JP2002513953A - 非線形光学材料 - Google Patents

非線形光学材料

Info

Publication number
JP2002513953A
JP2002513953A JP2000547515A JP2000547515A JP2002513953A JP 2002513953 A JP2002513953 A JP 2002513953A JP 2000547515 A JP2000547515 A JP 2000547515A JP 2000547515 A JP2000547515 A JP 2000547515A JP 2002513953 A JP2002513953 A JP 2002513953A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
hydrogen
crystal
methyl
compound
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000547515A
Other languages
English (en)
Inventor
フランシス ロバートソン クルイックシャンク
フィリップ ラングリー
ジョン ダグラス ウォリス
デイビッド パフ
ジョン ネイル シャーウッド
スティーブン ロックラン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
University of Strathclyde
Original Assignee
University of Strathclyde
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by University of Strathclyde filed Critical University of Strathclyde
Publication of JP2002513953A publication Critical patent/JP2002513953A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D213/00Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/02Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D213/04Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom
    • C07D213/60Heterocyclic compounds containing six-membered rings, not condensed with other rings, with one nitrogen atom as the only ring hetero atom and three or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members having no bond between the ring nitrogen atom and a non-ring member or having only hydrogen or carbon atoms directly attached to the ring nitrogen atom with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D213/72Nitrogen atoms
    • C07D213/73Unsubstituted amino or imino radicals

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Pyridine Compounds (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Liquid Crystal Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、二次非線形光学特性を発揮する有機結晶体に関するものであって、さらに詳しくは、前記結晶体を含有し、光学用途に使用される材料に係る。加えて、光学的特性を備えた結晶を調製するのに適した新規な化合物と、結晶を産生する方法とを開示する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 本発明は、二次非線形光学特性を発揮する有機結晶体に関するものであって、
さらに詳しくは、前記結晶体を含有し、光学用途に使用される材料に係る。
【0002】 近年、非線形光学機器に有機化合物を利用しようとする気運が高まっている。
大型の光学的非線形性をもたらすことが見込まれる有機化合物分子の性質に関す
る大まかなガイドラインは既に確立されている。例えば、そうした分子は、大き
な一次分極率を持っていなければならず、かつ、電子的に一次励起された状態で
、有意な双極子モーメントを持っていなければならない。有機分子が配列される
結晶格子は、また、逆対称の中心を具備していてはならず、分子がキラル分子の
場合、これが保証される。これが多数の潜在的に有効な分子の合成設計をもたら
して来た。ひとたび化合物が入手できれば、マーカー縞〔PD Maker、RW Terhune
、M.Nisenhoff & CM Savage、Phys. Rev. Lett.、8、1、21(1962)参照〕及び/
又はフェーズマッチング技術〔GH Bourhill、PhD thesis、 University of Stra
thclyde、(1991)参照〕を利用して、二次テルソン〔χ(2)〕の非線形(NLO)光
学要素〔dij〕を個々に測定することができ、従って、製造された物質の有用性
を確認できる。このような方法は、しかし、結晶族の多くは幾つかのゼロでない
ijを持つという理由から、精密なカット、および、規定された幾つかの方向へ
の研磨が求められる比較的大きな結晶の成長と欠陥の特性付けが不可欠となる。
【0003】 非中心対称に結晶した有機物質は、二次的な非線形光学特性を示す。これらの
有機物質は、こうした特性を備えることにより、エレクトロニクスにおける半導
体の使用と同様に、光学用途に使用できる。近年使用されている物質には、ニオ
ブ酸リチウムのような無機物質が含まれるが、用途によっては、一定の有機物質
よりも、10〜10倍も有効性が低い。
【0004】 各種のニトロピリジン誘導体が既に調製されており、それらの第二高調波発生
(SHG)効率も、所謂、粉末テストを利用して定性的に測定されている〔R. Twie
g、A. Azema、K. Jain & YY Cheng、Chem. Phys. Lett.、92、208、(1982)参照
〕。この文献は、記載されたニトロピリジン類の多数が、光学的に非線形な材料
を調製する際の基質として利用可能であることを示唆している。しかし、光学的
特性の結晶を成長させる可能性については、これを記載していない。
【0005】 Twieg他が開示した上記ニトロピリジン類の一つ、すなわち、(−)−2−(
α−メチルベンジルアミノ)−5−ニトロピリジン〔(S)−MBANP〕は、光学的特
性の結晶に成長し、詳細に特徴付けられている〔B.K.Nayar、R.Kashyap、K.I.Wh
ite、R.T.Bailey、FR Cruickshank、 S,M.G.Guthrie、B.J.McArdle、H.Morrison
、D.Pugh、E.A.Shepherd、J.N.Sherwood & C.S.Yoon, J.Modern Optics, 35、51
1、(1988);R.T.Bailey、FR Cruickshank、S,M.G.Guthrie、B.J.McArdle、H.Mor
rison、D.Pugh、E.A.Shepherd、J.N.Sherwood & C.S.Yoon、Optics Comm.、65、
229、(1988) ;R.T.Bailey、FR Cruickshank、P.Kerkoc、D Pugh & J.N.Sherwoo
d、J.Appl.Phys.、74、3047、(1993); R.T.Bailey、FR Cruickshank、D.Pugh &
J.N.Sherwood、J.Phys.D:Appl.Phys.、26、B225、(1993);R.T.Bailey、FR Cr
uickshank、P.Kerkoc、D.Pugh & J.N.Sherwood、J.Appl.Phys.、79、602、(1995
); R.T.Bailey、FR Cruickshank、P.Kerkoc、D.Pugh & J.N.Sherwood、Appl.
Optics、34、1239、(1995);T.Kondo、F.Akase、M.Kumagai & R.Ito、Optical Re
v.、2、128、(1995)参照〕。(S)−MBANPが、その分子構造と結晶充填配列に関連
して良好な周波数二重特性(frequency doubling characteristics)を呈すること
は既に示されている。しかし、(S)−MBANPは、その加工性と安定性に難点がある
ため、商業的に有用な物質であるとは考えられていない。現在のところ、(S)−M
BANPは、例えば、文献〔R.T.Bailey、FR Cruickshank、D.Pugh & J.N.Sherwood
、Int.J.Optoelectronics、5、89、(1990) ;R.T.Bailey、FR Cruickshank、D.P
ugh & J.N.Sherwood、Acta Cryst.、A47、145、(1991)〕に記載されているよう
に、種晶を使用する溶液成長でしか、結晶成長されない。光学的特性を持つ結晶
を溶液から成長させるのが、結晶の商業的生産に最も望ましい方法であるとは、
一般的に考えられていない。さらに、(S)−MBANPの結晶を研磨して光学試料に仕
上げるには数時間を要する。これは時間の浪費に他ならない。加えて、(S)−MBA
NPは融点が比較的低い(約83℃)。こうした理由から、(S)−MBANPの結晶から
なる光学物質は、結晶の融点又はその附近の温度で不安定であり、この温度を越
えての利用には適していない。
【0006】 本発明者等の知見では、Twieg他著の文献に記載された以外の物質は、光学的
特性の結晶を産生するために成長させられたことはない。結晶を成長させること
は困難であり、熟練を必要とする。Twieg他著の文献が発表されて以来14年の
間、Twieg他が教える21種の物質中のただ1種、すなわち、(S)−MBANPしか光
学的特性の結晶を成長させることができなった事実がこれを証明している。
【0007】 本発明の目的は、上記した不都合の少なくとも幾つかを、解消及び/又は軽減
させることにある。
【0008】 本発明は、一般式(I)で示される化合物からなり、非線形光学特性を備えた
結晶体を提供する。 ここで、R1及びR4は、個別に水素又はCHから選ばれ; R2は、個別にC1〜6アルキル基、1−ヒドロキシC1〜6アルキル基及びC1〜6
ルコキシカルボニル基から選ばれ; R3は、個別に1個〜3個の環状のC1〜6アルキル基で置換された又は非置換の
アリール基から選ばれ; Yは、CH又は窒素であって; R1及びR4が水素で、R3はフェニル基であり、Yは窒素である時、R2はメチル基
でない。
【0009】 一般式(I)の化合物は、ラセミ化合物として、あるいはいずれかの対掌体と
して存在することができる。ステレオジェン中心はR2及びR3が結合している炭素
原子に存在する。
【0010】 好ましくは、R2は、メチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシカルボニル基
であり、R3は、フェニル基、C1〜6アルキル基でモノ置換されたフェニル基又は
1−ナフチル基である。
【0011】 R1が水素であり、R2がメチル基であり、Yが窒素である場合、Rは3−メチル
基であり、Rはフェニル基又はナフチル基であることが好ましく、R4が水素で
ある場合には、R3はトリル基であることが特に好ましい。
【0012】 R1及びR2がメチル基であり、R4が水素であり、Yが窒素である場合、R3はフェ
ニル基であることが特に好ましい。
【0013】 R1が水素であり、R2がメチル基であり、R3がフェニル基であり、R4が水素であ
る場合、YはCHであることが特に好ましい。
【0014】 R1及びR4が水素であり、R3がフェニル基であり、Yが窒素である場合、R2はCOO
CH3であることが特に好ましい。
【0015】 光学特性を有する結晶の調製に適した特に好ましい化合物の一群は、化合物A
〜F(下記参照)であって、これらは後述するように調製することができる。
【0016】 材料を適宜に加工する上で、本発明に係る結晶は適度な硬度を有していること
が好ましい。典型的には、本発明に係る結晶は、ブリネルスケールで少なくとも
10の硬度を備えている〔HW Hayden, WG Moffat及びJ Wulff著「材料の構造と
性質」(The Structure & Properties of Materials)、 3、 Wiley出版、ニュー
ヨーク(1965年)参照〕。本発明に係る結晶の硬度は、ブリネルスケールで少な
くとも13であることが好ましくは、少なくとも16であることがさらに好まし
い。
【0017】 ある種の光学機器ではかなりの熱を発生することがあるので,本発明に係る結
晶は、昇温下で安定性を保持していることが好ましい。好ましくは本発明の結晶
は少なくとも90℃で、より好ましくは少なくとも100℃で、さらに好ましく
は少なくとも140℃で安定する。
【0018】 望ましくは、本発明の結晶は、配向シートのような適当な基板上に塗布して、
オプトエレクロニクス回路要素用の薄手又は厚手のフィルムを得ることもできる
【0019】 従って、本発明は、オプトエレクロニクス回路要素用のフィルムを提供するも
のであって,そのフィルムは、基板上に一般式(I)の化合物からなる1個また
は複数の結晶によるシート又は層を設けて構成される。
【0020】 さらにまた、本発明は、上記したフィルムを備えた、あるいは、適正な空洞に
適切に配列させた一般式(I)の化合物の単結晶を備えたレーザーを提供する。
【0021】 本発明はまた、光学特性を備えた結晶を調製するのに適した新規な化合物を提
供し、その新規化合物は一般式(I)で示される。 ここで、R1及びR4は、個別に水素又はCHから選ばれ; R2は、個別に水素、メチル基又はメトキシカルボニル基から選ばれ、 R3は、個別にフェニル基、1−ナフチル基又は4’−CH3−C6H4から選ばれ、 YはCH又は窒素であって、 R1及びR4が水素であり、R3がフェニルであり、Yが窒素の場合、R2はメチル基
でなく、 R1が水素であり、R2及びR4がメチル基であり、Yが窒素の場合、R3はフェニル
基もしくは1−ナフチル基でない。
【0022】 本発明の特に好ましい新規化合物は、上記した化合物C、D及びEである。
【0023】 本発明に係る結晶は、溶液中で種結晶を成長させるような公知の方法で成長さ
せることができる。好ましくは、一般に知られているブリッジマン法に従って溶
融物から成長させるか、あるいは蒸気相から成長させる。化合物Aはその融点で
分解しないという利点を備えるので、ブリッジマン法でも、蒸気相法でも、その
結晶を成長させることができる。
【0024】 化合物A〜Fは、次に示す一般的な実験計画によって合成することができる。
【0025】 〔3−メチル化MBANPと、そのステレオジェン中心がフェニル基又は1−ナフチ
ル基で置換された誘導体の調製(化合物A及びB)〕 MBANPのメチル化誘導体は、対応する2−アミノピコリンをニトロ化し、ジア
ゾ化し、次いで加水分解し、さらに塩素化(POCl3)して2−クロロ−5−ニト
ロピコリンを得た後、これをトリエチルアミン及びエタノール中で(S)−α−
メチルベンジルアミンと反応させて化合物Aを調製することができ、また、(S)
−1−(1−ナフチル)エチルアミンと反応させて化合物Bを調整することがで
きる。(S)−MBANPについては、ピリジン環の多くの位置にメチル基を導入する
ことできるが、3−メチル誘導体(化合物A)だけが高結晶性であることが見出
された。メチル基の導入は、ピリジン環とニトロ基との共面性を抑制し、従って
、アミノ基の窒素原子からニトロ基への電荷移動の最適化を邪魔してこれら二つ
の基の水素結合を抑制するものと考えられる。(2−ニトロトルエン誘導体では
、ニトロ基が芳香族環と共面(同一平面)にあることができるが、そうしたこと
は滅多になく、ニトロ基と芳香族面の平均角度差は、29(3)°である〔DJA
Ridder及びH Schenk、Acta.Cryst.、B51、221,(1995)参照〕。)(S)−3−M
e−MBANP(化合物A)の対掌体純度は、キラル溶媒和化試薬の存在下に、化合物
Aの1H NMRスペクトルと、同条件下でのラセミ試料の1H NMRスペクトルとを比
較することによって確認することができる。1−ナフチル誘導体(化合物B)も
また、高結晶性であることが認められた。
【0026】 〔(S)−MBANPのN−アルキル誘導体(化合物C)の調製〕 (S)−MBANPとその3−メチル誘導体の環外窒素原子を直接アルキル化するの
に好適な方法は、エーテル合成法〔RAW Johnstone及びME Rose、Tetrahedron、3
5、2169、(1979年)参照〕で採用されるように、ジメチルスルホキシド中で過剰
のアルキルハライドと粉末の水酸化カリウムとを使用することである。メチル化
及びエチル化とも高収率であるが(例えば87%及び80%)、N−メチル−(S
)−MBANP(化合物C)だけが高結晶性である。3−Me−MBANPのN−メチル誘導体
は、低融点の固体である。
【0027】 〔フェニル環の置換基を有する(S)−MBANP誘導体(化合物D)の調製〕 この環に置換基を導入するには、対応するアセトフェノンのオキシムエーテル
を鏡像体選択的に還元する(enantioselective reduction)ことにより、適正に
置換されたキラルα−メチルベンジルアミンを合成する必要がある。本発明者等
は、ジボランとキラル助剤である(S)−2−アミノ−1,1−ジフェニル−3
−メチルブタノールを使用するイツノ法〔S Itsuno他著、J.Chem.Soc.Perkin Tr
ans.、1、2039、(1985年)参照〕を最初に試した後、上記の助剤と、ナトリウム
ホウ化水素と、ルイス酸と、ジルコニウムテトラクロライドを使用するイツノの
別法〔S Itsuno他著、J.Chem.Soc.Perkin Trans.、I、1859、(1990年)参照〕が
、より実用的であることを見出した。この方法によれば、α−メチル−4−メチ
ルベンジルアミンが74%の収率で得られ、対掌体(鏡像異性体)が80%得ら
れた。このものは4’メチル−(S)−MBANP誘導体(化合物D)に転化させるこ
とができる。
【0028】 〔化合物Eの調製〕 2−クロロ−5−ニトロピリジン及びR−フェニルグリシンメチルエステルを
、炭酸カリウムと加熱し、最終的に精製することで、黄色の針状結晶が得られる
【0029】 〔化合物Fの調製〕 α−メチルベンジルアミンと4−クロロニトロベンゼンとの反応で化合物Fが
得られ、このものは高結晶性であると認められる。
【0030】
【実施例】
以下に実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
【0031】 〔材料A〜Fの合成〕 (総説) 物質:全ての試薬及び溶剤は、特に断りがない限り、提供されたもの(オール
ドリッチ、BDH)を使用した。無水テトラヒドロフランは、ナトリウム/ベンゾ
フェノンで蒸留して得た。トリエチルアミンは、水素化カルシウムを使用した還
流蒸留で精製した。ARアセトンは、硫酸カルシウムによる乾燥蒸留によってさら
に精製し、窒素雰囲気で保管した。フラッシュカラムクロマトグラフィーは、ロ
ーン・プランケミカルズ(Rhone-Poulenc Chemicals)から提供されたソールシ
ルC 40/60-H シリカゲル(40〜60ミクロン)を使用して実施した。一方、静止相
は、オールドリッチ(Aldrich)から提供された、ブロックマングレード1と一
致する、活性化された中性又は塩基性でca.150メッシュのアルミニウム酸化物で
ある。溶離剤は、通常、ヘキサンとエチルアセテートの混合物であり、これを一
定比率で、又は、等級付け溶離(a graded elution)として使用した。
【0032】 方法:ルーチンの1H NMRスペクトルは、Joel PMX60 SI 60MHz のNMR分光計を、H及び23Cの高分解能(high resolution)スペクトルは、Jo
el JNM-GX270 FT のNMR分光計を、それぞれ270.05MHz及び67.80MHzで操作して記
録した。溶媒には特に断らない限りCDCL3を使用し、この溶媒は内部参照スルー
アウト(δTMS=0.00ppm)として、テトラメチルシランを含有する(1% V/V)。
引用した全ての結合定数Jは、ヘルツで測定した。赤外線試料は、ヌジョールマ
ル(nujol mulls)として調製した。元素分析は、ケント大学のA. Fassam氏が行
なった。低分解能EIマススペクトルは、学内備え付けの装置で記録し、低分解能
CIマススペクトルは、スウォンジー所在のウェールズ大学のEPSRC マススペク
トロメトリーサービスセンターから得た。
【0033】 注:MBANP及びそのメチル基置換誘導体に付した番号をここに示す。番号に一貫
性を持たせるため、結合位置が可変なメチル置換基(の分子全体)には、常に、 1 H及び13C NMRそれぞれについて、10-H3及び10-Cと標識付けした。この番号付け
は単純なピコリン及びベンジルアミンの前駆体にも適用され、例えば、下記に示
す3−メチル−5−ニトロピリジン−2−ワンにおいて、ピリジン環に結合した
メチル基は、10-H3及び10-Cと標識付けされ、一方、上記した(S)−(−)−α
、N−ジメチルベンジルアミンにおいて、アミノ−窒素と、キラル中心に結合し
たメチル基は、それぞれ10-H3/10-C及び9-H3/9-Cと標識付けされる。この番号
付けスタイルから逸脱する場合は、その都度、記載する。
【0034】 〔実施例1:化合物Aの合成 2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン〕 ここに記す合成法では、Hawkins及びRoeの文献に示される手順〔G.F. Hawkins 及びA.Roe、J.Org.Chem.、14、328、(1949)参照〕を採用した。 i) 3−メチル−5−ニトロピリジン−2−ワン:蒸留した2−アミノ−3−
ピコリン(オールドリッチ)(150.9g、1.40モル)を、35℃未満の温度に保って
、機械的に攪拌した濃硫酸(720 ml)溶液に滴下した。そうして得られた溶液を
−5℃に冷却し、濃硫酸と濃硝酸からなる(各105 ml)冷却されたニトロ化混合
物に、反応温度が7℃未満に保持される速度で添加した。この溶液を環境温度で
一晩放置し、30℃で1時間加温後、適量の濃硝酸(105 ml)を40℃以下の温
度でさらに添加した。この溶液をさらに1時間攪拌した後、沸騰状態が継続され
、ガスの規則的発生が継続されるような速度で、沸騰水(300 ml)に滴下した。
得られた黄色溶液に大量の氷を加え、さらに付加的な外部冷却も行なって約5℃
に急速に冷却した。ポンプを用いて溶液中の沈殿を濾過し、氷冷水(2×100 ml
)で洗浄した。沸騰水からの再結晶により3−メチル−5−ニトロピリジン−2
−ワンを淡黄色の針状結晶として得た(収量:118.9g, 55.1%)。この結晶を五
酸化リンで真空乾燥させた。
【0035】 融点:227〜228℃〔文献(G.F. Hawkins 及びA.Roe、J.Org.Chem.、14、328、(1
949))では228.5〜229.5℃〕、m/z(EI):154(M)、124、108、80及び53(
100%)、δH(270 MHz; DMSO−d6):12.56(br.s、1−H)、8.56(dg、J6,4 3.1
及びJ6,10 0.6、6−H)、8.03(dq、J4,6 3.1及びJ4,10 1.2、4−H)及び2.05(重
複したdd、J10,4 1.2及びJ10,6 0.6、10−H3); δC(270 MHz; DMSO−d6): 16
2.55(2−C)、135.64 (6−C)、 130.28 (4−C)、129.81 (5−C)、128.44 (3−C)
及び16.15 (10−C)。
【0036】 ii) 2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン:オキシ塩化リン(580 m
l)を3−メチル−5−ニトロピリジン−2−ワン(118.5g、 0.769モル)に加え
、攪拌しながら6〜8時間還流した。徐々に加熱しながら真空蒸留(1.5 mmHg)に
よって過剰のオキシ塩化リンを除去した。そうして得られた褐色の固体を砕いた
氷(約2kg)に加えて白色沈殿を得た後、ポンプを用いて濾過した。この粗生成
物をフラッシュカラムクロマトグラフィー〔シリカ、酢酸エチル及びヘキサン(
等級付け溶離で0〜20%の酢酸エチル)を使用〕で精製し、白色固体として純生
成物を溶離させた(収量:124.4g、93.0%)。これを五酸化リン上で真空乾燥し
た。
【0037】 融点:46〜47℃〔文献(G.F. Hawkins 及びA.Roe、J.Org.Chem.、14、328、(194
9))では47〜48℃〕、m/z(EI):172.7(M)、126.6(100%)、99.5及び63
.3;δH(270 MHz):9.02(dq,J6,42.8及びJ6,10 0.6、6−H)、8.39(dq、J4, 6 2.8及びJ4,10 0.8、4−H)及び2.56(重複したdd、3ライン、 J10,4 0.8及びJ1 0,6 0.6、10−H3); δC(270 MHz): 157.08(2−C)、143.43 (5−C)、142.37
(6−C)、134.23 (3−C)、133.78 (4−C)及び19.82 (10−C)。
【0038】 〔(S)−2−(α−メチルベンジルアミノ)−3−メチル−5−ニトロピリジン
(化合物A)〕 2−クロロ−3−メチル−5−ニトロピリジン(1.0モル当量)を無水エタノ
ール(クロロ化合物1 g当り5〜10 ml)に溶解させた。(S)−α−メチルベンジ
ルアミン(オールドリッチ、1.5〜2.0モル当量)と蒸留したトリエチルアミン(
1.5〜2.0モル当量)を、これに加え、得られた溶液を窒素雰囲気下に通常24〜72
時間攪拌しながら還流した。減圧下に溶媒を回転蒸発器で除去し、残渣を水及び
酢酸エチルに入れた。有機層を分離し、水性層を酢酸エチルで3回抽出して有機
層を混合し、これをブライン溶液で洗浄した。濾過して溶媒を除去した後、無水
硫酸ナトリウム上で乾燥し、橙黄色の固体を得た。溶離剤として酢酸エチル/ヘ
キサン(3:7)を使用し、シリカのフラッシュカラムクロマトグラフィーで精
製すると、黄色の結晶性固体として所望の生成物が得られた。これを五酸化リン
上で真空乾燥した。
【0039】 化合物A:エタノール/水からの再結晶で収率83.2%;融点:145〜146℃、元素
分析:実測値C、65.41%;H、5.83%;N、16.43%;C14H25N3O2からの計算値C、65.
39%:H、5.88%;N、16.34%;m/z(CI):258[100%、(M+H)]、228;IR(Vmax / cm-1):3398(m、N−H str.)、1597(s)、1520(s)、1124(s)及び702(m);δH(2
70 MHz):8.91(d、J6,4 2.6、6−H)、7.99(dq、J4,6 2.6及びJ4,10 0.8、4−H
)、7.39〜7.25(m、Ar−H5)、5.51(クウィンテット、J8,9 6.9及びJ8,7 6.6、8
−H)、5.11(br.d、J7,8 6. 6、N−H)、2.17(s、10−H3)及び1.63(d、J9,8 6.9、9−H3);δ(270 MHz):158.84(2−C)、144.47 (1’−C)、 143.53 (6
−C)、135.86、131.48 (4−、5−C)、128.78 (3’−、5’−C)、127.51 (4’−C
)、126.16 (2’−、6’−C)、115.79(3−C)、50.81 (8−C)、22.28 (9−C)及び1
6.75 (10−C)。
【0040】 〔実施例2:化合物Bの合成 (S)−2−[1−(1−ナフチル)エチルアミン]−3−メチル−5−ニトロピ
リジン〕 エタノール中に(S)−1−(1−ナフチル)エチルアミン(オールドリッチ
、1モル当量)と、2−クロロ−3−メチルピリジン(1モル当量)と、トリエ
チルアミン(1.5モル当量)とを用いた以外は化合物Aと同じ手順で合成及び精
製を行い、黄橙色の固体を得た。エタノール/水から再結晶させた化合物Bの収
率は74.1%であった。融点:126〜128℃;元素分析:実測値C、70.30%;H、5.65
%;N、13.59%;C19H17N3O2からの計算値C、70.34%;H、5.58%;N、13.67%;m/z
(EI):307(M)、180[100%、(M−Nph)]、170(M−NphCHMeNH+)、155(M−
NphCHMe+)及び127(Nph);IR(Vmax/cm−1):3409(m)、3384.4(m)、1597(s
)、1113(m)、791(m)及び766(m);δH(270 MHz):8.98(d, J6,4 2.6、6−H)、8
.08〜8.04(m、1H、ナフチル)、7.98(dd、J4,6 2.6及びJ4,10 1.0、4−H)、7.89
〜7.79(m、2H、ナフチル)、7.58〜7.43(m、4H、ナフチル)、6.30(クウィンテッ
ト、J8,9 6.7及びJ8,7 7.0、 8−H)、5.14(br.d、J7.9 7.0、7-H)、 2.07(s, 1
0−H3)及び1.78(d、J9,8 6.7、9−H3);δ(270 MHz):158.53(2−C)、144.55
(6−C)、138.55、 135.79、133.98、131.47、131.17、128.88、128.40、126.50
、125.85、 125.26、123.17及び122.45(4−、5−C及び全てのナフチルC)、 115.
83(3−C)、46.86(8−C)、20.93(9−C)及び16.69(10−C)。
【0041】 〔実施例3:化合物Cの合成 (S)−MBANP〕 この公知物質は、化合物Aにおいて記載した方法を使用して、エタノール及び
トリエチルアミン中の2−クロロ−5−ニトロピリジン及び(S)−α−メチル
ベンジルアミンから調製した。
【0042】 〔(S)−2−(N−メチル−α−メチルベンジルアミノ)−5−ニトロピリジン
(化合物C)〕 砕いた水酸化カリウムのペレット(4モル当量)をジメチルスルホキシド(KO
H 1g当り10 ml)に加え、5分間格別水分を除去することなく攪拌した。これに
(S)−MBANP(1モル当量)を一度に加え、得られた橙赤色溶液をさらに10分
間攪拌した。これにヨウ化メタン(1.2モル当量)を加え、さらに1〜4時間
攪拌を続けた。そうして得られた暗濃赤色溶液を水(生成物0.1モル当り1.
2リットル)に加え、ジクロロメタンで抽出した(生成物0.1モル当り500 ml
で4回)。複合有機質のエキストラクトを蒸留水で洗浄し(生成物0.1モル当
り500 mlで3回)、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過して溶媒を除去するこ
とで、粘り気のある褐色のオイルを得た。このものは冷却すると徐々に結晶化す
る。ヘキサン/酢酸エチル(7:3)で溶離させるシリカクロマトグラフィーに
より、特徴ある黄橙色の固体が得られた。これを五酸化リン上で真空乾燥した。
【0043】 メタノールから再結晶させた化合物Cの収率は87.0%であった。 融点:98〜100℃、元素分析:実測値C、65.12%;H、5.89%;N、16.44%; C14H15N3O2からの計算値C、65.39%;H、5.88%;N、16.34%;m/z(CI):258[10
0%、(M+H)]及び228; IR(Vmax/cm−1):1595(s)、 1568(s)、1109(s)、76
6(s)、698(s);δ(270 MHz):9.09(d、J6,4 2.7、 6−H)、8.21(dd、J4,3 9
.3及びJ4,6 2.7、4−H)、7.38〜7.25(m、Ar−H5)、6.48(d、J3,4 9.3、3−H)、6
.35(br.クウィンテット、8−H)、2.83(s、 N−CH3)及び1.61(d、J9,8 7.1、9−H 3 );δ(270 MHz):160.67(2−C)、146.51 (6−C)、140.43(1’−C)、134.90
、132.94(4−、5−C)、128.61(3’−、5’−C)、127.46(4’−C)、126.86(2’−
、6’−C)、104.23(3−C)、53.10(8−C)、30.91(10−C)、16.16(9−C)。
【0044】 〔実施例4:化合物Dの合成 (S)−2−(α−4’−ジメチルベンジルアミノ)−5−ニトロピリジン〕 (S)−α、4−ジメチルベンジルアミン(1.70 g、12.6 mmol)と、2−クロロ−
5−ニトロ−ピリジン(2.00 g、12.6 mmol)と、トリエチルアミン(1.92 g、19 m
mol)を、還流するエタノール(20 ml)中で、化合物Aについてと同様に反応させて
粗生成物を得た後、ヘキサン/ジエチルエーテル(1:1)で溶離させるシリカ
クロマトグラフィーで精製した。
【0045】 イソオクタン/トルエン(3:1)から再結晶させた化合物Dの収率は84.
2%である。融点:106〜108℃、m/z(EI)258(M+H)、 243[(M+H)−Me+]、
119.5(100%)及び91;IR(Vmax/ cm−1):3369(s、シャープN−H str.)、3220(m
、ブロードN−H str.)、3051(w、arom. C−H str.)、1602(s)、1585(s)、1577(s
)、1525(m、conj. C−NO2 str.)、 1492.6(s)、1328.7(s、conj. C−NO2 str
)及び1290(s); δ(270 MHz):8.95(d、J6,4 2.7、6−H)、8.09(dd、J4, 3 9.3及びJ4,6 2.7、4−H)、 7.23(微細分割のd、J2’, 3’−6’,8’ 8.1、2
’−、6’−H)、7.16(微細分割のd、J3’,2’−5’,6’8.1、3’−、5’−H)、6
.23(d、J3,4 9.3、3−H)、6.02〜5.97(br.s、 N−H)、4.90〜4.84(m、“br.s”
、8−H)、2.33(s、10−H3)及び1.59(d、 J9,8 6.7、9−H3);δ(270 MHz):
160.51(2−C)、146.77 (6−C)、 139.75(1’−C)、137.36、135.90及び133.00(4
−、4’−5−C)、129.58(3’−、5’−C)、125.68(2’−、6’−C)、105.49(3
‐C), 51.86(8−C)、23.51(9−C)及び21.04(10−C)。
【0046】 〔実施例5:化合物Eの合成 2−(5’−ニトロピリジル−2’−アミノ)−2−フェニルエタン酸メチルエ
ステル〕 2−クロロ−5−ニトロピリジン(5.09 g、32.1 mmol)と、R−フェニルグリ
シンメチルエステル(6.9 g、48.1 mmol)と、炭酸カリウム(8.9 g、64.5 mmol
)とを、THF(100 ml)中で窒素雰囲気下に3日間60℃に加熱し、次いで65
℃でさらに3日間、そして最後に70℃で14時間加熱した。溶媒を除去し、残
渣をジクロロエタンと水との間で分配させた。有機層を分離し、水で2回以上洗
浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。シリカクロマトグラフィーを使用して、
生成物をヘキサン/酢酸エチル(7:3)で 溶離して精製したところ、黄色の
固体が得られた。これを再結晶させると(エタノール/水)、僅かに黄色の針状
結晶が得られた(4.02 g、43.6%)。融点:139.5〜140.5℃、元素分析:実測値C
:58.1%、H:4.5%、N:14.5%、C14H13N3O4からの計算値C:58.5%、H:4.6%、N:
14.6%、δH:(270 MHz、CDCl3):3.75(3H、 s、OCH3)、5.68(1H、br d、2−H)
、6.44(2H、br s及びd重複したN−H及び3’−H)、7.37(5H、m、C6H5)、8.12(1H
、dd、J3,4 9.1、J4,6 2.7 Hz、4’−H)、8.97(1H、d、J4,6 2.7 Hz、6’−H)、
δC(67.8 MHz、CDCl3):53.0 CH3、58.5 2−C、107.5 3’−C、127.3、128.8
、129.1及び136.6 C6H5、132.7 4’−C、136.1 5’−C、146.5 6’−C、159.4
2’−C、171.4 C=O、 IR 3402、3336、1736、1606、1576、1522、1340、1296、1
216、1170、1112、cm−1
【0047】 〔実施例6:化合物Fの合成 (S)−4−(α−メチルベンジルアミノ)ニトロベンゼン〕 この物質は、H.E. Smith, W.I.Cozart, T.de Paulis及びF.M.Chenの方法(J.
Amer. Chem. Soc.,101, 5186(1979)参照)によって調製した。4−フルオロニト
ロベンゼン(オールドリッチ、1.11 g、7.9 mmol)と、(S)−α−メチルベンジ
ルアミン(2.61 g、21.5 mmol)をジメチルスフホキシド(15 ml)に溶解し、5
0℃に24時間加熱した。この溶液を水(150 ml)で希釈し、生成した黄色の沈
殿をポンプで濾過した。この固体をジクロロメタン(150 ml)に入れ、ブライン
溶液で洗浄した(50 mlで2回)。有機層を無水炭酸ナトリウムで入念に乾燥さ
せて濾過し、溶液を少量になるまで濃縮させた。生成物をシリカのフラッシュカ
ラムクロマトグラフィー(等級付け溶離、ジエチルエーテル/石油スピリット30
〜40°、ジエチルエーテル30〜50%)で精製し、黄色のオイルを得た。このもの
は冷却により極めて徐々に結晶化した。この結晶を高真空下で数時間乾燥させた
。化合物Fは、89.9%、融点:66〜68℃〔上記の文献J. Amer. Chem. Soc.,101,
5186(1979)所載の融点は、68〜70℃〕;元素分析:実測値C、69.59%;H、5.85%
;N、11.09%。C14H14N2O2からの計算値:C、69.45%;H、5.83%;N、11.57%;m
/z(CI)260 [(M+H) + NH3]、243(M+H)、213[100%、{(M+H) − NO}]
、156及び109;IR(Vmax/ cm−1):3402(m、N−H str.)、3082〜3020(w, アリ
ルC−H str.)、1602(s)、1106.9(s)、839(s)、752.1(m)、696(s)及び 665(m);
δH(270 MHz):7.96(微細分割のd、J2,3〜5,6 9.2、2−、6−H)、 7.32〜7.1
9(m, 2’−、3’−、4’−、5’−、6’−H)、6.45(微細分割のd、J2,3〜5,6 9
.2、1−、3−H)、5.14(br.d、J7,8 5.5、N−H)、4.56(クインテット、 J8,9 6.6
及びJ8,7 5.5、8−H)及び1.55(d、J9,8 6.6、9−H3);δ(270 MHz):152.5
8(4−C)、143.41(1’−C)、137.92(1−C)、128.93(3’−、5’−C)、127.44(4’
−C)、126.21(2’‐6’−C)、125.65(2−、6−C)、111.90(3−、5−C)、53.31(8
−C)及び24.41(9−C)。
【0048】 〔実施例7:周波数倍加ポテンシャルのスクリーニングと結晶構造の測定〕 〔粉末テスト結果〕 粉末テストは、Bailey他が記したプロトコル〔R.T.Bailey, S. Blaney, FR Cr
uickshank, S.M.G. Guthrie, D.Pugh及びJ.N.Sherwood, Appl. Phys., B45, 352
(1988)参照〕に従い、1064 nm(Nd:YAG レーザー)で行なった。その結果を表1に
示す。粉末テストは、大型結晶に成長させた場合に、この物質の有用性を示す指
標として使用できる初期の質的結果を提供するものである。
【0049】
【表1】
【0050】 表1に示す結果と、各化合物の結晶性を勘案して、非線形光学結晶を形成する
のに適する最も有望な化合物は、(S)−MBANPの3−メチル誘導体、N−メチル誘
導体及び4’−メチル誘導体であった。1−ナフチル誘導体、すなわち、化合物
Bも粉末テストで極めて高い値を示した。このことから当該化合物は、フェーズ
マッチング(phase matching)であるばかりでなく、基準波長1064nmでのフェ
ーズマッチングに関し、角度が非臨界的であることが想像される。このことは、
この波長のレーザ光線において様々な角度で微結晶が配向することで確認されて
いる。角度が非臨界的なフェーズマッチングは、(S)−MBANPの3−メチル誘導体
(化合物A)が、Y−誘電軸の周りを回転することから、基準波長950nmと予想
されていた。これは、劈開面(001)がY−誘電軸に関して回転することで確
認されている。
【0051】 (X−回折結果) (S)−MBANPの3−メチル誘導体、N−メチル誘導体及び4’−メチル誘導体(
化合物A、C及びD)の結晶構造を得て、その結晶格子のパッキングパターンを、(
S)−MBANPのそれと対比し、電荷移動軸の配向を測定した(P2及びP222のスペー
ス群については、分子軸に対して54.4°で最適化した〔J.Zyss及びJL Oudar
著、Phys.Rev.、A26、 2028(1982)〕。3−メチル−(S)−MBANP(化合物A)にお
けるパッキングは、(S)−MBANPのそれと関連することが確認された。しかし、N
−メチル−(S)−MBANP(化合物C)におけるパッキングは、N−H………Oが水素結
合する可能性がないため、上記の場合と全く異なり、4’−メチル− (S)−MBAN
P(化合物D)におけるパッキングも全く相違する。後者の化合物は、三つの独立
性の強い分子を含み、うち二つは互いに水素結合するので、置換ピリジン環の電
荷移動軸は、ほぼ対称中心に関する。この理由から、3−メチル誘導体及びN−
メチル誘導体が、結晶成長の研究課題に最初に選ばれた。さらに、CNDO/Sを使用
する計算〔JO Morley、P.Pavlides及びD.Pugh著、Int. J. Quantum Chem.、43、
7(1992)〕によれば、MBANPの電荷移動軸に沿った分子の偏光率は、3−メチル基
の導入では不変であるが、N−メチル基の導入によって約50%増加し、メチル
基が4’−位にあると、25〜40%減少する。
【0052】 (3−メチル−(S)−MBANP(化合物A)の結晶構造) 3−メチル基の導入にもかかわらず、分子配座は(S)−MBANPのそれと同様であ
る。分子はN−H……….O(NO)の接触(2.20Å)によって、互いにリボン状に水
素結合し、互いに整列して(S)−MBANPと同様に層を形成する。しかし、後者がAB
AB層構造(スペース群P21)を形成するのに対して、3−メチル誘導体はABCDABC
D構造(スペース群P212121、ユニットセルが長さ方向に2倍)を形成する。ABと
CDの界面(図1参照)は、(S)−MBANPに関してはフェニル環の抱き合わせを包含
しているが、BC界面及びAD界面では、アミノ−ニトロピリジンの電荷移動軸の相
互配向が、(S)−MBANP(図2b参照)に比較して逆になっている(図2a参照)。
【0053】 これが起こる理由は、結晶性の(S)−MBANPに存在する3−C−H……O(NO2)水
素結合が、3−メチル基の導入によってブロックされるためである。これは4−
C−H……O(NO2)水素結合で置換される(2.40Å)。電荷移動軸は、極性結
晶軸((S)−MBANPでは33.2°)に対して30.1°の角度にある。ラセミ体であ
る3−メチル−MBANPの溶液から形成される結晶は、鏡像異性体の1:1混合物
を含有し、ラセミ体MBANP〔T. Kondo、F.Akase、M.Kumagai及びR.Ito著 Opt.Rev
.、2、128(1995)参照〕とは相違して、中心対称パッキング配置をとる。ラセミ
体MBANPで観測される配座タイプは、化合物Aでは余分なメチル基の大きさによっ
て妨害されている。
【0054】 (N−Me−(S)−MBANP(化合物C)の結晶構造) N−メチル基の付加は、アミノ基の窒素原子とステレオジェン中心との間の結
合について、配座を変化させる。(S)−MBANPに比較して、当該結合は約60°回
転しているため、二つのメチル基は互いにゴーシュであって、ステレオジェン中
心に結合した水素原子は、ピリジンの窒素原子近くにある。非対称ユニットには
独立性の強い分子が2個存在し(図3参照)、うち一方の電荷移動軸は、固有の
単斜軸に対して垂直に近く(80.7°)、他方のそれは、65.7°(最適値は
54.7°)にある。
【0055】 (4’−Me− (S)−MBANP(化合物D)の結晶構造) 当該化合物の特異なパッキング配置は、結晶パッキングの予測方法を開発する
ことがいかに困難であるかを際立たせている。結晶学的に特異な3個の分子のう
ち2つは、ステレオジェン中心がピリジンの窒素原子に対してアンチペリプラナ
ー(antiperiplanar)であるラセミ体(S)−MBANPの配座をとる。こうした配
置により、これら分子の2つのアミジンユニットが2個の水素結合N−H………N
によって連結される結果、逆平行の電荷移動軸を持つことになる(図4参照)。
【0056】 〔実施例8:(S)−3−Me−MBANP(化合物A)及び(S)−N−Me−MBANP(化合物C
)の大規模合成と結晶成長〕 〔(S)−3−Me−MBANP(化合物A)〕 (合成) この物質(>600g)は、約200gのバッチを4回繰り返して合成した。反
応のスケールアップが制限されたのは、取り扱いに安全を要する試薬を使用した
ためである。約60gのシリカと溶離剤にジクロロメタンを使用する大規模な連
続カラムクロマトグラフィーにて、粗製の最終生成物を未反応のクロロピリジン
から分離した。再結晶で同様なクロマトグラフ特性を有する少量の不純物を除去
した。
【0057】 (結晶成長) 三つの方法が採用された。 a) アセトン(500 cm3)に化合物A(69 g)を加えた飽和溶液を、結晶成長用
フラスコに収めて34℃の水浴にセットし、均衡するまで溶液を攪拌した。化合
物Aの種晶を溶液に加え、(001)面を水平に懸垂した。温度を一日当り0.8℃
低下させた。この方法により、40×30×30mmの結晶が得られた。化合物Aの最も
完成度の高い結晶はこの手法によって得られ、結晶の品位は薄型白色光シンクロ
トロン放射技術によって査定された。
【0058】 b) 長さ15インチ、直径1インチのガラスチューブに、化合物A(1g)が入った
ボトルを収容した。このチューブを脱気して密封し、これを炉内に収め、温度勾
配142℃〜132℃で処理した。これにより、後者の温域で、直径数mmの良質な板状
結晶が得られた。この際の蒸気の発生は、商業的にかなり興味のあるものである
【0059】 c) 標準的なブリッジマン炉内において、153〜157℃(シクロヘキサン沸騰)
から138〜139℃(m−キシレン沸騰)の範囲の温度勾配で当該物質を成長させた
。0.5 mm hr―1のゆっくりした速度で、直径1cm、長さ6cmの高品質な単結晶が
得られた。偏光顕微鏡で完全減衰を観察することで、結晶の品質を評価した。
【0060】 〔(S)−N−Me−MBANP(化合物C)〕 (合成) (S)−MBANPからこの化合物をワンステップで合成する方法を、当該化合物が全
量で500g調製できるようスケールアップした。連続クロマトグラフィーは実
用的でないので、大規模なフラッシュクロマトグラフィーを使用し、続いて再結
晶を行なった。
【0061】 (結晶成長) アセトン(250 cm3)に化合物C(77 g)を加えた溶液を、結晶成長用フラスコ
に収めて30℃の水浴にセットし、平衡になるまで溶液を攪拌した。無制御の溶
媒蒸発(ヘキサン)によって成長させた化合物Cの長い針状の種晶を、アセトン
溶液中に垂直に懸垂させ、温度を一日当り0.5℃低下させた。これにより、使
用した種晶の長さによって制御された寸法の完成度の高い結晶が得られた。その
寸法は、典型的には、30×20×10mm3であった。結晶の品位は薄型白色光シンク
ロトロン放射技術によって査定された。
【0062】 〔実施例9:(S)−3−メチル−MBANP(化合物A)の光学的性質〕 (分光) アセトンに溶かした4×10−6 M溶液のスペクトルは、遷移のバンド中心が
370nmであることを示した。厚さ約4mmの単結晶を磨いたスペクトルは、X、Y
及びZの各誘電軸に平行に入射光が分極することを示した。これらの軸に対する
吸収端(光学密度0.1での変化として定義される)は、それぞれ465,500及び4
80 nmであることが見出された。吸収端の定義がどちらかと言えば恣意的である
ことを考慮すると、上記の値は実際上等しい。ジクロロメタン溶液中での比旋光
度は、191°dm−1cmg−1であって、(S)−MBANPのそれ(239°dm−1cmg )に近似している。
【0063】 (屈折率) 波長の関数として屈折率を測定して得られるセルマイヤー(Sellmeier)曲線は
、nx、、n及びnにおける主屈折率がそれぞれ±2.5×10−3、±2
.9×10−3及び±5.1×10−3以内であることを予測させる。セルマイ
ヤー係数を表2に示す。
【0064】
【表2】
【0065】 セルマイヤー曲線からは、基準波長1064 nmでの屈折率を導き出すことができ
るが、第二高調波である532 nmの屈折率を表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】 屈折率の値は、フェーズマッチング位置がホブデンのクラス8(Hobden’s cl
ass 8)〔MV Hobden著、J. Appl. Phys.、38、4365(1967)参照〕にあることを示
している。nの値が比較的高いのは、分子が単位格子内に配向していることで
説明することができる。分子の電荷移動軸は、他の二軸に比較して、Y誘電軸で
より小さい角度となる(30.8°)。屈折率の精度は、タイプIのフェーズマッチ
ングについて計算された入射角との差異が、約±0.003であることから確認
されている。適合性の程度を表4に示す。
【0068】
【表4】
【0069】 マーカフリンジ(Maker fringe)は、(107)試料から得た。ゼロ以外の最小
値は、表面の不完全性と背景のフェースマッチングが組合わさったためのもので
ある(図5参照)
【0070】 フェーズマッチグ位置は図6に示され、タイプIだけが基準波長1064 nmで可
能である。
【0071】 図7に示すように、この物質は、角度及び波長が比臨界的にフェーズマッチン
グ可能であることが分かる。
【0072】 マーカフリンジ外被について、d25の値を測定してところ、その値は22 pm
V−1であった。残留フェーズマッチ信号によって妨害されているため、上記の
マーカフリンジからd14の値を測定することはできなかった。一方、Y−Z誘電面
がフェーズマッチング位置と交差するところで観察されるフェーズマッチ信号の
較差から求めたd14の値は、49pm V−1であった。これらの値を、(S)−MBANP
について得た最大値(d22=40〜50pm V−1)及びラセミ体MBANPについて
得た最大値(d31=6.8pm V−1)と比較した。フェーズマッチング強度から
求めたd36の値は、23 pm V−1であった。ラセミ体MBANPについての最近の研
究〔T.Kondo、F. Akase、M.Kumagai 及びR.Ito著、 Opt. Rev.、2、128(1995)
参照〕によれば、調査中の結晶のdijを充分な精度で予測するのに、配向した
ガスモデルが利用できるとしている。分子β(26.15 cm esu)の値をd25の値
から算出すると、d14について33.2pm V−1の値が得られ、この値は、上記
のように測定した49pm V−1の値と許容範囲で符合する。
【0073】 (梗概) (S)−3−メチル−MBANPの結晶は、波長が1200〜2000 nmで被臨界的にフェー
ズマッチング可能であり、角度が950 nmでフェーズマッチング可能である。この
物質の加工適性は、MBANPのそれより格段に優れている。結晶の成長がより速く
、結晶がより硬く、さらに、光学的にフラットに研磨するのも容易である。例え
ば、(S)−MBANPの表面研磨には多くの時間を要するのに対し、本物質の表面研磨
は約45分ですむ。この物質の熱安定性が高いことは、代替戦略として、蒸気か
らの結晶成長を可能にする。実際に、蒸気からの結晶成長は、基板上に結晶を析
出させ、オプトエレクトロニクス回路用の薄い又は厚いフィルムを形成させる方
法の採用を可能にするので、商業的に極めて重要である。非線形光学特性は、波
長及び角度が非臨界的にフェーズマッチングするという利点を備えている(例え
ば、523 nmでの強度は、石英のd11からの最初のマーカフリンジの1.38×108
である)。さらに、化合物Aの性能指数(d2/n3で表示される)は、46pm2 V −2 と測定された。これは化合物Aの光学用途への潜在的有用性を示すものに他な
らない。
【0074】 〔実施例10:(S)−N−メチル−MBANP(化合物C)の光学的特性〕 (分光) 厚さ約4mmの研磨した単結晶のスペクトルは、X、Y及びZ誘電軸に対し入射光
が平行に偏波することが認められた。上記誘電軸についての吸収端(光学密度が
0.1変化することで定義される)は、それぞれ510、530及び640 nmであること
が認められた。吸収端の定義が恣意的であることを考慮すると、X及びY誘電軸に
ついての値は、実質上、等しい。Z誘電軸についての値が大きいのは、nZの屈折
率が、最も大きいことと符合する。ジクロロメタン溶液中での比旋光度は、512
°dm−1cmg−1であって、(S)−MBANPのそれ(239°dm−1cmg−1)より
かなり高い。
【0075】 (屈折率) 波長の関数として屈折率を測定して得られるセルマイヤー曲線は、主屈折率が
X、ny及びnZに関して、それぞれ、±2×10−3、±1×10−2及び±8
×10−3であることを予測させる。セルマイヤー係数を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】 セルマイヤー曲線からは、基本波長1064 nmでの屈折率を導き出すことができ
るが、第二高波長532 nmでの屈折率を表6に示す。
【0078】
【表6】
【0079】 屈折率の値は、フェーズマッチング位置がホブデンのクラス2〔MV Hobden、J
. Appl. Phys.、38、4365(1967)参照〕にあることを示している。nZの値が比較
的高いのは、分子が単位格子内に配向していることで説明できる。分子のパッキ
ングダイアグラムは、(010)面に投影して図8に示す。
【0080】 図から明らかなように、そこには非常にはっきりした分子軸が認められ、事実
、計算された合成電荷移動軸は、C軸に対し40.13°にある。このことは、観測さ
れたZ誘電軸とほぼ正確に一致する共に、屈折率nZが大きい理由であり、なぜ屈
折率nXが最小の屈折率であるかの理由を説明している。
【0081】 Y軸に関する(100)面の回転でもたらされる通常の入射において、マーカ
フリンジ外皮の値から得られたd22を図9に示す。
【0082】 フェーズマッチング位置を図10に示す。タイプI及びIIの両方とも、基本波
長1064 nmで可能である。
【0083】 この物質は、図11に示すように、角度ではなく、波長が非臨界的にフェーズ
マッチングできる。
【0084】 マーカフリンジとフェーズマッチング強度とを組み合わせて分析することで、
誘電軸セットに関連するχ(2)の全ての要素を測定できた。その結果を以下に示
す。
【0085】 このテルソンの圧電軸への変換から、化合物Aには有効であったクライマン(Kl
einman)[A Yariv、『量子エレクトロニクス』” Quantum Electronics” 2nd Ed
.、J. Wiley & Sons, Inc.NY.、(1975)]の推測が、化合物Cには完全に無効で
あることが明らかである。これら両物質においてdijの共鳴の程度に高低がある
ことを考慮すると、クライマンの推測が当て嵌まらないことは意外ではないが、
関係するdijの不均等度は、驚くべきものがある。
【0086】 (梗概) (S)−N−メチル−MBANPの結晶は、波長が1000〜1200 nmで非被臨界的にフェー
ズマッチング可能であることを示してきた。この物質の結晶成長はより速く、結
晶はより硬く、光学的にフラットに研磨するのも(S)−MBANPより容易である。
【0087】 (誘電軸の波長分散) この現象は比較的稀であって、単斜晶系及び三斜晶系の結晶でのみ観察される
。従って、化合物Cについてのみ検査した。ラウェ法で決定される(010)面
に正確に平行に、高品位結晶をカットした。鉱物学者用顕微鏡の交差した偏光子
間に置いた結晶に多色光を当て、結晶学的なb軸に沿って観察したところ、結晶
を回転させても色は認められなかった。従って、この物質における誘電軸の波長
分散が、有意な程度で起こることはない。これは、モノクロメーターで選択され
る一連の孤立した波長において、Z誘電軸と結晶学的なC軸との間の角度を測定す
ることでさらに確認された。こうして得られた値は44°であって、実験誤差の
範囲内で一定であった。
【手続補正書】特許協力条約第34条補正の翻訳文提出書
【提出日】平成12年6月10日(2000.6.10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ラングリー フィリップ イギリス シーエフ42 5エスジー ミッ ド グラモーガン、 ロンダ、 トレオル キー、 ブレインロンダ、 ブルックスト リート 8 (72)発明者 ウォリス ジョン ダグラス イギリス シーティー2 7アールイー カンタベリー、 ケンシングガーデンズ 24 (72)発明者 パフ デイビッド イギリス ジー62 7エルエス ミルンゲ イビ、 クローバーロード 133 (72)発明者 シャーウッド ジョン ネイル イギリス ジー62 7エルビー ミルンゲ イビ、 ブラックウッドロード 23 (72)発明者 ロックラン スティーブン イギリス ジー1 1キューイー グラス ゴー、 ジョージストリート 50 Fターム(参考) 2K002 AB12 BA01 CA05 FA14 HA20 4C055 AA01 BA02 BA52 BB02 CA03 CA06 CA51 DA01 4H006 AA01 AB92

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)の化合物からなる光学的特性を備えた1個また
    は複数の非線形結晶。 ここで、R1及びR4は、個別に水素およびCH3から選ばれ; R2は、個別にC1〜6アルキル基、1−ヒドロキシC1〜6アルキル基及びC1〜6
    ルコキシカルボニル基から選ばれ; R3は、個別に1個〜3個の環状C1〜6アルキル基で置換された又は非置換のア
    リール基から選ばれ; Yは、CH又は窒素であって; R1及びR4が水素であり、R3はフェニル基であり、Yは窒素である場合、R2はメ
    チル基でない化合物。
  2. 【請求項2】 上記のR2がメチル基、ヒドロキシメチル基又はメトキシカル
    ボニル基である請求項1に記載の光学的特性を備えた非線形結晶。
  3. 【請求項3】 上記のR3がフェニル基、C1〜6アルキル基でモノ置換された
    フェニル基又は1−ナフチル基である請求項1又は2に記載の光学的特性を備え
    た非線形結晶。
  4. 【請求項4】 上記のR1が水素であり、R2がメチル基であり、Yが窒素であ
    る時に、R4が3−メチル基、R3がフェニル基又はナフチル基であるか、あるいは
    、R4が水素、R3がトリル基である請求項3に記載の光学的特性を備えた非線形結
    晶。
  5. 【請求項5】 上記のR1及びR2がメチル基であり、R4が水素であり、Yが窒
    素であり、R3がフェニル基である請求項3に記載の光学的特性を備えた非線形結
    晶。
  6. 【請求項6】 R1が水素であり、R2がメチル基であり、R3がフェニル基であ
    り、R4が水素であり、YがCHである請求項3に記載の光学的特性を備えた非線形
    結晶。
  7. 【請求項7】 R1及びR4が水素であり、R3がフェニル基であり、Yが窒素で
    あり、R2がCOOCH3である請求項3に記載の光学的特性を備えた非線形結晶。
  8. 【請求項8】 ブリネルスケールで少なくとも10の硬度を有する前記請求
    項の何れかに記載の光学的特性を備えた非線形結晶。
  9. 【請求項9】 少なくとも90℃の温度で結晶が安定している前記請求項の
    何れかに記載の光学的特性を備えた非線形結晶。
  10. 【請求項10】 前記請求項の何れかに記載の結晶の層又はシートを、基質
    上に形成させてなるオプトエレクトロニクス回路用フィルム。
  11. 【請求項11】 前記請求項の何れかに記載のフィルムまたは単結晶を適正
    な空洞に適宜配列させてなるレーザー。
  12. 【請求項12】 光学的特性を備えた結晶の調製に使用する一般式(I)の
    化合物。 ここで、R1及びR4は、個別に水素又はCH3から選ばれ; R2は、個別に水素、メチル基又はメトキシカルボニル基から選ばれ; R3は、個別にフェニル基、1−ナフチル基又は4’−CH3−C6H4から選ばれ; YはCH又は窒素であって、 R1及びR4が水素であり、R3がフェニルであり、Yが窒素の場合、R2はメチル基
    でなく、かつ、R1が水素であり、R2及びR4がメチル基であり、Yが窒素の場合、R 3 はフェニル基又は1−ナフチル基でない化合物。
  13. 【請求項13】 結晶をブリッジマン法により溶融体から成長させるか、あ
    るいは蒸気相から成長させる請求項1〜9の何れかに記載の結晶の調製方法。
JP2000547515A 1998-04-30 1999-04-30 非線形光学材料 Pending JP2002513953A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
GBGB9809118.4A GB9809118D0 (en) 1998-04-30 1998-04-30 Non- linear optical materials
GB9809118.4 1998-04-30
PCT/GB1999/001174 WO1999057604A1 (en) 1998-04-30 1999-04-30 Non-linear optical materials

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002513953A true JP2002513953A (ja) 2002-05-14

Family

ID=10831160

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000547515A Pending JP2002513953A (ja) 1998-04-30 1999-04-30 非線形光学材料

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2002513953A (ja)
GB (2) GB9809118D0 (ja)
WO (1) WO1999057604A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011256148A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Furukawa Co Ltd 有機単結晶の形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011256148A (ja) * 2010-06-11 2011-12-22 Furukawa Co Ltd 有機単結晶の形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO1999057604A1 (en) 1999-11-11
GB0026047D0 (en) 2000-12-13
GB9809118D0 (en) 1998-07-01
GB2353036A (en) 2001-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ramkumar et al. Synthesis, single crystal growth, characterization and comparison of two new enone shifted chalcones and their NLO behaviour
Ramesh Babu et al. Growth and characterization of L‐lysine monohydrochloride dihydrate (L‐LMHCl) single crystal
Fundamensky et al. Ionic liquids based on triethanolammonium salts of dicarboxylic acids (oxalic, malonic, succinic). Crystal structure and cation-anion interaction
Muthu et al. Crystal growth, structure and characterization of p-Toluidinium picrate
Xu et al. Crystal structure and characterization of a novel organic nonlinear optical crystal: L-arginine trifluoroacetate
Centore et al. A series of compounds forming polar crystals and showing single-crystal-to-single-crystal transitions between polar phases
US4622409A (en) N-(4-nitrophenyl)-2-(hydroxymethyl)-pyrrolidine and deuterated derivatives thereof
Menezes et al. Crucial role of molecular planarity on the second order nonlinear optical property of pyridine based chalcone single crystals
Manjunath et al. Growth, characterization, crystal and molecular structure studies of 1-(2′-thiophen)-3-(2, 3, 5-trichlorophenyl)-2-propen-1-one
Vijay et al. Growth, structural, optical and thermal properties of potential THz material: N, N-dimethylamino-N′-methylstilbazolium 4-styrenesulphonate
Margaret Polymorphic characterization and structural comparisons of the non-linear optically active and inactive forms of two polymorphs of 1, 3-bis (m-nitrophenyl) urea
Wang et al. Crystal growth and characterization of a novel organometallic nonlinear-optical crystal:: MnHg (SCN) 4 (C2H6OS) 2
Sanz et al. Polymorphism and luminescence properties of CMONS organic crystals: bulk crystals and nanocrystals confined in gel-glasses
Krishnakumar et al. Crystal growth and characterization of N-hydroxyphthalimide (C8H5NO3) crystal
Choi et al. Quinolinium single crystals with a high optical nonlinearity and unusual out-of-plane polar axis
Wang et al. Growth and characterization of a novel UV nonlinear optical crystal:[MnHg (SCN) 4 (H2O) 2]· 2C4H9NO
JP2002513953A (ja) 非線形光学材料
Azariah et al. Crystal growth and characterization of 4-nitro-4′-methoxy benzylidene aniline (NMOBA)
Rao et al. Mixed methyl‐(2, 4‐dinitrophenyl)‐aminopropanoate: 2‐methyl‐4‐nitroaniline crystal− a new nonlinear optical material
EA003445B1 (ru) Новая полиморфная форма ципамфиллина
Lenin et al. Synthesis, growth and characterization of 3-nitroacetanilide—A new organic nonlinear optical crystal by Bridgman technique
Indumathi et al. Growth, spectral, linear and nonlinear optical characteristics of a novel organic l-proline adipate single crystals
Rai et al. Growth and characterization of single crystal of pentachloropyridine
Wang et al. Growth and properties of UV nonlinear optical crystal ZnCd (SCN) 4
JP2836485B2 (ja) シクロブテンジオン誘導体及びその製造方法並びにこれを用いた非線形光学素子