JP2003020995A - ジェットエンジンのファンプラットフォームのシール - Google Patents

ジェットエンジンのファンプラットフォームのシール

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    • F01DNON-POSITIVE DISPLACEMENT MACHINES OR ENGINES, e.g. STEAM TURBINES
    • F01D11/00Preventing or minimising internal leakage of working-fluid, e.g. between stages
    • F01D11/005Sealing means between non relatively rotating elements
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 カーブドインテグラルプラットフォームに対
応したシールを提供する。 【解決手段】 ジェットエンジンのファンプラットフォ
ーム3eの下面に設けられ、隣り合うプラットフォーム
3e間の周方向の隙間cを塞いで空気の漏れるのを防止
するジェットエンジンのファンプラットフォームのシー
ル10であって、該シール10は断面が伸縮可能な形状
に形成され、一端はプラットフォーム3e下面に固定さ
れ、他端はエンジン回転時に隣接するプラットフォーム
3e側に伸びて前記隙間cを塞ぐようになっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は航空機に使用される
ジェットエンジンに係り、特にジェットエンジンのファ
ンプラットフォームのシールに関する。
【0002】
【従来の技術】亜音速で飛行する旅客用の航空機には推
進効率の向上と、ジェットエンジンの騒音減少のため、
ファンで発生した圧縮空気の大部分をダクトを通してバ
イパスさせる高バイパス比のターボファンエンジンが使
われている。図2はかかるターボファンジェットエンジ
ンの部分断面図である。図3はファンの側面図、図4は
従来のシールの図面である。図において、1はノーズコ
ーン、2はファンディスク、3はファンである。ファン
3において、3aはファンブレード、3bはプラットフォ
ーム、3cはシャンク、3dはダブテールである。4はス
ペーサ、5はコンプレッサ、6はダクトである。
【0003】ファン3とファンディスク2との結合はピ
ンによることもあるが、エンジンの軽量化のため、図に
示すように、ダブテールを使用することも多い。ファン
3をファンディスク2に取り付けるにはファンディスク
2の円周面に形成された軸方向のダブテール溝2aにフ
ァン3のダブテール3dを前方から挿入して行われる。
ダブテール3dとダブテール溝2aとの間には、ある程度
の余裕を持たせてあり、容易に挿入することができる。
挿入後、ダブテール溝2aの底部とダブテール3dの下面
との間にスペーサ4を挿入し、ダブテール3dの肩をダブ
テール溝2aの開口の内面に当接させてファン3をディ
スク2に固定する(図4(C)参照)。
【0004】ファン3をファンディスク2に取り付ける
ために、隣り合うファン3のプラットフォーム3b同志
の間には0.6〜0.8mmの隙間cが必要である。しか
し、このような隙間があると、図2に示すように、高圧
の部分から低圧の部分に空気の循環流7が生じるので、
エンジンの効率が低下してしまう。
【0005】そのため、図4に示すように、プラットフ
ォーム3bの下面に、シリコンゴム製で断面形状が台形
で全体形状がコ字状のシール8を接着して取り付ける。
8aはプラットフォーム3bの側面部分をシールするシー
ル8の1部分であり、8bはプラットフォーム3bの背面
部分をシールするシール8の1部分である。シール部分
8aはエンジンが回転すると遠心力を受けて図4(C)に
矢印9で示すように、変形して隣り合うシール部分8
a、8aの先端が互いに当接して空気流7をシールする。
なお、シール部分8aの高さhは5〜6mm、基端の幅dは
4〜5mm、先端の幅eは2〜3mm程度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ジェットエンジンにお
いて、ファン3がバードストライクなど何らかの原因で
シャンク3cの部分で破損し、ファンブレードアウトす
ることがある。その場合、プラットフォーム3bが回転
方向の後続のファンブレード3aに当たることになる
が、プラットフォーム3bが図4(B)に示すように、
側面が直線状であると、ブレードの前縁または後縁に当
たることになるので、後続のファンブレード3aの破損
を防ぐため、それらの縁部の厚さを厚くして補強しなけ
ればならず、重量が重くなるなどの問題がある。かかる
問題を解決し、安全性を高めるため、図5に示すよう
に、プラットフォームの側面をファンブレード3aと同
一方向に曲げたカーブドインテグラルプラットフォーム
3eが提案されている。カーブドインテグラルプラット
フォーム3eはファンブレードアウトしたときに、プラ
ットフォーム3eがファンブレード3aに当たる際、従
来のようにブレードのエッジに点接触するするのではな
く、ブレードの中間部に線接触になるので、ファンブレ
ード3aに起こる衝撃が緩和され、ファンブレード3a
の損傷が少なくなる。
【0007】カーブドインテグラルプラットフォーム3
eを有するファン3を組み立てる場合に、ファン3のダブ
テール3dをダブテール溝2a内をスライドさせて押し込
む際、押し込みの最終段階でカーブドインテグラルプラ
ットフォーム3e同志が互いに干渉する。そこで、図
5、図6に示すように、すでに組み立て終わった隣のフ
ァン3のダブテール3dをダブテール溝2a内に深く押し
込み、組み立てようとしているファン3のダブテール3
dをダブテール溝2a内で引き上げることにより、隣のプ
ラットフォーム3eの上面と、組み立てようとしている
ファン3のプラットフォーム3e下面との間で隙間を形
成しながらファン3を押し込む。その後、隣のファン3
も引き上げてスペーサ4を挿入して組み立てを完了す
る。
【0008】しかし、ファン3とディスク2の構造上の
制約から、組み立て時のプラットフォーム3eの上面と
組み立てようとするファン3のプラットフォーム3eの
下面との隙間はあまり大きくすることができず、シール
8の高さhも従来の5〜6mmであると、つかえてしまっ
て、ファン3の組み立てができない。つかえないような
高さhの許容値はせいぜい1.5〜3mmである。シール8
を従来構造のままで高さを低くすると、エンジンの回転
時の遠心力による横方向の変位が少なくなり、隣り合う
プラットフォーム3eのシール8の先端が互いに当接する
ことがなく、シール8の効果が著しく低下してしまう。
【0009】本発明は従来技術のかかる問題点に鑑み案
出されたもので、シールの構造を工夫することにより、
遠心力を受けたときの横方向の変形量を大きくして、カ
ーブドインテグラルプラットフォームを有するファンに
適用可能なジェットエンジンのファンプラットフォーム
のシールを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のジェットエンジンのファンプラットフォームの
シールは、ジェットエンジンのファンプラットフォーム
の下面に設けられ、隣り合うプラットフォーム間の周方
向の隙間を塞いで空気の漏れるのを防止するジェットエ
ンジンのファンプラットフォームのシールであって、該
シールは断面が伸縮可能な形状に形成され、一端はプラ
ットフォーム下面に固定され、他端はエンジン回転時に
隣接するプラットフォーム側に伸びて前記隙間を塞ぐよ
うになっている。
【0011】前記シールは断面がジグザグのアコーディ
オン状に形成されているのが好ましい。
【0012】前記シールはプラットフォームの片側に設
けられていればよい。
【0013】次に本発明の作用を説明する。シールは断
面が、たとえば、ジグザグのアコーディオン状に形成さ
れており、一端はプラットフォームの下面に接着されて
いるので、エンジンが回転すると遠心力により、ジグザ
グがプラットフォームの下面に押し付けられて押しつぶ
される。シールは押しつぶされることにより、ジグザグ
のピッチが大きくしなり、自由端が隣接するプラットフ
ォーム側に伸びて隣接するプラットフォームとの隙間を
塞ぐようになる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のシールの
断面図であり、(A)エンジンの静止状態を示し、(B)
はエンジンの回転状態を示している。本図において、従
来例の説明のために使用した図2ないし図6と同一の部
分は同一の符号を付している。図において、3eはカー
ブドインテグラルプラットフォーム、10はシリコンゴ
ム製のシールである。シール10はジェットエンジンのフ
ァン3のカーブドインテグラルプラットフォーム3eの
下面に設けられ、プラットフォーム3e間の周方向の隙
間cを塞いで、空気の漏れるのを防止するのに用いられ
る。このシール10は、断面が図のようにジグザグのアコ
ーディオン状にに形成され、一端(図では左端)はプラ
ットフォーム3eの下面に接着され、他端(図では右
端)は自由端10aになっている。エンジンの静止時に
は、シール10は遠心力を受けていないので、図1(A)に
示すように、原形を保って縮んでいる。その状態では自
由端10aの位置は、プラットフォーム3eの右端と面
一もしくは引き込んでおり、高さhは高い状態である。
【0015】エンジンが回転すると、図1(B)に示すよ
うに、遠心力が矢印11の方向に働き、シール10は遠
心力を受けて、ジグザグがプラットフォーム3eの下面
に押し付けられて押しつぶされる。シール10は押しつぶ
されることによりジグザグのピッチが大きくなり、自由
端10aが矢印12に示す方向に伸びて、隣接するプラッ
トフォーム3eとの隙間cを塞ぐようになる。
【0016】次に本実施形態の作用を説明する。本発明
のシール10は、断面がジグザグのアコーディオン状に形
成されているので、エンジンの回転により遠心力を受け
たときの自由端の伸びの量が大きい。そのため、本発明
のシール10は、従来のシール8のようにプラットフォー
ム3bの両側に設けて、遠心力を受けるとお互いの先端
同士が当接するのと異なり、プラットフォーム3eの片
側に設ければよい。したがって、シール10を取り付ける
ための手間が省けるとともに、ファン3を組み立てると
き、たとえば、図1(A)に示す左側のファンAを先に組
み立て、次に右側のファンBを組み立てる場合に、シー
ル10は邪魔にならないので、シール10の高さhを十分取
ることができる。ただし、最後のファン3を組み立てる
ときには、両側にプラットフォーム3eがあるので、シ
ール10は邪魔になり、高さhは組み立てようとするファ
ン3のプラットフォーム3eの下面と隣のプラットフォー
ム3cの上面との間の1.5〜3mmの隙間よりも小さく
しなければならない。
【0017】本発明は、以上述べた実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変更が可能である。たとえば、図1ではシール10のジ
グザグは3個の山を有するものにして示したが、山の数
はこれより少なくても多くてもよい。シール10の材質も
シリコンゴム製に限らず、ゴム状の弾性をもつものであ
れば、他の材質のものでもよい。また、山の形状が丸み
を帯びていてシール10の断面形状が波形であってもよ
い。
【0018】
【発明の効果】以上述べたように、本発明のジェットエ
ンジンのファンプラットフォームのシールは断面がジグ
ザグのアコーディオン状に形成されていて、遠心力を受
けたときの自由端の伸びが大きく、プラットフォームの
片側に設ければよいので、取り付けの手間が省けるとと
もに、ファンの組み立てが容易にできるなどの優れた効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のジェットエンジンのファンプラットフ
ォームのシールの断面図であり、(A)はエンジンの静
止状態、(B)はエンジンの回転状態を示している。
【図2】ジェットエンジンの部分断面図である。
【図3】ファンの側面図である。
【図4】従来のシールの図であり、(A)は側面図、
(B)は底面図、(C)は図3のA―A矢視図である。
【図5】カーブドインテグラルプラットフォームを有す
るファンの正面図である。
【図6】ファンの根元の部分の拡大図であり、背面図で
ある。
【符号の説明】
3 ファン 3e カーブドインテグラルプラットフォーム 10 シール c 隙間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ジェットエンジンのファンプラットフォ
    ームの下面に設けられ、隣り合うプラットフォーム間の
    周方向の隙間を塞いで空気の漏れるのを防止するジェッ
    トエンジンのファンプラットフォームのシールであっ
    て、該シールは断面が伸縮可能な形状に形成され、一端
    はプラットフォーム下面に固定され、他端はエンジン回
    転時に隣接するプラットフォーム側に伸びて前記隙間を
    塞ぐようになっていることを特徴とするジェットエンジ
    ンのファンプラットフォームのシール。
  2. 【請求項2】 前記シールは断面がジグザグのアコーデ
    ィオン状に形成されている請求項1記載のジェットエン
    ジンのファンプラットフォームのシール。
  3. 【請求項3】 前記シールはプラットフォームの片側に
    設けられている請求項1または請求項2記載のジェットエ
    ンジンのファンプラットフォームのシール。
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