JP2003088511A - fMRIにおける画像データの改善方法 - Google Patents

fMRIにおける画像データの改善方法

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JP2003088511A
JP2003088511A JP2001286974A JP2001286974A JP2003088511A JP 2003088511 A JP2003088511 A JP 2003088511A JP 2001286974 A JP2001286974 A JP 2001286974A JP 2001286974 A JP2001286974 A JP 2001286974A JP 2003088511 A JP2003088511 A JP 2003088511A
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fmri
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gradient magnetic
refocusing
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Toshimitsu Takahashi
俊光 高橋
Toshio Iijima
敏夫 飯島
Kenji Kono
憲二 河野
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Japan Science and Technology Corp
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  • Magnetic Resonance Imaging Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】fMRIで問題となる有限なスライス枚数を配
分するに当たり、最適な再収束パルスの大きさを設定す
ることで、分解能を高めたり、それぞれのボリューム画
像データのサイズを大きくしたりすることのできるfM
RIにおける画像データの改善方法を提供する。 【解決手段】fMRIにおける画像を撮影する際に、再
収束傾斜磁場パルスを様々に変更することにより、再収
束傾斜磁場パルスにより与える磁場強度の変更を行う予
備撮影を行って、信号損失が様々な程度に補正された画
像系列を収集し、観察する領域における再収束傾斜磁場
パルスの強度と核磁気共鳴信号強度の関係を求め、この
関係を用いて再収束傾斜磁場パルスの強度を選定してf
MRI撮影を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、fMRI(funct
ional Magnetic Resonance Imaging)における画像デー
タの改善方法に関し、さらに詳しくは、静的な局所磁場
の不均一な空間分布に由来するスライス内の信号滅衰あ
るいは信号損失を補正することが可能なfMRIにおけ
る画像データの改善方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核磁気共鳴を利用した断層撮影方法であ
るMRI(Magnetic ResonanceImaging、磁気共鳴画像
法)は、既によく知られている。また、最近発展してい
るMRIのひとつに脳の機能画像を取得するfMRIが
ある。fMRIは、通常のMRIと同様に、主にプロト
ンの信号を利用するが、画像のコントラストを作り出す
のは、通常のMRIに見られるような、プロトン密度や
各種緩和時間だけではなく、他の生理的な機能も重要な
働きをしている。
【0003】一般に神経活動に伴う画像を取得するに
は、高速な撮影方法が求められるが、従来、fMRIで
は、従来型のGRE−EPI(Gradientecho-echo plane
r)シーケンスが最も一般的に用いられてきた。これは、
GRE−EPIシーケンスで神経活動に伴う一時的な局
所磁場の変化によるMR信号の変化を高速に収集するこ
とが可能であるためである。しかし、このシーケンスで
は、GRE(Gradientecho)系のシーケンスに共通の問題
であるが、磁化率の異なる組織の境界付近では信号損失
が生じ、良好な画像が得られないという問題があった。
【0004】fMRIは、課題遂行に伴う被験者の脳内
活動の変化の画像化に用いられる。課題を遂行している
あいだに脳神経活動に伴なって起こる局所的な酸素消費
変化と血流量変化および磁気モーメントを持つ還元型ヘ
モグロピン濃度が変化することにより、磁場の均一性が
局所的に変化し、結果として、プロトン励起後の磁気共
鳴(MagneticResonance:MR)信号の自由誘導減衰(F
ree Induction Decay:FID)における緩和過程の時
定数が変化する。この効果は、BOLD(BloodOxygen
Level Dependent)効果として知られている。fMRI
は、このような効果を利用して、脳断層画像(スライ
ス)を高速に撮影するものである。
【0005】図15にfMRIに使われる装置の構成を
示す。また、図16に、それぞれの傾斜磁場コイルの構
成を示す。
【0006】fMRIには、ラジオ波パルス(RFパル
ス)、あるいは傾斜磁場パルスの印加の仕方(シ−ケン
ス)として、様々なものが提案されている。その中でと
くに、上記のような脳内神経活動由来のMR信号の検出
に有利で、かつ数秒程度で全脳をカバーする領域の撮影
が可能であることから単ショットGRE−EPI(sing
le-shotGradient echo-echo planer)シーケンスが良く
用いられる。図4は、単ショットGRE−EPIを用い
た従来のfMRIの手順を示すフローチャートであり、
次の手順に従っている。 PA−1:画撮影のパラメータを決定し、 PA−2:単ショット GRE−EPI シーケンスを
用いて、謀題遂行中の撮影を行い、 PA−3:得られたスライス・ロー・データ(生画像デ
ータ)系列に画像の再構築処理や体動補正処理などの後
処理を施す。 PA−4:最後に、複数(Ns)枚の連続したスライス
(断層画像)からなるデータをボリュームデータとする
とき、このボリュームデータの系列に対して、課題設計
に応じたt検定などのよく知られた統計解析処理を行っ
て課題についての仮説の真偽を判定する。
【0007】ここで、上記のPA−2の単ショットGR
E−EPIシーケンスについては、図10に示したフロ
ーチャートに従っている。また、図8は、1スライス分
の収集に対応する同シーケンス図(図10の点線枠内に
対応)である。図8において、(上からx軸、y軸、z
軸)に導通させる電流値の時間変化を、4行目は、ラジ
オ波の電流値の包絡線の時間変化を模式的に表す。ここ
で、説明を簡便にするため、3方向の傾斜磁場の3軸
(x軸、y軸、z軸)は、図16に示すX、Y、Zの座
標軸にそれぞれ対応するものとする。ただし、一般に
は、図16に示す3組の傾斜磁場コイルに導通する電流
値の組み合わせにより、これらの3軸は任意の方向に設
定することが可能である。
【0008】PD−1:まず、図4のPA−1で決めた
パラメータを設定する。 PD−2:次に、z軸のコイルに一定の電流をかけるこ
とで、z軸に沿って磁場勾配を形成する(スライス選択
バルス、図10のPD−2)。するとz軸に沿った位置
にあるプロトンは、その場所に応じて異なる周波数で歳
差運動をする。この間、所望の厚さを有するスライス位
置に対応する周波数帯域を持つようなシンク関数(sinc
(x)=(sin x)/x )型のRFバルスをかける(図10の
PD-2)。すると、そのスライス内のプロトンが選択
的に励起される。このとき、RFパルスの印加には、短
いがある程度持続する時間が必要なので、それに応じて
スライス選択パルスも、幅を持つ。したがって、静磁場
の均一性を仮定した場合、スライス内のプロトンの歳差
運動の位相は、z軸に沿った位置に線形に依存する差が
生じる。 PD−3:そこで,この差を相殺するために、スライス
選択パルスとは逆向きでその磁場強度の半分の大きさ
(既定値とする)の再収束(リフォーカシング)パルス
をz軸に沿って印加する。 PD−4:この後、励起されたスライス内のブロトンは
電磁波(FID信号)を放出しながら熱的定常状態へと
緩和する。このとき発せられる電磁波がMR信号であ
り、x軸の傾斜磁場を高速に正負に切り替えることによ
りエコー信号の系列を発生させ、これをディジタル・サ
ンプリングして、計算機のメモリーの所定位置に格納す
る。収集された各エコー信号の周波数特性は、x軸に沿
ったプロトンの分布密度を反映する。なお、各エコー信
号の収集に先立ってy軸に一定の傾斜磁場をかけること
により、エコー間で一定の位相差がおこる。このように
収集されたエコーを2次元データ(スライス・口一・デ
ータ)として配列し計算機のメモリーに格納する。
【0009】次に、lスライス分のロー・データの収集
(図10破線の枠内)を、スライス位置を変更しながら
Ns回繰り返してボリユームデ一夕を得、さらにNn回
繰り返し、全ボリユームデータ系列を収集する。
【0010】また、上記のPA−2の課題遂行下の掃影
については、例えば図10のように、ある脳領域を覆う
ように位置決めをした複数(Ns枚)の連続したスライ
ス(断層画像)からなるボリュームを、図6に示すよう
に、所望のサンプリング期間Tsで次々に収集する。T
sは、単ショット(singleshot)撮影法の場合はTR(r
epetition time)と同じ時間である。それぞれのTR毎
のボリユームの収集を走査(scan)と呼ぶと、一連の撮
影全休で、Nn×走査回数、枚のスライスが収集され
る。ただし、装置上の制限があるため、TR中で撮影可
能なスライス数の上限(Nsmax)が存在する。
【0011】収集された各スライス・ロー・データを、
後処理〈図4のPA‐3〉において2次元FFT(高速
フーリエ変換)処理をすることにより最終的なスライス
画像が得られる(再構築処理)。
【0012】一般に神経活動に伴う画像を取得するに
は、高速な撮影方法が求められるが、従来、fMRIで
は、従来型のGRE-EPI(Gradientecho-echo planer)シー
ケンスが最も一般的に用いられてきた。これは、GRE
−EPIシーケンスで神経活動に伴う一時的な局所磁場
の変化によるMR信号の変化を高速に収集することが可
能であるためである。しかし、このシーケンスでは、G
RE(Gradientecho)系のシーケンスに共通の問題である
が、磁化率の異なる組織の境界付近では信号損失が生
じ、良好な画像が得られないという問題があった。
【0013】この信号損失の主たる原因は、傾斜磁場で
あるスライス選択磁場の印加によりボクセル(3次元の
分解能を各辺とする直方体)内の共鳴核のプロトン間に
生じた歳差運動の位相のずれ(dephase)を、既定の再収
束パルス(refocusingpulse)のみの印加では適度に再
収束(refocus)させることができず磁化率が低下するこ
とによる。この信号損失を補正する方法が、例えば、雑
誌1(Mag.Res, Med., 6:474-480, (1988), "Direct F
LASH MR Imaging of Magnetic FieldInhomogeneities b
y Gradient Compensation)に開示されている。この開
示された方法は、Zシム(z-shim)法と呼ばれる方法
で、GREシーケンスにおいて再収束傾斜磁場パルス
(refocusinggradient pulse)にオフセット磁場を加え
ることで、一部のボクセルにおけるプロトン歳差運動の
位相のばらつきを再収束させ、信号損失を回復するとい
うものである。
【0014】Zシム法では、再収束パルスの大きさを既
定値から適当に変えることで、それが既定値の時には信
号損失の生じた領域の信号を観測可能にする。また、Z
シム法を用いたfMRIでは、より効果的にかつ自動的
に信号損失を補正する後処理を施すために、1つのスラ
イス位置に対し、予め決められた一定の範囲で等間隔に
多数の再収束傾斜磁場オフセット(refocusinggradient
offset)の変更を行う。
【0015】図5に、この様なZシム法を適用した単シ
ョットGRE−EPIを用いたfMRIのフローチャー
トを示す。図lの単ショットGRE−EPIを用いたf
MRIの場合に比べた場合、主な相違は、PB‐2の課
題遂行下の撮影を再収束パルスを変更しながら行う点で
ある。
【0016】また、Zシム法を適用した単ショット G
RE−EPIについては、図11に、そのシーケンスの
フローチャートを示す。図10の単ショットGRE−E
PIシーケンスの場合に比べた場合、主な相違は、図1
1の(b)に示す再収束ステップ(refocusingstep)を
設けて、ボリュームの収集毎に印可する再収束パルスの
大きさを変更する点である。
【0017】Zシム法が使われるひとつの理由は、局所
傾斜磁場人工ノイズ(localfield gradient artifact)
による信号損失を抑制するためである。一般に、GRE-EP
I(Gradientecho-echo planer)の属する従来のGRE系
のシーケンスでは、局所傾斜磁場人工ノイズと呼ばれる
共通の問題点があり、これは画像上に信号損失として現
れる。局所傾斜磁場人工ノイズは、スライス選択パルス
磁場(図8)の印加により、ボクセル内のプロトン間で
歳差運動に生じた位相のずれを、再収束パルス(refocu
singpulse)の印加で補償できずに、観測されるFID
信号が減衰する現象である。現実のfMRIで対象とな
る頭部では、さまざまな磁化率の組織が複雑に構成され
ているので、局所的に見た場合静磁場は不均一である。
通常、この不均一性は、複雑で高次の補正コイルによっ
ても補正できない。このような局所的な磁場が不均一な
領域では、プロトンの歳差周波数はスライス軸(z軸)
方向の位置に必ずしも比例しておらず、ひとつのスライ
ス内においてもさまざまな値を取るので、従来のGRE
系シーケンスの単一の再収束パルスでは、位相の分散(d
ephasing)を回復できず、信号損失となる。
【0018】Zシム法では、再収束パルスの大きさを既
定値から適当に変えることで、それが既定値の時には信
号損失の生じた領域の信号を観測可能にする。しかし、
この方法の短所としては、再収束パルスが既定値の場合
に良好に観測されていた信号が減衰してしまうことであ
る。そこで、同一のスライスを、さまざまな再収束パル
スの大きさを用いて撮影し、得られた画像信号について
ピクセル毎に累積や平均化を行うことにより、信号損失
を補正する事が多い。
【0019】例えば、GRE系シーケンスにおけるこの
ような信号損失をより効果的に補正することを目的とし
て、再収束傾斜磁場パルス(refocusinggradient puls
e)に加えるオフセット磁場を、等間隔に細かい間隔で
変更しながら収集した画像データに対する様々な後処理
技術が報告されている。例えば、雑誌2(Mag.Res, Me
d., 42:807-812, (1998), "Removal of Local Field G
radient Artifactsin T2*- Weighted images at High F
ields by Gradient-echo Slice ExcitationProfile Ima
ging)に、そのl例が示されている。
【0020】より具体的には、図9に、磁場の増分Gc
を一定として再収束パルスを5段階(Nz=5)に変え
た場合のシーケンス図の一部を示ように、再収束パルス
を変化させる。また、図13は、図12に示す3枚のス
ライスに位置について、再収束パルスを5段階に変更し
て撮影したときの単ショットEPI(単ショットGRE
−EPI)画像の例であるが、この図において、ある再
収束ステップ(refocusingstep)で信号損失の生じてい
る部位が、別の再収束ステップでは信号が観測されてい
るので、これらの画像のピクセル位置毎の最大値をとり
新たな画像データとすることにより、信号損失が補正さ
れた画像が得られることが分かる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】上記した様に、従来
は、GRE(gradient-echo)系のシーケンスの使用に
おいて、信号損失のない、より完全な、複合画像を得る
ために、予め決められた一定の範囲内で多段階(16〜
32回)に、しかも等間隔に再収束パルスを変更して印
加する様にして撮影し、画像処理を行っている。
【0022】しかしながら、これまでのfMRIにおい
ては、多数のスライス枚数を必要とするが、図6に関し
て述べた様に、取得できるスライス枚数には制限があ
り、しかも、信号損失の程度が被験者の違いによって異
なり、必要なスライス枚数が得られない、という問題が
発生している。
【0023】より具体的には、fMRIは、課題遂行に
伴う被験者の脳内活動における変化の画像化に用いられ
る。そのためには、課題を課しているあいだ逐次、高速
(通常1〜6秒程度のサンプリング間隔)に脳内の対象
領域を含む3次元空間を撮影する。例えば、体動や信号
ノイズ比(SNR)を考慮して、通常、前後のスライス
厚=6mm、FOV(fieldof view:観測範囲)=20
cm、各スライスのマトリクスサイズ=64×64とい
う空間分解能パラメータが用いられる。高速で観測する
ために単ショットGRE−EPIシーケンスが用いられ
る。また、連続した観測を行うために、脳内の対象領域
のボリュームデータを取得する際には、十分なスライス
枚数Nsが設定される。先に説明した様に、このスライ
ス枚数には、他の要因による制限があり、最大枚数(図
6のNsmax)が存在する。
【0024】さらに、Zシム法を適用して再収束パルス
(refocusing pulse)の振幅を変えながら撮影する場
合、サンプリング間隔の間に、再収束パルスの振幅を変
えながら再収束ステップ(refocusingstep)数分のボリ
ュームを収集する。しかしこの場合でも、そのボリュー
ムを構成するスライス数と再収束ステップ数の積が、N
smax以下である必要があり、配分が難しくなる。
【0025】より広い脳内領域を観測しようとすればよ
り多くのスライス枚数が必要であり、一方、より正確に
信号損失を補償しようとすれば、より多くのステップ数
が必要となるが、上記の様に、スライス数とステップ数
とをそれぞれ独立に決めることはできない。しかし、多
くの場合、脳内の対象領域をカバーするためには、それ
に応じた一定枚数以上のスライス数が必要となるので、
ステップ数が制限を受けることが多い。
【0026】また、信号損失の程度は個人差が大きい
(被験者の頭部の形態的な構造による)ので、再収束パ
ルスを変化させる大きさは個人毎に異なる。したがっ
て、限られたステップ数で、個人毎に最適な再収束パル
スの大きさを求めた上で、機能画像を収集する必要があ
る。しかしながら、従来の技術では、再収束パルスの大
きさを、決められた範囲内で等間隔に数多く(通常16
ステップ以上)変更するというものであり、より効果的
なスライス数の配分の方法や手段が提案されなかった。
【0027】このような事から、本発明の目的は、fM
RIで問題となる有限なスライス枚数を配分するに当た
り、最適な再収束パルスの大きさを設定することで、分
解能を高めたり、それぞれのボリューム画像データのサ
イズを大きくしたりすることのできるfMRIにおける
画像データの改善方法を提供することにある。
【0028】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明における第1の発明は、fMRIにおける画
像を撮影する際に、再収束傾斜磁場パルスを様々に変更
することにより、再収束傾斜磁場パルスにより与える磁
場強度の変更を行う予備撮影を行って、信号損失が様々
な程度に補正された画像系列を収集し、観察する領域に
おける再収束傾斜磁場パルスの強度と核磁気共鳴信号強
度の関係を求め、この関係を用いて再収束傾斜磁場パル
スの強度を選定してfMRI撮影を行うことを特徴とし
ている。
【0029】また、第2の発明は、第1の発明の方法に
加えて、再収束傾斜磁場パルスを様々に変更する方法
は、Zシム法におけるオフセット磁場を様々に変更する
方法であることを特徴としている。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明の概要は、GRE-EPIシーケ
ンス使用の際の静的な局所磁場の不均一性に由来するス
ライス内の信号損失を、再収束傾斜磁場パルス(refocu
singgradientpulse)による磁場強度をボリューム画像
データの収集毎に変更することにより、信号損失がさま
ざまな程度に補正されたボリューム画像系列を収集する
fMRIであって、細かい刻みの広範囲の再収束傾斜磁
場パルスによる磁場強度の変更を行いながらの予備撮影
を行って、目的の関心領域(ROI)における再収束傾
斜磁場パルスによる磁場強度とMR信号強度の関係を求
めることにより、効果的にROIの信号を得られる再収
束傾斜磁場パルスによる磁場強度の候補を選定し、その
値を用いて本撮影を行うものである。このfMRIで
は、予備撮影により得られた情報を活用して、限定され
たステップ数で最適な再収束傾斜磁場パルスの磁場強度
を選定できる。また、被験者毎に予備撮影を行うので、
信号損失の部位の違いと、その程度の個人差にも柔軟に
対応できる。
【0031】以下、実施形態を図に示して本発明をさら
に詳しく説明する。なお、本発明は、以下の説明に限定
されるべき理由はない。
【0032】図1は、本発明におけるfMRIの実施手
順のフローチャートを示す図である。このフローチャー
トは、PC-1からPC-6の6段階から構成され、それぞれ以
下のような内容を持っている。
【0033】PC−1では、パラメータとして脳の対象
領域の大きさ、サンプリングレート、SNR等の要因と
装置の制約、スライス幅、FOV、スライスマトリック
スサイズ、受信バンド幅などから、TR(repetitionti
me:ラジオ波パルス照射の繰り返し時間間隔)、TE
(ラジオ波パルスからエコー信号までの時間)、Ns
(スライス枚数)とNz(Gcのとる刻みの数)の決定
を行う。ここで、あるサンプリング間隔(Ts)でNz
個のボリュームデータを得る場合、ボリュームデータを
構成するスライス数Nsについて、Ts=TRとしたと
き可能最大スライス数Nsmax としたとき、Ns×
Nz≦Nsmax が成り立つ範囲にしなければならな
い。
【0034】PC‐2では、Gcを細かい間隔で多数
(Nz)回変更しながら撮影を行う。これには、従来技
術に述べた再収束パルス磁場強度を、ボリユームを収集
する毎に周期的に変更する機能を実装した単ショットE
PI単ショットGRE−EPIシーケンスを用いる。こ
こで、エコーに関わる再収束パルス磁場強度は、再収束
パルス磁場強度の印加時間についての積分である。ここ
で、再収束パルス磁場を磁場の増分Gcを細かい間隔で
多数(Nz)回変更しながら撮影を行うが、Gcの値と
しては、例えば次の様にする。第1の方法として、Gc
を、その与えられた範囲とステップ数(Nz)から決め
る。その範囲は、既定値に対する最小と最大の割合(G
cmin、Gcmax)で定め、再収束パルスを、Gc
=(Gcmax−Gcmin)/NzでNz段階変化さ
せる。あるいは、第2の方法として、Gcの値とステッ
プ数(Nz)から再収束パルスを決める。
【0035】PC−3では、最適なGcの組の決定を行
う。ここでは、図2に示す手順に従って処理を行う。ま
ず,PC‐2で収集したデータの再構築処理を行う(P
C−3−1)。次に関心領域(ROI:RegionOf Inter
est)を定め(PC−3‐2)、そのROlにおける信号強
度のGc(ステップ番号が対応)に関する関係(数値系
列およびグラフ)を得る(PC−3−3)。必要ならば他
のROIを設定し同様な処理をする。得られた各ROI
についてのステップ番号と信号強度の関係より、Nz以
内で適切な(ピーク値をとるステップを含む)番号を決
定し、登録する(PC−3−4)。
【0036】図14は、この過程を説明するための図で
ある。図14の(a)行は、既定値の再収束パルス(re
focusingpulse) により撮影した単ショットEPI単ショ
ットGRE-EPI画像の例であり、A,B,Cの部位に適当
なROIを設定したとする。図14のAは、既定値を使
用し場合に信号損失の生じていない部位であり、図14
のBおよびCは、信号損失の生じた部位である。同図
(b),(c)、(d)行の3つのグラフはそれぞれ図
14のA、B、Cにおける、信号強度とGc(8tep
番号が対応)の関係を表している。既定値を使用した場
合に信号損失の生じていないAにおいては、おおよそ既
定値に相当するステップ番号=0(つまりGc=0)に
おいて信号強度がピークとなっている。これに対し、既
定値を使用した場合に信号損失の生じたBおよびCにお
いては、ピーク値をとるステップ番号は既定値(ステッ
プ番号=0)からシフトしていることがわかる。また、
PC‐4で用いるステップ数Nz以内で、これらの3つ
のROIの信号を良好に得たい場合、これらのグラフよ
り、信号強度の強いステップ番号を選択すれぱ良い。例
えば、いまNzが5であったとすると、同図(b)、
(c)、(d)内の矢印(〜)で示した良好な信号
が得られるステップ番号を選択する。この場合、同図
(e)に示すように、ステップ番号0、4、7、13、
16を選択し登録する。
【0037】PC‐4では、撮影2として最適なGcの
組を用いての課題遂行下撮影を行う。これには、PC‐
1で決定したパラメータ値を用いて、PC‐2と同様の
Zシム版単ショットEPI単ショットGRE−EPIシ
ーケンスを用いる。ただし、Gcの与え方は上の第2の
方法により、PC‐3で登録した値を用いる。
【0038】PC‐5では、後処理を行う。これは、P
C‐4で収集されたデータをよく知られたfMRIデー
タ解析パッケージに適応できるようにする。ここでは、
図3に示す手順で処理を行う。まず、収集されたデータ
の再構築処理をする(PC‐5−1)。次に、ステップ
番号毎にデータ系列を分割し(PC‐5−2)、それぞ
れに体動捕正処理を施す(PC‐5−3)。さらに、コ
ンポジット画像(平均画像、最大値画像など)を生成す
る(PC‐5−4)。
【0039】PC‐6では、統計処理を行う。これは、
目的に応じて異なる統計処理を行うが、既に各種のソフ
トウエア・パッケージが公開されており、これを使用で
きる。
【0040】以上の様に、本発明の実施の形態を示す図
1のフローチャートと、従来例である図5のZシム版単
ショットEPI単ショットGRE−EPIを用いたfM
RIのフローチャートと比較すると、課題遂行下撮影
(本番撮影)に先立ち、より細かい刻みの広範囲の再収
束傾斜磁場パルスによる磁場強度の変更を行いながらの
予備撮影を行って、目的の関心領域(ROI)における
再収束傾斜磁場パルス(による磁場強度と磁気共鳴信号
強度の関係を求めた後、関心領域(ROI)の信号を得
られる再収束傾斜磁場パルスの磁場強度の候補を選定し
ておく点において異なっている。
【0041】
【発明の効果】この発明のfMRIにおける画像データ
の改善方法では、注目する領域において、再収束傾斜磁
場パルスに対する信号強度の分布を予備撮影により予め
得ておくようにしたので、限定されたスライス枚数の範
囲内でも、最適な再収束傾斜磁場パルスを選択すること
により、信号損失を補正した画像を効率良く収集するこ
とができる。また、被験者毎に予備掃影を行うので、信
号損失の部位の違いと、その損失程度の個人差にも柔軟
に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるfMRIのフローチャートであ
る。
【図2】本発明によるfMRIのフローチャートの一部
のさらに詳しい手順を示す図である。
【図3】本発明によるfMRIのフローチャートの一部
のさらに詳しい手順を示す図である。
【図4】従来技術の単ショットEPI単ショットGRE
−EPIを用いたfMRIの実施手順を示す図である。
【図5】従来技術のZシム版単ショットEPI単ショッ
トGRE−EPIを用いたfMRIの実施手順を示す図
である。
【図6】従来技術の単ショットEPI単ショットGRE
−EPIを用いた連続撮影におけるスライス収集時間を
説明するための図である。
【図7】Zシム版単ショットEPI単ショットGRE−
EPIを用いた連続撮影におけるスライス収集時間を説
明するための図である。
【図8】従来技術の単ショットEPI単ショットGRE
−EPIのシーケンス図である。
【図9】Zシム法における再収束パルスの変吏を示すシ
ーケンス図である。
【図10】従来技術の単ショットEPI単ショットGR
E−EPIのフローチャートである。
【図11】Zシム版単ショットEPI単ショットGRE
−EPIのフローチャートである。
【図12】ヒト頭部矢状断上のスライス選択位置を示す
図である。
【図13】再収束パルスを変更したときの単ショットE
PI単ショットGRE−EPI画像の例である。
【図14】脳内関心領域における、再収束パルスに関す
る信号強度の分布の例である。
【図15】fMRIに使われる装置の構成を示す図であ
る。
【図16】fMRIの傾斜磁場コイルの構成を示す図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 敏夫 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 (72)発明者 河野 憲二 茨城県つくば市東1−1−1 独立行政法 人産業技術総合研究所つくばセンター内 Fターム(参考) 4C096 AA20 AB01 AB50 AC01 AD07 AD09 AD13 AD25 BA42 BB02 BB32 CB08 DA03 DA05 DA06 DB08 DB10 DC04 DC25 DC28 DC35

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 fMRIにおける画像を撮影する際に、
    再収束傾斜磁場パルスを様々に変更することにより、再
    収束傾斜磁場パルスにより与える磁場強度の変更を行う
    予備撮影を行って、信号損失が様々な程度に補正された
    画像系列を収集し、観察する領域における再収束傾斜磁
    場パルスの強度と核磁気共鳴信号強度の関係を求め、こ
    の関係を用いて再収束傾斜磁場パルスの強度を選定して
    fMRI撮影を行うことを特徴とするfMRIにおける
    画像データの改善方法。
  2. 【請求項2】 再収束傾斜磁場パルスを様々に変更する
    方法は、Zシム法におけるオフセット磁場を様々に変更
    する方法であることを特徴とする請求項1に記載のfM
    RIにおける画像データの改善方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005237970A (ja) * 2004-02-26 2005-09-08 General Electric Co <Ge> 関心領域全体にわたり酸素濃度をマッピングする方法及びシステム
CN114264994A (zh) * 2020-09-16 2022-04-01 上海联影医疗科技股份有限公司 磁共振成像方法、系统及计算机设备

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