JP2002523455A - 蛋白質キナーゼ活性の調節剤としての幾何学的に制限された2−インドリノン誘導体 - Google Patents

蛋白質キナーゼ活性の調節剤としての幾何学的に制限された2−インドリノン誘導体

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JP2002523455A JP2000567201A JP2000567201A JP2002523455A JP 2002523455 A JP2002523455 A JP 2002523455A JP 2000567201 A JP2000567201 A JP 2000567201A JP 2000567201 A JP2000567201 A JP 2000567201A JP 2002523455 A JP2002523455 A JP 2002523455A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は,蛋白質キナーゼの活性を調節し,したがって,蛋白質キナーゼ関連細胞性疾患,例えば癌の予防および治療に有用であると予測される,新規な幾何学的に制限された2−インドリノンおよびその生理学的に許容される塩に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は,一般に有機化学,生化学,薬理学,および医薬に関する。より詳細
には,本発明は,蛋白質キナーゼ("PK")の活性を調節し,したがって,異常
なPK活性に関連する疾患に対して有益な効果を示すことが予測される,幾何学
的に制限された2−インドリノン誘導体およびその生理学的に許容される塩およ
びプロドラッグに関する。
【0002】発明の背景 以下は,背景情報としてのみ提供されるものであり,本発明に対する先行技術
であると認めるものではない。
【0003】 PKは,蛋白質のチロシン,セリンおよびトレオニン残基上のヒドロキシ基の
リン酸化を触媒する酵素である。この外観上は単純な活性の結果は圧倒的である
。細胞成長,分化および増殖,すなわち,細胞生命のほぼすべての観点が種々の
仕方でPK活性に依存する。さらに,異常なPK活性は,比較的生命を脅かさな
い疾患(例えば乾癬)から,非常に悪性の疾患(例えば神経膠細胞腫(脳癌))
までの範囲の疾患の宿主と関連づけられてきた。
【0004】 PKは,慣用的に2種類に分類することができる:蛋白質チロシンキナーゼ(
PTK)およびセリン−トレオニンキナーゼ(STK)。
【0005】 PTK活性の主な観点は,成長因子レセプターへのその関与である。成長因子
レセプターは,細胞表面蛋白質である。成長因子リガンドが結合すると,成長因
子レセプターは活性型に変換され,これが細胞膜の内表面上の蛋白質と相互作用
する。これは,レセプターおよび他の蛋白質上のチロシン残基のリン酸化を引き
起こし,細胞内部で種々の細胞質シグナリング分子との複合体を形成し,次にこ
れは多くの細胞性応答,例えば,細胞分裂(増殖),細胞分化,細胞成長,細胞
外微細環境への代謝的効果の発現等を行う。さらに詳しい議論については,Sc
hlessinger and Ullrich,Neuron,9:303−
391(1992)(本明細書において完全に記載されているように,図面を含
め本明細書の一部としてここに引用する)を参照されたい。
【0006】 PTK活性を有する成長因子レセプターは,レセプターチロシンキナーゼ("
RTK")として知られている。これらは,多様な生物学的活性を有する膜貫通
レセプターの大きなファミリーを含む。現在のところ,RTKの少なくとも19
個の異なるサブファミリーが同定されている。これらのサブファミリーの例は,
"HER"RTKと称されるサブファミリーであり,これにはEGFR(上皮成長
因子レセプター),HER2,HER3およびHER4が含まれる。これらのR
TKは,細胞外グリコシル化リガンド結合ドメイン,膜貫通ドメイン,および蛋
白質上のチロシン残基をリン酸化しうる細胞内細胞質触媒ドメインから構成され
る。
【0007】 別のRTKサブファミリーは,インスリンレセプター(IR),インスリン様
成長因子Iレセプター(IGF−1R)およびインスリンレセプター関連レセプ
ター(IRR)を含む。IRおよびIGF−1Rはインスリン,IGF−Iおよ
びIGF−IIと相互作用して,2つの完全に細胞外グリコシル化されたαサブ
ユニットと2つのβサブユニットのヘテロ4量体を形成し,これは細胞膜を横切
り,チロシンキナーゼドメインを含有する。
【0008】 第3のRTKサブファミリーは,血小板由来成長因子レセプター("PDGF
R")群として表され,これにはPDGFRα,PDGFRβ,CSFIR,c
−kitおよびc−fmsが含まれる。これらのレセプターは,可変数のイムノ
グロビン様ループおよび細胞内ドメインからなるグリコシル化された細胞外ドメ
インから構成され,ここでチロシンキナーゼドメインは関連のないアミノ酸配列
により分断されている。
【0009】 別の群は,そのPDGFRサブファミリーとの類似性のため,しばしばPDG
FRサブファミリーに包摂される,胎児肝キナーゼ("flk")レセプターサブ
ファミリーである。この群は,キナーゼ挿入ドメイン−レセプター胎児肝キナー
ゼ−1(KDR/FLK−1,VEGF−R2),flk−1R,flk−4お
よびfms様チロシンキナーゼ1(flt−1)からなると考えられている。
【0010】 チロシンキナーゼ成長因子レセプターファミリーの別の1つのメンバーは,繊
維芽細胞成長因子("FGF")レセプター群である。この群は,4つのレセプタ
ー,FGFR1−4,および7つのリガンド,FGF1−7から構成される。ま
だあまり明確にされていないが,レセプターは,可変数のイムノグロビン様ルー
プおよび細胞内ドメインを含有するグリコシル化された細胞外ドメインから構成
されるようであり,ここでチロシンキナーゼ配列は関係のないアミノ酸配列の領
域により分断されている。
【0011】 チロシンキナーゼ成長因子レセプターファミリーのさらに別のメンバーは,血
管内皮成長因子(VEGF")レセプターサブグループである。VEGFは,P
DGFに類似するダイマーの糖蛋白質であるが,異なる生物学的機能およびイン
ビボでの標的細胞特異性を有する。特に,VEGFは,現在のところ,血管新生
および脈管形成において本質的な役割を果たすと考えられている。
【0012】 既知のRTKサブファミリーのより完全なリストは,Plowman et
al.,DN&P,7(6):334−339(1994)(本明細書において
完全に記載されているように,図面を含め本明細書の一部としてここに引用する
)に記載されている。
【0013】 RTKに加え,"非レセプターチロシンキナーゼ"または"細胞性チロシンキナ
ーゼ"と称される,完全に細胞内のPTKのファミリーが存在する。本明細書に
おいては,"CTK"と略されるこの後者の呼称を使用する。CTKは細胞外およ
び膜貫通ドメインを含有しない。現在のところ,11個のサブファミリー(Sr
c,Frk,Btk,Csk,Abl,Zap70,Fes,Fps,Fak,
JakおよびAck)の24個を越えるCTKが同定されている。Srcサブフ
ァミリーは,これまでのところ,CTKのもっとも大きい群であるようであり,
Src,Yes,Fyn,Lyn,Lck,Blk,Hck,FgrおよびYr
kを含む。CTKのより詳細な議論については,Bolen,Oncogene
,8:2023−2031(1993)(本明細書において完全に記載されてい
るように,図面を含め本明細書の一部としてここに引用する)を参照されたい。
【0014】 セリン/トレオニンキナーゼもしくはSTKは,CTKと同様に,主として細
胞内にあるが,STKタイプのレセプターキナーゼは少ない。STKはもっとも
一般的なサイトゾルキナーゼである。すなわち,細胞質オルガネラおよび細胞骨
格以外の,細胞質のその部分でその機能を行うキナーゼである。サイトゾルは,
細胞の中間代謝および生合成活性のほとんどが生ずる細胞中の領域である。例え
ば,蛋白質がリボソーム上で合成されるのはサイトゾル内である。
【0015】 RTK,CTKおよびSTKはすべて,病原性状態,特に癌を含む状態の宿主
であることが示唆されてきた。PTKと関連づけられてきた他の病原性状態には
,限定されるものではないが,乾癬,肝硬変,糖尿病,脈管形成,再狭窄,眼性
疾患,慢性関節リウマチおよび他の炎症性疾患,自己免疫疾患等の免疫疾患,ア
テローム性動脈硬化等の心血管疾患,および種々の腎臓疾患が含まれる。
【0016】 癌に関しては,腫瘍の発達を推進する過剰な細胞増殖を説明する主要な仮説の
2つは,PKにより制御されることが知られている機能に関連する。すなわち,
悪性細胞成長は細胞分裂および/または分化を調節するメカニズムの故障に起因
することが示唆されている。多数のプロトオンコジンの蛋白質産物は,細胞成長
および分化を制御するシグナル伝達経路に関与することが示されている。これら
のプロトオンコジンの蛋白質産物には,上で議論した,細胞外成長因子,膜貫通
成長因子PTKレセプター(RTK),細胞質PTK(CTK)およびサイトゾ
ルSTKが含まれる。
【0017】 PKに関連する細胞活性と広範な種類のヒト疾患との間の見かけ上の連結の観
点から,PK活性を調節する方法を同定しようとする試みに多大な努力が払われ
ていることは驚くべきことではない。これらのいくつかには,実際の細胞プロセ
スに関与する分子を模倣する大きな分子を用いるバイオミメティック方法が含ま
れる(例えば,変異体リガンド(米国特許4,966,849);可溶性レセプ
ターおよび抗体(WO94/10202,Kendall and Thoma
s,Proc.Nat'l.Acad.Sci.,90:10705−09(1
994),Kim,etal.,Nature,362:841−844(19
93));RNAリガンド(Jelinek,et al.,Biochemi
stry,33:10450−56);Takano,etal.,Mol.B
io.Cell4:358A(1993);Kinsella,etal.,E
xp.CellRes.199:566−62(1992);Wright,e
tal.,J.CellularPhys.,152:448−57)およびチ
ロシンキナーゼ阻害剤(WO94/03427;WO92/21660;WO9
1/15495;WO94/14808;米国特許5,330,992;Mar
iani,et al.,Proc.Am.Assoc.Cancer Res
.,35:2268(1994))。
【0018】 上述に加え,PK阻害剤として作用する小分子を同定する試みがなされている
。例えば,ビス単環,二環およびヘテロ環アリール化合物(PCT WO92/
20642),ビニレンアザインドール誘導体(PCT WO94/14808
)および1−シクロプロピル−4−ピリジルキノロン類(米国特許5,330,
992)が,チロシンキナーゼ阻害剤として記載されている。スチリル化合物(
米国特許5,217,999),スチリル置換ピリジル化合物(米国特許5,3
02,606),キナゾリン誘導体(欧州特許出願0566266Al),セレ
ナインドール類およびセレニド類(PCT WO94/03427),三環ポリ
ヒドロキシル化合物(PCT WO92/21660)およびベンジルホスホン
酸化合物(PCT WO91/15495)はすべて,癌の治療において有用な
PTK阻害剤として記載されている。
【0019】発明の概要 PK活性を調節し,したがって異常なPK活性によりもたらされる疾患の治療
および予防において有用であると予測される小さい有機分子を同定する我々自身
の努力により,PKを調節する能力を示す新規な幾何学的に制限された2−イン
ドリノン誘導体のファミリーが発見された。これらが本発明の主題である。
【0020】 すなわち,本発明は,一般に,レセプターチロシンキナーゼ(RTK),非レ
セプター蛋白質チロシンキナーゼ(CTK)およびセリン/トレオニン蛋白質キ
ナーゼ(STK)の活性を調節する,新規な幾何学的に制限された2−インドリ
ノン誘導体およびそのプロドラッグおよび生理学的に許容される塩に関する。さ
らに,本発明は,開示される化合物およびそれらの生理学的に許容される塩およ
びプロドラッグの医薬組成物の製造,およびPKによりもたらされる疾患の治療
または予防における使用に関する。疾患の例としては,限定されるものではない
が,癌,糖尿病,肝硬変,心血管疾患,例えばアテローム性動脈硬化症,新脈管
形成,免疫疾患,例えば自己免疫疾患,および腎疾患が挙げられる。
【0021】 "2−インドリノン","インドリン−2−オン","2−オキシインドール"およ
び"オキシインドール"との用語は,本明細書において互換的に用いられ,いずれ
も一般式:
【化2】 を有する化学的化合物を表す。
【0022】 本明細書において用いられる場合,上述の用語は,イオウ誘導体を含むものと
見なされる。すなわち,Z=イオウである。
【0023】 "幾何学的に制限された"とは,二重結合に結合している基の互いの空間的関係
が,二重結合の本来の質により決まっている,二重結合のまわりの化学構造を表
す。すなわち,二重結合に結合している原子は,同一平面上,つまり二重結合そ
れ自身の原子と同じ平面内になければならない。このことは,本発明の化合物を
考慮する場合に関する限り,式1および2:
【化3】 により示される一般的構造を参照することにより最もよく示される。
【0024】 式1は,本発明の化合物の骨格構造を表す。1は例示のためにのみ示され,限
定するものではないことが理解される。1に示されるもの以外の骨格構造も,本
発明の範囲および精神の範囲内である。1から得るべき特徴は,インドリノンの
3位において二重結合に結合している原子の関係である。1において,環系aお
よび環系bは,環炭素を介して二重結合に結合している。二重結合のため,連結
している炭素原子のいずれの側の原子も,同一平面上になければならない。環そ
れ自体は内部的に同一平面上にあるため,全体の分子,すなわち環系aおよび環
系bおよび二重結合は,同一平面上にある。これは式2とは対照的であり,式2
においては,一重結合が環系a'を二重結合に連結している。したがって,環系
a'は一重結合のまわりに自由に回転することができ,環系a'およびb'は同一
平面上になくてもよく,互いに垂直であることも可能である。
【0025】 "医薬組成物"とは,1またはそれ以上の本明細書に記載される化合物またはそ
の生理学的に許容される塩と,他の化学成分,例えば生理学的に許容される担体
および/または賦形剤との混合物を表す。医薬組成物の目的は,化合物の生物へ
の投与を容易にすることである。
【0026】 本明細書において用いられる場合,"生理学的に許容される担体"とは,生物に
顕著な刺激を引き起こさず,投与される化合物の生物学的活性および特性を排除
しない担体または希釈剤を表す。
【0027】 "賦形剤"とは,医薬組成物に加えて化合物の投与をさらに容易にする不活性の
物質を表す。賦形剤の例としては,限定されるものではないが,炭酸カルシウム
,リン酸カルシウム,種々の糖および各種の澱粉,セルロース誘導体,ゼラチン
,植物油およびポリエチレングリコールが挙げられる。
【0028】 "プロドラッグ"とは,インビボで親薬剤に転換される薬剤を表す。プロドラッ
グは,場合により,親薬剤より投与が容易であるかもしれないため,しばしば有
用である。例えば,プロドラッグは経口投与により生物学的に利用可能であるが
,親薬剤はそうではないかもしれない。プロドラッグはまた,親薬剤よりも医薬
組成物中で改良された溶解性を有するかもしれない。プロドラッグの例は,限定
されるものではないが,エステル("プロドラッグ")として投与されて,水溶性
であることが移動に不利である細胞膜の通過を容易にし,次に,水溶性であるこ
とが有利である細胞内に入った後,代謝的に加水分解されて活性種のカルボン酸
となるような,本発明の化合物であろう。
【0029】 プロドラッグのさらに別の例は,短いポリペプチドであろう。例えば,限定さ
れるものではないが,末端アミノ基を介して本発明の化合物のカルボキシ基に結
合している2−10アミノ酸のポリペプチドは,インビボで加水分解または代謝
されて活性分子を放出する。
【0030】1.化合物 一般的な構造的特徴 1つの観点においては,本発明は,化学構造I,IIまたはIII:
【化4】 を有する,幾何学的に制限された2−インドリノン化合物に関する。
【0031】 本発明の範囲は,本発明の化合物の生理学的に許容される塩およびプロドラッ
グを含む。
【0032】 R1は,水素,アルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル,アリー
ル,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(=O)OR",R"C(=O)O−,C−ア
ミド,C−チオアミド,アセチル,−S(=O)2R",およびトリハロメチルス
ルホニルからなる群より選択され,ここで,R"は,水素,アルキル,シクロア
ルキル,アリール,ヘテロアリール(環炭素を介して結合),およびヘテロ脂環
式(環炭素を介して結合)からなる群より選択され; A,B,DおよびEは,炭素および窒素からなる群より独立して選択され,ここ
で,A,B,DまたはEが窒素であるとき,それぞれR2,R3,R4またはR5
存在せず; F,G,JおよびKは,炭素,窒素,酸素およびイオウからなる群より独立して
選択され,ここで,nが1でありかつF,G,JまたはKが炭素以外の原子であ
るとき,それぞれR6,R7,R8またはR9は存在せず; nが0でありかつF,GまたはKが酸素またはイオウであるとき,それぞれR6
,R8またはR9は存在せず; R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9は,水素,アルキル,トリハロア
ルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル,アリール,ヘテロアリール
,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト,アル
キルチオ,アリールチオ,−S(=O)R",−S(=O)2R",S−スルホン
アミド,N−スルホンアミド,N−トリハロメタンスルホンアミド,−C(=O
)R",−C(=O)OR",R"C(=O)O−,シアノ,ニトロ,ハロ,シア
ナト,イソシアナト,チオシアナト,イソチオシアナト,O−カルバミル,N−
カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミ
ド,アミノおよび−NR1314からなる群より独立して選択され; R2およびR3,またはR3およびR4,またはR4およびR5,またはR6およびR7 ,またはR7およびR8,またはR8およびR9は,一緒になって,メチレンジオキ
シまたはエチレンジオキシ基を形成してもよく; R13およびR14は,水素,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリー
ル,ヘテロ脂環式,−C(=O)R",アセチル,−S(O)2R",トリハロメ
タンスルホニルからなる群より独立して選択され,または一緒になって,5員ま
たは6員のヘテロ脂環式環を形成し; R10,R11およびR12は,アルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル
,アリール,ヘテロアリール,ハロ,シアノ,トリハロメチル,ヒドロキシ,ア
ルコキシ,アルキルチオ,アリールオキシ,アリールチオ,R"C(=O)O−
,−C(=O)OR",−C(=O)O-+,−(CH2rC(=O)OR",−
(CH2rC(=O)O-+,C−アミド,N−アミド,シアナト,イソシアナ
ト,チオシアナト,イソチオシアナト,アミノ,−S(=O)R",−S(=O
2R",ニトロおよび−NR1314からなる群より独立して選択され; R10およびR11またはR11およびR12は,一緒になって,エンド二重結合を形成
してもよく; Zは,酸素およびイオウからなる群より選択され; rは1,2,3,4,5または6であり;そして nは0または1である。
【0033】 "エンド"との用語は,環構造中に含まれる二重結合を表す。例えば,以下の構
造中の二重結合は"エンド"二重結合である:
【化5】 本明細書において用いられる場合,"アルキル"との用語は,飽和脂肪族炭化水
素を表し,直鎖および分枝鎖の基を含む。好ましくは,アルキル基は,1−20
個の炭素原子を有する(本明細書において数値範囲,例えば"1−20"と記載さ
れる場合,これは与えられる範囲の各整数を表す。例えば,"1−20個の炭素
原子"とは,アルキル基が,1個の炭素原子,2個の炭素原子,3個の炭素原子
,以下同様に,20個までの炭素原子からなっていてもよいことを意味する。)
。より好ましくは,これは1−10個の炭素原子を有する中程度のサイズのアル
キルである。最も好ましくは,これは1−4個の炭素原子を有する低級アルキル
である。アルキルは,置換されていてもされていなくてもよい。置換されている
場合,置換基は,好ましくは,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリール,ヘ
テロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト,アルキル
チオ,アリールチオ,シアノ,ハロ,カルボニル,チオカルボニル,O−カルバ
ミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド
,N−アミド,C−カルボキシ,O−カルボキシ,シアナト,イソシアナト,チ
オシアナト,イソチオシアナト,ニトロ,シリル,アミノおよび−NR1314
13およびR14は,上で定義したとおりである)から独立して選択される1また
はそれ以上の置換基である。
【0034】 "シクロアルキル"基は,全炭素単環または縮合環(隣接する炭素原子対を共有
する環)基を表し,ここで,環の1またはそれ以上は完全に共役したパイ電子系
を有しない。シクロアルキル基の例は,限定されるものではないが,シクロプロ
パン,シクロブタン,シクロペンタン,シクロペンテン,シクロヘキサン,アダ
マンタン,シクロヘキサジエン,シクロヘプタン,およびシクロヘプタトリエン
である。シクロアルキル基は,置換されていてもされていなくてもよい。置換さ
れている場合,置換基は,好ましくは,アルキル,アリール,ヘテロアリール,
ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト,アルキ
ルチオ,アリールチオ,シアノ,ハロ,カルボニル,チオカルボニル,カルボキ
シ,O−カルバミル,N−カルバミル,C−アミド,N−アミド,ニトロ,アミ
ノおよび−NR1314(R13およびR14は上で定義したとおりである)から独立
して選択される1またはそれ以上の置換基である。
【0035】 "アルケニル"基は,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−
炭素二重結合からなる,本明細書において定義されるアルキル基である。
【0036】 "アルキニル"基は,少なくとも2つの炭素原子および少なくとも1つの炭素−
炭素三重結合からなる,本明細書において定義されるアルキル基である。
【0037】 "アリール"基は,完全に共役したパイ電子系を有する,全炭素単環または縮合
多環(すなわち,隣接する炭素原子対を共有する環)基を表す。アリール基の例
は,限定されるものではないが,フェニル,ナフタレニルおよびアントラセニル
である。アリール基は,置換されていてもされていなくてもよい。置換されてい
る場合,置換基は,好ましくは,ハロ,トリハロメチル,アルキル,ヒドロキシ
,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト,アルキルチオ,アリールチオ,シ
アノ,ニトロ,カルボニル,チオカルボニル,C−カルボキシ,O−カルボキシ
,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル
,C−アミド,N−アミド,スルフィニル,スルホニル,S−スルホンアミド,
N−スルホンアミド,トリハロメタンスルホンアミド,アミノおよび−NR13 14 (R13およびR14は上で定義したとおりである)から選択される1またはそれ
以上の置換基である。
【0038】 本明細書において用いる場合,"ヘテロアリール"基は,環内に窒素,酸素およ
びイオウからなる群より選択される1またはそれ以上の原子を含み,かつ,完全
に共役したパイ電子系を有する単環式または縮合環(すなわち,隣接する1対の
原子を共有する環)基を表す。ヘテロアリール基の例は,限定されるものではな
いが,ピロール,フラン,チオフェン,イミダゾール,オキサゾール,チアゾー
ル,ピラゾール,ピリジン,ピリミジン,キノリン,イソキノリン,プリンおよ
びカルバゾールである。ヘテロアリール基は,置換されていてもされていなくて
もよい。置換されている場合,置換基は,好ましくは,アルキル,シクロアルキ
ル,ハロ,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカ
プト,アルキルチオ,アリールチオ,シアノ,ニトロ,カルボニル,チオカルボ
ニル,スルホンアミド,カルボキシ,スルフィニル,スルホニル,O−カルバミ
ル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,
N−アミド,アミノおよび−NR1314(R13およびR14は,上で定義したとお
りである)から選択される1またはそれ以上の置換基である。
【0039】 "ヘテロ脂環式"基は,環中に窒素,酸素およびイオウからなる群より選択され
る1またはそれ以上の原子を有する単環式または縮合環基を表す。環はまた,1
またはそれ以上の二重結合を有していてもよい。しかし,環は完全に共役したパ
イ電子系を有しない。ヘテロ脂環式環は,置換されていてもされていなくてもよ
い。置換されている場合,置換基は,好ましくは,アルキル,シクロアルキル,
ハロ,トリハロメチル,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト
,アルキルチオ,アリールチオ,シアノ,ニトロ,カルボニル,チオカルボニル
,カルボキシ,O−カルバミル,N−カルバミル,O−チオカルバミル,N−チ
オ−カルバミル,スルフィニル,スルホニル,C−アミド,N−アミド,アミノ
および−NR1314(R13およびR14は上で定義したとおりである)から選択さ
れる1またはそれ以上の置換基である。
【0040】 "ヒドロキシ"基は,−OH基を表す。
【0041】 "アルコキシ"基は,本明細書において定義される−O−アルキルおよび−O−
シクロアルキル基の両方を表す。
【0042】 "アリールオキシ"基は,本明細書において定義される−O−アリールおよび−
O−ヘテロアリール基の両方を表す。
【0043】 "メルカプト"基は,−SH基を表す。
【0044】 "アルキルチオ"基は,本明細書において定義されるS−アルキルおよび−S−
シクロアルキル基の両方を表す。
【0045】 "アリールチオ"基は,本明細書において定義される−S−アリールおよび−S
−ヘテロアリール基の両方を表す。
【0046】 "カルボニル"基は,−C(=O)R"基を表し,ここで,R"は,本明細書にお
いて定義される,水素,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリール
(環炭素を介して結合)およびヘテロ脂環式(環炭素を介して結合)からなる群
より選択される。
【0047】 "アルデヒド"基は,R"が水素であるカルボニル基を表す。
【0048】 "シクロケトン"は,環を形成する炭素原子の1つがそれに結合する"=O"を有
している,すなわち,環炭素原子の1つが−C(=O)−基であるシクロアルキ
ル基を表す。
【0049】 "チオカルボニル"基は,−C(=S)R"基を表し,ここでR"は本明細書にお
いて定義されるとおりである。
【0050】 "O−カルボキシ"基は,R"C(=O)O−基を表し,ここでR"は本明細書に
おいて定義されるとおりである。
【0051】 "C−カルボキシ"基は,−C(=O)OR"基を表し,ここでR"は本明細書に
おいて定義されるとおりである。
【0052】 本明細書において用いられる場合,"エステル"とは,本明細書において定義さ
れるC−カルボキシ基であり,ここで,R"は水素以外の挙げられているいずれ
かの基である。
【0053】 "C−カルボキシ塩"は,−C(=O)O-+基を表し,ここでM+は,リチウ
ム,ナトリウム,マグネシウム,カルシウム,カリウム,バリウム,鉄,亜鉛お
よび4級アンモニウムからなる群より選択される。
【0054】 "アセチル"基は,−C(=O)CH3基を表す。
【0055】 "カルボキシアルキル"基は,−(CH2rC(=O)OR"を表し,ここでr
は1−6であり,R"は上で定義したとおりである。
【0056】 "カルボキシアルキル塩"は,−(CH2rC(=O)O-+を表し,ここでM + はリチウム,ナトリウム,カリウム,カルシウム,マグネシウム,バリウム,
鉄,亜鉛および4級アンモニウムからなる群より選択される。
【0057】 "カルボン酸"基は,R"が水素であるC−カルボキシ基を表す。
【0058】 "ハロ"基は,フッ素,塩素,臭素またはヨウ素を表す。
【0059】 "トリハロメチル"基は,−OX3を表し,ここでXは本明細書において定義さ
れるハロ基である。
【0060】 "トリハロメタンスルホニル"基は,X3CS(=O)2−を表し,ここでXは上
で定義したとおりである。
【0061】 "シアノ"基は,−C≡N基を表す。
【0062】 "シアナト"基は,−CNO基を表す。
【0063】 "イソシアナト"基は,−NCO基を表す。
【0064】 "チオシアナト"基は,−CNS基を表す。
【0065】 "イソチオシアナト"基は,−NCS基を表す。
【0066】 "スルフィニル"基は,−S(=O)R"基を表し,ここでR"は本明細書におい
て定義されるとおりである。
【0067】 "スルホニル"基は,−S(=O)2R"基を表し,ここでR"は本明細書におい
て定義されるとおりである。
【0068】 "スルホンアミド"基は,−S(=O)2NR1314基を表し,ここでR13およ
びR14は本明細書において定義されるとおりである。
【0069】 "トリハロメタンスルホンアミド"基は,X3CS(=O)2NR13−基を表し,
ここでXおよびR13は本明細書において定義されるとおりである。
【0070】 "O−カルバミル"基は,−OC(=O)NR1314基を表し,ここでR13およ
びR14は本明細書において定義されるとおりである。
【0071】 "N−カルバミル"基は,R14OC(=O)NR13−基を表し,ここでR13およ
びR14は本明細書において定義されるとおりである。
【0072】 "O−チオカルバミル"基は,−OC(=S)NR1314基を表し,ここでR13 およびR14は本明細書において定義されるとおりである。
【0073】 "N−チオカルバミル"基は,R14OC(=S)NR13−基を表し,ここでR13 およびR14は本明細書において定義されるとおりである。
【0074】 "アミノ"基は,−NR1314基を表し,ここでR13およびR14は両方とも水素
である。
【0075】 "C−アミド"基は,−C(=O)NR1314基を表し,ここでR13およびR14 は本明細書において定義されるとおりである。
【0076】 "N−アミド"基は,R13C(=O)NR14−基を表し,ここでR13およびR14 は本明細書において定義されるとおりである。
【0077】 "ニトロ"基は,−NO2基を表す。
【0078】 "4級アンモニウム"基は,−+NR131415基を表し,ここでR13,R14
よびR15は,水素および非置換低級アルキルからなる群より独立して選択される
【0079】 "メチレンジオキシ"基は,−OCH2O−基を表し,ここで酸素原子は,隣接
する環炭素原子に結合している。
【0080】 "エチレンジオキシ"基は,−OCH2CH2O−基を表し,ここで酸素原子は隣
接する環炭素原子に結合している。
【0081】 本発明の別の観点は,一般化学構造:
【化6】 を有するオキシインドールを,一般化学構造:
【化7】 の1つを有するシクロケトンと反応させることにより形成される,少なくとも1
0個の化合物のコンビナトリアルライブラリである。式中,A,B,D,E,F
,G,J,K,R1,R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8,R9,R10,R11
よびR12は,本明細書において先に定義したとおりである。
【0082】 "反応させる"とは,上述のオキシインドールの1つと上述のシクロケトンの1
つとを,それらが互いに相互作用して,それらの間に共有結合を形成する化学的
環境中に置くことを意味する。本発明の場合,共有結合は,最終的には,オキシ
インドールの3位の炭素原子からシクロケトンのケト炭素原子への二重結合であ
る。
【0083】 "コンビナトリアルライブラリ"とは,多次元アレイの1つの次元の各化合物を
多次元アレイの他の次元の各化合物と反応させることにより形成されるすべての
化合物をを表す。本明細書において用いられる場合,多次元アレイは2次元であ
り,一方の次元は本発明の全オキシインドールであり,他方の次元は本発明の全
シクロケトンである。各オキシインドールを各シクロケトンと反応させて,2−
インドリノンを形成することができる。このようにして形成されるすべての2−
インドリノン化合物は,本発明の範囲内である。また,本発明のオキシインドー
ルのいくつかと本発明のすべてのシクロケトン,またはすべてのオキシインドー
ルとシクロケトンのいくつかと,またはオキシインドールのいくつかとシクロケ
トンのいくつかとを反応させることにより形成される,より小さいコンビナトリ
アルライブラリも,本発明の範囲内である。
【0084】 コンビナトリアルライブラリを用いて本発明の化合物を所望の活性についてス
クリーニングすることができることも,本発明の別の観点である。
【0085】 "所望の活性"とは,選択された蛋白質キナーゼの触媒活性を調節する能力を意
味する。
【0086】 "スクリーニング"とは,化合物のコンビナトリアルライブラリの全体,または
その任意の一部を,1つまたはそれ以上の標的蛋白質キナーゼと接触させ,次に
その化合物が蛋白質キナーゼの触媒活性に及ぼす影響を観察することを意味する
【0087】 本発明のさらに別の観点は,蛋白質キナーゼ活性,特にRTK,CTKまたは
STKキナーゼ触媒活性を調節する化合物である。
【0088】 好ましい構造的特徴 本発明の現在好ましい態様は, nが1であり; A,B,DおよびEが炭素であり; R1が水素であり;そして Zが酸素である化合物である。
【0089】 本発明のさらに別の現在好ましい態様は, nが1であり; A,B,DおよびEが炭素であり; R1が水素であり; Zが酸素であり;そして F,G,JおよびKが炭素である化合物である。
【0090】 本発明のさらに別の現在好ましい態様は, nが0であり; A,B,DおよびEが炭素であり;そして Zが酸素である化合物である。
【0091】 nが0であり; A,B,DおよびEが炭素であり; Zが酸素であり; Fが窒素であり; R9が水素であり;そして GおよびKが炭素である化合物もまた,本発明の現在好ましい態様である。
【0092】 また本発明の現在好ましい態様は, nが0であり; A,B,DおよびEが炭素であり; Zが酸素であり; Kが窒素であり; R6が水素であり;そして FおよびGが炭素である化合物である。
【0093】 本発明の現在好ましい別の態様は,F,G,JまたはKの1つまたは2つが,
独立して窒素である化合物である。
【0094】 nが1であり; A,B,DおよびEが炭素であり; R1が水素であり; Zが酸素であり; R13が水素であり;そして R14が非置換低級アルキルであるものもまた同様に本発明の現在好ましい態様で
ある。
【0095】 R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9が, 水素; 非置換低級アルキル; ハロ,−C(=O)OR"または−NR1314からなる群より選択される基で置
換されている低級アルキル; 非置換低級アルコキシ; ハロ,−C(=O)OR",非置換アリールまたは−NR1314からなる群より
選択される基で置換されている低級アルコキシ; トリハロメチル; 非置換アルケニル; 非置換アルキニル; 非置換アリール; 非置換低級アルキル,およびハロ,−C(=O)OR"または−NR1314から
なる群より選択される基で置換されている低級アルキルからなる群より独立して
選択される1またはそれ以上の基で置換されているアリール; 非置換ヘテロ脂環式; 非置換低級アルキル,−C(=O)H,−C(=O)−(非置換低級アルキル)
,ヒドロキシ,非置換アルコキシ,およびハロ,−C(=O)OR"および−N
1314からなる群より選択される基で置換されているアルコキシからなる群よ
り独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているヘテロ脂環式; 非置換アリールオキシ; 非置換低級アルキル,トリハロメチル,ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる
群より独立して選択される基で置換されているアリールオキシ; メルカプト; 非置換アルキルチオ; 非置換アリールチオ; ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる群より独立して選択される1またはそれ
以上の基で置換されているアリールチオ; S−スルホンアミド; −C(=O)OR"; R"C(=O)O−; ヒドロキシ; シアノ; ニトロ; ハロ; C−アミド; N−アミド; アミノ;および −NR1314からなる群より独立して選択されるものもまた本発明の現在好まし
い態様である。
【0096】 nが1であり; A,B,DおよびEが炭素であり; R1が水素であり; Zが酸素であり; R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9が, 水素; 非置換低級アルキル; ハロ,−C(=O)OR"および−NR1314からなる群より選択される基で置
換されている低級アルキル; 非置換低級アルコキシ; ハロ,−C(=O)OR",非置換アリールまたは−NR1314からなる群より
選択される基で置換されている低級アルコキシ; トリハロメチル; 非置換アルケニル; 非置換アルキニル; 非置換アリール; 非置換低級アルキル,およびハロ,−C(=O)OR"および−NR1314から
なる群より選択される基で置換されている低級アルキルからなる群より独立して
選択される1またはそれ以上の基で置換されているアリール; 非置換ヘテロ脂環式; 非置換低級アルキル,−C(=O)H,−C(=O)−(非置換低級アルキル)
,ヒドロキシ,非置換アルコキシ,およびハロ,−C(=O)OR"および−N
1314からなる群より選択される基で置換されているアルコキシからなる群よ
り独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているヘテロ脂環式; 非置換アリールオキシ; 非置換低級アルキル,トリハロメチル,ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる
群より独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているアリールオキ
シ; メルカプト; 非置換アルキルチオ; 非置換アリールチオ; ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる群より独立して選択される1またはそれ
以上の基で置換されているアリールチオ; S−スルホンアミド; −C(=O)OR"; R"C(=O)O−; ヒドロキシ; シアノ; ニトロ; ハロ; C−アミド; N−アミド; アミノ;および −NR1314(ここで,R13は水素であり,R14は非置換低級アルキルである)
からなる群より独立して選択される化合物も,本発明の別の現在好ましい態様で
ある。
【0097】 本発明のさらに別の現在好ましい態様は,R10,R11およびR12が,水素,非
置換低級アルキル,−(CH2rC(=O)OR",−(CH2rC(=O)O-+ハロ,ヒドロキシ,アルコキシ,R"C(=O)O−,−C(=O))OR"
,−C(=O)O-+,アミノ,C−アミド,N−アミド,ニトロおよび−NR 1314からなる群より独立して選択される化合物である。
【0098】 nが1であり; A,B,DおよびEが炭素であり; R1が水素であり; Zが酸素であり; R13が水素であり; R14が非置換低級アルキルであり;そして R10,R11およびR12が,水素,非置換低級アルキル,−(CH2rC(=O)
OR",−(CH2rC(=O)O-+,ハロ,ヒドロキシ,アルコキシ,R"C
(=O)O−,−C(=O)OR",−C(=O)O-+,アミノ,C−アミド
,N−アミド,ニトロおよび−NR1314からなる群より独立して選択される化
合物もまた,本発明の現在好ましい態様である。
【0099】 R10,R11またはR12の少なくとも1つが,−C(=O)OR",−C(=O
)O-+,−(CH2rC(=O)OR"および−(CH2rC(=O)O-+
からなる群より選択される,直前の段落における構造的特徴を有する化合物は,
本発明の現在好ましい態様である。
【0100】 直前の段落に記載された構造的特徴を有する化合物において,−(CH2r
(=O)OR"または−(CH2rC(=O)O-+基のrが1または2である
こともまた,本発明の現在好ましい態様である。
【0101】 本発明の代表的な化合物は表1に記載される。示される化合物は,例示のため
にのみ表され,いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと解釈すべ
きではない。
【0102】2.表の簡単な説明 1.表1は,本発明の例示的化合物の化学構造を示す。化合物番号は,以下の実
施例の節における化合物番号に対応している。すなわち,表1の化合物1の合成
は,実施例の節の実施例1に記載される。これらの化合物は,例示のためにのみ
示され,いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでは
ない。
【0103】 2.表2は,本発明の例示的化合物の生物学的アッセイの結果を示す。上述と同
様に,表2の化合物番号は,表1の化合物番号と対応している。用いたバイオア
ッセイは以下に詳細に記載される。結果はIC50,すなわち,本発明の化合物が
存在しない対照におけるPTKの活性と比較して,標的とするPTKの活性の5
0%の変化を与える試験化合物のマイクロモル(μM)濃度で表される。詳細に
は,示される結果は,本発明の化合物の非存在下で観察される標的PTKの活性
の50%の阻害を与えるのに必要な試験化合物の濃度を表す。
【0104】 3.表3は,以下に記載される動物異種移植片モデルにおいてA375sc細胞
株を用いたインビボ試験の結果を示す。化合物13は,表1に示される化学構造
を有する。
【0105】
【表1】
【0106】
【表2】
【0107】3. 生化学 本発明のもう一つの特徴は,PKの触媒活性を調節するための方法であって,
PKを,本発明の化合物または生理学的に許容されるその塩またはプロドラッグ
と接触させることによる方法に関する。
【0108】 本発明の別の態様は,PKの活性を調節する化合物を同定する方法である。該
方法は,目的とするPKを有する細胞を化合物と接触させ,化合物が細胞に及ぼ
す影響をモニターすることからなる。
【0109】 "PK"とは,RTK,CTKおよびSTKを意味する。すなわち,RTK,C
TKおよびSTKにより触媒されるシグナリングプロセスの調節が,本発明によ
り企図される。
【0110】 "方法"という用語は,所与の作業を遂行するための様式,手段,技術,および
手順を指し,化学,薬剤学,生物学,生化学,および医学的技術の従業者には周
知の,あるいは既に該従業者によって既知の様式,手段,技術,および手順から
開発された様式,手段,技術,および手順を含むがこれに限定されない。
【0111】 本明細書に用いられる場合,"調節"または"調節すること"という用語は,RT
K,CTK,およびSTKの触媒活性の変更を指す。特に,調節することは,R
TK,CTK,およびSTKの触媒活性の活性化を指し,好ましくは, RTK
,CTK,およびSTKに暴露される化合物または塩の濃度に依存したRTK,
CTK,およびSTKの触媒活性の活性化または阻害を指し,さらに好ましくは
, RTK,CTK,およびSTKの触媒活性の阻害を指す。
【0112】 本明細書に用いられている"触媒活性"という用語は,RTKおよび/またはC
TKの直接または間接的な影響下でのチロシンのリン酸化か,またはSTKの直
接または間接的な影響下でのセリンおよびトレオニンのリン酸化の速度を指す。
【0113】 本明細書に用いられている"接触させること"という用語は,本発明の化合物と
標的PKとを,当該化合物がPKの触媒活性を直接に,すなわちキナーゼ自体と
相互作用することによるか,または間接に,すなわち当該キナーゼの触媒活性が
依存している別の分子と相互作用することにより,影響することが可能な様式で
一緒に合わせることを指す。かかる"接触させること"は,試験管,ペトリ皿,ま
たは同様のものにおいて行なわれることが可能である。試験管内では,接触させ
ることは,化合物と目的とするPKのみが関与してよく,あるいは全細胞が関与
してもよい。また細胞は培養皿内にて維持または成育され,その環境において化
合物と接触してよい。このような状況においては,特定の化合物がPK関連障害
に影響を及ぼす能力,すなわち当該化合物のIC50(以下に定義される)を,よ
り複雑な生体を用いてのインビボでの使用が試みられる以前に,測定することが
可能である。生体の外の細胞については,PKを当該化合物と接触させるための
多様な方法が存在し,かつ当業者には周知であり,直接の細胞微小注射法および
多数の膜貫通担体法を含むがこれに限定されない。
【0114】 "監視すること"または"観察すること"は,化合物を特定のプロテインキナーゼ
PKを発現している細胞と接触させることの影響を,観察または検出することを
意味する。観察または検出された効果は,細胞の表現型における変化か,PKの
触媒活性においてか,あるいはPKと天然の結合相手との相互作用における変化
であることが可能である。
【0115】 "細胞表現型"は,細胞または組織の外面上の様相か,または当該細胞または組
織の生物学的機能を指す。細胞の表現型の例は,これに限定されないが,細胞の
大きさ,細胞成長,細胞分化,細胞増殖,細胞寿命,アポトーシス,および栄養
摂取と使用である。かかる表現型の特徴はこの技術において周知の技術による計
測が可能である。
【0116】 "天然の結合相手"は,細胞において特定のPKに結合するポリペプチドを指す
。天然の結合相手は,PKを介するシグナル伝達過程において,シグナルの伝播
に役割を果たすことができる。天然の結合相手とPKとの相互作用における変化
は,PK/天然の結合相手の複合体の濃度の増加または減少となって現われ,そ
の結果として,PKがシグナルを伝達する能力に,検出可能な変化が生じる。
【0117】 RTKを介するシグナル伝達は,特異的な成長因子(リガンド)との細胞外の
相互作用に始まり,レセプターの2量体化,内在蛋白質チロシンキナーゼ活性の
一過性の刺激,およびリン酸化がそれに続く。それにより細胞内シグナル伝達分
子のための結合部位が造られ,適切な細胞の応答(たとえば細胞分裂,細胞外の
微小環境に対する代謝効果,その他)を容易にするある範囲の細胞質シグナル分
子との複合体形成に導かれる。Schlessinger & Ullrich, 1992, Neuron 9 : 303
- 391参照。
【0118】 成長因子レセプター上のチロシンリン酸化部位は,シグナリング分子のSH2
(Srcホモロジー)ドメインのための高親和性結合部位として機能することが
示されている。Fantlら,1992, Cell 69: 413 - 423,Songyangら,1994, Mol.
Cell. Biol. 14 : 2777 - 2785), Songyangら,1993, Cell 72 :767 - 778)
,およびKoch ら,1991, Science 252 : 668 - 678。RTKと結合するいくつか
の細胞内基質蛋白質が同定されている。それらは二つの主要なグループに分けら
れる:(1)触媒ドメインを有する基質,および(2)かかるドメインを欠くが
,アダプターとして役立ち,触媒活性のある分子と結合する。Songyangら,1993
, Cell 72 : 767 - 778。レセプターとその基質のSH2ドメインとの間の相互
作用の特異性は,リン酸化されたチロシン残基を直接取囲んでいるアミノ酸残基
によって決められる。SH2ドメインと,特定のレセプターのホスホチロシン残
基を取囲んでいるアミノ酸配列との間の結合親和性の差異は,それらの基質リン
酸化のプロフィールに見られる差異と一致している。Songyangら,1993, Cell 7
2 : 767 - 778。これらの観察は,各々のRTKの機能が,その発現パターンな
らびにリガンド利用可能性によるだけでなく,特定のレセプターによって活性化
される下流のシグナル伝達経路によっても決定されることを示唆している。した
がって,リン酸化は特異的な成長因子レセプター,ならびに分化因子レセプター
によって活性化される,シグナリング経路の選択性を決定する重要な段階を提供
する。
【0119】 STKは,本来細胞質ゾル性であり,しばしばPTK事象についてのダウン方
向の応答として,細胞内部の生化学に影響を及ぼす。STKは,細胞増殖に導く
DNA合成とそれに続く細胞分裂とを開始する,シグナリング過程に関係してい
る。
【0120】 したがって,PKシグナル伝達は,数ある他の応答の中で特に,細胞増殖,分
化,成長,および代謝をもたらす。異常な細胞増殖は,癌腫,肉腫,グリア芽細
胞腫,および血管腫等の新生物,白血病,乾癬,動脈硬化症,関節炎,および糖
尿病性網膜炎,および制御されない血管新生(angiogenesis)および/または血
管形成(vasclogenesis)に関連する他の疾患を含む,広い範囲の障害および疾
患という結果をもたらしうる。
【0121】 本発明の化合物がPKを阻害する機構につての正確な理解は,本発明の実施の
ためには必要ではない。しかしながら,このことでいかなる特定の機構または定
理にも縛られるものではないが,当該化合物はPKの触媒領域のアミノ酸と相互
作用すると考えられている。PKは典型的には2葉構造を有しており,ATPは
,PKの中でアミノ酸が保存されている領域内の,2つの葉の間の裂け目に結合
するように見える。PKの阻害剤は,前記のATPがPKに結合するのと同じ普
遍領域において,水素結合,ファン‐デル‐ワールス力,およびイオン相互作用
等の非共有結合によって結合すると信じられている。さらに具体的には,本発明
の化合物の2−インドリノン成分が,正常にはATPのアデニン環によって占め
られる普遍区域に結合すると考えられている。このように,ある特定の分子の特
定のPKに対する特異性は,2−インドリノンコアについての種々の置換基と,
特定のPKに特異的なアミノ酸ドメインとの間の,付加的な相互作用の結果とし
て生じてよい。したがって,異なるインドリノン置換基は,特定のPKに対する
優先的な結合に貢献してよい。異なるATP(または他のヌクレオチド)結合部
位において活性のある化合物を選択する能力は,本発明の化合物を,かかる部位
を用いる蛋白質,すなわち,PKのみならず蛋白質ホスファターゼのターゲッテ
ィングにとって有用なものにする。したがって本明細書において開示される化合
物は,かかる蛋白質についてのインビトロでのアッセイ用としての有用性をもつ
と同時に,かかる蛋白質との相互作用を通じてインビボでの治療効果を示すもの
であってよい。
【0122】 もう一つの特徴においては,その触媒活性が本発明の化合物との接触によって
調節されるプロテインキナーゼは,蛋白質チロシンキナーゼであり,さらに詳し
くはレセプター蛋白質チロシンキナーゼである。レセプター蛋白質チロシンキナ
ーゼの中でも,本発明の化合物またはその塩によりその触媒活性が調節されるレ
セプター蛋白質チロシンキナーゼは,これに限定されないが,EGF,HER2
,HER3,HER4,IR,IGF−1R,IRR,PDGFRα,PDGF
Rβ,CDFIR,C−Kit,C−fms,Flk−1R,Flk4,KDR
/Flk−1,Flt−1,FGFR−1R,FGFR−2R,FGFR−3R
,およびFGFR−4Rである。
【0123】 本発明の化合物,またはその塩あるいはプロドラッグとの接触により,その触
媒活性が調節される蛋白質チロシンキナーゼは,非レセプターまたは細胞性蛋白
質チロシンキナーゼ(CTK)であってもよい。したがって,Src,Frk,
Btk,Csk,Abl,ZAP70,Fes,Fps,Fak,Jak,Ac
k,Yes,Fyn,Lyn,Lck,Blk,Hck,Fgr, およびYr
k等の,これに限定されないCTKの触媒活性は,本発明の化合物または塩との
接触により調節されることができる。
【0124】 本発明の化合物との接触によってその触媒活性が調節されることができるまた
別のPK群は,CDK2およびRaf等の(これに限定されない)セリン−トレ
オニンプロテインキナーゼである。
【0125】 もう一つの特徴においては,本発明は治療上有効な量の本発明の化合物か,ま
たはその塩またはプロドラッグを生物に投与することにより,PK関連障害を治
療または予防するための方法に関する。
【0126】 もう一つの特徴においては,本発明は治療上有効な量の,本発明の化合物かま
たはその塩またはプロドラッグの医薬組成物を生物に投与することにより,PK
関連障害を治療または予防するための方法に関する。
【0127】 本明細書に用いられる場合,"PK関連障害","PK攻撃疾患",および"異常
なPK活性"はすべて不適切な,すなわち不完全な,あるいはより一般的には過
剰な,PK触媒活性によって特徴づけられる状態を指し,当該特定のPKはRT
K,CTK,またはSTKであることが可能である。不適切な触媒活性は;(1
)正常にはPKを発現しない細胞におけるPKの発現,(2) 望ましくない細
胞増殖,分化および/または成長に導くPK発現の亢進,または(3)細胞増殖
,分化および/または成長の望ましくない減少に導くPK発現の減少,のいずれ
かの結果として生じることが可能である。PKの過剰な活性は,特定のPKをコ
ード化している遺伝子の増幅か,または細胞増殖,分化および/または成長と相
互に関係することが可能なあるレベルのPK活性の産生を指す(すなわち,PK
のレベルが亢進されると,細胞性障害による一つまたはそれより多い症状の激し
さが増す)。不完全な活性は,もちろんその逆であり,PKのレベルが低下する
と,一つまたはそれより多い細胞性障害による症状の激しさが増加する。
【0128】 本明細書に用いられる場合,"予防する","予防すること",および"予防"とい
う用語は,生物がPKにより媒介される細胞性疾患を最初の場所で獲得すること
を妨げるための方法を指す。
【0129】 本明細書に用いられる場合"治療する","治療すること",および"治療"という
用語は,PKを介する細胞性障害および/またはそれに付随する症状を緩和また
は除去するための方法を指す。特に癌に関しては,これらの用語は単に,癌によ
って影響を受けた生物の余命が増すこと,あるいは当該疾患の一つまたはそれよ
り多い症状が減少することを意味する。
【0130】 "生物"という用語は,少なくとも一つの細胞を含む生きている実存物を指す。
生きている生物は,たとえばただ一つの真核細胞のように単純であるか,または
ヒトを含めた哺乳類のように複雑であることが可能である。
【0131】 本明細書に用いられているような"治療上有効な量"という用語は,治療される
障害の一つまたはそれより多い症状をある程度までやわらげることとなる,投与
される化合物の量を指す。癌の治療に関しては,治療上有効な量は,(1)腫瘍
の大きさを減じる,(2)腫瘍の転移を阻害する(すなわち速度をある程度まで
減じること,好ましくは停止すること),(3)腫瘍の成長をある程度阻害する
(すなわち速度をある程度まで減じる,好ましくは停止する),および/または
(4)癌に関連した一つまたはそれより多い症状をある程度までやわらげる(ま
たは,好ましくは除去する)という効果を有する量を指す。
【0132】 したがって本発明は,RTK,CTK,および/またはSTKの酵素活性に影
響を及ぼし,それによりかかる蛋白質によって伝達されるシグナルを妨害するこ
とにより,PKのシグナル伝達を調節する化合物に向けられたものである。さら
に詳細には,本発明は癌腫,カポジ肉腫を含む肉腫,赤芽細胞腫,グリア芽細胞
腫,髄膜腫,星状細胞腫,黒色腫,および筋芽細胞腫を含むがこれに限定されな
い多くの種類の充実性腫瘍の治癒に向けての治療用アプローチとしての,RTK
,CTK,および/またはSTKを介するシグナル伝達経路を調節する化合物に
向けられたものである。白血病等の非充実性腫瘍癌の治療または予防もまた本発
明により期待される。適用には,脳の癌,膀胱癌,卵巣癌,胃癌,膵臓癌,結腸
癌,血液の癌,肺癌,および骨の癌が含まれてよいが,これに限定されない。
【0133】 本明細書に述べた化合物がその予防,治療,および研究に有用であるかもしれ
ない,制御されないPK活性に関連した障害の型の,限定されないさらなる実例
は,細胞増殖性障害,線維性の障害,および代謝性障害である。
【0134】 本発明により予防,治療,またはさらに研究されることができる細胞増殖性障
害は,癌,血管増殖性障害,およびメサンギウム細胞増殖性障害を含む。
【0135】 血管増殖性障害は,異常な血管形成(血管の形成)および血管新生(血管の拡
散)を指す。血管形成および血管新生は胚発生,黄体形成,損傷治癒,および臓
器再生等の種々の正常な生理学的過程において重要な役割を果たすが,それらは
また腫瘍を生かしておくために必要な新しい毛細血管を形成する結果となる癌の
発生においても中枢的な役割を演じる。血管増殖障害の他の例は,新しい毛細血
管が関節に侵入して軟骨を破壊する関節炎,および糖尿病性網膜炎のように,網
膜内の新しい毛細血管が硝子体に侵入し,出血させ,さらに失明を引起す眼性疾
患を含む。
【0136】 逆に,再狭窄などの,血管の収縮,狭窄,または閉鎖に関連した障害もまた,
本発明の方法により治療または予防することができる。
【0137】 線維性障害は細胞外マトリックスの異常な形成を表す。線維性障害の例は,肝
硬変およびメサンギウム細胞増殖障害を含む。肝硬変は,肝性瘢痕の形成を生じ
る結果となる細胞外マトリックス成分の増加によって特徴づけられる。肝性瘢痕
を生じる結果となる亢進された細胞外マトリックスは,肝炎等のウイルス感染に
よっても引起こされることが可能である。脂肪細胞は,肝硬変において重要な役
割を果たすらしい。他の線維性障害はアテローム性動脈硬化症である。
【0138】 メサンギウム細胞の増殖性障害は,メサンギウム細胞の異常増殖によってもた
らされる障害を指す。メサンギウム増殖障害は,糸球体腎炎,糖尿病性腎症,お
よび悪性腎硬化症等のヒトの腎疾患,ならびに血栓性細小血管症症候群,移植拒
絶反応,および糸球体症といった障害を含む。PDGFRはメサンギウム細胞の
増殖の維持に関与することが示唆されている。Floegeら,1993, Kidney Interna
tional 43 : 47s - 54s。
【0139】 先に記したように,PKは細胞増殖性障害に関係づけられてきた。したがって
,たとえばRTKファミリーのメンバーが癌の発生と関連づけられてきたことも
意外なことではない。EGFR(Tuziら,1991, Br. J. Cancer 63 : 227 - 233
,Torpら,1992, APMIS 100 : 713 - 719),HER2/neu(Slamonら,198
9, Science 244 : 707 - 712),およびPDGF−R(Kumabeら,1992, Oncoge
ne, 7 : 627 -633)等のこれらのレセプターのいくつかは多くの腫瘍において過
剰発現され,および/またはオートクリンループにより持続的に活性化される。
事実,ほとんどの一般的かつ重い癌においては,これらのレセプターの過剰発現
(Akbasak & Suner-Akbasakら,1992, J. Neurol. Sci., 111 : 119 - 133, Dic
ksonら,1992, Cancer Treatment Res. 61 : 249 - 273, Korcら,1992, J. Cli
n. Invest. 90 1352 - 1360),およびオートクリーンループ(Lee & Donoghue,
1992, J. Cell. Biol., 118 : 1057 - 1070, Korcら,前出,Akbasak & Suner-
Akbasakら,前出)が証明されている。たとえば,EGFRは扁平上皮癌,星状
細胞腫,グリア芽細胞腫,頭頚部癌,肺癌,および膀胱癌と関連づけられている
。HER2は乳房,卵巣,胃,肺,膵臓,および膀胱の癌と結びつけられている
。PDGFRはグリア芽細胞腫および黒色腫,ならびに肺,卵巣,および前立腺
の癌と関連づけられている。RTK c−metもまた悪性の腫瘍形成と関連づ
けられている。たとえば,c−metは他の癌の中でも,結腸直腸,甲状腺,膵
臓,胃,および肝細胞の癌腫およびリンパ腫と関連づけられている。加えてc−
metは白血病に結びつけられている。c−met遺伝子の過剰発現はまたホジ
キン病およびバーキット病の患者に検出されている。
【0140】 Flk/KDRも同様に,広いスペクトルの腫瘍と関連づけられてきており,
これらには,限定されないが,乳癌,卵巣癌,肺腫瘍,ならびに神経膠芽細胞種
等の神経膠腫が含まれる。
【0141】 IGF−IRは,栄養上の支持およびI I型糖尿病に関係づけられていること
に加えて,いくつかの型の癌に関係づけられている。たとえば,IGF−Iはい
くつかの型の腫瘍,たとえばヒト乳癌の癌細胞(Arteagaら,1989, J. Clin. In
vest. 84 : 1418 - 1423),および肺腫瘍小細胞(Macauleyら,1990, Cancer R
es., 50 : 2511 - 2517)に対するオートクリン成長刺激因子として関係づけら
れている。さらに,IGF−Iは神経系の正常な成長および分化に完全に深くか
かわっていると共に,ヒトの神経膠腫のオートクリン刺激因子でもあるように見
える。Sandberg-Nordqvistら,1993, Cancer Res. 53 : 2475 - 2478。細胞増殖
におけるIGF−IRとそのリガンドの重要性は,培養されている多くの細胞型
(線維芽細胞,上皮細胞,平滑筋細胞,Tリンパ球,骨髄性細胞,軟骨細胞,お
よび骨芽細胞(骨髄の幹細胞)がIGF−Iによって成長するべく刺激されると
いう事実によってさらに支持される。Goldring & Goldring, 1991, Eukaryotic
Gene Expression, 1 : 301 - 326。最近の一連の発表においてBasergaは,IG
F−IRが形質転換の機構において中心的な役割を果たしていること,またそれ
自体がヒトの広範囲の悪性腫瘍に対する治療的介入のための好ましい標的となり
得ることを示唆している。Baseerga,1995, Cancer Res., 55 : 249 - 252, Ba
serga, 1994, Cell 79 : 927 - 939, Coppolaら,1994, Mol. Cell. Biol., 14
: 4588 - 4595。
【0142】 STKは,特に乳癌を含む多くの型の癌に関係づけられている(Caneら,Int.
J. Cancer, 54 : 571 -77(1993))。
【0143】 異常なPK活性と疾患との間の結びつきは癌に限らない。たとえば,RTKは
乾癬,真性糖尿病,子宮内膜症,血管新生,アテローム斑の発生,アルツハイマ
ー病,表皮の過剰増殖,神経変性疾患,年齢に関連した黄斑部変性,および血管
腫といった疾患と関連づけられている。たとえば,EGFRは角膜および皮膚の
損傷治癒と関連づけられている。インスリン−RおよびIGF−Rの欠陥はI I
型の真性糖尿病において示される。特異的なRTKとそれらの治療上の指標との
間のさらに完全な相関関係は,Plowmanら,1994, DN&P 7 : 334 - 339において
明らかにされている。
【0144】 先に記したように,RTKのみならず,src,abl,fps,yes,f
yn,lyn,lck,blk,hck,fgr,およびyrkを含むがこれに
限定されないCTK(Bolenらによる総説,1992, FASEB J., 6 : 3403 - 3409)
も,増殖および代謝のシグナル伝達経路に深くかかわっており,したがって本発
明が向けられている多くのPTKを介する障害に深くかかわっていることが予想
でき,かつ示されてきた。たとえば突然変異したsrc(v−src)は,腫瘍
性蛋白質(pp60v-src)であることがニワトリにおいて示されている。さら
に,その細胞性同等物であるプロト癌遺伝子pp60c-srcは,多くのレセプタ
ーの発癌シグナルを伝達する。腫瘍におけるEGFRまたはHER2/neuの
過剰発現は悪性細胞に特徴的であるが正常細胞にはない,pp60c-srcの構造
的活性化に導く。一方,c−srcの発現を欠如しているマウスは大理石骨病の
表現形を示し,破骨細胞機能におけるc−srcの重要な関与と,関連する障害
における可能な関与とを暗示している。
【0145】 同様に,Zap70は自己免疫疾患に関与することが示唆されているT細胞シ
グナリングに関係づけられてきた。
【0146】 STKは,炎症,自己免疫疾患,免疫応答,および,再狭窄,線維症, 乾癬
,変形性関節炎,およびリウマチ様関節炎といった過剰増殖障害と結びつけられ
てきた。
【0147】 PKはまた着床にも関連づけられてきた。したがって本発明の化合物は,かか
る着床を防ぐ有効な方法を提供し,それにより受胎調節用薬剤として有用であり
うる。
【0148】 最後に,RTKおよびCTKの双方は過免疫障害に深くかかわっていると一般
に考えられている。
【0149】 すなわち,治療的有効量の本発明の化合物を生物に投与することにより,蛋白
質キナーゼに関連する癌,例えば,限定されるものではないが,扁平上皮癌,星
状細胞腫,カポジ肉腫,神経膠芽細胞腫,肺癌,膀胱癌,頭頚部癌,黒色種,卵
巣癌,前立腺癌,乳癌,小細胞肺癌,神経膠腫,直腸結腸癌,尿生殖器癌および
胃腸癌を治療または予防しうることは,本発明の1つの観点である。
【0150】 本発明のさらに別の観点においては,治療的有効量の本発明の化合物を生物に
投与することにより,癌以外の蛋白質キナーゼ関連疾患,例えば,限定されるも
のではないが,糖尿病,自己免疫疾患,免疫疾患,過増殖性疾患,再狭窄,繊維
症,乾癬,フォン・ヒッペル−リンダウ症,変形性関節症,慢性関節リウマチ,
新脈管形成,炎症性疾患および心血管疾病を治療または予防することができる。
【0151】 表2および3は,上述のRTKのいくつかに対する本発明の代表的な化合物の
活性を示す。示される化合物,示される活性のレベル,および影響される特定の
RTKのいずれも,いかなる意味においても,本発明を限定するものと解釈すべ
きではない。
【0152】
【表3】
【0153】
【表4】
【0154】4. 医薬組成物および治療用途 本発明の化合物,そのプロドラッグ,または当該化合物とそのプロドラッグの
いずれかの生理学的に許容される塩は,そのままヒトの患者に投与するか,また
は前述の材料が適当な担体または賦形剤と混合された医薬組成物中で投与するこ
とが可能である。薬物の製剤および投与の技術は,"Remington's Pharmcologica
l Sciences",マック出版社(Mack Publishing Co),ペンシルベニア州,イー
ストン,の最新版に見られるだろう。
【0155】投与経路 本明細書において用いられる場合,"投与する"または"投与"は,本発明の化合
物,塩,またはプロドラッグを,あるいは本発明の化合物,塩,またはプロドラ
ッグを含んでいる薬剤学的組成物を,PK関連障害の予防または治療を目的とし
て生物に送達することに関する。
【0156】 適当な投与経路は,これに限定されないが,経口,直腸,経粘膜,または腸管
投与か,あるいは筋肉内,皮下,骨髄内,髄内,直接心室内,静脈内,硝子体内
,腹腔内,鼻腔内,または眼内の注射を含む。
【0157】 別法として,全身性の方法ではなく局所に,たとえば当該化合物を充実性腫瘍
内へ直接に,しばしばデポ剤または持効性の製剤において,注射することにより
投与してもよい。
【0158】 さらに,当該薬物はターゲティングされたドラッグデリバリーシステムにおい
て,たとえば腫瘍に特異的な抗体によりコートされたリポソームにおいて投与さ
れてもよい。リポソームは当該腫瘍にターゲティングされ,取り込まれることと
なる。
【0159】組成物/製剤 本発明の薬剤学的組成物は,この技術に周知の工程,たとえば通常の混合,溶
解,顆粒化,糖衣作成,研和,乳化,カプセル封入,捕捉,または凍結乾燥の工
程により製造されてよい。
【0160】 本発明にしたがって使用するための薬剤学的組成物は,活性成分の薬剤学的に
使用可能な製品への加工を容易にする賦形剤および補助剤を含む,一つまたはそ
れより多い生理学的に許容される担体を用いる通常の方法で製剤されてよい。適
切な製剤は,選ばれた投与経路に依存する。
【0161】 注射用には,本発明の化合物は水溶性溶液,好ましくはハンクス溶液,リンガ
ー溶液,または生理的塩類緩衝液等の生理学的に適した緩衝液において製剤され
てよい。
【0162】 経粘膜投与用には,浸透されるべき障壁に適した浸透剤が製剤に用いられる。
かかる浸透剤はこの技術において一般に周知である。
【0163】 経口投与用には,活性成分を,この技術において周知の薬剤学的に許容される
担体と組合せて製剤することができる。かかる担体は,本発明の化合物を,患者
による経口摂取のための錠剤,丸剤,トローチ,糖衣剤,カプセル,液体,ゲル
,シロップ,スラリー,懸濁液,その他として製剤されるようにする。経口使用
のための薬剤学的製品は,固形の賦形剤を用い,結果として得られた混合物を任
意に破砕し,所望であればさらに他の適当な補助剤を添加した後に,顆粒混合物
を加工して錠剤または糖衣剤のコアを得る。有用な賦形剤は,特に,ラクトース
,ショ糖,マンニトール,またはソルビトールを含む糖類,たとえばトウモロコ
シデンプン,小麦デンプン,米デンプン,およびジャガイモデンプン等のセルロ
ース製品,およびゼラチン,トラガカントゴム,メチルセルロース,ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース,カルボキシメチルセルロースナトリウム,および/
またはポリビニルピロリドン(pvp)等の他の材料,といった増量剤である。
もし所望であれば,架橋されたポリビニルピロリドン,寒天,またはアルギニン
酸等の崩壊剤が添加されてもよい。またアルギン酸ナトリウム等の塩も使用され
てよい。
【0164】 糖衣剤のコアは,適当なコーティングを供給される。この目的のためには,濃
縮された糖溶液が用いられてよいが,それはアラビアゴム,タルク,ポリビニル
ピロリドン,カルボポルゲル(carbopol gel),ポリエチレングリコール,およ
び/または2酸化チタン,ラッカー溶液,および適当な有機溶媒または溶媒混合
物を任意に含んでよい。識別のため,あるいは活性成分の線量の異なる組合せを
特徴づけるため,染料または色素が錠剤または糖衣剤コーティングに添加されて
よい。
【0165】 経口的に用いられることが可能な薬剤学的組成物は,ゼラチンでできたプッシ
ュフィット(push-fit)カプセル,ならびにゼラチンおよびグリセロールやソル
ビトールといった可塑剤から成るソフトな密封カプセルを含む。プッシュフィッ
トカプセルは,活性成分を,ラクトース等の増量剤,デンプン等の結合剤,およ
び/またはタルクやステアリン酸マグネシウムといった潤滑剤,さらに任意に安
定剤と混合して含むことができる。ソフトカプセルにおいては,活性成分は脂肪
油,流動パラフィン,または液体ポリエチレングリコール等の適当な液体中に溶
解または懸濁されてよい。安定剤もこれらの製剤に添加されてよい。
【0166】 吸入による投与用には,本発明に従って用いられる化合物は,加圧されたパッ
クまたはネブライザーと,噴射剤,たとえばこれに限定されないが,ジクロロジ
フルオロメタン,トリクロロフルオロメタン,ジクロロテトラフルオロエタン,
または二酸化炭素とを用いたエアーゾルスプレイの形状にて便利に送達される。
加圧されたエアーゾルの場合,用量単位は計量された量を送達するべく備えられ
たバルブにより調節されてよい。たとえば吸入器または注入器において使用する
ためのゼラチン製のカプセルおよびカートリッジは,当該化合物の粉末混合物と
,ラクトースやデンプンといった適当な粉末基剤とを含んで製剤されてよい。
【0167】 また当該化合物は,たとえば大量注射または連続的な灌流による非経口投与用
に製剤されてもよい。注射用の製剤は,単位用量にて,たとえばアンプルにて,
あるいは多用量容器中に添加された保存料と共に提供されてよい。当該化合物は
油性または水性の媒体において,懸濁液,溶液,または乳濁液といった形状をと
ってよく,また懸濁,安定および/または分散剤といった製剤物質を含んでもよ
い。
【0168】 非経口投与用の薬剤組成物は,これに限定されないが,活性成分の塩等の,水
に可溶性の形状の水溶液を含む。さらに,活性成分の懸濁物は,親油性の媒体中
で調製されてよい。適切な親油性媒体は,脂肪油,ゴマ油等の脂肪油,オレイン
酸エチル等の合成脂肪酸エステル,およびトリグリセリド,またはリポソーム等
の物質を含む。水溶性の注射用懸濁液は,カルボキシメチルセルロースナトリウ
ム,ソルビトール,またはデキストラン等の当該懸濁液の粘度を増す物質を含ん
でよい。任意で,当該懸濁液はまた,高度に濃縮された溶液の調製を可能にする
べく,当該化合物の可溶性を亢進する適当な安定剤および/または薬剤を含んで
もよい。別法として,活性成分は,使用前に適当な媒体,たとえば無菌の,発熱
物質なしの水を用いて構成するための,粉末の形状であってもよい。
【0169】 当該化合物は,たとえばカカオバターまたは他のグリセリドといった通常の坐
剤基剤を用いて,坐剤または停留浣腸等の直腸用組成物に製剤されてもよい。
【0170】 先に述べた製剤に加えて,当該化合物はまたデポ製剤として製剤されてよい。
かかる長時間作用性の製剤は,埋込み(たとえば皮下または筋肉内への)による
か,または筋肉内注射により投与されてよい。この投与経路のためには,本発明
の組成物は適当な高分子性または疎水性物質と共に(たとえば薬理学的に許容さ
れる油剤による乳濁液にて),イオン交換樹脂と共に,あるいはこれに限定され
ないがやや溶けにくい塩等のやや溶けにくい誘導体として,製剤されてよい。
【0171】 本明細書の薬剤学的組成物はまた,適当な固形またはゲル相の担体または賦形
剤を含んでよい。かかる担体または賦形剤の実例は,これに限定されないが,炭
酸カルシウム,リン酸カルシウム,種々の糖類,デンプン,セルロース誘導体,
ゼラチン,およびポリエチレングリコール等のポリマーを含む。
【0172】 本発明のPK調製化合物の多くは,生理学的に許容される塩類として提供され
てよいが,それにおいては,本発明の化合物は負または正に帯電された種を形成
してもよい。当該化合物が正に帯電した成分を形成している塩の実例は,これに
限定されないが,第4アンモニウム(本明細書の他の場所に定義されている),
塩酸塩,硫酸塩,炭酸塩,乳酸塩,酒石酸塩,マレイン酸塩,コハク酸塩等の,
第4アンモニウム基の窒素原子が,適当な酸と反応した本発明の選ばれた化合物
の窒素である塩類を含む。本発明の化合物が負に帯電した種を形成している塩類
は,これに制限されないが,当該化合物中のカルボン酸基と適当な塩基(たとえ
ば水酸化ナトリウム(NaOH),水酸化カリウム(KOH),水酸化カルシウ
ム(Ca(OH)2),その他)との反応によって形成されるナトリウム,カリ
ウム,カルシウム,およびマグネシウム塩を含む。
【0173】用量 本発明における使用に適した薬剤学的組成物は,意図された目的,すなわちP
K活性の調節,またはPK関連障害の治療または予防を遂行するべく充分な量の
活性物質が含まれている組成物を含む。
【0174】 さらに具体的には,治療上有効な量とは,疾患の症状を予防,緩和,または改
善するため,あるいは治療されている患者の生存を延長されるために有効な化合
物の量を意味する。
【0175】 治療上有効な量の決定は,特に本明細書において提供された詳細な開示に照ら
し合われせば,当業者の能力で充分可能である。
【0176】 本発明の方法において用いられる化合物については,治療上有効な量または用
量は,最初は細胞培養検定から算定されることが可能である。したがって,動物
モデルにおける使用のために,用量は細胞培養において測定されるようなIC50 (すなわちPK活性の最大阻害の半分を成し遂げる試験化合物の濃度)を含む循
環濃度範囲を達成するべく公式化されてよい。かかる情報は次いで,ヒトにおけ
る有用な用量のさらに正確な決定のために用いられることが可能である。
【0177】 本明細書に述べた化合物の毒性ならびに治療上の有効性は,細胞培養物または
実験動物において,たとえば披検化合物についてIC50およびLD50(双方とも
本明細書の他の場所において議論されている)を測定することにより,標準的な
薬剤学的方法により測定されることが可能である。このような細胞培養物の検定
および動物研究から得られたデータは,ヒトにおいて使用するための用量範囲の
公式化に利用することができる。用量は,用いられる剤形と,利用される投与経
路とに依存して変えられてよい。正確な製剤,投与経路,および用量は,個々の
医師により,患者の状態を考慮して選択されることが可能である。(たとえば,
Finglら,1975, "The Pharmacological Basis of Therapeutics"第1章,1頁を
参照のこと)。
【0178】 投薬用量および間隔は,活性をもつ種の,キナーゼ調節効果を維持するために
充分な血漿濃度を提供するべく,個々に調節されてよい。このような血漿濃度は
,最小有効濃度(MEC)と呼ばれる。MECは各々の化合物ごとに異なるであ
ろうが,インビトロのデータから算定されることは可能であり,たとえばキナー
ゼの50〜90%阻害を達成するために必要な濃度は,本明細書に述べた検定法
を用いて確認されてよい。MECを成遂げるために必要な用量は個体の特性およ
び投与経路に依存することとなる。HPLC検定法または生物学的検定法は,血
漿濃度を測定するべく使用されることが可能である。
【0179】 投薬間隔もまたMEC値を用いて測定することができる。化合物は,MECよ
り高い血漿濃度が10〜90%の時間,このましくは30〜90%の間,最も好
ましくは50〜90%の間にわたって維持される投与計画を用いて投与されるこ
ととなる。
【0180】 局所投与または選択的摂取の場合には,薬剤の有効な局所濃度は血漿濃度に関
係なく,この技術において周知の他の方法を,正しい用量および間隔を決定する
べく用いてよい。
【0181】 投与される化合物の量は,もちろん治療される患者,苦しみの激しさ,投与法
,処方している医師の判断,その他に依存する。
【0182】梱包 当該化合物は,もし所望であれば, FDA承認のキット等の,活性成分を含
んでいる一つまたはそれより多い単位剤形を含むパックまたは調剤装置にて提供
されてよい。パックはたとえばPTP包装等の金属またはプラスチックの箔でよ
い。パックまたは調剤装置には,投与のための使用説明書が添付されてよい。ま
たパックまたは調剤装置は,薬剤の製造,用途,または販売を取締まる政府機関
によって規定された形式の,容器に関連した注意書が添付されてよく,その注意
書は当該組成物の形状について,あるいはヒトまたは獣医学的投与についての当
該機関による承認を反映するものである。かかる注意書は,たとえば米国食品医
薬品局により処方箋調剤薬として承認されたラベルによるものか,または承認さ
れた製品に差込まれたものでもよい。適合した製剤学的担体中で製剤された,本
発明の化合物を含んでいる組成物もまた調製され,適当な容器内に設置され,さ
らに指示された条件による処置のためにラベルされてよい。ラベルに示された適
切な条件は,腫瘍の治療,血管新生の阻害,線維症,糖尿病,およびその他の治
療を含んでよい。
【0183】5.合成 本発明の化合物,ならびに前駆体である2−オキシインドールおよびシクロケ
トンは,以下に記載される方法を用いて合成することができる。本明細書の記載
に基づいて,当業者には,本発明の化合物および/または化合物の前駆体を合成
する他の方法が明らかになるであろう。そのような別法は本発明の範囲および精
神の範囲内である。
【0184】 一般的合成方法 1−3等量の適当な2−オキシインドールおよび1等量の適当なシクロケトン
を,水または有機溶媒,例えば,限定されるものではないが,C1−C10のアル
コール(メタノール,エタノール,オクタノール等),エチレングリコール,セ
ロソルブ,ジエチルエーテル,ジクロロメタン,クロロホルム,四塩化炭素,ベ
ンゼン,トルエン,キシレン,テトラヒドロフラン,アセトニトリル,ジオキサ
ン,ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミド,1
−メチル−2−ピロリジン,ピリジン等の中で混合する。好ましくは,溶媒は,
ジメチルスルホキシド,ジメチルホルムアミド,ジメチルアセトアミドおよびN
−メチルピロリジンからなる群より選択される有機溶媒である。最も好ましくは
,溶媒は,ジメチルホルムアミドおよびジメチルアセトアミドから選択される。
モル過剰の無機または有機塩基を加える。塩基は,水酸化ナトリウム,水酸化カ
リウム,水酸化アンモニウム,ナトリウムメトキシド,ナトリウムエトキシド,
カリウムt−ブトキシド,トリエチルアミン,トリエタノールアミン,ピペリジ
ン,モルホリン,ピロリジンなどであり得るが,これらに限定されない。好まし
くは,塩基は,トリエチルアミン,ピペリジン,モルホリンおよびピロリジンか
らなる群より選択される有機塩基である。最も好ましくは,塩基はピペリジンで
ある。得られた溶液または混合物を,約20℃から約200℃で,約0.5時間
から約100時間,大気圧下でまたは密封管中で撹拌する。温度は,好ましくは
約90℃から約175℃であり,最も好ましくは,約110℃から約150℃で
ある。反応時間は,好ましくは1時間から約72時間である。次に,混合物を室
温にする。次に,希水性無機酸(例えば,限定されるものではないが,1N塩酸
または1N硫酸)を,塩基を中和するのに十分な量で加える。得られた混合物を
水不溶性有機溶媒,例えば,限定されるものではないが,塩化メチレン,ジエチ
ルエーテル,ヘキサン,酢酸エチル,ベンゼン,または溶媒の混合物(例えば酢
酸エチル/ヘキサン)で抽出する。好ましくは,有機溶媒は酢酸エチルである。
有機溶媒相を分離し,乾燥し,蒸発させて,本発明の化合物を得る。
【0185】 特定の合成 以下の例示的合成は,いかなる意味においても本発明の範囲を限定するものと
解釈すべきではない。
【0186】 実施例1:3−(3−メチルインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイン
ドール−2−オン 0.5gの3−メチル−1−インダノン,1.37gオキシインドールおよび
5mlピペリジンの,3mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封管中で
130℃で一夜加熱して,赤茶色懸濁液を得た。混合物を1N塩酸溶液に加え,
酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥し
,濃縮した。クロマトグラフィーにより,120mgの3−(3−メチルインダ
ン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを橙色固体として
得た。
【化8】
【0187】 実施例2;3−(4−メチルインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイン
ドール−2−オン 0.5gの4−メチル−1−インダノン,1.37gオキシインドールおよび
3mlピペリジンの,5mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封管中で
130℃で3日間加熱して,赤黒色懸濁液を得た。混合物を1N塩酸溶液に加え
,酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥
し,濃縮した。得られた固体を酢酸エチル/ヘキサン(2X),続いて,塩化メ
チレン/ヘキサンから沈澱させて,400mgの3−(4−メチル−インダン−
1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを黄色固体として得た
【化9】
【0188】 実施例3:3−(5−メトキシインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイ
ンドール−2−オン 0.5gの5−メトキシ−1−インダノン,1.23gオキシインドールおよ
び2.7mlピペリジンの,4mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封
管中で130℃で3日間加熱して,緑黒色懸濁液を得た。混合物を1N塩酸溶液
に加え,酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネシウム
で乾燥し,濃縮した。クロマトグラフィーにより,20mgの3−(5−メトキ
シインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを茶色固
体として得た。
【化10】
【0189】 実施例4:3−(6−メトキシインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイ
ンドール−2−オン 0.5gの6−メトキシ−1−インダノン,1.23gオキシインドールおよ
び2.7mlピペリジンの,4mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封
管中で130℃で3日間加熱して,緑黒色懸濁液を得た。混合物を1N塩酸溶液
に加え,酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネシウム
で乾燥し,濃縮した。得られた固体を,塩化メチレン/ヘキサン(3X)から沈
澱させて,290mgの3−(6−メトキシインダン−1−イリデン)−1,3
−ジヒドロインドール−2−オンを黄茶色固体として得た。
【化11】
【0190】 実施例5:3−(5−ジメチルアミノインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒ
ドロインドール−2−オン 0.5gの5−ジメチルアミノ−1−インダノン,1.1gオキシインドール
および2.5mlピペリジンの,4mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,
密封管中で130℃で12時間加熱して,赤黒色懸濁液を得た。混合物を1N塩
酸溶液に加え,酢酸エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネ
シウムで乾燥し,濃縮した。クロマトグラフィーにより,35mgの3−(5−
ジメチルアミノ−インダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2
−オンを茶色固体として得た。
【化12】
【0191】 実施例6:3−(5−アミノインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイン
ドール−2−オン 0.5gの5−アミノ−1−インダノン,1.3gオキシインドールおよび3
mlピペリジンの,5mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封管中で1
30℃で3日間加熱して,赤黒色懸濁液を得た。混合物を1N塩酸に加え,酢酸
エチルで抽出した。有機相をブラインで洗浄し,硫酸マグネシウムで乾燥し,濃
縮した。クロマトグラフィーにより,45mgの3−(5−アミノインダン−1
−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2−オンを茶色固体として得た。
【化13】
【0192】 実施例7:3−(5−クロロインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイン
ドール−2−オン 500mgの5−クロロ−1−インダノン,1.33gオキシインドールおよ
び0.5mlピペリジンの,3mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封
管中で95℃で一夜加熱した。水を反応混合物に加えて,油状固体を得た。混合
物を数分間超音波処理し,次にデカントした。この洗浄方法を数回繰り返した。
次に,固体を濾過し,酢酸エチル/ヘキサン(1:3)で洗浄して,172mg
の3−(5−クロロインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−
2−オンをからし色固体として得た。
【化14】
【0193】 実施例8:3−(5−ピペリジン−1−イル−インダン−1−イリデン)−1.
3−ジヒドロインドール−2−オン 0.5gの5−フルオロ−1−インダノン,13gオキシインドールおよび1
mlピペリジンの,4mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封管中で,
125℃で2.5時間加熱した。反応混合物を水に注加し,水性相をデカントし
た。次に,酢酸エチルを固体が形成するまでゆっくり加えた。固体を濾過し,酢
酸エチル/ヘキサンで洗浄して,カレー色固体を得た。次に,固体をジメチルホ
ルムアミド/アセトンで洗浄することによりさらに精製して,122mgの3−
(5−ピペリジン−1−イル−インダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイ
ンドール−2−オンを橙色固体として得た。
【化15】
【0194】 実施例9:3−(5−ブロモインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロイン
ドール−2−オン 0.422gの5−ブロモインダノン,1.3gオキシインドールおよび0.
9mlピペリジンの,3mlのジメチルホルムアミド中の反応混合物を,密封管
中で,110℃で一夜加熱した。反応混合物を氷水に注加し,酢酸エチルで抽出
した。有機相をブラインで洗浄し,無水硫酸ナトリウムで乾燥し,濃縮した。黒
色残渣をシリカゲルカラムでクロマトグラフィーを行い,酢酸エチルおよびヘキ
サンで溶出して,73.0mgの3−(5−ブロモインダン−1−イリデン)−
1,3−ジヒドロインドール−2−オンを黄色固体として得た。
【化16】
【0195】 実施例10:3−インダン−1−イリデン−1,3−ジヒドロインドール−2−
オン 0.4gインダン−2−オン,1.33gオキシインドールおよび0.5ml
ピペリジンの,3mlのジメチルホルムアミド中の混合物を,密封管中で,13
0℃で60時間加熱した。十分な水を加えて,油状固体を沈澱させた。混合物を
デカントし,残りの油状固体を,ヒートガンを用いて,5mlのエタノールとと
もに加熱した。冷却した後,固体を濾別した。固体を3mlのエタノール中でス
ラリー化し,濾過して,160mgの3−インダン−1−イリデン−1,3−ジ
ヒドロインドール−2−オンを橙色固体として得た。
【化17】
【0196】 実施例11:[6−メトキシ−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール
−3−イリデン)−インダン−1−イル]酢酸 0.66gの5−メトキシインダン−3−オン酢酸,2.4gオキシインドー
ルおよび1.0mlピペリジンの,3mlのジメチルホルムアミド中の混合物を
,密封管中で130℃で14時間加熱した。3mlの6N塩酸を冷却した反応混
合物に加え,続いて3mlの水を加えた。次に上清をデカントした。油状残渣を
5mlのエタノール中で溶解するまで加熱し,次に溶液を冷却し,水を加えた。
一夜放置した後,固体が形成し,これを濾過し,エタノールで洗浄した。固体を
4mlの酢酸エチル中で70℃で45分間スラリー化し,濾過し,吸引乾燥して
,300mgの[6−メトキシ−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドー
ル−3−イリデン)−インダン−1−イル]−酢酸を得た。
【化18】
【0197】 実施例12:3−(5,6−ジメトキシインダン−1−イリデン)−1,3−ジ
ヒドロインドール−2−オン 0.6gの5,6−ジメトキシ−1−インダノン,1.04gオキシインドー
ルおよび2.3mlピペリジンの,4mlのジメチルホルムアミド中の混合物を
,密封管中で130℃で12時間加熱して,橙色懸濁液を得た。混合物をエタノ
ール中1N塩酸に加え,形成した固体を濾過し,水およびエタノールですすいだ
。固体をエタノール中でスラリー化し,濾過して,200mgの3−(5,6−
ジメトキシインダン−1−イリデン)−1,3−ジヒドロインドール−2−オン
を得た。
【化19】
【0198】 実施例13:[6−メトキシ−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール
−3−イリデン)−インダン−1−イル]酢酸ナトリウム塩 8gの[6−メトキシ−3−(2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3
−イリデン)インダン−1−イル]−酢酸の,60mlの水中の懸濁液を,10
mlの水中の0.9gの水酸化ナトリウムに加えた。混合物を室温で30分間撹
拌し,濾過した。濾液を凍結し,凍結乾燥して,8gの[6−メトキシ−3−(
2−オキソ−1,2−ジヒドロインドール−3−イリデン)−インダン−1−イ
ル]−酢酸ナトリウム塩を得た。
【化20】
【化21】
【0199】 実施例14:1',5',6',1'−テトラヒドロ−1H−[3,4']ビインド
リリデン−2−オン 680mgの1,5,6,7−テトラヒドロ−4H−インドール−4−オンお
よび1.33gオキシインドールの,3mlのジメチルホルムアミド中の混合物
を,140℃で50時間加熱した。混合物を水で希釈し,酢酸エチルで抽出した
。有機抽出物を水で,次にブラインで洗浄し,硫酸ナトリウムで乾燥し,濾過し
,濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムでヘキサン/酢酸エチルを溶出剤とし
て用いて精製して,150mgの1',5',6',7'−テトラヒドロ−1H−[
3,4']ビインドリリデン−2−オンを黄色固体として得た。
【化22】
【0200】6.生物学的評価 任意の与えられた一群の化合物において,生物学的活性のスペクトルが得られ
るであろうことが理解されるであろう。好ましい態様においては,本発明は,R
TK,CTK,およびSTK活性を調節する能力を示す,新規な幾何学的に制限
された2−インドリノンに関する。以下のアッセイを用いて,最適な程度の所望
の活性を示す化合物が選択される。
【0201】 アッセイ方法 以下のインビトロアッセイを用いて,本発明の種々の化合物の1つまたはそれ
以上のPKに対する活性および効果のレベルを決定することができる。同様にし
て,当該技術分野においてよく知られる技術を用いて,任意のPKについて類似
のアッセイを設計することができる。
【0202】 本明細書に記載される細胞/触媒アッセイは,ELISAフォーマットで実施
する。一般的方法は以下のとおりである:天然にまたは組換え的に試験キナーゼ
を発現する細胞に化合物を導入する。選択された時間が経過した後,試験キナー
ゼがレセプターである場合には,レセプターを活性化することが知られているリ
ガンドを加える。細胞を溶解し,あらかじめ酵素的リン酸化反応の基質を認識す
る特異的抗体でコーティングしたELISAプレートのウエルに溶解物を移す。
細胞溶解物の非基質成分を洗い流し,ホスホチロシンを特異的に認識する抗体で
基質のリン酸化の量を検出し,試験化合物と接触させていない対照細胞と比較す
る。
【0203】 本明細書に記載される細胞/生物学的アッセイは,試験キナーゼの活性化に応
答して生成したDNAの量を測定し,これは一般的な増殖性応答の測定である。
このアッセイの一般的方法は次のとおりである:天然にまたは組換え的に試験キ
ナーゼを発現する細胞に化合物を導入する。選択された時間が経過した後,試験
キナーゼがレセプターである場合にはレセプターを活性化することが知られてい
るリガンドを加える。少なくとも一夜インキュベーションした後,DNA標識試
薬,例えばブロモデオキシ−ウリジン(BrdU)または3H−チミジンを加え
る。抗BrdU抗体でまたは放射活性を測定することにより標識されたDNAの
量を検出し,試験化合物と接触させていない対照細胞と比較する。
【0204】 1.細胞/触媒アッセイ 酵素結合イムノソルベントアッセイ(ELISA)を用いて,PK活性の存在
を検出し測定することができる。ELISAは,例えば,Voller,et
al.,1980("Enzyme−Linked Immunosorben
t Assay," Manual of Clinical Immunol
ogy,第2版,Rose and Friedman編,pp359−371 Am.Soc.Of Microbiology,Washington,D
.C.)に記載の既知のプロトコルに従って実施することができる。
【0205】 開示されるプロトコルを,特定のPKに関する活性を検出するように適合させ
ることができる。例えば,特定のPKに関するELISA実験を実施するための
好ましいプロトコルは以下に記載される。しかし,RTKファミリーの他のメン
バー,ならびにCTKおよびSTKに対する化合物の活性を検出するためにこれ
らのプロトコルを適合させることは,当業者の知識の範囲内である。
【0206】FLK−1アッセイ ELISAアッセイを実施して,FLK−1レセプターのキナーゼ活性,より
詳細にはFLK−1レセプター上のTK活性の阻害または活性化を測定する。詳
細には,以下のアッセイを実施して,Flk−1を発現するように遺伝子工学処
理された細胞において,FLK−1レセプターのキナーゼ活性を測定することが
できる。
【0207】材料および方法 a. Corning96ウエルELISAプレート(Corningカタログ
No.25805−96); b. Cappelヤギ抗ウサギIgG(カタログNo.55641); c. PBS(GibcoカタログNo.450−1300EB); d. TBSW緩衝液(50mMTris(pH7.2),150mMNaCl
および0.1%Tween−20); e. エタノールアミン保存液(10%エタノールアミン(pH7.0),4℃
で保存); f. HNTG緩衝液(20mMHEPES緩衝液(pH7.5),150mM
NaCl,0.2%TritonX−100,および10%グリセロール); g. EDTA(0.5M(pH7.0)100X保存液として); h. オルトバナジウム酸ナトリウム(0.5M,100X保存液として); i. ピロリン酸ナトリウム(0.2M,100X保存液として); j. NUNC96ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied Sc
ientificカタログNo.AS−72092); k. NIH3T3 C7#3細胞(FLK−1発現細胞); l. DMEM,1X高グルコースL−グルタミン含有(カタログNo.119
65−050); m. FBS,Gibco(カタログNo.16000−028); n. L−グルタミン,Gibco(カタログNo.25030−016); o. VEGF,PeproTech,Inc.(カタログNo.100−20
)Milli−QdH2O中1μg/100μl保存液として保持し,−20℃
で保存; p. アフィニティー精製抗FLK−1抗血清; q. ホスホチロシン特異的UB40モノクローナル抗体(Fendley,e
t al.,1990,Cancer Research 50:1550−1
558を参照); r. EIA等級ヤギ抗マウスIgG−POD(BioRadカタログNo.1
72−1011); s. 2,2−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−硫酸(ABT
S)溶液(100mMクエン酸(無水),250mMNa2HPO4(pH4.0
),0.5mg/mlABTS(SigmaカタログNo.A−1888)),
溶液は,使用まで暗所で4℃で保存しなければならない; t. H22(30%溶液)(FisherカタログNo.H325); u. ABTS/H22(15mlABTS溶液,2μlH22)使用の5分間
に調製,室温に保持; v. 0.2MHCl保存液,H2O中; w. ジメチルスルホキシド(100%)(SigmaカタログNo.D−84
18);および y. トリプシン−EDTA(Gibco BRLカタログNo.25200−
049)プロトコル 1. Corning96ウエルELISAプレートを,ウエルあたり1.0μ
gの,0.1MNa2CO3(pH9.6)中Cappel抗ウサギIgG抗体,
でコーティングする。最終容量をウエルあたり150μlとする。プレートを4
℃で一夜コーティングする。プレートは,4℃で保存したとき,2週間まで保存
することができる。
【0208】 2. 細胞を適当な培養皿中で成長培地(DMEM,2.0mML−グルタミン
,10%FBSを補充)中で,コンフルエントとなるまで37℃,5%CO2
成長させる。
【0209】 3. トリプシン処理により細胞を回収し,Corning25850ポリスチ
レン96ウエル丸底細胞プレートに,200μlの成長培地中25,000細胞
/ウエルで播種する。
【0210】 4. 細胞を37℃,5%CO2で少なくとも1日成長させる。
【0211】 5. 細胞をD−PBS 1Xで洗浄する。
【0212】 6. 200μl/ウエルの飢餓培地(DMEM,2.0mM l−グルタミン
,0.1%FBS)を加える。37℃,5%CO2で一夜インキュベートする。
【0213】 7. 化合物をポリプロピレン96ウエルプレート中で飢餓培地を用いて1:2
0に希釈する。対照ウエルで使用するために,ジメチルスルホキシドを1:20
に希釈する。
【0214】 8. 96ウエル細胞培養プレートから飢餓培地を除去し,162μlの新たに
調製した飢餓培地を各ウエルに加える。
【0215】 9. 1:20に希釈された化合物希釈物18μl(工程7より)を各ウエルに
加え,1:20ジメチルスルホキシド希釈物を対照ウエルに加え(+/−VEG
F),細胞刺激の後,1:200の最終希釈とする。最終ジメチルスルホキシド
は0.5%である。プレートを37℃,5%CO2で2時間インキュベートする
【0216】 10. プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合抗体をELI
SAプレートから除去する。TBSW+0.5%エタノールアミン,pH7.0
で3回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体およ
び気泡を除去する。
【0217】 11. ウエルあたり150μlのTBSW+0.5%エタノールアミン,pH
7.0でプレートをブロッキングする。プレートをマイクロタイタープレート振
盪器で振盪しながら,30分間インキュベートする。
【0218】 12. プレートを工程10で記載したように3回洗浄する。
【0219】 13. 0.5μg/ウエルのアフィニティー精製抗FLU−1ポリクローナル
ウサギ抗血清を加える。TBSW+0.5%エタノールアミンpH7.0で最終
容量を150μl/ウエルとする。プレートを振盪しながら30分間インキュベ
ートする。
【0220】 14. 細胞に180μlの飢餓培地を加え,20μl/ウエルの10.0mM
オルトバナジウム酸ナトリウムおよび500ng/mlVEGF(最終濃度;ウ
エルあたり1.0mMオルトバナジウム酸ナトリウムおよび50ng/mlVE
GF)で37℃,5%CO2で8分間細胞を刺激する。陰性対照ウエルには飢餓
培地のみを加える。
【0221】 15. 8分後,培地を細胞から除去し,200μl/ウエルのPBSで1回洗
浄しなければならない。
【0222】 16. 150μl/ウエルのHNTG中で室温で5分間振盪しながら細胞を溶
解させる。HNTG配合物はオルトバナジウム酸ナトリウム,ピロリン酸ナトリ
ウムおよびEDTAを含む。
【0223】 17. ELISAプレートを工程10に記載したように3回洗浄する。
【0224】 18. 細胞溶解物を細胞プレートからELISAプレートに移し,振盪しなが
ら2時間インキュベートする。細胞溶解物を移すには,ウエルを掻きながらピペ
ットアップおよびダウンを行う。
【0225】 19. プレートを工程10に記載したように3回洗浄する。
【0226】 20. ELISAプレートを0.02μg/ウエルのTBSW+05%エタノ
ールアミン中のUB40とともにインキュベートする。最終容量を150μl/
ウエルとする。振盪しながら30分間インキュベートする。
【0227】 21. プレートを工程10に記載したように3回洗浄する。
【0228】 22. ELISAプレートを,TBSW+0.5%エタノールアミン,pH7
.0中で1:10,000に希釈したEIA等級ヤギ抗マウスIgGコンジュゲ
ート西洋ワサビペルオキシダーゼとともにインキュベートする。最終容量を15
0μl/ウエルとする。振盪しながら30分間インキュベートする。
【0229】 23. 工程10で記載したようにプレートを洗浄する。
【0230】 24. 100μlのABTS/H22溶液をウエルに加える。振盪しながら1
0分間インキュベートする。
【0231】 25. 100μlの0.2MHClを0.1MHCl最終濃度となるように加
えて,発色反応を停止する。室温で1分間振盪する。ゆっくりした空気の流れで
気泡を除去し,ELISAプレートをELISAプレートリーダーで410nm
で読む。
【0232】HER2−ELISA 全細胞におけるEGFレセプター−HER2キメラレセプターアッセイ EGFR−NIH3T3全細胞中のHER2キナーゼ活性を以下に記載するよ
うにして測定した。
【0233】材料および試薬 a. EGF:保存液濃度:16.5ILM;EGF201,TOYOBO,C
o.,Ltd.Japan b. 05−101(UBI)(EGFR細胞外ドメインを認識するモノクロー
ナル抗体) c. 抗ホスホチロシン抗体(抗Ptyr)(ポリクローナル)(Fendle
y,et al.,(上掲)を参照) d. 検出抗体:ヤギ抗ウサギlgG西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲー
ト,TAGO,Inc.,Burlingame,CA e. TBST緩衝液: Tris−HCl,pH7.2 50mM NaCl 150mM TritonX−100 0.1 f. HNTG 5X保存液: HEPES 0.1M NaCl 0.75M グリセロール 50% TritonX−100 1.0% g. ABTS保存液: クエン酸 100mM Na2HPO4 250mM HCl(濃) 0.5mM ABTS* 0.5mg/ml *(2,2'−アジノビス(3−エチルベンズチアゾリンスルホン酸)) 溶液は使用するまで暗所で4℃で保存する。
【0234】 h. 試薬保存液: EDTA 100mM pH7.0 Na3VO4 0.5M Na4(P27) 0.2M方法 ELISAプレートのプレコート 1. ELISAプレート(Corning,96ウエル,Cat.#2580
5−96)をウエルあたりPBS中0.5μgの05−101抗体で100μl
の最終容量/ウエルでコーティングし,4℃で一夜保存する。コーティングした
プレートは4℃で保存した場合,10日間まで良好である。
【0235】 2. 使用の日,コーティング緩衝液を除去し,100μlのブロッキング緩衝
液(PBS中5%Carnationインスタント脱脂乾燥ミルク)で置き換え
る。プレートを室温で(約23℃から25℃)振盪しながら30分間インキュベ
ートする。使用の直前に,ブロッキング緩衝液を除去し,プレートをTBST緩
衝液で4回洗浄する。
【0236】細胞播種 1. このアッセイには,EGFR細胞外ドメインおよび細胞内HER2キナー
ゼドメインを含有するキメラレセプターを過剰発現するNIH3T3細胞株を用
いることができる。
【0237】 2. 80−90%コンフルエントの培養皿を実験用に選択する。細胞をトリプ
シン処理し,10%ウシ胎児血清を加えることにより反応を停止させる。細胞を
DMEM培地(10%CS DMEM培地)中に懸濁し,1500rpmで室温
で5分間1回遠心分離する。
【0238】 3. 細胞を播種培地(DMEM,0.5%ウシ血清)に再懸濁し,トリパンブ
ルーを用いて細胞を計数する。90%より高い生存性が許容される。細胞をDM
EM培地(0.5%ウシ血清)中で,ウエルあたり10,000細胞の密度で,
ウエルあたり100μlで,96ウエルマイクロタイタープレートに播種する。
播種した細胞を5%CO2中で37℃で約40時間インキュベートする。
【0239】アッセイ方法 1. 播種した細胞を,倒立顕微鏡を用いてコンタミネーションについて検査す
る。薬剤保存液(DMSO中10mg/ml)をDMEM培地で1:10に希釈
し,次に5μlを,最終薬剤希釈1:200および最終DMSO濃度1%となる
ように,TBSTウエルに移す。対照ウエルにはDMSOのみを加える。5%C
2中で37℃で2時間インキュベートする。
【0240】 2. EGFリガンドの調製:保存液EGFを,10μl希釈EGF(1:12
希釈)を移したときに100nMの最終濃度が得られるように,DMEM中で希
釈する。
【0241】 3. ウエルあたり100μlに十分なように新たにHNTG*を調製し,氷上
に置く。
【0242】 HNTG*(10ml): HNTG保存液 2.0ml milli−QH2O 7.3ml EDTA,100mM,pH7.0 0.5ml Na3VO4,0.5M 0.1ml Na4(P27),0.2M 0.1ml 4. 薬剤とともに120分間インキュベーションした後,調製したSGFリガ
ンドを,ウエルあたり10μl,最終濃度100nMとなるように細胞に加える
。対照ウエルにはDMEMのみを加える。室温で5分間振盪しながらインキュベ
ートする。
【0243】 5. 薬剤,EGF,およびDMEMを除去する。細胞をPBSで2回洗浄する
。ウエルあたり100μlのHNTG*を細胞に移す。氷上に5分間放置する。
この間に,ブロッキング緩衝液を他のELISAプレートから除去し,上述した
ようにTBSTで洗浄する。
【0244】 6. マイクロピペッターにぴったりと固定したピペットチップを用いて,細胞
をプレートからはがし,HNTG*溶解緩衝液を繰り返し吸引および分配するこ
とにより,細胞物質をホモジナイズする。コーティングし,ブロッキングし,洗
浄したELISAプレートに溶解物を移す。振盪しながら室温で1時間インキュ
ベートする。
【0245】 7. 溶解物を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに希釈した抗Ptyr抗
体をウエルあたり100μlでELISAプレートに移す。抗Ptyr抗血清(
TBST中1:3000希釈)の存在下で,振盪しながら室温で30分間インキ
ュベートする。
【0246】 8. 抗Ptyr抗体を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに希釈したTA
GO抗ウサギIgG抗体をELISAプレートにウエルあたり100μlで移す
。振盪しながら室温で30分間インキュベートする(抗ウサギIgG抗体:TB
ST中1:3000希釈)。
【0247】 9. TAGO検出抗体を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに調製したA
BTS/H22溶液をウエルあたり100μlでELISAプレートに移す。振
盪しながら室温で20分間インキュベートする(ABTS/H22溶液:10m
lABTS保存液中1.0μlの30%H22)。
【0248】 10. 50μlの5N H2SO4を加えることにより反応を停止し(任意),
410nmでO.D.を測定する。
【0249】 11. 最大ホスホチロシンシグナルは,陰性対照の値を陽性対照の値から差し
引くことにより決定する。次に,抽出物含有ウエルについて,陰性対照を差し引
いた後にホスホチロシン含有量のパーセント阻害を計算する。
【0250】PDGF−Rアッセイ すべての細胞培養培地,グルタミンおよびウシ胎児血清は,特に記載しないか
ぎり,Gibco Life Technologies(Grand Isl
and,NY)から購入した。すべての細胞は,90−95%空気および5−1
0%CO2の湿潤雰囲気下で37℃で成長させた。すべての細胞株は,日常的に
1週間に2回サブカルチャーし,Mycotect法(Gibco)によりマイ
コプラズマがないことを確認した。
【0251】 ELISAアッセイについては,細胞(U1242,Joseph Schl
essinger,NYUから入手)を成長培地(MEM,10%FBS,NE
AA,1mM NaPyrおよび2mMGLN含有)で80−90%コンフルエ
ントまで成長させ,96ウエル組織培養プレートに0.5%血清中で,ウエルあ
たり25,000−30,000細胞を播種する。0.5%血清含有培地で一夜
インキュベーションした後,細胞を無血清培地に移し,5%CO2,37℃イン
キュベーター中で試験化合物で2時間処理する。次に細胞をリガンドで5−10
分間刺激し,HNTG(20mMHepes,150mMNaCl,10%グリ
セロール,5mMEDTA,5mMNa3VO4,0.2%TritonX−10
0,および2mMNaPyr)で溶解する。細胞溶解物(PBS中0.5mg/
ウエル)をレセプター特異的抗体であらかじめ被覆し,TBST(50mMTr
is−HClpH7.2,150mMNaClおよび0.1%TritonX−
100)中5%ミルクで室温で30分間ブロッキングしたELISAプレートに
移す。溶解物を振盪しながら室温で1時間インキュベートする。プレートをTB
STで4回洗浄し,次にポリクローナル抗ホスホチロシン抗体とともに室温で3
0分間インキュベートする。プレートをTBSTで4回すすぐことにより過剰の
抗ホスホチロシン抗体を除去する。ELISAプレートにヤギ抗ウサギIgG抗
体を室温で30分間加え,次にTBSTでさらに4回すすぐ。ABTS(100
mMクエン酸,250mMNa2HPO4および0.5mg/mL2,2'−アジ
ノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−硫酸)),およびH22(1.2
mL30%H22を10mlABTSに加える)をELISAプレートに加えて
発色を開始させる。ABTS添加の約15から30分後,410nmおよび63
0nmの参照波長における吸光度を記録する。
【0252】IGF−Iレセプター 以下のプロトコルを用いて,IGF−Iレセプター上のホスホチロシンレベル
を測定することができ,これはIGF−Iレセプターチロシンキナーゼ活性を示
す。
【0253】材料および試薬 a. このアッセイにおいて用いる細胞株は,IGF−1レセプターを過剰発現
するように遺伝子工学処理された細胞株3T3/IGF−1Rである。
【0254】 b. NIH3T3/IGF−1Rを,5%CO2,37℃のインキュベーター
で成長させる。成長培地はDMEM+10%FBS(熱不活性化)+2mML−
グルタミンである。
【0255】 c. アフィニティー精製抗IGF−1R抗体17−69 d. D−PBS: KH2PO4 0.20g/l K2HPO4 2.16g/l KCl 0.20g/l NaCl 8.00g/l(pH7.2) e. ブロッキング緩衝液:TBSTプラス5%ミルク(Carnationイ
ンスタント脱脂乾燥ミルク) f. TBST緩衝液: Tris−HCl 50mM NaCl 150mM(pH7.2/HCl 10N) TritonX−100 0.1% TBS(10X)の保存溶液を調製し,希釈の間に緩衝液にTritonX−1
00を加える。
【0256】 g. HNTG緩衝液: HEPES 20mM NaCl 150mM(pH7.2/HCl 1N) グリセロール 10% TritonX−100 0.2% 保存溶液(5X)を調製し,4℃で保存する。
【0257】 h. EDTA/HCl:0.5MpH7.0(NaOH),100X保存液と
して i. Na3VO4:100X保存液として0.5M,アリコートは−80℃で保
存する。
【0258】 j. Na427:100X保存液として0.2M k. インスリン様成長因子−1,Promega(Cat#G5111) ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン抗血清 m. ヤギ抗ウサギIgG,PODコンジュゲート(検出抗体),Tago(C
at.No.4520,LotNo.1802):Tago,Inc.,Bur
lingame,CA n. ABTS(2,2'−アジノビス(3−エチルベンズチアゾリン硫酸))
溶液: クエン酸 100mM Na2HPO4 250mM(pH4.0/1NHCl) ABTS 0.5mg/ml ABTS溶液は暗所で4℃で保存しなければならない。溶液は緑色に変色したと
きは廃棄しなければならない。
【0259】 o. 過酸化水素:30%溶液を暗所で4℃で保存する。
【0260】方法 以下のすべての工程は,特に記載しないかぎり,室温で実施する。すべてのE
LISAプレート洗浄は,プレートを水道水で3回すすぎ,TBSTで1回すす
ぐことにより実施する。プレートを軽くたたいてペーパータオルで乾燥させる。
【0261】細胞播種 : 1. 組織培養皿(Corning25020−100)で80−90%コンフ
ルエントまで成長させた細胞を,トリプシン−EDTA(0.25%,0.5m
l/D−100,GIBCO)で回収する。
【0262】 2. 細胞を新鮮なDMEM+10%FBS+2mML−グルタミン中に再懸濁
し,96ウエル組織培養プレート(Corning,25806−96)に20
,000細胞/ウエル(100μl/ウエル)で移す。1日インキュベートし,
次に培地を無血清培地(90/μl)で置き換え,5%CO2,37℃で一夜イ
ンキュベートする。
【0263】ELISAプレートコーティングおよびブロッキング : 1. ELISAプレート(Corning25805−96)を,100μl
PBS中の抗IGF−1R抗体で0.5μg/ウエルで少なくとも2時間コーテ
ィングする。
【0264】 2. コーティング溶液を除去し,100μlのブロッキング緩衝液で置き換え
,30分間振盪する。ブロッキング緩衝液を除去し,溶解物を加える直前にプレ
ートを洗浄する。
【0265】アッセイ方法 : 1. 薬剤は,無血清条件で試験する。
【0266】 2. 薬剤保存液(100%DMSO中)を96ウエルポリプロピレンプレート
中でDMEMで1:10に希釈し,10μl/ウエルのこの溶液を細胞に移して
,最終薬剤希釈1:100,最終DMSO濃度1.0%とする。細胞を5%CO 2 中で37℃で2時間インキュベートする。
【0267】 3. 新鮮な細胞溶解緩衝液(HNTG*)を調製する。
【0268】 HNTG 2ml EDTA 0.1ml Na3VO4 0.1ml Na4(P27) 0.1ml H2O 7.3ml 4. 薬剤を2時間インキュベートした後,10μl/ウエルのPBS中200
nMIGF−1リガンドを細胞に移し(最終濃度20nM),5%CO2で37
℃で10分間インキュベートする。
【0269】 5. 培地を除去し,100μl/ウエルのHNTG*を加え,10分間振盪す
る。細胞を顕微鏡下で観察して,これらが適切に溶解したか否かを見る。
【0270】 6. 12チャネルピペットを用いて細胞をプレートから掻き取り,吸引と分配
を繰り返すことにより溶解物をホモジナイズする。すべての溶解物を抗体コーテ
ィングELISAプレートに移し,1時間振盪する。
【0271】 7. 溶解物を除去し,プレートを洗浄し,抗pTyr(TBST中1:3,0
00)を100μl/ウエルで移し,30分間振盪する。
【0272】 8. 抗pTyrを除去し,プレートを洗浄し,TAGO(TBST中1:3,
000)を100μl/ウエルで移し,30分間振盪する。
【0273】 9. 検出抗体を除去し,プレートを洗浄し,新鮮なABTS/H22(1.2
μlH22を10mlABTSに加える)を100μl/ウエルでプレートに移
して,発色を開始させる。
【0274】 10. DynatecMR5000で参照波長630nmで410nmのOD
を測定する。
【0275】EGFRアッセイ ヒトEGF−Rを発現するよう遺伝子工学処理された細胞中のEGFレセプタ
ーキナーゼ活性を以下に記載するように測定することができる。
【0276】材料および試薬 a. EGFリガンド:保存液濃度=16.5μM;EGF201,TOYOB
O,Co.,Ltd.Japan b. 05−101(UBI)(EGFR細胞外ドメインを認識するモノクロー
ナル抗体) c. 抗ホスホチロシン抗体(抗Ptyr)(ポリクローナル) d. 検出抗体:ヤギ抗ウサギlgG西洋ワサビペルオキシダーゼコンジュゲー
ト,TAGO,Inc.,Burlingame,CA e. TBST緩衝液: Tris−HCl,pH7 50mM NaCl 150mM TritonX−100 0.1 f. HNTG 5X保存液: HEPES 0.1M NaCl 0.75M グリセロール 50 TritonX−100 1.0% g. ABTS保存液: クエン酸 100mM NaVO4 250mM HCl(濃) 4.0pH ABTS* 0.5mg/ml 溶液は使用するまで暗所で4℃で保存する。
【0277】 h. 試薬保存液: EDTA 100mM pH7.0 Na3VO4 0.5M Na4(P27) 0.2M方法 ELISAプレートのプレコート 1. ELISAプレート(Corning,96ウエル,Cat.#2580
5−96)をウエルあたりPBS中0.5μg,150μl最終容量/ウエルの
05−101抗体でコーティングし,4℃で一夜保存する。コーティングしたプ
レートは4℃で保存した場合10日間まで良好に使用しうる。
【0278】 2. 使用の日,コーティング緩衝液を除去し,ブロッキング緩衝液(PBS中
5%Carnationインスタント脱脂乾燥ミルク)で置き換える。プレート
を振盪しながら室温(約23℃−25℃)で30分間インキュベートする。使用
の直前に,ブロッキング緩衝液を除去し,プレートをTBST緩衝液で4回洗浄
する。
【0279】細胞播種 1. このアッセイにはNIH3T3/C7細胞株(Honegger,et
al.,Cell51:199−209,1987)を用いることができる。
【0280】 2. 80−90%コンフルエントの皿を実験用に選択する。細胞をトリプシン
処理し,10%CS DMEM培地を加えることにより反応を停止させる。細胞
をDMEM培地(10%CS DMEM培地)中に懸濁し,1000rpmで室
温で5分間,1回遠心分離する。
【0281】 3. 細胞を播種培地(DMEM,0.5%ウシ血清)に再懸濁し,トリパンブ
ルーを用いて細胞を計数する。90%を越える生存率が許容範囲である。細胞を
96ウエルマイクロタイタープレート上で,DMEM培地(0.5%ウシ血清)
中に,ウエルあたり10,000細胞の密度でウエルあたり100μlで播種す
る。播種した細胞を5%CO2,37℃で約40時間インキュベートする。
【0282】アッセイ方法 1. 倒立顕微鏡を用いて,播種した細胞のコンタミネーションを調べる。試験
化合物保存液(DMSO中10mg/ml)をDMEM培地中で1:10に希釈
し,次に5μlを試験ウエルに移して,1:200の最終薬剤希釈および1%の
最終DMSO濃度とする。対照ウエルにはDMSOのみを加える。5%CO2
37℃で1時間インキュベートする。
【0283】 2. EGFリガンドの調製:保存液EGFを,10μlの希釈EGF(1:1
2希釈)を移したときに25nMの最終濃度が得られるように,DMEM中で希
釈する。
【0284】 3. ウエルあたり100μlに十分なように新鮮なHNTG*10mlを調製
する。HNTG*は以下のものを含む:HNTG保存液(2.0ml),mil
li−QH2O(7.3ml),EDTA,100mM,pH7.0(0.5m
l),Na3VO40.5M(0.1ml)およびNa4(P27),0.2M(
0.1ml)
【0285】 4. 氷上に置く。
【0286】 5. 薬剤とともに2時間インキュベーションした後,調製したEGFリガンド
を,ウエルあたり10μlで,25nMの最終濃度となるように細胞に加える。
対照ウエルにはDMEMのみを加える。振盪しながら室温で5分間インキュベー
トする。
【0287】 6. 試験化合物,EGFおよびDMEMを除去する。細胞をPBSで2回洗浄
する。HNTG*をウエルあたり100μlで細胞に移す。氷上に5分間置く。
その間に,他のELISAプレートからブロッキング緩衝液を除去し,上述した
ようにTBSTで洗浄する。
【0288】 7. マイクロピペッターにぴったりと固定したピペットチップを用いて,細胞
をプレートからはがし,HNTG*溶解緩衝液を繰り返し吸引および分配するこ
とにより,細胞物質をホモジナイズする。コーティングし,ブロッキングし,洗
浄したELISAプレートに溶解物を移す。振盪しながら室温で1時間インキュ
ベートする。
【0289】 8. 溶解物を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに希釈した抗Ptyr抗
体をウエルあたり100μlでELISAプレートに移す。抗Ptyr抗血清(
TBST中1:3000希釈)の存在下で,振盪しながら室温で30分間インキ
ュベートする。
【0290】 9. 抗Ptyr抗体を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに希釈したTA
GO30抗ウサギIgG抗体をELISAプレートにウエルあたり100μlで
移す。振盪しながら室温で30分間インキュベートする(抗ウサギIgG抗体:
TBST中1:3000希釈)。
【0291】 10. 検出抗体を除去し,TBSTで4回洗浄する。新たに調製したABTS
/H22溶液をウエルあたり100μlでELISAプレートに移す。室温で2
0分間インキュベートする(ABTS/H22溶液:10mlABTS保存液中
1.2μlの30%H22)。
【0292】 11. 50μlの5NH2SO4を加えることにより反応を停止し(任意),4
10nmでO.D.を測定する。
【0293】 12. 最大ホスホチロシンシグナルは,陰性対照の値を陽性対照の値から差し
引くことにより決定する。次に,陰性対照を差し引いた後,抽出物含有ウエルに
ついてのホスホチロシン含有量のパーセント阻害を計算する。
【0294】Met自己リン酸化アッセイ このアッセイは,Metレセプター上のMet蛋白質チロシンキナーゼレベル
を分析することにより,Metチロシンキナーゼ活性を決定する試薬 a. HNTG(5X保存溶液):23.83gHEPESおよび43.83g
NaClを約350mldH2Oに溶解する。HClまたはNaOHでpHを7
.2に調節し,500mlグリセロールおよび10mlTritonX−100
を加え,混合し,dH2Oを加えて総容量を1Lとする。1X作業溶液1Lを作
成するためには,200mlの5X保存溶液を800mldH2Oに加え,必要
に応じてpHを調べて調節し,4℃で保存する。
【0295】 b. PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水),Gibco Cat.#45
0−1300EB(1X溶液) c. ブロッキング緩衝液:500mldH2O中に,100gBSA,12.
1gTris−pH7.5,58.44gNaClおよび10mlTween−
20を加え,希釈して総容量1Lとする。
【0296】 d. キナーゼ緩衝液:500mldH2Oに,12.1gTRIS(pH7.
2),58.4gNaCl,40.7gMgCl2および1.9gEGTAを加
え,dH2Oで総容量1Lとする。
【0297】 e. PMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル),Sigma Cat.#
P−7626,435.5mgに100%エタノールを総容量25mlとなるよ
うに加え,ボルテックスする。
【0298】 f. ATP(細菌起源),Sigma Cat.#A−7699,粉末を−2
0℃で保存する;作業溶液を作成するためには,3.31mgを1mldH2
中に溶解する。
【0299】 g. RC−20H HRPOコンジュゲート化抗ホスホチロシン,Trans
duction Laboratories Cat.#E120H h. Pierce 1−Step(商標)Turbo−TMB−ELISA(
3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン),Pierce Cat.#34
022 i. H2SO4,濃硫酸1ml(18N)を35mldH2Oに加える。
【0300】 j. TRIS HCL,Fischer Cat.#BP152−5;材料1
21.14gに600mlのMilliQ H2Oを加え,HClでpHを7.
5(または7.2)に調節し,MilliQ H2Oで容量を1Lとする。
【0301】 k. NaCl,Fischer Cat.#S271−10,5M溶液を作成
する。
【0302】 l. Tween−20,Fischer Cat.#S337−500 m. Na3VO4,Fischer Cat.#S454−50,材料1.8g
に80mlのMilliQ H2Oを加え,HClまたはNaOHでpHを10
.0に調節し,電子レンジで沸騰させ,冷却し,pHを調べ,pHが10.0で
安定となるまでこの工程を繰り返し,MilliQ H2Oを加えて総容量10
0mlとし,1mlアリコートを作成し,−80℃で保存する。
【0303】 n. MgCl2,Fischer Cat.#M33−500,1M溶液を作
成する。
【0304】 o. HEPES,Fischer Cat.#BP310−500,200m
lMilliQ H2Oに,材料59.6gを加え,pHを7.5に調節し,総
容量250mlとし,濾過滅菌する。
【0305】 p. アルブミン,ウシ(BSA),Sigma Cat.#A−4503,材
料30gに滅菌蒸留水を加えて総容量300mlとし,4℃で保存する。
【0306】 q. TBST緩衝液:1Lの目盛り付きシリンダー中の約900mlのdH2
Oに6.057gTRISおよび8.766gNaClを加え,溶解したとき,
HClでpHを7.2に調節し,1.0mlTritonX−100を加え,d
2Oで総容量1Lとする。
【0307】 r. ヤギアフィニティー精製抗体ウサギIgG(全分子),Cappel C
at.#55641 s. 抗h−Met(C−28)ウサギポリクローナルIgG抗体,Santa Cruz Chemical Cat.#SC−161 t. 過渡的にトランスフェクションされたEGFR/Metキメラ細胞(EM
R)(Komada,et al.,Oncogene,8:2381−239
0(1993) u. 炭酸ナトリウム緩衝液,(Na2CO4,Fischer Cat.#S4
95):材料10.6gに800mlのMilliQ H2Oを加え,溶解した
とき,NaOHでpHを9.6に調節し,MilliQ H2Oで総容量1Lと
し,濾過し,4℃で保存する。
【0308】方法 以下の工程は,特に記載のない限り,全て室温で実施する。ELISAプレー
ト洗浄は全てTBSTで4回すすぐことにより行う。
【0309】EMR溶解 この方法は,レセプター捕捉の開始の前夜または直前に実施することができる
【0310】 1. 溶解物を37℃の水浴中で渦巻き動作により最後の結晶が消失するまで急
速に溶解する。
【0311】 2. 細胞ペレットを1mMPMSFを含有する1X HNTG中で溶解する。
15cm皿の細胞あたり3mlのHNTGを用いる。計算したHNTG容量の1
/2を加え,管を1分間ボルテックスし,残量のHNTGを加え,さらに1分間
ボルテックスする。
【0312】 3. 管の釣り合いをとり,10,000xg,10分間,4℃で遠心分離する
【0313】 4. 上清をプールし,アリコートを除去して蛋白質測定を行う。
【0314】 5. プールしたサンプルをドライアイス/エタノール浴中で急速凍結する。こ
の工程は,溶解物を一夜保存するか蛋白質測定後に直ちに使用するかにかかわら
ず実施する。
【0315】 6. 標準的ビシンコニン酸(BCA)法を用いて蛋白質測定を実施する(BC
Aアッセイ試薬キット,Pierce Chemical Cat.#2322
5)。
【0316】ELISA法 1. Corning96ウエルELISAプレートを,総ウエル容量50μl
,ウエルあたり5μgの炭酸塩緩衝液中のヤギ抗ウサギ抗体でコーティングする
。4℃で一夜保存する。
【0317】 2. プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合ヤギ抗ウサギ抗
体を除去する。
【0318】 3. 150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら30
分間インキュベートする。
【0319】 4. TBSTで4回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過
剰の液体および気泡を除去する。
【0320】 5. ウエル総容量100μlに対して,TBST中で希釈したウサギ抗Met
抗体をウエルあたり1μg加える。
【0321】 6. 溶解物をHNTGで希釈する(90μg溶解物/100μl)。
【0322】 7. 希釈した溶解物100μlを各ウエルに加える。60分間振盪する。
【0323】 8. TBSTで4回洗浄する。ペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体お
よび気泡を除去する。
【0324】 9. ウエルあたり50μlの1X溶解物緩衝液を加える。
【0325】 10. 化合物/抽出物をポリプロピレン96ウエルプレート中で1Xキナーゼ
緩衝液中で1:10に希釈する。
【0326】 11. 希釈した化合物5.5μlをELISAプレートウエルに移す。振盪し
ながら室温で20分間インキュベートする。
【0327】 12. ウエルあたり5.5μlの60μMATP溶液を加える。陰性対照には
ATPを加えない。振盪しながら90分間インキュベートする。
【0328】 13. TBSTで4回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて
過剰の液体および気泡を除去する。
【0329】 14. ウエルあたり100μlのRC20(ブロッキング緩衝液中1:300
0希釈)を加える。振盪しながら30分間インキュベートする。
【0330】 15. TBSTで4回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて
過剰の液体および気泡を除去する。
【0331】 16. ウエルあたり100μlのTurbo−TMBを加える。振盪しながら
30−60分間インキュベートする。
【0332】 17. ウエルあたり100μlの1MH2SO4を加えて反応を停止させる。
【0333】 18. Dynatech MR7000 ELISAリーダーでアッセイを読
む。試験フィルター=450nm,参照フィルター=410nm。
【0334】生化学的srcアッセイ このアッセイを用いて,ビオチニル化ペプチドのリン酸化を読出しとして測定
することにより,src蛋白質キナーゼ活性を決定する。
【0335】材料および試薬: a. srcでトランスフォームした酵母(Sugen,Inc.,Redwo
odCity,California) b. 細胞溶解物:srcを発現する酵母細胞をペレット化し,水で1回洗浄し
,再びペレット化して,使用するまで−80℃で保存する。
【0336】 c. N−末端ビオチニル化EEEYEEYEEEYEEEYEEEYは,当業
者に周知の標準的な方法により調製する。
【0337】 d. DMSO:Sigma,St.Louis,MO e. 96ウエルELISAプレート:Corning96ウエルEasy W
ash,改変平底プレート,Corning Cat.#25805−96 f. NUNC96ウエルV−底ポリプロピレンプレート,化合物の希釈用:A
pplied Scientific Cat.#A−72092 g. Vecastain ELITE ABC試薬:Vector,Burl
ingame,CA h. 抗src(327)mab:Schizosaccharomyces
Pombeを用いて組換えSrcを発現させる(Superti−Furga,
et al.,EMBO J.,12:2625−2634;Superti−
Furga,et al.,Nature Biochem.,14:600−
605)。S.Pombe SP200株(h−s leul.32 ura4 ade210)を記載されたように増殖させ,酢酸リチウム法(Supert
i−Furga,(上掲))によりpRSP発現プラスミドでトランスフォーム
する。細胞は1μMチアミンの存在下で増殖させてnmtlプロモーターの発現
を抑制するか,またはチアミンの非存在下で増殖させて発現を誘導する。
【0338】 i. モノクローナル抗ホスホチロシン,UBI05−321(代わりにUB4
0を用いることができる) j. Turbo TMB−ELISAペルオキシダーゼ基質:Pierce
Chemical緩衝液溶液: a. PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水):GIBCO PBS,GIB
CO Cat.#450−1300EB b. ブロッキング緩衝液:5%無脂乳(Carnation),PBS中 c 炭酸塩緩衝液:Na2CO4,Fischer,Cat.#S495,100
mM保存溶液を作成する。
【0339】 d. キナーゼ緩衝液:1.0ml(1M保存溶液から)MgCl2;0.2m
l(1M保存溶液から)MnCl2;0.2ml(1M保存溶液から)DTT;
5.0ml(1M保存溶液から)HEPES;0.1mlTX−100;Mil
liQ H2Oで総容量10mlとする。
【0340】 e. 溶解緩衝液:5.0HEPES(1M保存溶液から);2.74mlNa
Cl(5M保存溶液から);10mlグリセロール;1.0mlTX−100;
0.4mlEDTA(100mM保存溶液から);1.0mlPMSF(100
mM保存溶液から);0.1mlNa3VO4(0.1M保存溶液から);Mil
liQ H2Oで総容量100mlとする。
【0341】 f. ATP:Sigma Cat.#A−7699,10mM保存溶液(5.
51mg/ml)を作成する。
【0342】 g TRIS−HCl:Fischer Cat.#BP152−5,600m
lのMilliQ H2Oに121.14gの物質を加え,HClでpHを7.
5に調節し,MilliQ H2Oで総容量1Lとする。
【0343】 h. NaCl:Fischer Cat.#S271−10,MilliQ
2Oで5M保存溶液を作成する。
【0344】 i. Na3VO4:Fischer Cat.#S454−50;80mlのM
illiQ H2Oに,1.8gの物質を加える;HClまたはNaOHでpH
を10.0に調節する;電子レンジ中で沸騰させる;冷却する;pHを調べ,加
熱/冷却サイクルの後にpHが安定に維持されるまでpH調節を繰り返す;Mi
lliQ H2Oで総容量100mlとする;1mlのアリコートを作成し,−
80℃で保存する。
【0345】 j. MgCl2:Fischer Cat.#M33−500,MilliQ H2Oで1M保存溶液を作成する。
【0346】 k. HEPES:Fischer Cat.#BP310−500;200m
lMilliQ H2Oに,59.6gの物質を加え,pHを7.5に調節し,
MilliQ H2Oで総容量250mlとし,濾過滅菌する(1M保存溶液)
【0347】 l. TBST緩衝液:TBST緩衝液:900mlのdH2Oに,6.057
gTRISおよび8.766gNaClを加える;HClでpHを7.2に調節
し,1.0mlTriton−X100を加える;dH2Oで総容量1Lとする
【0348】 m. MnCl2:Fischer Cat.#M87−100,MilliQ H2Oで1M保存溶液とする。
【0349】 n. DTT:Fischer Cat.#BP172−5 o. TBS(TRIS緩衝化食塩水):900mlのMilliQ H2Oに
,6.057gTRISおよび8.777gNaClを加える;MilliQ
2Oで総容量を1Lとする。
【0350】 p. キナーゼ反応混合物:アッセイプレート(100ウエル)1枚あたりの量
:1.0mlキナーゼ緩衝液,200μgGST−ζ,MilliQ H2Oで
最終容量8.0mlとする。
【0351】 q. ビオチン標識EEEYEEYEEEYEEEYEEEY:水中のペプチド
保存溶液(1mM,2.98mg/ml)を使用の直前に新たに作成する。
【0352】 r. Vectastain ELITE ABC試薬:14mlの作業用試薬
を調製するためには,1滴の試薬Aを15mlTBSTに加え,管を数回逆さに
して混合する。次に1滴の試薬Bを加える。管を室温で環状振盪器に入れ,30
分間混合する。
【0353】方法: srcでコーティングしたELISAプレートの調製 1. ELISAプレートを100μlの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)
中の0.5μg/ウエルの抗srcモノクローナル抗体で,4℃で一夜コーティ
ングする。
【0354】 2. ウエルをPBSで1回洗浄する。
【0355】 3. プレートをPBS中5%ミルク0.15mlで,室温で30分間ブロッキ
ングする。
【0356】 4. プレートをPBSで5回洗浄する。
【0357】 5. 溶解緩衝液中で希釈した,srcでトランスフォームした酵母の溶解物を
10μg/ウエルで加える(ウエルあたり総容量0.1ml)。(溶解物の量は
,バッチにより異なるであろう)。プレートを室温で20分間振盪する。
【0358】ホスホチロシン抗体でコーティングしたELISAプレートの調製 1. 4G10プレート:100μlPBS中の0.5μg/ウエルの4G10
で4℃で一夜コーティングし,150μlのPBS中5%ミルクで室温で30分
間ブロッキングする。
【0359】 キナーゼアッセイ法 1. 未結合蛋白質をプレートから除去し,プレートをPBSで5回洗浄する。
【0360】 2. ウエルあたり0.08mlのキナーゼ反応混合物(ウエルあたり10μl
の10Xキナーゼ緩衝液および10μM(最終濃度)のビオチン−EEEYEE
YEEEYEEEYEEEY,水中に希釈)を加える。
【0361】 3. 10%DMSOを含有する水中に希釈した10μlの化合物を加え,室温
で15分間プレインキュベートする。
【0362】 4. 10μl/ウエルの水中0.05mMATP(最終5μMATP)を加え
ることにより,キナーゼ反応を開始させる。
【0363】 5. ELISAプレートを室温で15分間振盪する。
【0364】 6. ウエルあたり10μlの0.5MEDTAを加えることによりキナーゼ反
応を停止させる。
【0365】 7. 90μlの上清を,ブロッキングした4G10コーティングELISAプ
レートに移す。
【0366】 8. 振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
【0367】 9. プレートをTBSTで5回洗浄する。
【0368】 10. Vectastain ELITE ABC試薬(100μl/ウエル
)とともに室温で30分間インキュベートする。
【0369】 11. ウエルをTBSTで5回洗浄する。
【0370】 12. Turbo TMBで発色させる。
【0371】生化学的lckアッセイ このアッセイを用いて,GST−ζのリン酸化を読出しとして測定することに
より,lck蛋白質キナーゼ活性を決定する材料および試薬: a. lckでトランスフォームした酵母:Schizosaccharomy
ces Pombeを用いて組換えLckを発現させる(Superti−Fu
rga,et al.,EMBO J,12:2625−2634;Super
ti−Furga,et al.,Nature Biotech.,14:6
00−605)。S.Pombe SP200株(h−s leul.32 u
ra4 ade210)を記載されたように増殖させ,pRSP発現プラスミド
で酢酸リチウム法によりトランスフォームする(Superti−Furga,
(上掲))。細胞を1μMチアミンの存在下で増殖させ,発現を誘導する。
【0372】 b. 細胞溶解物:lckを発現する酵母細胞をペレット化し,水で1回洗浄し
,再ペレット化し,使用するまで−80℃で凍結保存する。
【0373】 c. GST−ζ:細菌中で発現させるためのGST−ζ融合蛋白質をコードす
るDNAは,Howard Hughes Medical Institut
e,the University of California,San F
ranciscoのArthur Weissから入手する。トランスフォーム
した細菌を振盪しながら25℃で一夜増殖させる。GST−ζは,グルタチオン
アフィニティークロマトグラフィー(Pharmacia,Alameda,C
A)により精製する。
【0374】 d. DMSO:Sigma,St.Louis,MO e. 96ウエルELISAプレート:Corning96ウエルEasy W
ash,改変平底プレート,Corning Cat.#25805−96 f. NUNC96ウエルV−底ポリプロピレンプレート,化合物希釈用:Ap
plied Scientific Cat.#AS−72092 g. 精製ウサギ抗GST抗血清:Amrad Corporation(Au
stralia)Cat.#90001605 h. ヤギ抗ウサギ−IgG−HRP:Amersham Cat.#V010
301 i. ヤギ抗マウスIgG(H+L):Jackson Labs Cat.#
5215−005−003 j. 抗Lck(3A5)モノクローナル抗体:Santa Cruz Bio
technologyCat#sc−433 k. 抗ホスホチロシンモノクローナル抗体UBI05−321(代わりにUB
40を用いてもよい)緩衝液溶液: a. PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水)1X溶液:GIBCOPBS,
GIBCO Cat.#450−1300EB b. ブロッキング緩衝液:100gBSA,12.1gTRIS−pH7.5
,58.44gNaCl,10mlTween−20,MilliQ H2Oで
総容量1Lとする。
【0375】 c. 炭酸緩衝液:Na2CO4,Fischer,Cat.#S495;Mil
liQ H2Oで100mM溶液とする。
【0376】 d. キナーゼ緩衝液:1.0ml(1M保存溶液より)MgCl2;0.2m
l(1M保存溶液より)MnCl2;0.2ml(1M保存溶液より)DTT;
5.0ml(1M保存溶液より)HEPES;0.1mlTX−100;Mil
liQ H2Oで総容量10mlとする。
【0377】 e. 溶解緩衝液:5.0HEPES(1M保存溶液より);2.74mlNa
Cl(5M保存溶液より);10mlグリセロール;1.0mlTX−100;
0.4mlEDTA(100mM保存溶液より);1.0mlPMSF(100
mM保存溶液より);0.1mlNa3VO4(0.1M保存溶液より);Mil
liQ H2Oで総容量100mlとする。
【0378】 f. ATP:Sigma Cat.#A−7699,10mM保存溶液(5.
51mg/ml)を作成する。
【0379】 g TRIS−HCl:Fischer Cat.#BP152−5,600m
lのMilliQ H2Oに,121.14gの物質を加え,HClでpHを7
.5に調節し,MilliQ H2Oで総容量1Lとする。
【0380】 h. NaCl:Fischer Cat.#S271−10,MilliQ
2Oで5M保存溶液を作成する。
【0381】 i Na3VO4:Fischer Cat.#S454−50;80mlのMi
lliQ H2Oに,1.8gの物質を加える;HClまたはNaOHでpHを
10.0に調節する;電子レンジ中で沸騰させる;冷却する;pHを調べ,加熱
/冷却サイクルの後にpHが安定となるまでpH調節を繰り返す;MilliQ
2Oで総容量100mlとする;1mlのアリコートを作成し,−80℃で
保存する。
【0382】 j. MgCl2:Fischer Cat.#M33−500,MilliQ H2Oで1M保存溶液を作成する。
【0383】 k. HEPES:Fischer Cat.#BP310−500;200m
lのMilliQ H2Oに,59.6gの物質を加え,pHを7.5に調節し
,MilliQ H2Oで総容量250mlとし,濾過滅菌する(1M保存溶液
)。
【0384】 l. アルブミン,ウシ(BSA),Sigma Cat.#A4503;15
0mlのMilliQ H2Oに,30gの物質を加え,MilliQ H2Oで
総容量300mlとし,0.22μmフィルターを通して濾過し,4℃で保存す
る。
【0385】 m. TBST緩衝液:900mlのdH2Oに,6.057gTRISおよび
8.766gNaClを加える;HClでpHを7.2に調節する;1.0ml
Triton−X100を加える;dH2Oで総容量1Lとする。
【0386】 n. MnCl2:Fischer Cat.#M87−100,MilliQ H2Oで1M保存溶液を作成する。
【0387】 o. DTT;Fischer Cat.#BP172−5 p. TBS(TRIS緩衝化食塩水):900mlのMilliQ H2Oに
,6.057gTRISおよび8.777gNaClを加える;MilliQ
2Oで総容量1Lとする。
【0388】 q キナーゼ反応混合物:アッセイプレート(100ウエル)1枚あたりの量:
1.0mlキナーゼ緩衝液,200μgGST−ζ,MilliQ H2Oで最
終容量8.0mlとする。
【0389】方法: LckでコーティングしたELISAプレートの調製 1. 100μlの炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.6)中のヤギ抗マウスIg
G2.0μg/ウエルで,4℃で一夜コーティングする。
【0390】 2. ウエルをPBSで1回洗浄する。
【0391】 3. プレートを0.15mlのブロッキング緩衝液で室温で30分間ブロッキ
ングする。
【0392】 4. プレートをPBSで5回洗浄する。
【0393】 5. 0.1mlPBS中の抗lck(モノクローナル抗体3A5)を0.5μ
g/ウエルで室温で1−2時間加える。
【0394】 6. プレートをPBSで5回洗浄する。
【0395】 7. 溶解緩衝液中に希釈した,lckでトランスフォームした酵母の溶解物を
20μg/ウエルで加える(ウエルあたり総容量0.1ml)。プレートを4℃
で一夜振盪して活性の喪失を防止する。
【0396】ホスホチロシン抗体でコーティングしたELISAプレートの調製 1. UB40プレート:100μlPBS中の1.0μg/ウエルUB40を
4℃で一夜加え,150μlのブロッキング緩衝液で少なくとも1時間ブロッキ
ングする。
【0397】キナーゼアッセイ法 1. 未結合蛋白質をプレートから除去し,プレートをPBSで5回洗浄する。
【0398】 2. ウエルあたり0.08mlのキナーゼ反応混合物(ウエルあたり,水で希
釈した10μlの10Xキナーゼ緩衝液および2μgGST−ζを含む)を加え
る。
【0399】 3. 10%DMSOを含有する水中で希釈した化合物10μlを加え,室温で
15分間プレインキュベートする。
【0400】 4. 水中0.1mMATP(最終濃度10μMATP)を10μl/ウエルで
加えることによりキナーゼ反応を開始させる。
【0401】 5. ELISAプレートを室温で60分間振盪する。
【0402】 6. ウエルあたり10μlの0.5MEDTAを加えることによりキナーゼ反
応を停止させる。
【0403】 7. 90μlの上清を,上述のB節からのブロッキングした4G10コーティ
ングELISAプレートに移す。
【0404】 8. 振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
【0405】 9. プレートをTBSTで5回洗浄する。
【0406】 10. 100μlTBST中1:5000に希釈したウサギ抗GST抗体とと
もに室温で30分間インキュベートする。
【0407】 11. ウエルをTBSTで5回洗浄する。
【0408】 12. 100μlのTBST中1:20,000に希釈したヤギ抗ウサギ−I
gG−HRPとともに室温で30分間インキュベートする。
【0409】 13. ウエルをTBSTで5回洗浄する。
【0410】 14. Turbo TMBで発色させる。
【0411】RAFのリン酸化機能を測定するアッセイ 以下のアッセイは,RAFにより触媒される,その標的蛋白質MEKならびに
MEKの標的であるMAPKのリン酸化の量を測定する。RAF遺伝子配列は,
Bonnerら(1985,Molec.Cell.Biol.5:1400−
1407)に記載されており,多くの遺伝子配列データバンクにおいて容易にア
クセス可能である。核酸ベクターの構築および本発明のこの部分において用いら
れる細胞株は,Morrisonら(1988,Proc.Natl.Acad
.Sci.USA85:8855−8859)にすべて記載されている。
【0412】材料および試薬 1. Sf9(Spodoptera frugiperda)細胞;GIBC
O−BRL,Gaithersburg,MD 2. RIPA緩衝液:20mMTris/HC1pH7.4,137mMNa
Cl,10%グリセロール,1mMPMSF,5mg/Lアプロテニン,0.5
%TritonX−100; 3. チオレドキシン−MEK融合蛋白質(T−MEK):T−MEK 発現およびアフィニティークロマトグラフィーによる精製は,製造元の方法に従
って実施する。カタログ#K350−01およびR350−40,Invitr
ogenCorp.,San Diego,CA
【0413】 4. His−MAPK(ERK2);His−タグMAPKは,His−MA
PKをコードするpUC18ベクターによりトランスフォームしたXL1 Bl
ue細胞中で発現させる。His−MAPKはNi−アフィニティークロマトグ
ラフィーにより精製する。Cat#27−4949−01,Pharmacia
,Alameda,CA,本明細書に記載されたとおり。
【0414】 5. ヤギ抗マウスIgG:Jackson laboratories,We
st Grove,PA.カタログ,#515−006−008,Lot#28
563 6. RAF−1蛋白質キナーゼ特異的抗体:URP2653,UBI 7. コーティング緩衝液:PBS;リン酸緩衝化食塩水,GIBCO−BRL
,Gaithersburg,MD 8. 洗浄緩衝液:TBST−50mMTris/HCLpH7.2,150m
MNaCl,0.1%TritonX−100 9. ブロッキング緩衝液:TBST,0.1%エタノールアミンpH7.4 10. DMSO,Sigma,St.Louis,MO 11. キナーゼ緩衝液(KB):20mMHEPES/HCl(pH7.2)
,150mMNaCl,0.1%TritonX−100,1mMPMSF,5
mg/Lアプロテニン,75mMオルトバナジウム酸ナトリウム,0.5MMD
TTおよび10mMMgCl2 12. ATP混合物:l00mMMgCl2,300mMATP,10mCi
γ33PATP(DuPont−NEN)/mL 13 停止溶液:1%リン酸;Fisher,Pittsburgh,PA 14. Wallacリン酸セルロースフィルターマット;Wallac,Tu
rku,Finnland 15. フィルター洗浄溶液:1%リン酸,Fisher,Pittsburg
h,PA 16. Tomtecプレート回収機,Wallac,Turku,Finnl
and 17. Wallacベータプレートリーダー#1205,Wallac,Tu
rku,Finnland 18. 化合物用に,NUNC96ウエルV底ポリプロピレンプレート,App
lied Scientificカタログ#AS−72092方法 以下のすべての工程は,特に指示しないかぎり,室温で実施する。
【0415】 1. ELISAプレートコーティング:ELISAウエルを100mlのヤギ
抗マウスアフィニティー精製抗血清(1mg/l00mLコーティング緩衝液)
で4℃で一夜コーティングする。ELISAプレートは,4℃で保存したとき,
2週間使用することができる。
【0416】 2. プレートを逆さにして液体を除去する。100mLのブロッキング溶液を
加え,30分間インキュベートする。
【0417】 3. ブロッキング溶液を除去し,洗浄緩衝液で4回洗浄する。プレートをペー
パータオル上で軽くたたいて過剰の液体を除去する。
【0418】 4. 各ウエルに1mgのRAF−1特異的抗体を加え,1時間インキュベート
する。工程3に記載したように洗浄する。
【0419】 5. RAS/RAFで感染させたSf9細胞からの溶解物を解凍し,TBST
で10mg/100mLに希釈する。10mgの希釈溶解物をウエルに加え,1
時間インキュベートする。インキュベーションの間,プレートを振盪する。陰性
対照には溶解物を加えない。各ウイルスにつきMOI5で細胞を組換えバキュロ
ウイルスで感染させた後,RAS/RAFで感染させたSf9昆虫細胞からの溶
解物を調製し,48時間後に回収する。細胞をPBSで1回洗浄し,RIPA緩
衝液中で溶解する。不溶物質を遠心分離(5分間,10000xg)により除去
する。溶解物のアリコートをドライアイス/エタノール中で凍結し,使用まで−
80℃で保存する。
【0420】 6. 非結合物質を除去し,上に簡単に述べたように洗浄する(工程3)。
【0421】 7. ウエルあたり2mgのT−MEKおよび2mgのHis−MAEPKを加
え,キナーゼ緩衝液で容量を40mLに調節する。細胞抽出物からT−MEKお
よびMAPKを精製する方法は,本明細書の実施例に記載される。
【0422】 8. 化合物(保存溶液10mg/mLDMSO)または抽出物をTBSTプラ
ス1%DMSO中であらかじめ20倍に希釈する。5mLのあらかじめ希釈した
化合物/抽出物を工程6に記載したウエルに加える。20分間インキュベートす
る。対照には薬剤を加えない。
【0423】 9. 5mLATPミックスを加えることによりキナーゼ反応を開始する。イン
キュベーションの間,ELISAプレート振盪器でプレートを振盪する。
【0424】 10. 60分後,30mLの停止溶液を各ウエルに加えることによりキナーゼ
反応を停止する。
【0425】 11. ホスホセルロースマットおよびELISAプレートをTomtecプレ
ート回収機中に置く。フィルターを回収し,フィルター洗浄溶液で製造元の推奨
にしたがってこれを洗浄する。フィルターマットを乾燥する。フィルターマット
を密封し,ケース中に置く。ケースを放射活性検出装置に入れ,フィルターマッ
ト上の放射活性リンを定量する。
【0426】 あるいは,アッセイプレートの個々のウエルからの40mLのアリコートを,
ホスホセルロースフィルターマットの対応する位置に移すことができる。フィル
ターを風乾した後,フィルターをトレイ中に置く。トレイを穏やかにロックし,
洗浄溶液を15分間ごとに1時間交換する。フィルターマットを風乾する。フィ
ルターマットを密封し,サンプル中の放射活性リンを測定するのに適当なケース
中に入れる。ケースを検出装置に入れ,フィルターマット上の放射活性リンを定
量する。
【0427】CDK2/サイクリンA−阻害アッセイ このアッセイは,外部基質中のCDK2の蛋白質キナーゼ活性を測定する。
【0428】試薬: A. 緩衝液A(80mMTris(pH7.2),40mMMgCl2):4
.84gTris(F.W.=121.1g/mol),4.07gMgCl2
(F.W.=203.31g/mol),500mlH2O中に溶解。HClで
pHを7.2に調節する。
【0429】 B. ヒストンH1溶液(0.45mg/mlヒストンH1および20mMHE
PES(pH7.2):11.111mlの20mMHEPESpH7.2(4
77mgHEPES(F.W.=238.3g/mol))中の5mgヒストン
H1(Boehringer Mannheim),100mlddH2O中に
溶解する。1mlアリコートとして−80℃で保存する。
【0430】 C. ATP溶液(60μMATP,300μg/mlBSA,3mMDTT)
:120μlの10mMATP,600μlの10mg/mlBSAで20ml
とし,1mlアリコートとして−80℃で保存する。
【0431】 D. CDK2溶液:cdk2/サイクリンA,10mMHEPES,pH7.
2,25mMNaCl,0.5mMDTT,10%グリセロール中。9μlアリ
コートとして−80℃で保存する。
【0432】プロトコル 1. 阻害剤の溶液を,ddH2O/15%DMSO(v/v)で所望の最終ア
ッセイ濃度の3倍で調製する。
【0433】 2. 20μlの阻害剤をポリプロピレンの96ウエルプレートのウエルに加え
る(または陽性および陰性対照については20μlの15%DMSO)。
【0434】 3. ヒストンH1溶液(1ml/プレート),ATP溶液(1ml/プレート
プラス陰性対照について1アリコート),およびCDK2溶液(9μl/プレー
ト)を解凍する。CDK2は使用まで氷上に保存する。CDK2溶液を適当にア
リコートに分けて,凍結解凍サイクルの繰り返しを避ける。
【0435】 4. 9μlCDK2溶液を2.1ml緩衝液A(プレートあたり)で希釈し,
混合し,20μlを各ウエルに加える。
【0436】 5. 1mlヒストンH1溶液を1mlATP溶液(プレートあたり)と混合し
て,10mlねじ蓋管に入れる。γ33P ATPを0.15μCi/20μl(
アッセイ中,0.15μCi/ウエル)の濃度となるよう加える。BSAの泡を
避けるよう注意深く混合する。20μlを適当なウエルに加える。プレートをプ
レート振盪器上で混合する。陰性対照については,等量の20mMHEPES(
pH7.2)とATP溶液とを混合し,γ33P ATPを0.15μCi/20
μl溶液の濃度となるように加える。20μlを適当なウエルに加える。
【0437】 6. 反応を60分間進行させる。
【0438】 7. 35μlの10%TCAを各ウエルに加える。プレートをプレート振盪器
上で混合する。
【0439】 8. 40μlの各サンプルをP30フィルターマットの升目上にスポットする
。マットを乾燥させる(約10−20分間)。
【0440】 9. フィルターマットを250mlの1%リン酸(ddH2O 1lあたり1
0mlリン酸)で4X10分間洗浄する。
【0441】 10. フィルターマットをベータプレートリーダーで計数する。
【0442】細胞/生物学的アッセイ PDGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬 : (1) PDGF:ヒトPDGF B/B;1276−956,Boehrin
ger Mannheim,Germany (2) BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中,Cat.No
.1647229,Boehringer Mannheim,Germany
(3) FixDenat:固定溶液(即使用可),Cat.No.16472
29,Boehringer Mannheim,Germany (4) 抗BrdU−POD:ペルオキシダーゼとコンジュゲート化したマウス
モノクローナル抗体,Cat.No.1647229,Boehringer
Mannheim,Germany (5) TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB),即使用可,Ca
t.No.1647229,Boehringer Mannheim,Ger
many (6) PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4(Sugen,Inc.,R
edwood City,California) (7) アルブミン,ウシ(BSA):画分V粉末;A−8551,Sigma Chemical Co.,USA (8)株ヒトPDGF−Rを発現するよう遺伝子工学処理された3T3細胞プロトコル (1) 細胞をDMEM,10%CS,2mMGln中で,96ウエルプレート
に8000細胞/ウエルで播種する。細胞を5%CO2中で37℃で一夜インキ
ュベートする。
【0443】 (2) 24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CS DM
EM,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。
【0444】 (3) 第3日に,リガンド(PDGF,3.8nM,DMEM,0.1%BS
A中で調製)および試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対照ウエルには,無
血清DMEMおよび0.1%BSAのみを加える;陽性対照細胞には,リガンド
(PDGF)を加えるが試験化合物を加えない。試験化合物は,96ウエルプレ
ート中で無血清DMEM中でリガンドとともに調製し,連続希釈して7種類の試
験濃度とする。
【0445】 (4) リガンド活性化の20時間後,希釈BrdU標識試薬(DMEM,0.
1%BSA中1:100)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)とと
もに1.5時間インキュベートする。
【0446】 (5) 標識試薬とともにインキュベーションした後,デカントし,逆さにした
プレートをペーパータオル上で軽くたたくことにより,培地を除去する。Fix
Denat溶液を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器上で室
温で45分間インキュベートする。
【0447】 (6) デカントし,逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくこと
により,FixDenat溶液をよく除去する。ブロッキング溶液としてミルク
を加え(PBS中5%脱水ミルク,200μl/ウエル),プレートをプレート
振盪器上で室温で30分間インキュベートする。
【0448】 (7) デカントによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回洗浄
する。抗BrdU−POD溶液(PBS,1%BSA中1:100希釈)を加え
(100μl/ウエル),プレートをプレート振盪器上で室温で90分間インキ
ュベートする。
【0449】 (8) デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲー
トをよく除去し,プレートを逆さにしてペーパータオル上で軽くたたくことによ
り乾燥させる。
【0450】 (9) TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温
で20分間,発色が光度計による検出に十分となるまでインキュベートする。
【0451】 (10) サンプルの吸光度は,Dynatech ELISAプレートリーダ
ーで410nmで測定する(参照波長として490nmで読みとるフィルターを
用いる"二波長"モード)。
【0452】EGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬 (1) EGF:マウスEGF,201;Toyobo,Co.,Ltd.Ja
pan (2) BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中,Cat.No
.1647229,Boehringer Mannheim,Germany
(3) FixDenat:固定溶液(即使用可),Cat.No.16472
29,Boehringer Mannheim,Germany (4) 抗BrdU−POD:ペルオキシダーゼとコンジュゲート化したマウス
モノクローナル抗体,Cat.No.1647229,Boehringer
Mannheim,Germany (5) TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB),即使用可,Ca
t.No.1647229,Boehringer Mannheim,Ger
many (6) PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4(Sugen,Inc.,R
edwoodCity,California) (7) アルブミン,ウシ(BSA):画分V粉末;A−8551,Sigma Chemical Co.,USA (8) ヒトEGF−Rを発現するよう遺伝子工学処理された3T3細胞株プロトコル (1) 細胞をDMEM中10%CS,2mMGlnで,96ウエルプレート中
で8000細胞/ウエルで播種する。細胞を5%CO2中で37℃で一夜インキ
ュベートする。
【0453】 (2) 24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CS DM
EM,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。
【0454】 (3) 第3日に,リガンド(EGF,2nM,DMEM,0.1%BSA中で
調製)および試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対照ウエルには0.1%B
SAを含む無血清DMEMのみを加える。陽性対照細胞には,リガンド(EGF
)を加えるが試験化合物を加えない。試験化合物は,96ウエルプレート中で,
無血清DMEM中でリガンドとともに調製し,連続希釈して7種類の試験濃度と
する。
【0455】 (4) リガンド活性化の20時間後,希釈したBrdU標識試薬(DMEM中
1:100,0.1%BSA)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)
とともに1.5時間インキュベートする。
【0456】 (5) 標識試薬とともにインキュベートした後,デカントして逆さにしたプレ
ートをペーパータオル上で軽くたたくことにより培地を除去する。FixDen
at溶液を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で45
分間インキュベートする。
【0457】 (6) デカントして逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくこと
によりFixDenat溶液をよく除去する。ブロッキング溶液としてミルクを
加え(PBS中5%脱水ミルク,200μl/ウエル),プレートをプレート振
盪器で室温で30分間インキュベートする。
【0458】 (7) デカントによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回洗浄
する。抗BrdU−POD溶液(PBS中1:100希釈,1%BSA)を加え
(100μl/ウエル),プレートをプレート振盪器で室温で90分間インキュ
ベートする。
【0459】 (8) デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲー
トをよく除去し,プレートを逆さにしてペーパータオル上で軽くたたくことによ
り乾燥させる。
【0460】 (9) TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温
で20分間,発色が高度計検出に十分となるまでインキュベートする。
【0461】 (10) サンプルの吸光度は,Dynatech ELISAプレートリーダ
ーで,410nm(参照波長として490nmを読むフィルターを用いる"二波
長"モード”で)測定する。
【0462】EGF−誘導性Her2−推進BrdU取り込み 材料および試薬 : (1) EGF:マウスEGF,201;Toyobo,Co.,Ltd.Ja
pan (2)BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中,Cat.No.
1647229,Boehringer Mannheim,Germany (3) FixDenat:固定溶液(即使用可),Cat.No.16472
29,Boehringer Mannheim,Germany (4) 抗BrdU−POD:ペルオキシダーゼとコンジュゲート化したマウス
モノクローナル抗体,Cat.No.1647229,Boehringer
Mannheim,Germany (5) TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB),即使用可,Ca
t.No.1647229,Boehringer Mannheim,Ger
many (6) PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4,自社製。
【0463】 (7) アルブミン,ウシ(BSA):画分V粉末;A−8551,Sigma Chemical Co.,USA (8) EGF−Rの細胞外ドメインおよびHer2の細胞内ドメインを有する
キメラレセプターを発現するよう遺伝子工学処理された3T3細胞株プロトコル : (1) 細胞をDMEM,10%CS,2mMGln中で96−ウエルプレート
に8000細胞/ウエルで播種する。細胞を37℃で5%CO2中で一夜インキ
ュベートする。
【0464】 (2) 24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CS DM
EM,0.1%BSAを含む)中で24時間血清飢餓とする。
【0465】 (3) 第3日に,リガンド(EGF=2nM,0.1%BSAを含むDMEM
中で調製)および試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対照ウエルには無血清
DMEM,0.1%BSAのみを加える;陽性対照細胞にはリガンド(EGF)
を加えるが試験化合物は加えない。試験化合物は,無血清DMEM中でリガンド
とともに96ウエルプレート中で調製し,連続希釈して7種類の試験濃度とする
【0466】 (4) リガンド活性化の20時間後,希釈BrdU標識試薬(DMEM中1:
100,0.1%BSA)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)とと
もに1.5時間インキュベートする。
【0467】 (5) 標識試薬とともにインキュベートした後,デカントして逆さにしたプレ
ートをペーパータオル上で軽くたたくことにより培地を除去する。FixDen
at溶液を加え(50μl/ウエル),プレートを室温でプレート振盪器で45
分間インキュベートする。
【0468】 (6) デカントし,逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくこと
により,FixDenat溶液をよく除去する。ブロッキング溶液としてミルク
を加え(PBS中5%脱水ミルク,200μl/ウエル),プレートをプレート
振盪器上で室温で30分間インキュベートする。
【0469】 (7) デカントによりブロッキング溶液を除去し,ウエルをPBSで1回洗浄
する。抗BrdU−POD溶液(PBS,1%BSA中1:100希釈)を加え
(100μl/ウエル),プレートをプレート振盪器上で90分間室温でインキ
ュベートする。
【0470】 (8) デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲー
トをよく除去し,プレートを逆さにしてペーパータオル上で軽くたたくことによ
り乾燥させる。
【0471】 (9) TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温
で20分間,発色が光度計検出に十分となるまでインキュベートする。
【0472】 (10) サンプルの吸光度を,Dynatech ELISAプレートリーダ
ーで,410nmで(参照波長として490nmで読むフィルターを用いる"二
波長"モードで)測定する。
【0473】IGF1−誘導性BrdU取り込みアッセイ 材料および試薬 : (1) IGF1リガンド:ヒト,組換え;G511,Promega Cor
p,USA (2) BrdU標識試薬:10mM,PBS(pH7.4)中,Cat.No
.1647229,Boehringer Mannheim,Germany
(3) FixDenat:固定溶液(即使用可),Cat.No.16472
29,Boehringer Mannheim,Germany (4) 抗BrdU−POD:ペルオキシダーゼとコンジュゲート化したマウス
モノクローナル抗体,Cat.No.1647229,Boehringer
Mannheim,Germany (5) TMB基質溶液:テトラメチルベンジジン(TMB),即使用可,Ca
t.No.1647229,Boehringer Mannheim,Ger
many (6) PBS洗浄溶液:1XPBS,pH7.4(Sugen,Inc.,R
edwood City,California) (7) アルブミン,ウシ(BSA):画分V粉末;A−8551,Sigma Chemical Co.,USA (8) ヒトIGF−1レセプターを発現するよう遺伝子工学処理された3T3
細胞株プロトコル : (1) 細胞をDMEM,10%CS,2mMGln中で96−ウエルプレート
に8000細胞/ウエルで播種する。細胞を5%CO2中,37℃で一夜インキ
ュベートする。
【0474】 (2) 24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に無血清培地(0%CS DM
EM,0.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする (3) 第3日に,リガンド(IGF1=3.3nM,0.1%BSAを含むD
MEM中で調製)および試験化合物を細胞に同時に加える。陰性対照ウエルには
0.1%BSAを含む無血清DMEMのみを加える。陽性対照細胞にはリガンド
(IGF1)を加えるが試験化合物を加えない。試験化合物は,96ウエルプレ
ートで無血清DMEM中でリガンドとともに調製し,連続希釈して7種類の試験
濃度とする。
【0475】 (4) リガンド活性化の16時間後,希釈BrdU標識試薬(DMEM,0.
1%BSA中1:100)を加え,細胞をBrdU(最終濃度=10μM)とと
もに1.5時間インキュベートする。
【0476】 (5) 標識試薬とともにインキュベーションした後,デカントし,逆さにした
プレートをペーパータオル上で軽くたたくことにより培地を除去する。FixD
enat溶液を加え(50μl/ウエル),プレートをプレート振盪器上で室温
で45分間インキュベートする。
【0477】 (6) デカントし,逆さにしたプレートをペーパータオル上で軽くたたくこと
によりFixDenat溶液をよく除去する。ブロッキング溶液としてミルクを
加え(PBS中5%脱水ミルク,200μl/ウエル),プレートをプレート振
盪器上で室温で30分間インキュベートする。
【0478】 (7) ブロッキング溶液をデカントにより除去し,ウエルをPBSで1回洗浄
する。抗BrdU−POD溶液(PBS,1%BSA中1:100希釈)を加え
(100μl/ウエル),プレートをプレート振盪器上で室温で90分間インキ
ュベートする。
【0479】 (8) デカントし,ウエルをPBSで5回すすぐことにより抗体コンジュゲー
トをよく除去し,プレートを逆さにしペーパータオル上で軽くたたくことにより
乾燥する。
【0480】 (9) TMB基質溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器上で室
温で20分間,発色が光度計検出に十分となるまでインキュベートする。
【0481】 (10) サンプルの吸光度は,Dynatech ELISAプレートリーダ
ーで,410nm(参照波長として490nmで読むフィルターを用いる"二波
長"モード)で測定する。
【0482】FGF−誘導性BrdU取り込みアッセイ このアッセイは,外来性FGFレセプターを発現する3Tc7/EGFr細胞
におけるFGF誘導性DNA合成を測定する。
【0483】材料および試薬: 1.FGF:ヒトFGF2/bFGF(Gibco BRL,No.13256
−029) 2.BrdU標識試薬,(10mMPBS(pH7.4),Boehringe
r Mannheim CatNo.1647229) 3.Fixdenat固定溶液(Boehringer Mannheim C
at No.1647229) 4.抗BrdU−POD(ペルオキシダーゼとコンジュゲートしたマウスモノク
ローナル抗体,Boehringer MannheimCat:.No.16
47229) 5.TMB(テトラメチルベンジジン,Boehringer Mannhei
mCat.No.1647229) 6.PBS洗浄溶液,pH7.4(Sugen,Inc.) 7.アルブミン,ウシ(BSA),画分V粉末(Sigma Chemical Co.,Cat.No.A−8551)方法 1.3T3遺伝子工学処理細胞株:3T3c7/EGFr 2.細胞は,DMEM,10%CSおよび2mMGlnで,96ウエルプレート
に8,000細胞/ウエルで播種する。5%CO2中で37℃で24時間インキ
ュベートする。
【0484】 3.24時間後,細胞をPBSで洗浄し,次に,無血清培地(0%DMEM,0
.1%BSA)中で24時間血清飢餓とする。
【0485】 4.リガンド(FGF2(DMEM中1.5nM,0.1%BSA)および試験
化合物を同時に加える。陰性対照ウエルには0.1%BSAを含む無血清DME
Mのみを加え,陽性対照ウエルにはFGF2リガンドを加えるが試験化合物は加
えない。試験化合物は,96ウエルプレート中で無血清DMEM中でリガンドと
ともに調製し,連続希釈して7種類の試験濃度とする。
【0486】 5.20時間後,希釈BrdU標識試薬を細胞に加え(1:100BrdU:D
MEM,0.1%BSA,最終濃度10μM),1.5時間インキュベートする
【0487】 6.培地をデカントする。ペーパータオルで痕跡量の物質を除去する。FixD
enatを加え(50μl/ウエル),プレート振盪器で室温で45分間インキ
ュベートする。
【0488】 7.Fixdenat溶液を除去する。ブロッキング溶液(PBS中5%脱水ミ
ルク(200μl/ウエル))を加え,プレート振盪器で室温で30分間インキ
ュベートする。
【0489】 8.ブロッキング溶液をデカントし,ウエルをPBSで1回洗浄する。抗Brd
U−POD溶液(PBS中1:100希釈,0.1%BSA)を加え,プレート
振盪器で室温で90分間インキュベートする。
【0490】 9.抗体コンジュゲートをデカントし,ウエルをPBSで5回すすぐ。ペーパー
タオル上で逆さにして軽くたたくことによりプレートを乾燥する。
【0491】 10.TMB溶液を加え(100μl/ウエル),プレート振盪器で室温で20
分間,発色が光度検出に十分となるまでインキュベートする。
【0492】 11.Dynatech ELISAプレートリーダーで"二波長"モードを用い
,490nMのフィルターを用いて,410nMで吸光度を測定する。
【0493】生化学的EGFRアッセイ このアッセイは,ELISAを用いてEGFRのインビトロキナーゼ活性を測
定する材料および試薬 1.Corning96ウエルElisaプレート(CorningカタログN
o.25805−96) 2.SUM01モノクローナル抗EGFR抗体(Biochemistry L
ab,SUGEN,Inc.) 3.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水,GibcoカタログNo.450
−1300EB) 4.TBST緩衝液
【表5】 5.ブロッキング緩衝液:
【表6】 6.A431細胞溶解物(Screening Lab,SUGEN,Inc.
)7.TBS緩衝液:
【表7】 8.TBS+10%DMSO
【表8】 9.アデノシン−5'−三リン酸(ウマ筋肉からのATP,Sigma Cat
.No.A−5394) dH2O中1.0mM溶液を調製する。この試薬は使用の直前に作成し,氷上に
保存する。
【0494】 10.MnCl2 dH2O中1.0Mの保存溶液を調製する。
【0495】 11.ATP/MnCl2リン酸化混合物
【表9】 この試薬は,使用直前に調製し,氷上に保存しなければならない。
【0496】 12.NUNC96ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied Sc
ientific Cat.No.AS−72092) 13.エチレンジアミン四酢酸(EDTA) dH2O中200mMの作業溶液を調製する。10NNaOHでpH8.0に調
製する。
【0497】 14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(Biochemistry
Lab,SUGEN,Inc.) 15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourc
e Cat.No.ALT0404) 16.ABTS(2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−
硫酸),Sigma Cat.No.A−1888)
【表10】 最初に,約900mlのdH2O中で2つの成分を混合する。リン酸でpHを4
.0に調製する。ABTSを加え,カバーし,約0.5時間放置し,濾過する。
溶液は使用前まで暗所で4℃で保存すべきである。
【0498】 17.過酸化水素30%溶液(Fisher Cat.No.H325) 18.ABTS/H22 15mlのABTS溶液と2.0μlのH22を混合する。使用の5分前に調製
する。
【0499】 19.0.2MHCl方法 1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlP
BS中0.5μgのSUM01でコーティングし,4℃で一夜保存する。
【0500】 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合SUM01をウエ
ルから除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽く
たたいて過剰の液体を除去する。
【0501】 3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で
30分間インキュベートする。
【0502】 4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペ
ーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および気泡を除去する。
【0503】 5.溶解物をPBS中で希釈する(7μg溶解物/100μlPBS)。
【0504】 6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で60分間振盪する。
【0505】 7.上述の工程4に記載したようにプレートを洗浄する。
【0506】 8.120μlのTBSを,捕捉EGFRを含有するELISAプレートに加え
る。
【0507】 9.試験化合物を96ウエルポリプロピレンプレート中でTBSで1:10に希
釈する(すなわち,10μl化合物+90μlTBS)。
【0508】 10.13.5μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエ
ルには13.5μlTBS+10%DMSOを加える(ウエルには試験化合物を
加えない)。
【0509】 11.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
【0510】 12.15μlリン酸化混合物を陰性対照ウエルを除くすべてのウエルに直接加
える。陰性対照ウエルにはATP/MnCl2を加えない。(最終ウエル容量は
約150μl,各ウエル中3μMATP/5mMMnCl2の最終濃度となるは
ずである)。振盪しながら5分間インキュベートする。
【0511】 13.5分後,16.5μlの200mMEDTA(pH8.0)を各ウエルに
加えることにより反応を停止させ,振盪を続ける。EDTAを加えた後,1分間
振盪する。
【0512】 14.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。
【0513】 15.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(TBST中1:3000希
釈)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。
【0514】 16.上述の工程4に記載したように洗浄する。
【0515】 17.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコ
ンジュゲート(TBST中1:2000希釈)を各ウエルに加える。振盪しなが
ら室温で30分間インキュベートする。
【0516】 18.上述の工程4に記載したように洗浄する。
【0517】 19.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
【0518】 20.振盪しながら5−10分間インキュベートする。気泡を除去する。
【0519】 21.必要ならば,ウエルあたり100μlの0.2MHClを加えて,反応を
停止させる。
【0520】 22.アッセイをDynatech MR7000 ELISAリーダーで読む
;試験フィルター:410nM参照フィルター:630Nm。
【0521】生化学的PDGFRアッセイ このアッセイは,ELISAを用いてPDGFRのインビトロキナーゼ活性を
測定する。
【0522】材料および試薬 特に記載しないかぎり,以下の試薬の作業溶液の調製は,上述の生化学的EG
FRアッセイと同じである。
【0523】 1.Corning96ウエルElisaプレート(CorningカタログN
o.25805−96) 2.28D4C10モノクローナル抗PDGFR抗体(Biochemistr
y Lab,SUGEN,Inc.) 3.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水,GibcoカタログNo.450
−1300EB) 4.TBST緩衝液 5.ブロッキング緩衝液 6.PDGFR−β発現NIH3T3細胞溶解物(Screening Lab
,SUGEN,Inc.) 7.TBS緩衝液 8.TBS+10%DMSO 9.アデノシン−5'−三リン酸(ATP,ウマ筋肉由来,Sigma Cat
.No.A−5394) 10.MnCl2 11.キナーゼ緩衝液リン酸化混合物
【表11】 12.NUNC96ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied Sc
ientific Cat.No.AS−72092) 13.エチレンジアミン四酢酸(EDTA) 14.ウサギポリクローナル抗ホスホチロシン血清(Biochemistry Lab,SUGEN,Inc.) 15.ヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコンジュゲート(Biosourc
e Cat.No.ALI0404) 16.2,2'−アジノ−ビス(3−エチルベンズチアゾリン−6−硫酸)(A
BTS,Sigma Cat.No.A−1888) 17.過酸化水素30%溶液(Fisher Cat.No.H325) 18.ABTS/H22 19.0.2MHCl方法 1.Corning96ウエルELISAプレートをウエルあたり100μlP
BS中の0.5μgの28D4C10でコーティングする。4℃で一夜保存する
【0524】 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合28D4C10を
ウエルから除去する。dH2Oで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で
軽くたたいて過剰の液体を除去する。
【0525】 3.150μlのブロッキング緩衝液を各ウエルに加える。振盪しながら室温で
30分間インキュベートする。
【0526】 4.プレートを脱イオン水で3回,次にTBSTで1回洗浄する。プレートをペ
ーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および気泡を除去する。
【0527】 5.溶解物をHNTG中で希釈する(10μg溶解物/100μlHNTG) 6.100μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。室温で60分間振盪する。
【0528】 7.プレートを上述の工程4に記載したように洗浄する。
【0529】 8.80μlの作業用キナーゼ緩衝液混合物を捕捉PDGFRを含有するELI
SAプレートに加える。
【0530】 9.試験化合物を96ウエルポリプロピレンプレート中でTBSで1:10に希
釈する(10μl化合物+90μlTBS)。
【0531】 10.10μlの希釈試験化合物をELISAプレートに加える。対照ウエル(
試験化合物を加えないウエル)には10μlTBS+10%DMSOを加える。
【0532】 11.振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
【0533】 12.10μlのATPを陰性対照ウエルを除く全てのウエルに直接加える。(
各ウエル中最終ウエル容量は20μMATPを含む約100μlとなるはずであ
る)。振盪しながら30分間インキュベートする。
【0534】 13.30分後,10μlの200mMEDTA(pH8.0)を各ウエルに加
えることにより反応を停止する。
【0535】 14.脱イオン水で4回,TBSTで2回洗浄する。
【0536】 15.ウエルあたり100μlの抗ホスホチロシン(TBST中1:3000希
釈)を加える。振盪しながら室温で30−45分間インキュベートする。
【0537】 16.上述の工程4に記載したように洗浄する。
【0538】 17.100μlのBiosourceヤギ抗ウサギIgGペルオキシダーゼコ
ンジュゲート(TBST中1:2000希釈)を各ウエルに加える。振盪しなが
ら室温で30分間インキュベートする。
【0539】 18.上述の工程4に記載したように洗浄する。
【0540】 19.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
【0541】 20.振盪しながら10−30分間インキュベートする。気泡を除去する。
【0542】 21.必要ならば,ウエルあたり100μlの0.2MHClを加えて反応を停
止する。
【0543】 22.Dynatech MR7000 ELISAリーダーでアッセイを読む
:試験フィルター:410nM,参照フィルター:630nM。
【0544】生化学的FGFRアッセイ このアッセイは,ELISAを用いてMyc−GyrB−FGFR融合蛋白質
のキナーゼ活性をインビトロで測定する。
【0545】材料および試薬 1.HNTG
【表12】 1リットルの5x保存溶液を作成するためには,HEPESおよびNaClを
約350mlのdH2Oに溶解し,HClまたはNaOHでpHを7.2に調節
し(用いるHEPESによる),グリセロール,TritonX100を加え,
次にdH2Oを加えて最終容量とする。
【0546】 2.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水,Gibcoカタログ#450−1
300EB) 3.ブロッキング緩衝液 4.キナーゼ緩衝液
【表13】 5.フッ化フェニルメチルスルホニル(PMSF,Sigma,Cat.No.
P−7626) 作業溶液:エタノール中100mM 6.ATP(細菌起源,Sigma Cat.No.A−7699) 6mMの濃度の保存液のためには,1mlのMilliQ H2Oあたり3.3
1mgを用いる。
【0547】 7.ビオチンコンジュゲート化抗ホスホチロシンモノクローナル抗体(クローン
4G10,Upstate Biotechnology Inc.Cat.N
o.16−103,Ser.No.14495) 8.Vectastain Elite ABC試薬(アビジンペルオキシダー
ゼコンジュゲート,Vector Laboratories Cat.No.
PK−6100) 9.ABTS溶液 10.過酸化水素30%溶液(Fisherカタログ#H325) 11.ABTS/H22 12.0.2MHCl 13.TRIS HCl(Fischer Cat.No.BP152−5) MilliQ H2O中の1.0mM溶液を調製し,HClでpHを7.2に調
節する 14.NaCl(Fisher Cat.No.S271−10) MilliQ H2O中の5M溶液を調製する 15.MgCl2(Fisher Cat.No.M33−500) MilliQ H2O中の1M溶液を調製する 16.HEPES(Fisher Cat.No.BP310−500) MilliQ H2O中の1M溶液を調製し,pHを7.5に調節し,濾過滅菌
する。
【0548】 17.TBST緩衝液 18.炭酸ナトリウム緩衝液(Fisher Cat.No.S495) MilliQ H2O中に0.1M溶液を調製し,NaOHでpHを9.6に調
製し,濾過する。
【0549】 19.ジチオスレイトール(DTT,Fisher Cat.No.BP172
−25) 使用直前にMilliQ H2O中に0.5mMの作業溶液を調製する。使用す
るまで−20℃で保存し,残りは廃棄する。
【0550】 20.MnCl2 21.TritonX−100 22.ヤギ抗ウサギIgG(Cappel) 23.アフィニティー精製ウサギ抗GST GyrB(Biochemistr
y Lab.SUGEN,Inc.)方法 以下の全ての工程は,特に記載しない限り,室温で実施する。
【0551】 1.Corning96ウエルELISAプレートを,ウエルの総容量が100
μlとなるように,ウエルあたり2μgの炭酸緩衝液中のヤギ抗ウサギ抗体でコ
ーティングする。4℃で一夜保存する。
【0552】 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合ヤギ抗ウサギ抗体
を除去する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過剰の液体および気
泡を除去する。
【0553】 3.150μlのブロッキング緩衝液(PBS中5%低脂肪ミルク)を各ウエル
に加える。マイクロタイタープレート振盪器で振盪しながら30分間インキュベ
ートする。
【0554】 4.TBSTで4回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて,過
剰の液体および気泡を除去する。
【0555】 5.ウエルあたり0.5μgのウサギ抗GyrB抗体を加える。抗体をDPBS
中で希釈して最終容量をウエルあたり100μlとする。マイクロタイタープレ
ート振盪器で振盪しながら室温で1時間インキュベートする。
【0556】 6.工程4に記載したようにTBSTで4回洗浄する。
【0557】 7.HNTG中の2μgのCOS/FGFR細胞溶解物(Myc−GyrB−F
GFR源)を各ウエルに加えて,ウエルあたり100μlの最終容量とする。マ
イクロタイタープレート振盪器で振盪しながら1時間インキュベートする。
【0558】 8.工程4に記載したようにTBSTで4回洗浄する。
【0559】 9.ウエルあたり80μlの1xキナーゼ緩衝液を加える。
【0560】 10.ポリプロピレン96ウエルプレート中で試験化合物を1xキナーゼ緩衝液
+1%DMSOで1:10に希釈する。
【0561】 11.希釈した試験化合物溶液および対照ウエルの10μlをポリプロピレンプ
レートウエルから対応するELISAプレートウエルに移し,マイクロタイター
プレート振盪器で振盪しながら20分間インキュベートする。
【0562】 12.キナーゼ緩衝液中で希釈した70μMATPの10μlを陽性対照および
試験ウエル(最終ATP濃度は7μM/ウエル)に加える。10μlの1xキナ
ーゼ緩衝液を陰性対照ウエルに加える。マイクロタイタープレート振盪器で振盪
しながら15分間インキュベートする。
【0563】 13.5μlの0.5MEDTAをすべてのウエルに加えることによりキナーゼ
反応を停止する。
【0564】 14.工程4に記載したようにTBSTで4回洗浄する。
【0565】 15.TBST中で希釈したビオチンコンジュゲート化抗ホスホチロシンモノク
ローナル抗体(b4G10)100μlを各ウエルに加える。マイクロタイター
プレート振盪器で振盪しながら30分間インキュベートする。
【0566】 16.Vectastain ABC試薬を調製する。1滴の試薬Aを15ml
のTBSTに加える。管を数回逆さにすることにより混合する。1滴の試薬Bを
加え,再び混合する。
【0567】 17.工程4に記載したようにTBSTで4回洗浄する。
【0568】 18.100μlのABC HRP試薬を各ウエルに加える。マイクロタイター
プレート振盪器で振盪しながら30分間インキュベートする。
【0569】 19.工程4に記載したようにTBSTで4回洗浄する。
【0570】 20.100μlのABTS/H22溶液を各ウエルに加える。
【0571】 22.振盪しながら5−15分間インキュベートする。気泡を除去する。
【0572】 23.必要ならば,100μlの0.2MHCl/ウエルを加えることにより 反応を停止させる。
【0573】 24.アッセイをDynatech MR7000 ELISAプレートリーダ
ーで読む;試験フィルター:410nM,参照フィルター:630nM。
【0574】生化学的FLK−1アッセイ このアッセイは,ELISAを用いて,flk−1自己リン酸化活性をインビ
トロで評価する。
【0575】材料および試薬 1.15cm組織培養皿 2.Flk−1/NIH細胞:ヒトflk−1クローン3(SUGEN,Inc
.,MPI,Martinsried,Germanyより入手)を過剰発現す
るNIH繊維芽細胞株 3.成長培地:DMEMプラス熱不活性化10%FBSおよび2mMグルタミン
(Gibco−BRL) 4.飢餓培地:DMEMプラス0.5%熱不活性化FBS,2mMグルタミン(
Gibco−BRL) 5.Corning96ウエルELISAプレート(Corning Cat.
No.25805−96) 6.flk−1に特異的なL4またはE38モノクローナル抗体;蛋白質−Aア
ガロースアフィニティークロマトグラフィーにより精製(SUGEN,Inc.
) 7.PBS(ダルベッコリン酸緩衝化食塩水)Gibco Cat.No.45
0−1300EB) 8.HNTG(調製については生化学的FGFRを参照) 9.PierceBCA蛋白質検定キット 10.ブロッキング緩衝液 11.TBST(pH7.0) 12.キナーゼ緩衝液 13.キナーゼ停止溶液:200mMEDTA 14.ビオチニル化4G10,ホスホチロシンに特異的(UBI,Cat.No
.No.16−103) 15.ABキット(Vector Laboratories Cat.No.
PK4000) 16.DMSO 17.NUNC96ウエルV底ポリプロピレンプレート(Applied Sc
ientific Cat.No.AS−72092) 18.Turbo−TMB(Pierce) 19.Turbo−TMB停止溶液:1M H2SO4 20.ATP(Sigma Cat.No.A−7699) 21.20%DMSO,TBS(pH7.0)中方法 細胞成長および溶解物調製 1.細胞を成長培地中に播種し,37℃,5%CO2で90−100%コンフル
エントとなるまで2−3日間成長させる。20継代を越えないこと。
【0576】 2.培地を除去し,細胞をPBSで2回洗浄する。HNTG溶解緩衝液で溶解す
る。すべての溶解物を回収し,20−30秒間ボルテックス混合する。
【0577】 3.遠心分離(5−10分間,約10,000xg)により不溶性物質を除去す
る。
【0578】 4.BCAキットを用いて蛋白質濃度を決定する。
【0579】 5.溶解物を1mgのアリコートに分配し,−80℃で保存する。
【0580】アッセイ方法 1.Corning96ウエルELISAプレートを,100μlのPBS中の
2μg/ウエルの精製L4(またはE38)でコーティングする。4℃で一夜保
存する。
【0581】 2.プレートを逆さにして液体を除去することにより,未結合蛋白質をウエルか
ら除去する。dH2Oで1回洗浄し,プレートをペーパータオル上で軽くたたい
て過剰の液体を除去する。
【0582】 3.プレートをウエルあたり150μlのブロッキング緩衝液でブロッキングす
る。4℃で振盪しながら45−60分間インキュベートする。
【0583】 4.ブロッキング緩衝液を除去し,ELISAプレートをdH2Oで3回,TB
STで1回洗浄する。プレートをペーパータオル上で軽くたたいて過剰の液体を
除去する。
【0584】 5.溶解物をPBS中で希釈して,最終濃度を50μg/100μlとする。1
00μlの希釈溶解物を各ウエルに加える。振盪しながら4℃で一夜インキュベ
ートする。
【0585】 6.プレートを逆さにすることにより未結合蛋白質をウエルから除去する。工程
4と同様に洗浄する。
【0586】 7.80μlのキナーゼ緩衝液をウエルに加える(陰性対照ウエルには90μl
)。
【0587】 8.試験化合物をTBS中20%DMSOを含むポリプロピレンプレートのウエ
ル中で希釈する(通常は10倍)。
【0588】 9.10μlの希釈化合物を固定化flk−1を含むELISAウエルに加え,
振盪する。対照ウエルには化合物を加えない。
【0589】 10.1mMATP保存液から,dH2O中0.3mMATP溶液を調製する(
あるいは,キナーゼ緩衝液を用いてもよい)。
【0590】 11.陰性対照を除くすべてのウエルに10μlの0.3mMATPを加える。
振盪しながら室温で60分間インキュベートする。
【0591】 12.1時間後,11μlの200mMEDTAを加えることにより,キナーゼ
反応を停止させる。1−2分間振盪する。
【0592】 13.ELISAプレートをdH2Oで4回,TBSTで2回洗浄する。
【0593】 14.100μlの1:5000ビオチニル化4G1O:TBSTをすべてのウ
エルに加える。振盪しながら室温で45分間インキュベートする。
【0594】 15.上述のものをインキュベートしている間,ABCキットからの50μlの
溶液AおよびBを10mlのTBSTに加える。これらの溶液は,使用の約30
分前に混合しなければならない。
【0595】 16.工程4と同様にプレートを洗浄する。
【0596】 17.あらかじめ形成したAとBの複合体100μlをすべてのウエルに加える
。振盪しながら室温で30分間インキュベートする。
【0597】 18.工程4と同様にプレートを洗浄する。
【0598】 19.100μlのTurbo−TMBを加える。室温で10−15分間振盪す
る。
【0599】 20.陽性対照ウエルの色が吸光度約0.35−0.4に達したとき,100μ
lのTurbo−TMB停止溶液で反応を停止する。
【0600】 21.Dynatech MR7000 ELISAリーダーでプレートを読む
。試験フィルター:450nM,参照フィルター:410nM。
【0601】HUV−EC−Cアッセイ また,以下のプロトコルを用いて,PDGF−R,FGF−R,VEGF,a
FGFまたはFlk−1/KDR(これらはすべてHUV−EC細胞により天然
に発現されている)に対する化合物の活性を測定することができる。
【0602】第0日 1. HUV−EC−C細胞(ヒト臍静脈内皮細胞,(American Ty
pe Cuture Collection;カタログNo.1730CRL)
を洗浄し,トリプシン処理する。ダルベッコリン酸緩衝化食塩水(D−PBS;
Gibco BRL;カタログNo.14190−029から入手)で2回,約
1ml/10cm2組織培養フラスコで洗浄する。非酵素細胞解離溶液(Sig
ma Chemical Company;カタログNo.C−1544)中で
0.05%トリプシン−EDTAでトリプシン処理する。0.05%トリプシン
は,0.25%トリプシン/1mMEDTA(Gibco;カタログNo.25
200−049)を細胞解離溶液中で希釈することにより作成する。約1ml/
25−30cm2組織培養フラスコで37℃で約5分間トリプシン処理する。細
胞をフラスコからはがした後,等量のアッセイ培地を加え,50ml滅菌遠心分
離管(Fisher Scientific;カタログNo.05−539−6
)に移す。
【0603】 2. 50ml滅菌遠心分離管中にアッセイ培地を加えることにより,細胞を約
35mlのアッセイ培地で洗浄し,約200gで10分間遠心分離し,上清を吸
引し,35mlのD−PBSに再懸濁する。D−PBSでさらに2回洗浄し,細
胞を約1ml/組織培養フラスコ15cm2のアッセイ培地に再懸濁する。アッ
セイ培地は,F12K培地(Gibco BRL;カタログNo.21127−
014)+0.5%熱不活性化ウシ胎児血清からなる。Coulter Cou
nter(商標)(Coulter Electronics,Inc.)で細
胞を計数し,アッセイ培地を細胞に加えて0.8−1.0x105細胞/mlの
濃度とする。
【0604】 3. 細胞を96ウエル平底プレートに100μl/ウエルまたは0.8−1.
0x104細胞/ウエルで加える;37℃,5%CO2で約24時間インキュベー
トする。
【0605】第1日 1. 試験化合物の2倍滴定を別々の96ウエルプレート中に作成する。一般に
,50μMから0μMまで。上述の第0日,工程2と同じアッセイ培地を用いる
。滴定は,90μl/ウエルの試験化合物を200μM(4X最終ウエル濃度)
で特定のプレートカラムの最上のウエルに加えることにより行う。試験化合物保
存液濃度は通常DMSO中20mMであるため,200μMの薬剤濃度は2%D
MSOを含む。
【0606】 DMSO濃度を一定に保持しながら薬剤を希釈するために,アッセイ培地中(
F12K+0.5%ウシ胎児血清)2%DMSOとした希釈剤を,試験化合物滴
定の希釈剤として用いる。この希釈物をカラム中の残りのウエルに60μl/ウ
エルで加える。カラムの最上ウエル中の120μlの200μM試験化合物希釈
物から60μlを採取し,カラムの第2のウエル中の60μlと混合する。この
ウエルから60μlを採取し,カラム中の第3のウエル中の60μlと混合し,
2倍滴定が完了するまでこれを続ける。最後から2番目のウエルが混合されたと
き,このウエル中の120μlの60μlを採取し,これを廃棄する。最後のウ
エルには薬剤非含有対照として60μlのDMSO/培地希釈物を加える。以下
のアッセイの,滴定する試験化合物の三重のウエルに十分な9つのカラムを作成
する:(1)VEGF(Pepro Tech Inc.,から入手,カタログ
No.100−200,(2)内皮細胞成長因子(ECGF)(酸性繊維芽細胞
成長因子またはaFGFとしても知られる)(Boehringer Mann
heim Biochemicaから入手,カタログNo.1439600);
または(3)ヒトPDGF B/B(1276−956,Boehringer
Mannheim,Germany)およびアッセイ培地対照。ECGFはヘ
パリンナトリウムを有する調製物として得た。
【0607】 2. 50μl/ウエルの試験化合物希釈物を,第0日からのHUV−EC−C
細胞0.8−1.0x104細胞/100μl/ウエルを含む96ウエルアッセ
イプレートに移し,37oC,5%CO2で約2時間インキュベートする。
【0608】 3. 三重に,80μg/mlVEGF,20ng/mlECGF,または各試
験化合物の条件に対する培地対照を50μl/ウエルで加える。試験化合物につ
いては,成長因子濃度は所望の最終濃度の4倍である。第0日,工程2からのア
ッセイ培地を用いて,成長因子の濃度を調節する。37℃,5%CO2で約24
時間インキュベートする。各ウエルに50μlの試験化合物希釈物,50μlの
成長因子または培地,および100μlの細胞を加え,総量200μl/ウエル
とする。すなわち,すべてをウエルに加えたとき,4倍濃度の試験化合物および
成長因子は1倍となる。
【0609】第2日 1. 3H−チミジン(Amersham;カタログNo.TRK−686)を
1μCi/ウエル(RPMI培地+10%熱不活性化ウシ胎児血清中で調製した
100μCi/ml溶液を10μl/ウエル)で加え,37℃,5%CO2で約
24時間インキュベートする。RPMIはGibco BRLから入手する,カ
タログNo.11875−051
【0610】第3日 1. プレートを−20℃で一夜凍結する。
【0611】第4日 1. プレートを融解し,96ウエルプレート回収器(Tomtec Harv
ester96(登録商標))でフィルターマット(Wallac;カタログN
o.1205−401)上に回収する;Wallac Betaplate(商
標)液体シンチレーション計数機で計数する。
【0612】インビボ動物モデル 異種移植片動物モデル ヒト腫瘍が無胸腺マウス(例えば,Balb/c,nu/nu)中で異種移植
片として成長する能力は,ヒト腫瘍の治療に対する生物学的応答を研究するのに
有用なインビボモデルを提供する。ヒト腫瘍の無胸腺マウスへの最初の成功的な
異種移植(Rygaard and Povlsen,1969,Acta P
athol.Microbial.Scand.77:758−760)以来,
多くの異なるヒト腫瘍細胞株(例えば,乳房,肺,尿生殖器,胃腸,頭頸部,神
経膠芽細胞腫,骨,および悪性黒色腫)が移植され,ヌードマウス中での成長に
成功してきた。以下のアッセイを用いて,本発明の種々の化合物の活性,特異性
および効果のレベルを決定することができる。3種類の一般的アッセイ,すなわ
ち細胞/触媒,細胞/生物学的およびインビボアッセイが化合物の評価に有用で
ある。細胞/触媒アッセイの目的は,TKが細胞中の既知の基質上のチロシンを
リン酸化する能力に及ぼす化合物の影響を判定することである。細胞/生物学的
アッセイの目的は,細胞中でTKにより刺激される生物学的応答に及ぼす化合物
の影響を判定することである。インビボアッセイの目的は,特定の疾患,例えば
癌の動物モデルにおける化合物の影響を判定することである。
【0613】 皮下異種移植片実験に適した細胞株としては,C6細胞(神経膠腫,ATCC
#CCL107),A375細胞(黒色腫,ATCC#CRL1619),A4
31細胞(類表皮癌腫,ATCC#CRL1555),Calu6細胞(肺,A
TCC#HTB56),PC3細胞(前立腺,ATCC#CRL1435),お
よびEGFR,PDGFR,IGF−1Rまたは任意の他の試験キナーゼを過剰
発現するように遺伝子工学処理されたSKOV3TP5細胞およびNIH3T3
繊維芽細胞が挙げられる。以下のプロトコルを用いて異種移植片実験を行うこと
ができる。
【0614】 雌無胸腺マウス(BALB/c,nu/nu)はSimonsen Labo
ratories(Gilroy,CA)から入手する。すべての動物は,クリ
ーンルーム条件下で,マイクロアイソレーターケージでアルファドライ敷きわら
で維持する。動物には,滅菌齧歯類食および水を任意に与える。
【0615】 細胞株は,適当な培地(例えば,MEM,DMEM,Ham'sF10,また
はHam'sF12プラス5%−10%ウシ胎児血清(FBS)および2mMグ
ルタミン(GLN))中で成長させる。すべての細胞培養培地,グルタミン,お
よびウシ胎児血清は,特に断らない限り,Gibco Life Techno
logies(Grand Island,NY)から購入する。すべての細胞
は,90−95%空気および5−10%CO2の湿潤環境下で37℃で成長させ
る。すべての細胞株は,週に2回,定期的に継代し,Mycotect法(Gi
bco)により判定して,マイコプラズマについては陰性である。
【0616】 細胞は,コンフルエント,またはそれに近い状態で,0.05%トリプシン−
EDTAで回収し,450xgで10分間ペレット化する。ペレットを滅菌PB
Sまたは培地(FBSなし)中に懸濁して特定の濃度とし,細胞をマウス(1群
あたり,8−10匹のマウス,2−10x106細胞/動物)の後側腹部内に移
植する。腫瘍成長は,ベニエカリパスを用いて3−6週間にわたり測定する。腫
瘍体積は,とくに記載のないかぎり,長さx幅x高さの積として計算する。P値
は,スチューデントt−テストを用いて計算する。50−100μlの賦形剤(
DMSO,またはVPD:D5W)中の試験化合物は,通常は移植後の第1日か
ら初めて,異なる濃度でIP注入により輸送することができる。
【0617】腫瘍侵襲モデル 以下の腫瘍侵襲モデルが開発されており,KDR/FLK−1レセプターを選
択的に阻害すると同定された化合物の治療的価値および有効性を評価するために
用いることができる。
【0618】方法 8週齢のヌードマウス(雌)(SimonsenInc.)を実験動物として
用いる。腫瘍細胞の移植は,層流フード内で行うことができる。麻酔用に,キシ
ラジン/ケタミンカクテル(100mg/kgケタミンおよび5mg/kgキシ
ラジン)を腹膜内に投与する。中線切開を行って,腹腔を露出して(約1.5c
mの長さ),容量100μlの培地中の107個の腫瘍細胞を注入する。細胞は
,膵臓の十二指腸葉または結腸の漿膜下に注入する。腹膜および筋肉を6−0絹
連続縫糸により縫合し,皮膚は創傷クリップを用いて縫合する。動物は毎日観察
する。
【0619】分析 動物の全体的所見により2−6週間後,マウスを殺し,局所腫瘍の種々の臓器
(肺,肝臓,脳,胃,脾臓,心臓,筋肉)への転移を調べ,分析する(腫瘍サイ
ズ,侵襲の程度,免疫化学,およびインサイチオハイブリダイゼーション測定)
【0620】細胞毒性の測定 治療用化合物は,細胞毒性効果を発揮するよりも,蛋白質キナーゼ活性の阻害
においてより強力であるべきである。ある化合物の有効性および細胞毒性の尺度
は,治療指数,すなわちIC50/LD50を決定することにより得ることができる
。50%阻害を達成するのに必要な用量IC50は,標準的な技術,例えば本明細
書に記載される技術を用いて測定することができる。50%毒性を与える用量L
50もまた,標準的な技術を用いて(Mossman,1983,J.Immu
nol.Methods,65:55−63),放出されたLDHの量を測定す
ることにより(Korzeniewski and Callewaert,1
983,J.Immunol.Methods,64:313;Decker
and Lohmann−Matthes,1988,J.Immunol.M
ethods,115:61),または動物モデルにおける致死量を測定するこ
とにより,測定することができる。高い治療指数を有する化合物が好ましい。治
療指数は,2より大きくなくてはならず,好ましくは少なくとも10,より好ま
しくは少なくとも50である。
【0621】結論 本発明の化合物,方法および医薬組成物は,PK活性を調節するのに有効であ
り,したがって,RTK,CTK,およびSTK関連疾患に対する治療薬として
有効であると予測されることが理解されるであろう。
【0622】 当業者は,本発明は,その目的を実施し,記載される結果および利点,ならび
に本明細書に固有のものを得るのによく適合していることを容易に理解するであ
ろう。本明細書に記載される分子複合体および方法,手順,処理,分子,特定の
化合物は,現在のところ好ましい態様の代表的なものであり,例示的なものであ
って,本発明の範囲を限定することを意図するものではない。当業者は,特許請
求の範囲において定義される本発明の精神の中に包含される変更および他の用途
をなすであろう。
【0623】 当業者は,本発明の範囲および精神から逸脱することなく,本明細書に開示さ
れる本発明に対して置換基および修飾の変更をなすことが可能であることを容易
に理解するであろう。
【0624】 本明細書において言及されるすべての特許および刊行物は,本発明の属する技
術分野の技術者のレベルを示す。すべての特許および刊行物は,それぞれの刊行
物が特定的に個々に本明細書の一部としてここに引用されることと同じ程度に,
本明細書の一部として引用される。
【0625】 本明細書に例示的に記載されている発明は,本明細書に特定的に開示されてい
ない任意の要素または限定なしでも適切に実施することができる。すなわち,例
えば,本明細書における各例において,”・・・を含む","・・・から本質的に
なる"および"・・・からなる"との用語は,他の2つのいずれかと置き換えるこ
とができる。本明細書において用いた用語および表現は,説明の用語として用い
るものであり,限定ではない。そのような用語および表現の使用においては,示
されかつ記載されている特徴またはその一部の等価物を排除することを意図する
ものではなく,特許請求の範囲に記載される本発明の範囲中で種々の変更が可能
であることが理解される。すなわち,好ましい態様および任意の特徴により本発
明を特定的に開示してきたが,当業者には本明細書に記載される概念の変更およ
び変種が可能であり,そのような変更および変種も特許請求の範囲に定義される
本発明の範囲内であると考えられることが理解されるべきである。
【0626】 さらに,発明の特徴および局面がマーカッシュグループの用語で記載されてい
る場合,当業者は,本発明が,マーカッシュグループのメンバーの個々のメンバ
ーまたはサブグループに関してもまた記載されていることを認識するであろう。
例えば,Xが,臭素,塩素およびヨウ素からなる群より選択されるとして記載さ
れている場合,Xが臭素である特許請求の範囲およびXが臭素および塩素である
特許請求の範囲も完全に記載されている。
【0627】 他の態様も特許請求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 17/06 A61P 17/06 19/02 19/02 29/00 29/00 101 101 35/00 35/00 37/02 37/02 43/00 111 43/00 111 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SL,SZ,UG,ZW),E A(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB ,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GD,GE,G H,GM,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP ,KE,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR, LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,M W,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD ,SE,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR, TT,UA,UG,UZ,VN,YU,ZW (71)出願人 230 East Grand Avenu e,South San Francis co,California 94080,U nited States of Ame rica (72)発明者 サン,リー アメリカ合衆国カリフォルニア州94556, フォスター・シティ,ロックハーバー・レ ーン 64 (72)発明者 トラン,エンゴク・マイ アメリカ合衆国カリフォルニア州94065, レッドウッド・シティー,シャノン・ウェ イ 550,エスピーティー6306 (72)発明者 ネマタラ,アサード アメリカ合衆国カリフォルニア州94596, ウォルナット・クリーク,ボデガ・プレイ ス 1324 (72)発明者 ニュイエン,アン・ティー アメリカ合衆国カリフォルニア州94539, フレモント,ベカド・プレイス 503 Fターム(参考) 4C086 AA01 AA02 AA03 BC13 MA01 MA04 NA14 ZA39 ZA51 ZA89 ZA96 ZB01 ZB07 ZB08 ZB11 ZB15 ZB26 ZC19 ZC35 4C204 BB01 CB03 DB11 DB13 DB15 DB30 EB03 FB01 GB01

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学構造I,IIまたはIII: 【化1】 [式中, R1は,水素,アルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル,アリール
    ,ヒドロキシ,アルコキシ,−C(=O)OR",R"C(=O)O−,C−アミ
    ド,C−チオアミド,アセチル,−S(=O)2R",およびトリハロメチルスル
    ホニルからなる群より選択され,ここで,R"は,水素,アルキル,シクロアル
    キル,アリール,ヘテロアリール(環炭素を介して結合),およびヘテロ脂環式
    (環炭素を介して結合)からなる群より選択され; A,B,DおよびEは,炭素および窒素からなる群より独立して選択され,ここ
    で,A,B,DまたはEが窒素であるとき,それぞれR2,R3,R4またはR5
    存在せず; F,G,JおよびKは,炭素,窒素,酸素およびイオウからなる群より独立して
    選択され,ここで,nが1でありかつF,G,JまたはKが炭素以外の原子であ
    るとき,それぞれR6,R7,R8またはR9は存在せず; nが0でありかつF,GまたはKが酸素またはイオウであるとき,それぞれR6
    ,R8またはR9は存在せず; R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9は,水素,アルキル,トリハロア
    ルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル,アリール,ヘテロアリール
    ,ヘテロ脂環式,ヒドロキシ,アルコキシ,アリールオキシ,メルカプト,アル
    キルチオ,アリールチオ,−S(=O)R",−S(=O)2R",S−スルホン
    アミド,N−スルホンアミド,N−トリハロメタンスルホンアミド,−C(=O
    )R",−C(=O)OR",R"C(=O)O−,シアノ,ニトロ,ハロ,シア
    ナト,イソシアナト,チオシアナト,イソチオシアナト,O−カルバミル,N−
    カルバミル,O−チオカルバミル,N−チオカルバミル,C−アミド,N−アミ
    ド,アミノおよび−NR1314からなる群より独立して選択され; R2およびR3,またはR3およびR4,またはR4およびR5,またはR6およびR7 ,またはR7およびR8,またはR8およびR9は,一緒になって,メチレンジオキ
    シまたはエチレンジオキシ基を形成してもよく; R13およびR14は,水素,アルキル,シクロアルキル,アリール,ヘテロアリー
    ル,ヘテロ脂環式,−C(=O)R",アセチル,−S(O)2R",トリハロメ
    タンスルホニルからなる群より独立して選択され,または,一緒になって,5員
    または6員のヘテロ脂環式環であり; R10,R11およびR12は,アルキル,シクロアルキル,アルケニル,アルキニル
    ,アリール,ヘテロアリール,ハロ,シアノ,トリハロメチル,ヒドロキシ,ア
    ルコキシ,アルキルチオ,アリールオキシ,アリールチオ,R"C(=O)O−
    ,−C(=O)OR",−C(=O)O-+,−(CH2rC(=O)OR",−
    (CH2rC(=O)O-+,C−アミド,N−アミド,シアナト,イソシアナ
    ト,チオシアナト,イソチオシアナト,アミノ,−S(=O)R",−S(=O
    2R",ニトロおよび−NR1314からなる群より独立して選択され; R10およびR11,またはR11およびR12は,一緒になってエンド二重結合を形成
    してもよく; Zは,酸素およびイオウからなる群より選択され; rは,1,2,3,4,5,または6であり; および,nは,0または1である] を有する2−インドリノン,またはその生理学的に許容される塩。
  2. 【請求項2】 nは1であり; A,B,DおよびEは炭素であり; R1は,水素であり; および,Zは,酸素である,請求項1記載の化合物または塩。
  3. 【請求項3】 F,G,JおよびKは炭素である,請求項2記載の化合物ま
    たは塩。
  4. 【請求項4】 nは0であり; A,B,DおよびEは炭素であり;および Zは,酸素である,請求項1記載の化合物または塩。
  5. 【請求項5】 Fは窒素であり; R9は水素であり;および GおよびKは炭素である,請求項4記載の化合物または塩。
  6. 【請求項6】 Kは,窒素であり; R6は,水素であり;および FおよびGは炭素である, 請求項4記載の化合物または塩。
  7. 【請求項7】 F,G,JまたはKの1つまたは2つは独立して窒素である
    ,請求項1記載の化合物または塩。
  8. 【請求項8】 R13は水素であり;および R14は非置換低級アルキルである,請求項2記載の化合物または塩。
  9. 【請求項9】 R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9は独立して,
    水素; 非置換低級アルキル; ハロ,−C(=O)OR"および−NR1314からなる群より選択される基で置
    換されている低級アルキル; 非置換低級アルコキシ; ハロ,−C(=O)OR",非置換アリールおよび−NR1314からなる群より
    選択される基で置換されている低級アルコキシ; トリハロメチル; 非置換アルケニル; 非置換アルキニル; 非置換アリール; 非置換低級アルキル,およびハロ,−C(=O)OR"および−NR1314から
    なる群より選択される基で置換されている低級アルキルからなる群より独立して
    選択される1またはそれ以上の基で置換されているアリール; 非置換ヘテロ脂環式; 非置換低級アルキル,−C(=O)H,−C(=O)−(非置換低級アルキル)
    ,ヒドロキシ,非置換アルコキシ,およびハロ,−C(=O)OR"および−N
    1314からなる群より選択される基で置換されているアルコキシからなる群よ
    り独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているヘテロ脂環式; 非置換アリールオキシ; 非置換低級アルキル,トリハロメチル,ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる
    群より独立して選択される基で置換されているアリールオキシ; メルカプト; 非置換アルキルチオ; 非置換アリールチオ; ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる群より独立して選択される1またはそれ
    以上の基で置換されているアリールチオ; S−スルホンアミド; −C(=O)OR"; R"C(=O)O−; ヒドロキシ; シアノ; ニトロ; ハロ; C−アミド; N−アミド; アミノ;および −NR1314, からなる群より選択される,請求項1記載の化合物または塩。
  10. 【請求項10】 R2,R3,R4,R5,R6,R7,R8およびR9は, 水素; 非置換低級アルキル; ハロ,−C(=O)OR"および−NR1314からなる群より選択される基で置
    換されている低級アルキル; 非置換低級アルコキシ; ハロ,−C(=O)OR",非置換アリールおよび−NR1314からなる群より
    選択される基で置換されている低級アルコキシ; トリハロメチル; 非置換アルケニル; 非置換アルキニル; 非置換アリール; 非置換低級アルキル,および ハロ,−C(=O)OR",および−NR1314からなる群より選択される基で
    置換されている低級アルキルからなる群より独立して選択される1またはそれ以
    上の基で置換されているアリール; 非置換ヘテロ脂環式; 非置換低級アルキル,−C(=O)H,−C(=O)−(非置換低級アルキル)
    ,ヒドロキシ,非置換アルコキシ,およびハロ,−C(=O)OR"および−N
    1314からなる群より選択される基で置換されているアルコキシからなる群よ
    り独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているヘテロ脂環式; 非置換アリールオキシ; 非置換低級アルキル,トリハロメチル,ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる
    群より独立して選択される1またはそれ以上の基で置換されているアリールオキ
    シ; メルカプト; 非置換アルキルチオ; 非置換アリールチオ; ハロ,ヒドロキシおよびアミノからなる群より独立して選択される1またはそれ
    以上の基で置換されているアリールチオ; S−スルホンアミド; −C(=O)OR"; R"C(=O)O−; ヒドロキシ; シアノ; ニトロ; ハロ; C−アミド; N−アミド; アミノ;および −NR1314, からなる群より独立して選択される,請求項8記載の化合物または塩。
  11. 【請求項11】 R10,R11およびR12は,水素,非置換低級アルキル,−
    (CH2rC(=O)OR",−(CH2rC(=O)O-+,ハロ,ヒドロキ
    シ,アルコキシ,R"C(=O)O−,−C(=O)OR",−C(=O)O-+ ,アミノ,C−アミド,N−アミド,ニトロおよび−NR1314からなる群より
    独立して選択される,請求項1記載の化合物または塩。
  12. 【請求項12】 R10,R11およびR12は,水素,非置換低級アルキル,−
    (CH2r.C(=O)OR",−(CH2rC(=O)O-+,ハロ,ヒドロ
    キシ,アルコキシ,R"C(=O)O−,−C(=O)OR",−C(=O)O-
    +,アミノ,C−アミド,N−アミド,ニトロおよび−NR1314からなる群
    より独立して選択される,請求項8記載の化合物または塩。
  13. 【請求項13】 R10,R11またはR12の少なくとも1つは,−C(=O)
    OR",−C(=O)O-+,−(CH2rC(=O)OR"および−(CH2r C(=O)O-+からなる群より選択される,請求項12記載の化合物または塩
  14. 【請求項14】 −(CH2rC(=O)OR"または−(CH2rC(=
    O)O-+基のrは1である,請求項13記載の化合物または塩。
  15. 【請求項15】 −(CH2rC(=O)OR"または−(CH2rC(=
    O)O-+基のrは2である,請求項13記載の化合物または塩。
  16. 【請求項16】 請求項1記載の化合物または塩および薬学的に許容しうる
    担体または賦形剤を含む医薬組成物。
  17. 【請求項17】 蛋白質キナーゼの触媒活性を調節する方法であって,前記
    蛋白質キナーゼを請求項1記載の化合物または塩と接触させることを含む方法。
  18. 【請求項18】 前記蛋白質キナーゼは,レセプターチロシンキナーゼ,非
    レセプターチロシンキナーゼおよびセリン−トレオニンキナーゼからなる群より
    選択される,請求項17記載の方法。
  19. 【請求項19】 生物において蛋白質キナーゼ関連疾患を治療または予防す
    る方法であって,治療的有効量の請求項1記載の化合物または塩を前記生物に投
    与することを含む方法。
  20. 【請求項20】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患は,レセプターチロシンキナ
    ーゼ関連疾患,非レセプターチロシンキナーゼ関連疾患およびセリン−トレオニ
    ンキナーゼ関連疾患からなる群より選択される,請求項19記載の方法。
  21. 【請求項21】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患は,EGFR関連疾患,PD
    GFR関連疾患,IGFR関連疾患およびflk/KDR関連疾患からなる群よ
    り選択される,請求項19記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患は,扁平上皮癌,星状細胞腫
    ,カポジ肉腫,神経膠芽細胞腫,肺癌,膀胱癌,頭頚部癌,黒色種,卵巣癌,前
    立腺癌,乳癌,小細胞肺癌,神経膠腫,直腸結腸癌,尿生殖器癌および胃腸癌か
    らなる群より選択される癌である,請求項19記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記蛋白質キナーゼ関連疾患は,糖尿病,自己免疫疾患,
    過増殖疾患,再狭窄,繊維症,乾癬,フォン・ヒッペル−リンダウ症,変形性関
    節症,慢性関節リウマチ,新脈管形成,炎症性疾患,免疫疾患および心血管疾患
    からなる群より選択される,請求項19記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記生物はヒトである,請求項19記載の方法。
  25. 【請求項25】 A,B,D,E,F,G,JおよびKは炭素であり; Zは酸素であり; R1は水素であり; R2,R3,R4およびR5は,水素,非置換低級アルキル,トリハロメチル,非置
    換低級アルコキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,S−スルホンアミド,N−スルホン
    アミド,および−NR1314からなる群より選択され; nは1であり; R10またはR11の一方は,−C(=O)O-+または−(CH2rC(=O)O -+であり;および R10およびR11の他方は,水素,非置換低級アルキル,トリハロメチル,非置換
    シクロアルキル,非置換低級アルコキシ,ハロ,ニトロ,シアノ,−C(=O)
    -+,−(CH2)C(=O)O-+および−NR1314(ここで,R13およ
    びR14は,水素および非置換低級アルキルからなる群より独立して選択される)
    からなる群より選択される,請求項1記載の化合物。
  26. 【請求項26】 前記S−スルホンアミド基がN,N−ジメチルスルホンア
    ミドである,請求項25記載の化合物または塩。
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