JP2003079606A - 異常陰影検出装置 - Google Patents

異常陰影検出装置

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JP2003079606A
JP2003079606A JP2001277484A JP2001277484A JP2003079606A JP 2003079606 A JP2003079606 A JP 2003079606A JP 2001277484 A JP2001277484 A JP 2001277484A JP 2001277484 A JP2001277484 A JP 2001277484A JP 2003079606 A JP2003079606 A JP 2003079606A
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Hideya Takeo
英哉 武尾
Takashi Imamura
貴志 今村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 候補点の密度の高低に拘らず微小石灰化陰影
とノイズ等との判別を行うことを可能にする。 【解決手段】 石灰化候補画像取得手段10が、画像読取
装置等から入力した原画像データfに基づき、原画像中
の石灰化陰影の候補点を抽出した石灰化候補画像データ
Csを作成し、候補領域抽出手段20が、作成された石灰
化候補画像データCsを入力し、画像中にすべての画素
を中心として多数の半径57pixelの円領域(単位クラ
スタ領域)を設定し、設定された単位クラスタ領域のう
ち候補点を5個以上含むもののみを微小石灰化陰影の候
補領域として抽出する。特徴量算出手段30が、抽出され
た候補領域における形状または濃度に関する9つの特徴
量を原画像データを用いて算出し、鑑別手段40が、特徴
量算出手段30により算出された9つの特徴量に基づいて
候補領域が微小石灰化陰影の実在領域であるか否かを鑑
別する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は異常陰影検出装置に
関し、特に詳しくは、被写体画像を表す画像データに基
づいて画像中の微小石灰化陰影を検出する異常陰影検出
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、医療分野においては、被写体
の放射線画像を読影して病変部を発見し、またその病変
部の状態を観察して、疾病の有無や進行状況の診断を行
うことが一般的に行なわれている。しかしながら、放射
線画像の読影は読影者の経験や画像読影能力の高低によ
って左右され、必ずしも客観的なものとはいえなかっ
た。
【0003】例えば、乳癌の検査を目的として撮影され
たマンモグラフィ(乳房を被写体とした診断用放射線画
像)においては、その画像から癌化部分の特徴の一つで
ある腫瘤陰影や微小石灰化陰影等の異常陰影を検出する
ことが必要であるが、読影者によっては必ずしも的確に
その異常陰影を検出することができるとは限らない。こ
のため、読影者の技量に依存することなく、腫瘤陰影や
微小石灰化陰影を始めとする異常陰影を的確に検出する
ことが求められていた。
【0004】この要望に応えるものとして、診断用画像
として取得された被写体の画像データに基づき、その画
像データが表わす画像中の異常陰影を計算機を用いて自
動的に検出する異常陰影検出処理システム(計算機支援
画像診断装置)が提案されている(特開平8-294479号公
報、特開平8-287230号公報等)。この異常陰影検出処理
システムは、異常陰影の濃度分布の特徴や形態的な特徴
に基づいて、異常陰影を計算機を用いて自動的に検出す
るものであり、主として腫瘤陰影を検出するのに適した
アイリスフィルタ処理や、主として微小石灰化陰影を検
出するのに適したモフォロジーフィルタ処理等を利用し
て異常陰影を検出する。
【0005】ここで、モフォロジーフィルタ処理につい
て詳細に説明する。モフォロジーフィルタは、所定のサ
イズの構造要素を用いて、構造要素よりも小さいサイズ
のノイズや陰影を画像中から除去または抽出することが
可能なフィルタであり、画像信号の平滑化や、癌の特徴
的な形態の一つである微小石灰化陰影の抽出等に利用さ
れる。モフォロジーフィルタ処理は、検出しようとする
微小石灰化陰影(個々の微小な点状の石灰化陰影、以下
単に石灰化陰影ともいう。)よりも大きいサイズの構造
要素を用いたモフォロジー演算処理の出力値と所定の閾
値とを比較することにより、画像中における乳癌の特徴
的形態の一つである微小石灰化陰影を検出する手法であ
る。
【0006】(モフォロジーの基本演算)モフォロジー
演算処理は一般的にはN次元空間における集合論として
展開されるが、直感的な理解のために2次元の濃淡画像
を対象として説明する。
【0007】濃淡画像を座標(x,y)の点が濃度値f
(x,y)に相当する高さをもつ空間とみなす。ここ
で、濃度値f(x,y)は、濃度が低い(CRTに表示
した場合には輝度が高い)ほど大きな画像信号となる高
輝度高信号レベルの信号とする。
【0008】まず、簡単のために、その断面に相当する
1次元の関数f(x)を考える。モフォロジー演算処理
に用いる構造要素gは次式(1)に示すように、原点に
ついて対称な対称関数
【数1】 であり、定義域内で値が0で、その定義域が下記式
(2)であるとする。
【0009】
【数2】 このとき、モフォロジー演算の基本形は式(3)〜
(6)に示すように、非常に簡単な演算となる。
【0010】
【数3】 すなわち、ダイレーション(dilation)処理は、注目画
素を中心とした、±m(構造要素Bに応じて決定される
値)の幅の中の最大値を検索する処理であり(図7
(A)参照)、一方、イロージョン(erosion )処理
は、注目画素を中心とした、±mの幅の中の最小値を検
索する処理である(同図(B)参照)。また、オープニ
ング(opening )処理は最小値探索の後に、最大値を探
索することに相当し、クロージング(closing )処理は
最大値探索の後に、最小値を探索することに相当する。
オープニング処理は低輝度側から濃度曲線f(x)を滑
らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭い範囲で変
動する凸状の濃度変動部分(周囲部分よりも輝度が高い
部分)を取り除くことに相当する(同図(C)参照)。
一方、クロージング処理は、高輝度側から濃度曲線f
(x)を滑らかにし、マスクサイズ2mより空間的に狭
い範囲で変動する凹状の濃度変動部分(周囲部分よりも
輝度が低い部分)を取り除くことに相当する(同図
(D)参照)。
【0011】ここで、濃度の高いもの程大きな値となる
高濃度高信号レベルの信号の場合においては、濃度値f
(x)の画像信号値が高輝度高信号レベルの場合に対し
て大小関係が逆転するため、高濃度高信号レベルの信号
におけるダイレーション処理は、高輝度高信号レベルに
おけるイロージョン処理(図7(B))と一致し、高濃
度高信号レベルの信号におけるイロージョン処理は、高
輝度高信号レベルにおけるダイレーション処理(同図
(A))と一致し、高濃度高信号レベルの信号における
オープニング処理は、高輝度高信号レベルにおけるクロ
ージング処理(同図(D))と一致し、高濃度高信号レ
ベルの信号におけるクロージング処理は、高輝度高信号
レベルにおけるオープニング処理(同図(C))と一致
する。なお、以下のモフォロジーフィルタ処理に関する
説明においては、特に断りのない限り、高輝度高信号レ
ベルの画像信号の場合について説明する。
【0012】(石灰化陰影検出への応用)石灰化陰影の
検出には、原画像から平滑化した画像を引き去る差分法
が考えられる。単純な平滑化法では石灰化陰影と細長い
形状の非石灰化陰影(乳腺や血管や乳腺支持組織等)の
識別が困難であるため、多重構造要素を用いたオープニ
ング演算に基づく下記式(7)で表されるモフォロジー
演算処理が提案されている(「多重構造要素を用いたモ
ルフォロジーフィルタによる微小石灰化像の抽出」電子
情報通信学会論文誌 D-II Vol.J75-D-II No.7 P1170 〜
1176 1992年7月、「モルフォロジーの基礎とそのマン
モグラム処理への応用」MEDICAL IMAGING TECHNOLOGY V
ol.12 No.1 January 1994 )。
【0013】
【数4】 ここでBi(i=1,2,3,4)は図8に示す直線状
の4つの構造要素Biである。構造要素Biを検出対象の
石灰化陰影よりも大きく設定すれば、オープニング処理
で、構造要素Biよりも細かな凸状の信号変化部分(空
間的に狭い範囲で変動する画像部分)である石灰化陰影
は取り除かれる。一方、細長い形状の非石灰化陰影はそ
の長さが構造要素Biよりも長く、その傾き(延びる方
向)が4つの構造要素Biのうちいずれかに一致すれば
オープニング処理(式(7)の第2項の演算)をしても
そのまま残る。したがってオープニング処理によって得
られた平滑化画像(石灰化陰影が取り除かれた画像)を
原画像fから引き去ることで、小さな石灰化陰影の候補
が含まれる微細構造画像Pが得られる。これが式(7)
の考え方である。
【0014】なお、高濃度高信号レベルの信号の場合に
おいては、石灰化陰影は周囲の画像部分よりも濃度値が
低くなり、石灰化陰影は周囲部分に対して凹状の信号変
化部分となるため、オープニング処理に代えてクロージ
ング処理を適用し、式(7)に代えて式(8)を適用す
る。
【数5】
【0015】また、得られた微細構造画像Pの中に石灰
化陰影と同等の大きさをもつ非石灰化陰影が一部残る場
合があり、そのような場合については、次式(9)のモ
フォロジー演算に基づく微分情報を利用して式(7)に
より得られた微細構造画像Pに含まれる非石灰化陰影を
さらに除去する。
【数6】 すなわち、Mgradの値が大きいほど石灰化陰影の可能性
が大きいので、石灰化候補画像Cs(石灰化陰影の候補
点を抽出した画像)は下記式(10)により求めることが
できる。
【数7】 ここで、T1,T2は実験的に決められる、予め設定さ
れた閾値である。ただし、石灰化陰影の大きさとは異な
る非石灰化陰影については、式(7)のPと所定の閾値
T1との比較のみで除去できるため、石灰化陰影と同等
の大きさをもつ非石灰化陰影が残ることのないような場
合は、式(10)の第1項の条件(P(i,j)≧T1)
を満たすだけでよい。
【0016】最後に、式(11)に示す、マルチスケール
のオープニング演算とクロージング演算との組合わせに
より、石灰化陰影のクラスタ領域Ccを検出する。
【数8】 ここで、λとλはそれぞれ融合したい石灰化陰影の
最大距離と除去したい孤立陰影の最大半径とによって決
められ、λ=λ+λである。
【0017】なお、高濃度高信号レベルの画像データの
場合には、上記式(9)、(10)においてオープニング
演算とクロージング演算とが逆の関係になる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記モフォ
ロジーフィルタ処理においては、石灰化候補画像中に抽
出された各候補点が誤抽出されたノイズなどの陰影(以
下、ノイズ等とする。)であるのか或いは石灰化陰影で
あるのかを密度に基づいて判別している。すなわち、密
度が低い候補点(孤立陰影)をノイズ等とみなして除去
し、密度が高い候補点のみをクラスタ化した領域を集蔟
性分布の石灰化陰影のクラスタ領域として検出してい
る。
【0019】しかしながら、密度が高い候補点の中にも
ノイズ等が含まれている可能性があり、検出されたクラ
スタ領域が必ずしも石灰化陰影が実在している領域であ
るとは限らなかった。
【0020】また、孤立陰影の中にも密度が低い石灰化
陰影(孤立石灰化陰影とする。)が含まれていることが
あるが、密度に基づいて石灰化陰影の判別を行っている
従来の手法では、孤立陰影がノイズ等であるのか或いは
孤立石灰化陰影であるのかを判別することはできないた
め、孤立石灰化陰影のみを検出することはできなかっ
た。
【0021】本発明は、上記事情に鑑み、候補点の密度
の高低に拘らず微小石灰化陰影とノイズ等との判別を行
うことを可能にした異常陰影検出装置を提供することを
目的とするものである。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による異常陰影検
出装置は、被写体画像を表す被写体画像データに基づい
て、被写体画像中に設定された微小石灰化陰影の候補領
域における形状または濃度に関する特徴量を算出する特
徴量算出手段と、算出された特徴量に基づいて、候補領
域が微小石灰化陰影の実在領域であるか否かの鑑別を行
う鑑別手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0023】ここで、微小石灰化陰影の候補領域とは、
例えばモフォロジーフィルタ処理において作成される石
灰化候補画像中に抽出された候補点を所定数以上(或い
は所定数以下、所定数のみなど)含む単位クラスタ領域
を示すものとすることができる。また、単位クラスタ領
域をまとめたクラスタ領域を示すものとしてもよい。な
お、単位クラスタ領域とは候補点の密度を判断するため
の領域であり、例えば10bitの10mm/pixelの画像デ
ータの場合、半径57pixel程度の円領域とすることが
できるが、この大きさや形状に限られるものではない。
【0024】なお、微小石灰化陰影の候補領域とは、こ
のような単位クラスタ領域やクラスタ領域に限られるも
のではなく、被写体画像(原画像)中に存在している微
小石灰化陰影の候補点を含む任意領域を広く意味するも
のとすることもできる。なお、原画像中に存在している
微小石灰化陰影の候補点とは、石灰化候補画像中に抽出
された候補点に限られるものではなく、原画像中に存在
している真の微小石灰化陰影やノイズ、その他の比較的
輝度が高い陰影など、候補点となり得る陰影を広く意味
するものである。
【0025】候補領域における形状または濃度とは、候
補領域内部の濃度や、候補領域に含まれている微小石灰
化陰影の候補点の形状や濃度を意味するものである。ま
た、形状または濃度に関する特徴量とは、具体的には、
以下の(1)〜(9)の値のうち少なくとも1つを意味
するものとすることができる。 (1)候補領域内において所定数(例えば5個)の微小
石灰化陰影の候補点を抽出した時点の第1の閾値 (2)候補領域内において候補点を1個のみ抽出した時
点の第2の閾値と第1の閾値との差分値 (3)第1の閾値により抽出された所定数の候補点の総
体積 (4)第1の閾値により抽出された所定数の候補点の大
きさのばらつき (5)第1の閾値により抽出された所定数の候補点の濃
度のばらつき (6)候補領域の中心領域に対応する被写体画像中の画
像部分の2次元FFT変換後の高周波成分の信号の二乗
和 (7)(6)の2次元FFT変換後の周波数空間におけ
る1次元レスポンスのレスポンスが所定値(例えば0.
1)以下になる最初の周波数 (8)候補領域の中心の候補点における、該候補点の重
心からの複数方向長のばらつきの変動係数 (9)候補領域の中心の候補点の最大長 ここで、画像を高輝度高信号レベルの画像データとした
場合、(1)の第1の閾値とは、原画像中(またはモフ
ォロジーフィルタ処理において作成される微細構造画像
中など)の候補領域内において閾値を下げながら(ただ
し、高濃度高信号レベルの画像データの場合は閾値を上
げながら)所定数の候補点を抽出した時点の閾値であ
る。この所定数の候補点は、実際に微小石灰化陰影であ
るかに拘らず強制的に抽出されるものである。また、
(2)の第2の閾値とは、候補領域内において1個目の
候補点を抽出した時点から所定数の候補点を抽出した時
点までの閾値の下げ幅(ただし、高濃度高信号レベルの
画像データの場合は閾値の上げ幅)を示すものである。
【0026】(3)の総体積とは、第1の閾値による所
定数(例えば5個)の候補点の切り口の画素数の総和を
意味するものであり、(4)の大きさとは、第1の閾値
による各候補点の切り口の画素数を意味するものであ
る。また、(4)、(5)、(8)のばらつきとは、ば
らつきを表す指標値であればいかなるものでもよく、例
えば分散や標準偏差を用いることができる。なお、上記
(1)〜(5)、(8)および(9)の特徴量を求める
際には被写体画像(原画像)を用いることが望ましい
が、微細構造画像を利用することもできる。
【0027】(6)の中心領域とは、例えばマスクサイ
ズ64×64の領域とすることができるが、これに限ら
れるものではなく、候補領域に最も合うような(内接す
るような)マスクサイズ2×2の領域とすることが
好ましい。また、2次元FFT変換後の高周波成分の信
号の二乗和は、2次元FFT変換後の低周波成分の存在
範囲の半径を定義し、これに基づいて、低周波成分の存
在範囲を除く周辺領域の範囲(図3の斜線部分)の信号
の二乗和を求めることにより算出することができる。
【0028】(7)の2次元FFT変換後の周波数空間
における1次元レスポンスは、例えば図4(a)に示す
ように、2次元FFT信号のプロジェクション総和を1
次元ラインに360°まわして求めることにより、同図
(b)に示すようなプロファイルとして得ることができ
る。(7)の特徴量は、このプロファイル上でレスポン
ス(信号のプロジェクション総和)が所定値(例えば
0.1)以下になる最初の周波数を求めることにより算
出することができる。
【0029】(8)の候補点の重心からの複数方向長と
は、図5に示すように候補点の重心から周縁までの略等
角度間隔(図では45度間隔)の複数方向の長さを意味
するものであり、ばらつきの変動係数とは、ばらつきを
示す指標値(例えば、標準偏差)をその平均値で割った
ものを意味する。
【0030】(9)の候補点の最大長とは、図6に示す
ような候補点の最も長い部分の長さの画素数を意味する
ものである。
【0031】鑑別手段とは、これらの特徴量に基づいて
候補領域の鑑別を行うものであり、その判定基準の一例
として、例えば、10bitの高輝度高信号レベルの画像
データの場合、(1)5個の候補点を抽出した時点の第
1の閾値が600以上のときに石灰化陰影とし、(2)
第2の閾値と第1の閾値との差分値が120以下のとき
に石灰化陰影とし、(3)5候補点の総体積が1500
0以下のときに石灰化陰影とし、(4)5候補点の大き
さの分散が400以下のときに石灰化陰影とし、(5)
5候補点の濃度の分散が105以下のときに石灰化陰影
とし、(6)高周波成分の信号の二乗和が4.3〜55
のときに石灰化陰影とし、(7)最初の周波数が1.0
〜3.1のときに石灰化陰影とし、(8)標準偏差の変
動係数が3.0以下のときに石灰化陰影とし、(9)最
大長が20以下若しくは40以上のときに石灰化陰影と
するものを挙げることができる。ただし、(1)〜
(9)のうち2つ以上を組み合わせて特徴量とした場合
には、いずれか1つでも上記の判定基準に当てはまらな
ければ、その候補領域が石灰化陰影の実在領域ではない
と判定することが好ましい。なお、判定基準は、ここに
記述した値に限られるものではなく、検出対象の石灰化
陰影の密度特性(密度が高い通常石灰化陰影か、密度が
低い孤立石灰化陰影かなど)、利用する特徴量の組み合
わせや数などによって適宜調整することが好ましい。
【0032】また、候補領域を、密度が高い通常石灰化
陰影の候補領域または密度が低い孤立石灰化陰影の候補
領域であるものとし、鑑別手段を、通常石灰化陰影の候
補領域に対する鑑別と、孤立石灰化陰影の候補領域に対
する鑑別とを各別に行うものとすることもできる。
【0033】ここで、通常石灰化陰影の候補領域に対す
る判定基準の一例としては前述した判定基準を利用する
ことができる。また、孤立石灰化陰影の候補領域に対す
る判定基準の一例として、例えば、10bitの高輝度高
信号レベルの画像データの場合、(1)5個の候補点を
抽出した時点の第1の閾値が640〜750のときに石
灰化陰影とし、(2)第2の閾値と第1の閾値との差分
値が1〜3のときに石灰化陰影とし、(3)5候補点の
総体積が2〜10のときに石灰化陰影とし、(4)5候
補点の大きさの分散が4以下のときに石灰化陰影とし、
(5)5候補点の濃度の分散が0.4〜1.0のときに
石灰化陰影とし、(6)高周波成分の信号の二乗和が
5.7〜7.0のときに石灰化陰影とし、(7)最初の
周波数が1.2〜1.5のときに石灰化陰影とし、
(8)標準偏差の変動係数が0.4〜1.2のときに石
灰化陰影とし、(9)最大長が3.6〜4.5のときに
石灰化陰影とするものを挙げることができる。
【0034】通常石灰化陰影の候補領域に対する鑑別と
孤立石灰化陰影の候補領域に対する鑑別とを各別に行う
とは、異なる判定基準を用いることのみを意味するもの
ではなく、上記9つの特徴量のうち利用する特徴量の組
み合わせを各別に定めることができることをも意味す
る。
【0035】また、鑑別手段を、マハラノビス距離のゆ
う度比を用いて鑑別を行うものとすることもできる。ま
た、ニューラルネットワークを用いて鑑別を行うものと
してもよい。
【0036】なお、被写体画像としては、例えば乳房の
放射線画像などを適用することができる。
【0037】
【発明の効果】上記のように構成された本発明による異
常陰影検出装置によれば、被写体画像中に設定された候
補領域に含まれる候補点の形状や濃度、或いは候補領域
内部の濃度に関する特徴量に基づいて候補領域が微小石
灰化陰影の実在領域であるか否かの鑑別を行う鑑別手段
を備えたから、候補点の密度の高低に拘らず、候補領域
が微小石灰化陰影の実在領域であるか否かを鑑別するこ
とが可能になり、微小石灰化陰影の検出性能を向上させ
ることができる。
【0038】すなわち、候補点の密度の高低に拘らず候
補領域が微小石灰化陰影の実在領域であるか否かを鑑別
することができるので、従来除去されていた孤立陰影の
うち孤立石灰化陰影のみを検出することが可能になり、
検出率を上げることができる。また、鑑別手段により、
誤まって抽出されたノイズ等による候補領域を除去する
ことができるので、誤検出率を下げることが可能にな
り、その結果検出性能を向上させることができる。
【0039】なお、鑑別手段による鑑別をマハラノビス
距離やニューラルネットワークを用いて行うものとすれ
ば、自動的に各特徴量を重み付けして判定を行うことが
できるので、より柔軟な鑑別結果が期待できる。すなわ
ち、例えば9つの特徴量の判定基準をすべて満たした候
補領域のみを石灰化陰影の実在領域とするものとしたと
きには、8つの特徴量について典型的な石灰化陰影の特
性を示し判定基準に当てはまっていた候補領域であって
も、1つの特徴量が少しでも判定基準から外れていれば
石灰化陰影の実在領域ではないと鑑別されてしまう。し
かしながら、このような候補領域に対してマハラノビス
距離やニューラルネットワークを用いて鑑別を行うと、
9つの特徴量全体のバランスを見ながら重み付けを行い
判定が行われるので検出することが可能になる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の異常陰影検出装置
の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明
の一実施形態による異常陰影検出装置の概略構成を示す
図である。
【0041】本実施形態の異常陰影検出装置は、画像読
取装置等から入力した被写体画像データ(原画像デー
タ)fに基づき、モフォロジーフィルタ処理を利用し
て、原画像中の石灰化陰影の候補点を抽出した石灰化候
補画像データCsを作成する石灰化候補画像取得手段10
と、石灰化候補画像取得手段10から石灰化候補画像デー
タCsを入力し、画像中にすべての画素を中心として多
数の半径57pixelの円領域(単位クラスタ領域)を設
定し、設定された単位クラスタ領域のうち候補点を5個
以上含むもののみを微小石灰化陰影の候補領域として抽
出する候補領域抽出手段20と、候補領域抽出手段20によ
り抽出された候補領域における形状または濃度に関する
特徴量を原画像データを用いて算出する特徴量算出手段
30と、特徴量算出手段30により算出された特徴量に基づ
いて、候補領域が微小石灰化陰影の実在領域であるか否
かを鑑別する鑑別手段40とにより構成されている。
【0042】特徴量算出手段30により算出される特徴
量、および鑑別手段40において用いられる各特徴量の判
定基準は、石灰化陰影の形状や濃度の特性に基づいて定
められたものであり、本実施形態においては以下の9つ
の特徴量を利用する。
【0043】(1)候補領域内において5個の候補点を
抽出した時点の閾値(第1の閾値) (2)候補領域内において候補点を1個のみ抽出した時
点の閾値(第2の閾値)と第1の閾値との差分値 (3)第1の閾値により抽出された5個の候補点の総体
積(原画像における、第1の閾値による5個の候補点の
切り口の画素数の総和) (4)第1の閾値により抽出された5個の候補点の大き
さ(原画像における、第1の閾値による各候補点の切り
口の画素数)の分散 (5)第1の閾値により抽出された5個の候補点の濃度
(原画像における濃度)の分散 (6)候補領域の中心領域(マスクサイズ64×64)
に対応する被写体画像中の画像部分の2次元FFT変換
後の高周波成分の信号の二乗和 (7)(6)の2次元FFT変換後の周波数空間におけ
る1次元レスポンスのレスポンスが0.1以下になる最
初の周波数 (8)候補領域の中心の候補点における、該候補点の重
心からの8方向長の標準偏差の変動係数(標準偏差をそ
の平均値で割ったもの) (9)候補領域の中心の候補点の最大長(画素数)ま
た、この各特徴量に対する鑑別手段40における判定基準
は、(1)第1の閾値が600以上のときに石灰化陰影
とし、(2)第2の閾値と第1の閾値との差分値が12
0以下のときに石灰化陰影とし、(3)5候補点の総体
積が15000以下のときに石灰化陰影とし、(4)5
候補点の大きさの分散が400以下のときに石灰化陰影
とし、(5)5候補点の濃度の分散が105以下のとき
に石灰化陰影とし、(6)高周波成分の信号の二乗和が
4.3〜55のときに石灰化陰影とし、(7)最初の周
波数が1.0〜3.1のときに石灰化陰影とし、(8)
標準偏差の変動係数が3.0以下のときに石灰化陰影と
し、(9)最大長が20以下若しくは40以上のときに
石灰化陰影とするものである。
【0044】なお、本実施形態においては、画素密度1
0pixel/mmの10bitの画像データを利用するものと
し、各画像データは高輝度高信号レベルの画像データで
あるものとする。
【0045】ここで、(1)の第1の閾値とは、原画像
中の候補領域内において閾値を下げながら5個目の候補
点を抽出した時点の閾値であるが、候補点を抽出する際
には、同一の候補点が重複して抽出されることを防ぐた
め、抽出する各候補点は所定距離(例えば、3pixel)
以上離れているものとする。すなわち、例えば既に抽出
されている1個目の候補点との距離が3pixel以内の位
置において2個目の候補点を見つけたときには、その候
補点を抽出せずにさらに閾値を下げて新たな候補点を探
索し抽出するものとする。
【0046】(2)の第2の閾値とは、候補領域内にお
いて1個目の候補点を抽出した時点から5個目の候補点
を抽出した時点までの閾値の下げ幅を示すものである。
【0047】(6)の高周波成分の信号の二乗和は、原
画像データf(x,y)をFFT変換して得られた信号
をF(u,v)とすると((x,y)は実空間座標、
(u,v)は周波数空間座標を表す)、
【数9】 で表わされる。ただし、高周波成分(例えば図3の斜線
部)のみをΣの積算範囲とする。
【0048】次に、以上のように構成された本実施形態
の異常陰影検出装置の作用について説明する。
【0049】乳房の被写体画像の原画像データfが画像
読取装置等から石灰化候補画像取得手段10に入力される
と、石灰化候補画像取得手段10ではモフォロジーフィル
タ処理により所定の閾値を用いて微小石灰化陰影の候補
点を抽出した石灰化候補画像データCsを作成する(モ
フォロジーフィルタ処理の式(10)参照)。
【0050】石灰化候補画像取得手段10において作成さ
れた石灰化候補画像データCsは候補領域抽出手段20に
入力される。候補領域抽出手段20では、石灰化候補画像
データCsに基づき画像中にすべての画素を中心として
多数の半径57pixelの単位クラスタ領域を設定し、設
定された単位クラスタ領域のうち候補点を5個以上含む
もののみを微小石灰化陰影の候補領域として抽出する。
ここでは、複数の候補領域が抽出されたものとする。
【0051】候補領域抽出手段20により微小石灰化陰影
の候補領域が抽出されると、特徴量算出手段30が、抽出
された複数の候補領域の各位置情報と原画像データfを
入力し、入力した各位置情報と原画像データfとに基づ
いて前述した(1)〜(9)の特徴量を各候補領域ごと
に求め、さらに特徴量算出手段30において算出された各
候補領域の特徴量を鑑別手段40が入力して各候補領域に
対する鑑別を行なう。この際、(1)〜(9)の特徴量
の判定基準をすべて満たしている候補領域のみを微小石
灰化陰影が実在している領域であると判定し、この微小
石灰化陰影の実在領域であると判定された単位クラスタ
領域のみをまとめてクラスタ領域を作成し、検出結果と
して出力する。
【0052】本実施形態による異常陰影検出装置によれ
ば、被写体画像データに基づいて抽出された微小石灰化
陰影の候補領域のうち誤抽出されたものを除去すること
ができるので、石灰化陰影の誤検出率を下げることがで
きる。
【0053】なお、上記実施形態においては、候補点を
5個以上含む単位クラスタ領域を候補領域として抽出す
る例を示したが、モフォロジーフィルタ処理により石灰
化陰影のクラスタ領域を作成し、作成されたクラスタ領
域を候補領域として、候補領域別に或いはこの候補領域
を構成する複数の単位クラスタ領域別に鑑別を行い、石
灰化陰影の実在領域ではないと鑑別された候補領域或い
は単位クラスタ領域を除去してクラスタ領域の再構成を
行う形態でもよい。
【0054】次に、本発明の異常陰影検出装置の別の実
施形態を説明する。図2は本実施形態による異常陰影検
出装置の概略構成を示す図である。なお、図1に示した
上記第1の実施形態による異常陰影検出装置における要
素と同等の要素についての説明は特に必要がない限り省
略する。
【0055】本実施形態の異常陰影検出装置は、画像読
取装置等から入力した被写体画像データ(原画像デー
タ)fに基づき、モフォロジーフィルタ処理を利用し
て、原画像中の石灰化陰影の候補点を抽出した石灰化候
補画像データCsを作成する石灰化候補画像取得手段10
と、石灰化候補画像取得手段10から石灰化候補画像デー
タCsを入力し、画像中にすべての画素を中心として多
数の半径57pixelの円領域(単位クラスタ領域)を設
定し、設定された単位クラスタ領域のうち候補点を5個
以上含むものを通常石灰化陰影の候補領域として抽出す
る通常石灰化領域抽出手段51と、通常石灰化領域抽出手
段51により抽出された通常石灰化陰影の候補領域におけ
る特徴量を原画像データを用いて算出する通常石灰化特
徴量算出手段61と、通常石灰化特徴量算出手段61により
算出された特徴量に基づいて通常石灰化陰影の候補領域
が微小石灰化陰影の実在領域であるか否かを鑑別する通
常石灰化鑑別手段71と、通常石灰化領域抽出手段51と同
様に単位クラスタ領域を設定し、設定された単位クラス
タ領域のうち候補点を4個以下のみ含むものを孤立石灰
化陰影の候補領域として抽出する孤立石灰化領域抽出手
段52と、孤立石灰化領域抽出手段52により抽出された孤
立石灰化陰影の候補領域における特徴量を原画像データ
を用いて算出する孤立石灰化特徴量算出手段62と、孤立
石灰化特徴量算出手段62により算出された特徴量に基づ
いて孤立石灰化陰影の候補領域が微小石灰化陰影の実在
領域であるか否かを鑑別する孤立石灰化鑑別手段72とに
より構成されている。
【0056】なお、本実施形態における通常石灰化領域
抽出手段51、通常石灰化特徴量算出手段61、および通常
石灰化鑑別手段71は、それぞれ上記第1の実施形態にお
ける候補領域抽出手段20、特徴量算出手段30、および鑑
別手段40と同等であり、また孤立石灰化特徴量算出手段
62は特徴量算出手段30と同等であるものとして、その説
明を省略する。
【0057】各特徴量に対する孤立石灰化鑑別手段72に
おける判定基準(以下、孤立判定基準とする。)は、
(1)第1の閾値が640〜750のときに石灰化陰影
とし、(2)第2の閾値と第1の閾値との差分値が1〜
3のときに石灰化陰影とし、(3)5候補点の総体積が
2〜10のときに石灰化陰影とし、(4)5候補点の大
きさの分散が4以下のときに石灰化陰影とし、(5)5
候補点の濃度の分散が0.4〜1.0のときに石灰化陰
影とし、(6)高周波成分の信号の二乗和が5.7〜
7.0のときに石灰化陰影とし、(7)最初の周波数が
1.2〜1.5のときに石灰化陰影とし、(8)標準偏
差の変動係数が0.4〜1.2のときに石灰化陰影と
し、(9)最大長が3.6〜4.5のときに石灰化陰影
とするものである。
【0058】なお、本実施形態においては、画素密度1
0pixel/mmの10bitの画像データを利用するものと
し、各画像データは高輝度高信号レベルの画像データで
あるものとする。
【0059】ここで、第1の閾値とは、原画像中の候補
領域内において5個目の候補点を強制的に抽出した時点
の閾値である。すなわち、孤立石灰化陰影の候補領域に
は、所定の閾値(第3の閾値とする。)により石灰化候
補画像中に抽出された候補点は4個以下しか含まれてい
ないが、閾値を第3の閾値よりも下げてさらに新たな候
補点を抽出し、5個目の候補点を抽出した時点の閾値を
第1の閾値とする。
【0060】次に、以上のように構成された本実施形態
の異常陰影検出装置の作用について説明する。
【0061】石灰化候補画像取得手段10において作成さ
れた石灰化候補画像データCsは通常石灰化領域抽出手
段51と孤立石灰化領域抽出手段52とにそれぞれ入力され
る。
【0062】孤立石灰化領域抽出手段52では、石灰化候
補画像データCsに基づき画像中にすべての画素を中心
として多数の半径57pixelの円領域を単位クラスタ領
域として設定し、設定された単位クラスタ領域のうち候
補点を4個以下のみ含むものを孤立石灰化陰影の候補領
域として抽出する。
【0063】孤立石灰化領域抽出手段52により孤立石灰
化陰影の候補領域が抽出されると、孤立石灰化特徴量算
出手段62が、抽出された候補領域の位置情報と原画像デ
ータfを入力し、入力した位置情報と原画像データfと
に基づいて前述した(1)〜(9)の特徴量を求め、さ
らに孤立石灰化特徴量算出手段62において算出された候
補領域の特徴量を孤立石灰化鑑別手段72が入力して候補
領域に対する鑑別を行なう。この際、(1)〜(9)の
特徴量の判定基準をすべて満たしている候補領域のみを
孤立石灰化陰影が実在している領域であると判定する。
さらに、通常石灰化鑑別手段71と孤立石灰化鑑別手段72
とにより微小石灰化陰影の実在領域であると判定された
単位クラスタ領域のみをまとめてクラスタ領域を作成
し、検出結果として出力する。なお、孤立石灰化陰影の
クラスタ領域と通常石灰化陰影のクラスタ領域とを各別
に作成し出力してもよい。
【0064】本実施形態による異常陰影検出装置によれ
ば、孤立石灰化陰影を検出することが可能になるので、
微小石灰化陰影の検出率を上げることができる。
【0065】なお、本実施形態においては、通常石灰化
特徴量算出手段61と孤立石灰化特徴量算出手段62を各別
に備えた形態を示したが、各特徴量算出手段61、62が同
一の特徴量を算出するものである場合には、通常石灰化
特徴量算出手段61と孤立石灰化特徴量算出手段62の代わ
りに同一の特徴量算出手段30を利用することもできる。
この際、特徴量算出手段30が、通常石灰化領域抽出手段
51と孤立石灰化領域抽出手段52から、それぞれ候補領域
の位置情報とともにその候補領域の密度特性(通常石灰
化陰影か孤立石灰化陰影かの別)を示す情報を入力し、
通常石灰化鑑別手段71と孤立石灰化鑑別手段72が特徴量
算出手段30において算出された特徴量を入力する際に、
この密度特性を示す情報を参照して、それぞれの候補領
域の位置情報および特徴量を入力すればよい。
【0066】また、上記実施形態においては、通常石灰
化特徴量算出手段61と孤立石灰化特徴量算出手段62を同
一の特徴量を算出するものとしたが、各特徴量算出手段
61、62をそれぞれ異なる種類の特徴量を算出するものと
してもよい。
【0067】また、候補領域を抽出する手法は上記各実
施形態において例示した抽出方法に限られるものではな
く、例えば、原画像中の輝度が高い任意領域を抽出する
方法など種々の方法を採用することができる。なお、本
発明の異常陰影検出装置は、上記各実施形態に示したよ
うに候補領域を抽出する手段を備えた形態に限られるも
のではなく、例えば他の装置等から微小石灰化陰影の候
補領域の位置情報を入力し、入力した位置情報と原画像
データfに基づいて各候補領域の特徴量を算出する形態
でもよい。
【0068】なお、通常石灰化陰影と孤立石灰化陰影の
実在領域を各別に検出する方法としては、上記第2の実
施形態において示したように通常石灰化陰影の候補領域
と孤立石灰化陰影の候補領域を各別に抽出して鑑別を行
う方法のほか、通常石灰化陰影と孤立石灰化陰影とを分
けずに候補領域を抽出し、この候補領域に対して通常石
灰化陰影に対する判定基準と孤立石灰化陰影に対する判
定基準による鑑別を行う方法によっても、候補領域が通
常石灰化陰影の実在領域であるか、孤立石灰化陰影の実
在領域であるか、或いはそれ以外の(誤抽出された)領
域であるかを鑑別することが可能であり、通常石灰化陰
影と孤立石灰化陰影の実在領域を各別に検出することが
できる。
【0069】また、上記各実施形態においては、鑑別手
段を、9つの特徴量の判定基準をすべて満たした候補領
域のみを石灰化陰影の実在領域と判定するものとした
が、鑑別手段を、マハラノビス距離を利用して上記9つ
の特徴量に基づき候補領域の鑑別を行なうものとするこ
ともできる。
【0070】すなわち、まず下記式により、予め実験的
に得られている非石灰化陰影を示すパターンクラス(i
=1)からのマハラノビス距離Dm1と、通常石灰化陰影
を示すパターンクラス(i=2)からのマハラノビス距
離Dm2とを算出する。
【0071】
【数10】 ここで、9つの特徴量はそれぞれ上記x1からx9に該
当し、(x1,x2,x3,…,x9)という9次元空
間を表現する。この9次元のパターン空間上で表現され
た候補領域のパターンと、非石灰化陰影のパターンとの
マハラノビス距離がDm1であり、同様に通常石灰化陰影
のパターンとのマハラノビス距離がDm2である。
【0072】ここで非石灰化陰影のパターンおよび通常
石灰化陰影のパターンとは、予め多数の異常陰影候補に
ついて実験的に調査した結果に基づいて設定された、非
石灰化陰影ごとおよび通常石灰化陰影ごとのベクトルx
で定義されるパターン空間を意味する。例えば、それぞ
れ、非石灰化陰影とされるものについての上記ベクトル
xの平均で形成されるパターンクラスw1 、通常石灰化
陰影とされるものについての上記ベクトルxの平均で形
成されるパターンクラスw2 で示される。
【0073】次に、候補領域が通常石灰化陰影である場
合には、通常石灰化陰影のパターンクラスとのマハラノ
ビス距離が近く(Dm2が低い値を示し)、非石灰化陰影
のパターンクラスとのマハラノビス距離がばらつくとい
う傾向があり、候補領域が非石灰化陰影である場合に
は、非石灰化陰影のパターンクラスとのマハラノビス距
離が近く(Dm1が低い値を示し)、通常石灰化陰影のパ
ターンクラスとのマハラノビス距離がばらつくという傾
向があることから、この傾向に従って通常石灰化陰影と
非石灰化陰影とを有為に判別し得るゆう度比を各候補領
域ごとに算出する。
【0074】ゆう度比とはDm1/Dm2で表現され、図9
の座標平面上における傾きを示す。すなわち、ゆう度比
が大きいほど通常石灰化陰影である可能性が高く、小さ
いほど非石灰化陰影である可能性が高いと判定できるた
め、例えば閾値を2に設定し、ゆう度比が2以上の時に
通常石灰化であり、2未満の時に非石灰化であると判定
する。
【0075】なお、孤立石灰化陰影についてもマハラノ
ビス距離を用いて同様に鑑別を行うことができる。
【0076】また、鑑別手段を、ニューラルネットワー
クを用いて上記9つの特徴量に基づき候補領域の鑑別を
行なうものとすることもできる。
【0077】なお、鑑別の際に利用する特徴量を、上記
9つの特徴量のうち少なくとも1つ以上を組み合わせた
ものとしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による異常陰影検出装置の
概略構成図
【図2】本発明の別の実施形態による異常陰影検出装置
の概略構成図
【図3】2次元FFT変換後の高周波成分の信号の二乗
和を説明する図
【図4】2次元FFT変換後の周波数空間における1次
元レスポンスを説明する図
【図5】候補点の重心からの8方向長を説明する図
【図6】候補点の最大長を説明する図
【図7】モフォロジーフィルタの基本作用を示す図
【図8】直線状の4つの構造要素Bを示す図
【図9】マハラノビス距離による判定法を説明する図
【符号の説明】
30 特徴量算出手段 40 鑑別手段 61 通常石灰化特徴量算出手段 62 孤立石灰化特徴量算出手段 71 通常石灰化鑑別手段 72 孤立石灰化鑑別手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4C093 CA31 DA06 FD05 FD09 FD13 FF09 FF16 FF17 FF18 FF19 FF23 FF28 5B057 AA09 BA03 BA30 CH09 DA08 DA12 DB02 DB09 DC06 DC19 DC22 DC40 5L096 AA03 AA06 BA06 FA14 FA19 FA23 FA38 FA60 GA51 GA55 HA11 MA07

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体画像を表す被写体画像データに基
    づいて、該被写体画像中に設定された微小石灰化陰影の
    候補領域における形状または濃度に関する特徴量を算出
    する特徴量算出手段と、 該算出された特徴量に基づいて、前記候補領域が微小石
    灰化陰影の実在領域であるか否かの鑑別を行う鑑別手段
    とを備えたことを特徴とする異常陰影検出装置。
  2. 【請求項2】 前記形状または濃度に関する特徴量が、
    前記候補領域内において所定数の微小石灰化陰影の候補
    点を抽出した時点の第1の閾値、前記候補領域内におい
    て前記候補点を1個のみ抽出した時点の第2の閾値と前
    記第1の閾値との差分値、前記第1の閾値により抽出さ
    れた前記所定数の前記候補点の総体積、前記第1の閾値
    により抽出された前記所定数の前記候補点の大きさのば
    らつき、前記第1の閾値により抽出された前記所定数の
    前記候補点の濃度のばらつき、前記候補領域の中心領域
    に対応する前記被写体画像中の画像部分の2次元FFT
    変換後の高周波成分の信号の二乗和、前記2次元FFT
    変換後の周波数空間における1次元レスポンスのレスポ
    ンスが所定値以下になる最初の周波数、前記候補領域の
    中心の前記候補点における該候補点の重心からの複数方
    向長のばらつきの変動係数、前記候補領域の中心の前記
    候補点の最大長のうち少なくとも1つであることを特徴
    とする請求項1記載の異常陰影検出装置。
  3. 【請求項3】 前記候補領域が、密度が高い通常石灰化
    陰影の候補領域または密度が低い孤立石灰化陰影の候補
    領域であり、 前記鑑別手段が、前記通常石灰化陰影の候補領域に対す
    る鑑別と、前記孤立石灰化陰影の候補領域に対する鑑別
    とを各別に行うものであることを特徴とする請求項1ま
    たは2記載の異常陰影検出装置。
  4. 【請求項4】 前記鑑別手段が、マハラノビス距離のゆ
    う度比を用いて鑑別を行うものであることを特徴とする
    請求項1から3いずれか記載の異常陰影検出装置。
  5. 【請求項5】 前記鑑別手段が、ニューラルネットワー
    クを用いて鑑別を行うものであることを特徴とする請求
    項1から3いずれか記載の異常陰影検出装置。
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