【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、染料と、水と、有
機溶剤とを含有するインクに関し、特に、サーマル方式
のインクジェットプリンタに用いられ、コゲーションの
発生を極力制御可能なインクに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、画像処理等の分野においては、ハ
ードコピーのカラー化に対するニーズが高まっている。
このようなニーズに対して、従来、昇華型熱転写方式、
溶融熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、
熱現像銀塩方式等のカラーハードコピー方式が提案され
ている。
【０００３】これらの方式のうちインクジェット方式を
適用したインクジェットプリンタは、プリンタヘッドに
並べて設けられたノズルから、インクの液滴を吐出して
記録用紙等の記録媒体に着弾させることにより、ドット
と呼ばれる点を形成し、文字や画像などを記録する方式
のプリンタである。インクジェットプリンタは、他の方
式を適用したプリンタと比較して、低コスト、高品質
で、カラー化が容易であるという特長を有している。
【０００４】ところで、このインクジェット方式は、イ
ンクの液滴を吐出させる方式の相違により、圧電素子を
用いて吐出を行うピエゾ方式、発熱素子を用いたサーマ
ル方式等に分類される。
【０００５】これらの方式のうち、サーマル方式とは、
例えば４００℃〜４５０℃程度という温度で、インクを
局所的に加熱することにより気泡を発生し、この気泡に
より吐出口からインクを押し出して記録媒体に吐出させ
る方式である。このサーマル方式を適用したプリンタ
は、インクを加熱する発熱素子、及び発熱素子を駆動す
るロジック集積回路による駆動回路等を備えるプリンタ
ヘッドを用いて構成されている。
【０００６】このようなサーマル方式のプリンタに使用
するインクは、水及び水溶性有機溶剤を含有する溶媒中
に、各種の水溶性の染料又は顔料が溶解又は分散された
ものであり、必要に応じて界面活性剤等の添加剤等が添
加されている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】サーマル方式を適用し
たプリンタは、上述のように簡易な構成でありながら高
画質記録が可能であるという利点を有している。ところ
が、サーマル方式を適用したプリンタでは、プリンタの
使用に伴い、発熱素子表面に染料の分解物や不純物など
の異物が堆積付着するコゲーション（kogation）と呼ば
れる現象が発生するため、発熱素子によるインクの加熱
が不十分となり、インクの吐出速度が低減し、インクの
液滴の吐出が阻害されるという問題がある。
【０００８】インクには、染料の合成時に混入する金属
イオンなどの不純物が存在する。この不純物がコゲーシ
ョンの要因の１つとして考えられている。そこで、コゲ
ーションを減少させる手段として、この不純物をインク
中から除去する方法が提案されている。また、染料に
は、対イオンとしてＮａイオンが多用されているが、対
イオンをその他のイオンに置換する方法も提案されてい
る。しかしながら、インクに含まれる不純物を精製する
と、製造コストの上昇を避けられない。
【０００９】また、サーマル方式を適用したプリンタで
は、熱エネルギーをインクの吐出に使用するため、イン
クの構成材料である染料が、加熱により分解されること
は免れられない。つまり、サーマル方式のプリンタで
は、不純物を精製したインクを用いたとしても、染料の
分解物が発熱素子表面に堆積してしまう。
【００１０】本発明は、このような従来の実状に鑑み
て、低コストにて、コゲーションの発生を防止し、プリ
ンタヘッドからのインクの液滴の吐出を長期に渡り良好
に維持できるインクを提供することを目的に提案された
ものである。
【００１１】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明者等が鋭意検討を重ねた結果、本発明者等
が合成した新規化合物を含有するインクをサーマル方式
のプリンタに使用すると、コゲーションの発生を防止で
きることを見出した。
【００１２】本発明に係るインクは、このような知見に
基づいて完成されたものであり、染料と、水と、有機溶
剤と、下記化２に示す化合物とを含有する。
【００１３】
【化２】
【００１４】本発明者らによれば、詳細は定かでない
が、化２に示す化合物が、インク中の染料を保護しつつ
分散性を高めているので、インクの加熱により染料が分
解されることが、極力防止されると考えられている。こ
れにより、本発明に係るインクによれば、コゲーション
の発生を防止できると考えられている。
【００１５】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したインクに
ついて、詳細に説明する。
【００１６】本発明を適用したインクは、例えば図１に
示すようなプリンタヘッド１を備えるサーマル方式のイ
ンクジェットプリンタにおいて使用される。サーマル方
式とは、インクの局所的な加熱により気泡を発生させ、
この気泡により吐出口からインクを押し出して記録媒体
に吐出させる方式である。サーマル方式によれば、簡易
な構成によりカラー画像を印刷することができる。
【００１７】図１に示すプリンタヘッド１のヘッドフレ
ーム２には、中央にスリット状のインク供給孔２ａが形
成されている。ヘッドフレーム２の一方の面には、Ｓｉ
基板で形成された複数個のヘッドチップ３が張り付けら
れている。ヘッドチップ３は、ヘッドフレーム２上のイ
ンク供給孔２ａの両側に配列されている。そして、図２
に示すように、ヘッドチップ３上のインク供給孔２ａ側
には、複数個の発熱素子３ａが一列に配列され、反対側
には、発熱素子３ａに対応した接続端子３ｂが一列に配
列されている。
【００１８】ヘッドチップ３上には、図３に示すよう
に、複数個のインクの液室４ａと流路４ｂを形成するた
めの部材４を介して、複数個のノズル５ａを有するノズ
ルプレート５が配設されている。部材４は、いわゆるド
ライフィルムフォトレジスト等の感光性樹脂により、各
液室４ａがヘッドチップ３に配列された各発熱素子３ａ
に対応し、かつ各流路４ｂが各液室４ａからヘッドチッ
プ３の端部まで延びるように形成されている。
【００１９】ノズルプレート５は、ニッケル又はニッケ
ルを含む材料の電鋳により作製され、インクによる腐食
を防ぐため、金あるいはパラジウム等で耐蝕メッキされ
ており、インク供給孔２ａを塞ぎ、かつ各ノズル５ａが
各発熱素子３ａに一対一で対応するように形成されてい
る。すなわち、各液室４ａは、部材４に形成された流路
４ｂ及びノズルプレート５に形成されたノズル５ａに連
通されている。
【００２０】ヘッドフレーム２の他方の面には、フィル
タ６を介してインクタンク７が貼りつけられている。フ
ィルタ６は、インク供給孔２ａを覆うように貼りつけら
れており、インクタンク７からゴミやインクの成分の凝
集物等がノズル５ａ側に混入することを防止する役目を
果たす。インクタンク７は、袋７ａと外筐７ｂとの二重
構造になっている。
【００２１】袋７ａと外筐７ｂとの間には、袋７ａを外
側に広げるように働くバネ部材が入っている。これによ
り、インクには負圧が掛かるようになり、インクがノズ
ル５ａから自然に漏れ出すことを防止することができ
る。また、この負圧は、ノズル５ａの毛細管力よりは小
さくなるよう設定されているため、インクがノズル５ａ
に引き込まれてしまうことを防止することができる。
【００２２】そして、ヘッドチップ３上からヘッドフレ
ーム２の外側を通ってインクタンク７の外周面に至る部
分には、いわゆるＦＰＣ（フレキシブルプリント基板）
でなる電気配線８が貼りつけられている。電気配線８
は、ヘッドチップ３に電源や電気信号を供給するもので
あり、ヘッドチップ３の接続端子３ｂに接続されてい
る。
【００２３】また、上記発熱素子３ａは、半導体形成の
プロセスで広く使用されているスパッタリング法により
タンタル、タンタルアルミ、窒化チタン等の抵抗材料を
所定の基板上に堆積し、その上層にＡｌ電極を形成した
後、シリコン窒化膜等の保護層を作製して形成される。
プリンタヘッド１は、この保護層の上層にタンタル膜に
よる耐キャビテーション層、インクの液室４ａ、ノズル
５ａが形成され、これにより、発熱素子３ａの発熱によ
り液室４ａのインクを加熱できるように形成される。さ
らにプリンタヘッド１は、ＭＯＳ（Metal Oxide Semico
nductor）型、パイポーラ型のトランジスタにより発熱
素子３ａに電力を供給できるように構成され、さらに所
定の駆動回路によりこのトランジスタの動作を制御でき
るように構成され、これらにより駆動回路により駆動し
てインク液滴を記録媒体に付着できるようになされてい
る。
【００２４】以上のように構成されるサーマル方式のイ
ンクジェットプリンタにおいて、インクは、インクタン
ク７からインク供給孔２ａに供給され、流路４ｂを通っ
て液室４ａに供給される。ここで、ノズル５ａは円形状
に形成されており、ノズル５ａ先端ではインクの負圧に
よりインク面の中央部が凹んだ、いわゆるメニカスが形
成される。そして、発熱素子３ａに駆動電圧がかかるこ
とにより、発熱素子３ａが発熱して、インクを局所的に
加熱する。プリンタヘッド１では、この加熱により、液
室４ａの発熱素子３ａ側面に核気泡が発生し、この気泡
が合体して膜気泡となって成長する。プリンタヘッド１
は、この気泡による圧力の増大により、インクの粒子を
ノズル５ａから吐出して印刷対象に飛翔させる。これに
より、プリンタヘッド１によるプリンタにおいては、発
熱素子３ａの間欠的な加熱により、順次インクを印刷対
象に付着して所望の画像を作製するようになされてい
る。
【００２５】上述のプリンタヘッド１を備えるサーマル
方式のインクジェットプリンタにおいて、染料と水と有
機溶剤とからなる従来のインクを用いて使用すると、使
用経過に伴い、染料の分解物や不純物等の異物が発熱素
子３ａ表面に堆積するコゲーションが発生していた。
【００２６】研究者等によれば、顕微鏡等を用いて発熱
素子３ａ表面を観察すると、発熱素子３ａ表面にコゲー
ションが発生すると、発熱素子３ａがインクを十分に加
熱できないため、気泡の発生が阻害されることが確認さ
れている。
【００２７】このように、発熱素子３ａ表面にコゲーシ
ョンが発生すると、発熱素子３ａによるインクの加熱が
不十分となるため、インクの吐出速度が低減し、インク
の液滴の吐出が阻害されるという問題が生じていた。
【００２８】これに対し、本発明を適用したインクに
は、染料と、水と、有機溶剤と、下記化３に示す化合物
が含有されている。
【００２９】
【化３】
【００３０】本発明者らによれば、詳細は定かでない
が、化３に示す化合物が、インク中の染料を保護しつつ
分散性を高めているので、インクの加熱により染料が分
解されることが、極力防止されると考えられている。し
たがって、本発明に係るインクによれば、コゲーション
の発生を防止できる。特に、サーマル方式のインクジェ
ットプリンタにおいて、本発明を適用したインクを用い
ると、発熱素子３ａ表面におけるコゲーションの発生が
抑制されるので、長期に渡り、インクの吐出速度が高
く、インク液滴の吐出が良好で、高画質記録が可能とな
る。
【００３１】インクにおける化３に示す化合物の添加量
は、０．５重量％以上、１０重量％以下とすることが好
ましく、１重量％以上、１０重量％以下とすることがよ
り好ましい。
【００３２】化３に示す化合物の添加量が０．５重量％
未満であると、発熱素子３ａ表面にコゲーションの発生
を防止する効果を十分に得られない虞がある。一方、化
３に示す化合物の添加量が１０重量％を超えると、発熱
素子３ａ表面にコゲーションの発生を防止する効果は得
られるが、紙等の記録媒体に画像を記録をするというイ
ンク本来の性能を低下させる虞がある。
【００３３】上述したような化３に示す化合物は、一般
的な方法であるエチレンオキサイドを付加させていく方
法により合成することができる。すなわち、エチレング
リコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール等を出発材料として、これにエチレンオキサイドを
付加させることによって合成することができる。
【００３４】具体的には、化３に示す化合物は、テトラ
エチレングリコールモノブチルエーテルに、触媒として
水酸化カリウムを用いて加熱し、エチレンオキサイドを
注入して合成できる。
【００３５】インクに含有される染料としては、直接染
料、酸性染料、反応性染料等の水溶性染料を何れも使用
できる。
【００３６】具体的には、イエロー系直接染料として、
Ｃ．Ｉ．ダイレクトイエロー１、同８、同１１、同１
２、同２４、同２６、同２７、同２８、同３３、同３
９、同４４、同５０、同５８、同８５、同８６、同８
７、同８８、同８９、同９８、同１００、同１１０等を
使用できる。また、マゼンダ系の直接染料として、Ｃ．
Ｉ．ダイレクトレッド１、同２、同４、同９、同１１、
同１３、同１７、同２０、同２３、同２４、同２８、同
３１、同３３、同３７、同３９、同４４、同４６、同６
２、同６３、同７５、同７９、同８０、同８１、同８
３、同８４、同８９、同９５、同９９、同１１３、同１
９７、同２０１、同２１８、同２２０、同２２４、同２
２５、同２２６、同２２７、同２２８、同２２９、同２
３０、同３２１等を使用できる。また、シアン系の直接
染料として、Ｃ．Ｉ．ダイレクトブルー１、同２、同
６、同８、同１５、同２２、同２５、同４１、同７１、
同７６、同７７、同７８、同８０、同８６、同９０、同
９８、同１０６、同１０８、同１２０、同１５８、同１
６０、同１６３、同１６５、同１６８、同１９２、同１
９３、同１９４、同１９５、同１９６、同１９９、同２
００、同２０１、同２０２、同２０３、同２０７、同２
２５、同２２６、同２３６、同２３７、同２４６、同２
４８、同２４９等を使用できる。また、ブラック系の直
接染料として、Ｃ．Ｉ．ダイレクトブラック１７、同１
９、同２２、同３２、同３８、同５１、同５６、同６
２、同７１、同７４、同７５、同７７、同９４、同１０
５、同１０６、同１０７、同１０８、同１１２、同１１
３、同１１７、同１１８、同１３２、同１３３、同１４
６等を使用できる。
【００３７】また、イエロー系の酸性染料として、Ｃ．
Ｉ．アシッドブルー１、同３、同７、同１１、同１７、
同１９、同２３、同２５、同２９、同３６、同３８、同
４０、同４２、同４４、同４９、同５９、同６１、同７
０、同７２、同７５、同７６、同７８、同７９、同９
８、同９９、同１１０、同１１１、同１１２、同１１
４、同１１６、同１１８、同１１９、同１２７、同１２
８、同１３１、同１３５、同１４１、同１４２、同１６
１、同１６２、同１６３、同１６４、同１６５等を使用
できる。また、マゼンタ系の酸性染料として、Ｃ．Ｉ．
アシッドレッド１、同６、同８、同９、同１３、同１
４、同１８、同２６、同２７、同３２、同３５、同３
７、同４２、同５１、同５２、同５７、同７５、同７
７、同８０、同８２、同８３、同８５、同８７、同８
８、同８９、同９２、同９４、同９７、同１０６、同１
１１、同１１４、同１１５、同１１７、同１１８、同１
１９、同１２９、同１３０、同１３１、同１３３、同１
３４、同１３８、同１４３、同１４５、同１５４、同１
５５、同１５８、同１６８、同１８０、同１８３、同１
８４、同１８６、同１９４、同１９８、同１９９、同２
０９、同２１１、同２１５、同２１６、同２１７、同２
１９、同２４９、同２５２、同２５４、同２５６、同２
５７、同２６２、同２６５、同２６６、同２７４、同２
７６、同２８２、同２８３、同３０３、同３１７、同３
１８、同３２０、同３２１、同３２２等を使用できる。
シアン系の酸性染料として、Ｃ．Ｉ．アシッドブルー
１、同７、同９、同１５、同２２、同２３、同２５、同
２７、同２９、同４０、同４１、同４３、同４５、同５
４、同５９、同６０、同６２、同７２、同７４、同７
８、同８０、同８２、同８３、同９０、同９２、同９
３、同１００、同１０２、同１０３、同１０４、同１１
２、同１１３、同８１１７、同１２０、同１２６、同１
２７、同１２９、同１３０、同１３１、同１３８、同１
４０、同１４２、同１４３、同１５１、同１５４、同１
５８、同１６１、同１６６、同１６７、同１６８、同１
７０、同１７１、同１７５、同１８２、同１８３、同１
８４、同１８７、同１９２、同１９９、同２０３、同２
０４、同２０５、同２２９、同２３４、同２３６等を使
用できる。ブラック系の酸性染料として、Ｃ．Ｉ．アシ
ッドブラック１、同２、同７、同２４、同２６、同２
９、同３１、同４４、同４８、同５０、同５１、同５
２、同５８、同６０、同６２、同６３、同６４、同６
７、同７２、同７６、同７７、同９４、同１０７、同１
０８、同１０９、同１１０、同１１２、同１１５、同１
１８、同１１９、同１２１、同１２２、同１３１、同１
３２、同１３９、同１４０、同１５５、同１５６、同１
５７、同１５８、同１５９、同１９１等を使用できる。
【００３８】インクに含有される水溶性有機溶剤として
は、脂肪族一価アルコール、多価アルコール、多価アル
コール誘導体等を使用できる。
【００３９】具体的には、脂肪族一価アルコールとし
て、メチルアルコール、エチルアルコール、ｎ−プロピ
ルアルコール、ｉ−プロピルアルコール、ｎ−ブチルア
ルコール、ｓ−ブチルアルコール、ｔ−ブチルアルコー
ル等の低級アルコール等を使用できる。特に、これら脂
肪族一価アルコールのうち、エチルアルコール、ｉ−プ
ロピルアルコール、ｎ−ブチルアルコールを使用するこ
とが好ましい。
【００４０】これら脂肪族一価アルコールは、インクの
表面張力を調製し、普通紙、専用紙等の被記録媒体への
浸透性、ドット形成性、印刷された画像の乾燥性を向上
する効果が高いので、インクに含有されることが好まし
い。
【００４１】多価アルコールとしては、エチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブチレングリコール及びグ
リセロール等のアルキレングリコール類、ポリエチレン
グリコール及びポリプロピレングリコール等のポリアル
キレングリコール類、チオジグリコール等を使用でき
る。
【００４２】多価アルコール誘導体としては、エチレン
グリコールジメチルエーテル等の上述した多価アルコー
ルの低級アルキルエーテル類、エチレングリコールジア
セテート等の上述した多価アルコールの低級カルボン酸
エステル類等を使用できる。
【００４３】これら多価アルコール及び多価アルコール
誘導体は、蒸発しにくく、インクの氷点を下げるので、
インクの保存安定性を高め、プリンタ装置のノズル５ａ
の目詰まりを防止する効果があるので、インク中に含有
されることが好ましい。
【００４４】なお、インクには、上述した脂肪族一価ア
ルコール、多価アルコール及び多価アルコール誘導体等
の水溶性有機溶剤に、界面活性剤、ｐＨ調整剤、防腐
剤、キレート剤等の添加物が、必要に応じて含有されて
いてもよい。
【００４５】
【実施例】以下、本発明を適用したインクについて、具
体的な実験結果に基づいて詳細に説明する。
【００４６】実施例１
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００４７】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０重量％
・水 ７５．５重量％
・化３に示す化合物 ０．５重量％
【００４８】実施例２
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００４９】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０重量％
・水 ７５重量％
・化３に示す化合物 １．０重量％
【００５０】実施例３
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーにより撹拌する
ことにより、インクを調製した。
【００５１】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：グリセリン １０重量％
・水 ７６重量％
・化３に示す化合物 １０重量％
【００５２】実施例４
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００５３】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：フ゛ラック染料MJA371、三菱化学（株）製、BA） ５重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０重量％
トリエタノールアミン ０．３重量％
・ノニオン性界面活性剤（商品名：ノニホ゜ール95、三洋化成製） ０．２重量％
・水 ６９．５重量％
・化３に示す化合物 ５重量％
【００５４】比較例１
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００５５】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０重量％
・水 ８０重量％
【００５６】比較例２
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００５７】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０．５重量％
ジエチレングリコール １０重量％
・水 ７５．５重量％
【００５８】比較例３
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００５９】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０．５重量％
・水 ７５．５重量％
【００６０】比較例４
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００６１】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：グリセリン １０重量％
・水 ８６重量％
【００６２】比較例５
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００６３】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：CIタ゛イレクトフ゛ルー199、ハ゛イエル社製、BA） ４重量％
・有機溶媒：グリセリン ２０重量％
・水 ７６重量％
【００６４】比較例６
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００６５】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：フ゛ラック染料MJA371、三菱化学（株）製、BA） ５重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １０重量％
トリエタノールアミン ０．３重量％
・ノニオン性界面活性剤（商品名：ノニホ゜ール95、三洋化成製） ０．２重量％
・水 ７４．５重量％
【００６６】比較例７
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００６７】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：フ゛ラック染料MJA371、三菱化学（株）製、BA） ５重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １５重量％
ジエチレングリコール １０重量％
トリエタノールアミン ０．３重量％
・ノニオン性界面活性剤（商品名：ノニホ゜ール95、三洋化成製） ０．２重量％
・水 ６９．５重量％
【００６８】比較例８
下記材料を下記割合で混合し、ミキサーで撹拌すること
により、インクを調製した。
【００６９】
＜インクの組成＞
・染料（商品名：フ゛ラック染料MJA371、三菱化学（株）製、BA） ５重量％
・有機溶媒：エチレングリコール １０重量％
ジエチレングリコール １５重量％
トリエタノールアミン ０．３重量％
・ノニオン性界面活性剤（商品名：ノニホ゜ール95、三洋化成製） ０．２重量％
・水 ６９．５重量％
以上のようにして調製された実施例１〜実施例４及び比
較例１〜比較例８のインクを用い、図１〜図３において
示したプリンタヘッドを備えるサーマル方式のインクジ
ェットプリンタを用いてヘッドからインク液滴を吐出さ
せ、普通紙（ＸＥＲＯＸ４０２４（７５ｇ／ｍ２））に
記録する吐出実験を行った。
【００７０】なお、吐出実験では、ノズル径２０μｍ、
発熱抵抗体、抵抗値１３５Ω、駆動電圧１１Ｖ、駆動周
波数１０ｋＨｚにて、２億パルスの吐出を行った。そし
て、初回の吐出速度及び２億パルス後の吐出速度を測定
し、吐出速度の変化量（吐出速度の低下の割合）を測定
した。
【００７１】また、２億パルス吐出後における発熱素子
の表面を観察し、堆積物、即ちコゲーションの有無を確
認した。なお、発熱素子表面において、堆積物がほとん
ど認められない状態を「○」、若干の堆積物が認められ
る状態を「△」、堆積物が認められる状態を「×」と評
価した。さらに、堆積物の厚みを、カラーレーザー顕微
鏡（商品名：VK-8500、（株）キーエンス製）を用いて
測定した。以上の測定結果及び評価を下記表１に示す。
【００７２】
【表１】
【００７３】表１から、化３で示される化合物を実施例
１〜４のインクを用いると、２億パルス印画後における
吐出速度の変化量が２０％以下であり、低下の割合とし
ては実用可能な範囲であることがわかる。また、発熱素
子表面に付着した堆積物の厚みは、何れも０．８μｍ以
下であり、発熱素子表面における堆積物量は、非常に少
ないことがわかる。特に、実施例１では、若干の堆積物
のみが確認され、実施例３及び実施例４では、堆積物は
がほとんど確認されず、発熱素子表面に色が付いた程度
であることが確認された。
【００７４】これに対し、比較例１〜８のインクを用い
ると、２億パルス印画後における吐出速度の変化量が２
０％を超えており、吐出速度の低下の割合が大きすぎて
実用不可能であることがわかる。また、発熱素子表面に
付着した堆積物の厚みは、何れも０．８μｍを超えてお
り、発熱素子表面における堆積物量が非常に多いことが
わかる。
【００７５】比較例１〜８では、水又は有機溶媒の含有
量を適宜変化させているが、何れのインクを使用しても
コゲーションが発生している。つまり、インクに含有さ
れる水溶性溶媒の量は、コゲーション、すなわち堆積物
の発生に影響していないといえる。
【００７６】以上の測定結果より、染料と、水と、有機
溶剤と、化３に示す化合物とを含有するインクをサーマ
ル方式のインクジェットプリンタに適用すると、コゲー
ションの発生抑制可能であることがわかる。また、化３
に示す化合物の含有量を増加させるほど、吐出速度の低
下の割合が小さく、堆積物の厚みも小さくなることがわ
かる。
【００７７】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
に係るインクによれば、サーマル方式のインクジェット
プリンタにおいて、発熱素子表面におけるコゲーション
の発生を抑制でき、長期に渡り、インクの吐出速度が高
く、インク液滴の吐出が良好で、高画質記録が可能とな
る。Description: BACKGROUND OF THE INVENTION 1. Field of the Invention The present invention relates to an ink containing a dye, water, and an organic solvent. It relates to an ink whose generation can be controlled as much as possible. 2. Description of the Related Art In recent years, in the field of image processing and the like, needs for hard copy colorization have been increasing.
To meet such needs, conventionally, sublimation type thermal transfer method,
Melt heat transfer method, inkjet method, electrophotographic method,
A color hard copy system such as a heat-developed silver salt system has been proposed. [0003] Of these methods, an ink jet printer to which an ink jet method is applied is called a dot by ejecting ink droplets from nozzles arranged in a printer head and landing them on a recording medium such as recording paper. This is a printer that forms dots and records characters and images. Ink jet printers have the features of being low cost, of high quality, and of being easily colorized, as compared with printers employing other systems. [0004] The ink jet system is classified into a piezo system in which discharge is performed by using a piezoelectric element, a thermal system in which a heating element is used, and the like, depending on a method of discharging ink droplets. [0005] Of these methods, the thermal method is
For example, this method is a method in which bubbles are generated by locally heating the ink at a temperature of about 400 ° C. to 450 ° C., and the inks are pushed out from the discharge ports by the bubbles to be discharged onto a recording medium. A printer to which the thermal method is applied is configured using a printer head including a heating element for heating ink, a driving circuit including a logic integrated circuit for driving the heating element, and the like. The ink used in such a thermal printer is one in which various water-soluble dyes or pigments are dissolved or dispersed in a solvent containing water and a water-soluble organic solvent. Additives such as surfactants. A printer to which the thermal method is applied has the advantage that high-quality recording is possible while having a simple configuration as described above. However, in a printer to which the thermal method is applied, a phenomenon called kogation occurs in which a foreign substance such as a decomposed product of a dye or an impurity accumulates and adheres to the surface of the heating element with the use of the printer. Heating becomes insufficient, causing a problem in that the ink ejection speed is reduced and the ejection of ink droplets is hindered. [0008] The ink contains impurities such as metal ions which are mixed in during the synthesis of the dye. This impurity is considered as one of the factors of kogation. Therefore, as a means for reducing kogation, a method of removing this impurity from the ink has been proposed. In addition, Na ions are frequently used as a counter ion in the dye, and a method of replacing the counter ion with another ion has been proposed. However, if impurities contained in the ink are purified, an increase in manufacturing cost cannot be avoided. Further, in a printer to which the thermal method is applied, since thermal energy is used for discharging ink, it is inevitable that a dye which is a constituent material of the ink is decomposed by heating. In other words, in a thermal printer, even if ink with purified impurities is used, a decomposition product of the dye accumulates on the surface of the heating element. In view of such a conventional situation, the present invention provides an ink capable of preventing the occurrence of kogation and maintaining good discharge of ink droplets from a printer head for a long time at low cost. It has been proposed for the purpose of providing. Means for Solving the Problems In order to achieve the above object, the present inventors have conducted intensive studies. As a result, the ink containing the novel compound synthesized by the present inventors was converted into a thermal ink. It has been found that when used in a printer, the occurrence of kogation can be prevented. The ink according to the present invention has been completed based on such findings, and contains a dye, water, an organic solvent, and a compound represented by the following chemical formula (2). [0013] According to the present inventors, although the details are not clear, since the compound shown in Chemical formula 2 protects the dye in the ink and enhances the dispersibility, the dye is decomposed by heating the ink. Is believed to be prevented as much as possible. Thereby, it is considered that the ink according to the present invention can prevent the occurrence of kogation. DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION Hereinafter, the ink to which the present invention is applied will be described in detail. The ink to which the present invention is applied is used, for example, in a thermal inkjet printer having a printer head 1 as shown in FIG. With the thermal method, bubbles are generated by local heating of the ink,
In this method, ink is extruded from a discharge port by the bubble and discharged onto a recording medium. According to the thermal method, a color image can be printed with a simple configuration. In the head frame 2 of the printer head 1 shown in FIG. 1, a slit-shaped ink supply hole 2a is formed at the center. On one surface of the head frame 2, Si
A plurality of head chips 3 formed of a substrate are attached. The head chips 3 are arranged on both sides of the ink supply holes 2 a on the head frame 2. And FIG.
As shown in FIG. 5, a plurality of heating elements 3a are arranged in a line on the ink supply hole 2a side of the head chip 3, and connection terminals 3b corresponding to the heating elements 3a are arranged in a row on the opposite side. I have. As shown in FIG. 3, a nozzle plate 5 having a plurality of nozzles 5a is provided on the head chip 3 via a member 4 for forming a plurality of ink chambers 4a and a flow path 4b. Are arranged. The member 4 is made of a photosensitive resin such as a so-called dry film photoresist, and each heating element 3a in which each liquid chamber 4a is arranged on the head chip 3.
And each flow path 4b is formed to extend from each liquid chamber 4a to an end of the head chip 3. The nozzle plate 5 is manufactured by electroforming nickel or a material containing nickel, and is corrosion-resistant plated with gold or palladium to prevent corrosion by ink. Are formed so as to correspond one-to-one to the respective heating elements 3a. That is, each liquid chamber 4 a is communicated with a flow path 4 b formed in the member 4 and a nozzle 5 a formed in the nozzle plate 5. An ink tank 7 is attached to the other surface of the head frame 2 via a filter 6. The filter 6 is attached so as to cover the ink supply hole 2a, and serves to prevent dust or aggregates of ink components from entering the nozzle 5a from the ink tank 7. The ink tank 7 has a double structure of a bag 7a and an outer casing 7b. A spring member is provided between the bag 7a and the outer casing 7b so as to spread the bag 7a outward. As a result, a negative pressure is applied to the ink, and it is possible to prevent the ink from leaking from the nozzle 5a naturally. Further, since the negative pressure is set to be smaller than the capillary force of the nozzle 5a, the ink is discharged from the nozzle 5a.
Can be prevented from being drawn into. A so-called FPC (Flexible Printed Circuit) is provided on a portion extending from the head chip 3 to the outer peripheral surface of the ink tank 7 through the outside of the head frame 2.
The electric wiring 8 is adhered. Electrical wiring 8
Supplies power and electric signals to the head chip 3, and is connected to a connection terminal 3 b of the head chip 3. The heating element 3a is formed by depositing a resistive material such as tantalum, tantalum aluminum, or titanium nitride on a predetermined substrate by a sputtering method widely used in a semiconductor forming process, and forming an Al electrode on the upper layer. After formation, a protective layer such as a silicon nitride film is formed.
In the printer head 1, a cavitation-resistant layer of a tantalum film, a liquid chamber 4a for ink, and a nozzle 5a are formed on the protective layer, so that the ink in the liquid chamber 4a can be heated by the heat generated by the heating element 3a. Is done. Furthermore, the printer head 1 is a MOS (Metal Oxide Semico)
An nductor) type transistor and a bipolar type transistor are configured to be able to supply power to the heating element 3a, and a predetermined drive circuit is configured to control the operation of the transistor. Drops can be attached to a recording medium. In the thermal type ink jet printer configured as described above, ink is supplied from the ink tank 7 to the ink supply hole 2a, and is supplied to the liquid chamber 4a through the flow path 4b. Here, the nozzle 5a is formed in a circular shape, and at the tip of the nozzle 5a, a so-called meniscus is formed in which the center of the ink surface is concave due to the negative pressure of the ink. Then, when a drive voltage is applied to the heating element 3a, the heating element 3a generates heat and locally heats the ink. In the printer head 1, the heating generates nuclear bubbles on the side surface of the heating element 3a of the liquid chamber 4a, and the bubbles combine to grow into film bubbles. Printer head 1
Causes the ink particles to be ejected from the nozzle 5a and fly to the printing target due to the increase in pressure due to the bubble. Thus, in a printer using the printer head 1, ink is sequentially attached to a printing target by intermittent heating of the heating element 3a to produce a desired image. In a thermal ink-jet printer having the above-described printer head 1, if a conventional ink composed of a dye, water and an organic solvent is used, foreign substances such as decomposed products of the dye and impurities are generated with the use of the ink. Kogation accumulated on the surface of the heating element 3a occurred. According to researchers, when observing the surface of the heating element 3a using a microscope or the like, if kogation occurs on the surface of the heating element 3a, the heating element 3a cannot sufficiently heat the ink, so that bubbles are generated. It has been confirmed that it is inhibited. As described above, when kogation occurs on the surface of the heating element 3a, the heating of the ink by the heating element 3a becomes insufficient, so that the ink ejection speed is reduced and the ejection of ink droplets is hindered. The problem had arisen. On the other hand, the ink to which the present invention is applied contains a dye, water, an organic solvent, and a compound represented by the following formula (3). Embedded image According to the present inventors, although the details are not clear, since the compound shown in Chemical formula 3 protects the dye in the ink and enhances the dispersibility, the dye is decomposed by heating the ink. Is believed to be prevented as much as possible. Therefore, according to the ink of the present invention, occurrence of kogation can be prevented. In particular, in an ink jet printer of a thermal system, when the ink to which the present invention is applied is used, the occurrence of kogation on the surface of the heating element 3a is suppressed. Is good, and high-quality recording is possible. The amount of the compound represented by Chemical Formula 3 in the ink is preferably 0.5% by weight or more and 10% by weight or less, more preferably 1% by weight or more and 10% by weight or less. The amount of the compound shown in Chemical formula 3 is 0.5% by weight.
If it is less than the above, there is a possibility that the effect of preventing the occurrence of kogation on the surface of the heating element 3a may not be sufficiently obtained. On the other hand, if the amount of the compound shown in Chemical Formula 3 exceeds 10% by weight, the effect of preventing the occurrence of kogation on the surface of the heating element 3a can be obtained, but the ink inherently records an image on a recording medium such as paper. There is a possibility that the performance of the device may be reduced. The compound represented by Chemical formula 3 as described above can be synthesized by a general method of adding ethylene oxide. That is, it can be synthesized by adding ethylene oxide to ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol or the like as a starting material. Specifically, the compound shown in Chemical formula 3 can be synthesized by heating tetraethylene glycol monobutyl ether using potassium hydroxide as a catalyst and injecting ethylene oxide. As the dye contained in the ink, any of water-soluble dyes such as direct dyes, acid dyes and reactive dyes can be used. Specifically, as a yellow-based direct dye,
C. I. Direct Yellow 1, 8, 11, and 1
2, 24, 26, 27, 28, 33, 3
9, 44, 50, 58, 85, 86, 8
7, 88, 89, 98, 100, 110, etc. can be used. As a magenta-based direct dye, C.I.
I. Direct Red 1, Same 2, Same 4, Same 9, Same 11,
13, 13, 20, 23, 24, 28, 31, 33, 37, 39, 44, 46, 6
2, 63, 75, 79, 80, 81, 8
3, 84, 89, 95, 99, 113, 1
97, 201, 218, 220, 224, 2
25, 226, 227, 228, 229, 2
30, 321 and the like can be used. Further, as a cyan-based direct dye, C.I. I. Direct Blue 1, 2, 6, 8, 15, 15, 22, 25, 41, 71,
76, 77, 78, 80, 86, 90, 98, 106, 108, 120, 158, 1
60, 163, 165, 168, 192, 1
93, 194, 195, 196, 199, 2
00, 201, 202, 203, 207, 2
25, 226, 236, 237, 246, 2
48 and 249 can be used. Further, as a black direct dye, C.I. I. Direct Black 17, 1
9, 22, 32, 38, 51, 56, 6
2, 71, 74, 75, 77, 94, 10
5, 106, 107, 108, 112, 11
3, 117, 118, 132, 133, 14
6 etc. can be used. As a yellow acid dye, C.I.
I. Acid Blue 1, 3, 7, 11, 11, 17
19, 23, 25, 29, 36, 38, 40, 42, 44, 49, 59, 61, 7
0, 72, 75, 76, 78, 79, 9
8, 99, 110, 111, 112, 11
4, 116, 118, 119, 127, 12
8, 131, 135, 141, 142, 16
1, 162, 163, 164, and 165 can be used. As magenta acid dyes, C.I. I.
Acid Red 1, 6, 8, 9, 13, 13
4, 18, 18, 26, 32, 35, 3
7, 42, 51, 52, 57, 75, 7
7, 80, 82, 83, 85, 87, 8
8, 89, 92, 94, 97, 106, 1
11, 114, 115, 117, 118, 1
19, 129, 130, 131, 133, 1
34, 138, 143, 145, 154, 1
55, 158, 168, 180, 183, 1
84, 186, 194, 198, 199, 2
09, 211, 215, 216, 217, 2
19, 249, 252, 254, 256, 2
57, 262, 265, 266, 274, 2
76, 282, 283, 303, 317, 3
18, 320, 321 and 322 can be used.
As a cyan acid dye, C.I. I. Acid Blue 1, 7, 7, 9, 15, 22, 23, 25, 27, 29, 40, 41, 43, 45, 5
4, 59, 60, 62, 72, 74, 7
8, 80, 82, 83, 90, 92, 9
3, 100, 102, 103, 104, 11
2, 113, 8117, 120, 126, 1
27, 129, 130, 131, 138, 1
40, 142, 143, 151, 154, 1
58, 161, 166, 167, 168, 1
70, 171, 175, 182, 183, 1
84, 187, 192, 199, 203, 2
04, 205, 229, 234, and 236 can be used. As a black acid dye, C.I. I. Acid Black 1, 2, 7, 24, 26, 2
9, same 31, same 44, same 48, same 50, same 51, same 5
2, 58, 60, 62, 63, 64, 6
7, 72, 76, 77, 94, 107, 1
08, 109, 110, 112, 115, 1
18, 119, 121, 122, 131, 1
32, 139, 140, 155, 156, 1
57, 158, 159, and 191 can be used. As the water-soluble organic solvent contained in the ink, aliphatic monohydric alcohols, polyhydric alcohols, polyhydric alcohol derivatives and the like can be used. Specifically, as the aliphatic monohydric alcohol, lower alcohols such as methyl alcohol, ethyl alcohol, n-propyl alcohol, i-propyl alcohol, n-butyl alcohol, s-butyl alcohol, t-butyl alcohol, etc. Can be used. In particular, among these aliphatic monohydric alcohols, it is preferable to use ethyl alcohol, i-propyl alcohol, and n-butyl alcohol. These aliphatic monohydric alcohols have the effect of adjusting the surface tension of the ink and improving the penetrability into recording media such as plain paper and special paper, the dot forming property, and the drying property of the printed image. Since it is high, it is preferable to be contained in the ink. As the polyhydric alcohol, alkylene glycols such as ethylene glycol, diethylene glycol, triethylene glycol, propylene glycol, butylene glycol and glycerol, polyalkylene glycols such as polyethylene glycol and polypropylene glycol, and thiodiglycol can be used. . As the polyhydric alcohol derivative, lower alkyl ethers of the above-mentioned polyhydric alcohol such as ethylene glycol dimethyl ether, lower carboxylic acid esters of the above-mentioned polyhydric alcohol such as ethylene glycol diacetate and the like can be used. These polyhydric alcohols and polyhydric alcohol derivatives hardly evaporate and lower the freezing point of the ink.
Improves the storage stability of the ink and improves the nozzle 5a of the printer.
Is preferably contained in the ink since it has an effect of preventing clogging. In the ink, water-soluble organic solvents such as the above-mentioned aliphatic monohydric alcohols, polyhydric alcohols and polyhydric alcohol derivatives, and additives such as surfactants, pH adjusters, preservatives and chelating agents are added. May be contained as necessary. EXAMPLES Hereinafter, inks to which the present invention is applied will be described in detail based on specific experimental results. Example 1 An ink was prepared by mixing the following materials in the following proportions and stirring with a mixer. <Ink Composition> 4% by weight of dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Haier Co., Ltd.) Organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 10% by weight of water 75.5% by weight Example 2 An ink was prepared by mixing the following materials in the following proportions and stirring with a mixer. <Ink composition> 4% by weight of a dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Bayer AG) 4% by weight of organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 10% by weight of water 75% by weight of water The compound shown is 1.0% by weight. Example 3 The following materials were mixed at the following ratios and stirred by a mixer to prepare an ink. <Ink composition> 4% by weight of a dye (trade name: CI DirectFlut 199, manufactured by Bayer AG)-Organic solvent: 10% by weight of glycerin-76% by weight of water-10% by weight of the compound shown in Chemical formula 3 Example 4 An ink was prepared by mixing the following materials in the following ratio and stirring with a mixer. <Ink composition> 5% by weight of dye (trade name: Flack dye MJA371, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, BA)-Organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 0.3% by weight of triethanolamine % Nonionic surfactant (trade name: Nonipore 95, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.) 0.2% by weight 69.5% by weight of water 5% by weight of the compound shown in Chemical formula 3 Comparative Example 1 And stirred with a mixer to prepare an ink. [0055] <Ink composition> Dye (trade name: CI data Bu Irekutofu Bu Lu 199, Bayer Corporation, BA) 4 wt% Organic solvent: ethylene glycol 10 wt% Diethylene glycol 10 wt% - 80 wt% water [0056] Comparison Example 2 An ink was prepared by mixing the following materials in the following proportions and stirring with a mixer. <Ink composition> 4% by weight of dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Bayer AG) 4% by weight of organic solvent: 10.5% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 10% by weight of water 75.5% by weight of water Comparative Example 3 An ink was prepared by mixing the following materials in the following ratio and stirring with a mixer. <Ink composition> 4% by weight of dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Bayer Co., Ltd.)-Organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 10.5% by weight of diethylene glycol-75.5% by weight of water Comparative Example 4 An ink was prepared by mixing the following materials in the following ratio and stirring with a mixer. <Ink composition> 4% by weight of dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Bayer AG)-Organic solvent: 10% by weight of glycerin-86% by weight of Comparative Example 5 The ink was prepared by mixing at the following ratio and stirring with a mixer. <Ink composition> 4% by weight of a dye (trade name: CI Direct Blue 199, manufactured by Bayer AG)-Organic solvent: 20% by weight of glycerin-76% by weight of water Comparative Example 6 The following materials were used. The ink was prepared by mixing at the following ratio and stirring with a mixer. <Ink Composition> 5% by weight of dye (trade name: Flack Dye MJA371, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, BA) 5% by weight of organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 0.3% by weight of triethanolamine % Nonionic surfactant (trade name: Nonipore 95, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.) 0.2% by weight Water 74.5% by weight Comparative Example 7 The following materials were mixed in the following ratio and stirred with a mixer. Thus, an ink was prepared. <Composition of ink> 5% by weight of dye (trade name: Flack Dye MJA371, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, BA) 5% by weight of organic solvent: 15% by weight of ethylene glycol 10% by weight of diethylene glycol 0.3% by weight of triethanolamine % Nonionic surfactant (trade name: Nonipore 95, manufactured by Sanyo Chemical Co., Ltd.) 0.2% by weight Water 69.5% by weight Comparative Example 8 The following materials were mixed in the following ratio and stirred with a mixer. Thus, an ink was prepared. <Ink Composition> 5% by weight of a dye (trade name: Flack Dye MJA371, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation, BA)-Organic solvent: 10% by weight of ethylene glycol 15% by weight of diethylene glycol 0.3% by weight of triethanolamine % Nonionic surfactant (trade name: Nonipore 95, manufactured by Sanyo Chemical) 0.2% by weight 69.5% by weight of water Examples 1 to 4 and Comparative Examples 1 to 6 prepared as described above. Using the ink of Comparative Example 8, ink droplets were ejected from the head using a thermal inkjet printer having the printer head shown in FIGS. 1 to 3 and recorded on plain paper (XEROX4024 (75 g / m 2 )). Was performed. In the discharge experiment, the nozzle diameter was 20 μm,
Discharge of 200 million pulses was performed at a heating resistor, a resistance value of 135Ω, a driving voltage of 11 V, and a driving frequency of 10 kHz. Then, the initial ejection speed and the ejection speed after 200 million pulses were measured, and the amount of change in the ejection speed (rate of decrease in the ejection speed) was measured. Further, the surface of the heating element after the ejection of 200 million pulses was observed, and the presence of deposits, that is, the presence or absence of kogation was confirmed. Note that, on the surface of the heating element, a state in which almost no deposits were observed was evaluated as “、”, a state in which some deposits were observed was evaluated as “Δ”, and a state in which deposits were observed was evaluated as “x”. Furthermore, the thickness of the deposit was measured using a color laser microscope (trade name: VK-8500, manufactured by Keyence Corporation). The above measurement results and evaluation are shown in Table 1 below. [Table 1] From Table 1, when the inks of Examples 1 to 4 are used for the compounds represented by Chemical Formula 3, the change in the discharge speed after printing 200 million pulses is 20% or less, and the reduction rate is practically usable. It can be seen that the range is as follows. Further, the thickness of the deposits adhered to the surface of the heating element was 0.8 μm or less in each case, indicating that the amount of the deposit on the surface of the heating element was extremely small. In particular, in Example 1, only a small amount of deposit was confirmed, and in Examples 3 and 4, almost no deposit was confirmed, and it was confirmed that the surface of the heating element was colored. . On the other hand, when the inks of Comparative Examples 1 to 8 were used, the change in the ejection speed after printing 200 million pulses was 2
Since it exceeds 0%, it can be seen that the rate of decrease in the discharge speed is too large to be practical. Further, the thickness of the deposits attached to the surface of the heating element exceeded 0.8 μm in each case, indicating that the amount of the deposit on the surface of the heating element was extremely large. In Comparative Examples 1 to 8, the content of water or the organic solvent was appropriately changed, but kogation occurred regardless of the ink used. That is, it can be said that the amount of the water-soluble solvent contained in the ink does not affect kogation, that is, generation of deposits. From the above measurement results, it can be seen that, when an ink containing a dye, water, an organic solvent, and the compound shown in Chemical formula 3 is applied to a thermal inkjet printer, the occurrence of kogation can be suppressed. . In addition,
It can be seen that, as the content of the compound shown in (1) increases, the rate of decrease in the discharge speed decreases, and the thickness of the deposit also decreases. As is apparent from the above description, according to the ink of the present invention, in a thermal ink jet printer, the occurrence of kogation on the surface of the heating element can be suppressed, and the ink can be used for a long time. High discharge speed, good ink droplet discharge, and high-quality recording.
【図面の簡単な説明】
【図１】プリンタヘッドを示す模式図である。
【図２】ヘッドチップを示す模式図である。
【図３】インク流路を示す模式図である。
【符号の説明】
１ プリンタヘッド、２ ヘッドフレーム、２ａ イン
ク供給孔、３ ヘッドチップ、３ａ 発熱素子、３ｂ
接続端子、４ 部材、４ａ 液室、４ｂ 流路、５ ノ
ズルプレート、５ａ ノズル、６ フィルタ、７ イン
クタンク、７ａ袋、７ｂ 外筐、８ 電気配線、BRIEF DESCRIPTION OF THE DRAWINGS FIG. 1 is a schematic diagram showing a printer head. FIG. 2 is a schematic diagram showing a head chip. FIG. 3 is a schematic diagram illustrating an ink flow path. [Description of Signs] 1 printer head, 2 head frame, 2a ink supply hole, 3 head chip, 3a heating element, 3b
Connection terminal, 4 members, 4a liquid chamber, 4b flow path, 5 nozzle plate, 5a nozzle, 6 filter, 7 ink tank, 7a bag, 7b outer casing, 8 electric wiring,
フロントページの続き
Ｆターム(参考） 2C056 FA03 FC01 FC02
2H086 BA52 BA53 BA56 BA59
4J039 AE07 BC07 BC10 BC12 BE02
BE12 CA03 CA06 EA46 GA24Continuation of front page
F term (reference) 2C056 FA03 FC01 FC02
2H086 BA52 BA53 BA56 BA59
4J039 AE07 BC07 BC10 BC12 BE02
BE12 CA03 CA06 EA46 GA24