JP2003002923A - エチレン・酢酸ビニル共重合体およびホットメルト接着剤組成物 - Google Patents

エチレン・酢酸ビニル共重合体およびホットメルト接着剤組成物

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JP2003002923A
JP2003002923A JP2001189451A JP2001189451A JP2003002923A JP 2003002923 A JP2003002923 A JP 2003002923A JP 2001189451 A JP2001189451 A JP 2001189451A JP 2001189451 A JP2001189451 A JP 2001189451A JP 2003002923 A JP2003002923 A JP 2003002923A
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eva
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hot melt
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Toshiyuki Kaneko
俊幸 金子
Tamiki Tate
民樹 館
Naomoto Sato
直基 佐藤
Yasumi Tanaka
保巳 田中
Hiroshi Yamakawa
浩 山川
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Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐熱性と耐寒性を両立したホットメルト接着剤
組成物およびこれに用いるエチレン・酢酸ビニル共重合
体を提供する。 【解決手段】特定の分岐を有するエチレン・酢酸ビニル
共重合体及びこれに粘着付与樹脂を配合してなるホット
メルト接着剤組成物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エチレン・酢酸ビ
ニル共重合体を成分とするホットメルト接着剤組成物に
関する。更に詳細には耐熱性と耐寒性を両立したホット
メルト接着剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ホットメルト接着剤において、主成分と
して用いられるのは熱可塑性樹脂であり、この熱可塑性
樹脂の種類により、ポリオレフィン系、ポリエステル系
またはポリアミド系のホットメルト接着剤と呼ばれる。
また、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体(SBS)、或いはスチレン・イソプレン・スチレン
ブロック共重合体(SIS)等のスチレンブロック共重
合体を主成分に用いた熱可塑性エラストマーを主成分と
するホットメルト接着剤も知られている。この中で、ポ
リオレフィン系のホットメルト接着剤、特にエチレン・
酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと呼ぶ)に粘着付与
樹脂及びワックスを配合したホットメルト接着剤は、安
価であり、主成分であるEVAの酢酸ビニル含有量、分
子量、配合処方の変更により広範な用途に適用可能なホ
ットメルト接着剤を調製可能であることから、包装用
途、製本用途、合板・木工接着用途等の分野で広範に使
用されている。ホットメルト接着剤には種々の要求性
能、例えば、耐熱接着性、耐熱クリ−プ性、耐寒接着
性、低温可撓性、最適な溶融粘度、固化速度等があり、
これまで、配合に用いるEVA、粘着付与樹脂、ワック
ス等の種類と配合比を最適化することで種々の用途に適
合するホットメルト接着剤が工夫されてきた。また、包
装用途では生産速度の向上に伴い、年々、固化速度に対
する要求も厳しくなってきている。
【0003】EVA系ホットメルト接着剤の従来から指
摘されている問題点として、耐熱性と耐寒性の両立が挙
げられる。一般に、EVA系ホットメルト接着剤は耐熱
接着性に問題があり、夏季に接着したダンボール包装物
等の品物を倉庫に保管する場合、接着層の軟化により開
封する等のトラブルを起こすことがあった。一方、耐熱
性を向上させると耐寒接着性が劣るという問題が発生す
る。即ち、EVA系ホットメルト接着剤において耐熱性
と耐寒性は相反する特性であり、一般に耐熱性の高いホ
ットメルト接着剤は低温特性に劣っており、耐熱性と耐
寒性を両立することが課題の1つとなっていた。
【0004】本課題を解決すべく、これまで多くの検討
が行われてきた。例えば特開平7−247468号公報
および特開平11−323278号公報においては、特
定の融点および粘度範囲のパラフィンワックスを用いる
ことにより耐寒性を保持しつつ、耐熱性を高めたホット
メルト組成物に関して開示されている。また、特開20
01−59078号公報においては30重量%以上の酢
酸ビニル含量のEVAに特定の粘着性付与樹脂を用い、
配合組成を限定することで、耐熱性と耐寒性を付与した
接着剤組成物が開示されている。しかしながら、これら
の開示技術は配合技術を駆使して上記課題の克服を目的
としたものであり、EVAの構造の最適化は行われては
いない。
【0005】EVAの構造を規定したホットメルト組成
物に関する技術としては、例えば、特開平7−2428
67号公報においては、従来のEVAより結晶性を高め
たEVAと粘着性付与樹脂およびフィッシャー・トロプ
シュワックスからなる組成物が開示されている。特開平
10−130606号公報においては、分子量および酢
酸ビニル含量の異なる2種類の、結晶性を高めたEVA
同士を組み合わせたものをベースポリマーとして用いた
ホットメルト組成物が開示されている。また、特開平1
0−130436号公報においては分子量が低く酢酸ビ
ニル含量が少ないEVAと、分子量が高く酢酸ビニル含
量が多い、結晶性を高めたEVAとを組み合わせたEV
Aを構成成分としたホットメルト組成物に関した技術が
開示されている。これらの技術ではいずれも高結晶で高
融点のEVAを構成成分に用いているために、耐熱接着
性は従来品のEVAよりも向上する。耐寒接着性につい
ても良好とされてはいるものの、EVA全体としては、
酢酸ビニルと、酢酸ビニルと同様結晶化を阻害するアル
キル分岐を含めた分岐総数が減ることになる。従って低
温での弾性率は向上し、従来品のEVAを用いた組成物
に比較すると、耐寒性、特に低温可撓性については劣る
ものであった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来の耐熱性
を向上させたホットメルト接着剤(以下、耐熱グレード
と呼ぶ)に対し同等の優れた耐熱性を有し、かつ耐熱グ
レードに対し大幅に耐寒性を向上させたエチレン・酢酸
ビニル共重合体をベースとしたホットメルト接着剤組成
物を提供することを課題とする。本発明者らは、上記課
題を解決するため、鋭意検討した結果、エチレン・酢酸
ビニル共重合体の組成分布を制御することで耐熱性に優
れ、耐寒性にも優れたホットメルト接着剤組成物が得ら
れることを見出し本発明完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記(a)〜
(c)の要件を満たすエチレン・酢酸ビニル共重合体、
粘着付与樹脂、及び或いはワックスが配合されてなるホ
ットメルト接着剤組成物に関する。
【0008】下記(a)〜(c)の要件を満たすエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体。 (a)メルトフローインデックス(MI)が0.5〜5
000g/10分、酢酸ビニル含量(重量%)が5〜5
0であり、(b)EVA中の酢酸ビニルのモル%(〔V
Ac〕:モル%)と炭素数2以上のアルキル分岐のモル
%との和で表される分岐数(B:モル%)が下記(1)
式を満たし、かつ、
【0009】
【数2】 (c)EVAを、Mw/Mnが2以下となるように分別
し、その分別物の分岐数を測定したとき、その分岐数の
最大値と最小値の差が下記(2)式を満足する。
【0010】 10≧Nmax−Nmin≧2 (2) (ここで、Nmax、Nminは各分別物を測定して得
られる分岐数の最大値、及び最小値を表し、分岐数は炭
素数2以上のアルキル分岐モル%と酢酸ビニルのモル%
の和で表される。ただし、ポリスチレン換算による重量
平均分子量が15000g/mol以下の分別物は除
く。) 本発明におけるEVAは酢酸ビニル含量が5〜50wt
%である。好ましくは15〜45wt%である。この範
囲を超えて酢酸ビニル含量が増加するとEVAは非晶と
なり、十分な強度が発現しない。この範囲よりも酢酸ビ
ニル含量が少ないと、結晶性が向上し耐寒性が低下す
る。また、MIは0.5〜5000g/10分の範囲で
ある、好ましくは10〜4000g/10分、さらに好
ましくは50〜2000g/10分である。この範囲を
越えてMIが高いとEVAの強度が極端に低下し、ホッ
トメルト組成物としての接着強度が発現しない。MIが
低すぎると、加工時の粘度が増大し作業性が低下する。
【0011】また、EVA中の酢酸ビニルおよび炭素数
2以上のアルキル分岐の数は上記(1)式を満足するも
のであることを特徴とする。一般に酢酸ビニル含量が増
加するとアルキル分岐は減少する。EVA中の酢酸ビニ
ルおよび炭素数1、2、4、5+、6+(+は以上を意味
する)のアルキル分岐は13C−NMRにより測定するこ
とができる。13C−NMR測定におけるピークの帰属に
関しては、例えばJ.C.Randallによる報告
(JMA−REV.MACROMOL.CHEM.PH
YS.,C29(2&3),201−317(198
9))を参照することができる。酢酸ビニルおよび炭素
数2以上のアルキル分岐はEVAの結晶化を阻害し、弾
性率の低下に寄与することから、低温可撓性が向上す
る。一方、炭素数1のアルキル分岐(メチル分岐)は他
の分岐と比較すると結晶化の阻害効果が低い。このた
め、酢酸ビニルと炭素数2以上のアルキル分岐との総和
がEVAの結晶性と良く相関する。EVA中のアルキル
分岐は重合温度、圧力あるいは連鎖移動剤の種類などの
重合条件により制御することができる。従来の重合条件
に比べ、重合圧力を高くし、連鎖移動剤としてアルカ
ン、アルコール類、ケトン類あるいはアルデヒド類を多
量に使用することで、EVA中のアルキル分岐数は減少
し結晶性が向上する。アルキル分岐を減らし(1)式を
満足しないEVAは高融点のものとなり、ホットメルト
接着剤組成物の耐熱性は向上するが、従来のEVAに比
べると低温可撓性が低下することになる。一方、従来の
EVAは(1)式を満足するためホットメルト接着剤組
成物の耐寒性は良好であるが、耐熱性は十分とはいえな
かった。
【0012】更に本発明において用いられるEVAは、
上記要件(c)を満たすような組成分布を有しているこ
とを特徴とする。分子量別に、分子量分布Mw/Mnが
2以下となるように分別する方法としては、分取SEC
(サイズ排除クロマトグラフィー)を用いる方法あるい
は良溶媒と貧溶媒の混合溶液を用いて溶解度差により分
別する方法などを用いることができる。分別されたフラ
クション間において(2)式を満たすような組成分布を
もたせた場合、高結晶成分が一部存在することから、従
来品の同酢酸ビニル含量のEVAに比べてホットメルト
接着剤組成物の耐熱性が向上する。このとき組成分布が
大きくなりすぎると、粘着付与樹脂との相溶性が低下す
るために、Nmax−Nminは10モル%以下である
ことが好ましい。さらに好ましくは8モル%以下であ
る。また、Nmax−Nminは、2.5モル%以上で
あることが好ましい。
【0013】なお、従来のEVA中には、低分子量域に
高酢酸ビニル含量の成分が存在するが、このような成分
は、少量で物性への寄与は少ない。本発明においては、
そのような低分子量成分以外の領域において(2)式を
満たす組成分布を有することを特徴としている。すなわ
ち、重量平均分子量Mwが15000g/mol(ポリ
スチレン換算)以下の分別物を除く、Mwが15000
g/molを越える残りの分別物間において(2)式を
満足することを特徴としている。
【0014】上記要件(b)を満足するが、要件(c)
を満たさないものは従来品のEVAと同様、耐寒性には
優れるが耐熱性が不十分となる。要件(b)を満足せ
ず、かつ要件(c)も満たさないものは耐熱接着性には
優れるが、耐寒性は不十分となる。従って上記要件
(b)と(c)を同時に満足するような組成分布を有す
るEVAをベースポリマーとしたホットメルト接着剤は
耐熱性および耐寒性の両立が可能となる。
【0015】このようなEVAは分子量および短鎖分岐
数の異なるEVAのブレンドによっても、あるいは高
圧、高温条件下、ラジカル開始剤を用いたエチレンと酢
酸ビニルを共重合する高圧ラジカル重合によっても製造
することが出来る。高圧ラジカル重合において製造され
るEVA中のアルキル分岐数は、上述のように連鎖移動
剤の種類によって影響を受け、オレフィン類に比べ、ア
ルカン、アルコール類、ケトン類あるいはアルデヒド類
を用いた場合には低下する。連鎖移動定数の高い連鎖移
動剤ほどモノマー分圧を高めることができ、アルキル分
岐数は低下する。また、アルキル分岐は重合温度を上げ
ると増加し、重合圧力を上げると減少する。重合温度と
圧力はエチレンと酢酸ビニルとの反応性比にも影響を及
ぼす。そのため、圧力一定下での高圧ラジカル重合にお
いては、組成分布を有するEVAは温度、連鎖移動剤、
ガス組成の異なる反応状態を単一の反応機内で設定する
ことによって製造することができる。
【0016】EVA同士のブレンドにより本発明のEV
Aを製造する場合には、総分岐数及び分子量が大きく異
なる2成分によるブレンドではEVAの相溶性が不十分
となり十分な耐熱性、耐寒性が発現しないことがある。
従って、大きく総分岐数、分子量の異ならない3成分以
上のEVAによりブレンドを行うことが好ましい。な
お、コモノマーが酢酸ビニル以外のアクリル酸エステル
あるいはメタクリル酸エステルをコモノマーとするエチ
レン系共重合体をベースポリマーとしたホットメルト組
成物においても、上記(a)〜(c)における酢酸ビニ
ルを、他のコモノマーに置き換えて設計されるエチレン
系共重合体を用いることによって、耐熱性および耐寒性
の両立したホットメルト組成物を得ることができる。
【0017】本発明で用いられる粘着付与樹脂として
は、ホットメルト接着剤用途で既に公知となっているも
のが使用できる。石油樹脂と総称されている脂肪族系炭
化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族系炭化水素
樹脂、α−ピネン及び/又はβ−ピネンを成分とするテ
ルペン系樹脂、ロジン系樹脂、水素添加ロジン系樹脂、
スチレン系樹脂、クマロン・インデン系樹脂等が例示さ
れる。
【0018】前記のEVAと粘着付与樹脂との配合比率
は、ホットメルト接着剤として要求される特性を満足す
る限り、特に制限されるものではなく広範に変えうる
が、一般的な配合比率を勘案すると、EVA100重量
部に対して、粘着性付与樹脂20〜150重量部、好ま
しくは60〜120重量部である。
【0019】本発明のホットメルト配合物には、ワック
スを配合することが出来る。本発明で用いることが出来
るワックスとしては何ら制限されるものではないが、パ
ラフィンワックス、マイクロイクリスタリンワックス、
サゾールワックス等の石油ワックス、木ロウ、カルナバ
ワックス、蜜蝋等の天然ワックス、フィッシャー・トロ
プシュワックス、結晶性ポリエチレンワックス、結晶性
ポリプロピレンワックス等、EVAワックス等の合成ワ
ックス、酸変性ポリエチレンワックス、酸変性ポリプロ
ピレンワックス、酸変性EVAワックス等の変性ワック
ス等が例示される。ワックスはホットメルト配合物に流
動性を付与したり、セットタイムあるいはオープンタイ
ムの制御、耐熱性を付与したりする目的で添加される
が、配合量の増加に伴い接着強度の低下を招くため配合
可能な量には上限がある。通常、ホットメルト配合物中
の配合量としては40重量%以下が好適であり、更に好
ましくは30重量%以下である。
【0020】ホットメルト接着剤組成物の粘度は使用目
的により異なるが、その粘度調整は配合物、即ち、EV
Aの分子量、粘着付与樹脂の粘度、ワックスの粘度によ
り左右され、またこれら配合物の配合比率で変化する。
従い、目的に応じて配合比率を最適化される。
【0021】本発明のホットメルト接着剤組成物には必
要に応じて、顔料、染料、酸化防止剤を初めとする各種
安定剤、オイル、可塑剤、無機充填材等を配合すること
が出来る。本発明のホットメルト接着剤組成物の製造方
法は公知の方法、即ち各配合成分を溶融下で混合するこ
とにより製造することが出来る。本製造方法における溶
融温度は特に制限はないが、溶融攪拌が困難になる極端
に低い温度、或いは配合物が溶融、或いは流動しない低
温でなければ特に問題はない。一方、高温ではエチレン
・酢酸ビニル共重合体の分解、或いは粘着付与樹脂によ
っては着色するものがあり好ましくない。これらのこと
を勘案すると、160〜230℃が好ましく、更に好ま
しくは180〜200℃である。混合方法は公知であ
り、押出し機、オープンロールミル、バンバリーミキサ
ー、ニーダー、ニーダールーダー、溶融混合槽等を用い
ることが出来る。
【0022】本発明のホットメルト接着剤は、従来知ら
れている用途、即ち、紙、ポリエステルフィルム、金
属、合板等の木材、布、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラス
トマー、ゴム等の接着に用いることが出来る。
【0023】接着方法は特に制限されない。従来から用
いられているホットメルト接着剤用の設備を用いること
が可能であり、ノズル型ホットメルトアプリケータ、ス
プレー型ホットメルトアプリオケータ、フラットノズル
型ホットメルトアプリケータ、ロール型コーター、押出
し型コーター等が例示される。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらの実施例により何ら制限を受けるものでは
ない。尚、実施例、比較例において用いた原料樹脂、配
合物、組成物の調整、分析、試験法は下記の通りであ
る。 1.原料 (1)EVA 東ソー株式会社製、ウルトラセン720(酢酸ビニル含
有量=28重量%、MFR=150g/10分)、ウル
トラセン0B52C(酢酸ビニル含有量=28重量%、
MFR=150g/10分)および、ウルトラセン63
4(酢酸ビニル含有量=26重量%、MFR=4g/1
0分)、ウルトラセン750(酢酸ビニル含有量=30
重量%、MFR=32g/10分)および、これらを分
別した、分子量分布が2以下の各種EVAを用いた。用
いた分別物を表1に示す。
【0025】
【表1】 (2)粘着付与樹脂:テルペン樹脂(ヤスハラケミカル
製:PX1150) (3)酸化防止剤;フェノール系酸化防止剤(チバガイ
ギー製、Irganox1010) 2.ホットメルト組成物の調製方法 EVA10g、粘着付与樹脂10g、酸化防止剤0.1
gを、300mlのテフロン(登録商標)ビーカーに入
れ、50mlのクロロフォルムを入れて50℃で均一に
攪拌下、溶解させた後、加熱下濃縮し溶剤を除去した
後、更に40℃で一昼夜、真空乾燥を行いホットメルト
接着剤組成物のサンプルを調製した。 3.分析方法 総分岐数はエチレン・酢酸ビニル共重合体を重クロロフ
ォルム溶液とし、13C−NMR(JEOL製 400M
Hz 13C−NMR測定装置)測定を行い常法により算
出した。分別したEVAの分子量は下記のシステムによ
り測定した。
【0026】 東ソー株式会社製 GPC測定装置 8010(型番) カラム:TSKgel GMH−HR−H×2 溶離液:THF 流速:1ml/分 温度:40℃ 分子量−標準サンプル:単分散ポリスチレン 検出器:示差屈折率計 サンプル注入量:100マイクロリットル 4.試験方法 (1)耐熱接着試験:T剥離試験 幅2.5cm、長さ12cmのクラフト紙を厚さ0.2
mmとなるようにホットメルト接着剤組成物のシート
(2.5cm×2.5cm)を挟み込んだ後、140℃
でプレス成形を行い、試験片を調整した。接着面に垂直
に把持して、一定荷重(60gf)下、温度60℃で接
着層が一定面積剥離するまでの時間を測定し、耐熱性の
指標とした。 (2)低温特性:低温可撓性 ホットメルト接着剤組成物を140〜180℃でプレス
成形し、厚さ1mmのシートを作成し(1.0cm×1
2cm)試験片とした。低温恒温槽に折り曲げ試験機に
把持したサンプルを入れてサンプルが所定温度に達した
時点で180度折り曲げ試験を行い、サンプルが破壊し
ない最低温度を耐寒性とした。
【0027】参考例1 恒温槽に設置された、直径40cm、高さ60cmの、
直径10ミクロンのガラスビーズを充填した金属製円筒
管に、100gのEVA(ウルトラセン720)を4L
の熱ヘキサンに溶解させ、充填した。恒温槽内を−10
℃に冷却した後、2−プロパノール(IPA)で円筒管
の溶媒を置換しEVAを析出させた。50℃に昇温した
後、IPAとヘキサンとの混合溶媒を順次組成を変え1
6Lずつ流し、各組成の溶出溶液をエバポレーターで濃
縮し分別物を得た。分別条件及び結果を表2に示す。同
様にウルトラセン0B52Cを分別した結果を表3に示
す。
【0028】
【表2】
【表3】 実施例1、2 表1に示したEVAの分別物を用いて、表4に示すよう
な量比にてブレンドを行い、組成分布を有するEVAを
調整するとともに、ホットメルト接着剤組成物の配合を
行い耐熱接着性および低温特性試験を行った。結果を表
4に示す。
【0029】比較例1 実施例1において用いたEVAのブレンド物に変えてウ
ルトラセン720を用いた以外は実施例1と同様にして
ホットメルト接着剤組成物を得た。結果を表4に示す。
【0030】比較例2 実施例1において用いたEVAのブレンド物に変えてウ
ルトラセン0B52Cを用いた以外は実施例1と同様に
してホットメルト接着剤組成物を得た。結果を表4に示
す。
【0031】
【表4】 表4から明らかなように比較例1のホットメルト接着剤
組成物に用いたEVAは、総分岐数が多く耐寒性に優れ
る。しかしながら、組成分布が小さいために耐熱性が不
十分である。比較例2において使用したEVAは総分岐
数が少なく、耐熱性に優れたホットメルト接着剤組成物
が得られるものの、耐寒性が不十分となる。これに対し
て、実施例1、2のように全体の分岐数は従来品のEV
Aと同程度とし、更に組成分布をつけたEVAをベース
ポリマーに用いたホットメルト接着剤組成物では、耐寒
性および耐熱接着性に優れる。
【0032】
【発明の効果】以上、示されたように本発明のエチレン
・酢酸ビニル共重合体を用いたホットメルト接着剤組成
物は、耐熱性と耐寒性を兼ね備えた接着剤を提供出来
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 218:08) (72)発明者 山川 浩 三重県四日市市芝田2−1−5−201 Fターム(参考) 4J040 DA051 DE031 JB01 KA26 LA01 LA02 LA08 MA02 MA08 MA09 MA10 MA12 4J100 AA02P AG04Q CA04 DA01 DA04 DA42 JA03

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(a)〜(c)の要件を満たすエチレ
    ン・酢酸ビニル共重合体。 (a)メルトフローインデックス(MI)が0.5〜5
    000g/10分、酢酸ビニル含量(重量%)が5〜5
    0であり、(b)EVA中の酢酸ビニルのモル%(〔V
    Ac〕:モル%)と炭素数2以上のアルキル分岐のモル
    %との和で表される分岐数(B:モル%)が下記(1)
    式を満たし、かつ、 【数1】 (c)EVAを、Mw/Mnが2以下となるように分別
    し、その分別物の分岐数を測定したとき、その分岐数の
    最大値と最小値の差が下記(2)式を満足する。 10≧Nmax−Nmin≧2 (2) (ここで、Nmax、Nminは各分別物を測定して得
    られる分岐数の最大値、及び最小値を表し、分岐数は炭
    素数2以上のアルキル分岐モル%と酢酸ビニルのモル%
    の和で表される。ただし、ポリスチレン換算による重量
    平均分子量が15000g/mol以下の分別物は除
    く。)
  2. 【請求項2】請求項1に記載のエチレン・酢酸ビニル共
    重合体に粘着付与樹脂を配合してなるホットメルト接着
    剤組成物。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のホットメルト接着剤組成
    物にワックスが配合されてなるホットメルト接着剤組成
    物。
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