JP2002542712A - セルラ基地局に関する無線リンクの経費を改善する方法および装置 - Google Patents

セルラ基地局に関する無線リンクの経費を改善する方法および装置

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JP2002542712A JP2000613094A JP2000613094A JP2002542712A JP 2002542712 A JP2002542712 A JP 2002542712A JP 2000613094 A JP2000613094 A JP 2000613094A JP 2000613094 A JP2000613094 A JP 2000613094A JP 2002542712 A JP2002542712 A JP 2002542712A
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Abstract

(57)【要約】 セルラ基地局に関する無線リンクの経費を改善する方法および装置を開示する。送信機モジュールがN個の同位相のダウンリンク信号を生成し、この同位相のダウンリンク信号の各々は同一の周波数でありかつ予め決められた電力レベルを有し、および、送信機モジュールに接続されている合成器が、N個の同位相のダウンリンク信号を受信して合成し、それによってN個の同位相のダウンリンク信号のどの信号の出力電力レベルよりも高い出力電力レベルの出力信号を生成する。送信機モジュールはN個のチャネルユニットを含み、このN個のチャネルユニットの各々は変調器とアップコンバータと増幅器とを含む。このシステムは、さらに、処理のためにN個のチャネルユニット各々のためのベースバンド信号を生成するベースバンドユニットを含む。このシステムは、さらに、ベースバンド信号の各々を受信する移相器と、出力信号の出力電力レベルを測定し、移相器を調整することによって出力信号の出力電力レベルを最大化するための、合成器の出力に配置されている電力検出器とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 <発明の背景> (1. 発明の分野) 本発明は一般的に基地局に関し、さらに特に、セルラ基地局に関する無線リン
クの経費(budget)を改善する方法および装置に関する。 (2. 関連技術の説明) セルラ通信システムは全世界の通信市場において著しい成長を続けている。こ
の成長は様々な調査研究プログラムを促進し、セルラ機器の製造業者全てにとっ
ての技術的な好機を拡大している。
【0002】 顧客の心を引きつけて、より大きな市場占有率を得るために、セルラ供給業者
が、セルラIDとショートメッセージ通信(ページングに相当)のような、その
システムの純粋にディジタルな性質によって可能にされた特徴を押し進めている
。より大きな市場占有率をさらに得るために、セルラ供給業者はエアタイム(a
ir time)のコストの低減に取りかかっている。価格の削減は様々な形を
とる。例えば、販売業者は、毎月の無料通話分数をより多く提供し、追加分数の
請求料金を値引きし、着信呼の最初の1分間を無料にし、月額定額料金を値下げ
し、長期契約を廃止することが可能であり、これら全ての戦略は既存のセルラ販
売業者にも採用可能である。供給業者にとっては、このことは顧客1人当たりの
収入の低下につながるが、市場占有率の増大のためにはより良い刺激策となる。
したがって、ネットワークの問題に起因する顧客トラフィックのどんな減少も収
入と利益とに著しく大きな影響を与える。
【0003】 従来においては、基地局からの出力電力を増大させてダウンリンクのサービス
エリアを拡大するために、別個のブースタが使用されてきた。ブースタは、通常
のチャネルユニット内の送信機と電力増幅器との後に加えられる追加の増幅器で
ある。こうした構成は必要とされる出力電力を供給するが、こうした設計のため
に幾つかの欠点が生じることになる。例えば、追加のブースタユニットを設計し
なければならず、この設計には多くの時間と多くのリソースが必要である。さら
に、この追加のブースタユニットは基地局のキャビネット内に配置されなければ
ならない。ブースタユニットが非常に高いRF電力を扱わなければならないので
、こうしたブースタユニットの信頼性が問題を生じさせる場合が多い。ブースタ
ユニットを設けることは無線基地局から移動局へのアップリンクを改善するが、
無線基地局からのより高い出力電力は無線基地局の受信機の感度を改善しない。
無線リンクは、ブースタユニットを使用しなかった場合と同様にバランスがとれ
ていない。最後に、ブースタユニットが故障すると、その周波数におけるサービ
ス全体が失われてしまう。ブースタユニットがより高い高電力レベルで働くので
、故障したブースタユニットをバイパスすることは非常に困難であり、典型的に
は冗長性がチャネルユニットに組み込まれることがない。
【0004】 したがって、別個のブースタユニットに依存することなしにセルラ基地局の無
線リンクの経費を改善する方法および装置が必要とされているということが理解
できる。 <発明の概要> 上述の従来技術の限界を克服するために、および、本明細書を検討し理解する
ことによって明らかになる他の制約を克服するために、本発明は、セルラ基地局
の無線リンクの経費を改善する方法および装置を開示する。
【0005】 本発明は、どの単一のダウンリンク信号の電力レベルよりも高い出力電力レベ
ルの出力信号を生成するために同位相のダウンリンク信号を組み合わせることに
よって、上述の問題点を解決する。
【0006】 本発明の原理によるシステムは、各々が同一の周波数でありかつ予め決められ
た電力レベルを有するN個の同位相のダウンリンク信号を生成するための送信機
モジュールと、N個の同位相のダウンリンク信号を受信して合成し、それによっ
てN個の同位相のダウンリンク信号のどの信号の電力レベルよりも高い出力電力
レベルの出力信号を生成するための、送信機モジュールに接続されている合成器
(combiner)とを含む。
【0007】 本発明の原理によるシステムおよび方法の他の実施様態が、代案または採用随
意の追加の態様を含んでもよい。本発明のこうした態様の1つが、送信機モジュ
ールがN個のチャネルユニットを含むということである。
【0008】 本発明の別の態様は、N個のチャネルユニットの各々が変調器とアップコンバ
ータと増幅器とを含むということである。
【0009】 本発明の別の態様は、このシステムが、処理のためにN個のチャネルユニット
各々のためのベースバンド信号を生成するベースバンドユニットをさらに含むと
いうことである。
【0010】 本発明の別の態様は、このシステムが、さらに、ベースバンドまたはRF信号
のための調整可能な移相器の調整可能な遅延と、出力信号の出力電力レベルを測
定し、移相器または調整可能な遅延を調整することによって出力信号の出力電力
レベルを最大化するための、合成器の出力に配置されている電力検出器とを含む
ということである。
【0011】 本発明の別の態様は、送信機モジュールが変調段とアップコンバージョン段と
増幅段とを含むということである。
【0012】 本発明の別の態様は、このシステムが、さらに、ベースバンド信号を生成する
ベースバンドユニットを含み、このベースバンド信号は、変調された信号を生成
するために送信機モジュールの変調段に供給されるということである。
【0013】 本発明の別の態様は、変調段が、予め決められたRF周波数へのアップコンバ
ージョンのために、変調された信号をアップコンバージョン段に供給するという
ことである。
【0014】 本発明の別の態様は、アップコンバージョン段がN個のアップコンバータを含
み、変調された信号がN個の変調された信号に分割され、N個の変調された信号
の各々が予め決められたRF周波数のN個のRF信号を生成するためにN個のア
ップコンバータの1つに供給されるということである。
【0015】 本発明の別の態様は、増幅段が、N個の同位相のダウンリンク信号を生成する
ための、N個のRF信号のためのN個の増幅器を含むということである。
【0016】 本発明の別の態様は、増幅段がN個の増幅器を含み、アップコンバージョン段
が予め決められたRF周波数のN個のRF信号を供給し、このN個の増幅器がN
個のRF信号を受信し、N個のRF信号を使用してN個の同位相のアップリンク
信号を生成するということである。
【0017】 本発明の別の態様は、このシステムが、さらに、移相器または遅延要素と電力
検出器とを含み、移相器は、ベースバンド信号を生成するベースバンドユニット
と送信機モジュールとの間に配置されており、送信機モジュールはベースバンド
信号を受信し、電力検出器は、出力信号の出力電力レベルを測定しかつ出力信号
の出力電力レベルを移相器の調整によって最大化するために、合成器の出力に配
置されているということである。
【0018】 本発明の別の態様は、出力信号の出力電力レベルは、Nが2である時に、3デ
シベル増大させられるということである。
【0019】 本発明の別の態様は、出力信号の出力電力レベルは、Nが4である時に、6デ
シベル増大させられるということである。
【0020】 本発明の別の態様は、出力信号の出力電力レベルは、Nが8である時に、9デ
シベル増大させられるということである。
【0021】 本発明の別の態様は、各チャネルユニットが少なくとも1つの受信機を含むと
いうことである。
【0022】 本発明の別の態様は、受信された信号が、アップリンクのダイバーシチ利得を
得るように合成されるということである。
【0023】 本発明の別の態様は、複数の受信機からの信号を合成することが受信機の感度
を改善するということである。
【0024】 本発明を特徴付けるこれらの、および様々な他の利点と新規の特徴とが、本明
細書に添付されておりかつ本明細書の一部分を形成する特許請求項に詳細に指摘
されている。しかし、本発明とその利点とその使用によって実現される目的とを
より適切に理解するために、本明細書の別の一部分を形成する図面と、本発明に
よる装置の特定の具体例が例示され説明されている添付の説明内容とを参照され
たい。
【0025】 全ての図面において同じ参照番号が同じ部分を表している次の図面を参照する
。 <発明の詳細な説明> 次の典型的な実施形態の説明では、本明細書の一部分を形成する添付図面を参
照し、この添付図面では、本発明が具体化されることが可能な特定の実施形態を
実例として示してある。本発明の範囲から逸脱することなしに構造上の変更を行
うことが可能なので、他の実施形態を使用してもよいということを理解されたい
【0026】 本発明は、セルラ基地局に関する無線リンクの経費を改善する方法および装置
を提供する。同位相のダウンリンク信号が、どの単一のダウンリンク信号の電力
レベルよりも高い出力電力レベルの出力信号を生成するために合成される。受信
機のためのダイバーシチ利得を得るために、アップリンク信号もまた合成される
【0027】 図1は、本発明の実施形態による移動通信システム100を示す。このシステ
ム100は、システムコントローラ101に接続されている複数の基地局102
と、複数の移動端末装置103とによって構成されている。移動通信システム1
00のサービスエリアは複数のセル110〜120に分割されている。移動交換
局130が別の移動通信システムまたは固定ネットワーク132に接続されてお
り、移動端末装置103に対する呼の設定を調整する。移動端末装置103は、
その付近の基地局102に割り当てられているチャネルを経由して通信するよう
に複数の基地局102によって形成されているサービスエリア内を移動すること
が可能である。
【0028】 基地局102は、無線インタフェースを介してネットワークに移動端末装置1
03をインタフェースするネットワーク要素である。基地局102の第1の機能
は、そのセル内のどの移動端末装置103に対しても通信のための無線インタフ
ェースまたは無線媒体を維持することである。基地局102の他の機能は、呼処
理、シグナリング、維持管理、および、診断である。基地局102は送受信機1
40、142、144を含む。少なくとも1つの受信機と1つの送信機とを表す
送受信機140、142、144は、セル110、112、114それぞれに対
してサービスエリアを提供し、各送信機/受信機対140、142、144はチ
ャネルユニットを含む。送受信機140、142、144は、さらに、対応する
セル内を移動している移動端末装置103から送信される呼出し信号を受信し、
その受信した信号のアップリンク搬送波電力を検出する。
【0029】 図2は、送信機ユニット200の簡略化したブロック図を示す。図2では、変
調器210が信号を変調し、その次に、この信号は、第1の局部発信器212と
ミクサ(mixer)214とを使用してアップコンバージョンされる。その次
に、アップコンバージョンされた信号216が増幅器220によって増幅され、
帯域フィルタ222を使用してろ波される。その次に、ろ波された信号224は
、第2の局部発信器232とミクサ234とを使用してRF信号230を生成す
るために所望の周波数にアップコンバージョンされる。その次に、RF信号23
0は、例えば電力増幅器252、254、256を含む電力増幅器段240を通
過させられる。必要とされるRF出力電力を送信機ユニット200から供給する
ために、ブースタユニット260が最後の増幅器256の後に設けられる。ブー
スタユニット260は、高出力電力増幅器であるブースタ増幅器を含む。
【0030】 図3は、本発明による送受信機のダウンリンク部分300を示す。基地局送受
信機のダウンリンク部分300は、送信モジュール312に同一の信号を供給す
るベースバンドユニット310を含み、この送信モジュール312はチャネルユ
ニット1 320とチャネルユニット2 322とを含む。チャネルユニット3
20、322の出力が、所望の出力信号340を供給するために広帯域合成器3
30に供給される。広帯域合成器330は、2つの別個のチャネルユニット32
0、322からの2つの信号を合成するために使用される。2つのチャネルユニ
ット320、322からの2つの信号は、同位相であるように制御される。チャ
ネルユニット320、322からの2つの信号を同位相で合成することによって
、合成器330の出力340において理想的には3dB大きい出力電力が得られ
る。典型的には、合成器330は、出力340における出力電力を2倍にするた
めにウイルキンソンの原理(Wilkinson principle)にした
がって同位相に組み合わされている2つの90度の長さののマイクロストリップ
350、352を含む。
【0031】 従来においては、広帯域合成器330は、位相の相関がない互いに異なった周
波数の2つの信号を合成するために、基地局送信機で使用されている。こうした
シナリオでは、副信号の各々は3dBの減衰を被る。図3に示すような本発明と
は対照的に、2つのチャネルユニット320、322からの2つの信号は周波数
において同一であり、かつ、同位相である。
【0032】 図3では、1つのチャネルユニット320または322が故障すると、出力3
40における出力電力が6dB低下する。出力340において出力電力がこのよ
うに低下するのは、その他のポートに信号が存在せず、この結果として挿入信号
の3dBの減衰が生じ、さらには、1つに合成されている2つの信号が出力34
0に存在しないので追加の3dBの減衰が生じるからである。当業者は、本明細
書で説明するタイプの典型的な合成器/分割器が約0.2〜0.4dBの損失を
含むということを理解するだろう。したがって、この損失をシステム全体におい
て計算に入れなければならない。
【0033】 当業者は、本発明の他の実施形態が図3に示す構成以外でも使用できるという
ことを理解するだろう。上述のように、図3は、別々の信号が2つのチャネルユ
ニット320、322に送られ、チャネルユニット320、322ではこれらの
信号が別々に変調されアップコンバージョンされ増幅され、その後で合成器33
0内で合成されるということを示している。
【0034】 しかし、当業者は、本発明の原理にしたがって図4に示すとおりのシステムも
使用してよいということを理解するだろう。図4では、基地局400が、変調器
420を含む変調段418に単一の信号を供給するベースバンドユニット410
を含む。変調器420は2つの変調された出力信号422、424を増幅器およ
びアップコンバージョン段430に供給する。増幅器およびアップコンバージョ
ン段430はチャネル432を供給し、すなわち、増幅器およびアップコンバー
ジョン段430は、信号422、424のためのチャネル432の各々のための
別々の増幅器とアップコンバータとを供給する。その次に、増幅器およびアップ
コンバージョン段430の出力が、合成された出力450を提供するために合成
器440に供給されることになっており、このことは図3を参照して上述したこ
とと同様である。
【0035】 図5は本発明の別の実施形態を示す。図5の基地局500はベースバンドユニ
ット510を含む。ベースバンドユニット510は単一の信号を変調器およびア
ップコンバージョン段520に供給する。ベースバンド信号が変調されて所望の
RF周波数にアップコンバージョンされた後に、この信号は別々の信号522,
524に分割される。アップコンバータ信号522が、合成器540に供給され
る増幅された信号534を生成するために、増幅器530に供給される。アップ
コンバージョンされた信号524が、RF電力信号536を合成器540に供給
するために、増幅器532に供給される。その次に、図3に関して上述した通り
に出力550を生成するために、信号534、536が合成器540内で合成さ
れる。
【0036】 当業者は、本発明が図3〜5に関連して示した実施形態に限定されないという
ことと、他の実施形態が実現可能であるということとを理解するだろう。本発明
は、理想的な場合には、厄介なブースタユニットを設計することなしに出力電力
の3dBの増大を実現する。より高い電力はネットワークのサービスエリアの拡
大を結果的にもたらし、および、ブースタユニット設計の削除がより迅速な基地
局設計サイクルを結果的にもたらす。さらに、1つの送信機が故障した場合に最
大出力電力が6dB減少するが、このより低い電力レベルにおいても動作が依然
として可能であるように、冗長性が実現される。さらに、ブースタユニットで必
要とされる非常に高い電力のRF部品を使用する必要がなく、このことも信頼性
を向上させる。ブースタユニットで必要とされるような高電力増幅器が不要なの
で、熱の放散が容易になる。したがって、本発明は融通性の高いモジュール構造
を提供し、このモジュール構造では、出力電力の追加の増大を可能にするために
追加のチャネルユニットを含んでもよく、例えば、6dBの増大を可能にするた
めに4個のチャネルユニットを含んでもよく、9dBの増大を可能にするために
8個のチャネルユニットを含んでもよい。最後に、同位相信号を合成することに
よって電力の増大を実現するという概念(側部1の末端)が、リンクのバランス
を常に維持するためにダイバーシチ受信と組み合わされてもよい。例えば、受信
機の感度と出力電力能力とが適切に選択される場合に、チャネルユニットはリン
クのバランスを維持する。各チャネルユニットが2つの受信機を含む時には、そ
のチャネルユニットは、無線リンクをバランスした状態に維持するのに十分な出
力電力も有するN方向ダイバーシチ受信機のための汎用ビルディングブロックと
して使用されてもよい。
【0037】 図6は、本発明によるチャネルユニット600の実施形態を示す。図6では、
チャネルユニット600は受信機610と送信機620とを含む。受信機は受信
信号630、632によって2方向ダイバーシチを実現する。送信機620は送
信機出力640を供給する。
【0038】 バランスしたリンクを実現する2方向ダイバーシチ受信機を有する単一チャネ
ルユニットがリンクの経費の改善を可能にする。図7は、本発明によってチャネ
ルユニットを組み合わせることによる、このダイバーシチ利得効果および合計出
力電力効果700を示す。2方向組合せチャネルユニット720が、+3dBの
ダイバーシチ利得効果722と、合計出力電力の3dBの増大724とを実現す
る。4個のチャネルユニットが、+6dBのダイバーシチ利得効果732と、出
力電力の+6dBの増大734とを実現する、4方向システム730の形に組み
合わされてもよい。最後に、8個のチャネルユニットが、+9dBのダイバーシ
チ利得効果742と、+9dBの合計出力電力の増大744とを実現するために
、8方向構成740の形に組み合わされてもよい。
【0039】 上述のように、合成される送信信号は同位相でかつ同一周波数でなければなら
ない。これを実現するためには、すべてのチャネルユニットが共通ユニットから
その周波数基準を得なければならない。さらに、チャネルユニットの局部発信器
内の位相および周波数検出器が、チャネルユニット相互間で周波数と位相を正確
に同一に保つために使用されなければならない。同位相電力合成器とチャネルユ
ニットとの間のケーブルの長さは、2つの信号を合成する時に位相の等化を維持
するために原則的に互いに等しい長さでなければならない。しかし、この問題を
克服するための方法は数多くある。例えば、900メガヘルツの動作周波数では
、無線信号は自由空間内では0.3メートルの波長を有し、またケーブルが自由
空間の60%の伝播定数を有すると仮定すると、ケーブル内では0.18メート
ルの波長を有する。したがって、ケーブル長の5ミリメートルの差異は位相にお
ける10度の隔たりに結果する。最大の出力電力を確保するためには、合成され
る信号が数度の範囲内になければならない。しかし、こうした極端な精度は、適
応位相制御なしでは実現は容易でない。
【0040】 図8は、位相制御を可能にするために使用可能な1つの回路800のブロック
図を示す。図8では、信号が移相器810、812に供給され、この信号はチャ
ネルユニット1、2内の電力増幅器820、822によってそれぞれ処理される
。チャネルユニット1内の電力増幅器820の出力信号860は、所望の出力信
号872を供給するために、チャネルユニット2内の電力増幅器822の出力信
号862と共に合成器870に供給される。出力信号872の電力レベルが、回
路880によって監視および検出され、この回路880は、出力信号872の出
力電力レベル882を最大化するように移相器810、812を制御するための
位相制御信号882を生成する。出力信号872の出力電力レベルを最大化する
ことによって、位相誤差が最小限に抑えられる。チャネルユニット自体の受信機
において同位相の合成信号をループバックすることによって、送信される信号の
品質が最適化されることが可能である。この場合も同様に、送信機チェーン内の
何らかの移相要素が、位相を最適化するために使用される。
【0041】 本発明の典型的な実施形態の上述の説明を、例示と説明とのために示してきた
。網羅的あるいは本明細書で開示された形態そのものに本発明を限定することは
意図していない。上述の教示内容にしたがって様々な改変と変型とが可能である
。本発明の範囲がこの詳細な説明によっては限定されずに、添付の特許請求項に
よって限定されるということが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態による移動通信システムを示す図である。
【図2】 ブースタユニットを含む、無線基地局のチャネルユニットのダウンリンク関連
要素の簡略化したブロック図を示す。
【図3】 出力電力レベルを増大させるために同位相の信号が合成される、無線基地局の
一実施形態のブロック図を示す。
【図4】 出力電力レベルを増大させるために同位相の信号が合成される、無線基地局の
第2の実施形態のブロック図を示す。
【図5】 出力電力レベルを増大させるために同位相の信号が合成される、無線基地局の
第3の実施形態のブロック図を示す。
【図6】 送信機(ダウンリンク)と2つの受信機(アップリンク)とを有するチャネル
ユニットの簡略化したブロック図である。
【図7】 本発明によるチャネルユニットのN通りの組合せを示す。
【図8】 出力電力レベルを最大化するための位相制御機能を有する、本発明による無線
基地局のダウンリンク部分のブロック図を示す。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成13年5月31日(2001.5.31)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】 従来においては、基地局からの出力電力を増大させてダウンリンクのサービス
エリアを拡大するために、別個のブースタが使用されてきた。ブースタは、通常
のチャネルユニット内の送信機と電力増幅器との後に加えられる追加の増幅器で
ある。こうした構成は必要とされる出力電力を供給するが、こうした設計のため
に幾つかの欠点が生じることになる。例えば、追加のブースタユニットを設計し
なければならず、この設計には多くの時間と多くのリソースが必要である。さら
に、この追加のブースタユニットは基地局のキャビネット内に配置されなければ
ならない。ブースタユニットが非常に高いRF電力を扱わなければならないので
、こうしたブースタユニットの信頼性が問題を生じさせる場合が多い。ブースタ
ユニットを設けることは無線基地局から移動局へのダウンリンクを改善するが、
無線基地局からのより高い出力電力は無線基地局の受信機の感度を改善しない。
無線リンクは、ブースタユニットを使用しなかった場合と同様にバランスがとれ
ていない。最後に、ブースタユニットが故障すると、その周波数におけるサービ
ス全体が失われてしまう。ブースタユニットがより高い高電力レベルで働くので
、故障したブースタユニットをバイパスすることは非常に困難であり、典型的に
は冗長性がチャネルユニットに組み込まれることがない。 刊行物「ミリメートル波基地局用高電力準光学的信号源」(“High Power Qua
si-Optical Sources for Millimeter-Wave Base-Station Applications”)は新
しい無線帯域用の高電力準光学的送信機の開発状況について述べている。半導体
デバイスはミリメートル波の周波数では低出力電力なので、リンクの経費の分析
により求められる電力レベルを作り出すためには多くのデバイスの出力を合成し
なければならないということをその文書は開示している。しかしながら、従来技
術は伝統的に位相の相関関係を持たない異なる周波数の信号を合成するだけなの
で、そのようなデバイスの合成には減衰の問題が伴うことがある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0036】 当業者は、本発明が図3〜5に関連して示した実施形態に限定されないという
ことと、他の実施形態が実現可能であるということとを理解するだろう。本発明
は、理想的な場合には、厄介なブースタユニットを設計することなしに出力電力
の3dBの増大を実現する。より高い電力はネットワークのサービスエリアの拡
大を結果的にもたらし、および、ブースタユニット設計の削除がより迅速な基地
局設計サイクルを結果的にもたらす。さらに、1つの送信機が故障した場合に最
大出力電力が6dB減少するが、このより低い電力レベルにおいても動作が依然
として可能であるように、冗長性が実現される。さらに、ブースタユニットで必
要とされる非常に高い電力のRF部品を使用する必要がなく、このことも信頼性
を向上させる。ブースタユニットで必要とされるような高電力増幅器が不要なの
で、熱の放散が容易になる。したがって、本発明は融通性の高いモジュール構造
を提供し、このモジュール構造では、出力電力の追加の増大を可能にするために
追加のチャネルユニットを含んでもよく、例えば、6dBの増大を可能にするた
めに4個のチャネルユニットを含んでもよく、9dBの増大を可能にするために
8個のチャネルユニットを含んでもよい。最後に、同位相信号を合成することに
よって電力の増大を実現するという概念が、リンクのバランスを常に維持するた
めにダイバーシチ受信と組み合わされてもよい。例えば、受信機の感度と出力電
力能力とが適切に選択される場合に、チャネルユニットはリンクのバランスを維
持する。各チャネルユニットが2つの受信機を含む時には、そのチャネルユニッ
トは、無線リンクをバランスした状態に維持するのに十分な出力電力も有するN
方向ダイバーシチ受信機のための汎用ビルディングブロックとして使用されても
よい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZW ),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU, TJ,TM),AE,AL,AM,AT,AU,AZ, BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,C R,CU,CZ,DE,DK,DM,EE,ES,FI ,GB,GD,GE,GH,GM,HR,HU,ID, IL,IN,IS,JP,KE,KG,KP,KR,K Z,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MA ,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ, PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI,S K,SL,TJ,TM,TR,TT,TZ,UA,UG ,US,UZ,VN,YU,ZA,ZW

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無線基地局であって、 各々が同一の周波数でありかつ予め決められた電力レベルを有するN個の同位
    相のダウンリンク信号を生成する送信機モジュールと、 前記N個の同位相のダウンリンク信号を受信して合成し、それによってどの単
    一の同位相のダウンリンク信号の電力レベルよりも高い出力電力レベルの出力信
    号を生成するための、前記送信機モジュールに接続されている合成器 と、を含む無線基地局。
  2. 【請求項2】 前記送信機モジュールがN個のチャネルユニットを含む請求
    項1に記載の無線基地局。
  3. 【請求項3】 前記N個のチャネルユニットの各々が変調器とアップコンバ
    ータと増幅器とを含む請求項2に記載の無線基地局。
  4. 【請求項4】 処理のために前記N個のチャネルユニット各々のためのベー
    スバンド信号を生成するベースバンドユニットをさらに含む請求項3に記載の無
    線基地局。
  5. 【請求項5】 前記ベースバンド信号の各々を受信するために前記ベースバ
    ンドユニットと前記送信機モジュールとの間に配置される移相器と、前記出力信
    号の出力電力レベルを測定しかつ前記出力信号の出力電力レベルを前記移相器の
    調整によって最大化するために、前記合成器の出力に配置される電力検出器と、
    をさらに含む請求項4に記載の無線基地局。
  6. 【請求項6】 前記送信機モジュールが変調段とアップコンバージョン段と
    増幅段とを含む請求項1に記載の無線基地局。
  7. 【請求項7】 ベースバンド信号を生成するためのベースバンドユニットを
    さらに含み、前記ベースバンド信号は、変調された信号を生成するために前記送
    信機モジュールの前記変調段に供給される請求項6に記載の無線基地局。
  8. 【請求項8】 前記変調段が、予め決められたRF周波数にアップコンバー
    ジョンするために前記アップコンバージョン段に前記変調された信号を供給する
    請求項7に記載の無線基地局。
  9. 【請求項9】 前記アップコンバージョン段がN個のアップコンバータを含
    み、前記変調された信号はN個の変調された信号に分割され、前記N個の変調さ
    れた信号の各々は、前記予め決められたRF周波数のN個のRF信号を生成する
    ために前記N個のアップコンバータの1つに供給される請求項8に記載の無線基
    地局。
  10. 【請求項10】 前記増幅段が、前記N個の同位相のダウンリンク信号を生
    成するために前記N個のRF信号のためのN個の増幅器を含む請求項9に記載の
    無線基地局。
  11. 【請求項11】 前記増幅段がN個の増幅器を含み、前記アップコンバージ
    ョン段は前記予め決められたRF周波数のN個のRF信号を供給し、前記N個の
    増幅器は前記N個のRF信号を受信し、前記N個のRF信号を使用して前記N個
    の同位相のアップリンク信号を生成する請求項8に記載の無線基地局。
  12. 【請求項12】 移相器と電力検出器とをさらに含み、前記移相器は、ベー
    スバンド信号を生成するベースバンドユニットと前記送信機モジュールとの間に
    配置され、前記送信機モジュールは前記ベースバンド信号を受信し、前記電力検
    出器は、前記出力信号の出力電力レベルを測定しかつ前記出力信号の出力電力レ
    ベルを前記移相器の調整によって最大化するために、前記合成器の出力に配置さ
    れる請求項1に記載の無線基地局。
  13. 【請求項13】 前記出力信号の出力電力レベルは、Nが2である時に3デ
    シベル増大させられる請求項1に記載の無線基地局。
  14. 【請求項14】 前記出力信号の出力電力レベルは、Nが4である時に6デ
    シベル増大させられる請求項1に記載の無線基地局。
  15. 【請求項15】 前記出力信号の前記出力電力レベルは、Nが8である時に
    9デシベル増大させられる請求項1に記載の無線基地局。
  16. 【請求項16】 受信機をさらに含む請求項1に記載の無線基地局。
  17. 【請求項17】 複数の受信機をさらに含み、アップリンクのダイバーシチ
    利得が各受信機からの信号を合成することによって得られる請求項1に記載の無
    線基地局。
  18. 【請求項18】 前記アップリンクのダイバーシチ利得がより高い受信機感
    度を与える請求項1に記載の無線基地局。
  19. 【請求項19】 基地局の出力電力を増大させる方法であって、 各々が同一の周波数でありかつ予め決められた電力レベルを有するN個の同位
    相のダウンリンク信号を生成し、 前記N個の同位相のダウンリンク信号のどの信号の電力レベルよりも高い出力
    電力レベルの出力信号を生成するために、前記N個の同位相のダウンリンク信号
    を合成すること、 から成る方法。
  20. 【請求項20】 前記生成が、N個の同位相のアップリンク信号を生成する
    際に使用するためのベースバンド信号を生成することをさらに含む請求項19に
    記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記ベースバンド信号を受信し、前記出力信号の出力電力
    レベルを測定し、前記ベースバンド信号の位相を調整することによって前記出力
    信号の出力電力レベルを最大化すること、をさらに含む請求項20に記載の方法
  22. 【請求項22】 前記生成が、前記ベースバンド信号を変調して変調された
    信号を生成することをさらに含む請求項19に記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記変調された信号を予め決められたRF周波数にアップ
    コンバージョンする請求項19に記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記変調された信号をN個の変調された信号に分割し、N
    個の変調された信号の各々をアップコンバージョンして、前記予め決められたR
    F周波数のN個のRF信号を生成する請求項23に記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記生成が、前記N個のRF信号を増幅して前記N個の同
    位相のダウンリンク信号を生成することをさらに含む請求項24に記載の方法。
  26. 【請求項26】 前記合成が、Nが2である時に前記出力信号の出力電力レ
    ベルを3デシベル増大させることをさらに含む請求項19に記載の方法。
  27. 【請求項27】 前記合成が、Nが4である時に前記出力信号の出力電力レ
    ベルを6デシベル増大させることをさらに含む請求項19に記載の方法。
  28. 【請求項28】 前記合成が、Nが8である時に前記出力信号の出力電力レ
    ベルを9デシベル増大させることをさらに含む請求項19に記載の方法。
  29. 【請求項29】 受信機を使用してアップリンク信号を受信することをさら
    に含む請求項19に記載の方法。
  30. 【請求項30】 複数の受信機を使用してアップリンク信号を受信すること
    をさらに含み、前記受信機各々の信号を合成し、受信機各々からの信号を合成す
    ることがアップリンクのダイバーシチ利得を与える請求項19に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記アップリンクのダイバーシチ利得がより高い受信機感
    度を与える請求項30に記載の方法。
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