された
中破以上の被害率から,次の式5で定義された小破・中
破・大破の分類定義に従って大破・小破の破壊確率を算
出する。具体的には,耐震性能基準値をIS0としたと
き,各破壊レベル(小破・中破・大破)のIs 値の平均
値を,式6のようにそれぞれaIS0,bIS0,cIS0
して,式4に適用し,大破・中破・小破の破壊確率を決
定する。
【0054】
【数5】
【0055】
【数6】
【0056】以上により,図9(e),(f)に示すよ
うに,地震入力レベルに応じて小破・中破・大破以上の
それぞれの被害率曲線が求まることになる。
【0057】以上のようにして破壊確率算出部13によ
って算出された被害率曲線と,図7に示すような過去に
実際に起きた地震の被害調査結果から得られた被害率曲
線とを,比較部16において比価し,一致しなければ条
件変更部17により破壊確率算出条件を変更する。
【0058】図10ないし図12に従って,被害率曲線
が不一致の場合に,一致させるために破壊確率算出条件
をどのように変更すればよいかについて簡単に説明す
る。
【0059】図10は,地震入力レベルAと荷重効果係
数Et の関係を変更したときの被害率曲線に与える影響
を示す図である。地震入力レベルAと荷重効果係数Et
の関係を,図10(a)に示すようにCase1からC
ase2に変更した場合,被害率曲線は,図10(b)
のCase1からCase2のように変わる。
【0060】これにより,逆にもし計算により求めた被
害率曲線が例えば図10(b)のCase1であり,過
去の事例による被害率曲線がF1であったような場合に
は,地震入力レベルAと荷重効果係数Et の関係を,図
10(a)に示すようにCase1とCase2の中間
的値に変更すればよいことがわかる。もちろん,破壊確
率算出条件の一度の変更で被害率曲線を一致させること
は難しいので,試行錯誤的に徐々に近づけていけばよ
い。ただし,最終的に決定されたCaseは,工学的に
有意なものである必要がある。
【0061】図11は,地震入力レベルの変動係数νを
変更したときの被害率曲線に与える影響を示す図であ
る。図11(a)のCase1のように,地震入力レベ
ルの変動係数νが大きい場合,被害率曲線は図11
(b)のCase1のようになる。一方,図11(a)
のCase2のように,地震入力レベルの変動係数νが
小さい場合,被害率曲線は図11(b)のCase2の
ようになる。この性質を考慮して,破壊確率算出条件の
一つである地震入力レベルの変動係数νを変更し,計算
により求めた被害率曲線が,実際の被害率曲線に一致す
るように徐々に近づけていくことができる。ただし,最
終的に決定されたCaseは,工学的に有意なものであ
る必要がある。
【0062】図12は,大破・中破・小破の分類が被害
率曲線に与える影響を示す図である。本実施の形態にお
ける破壊確率算出条件の一つである大破・中破・小破の
分類定義情報を変更するとは,それらの境界値c,b,
aを変更することを意味する。a,b,cの値が,Ca
se1の場合にはそれぞれa1,b1,c1であり,C
ase2の場合にはそれぞれa2,b2,c2であっ
て,例えばb1=b2,c1<c2,a1>a2であっ
たとすると,Case1およびCase2の場合の被害
率曲線は,それぞれ図12(b)に示すような関係にな
る。この性質を考慮して,計算により求めた被害率曲線
が実際の被害率曲線と違う場合に,それらが近づくよう
に大破・中破・小破の分類定義情報を変更することがで
きる。
【0063】図13は,以上のようにして最適な破壊確
率算出条件のパラメータを決定し,その破壊確率算出条
件を用いて算出した被害率曲線と,過去の事例に基づく
被害率曲線とを重ねて表した図である。この図から,建
設年代が1981年以降の小破の場合の被害率曲線を除
き,破壊確率算出条件を用いて計算により求めた結果
が,かなり実際の被害率曲線に近いことがわかる。
【0064】この破壊確率算出条件を用いれば,構造耐
震指標(Is 値)が既知の建物について,小破・中破・
大破の被害率曲線を算出することができ,さらにそれを
もとに,被害額などのリスクを算出することができる。
【0065】以上,構造耐震指標(Is 値)から被害率
曲線を求める方法を説明したが,外装材などの非構造部
材についても,その耐震診断結果である非構造耐震指標
(I N 値)に対して,破壊確率算出条件を仮定して被害
率曲線を求め,その結果と実際の被害率曲線との照合に
よって破壊確率算出条件を徐々に変更し,最適な破壊確
率算出条件を決定することができる。その破壊確率算出
条件を用いれば,建物の非構造部材に関する被害予測も
精度よく行うことが可能になる。
【0066】図14は,非構造部材に関する最適条件決
定処理装置10の機能概要を説明する図である。最適条
件決定処理装置10の耐震指標分布入力部11は,特定
の条件下の集合(グループ)ごとの非構造耐震指標(I
N 値)分布を入力する。破壊確率算出条件としては,構
造部材の場合と同様に,以下の三つのパラメータからな
る破壊確率算出条件を用いる。
【0067】 1.地震入力レベル(入力地震動レベル)と荷重効果係
数の関係 2.地震入力レベルの変動係数(ばらつき) 3.破壊レベルの分類定義情報 ただし,これらのうち破壊レベルの分類定義情報は,非
構造部材の場合には大破・中破・小破の分類はあまり意
味がないので,単に破壊か否かの分類とする。
【0068】図14において,(a)は,特定条件下
(例えば主構造種別)の集合に属する建築構造物の非構
造耐震指標(IN 値)分布である。一方,(d)は,同
じ条件下の集合に属する非構造部材の実際の被害率曲線
である。(a)に示す非構造耐震指標(IN 値)分布を
用いて,(d)で示す被害率を算定するために必要な論
理が,(b)に示す破壊確率算出条件であり,これによ
って算出した非構造部材の被害率曲線が(c)に示すも
のである。(e)に示す部分は,(a)の非構造耐震指
標(IN 値)分布を用いて,(e)の破壊確率算出条件
により求めた(c)の被害率曲線と,(d)の実際の過
去の事例に基づく被害率曲線とを一致させるための最適
な破壊確率算出条件を探す部分である。
【0069】非構造耐震指標(IN 値)に関する最適な
破壊確率算出条件を算出するための処理の流れについて
は,基本的に構造耐震指標(Is 値)の場合と同様であ
るので,説明を省略する。
【0070】次に,最適条件決定処理装置10が決定し
た破壊確率算出条件を用いて,既存建物の被害予測を行
う地震被害予測処理装置30について説明する。
【0071】図15は,図1に示す地震被害予測処理装
置30の処理フローチャートである。評価対象建物の耐
震指標入力部31は,評価しようとする既存建物の構造
耐震指標(Is 値)または非構造部材についても被害予
測を行う場合には,さらに非構造耐震指標(IN 値)を
入力する。その他,被害額の予測のために必要な各種の
情報についても入力する(ステップS20)。
【0072】図16に,これらの入力画面の例を示す。
建物データとして建設地,構造形式,階数を入力すると
ともに,その建物の耐震診断結果として,各階ごとのX
方向とY方向の構造耐震指標Is ,非構造耐震指標IN
を入力する。また,建物価格情報として,再調達する場
合の建設コスト,構造部と非構造部の比率を入力する。
【0073】次に,破壊確率算出部32は,最適条件決
定処理装置10が決定した破壊確率算出条件を破壊確率
算出条件記憶部20から入力し,それを用いて破壊確率
を算定する(ステップS21)。破壊確率の算定方法
は,基本的には最適条件決定処理装置10における破壊
確率算出部13で説明した方法と同様であるが,耐震指
標分布ではなく,耐震指標そのものを用いることができ
るので,算出は容易である。
【0074】被害予測情報出力部33は,破壊確率算出
部32が算定した破壊確率をもとに,構造体(構造部
材),非構造体(非構造部材)の被害率曲線,イベント
ツリー解析の情報,リスク曲線を算出し,出力する(ス
テップS22)。
【0075】図17は,被害率曲線の出力画面の例を示
す。被害率曲線は,地震の大きさを示す入力地震動(地
震入力レベル)に対する被害率を示すものであり,構造
体の場合には,小破・中破・大破のそれぞれについての
被害率が示される。非構造体の場合には,破壊の確率が
被害確率として示される。
【0076】図18は,イベントツリー解析情報の出力
画面の例を示す。イベントツリーとは,構造体と非構造
体の破壊レベルの組み合わせ(これをシナリオという)
を木構造形式で表したもので,各シナリオiごとに,発
生確率Pfi と損失額Ci を求めたものである。例えば
Pf6 は,構造体が中破で非構造体が破壊の場合の発生
確率であり,C6 は,構造体が中破で非構造体が破壊の
場合の損失額である。イベントツリー解析では,各シナ
リオiごとの発生確率Pfi と損失額Ci とから,検討
対象地震時の期待損失(期待損失=Σi (Pfi ×
i ))を算定する。
【0077】図19は,リスク曲線の出力画面の例を示
す。リスク曲線は,地震動と期待損失の関係を示したも
ので,縦軸は地震動年超過確率(何年に一度の確率で起
きる地震かを表すもの),横軸は期待損失の金額を示し
ている。頻繁に起きる小さな地震は期待損失が小さく,
稀にしか起きない大きな地震は期待損失が大きくなる。
【0078】以上のように地震被害予測処理装置30
は,最適条件決定処理装置10が算定した破壊確率算出
条件を用いて,既存建物の被害予測を精度よく行うこと
ができる。
【0079】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
建物の構造部材・非構造部材の耐震性を評価して,地震
時の被害予測を精度よく行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する装置の構成例を示す図であ
る。
【図2】最適条件決定処理装置の機能概要を説明する図
である。
【図3】最適条件決定処理装置の処理フローチャートで
ある。
【図4】建設年代別の構造耐震指標分布の例を示す図で
ある。
【図5】地震入力レベルと荷重効果係数の関係をグラフ
化して表した図である。
【図6】大破・中破・小破の分類定義情報の例を示す図
である。
【図7】過去に実際に起きた地震の被害調査結果から得
られた被害率曲線の例を示す図である。
【図8】破壊確率算出部が行う処理を説明する図であ
る。
【図9】破壊確率算出部が行う処理を説明する図であ
る。
【図10】地震入力レベルと荷重効果係数の関係を変更
したときの被害率曲線に与える影響を示す図である。
【図11】地震入力レベルの変動係数を変更したときの
被害率曲線に与える影響を示す図である。
【図12】大破・中破・小破の分類が被害率曲線に与え
る影響を示す図である。
【図13】算出した被害率曲線と過去の事例に基づく被
害率曲線とを重ねて表した図である。
【図14】非構造部材に関する最適条件決定処理装置の
機能概要を説明する図である。
【図15】地震被害予測処理装置の処理フローチャート
である。
【図16】被害予測データの入力画面の例を示す図であ
る。
【図17】被害率曲線の出力画面の例を示す図である。
【図18】イベントツリー解析情報の出力画面の例を示
す図である。
【図19】リスク曲線の出力画面の例を示す図である。
【符号の説明】
10 最適条件決定処理装置 11 耐震指標分布入力部 12 破壊確率算出条件設定部 13 破壊確率算出部 14 被害率曲線出力部 15 過去の地震の被害率曲線入力部 16 比較部 17 条件変更部 18 破壊確率算出条件出力部 20 破壊確率算出条件記憶部 30 地震被害予測処理装置 31 評価対象建物の耐震指標入力部 32 破壊確率算出部 33 被害予測情報出力部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山岸 邦彰 千葉県流山市駒木518−1 三井建設株式 会社技術研究所内 Fターム(参考) 5B056 BB64 HH00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の地震に対する被害率および被害額
    を予測する方法であって,評価対象建物の構造体に関す
    る耐震診断結果である構造耐震指標を入力する過程と,
    前記入力された構造耐震指標をもとに,あらかじめ過去
    に起きた地震の被害データから算定された破壊確率算出
    条件を用いて,地震入力レベルに応じた破壊確率を算出
    する過程と,算出された破壊確率に基づき,評価対象建
    物の被害予測情報を算定し出力する過程とを有すること
    を特徴とする建物の地震被害予測方法。
  2. 【請求項2】 建物の地震に対する被害率および被害額
    を予測する方法であって,評価対象建物の構造体に関す
    る耐震診断結果である構造耐震指標および非構造体に関
    する耐震診断結果である非構造耐震指標を入力する過程
    と,前記入力された構造耐震指標および非構造耐震指標
    をもとに,あらかじめ定められた破壊確率算出条件を用
    いて地震入力レベルに応じた破壊確率を算出する過程
    と,算出された破壊確率に基づき,評価対象建物の被害
    予測情報を算定し出力する過程とを有することを特徴と
    する建物の地震被害予測方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載の建物の地
    震被害予測方法において,前記破壊確率算出条件は,一
    つまたは複数の特定条件下の各グループに属する建物の
    耐震指標分布を用いた予測被害率と前記各グループの過
    去に起きた地震の被害率データとを最適に一致させるも
    のであり,評価対象建物の被害予測では,前記破壊確率
    算出条件を用いることを特徴とする建物の地震被害予測
    方法。
  4. 【請求項4】 請求項1,請求項2または請求項3記載
    の建物の地震被害予測方法において,前記破壊確率算出
    条件は,地震入力レベルと荷重効果係数の関係,地震入
    力レベルの変動係数および破壊レベルの違いを表す指標
    を規定する情報であることを特徴とする建物の地震被害
    予測方法。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の建物の地震被害予測方法
    に用いる最適な破壊確率算出条件を決定する方法であっ
    て,構造耐震指標または非構造耐震指標に関する耐震指
    標分布情報を入力する過程と,設定された破壊確率算出
    条件に従って,前記入力された耐震指標分布情報から地
    震入力レベルに応じた破壊確率を算出し,計算に基づく
    被害率曲線を求める過程と,過去に起きた地震の被害デ
    ータから得られる,事例に基づく被害率曲線を入力する
    過程と,前記計算に基づく被害率曲線と前記事例に基づ
    く被害率曲線とを比較する過程と,前記比較結果に基づ
    いて前記破壊確率算出条件を変更する過程とを有し,変
    更された破壊確率算出条件を用いて,前記処理過程を繰
    り返すことにより,試行錯誤的に最適な破壊確率算出条
    件を求めることを特徴とする建物の地震被害予測方法に
    用いる最適条件決定処理方法。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の建物の地震被害予測方法
    に用いる最適条件決定処理方法において,前記破壊確率
    算出条件は,地震入力レベルと荷重効果係数の関係,地
    震入力レベルの変動係数および過去に起きた地震の被害
    データに基づく破壊レベルの違いを表す指標を規定する
    情報であることを特徴とする建物の地震被害予測方法に
    用いる最適条件決定処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または請求項6記載の建物の地
    震被害予測方法に用いる最適条件決定処理方法におい
    て,前記破壊確率算出条件を,一つまたは複数の特定条
    件下の各グループに属する建物の耐震指標分布を用いた
    予測被害率と前記各グループの過去に起きた地震の被害
    率データとを最適に一致させることを特徴とする建物の
    地震被害予測方法に用いる最適条件決定処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から請求項4までのいずれか1
    項に記載された建物の地震被害予測方法を実現するステ
    ップを,コンピュータに実行させるための建物の地震被
    害予測プログラム。
  9. 【請求項9】 請求項5から請求項7までのいずれか1
    項に記載された建物の地震被害予測方法に用いる最適条
    件決定処理方法を実現するステップを,コンピュータに
    実行させるための最適条件決定処理プログラム。
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