JP2003044087A - 騒音抑圧装置、騒音抑圧方法、音声識別装置、通信機器および補聴器 - Google Patents

騒音抑圧装置、騒音抑圧方法、音声識別装置、通信機器および補聴器

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JP2003044087A
JP2003044087A JP2001236872A JP2001236872A JP2003044087A JP 2003044087 A JP2003044087 A JP 2003044087A JP 2001236872 A JP2001236872 A JP 2001236872A JP 2001236872 A JP2001236872 A JP 2001236872A JP 2003044087 A JP2003044087 A JP 2003044087A
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signal
noise
amplitude
coefficient
noise suppression
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Kazuhiro Nakamura
一啓 中村
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力信号スペクトル成分から騒音信号スペク
トル成分を減算することによって精度良い騒音検出を行
い、十分な騒音抑圧性能を有する騒音抑圧装置を提供す
ること。 【解決手段】 遅延器103は複数のマイクロホン10
1に入力される音声信号を遅延させ、減算器104は入
力信号から音声信号を減算する。分割処理器105およ
び分割処理器106はマイクロホン101の入力信号か
ら音声信号を減算した信号を複数の周波数帯の信号に分
割し、係数乗算器109は各周波数帯毎に騒音抑圧係数
を乗算し、合成処理器111は複数の周波数帯に分割さ
れた信号を時間領域の信号に合成する。振幅算出器10
7で算出されたマイクロホン101の入力信号の振幅値
と、振幅算出器108で算出された入力信号から音声信
号を減算した信号の振幅値とに基づき、係数算出器11
0により騒音抑圧係数を算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声信号に含まれ
る騒音成分を抑圧する騒音抑圧装置および騒音抑圧方法
に関するものである。さらに詳しくは、例えば、音声信
号に騒音信号が重畳された信号が入力された場合に、入
力信号のスペクトル成分から騒音信号のスペクトルを減
算することによって、騒音信号を抑圧する騒音抑圧装置
および騒音抑圧方法に関するものである。
【0002】また、本発明は騒音抑圧装置および騒音抑
圧方法を応用した音声認識装置、通信機器および補聴器
に関するものである。
【0003】
【従来の技術】従来、この種の騒音抑圧装置は、入力信
号を複数の周波数帯の信号に分割する分割処理器と、周
波数分割された信号の振幅成分を算出する振幅算出器
と、入力信号の振幅成分を用いて騒音の振幅成分を推定
する騒音推定器と、騒音抑圧係数を算出する係数算出器
と、周波数分割された信号に騒音抑圧係数を乗算する係
数乗算器と、周波数分割された信号を時間領域の信号に
合成する合成処理器とを備えていた。文献 Suppressio
n of Acoustic Noise in Speech Using Spectral Subtr
action(IEEE Transactions on Acoustic, Speech, and
Signal Processing,vol. ASSP-27,No.2,April,1979)参
照。
【0004】図10は、従来の騒音抑圧装置の概略構成
を示すブロック図である。図10に示すように、従来の
騒音抑圧装置1000は、入力信号を複数の周波数帯の
信号に分割する分割処理器1001と、周波数分割され
た信号の振幅成分を算出する振幅算出器1002と、入
力信号の振幅成分を用いて騒音の振幅成分を推定する騒
音推定器1003と、騒音抑圧係数を算出する係数算出
器1004と、周波数分割された信号に騒音抑圧係数を
乗算する係数乗算器1005と、周波数分割された信号
を時間領域の信号に合成する合成処理器1006とを備
えたものである。
【0005】次に上記従来例の騒音抑圧装置の動作につ
いて説明する。図10に示すように、音声信号に騒音信
号が重畳された入力信号は、分割処理器1001によっ
て複数の周波数帯の信号に分割される。分割処理器10
01の分割処理方法としては、フーリエ変換のように時
間−周波数変換による分割処理による方法、または、サ
ブバンド分割処理のように複数のバンドパスフィルタを
有するような構成により、周波数帯域を分割する方法が
用いられる。分割処理器1001によって複数の周波数
帯に分割された信号は、係数乗算器1005によって騒
音抑圧係数が掛けられる。係数乗算器1005の騒音抑
圧係数は、入力信号に含まれる各周波数帯毎の騒音の量
に応じて算出されている。例えば、音声信号のみが含ま
れる周波数帯では、騒音抑圧係数は1となり、騒音信号
のみが含まれる周波数帯では、騒音抑圧係数は0または
十分に小さな値とする。係数乗算器1005によって騒
音抑圧をされた音声信号は、合成処理器1006によっ
て周波数軸上の信号から時間軸上の信号に合成される。
合成処理器1006の処理方法は、分割処理器1001
の逆フーリエ変換、またはサブバンド合成処理を使用す
る。分割処理器1001により周波数分割された信号
は、また、振幅算出器1002に入力される。振幅算出
器1002は、入力信号の分割処理器1001により分
割された周波数単位毎の振幅値を算出、または複数の分
割周波数をまとめた周波数帯毎の入力信号の振幅値を算
出する。騒音推定器1003は、振幅算出器1002に
より算出された入力信号の振幅成分を用い、各周波数単
位毎、または複数の分割周波数をまとめた周波数帯毎の
騒音の振幅成分を推定する。係数算出器1004は、振
幅算出器1002により算出された入力信号の振幅成分
と、騒音推定器1003により推定された騒音信号の振
幅成分を用いて係数を算出する。
【0006】次に、係数算出器1004の騒音抑圧係数
の算出方法について説明する。いま、音声信号をs
(n)、騒音信号をn(n)とすると、音声信号に騒音
信号が重畳された入力信号X(n)は、下記式(1)で
表される。
【数1】 また、そのフーリエ変換は、
【数2】 となる。騒音信号は定常状態にあると仮定し、音声信号
と騒音信号は無相関でありエネルギ加算と、音声信号の
推定信号s’(n)のフーリエ変換S’(ω)を表す数
式(3)が成り立つものとする。
【数3】 また、数式(3)を変形すると、数式(4)となる。
【数4】 ただし、
【数5】 である。以下、周波数帯番号を表すkを用いて、数式
(4)を数式(6)のように、数式(5)を数式(7)
のように表す。
【数6】
【数7】 数式(6)および数式(7)は、入力信号の振幅から騒
音信号の振幅を減算した値を入力信号の振幅で割ったも
のを騒音抑圧係数として、入力信号に乗算すると、音声
信号が復元できることを示している。
【0007】次に、騒音推定器1003の動作を、図1
1を用いて説明する。図11は、騒音推定方法の手順を
示したフローチャートの一例であり、ステップ1101
では推定した騒音振幅と入力信号の振幅を比較し、ステ
ップ1102では推定した騒音振幅を更新し、ステップ
1103では騒音振幅値を入力信号の振幅値に設定する
ものである。
【0008】図11において、iを時間フレーム番号を
表す添え字とする。振幅比較をするステップ1101で
は、現在のフレームの入力信号振幅値Xi(k)と一つ
前のフレームで推定した騒音振幅値Ni-1(k)とが比
較される。一つ前のフレームで推定した騒音振幅値N
i-1(k)の方が現在のフレームの入力信号振幅値X
i(k)よりも大きい場合には、振幅更新をするステッ
プ1102によって一つ前のフレームで推定した騒音振
幅値Ni-1(k)は更新量Lupだけ更新され、現在の
フレームにおける新しい騒音推定振幅値Ni(k)とな
る。また、一つ前のフレームで推定した騒音振幅値N
i-1(k)の方が入力信号の振幅値Xi(k)よりも小さ
い場合には、振幅設定をするステップ1103によって
新しい騒音推定振幅値は入力信号の振幅値Xi(k)に
置き換えられる。更新量Lupは1より大きな値で、例
えば0.1dBから3dB程度の更新量となるように設
定される。騒音振幅値Ni-1(k)の方が入力信号の振
幅値Xi(k)よりも小さい場合にN i(k)=X
i(k)とすることは、音節間の非音声区間における騒
音信号レベルを検出することになる。また、騒音振幅値
i-1(k)の方が入力信号の振幅値Xi(k)よりも大
きい場合にはNi(k)=Ni(k)*Lupとすること
は、騒音信号レベルが上昇しているときに推定騒音振幅
値を少しずつ上昇させるために、変動する騒音も推定す
ることができる。推定騒音振幅値を少しずつ上昇させる
のは、音声区間において音声信号に過度に反応しないよ
うにするためである。
【0009】以上図11のフローチャートのように、図
10における騒音推定をする騒音推定器1003は、振
幅算出をする振幅算出器1002によって算出された入
力信号の振幅値を用いて、騒音信号の振幅値を推定する
ことができる。
【0010】以上のように、前記従来の騒音抑圧装置で
も、音声信号と騒音信号が無相関でエネルギ加算が成り
立てば、騒音信号の各周波数帯における振幅値を推定
し、各周波数帯における入力信号の振幅値から推定騒音
振幅値を減算することで、騒音抑圧をすることはでき
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の騒音抑圧装置では、騒音信号と音声信号に相
関がある場合には、推定した騒音信号の振幅値が実際の
騒音信号の振幅値と異なるために、音声信号が歪んだ
り、十分な抑圧量が得られないという問題があった。
【0012】本発明は、このような問題を解決するため
になされたもので、精度のよい騒音推定を可能とし、十
分な騒音抑圧ができる優れた騒音抑圧装置および騒音抑
圧方法を提供するものである。また、本発明は、騒音抑
圧装置および騒音抑圧方法を応用した音声認識装置、通
信機器および補聴器を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の騒音抑圧装置
は、複数のマイクロホンの入力信号を遅延させる遅延器
と、前記入力信号から音声信号を減算する減算器と、前
記入力信号および前記減算器の出力を複数の周波数帯の
信号に分割する分割処理器と、この分割処理器の出力の
振幅を算出する振幅算出器と、騒音抑圧係数を算出する
係数算出器と、前記入力信号を複数の周波数帯の信号に
分割した分割処理器の出力に前記騒音抑圧係数を乗算す
る係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑圧した信号
を時間領域の信号に合成する合成処理器とを備え、前記
減算器で減算された信号から音声以外の騒音信号レベル
を推定し、前記マイクロホンの入力信号レベルと前記推
定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出する構成を有
している。この構成により、特定の方向より発せられた
入力信号から音声信号のみを減算した信号を用いて、音
声信号以外の騒音信号の推定が精度よくでき、十分な騒
音抑圧性能を得ることとなる。
【0014】また、本発明の騒音抑圧装置は、前記減算
器の出力の振幅値を更新する振幅更新器を備え、前記推
定する騒音信号レベルは前記減算器の信号振幅値の更新
値とし、突発的な信号に反応しないようにした構成を有
している。この構成により、減算しきれなかった音声信
号や、騒音抑圧処理では抑圧が困難な突発的な信号に反
応することなく騒音が推定でき、音声信号以外の騒音信
号の推定が精度良くでき、十分な騒音抑圧性能を得るこ
ととなる。
【0015】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記減
算器の出力の周波数特性を調整する特性調整フィルタを
備え、前記遅延器および前記減算器によって変化させら
れた周波数特性を元の周波数特性となるように調整する
ようにした構成を有している。この構成により、音声信
号以外の騒音信号の推定が精度良くでき、十分な騒音抑
圧性能が得られることとなる。
【0016】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、複数の
マイクロホンの入力信号を複数の周波数帯の信号に分割
する分割処理器と、前記入力信号の各周波数帯毎の遅延
量と振幅を補正する補正フィルタと、前記補正後の信号
から音声信号を減算する減算器と、前記分割された各周
波数帯の信号の振幅を算出する振幅算出器と、前記減算
器の出力信号の振幅値を更新する振幅更新器と、騒音抑
圧係数を算出する係数算出器と、前記分割された各周波
数帯の信号に前記騒音抑圧係数を乗算する係数乗算器
と、この係数乗算器で騒音を抑圧した信号を時間領域の
信号に合成する合成処理器とを備え、前記減算器で減算
された信号から音声以外の騒音信号レベルを推定し、前
記マイクロホンの入力信号レベルと前記推定した騒音レ
ベルから騒音抑圧係数を算出する構成を有している。こ
の構成により、音声信号以外の騒音信号の推定が精度良
くでき、十分な騒音抑圧性能を得ることができる。ま
た、入力信号に対して遅延量と振幅を同時に補正するフ
ィルタを用いているため、入力信号から音声信号を減算
するときの減算性能を高くすることとなる。
【0017】さらに、本発明の騒音抑圧装置は、前記補
正フィルタの遅延量と振幅を制御するフィルタ制御器を
備え、音声信号源の方向に応じて前記補正フィルタの遅
延量と振幅を制御するようにした構成を有している。こ
の構成により、音声信号源の方向に応じて前記補正フィ
ルタの遅延量と振幅の制御ができ、音声信号源の方向が
変化しても入力信号から音声信号を減算するときの減算
性能を高くすることができ、音声信号以外の騒音信号の
推定が精度良くできるので、十分な騒音抑圧性能を得る
こととなる。
【0018】本発明の騒音抑圧方法は、入力信号を遅延
させる入力信号遅延工程と、この入力信号遅延工程後の
信号から音声信号を減算する音声信号減算工程と、この
音声信号減算工程後の信号を複数の周波数帯の信号に分
割する減算信号分割処理工程と、この減算信号分割処理
工程後の信号の周波数特性を調整する減算信号特性調整
工程と、この減算信号特性調整工程後の信号の振幅を算
出する減算信号振幅算出工程と、この減算信号振幅算出
工程後の信号の振幅値を更新する減算信号振幅更新工程
と、前記入力信号を複数の周波数帯の信号に分割する入
力信号分割処理工程と、この入力信号分割処理工程後の
信号の振幅を算出する入力信号振幅算出工程と、この入
力信号振幅算出工程後の信号と前記減算信号振幅更新工
程後の信号から騒音抑圧係数を算出する騒音抑圧係数算
出工程と、前記入力信号分割処理工程後の信号に前記騒
音抑圧係数を乗算する騒音抑圧係数乗算工程と、この騒
音抑圧係数乗算工程で騒音を抑圧した信号を時間領域の
信号に合成する合成処理工程とを包含し、前記音声信号
減算工程で減算された信号から音声以外の騒音信号レベ
ルを推定し、入力信号レベルと前記推定した騒音信号レ
ベルから騒音抑圧係数を算出する方法を有している。こ
の方法により、音声信号以外の騒音信号の推定が精度良
くできるので、十分な騒音抑圧性能を得ることとなる。
【0019】本発明の音声認識装置は、複数のマイクロ
ホンの入力信号を遅延させる遅延器と、前記入力信号か
ら音声信号を減算する減算器と、前記入力信号および前
記減算器の出力を複数の周波数帯の信号に分割する分割
処理器と、この分割処理器の出力の振幅を算出する振幅
算出器と、騒音抑圧係数を算出する係数算出器と、前記
入力信号を複数の周波数帯の信号に分割した分割処理器
の出力に前記騒音抑圧係数を乗算する係数乗算器と、こ
の係数乗算器で騒音を抑圧した信号を時間領域の信号に
合成する合成処理器とを備え、前記減算器で減算された
信号から音声以外の騒音信号レベルを推定し、前記マイ
クロホンの入力信号レベルと前記推定した騒音レベルか
ら騒音抑圧係数を算出する騒音抑圧装置と、音声を分析
して音声を認識処理する音声認識処理器と、認識された
音声信号に基づきプログラムの演算を行う中央演算装置
とを備え、前記騒音抑圧装置によって騒音抑圧をされた
音声信号を用いて音声識別をする構成を有している。こ
の構成により、前記騒音抑圧装置によって騒音が抑圧さ
れた音声信号を用いて音声認識をするので、高い音声認
識性能を得ることとなる。
【0020】本発明の通信機器は、複数のマイクロホン
の入力信号を遅延させる遅延器と、前記入力信号から音
声信号を減算する減算器と、前記入力信号および前記減
算器の出力を複数の周波数帯の信号に分割する分割処理
器と、この分割処理器の出力の振幅を算出する振幅算出
器と、騒音抑圧係数を算出する係数算出器と、前記入力
信号を複数の周波数帯の信号に分割した分割処理器の出
力に前記騒音抑圧係数を乗算する係数乗算器と、この係
数乗算器で騒音を抑圧した信号を時間領域の信号に合成
する合成処理器とを備え、前記減算器で減算された信号
から音声以外の騒音信号レベルを推定し、前記マイクロ
ホンの入力信号レベルと前記推定した騒音レベルから騒
音抑圧係数を算出する騒音抑圧装置と、音声をコード化
するエンコード装置と、このエンコード装置でエンコー
ドされた音声を電波およびネットワーク等を介して送信
する送信装置とを備え、前記騒音抑圧装置によって騒音
抑圧された音声信号を送信する構成を有している。この
構成により、前記騒音抑圧装置によって騒音が抑圧され
た音声信号を送信するので、騒音にマスキングされない
明瞭性の高い音声信号を送信することとなる。
【0021】本発明の補聴器は、複数のマイクロホンの
入力信号を遅延させる遅延器と、前記入力信号から音声
信号を減算する減算器と、前記入力信号および前記減算
器の出力を複数の周波数帯の信号に分割する分割処理器
と、この分割処理器の出力の振幅を算出する振幅算出器
と、騒音抑圧係数を算出する係数算出器と、前記入力信
号を複数の周波数帯の信号に分割した分割処理器の出力
に前記騒音抑圧係数を乗算する係数乗算器と、この係数
乗算器で騒音を抑圧した信号を時間領域の信号に合成す
る合成処理器とを備え、前記減算器で減算された信号か
ら音声以外の騒音信号レベルを推定し、前記マイクロホ
ンの入力信号レベルと前記推定した騒音レベルから騒音
抑圧係数を算出する騒音抑圧装置と、難聴者に対して正
常な聴取ができるように処理を行う補聴処理器と、補聴
処理後の信号を増幅するアンプと、信号を再生するスピ
ーカとを備え、前記騒音抑圧装置によって騒音が抑圧さ
れた音声信号に対して補聴処理を行う構成を有してい
る。この構成により、前記騒音抑圧装置によって騒音が
抑圧された音声信号に対して補聴処理を行うので、聴取
したくない騒音信号が抑圧され、目的とする音声信号を
明瞭に聴取することとなる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を用いて説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態に係る騒音抑圧装置の概略構成を示すブロック図
である。マイクロホン101は音声信号を集音するもの
である。本発明の第1の実施形態に係る騒音抑圧装置1
02は、マイクロホン101の入力信号を遅延させる遅
延器103と、入力信号から音声信号を減算するための
減算器104と、信号を複数の周波数帯の信号に分割す
る分割処理器105および106と、各周波数帯毎の振
幅成分を算出する振幅算出器107および振幅算出器1
08と、マイクロホン101の入力信号から音声信号を
減算した信号の振幅成分を用いて騒音抑圧係数を算出す
る係数算出器110と、周波数分割された信号に騒音抑
圧係数を乗算する係数乗算器109と、周波数分割され
た信号を時間信号に合成する合成処理器111とを備え
る。
【0023】次に前記第1の実施形態の動作について説
明する。図1に示されたマイクロホン101に入力され
た信号は、マイクロホン101に入力された音声信号の
遅延差の分だけ遅延器103によって遅延させられる。
遅延器103の遅延量は、音声信号源の方向がわかって
いれば、信号源からマイクロホン101までの距離差か
ら算出する。また、2つのマイクロホン101への入力
信号の相互相関が一番高くなるように遅延量を調整す
る。減算器104は入力信号から音声信号を減算する。
いま騒音源が音声信号源の方向と異なる方向に1つだけ
あり、マイクロホン101に入力される信号X1(n)
とX2(n)がそれぞれ、式(8)、式(9)で表せる
とする。
【数8】
【数9】 ただし、s(n)は音声信号、N(n)は騒音信号、D
は音声信号がマイクロホン101に入力したときの遅延
差、dは騒音信号がマイクロホン101に入力したとき
の遅延差である。遅延器103は、X2(n)をDだけ
遅延させる。遅延器103の出力信号は、式(10)と
なる。
【数10】 減算器104は式(8)から式(10)を減算する。従
って、入力信号から音声信号を消去することになる。減
算器104の出力信号は、
【数11】 となる。音声信号と騒音信号が含まれる信号は分割処理
器105によって、また入力信号から音声信号が減算さ
れた減算器104の出力信号は、分割処理器106によ
って複数の周波数帯の信号に分割される。分割処理器1
05の出力信号は、係数乗算器109によって騒音抑圧
係数が乗算され、合成処理器111によって周波数軸上
の信号から時間軸上の信号に合成される。分割処理器1
05および106の出力信号は、それぞれ振幅算出器1
07および108によって各周波数帯毎の振幅成分が算
出される。係数算出器110は、音声と騒音が含まれる
信号の振幅成分である振幅算出器107の出力信号と、
入力信号から音声信号が減算された、つまり騒音信号の
みの振幅成分である振幅算出器108の出力信号から、
騒音抑圧係数を算出する。係数算出器110で算出され
る騒音抑圧係数は、前記従来例と同様である。
【0024】以上のように、前記第1の実施例によれ
ば、入力信号から音声信号を減算した信号から音声以外
の騒音信号レベルを推定し、マイクロホンに入力された
音声および騒音を含む信号レベルと推定した騒音信号レ
ベルから騒音抑圧係数を算出することができるので、音
声信号以外の騒音信号の推定が精度良くでき、十分な騒
音抑圧性能を得ることができる。
【0025】図2は、本発明の第2の実施形態に係る騒
音抑圧装置の概略構成を示すブロック図である。マイク
ロホン201は音声信号を集音するものである。本発明
の第2の実施形態に係る騒音抑圧装置202は、マイク
ロホン201の入力信号を遅延させる遅延器203と、
入力信号から音声信号を減算する減算器204と、信号
を複数の周波数帯の信号に変換する分割処理器205お
よび206と、各周波数帯毎の振幅成分を算出する振幅
算出器207および208と、マイクロホン201の入
力信号から音声信号を減算した信号の振幅成分を用いて
騒音抑圧係数を算出する係数算出器210と、周波数分
割された信号に騒音抑圧係数を乗算する係数乗算器20
9と、周波数分割された信号を時間信号に合成する合成
処理器211と、入力信号から音声信号を減算した信号
振幅の更新処理を行う振幅更新器212とを備える。
【0026】次に前記第2の実施形態の動作について説
明する。図2において、遅延器203、減算器204、
分割処理器205および206、振幅算出器207およ
び・208、係数乗算器209、係数算出器210、合
成処理器211の動作は、前記第1の実施例と同様であ
る。
【0027】振幅更新器212は、入力信号から音声信
号が減算された信号の振幅値である振幅算出器208の
出力信号の更新を行う。振幅更新器212で行う処理
は、前記従来例で示した騒音推定処理と同様でも良い
し、式(12)に示すような平均化処理でも良い。
【数12】 ただし、Ni(k)は振幅更新器212によって更新さ
れる騒音信号振幅値、Xi(k)は振幅更新器212の
入力信号振幅値、αは平均化係数、kは周波数帯番号、
iはフレーム番号を表す添え字である。振幅更新器21
2で更新処理を行うのは、減算器204の出力信号に減
算しきれない音声信号が含まれている場合に、減算器2
04の出力信号を抑圧するときに生じる音声信号の歪を
防止するためである。また、係数乗算器209による騒
音抑圧処理において、抑圧が困難な信号に反応すること
なく騒音を推定するためである。
【0028】以上のように、前記第2の実施例によれ
ば、入力信号から音声信号を減算した信号振幅値の更新
値を騒音推定値にすることができるので、減算器で減算
しきれなかった音声信号および騒音抑圧処理では抑圧が
困難な突発的な信号に反応することなく騒音が推定で
き、音声信号以外の騒音信号の推定が精度良くでき、十
分な騒音抑圧性能を得ることができる。
【0029】図3は、本発明の第3の実施形態に係る騒
音抑圧装置の概略構成を示すブロック図である。マイク
ロホン301は音声信号を集音するものである。本発明
の第3の実施形態に係る騒音抑圧装置302は、マイク
ロホン301の入力信号を遅延させる遅延器303と、
入力信号から音声信号を減算するための減算器304
と、信号を複数の周波数帯の信号に変換する分割処理器
305および306と、各周波数帯毎の振幅成分を算出
する振幅算出器307および308と、マイクロホン3
01の入力信号から音声信号を減算した信号の振幅成分
を用いて騒音抑圧係数を算出する係数算出器310と、
周波数分割された信号に騒音抑圧係数を乗算する係数乗
算器309と、周波数分割された信号を時間信号に合成
する合成処理器311と、入力信号から音声信号を減算
した信号振幅の更新処理を行う振幅更新器312と、入
力信号から音声信号を減算した信号振幅の特性調整を行
う特性調整フィルタ313とを備える。
【0030】次に前記第3の実施形態の動作について説
明する。
【0031】図3において、遅延器303、減算器30
4、分割処理器305および306、振幅算出器307
および308、係数乗算器309、係数算出器310、
合成処理器311、振幅更新器312の動作は、前記第
2の実施例と同様である。
【0032】図3において、特性調整フィルタ313
は、減算器304によって音声信号が減算された信号の
振幅特性の調整を行う。式(11)より、減算器304
は入力信号から音声信号を減算し、遅延差の異なる騒音
信号の差となっている。このような場合、反射音が加わ
っているのと同様になるために、騒音信号の振幅が元の
騒音信号とは異なって出力されてしまう。特性調整フィ
ルタ313は、この振幅の変化分を調整するためのもの
であり、各周波数帯毎に最適な調整量に調整すること
で、元の騒音振幅特性を復元しようとするものである。
【0033】以上のように、前記第3の実施例によれ
ば、遅延器および減算器によって変化させられた騒音信
号の振幅周波数特性を、元の振幅周波数特性になるよう
に調整することができるので、音声信号以外の騒音信号
の推定が精度良くでき、十分な騒音抑圧性能を得ること
ができる。
【0034】図4は、本発明の第4の実施形態に係る騒
音抑圧装置の概略構成を示すブロック図である。マイク
ロホン401は音声信号を集音するものである。本発明
の第4の実施形態に係る騒音抑圧装置402は、マイク
ロホン401への入力信号を複数の周波数帯の信号に分
割する分割処理器403および404と、各周波数帯毎
の遅延量と振幅を補正する補正フィルタ405および4
06と、入力信号から音声信号を減算するための減算器
407と、各周波数帯毎の振幅成分を算出する振幅算出
器408および409と、入力信号から音声信号を減算
した信号振幅の更新処理を行う振幅更新器410と、マ
イクロホン401への入力信号から音声信号を減算した
信号の振幅成分を用いて騒音抑圧係数を算出する係数算
出器412と、周波数分割された信号に騒音抑圧係数を
乗算する係数乗算器411と、周波数分割された信号を
時間信号に合成する合成処理器413とを備える。
【0035】次に前記第4の実施形態の動作について説
明する。図4において、分割処理器403および40
4、減算器407、振幅算出器408および409、振
幅更新器410、係数乗算器411、係数算出器41
2、合成処理器413の動作は、前記第2の実施例と同
様である。
【0036】補正フィルタ405および406は、前記
第3の実施例の特性調整フィルタと同様に、振幅の変化
分を補正し、さらに同時に入力信号から音声信号を減算
するための遅延量も補正するものである。補正フィルタ
405および406は、分割処理器403および404
によって周波数分割された信号に対して処理を行うの
で、各周波数帯毎に異なる遅延量および振幅調整量にす
ることができる。
【0037】以上のように、前記第4の実施例によれ
ば、入力信号に対して各周波数帯毎に遅延量と振幅を補
正することができるので、入力信号から音声信号を減算
する性能が高くなり、音声信号以外の騒音信号の推定が
精度良くでき、十分な騒音抑圧性能を得ることができ
る。
【0038】図5は、本発明の第5の実施形態に係る騒
音抑圧装置の概略構成を示すブロック図である。マイク
ロホン501は音声信号を集音するものである。本発明
の第5の実施形態に係る騒音抑圧装置502は、マイク
ロホン501の入力信号を複数の周波数帯の信号に分割
する分割処理器503および504と、各周波数帯毎の
遅延量と振幅を補正する補正フィルタ505および50
6と、入力信号から音声信号を減算するための減算器5
07と、各周波数帯毎の振幅成分を算出する振幅算出器
508および509と、入力信号から音声信号を減算し
た信号振幅の更新処理を行う振幅更新器510と、マイ
クロホン501の入力信号から音声信号を減算した信号
の振幅成分を用いて騒音抑圧係数を算出する係数算出器
512と、周波数分割された信号に騒音抑圧係数を乗算
する係数乗算器511と、周波数分割された信号を時間
信号に合成する合成処理器513と、補正フィルタ50
5および506の遅延量および振幅補正量を制御するフ
ィルタ制御器514とを備える。
【0039】次に前記第5の実施形態の動作について説
明する。図5において、分割処理器503および50
4、減算器507、振幅算出器508および509、振
幅更新器510、係数乗算器511、係数算出器51
2、合成処理器513の動作は、前記第4の実施例と同
様である。
【0040】フィルタ制御器514は、補正フィルタ5
05および506の遅延量および振幅補正量を制御す
る。これは、音声信号源の方向が変化した場合に、調整
すべき遅延量および振幅補正量が異なるので、補正フィ
ルタ505および506のパラメータを制御して、信号
源の方向が変化しても常に最適な調整量にするためのも
のである。
【0041】以上のように、前記第5の実施例によれ
ば、音声信号源の方向に応じて補正フィルタの遅延量お
よび振幅を制御することにより、音声信号源の方向が変
化しても入力信号から音声信号を減算するときの減算性
能を高くすることができ、音声信号以外の騒音信号の推
定が精度良く得られるので、十分な騒音抑圧性能を得る
ことができる。
【0042】図6は、本発明の第6の実施形態に係る騒
音抑圧方法の手順を示すフローチャートである。本発明
の第6の実施例に係る騒音抑圧工程は、入力信号を遅延
させる入力信号遅延工程601と、この入力信号遅延工
程601後の信号から音声信号を減算する音声信号減算
工程602と、この音声信号減算工程602後の信号を
複数の周波数帯の信号に分割する減算信号分割処理工程
603と、この減算信号分割処理工程603後の信号の
周波数特性を調整する減算信号特性調整工程604と、
この減算信号特性調整工程604後の信号の振幅を算出
する減算信号振幅算出工程605と、この減算信号振幅
算出工程605後の信号の振幅値を更新する減算信号振
幅更新工程606と、前記入力信号を複数の周波数帯の
信号に分割する入力信号分割処理工程607と、この入
力信号分割処理工程後の信号の振幅を算出する入力信号
振幅算出工程608と、この入力信号振幅算出工程60
8後の信号と前記減算信号振幅更新工程606後の信号
から騒音抑圧係数を算出する騒音抑圧係数算出工程60
9と、前記入力信号分割処理工程607後の信号に前記
騒音抑圧係数を乗算する騒音抑圧係数乗算工程610
と、この騒音抑圧係数乗算工程610で騒音を抑圧した
信号を時間領域の信号に合成する合成処理工程611と
を包含する。
【0043】次に前記第6の実施形態の手順について説
明する。マイクロホン等の入力信号は、入力信号遅延工
程601で遅延され、音声信号減算工程602で入力信
号遅延工程601後の信号から音声信号が減算される。
次に、減算信号分割処理工程603で、音声信号減算工
程602後の信号は複数の周波数帯の信号に分割され、
減算信号特性調整工程604で減算信号分割処理工程6
03後の信号は周波数特性が調整され、減算信号振幅算
出工程605で減算信号特性調整工程604後の信号は
振幅を算出され、減算信号振幅更新工程606で減算信
号振幅算出工程605後の信号は振幅値を更新される。
一方、別の入力信号分割処理工程607で入力信号を複
数の周波数帯の信号に分割された信号は、入力信号振幅
算出工程608で信号振幅が算出される。この入力信号
振幅算出工程608後の信号と前記減算信号振幅更新工
程606後の信号から騒音抑圧係数算出工程609で騒
音抑圧係数は算出され、騒音抑圧係数乗算工程610で
前記入力信号分割処理工程607後の信号は前記騒音抑
圧係数が乗算され、前記騒音抑圧係数乗算工程610で
騒音を抑圧した信号は合成処理工程611で時間領域の
信号に合成される。
【0044】以上のように、前記第6の実施例の騒音抑
圧方法によれば、入力信号から音声信号を減算した信号
から音声以外の騒音信号レベルを推定し、入力信号レベ
ルと前記推定した騒音信号レベルから騒音を抑圧する係
数を算出することができるので、音声信号以外の騒音信
号の推定が精度良くでき、十分な騒音抑圧性能を得るこ
とができる。
【0045】図7は、本発明の第7の実施形態に係る騒
音抑圧装置を応用した音声認識装置の概略構成のブロッ
ク図である。図7に示すように、第7の実施形態に係る
騒音抑圧装置を応用した音声認識装置700は、音声信
号を集音するマイクロホン701と、前記第1実施例か
ら第5実施例に記載の騒音抑圧装置702と、音声を分
析して音声を認識処理する音声認識処理器703と、認
識された音声信号に基づきプログラムの演算を行う中央
演算装置(以下、単にCPUという。)704とを備え
たものである。
【0046】次に前記第7実施形態の音声認識装置の動
作について説明する。図7において、マイクロホン70
1に音声と騒音が重畳された信号が入力される。騒音抑
圧装置702は、これまで説明してきたように騒音が抑
圧された音声信号を取り出す。音声認識処理器703
は、騒音抑圧装置702によって騒音が抑圧された信号
を用いて、音声認識処理を行う。CPU704は、音声
認識処理器703によって認識された言葉に応じて、電
話番号をダイヤルするとか、他の処理装置の機能設定を
するなどの処理を行う。
【0047】以上のように、本発明の第7の実施形態に
係る音声認識装置は、音声信号を集音するマイクロホン
と、前記第1実施例から第5実施例に記載の騒音抑圧装
置と、音声を分析して音声を認識処理する音声認識処理
器と、認識された音声信号に基づきプログラムの演算を
行うCPUとを備えているので、騒音抑圧装置によって
騒音が抑圧された音声信号を用いて音声認識をすること
ができ、高い音声認識性能を得ることができる。
【0048】図8は、本発明の第8の実施形態に係る騒
音抑圧装置を応用した通信機器の概略構成のブロック図
である。図8に示すように、第8の実施形態に係る騒音
抑圧装置を応用した通信機器800は、複数のマイクロ
ホン801が搭載された携帯電話器802と、前記第1
実施例から第5実施例に記載の騒音抑圧装置803と、
入力した音声信号の符号化を行うエンコード装置804
と、このエンコード装置804でエンコードされた音声
を送信する送信装置805とを備えたものである。
【0049】次に前記第8実施形態の通信機器の動作に
ついて説明する。図8において、携帯電話器802に搭
載されたマイクロホン801に音声と騒音が重畳された
信号が入力される。騒音抑圧装置803は、これまで説
明してきたように騒音が抑圧された音声信号を取り出
す。エンコード装置804は、騒音抑圧装置803によ
って騒音が抑圧された信号を用いて、音声信号の符号化
を行う。送信装置805は、エンコード装置804によ
ってエンコードされた信号を送信する。
【0050】以上のように、本発明の第8の実施形態に
係る通信機器は、複数のマイクロホンが搭載された携帯
電話器と、前記第1実施例から第5実施例に記載の騒音
抑圧装置と、入力した音声信号の符号化を行うエンコー
ド装置と、このエンコード装置でエンコードされた音声
を送信する送信装置とを備えているので、騒音抑圧装置
によって騒音を抑圧することができ、騒音にマスキング
されない明瞭性の高い音声信号を送信することができ
る。
【0051】図9は、本発明の第9の実施形態に係る騒
音抑圧装置を応用した補聴器の概略構成のブロック図で
ある。図9に示すように、第9の実施形態に係る騒音抑
圧装置を応用した補聴器900は、マイクロホン901
と、前記第1実施例から第5実施例に記載の騒音抑圧装
置902と、難聴者が聴取しやすい特性に入力した信号
のレベルを調整する補聴処理器903と、信号を増幅す
るアンプ904と、信号を再生するスピーカ905とを
備えたものである。
【0052】次に前記第9実施形態の補聴器の動作につ
いて説明する。図9において、マイクロホン901に音
声と騒音が重畳された信号が入力される。騒音抑圧装置
902は、これまで説明してきたように騒音が抑圧され
た音声信号を取り出す。補聴処理器903は、騒音抑圧
装置902によって騒音が抑圧された信号を用いて、難
聴者が聴取しやすい特性に信号レベルを処理する。騒音
抑圧装置902によって周囲騒音が抑圧しすぎてしまう
場合には、聴取したい音声にじゃまにならない程度にマ
イクロホン901への入力信号のレベルを小さくして、
騒音抑圧装置902の出力信号に付加する。アンプ90
4は補聴処理器903によって処理された信号を増幅
し、外耳道入り口付近に取り付けられたスピーカによっ
て再生する。
【0053】以上のように、本発明の第9の実施形態に
係る補聴器は、マイクロホンと、前記第1実施例から第
5実施例に記載の騒音抑圧装置と、難聴者が聴取しやす
い特性に入力した信号のレベルを調整する補聴処理器
と、信号を増幅するアンプと、信号を再生するスピーカ
とを備えているので、騒音抑圧装置によって騒音を抑圧
することができ、聴取したくない騒音信号が抑圧され、
目的とする音声信号を明瞭に聴取することができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、複数の
入力信号から音声信号を減算した信号を用いて騒音を推
定して騒音抑圧処理を行うことにより、精度良い騒音抑
圧処理ができるというすぐれた効果を有する騒音抑圧装
置および騒音抑圧装置方法を提供することができるもの
である。また、本発明は、騒音抑圧装置および騒音抑圧
方法を応用した音声認識装置、通信機器および補聴器を
提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における騒音抑圧装置の
概略構成を示すブロック図
【図2】本発明の第2実施形態における騒音抑圧装置の
概略構成を示すブロック図
【図3】本発明の第3実施形態における騒音抑圧装置の
概略構成を示すブロック図
【図4】本発明の第4実施形態における騒音抑圧装置の
概略構成を示すブロック図
【図5】本発明の第5実施形態における騒音抑圧装置の
概略構成を示すブロック図
【図6】本発明の第6実施形態における騒音抑圧方法の
手順を示すフローチャート
【図7】本発明の第7実施形態における騒音抑圧装置を
応用した音声認識装置の概略構成を示すブロック図
【図8】本発明の第8実施形態における騒音抑圧装置を
応用した通信機器の概略構成を示すブロック図
【図9】本発明の第9実施形態における騒音抑圧装置を
応用した補聴器の概略構成を示すブロック図
【図10】従来の騒音抑圧装置の概略構成を示すブロッ
ク図
【図11】従来の騒音推定処理の手順を示すフローチャ
ート
【符号の説明】
101、201、301、401、501、801、9
01 マイクロホン 102、202、302、402、502、702、8
03、903 騒音抑圧装置 103、203、303 遅延器 104、204、304、407、507 減算器 105、106、205、206、305、306、4
03、404、503、504 分割処理器 107、108、207、208、307、308、4
08、409、508、509 振幅算出器 109、209、309、411、511 係数乗算器 110、210、310、412、512 係数算出器 111、211、311、413、513 合成処理器 212、312、410、510 振幅更新器 313 特性調整フィルタ 405、406、505、506 補正フィルタ 514 フィルタ制御器 601 入力信号遅延工程 602 音声信号減算工程 603 減算信号分割処理工程 604 減算信号特性調整工程 605 減算信号振幅算出工程 606 減算信号振幅更新工程 607 入力信号分割処理工程 608 入力信号振幅算出工程 609 騒音抑圧係数算出工程 610 騒音抑圧係数乗算工程 611 合成処理工程 700 音声認識装置 701 マイクロホン装置 702 騒音抑圧装置 703 音声認識処理器 704 CPU 800 通信機器 802 携帯電話器 803 騒音抑圧装置 804 エンコード装置 805 送信装置 900 補聴器 901 マイクロホン 902 騒音抑圧装置 903 補聴処理器 904 アンプ 905 スピーカ

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のマイクロホンの入力信号を遅延さ
    せる遅延器と、前記入力信号から音声信号を減算する減
    算器と、前記入力信号および前記減算器の出力を複数の
    周波数帯の信号に分割する分割処理器と、この分割処理
    器の出力の振幅を算出する振幅算出器と、騒音抑圧係数
    を算出する係数算出器と、前記入力信号を複数の周波数
    帯の信号に分割した分割処理器の出力に前記騒音抑圧係
    数を乗算する係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑
    圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理器とを
    備え、前記減算器で減算された信号から音声以外の騒音
    信号レベルを推定し、前記マイクロホンの入力信号レベ
    ルと前記推定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出す
    ること特徴とする騒音抑圧装置。
  2. 【請求項2】 前記減算器の出力の振幅値を更新する振
    幅更新器を備え、前記推定する騒音信号レベルは前記減
    算器の信号振幅値の更新値とし、突発的な信号に反応し
    ないようにしたこと特徴とする請求項1に記載の騒音抑
    圧装置。
  3. 【請求項3】 前記減算器の出力の周波数特性を調整す
    る特性調整フィルタを備え、前記遅延器および前記減算
    器によって変化させられた周波数特性を元の周波数特性
    となるように調整するようにしたことを特徴とする請求
    項1または請求項2に記載の騒音抑圧装置。
  4. 【請求項4】 複数のマイクロホンの入力信号を複数の
    周波数帯の信号に分割する分割処理器と、前記入力信号
    の各周波数帯毎の遅延量と振幅を補正する補正フィルタ
    と、前記補正後の信号から音声信号を減算する減算器
    と、前記分割された各周波数帯の信号の振幅を算出する
    振幅算出器と、前記減算器の出力信号の振幅値を更新す
    る振幅更新器と、騒音抑圧係数を算出する係数算出器
    と、前記分割された各周波数帯の信号に前記騒音抑圧係
    数を乗算する係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑
    圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理器とを
    備え、前記減算器で減算された信号から音声以外の騒音
    信号レベルを推定し、前記マイクロホンの入力信号レベ
    ルと前記推定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出す
    ることを特徴とする騒音抑圧装置。
  5. 【請求項5】 前記補正フィルタの遅延量と振幅を制御
    するフィルタ制御器を備え、音声信号源の方向に応じて
    前記補正フィルタの遅延量と振幅を制御するようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載の騒音抑圧装置。
  6. 【請求項6】 入力信号を遅延させる入力信号遅延工程
    と、この入力信号遅延工程後の信号から音声信号を減算
    する音声信号減算工程と、この音声信号減算工程後の信
    号を複数の周波数帯の信号に分割する減算信号分割処理
    工程と、この減算信号分割処理工程後の信号の周波数特
    性を調整する減算信号特性調整工程と、この減算信号特
    性調整工程後の信号の振幅を算出する減算信号振幅算出
    工程と、この減算信号振幅算出工程後の信号の振幅値を
    更新する減算信号振幅更新工程と、前記入力信号を複数
    の周波数帯の信号に分割する入力信号分割処理工程と、
    この入力信号分割処理工程後の信号の振幅を算出する入
    力信号振幅算出工程と、この入力信号振幅算出工程後の
    信号と前記減算信号振幅更新工程後の信号から騒音抑圧
    係数を算出する騒音抑圧係数算出工程と、前記入力信号
    分割処理工程後の信号に前記騒音抑圧係数を乗算する騒
    音抑圧係数乗算工程と、この騒音抑圧係数乗算工程で騒
    音を抑圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理
    工程とを包含し、前記音声信号減算工程で減算された信
    号から音声以外の騒音信号レベルを推定し、入力信号レ
    ベルと前記推定した騒音信号レベルから騒音抑圧係数を
    算出することを特徴とする騒音抑圧方法。
  7. 【請求項7】 複数のマイクロホンの入力信号を遅延さ
    せる遅延器と、前記入力信号から音声信号を減算する減
    算器と、前記入力信号および前記減算器の出力を複数の
    周波数帯の信号に分割する分割処理器と、この分割処理
    器の出力の振幅を算出する振幅算出器と、騒音抑圧係数
    を算出する係数算出器と、前記入力信号を複数の周波数
    帯の信号に分割した分割処理器の出力に前記騒音抑圧係
    数を乗算する係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑
    圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理器とを
    備え、前記減算器で減算された信号から音声以外の騒音
    信号レベルを推定し、前記マイクロホンの入力信号レベ
    ルと前記推定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出す
    る騒音抑圧装置と、音声信号を集音する複数のマイクロ
    ホンと、音声を分析して音声を認識処理する音声認識処
    理器と、認識された音声信号に基づきプログラムの演算
    を行う中央演算装置とを備え、前記騒音抑圧装置によっ
    て騒音抑圧をされた音声信号を用いて音声認識をするこ
    とを特徴とする音声認識装置。
  8. 【請求項8】 複数のマイクロホンの入力信号を遅延さ
    せる遅延器と、前記入力信号から音声信号を減算する減
    算器と、前記入力信号および前記減算器の出力を複数の
    周波数帯の信号に分割する分割処理器と、この分割処理
    器の出力の振幅を算出する振幅算出器と、騒音抑圧係数
    を算出する係数算出器と、前記入力信号を複数の周波数
    帯の信号に分割した分割処理器の出力に前記騒音抑圧係
    数を乗算する係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑
    圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理器とを
    備え、前記減算器で減算された信号から音声以外の騒音
    信号レベルを推定し、前記マイクロホンの入力信号レベ
    ルと前記推定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出す
    る騒音抑圧装置と、音声信号を集音する複数のマイクロ
    ホンと、音声をコード化するエンコード装置と、このエ
    ンコード装置でエンコードされた音声を電波およびネッ
    トワーク等を介して送信する送信装置とを備え、前記騒
    音抑圧装置によって騒音抑圧された音声信号を送信する
    ことを特徴とする通信機器。
  9. 【請求項9】 複数のマイクロホンの入力信号を遅延さ
    せる遅延器と、前記入力信号から音声信号を減算する減
    算器と、前記入力信号および前記減算器の出力を複数の
    周波数帯の信号に分割する分割処理器と、この分割処理
    器の出力の振幅を算出する振幅算出器と、騒音抑圧係数
    を算出する係数算出器と、前記入力信号を複数の周波数
    帯の信号に分割した分割処理器の出力に前記騒音抑圧係
    数を乗算する係数乗算器と、この係数乗算器で騒音を抑
    圧した信号を時間領域の信号に合成する合成処理器とを
    備え、前記減算器で減算された信号から音声以外の騒音
    信号レベルを推定し、前記マイクロホンの入力信号レベ
    ルと前記推定した騒音レベルから騒音抑圧係数を算出す
    る騒音抑圧装置と、音声信号を集音する複数のマイクロ
    ホンと、難聴者に対して正常な聴取ができるように処理
    を行う補聴処理器と、補聴処理後の信号を増幅するアン
    プと、信号を再生するスピーカとを備え、前記騒音抑圧
    装置によって騒音が抑圧された音声信号に対して補聴処
    理を行うことを特徴とする補聴器。
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