JP2002542959A - パイプの清掃および再生技術において使用されるフライス装置のための固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、パイプ清掃および再生で使用されるフライス装置のための固定装置に関する。この装置は、筒状の固定装置本体（１）を備え、その中に２つの環状ピストン（２）が鏡像関係で対称に配置されている。２つの環状ピストンに後方から圧力をかけると、この環状ピストンにプッシュロッド(４)を介して結合されている固定用アーム(８)があたかもＸ字状に半径方向外向きに拡がり、パイプ中に固定装置本体を固定配置する。圧力を開放すると、環状ピストン上に設けた圧力スプリング（６）が固定用アームをその初期位置に復帰させる。本発明によるこの固定装置は、小さな半径方向寸法を有し、パイプ中に同心的に設置され得、簡単な構造を有し、曲がったパイプの中でも使用可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、特許請求項１の導入部にあるように、フライス装置によって障害物
や再生物質を切削除去するために、パイプ内にフライス装置を固定配置するため
の固定装置に関する。

【０００２】 パイプ清掃および再生技術において、数多くの各種フライス装置が知られてい
る。これらの装置は、貫通・突出・接続パイプへの固体堆積物や、その他例えば
根の様に成長した排水管障害物の除去に用いられる。米国特許第４００９０６３
号および第４０６７２１１号には、内ライナー付パイプ再生技術において、接続
パイプの側面流入箇所を開口するといったような最終的な加工作業を行なうため
のフライス装置が開示されている。

【０００３】 圧搾空気を単に供給するだけで曲がりを無視することができる特に簡単なフラ
イス装置がＰＣＴ/ＣＨ９９/００５４０号に提案されている。それによれば、フ
ライスカッターを正確に案内するとともに発生する力を吸収するためのクランプ
本体すなわち固定装置本体は、パイプ中に、半径方向に配置された空気圧シリン
ダによって固定配置される。細長い中央部を有するＨ型設計によって、曲げに対
処可能である。

【０００４】 そこで提案された半径方向に空気圧シリンダを配置する構成では、固定装置本
体は、対応するシリンダボアを設けるために最小限の直径を有する必要がある。
何故なら、固定装置本体内部で案内される空気圧ピストンを備えた上昇ロッドは
、必要なピストン力を得るための強度とピストン断面積の故に、勝手には減少で
きない。従って、提案されたように半径方向に配置したピストンによってフライ
ス装置を固定配置することは、最小限の構造寸法に依存することになる。すなわ
ち、提案されたような設計の固定装置本体を有するフライス装置は小さな断面積
のパイプ中では作動できない。

【０００５】 その提案された固定装置本体の固定配置は、さらに、次のような欠点が見られ
る。すなわち、個々の空気圧ピストンは、圧搾空気によって同時に作動されるけ
れども、別個に作用するので、パイプの状態（ジグザグ、貫通穴など）によって
は、固定装置本体がパイプ中で同心的に固定配置されるとは限らない。したがっ
て、フライス装置の案内の軸方向および半径方向の自由な移動が妨げられ、ある
いは、その偏心した位置の故に、フライス装置がパイプの壁を十分な深さまで切
削できない。

【０００６】 本発明は、その解決法を提供しようとするものである。本発明は、請求の範囲
において特徴づけられているように、フライス装置のための、曲げに対処可能で
、最小限の半径方向の構造寸法を有し、パイプ中での確実な同心的設置可能性を
有する簡単な固定装置を提供するとの課題を解決するものである。

【０００７】 パイプ中にフライス装置を設置するための固定装置本体上に半径方向に空気圧
シリンダを配置するとの従来の提案から離れて、本発明の特に簡単な設計によれ
ば、半径方向の寸法において最小化され、軸方向に変移可能な環状ピストンを、
固定用アームを有するベルクランクを介して、半径方向に配置したプッシュロッ
ドに結合し、これにより、環状ピストンに圧力が加わると固定用アームが固定装
置本体をパイプ中で同心的に固定配置するものである。従って、固定配置されて
いない状態では、細長い構造設計になっており、固定配置された状態においては
、ベルクランクとの関連に応じて、所望の固定範囲を実現できる。

【０００８】 本発明によれば、更に、固定装置本体上に２つの固定装置を鏡像的に配置する
ことができる。その結果、固定配置された状態においては、固定装置本体は、パ
イプ中にほぼＸ形状の支持によって固定配置される。２つの鏡像関係に配置され
た環状ピストンへ圧搾空気を作用させると、案内棒および固定装置本体中のピス
トン供給ボアを介して、又、固定装置本体と案内棒との間の環状のギャップを介
して進む。

【０００９】 本発明によれば、固定用アームは、回転可能に、その端部で、そこを通過する
ボルトによって、固定装置本体に支持されており、頭部は丸みをつけられ、プッ
シュロッドに回転結合させるためのボルト受け穴を備えている。このプッシュロ
ッドは、回転可能に、環状ピストンにボルトにより取り付けられている。

【００１０】 又、本発明によれば、固定用アームの半径方向の拡がりは、ベルクランクを構
成する環状ピストンとプッシュロッドとの間およびプッシュロッドと固定用アー
ムとの間での回転結合によって、行われる。

【００１１】 環状ピストンと固定装置本体との間の封止は、Ｏリングによって行われる。圧
搾空気が環状ピストンに作用すると、プッシュロッドは、半径方向外向きに動き
、従って、その上に設置された固定用アームを一緒に半径方向外向きに付勢する
。

【００１２】 固定装置本体の固定配置された状態を開放するために、本発明によれば、放射
状に配置された圧力スプリングを環状ピストンと案内チューブとの間に設けるこ
とが行われる。その結果、圧力の開放時に、環状ピストンは圧力スプリングによ
って元に復帰され、同時に、固定用アームは半径方向反対向きに移動される。

【００１３】 したかって、固定用アームに固定配置作用を行わせるには、ピストンリングの
断面とそれに作用する空気圧とによって生じる環状ピストンのピストン力は、圧
力ばねにより生じる力より大きくなければならない。

【００１４】 特別の用途においては、ピストン断面積が小さくそれに対応して高い圧力で動
作できるようにするためには、圧搾空気に代えて水圧作動液を使用することが都
合が良いかもしれない。その場合、作動媒体の粘性が高いために、ピストンへの
供給ボアは対応して拡大されるべきである。

【００１５】 以下に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。

【００１６】 図において、パイプ清浄およびパイプ再生技術において、障害物を除去するた
めあるいは内ライナーの再生に従うパイプ接続の側方流入口の開口のためのフラ
イス装置のための固定装置を示す。これは、その基本的設計では、管状固定装置
本体１からなる。この本体は、環状ピストン２を受けるために、両側から中央部
まで対称的に切削されている。その切削された部分の深さは、環状ピストンの長
さのほぼ５０〜９０％好ましくは７０〜８０％である。

【００１７】 ２つのフランジ状案内チューブ３が、その上に摺動するピストンを搭載すると
ともに、固定装置本体の残りの厚い壁の筒状の中央部中に配置固定されており、
この中央部に対向する正面側は、鏡像関係におかれている。

【００１８】 ２つの環状ピストンは２は筒状壁を有し、その内径は案内チューブ３の外形よ
りも幾分大きく、その外形は切削された固定装置本体の内径よりも幾分小さい。
固定装置本体１および案内チューブ３に対する封止のために、Ｏリング形状の封
止要素を受けるための溝が、環状ピストン２の正面側に切削されている。

【００１９】 環状ピストン２の反対側には、４つの十字形の切削溝が筒状壁を通して延在し
ており、その深さは、筒状壁の厚さの２０〜８０％、好ましくは、４０〜６０％
であり、プッシュロッド４の幅よりも幾分大きい。その中央で、筒状壁は、溝と
直角の方向に接線方向に穿孔されており、４つのプッシュロッドを回転可能に受
けるためのそれぞれのボルトを固定する。

【００２０】 筒状壁は、溝と４５度ずれて配置された４つの横方向めくら穴を形成されてい
る。この穴は４つの圧力ばね６を受けるためのものである。

【００２１】 固定装置本体１は、その外側筒状壁に横方向の２×４個の鏡像関係に配置され
た爪７を有している。これらの爪は、各々、放射方向にボルト９を止める穴を備
えている。それぞれの固定用アーム８は、これらの爪にボルト９によって、回転
可能に結合されている。固定用アーム８は、それ等の正面側の端部で、ころ状に
丸められており、プッシュロッド４をボルト１０で回転可能に取り付けるための
半径方向の穴を備えている。

【００２２】 環状ピストン２の後端側に空気あるいは他の媒体の圧力を加えるために、軸方
向の貫通孔１１が固定装置本体の中央部に開けられており、この穴は、中央部に
もう一つ設けられた第２の半径方向の穴１２と交差している。２つの案内チュー
ブ３の内側筒部に部分的に切削されそこに案内棒１３を収容して形成され、圧搾
空気あるいはこれに代わる圧力液体を供給するための穴１４を有する環状ギャッ
プを通して、穴１２に、圧搾空気あるいはこれに代わる圧力媒体を作用させる。
これにより、２つの環状ピストンは互いに離れる方向に摺動し、環状ピストン２
とプッシュロッド４との間の回転結合およびプッシュロッド４と固定用アーム８
との間の回転結合によって構成されているベルクランクを介して、クランプ本体
に回転可能に支持された固定用アーム８を、確実に、同心的に、半径方向でＸ字
状外向きに、パイプの内面に対して付勢する。

【００２３】 環状ピストン２から圧力が開放されると直ぐ、正面側に配置された圧力ばね６
が環状ピストン２を元位置に摺動復帰させ、固定用アームは半径方向で固定装置
本体の方向に確実に回転的に戻る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 固定装置の側面およびＡ-Ａ線での半断面図である。

【図２】 固定装置の正面およびＢ-Ｂ線での半断面図である。

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 管状固定装置本体（１）と、その中に収容され作動媒体の供
   給のための一体のボアを有する案内棒（１３）とを有するフライス装置のための
   固定装置において、前記固定装置本体（１）中に、２つの互いに鏡像関係にあり
   かつ軸方向に可動の環状ピストン（２）が配置されており、これら環状ピストン
   はベルクランクを介して固定用アーム（８）に接続されており、固定用アームは
   その一端を回転可能に固定装置本体に設置されており、該２つの環状ピストン（
   ２）に前記固定装置本体（１）の中央部のボア（１１）を通して圧力が加わった
   とき、パイプ中で前記固定装置本体(１)を同心状に固定配置するために、前記固
   定用アーム(８)がほぼＸ字状に径方向外向きに付勢されることを特徴とするフラ
   イス装置のための固定装置。
2. 【請求項２】 前記固定装置本体（１）の両側から前記環状ピストン（２）
   を受ける中央部の厚い壁の部分の内側に、軸方向に鏡像関係に配置された案内チ
   ューブ（３）が設置されており、前記環状のピストン（２）が前記固定装置本体
   （１）の内面と該案内チューブ（３）の外面との間に摺動接触していることを特
   徴とする請求項１に記載のフライス装置のための固定装置。
3. 【請求項３】 前記環状ピストン（２）は、前記固定装置本体の前記中央部
   から離れる方向を向いた正面側に、２〜８、好ましくは３〜５個の溝状の切り欠
   き部を有し、この切り欠き部はピストン壁を貫通し、ボルト（５）によるプッシ
   ュロッド(４)の受けを形成していることを特徴とする請求項１のフライス装置の
   ための固定装置。
4. 【請求項４】 前記環状ピストンは、前記固定装置本体の前記中央部から離
   れる方向を向いた正面側に、圧力ばね(６)を受けるための２〜８、好ましくは３
   〜５個のめくら穴を有し、このめくら穴は前記切り欠き部形状の溝と半径方向に
   ずれていることを特徴とする請求項３のフライス装置のための固定装置。
5. 【請求項５】 前記ベルクランクは、一方で、前記環状ピストン（２）と前
   記プッシュロッド(４)との間に形成され、他方で、該プッシュロッド(４)と前記
   固定用アーム(８)との間に形成され、前記環状ピストンの作動時に、前記固定用
   アームが径方向外側に広げられることを特徴とする請求項１に記載のフライス装
   置のための固定装置。
6. 【請求項６】 前記２つの案内チューブ（３）は、鍔形状を持ち、前記固定
   装置本体（１）の中央部の方を向いた鍔内面に、前記圧力ばね（６）を受けるた
   めに、２〜８、好ましくは、３〜５のめくら穴を有することを特徴とする請求項
   １に記載のフライス装置のための固定装置。