JP2002534127A - 酵母におけるトランス−作用因子 - Google Patents

酵母におけるトランス−作用因子

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JP2002534127A JP2000593761A JP2000593761A JP2002534127A JP 2002534127 A JP2002534127 A JP 2002534127A JP 2000593761 A JP2000593761 A JP 2000593761A JP 2000593761 A JP2000593761 A JP 2000593761A JP 2002534127 A JP2002534127 A JP 2002534127A
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Abstract

(57)【要約】 酵母における転写の終結と関連するトランス−作用因子の同定に用いるための遺伝子スクリーニング法を提供する。また、かかる方法に用いるためのDNA構築物も提供する。本発明の方法により同定したトランス−作用因子は、抗菌介入用の新規な標的を提供し得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、酵母における転写の終結をモジュレートするトランス−作用因子を
同定する方法、およびかかる方法に有用なDNA構築物に関する。 RNAポリメラーゼIIの転写終結は真核生物におけるタンパク質−コード遺
伝子の転写において重要な事象である。このプロセスには2の主要なシグナルが
関与する:上流ポリアデニル化(ポリ(A))シグナルおよび下流エレメント(
DSE)。
【0002】 ポリ(A)シグナルは転写終結において中心的な役割を果たすことが実証され
ているが、それによってそれがこのプロセスを調節する機構はまだ大部分が明ら
かでない。RNAポリメラーゼIIによる遺伝子の転写は遺伝子の転写ユニット
の下流に進行し、伸長したプレ−mRNA転写物を生成する。ポリ(A)シグナ
ルは、このプレ−mRNAを切断およびポリアデニル化するトランス−作用因子
を活性化することが示されている。最近の事実は、ポリ(A)シグナルがRNA
ポリメラーゼIIを誘導して、切断反応の結果として転写を終結させ得ることを
示唆している(Birseら, (1998)28:298−301)。
【0003】 転写が終結する領域に位置するDSEは、転写終結の効率を上昇させるRNA
ポリメラーゼIIポーズ(pausing)・シグナルとして作用する。RNAポリメ
ラーゼIIをポーズさせるその能力は、そのDNA配列に内在性であり、それに
よって配列がDNA自体中か(Kerppolaら,(1990)Biochemistry 29: 269-278
)、またはmRNA転写物中(Pribylら, (1988) Mol. Cell. Biol. 8: 5369-53
77)かのいずれかに特定の構造特徴を誘導するか、あるいはDNAにベンドを引
起こすトランス−作用因子の結合によって誘導し得る(Ashfieldら, (1994) EMB
O J. 13: 5656-5667; Ashfieldら, (1991) EMBO J. 10: 4197-4207)。このポー
ズ活性を考慮して、DSEはポーズ・エレメントとして記載されることもある。
【0004】 効率的な転写終結は隣接遺伝子の発現に非常に重要である。このプロセスが損
なわれた場合、RNAポリメラーゼIIは正常な終結部位を超えて転写を続け、
下流遺伝子に到達し得る。これは、下流遺伝子のプロモーターへの転写因子の結
合を阻害し、その結果その発現を部分的または完全に抑制する“転写干渉(tran
scription interference)”を生じ得る(Irnigerら(1991) Nucleic Acids Re
s. 20:4733−4739;Cullenら(1984) Nature 307: 241-245)。転写終結の損傷
は、真核生物染色体の伝達(Hillら(1987) Mol. Cell. Biol. 7: 2397-2405)お
よび減数分裂遺伝子変換(Roccoら(1992) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89: 120
68-12072)を阻害することも示されている。
【0005】 酵母は、そのゲノムの非常に圧縮された性質のため、転写干渉に対して特に感
受性である(Oliverら(1992)Nature 357:38-46)。したがって、転写終結を調
節する因子およびそれがコードされている遺伝子の知識は、新たな抗菌化学物質
の開発に特に有用であろう。
【0006】 したがって、本発明者らは、かかる因子の同定に用い得、酵母における転写終
結調節プロセスの解明に用い得る遺伝子構築物およびそれで形質転換した酵母を
開発した。詳細には、本発明は、酵母におけるRNAポリメラーゼIIの転写終
結を調節するトランス−作用因子を同定する改善された方法を提供する。
【0007】 本発明の特定の具体例は、転写終結事象における変化をシグナル伝達し得るよ
うに改変したサッカロミセスのGAL1、GAL10、GAL7遺伝子クラスタ
ーおよびura4遺伝子を利用する。
【0008】 定義 “トランス−作用因子”なる語は、酵母においてポリメラーゼIIによって行
われる転写の終結の調節に関与するタンパク質をいう。 “ポリメラーゼII”なる語は、“PolII”遺伝子といわれることもある
、タンパク質をコードする遺伝子を転写する酵母RNAポリメラーゼIIをいう
。 “レポーター遺伝子”なる語は、特異的な発現または非発現が早期に選択可能
な表現型を生成する酵母遺伝子をいう。
【0009】 “シス−突然変異”または“シス−作用突然変異”なる語は、それが起こる遺
伝子の転写の終結をモジュレートする突然変異をいう。 “トランス−突然変異”または“トランス−作用突然変異”なる語は、それが
起こる遺伝子とは異なる遺伝子の転写の終結をモジュレートする突然変異をいう
。 “合成イントロン”なる語は、いずれかの公知の天然発生イントロンの配列に
対応しないが、それが遺伝子に挿入された場合には、転写物から除去され、した
がって該遺伝子からの機能性mRNAの生成に通じるイントロンとしてふるまう
ヌクレオチドの配列をいう。
【0010】 GAL1、GAL10およびGAL7はエス・セレビシア(S.cerevisiae)
中でGAL遺伝子クラスターを形成し、ガラクトースからグルコース−6−リン
酸への代謝変換に寄与する。 サッカロミセス・セレビシアにおいては、GAL10ポリアデニル化シグナル
中の欠失が転写干渉を引起こし、GAL7発現を劇的に低下させることが以前に
実証されている(Greger, I. H.およびProudfoot, N. J.(1998) EMBO J. 17: 47
71-4779)。GAL7発現が廃止されている酵母細胞は、代謝中間体ガラクトー
ス−1−リン酸の毒性効果のため、ガラクトース含有培地上で生存できない(Do
uglas, H. C.ら (1964) Genetics 49: 837-844)。
【0011】 本発明者らは、GAL7遺伝子とGAL10遺伝子との間の転写干渉の存在を
使用し、転写終結に関与するトランス−作用因子の単離を許容する方法を開発し
た。 かくして、第1の態様において本発明は、 (a)GAL10遺伝子の転写終結シグナル中の欠陥のために、ガラクトース
含有培地上で生育することができないサッカロミセス株を準備し、 (b)所望により変異原を含有んでいていてもよい、ガラクトース含有培地上
で該株を培養してガラクトース含有培地上で生育することができる復帰突然変異
体を得、 (c)シス−作用突然変異またはトランス−作用突然変異の存在について該復
帰突然変異体をスクリーニングし、 (d)(i)トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体からのゲノム・フ
ラグメントのプラスミド・ライブラリー、および/または、(ii)工程(a)
のサッカロミセス株からのゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリーを
調製し、 (e)工程(d)(i)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(a
)で準備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)(ii
)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトランス−
作用突然変異を含むサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、ついで (f)ガラクトース上で生育する能力について工程(e)の形質転換体をスク
リーニングすることからなり、 ここに、ガラクトース上で生育することができる工程(e)(i)からのいず
れの形質転換体は転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因
子をコードするDNAの突然変異変異型を含み、一方ガラクトース上で生育する
ことができない工程(e)(ii)のいずれの形質転換体は酵母における転写の
終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコードするDNAを
含むであろうことを特徴とする、酵母における転写の終結をモジュレートするこ
とができるトランス−作用因子を同定する方法を提供する。本発明のこの方法は
、本明細書中で以後GAL法という。
【0012】 GAL法で用いるべきサッカロミセス株、好ましくはサッカロミセス・セレビ
シア(Saccharomyces cerevisiae)株は、gal10/gal7株をGAL
7遺伝子および終結シグナル−欠失GAL10遺伝子を含むプラスミドで形質転
換することによって得ることができる。好ましくは、GAL10遺伝子の転写終
結は、ポリアデニル化シグナルの部分的または完全な欠失によって損なわれてい
る。酵母細胞における形質転換に好適ないずれかのプラスミドを利用して、該サ
ッカロミセス株を構築し得る。GAL7−10インサートは、当該技術分野でよ
く知られ、かつ、Sambrookら(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual
;Cold Spring Harbor Pressに記載されている標準的な技術を用いてプラスミド
に導入する。プラスミドは、当該技術分野で知られているいずれかの標準的な技
術を用いて酵母細胞に形質転換し得る。
【0013】 ガラクトースの存在下で生育するその能力によって同定される復帰突然変異体
は、変異原、例えばエチジウム・ブロマイドを培養培地に入れることによって得
ることができる。この化学物質は好気的呼吸をもブロックし、したがってGAL
とGAL7酵母細胞の間の識別を容易にする。しかしながら、自然復帰突
然変異体は、いずれの変異原の不存在下でも得られることがある。
【0014】 復帰突然変異株は、GAL10−7領域(シス−作用する)中の突然変異から
、またはGAL7(トランス−作用する)の転写干渉を間接的に妨害する遺伝子
中の突然変異の結果として生じ得る。当該技術分野で知られているいずれかの方
法を用いて、シス−またはトランス−突然変異の存在について復帰突然変異体を
スクリーニングし得る。例えば、工程(a)で用いた出発酵母株がGAL10−
7インサートを含むプラスミドを含有する場合には、該プラスミドを復帰突然変
異体から単離し、gal10/gal7株に形質転換し得る。ついで、ガラ
クトース含有培地上で生育する形質転換株の能力をアッセイすることができ、そ
の場合、GAL7表現型はシス−突然変異を示し、一方GAL7表現型はト
ランス−突然変異を示す。
【0015】 トランス−作用突然変異を含有する復帰突然変異体は、転写終結と関連するト
ランス−作用因子をコードし得る突然変異遺伝子または遺伝子群を同定するため
にさらに分析し得る。この目的につき使用し得る2の異なる手法を以下に記載す
る。第1の手法は復帰突然変異体が優性突然変異を運搬する場合に用いるのに特
に好適であり、第2の手法は復帰突然変異体が劣性突然変異を運搬する場合に用
いるのに特に好適である。
【0016】 第1の手法においては、ゲノム・ライブラリー、最も好ましくはプラスミド−
ベースのゲノム・ライブラリーをトランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体
から調製し、これを前記した出発サッカロミセス株に戻し形質転換する。ついで
、形質転換サッカロミセス株の表現型を調べる。GAL表現型を示すコロニー
は、転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコードす
るDNAの突然変異変異型を含むプラスミドを含み、突然変異変異型は優性トラ
ンス−作用突然変異を運搬するであろう。
【0017】 第2の手法においては、ゲノム・ライブラリー、最も好ましくはプラスミド−
ベースのゲノム・ライブラリーを前記した出発サッカロミセス株から調製し、ト
ランス−作用突然変異を運搬する復帰突然変異体に形質転換する。ついで、ガラ
クトース上で生育する形質転換体の能力を調べる。GAL表現型を示すコロニ
ーは、転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコード
するDNAを含むプラスミドを含むであろう。この方法により、劣性トランス−
作用突然変異によって特徴付けられる復帰突然変異体からのトランス−作用因子
の同定が許容される。 両方の手法において、プラスミドは精製し、その中に含まれるゲノム・フラグ
メントを関連遺伝子を同定するために配列決定する。
【0018】 トランス−作用突然変異を含む所定の復帰突然変異体中で突然変異した遺伝子
または遺伝子群を同定するために用いる適当な手法を選択するために、該復帰突
然変異体を最初に分析して、突然変異が優性か劣性かを決定し得る。例えば、復
帰突然変異体半数体株を前記した出発半数体サッカロミセス株と接合させること
によって二倍体株に突然変異を導入し、得られた二倍体株の表現型を調べること
ができる。ガラクトース上で生育することができる突然変異表現型を有する二倍
体は優性突然変異の存在を示し、一方ガラクトース上で生育することができない
野生型表現型を有する二倍体は劣性突然変異の存在を示す。
【0019】 第2の態様において、本発明は、当該構築物を酵母細胞に形質転換した場合に
レポーター遺伝子の未熟終結転写の手段(means)が挿入される酵母レポーター
遺伝子を含むDNA構築物に関する。 1の具体例において、そのイントロン内にポリアデニル化シグナルが挿入され
た酵母レポーター遺伝子および該ポリアデニル化シグナルの下流に少なくとも1
の酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントを含むDNA構築物を提供する。該
イントロンは、レポーター遺伝子中に自然発生するものとし得、あるいは、レポ
ーター遺伝子がいずれのイントロンも含まない場合には常に、組換え事象によっ
てレポーター遺伝子に人為的に挿入し得る。レポーター遺伝子への挿入に好適な
イントロンは、もう1の酵母遺伝子から単離するかまたは人為的に構築するかの
いずれかとし得る。例えば、好適な合成イントロンは、StuI部位に挿入され
たポリアデニル化シグナルおよびXhoI部位に挿入されたポリメラーゼIIポ
ーズ・エレメントを含む以外は図1に記載するヌクレオチドの配列を有するもの
である。
【0020】 本発明のDNA構築物中で用い得るポリアデニル化シグナルは、例えば、以下
のプライマー:
【0021】
【化8】
【0022】 を用いてura4 DNAを増幅させ、ついで増幅産物を制限酵素StyIおよ
びRsaIで消化することによって得ることができる、ura4ポリアデニル化
シグナルである。
【0023】 好ましくは、酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントは、前進方向でポリア
デニル化シグナルの下流のイントロンに挿入する。好適な酵母ポリメラーゼII
ポーズ・エレメントは、酵母ura4またはnmt2遺伝子由来のものとし得る
。かかるポリメラーゼIIポーズ・エレメントは以下の配列を有する:
【0024】
【化9】
【0025】 しかしながら、いずれか他の好適なポリアデニル化シグナルおよび酵母ポリメ
ラーゼIIポーズ・エレメントを構築物に利用し得る。
【0026】 好ましい具体例において、DNA構築物は、(Humphreyら,(1994)EMBO J.13
:2331-2451に記載の)前記のイントロンが、例えばユニークStuI部位に導
入されているサッカロミセス・ポンベ(Saccharomyces pombe)のura4遺伝
子を酵母レポーター遺伝子として含む。ura4遺伝子を含む好ましいDNA構
築物は、例えば、実施例1に記載するpUIpA+ura4またはpUIpA+
nmt2構築物である。
【0027】 別の具体例において、その中に合成イントロンが挿入されている単一酵母レポ
ーター遺伝子を含むDNA構築物を提供し、該合成イントロンは完全レポーター
遺伝子の転写を妨害している際に効力がない酵母ポリアデニル化シグナルを含む
【0028】 好ましくは、該合成イントロンは酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントの
挿入に好適な制限部位を該ポリアデニル化シグナルの下流に有する。好適な合成
イントロンは、例えば、StuI部位に挿入されたポリアデニル化シグナルを含
む以外は図1に記載するヌクレオチドの配列を有するものである。好適な酵母ポ
リアデニル化シグナルは、前記したura4ポリアデニル化シグナルである。後
記の実施例2に示すごとく、このポリアデニル化シグナルがイントロンに挿入さ
れた場合、その終結活性は最小限レベルまで低下し、ポリメラーゼIIポーズ・
エレメントがその下流に挿入されなければ転写の終結が起こらない。
【0029】 好ましくは、該酵母レポーター遺伝子は、合成イントロンがその中に、例えば
StuI部位に導入されているサッカロミセス・ポンベのura4遺伝子である
。例えば、好ましいDNA構築物は実施例1に記載するpUIpA構築物である
【0030】 本発明は、レポーター遺伝子の機能性ゲノム・コピーを欠く酵母細胞、好まし
くはエス・ポンベ細胞も提供し、それは該レポーター遺伝子を含む前記したDN
A構築物で形質転換されている。レポーター遺伝子がura4である場合、ur
a4サッカロミセス細胞、好ましくはura4サッカロミセス・ポンベ細胞
を利用する。
【0031】 ura4遺伝子は、ウラシルの生合成に必須である酵素オロチジン 5'−リ
ン酸デカルボキシラーゼをコードする。該酵素は、5−フルオロオロト酸(5−
FOA)、その天然基質のアナログ、の存在下では5−フルオロウラシルの生成
に導き、それは酵母細胞に対して毒性である。したがって、発現または非発現u
ra4遺伝子は、必要な選択可能な表現型を提供する。詳細には、酵母細胞はガ
ラクトースの不存在下では生育することができるが、該酵素が正確に発現してい
る場合には5−FOAの存在下で死滅し、一方、それは細胞外ウラシルの不存在
下では死滅するが、該酵素の発現が阻害された場合には5−FOAの存在下で生
育し得る。
【0032】 第4の態様において、本発明は、酵母における転写をモジュレートすることが
できるトランス−作用因子を同定する方法を提供し、該方法は: (a)その中にポリアデニル化シグナルおよび少なくとも1のポリメラーゼ・
ポーズ・エレメントを含有する合成イントロンが挿入されているura4遺伝子
を含む前記DNA構築物で形質転換したura4サッカロミセス株を準備し、 (b)該株を、ウラシルを省略し、所望により変異原が存在していてもよい培
地上で培養し、ura表現型への復帰突然変異体を同定し、 (c)シス−作用またはトランス−作用突然変異の存在について該復帰突然変
異体をスクリーニングし、 (d)(i)トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体からのゲノム・フ
ラグメントのプラスミド・ライブラリー、および/または、(ii)工程(a)
のサッカロミセス株からのゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリーを
調製し、 (e)(i)工程(d)(i)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工
程(a)で準備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)
(ii)のライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトランス−作用突
然変異を含有するサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、 (f)ウラシルの不存在下または/およびウラシルおよび5−FOAの存在下
で工程(e)の形質転換体を培養することによって、uraまたはura
現型の存在について工程(e)の形質転換体をスクリーニングすることからなり
、 ここに、ura4表現型を示す工程(e)(i)のいずれの復帰した形質転
換体は酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用
因子をコードするDNAの突然変異変異型を含むプラスミドを含み、一方、ur
a4表現型を示す工程(e)(ii)のいずれの形質転換体は酵母における転
写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコードする野生
型DNAを含むであろうことを特徴とする。
【0033】 この方法は、本明細書中で以降ura4法という。 ura4法で使用するのに好ましいサッカロミセス株は、サッカロミセス・ポ
ンベである。好ましくは、ウラシルの不存在下で生育することができる復帰突然
変異体は、エチジウム・ブロマイドのごとき変異原を培地に入れることによって
得る。しかしながら、いずれの変異原の不存在下でも自然復帰突然変異体が得ら
れることもある。
【0034】 種々の技術をura4法に利用して、シス−またはトランス−突然変異の存在
について復帰突然変異体をスクリーニングし得る。例えば、レポーター遺伝子D
NA構築物を該復帰突然変異体から単離して、ura4サッカロミセス株に形
質転換し得る。ついで、ウラシル不存在下で生育する形質転換株の能力をアッセ
イし、ここにura4表現型はシス−突然変異を示し、一方ura4表現型
はトランス−突然変異を示す。
【0035】 再度、トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体は、転写終結と関連する
トランス−作用因子をコードし得る突然変異遺伝子または遺伝子群を同定するた
めに、さらに分析し得る。以下の手法をこの目的に用い得、手法の選択はトラン
ス−突然変異の優性または劣性の性質に依存する。
【0036】 第1の手法において、ゲノム・ライブラリー、最も好ましくはプラスミド−ベ
ースのゲノム・ライブラリーを、トランス−突然変異を含む復帰突然変異体から
調製し、これを前記した出発サッカロミセス株に形質転換する。ついで、形質転
換したサッカロミセス株の表現型を調べる。ura4表現型を示すコロニーは
、転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコードする
DNAの突然変異変異型を含むプラスミドを含むであろう。
【0037】 第2の手法において、ゲノム・ライブラリー、再度最も好ましくはプラスミド
−ベースのゲノム・ライブラリーを、前記したサッカロミセス株から調製し、こ
れをトランス−突然変異を含むことが見出された復帰突然変異体に形質転換する
。ついで、ウラシルの不存在下で生育する形質転換体の能力を調べる。ura 表現型を示すコロニーは、転写の終結をモジュレートすることができるトランス
−作用因子をコードするDNAを含むプラスミドを含むであろう。
【0038】 両方の手法において、ついで対応する遺伝子または遺伝子群を同定するために
、プラスミドを精製し、その中に含まれるゲノム・フラグメントを配列決定する
。GAL法と関連して前記したごとく、より適当な手法を選択し、つづいて劣性
または優性のいずれかの突然変異の存在についてトランス−作用突然変異を含む
復帰突然変異体を試験することができる。
【0039】 ポリ(A)シグナルのレベルで転写をモジュレートするトランス−作用因子を
同定するために、変形ura4法を開発し得る。したがって、さらなる態様にお
いて、本発明は、酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトラ
ンス−作用因子を同定する方法を提供し、該方法は: (a)その中に完全レポーター遺伝子の転写を妨害している際に効力のないポ
リアデニル化シグナルを含む合成イントロンが挿入されているura4遺伝子を
含む前記したDNA構築物で形質転換したura4サッカロミセス株を準備し
、該サッカロミセス株は野生型表現型を示し、 (b)ウラシルおよび5−FOAを含有し、所望により変異原が存在していて
もよい培地上で該株を培養し、ura4表現型への復帰突然変異体を同定し、 (c)シス−作用またはトランス−作用突然変異の存在について該復帰突然変
異体をスクリーニングし、 (d)(i)トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体からゲノム・フラ
グメントのプラスミド・ライブラリー、および/または、(ii)工程(a)の
サッカロミセス株からゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリーを調製
し、 (e)工程(d)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(a)で準
備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)(ii)のプ
ラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトランス−作用突
然変異を含むサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、 f)それらをウラシルの不存在下、または/および、ウラシルおよび5−FO
Aの存在下で培養することによってuraまたはura表現型の存在につい
て工程(e)の形質転換体をスクリーニングすることからなり、 ここに、ura4表現型を示す工程(e)(i)のいずれの復帰した形質転
換体は酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用
因子をコードするDNAの突然変異変異型を含むプラスミドを含み、一方ura
表現型を示す工程(e)(ii)のいずれの形質転換体は酵母における転写
の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコードするDNA
を含むであろうことを特徴とする。この方法は、本明細書中で以降変形ura4
法という。
【0040】 変形ura4法で用いるのに好ましいサッカロミセス株はサッカロミセス・ポ
ンベである。好ましくは、エチジウム・ブロマイドのごとき変異原を培地に入れ
ることによって復帰突然変異体を得る。しかしながら、いずれの変異原の不存在
下でも自然復帰突然変異体が得られることもある。
【0041】 異なる技術を用いて、シス−作用またはトランス−作用突然変異の存在につい
て復帰突然変異体をスクリーニングし得る。例えば、復帰突然変異体からDNA
構築物を単離し、前記した形質転換ura4サッカロミセス株に形質転換し得
る。ついで、ウラシルおよび5−FOAを含有する培地上で生育する形質転換株
の能力をアッセイし得、ここにura4表現型はシス−作用突然変異を示し、
一方ura4表現型はトランス−作用突然変異を示す。
【0042】 再度、転写終結と関連するトランス−作用因子をコードし得る突然変異遺伝子
または遺伝子群を同定するために、トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異
体をさらに分析し得る。以下の手法をこの目的に用い得、手法の選択はトランス
−突然変異の優性または劣性の性質に依存する。
【0043】 第1の手法において、ゲノム・ライブラリー、最も好ましくはプラスミド−ベ
ースのゲノム・ライブラリーをトランス−作用突然変異を含む復帰突然変異から
調製し、これを前記した野生型表現型を示すサッカロミセス株に形質転換する。
ついで、形質転換サッカロミセス株の表現型をアッセイし、ここにura4
現型を示すコロニーは酵母における転写の終結をモジュレートすることができる
トランス−作用因子をコードするDNAの突然変異変異型を含むプラスミドを含
み、該突然変異変異型は優性の突然変異を運搬しているであろう。
【0044】 第2の手法において、ゲノム・ライブラリー、再度最も好ましくはプラスミド
−ベースのゲノム・ライブラリーを前記したサッカロミセス株から調製し、トラ
ンス−作用突然変異を含むことが見出された復帰突然変異体に形質転換する。つ
いで、形質転換体の表現型を調べる。ura4表現型を示すコロニーは、酵母
における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコー
ドするDNAを含むプラスミドを含むであろう。 両方の手法において、ついで対応する遺伝子または遺伝子群を同定するために
、プラスミドを精製し、その中に含まれるゲノム・フラグメントを配列決定する
【0045】 その特異的な発現または非−発現が早期の選択可能な表現型を生成するいずれ
か他の遺伝子を酵母レポーター遺伝子として含む構築物を利用する、ura4法
に類似する方法または変形ura4法を開発し得る。 Gal、ura4および変形ura4法は、酵母における転写の終結をモジュ
レートすることができるトランス−作用因子をより高い信頼性で同定するために
、組合せて用いることもできる。
【0046】 したがって、さらなる態様において、本発明は酵母における転写の終結をモジ
ュレートすることができるトランス−作用因子を同定する方法を提供し、該方法
は: (a)GAL法を行い、 (b)ura4法の工程(a)で準備したura4サッカロミセス株を工程
(a)で同定したトランス−作用因子をコードする核酸を含むプラスミドで形質
転換し、ついで (c)それらをウラシルの不存在下で培養することによって、ura4表現
型への復帰について、工程(b)の形質転換体をスクリーニングすることからな
る。
【0047】 さらなる態様において、本発明は、酵母における転写の終結をモジュレートす
ることができるトランス−作用因子を同定する方法を提供し、該方法は: (a)GAL法を行い、 (b)変形ura4法の工程(a)で準備したura4サッカロミセス株を
工程(a)で同定したトランス−作用因子をコードする核酸を含むプラスミドで
形質転換し、ついで (c)それらをウラシルおよび5−FOAの存在下で培養することによってu
ra4表現型への復帰について、工程(b)の形質転換体をスクリーニングす
ることからなる。
【0048】 なおさらなる態様において、本発明は、酵母における転写の終結をモジュレー
トすることができるトランス−作用因子を同定する方法を提供し、該方法は: (a)変形ura4法を行い、 (b)GAL10遺伝子の転写終結シグナル中に欠陥を有するサッカロミセス
株を工程(a)で同定したトランス−作用因子をコードする核酸を含むプラスミ
ドで形質転換し、ついで (c)それらをガラクトースの存在下で培養することによって、野生型表現型
への復帰について該形質転換体をスクリーニングすることからなる。
【0049】 さらなる態様において、本発明は、前記した方法のいずれかによって同定した
転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子を提供する。前
記した方法のいずれかで転写の終結をモジュレートすることに関与しているとの
トランス−作用因子の同定は、該因子が酵母−特異的であって、したがって抗菌
介入に関する潜在的な標的であることを示す。
【0050】 また、前記したトランス−作用因子をコードする遺伝子および核酸も、本発明
によって提供される。本明細書中にて例示するごとく、“ライブラリー形質転換
”アプローチを用いて、GAL法、ura4法または変形ura4法を用いて同
定されたトランス−復帰突然変異体中で突然変異した遺伝子または遺伝子群を同
定することの主たる利点は、それが対応する遺伝子または遺伝子群を含む酵母ゲ
ノムDNAのフラグメントの単離に直接通じることである。
【0051】 本発明のUra4スクリーニング法を用いて本発明者らが同定した1の特定の
トランス−作用因子は、よく知られている切断/ポリアデニル化因子CstF6
4のサッカロミセス・ポンベ同族体である(図3を参照されたし)。CstF6
4は、SPBC3B9.11cと呼ばれるエス・ポンベ遺伝子のタンパク質産物
である。該タンパク質配列はGenbamk受入番号2950466、SPTREMBL:043040下で入
手可能である。実施例4で論じるごとく、広範囲の真核生物種で保存されている
CstF64のC−末端領域は、転写終結において重要な役割を有するようであ
る。エス・ポンベCstF64同族体のC−末端ドメインの機能を調べるために
、本発明者らはタンパク質のこの領域を用いて慣用的な酵母ツーハイブリッド実
験を行い、それによってこのドメインと相互作用する多くのタンパク質を同定し
た。
【0052】 エス・ポンベCstF64タンパク質のC−末端ドメインとタンパク質のこの
ドメインと直接的に相互作用することが示されている他のタンパク質との間の相
互作用は、転写終結のプロセスにおいて重要であると仮定する。その結果、かか
る相互作用を妨害し、破壊しまたは向上させ、それによって酵母における転写の
終結をモジュレートする化学化合物は、潜在的な抗菌活性を有し得る。
【0053】 かくして、さらなる態様において、本発明は、サッカロミセス・ポンベのCs
tF64タンパク質が、該CstF64タンパク質のC−末端ドメインに結合す
ると以前に同定された相互作用タンパク質へ結合することを阻害、向上または破
壊することができる化合物を同定する方法を提供し、該方法は: DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを有する転写因子によって調節され
るプロモーターに作動可能に結合したレポーター遺伝子または逆選択マーカー遺
伝子を含むDNA構築物を含む宿主細胞を準備し; 該転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかにイン−フ
レームで融合したCstF64タンパク質またはそのC−末端フラグメントを含
む第1のハイブリッドタンパク質をコードする第1のハイブリッドDNA配列を
該宿主細胞中で発現させ; 該転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかにイン−フ
レームで融合した相互作用タンパク質またはそのフラグメントを含む第2のハイ
ブリッドタンパク質をコードする第2のハイブリッドDNA配列を、第1の融合
タンパク質が該転写因子の活性化ドメインを含む場合には第2の融合タンパク質
が該転写因子のDNA結合ドメインを含み、第1の融合タンパク質が転写因子の
DNA結合ドメインを含む場合には第2の融合タンパク質が活性化ドメインを含
むように、宿主細胞中で発現させ; 該宿主細胞と化合物の試料とを試験下にて接触させ;ついで 該宿主細胞におけるいずれかのレポーター遺伝子産物の生成を検出するか、あ
るいは、逆選択マーカー遺伝子の発現の欠失に正の選抜を適用するかのいずれか
によって、相互作用タンパク質またはそのフラグメントへのCstF64タンパ
ク質またはそのC−末端フラグメントのいずれかの結合を検出することからなる
【0054】 本発明の方法は、CstF64タンパク質または保存されたC−末端ドメイン
を含むそのフラグメント(図3を参照されたし)、およびCstF64のC−末
端ドメインと相互作用すると以前に同定されたいずれのタンパク質またはポリペ
プチド(本明細書中で以降“相互作用タンパク質”または“相互作用ポリペプチ
ド”という)、またはCstF64との相互作用に必要な領域を含むそのフラグ
メントを用いて行うことができる。最も好ましくは、該相互作用タンパク質は表
1に掲載するエス・ポンベ遺伝子のうちの1のタンパク質産物であろう(下記を
参照されたし)。これらのタンパク質は、酵母ツーハイブリッド分析を用いてC
stF64のC−末端ドメインと相互作用することが同定された。表1に掲載す
る各遺伝子のヌクレオチド配列、および対応するタンパク質産物のアミノ酸配列
は、すべて公共的にアクセス可能な配列データベース中に寄託されている。受入
番号のリストを後記に提供する。
【0055】 本発明のスクリーニング法はそれ自体が酵母−ツーハイブリッド法に基づく。
古典的な酵母ツーハイブリッド系(Chienら, Proc. Natl. Acad. Sci. USA., 88
, 9578-9582, 1991)は、単純な直接的な方法で特定の相互作用の解離に寄与す
る事象の選択を許容しない。したがって、タンパク質−タンパク質相互作用の特
徴付けおよび操作におけるその使用は制限される。それにもかかわらず、古典的
な酵母ツーハイブリッド系を用いて、2のタンパク質間の相互作用を阻害または
向上させる化合物についてスクリーニングし得る。典型的なスクリーニングは、
gal4プロモーターの制御下のlacZレポーター遺伝子の使用に基づき得、
スクリーニングの情報の概要は適当な蛍光またはルミネセンス基質を用いて簡単
に測定することができるβ−ガラクトシダーゼ活性である。
【0056】 解離事象についてのスクリーニングに用いるのにより好適である他のツーハイ
ブリッド系を開発した。これらの系は、一般的に逆ハイブリッド・スクリーンと
呼ばれ、相互作用ハイブリッドタンパク質の発現が特定の条件下で毒性である逆
選択マーカーの発現を増大させる酵母株を使用する。これらの条件下では、相互
作用の解離が選択的な利点を提供し、それによって検出が促進される:ハイブリ
ッドが相互作用できなかった幾つかの生育酵母コロニーを、相互作用タンパク質
を発現する数百万の非−生育コロニーの中で同定することができる。
【0057】 当該技術分野で知られている幾つかの逆ハイブリッド系を用いて、本発明のこ
の態様によるスクリーニングを行い得る。第1の逆ツーハイブリッド系は酵母株
を利用し、これは突然変異CYH2遺伝子の存在に起因してシクロへキシミドに
耐性である。この株は、GAL1プロモーターの転写制御下の野生型CYH2対
立遺伝子も含む。野生型GAL4タンパク質の発現は、シクロヘキシミドに対す
る生育感受性を回復するのに十分である。シクロヘキシミドに対する生育感受性
は、GAL4融合タンパク質と同様に、鳥類c−Relタンパク質およびそのI
κB−αカウンターパート、p40の同時発現によっても回復する。シクロヘキ
シミドに対する生育感受性の回復は、GAL1プロモーターにおけるc−REL
およびp40の会合を必要とし、GAL1プロモーターからの発現を活性化する
c−REL/p40相互作用の能力と相関する(LeannaおよびHannink,1996, N
AR 24:3341−3347)。
【0058】 もう1の逆ハイブリッド系は酵母遺伝学において最も広範に用いられている逆
選択マーカー、URA3を使用し、これはウラシルの生合成に必要な酵素、オロ
チジン−5'−リン酸デカルボキシラーゼをコードする。プラスミド上のまたは
ゲノムに組込まれた野生型URA3を含む酵母細胞は、ウラシルを欠く培地上で
生育する(URA3表現型)。しかしながら、ura3がコードするデカルボ
キシラーゼは、非−毒性アナログ、5−フルオロオロト酸(FOA)から毒性産
物、5'−フルオロウラシルの変換も触媒し得る(Boekeら, 1984, Mol. Gen. Ge
net. 197: 345-346)。したがって、相互作用を妨害し得る突然変異は、大きな
ライブラリーまたはランダムな対立遺伝子から選択し得る。同様にして、相互作
用を解離または妨害する分子は、ペプチドまたは化合物の大きなライブラリーか
ら選択し得る(Vidalら,1996,PNAS 93:10315−10320;Vidalら,1996,PNAS
93:10321−10326)。
【0059】 第3の逆酵母ツーハイブリッドは、リレイ遺伝子(relay gene)としてのGA
L80遺伝子に基づく。GAL80は、GAL4のごとき転写アクチベーターの
活性化ドメインに結合し、それをマスクするタンパク質をコードする。転写情報
の概要を提供するであろうレポーター遺伝子(HIS3またはLACZ)は、発
現について機能性GAL4に依存する。GAL80マスキング・タンパク質のレ
ベルがツーハイブリッド相互作用で妨害されることによって低下する場合にのみ
、転写アクチベーターとしてGal4が機能し、ツーハイブリッド・タンパク質
−タンパク質相互作用を阻害する分子に関する正の転写情報の概要を提供する。
この逆ツーハイブリッド系の重要な特徴は、リレイタンパク質、GAL80の基
底レベルおよび半減期を微調整して、最大感度を提供し得ることである(Powers
およびErickson,1996, WO 95/26400)。
【0060】 (前記し、変形ura4法で用いた)完全レポーター遺伝子の転写を妨害して
いる際には効力がないポリアデニル化シグナルを含む合成イントロンがその中に
挿入されているura4遺伝子を含むDNA構築物を有利に用いて、他の真核生
物遺伝子からポリメラーゼIIポーズ・エレメントを同定し得る。
【0061】 したがって、もう1の態様において、本発明は、真核生物遺伝子からポリメラ
ーゼIIポーズ・エレメントを同定する方法を提供し、該方法は: (a)真核生物遺伝子からの推定ポリメラーゼIIポーズ・エレメントを含む
DNAフラグメントを、完全ura4遺伝子の転写が妨害されている際には効力
がないポリアデニル化シグナルがそのイントロン内に挿入されているura4遺
伝子を含むDNA構築物に挿入し、ここに該ポリメラーゼIIポーズ・エレメン
トは該ポリアデニル化シグナルの下流に挿入され、 (b)サッカロミセスのura4株を工程(a)で調製したDNA構築物を
含むプラスミドで形質転換し、ここに該株は完全ura4遺伝子の転写が妨害さ
れている際には効力がないポリアデニル化シグナルがそのイントロン内に挿入さ
れているura4遺伝子を含むDNA構築物を取込んでいるプラスミドで形質転
換されており、 (c)ウラシルおよび5−FOAの存在下の培地上で培養することによってu
ra4表現型への復帰についてスクリーニングすることからなり、 ここに、ura4表現型への復帰は、該挿入フラグメントがポリメラーゼI
Iポーズ活性を有することを示すことを特徴とする。
【0062】 推定ポリメラーゼIIポーズ・エレメントは、ポリアデニル化シグナルの下流
のイントロンに導入される。好ましくは、ura4遺伝子に挿入されるイントロ
ンは、StuI部位に挿入された前記したura4ポリアデニル化シグナルを含
む以外は図1に記載するヌクレオチドの配列を有する合成イントロンである。つ
いで、本発明の方法で試験すべき推定ポリメラーゼIIポーズ・エレメントを、
XhoI部位に挿入する。該方法において使用するのに好適なDNA構築物は、
例えば、実施例1に記載するpUIpA構築物である。
【0063】 さらなる態様において、本発明は、前記した方法を用いてエス・ポンベのnm
t2遺伝子の3'領域中に本発明者らが同定した新規な酵母ポリメラーゼIIポ
ーズ・エレメントを提供する。したがって、本発明は、ヌクレオチド配列:
【0064】
【化10】
【0065】 またはその相補体を有するエス・ポンベのnmt2遺伝子の酵母ポリメラーゼI
Iポーズ・エレメントを提供する。
【0066】 さらに、本発明は、ヌクレオチド配列:
【0067】
【化11】
【0068】 またはその相補体を有するエス・ポンベのura4遺伝子からの酵母ポリメラー
ゼ・ポーズ・エレメントを提供する。
【0069】 また、本発明によって提供するのは、前記で同定したnmt2およびura4
ポリメラーゼIIポーズ・エレメントを含むDNA分子である。本発明のDNA
分子は、好ましくは二本鎖であろう。DNA分子がura4ポーズ・エレメント
を含む場合には、これらの分子は、好ましくは、その中に同定された18bpの
ura4ポーズ・エレメント配列と隣接するura4 DSE(Birseら, EMBO
J., 16: 3633-3643 (1997))からのいずれのさらなるヌクレオチド配列も含まな
いことは理解される。Birseらは、転写ポーズ・エレメントとして機能する49
bpのura4 DSEフラグメントを同定した。ここに本発明者らは、機能性
ポリメラーゼIIポーズ・エレメントであるDSEのコアの18bpフラグメン
【0070】
【化12】
【0071】 を同定した。このフラグメントの全体が、完全ポーズ活性を達成するために必要
である。
【0072】 本発明は、添付する図面と共に以下の実施例に参照すればより良好に理解され
るであろう:
【0073】 本発明に従って用い得る標準的な酵母の遺伝学的および分子生物学的な技術は
: Methods in Yeast Genetics. A Laboratory Course Manual. (1997) Cold Spr
ing Harbor Press, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology. Methods in Enzymology,
Vol. 194. (1991) Academic Press, Molecular Genetics of Yeast. A Practical Approach. (1993) IRL Press a
t OUPに記載されている。
【0074】 実施例1:レポーター遺伝子DNA構築物の調製 以下の相補的オリゴヌクレオチド:
【0075】
【化13】
【0076】 をアニーリングさせることによって、図1に示す合成イントロンを得た。 ついで、このイントロンをpURA4(Humphreyら (1994) EMBO J.13:23
31−2451に記載されている)のユニークStuI部位に導入し、pUIを生成す
る。 最小限のura4ポリアデニル化シグナルは、以下のプライマー:
【0077】
【化14】
【0078】 を用いてura4 DNAを増幅させることによって得た。
【0079】 増幅産物を制限酵素StyIおよびRsaIで消化し、134bpの平滑末端
化したStyI−RsaIフラグメントをpUIのイントロン性配列内のStu
I部位にクローン化してpUIpAを生成した。
【0080】 ura4およびnmt2酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントは、以下の
相補的オリゴヌクレオチド・ペア:
【0081】
【化15】
【0082】 をアニーリングさせることによって得た。
【0083】 ついで、pUIpAをXhoIで消化し、平滑末端化し、ura4またはnm
t2酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントを導入して、各々、pUIpA+
ura4またはpUIpA+nmt2を生成した。全ての構築物はDNA配列決
定によって確認した。
【0084】 実施例2:pUIpA、pUIpA+ura4およびpUIpA+nmt2にお
ける転写終結の分析 方法: 形質転換プラスミドと一緒に20μgの煮沸サケ精子担体DNAを添加する以
外は、Hillら(1991) Nucleic Acids Res. 19:5791に記載されているDMSO
−増強法(DMSO−enhanced method)に従って、pUI、pUIpA、pUIp
A++ura4およびpUIpA+nmt2をura4エス・ポンベ細胞に形
質転換した。形質転換体を、ウラシルを含有しない培地上で生育するその能力に
ついて試験した。Kohrerら(1991)Methods Enzymol. 194:398−405に記載され
ている方法に従って全RNAを抽出した。Humphreyら(1994) EMBO J. 13:23
31−2451に記載されているごとく、ノザン・ブロット分析を行った。一般に、R
NAを1.5%ホルムアルデヒド・ゲル中で分離し、ナイロン膜上にブロットし
、1.2kbのHincII−EcoRVランダム・プライマー標識プローブと
ハイブリダイズさせた。対照として、同じ実験手法を、pURA4プラスミド(
ポジティブ・コントロール)、および逆向きでpUIpA中への前記したura
4またはnmt2ポリメラーゼ・ポーズ・エレメントの挿入に由来する、pUI
pA+ura4RおよびpUIpA+nmt2Rプラスミド(ネガティブ・コン
トロール)につづいて利用した。
【0085】 結果: 終結シグナルの効力に依存して、pUIpA、pUIpA+ura4およびp
UIpA+nmt2プラスミドから3の異なるura4転写物を生成し得る。終
結シグナルが転写機構によって認識される場合には、短い切頭転写物(T)が生
成されるであろう。さもなければ、非スプライシングmRNA(US)が形成さ
れるであろう。ついで、これはプロセシングされて、野生型ura4 mRNA
(WT)を得ることができる。
【0086】 図2は、pUIpAの場合のごとく、ポリアデニル化シグナルが単独で存在す
る場合、大部分の転写物は正確にスプライシングされ、野生型ura4のmRN
Aが生成することを示す。pUIpA+ura4およびpUIpA+nmt2の
場合のごとく、前進向きで酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントが付加され
ると、有効な転写終結および切頭mRNAのみの生成に通じる。
【0087】 これらの結果は、挿入したura4ポリアデニル化シグナルがイントロン性環
境中では最小限の終結活性を有し、ポリメラーゼIIポーズ・エレメントがその
下流に挿入されなければ、転写の終結を指示することができないことを示してい
る。これらの結果は、図2に示すごとく、形質転換体の表現型の分析によって確
認される。
【0088】 実施例3:GAL法を用いた転写終結をモジュレートするトランス−作用因子の
検出 実験手法: YCplac22のBamHI部位にGAL10−7フラグメントを挿入する
ことによって構築したpYC10−7プラスミドを、gal10/gal7 エス・セレビシア欠失株に形質転換した。プラスミドおよび欠失株は両方ともGr
egerら(1998)EMBO J. 17:4771−4779に以前に記載されている。 形質転換体をガラクトースおよびエチジウム・ブロマイドの存在下、寒天培地
上で生育させた。ガラクトース上で生育することができる復帰突然変異体のコロ
ニーを同定した。ついで、復帰突然変異体をスクリーニングして、それらからp
YC10−7プラスミドを単離し、それをgal10/gal7エス・セレ
ビシア株に形質転換し、形質転換細胞をガラクトースの存在下で培養することに
よって、それらがトランス−またはシス−突然変異を運搬しているかを確かめた
。ガラクトース上で生育する形質転換細胞の能力はシス−作用突然変異の存在を
示すと考え、一方ガラクトース上で生育することの能力のなさはトランス−作用
突然変異の存在を示すと考えた。
【0089】 ついで、トランス−作用突然変異を運搬している復帰突然変異体を解析して、
突然変異が優性または劣性であるかを決定した。復帰突然変異体半数株をpYC
10−7−形質転換gal10/gal7エス・セレビシア株と接合させる
ことによって突然変異を二倍体株に導入し、形質転換体をガラクトース中で培養
した。ガラクトース上で生育する形質転換細胞の能力は、優性突然変異の存在を
示すと考え、一方ガラクトース上で生育する能力のなさは劣性突然変異の存在を
示すと考えた。
【0090】 プラスミド・ゲノム・ライブラリーを、優性トランス−作用突然変異を運搬し
ている復帰突然変異体から調製し、pYC10−7−形質転換gal10/g
al7エス・セレビシア細胞に形質転換した。ガラクトース上で生育すること
ができる細胞を選抜し、これらの細胞から推定トランス−作用因子をコードする
DNAフラグメントを精製し、配列決定した。同定した配列を用いてデータベー
ス検索を行った。
【0091】 全ての上記工程は以下の文献に記載されているプロトコールに従って行った: Methods in Yeast Genetics. A Laboratory Course Manual. (1997) Cold Sp
ring Harbor Press, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology. Methods in Enzymology,
Vol. 194 (1991) Academic Press,または Molecular Genetics of Yeast. A Practical Approach. (1993) IRL Press a
t OUP.
【0092】 結果:シス−およびトランス−作用突然変異の両方を含む多数の復帰突然変異体
株をGALスクリーンを用いて単離した。特に興味深いのは、顕著なレベルのg
al7p(タンパク質)を発現しているが、なお検出可能なレベルのGAL7
mRNAを生成することができないトランス突然変異体の群である。これらのト
ランス突然変異体は、内部GAL7シストロンに対して翻訳開始を許容する翻訳
開始または終結と関連する遺伝子の突然変異から生じ得るようである。かかる突
然変異遺伝子は、これらの非常に圧縮された真核生物ゲノム中ではポリシストロ
ンmRNA上の内部翻訳開始はより一般的な現象であることが証明され得るため
、酵母遺伝子発現にユニークな機能を同定し得る。これらの遺伝子の生成物は、
抗菌介入の潜在的な標的となり得る。
【0093】 実施例4:URA4法を用いた転写終結をモジュレートするトランス−作用因子
の検出 実験手法: 実施例2に前記したごとく、pUIpA+ura4プラスミドで形質転換した
サッカロミセス・ポンベ細胞を、エチジウム・ブロマイドを含有し、ウラシル不
存在下の寒天平板上で培養した。ウラシル上で生育することができる復帰突然変
異体のコロニーを同定した。
【0094】 pUIpA+ura4プラスミドを単離し、それをura4−エス・ポンベ細
胞に形質転換し、形質転換細胞をウラシルの不存在下で培養することにより、復
帰突然変異体をスクリーニングして、それがトランス−またはシス−突然変異を
運搬するかを確かめた。ウラシルの不存在下で生育する形質転換細胞の能力はシ
ス−突然変異の存在を示すと考え、一方ウラシルの不存在下で生育することがで
きる能力のなさはトランス−突然変異の存在を示すと考えた。 ついで、トランス−突然変異を運搬している復帰突然変異体を分析して、突然
変異が優性または劣性であるかを決定した。復帰突然変異体半数体株をpUIp
A+ura4−形質転換ura4エス・ポンベ株と接合させることによって突
然変異を二倍体株に導入し、形質転換体をウラシルの不存在下で培養した。ウラ
シルの不存在下で生育する形質転換細胞の能力は優性突然変異の存在を示すと考
え、一方ウラシルの不存在下で生育する能力のなさは劣性突然変異の存在を示す
と考えた。
【0095】 プラスミド・ゲノム・ライブラリーを優性トランス−突然変異を運搬している
復帰突然変異体から調製し、pUIpA+ura4−形質転換ura4エス・
ポンベ細胞に形質転換した。ウラシルの不存在下で生育することができる細胞を
選抜し、推定トランス−作用因子をコードするDNAフラグメントをこれらの細
胞から精製して、配列決定した。データベース検索を、同定した配列を用いて行
った。
【0096】 全ての上記工程は以下の文献に記載されているプロトコールに従って行った: Methods in Yeast Genetics. A Laboratory Course Manual. (1997) Cold Sp
ring Harbor Press, Guide to Yeast Genetics and Molecular Biology. Methods in Enzymology,
Vol. 194 (1991) Academic Press,または Molecular Genetics of Yeast. A Practical Approach. (1993) IRL Press a
t OUP.
【0097】 結果: 前記したura4スクリーンを用いて、ura表現型に復帰した数百の突然
変異体株を同定した。これらは、終結シグナルを欠失している、ura4遺伝子
を直接的に変調するシス突然変異、および、それがura4遺伝子内の終結シグ
ナルをもはや認識しないようにトランス−作用因子を変化させるトランス突然変
異に分けた。顕著な数の異なるトランス突然変異体株が得られたという事実はこ
のスクリーンの有効性を実証しており、この遺伝子アプローチが転写終結と関連
する顕著な数の因子を得るであろうことを示している。
【0098】 これらのトランス作用因子のうちの1の遺伝子を、m70と呼ぶ劣性突然変異
体エス・ポンベ株からクローン化した。これは、m70を野生型エス・ポンベ遺
伝子ライブラリーで形質転換し、(選抜として5−FOAに対する耐性を用いて
)uraからuraに復帰したm70コロニーについて選抜することによっ
て行った。図3は、CstF64と呼ばれるよく知られている切断/ポリアデニ
ル化因子のものと同様のこの突然変異体遺伝子の同定を図示する。目立つことに
は、突然変異体表現型を引起こすこの遺伝子中の突然変異がエス・ポンベCst
F64遺伝子同族体のカルボキシル末端に向けてのナンセンス突然変異であるこ
とである。この終止コドンは、以前に帰結された機能を有していないポリペプチ
ド配列の領域を欠失している、CstF64のC−末端切頭を効果的に生じる。
しかしながら、タンパク質のこのドメインは他の真核生物の配列間で保存されて
おり、それが、おそらくは転写装置と相互作用することによって、転写終結にお
いて重要な役割を有する可能性が浮上する。
【0099】 この仮定と取組むために、標準的な遺伝子スクリーニングを行って、このC−
末端ドメインと相互作用するタンパク質の探索を行った。この相互作用スクリー
ニング技術は、酵母ツーハイブリッド解析と呼ばれ(Chienら, Proc. Natl. Aca
d. Sci. USA 88, 9578-9582, 1991)、分子遺伝学においては広範に用いられて
いる技術である。概略において、この手法には、転写因子Gal4pに対する複
数の結合部位を含むプロモーターによって両方が制御される、β−galおよび
HIS3レポーター遺伝子を含有する酵母株の生成が含まれる。多くの転写因子
と同様に、Gal4pは2の機能性ドメインを含み、これらは特異的なプロモー
ター配列と相互作用するDNA結合ドメインおよびRNAポリメラーゼ開始複合
体と相互作用し、それをそのように補充することによって転写を活性化する活性
化ドメインである。レポーター株は、Gal4p DNA結合ドメインおよび前
記したエス・ポンベCstF64のC−末端ドメイン(いわゆる、バイト配列(
bait sequence))を結合する融合タンパク質を発現するプラスミドでも形質転
換する。このハイブリッドタンパク質はレポーターのプロモーターに結合するが
、それはGal4p活性化ドメインを欠いているため、それはレポーター遺伝子
を活性化し得ない。しかしながら、この酵母株を、Gal4活性化ドメインをコ
ードするDNA配列をエス・ポンベのcDNA配列のランダム混合物に融合させ
たプラスミド・ライブラリーで形質転換することにより、幾つかの形質転換酵母
はβ−galおよびHIS3を発現する。これらのポジティブ酵母コロニーは、
エス・ポンベCstF64のC−末端ドメインと相互作用するエス・ポンベ・ラ
イブラリー中のタンパク質ドメイン(いわゆる、プレイ配列(prey sequence)
)の発現から生じる。これらのタンパク質ドメインはGal4p活性化ドメイン
に融合しているため、かかる相互作用はレポーター・プロモーターへ活性化ドメ
インを補充し、生育およびβ−gal発現をそのように許容する。このアプロー
チによって、エス・ポンベCstF64のC−末端ドメインと相互作用する多数
のタンパク質ドメインが同定されている。これらのタンパク質をコードする遺伝
子を、同族エス・セレビシア・タンパク質の詳細およびタンパク質のありそうな
機能の記載と共に表1に記載する。
【0100】
【表1】
【0101】 エス・ポンベ CstF64のC−末端ドメインと相互作用するドメインを有
する6のタンパク質の中で特に興味深いのは、エス・セレビシア遺伝子STH1
およびSFH1の同族体であり、これらは両方ともクロマチン再モデリング(re
modeling)複合体、RSCのサブユニットである(Cairnsら, Cell 87, 1249-12
60, 1996)。RSCのコンポーネントがCstF64のC−末端ドメインと相互
作用し得るという事実は、転写終結のプロセスにおいてクロマチン再モデリング
が直接的な役割を果たし得るという興味をそそる可能性を浮上させる。転写遺伝
子のクロマチン構造は転写プロセスの間はほぐれていなければならないことが知
られているため、ポリアデニル化装置とクロマチン再モデリング活性との間の接
触が転写終結の機構において直接的な役割を果たし得る可能性がある。
【0102】 酵母ツーハイブリッド系で元々決められたCstF64とres2との間の機
能的リンクは、res2中に遺伝子ノックアウトを有するエス・ポンベ株がPo
lII転写終結においても欠陥があるという知見によって確認されている。した
がって、CstF64/res2相互作用は、抗菌介入に関する興味深い新たな
標的も表し得る。res2タンパク質は、Zhu,Y.ら,EMBO J., 16, 1023, 1997
によって記載されている。
【0103】 下記は、表1に掲載した遺伝子のデータベース受入番号のリストである(遺伝
子配列+対応するタンパク質配列):
【0104】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は、pUIならびにしたがってpUIpA、pUIpA+ur
a4およびpUIpA+nmt2の構築に使用した合成イントロンのヌクレオチ
ド配列を示す。スプライシング共通配列ならびにStuIおよびXhoI制限部
位を示す。
【図2】 図2は、pURA4、pUI、pUIpA、pUIpA+ura4
、pUIpA+nmt2、pUIpA+ura4RおよびpUIpA+nmt2
Rから得られたmRNA転写物のノザンブロット分析を示す。矢印は、非スプラ
イス(U)、野生型(WT)または切頭(truncated)(T)転写物の位置を示
す。ウラシルを含まない培地中で生育する形質転換細胞の能力または能力のなさ
は、各形質転換体について、各々+または−として示す。
【図3】 図3は、切断/ポリアデニル化因子CstF64のものと同様なエ
ス・ポンベ終結突然変異株m70中に存在する突然変異遺伝子の同定を図示する
。ヒト、アフリカツメガエル(Xenopus)、エス・セレビシア(Saccharomyces c
erevisiae)およびエス・ポンベ(S. pombe)のCstF64同族体の概略図を示
す。RBDとは、3'切断活性に必要であることが知られている“RNA結合ド
メイン”を示す。明暗灰色陰付けボックスは、4の真核生物種間のホモロジーを
示す。m70株中で突然変異表現型を引起こす突然変異は、CstF64のC−
末端に向けてのナンセンス突然変異である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C12N 1/19 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:86) (72)発明者 インゴ・ハラルト・グレガー アメリカ合衆国10016ニューヨーク州ニュ ーヨーク、アパートメント・シー、グリー ンバーグ・ホール、ファースト・アベニュ ー545番 (72)発明者 ニコラス・ジャービス・プラウドフット イギリス、オーエックス4・1エイエス、 オックスフォード、ディビニティ・ロード 206番 Fターム(参考) 4B024 AA11 BA80 CA02 CA05 CA06 CA07 CA20 DA12 EA04 FA20 GA11 GA25 HA11 4B063 QA05 QA18 QQ07 QQ43 QQ53 QQ79 QR33 QR40 QR48 QR76 QR80 QS32 QS38 QX10 4B065 AA79X AA79Y AA80X AA80Y AB01 AC14 AC20 BA02 BA16 CA24 CA46 4H045 AA10 CA10 EA50

Claims (59)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)GAL10遺伝子の転写終結シグナル中の欠陥のため
    に、ガラクトース含有培地上で生育することができないサッカロミセス(Saccha
    romyces)株を準備し、 (b)所望により変異原を含有んでいてもよい、ガラクトース含有培地上で該
    株を培養してガラクトース含有培地上で生育することができる復帰突然変異体を
    得、 (c)シス−作用突然変異またはトランス−作用突然変異の存在について工程
    (b)で得られた復帰突然変異体をスクリーニングし、 (d)(i)トランス−作用突然変異を含む復帰突然変異体からのゲノム・フ
    ラグメントのプラスミド・ライブラリー、および/または、(ii)工程(a)
    のサッカロミセス株からのゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリーを
    調製し、 (e)工程(d)(i)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(a
    )で準備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)(ii
    )のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトランス−
    作用突然変異を含むサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、ついで (f)ガラクトース上で生育する能力について工程(e)の形質転換体をスク
    リーニングすることからなり、 ここに、ガラクトース上で生育することができる工程(e)(i)からのいず
    れの形質転換体は酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトラ
    ンス−作用因子をコードするDNAの突然変異変異型を含み、一方ガラクトース
    上で生育することができない工程(e)(ii)のいずれの形質転換体は酵母に
    おける転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコード
    するDNAを含むであろうことを特徴とする、酵母における転写の終結をモジュ
    レートすることができるトランス−作用因子を同定する方法。
  2. 【請求項2】 GAL10遺伝子の転写終結シグナル中の欠陥が、GAL1
    0ポリアデニル化シグナルの全体または一部分の欠失である請求項1記載の方法
  3. 【請求項3】 ガラクトース上で生育することができない該サッカロミセス
    株が機能性ゲノム版のGAL10およびGAL7を欠き、かつ、GAL10ポリ
    アデニル化シグナルが欠失しているGAL10−7インサートを含むプラスミド
    で形質転換されている請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】 該シス−作用またはトランス−作用突然変異を、該復帰突然
    変異体からGAL10−7インサートを含むプラスミドを単離し、機能性ゲノム
    版のGAL10およびGAL7を欠くサッカロミセス株をその様にして単離した
    プラスミドで形質転換し、ついでガラクトース上で生育する能力について形質転
    換体をスクリーニングすることによって同定する請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】 工程(a)で用いるサッカロミセス株がサッカロミセス・セ
    レビシア(Saccharomyces cerevisiae)である前記請求項いずれか1項記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 工程(b)において、該株をエチジウム・ブロマイドの存在
    下で培養する前記請求項いずれか1項記載の方法。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし6いずれか1項記載の方法により同定した転
    写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のトランス−作用因子をコードする核酸配列。
  9. 【請求項9】 そのイントロン内に挿入されている酵母レポーター遺伝子、
    ポリアデニル化シグナル、および該ポリアデニル化シグナルの下流の少なくとも
    1の酵母ポリメラーゼIIポーズ(pause)・エレメントを含むDNA構築物。
  10. 【請求項10】 該イントロンが組換え事象によって該酵母レポーター遺伝
    子に導入されている請求項9記載のDNA構築物。
  11. 【請求項11】 該イントロンが合成イントロンである請求項10記載のD
    NA構築物。
  12. 【請求項12】 該イントロンが、StuI部位に挿入された該ポリアデニ
    ル化シグナルおよびXhoI部位に挿入された該ポリメラーゼIIポーズ・エレ
    メントを有する以外は図1に示す配列を含む請求項11記載のDNA構築物。
  13. 【請求項13】 該ポリメラーゼIIポーズ・エレメントが前進向きでポリ
    アデニル化シグナルの下流に挿入され、かつ、それが酵母ura4またはnmt
    2遺伝子からのものである請求項9ないし12いずれか1項記載のDNA構築物
  14. 【請求項14】 該ポリアデニル化シグナルが酵母ura4遺伝子からのも
    のである請求項9ないし13いずれか1項記載のDNA構築物。
  15. 【請求項15】 該ura4ポリアデニル化シグナルが、 (a)以下のプライマー: 【化1】 を用いてura4 DNAを増幅させ、ついで (b)工程(a)の増幅産物をStyIおよびRsaIで消化することによっ
    て得ることができる請求項14記載のDNA構築物。
  16. 【請求項16】 該酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントが、以下の配
    列: 【化2】 を有するura4ポーズ・エレメントである請求項13ないし15いずれか1項
    記載のDNA構築物。
  17. 【請求項17】 該酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントが、以下の配
    列: 【化3】 を有するnmt2ポーズ・エレメントである請求項13ないし15いずれか1項
    記載のDNA構築物。
  18. 【請求項18】 該ポリアデニル化シグナルが図1のDNA配列のStuI
    部位に挿入されている請求項12ないし17いずれか1項記載のDNA構築物。
  19. 【請求項19】 該酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントが図1のDN
    A配列のXhoI部位に挿入されている請求項12ないし18いずれか1項記載
    のDNA構築物。
  20. 【請求項20】 該酵母遺伝子がその天然発生状態でイントロンを含んでい
    ない請求項10ないし19いずれか1項記載のDNA構築物。
  21. 【請求項21】 該酵母遺伝子がサッカロミセス・ポンベ(Saccharomyces
    pombe)のura4遺伝子である請求項20記載のDNA構築物。
  22. 【請求項22】 該イントロンがura4遺伝子のStuI部位に導入され
    ている請求項27記載のDNA構築物。
  23. 【請求項23】 その中に合成イントロンが挿入されている単一酵母レポー
    ター遺伝子を含み、ここに該合成イントロンが完全レポーター遺伝子の転写を妨
    害している際に効力がない酵母ポリアデニル化シグナルを含むDNA構築物。
  24. 【請求項24】 該合成イントロンが、該ポリアデニル化シグナルの下流に
    酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメントの挿入に好適な制限部位を有する請求
    項23記載のDNA構築物。
  25. 【請求項25】 該合成イントロンが、StuI部位に挿入された該ポリア
    デニル化シグナルを有する以外は図1に示す配列を含む請求項24記載のDNA
    構築物。
  26. 【請求項26】 該ポリアデニル化シグナルの下流の制限部位が図1の配列
    のXhoI部位である請求項25記載のDNA構築物。
  27. 【請求項27】 該ポリアデニル化シグナルが酵母ura4遺伝子からのも
    のである請求項23ないし26いずれか1項記載のDNA構築物。
  28. 【請求項28】 該ポリアデニル化シグナルが: (a)以下のプライマー: 【化4】 を用いてura4 DNAを増幅させ、ついで (b)工程(a)の増幅産物をStyIおよびRsaIで消化することによっ
    て得ることができる請求項27記載のDNA構築物。
  29. 【請求項29】 該単一酵母レポーター遺伝子がその天然発生状態でイント
    ロンを有していない請求項25ないし28いずれか1項記載のDNA構築物。
  30. 【請求項30】 該単一酵母レポーター遺伝子がエス・ポンベ(S. pombe)
    のura4遺伝子である請求項29記載のDNA構築物。
  31. 【請求項31】 該合成イントロンがura4遺伝子のStuI部位内に導
    入されている請求項30記載のDNA構築物。
  32. 【請求項32】 該酵母細胞が該レポーター遺伝子の機能性ゲノム・コピー
    を欠いている請求項9ないし31いずれか1項記載のDNA構築物で形質転換し
    た酵母細胞。
  33. 【請求項33】 該レポーター遺伝子がura4であって、該DNA構築物
    が請求項21、22、30または31いずれか1項記載のものである請求項32
    記載の酵母細胞。
  34. 【請求項34】 エス・ポンベ(S.pombe)である請求項32または33記
    載の酵母細胞。
  35. 【請求項35】 (a)請求項21または22記載のDNA構築物で形質転
    換したura4サッカロミセス株を準備し、 (b)所望により変異原を含んでいてもよい、ウラシルを省略した培地上で該
    株を培養して、ura4表現型への復帰突然変異体を同定し、 (c)シス−作用またはトランス−作用突然変異の存在について該復帰突然変
    異体をスクリーニングし、 (d)(i)工程(c)で同定したトランス−作用突然変異を含む復帰突然変
    異体からのゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリー、および/または
    、(ii)工程(a)のサッカロミセス株からのゲノム・フラグメントのプラス
    ミド・ライブラリーを調製し、 (e)(i)工程(d)(i)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工
    程(a)で準備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)
    (ii)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトラ
    ンス−作用突然変異を含むサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、 (f)ウラシルの不存在下で、および/または、ウラシルおよび5−FOAの
    存在下で工程(e)の形質転換体を培養することによってura4またはur
    a4表現型の存在について工程(e)の形質転換体をスクリーニングすること
    からなり、 ここに、ura4表現型を示す工程(e)(i)のいずれの形質転換体は酵
    母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコ
    ードするDNAの突然変異変異型を含み、一方ura4表現型を示す工程(e
    )(ii)のいずれの形質転換体は酵母における転写の終結をモジュレートする
    ことができるトランス−作用因子をコードするDNAを含むであろうことを特徴
    とする、酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作
    用因子を同定する方法。
  36. 【請求項36】 シス−作用突然変異の存在を、該復帰突然変異体から請求
    項21または22記載のDNA構築物を単離し、サッカロミセスのura4
    を単離したDNA構築物で形質転換し、ついでura4表現型への復帰につい
    てスクリーニングすることによって決定する請求項35記載の方法。
  37. 【請求項37】 (a)野生型表現型を示す請求項30または31記載のD
    NA構築物で形質転換したura4サッカロミセス株を準備し、 (b)所望により変異原を含んでいてもよい、ウラシルおよび5−FOAを含
    む培地上で該株を培養して、ura4表現型への復帰突然変異体を同定し、 (c)シス−作用またはトランス−作用突然変異の存在について該復帰突然変
    異体をスクリーニングし、 (d)(i)工程(c)で同定したトランス−作用突然変異を含む復帰突然変
    異体からゲノム・フラグメントのプラスミド・ライブラリー、および/または、
    (ii)工程(a)のサッカロミセス株からゲノム・フラグメントのプラスミド
    ・ライブラリーを調製し、 (e)(i)工程(d)(i)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工
    程(a)で準備したサッカロミセス株に、および/または、(ii)工程(d)
    (ii)のプラスミド・ライブラリーの各メンバーを工程(c)で同定したトラ
    ンス−作用突然変異を含むサッカロミセス復帰突然変異体に形質転換し、 (f)ウラシルの不存在下で、および/または、ウラシルおよび5−FOAの
    存在下で工程(e)の形質転換体を培養することによってura4またはur
    a4表現型の存在について工程(e)の形質転換体をスクリーニングすること
    からなり、 ここに、ura4表現型を示す工程(e)(i)のいずれの形質転換体は酵
    母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子をコ
    ードするDNAの突然変異変異型を含み、一方ura4表現型を示す工程(e
    )(ii)のいずれの形質転換体は酵母における転写の終結をモジュレートする
    ことができるトランス−作用因子をコードするDNAを含むであろうことを特徴
    とする、酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作
    用因子を同定する方法。
  38. 【請求項38】 該シス−作用突然変異の存在を、該復帰突然変異体から請
    求項30または31記載のDNA構築物を単離し、サッカロミセスのura4 株を単離したDNA構築物で形質転換し、ついでウラシルおよび5−FOAを含
    む培地上で培養することによってura4表現型の維持を確認することによっ
    て決定する請求項37記載の方法。
  39. 【請求項39】 工程(b)において、該株をエチジウム・ブロマイドの存
    在下で培養する請求項35ないし38いずれか1項記載の方法。
  40. 【請求項40】 該ura4サッカロミセス株がエス・ポンベである請求
    項35記載の方法。
  41. 【請求項41】 請求項35ないし40いずれか1項記載の方法によって同
    定した酵母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用
    因子。
  42. 【請求項42】 請求項41記載のトランス−作用因子をコードする核酸。
  43. 【請求項43】 (a)請求項1ないし6いずれか1項記載の方法を行い、 (b)請求項30または31記載のDNA構築物で形質転換したura4
    ッカロミセス株を工程(a)で同定したトランス−作用因子をコードする遺伝子
    を含むプラスミドで形質転換し、ついで (c)ウラシルの不存在下、および/または、ウラシルおよび5−FOAの存
    在下の培地で培養することによってura4表現型への復帰について工程(b
    )の形質転換体をスクリーニングすることからなる、酵母における転写の終結を
    モジュレートすることができるトランス−作用因子を同定する方法。
  44. 【請求項44】 (a)請求項1ないし6いずれか1項記載の方法を行い、 (b)請求項21または22記載のDNA構築物で形質転換したura4
    ッカロミセス株を工程(a)で同定したトランス−作用因子をコードする遺伝子
    を含むプラスミドで形質転換し、ついで (c)ウラシルを含まない培地上で培養することによってura4表現型へ
    の復帰について工程(b)の形質転換体をスクリーニングすることからなる、酵
    母における転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子を同
    定する方法。
  45. 【請求項45】 (a)請求項35ないし40いずれか1項記載の方法を行
    い、 (b)GAL10遺伝子の転写終結シグナル中に欠陥を有するサッカロミセス
    株を工程(a)で同定したトランス−作用因子をコードするDNA分子を含むプ
    ラスミドで形質転換し、ついで (c)ガラクトースの存在下で該形質転換体を培養することによって野生型表
    現型への復帰について該形質転換体をスクリーニングすることからなる、酵母に
    おける転写の終結をモジュレートすることができるトランス−作用因子を同定す
    る方法。
  46. 【請求項46】 (a)真核生物遺伝子からの推定ポリメラーゼIIポーズ
    ・エレメントを含むDNAフラグメントを該ポリアデニル化シグナルの下流の請
    求項30または31記載のDNA構築物に挿入し、 (b)請求項30または31記載のDNA構築物を組込んだプラスミドで形質
    転換したサッカロミセスのura4株を工程(a)で調製したDNA構築物を
    含むプラスミドで形質転換し、ついで (c)ウラシルおよび5−FOAの存在下の培地上で培養することによってu
    ra4表現型への復帰についてスクリーニングする工程からなり、 ここに、ura4表現型が該挿入フラグメントがポリメラーゼIIポーズ活
    性を有することを示すことを特徴とする、真核生物遺伝子からポリメラーゼII
    ポーズ・エレメントを同定する方法。
  47. 【請求項47】 請求項46記載の方法によって同定した酵母ポリメラーゼ
    IIポーズ・エレメント。
  48. 【請求項48】 エス・ポンベのnmt2遺伝子から単離され、かつ、以下
    のヌクレオチド配列: 【化5】 またはその相補体を有する請求項47記載の酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレ
    メント。
  49. 【請求項49】 以下のヌクレオチド配列: 【化6】 またはその相補体を有する酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメント。
  50. 【請求項50】 請求項49記載の酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメン
    トを含むDNA分子。
  51. 【請求項51】 以下のヌクレオチド配列: 【化7】 またはその相補体を有する酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメント。
  52. 【請求項52】 請求項51記載の酵母ポリメラーゼIIポーズ・エレメン
    トを含むDNA分子。
  53. 【請求項53】 DNA結合ドメインおよび活性化ドメインを有する転写因
    子によって調節されるプロモーターに作動可能に連結したレポーター遺伝子また
    は逆選択マーカー遺伝子を含むDNA構築物を含む宿主細胞を準備し; 該転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかにイン−フ
    レーム(in-frame)で融合したCstF64タンパク質またはそのC−末端フラ
    グメントを含む第1のハイブリッドタンパク質をコードする第1のハイブリッド
    DNA配列を該宿主細胞中で発現させ; 該転写因子のDNA結合ドメインまたは活性化ドメインのいずれかにイン−フ
    レームで融合した相互作用タンパク質またはそのフラグメントを含む第2のハイ
    ブリッドタンパク質をコードする第2のハイブリッドDNA配列を、第1の融合
    タンパク質が該転写因子の活性化ドメインを含む場合には該第2の融合タンパク
    質は該転写因子のDNA結合ドメインを含み、第1の融合タンパク質が転写因子
    のDNA結合ドメインを含む場合には第2の融合タンパク質は活性化ドメインを
    含むように、該宿主細胞中で発現させ; 試験下で宿主細胞を化合物の試料と接触させ;ついで 該宿主細胞中のいずれかのレポーター遺伝子産物の生成を検出するか、または
    逆選択マーカー遺伝子の発現の欠失について正の選抜を適用するかのいずれかに
    よって、相互作用タンパク質またはそのフラグメントに対するCstF64タン
    パク質またはそのC−末端フラグメントのいずれかの結合を検出することからな
    る、CstF64タンパク質のC−末端ドメインに結合すると以前に同定された
    相互作用タンパク質に対するサッカロミセス・ポンベのCstF64タンパク質
    の結合を阻害、向上または破壊することができる化合物を同定する方法。
  54. 【請求項54】 相互作用タンパク質がエス・ポンベのres2タンパク質
    である請求項53記載の方法。
  55. 【請求項55】 相互作用タンパク質がエス・ポンベのdph1タンパク質
    である請求項53記載の方法。
  56. 【請求項56】 相互作用タンパク質がSPCC16A11.14と呼ばれ
    るエス・ポンベ遺伝子によってコードされるタンパク質である請求項53記載の
    方法。
  57. 【請求項57】 相互作用タンパク質がSPCC830.01と呼ばれるエ
    ス・ポンベ遺伝子によってコードされるタンパク質である請求項53記載の方法
  58. 【請求項58】 相互作用タンパク質がSPAC19A8.12と呼ばれる
    エス・ポンベ遺伝子によってコードされるPSU1−様タンパク質である請求項
    53記載の方法。
  59. 【請求項59】 相互作用タンパク質がSPAC57A7.12と呼ばれる
    エス・ポンベ遺伝子によってコードされるHsp70−様タンパク質である請求
    項53記載の方法。
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