JP2003067499A - 健康診断方法および健康診断システム、健康診断システム用サーバおよび端末、ならびに健康診断システム用プログラム - Google Patents

健康診断方法および健康診断システム、健康診断システム用サーバおよび端末、ならびに健康診断システム用プログラム

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JP2003067499A
JP2003067499A JP2001251916A JP2001251916A JP2003067499A JP 2003067499 A JP2003067499 A JP 2003067499A JP 2001251916 A JP2001251916 A JP 2001251916A JP 2001251916 A JP2001251916 A JP 2001251916A JP 2003067499 A JP2003067499 A JP 2003067499A
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Kohei Miyaoku
康平 宮奥
Shigeki Nagao
茂樹 長尾
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 個人が日常生活の中で手軽かつ頻繁に、自ら
の健康状態について診断を受けられるようにするととも
に、体質の個人差を考慮した診断を行ない、各個人に応
じた効率的な予防や治療を提供できるようにする。 【解決手段】 個人の遺伝情報,身体情報および環境情
報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末3
と、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状
態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報とい
う。)を有するサーバ2とが、通信ネットワーク10を
介して互いに通信可能に構成されたシステム1におい
て、端末3が有する前記個人情報と、サーバ2が有する
前記相関情報とを用いて、個人の健康状態を診断し、そ
の診断結果を端末3を通じて通知する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、個人の端末とサー
バとが通信ネットワークを介して互いに通信可能に構成
されたシステムにおいて、遺伝情報を利用して個人の健
康状態を診断し、診断結果を端末を通じて通知する健康
診断方法および健康診断システムに関する。また、本発
明は、前記健康診断システムに用いられるサーバおよび
端末、ならびに前記のサーバおよび端末を実現するため
のプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、個人の健康状態(現在の疾病の有
無やその程度、将来の罹病の危険性等)を客観的に把握
するためには、病院やその他の医療施設等において検査
や診察を受け、その検査や診察の結果に基づき診断を行
なう必要がある。よって、現在または過去の罹病により
医療施設等に通っている人や、何らかの自覚症状を呈し
て医療施設等に自ら出向いた人を除けば、個人が自らの
健康状態について診断を受ける機会は、例えば地域の医
療施設等において定期的に実施される定期健康診断を受
診する場合などに限られてしまい、日常生活の中で手軽
かつ頻繁に、自らの健康状態を客観的に把握することは
困難である。
【0003】しかしながら、こうした健康状態の診断を
手軽に受けることが困難な状況においては、例えば自覚
される兆候や症状が少ない疾病や、そうした兆候や症状
の少ない疾病の場合には、罹病の可能性が見過ごされた
り、罹病の発見が遅れてしまったりする場合が少なくな
い。基本的にはいかなる疾病であっても、早期に発見し
て治療を行なうことが好ましく、さらには、事前に兆候
を掴んで予防を行なうことがより好ましい。従って、個
人が日常生活の中でも手軽かつ頻繁に、自らの健康状態
について診断を受けられるようにすることが望まれてい
る。
【0004】また、人間の体質には個人差があるので、
罹病の可能性や罹病により現れる症状も、それに応じて
異なる場合がある。従って、個人の健康状態について正
確な診断を行なうためには、まずその個人の体質につい
て把握し、これを考慮して健康状態を診断する必要があ
るが、上述した定期健康診断等は多人数に対して画一化
された方法で行なわれるのが一般的なので、対象となる
疾病等の種類によっては、体質の個人差を踏まえた正確
な診断を行なうことは困難である。従って、各個人の体
質を考慮して健康状態の正確な診断を行ない、体質の個
人差に応じた効率的な疾病の予防や治療を提供すること
が望まれている。
【0005】ところで、近年の遺伝子研究は急速な発展
を遂げ、人間の有する様々な遺伝情報(以下、特に断り
書きの無い限り、「遺伝情報」とは、人間の染色体に含
まれるDNAの塩基配列により表わされる情報を広く指
すものとする。一方、「遺伝子」とは、一つの蛋白質を
コードする塩基配列の集合として定義する。すなわち、
「遺伝情報」は「遺伝子」を含む概念であるが、それに
限定されない。)と、それによって影響を受ける体質と
の関係、あるいはそれによって引き起こされる疾病との
関係が、次々と解明されている。
【0006】例えば、「最先端レポート 遺伝子ビジネ
スの世紀 ―医療が変わる、産業が変わる―」(日経B
P社刊)には、以下のような例が記載されている。
【0007】(1).薬物代謝酵素であるシトクロムP
450の遺伝子CYP3A4の多型は、薬物代謝能の個
人差と関連している。すなわち、CYP3A4遺伝子の
多型により、特定の薬物が効き易い人と効き難い人とが
存在する。
【0008】(2).三共株式会社の高脂血症治療薬
「メバロチン」(プラバスタチン)を投薬した患者の中
で、コレステロール値の減少がみられるにもかかわら
ず、心筋梗塞の進展抑制がみられない患者が、2割強存
在することが明らかになっている。こうした現象にCE
TP酵素の遺伝子多型が関連している可能性を示唆する
論文が発表されている。
【0009】(3).乳癌および卵巣癌の危険因子とし
て、BRCA1遺伝子およびBRCA2遺伝子が発見さ
れている。これらの遺伝子に変異が存在すると、乳癌の
発症リスクは60〜80%、卵巣癌の発症リスクは40
%程度と言われている。
【0010】(4).AGT遺伝子の変異が、高血圧症
患者における心臓血管系の疾病の発症と関連しているこ
とが知られている。AGT遺伝子の変異の有無を調べる
ことで、心臓血管系の疾病の発症リスクが高い患者、高
血圧が悪化し易い患者、減塩食が有効な患者、降圧剤に
よく反応する患者を特定できる。
【0011】(5).三菱化学ビーシーエルでは、β3
アドレナリン受容体遺伝子の多型を検査することによ
り、太りやすさに関する体質を調べる遺伝子検査を行な
っていた。β3アドレナリン受容体のタイプが異なる
と、安静時のカロリー消費量が異なるために、太りやす
さが異なる傾向にある。
【0012】上述した(1)〜(5)の例は、単一の遺
伝子の変異が個人の体質や罹病時の症状、罹病前の兆候
等に明確な影響を及ぼす例であるが、多くの場合は、遺
伝情報における複数の変異や多型等の因子(以下、遺伝
因子と呼ぶ)が相関して、個人の体質や罹病時の症状、
罹病前の兆候等に影響を及ぼしている。また、こうした
遺伝因子に加え、さらに生活環境や生活習慣等の外的因
子(以下、環境因子と呼ぶ)が相関しながら、個人の体
質や罹病時の症状、罹病前の兆候等に複合的な影響を与
えていると考えられている。
【0013】こうした複数の遺伝因子や環境因子と体質
や罹病時の症状、罹病前の兆候等との相関を解析するに
は、相当数の標本収集と膨大な計算とを要するため、そ
の解析は極めて困難である。しかし、近年では、遺伝情
報の解読技術の発達や、コンピュータを用いた情報処理
技術の導入により、こうした複数の遺伝因子や環境因子
の相関についても、その解析が可能となっている。例え
ば、遺伝因子や環境因子と疾病との関係についてみる
と、これまで比較的解明が進んでいた単一遺伝子病(単
一の遺伝子によって引き起こされる疾病)に加えて、近
年では癌、動脈硬化、高血圧、悪性腫瘍、糖尿病等の生
活習慣病に代表される多遺伝子多因子病(複数の遺伝因
子や環境因子の相関によって引き起こされる疾病)につ
いても、様々な知見が得られている。
【0014】特に、国際ヒトゲノム計画の進展によっ
て、人間のゲノム(人間の一組の染色体により表わされ
る遺伝情報の総体)のドラフトシークエンスが解読され
たことから、今後はゲノムのデータベースを用いること
により、人間の全ゲノムを対象範囲として(すなわち、
人間の有するあらゆる遺伝情報について)、様々な遺伝
情報と体質や疾病との関係がより一層解明されていくこ
とが予想される。
【0015】このように、遺伝因子や環境因子と体質や
罹病状態との関係について次々と新たな知見が得られる
に伴い、こうした知見を医療に応用することが試みられ
ている。特に、遺伝因子は、個人が生得的に有している
特徴であり、個人の体質や罹病状態に及ぼす影響は極め
て大きい。従って、後天的な環境因子と生得的な遺伝因
子の双方を考慮して個人の健康状態の診断を行なうこと
により、各個人の体質や罹病状態等をより正確に把握す
ることができ、個人差に応じた効率的な疾病の予防や治
療が可能となると期待されている。
【0016】しかし、特に遺伝因子と疾病との関係につ
いての知見の応用は、少数(多くは単一)の遺伝子によ
って引き起こされる疾病であって、環境因子が殆ど関与
しないもの(いわゆる遺伝病)に限られているのが現状
であり、しかもその多くは罹病後の治療への応用であっ
て、種々の疾病を対象とした罹病の有無やその兆候を判
断するための健康診断への応用は、ほとんどなされてい
ないのが現状である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】上述した背景から、従
来、個人が日常生活の中で手軽かつ頻繁に、自らの健康
状態について、体質等の個人差を踏まえた正確な診断を
受けることは困難である。また、個人の遺伝情報と体質
や疾病との関係について新たな知見が得られているにも
関らず、こうした知見を健康状態の診断へ迅速に反映す
る試みは、現在のところほとんどなされていない。
【0018】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のである。すなわち、本発明の目的は、個人が日常生活
の中で手軽かつ頻繁に、自らの健康状態について診断を
受けられるようにするとともに、個人の遺伝情報と体質
や疾病との関係についての知見を診断に迅速に反映する
ことで、各個人の体質等を考慮し、個人差に応じた効率
的な予防や治療を提供できるようにした、健康診断方法
および健康診断システム、健康診断システム用サーバお
よび端末、ならびに健康診断システム用プログラムを提
供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討の結果、個人の遺伝情報,身体情報および環境情
報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末と、
前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態と
の相関関係を表わす情報(以下、相関情報という。)を
有するサーバとを備えたシステムを利用することによっ
て、上記課題が効果的に解決されることを見出し、本発
明に至った。
【0020】すなわち、本発明の要旨は、端末とサーバ
とが通信ネットワークを介して互いに通信可能に構成さ
れたシステムにおいて、該端末が、個人の遺伝情報,身
体情報および環境情報(以下、併せて個人情報とい
う。)を有するとともに、該サーバが、前記の遺伝情
報,身体情報および環境情報と健康状態との相関関係を
表わす情報(以下、相関情報という。)を有し、該サー
バが有する前記相関情報に基づき、該端末が有する前記
個人情報を用いて、個人の健康状態を診断し、その診断
結果を該端末を通じて通知することを特徴とする、健康
診断方法に存する。
【0021】また、本発明の別の要旨は、前記個人情報
を有する端末と、前記相関情報を有するサーバとが、通
信ネットワークを介して互いに通信可能に構成されたシ
ステムにおいて、該端末が、前記個人情報を記憶する個
人情報記憶手段と、前記通信ネットワークを介して該サ
ーバに、前記個人情報を送信する個人情報送信手段とを
備えるとともに、該サーバが、前記相関情報を記憶する
相関情報記憶手段と、該端末から前記通信ネットワーク
を介して、前記個人情報を受信する個人情報受信手段
と、該相関情報記憶手段に記憶された前記相関情報に基
づき、該個人情報受信手段で受信された前記個人情報を
用いて演算を行なうことにより、健康状態を診断する健
康状態診断手段と、前記通信ネットワークを介して該端
末に、該健康状態診断手段による健康状態の診断結果を
送信する診断結果送信手段とを備え、該端末が、さら
に、該サーバから前記通信ネットワークを介して、前記
診断結果を受信する診断結果受信手段と、該診断結果受
信手段で受信された前記診断結果を表示する診断結果表
示手段とを備えたことを特徴とする、健康診断システム
に存する。
【0022】さらに、本発明の別の要旨は、上述したシ
ステムにおいて、該端末が、前記個人情報を記憶する個
人情報記憶手段と、前記通信ネットワークを介して該サ
ーバに、前記相関情報を要求する信号を送信する要求信
号送信手段とを備えるとともに、該サーバが、前記相関
情報を記憶する相関情報記憶手段と、該端末から前記通
信ネットワークを介して、前記相関情報を要求する信号
を受信する要求信号受信手段と、該要求信号受信手段で
受信された前記信号に基づき、前記通信ネットワークを
介して該端末に、該相関情報記憶手段に記憶された前記
相関情報を送信する相関情報送信手段とを備え、該端末
が、さらに、該サーバから前記通信ネットワークを介し
て前記相関情報を受信する相関情報受信手段と、該相関
情報受信手段で受信された前記相関情報に基づき、該個
人情報記憶手段に記憶された前記個人情報を用いて演算
を行なうことにより、健康状態を診断する健康状態診断
手段と、該健康状態診断手段による健康状態の診断結果
を表示する診断結果表示手段とを備えたことを特徴とす
る、健康診断システムに存する。
【0023】また、本発明の別の要旨は、上述したシス
テムに使用されるサーバであって、上述した健康診断シ
ステムのサーバを構成する各手段と同様の構成を備えた
ことを特徴とする、健康診断システム用サーバ、およ
び、同じく上述したシステムに使用される端末であっ
て、上述した健康診断システムの端末を構成する各手段
と同様の構成を備えたことを特徴とする、健康診断シス
テム用端末に存する。
【0024】さらに、本発明の別の要旨は、上述したシ
ステムにおいて、該サーバとしてコンピュータを機能さ
せるためのプログラムであって、上述した健康診断シス
テム用サーバを構成する各手段として該コンピュータを
機能させることを特徴とする、健康診断システム用プロ
グラム、および、同じく上述したシステムにおいて、該
端末としてコンピュータを機能させるためのプログラム
であって、上述した健康診断システム用端末を構成する
各手段として該コンピュータを機能させることを特徴と
する、健康診断システム用プログラムに存する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態について詳細に説明する。なお、以下の
記載では説明の簡単のため、まず本発明の基本概念につ
いて簡単に説明した上で、各実施形態の説明に移ること
にする。
【0026】〔I〕 本発明の基本概念 先の従来技術の記載で触れたように、人間の遺伝情報と
体質や各種疾病の罹病状態(罹病の有無、罹病の程度、
罹病の危険性、罹病の兆候等)との間に相関関係が認め
られることは、近年の様々な研究によって明らかにされ
ている。
【0027】こうした知見を踏まえ、本発明では、個人
の様々な体質や、各種疾病の罹病の有無、罹病の程度、
罹病の危険性、罹病の兆候等(以上列挙した、個人の体
質や罹病に関する個人の特性を、以下の記載では個人の
「健康状態」と総称する)の中で、特定の遺伝的要素,
身体的要素,および環境的要素との間に何らかの相関関
係が判明しているもの(もしくは、その可能性が指摘さ
れているもの)に着目する。そして、こうした特定の遺
伝的要素,身体的要素,および環境的要素と健康状態と
の相関関係に関する情報(以下、相関情報と呼ぶ)に基
づき、個人の遺伝的要素,身体的要素,および環境的要
素に関する情報(以下、併せて個人情報と呼ぶ)を用い
て、個人の健康状態の診断を行なう。
【0028】ここで、遺伝的要素とは、個人の種々の遺
伝情報のうち、その内容に個人差が存在するものを指す
こととする。換言すれば、個人が生得的に有する内的要
素に相当する。この遺伝的要素は、遺伝情報を塩基配列
単位で見た場合、遺伝子単位で見た場合のいずれについ
ても定義可能であり、また、遺伝子の挙動についても定
義することができる。すなわち、この遺伝的要素ととし
て、具体的には、染色体上の特定領域のDNA塩基配列
の多型(特に一塩基多型(single nucleotidepolymorph
ism:SNP)や制限断片長多型(restriction fragment l
ength polymorphism:RFLP))、染色体上の特定遺伝子
の多型、染色体上の特定遺伝子の発現状況(遺伝子が転
写されたmRNAの有無やその存在量およびその時間的
推移、複数の遺伝子から転写された複数のmRNA間の
存在量および時間的推移の関係)等が挙げられる。
【0029】なお、DNA塩基配列や遺伝子の個人差を
呼ぶ場合、「多型」という用語に加えて、一般に「変
異」という用語が使われる場合がある。後者の「変異」
は、発生頻度の極めて低い塩基配列や遺伝子の多型につ
いて用いられることが多いが、本発明ではこれらを分け
て考えることを要しないため、その発生頻度に拠らず統
一して「多型」と呼ぶことにする。
【0030】一般に、こうしたDNA塩基配列や遺伝子
の多型に関する情報は、様々な手法により調べられる。
具体的には、多数の個人から収集したDNA塩基配列や
遺伝子を直接比較したり、マイクロアレイ(DNAチッ
プ)、TaqMan PCR法、RCA(rolling circl
e amplification)法等の種々の手法を用いたりするこ
とにより、様々なDNA塩基配列や遺伝子について多型
の有無や種類、発生の頻度などの情報が得られている。
【0031】また、これらの直接的な手法に加えて、D
NA塩基配列や遺伝子の多型の存在を間接的に推定する
方法も提案されている。例えば、複数の蛋白質間の相互
作用を測定してその個人差を調べることにより、これら
の蛋白質をコードする遺伝子の多型の存在を推定するこ
とが可能である(蛋白質間の相互作用を測定する方法と
しては、表面プラズモン共鳴を利用した方法等が挙げら
れる)。また、特定の代謝経路やシグナル伝達経路に関
する情報に基づいて数理的なモデルを構築し、このモデ
ルを解析することにより遺伝子の多型の存在を推定する
ことが可能である(この代謝経路やシグナル伝達経路に
関わる測定可能な蛋白質の挙動から、この代謝経路やシ
グナル伝達経路に関わる別の蛋白質間の相互作用を推算
して、これらの蛋白質をコードする遺伝子の多型の存在
を推定する)。本発明における、DNA塩基配列や遺伝
子の多型に関する情報とは、上述した各種の手法を用い
て直接的または間接的に得られる(あるいは推定され
る)あらゆる種類の情報を含むものである。
【0032】また、身体的要素とは、個人の身体的特徴
に関する種々の情報のうち、その内容に個人差が存在す
るものを指すこととする。換言すれば、個人が後天的に
獲得した内的要素に相当する。具体的には、各種の疾病
の罹病と相関があると判明している(またはその可能性
が指摘されている)要素として、性別、年齢、血液型、
身長、体重、血圧、脈拍、視力、尿中成分値、血中成分
値等が挙げられる。また、様々な疾病についての罹病歴
も、身体的要素と考えることができる。
【0033】さらに、環境的要素とは、個人の生活環境
に関する種々の情報のうち、その内容に個人差が存在す
るものを指すこととする。換言すれば、個人の身体外部
に存在する外的要素に相当する。具体的には、各種の疾
病の罹病と相関があると判明している(またはその可能
性が指摘されている)要素として、出身地や生活地域の
気候(気温、湿度等)や地形等の生活環境、職業等の生
活背景、睡眠時間や運動量等の生活習慣、食事や飲酒、
喫煙等の生活嗜好等が挙げられる。
【0034】なお、以下の記載においては、上述の遺伝
的要素に関する情報、身体的要素に関する情報、および
環境的要素に関する情報を、それぞれ遺伝情報,身体情
報,環境情報と呼ぶことにする。すなわち、前述した個
人情報とは、個人の遺伝情報,身体情報,および環境情
報の総称である。
【0035】一方、健康状態とは、個人の健康に関する
身体的または精神的特徴のことを指す。具体的には、前
述したように、個人の様々な体質(本明細書に於いて
「体質」とは、器官や組織の機能・形態に表れる特徴を
指す。)や、各種疾病の罹病の有無、罹病の程度、罹病
の危険性、罹病の兆候等が挙げられる。ただし、本発明
においては、後述するように数学的演算によって診断を
行なうことから、複数の選択肢の中から択一的に判定可
能な健康状態(例えば、ある体質の特定や、ある疾病の
罹病の有無の決定等)や、数値により表現可能な健康状
態(例えば、ある体質を表す特性値の算定や、ある疾病
についての罹病の危険度の算出等)が好ましい。
【0036】一方、これらの遺伝的要素,身体的要素お
よび環境的要素と健康状態との相関関係とは、遺伝的,
身体的および環境的要素と健康状態とをそれぞれ確率変
数として表わした場合に、これらの確率変数の間に存在
する共変関係のことを指す。本発明では、健康状態の客
観的な診断を可能にするために、こうした相関関係の中
でも、数理的にシミュレーションすることが可能な相関
関係に着目し、こうした相関関係を数理的表現を用いて
表わすことにする。数理的表現としては、要素の数や相
関関係の複雑さに応じて、論理式、関数、数理モデル
(ニューラル・ネットワーク、確率モデル)等、様々な
ものを用いることができる。これらの具体的な表現方法
については後に詳述する。
【0037】本発明では、上述した個人の遺伝情報,身
体情報,環境情報等を含む個人情報を有する端末と、同
じく上述した遺伝情報,身体情報,環境情報等と健康状
態との相関関係を表わす相関情報を有するサーバとを、
通信ネットワークを介して互いに通信可能に構成された
システム(健康診断システム)を用いる。そして、前記
相関情報に基づいて、前記個人情報から個人の健康状態
を診断し、その診断結果を前記端末を通じて通知するこ
とを特徴としている。
【0038】こうした構成により、個人が日常生活の中
で、通信ネットワークを通じて手軽かつ頻繁に、自らの
健康状態について診断を受けることができる。また、サ
ーバが有する相関情報を適宜更新することにより、遺伝
的,身体的および環境的要素と健康状態との相関関係に
ついて得られた新たな知見を、個人の健康状態の診断に
迅速に反映することができるので、体質等の個人差を考
慮し、各個人に応じた効率的な疾病の予防や治療を行な
うことが可能となる。
【0039】本発明の実施の形態としては、端末からサ
ーバに個人情報を送信し、サーバにて受信した個人情報
を用いて健康状態の診断を行なった上で、この診断結果
をサーバから端末に送信し、端末にて受信した診断結果
を表示する場合(第1実施形態)と、端末からサーバに
相関情報を要求し、この要求に応じてサーバから端末に
相関情報を送信した上で、端末にて受信した相関情報を
用いて健康状態の診断を行ない、診断結果を表示する場
合(第2実施形態)とが挙げられる。
【0040】〔II〕 第1実施形態 まず、第1実施形態では、端末からサーバに個人情報を
送信し、サーバにて受信した個人情報を用いて健康状態
の診断を行なった上で、この診断結果をサーバから端末
に送信し、端末にて受信した診断結果を表示する場合に
ついて説明する。
【0041】(II−1) 健康診断システムの構成 図1は、本発明の第1実施形態にかかる情報通信システ
ム(健康診断システム)の基本的な構成を示す模式図で
ある。図1に示すように、本情報通信システム1は、通
信ネットワーク10に接続されたサーバ2および端末3
をそなえ、前記通信ネットワーク10を介して前記のサ
ーバ2および端末3が互いに通信可能となるように構成
されている。
【0042】通信ネットワーク10としては、通信経路
を構成する資源(resource)の集合としての一般的なネッ
トワークであれば特に制限は無く、公知の様々なネット
ワークを使用することができる。具体的に言えば、使用
できる通信ネットワーク10は、構内通信ネットワーク
(local area network : LAN)か広域通信ネットワーク(w
ide area network : WAN)かに拠らず、また専用回線等
の固定ネットワークか電話交換網等の交換ネットワーク
かに拠らず、さらには携帯電話網等の無線ネットワーク
か固定電話網等の有線ネットワークかを問わない。ま
た、独立した単一のネットワークである必要は無く、複
数のネットワークの集合であっても構わない。本発明に
おいては、特に広域性および普及性の観点から、インタ
ーネットを使用することが好ましい。
【0043】サーバ2は、前記相関情報を有するととも
に、後述する端末3から送られてきた個人情報に基づ
き、前記の相関情報を用いて演算を行なうことにより、
個人の健康状態を診断するもので、図1に示すように、
各種機能を実現するための複数の機能要素21〜24か
ら構成されている。以下、サーバ2の各機能要素21〜
24の機能について説明する。なお、サーバ2には図示
しないCPU,ROM(内蔵ハードディスク装置、外部
記憶媒体),RAM等が内蔵されており、CPUがRO
Mに記憶されたプログラムにしたがって情報通信のため
の各種処理を実行するようになっている。また、RAM
にはCPUが各種処理を実行するのに必要なデータが適
宜記憶更新されるようになっている。すなわち、これら
CPU,ROM,RAMの機能により以下説明する各機
能要素21〜24の各機能が実現されるようになってい
るのであり、換言すれば、サーバ2はCPU,ROM,
RAM等を備えた通常のコンピュータであって充分なス
ペックを有するもの(各種ネットワークサーバ、ワーク
ステーション、パーソナルコンピュータ等)により実現
することが可能である。
【0044】受信部21,送信部22は、通信ネットワ
ーク10とのインタフェースにあたる。受信部21は、
後述する制御・演算部24の制御を受けて、通信ネット
ワーク10経由で送られてきた信号やデータを受信し、
制御・演算部24に出力するようになっている。一方、
送信部22は、同じく制御・演算部24の制御を受け
て、制御・演算部24から入力されたデータを通信ネッ
トワーク10に向けて送信するようになっている。
【0045】さらに、受信部21,送信部22は、送受
信するデータについて、暗号化、スクランブル、インタ
ーリーブ等、公知の様々な秘匿処理を施すことが可能と
なっている。すなわち、受信部21,送信部22は、秘
匿処理の設定・解除を行なうために、後述する端末3の
受信部31,送信部32と共通の様々な秘匿処理様式
(暗号化の鍵、スクランブルの規則、インターリーブの
規則等)を備えており、端末3に送信するデータについ
ては秘匿処理の設定を、また、端末3から受信するデー
タについては秘匿処理の解除を行なうことにより、デー
タの内容を隠蔽しながら端末3との間でデータの送受信
を行なうことが可能となっている。
【0046】記憶部23は、各種情報を記憶するデータ
ベースであって、前記相関情報を記録できるようになっ
ている。ここで、相関情報としては、上述したように、
健康状態に影響をおよぼす要素の数や相関関係の複雑さ
に応じて、論理式、関数、数理モデル等、各種の数理的
表現が使用される。
【0047】図2に、記憶部23における相関情報の記
憶形式の一例として、各種疾病についての罹病の危険性
と遺伝的要素,環境的要素および身体的要素との関係を
表わしたテーブル(相関情報テーブル)を示す。なお、
この図2においては、各種疾病の罹病の危険性に対し
て、少数(一種〜数種)の要素が相加的または相乗的に
影響を及ぼすという、比較的単純な状況を想定してい
る。また、この相関情報テーブルは、実際には後述する
制御・演算部24による検索・参照や記憶・更新に適し
た形に正規化されて記憶されている。
【0048】図2の相関情報テーブルにおいて、左列に
は各種疾病の名前が記憶され、中列および右列にはそれ
ぞれ、各種疾病の罹病危険性に影響を与える遺伝的要素
および身体的・環境的要素が、疾病毎に対応付けて記憶
されている。そして、各要素の右には、対応する疾病の
罹病危険性に与える影響が、%表示もしくは倍率表示で
添記されている。
【0049】具体的には、その要素の存在が疾病の罹病
の危険性に対して相加的な影響を与える場合、罹病の危
険性の上昇が%で表示される。例えば、上から2番目の
行の中列は、ある個人が染色体上の配列αについて特定
の多型Iを有している場合、疾病αの罹病の危険性が2
0%上昇することを示している。また、その要素の存在
が疾病の罹病の危険性に対して相乗的な影響を与える場
合、罹病の危険性の上昇が倍率で表示される。例えば、
上から3番目の行の右列は、ある個人が飲酒や喫煙の習
慣を有する場合、疾病βの罹病の危険性がそれぞれ2倍
および1.5倍となることを示している。
【0050】すなわち、図2の相関情報テーブルは、遺
伝的要素,環境的要素および身体的要素と各種疾病の罹
病の危険性との相関関係を、加算と乗算からなる関数で
表わしたものと言うことができる。一方、要素数がより
多く、相関関係がより複雑な場合には、より高度な関数
を用いて数理的表現を行ない、それを相関情報として記
憶部23に記憶させる。さらに要素数が多く相関関係が
複雑な場合には、ニューラル・ネットワークや確率モデ
ルなどの数理モデルを用いて、相関関係の数理的表現を
行なう。特に、ニューラル・ネットワークを用いた具体
的な表現については、本実施形態の変形例で詳述する。
【0051】そして、この相関情報は、制御・演算部2
4の後述する機能により、随時記憶・更新されるように
なっている。すなわち、診断対象となる新たな健康状態
と遺伝的,身体的および環境的要素との相関関係に関す
る情報が、随時新たな相関情報として記憶されるととも
に、既に記憶されている相関情報の内容も、必要に応じ
て随時更新される。また、多数の健康状態についての相
関情報の一括記憶や一括更新、記憶されている多数の相
関情報の入れ替え等もできるようになっている。
【0052】制御・演算部24は、サーバ2の動作に必
要な各種演算を行なうとともに、受信部21での受信情
報に応じて、送信部22,記憶部23の各動作を制御す
るものである。具体的には、制御・演算部24は、受信
部21を制御して、端末3から通信ネットワーク10を
介して送られてくる健康診断要求信号(後述)を、一緒
に送られてくる個人情報とともに受信させる。
【0053】さらに、制御・演算部24は、健康状態を
診断するための診断プログラムをそなえており、この診
断プログラムに従い、受信部21にて受信された健康診
断要求信号の内容に応じて、記憶部23に記憶された前
記相関情報を参照して演算を行なうことにより、受信し
た個人情報から健康状態を診断するようになっている。
【0054】端末3から送られてくる健康診断要求信号
には、後述するように、診断を希望する一または複数の
健康状態の種類を特定する情報が含まれている。制御・
演算部24は、受信部21にて受信した健康診断要求信
号の内容を解析し、特定された種類の健康状態について
診断を行なう。
【0055】具体的には、制御・演算部24は、前記相
関情報に含まれている、診断対象の健康状態についての
相関関係の数理的表現に基づき、受信した個人情報を用
いて演算を行なう。そして、その演算結果に基づき、診
断対象となる健康状態について、複数の範疇への分類
(例えば、各種疾病の罹病の有無や罹病の兆候の有無の
判定、特定の体質の分類など)や、対象となる健康状態
の程度の数値化(例えば、各種体質を表す特性値の算定
や、各種疾病の罹病の危険性の算出など)等、各種方式
による診断を行なうのである。
【0056】例えば、図2の相関情報テーブルを用い
て、疾病βの罹病の危険性についての診断を行なう場合
は、まず、相関情報テーブルにおいて疾病βと対応付け
られている遺伝的要素(染色体上のDNA塩基配列βに
おける多型II)および身体的・環境的要素(飲酒習慣お
よび喫煙習慣)が、受信した個人情報の中に存在するか
否かを判断する。次いで、該当する遺伝的・身体的・環
境的要素について、相関情報テーブルに記載された%値
または倍率を用いた相加相乗演算を行ない、疾病βの罹
病の危険性を%値として算出する。
【0057】さらに、制御・演算部24は、健康状態の
診断結果(分類された健康状態の範疇や数値化された健
康状態の程度等)を含む送信用の情報(診断結果情報)
を生成するとともに、生成した診断結果情報を、送信部
22を制御することにより、通信ネットワーク10を介
して端末3に送信するようになっている。
【0058】加えて、制御・演算部24は、記憶部23
を制御して、記憶部23における相関情報の記憶・更新
を行なう。先に述べたように、遺伝的,身体的,環境的
要素と健康状態との相関関係については、新たな知見が
次々と得られている。こうした知見を健康状態の診断に
迅速に反映させるために、制御・演算部24は、記憶部
23における相関情報の記憶・更新を行なえるようにな
っているのである。
【0059】サーバ2には、遺伝的,身体的,環境的要
素と健康状態との相関関係に関する新たな情報が、通信
システム10に接続された端末3や、図示しない他の端
末等から、通信システム10を通じて送信されてくる。
また、同様の情報が、サーバ2の管理者等の操作によっ
て、サーバ2に接続された図示しない外部記憶媒体や入
力装置を通じて入力される。制御・演算部24は、受信
部21において受信されたこれらの情報、または前記の
外部記憶媒体や入力装置から入力されたこれらの情報を
取得し、新たな相関情報として記憶部23に記憶させ
る。また、すでに同一の健康状態についての古い内容の
相関情報が記憶されている場合には、記憶部23を制御
してこの相関情報を更新させる。
【0060】以上の構成より、受信部21は、制御・演
算部24の制御を受けて、端末3から通信ネットワーク
10を介して前記個人情報を受信する個人情報受信手段
として、記憶部23は、同じく制御・演算部24の制御
を受けて、前記相関情報を記憶する相関情報記憶手段と
して、制御・演算部24は、前記個人情報受信手段(受
信部21)で受信された前記個人情報に基づき、前記相
関情報記憶手段(記憶部23)に記憶された前記相関情
報を用いて演算を行なうことにより、健康状態を診断す
る健康状態診断手段として、送信部22は、制御・演算
部24の制御を受けて、前記健康状態診断手段(制御・
演算部24)による健康状態の診断結果を、前記通信ネ
ットワーク10を介して端末3に送信する診断結果送信
手段として、それぞれ機能する。
【0061】なお、上述の個人情報受信手段(受信部2
1),相関情報記憶手段(記憶部23),健康状態診断
手段(制御・演算部24),および診断結果送信手段
(送信部22)に相当する各機能は、実際には、前述し
たROMに記録されたプログラム(以下、健康診断サー
バ用プログラムという。)をRAMに読み出し、そのプ
ログラムを起動してCPUで実行することにより、CP
Uの動作として実現される。
【0062】なお、この健康診断サーバ用プログラム
を、例えばCD−ROMやMOディスク等のコンピュー
タ読み取り可能な外部記憶媒体に記録しておき、必要に
応じて随時、サーバ2が有する外部記憶媒体読取装置
(図示せず)を通じて、前記の外部記憶媒体から健康診
断サーバ用プログラムをROMにインストールして使用
するのが好ましい。または、サーバ2から通信システム
10を通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピ
ュータ等)にこの健康診断システム用プログラムを記録
しておき、必要に応じて随時、前記の外部記憶領域から
通信システム10を通じて、健康診断サーバ用プログラ
ムをROMにインストールして使用してもよい。
【0063】一方、端末3は、前記の個人情報を有する
とともに、上述したサーバ2から送られてきた個人の健
康状態の診断結果を表示するもので、先の図1に示すよ
うに、各種機能を実現するための複数の機能要素31〜
36から構成されている。なお、上述のサーバ2と同
様、端末3にも図示しないCPU,ROM(内蔵ハード
ディスク装置,記憶媒体読取装置等),RAM等が内蔵
されており、CPUがROMに記憶されたプログラムに
したがって情報通信のための各種処理を実行するように
なっている。また、RAMにはCPUが各種処理を実行
するのに必要なデータが適宜記憶更新されるようになっ
ている。また、端末3にはさらに、入力装置(キーボー
ド,マウス等),出力装置(ディスプレイや液晶表示部
等の表示装置、プリンタ等の印字装置など)等が内蔵ま
たは接続されており、CPUの各種処理によって制御可
能に構成されている。すなわち、これらCPU,RO
M,RAM,入力装置,出力装置等により、以下説明す
る各機能要素31〜36の各機能が実現されるようにな
っているのであり、換言すれば、端末3はCPU,RO
M,RAM,入力装置,出力装置等を備えた通常の情報
通信端末(パーソナルコンピュータ(ディスクトップ
型、ノート型を問わない)、ハンドヘルドコンピュー
タ、携帯電話等)により実現することが可能である。
【0064】受信部31,送信部32は、通信ネットワ
ーク10とのインターフェースにあたる。受信部31
は、通信ネットワーク10経由で送られてきたデータ
(信号や情報)を受信し、後述する制御・演算部34に
出力するようになっている。一方、送信部32は、後述
する制御・演算部34から入力されたデータを通信ネッ
トワーク10に向けて送信するようになっている。
【0065】さらに、受信部31,送信部32は、送受
信するデータについて、暗号化、スクランブル、インタ
ーリーブ等、公知の様々な秘匿処理を施すことが可能と
なっている。すなわち、受信部31,送信部32は、秘
匿処理の設定・解除を行なうために、上述したサーバ2
の受信部21,送信部22と共通の様々な秘匿処理様式
(暗号化の鍵、スクランブルの規則、インターリーブの
規則等)を備えており、サーバ2に送信するデータにつ
いては秘匿処理の設定を、また、サーバ2から受信する
データについては秘匿処理の解除を行なうことにより、
データの内容を隠蔽しながらサーバ2との間でデータの
送受信を行なうことが可能となっている。
【0066】記憶部33は、前記の個人情報を含む各種
の情報を記録するデータベースであって、後述する制御
・演算部34により記憶、更新、検索が可能なように、
各種の情報を記録できるようになっている。ここで、個
人情報は、前述したように、個人の遺伝的要素に関する
情報(遺伝情報)、身体的要素に関する情報(身体情
報)、環境的要素に関する情報(環境情報)の総称であ
る。
【0067】遺伝情報としては、前述した遺伝的要素に
関する情報、すなわち、染色体上の特定領域のDNA塩
基配列の多型、染色体上の特定遺伝子の多型、染色体上
の特定遺伝子の発現状況等の各種情報が挙げられる。ま
た、これらの遺伝的要素を含む包括的な情報、例えば、
全染色体の全領域の塩基配列やcDNAの塩基配列等の
情報を用いてもよい。
【0068】中でも、メッセンジャーRNAから逆転写
して作成されるcDNAの塩基配列は、染色体上におけ
る発現領域の塩基配列に対応しており、遺伝子等の有意
な情報を多く含んでいると考えられるので、このcDN
Aの塩基配列を遺伝情報として用いるのが好ましい。
【0069】また、DNA塩基配列上のプロモーター領
域は、基本転写因子である酵素RNAポリメラーゼが結
合する領域であって、遺伝子情報の発現に深く関わるこ
とが分かっている。従って、先のcDNAの塩基配列に
加えて、このプロモーター領域の塩基配列を遺伝情報と
して用いるのが好ましい。
【0070】身体情報としては、前述した身体的要素に
関する情報、すなわち、性別、年齢、血液型、身長、体
重、血圧、脈拍、視力、尿中成分値、血中成分値等の各
種情報が挙げられる。また、これらの身体的要素を含む
包括的な情報、例えば、健康診断結果、尿検査結果、血
液検査結果結果、内視鏡検査、問診結果等の情報も用い
ることができる。
【0071】環境情報としては、前述した環境的要素に
関する情報、例えば、出身地や生活地域の気候(気温、
湿度等)や地形等の生活環境、職業等の生活背景、睡眠
時間や運動量等の生活習慣、食事や飲酒、喫煙等の生活
嗜好等の各種情報が挙げられる。
【0072】図3に、記憶部33における個人情報の記
憶形式の一例として、個人の遺伝情報、環境情報および
身体情報を表わしたテーブル(個人情報テーブル)を示
す。図3に示す個人情報テーブルは、遺伝情報として、
染色体上の複数領域α,β,γ・・・における塩基配列
を記憶している。また、環境情報および身体情報とし
て、性別、年齢、身長、体重、体形、職業、嗜好、罹病
歴、血糖値等の各種情報を記憶している。
【0073】上述した各種の遺伝情報、身体情報、環境
情報は、様々な手法により得ることが可能である。例え
ば、性別、年齢等の身体情報や生活背景、生活習慣等の
多くの環境情報は自己申告によって、血液型、身長、体
重、血圧、脈拍、視力等の身体情報は個人測定または健
康診断等によって、それぞれ得ることができる。また、
遺伝情報や尿中成分値、血中成分値等の特殊な身体情報
については、医療機関や研究機関等で測定や検査を行な
い、その結果を用いてもよい。
【0074】また、この個人情報テーブルは、通常は後
述の制御・演算部34による記憶、更新、検索に適した
形に正規化されて記憶されている。そして、その内容は
後述する入力部35からの入力に応じて、制御・演算部
34により随時記憶・更新される。
【0075】制御・演算部34は、端末3の動作に必要
な各種演算を行なうとともに、受信部31での受信情報
や後述する入力部35での入力情報に応じて、送信部3
2,記憶部33,後述する表示部36の各動作を制御す
るものである。具体的には、制御・演算部34は、後述
する入力部35での入力情報に応じて、サーバ2に対し
て特定の健康状態について診断を希望する旨の要求を含
む情報(健康診断要求信号)を生成する。そして、送信
部32を制御することにより、生成した健康診断要求信
号を、健康状態の診断に必要な要素(すなわち、特定の
健康状態と相関を有する要素)を含む個人情報ととも
に、通信システム10を介してサーバ2に送信させるよ
うになっている。
【0076】さらに、制御・演算部34は、サーバ2か
ら通信ネットワーク10を介して送られてくる診断結果
情報を、受信部31を制御して受信する。そして、受信
した診断結果情報に含まれる健康状態の診断結果(分類
された健康状態の範疇や数値化された健康状態の程度
等)を、後述する表示部36を制御することにより、表
示部36に表示させるようになっている。
【0077】入力部35は、端末3の使用者(端末3が
有する個人情報の個人と同一でも異なっても構わない)
との間の入力インターフェースであって、端末3の使用
者がこの入力部35を操作することにより、健康状態の
診断に関する情報や上述した個人情報を含む、各種の情
報を入力されるようになっている。
【0078】具体的には、入力部35は、端末3の使用
者の操作によって、健康状態の診断に関する情報(診断
を希望する健康状態の種類の特定等)を入力できるよう
になっており、こうした情報が入力された場合には、入
力された情報を制御・演算部34に振り分ける。また、
同じく端末3の使用者の操作によって、上述した各種の
個人情報(遺伝情報、身体情報、環境情報等)を入力で
きるようになっており、こうした情報が入力された場合
には、入力された情報を記憶部33に振り分ける。
【0079】表示部36は、端末3の使用者(端末3が
有する個人情報の個人と同一でも異なっても構わない)
との間の出力インターフェースであって、端末3の使用
者に対し、健康状態の診断結果を含む各種情報を通知す
るようになっている。
【0080】具体的には、表示部36は、受信部31が
サーバ2から前記の診断結果情報を受信した場合に、制
御・演算部34の制御を受けて、受信した診断結果情報
に含まれる健康状態の診断結果を表示するようになって
いる。
【0081】なお、入力部35および表示部36のイン
ターフェースとしては、GUI(Graphical User Inter
face)等の公知のインタラクティブなインターフェース
を適用し、端末3の利用者が容易にデータの入出力を行
なえるようにすることが好ましい。
【0082】以上の構成より、記憶部33は、制御・演
算部34の制御を受けて、個人情報を記憶する個人情報
記憶手段として、送信部32は、通信ネットワーク10
を介してサーバ2に前記個人情報を送信する個人情報送
信手段として、受信部31は、制御・演算部34の制御
を受けて、前記サーバ2から前記通信ネットワーク10
を介して診断結果を受信する診断結果受信手段として、
表示部36は、制御・演算部34の制御を受けて、前記
診断結果受信手段(受信部31)で受信された前記診断
結果を表示する診断結果表示手段として、それぞれ機能
する。
【0083】なお、上述の個人情報記憶手段(記憶部3
3),個人情報送信手段(送信部32),診断結果受信
手段(受信部31),および診断結果表示手段(表示部
36)に相当する各機能は、実際には、前述したROM
に記録されたプログラム(以下、健康診断端末用プログ
ラムという。なお、前述の健康診断サーバ用プログラム
とこの健康診断端末用プログラムとを総称するときは、
以下、健康診断システム用プログラムと呼ぶこととす
る。)をRAMに読み出し、そのプログラムを起動して
CPUで実行することにより、CPUの動作として、ま
たはCPUの制御を受けた表示装置等の動作として実現
される。
【0084】なお、この健康診断端末用プログラムにつ
いても、例えばCD−ROMやMOディスク等のコンピ
ュータ読み取り可能な外部記憶媒体に記録しておき、必
要に応じて随時、端末3が有する外部記憶媒体読取装置
(図示せず)を通じて、前記の外部記憶媒体から健康診
断端末用プログラムをROMにインストールして使用す
るのが好ましい。または、端末3から通信システム10
を通じてアクセス可能な外部記憶領域(他のコンピュー
タ等)にこの健康診断端末用プログラムを記録してお
き、必要に応じて随時、前記の外部記憶領域から通信シ
ステム10を通じて、健康診断端末用プログラムをRO
Mにインストールして使用してもよい。
【0085】(II−2) 健康診断システムの動作 図4は、本実施形態の健康診断システムを用いた健康診
断の一連の手順(健康診断方法)を示すフローチャート
(ステップA1〜A4)である。
【0086】まず、端末3からサーバ2に、通信ネット
ワーク10を介して、前記個人情報を送信する(ステッ
プA1)。具体的には、端末3の使用者が入力部35を
操作して、健康状態の診断に関する情報(診断を希望す
る健康状態の種類等)を入力すると、制御・演算部34
が、その入力内容に応じた健康診断要求信号を生成す
る。そして、送信部32が、所要の手続を経ることによ
り、端末3とサーバ2との間を通信可能な状態にした上
で、作成された健康診断要求信号を、記憶部33に記憶
された個人情報のうち要求内容に応じた情報と一緒に、
通信システム10を介してサーバ2に送信する。この
際、送信される健康診断要求信号および個人情報の内容
は、端末3の送信部32およびサーバ2の受信部21の
秘匿処理によって隠蔽される。
【0087】次に、サーバ2において、前記個人情報に
基づき、前記相関情報を用いて演算を行なうことによ
り、健康状態を診断する(ステップA2)。具体的に
は、端末3から通信ネットワーク10を介して送信され
てきた健康診断要求信号を、サーバ2の受信部21が受
信すると、制御・演算部24が健康診断要求信号の内容
を解析する。そして、解析した内容に応じて、記憶部2
3に記憶されている相関情報を参照しながら、健康診断
要求信号と一緒に受信した個人情報に基づき演算を行な
うことにより、対象となる健康状態の診断を行なう。
【0088】続いて、サーバ2から端末3に、前記通信
ネットワーク10を介して、健康状態の診断結果を送信
する(ステップA3)。具体的には、サーバ2の制御・
演算部24が、演算結果に基づく健康状態の診断結果
(分類された健康状態の範疇や数値化された健康状態の
程度等)を含む診断結果情報を生成し、この情報を、送
信部22を制御することにより、通信ネットワーク10
を介して端末3に送信する。この際、送信される診断結
果情報の内容は、端末3の受信部31およびサーバ2の
送信部22の秘匿処理によって隠蔽される。
【0089】最後に、端末3において、前記診断結果を
表示する(ステップA4)。具体的には、サーバ2から
通信ネットワーク10を介して送信されてきた診断結果
情報を、端末3の受信部31が受信すると、制御・演算
部34が、受信した診断結果情報に含まれる健康状態の
診断結果(分類された健康状態の範疇や数値化された健
康状態の程度等)を、表示部36に表示させる。なお、
受信した診断結果が表示部36に表示されると、必要に
応じて、受信部31が所要の手続を経ることにより、端
末3とサーバ2との接続を断にする。
【0090】以上説明した本発明の第1実施形態によれ
ば、端末が有する個人情報をサーバ2に送信し、サーバ
2にて、この個人情報とサーバ2が有する相関情報とを
用いて個人の健康状態を診断し、その診断結果を端末3
に送信して、端末3にて表示させるように構成されてい
るので、サーバ2が有する遺伝的,身体的および環境的
要素と健康状態との相関関係についての大量の知見を用
いて、手軽かつ頻繁に、個人の健康状態を効率的に診断
することが可能となる。
【0091】また、サーバ2が有する相関情報を適宜更
新することにより、遺伝的,身体的および環境的要素と
健康状態との相関関係について新たに得られた情報を、
個人の健康状態の診断に迅速に反映することができるの
で、常に最新の知見に裏打ちされた効率的な健康状態の
診断や疾病の予防・治療が可能となる。
【0092】さらに、端末3とサーバ2との間で送受信
される個人情報や診断結果情報には秘匿処理が施される
ので、遺伝情報や健康状態等、個人のプライバシーに強
く関わる情報の内容を他人から隠蔽でき、安心して本シ
ステム1を利用することができる。
【0093】〔III〕 第1実施形態の第1変形例 先の従来技術の記載で触れたように、個人の遺伝情報と
体質や疾病との関係について、新たな知見が次々と得ら
れているにも関らず、こうした知見を健康状態の診断へ
迅速に反映する試みは、現在のところほとんどなされて
いない。
【0094】こうした点を踏まえ、本発明では、多数の
個人を標本として、その遺伝的要素,身体的要素および
環境的要素に関する情報(以下、併せて標本個人情報と
いう。)と、その健康状態に関する情報(以下、標本健
康情報という。)とを、標本毎に対応付けながら収集す
る。そして、これらの標本個人情報と標本健康情報との
対応関係に基づいて、遺伝的要素,身体的要素および環
境的要素と健康状態との相関関係を解析する。さらに、
その解析結果を前記相関情報として使用しながら、健康
状態の診断を行なうのである。
【0095】こうした構成により、通信ネットワークを
通じて収集された多数の標本情報に基づいて、遺伝的要
素,身体的要素および環境的要素と健康状態との相関に
ついて最新の知見を容易に得ることができるとともに、
得られた知見を個人の健康状態の診断に迅速に反映する
ことができる。
【0096】以下、第1実施形態の一変形例として、健
康診断システムのサーバに、標本となる個人の標本個人
情報と標本健康情報とを対応付けて記憶し、この対応関
係に基づいて遺伝的要素,身体的要素および環境的要素
と健康状態との相関関係を解析し、その解析結果を前記
相関情報として使用する場合について説明する。
【0097】(III−1) 健康診断システムの構成 図5は、本発明の第1実施形態の一変形例にかかる情報
通信システム(健康診断システム)の基本的な構成を示
す模式図である。図5に示すように、本実施形態の情報
通信システム1も、通信ネットワーク10に接続された
サーバ2および端末3をそなえ、前記通信ネットワーク
10を介して前記のサーバ2および端末3が互いに通信
可能となるように構成されている。通信ネットワーク1
0の構成は第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省
略するものとする。また、図中、第1実施形態と同様の
構成要素については同一の符号を付している。
【0098】本実施形態において、サーバ2は、基本的
には第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以
下の点に於いて第1実施形態と異なっている。記憶部2
3は、上述した相関情報に加えて、前記の標本個人情報
と標本健康情報とを、対応付けて記憶するようになって
いる(なお、これらの対応付けられた標本個人情報と標
本健康情報とを併せて、以下、標本情報と呼ぶことにす
る)。換言すれば、標本個人情報は、標本となる個人に
ついての個人情報のことであり、その内容である遺伝情
報,身体情報および環境情報の定義は、個人情報におけ
る内容と同一である。一方、標本健康情報は、標本とな
る個人の健康状態についての情報であって、他の個人の
健康状態の診断において参考となる情報のことを指す。
よって、個人の様々な体質についての情報や、個人の各
種疾病の罹病についての情報が使用される。
【0099】標本となる個人は、健康診断の対象となる
個人(すなわち、端末3に個人情報が記憶された個人)
であってもよく、それとは別の個人であってもよい。前
者の場合は、その個人についての個人情報を端末3から
収集し、これをそのまま標本個人情報とするとともに、
同じくこれらの個人から健康状態に関する情報を収集
し、これを標本健康情報として使用する。後者の場合
は、新たに別の個人から遺伝的,身体的および環境的要
素に関する情報および健康状態に関する情報を収集し、
これをそれぞれ標本個人情報および標本健康情報として
使用する。なお、いずれの場合も、標本となる個人のプ
ライバシーを保護するために、個人の名前は記憶せず、
標本は全て匿名として扱う。個人を特定できないよう無
作為に決められた管理番号を各標本に付し、その管理番
号を用いて各標本を管理する。
【0100】図6に、記憶部23における標本情報の記
憶形式の一例として、標本となる多数の個人についての
標本情報を個人毎に格納したテーブル(標本情報テーブ
ル)を示す。図6の標本情報テーブルにおいて、最左列
には各標本に無作為に振られた管理番号(標本番号)が
記憶されるとともに、中〜右の各列にはそれぞれ、各標
本の標本個人情報(遺伝情報,身体・環境情報)および
標本健康情報が、各標本と対応付けて記憶されている。
【0101】そして、これらの対応付けられた標本個人
情報と標本健康情報からなる標本情報は、制御・演算部
24の後述する機能により、随時記憶・更新されるよう
になっている。すなわち、標本となる新たな個人につい
ての個人情報および特定の健康状態に関する情報が、随
時新たな標本情報として記憶されるとともに、既に記憶
されている標本についての標本情報も、必要に応じて随
時更新される。また、多数の標本についての標本情報の
一括記憶や一括更新、記憶されている標本の入れ替え等
もできるようになっている。
【0102】制御・演算部24は、上述した第1実施形
態における各種機能をそなえるとともに、記憶部23を
制御して、記憶部23における標本情報の記憶・更新を
行なう。前述の通り、標本情報は、健康診断の対象とな
る個人(すなわち、端末3に個人情報が記憶された個
人)から収集される場合と、それとは別の個人から収集
される場合とがある。前者の場合は、後述するように、
その個人の個人情報および健康状態に関する情報が、端
末3から通信ネットワーク10を通じて、適宜送信され
てくる。また、後者の場合は、標本となる個人の遺伝
的,身体的および環境的要素に関する情報および健康状
態に関する情報が、通信システム10に接続された図示
しない他の端末等から、通信システム10を通じて送信
されてくるとともに、同様の情報が、サーバ2に接続さ
れた図示しない外部記憶媒体や入力装置を通じて入力さ
れてくる。制御・演算部24は、受信部21において受
信されたこれらの情報、または前記の外部記憶媒体や入
力装置から入力されたこれらの情報を取得し、新たな標
本情報として記憶部23に記憶させる。また、すでに同
一の個人から過去に収集した古い内容の標本情報が記憶
されている場合には、記憶部23を制御してこの標本情
報を更新させる。
【0103】さらに、制御・演算部24は、個人情報と
健康状態との相関関係を解析するための相関解析プログ
ラムをそなえている。そして、この相関解析プログラム
に従い、記憶部23に記憶された前記標本情報に基づ
き、個人情報と健康状態との相関関係を解析するように
なっている。
【0104】具体的には、制御・演算部24は、記憶部
23に記憶された標本個人情報に含まれる要素(遺伝
的,身体的,環境的要素)と、標本健康情報に含まれる
健康状態とを、それぞれ確率変数として捉える。そし
て、これらの確率変数間の共変関係を、公知の様々な解
析手法(例えば、多変量解析等の統計解析による手法、
ニューラル・ネットワーク等のモデル化による手法、フ
ァジー推論アルゴリズムによる手法、エキスパートシス
テムによる手法など)を用いて解析し、その結果を、遺
伝的,身体的,環境的要素と各健康状態との相関関係と
するのである。
【0105】解析手法の選択は、解析の対象となる要素
の数や想定される相関関係の複雑さに応じて適宜選択す
ればよいが、収集された多数の標本に基づいて多種多様
な要素および健康状態の中から未知の相関関係を見つけ
出すためには、ニューラル・ネットワーク等のモデル化
による手法の方が優れている。
【0106】以下の記載では、ニューラル・ネットワー
クを例に挙げて、制御・演算部24が行なう、遺伝的,
身体的,環境的要素と健康状態との相関関係の解析手順
について説明する。なお、相関関係の解析後のニューラ
ル・ネットワークは、遺伝的,身体的,環境的要素と健
康状態との相関関係を表わす数理的モデル、すなわち相
関情報として使用できる。よって以下の記載では、相関
解析により得られたニューラル・ネットワークを相関情
報として使用しながら、個人情報から健康状態を診断す
る手順についても、併せて説明する。
【0107】図7は、一般的な階層型ニューラル・ネッ
トワークの構成を示す模式図である。図7に示すニュー
ラル・ネットワークは、神経細胞を模した多数の処理単
位(ニューロン)N1,1,N1,2,・・・,N1,m
2,1,N2,2,・・・,N2,h,・・・,Nk,1
k,2,・・・,Nk,nを含んでいる。ニューロンはn層
に分けて配置され、各ニューロンはその前後の階層に存
在する各ニューロンと結合されて、階層的なネットワー
クを構成している。
【0108】各ニューロンは、他のニューロンから結合
を通じて数値を入力され、それに応じた数値を、さらに
他のニューロンに対して結合を通じて出力するようにな
っている。ここでは簡単のため、第i層,第j番目に存
在するニューロンNi,jは、その前段の階層(図の左
側)である第i−1層に存在する全てのニューロンから
入力を受けて、その後段の階層(図の右側)である第i
+1層に存在する全てのニューロンに出力を発すること
とする。勿論、各ニューロンを前後の階層に存在する一
部のニューロンのみと結合しても良いし、離れた階層に
存在するニューロンと結合しても良い。また、後段の階
層に存在するニューロンからの出力を前段の階層に存在
するニューロンへ入力する(すなわち、フィードバック
を構成する)ようにしてもよい。
【0109】第i層、第j番目のニューロンNijの出力
i,jは、下式(1)
【数1】 ...(1) によって定義する。ここで、Wklijは、第k層、第l番
目のニューロンからの入力fklに対する重みの値を表わ
す係数である。また、F(x)は、一定のしきい値入力
θの前後で出力が0から1に変化する関数を表わす。こ
うした関数としては様々なものが公知であるが、ニュー
ラル・ネットワークにおいて通例用いられるものとし
て、例えば下式(2)
【数2】 ...(2) で表わされるシグモイド関数が用いられる。
【0110】第1層に存在するニューロンN1,1
1,2,・・・,N1,mに、入力ベクトルX={X1
2,・・・Xm-1,Xm}が入力されると、それがニュ
ーロン間の各結合を通じて各階層を伝わり、最終的には
第n層のニューロンNk,1,Nk,2,・・・,Nk,nから
出力ベクトルY={Y1,Y2,・・・Yn-1,Yn}とし
て出力される。そして、与えた入力ベクトルに対して得
られる出力ベクトルの値は、各ニューロン間の結合の強
さ、すなわち重み係数Wklijによって決まることにな
る。ネットワークに特定の入力を与えたとき、それに対
する最善の出力が得られるように、この結合の強さ(重
み係数Wklij)を調整することを、学習と呼ぶ。
【0111】ニューラル・ネットワークによる相関関係
の解析は、多数の標本の情報を用いてニューラル・ネッ
トワークの学習を繰り返すことにより行なう。図8に、
ニューラル・ネットワークによる相関関係の解析の一連
の手順を示すフローチャート(ステップB1〜B4)を
示す。まず、各標本の標本個人情報に含まれる各要素
(遺伝的,身体的,環境的要素)を、ニューラル・ネッ
トワークの入力ベクトルX={X1,X2,・・・
m-1,Xm}に対応付ける(ステップB1)。次に、各
標本の標本健康情報に含まれる各健康状態(体質、各種
疾患の罹病状態等)をニューラル・ネットワークの出力
ベクトルY={Y1,Y2,・・・Yn-1,Yn}に対応付
ける(ステップB2)。そして、各標本の標本個人情報
に応じた入力ベクトルをニューラル・ネットワークに与
えた場合に、各標本の標本健康情報に応じた出力ベクト
ルが得られるように、各ニューロン間の結合の強さ(重
み係数Wkl ij)を調整していく(ステップB3)。各標
本を用いたステップB1〜B3の学習を全ての標本につ
いて繰り返すことによって、各ニューロン間の最終的な
結合の強さ(重み係数Wklij)を決定する(ステップB
4)。これによって、各要素(遺伝的,身体的,環境的
要素)と各健康状態(体質、各種疾患の罹病状態等)と
の相関関係を反映したニューラル・ネットワークが得ら
れる。すなわち、学習により得られたニューラル・ネッ
トワークは、相関関係の数理的モデルとなっているので
ある。
【0112】一方、健康状態の診断は、多数の標本を用
いて学習を繰り返したニューラル・ネットワークを用い
て行なう。図9に、ニューラル・ネットワークによる健
康状態の診断の一連の手順を示すフローチャート(ステ
ップC1〜C3)を示す。まず、診断対象となる個人の
個人情報に含まれる各要素(遺伝的,身体的,環境的要
素)を、ネットワークの学習時における対応付けに従っ
て、ニューラル・ネットワークに入力ベクトルX={X
1,X2,・・・Xm-1,Xm}として与える(ステップC
1)。次に、この入力ベクトルに応じたニューラル・ネ
ットワークの出力ベクトルY={Y1,Y2,・・・Y
n-1,Yn}を得る(ステップC2)。ここで、学習後の
ニューラル・ネットワークは、相関関係の数理的モデル
となっているので、得られた出力ベクトルは、各要素
(遺伝的,身体的,環境的要素)と各健康状態(体質、
各種疾患の罹病状態等)との相関関係を反映している。
従って、ネットワークの学習時における対応付けに従っ
て、得られた出力ベクトルを基に各健康状態(体質、各
種疾患の罹病状態等)の診断を行なう(ステップC
3)。
【0113】以上の構成より、第1実施形態の各機能に
加えて、記憶部23は、制御・演算部24の制御を受け
て、標本となる個人の標本個人情報を、前記の標本とな
る個人の標本健康情報と対応付けて記憶する標本情報記
憶手段として、制御・演算部24は、前記標本情報記憶
手段(記憶部23)に記憶された前記標本個人情報と前
記標本健康情報との対応関係に基づき、遺伝情報,身体
情報および環境情報と健康状態との相関関係を解析する
相関関係解析手段として、それぞれ機能する。また、前
記相関情報記憶手段(記憶部23)が、前記相関関係解
析手段(制御・演算部24)により解析された遺伝情
報,身体情報および環境情報と健康状態との相関関係
を、前記相関情報として記憶することになる。
【0114】一方、本実施形態の端末3は、基本的には
第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以下の
点に於いて第1実施形態と異なっている。入力部35
は、上述した各情報に加えて、健康診断の対象となる個
人の健康状態に関する情報を入力できるようになってお
り、こうした情報が入力された場合には、入力された情
報を制御・演算部34に振り分ける。さらに、制御・演
算部34は、上述した各機能に加えて、入力部35から
個人の健康状態に関する情報を受けた場合に、送信部3
2を制御して、これを通信ネットワーク10を通じてサ
ーバ2に送信するようになっている。
【0115】なお、第1実施形態と同様、上述のサーバ
2および端末3に備えられた各手段に相当する各機能
も、実際には、サーバ2および端末3が備える前記RO
Mに記録された健康診断システム用プログラムにより実
現される。そして、サーバ2および端末3に接続された
前記の外部記憶媒体や外部記憶領域にこの健康診断シス
テム用プログラムを記録しておき、必要に応じて随時イ
ンストールして使用可能である点も、第1実施形態と同
様である。
【0116】(III−2) 健康診断システムの動作 本実施形態の健康診断システムでは、第1実施形態と同
様の動作によって健康状態の診断が行なわれるととも
に、標本情報を利用した相関関係の解析と新たな相関情
報の作成が行なわれる。前者の動作については先に図4
を用いて説明した通りであるので説明は省略し、後者の
動作についてのみ説明する。
【0117】図10は、本実施形態の健康診断システム
を用いた相関解析の一連の手順を示すフローチャート
(ステップD1,D2)である。まず、サーバ2におい
て、標本となる個人についての情報を収集し、これを標
本情報として記憶する(ステップD1)。
【0118】具体的には、健康診断システム1の利用者
(すなわち、端末3に個人情報が記憶された個人)、お
よびそれとは別の個人から、必要な情報が適宜サーバ2
に収集される。前者の場合は、端末3に記憶されたその
個人の個人情報と、端末3に入力・記憶されたその個人
の健康状態に関する情報が、端末3から通信ネットワー
ク10を通じて、サーバ2に送信される。後者の場合
は、標本となる個人の遺伝的,身体的および環境的要素
に関する情報および健康状態に関する情報が、通信シス
テム10に接続された図示しない他の端末等から、通信
システム10を通じてサーバ2に送信され、またはサー
バ2に接続された図示しない外部記憶媒体や入力装置を
通じてサーバ2に入力される。
【0119】続いて、サーバ2の制御・演算部24は、
受信部21において受信されたこれらの情報、または前
記の外部記憶媒体や入力装置との入出力インターフェー
ス(図示せず)から入力されたこれらの情報を取得し、
新たな標本情報として(すなわち、標本個人情報と標本
健康情報とを標本毎に対応付けて)記憶部23に記憶さ
せる。
【0120】上述の標本情報の収集・記憶は、所定の時
期に定期的に行なってもよく、健康診断システム1の状
況に応じて不定期に行なってもよい。また、健康診断シ
ステム1の利用者の場合は、第1実施形態の手順で健康
状態の診断を行なう際に、端末3からサーバ2に個人情
報を送信することになるが、この時にサーバ2が受信し
た個人情報を、標本個人情報として記憶部23に記憶し
ても良い。この場合、対応する標本健康情報について
は、端末3から別途送信してもよく、個人情報とともに
送信するようにしても良い。
【0121】また、収集された情報と同一の個人から過
去に収集された古い内容の標本情報が、サーバ2の記憶
部23にすでに記憶されている場合には、サーバ2の制
御・演算部24は、記憶部23を制御してこの標本情報
を更新する。特に、健康診断システム1の利用者の場合
は、端末3において個人情報を更新した際、または自ら
の健康状態に変化が生じた際に、随時端末3を操作し
て、新たな個人情報または健康状態に関する情報を、サ
ーバ2に送信するようにしてもよい。
【0122】そして、サーバにおいて、標本情報に含ま
れる標本個人情報と標本健康情報との対応関係に基づ
き、遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態との
相関関係を解析する(ステップD2)。
【0123】具体的には、制御・演算部24が、記憶部
23に記憶された標本個人情報に含まれる要素(遺伝
的,身体的,環境的要素)と、標本健康情報に含まれる
健康状態とを、それぞれ確率変数として捉える。そし
て、これらの確率変数間の共変関係を、公知の様々な解
析手法(例えば、多変量解析等の統計解析による手法
や、ニューラル・ネットワーク等のモデル化による手
法)を用いて解析するのである。
【0124】この相関解析の動作は、一定の期間を置い
て定期的に、その時点で記憶部23に記憶されている標
準情報を用いて行なっても良いし、遺伝的,身体的,環
境的要素と各健康状態との相関関係を解析するのに充分
な数の標本が記憶された時点で、随時行なってもよい。
また、解析は、事前に決められた全ての健康状態につい
て行なってもよいし、特定の健康状態を対象として行な
ってもよい。
【0125】相関関係の解析後、制御・演算部24は、
その解析の結果として得られた、遺伝的,身体的,環境
的要素と各健康状態との相関関係を、記憶部23に相関
情報として記憶、更新する。すなわち、解析の対象とな
った健康状態についての相関情報がまだ記憶部23に記
憶されていない場合には、解析結果に基づく相関情報を
新たに記憶することになり、以前の相関情報がすでに記
憶されている場合には、解析結果に基づく新たな相関情
報を用いてこれを更新することになる。そして、解析結
果に基づいて記憶部23の相関情報が記憶・更新された
後は、その新たな相関情報に基づいて、対象となる健康
状態の診断が行なわれることになる。
【0126】以上説明した本発明の第1実施形態の第1
変形例によれば、通信ネットワーク10を通じて収集さ
れた多数の標本情報に基づいて、遺伝的要素,身体的要
素および環境的要素と健康状態との相関関係が解析さ
れ、これが新たな相関情報としてサーバ2に記憶される
ので、遺伝的要素,身体的要素および環境的要素と健康
状態との相関について最新の知見を容易に得ることがで
きるとともに、得られた知見を個人の健康状態の診断に
迅速に反映することができる。
【0127】なお、本実施形態の相関解析によって得ら
れる相関情報は、遺伝的要素,身体的要素および環境的
要素と健康状態との相関関係についての最新の知見を含
むものであるので、学術的または医療的観点において極
めて有用である。従って、本実施形態によって得られた
相関情報を、サーバ2に接続された通信ネットワーク1
0や外部記憶媒体等の出力装置を用いて出力し、学術機
関や医療機関等に提供することによって、これらの情報
を学術分野や医療分野において有効に活用することが可
能となる。
【0128】〔IV〕 第1実施形態の第2変形例 また、第1実施形態の別の変形例として、健康状態の診
断結果に基づいて健康状態改善プランを作成し、これを
端末を通じて通知する構成としてもよい。健康状態改善
プランとは、健康状態の診断対象となる個人(本システ
ムの利用者)について、その健康状態を改善するための
プランであり、診断された種々の健康状態(体質、各種
疾病の罹病の有無、罹病の程度、罹病の危険性、罹病の
兆候等)が改善されるような、好ましい生活環境(食事
内容、摂取する薬の選択や投薬の時機、運動の内容や運
動量等)を提案するものである。
【0129】(IV−1) 健康診断システムの構成 図11は、本実施形態にかかる情報通信システム(健康
診断システム)の基本的な構成を示す模式図である。図
11に示すように、本実施形態の情報通信システム1
も、通信ネットワーク10に接続されたサーバ2および
端末3をそなえ、前記通信ネットワーク10を介して前
記のサーバ2および端末3が互いに通信可能となるよう
に構成されている。通信ネットワーク10の構成は第1
実施形態と同様なので、詳細な説明は省略するものとす
る。また、図中、第1実施形態と同一の構成要素につい
ては同一の符号を付している。
【0130】本実施形態において、サーバ2は、基本的
には第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以
下の点に於いて第1実施形態と異なっている。記憶部2
3は、上述した相関情報に加えて、健康状態改善情報を
記憶するようになっている。健康状態改善情報は、各種
健康状態(体質、各種疾病の罹病の有無、罹病の程度、
罹病の危険性、罹病の兆候等)が改善されるような生活
環境(食事内容、摂取する薬の選択や投薬の時機、運動
の内容や量等)についての情報であり、健康状態毎に記
憶されるとともに、制御・演算部24の後述する機能に
より、随時記憶・更新されるようになっている。
【0131】制御・演算部24は、上述した第1実施形
態における各種機能をそなえるとともに、健康状態改善
プランを作成するためのプラン作成プログラムをそなえ
ており、このプログラムに従って、健康状態の診断結果
に基づき健康状態改善プランを作成して、これを端末3
に送信させるようになっている。
【0132】具体的には、制御・演算部24は、記憶部
23に記憶された相関情報と端末3から受信した個人情
報を用いて健康状態の診断を行なった後、その診断結果
に基づき、診断結果が良好でなかった健康状態につい
て、記憶部23に記憶された健康状態改善情報を参照し
ながら、健康状態改善プランを作成する。
【0133】ここで、健康状態の診断結果が良好でなか
った場合とは、何らかの疾病に罹患し易い体質であると
診断された場合、何らかの不具合を生じ易い体質である
と診断された場合、何らかの疾病に罹病していると診断
された場合、罹病の危険性が高いと診断された場合、罹
病の兆候が有ると診断された場合等のことである。制御
・演算部24は、こうした健康状態について、その疾病
の症状や程度、疾病の兆候の程度、体質の特徴等に応じ
て、その健康状態が最も効率的に改善されると予想され
る健康状態改善プランを作成するのである。
【0134】また、制御・演算部24は、送信部22を
制御して、作成した健康状態改善プランに関する情報
を、診断結果情報とともに、通信ネットワーク10を通
じて端末3に送信させるようになっている。さらに、制
御・演算部24は、記憶部23を制御して、記憶部23
における健康状態改善情報の記憶・更新を行なう。各種
健康状態と生活環境との関係についても現在様々な知見
が得られている。そうした知見を健康状態改善プランの
作成に迅速に反映させるために、制御・演算部24は、
記憶部23における相関情報の記憶・更新を行なえるよ
うになっているのである。
【0135】サーバ2には、各種健康状態と生活環境と
の関係についての新たな情報が、通信システム10に接
続された端末3や、図示しない他の端末等から、通信シ
ステム10を通じて送信されてくる。また、同様の情報
が、サーバ2の管理者等の操作によって、サーバ2に接
続された図示しない外部記憶媒体や入力装置を通じて入
力されるようになっている。制御・演算部24は、受信
部21において受信されたこれらの情報、または前記の
外部記憶媒体や入力装置から入力されたこれらの情報を
取得し、新たな健康状態改善情報として記憶部23に記
憶させる。また、すでに同一の健康状態についての古い
内容の健康状態改善情報が記憶されている場合には、記
憶部23を制御してこの健康状態改善情報を更新させ
る。
【0136】一方、本実施形態の端末3は、基本的には
第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以下の
点に於いて第1実施形態と異なっている。制御・演算部
34は、サーバ2から通信ネットワーク10を通じて、
診断結果情報と一緒に、健康状態改善プランに関する情
報が送信されてきた場合に、受信部31において受信さ
れたデータからその情報を取得する。そして、表示部3
6を制御することにより、健康状態改善プランを表示部
36に表示させるようになっている。
【0137】なお、第1実施形態と同様、上述のサーバ
2および端末3に備えられた各手段に相当する各機能
も、実際には、サーバ2および端末3が備える前記RO
Mに記録された健康診断システム用プログラムにより実
現される。そして、サーバ2および端末3に接続された
前記の外部記憶媒体や外部記憶領域にこの健康診断シス
テム用プログラムを記録しておき、必要に応じて随時イ
ンストールして使用可能である点も、第1実施形態と同
様である。
【0138】(IV−2) 健康診断システムの動作 図12は、本実施形態の健康診断システムを用いた健康
診断の一連の手順(健康診断方法)を示すフローチャー
ト(ステップE1〜E5)である。
【0139】まず、端末3からサーバ2に、通信ネット
ワーク10を介して、前記個人情報を送信する(ステッ
プE1)。この手順の詳細は、第1実施形態と同様であ
る。
【0140】次に、サーバ2において、前記相関情報に
基づき、前記個人情報を用いて演算を行なうことによ
り、健康状態を診断する(ステップE2)。この手順の
詳細についても、第1実施形態と同様である。
【0141】次いで、サーバ2において、前記健康状態
の診断結果に基づき、健康状態改善プランを作成する
(ステップE3)。具体的には、制御・演算部24が、
前記ステップにおける健康状態の診断結果に基づき、診
断結果が良好でなかった健康状態について、記憶部23
に記憶された健康状態改善情報を参照しながら、健康状
態改善プランを作成するのである。
【0142】続いて、サーバ2から端末3に、前記通信
ネットワーク10を介して、健康状態の診断結果ととも
に、作成された健康状態改善プランを送信する(ステッ
プE4)。第1実施形態と同様の手順によってサーバ2
から端末3へ健康状態の診断結果が送信されるととも
に、それに準じた手順にて、前記ステップにて作成され
た健康状態改善プランに関する情報が、送信部22から
通信ネットワーク10を介して送信され、端末3の受信
部31にて受信される。
【0143】最後に、端末3において、前記診断結果と
ともに、前記健康状態改善プランを表示する(ステップ
E5)。これも、第1実施形態において診断結果が表示
されたのと同様の手順によって、前記ステップにて端末
の受信された情報に含まれる健康状態改善プランが、前
記診断結果とともに端末3の表示部36に表示される。
【0144】以上説明した本発明の第1実施形態の第2
変形例によれば、健康状態の診断を行なった後、この診
断結果に基づいて、健康状態を改善するためのプランが
作成され、これが診断結果とともに端末に送信されて表
示されるので、各個人に応じた効率的なプランを用い
て、手軽に健康状態の改善を行なうことが可能となる。
【0145】また、サーバ2が有する健康状態改善情報
を適宜更新することにより、各種健康状態と生活環境と
の関係について得られた新たな知見を、健康状態を改善
するためのプランに迅速に反映することができるので、
常に最新の知見に裏打ちされた効率的な健康状態の改善
が可能となる。
【0146】なお、本実施形態では健康状態改善プラン
の作成をサーバ2側で行なう例について説明したが、健
康状態改善プランに関する機能(健康状態改善情報の記
憶、健康状態改善プランの作成)をサーバ2ではなく端
末3に設け、端末3側で健康状態改善プランの作成を行
なってもよい。
【0147】〔V〕 第1実施形態の第3変形例 また、第1実施形態のさらに別の変形例として、個人の
健康状態の診断に関する履歴を記録し、この診断履歴を
用いて個人の健康状態を診断して、これを端末を通じて
通知する構成としてもよい。
【0148】(V−1) 健康診断システムの構成 図13は、本実施形態にかかる情報通信システム(健康
診断システム)の基本的な構成を示す模式図である。図
13に示すように、本実施形態の情報通信システム1
も、通信ネットワーク10に接続されたサーバ2および
端末3をそなえ、前記通信ネットワーク10を介して前
記のサーバ2および端末3が互いに通信可能となるよう
に構成されている。通信ネットワーク10および端末3
の構成は第1実施形態と同様なので、詳細な説明は省略
するものとする。また、図中、第1実施形態と同一の構
成要素については同一の符号を付している。
【0149】本実施形態において、サーバ2は、基本的
には第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以
下の点に於いて第1実施形態と異なっている。記憶部2
3は、上述した相関情報に加えて、制御・演算部24に
て行なわれた健康状態の診断に関する情報を、診断履歴
情報として個人毎に随時記憶する。
【0150】診断履歴情報の内容は、健康状態の診断に
際して端末3から送信されてきた個人情報(遺伝的,身
体的,環境的要素)と、それを用いた健康状態の診断結
果についての情報(各種体質や各種疾病の罹病について
の情報)である。すなわち、本健康診断システムの利用
者が健康状態の診断を繰り返し行なうと、記憶部23に
はその利用者についての遺伝的,身体的,環境的要素の
径時的変化についての情報(個人情報履歴)や、各種体
質、各種疾病の罹病状態、罹病の危険性等の径時的変化
についての情報(健康状態履歴)が、経時的に蓄積され
ることになる。
【0151】また、記憶部23は、前記の相関情報とし
て、遺伝的要素,身体的要素,環境的要素等と健康状態
との相関関係に加え、前記の個人的履歴や健康状態履歴
と健康状態との相関関係についての情報も、同様に記憶
する。近年、遺伝的,身体的,環境的要素の径時的変化
や、各種体質、各種疾病の罹病状態、罹病の危険性等の
径時的変化と、各種健康状態との相関関係についても、
様々な知見が得られている。こうした知見に基づき作成
された、個人的履歴や健康状態履歴と健康状態との相関
関係についての情報が、相関情報として記憶されるよう
になっている。なお、相関情報の詳細については、第1
実施形態において既に説明した通りである。
【0152】制御・演算部24は、上述した第1実施形
態における各種機能をそなえるとともに、端末3から受
信した個人情報を用いて健康状態の診断を行なった場合
に、その診断に関する情報を記憶部23に送って、診断
履歴情報として記憶させるようになっている。
【0153】さらに、制御・演算部24は、記憶部23
に記憶された相関情報に基づき、同じく記憶部23に記
憶された各個人の診断履歴情報を用いて演算を行ない、
その結果に基づいて個人の健康状態を診断するようにな
っている。この機能の詳細は、第1実施形態において説
明した、制御・演算部24による個人情報を用いた健康
状態の診断機能と同様である。
【0154】(V−2) 健康診断システムの動作 本実施形態の健康診断システムにおいて、端末3の動作
は第1実施形態と同様である。従って、以下はサーバ2
の動作について、第1実施形態との相違点を説明する。
【0155】図14は、本実施形態のサーバ2に於いて
行なわれる、個人の履歴(診断履歴情報)を用いた健康
状態の診断の一連の手順を示すフローチャート(ステッ
プF1〜F3)である。まず、端末3からの要求に従
い、サーバ2は、上述した第1実施形態と同様の動作に
よって、端末3から受信した個人情報を用いて健康状態
の診断を行なう。さらに、この診断に伴って、診断に関
する情報(診断に使用した個人情報および診断の結果)
を、診断履歴情報として個人毎に随時記憶する。具体的
には、制御・演算部24が、健康状態の診断に伴って、
診断に関する情報を記憶部23に送って、診断履歴情報
として記憶させる(ステップF1)。
【0156】次に、各個人についての診断履歴情報が一
定の量に達した場合、各個人について所定の期間が経過
した場合、または、端末3側から要求を受けた場合に、
サーバ2において、前記診断履歴情報に基づき、前記相
関情報を用いて演算を行なうことにより、健康状態を診
断する(ステップF2)。この手順の詳細についても、
第1実施形態と同様である。
【0157】続いて、サーバ2から端末3に、前記通信
ネットワーク10を介して、全ステップで行なわれた健
康状態の診断結果を送信する(ステップF3)。この手
順の詳細についても、第1実施形態と同様である。
【0158】以上説明した本発明の第1実施形態の第3
変形例によれば、サーバ2にて個人の健康状態の診断に
関する履歴を記録し、この履歴を用いて個人の健康状態
を診断して、診断結果を端末3を通じて通知するので、
各個人の個人情報や健康状態の径時的な変化を考慮しな
がら、手軽に健康状態の改善を行なうことが可能とな
る。
【0159】また、サーバ2が有する相関情報を適宜更
新することにより、各種健康状態と個人情報や健康状態
の径時的な変化との関係について得られた新たな知見に
ついても、個人の健康状態の診断に迅速に反映すること
ができるので、常に最新の知見に裏打ちされた効率的な
健康状態の診断や疾病の予防・治療が可能となる。
【0160】なお、本実施形態では健康状態の診断に関
する履歴の記憶をサーバ2側で行なう例について説明し
たが、サーバ2ではなく端末3において、健康状態の診
断に関する履歴の記憶を行なってもよい。この場合、端
末3の記憶部33に前記の診断履歴情報を随時記憶する
とともに、本システムの利用者による端末3の操作によ
って、この診断履歴情報をサーバ2に送信し、サーバ2
で上述と同様にして診断履歴情報を用いた健康状態の診
断を行なうように構成する。また、上述した第1実施形
態の第1変形例,第2変形例および第3変形例の構成を
任意に組み合わせて実施することも、勿論可能である。
【0161】〔VI〕 第2実施形態 次に、本発明の第2実施形態について説明する。前述の
第1実施形態は、サーバにて健康状態の診断を行なうこ
とを特徴としていたが、本実施形態ではサーバではな
く、端末にて健康状態の診断を行なうことに特徴があ
る。すなわち、端末からサーバに相関情報を要求し、こ
の要求に応じてサーバから端末に相関情報を送信した上
で、端末にてこの相関情報を用いて健康状態の診断を行
ない、さらにこの診断結果を表示するようにしたもので
ある。
【0162】(VI−1) 健康診断システムの構成 図15は、本発明の第2実施形態にかかる情報通信シス
テム(健康診断システム)の基本的な構成を示す模式図
である。図15に示すように、本情報通信システム1
も、通信ネットワーク10に接続されたサーバ2および
端末3をそなえ、前記通信ネットワーク10を介して前
記のサーバ2および端末3が互いに通信可能となるよう
に構成されている。通信ネットワーク10の構成は第1
実施形態と同様なので、詳細な説明は省略するものとす
る。また、図中、第1実施形態と同一の構成要素につい
ては同一の符号を付している。
【0163】本実施形態において、端末3は、基本的に
は第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以下
の点が第1実施形態と異なる。制御・演算部34は、第
1実施形態において有していた、健康診断要求信号を生
成する機能、生成した健康診断要求信号を個人情報と一
緒に端末へと送信させる機能、および診断結果情報を受
信する機能をそなえておらず、その代わり以下の機能を
有する。
【0164】端末3の使用者により、入力部35におい
て特定の健康状態についての診断を希望する旨の入力操
作がなされた場合に、制御・演算部34は、サーバ2に
対して特定の健康状態の診断に必要な相関情報を要求す
る旨の信号(相関情報要求信号)を生成する。そして、
送信部32を制御することによって、生成された信号を
通信ネットワーク10を通じてサーバ2に送信させるよ
うになっている。
【0165】さらに、制御・演算部34は、第1実施形
態においてはサーバ2にそなえられていたのと同様の診
断プログラムを有しており、このプログラムに従って、
サーバ2から送信されてきた相関情報に基づき健康状態
の診断を行なうようになっている。具体的には、後述す
るサーバ2の機能によって、端末3の使用者希望する健
康状態の診断に必要な相関情報が通信ネットワーク10
を通じて送信されてきた場合に、制御・演算部34は、
受信部21が相関情報を受信したことを検知し、これを
取得する。そして、この相関情報に基づき、記憶部33
に記憶された個人情報を用いて演算を行ない、健康状態
の診断を行なう。さらに、表示部36を制御することに
より、健康状態の診断結果を表示部36に表示させる。
【0166】以上の構成より、記憶部33は、制御・演
算部34の制御を受けて、個人情報を記憶する個人情報
記憶手段として、送信部32は、制御・演算部34の制
御を受けて、通信ネットワーク10を介してサーバ2に
前記相関情報を要求する信号を送信する要求信号送信手
段として、受信部31は、制御・演算部34の制御を受
けて、前記サーバ2から前記通信ネットワーク10を介
して前記相関情報を受信する相関情報受信手段として、
制御・演算部34は、前記相関情報受信手段(受信部3
1)で受信された前記相関情報を用いて、前記個人情報
記憶手段(記憶部33)に記憶された前記個人情報に基
づき演算を行なうことにより、健康状態を診断する健康
状態診断手段として、表示部36は、制御・演算部34
の制御を受けて、前記健康状態診断手段(制御・演算部
34)による健康状態の診断結果を表示する診断結果表
示手段として、それぞれ機能する。
【0167】一方、本実施形態のサーバ2も、基本的に
は第1実施形態と同一の構成要素を有しているが、以下
の点が第1実施形態と異なる。制御・演算部24は、第
1実施形態においてそなえていた診断プログラムをそな
えておらず、その代わり、端末3から受信した前述の相
関情報要求信号の内容に応じて、記憶部23に記憶され
た前記相関情報を端末3に送信するようになっている。
【0168】具体的には、端末3から通信ネットワーク
10を通じて相関情報要求信号が送信されてきた場合
に、制御・演算部24は、受信部21が相関情報要求信
号を受信したことを検知し、その信号の内容を解析す
る。また、制御・演算部24は、解析された内容に応じ
て、記憶部23に記憶された前記相関情報の中から適切
な情報を検索し、これを取得する。取得する相関情報の
範囲は、端末3の使用者が診断を希望する健康状態の診
断に必要な相関情報が含まれていれば、任意であるが、
通信ネットワーク10上での送信速度および端末3側で
の受信性能を考慮すると、端末3に送信する情報量を最
小限に留めるために、診断に必要な相関情報のみを取得
することが好ましい(例えば、ある疾病αの罹病危険性
についての診断希望があった場合に、その疾病αの罹病
危険性に影響を及ぼす要素との相関関係の数理的表現の
みを検索する)。勿論、記憶部23における相関情報の
記憶・検索の効率化を図る観点からは、診断に必要でな
い相関情報が多少含まれることも是である。さらに、制
御・演算部24は、取得された前記相関情報を、送信部
22を制御することにより、通信ネットワーク10を通
じて端末3に送信させる。
【0169】以上の構成より、受信部21は、制御・演
算部24の制御を受けて、端末3から前記通信ネットワ
ーク10を介して前記相関情報を要求する信号を受信す
る要求信号受信手段として、記憶部23は、同じく制御
・演算部24の制御を受けて、前記相関情報を記憶する
相関情報記憶手段として、送信部22は、制御・演算部
24の制御を受けて、前記要求信号受信手段(受信部2
1)で受信された前記信号に基づき、前記通信ネットワ
ーク10を介して端末3に、前記相関情報記憶手段(記
憶部23)に記憶された前記相関情報を送信する相関情
報送信手段として、それぞれ機能する。
【0170】なお、第1実施形態と同様、上述の端末3
およびサーバ2に備えられた各手段に相当する各機能
も、実際には、端末3やサーバ2が備える前記ROMに
記録された健康診断システム用プログラムにより実現さ
れる。そして、端末3やサーバ2に接続された前記の外
部記憶媒体や外部記憶領域にこの健康診断システム用プ
ログラムを記録しておき、必要に応じて随時インストー
ルして使用可能である点も、第1実施形態と同様であ
る。
【0171】(VI−2) 健康診断システムの動作 図16は、本実施形態の健康診断システムを用いた健康
診断の一連の手順(健康診断方法)を示すフローチャー
ト(ステップG1〜G4)である。
【0172】まず、端末3からサーバ2に、通信ネット
ワーク10を介して、相関情報要求信号を送信する(ス
テップG1)。具体的には、端末3の使用者が入力部3
5を操作して、健康状態の診断に関する情報(診断を希
望する健康状態の種類等)を入力すると、制御・演算部
34が、その入力内容に応じた相関情報要求信号を生成
する。そして、送信部32が、作成された相関情報要求
信号を、通信システム10を介してサーバ2に送信す
る。
【0173】次に、前記の相関情報要求信号に応じ、サ
ーバ2から端末3に、前記通信ネットワーク10を介し
て、相関情報を送信する(ステップG2)。具体的に
は、端末3から通信ネットワーク10を介して送信され
てきた相関情報要求信号を、サーバ2の受信部21が受
信すると、制御・演算部24が相関情報要求信号の内容
を解析する。そして、解析した内容に応じて、記憶部2
3に記憶されている相関情報の中から、診断に必要な相
関情報を検索する。そして、この情報を、送信部22を
制御することにより、通信ネットワーク10を介して端
末3に送信する。
【0174】続いて、端末3において、前記相関情報に
基づき、前記個人情報を用いて演算を行なうことによ
り、健康状態を診断する(ステップG3)。具体的に
は、サーバ2から通信ネットワーク10を介して送信さ
れてきた相関情報を、端末3の受信部31が受信する
と、制御・演算部34が、この相関情報を参照しなが
ら、記憶部33に記憶された個人情報に基づき演算を行
なうことにより、対象となる健康状態の診断を行なう。
【0175】最後に、端末3において、前記診断結果を
表示する(ステップG4)。具体的には、制御・演算部
34が、演算結果に基づく健康状態の診断結果(分類さ
れた健康状態の範疇や数値化された健康状態の程度等)
を、表示部36に表示させる。
【0176】以上説明した本発明の第2実施形態によれ
ば、端末3の要求に応じてサーバ2が有する相関情報を
端末3に送信し、端末3にて、この相関情報と端末3が
有する個人情報とを用いて個人の健康状態を診断し、そ
の診断結果を表示するように構成されているので、個人
の遺伝情報等についてのプライバシーを確実に保護しな
がら、サーバが有する最新の相関情報を用いて、手軽か
つ頻繁に、個人の健康状態を効率的に診断することが可
能となる。
【0177】なお、上述した第1実施形態の第1変形
例,第2変形例,第3変形例の構成をそれぞれ単独で、
または任意の組み合わせで、第2実施例の構成に適用
し、相関関係の解析、健康状態改善プランの作成、履歴
を用いた健康状態の診断の各機能をそなえた健康診断シ
ステムを作成することも可能である。以上、本発明の実
施形態につき具体的に説明したが、勿論、本発明は上述
の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を越え
ない限りにおいて、種々の形態で実施することが可能で
ある。
【0178】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに具体的に説
明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0179】・実施例1 まず、本発明の健康診断システムを用いて、高脂血症の
罹病についての診断を行なう場合について説明する。す
なわち、診断対象となる健康状態は、疾病である高脂血
症の罹病の有無および罹病の可能性となる。高脂血症に
ついては、現在のところ、罹病の有無および罹病の可能
性との相関関係が判明していない遺伝的,身体的,環境
的要素が多い。また、生活環境の改善によって、罹病時
の症状や罹病の危険性が低減されることが知られてい
る。従って、使用する健康診断システムは、相関関係の
解析と健康状態改善プランの作成を行なうことができる
構成(すなわち第1実施形態の第1変形例および第2変
形例の双方の機能を兼ね備えた構成)とする。
【0180】診断に用いられる個人情報は、以下の項目
とする。 遺伝情報:CETP酵素遺伝子の多型についての情報。 身体情報:体重、体脂肪、平常時体温、脈拍、血中コレ
ステロール値、血中HDLコレステロール値、中性脂肪
値、血糖値、血圧、視力、尿検査結果、各種疾病(狭心
症、心筋梗塞、脳梗塞、高血圧症、糖尿病、慢性腎炎
等)の罹患歴。 環境情報:食事内容(食塩摂取量、コレステロール摂取
量等)、喫煙量、飲酒量。
【0181】これらの情報はいずれも、高脂血症の罹病
に関連があると判明している要素、または関連があると
推測されている要素についての情報である。本健康診断
システムの利用者について、少なくとも前記の項目を含
む個人情報を、利用者の端末に記憶させる。勿論、その
他の項目を個人情報として含めてもよい。
【0182】また、相関情報としては、上述の遺伝,身
体,環境情報の各項目と、高脂血症の罹病の有無および
罹病の可能性との相関関係のうち、現在知られているも
のについて数理的表現を作成し、これを相関情報として
サーバに記憶させ、健康状態の診断に利用する。
【0183】さらに、健康状態改善情報としては、以下
の項目からなる健康状態改善プランを作成できるような
情報を用いることとし、これをサーバに記憶させる。 健康状態改善プラン:食事制限(食塩摂取量の上限値、
コレステロール摂取量の上限値等)、喫煙制限(喫煙量
の上限値等)、飲酒制限(喫煙量の上限値等)、投薬計
画(最適薬の選択、投薬量および投薬時期の計画)。
【0184】以上の構成で、本健康診断システムの運用
を行なう。利用者からの要求に応じて随時、サーバで健
康状態(高脂血症の罹病の有無および罹病の可能性)に
ついての診断を行ない、診断結果を端末を通じて通知す
る。診断結果が良好でなかった場合(罹病していた場合
や、罹病の可能性が高かった場合)には、健康状態を改
善する(罹病時の症状を緩和したり、罹病の可能性を低
減させる)ための健康状態改善プランを作成し、これを
診断結果とともに端末を通じて通知する。
【0185】なお、利用者から健康状態の診断に関する
要求があった場合には、個人情報と一緒に利用者の健康
状態に関する情報を端末からサーバに送信させ、これら
を標本個人情報および標本健康情報としてサーバに記憶
する。サーバに記憶された新たな標本情報が一定数に達
したら、サーバに於いて相関解析を実行し、その結果と
して新たに得られた遺伝,身体,環境情報の各項目と高
脂血症の罹病の有無および罹病の可能性との相関関係
を、サーバに新たに記憶させる。
【0186】こうした構成により、本健康診断システム
の利用者が高脂血症に罹患しているか否か、もしくは罹
患する危険性がどの程度かを判断できるとともに、利用
者の発症前の予防、発症時機の遅延化、発症後の治療準
備を行なうことが可能である。
【0187】・実施例2 次に、本発明の健康診断システムを用いて、薬物代謝能
についての診断を行なう場合について説明する。すなわ
ち、診断対象となる健康状態は、個人の体質の一種であ
る、各種薬物の代謝能となる。様々な薬物の代謝能に
は、薬物代謝酵素であるシトクロムP450が深く関わ
っていることが知られている。また、代謝能が低い個人
については、摂取する薬物の種類や投薬の方法を調整す
ることによって、薬物の作用を制御するという方策が一
般的である。従って、使用する健康診断システムは、健
康状態改善プランの作成を行なうことができる構成(す
なわち第1実施形態の第2変形例と同様の構成)とす
る。
【0188】診断に用いられる個人情報は、以下の項目
とする。 遺伝情報:CYP3A4遺伝子(シトクロムP450を
コードする遺伝子) また、診断に用いられる相関情報は、遺伝情報であるC
YP3A4遺伝子の変異と、診断対象である薬物代謝能
との相関関係を表わす関数を用いる。
【0189】さらに、健康状態改善情報としては、以下
の項目からなる健康状態改善プランを作成できるような
情報を用いることとし、これをサーバに記憶させる。 健康状態改善プラン:最適投薬(喘息治療薬、風邪治療
薬の種類等)、投薬量等
【0190】以上の構成で、本健康診断システムの運用
を行なう。利用者からの要求に応じて随時、サーバで健
康状態(薬物代謝能の程度)についての診断を行ない、
診断結果を端末を通じて通知する。診断結果が良好でな
かった場合(薬物代謝能が低かった場合)には、健康状
態を改善する(薬物の作用を制御する)ための健康状態
改善プランを作成し、これを診断結果とともに端末を通
じて通知する。
【0191】こうした構成により、個人が病院に行く前
に最適な投薬の種類や投薬量を認識できる。また、医者
も患者の薬物代謝能を認識した上で、最適な治療を指示
できる。
【0192】
【発明の効果】本発明によれば、端末が有する個人情報
と、サーバが有する相関情報とを用いて、個人の健康状
態を診断し、その診断結果を端末を通じて通知するよう
に構成されているので、個人が日常生活の中で手軽かつ
頻繁に、自らの健康状態について診断を受けることが可
能となる。また、サーバが有する相関情報を適宜更新す
ることにより、遺伝的,身体的および環境的要素と健康
状態との相関関係について新たに得られた情報を、個人
の健康状態の診断に迅速に反映することができるので、
常に最新の知見に裏打ちされた効率的な健康状態の診断
や疾病の予防・治療が可能となる。
【0193】なお、端末の個人情報をサーバに送信し、
サーバで診断を行なうように構成すれば、サーバが有す
る最新且つ大量の相関情報を用いて、正確で効率的な診
断が可能となる。一方、サーバの相関情報を端末に送信
し、端末で診断を行なうように構成すれば、個人の遺伝
情報等についてのプライバシーを確実に保護しながら、
個人の健康状態を手軽に診断することが可能となる。
【0194】さらに、多数の標本の情報に基づいて、遺
伝的要素,身体的要素および環境的要素と健康状態との
相関関係を解析し、これを新たな相関情報としてサーバ
に記憶することにより、遺伝的要素,身体的要素および
環境的要素と健康状態との相関について最新の知見を容
易に得ることができるとともに、得られた知見を個人の
健康状態の診断に迅速に反映することができる。
【0195】また、健康状態の診断を行なった後、この
診断結果に基づいて、健康状態を改善するためのプラン
を作成し、これを診断結果と一緒に端末を通じて通知す
ることにより、各個人に応じた効率的なプランを用い
て、手軽に健康状態の改善を行なうことが可能となる。
【0196】さらに、サーバにて個人の健康状態の診断
に関する履歴を記録し、この履歴を用いて個人の健康状
態を診断して、診断結果を端末を通じて通知することに
より、各個人の個人情報や健康状態の径時的な変化を考
慮しながら、手軽に健康状態の改善を行なうことが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の第1実施形態にかかる健康診断シス
テムの構成を示す模式図である。
【図2】第1実施形態の健康診断システムにおいて、サ
ーバに記憶される相関情報テーブルの一例を示す模式図
である。
【図3】第1実施形態の健康診断システムにおいて、端
末に記憶される個人情報テーブルの一例を示す模式図で
ある。
【図4】第1実施形態の健康診断システムを用いた健康
状態の診断の一連の手順(本実施形態にかかる健康診断
方法)を示すフローチャートである。
【図5】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断シ
ステムの構成を示す模式図である。
【図6】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断シ
ステムにおいて、サーバに記憶される標本情報テーブル
の一例を示す模式図である。
【図7】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断シ
ステムにおいて相関解析に用いられるニューラル・ネッ
トワークの構成を示す模式図である。
【図8】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断シ
ステムにおける、ニューラル・ネットワークを用いた相
関解析の一連の手順を示すフローチャートである。
【図9】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断シ
ステムにおける、ニューラル・ネットワークを用いた健
康状態の診断の一連の手順を示すフローチャートであ
る。
【図10】第1実施形態の第1変形例にかかる健康診断
システムにおける相関解析の一連の手順を示すフローチ
ャートである。
【図11】第1実施形態の第2変形例にかかる健康診断
システムの構成を示す模式図である。
【図12】第1実施形態の第2変形例にかかる健康診断
システムを用いた健康状態の診断の一連の手順を示すフ
ローチャートである。
【図13】第1実施形態の第3変形例にかかる健康診断
システムの構成を示す模式図である。
【図14】第1実施形態の第3変形例にかかるサーバに
於いて行なわれる、個人の履歴(診断履歴情報)を用い
た健康状態の診断の一連の手順を示すフローチャートで
ある。
【図15】本発明の第2実施形態にかかる健康診断シス
テムの構成を示す模式図である。
【図16】第2実施形態の健康診断システムを用いた健
康状態の診断の一連の手順を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1 健康診断システム(情報通信システム) 10 通信ネットワーク 2 サーバ 21 受信部 22 送信部 23 記憶部 24 演算部 3 端末 31 受信部 32 受信部 33 記憶部 34 演算部 35 入力部 36 表示部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端末とサーバとが通信ネットワークを介
    して互いに通信可能に構成されたシステムにおいて、 該端末が、個人の遺伝情報,身体情報および環境情報
    (以下、併せて個人情報という。)を有するとともに、 該サーバが、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報
    と健康状態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報
    という。)を有し、 該サーバが有する前記相関情報に基づき、該端末が有す
    る前記個人情報を用いて、個人の健康状態を診断し、そ
    の診断結果を該端末を通じて通知することを特徴とす
    る、健康診断方法。
  2. 【請求項2】 該端末から該サーバに、前記通信ネット
    ワークを介して、前記個人情報を送信し、 該サーバにおいて、前記相関情報に基づき、前記個人情
    報を用いて演算を行なうことにより、健康状態を診断
    し、 該サーバから該端末に、前記通信ネットワークを介し
    て、健康状態の診断結果を送信し、さらに、 該端末において、前記診断結果を表示することを特徴と
    する、請求項1記載の健康診断方法。
  3. 【請求項3】 該端末から該サーバに、前記通信ネット
    ワークを介して、前記相関情報を要求し、 前記要求に応じ、該サーバから該端末に、前記通信ネッ
    トワークを介して、前記相関情報を送信し、 該端末において、前記相関情報に基づき、前記個人情報
    を用いて演算を行なうことにより、健康状態を診断し、
    さらに、 該端末において、前記診断結果を表示することを特徴と
    する、請求項1記載の健康診断方法。
  4. 【請求項4】 該サーバにおいて、 標本となる個人の遺伝情報,身体情報および環境情報
    (以下、併せて標本個人情報という。)と、前記の標本
    となる個人の健康状態に関する情報(以下、標本健康情
    報という。)との対応関係に基づいて、遺伝情報,身体
    情報および環境情報と健康状態との相関関係を解析し、
    その解析結果を前記相関情報として使用することを特徴
    とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の健康診断
    方法。
  5. 【請求項5】 前記の健康状態の診断結果に基づいて、
    前記個人の健康状態を改善するためのプランを作成し、
    これを端末を通じて通知することを特徴とする、請求項
    1〜4のいずれか1項に記載の健康診断方法。
  6. 【請求項6】 前記の健康状態の診断に関する履歴を記
    録するとともに、該履歴を用いて前記個人の健康状態の
    診断を行なうことを特徴とする、請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の健康診断方法。
  7. 【請求項7】 個人の遺伝情報,身体情報および環境情
    報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末と、
    前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態と
    の相関関係を表わす情報(以下、相関情報という。)を
    有するサーバとが、通信ネットワークを介して互いに通
    信可能に構成されたシステムにおいて、 該端末が、 前記個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、 前記通信ネットワークを介して該サーバに、前記個人情
    報を送信する個人情報送信手段とを備えるとともに、 該サーバが、 前記相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、 該端末から前記通信ネットワークを介して、前記個人情
    報を受信する個人情報受信手段と、 該相関情報記憶手段に記憶された前記相関情報に基づ
    き、該個人情報受信手段で受信された前記個人情報を用
    いて演算を行なうことにより、健康状態を診断する健康
    状態診断手段と、 前記通信ネットワークを介して該端末に、該健康状態診
    断手段による健康状態の診断結果を送信する診断結果送
    信手段とを備え、 該端末が、さらに、 該サーバから前記通信ネットワークを介して、前記診断
    結果を受信する診断結果受信手段と、 該診断結果受信手段で受信された前記診断結果を表示す
    る診断結果表示手段とを備えたことを特徴とする、健康
    診断システム。
  8. 【請求項8】 個人の遺伝情報,身体情報および環境情
    報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末と、
    前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態と
    の相関関係を表わす情報(以下、相関情報という。)を
    有するサーバとが、通信ネットワークを介して互いに通
    信可能に構成されたシステムにおいて、 該端末が、 前記個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、 前記通信ネットワークを介して該サーバに、前記相関情
    報を要求する信号を送信する要求信号送信手段とを備え
    るとともに、 該サーバが、 前記相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、 該端末から前記通信ネットワークを介して、前記相関情
    報を要求する信号を受信する要求信号受信手段と、 該要求信号受信手段で受信された前記信号に基づき、前
    記通信ネットワークを介して該端末に、該相関情報記憶
    手段に記憶された前記相関情報を送信する相関情報送信
    手段とを備え、 該端末が、さらに、 該サーバから前記通信ネットワークを介して、前記相関
    情報を受信する相関情報受信手段と、 該相関情報受信手段で受信された前記相関情報に基づ
    き、該個人情報記憶手段に記憶された前記個人情報を用
    いて演算を行なうことにより、健康状態を診断する健康
    状態診断手段と、 該健康状態診断手段による健康状態の診断結果を表示す
    る診断結果表示手段とを備えたことを特徴とする、健康
    診断システム。
  9. 【請求項9】 該サーバが、さらに、 標本となる個人の遺伝情報,身体情報および環境情報
    (以下、併せて標本個人情報という。)を、前記の標本
    となる個人の健康状態に関する情報(以下、標本健康情
    報という。)と対応付けて記憶する標本情報記憶手段
    と、 該標本情報記憶手段に記憶された前記標本個人情報と前
    記標本健康情報との対応関係に基づき、遺伝情報,身体
    情報および環境情報と健康状態との相関関係を解析する
    相関関係解析手段とをそなえ、 該相関情報記憶手段が、該相関関係解析手段により解析
    された遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態と
    の相関関係を、前記相関情報として記憶することを特徴
    とする、請求項7または請求項8に記載の健康診断シス
    テム。
  10. 【請求項10】 個人の遺伝情報,身体情報および環境
    情報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末
    と、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状
    態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報とい
    う。)を有するサーバとが、通信ネットワークを介して
    互いに通信可能に構成されたシステムに使用されるサー
    バであって、 該端末から前記通信ネットワークを介して、前記個人情
    報を受信する個人情報受信手段と、 前記相関情報を記憶する相関情報記憶手段と、 該相関情報記憶手段に記憶された前記相関情報に基づ
    き、該個人情報受信手段で受信された前記個人情報を用
    いて演算を行なうことにより、健康状態を診断する健康
    状態診断手段と、 前記通信ネットワークを介して該端末に、該健康状態診
    断手段による健康状態の診断結果を送信する診断結果送
    信手段とを備えたことを特徴とする、健康診断システム
    用サーバ。
  11. 【請求項11】 標本となる個人の遺伝情報,身体情報
    および環境情報(以下、併せて標本個人情報という。)
    を、前記の標本となる個人の健康状態に関する情報(以
    下、標本健康情報という。)と対応付けて記憶する標本
    情報記憶手段と、 該標本情報記憶手段に記憶された前記標本個人情報と前
    記標本健康情報との対応関係に基づき、遺伝情報,身体
    情報および環境情報と健康状態との相関関係を解析する
    相関関係解析手段とをさらにそなえ、 該相関情報記憶手段が、該相関関係解析手段により解析
    された遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状態と
    の相関関係を、前記相関情報として記憶することを特徴
    とする、請求項10記載の健康診断システム用サーバ。
  12. 【請求項12】 個人の遺伝情報,身体情報および環境
    情報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末
    と、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状
    態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報とい
    う。)を有するサーバとが、通信ネットワークを介して
    互いに通信可能に構成されたシステムに使用される端末
    であって、 前記通信ネットワークを介して該サーバに、前記相関情
    報を要求する信号を送信する要求信号送信手段と、 該サーバから前記通信ネットワークを介して、前記相関
    情報を受信する相関情報受信手段と、 前記個人情報を記憶する個人情報記憶手段と、 該相関情報受信手段で受信された前記相関情報に基づ
    き、該個人情報記憶手段に記憶された前記個人情報を用
    いて演算を行なうことにより、健康状態を診断する健康
    状態診断手段と、 該健康状態診断手段による健康状態の診断結果を表示す
    る診断結果表示手段とを備えたことを特徴とする、健康
    診断システム用端末。
  13. 【請求項13】 個人の遺伝情報,身体情報および環境
    情報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末
    と、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状
    態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報とい
    う。)を有するサーバとが、通信ネットワークを介して
    互いに通信可能に構成されたシステムにおいて、該サー
    バとしてコンピュータを機能させるためのプログラムで
    あって、 請求項10または請求項11に記載の健康診断システム
    用サーバを構成する各手段として該コンピュータを機能
    させることを特徴とする、健康診断システム用プログラ
    ム。
  14. 【請求項14】 個人の遺伝情報,身体情報および環境
    情報(以下、併せて個人情報という。)を有する端末
    と、前記の遺伝情報,身体情報および環境情報と健康状
    態との相関関係を表わす情報(以下、相関情報とい
    う。)を有するサーバとが、通信ネットワークを介して
    互いに通信可能に構成されたシステムにおいて、該端末
    としてコンピュータを機能させるためのプログラムであ
    って、 請求項12記載の健康診断システム用端末を構成する各
    手段として該コンピュータを機能させることを特徴とす
    る、健康診断システム用プログラム。
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