JP2002510281A - 抗イディオタイプ抗体3h1を用いてcea関連腫瘍の発達を遅延させる方法 - Google Patents

抗イディオタイプ抗体3h1を用いてcea関連腫瘍の発達を遅延させる方法

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エイ. フーン,ケネス
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、特に、高い危険性の個体において、抗イディオタイプ抗体3H1を用いてCEA関連腫瘍の発達を遅延する方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 抗イディオタイプ抗体3H1を用いてCEA関連腫瘍の発達を遅延させる方法 関連出願に対する相互参照 本願は、1996年4月12日に出願された米国仮出願番号(未知)(以前は米国特 許出願第08/631,085号)および1997年4月9日に出願された米国非仮出願(番号 未知)の利点を請求する。 連邦政府により支援された研究下で行われた本発明に対する権利の声明 (適用なし) 発明の分野 本発明は、抗イディオタイプ抗体の使用に関する。より詳細には、抗イディオ タイプ抗体3H1を使用する処置方法に関し、ここで3H1の投与はCEA関連腫瘍の発 達を遅延する。 発明の背景 広範な医学的研究および多くの進歩にもかかわらず、ガンは、依然として米国 における第2の主な死因である。結腸直腸ガンは、第3の最も一般的なガンであ り、そして第2の主なガン死因である。伝統的な治療様式(例えば、手術、放射 線治療、および化学療法)は広く使用され、そして多くの場合では成功している が、一方結腸直腸ガンのようなガンの高い死亡率がなお存在することは、代替の またはさらなる様式の治療を強く必要とさせている。 患者が伝統的様式の治療に応答しても、しばしば、疾患再発の著しい危険性が ある。これは、診断時に疾患が転移していた場合に、特に真である。回復が観察 される、「成功した」処置の後でさえ、患者は再発の高い危険性を有し得、そし て「観察して待つ」だけしかし得ない。現在、再発を遅延または予防するさらな る行動手段は存在しない。 ガン治療への1つのアプローチは免疫療法である。しかし、腫瘍細胞または腫 瘍由来ワクチンを用いるヒトガンの免疫療法は、いくつかの理由により期待外れ であった。しばしば化学的に不明確であり、そして精製することが困難である、 多量のまたは精製した腫瘍関連抗原を得ることは一貫して難しかった。さらに、 依然として、腫瘍抗原に対する免疫生物学的応答能の問題、すなわち言い換えれ ば、ガン患者が、彼または彼女の腫瘍に対する免疫応答を効果的に増大させ得る か否かの問題が存在する。腫瘍関連抗原(TAA)は、しばしば「自己」の一部であ り、そして通常、抗原に対する寛容(例えば、T細胞媒介抑制)により腫瘍保有 宿主において非常にわずかな免疫応答を惹起する。さらに、ガン患者は、免疫抑 制される傾向があり、そして特定のT依存性抗原にのみ応答する。 免疫生物学者は、乏しい抗原(免疫応答を誘発する点で)が、分子環境を変化 させることにより、強力な抗原に変えられ得ることを学んだ。ハプテンキャリア の変化により、T細胞ヘルパー細胞が活性になり、全免疫応答が強力になる。従 って、キャリアの変化はまた、寛容性抗原を有効な抗原に変え得る。McBridgeら (1986)Br.J.Cancer 53:707。しばしば、ガン患者の免疫学的状態は抑制され、 その結果、患者は、単に、特定のT依存性抗原に応答し得るが、他の抗原形態に は応答し得ない。これらの考察から、それらをワクチンとして使用する前に、分 子変化を腫瘍関連抗原に導入する意味をなす。不幸なことに、これは、ほとんど の腫瘍抗原で達成することが不可能である。なぜなら、それらは十分に定義され ておらず、そして精製が非常に困難だからである。 Lindemann((1973)Ann.Immunol 124:171-184)およびJerne((1974)Ann.Immunol 125:373-389)のネットワーク仮説は、しばしば、エピトープ構造を抗体の表面 に発現されるイディオタイプ決定基に形質転換するすばらしいアプローチを提供 する。ネットワーク概念に従って、所定の腫瘍関連抗原での免疫化は、Ab1と呼 ばれるこの腫瘍関連抗原に対する抗体の産生を生じる;次いで、このAb1を使用 して、Ab2と呼ばれるAb1に対する一連の抗イディオタイプ抗体を生じる。これら のAb2分子のうちのいくつかは、Ab1により同定される腫瘍関連抗原の3次元構造 を効果的に模倣し得る。Ab2βと呼ばれるこれらの特定の抗イディオタイプは、A b1のパラトープに適合し、そして腫瘍関連抗原の内部イメージを現す。Ab2βは 、 元の腫瘍関連抗原により誘導されたものと同様の特定の免疫応答を誘導し得、従 って、代理腫瘍関連抗原として使用され得る。Ab2βによる免疫化は、Ab1により 同定される対応する元の腫瘍関連抗原を認識する抗-抗イディオタイプ抗体(Ab3) の生成を導き得る。このAb1様反応性により、Ab3はまた、その他のイディオトー プにおいてAb1とは異なり得ることを示すためにAb1'と呼ばれる。 ガン処置に対する潜在的に見込みのあるアプローチは、抗イディオタイプ抗体 を使用する免疫療法である。この形態の治療において、腫瘍関連タンパク質のエ ピトープを模倣する抗体が、腫瘍関連タンパク質を介して、腫瘍に対する患者の 免疫系を刺激する努力において投与される。WO 91/11465は、霊長類抗イディオ タイプ抗体を用いて、悪性細胞または感染因子に対してヒトにおいて免疫応答を 刺激する方法を記載する。しかし、全ての抗イディオタイプ抗体が、腫瘍に対す る治療レジメに使用され得るわけでない。第1に、Ab1に対して惹起される抗体 の画分だけが、Ab1のパラトープに対する反応性に限定される(すなわち、宿主 内の他の潜在的な抗体に共有される特性に対して非反応性である)。第2に、抗 イディオタイプ抗体が、必ずしも免疫原性でない。第3に、抗イディオタイプが 免疫応答を誘発しても、これらの免疫原性抗イディオタイプの画分のみが、腫瘍 抗原に対する免疫応答を誘発し、そしてより少ない特異性を有する他の抗原に対 しては免疫応答を誘発しない。さらに、異なるガンが広範な種々の分子および臨 床的特徴を有するので、抗イディオタイプ治療は、腫瘍起源および発現される抗 原の点から、ケースバイケースで評価されるべきであることが示唆されている。 腫瘍関連抗原と構造的に似ている抗Idモノクローナル抗体は、ガン患者におけ る抗原置換物として使用されている。Herlynら(1987)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A . 84:8055-8059;Mittlemanら(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.89:466-470;Chatt erjeeら(1993)Ann.N.Y.Acad.Sci.690:376-278。これらの研究の全てが、進行し た疾患を有する患者で行われた。少なくともいくつかの患者において観察された 免疫応答に基づいて、抗Idが、免疫原状況において腫瘍関連抗原の部分的アナロ グを提供することが提案されている。 ガン胎児性抗原(CEA)は、胃腸管(例えば、結腸直腸および膵臓ガン)ならび に他の腺ガン(例えば、乳ガンおよび肺ガン)の内胚葉由来新生物に存在する18 0,000キロダルトンの糖タンパク質腫瘍関連抗原である。結腸直腸、胃、膵臓、 ならびに乳房および非小細胞肺のガン腫の大部分は、CEAに関連する。CEAはまた 、ヒト胎児の消化器官において見出される。循環CEAは、CEA陽性腫瘍を有する患 者の非常に大多数において検出され得る。特異的なモノクローナル抗体がCEAに 対して惹起され、そしていくつかが診断および臨床研究のために放射標識されて いる。Hansenら(1993)Cancer 71:3478-3485;Karokiら(1992)Hybridoma 11:391-4 07;Goldenberg(1993)Am.J.Med 94:297-312。ほとんどの腫瘍関連抗原が免疫系 により自己抗原として示されるので、ガン患者は、CEAに対して免疫学的に「寛 容」である(その腫瘍胎児起源に関係するようである)。これは、CEAに基づく 免疫療法を実質的に不可能にしている。CEA陽性腫瘍を有する患者に対する今日 までの研究は、CEAに対して免疫を生じる能力を証明しなかった。 それにもかかわらず、CEAは、いくつかの理由により抗イディオタイプ抗体で の活動的な免疫療法のすばらしい腫瘍関連抗原である。CEAは、代表的に、腫瘍 細胞表面に高レベルで存在する。CEAはまた、その遺伝子配列が既知であり、そ してその3次元構造が同定されているので、最も十分に特徴づけられた抗原の1 つである。CEAは、細胞-細胞相互作用に関与すると考えられる、第19番染色体に 位置する免疫グロブリンスーパー遺伝子ファミリーのメンバーである。 CEA上のエピトープのいくつかが正常組織と共有されるので、インタクトなCEA 分子での免疫化は、潜在的に有害な自己免疫反応を誘発し得る。一方、腫瘍関連 エピトープに対する免疫反応が所望される。多くの研究者は、ラット、マウス、 ヒヒ、およびヒトにおいて、CEAを模倣する抗イディオタイプ抗体を生成した。 例えば、Hinodaら(1995)Tumor Biol 16:48-55;Losmanら(1994)Int.J.Cancer 56 :580-584;Irvineら(1993)Cancer Immunol.Immunother 36:281-292を参照のこと 。しかし、CEA(およびおそらく多くのエピトープ)のサイズおよびCEAがいくつ かの正常組織で発現される事実を考えると、抗イディオタイプ抗体が、抗腫瘍免 疫をもたらす抗CEA応答の誘発に効果的であるか否かは知られていなかった。 CEA関連腫瘍(例えば、胃腸管のガン腫)は、しばしば標準的な治療により治 療し得ない。患者が伝統的な治療に応答しても、しばしば再発の著しい危険性が 存在する。従って、この疾患に対する新規の治療アプローチが必要とされる。本 発明は、免疫寛容をまぬがれ、そして抗CEA免疫応答を誘導するモノクローナル 抗イディオタイプ抗体(3H1)を用いて、CEA関連腫瘍に対する処置の方法を提供す ることにより、先行技術の欠陥を克服する。 本明細書中に引用される全ての参考文献は、その全体が参考として援用される 。 発明の要旨 本発明は、抗イディオタイプ抗体3H1の治療的使用に関する。 従って、本発明の1つの局面は、低い腫瘍負担を有する個体、特に高い危険性 の個体においてCEA関連腫瘍の発達を遅延する方法である。これらの方法は、有 効量の抗イディオタイプ抗体3H1の個体への投与を含む。別の局面において、本 発明は、3H1のアジュバントとの投与をさらに含む。 別の局面において、低い腫瘍負担を有する個体におけるCEA関連腫瘍の処置の ための方法が提供され、この方法は有効量の3H1を個体に投与する工程を必要と する。 別の局面において、低い腫瘍負担を有し、そして約50ng/ml未満の循環CEAのレ ベルを有する個体におけるCEA関連腫瘍の処置のための方法が提供され、この方 法は有効量の3H1の個体への投与を必要とする。 別の局面において、3H1は、結腸または結腸直腸起源のCEA関連腫瘍を処置する ために使用される。これらの方法は、有効量の5-フルオロウラシル、塩酸レバミ ゾールまたはロイコボリンカルシウム、および有効量の3H1の個体への投与を必 要とする。 図面の簡単な説明 図1(A)〜(D)は、3H1で接種されたマウスにおける免疫応答の発生を示すグラ フである。図1(A)は、抗3H1抗体のアッセイを示す;図1(B)は、抗CEA抗体のアッ セイを示す;図1(C)および1(D)は、T細胞増殖応答を示す(黒色の棒はCEAを示す ;白色の棒は3H1を示す)。NはPBSワクチン接種マウスを示す。 図2は、3H1で接種したマウスにおける腫瘍攻撃後の増大した生存を示す一連 のグラフである。生存性を、3H1で6回免疫化した後に測定した。丸はMC38(CEA 陰性)細胞での攻撃を示す;四角はMC38cea(CEA陽性)細胞での攻撃を示す。図2(A )は、3H1-KLHで免疫化したマウスの生存パーセントを示す。図2(B)は、KLHに結 合したアイソタイプ適合抗イディオタイプ抗体11D10で免疫化したマウスの生存 パーセントを示す。図2(C)は、PBSで免疫化したマウスの生存パーセントを示す 。 図3は、6人の高い危険性の患者血清(3H1投与後)の存在下でAb1(8019)のAb 2(3H1)への結合阻害を示すグラフである。中心に点がある四角は患者#1を示す ;黒ダイアモンドは患者#2を示す;白中心がある黒四角は患者#3を示す;白 ダイアモンドは患者#4を示す;黒四角は患者#5を示す;白四角は患者#6を 示す。患者#1〜3は、3H1と同時にフルオロウラシル(5-FU)およびレバミゾー ルを受けていた。 図4は、3H1を受けている6人の高い危険性の患者の血清における抗体依存性 細胞傷害性(ADCC)を示す棒グラフである。1番目から6番目の棒は、それぞれ、 患者番号1〜6を示す。 図5は、3H1を受けている2人の高い危険性の患者の血清におけるADCCを示す 棒グラフである。グラフの両半分において、患者#1由来のエフェクター細胞を 使用した。Ab3は患者#1(左側)または患者#2(右側)に由来した。 図6は、3H1の軽鎖可変領域および隣接残基のcDNA配列(配列番号3;図6A) およびアミノ酸配列(配列番号4;図6B)を示す。 図7は、3H1の重鎖可変領域および隣接残基のcDNA配列(配列番号5;図7A) およびアミノ酸配列(配列番号6;図7B)を示す。 図8(A)および(B)は、血清の種々の希釈でのマウスにおける3H1に対する免疫応 答の検出を示すグラフである。図8(A)は抗3H1抗体のアッセイを示す;図8(B)は 、抗CEA(Ab1')抗体のアッセイを示す;図8(A)において、Ab2-C1はコントロール 抗体1A7を示す;Ab2-C2は、3H1でコートされたコントロールプレートを示すが、 血清サンプルは、1A7-KLH結合体で5回免疫化したマウス由来であった。グラフ における他の線は、異なる回数の免疫化(3×;5×;6×;7×)および免疫 前血清を示す。図8(B)において、吸光度は、3(「3×」)、5(「5×」)、およ び7(「7×」)の毎週注射の前後に測定された。 図9(A)〜(F)は、3H1での免疫化によりマウスにおいて生成したAb1'のフローサ イトメトリー分析の記録である。図9(A)〜(C)は、MC-38-cea細胞のインキュベー ションを示す(A,3H1-KLH結合体による6回の免疫化前後のマウス由来血清; B、PBSおよびモノクローナル抗CEA抗体8019;C、アイソタイプ適合非関連抗イ ディオタイプ抗体1A7-KLHによる6回の免疫化前後のマウス由来血清。図9(D)〜( F)は、MC-38細胞のインキュベーション(D、3H1-KLH結合体による6回の免疫化 前後;E、PBSおよび8019;F、1A7-KLHによる6回の免疫化前後)を示す。 図10は、3H1で免疫化したマウス由来の血清によるADCCを示す棒グラフである 。斜平行線の棒は3H1(1:5)を示す;白色の棒は3H1(1:10)を示す;斜交平行線の 棒はPBS(1:5)を示す;垂直平行線の棒はPBS(1:10)を示す。 本発明の詳細な説明 本発明者らは、3H1投与が、CEA陽性腫瘍を有するマウスにおける生存を増大さ せ、そして腫瘍攻撃からマウスを保護することを発見した。本発明者らはまた、 首尾良く処置されたCEA関連腫瘍を有していたヒト(すなわち、検出可能な転移 または疾患なし)における抗イディオタイプ抗体3H1の投与が、CEA特異的免疫応 答を誘発することを見出した。重要なことに、本発明者らはまた、CEA関連腫瘍 の再発の高い危険性のある、低い腫瘍負担を有する患者への3H1の投与が、統計 学的に期待されるより長く兆候がないままであることを発見した。特に、6ヶ月 以内に実質的に100%再発する危険性を有する1人の患者は、3H1を受けた後20ヶ 月以上兆候がないままであった。本発明者らは、3H1の投与がCEA関連腫瘍の出現 の危険性を、特に、アジュバント設定において高い危険性の個体で低減し得ると を考える。 3H1は、腫瘍関連抗原であるガン胎児性抗原(CEA)の異なるおよび特定のエピト ープに対して特定の免疫応答を誘導するマウスモノクローナル抗イディオタイプ (Id)抗体(Ab2)である。このエピトープはCEAに独特であり、そして正常組織でも また見出されるこのファミリーの他のCEA関連低分子量メンバーに存在しない。3 H1が惹起されたモノクローナル抗体8019(Ab1)により定義される抗原決定基は、 免疫ペルオキシダーゼ染色および造血分析により証明されたように、正常な成人 組織に存在しない。3H1の作製および特徴づけ、ならびに3H1の可変領域(軽鎖お よび重鎖)をコードするDNA配列は、共有に係る特許出願第08/579,940号(代理 人記録番号30414-2000121)に記載されている。3H1を産生するハイブリドーマは 、特許手続上の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定に基づ き、アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC),12301 Parklawn Drive, Rock ville,MD,U.S.A.20852に1995年12月15日に寄託された。登録番号HB1200 3が与えられた。 以前のフェーズI臨床試験において、進行したCEA関連疾患を有する(以前の 全ての治療に失敗し、そしてなお高い腫瘍負担を有する)12人の結腸直腸ガン患 者に3H1を投与した。Bhattacharya-Chatterjeeら(1994)XVI Internat l Cancer Congress 495-498頁。12人の患者のうち9人が、Ab1のAb2またはCEAへの結合を 阻害し得る高力価の特異的抗-抗Id(Ab3)抗体を発生した。これらの患者のうち9 人全てがまた、精製CEAと反応しそして自己および同種異系の結腸腫瘍においてA b1と同一の免疫染色パターンを示す特異的抗CEA抗体を生成した。さらに、12人 の患者のうち7人が、Id特異的T細胞増殖応答を示した。これらの7人の患者の うち4人はまた、CEAの存在下でT細胞増殖を示した。毒性は、12人全ての患者 に対して最小であった。しかし、これらの患者の全てが正常な疾患進行を示した 。定義 本明細書中で使用する用語「3H1」、「3H1抗体」、および「3H1モノクローナ ル抗イディオタイプ抗体」は、ヒト膵臓および結腸の腫瘍細胞により高密度で主 に発現される、180,000M.W.ガン胎児性抗原(CEA)の異なるおよび特異的エピトー プに少なくとも部分的に似ているエピトープを含む抗イディオタイプ抗体(Ab2) を言及するために相互交換可能に使用される。3H1の作製および特徴づけは、共 有に係る特許出願第08/579,940号(代理人記録番号30414-2000121)に記載され ている。異なる生物学的機能は3H1に関し、Ab1(8019)および/またはAb3への結 合、ならびに進行したCEA関連疾患(特に、CEA関連腫瘍)を有するマウス、ウサ ギ、サル、およびヒト、ならびにCEA関連疾患の病歴を有するが検出可能な疾患 を有さないヒトにおいて、CEAに対して免疫応答(体液性および/または細胞 性)を誘導する能力を含むが、それらに限定されない。 「CEA関連腫瘍」は、CEA抗原を含む(特に、腫瘍細胞表面上に発現される)腫 瘍である。CEAを検出する方法は当該分野で公知であり、そして実施例が本明細 書中に記載される。 本明細書中で使用する「処置」は、有益なまたは所望の臨床結果を得るための アプローチである。本発明の目的のために、有益なまたは所望の臨床結果として 、以下の1つ以上が挙げられるが、それらに限定されない:症状の軽減、疾患の 程度の低減、疾患の安定化(すなわち悪化しない)状態、疾患の拡大(すなわち 転移)の予防、疾患の出現または再発の予防、疾患進行の遅延または減速、疾患 状態の改善、および回復(部分的または完全のいずれか)。CEA関連腫瘍の病理 学的結果の減少もまた「処置」に含まれる。 本明細書中で使用する、CEA関連腫瘍の発達の「遅延」は、疾患の発達を延期 し、遅らせ、減速させ、妨害し、安定化させ、そして/または伸ばすことを意味 する。この遅延は、処置される疾患および/または個体の病歴に依存して、種々 の長さの時間であり得る。当業者には明らかなように、十分なまたは著しい遅延 はまた、実質的に、個体が疾患を発達させない点で予防を含み得る。CEA関連腫 瘍の発達を「遅延する」方法は、その方法を使用しない場合と比較して、所定の 時間枠内での疾患発達の確率を低減させる方法、および/または所定の時間枠内 での疾患の程度を低減させる方法である。このような比較は、代表的に、統計学 的に有意な数の被験体を用いた臨床研究に基づく。 CEA関連腫瘍の「発達」は、腫瘍の進行を意味する。腫瘍発達は、本明細書中 に記載の標準的な臨床技術を用いて検出可能であり得る。しかし、発達は、検出 不可能であり得る疾患進行もいう。本発明の目的のために、進行は、この場合( すなわちCEA関連腫瘍)、疾患状態(CEA関連腫瘍の細胞分裂および/または転移 )の生物学的経過をいう。「発達」は、出現、再発、および開始を含む。本明細 書中で使用するCEA関連疾患の「開始」または「出現」は、最初の開始および/ または再発を含む。 本明細書中で使用する「低い腫瘍負担」は、個体が進行したCEA関連腫瘍を有 さないことを意味する。「進行した」CEA関連腫瘍は、検出可能な転移、すなわ ち腫瘍の一次部位以外の部位で検出可能な腫瘍塊が存在することを意味する。腫 瘍塊は、当該分野で公知の造影技術(例えば、X線、CTスキャン、またはMRI) により好ましく検出される。「進行した」疾患は、リンパ節の関与を含まない。 用語が示すように、「低い腫瘍負担」は、CEA関連腫瘍について記載された最大 レベルまたは末期レベルより少ない程度の疾患を示す。「低い腫瘍負担」がまた 、検出不可能な腫瘍を含むことが理解される。低い腫瘍負担カテゴリーの例は以 下に提供される。 本明細書中で使用する「高い危険性」の個体は、CEA関連腫瘍の発達の著しい 危険性を有する個体である。「高い危険性」の個体は、検出可能な疾患を有して も有さなくてもよく、そして本明細書中に記載の処置方法前に、示された検出可 能な疾患を有しても有さなくてもよい。「高い危険性」は、個体が、CEA関連腫 瘍の発達と相関する測定可能なパラメーターである、1つ以上のいわゆる危険因 子を有することを示す。これらの危険因子のうちの1つ以上を有する個体は、こ れらの危険因子を有さない個体よりもCEA関連腫瘍を発達させる確率が高い。こ れらの危険因子として、年齢、性別、人種、食餌、以前の疾患の病歴、前兆疾患 の存在、遺伝的(すなわち遺伝的)考慮、および環境暴露が挙げられるが、それ らに限定されない。高い危険性群の例(すなわちカテゴリー)は以下に記載され る。 高い危険性の評価の根拠および状況に依存して、疾患もしくは腫瘍の発達、進 行、および/または開始がおそらく起こる時間枠は変化する。例えば、アジュバ ント設定(adjuvant setting)における乳ガン、結腸直腸ガン、および/または腺 ガンの高い危険性の患者では、出現の危険性は、代表的に1〜2年以内で測定さ れる。前兆疾患を示す患者については、出現の危険性は、より長い時間枠で測定 される。例えば、遺伝子的または遺伝的考慮に帰因して高い危険性であるとみな される個体については、出現の危険性は、さらにより長い時間枠(個体の予想さ れる寿命を含む)で測定され得る。 「低い危険性」を有する個体は、「高い危険性」を有するとみなされない個体 である。 「アジュバント設定(adjuvant setting)」は、個体がCEA関連疾患(特に、CEA 関連腫瘍)の病歴を有し、そして治療に応答した臨床設定をいう。以前の治療と して、外科的切除、放射線治療、および化学療法が挙げられ得るが、それらに限 定されない。この以前の治療の結果として、これらの個体は、臨床的に測定可能 な腫瘍を有さない。しかし、CEA関連疾患のそれらの病歴のため、これらの個体 は、疾患の発達の危険性を有するとみなされる。「アジュバント設定」における 処置または投与は、その後の処置の様式をいう。危険性の程度(すなわち、アジ ュバント設定における個体が、「高い危険性」または「低い危険性」のいずれで みなされても)は、いくつかの因子、最も通常には最初に処置された疾患の程度 に依存する。 本明細書中で使用する「アジュバント設定」は、その免疫原性を増強するため に薬剤(例えば、抗体、ポリヌクレオチド、またはポリペプチド)と組み合わせ て与えられた薬学的調製物中の化学的または生物学的薬剤をいう「アジュバント (adjuvant)」とは区別される。アジュバントの例は本明細書中に記載される。 「新(neo)アジュバント設定」は、診断後であるが、3H1投与以外の処置様相の 開始前の期間をいう。例えば、個体が、手術が指摘されるCEA関連腫瘍(例えば 結腸直腸腫瘍)を有すると診断された場合、新アジュバント設定における3H1の 投与は、3H1投与が手術前に開始することを意味する。 「有効量」は、有益なまたは所望の臨床結果をもたらすのに十分な量をいう。 有効量は、1回以上の投与で投与され得る。本発明の目的のために、3H1の有効 量は、CEA関連疾患状態(特に、CEA関連腫瘍)の発達を改善するか、安定化する か、または遅延するのに十分な3H1量である。効力のこれらの指標の検出および 測定は以下で議論される。 「個体」は、脊椎動物、好ましくは哺乳動物、より好ましくはヒトである。哺 乳動物として、飼育動物、競技動物、およびペットが挙げられるが、それらに限 定されない。発明の実施態様 1つの実施態様において、本発明はCEA関連腫瘍の発達を遅延する方法を提供 し、ここで有効量の3H1が、低い腫瘍負担を有する個体に投与される。CEA関連腫 瘍の例として、胃腸管のガン腫(結腸直腸ガンを含む)、他の腺ガン(例えば、 乳ガン、肺(小細胞でない)ガン)、胆嚢(胆嚢樹(biliary tree)を含む)ガン 、および婦人科学的ガンが挙げられるが、これらに限定されない。CEA関連腫瘍 を検出する方法は当該分野で公知であり、標準的なイムノアッセイ技術を含む。 例として、CEA関連腫瘍は、例えば、間接的免疫蛍光アッセイにおける一次抗体 として8019を用いて、罹患組織の標準的な免疫組織学的試験により検出され得る 。 1つの実施態様において、本発明は、低い腫瘍負担を有する高い危険性の個体 への3H1の投与を含む。上記のように、高い危険性の個体は、CEA関連腫瘍発達と 相関する1つ以上の危険因子を示す。高い(すなわち増大した)危険性は、例え ば、個体の遺伝子型(例えば、家族性ポリープ)、腫瘍関連遺伝子の発現の増大 または腫瘍サプレッサー遺伝子の発現の減少、前兆疾患(例えばポリープ)の存 在、CEA関連ガンの家族病歴、発ガン性または奇形発生性であることが知られて いるかまたは疑われる(特に、CEA関連腫瘍を引き起こすと疑われる)環境物質 または放射線形態への暴露歴、潜在的に発ガン性の病原体(例えばレトロウイル ス)への暴露、あるいは他の型のガンまたは他の型の異常組織増殖もしくは非調 節組織増殖の病歴に基づいて示され得る。抗CEA免疫学的反応性についての陽性 試験に基づいてCEA陽性腫瘍を有すると疑われる個体もまた、高い危険性に含ま れる。 CEA関連腫瘍を発達させる全ての危険因子は知られておらず、そしてこれらの 因子(全ての危険に関して)間の相互作用は十分に理解されていないので、本発 明の目的のための3H1の投与に適した個体が共通の臨床的特徴を有し得ること、 ならびに、それにもかかわらず上記のカテゴリーに明らかに入らない個体が3H1 の投与に適した候補であると考えられ得ることは、当業者には明らかである。熟 達した臨床医は、個体が3H1処置に適するか否かを経験的に決定し得る。例えば 、結腸直腸ガンの家族的(すなわち遺伝的)病歴を有する個体は、この個体にお ける以前の疾患が全く観察されなくても、「高い危険性」であるとみなされ得る 。この状況において、このような個体への3H1投与は、個体が自身の寿命内で疾 患を発達させない(または予想されるより遅くそれを発達させる)程度まで、疾 患出現の遅延をもたらし得る。別の例は、従来の様式の治療を用いて処置され、 そ してその治療に対して臨床的応答性(すなわち回復)を示す個体である。このよ うな個体は、治療の初期経過がまだ完了していなくても、臨床医による臨床進行 の予測によって「高い危険性」として判断され得、そして初期治療の完了前に3H 1を受けるのに適した候補であり得る。当業者である臨床医は、3H1を用いた処置 が必要であり得るか否かを決定する決定権を有する。 個体が、一致した臨床的危険性評価基準に従って高い危険性であると判断され ない(すなわち「低い危険性」)場合でさえも、3H1の投与が必要であり得るこ ともまた明らかである。例えば、首尾良く処置され、高い危険性であるとみなさ れない(例えば、診断時での検出可能な浸潤性疾患の欠如による)個体は、それ にもかかわらず、予防手段として(特に、これまでに3H1から観察されている禁 忌の欠如および所望でない副作用の欠如を考慮して)3H1を受ける候補であり得 る。従って、疾患進行の危険性は、3H1投与の投与によってさらになお下げられ 得る。別の例として、個体は、自身が疾患発達の危険性を有することを信じ得、 そして3H1受容がこの危険性を低減させることを決心し得る。通常でない(supern ormal)レベルの循環CEAおよび/または通常でないレベルのCEA発現を有する個体 もまた適切である。CEAの循環レベルは、市販されている(Hybritech)標準的なイ ムノアッセイ(ELISA)技術により決定され得る。CEA発現のレベルは、例えば、間 接的免疫蛍光アッセイにおける一次抗体として8019を用いて、例えば、罹患組織 の免疫組織学的試験により決定され得る。 本明細書中で使用するCEAの「通常でない」レベルは約3ng/mlを超える。当業 者には明らかなように、循環CEAのレベルは研究室間で(そして使用する方法お よび/または市販キットに依存して)変化し得る。従って、CEAの通常でないレ ベルは、約1ng/mlを超えるレベル〜約5ng/mlを超えるレベルであり得る。 本発明の別の実施態様において、3H1は、アジュバント設定において高い危険 性の個体に投与される。アジュバント設定における高い危険性の個体を示すもの として代表的な因子は、隣接組織への腫瘍による浸潤(すなわち、広範囲疾患) および/またはリンパ節関与である。アジュバント設定における高い危険性の個 体の例として、(a)自身の腫瘍を切除した、陽性リンパ節を有する肺の第II期 または第IIIA期腺ガンを有する患者(これらの患者は、最初の2年以内に60〜8 0%の再発率を有する);(b)好ましくは少なくとも5つ、より好ましくは少 なくとも10の陽性リンパ節を有する乳ガンを有する患者(少なくとも10の陽性リ ンパ節を有する患者については最初の2年以内に70〜80%の再発率);および( c)少なくとも4つの陽性リンパ節を有する結腸ガンを有する患者(最初の2年 以内に70〜80%の再発率)が挙げられるが、それらに限定されない。アジュバン ト設定における高い危険性の個体の別の例は、切除された胃CEA関連腫瘍(膵臓 ガン、胃ガン、および胆嚢(胆嚢樹を含む)ガンを含むが、これらに限定されな い)を有する個体である。 別の実施態様において、3H1は、新アジュバント設定で投与される。本発明の 目的のために、新アジュバント設定における個体は低い腫瘍負担を有すると理解 される。 本発明に記載の3H1治療に適切な個体の別の例は、低い腫瘍負担を有する個体 である。従って、本発明は、低い腫瘍負担を有する個体においてCEA関連腫瘍を 処置する方法を含み、これは有効量の3H1を投与する工程を含む。上記で定義さ れたように、「低い」腫瘍負担は、疾患が進行しているとみなされないことを意 味する。例えば、低い腫瘍負担は、臨床分野の当業者により判断されるように部 分的または完全な回復における疾患であり得る。「低い」腫瘍負担はまた、疾患 の程度がもはや進行しているとみなされないような進行した疾患の腫瘍負担の低 減により生じ得る。低い腫瘍負担の他の例として、限定されたリンパ節関与に含 まれる疾患が挙げられる。これらの個体について、循環CEAレベルは、通常約50n g/ml以下であり、好ましくは約10ng/ml以下であり、より好ましくは約5ng/ml以 下であり、さらにより好ましくは約3ng/ml以下である。低い腫瘍負担を有する 個体は、個体の臨床病歴に依存して「高い危険性」または「低い危険性」にさら に分類され得る。 本発明はまた、残存疾患(特に、最小の残存疾患)を有する個体に対して3H1 を使用する処置の方法を含む。「残存」疾患は、治療後に残存しているが検出不 可能な任意のCEA関連疾患(特に、CEA関連腫瘍)である。従って、「残存疾患」 は、検出可能な疾患中に発達し得る疾患の見込みのある存在をいい、そしてアジ ュバント設定においてなされる臨床的予後および/または想定をいう。CEA関連 腫瘍の型および例えば診断の際の疾患程度に依存して、個体は、検出可能な疾患 が全く存在していなくても、残存疾患を有すると判断され得る。例えば、切除可 能な肺腺ガンを有する個体は、明らかに完全な回復が生じても、手術(すなわち 切除)後に残存疾患を有する。同様に、結腸直腸ガンを有する個体は、化学療法 後に残存疾患を有し得る。あるいは、CEA関連腫瘍に対する治療を現在受けてい る個体もまた「残存」疾患を有する。本明細書中で使用する「残存」疾患は、進 行した疾患を含まないことが理解される。 本発明はまた、CEA関連疾患(特にCEA関連腫瘍)の発生の危険性を減少させる 方法を含む。これらの方法において、有効量の3H1は、CEA関連疾患を発達させる 危険性を有する個体に投与される。「発生の危険性を減少させる」は、CEA関連 疾患の発生および/または再発の危険性が、3H1を受けていない(同じ発生の危 険性を有する)それらの個体より、3H1を受けている個体において低いことを意 味する。CEA関連疾患を発達させる「危険性を有する」個体は、臨床的および遺 伝的病歴ならびに個体の状態に依存して、高い危険性または低い危険性であり得 る。 本発明はまた、低い腫瘍負担を有しそして約50ng/ml未満の循環レベルのCEAを 有する個体における、CEA関連疾患の処置の方法を含む。これらの方法は、有効 量の3H1の個体への投与を含む。好ましくは、個体は、約30ng/ml未満の循環レベ ルのCEA、より好ましくは約25ng/ml未満の循環レベルのCEA、なおより好ましく は約20ng/ml未満の循環レベルのCEA、さらにより好ましくは約15ng/ml未満の循 環レベルのCEA、さらにより好ましくは約10ng/ml未満の循環レベルのCEA、さら により好ましくは約5ng/ml未満の循環レベルのCEAを有する。循環CEAのレベル を測定する方法は当該分野で公知であり、そしていくつかは本明細書中に記載さ れる(例えば、実施例4を参照のこと)。 別の実施態様において、本発明は、塩酸レバミゾールまたはロイコボリンカル シウムおよび3H1を伴うフルオロウラシル(5-FU)の投与を含む、CEA関連腫瘍(特 に腺ガン、特に結腸および/または直腸の腺ガン)を処置する方法を提供する。 本発明者らは、5-FUおよびレバミゾールまたはロイコボリンが、3H1と相乗作用 的に作用して免疫応答を増強すると考えている。レバミゾールまたはロイコボリ ンを伴う5-FUは、現在当該分野で公知の処置法であり、そして本発明の目的のた めに、それらは容認された臨床プロトコル(以下により詳細に記載)に従って投 与される。 本発明の上記の全ての実施態様のために、3H1は、以下の節に記載のように、 調製され、投与され、そしてモニターされ得る。抗イディオタイプ抗体3H1の調製および投与 本発明の全ての実施態様は、有効量の3H1の投与を含む。 3H1は、いくつかの方法により得られ得る。3H1は、本明細書中に記載のハイブ リドーマATCC番号HB12003から産生され得る。抗体単離方法は当該分野で周知で ある。例えば、HarlowおよびLane(1988)Antibodies:A Laboratory Manual,Cold Spring Harbor Laboratory,New YorkならびにSambrookら(1989)Molecular Clo ning :A Laboratory Manual ,Cold Spring Harbor Laboratoryを参照のこと。抗 体は、組織培養を介してハイブリドーマから、またはマウス腹水から得られ得る 。これらの技術は当該分野で公知である。例えば、細胞は適切な培地中で培養さ れ、そして使用済みの培地は抗体供給源として使用され得る。必要に応じて、マ トリックスコートチャンネルまたはビーズおよび細胞同時培養物が、抗体産生細 胞の増殖を増強するために含まれ得る。多量の抗体の産生のために、腹水液を得 ることが一般的により好都合である。このような方法は当該分野で公知であり、 そして一般的に、ハイブリドーマ細胞を免疫学的に未処置の組織適合性または免 疫寛容性哺乳動物(特にマウス)に注射する工程を含む。哺乳動物は、必要に応 じて、適切な組成物(例えばPristane)の先の投与により、腹水産生についてプ ライムされる。好ましくは、3H1は、組換えプロテインG-アガロースクロマトグ ラフィー、続いてプロテインA-CL-セファロース4Bクロマトグラフィーを用いて BALB/c腹水から精製される。 あるいは、3H1は、当該分野で公知の技術を用いて、例えば、市販の自動化ペ プチド合成機(例えば、Applied Biosystems,Inc.(Foster City,CA)製のもの )を用いて化学的に合成され得る。 3H1はまた、Sambrookら(1989)に記載されるような日常的な組換え方法を用い て得られ得る。例えば、3H1重鎖または軽鎖のいずれかをコードするポリヌクレ オチドが、適切な発現ベクター(転写のための制御配列(例えば、プロモーター )を含む)にクローニングされ得る。次いで、発現ベクターは、宿主細胞に導入 される。宿主細胞は適切な条件下で増殖され、その結果ポリヌクレオチドが転写 され、そしてタンパク質に翻訳される。3H1の重鎖および軽鎖は別々に産生され 、次いでジスルフィド結合再配列により組み合わされ得る。あるいは、3H1の各 鎖をコードする別々のポリヌクレオチドを有するベクター、または別々の転写物 として両鎖をコードする単一のポリヌクレオチドを有するベクターは、単一の宿 主細胞にトランスフェクトされ得、次いで完全な分子を産生し、そして集合させ 得る。好ましくは、宿主細胞は、分子の正常な炭水化物相補物を提供し得る高等 真核生物細胞である。従って、宿主細胞において産生された3H1は、当該分野で 標準的な技術を用いて精製され得る。 次に、これらの方法のいずれかによる3H1の産生における使用のための、3H1を コードするポリヌクレオチドは、3H1産生ハイブリドーマから得られ得るか、ま たは共有に係る特許出願第08/579,940号(代理人記録番号30414-20001.21)およ び同第08/579,916号(代理人記録番号30414-20001.20)に記載されるDNA配列か ら、当該分野で標準的な技術を用いて合成的にまたは組換え的に産生され得る。 図6Aは、3H1の軽鎖可変領域のcDNA配列(配列番号3)を示す;図7Aは、3H1の重 鎖可変領域のcDNA配列(配列番号5)を示す。11D10軽鎖および重鎖定常領域の 全配列は決定されていないが、他のマウス免疫グロブリン分子のものと同一また はほぼ同一であると予想される。マウスκ軽鎖定常領域について、2つのタンパ ク質アロタイプをコードする4つの遺伝子アロタイプは、Solinら(1993)Immunog enetics 37:401-407(本明細書中に参考として援用される)により公表されてい る。Solinらの図1は、マウスおよびラット免疫グロブリンκ鎖遺伝子配列を示 し、異なる株についてのκ鎖定常領域内の配列を比較し、そしてアロタイプ差を 強調する。BALB/c、PL、SJL、およびM.spretusについてのκ鎖定常領域配列が含 まれる。他の天然に存在するアロタイプが可能である。新生マウス由来のマウス γ1重鎖定常領域DNA配列は、Honjoら(1979)Cell 18:559-568(本明細書中に参考 として援用される)により公表されている。Honjoらの図5は、コードされ るタンパク質配列と共に、生殖系列DNA配列を示す。マウスミエローマM0PC21か ら得られた別のタンパク質配列が上の行に示される。他の天然に存在するアロタ イプが可能である。 3H1をコードするポリヌクレオチドはまた、3H1のアミノ酸配列から得られ得る 。3H1の可変領域は、図6(軽鎖;配列番号4)および図7(重鎖;配列番号6 )に提供される。3H1のアミノ酸配列が与えられれば、当業者は3H1をコードする ポリヌクレオチドを設計し得る。 3H1抗体は、IgG1マウスサブクラスであり、そしてこのアイソタイプの免疫グ ロブリンに適切な任意の技術により単離され得る。精製方法は、塩析(例えば、 硫酸アンモニウムによる)、イオン交換クロマトグラフィー(例えば、陽イオン または陰イオン交換カラム上で中性pHにて放流し(run)、そして漸増イオン強度 の段階勾配で溶出させる)、ゲル濾過クロマトグラフィー(ゲル濾過HPLCを含む )、ならびにアフィニティ樹脂(例えば、プロテインA、プロテインG、ハイド ロキシアパタイト、および抗免疫グロブリン)上でのクロマトグラフィーを含み 得る。3H1はまた、8019パラトープ(例えば精製Ab1またはAb3の形態)を含むア フィニティカラム上で精製され得る。 3H1が個体に投与される場合、3H1は、好ましくは少なくとも80%純粋であり、 より好ましくは少なくとも90%純粋であり、さらにより好ましくは少なくとも95 %純粋であり、さらにより好ましくは少なくとも98%純粋であり、ならびに発熱 物質および他の汚染物質を含まない。この状況において、純度のパーセントは、 調製物の総タンパク質含有量の重量パーセントとして計算される。実施例1は、 免疫のための3H1の調製を記載する。 好ましくは、3H1は、薬学的に受容可能な賦形剤と共に投与される。薬学的に 受容可能な賦形剤は、薬理学的に効果的な物質の投与を容易にする相対的に不活 性な物質である。例えば、賦形剤は、ワクチン組成物に対して形態もしくは粘度 を与え得るか、または希釈剤として作用し得る。適切な賦形剤として、安定化剤 、湿潤および乳化剤、浸透圧を変化させるための塩、カプセル化剤、緩衝液、な らびに皮膚浸透増強剤が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に受容可 能な賦形剤の例は、Remington s Pharmaceutical Sciences(Alfonso R.Gennaro 編、 第18版、1990)に記載される。 好ましくは、3H1は、3H1の浸透を増強するか、さもなくば3H1に対する免疫応 答を増強するアジュバントと共に使用される。適切なアジュバントとして、水酸 化アルミニウム、ミョウバン、QS-21(米国特許第5,057,540号)、DHEA(米国特許 第5,407,684号および同第5,077,284号)およびその誘導体(塩を含む)および前 駆体(例えば、DHEA-S)、β-2ミクログロブリン(WO 91/16924)、ムラミルジペ プチド、ムラミルトリペプチド(米国特許第5,171,568号)、モノホスホリル脂質 A(米国特許第4,436,728号;WO 92/16231)およびその誘導体(例えば、DETOXTM )、ならびにBCG(米国特許第4,726,947号)が挙げられる。他の適切なアジュバン トとして、アルミニウム塩、スクアレン混合物(SAF-1)、ムラミルペプチド、サ ポニン誘導体、ミコバクテリア壁調製物、ミコール酸誘導体、非イオン性ブロッ クコポリマー界面活性剤、Quil A、コレラ毒素Bサブユニット、ポリホスファゼ ンおよび誘導体、ならびにTakahashiら(1990)Nature 344:873-875により記載さ れるような免疫刺激複合体(ISCOM)が挙げられるが、これらに限定されない。獣 医学的使用および動物における抗体産生については、フロイントアジュバントの 分裂促進性成分が使用され得る。アジュバントの選択は、部分的に、アジュバン トの存在下でのワクチンの安定性、投与経路、および特にヒト使用が意図された 場合のアジュバントの調節受容性に依存する。例えば、ミョウバンは、ヒトにお けるアジュバントとしての使用について、米国食品医薬品局(FDA)により認可さ れている。好ましくは、ミョウバン沈殿3H1が使用される。水酸化アルミニウム 沈殿3H1の調製は、実施例1に記載される。 3H1は、他の免疫モジュレーター(例えば、インターロイキン2(IL-2)、IL-4、 IL-3、IL-12、GM-CSF、G-CSF、インターフェロン、およびキーホールリンペット ヘモシアニン(KLH)と共に使用され得る。 3H1はまた、3H1の有効性を増強および/または相補するのに役立つ他の薬剤と 共に使用され得る。このような薬剤の例として、CEAまたは3H1に由来するペプチ ドが挙げられるが、これらに限定されない。好ましいCEAおよび3H1ペプチドは、 3H1とCEAとの間の相同性に基づくものである。好ましい実施態様において、配列 IYRANRLIDGV(配列番号1)を有するペプチドが3H1と共に投与される。この配列 は、3H1可変領域の一部であり、そしてCEAの3つの相同的反復ドメインの一部と 相同である(Orkawaら(1987)Biochem.Biophys.Res.Comm 142:511-518)。別の 実施態様において、3H1と共に投与されるペプチドは、配列PPAQYSWLIDGN(配列 番号2)を有する。このペプチドは、CEA内に含まれるアミノ酸配列を有する。 T細胞活性を刺激するペプチドを含む、他のペプチドが適切であり得る。 あるいは、3H1は、リポソーム中にカプセル化され得る。細胞への送達のため にポリペプチドをパッケージングするのに適したリポソームは、当該分野で公知 である。 3H1は投与前に熱処理され得、そして熱処理は、アジュバント(例えば、ミョ ウバン)の存在下であり得る。例えば、3H1は、約40℃〜80℃で、好ましくは45 ℃〜60℃で、約5分〜2時間、好ましくは15分〜1時間の期間で加熱され得る。 熱処理は、好ましくは水浴中で滅菌バイアルにおいて45℃で30分間である。熱処 理は、投与前にはいつでも起こり得る。好ましくは、熱処理は、投与の7日以内 である。他の熱処理手順は、3H1の所望の活性が著しく損なわれない限り、使用 され得る。次いで、熱処理3H1は、本明細書中に記載のように投与される。 3H1を用いた処置のために、有効量の3H1が、非経口的に、好ましくは皮内的に 個体に投与される。他の投与経路として、筋肉内および内皮が挙げられるが、こ れらに限定されない。3H1はまた、培養細胞の処理に続いてこれらの培養細胞を 個体に導入することにより、間接的に投与され得る。投与経路はまた、処置の経 過中に変化し得る。例えば、個体は、静脈内に続いて腹腔内投与で3H1を受け得 る。 個体に与えられる3H1の量は、いくつかの要素(例えば、個体の状態、個体の 重さ、処置される障害または疾患の性質、疾患の程度、投与経路、投与される用 量の回数、および所望の目的)に依存する。好ましくは、投与あたりの用量は、 約10μg〜20mg、好ましくは200μg〜15μg、より好ましくは500μg〜10mg、さら により好ましくは1mg〜約4mg、さらにより好ましくは2mgの範囲である。好ま しくは、用量は、2mgのミョウバン沈殿3H1である。 3H1投与間の間隔は変化し得、そして処置される障害および個体の応答性に依 存する。3H1は、好ましくは最初プライミング用量で、続いて少なくとも1回の 追加免疫用量で投与される。さらなる追加免疫用量が、周期的ベースでの応答を 増強または一新させるために与えられ得る。3H1は、毎週ベース、好ましくは隔 週ベースで、所望の測定可能なパラメーター(例えば、免疫応答の誘発)が検出 されるまで投与され得る。次いで、投与は、あまり頻繁でないベースで(適当に 、隔月または毎月)続けられ得る。その後の注射(すなわち、維持用量)のタイ ミングは、とりわけ、処置される個体の状態および応答に依存する。Ab3レベル は、好ましくは本明細書中に記載の診断方法によりモニターされて、維持(追加 免疫)投与が与えられるべき時期を決定し得る(これは、一般的に約2ヶ月から 3ヶ月毎であり得る)。1つの実施態様において、投与の最初のシリーズは、計 4回の注射については隔週間隔で、続いて毎月の注射で与えられる。 いくつかの状況について、3H1を受ける個体は、以前の処置の性質、疾患自身 、またはその両方の、いずれかに起因して中程度から重篤に免疫が損なわれ得る (immunocompromised)ことが理解される。従って、免疫応答を増大させるために 必要とされる時間および/または3H1の注射回数および/または投与あたりの3H1 量は変化し得る。例えば、個体は、一旦3H1が投与されると、免疫応答を誘発す るためにより長い時間を必要とし得る。この場合、最初の(すなわち、最初の月 内の)免疫応答が検出されていなくても、個体は免疫応答についてモニターされ 続けることが推奨される。別の例として、個体は、免疫応答を誘発するために平 均回数よりも多くの注射を必要とし得る。あるいは、例えば、免疫応答(例えば 、T細胞応答)を最適化するために、1ヶ月より長い注射間隔を有することが所 望され得る。 3H1投与の有効性の、または3H1投与が必要であるか否かの1つの可能な徴候は 、腫瘍細胞上のCEA密度である。この密度は個体間で広範に変化し得、そして3H1 投与の経過および/または疾患の経過にわたって変化し得る。本明細書中で使用 するCEAの「密度」は、以下のいずれかまたは両方をいい得る:(a)所定の生 物学的サンプルにおける総細胞あたりの、それらの表面上にCEAを有する細胞数 ;(b)各細胞の表面上のCEA量。密度(a)は、総細胞数で除した、染色され るかさもなくばCEAが存在することを示すサンプル中の細胞数を書き留めること により、計算される。この密度は、好ましくは約20%を超え、より好ましくは約 3 0%を超え、より好ましくは約50%を超え、さらにより好ましくは約70%を超え 、さらにより好ましくは約80%を超え、最も好ましくは約90%を超える。従って 、本発明は、約20%を超える、好ましくは約30%を超える、より好ましくは約70 %を超える、さらにより好ましくは約80%を超える、最も好ましくは約90%を超 えるCEAの密度を有する個体への3H1の投与を含む。 密度(b)は、例えば、別の個体由来のサンプルと比較した、1人の個体由来 のサンプル中の細胞の相対的な染色強度(または、CEAの存在を示す任意の測定 の強度)で示される。この密度について、当業者は、密度を経験的に決定し得る 。密度(b)は正常組織(すなわち、CEAを欠く細胞または非罹患細胞)に対し て比較され、その好ましい範囲は、免疫組織学的染色密度により検出されるよう に、非罹患細胞よりも約l.5倍、好ましくは約3倍、より好ましくは約10倍高い 発現であり得る。非罹患細胞はまた、同じ個体由来であり得る。 これは、より低い密度(例えば、約50%未満)を有する個体が、3H1投与を必 要とするということではない。単一の理論に縛られることを望まないが、3H1投 与は、CEA関連腫瘍(例えば、細胞傷害性T細胞応答)に対して効果的なより一 般的な応答をもたらす一連の免疫応答を誘発し得る可能性がある。しかし、より 低い密度は、さらなる治療が所望されることを示し得る。 密度はまた、疾患の程度および3H1投与に対する応答の指標として使用され得 ることが理解される。例えば、3H1投与開始にて個体から採取されたサンプルは 、約80%の密度を示し得る(すなわち、約80%の細胞がCEAを示す)。3H1を受け た後、同じ位置から採取されたサンプルは、約50%のみの密度を示し得、これは CEA発現細胞が破壊されていることを示す。同様に、3H1を受ける個体由来のサン プルの染色強度が3H1を受けた際に減少した場合、これはCEA保持腫瘍が破壊され ていることを示す。 免疫応答を惹起する目的のために、3H1は、非改変形態で投与され得る。時折 、その免疫原性を改善するために3H1を改変することが好ましくあり得る。本明 細書中で使用する「免疫原性」は、特異的抗体もしくは細胞性免疫応答、または その両方を誘発する能力をいう。免疫原性を改善する方法は、とりわけ、グルタ ルアルデヒドもしくは二官能カップリング剤のような薬剤での架橋、または多価 プ ラットフォーム分子への付着を含む。免疫原性はまた、タンパク質キャリア(特 に、T細胞エピトープを含むもの)へのカップリングによって改善され得る。 3H1投与は、単独で、または他の形態の治療(確立されているか実験的である かにかかわらず)と共に生じ得る。「と共に」は、3H1が他の治療の前後に同時 に与えられ得ることを意味する。例えば、3H1は、他の治療に関して同時にまた は連続的にのいずれかで、手術、放射線治療、化学療法、および/または他の薬 物治療を相補するために使用され得る。これらの投与の順序およびタイミングは 経験的に決定され得、そして処置される疾患、患者の状態、臨床的病歴および徴 候、ならびに/または種々の治療に対する応答性のような変数に依存する。この ような決定は当該技術の範囲内である。 好ましくは、3H1は、他の補助治療(例えば、化学療法および/または放射線 )の投与前に投与される。好ましくは、3H1は、化学療法および/または放射線 治療の最初の経過の1日前、好ましくは3〜5日前に、ならびに化学療法および /または放射線治療の各サイクルの1日前、好ましくは3〜5日前に投与される 。これは、個体がより多くの時間で免疫応答を増大させることを可能にする。 1つの実施態様において、3H1は、フルオロウラシル(Roche Laboratories)お ンカルシウム(Immunex)と共に投与される。これらの化合物は、Dukeの第C期結 腸ガンを有する患者における外科的切除後のアジュバント治療(レバミゾール) 、ならびに進行した結腸直腸ガンを有する患者の待期的処置(ロイコボリン)と して必要とされる。これらの化合物投与のためのプロトコルは当該分野で公知で あり、そして製造者により提供される。フルオロウラシルおよびレバミゾールは 、好ましくは以下のように投与される:(a)最初の治療、手術の7〜30日後に 開始して、3日間にわたり8時間毎に50mgレバミゾール;フルオロウラシル、レ バミゾールの3日間の経過と同時に、手術の21〜34日後に開始して5日間にわた り静脈内に450mg/m2/日;(b)維持治療、2週間毎に3日間にわたり50mgレバ ミゾール;フルオロウラシル、5日間の経過の開始の28日後に開始して、1週間 に1回静脈内に450mg/m2/日。以下のレジメのいずれかが、ロイコボリンの投与 のために使用され得る:(1)最低3分以上の緩徐な静脈内注射により200mg/m2 の ロイコボリンを投与した後、静脈内注射により370mg/m2のフルオロウラシルを投 与する;(2)静脈内注射により20mg/m2のロイコボリンを投与した後、静脈内 注射により425mg/m2のフルオロウラシルを投与する。いずれかのレジメを用いた 処置は、5日間にわたり毎日繰り返される。これは、2つのコースで28日間隔で 繰り返され得、次いで4〜5週間間隔で繰り返され得る。他のレジメもまた使用 され得る。これらの用量は、個体の状態(例えば、白血球数)に従って判断され 得る。 フルオロウラシルとレバミゾールまたはロイコボリンとが使用される場合、3H 1は、化学療法の投与前に、好ましくは1日前に、より好ましくは3〜5日前に 投与される。 3H1投与は、処置される個体および疾患に依存して、種々のコースで継続し得 る。好ましくは、3H1投与は、個体が免疫応答(体液性および/または細胞性に かかわらず)を増大させ得る限り継続される。3H1投与は、個体が3H1投与に関連 した受容不可能な有害な反応を示す場合に中断されるべきであり、そして個体が 進行性疾患を示す場合に継続されても継続されなくてもよい。進行性疾患の事象 における3H1投与の継続は、少なくとも部分的には、3H1の継続した投与が他の必 要とされる治療を補充し得るか否かに依存する。3H1 投与の効果の決定 3H1での投与の効果を決定するために、個体は、CEAに対する抗体(体液性)免 疫応答もしくは細胞性免疫応答のいずれか、またはその組み合わせについてモニ ターされ得る。個体はまた、疾患進行についてモニターされ得る。 生物学的サンプル中のCEA抗体(Ab3)のレベルを決定するために、例えば、血清 または血漿が個体から得られ得る。サンプルは、必要に応じて、アッセイが行わ れる前に免疫グロブリンについて富化され得るが、これは通常必要とされない。 マウス免疫グロブリン(例えば、3H1)がアッセイ試薬として使用される場合、 サンプルは、好ましくは、抗マウス免疫グロブリン活性を取り除くために前処理 される。これは、例えば、マウス免疫グロブリンカラム上での枯渇により、また は非特異的マウス免疫グロブリンをサンプルに混合し、そして形成された任意の 免疫沈降物を除去することにより行われ得る。 このアッセイを行うために、サンプル中に存在し得る抗CEAは、非限定量のCEA の抗原性等価物と接触される。これは、単離されたCEA、直接的ブロッティング またはポリアクリルアミドゲルからの転移により付着されたCEAを有するニトロ セルロース、CEA発現細胞(例えば、LS174-T細胞)、このような細胞からの膜調 製物、またはCEAを含む固定組織切片であり得る。あるいは、抗イディオタイプ 、特に3H1が使用され得る。 一旦免疫複合体が形成されると、一般的に、それは非複合体化CEAアナログか ら分離され、そして存在する複合体量が決定される。複合体は、例えば、細胞も しくは免疫沈降物を回収するための遠心分離または固相による捕獲により分離さ れ得る。存在する複合体量は、直接的または二次試薬とのインキュベーションの いずれかで、標識を有するCEAアナログを提供することにより測定され得る。あ るいは、競合アッセイが行われ得、ここでサンプルは、最初にCEAアナログとイ ンキュベートされ、次いでサンプル中に存在する抗CEAと競合する非限定量の標 識抗CEA試薬が添加される。適切な標識として、放射標識、酵素標識、蛍光標識 、および化学ルミネッセンス標識が挙げられる。標準曲線は、サンプルの代わり に、抗CEAを含まないことが知られている溶液、および種々の相対濃度の抗CEAを 有する溶液を用いて構築される。未知量の抗CEAを含むサンプルが一般的に並行 してアッセイされ、そしてそこに含まれる抗CEAの相対量が、標準曲線との比較 により決定される。3H1抗体を用いて抗CEAレベルを決定するための好ましいアッ セイは、ラジオイムノアッセイ(実施例4)である。 抗CEA抗体のアイソタイプは、イムノアッセイ中にアイソタイプ特異的試薬( 分離または標識段階のいずれかで)を含めることにより測定され得る。例えば、 抗ヒトIgGを使用して、ヒト起源の臨床サンプル中に存在するIgGクラスの抗体を 分離または検出し得る。IgGクラスの特異的抗CEAの存在は、一般的に、記憶応答 を示す。IgMクラスの抗CEAの存在は、一般的に、CEA発現腫瘍の存在に起因し得 るような進行中の免疫刺激、または3H1での進行中の処置を示す。 所望であれば、生物学的サンプル中に検出される抗CEA抗体は、さらに特徴付 けられ得る;例えば、抗8019(Ab1)との競合により、それらがCEA上の関連エピト ープに特異的であるか否かを決定する。Ab1とAb3との間の競合アッセイは、実施 例4に記載される。 抗CEA抗体はまた、それが細胞傷害性であるか否かを決定するために試験され 得る。補体媒介細胞傷害性(CMC)は、例えば、51Crで標識したCEA発現標的細胞( 例えば、LS174-T)を使用することにより測定される。標識は、約106個の細胞を 約200μCi Na2 51CrO4と37℃で60分間インキュベートし、続いて洗浄することに より達成され得る。このアッセイは、抗体(または抗体を含む臨床サンプル)を 標的細胞とインキュベートすることにより行われる。次いで、オプソニン化細胞 は洗浄され、そして補体供給源(例えば、内因性抗体活性を除去するために予め 吸着されたモルモット血清)とインキュベートされる。37℃での適切なインキュ ベーション期間の後、培地への51Cr放出が測定され、そして非オプソニン化コン トロール細胞由来のものと比較される。51Cr放出は、CMC活性と相関する。 抗CEA抗体を特徴づける別の方法は、ADCC応答(Chereshら(1986)Cancer Res.4 6:5112)に参加するその能力を試験することによる。放射標識CEA発現標的細胞 は、抗CEA(熱不活化血清の形態)およびエフェクター細胞とインキュベートさ れる。正常ヒト末梢血単核細胞(PBMC)は適切なエフェクター細胞であり、そして 好ましくは約100のエフェクター:標的の比で使用される。37℃で約4時間後、 放出された51Crの割合がADCC活性の測定により決定される。高い危険性の患者の 血清におけるADCC活性は、実施例4に示される。 3H1が投与されている被験体における細胞性免疫応答は、特異的T細胞活性に ついての標準機能的アッセイを行うことにより定量され得る。 アッセイの1つの型はT細胞増殖を測定する。この試験において、末梢血単核 細胞(PBMC)は、処置された個体から回収された全血サンプルから得られる。実験 動物については、脾臓細胞もまた使用され得る。T細胞は、例えば、FICOLLTMの ような勾配上での遠心分離により富化され得る。次いで、細胞は、CEAまたは( より通常は)放射線照射されたCEA発現細胞の存在下で種々の濃度で培養される 。好ましくは、スティミュレーター細胞は、特に組織適合クラスII抗原に関して レスポンダー細胞と自己由来である。必要に応じて、T細胞集団は、CEAまたは 関連細胞株で前刺激され得る。次いで、増殖の程度は、非刺激細胞と比較して (しばしば、3Hチミジン取り込みに関して)測定される。高い危険性の患者の 血清におけるT細胞増殖活性は、実施例4に示される。 別の型のアッセイは、T細胞細胞傷害性を測定する。この試験において、富化 T細胞集団は、上記のように調製された、51Cr標識CEA発現標的細胞の溶解をも たらすために使用される。好ましくは、エフェクター細胞は、組織適合クラスI 抗原に関して標的細胞と自己由来である。T細胞集団は、必要に応じてCEAまた は関連する細胞株で予め刺激され得る。次いで、T細胞は、約104個の標識標的 細胞と種々の比で;例えば、マイクロタイタープレートのウェル中で組み合わさ れる。プレートは、必要に応じて細胞接触を開始するように遠心分離され、そし て細胞は、37℃で4〜16時間共に培養される。培地への51Crの比放出(specific release)のパーセントは、単独で培養された標識標的(ネガティブコントロール )および0.1% TritonTMX-100のような界面活性剤で溶解した標的(ポジティブ コントロール)と比較して測定される。 3H1投与の効果を決定するための他の関連測定法として、疾患進行の直接的徴 候または間接的徴候にかかわらず、疑わしい型のガンの発達(すなわち進行)を 測定するのに適切であり得る臨床試験が挙げられる。このような試験として、血 液検査、乳房撮影、ラジオシンチグラフィー、CTスキャン、およびMRIが挙げら れる。疾患進行と相関する任意の測定可能な変数が適切である。例えば、血中の 測定可能なCEAに関連するCEA関連腫瘍または障害について、CEAレベルが測定さ れ得る。CEAの血清レベルを測定する方法は当該分野で公知であり、そして診断 キットとして市販されている(Hybritech Enzyme Immunoassay)。この試験のた めに、血清は以下のように調製される:3H1で処置された個体は、1mlの酢酸緩 衝液(pH5.0)での処理に続いて90℃で15分間加熱された0.5mlの血清を有する。20 00rpmで10分間の遠心分離の後、透明な上清は、実施例4に記載のようにCEAにつ いて試験される。血清は、記載のように試験前に熱不活化されるべきである。な ぜなら、市販のCEAキットはマウス抗CEA抗体を含み、そして3H1を受けた個体は 、通常ヒトマウス抗体(HAMA)を有するからである。任意の他の腫瘍関連マーカ ー(例えば、CA-125)が、治療経過をモニターするのに適している。 本発明はまた、CEA関連腫瘍の処置において、特に低い腫瘍負担を有する個体 において使用される医薬品を調製するための3H1の使用を含む。 以下の実施例は、例示のために提供されるが、本発明を限定しない。 実施例1 免疫のための3H1抗イディオタイプ抗体の産生 マウスモノクローナル抗体8019(CEAの異なるエピトープを認識する)を使用 して、共有に係る特許出願第08/579,940号(代理人記録番号30414/2000121)に 記載のように、抗イディオタイプ抗体3H1(IgG1-κ)の産生のために同系BALB/cマ ウスを免疫化した。Bhattacharya-Chatterjeeら(1987)J.Immunol. 5:562-573;B hattacharya-Chatterjeeら(1988)J.Immunol.141:1398-1403もまた参照のこと。B ALB/cマウスの免疫化、ハイブリドーマ融合およびクローニング、抗イディオタ イプ(Ab2)の選択ならびにマウスにおける大量の腹水の生成を、以前に記載され たように行った。Ab2抗イディオタイプ3H1(IgG1)を、プロテインA-CLセファロ ース4Bカラムでのアフィニティークロマトグラフィー、それに続くDEAE-セファ ロースイオン交換クロマトグラフィーにより腹水から精製した。単離された免疫 グロブリンの純度(>95%)を、ドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル 電気泳動(SDS-PAGE)および高速液体クロマトグラフィー技術により決定した。無 菌性、発熱性、ポリヌクレオチド、マイコプラズマ、および外来ウイルス汚染、 ならびにレトロウイルス除去確認試験を、米国食品医薬品局ガイドラインに従っ て行った。 精製mAb抗Id(3H1)の5mgアリコートに、1mlの2% Alu-Gel S(Serva Fine Bi ochem,Inc.,Garden City,Long Island,NY)を添加した。次いで、容量をD-PBS で10mlに調節し、そして混合物を室温で1時間ボルテックスでインキュベートし た。次いで、混合物を、2000rpmで24℃で10分間遠心分離した。ゲル層に結合し た・Abの量を、上清中の非結合抗体の量を分光光度計で測定することにより決定 したmAlu-Gel沈降抗体を、使用まで4℃で保存した。これらの手順を、層流フー ド内で無菌的に行い、そして最終産物を滅菌し、そして抗Id 3H1 Alu-Gelとして はっきりと標識し、そして発熱物質を含まない滅菌ガラスバイアルにアリコート した。実施例2 3H1 投与によるマウスにおける腫瘍負担の改善 本発明者らは、同系C57BL/6(H-2b)マウスにおけるCEA腫瘍モデルを使用して、 3H1により誘導される腫瘍特異的免疫を評価した。Robbinsら((1991)Cancer Res. 51:3657-3662)は、高濃度でCEAを発現する形質導入されたマウス腫瘍株の開発を 報告した。この細胞株MC-38ceaは、細胞媒介免疫および体液性免疫に対する優れ た標的であるらしい。非形質導入MC-38ならびにCEA形質導入細胞株は、NCIのDr. Jeffrey Schlomにより快く提供された。 マウスを、3H1-KLH結合体(50μg/マウス)で免疫化した。マウスの最初の免 疫化を、フロイント完全アジュバントを用いて腹腔内に行った。その後の週の免 疫化を、フロイント不完全アジュバントを用いて皮下に行った。血清を、各免疫 の1週間後にマウスの尾静脈から採取し、そしてAb2(3H1)コートプレート上での RIAによるAb3応答および精製CEAコートプレート上でのELISAによる抗CEA(Ab1)応 答について試験した。3匹のマウスからの脾臓を、T細胞増殖アッセイ用にプー ルした。ADCCのために、標的MC-38-cea細胞を、[51Cr]クロム酸ナトリウムで標 識し、そして免疫化マウス由来の脾臓細胞とインキュベートした。放出パーセン トは、自発性(ベースライン)放出で補正された総放出放射能に対する実験放出 放射能の割合である。総放出を、標識細胞への1%Triton X-100の添加の際の放 射能を測定することにより測定した。自発性放出を、51Cr標識細胞から放出され た放射能のアッセイにより測定した。MC-38およびMC-38-cea細胞を、10%FCS、 1%L-グルタミン、100μg/mlペニシリン、および0.25μg/mlストレプトマイシ ンを含むDMEMで増殖させた。MC-38-cea細胞を、200μg/mlネオマイシンアナログ G-418の存在下で培養した。 図1に記載した結果は、5回の免疫化が、有意な量のAb3(図1A)およびAb1( 図1B)の誘導に必要であったことを示す。図8(A)におけるデータは、Ab3が300倍 の希釈後でさえも免疫化マウスの血清中で検出可能であったことを示す。図8(B) におけるデータは、Ab1が、80〜160倍の希釈後でさえも免疫化マウスの血清中で 検出可能であり得ることを示す。イディオタイプおよびCEA特異的T細胞増 殖もまた、5〜6回の免疫後にピークとなった(図1C)。 3H1ワクチンによりマウスにおいて誘導されたAb3のイディオタイプを、マウス 血清によるAb1およびAb2結合の阻害により分析した。これらの実験結果を、表1 に示す。これらの実験について、5匹のマウスそれぞれからの血清を別々にアッ セイして、平均および標準誤差を得た。Ab1-Ab2結合阻害アッセイにおいて、コ ントロール正常血清プールによる阻害は、10〜15%で変化し、そして阻害は、2. 5μgの8019で完全であった。細胞結合阻害アッセイにおいて、正常血清による阻 害は、バックグラウンドレベルであった。 Ab1(8019)の3H1への結合は、どの抗体がプレートをコートするのに使用された かにかかわらず、5匹の免疫マウスの5匹由来の血清により阻害された。125I標 識8019のCEAへの結合阻害を、CEA陽性MC-38-cea細胞を用いることにより測定し た。さらに、5匹のマウスの5匹由来の血清はこの結合を阻害し、そしてこの阻 害は、血清の8倍希釈後でさえも有意であった。これらの結果は、3H1-KLH結合 体によりマウスにおいて誘導されたAb3がAb1と同じイディオタイプを共有するこ とを示唆した。 3H1ワクチン接種により誘導されたAb1の性質をさらに検証するために、免疫前 血清および3H1-KLH結合体での6回の免疫後の3匹のマウスからプールされた血 清のフローサイトメトリー分析を行った。図9に示された結果は、3H1ワクチン で免疫化したマウス由来の血清が、モノクローナル抗CEA抗体8019(図9B)と同 じくMC-38-cea細胞表面に結合し得る(図9A)が、免疫前血清またはアイソタイ プ適合抗イディオタイプ抗体1A7で免疫化したマウスの血清では結合が観察され なかった(図9C)ことを証明する。CEA陰性MC38細胞は、3H1ワクチンで免疫化し たマウス由来の血清(図9D)、モノクローナル抗CEA抗体8019で免疫化したマ ウス由来の血清(図9E)、または1A7で免疫化したマウスの血清(図9F)に結合 しなかった。 3H1免疫化により生じたAb1'が、CEA陽性腫瘍細胞(例えば、MC-38-cea)に対 して細胞溶解性であるか否かを決定するために、ADCCを測定した。ADCC実験の結 果を図10に要約する。各個々のマウス由来の血清による特定の細胞溶解の程度は 変化したが(33±7、1:5希釈;13.2±5、1:10希釈)、有意なADCCを5匹のマウ スのうち5匹において観察した。ごくわずかなADCCを、PBSで免疫化したマウス 由来の血清において観察した(図10)。 確立した腫瘍の治療のためのこのワクチンの効果を評価するために、一群のマ ウスに5×105個のMC38cea細胞を注射した。3日後、一群のマウスを、4日間隔 で3H1ワクチンで処置した。コントロール群を、乳房腫瘍関連抗原を認識する、 別の抗Idである11D10で処置した。結果を表2に示す。腫瘍を両方の群で増殖さ せたが、3H1ワクチンで処置した9匹のマウスのうち6匹の腫瘍は、治療の5〜 6経過後壊死し、そして退行した。2つの群間の差異は、Fisherの正確検定によ りP<.05で有意であった。8匹のマウスのうち1匹のみが、コントロール抗Idワ クチン11D10で処置した群において腫瘍壊死を有していた。これらの結果から、 本発明者らは、3H1が腫瘍特異的治療効果を有すると結論づけた。 実施例3 3H1 を受けたマウスにおける腫瘍発達の遅延 C57BL/6(H-2b)マウスを、実施例2に記載のように免疫化した。腫瘍攻撃実験 を、6回目の免疫化の2週間後に開始した。上記のように免疫化したC57BL/6マ ウスの一群を、各々12マウスの2群に分けた。第1群を、5×105個のMC38cea腫 瘍細胞で攻撃し、そして第2群を等数のMC38腫瘍細胞で攻撃した。MC38ceaで攻 撃したマウスにおいて腫瘍発達の遅延が存在した。結果を図2に示す。これらの マウスで発達した腫瘍はすぐに壊死し、そしてマウス生存がかなり延びた。CEA 陰性結腸直腸腫瘍細胞MC38を注射した3H1免疫化マウスは、7〜10日以内に触診 可能な腫瘍を発達させ、そして2〜3週間以内に死んだ。他のコントロール群( 非関連抗Id(11D10;図2B)で免疫化したマウスおよびPBSでワクチン接種されたマ ウス(図2C))もまた、MC38cea細胞で攻撃された場合に2〜3週間以内に死ん だ。 これらの実験は、CEA腫瘍細胞で攻撃した場合に、3H1マウスを受けたマウスの 延長した生存(すなわち、腫瘍発達における遅延)を示す。 実施例4 アジュバント設定における高い危険性の個体を処置するための3H1の使用 患者の選択 CEA陽性腫瘍を有する6人の高い危険性の患者を、本研究のために選択した( 表3)。患者のうち3人(#1、#2、#3)は、DukeのCガン腫の手術をして おり、そして5-FUおよびレバミゾールを受けている。患者のうち2人は、高い危 険性の肺の腺ガンを有した(#4、IV期、外科的に切除;#5、II期、切除、2 つの陽性の気管支周囲リンパ節)。1人の患者(#6)は、結腸直腸ガンの2番 目の再発の外科的切除を有した。ベースライン研究は、完全な身体検査、胸部X 線撮影、腹部のコンピューター軸方向X線断層撮影試験、血清CEAレベル、日常 的な血球計算および血液化学を含んだ。全ての患者は、治療前少なくとも4週間 休み、そしてステージング(staging)を治療の終わりに繰り返した。 Ab2 の調製 3H1を、実施例1に記載のように得、そしてミョウバン沈殿させた。最終産物 を、使用前にモルモットで無菌性、発熱性、および一般的な安全性について試験 した。Investigational New Drug Applicationは、米国食品医薬品局(BB-IND 50 55)より認可された。投与前に、3H1を、水浴中で45℃で30分間アジュバントの存 在下で熱処理した。処置スケジュール 6人全ての患者は、2mgの熱処理ミョウバン沈殿3H1を皮内に受けた。4回の 注射を、2週間毎に行い、続いて毎月注射した。患者を、12週間毎に評価した。 3H1と同時にフルオロウラシル(5-FU)およびレバミゾールを受けた患者(患者# 1、2、および3)に対して、3H1を5-FUの投与前に2〜5日間投与した。進行 性疾患を証明した場合、患者を本研究から除いた。毒性および臨床応答 毒性を、軽い紅班を有する注射部位での局所のみの反応および硬化および軽い 熱およびアセタミノフェンにより和らげた悪寒を伴って最小であった。抗イディ オタイプ処置は、造血細胞、腎臓または肝臓機能に対していずれの有害な効果も 有さなかった。患者を、疾患活性について非常に密接にモニターした。精製CEA 精製CEAを、Rougier Bio-tech,Montreal,Canada(カタログ番号70015)から商業 的に得た。CEAを、過塩素酸抽出により結腸腫瘍のヒト肝臓転移から単離し、そ してイオン交換クロマトグラフィーにより2回、続いてゲル濾過および数工程の HPLCクロマトグラフィーにより精製した。CEAは100%純粋であり、高速液体クロ マトグラフィーおよびSDS-PAGEにより180,000分子量で単一のバンドを生じ、そ してウマならびにウサギ抗CEA抗体により単一のバンドとして免疫沈降させた。C EA調製物を、マウスモノクローナル抗体抗CEAを用いたウェスタンブロット分析 により180,000および200,000分子量での2つの密接に移動するバンドに分離した 。本発明者らは、モノクローナル抗体8019を用いたウェスタンブロット分析によ り物質を再チェックした。循環CEAの連続モニタリング 疾患程度の間接的測定値(CEAレベル)を免疫前に記録し、そして免疫後、次い で免疫スケジュールの完了後月に一回測定した。このために、患者の血清を熱不 活化して、CEAモニタリングアッセイを妨害する免疫グロブリン(マウスモノク ローナルAb1を含む)を沈殿させた。CEAは熱安定性であり、これを日常的なELIS Aアッセイ(Hybritech Enzymeイムノアッセイキット、カタログ番号4063)によ り透明な遠心分離上清において測定した。CEAの連続モニタリングは、疾患進行 、および臨床的に進行した全ての患者、およびCEAを分泌しなかった患者を除い たそれらの血清CEAレベルの上昇と相関した。 CEAを熱抽出血清において定量した。このために、1mlの0.2M酢酸ナトリウム 緩衝液(pH5.0)を0.5mlの血清に添加し、ボルテックス混合し、15分間90℃でイン キュベートし、そして遠心分離した(1200×g、10分)。上清を同じ日にアッセ イするか、またはアッセイまで-20℃で凍結保存した。次いで、100マイクロリッ トルの上清を、記載されたように(Hansenら(1989)Clin.Chem.35(1):146-151) 、 CEAに対する酵素イムノアッセイによりアッセイした。体液性免疫についてのアッセイ (a)総抗3H1応答 ミョウバン沈殿3H1での免疫化により誘導された体液性免疫の発生を、治療前 およびワクチンでの各処置後の患者から得られた血清を試験することにより評価 した。血清を、Khajaeliら(1988)J.Natl Cancer Inst.80:937-942に記載される ように、サンドイッチラジオイムノアッセイにより総ヒト抗マウス抗体(抗アイ ソ/アロ/および抗-抗イディオタイプ抗体を含む)応答について最初に試験し た。簡単には、マイクロタイタープレートを3H1でコートし、そして患者血清の 異なる希釈物とインキュベートした。洗浄後、抗原-抗体反応を、均一サンドイ ッチラジオイムノアッセイにおいて125I標識抗Id 3H1を用いてタグ化した。3H1 はインタクトなIgG1として注射されるので、タンパク質はヒト抗マウス抗体応答 を増大させると予想される。 6人全ての患者からの過免疫血清(3H1の4回目の注射後)は、均一サンドイ ッチラジオイムノアッセイにより測定されたように、Ab2、3H1免疫に対して、著 しいレベルの総ヒト抗マウス抗体(抗アイソ/アロ/および抗-抗イディオタイ プ抗体を含む)応答を示した。 (b)Ab2 に対する特異的Ab3応答 これらの免疫化患者由来の血清を、ラジオイムノアッセイによりプレート上で125 I標識Ab1(8019)のAb2(3H1)への結合を阻害する能力またはその逆(プレート 上のAb1への放射標識Ab2結合の阻害)についてチェックした。これらの反応を、 アイソタイプおよびアロタイプ決定基に対するヒト抗体をブロックするために、 過剰な正常マウス免疫グロブリンの存在下で行った。 4回目の処置後に患者から得た粗血清を、正常マウス免疫グロブリンとプレイ ンキュベートして、アイソタイプおよびアロタイプ決定基に対してヒト抗体をブ ロックした。本発明者らは、最低4回目の免疫化が、免疫を誘導するのに動物モ デルにおいて必要であるので、日常的に4回目の免疫化後に使用した。4回を超 える注射を受けた患者については、免疫応答は、力価が同等のままであったか、 または増大し続けた。次いで、血清の連続希釈物を、Ab1-Ab2結合アッセイにお ける阻害について試験した。全てのアッセイを、3連で行った。Ab1とAb2との間 の直接的阻害アッセイのために、精製3H1(Ab2)を使用してプレートをコートし( 500ng/ウェル)、そして放射標識8019(Ab1)のAb2への結合を、異なる患者の過免 疫Ab3血清およびAb1の存在下での阻害について試験した。これは、患者血清中の Ab3がイディオトープを8019(Ab1)と共有するか否かを証明した。また、このAb3 血清によるAb1-Ab2結合間の阻害アッセイは、Ab3が真の抗抗イディオタイプであ るか否かを示した。非関連Ab3をコントロールとして使用した。洗浄後、抗原-抗 体反応を、上記の均一サンドイッチラジオイムノアッセイにおいて125I標識抗イ ディオタイプ試薬を用いてタグ化した。前処理、非免疫血清および正常ドナー由 来の血清を、コントロールとして使用した。 図3は、6人全ての患者からのデータを示す。6人全ての患者はAb3を産生し た。図3は、治療への20ヶ月もの長い間での患者血清によるAb1結合のAb2への阻 害を示す。1人の患者(#1)のみが、この患者が5ヶ月の治療の間顕著な阻害 を示していても、有意な減少を示した。この患者は最終的に疾患進行を示し、本 研究から除いた。Ab3結合による立体障害はこれらのアッセイで排除され得ない が、結果は、Ab1とイディオタイプを共有する真の抗-抗イディオタイプ抗体の存 在を示唆する。6人の患者全てが、このアッセイによりAb3応答について陽性で あった。 (c)抗CEA抗体の3H1による誘導 このアッセイを、モノクローナルマウスAb2により患者中に誘導されるAb3のい くつかがAb1型であり、そしてCEAに結合するか否かを決定するために行った。Ro ugier Biotech(上記)から得たCEAの純粋な調製物を使用して、非特異的結合によ る偽陽性結果を得る危険性を減少させた。精製CEAを、クロラミンT法によりI1 25 で放射標識した。放射標識CEA(1×106cpm)を、プロテインG-セファロース ビーズに予め吸着させた0.5mlの患者血清と反応させた。反応後、ビーズを洗浄 し、そしてγ線分光光度計でカウントした。各サンプルを2連で行い、そして平 均の 結合cpmを示す。免疫前血清、リン酸緩衝化生理食塩水-ウシ血清アルブミン、な らびにT細胞リンパ腫の非関連マウスモノクローナル抗体で処置した患者から得 られたAb3血清を、これらのアッセイにおけるコントロールとして使用した。 3H1での免疫化は、ラジオイムノアッセイまたはELISAにより測定されたように 、6人全ての患者において放射標識CEAに結合する抗体を誘導した。処置前、非 免疫血清、および正常ドナー由来の血清を、これらのアッセイにおけるコントロ ールとして使用した。 (d)LS174-T 細胞への結合に対するAb1および患者Ab3の競合 Ab3がAb1と同様の結合部位を有しているのであれば、LS174-T細胞上のCEAへの 結合についてAb1と競合するはずである。固定量の放射標識8019(約90,000cpm)を 、異なる濃度の患者精製Ab3またはAb1調製物およびLS174-T細胞と同時にインキ ュベートした。 Ab3を以下のように患者血清から精製した。50ミリリットルの過免疫血清を、 セファロース4Bに結合した免疫化抗イディオタイプ免疫グロブリン(3H1)からな る免疫吸着カラム上を通過させた。カラムに結合した抗抗イディオタイプ抗体(A b3)を、0.1Mグリシン-塩酸緩衝液(pH2.4)で溶出させた。溶出した抗体を、3M Tr isで中和し、PBS(pH7.2)に対して透析し、次いで、セファロース4Bに結合したア ロタイプ適合正常マウス免疫グロブリンからなる免疫吸着カラム上を通過させて 、抗イディオタイプおよび抗アロタイプ反応性を除去した。通過した抗体を濃縮 し、そして精製Ab3として使用した。Ab3アイソタイプ(isotope)を、ヒト抗アイ ソタイプ(isotope)特異的試薬(Tago)を用いてELISAにより決定した。 全体的にみて、Ab1およびAb3で得た阻害曲線は、異なる希釈物で非常に類似し ていた。これは、患者のAb3はAb1と同じ抗原エピトープに結合し、従って、Ab1 特性を有する抗体分子を含むことを示した。 (e)Ab1 およびAb3によるCEAの免疫沈降 精製CEAを、クロラミンT法によりI125で標識し、そして、プロテインG-セフ アロースビーズに予め吸着させた、精製Ab3(10μg)もしくはAb1(10μg)、または リンパ腫患者由来の非関連コントロールAb3(10μg)、またはPBS-BSAコントロー ルと反応させた。洗浄後、抗原-抗体コートビーズを、Laemmli((1970)Nature 22 7 :680-685)の方法に従ってSDS-PAGEにより分析し、そしてオートラジオグラフィ ーを行った。 Ab1 8019は、SDS-PAGE分析により180,000分子量CEAを特異的に免疫沈降させた ことが以前に示されている(Bhattacharya-Chatterjee(1990))。3H1により誘導 されたAb3がCEA分子に特異的であることを確認するために、ヨウ素化精製CEA調 製物を、2人の患者から得た精製Ab3調製物ならびにAb1により免疫沈降させ、そ してSDS-PAGEにより分析した。結果は、患者のAb3が、マウスAb1 8019のものと 同じ180,000分子量CEAのバンドを沈降させたことを示した。ヨウ素化CEAを、非 関連Ab2(4DC6)で処理した患者から得た精製Ab3と反応させた場合に交差反応は存 在しなかった。 (f)抗体依存性の細胞の細胞傷害性 次いで、本発明者らは、抗体依存性の細胞の細胞傷害性(ADCC)を媒介する能力 について患者血清を試験した。Chereshら(1986)Cancer Research 46:5112-5118 。このアッセイのために、培養ヒトLS-174T細胞(細胞表面上にCEAを発現する) を標的細胞として使用し、そして51Crで標識した。正常ヒト末梢血単核細胞(PBM C)を、エフェクター細胞として使用した。ADCCアッセイを、100:1のエフェクタ ー対標的細胞比で、熱不活化患者血清の存在下で4時間行い、続いて51Cr放出量 を測定した。結果を、図4および5に示す。本発明者らは、3H1に対するポリク ローナルヒト抗抗イディオタイプ抗体応答がADCCを媒介することを見出した。T細胞増殖応答についてのアッセイ 細胞性免疫応答を、水酸化アルミニウム沈殿抗イディオタイプ抗体3H1および 水酸化アルミニウム沈殿アイソタイプ(isotope)適合コントロール抗イディオタ イプ抗体4DC6とインキュベーションした末梢血単核細胞の増殖により測定した。 末梢血単核細胞を、4回の免疫化後に、標準的なFicoll-Hypaque密度勾配遠心 分離法により得た血液から単離し、そしてウェルあたり5×106個の細胞を、5 パーセント熱不活化ウシ胎児血清およびペニシリンおよびストレプトマイシンを 含むRPMI培地中で、異なる濃度の3H1-Alugelおよびコントロール4DC6-Alugel(10 μg〜2μg)とインキュベートした。非特異的マイトジェンフィトヘマグルチニ ン-Pを、ウェルあたり2μgおよび1μgで陽性コントロールとして使用した。細 胞を、5パーセント二酸化炭素を含む雰囲気下で37℃で5日間インキュベートし た後、それらを、3H-チミジン(1μCi/ウェル)で20時間、パルスした。3H-チミ ジン取り込みを、治療前後のサンプルで測定した。データを、1分の3H-チミジ ン取り込みあたりの平均カウント(3連のウェル)として表す。データの標準偏 差は、各測定について<10%であった。 数名の選択した患者から単離した末梢血単核細胞もまた、上記のプロトコルの ように、異なる濃度の精製CEA(10ng〜250ng)および3H1(IYRANRLIDGV;配列番号 1)とCEA(PPAQYSWLIDGN;配列番号2)との間の配列相同性に基づいたペプチ ドとインキュベートした。 陽性増殖応答が、6人の患者全てにおいて見られた。免疫前細胞は、抗イディ オタイプ抗体に対して増殖応答を有さなかったが、過免疫細胞は有意な応答を有 した。アイソタイプ(isotope)適合4DC6水酸化アルミニウム沈殿抗イディオタイ プ抗体に対する応答もまた存在した;この応答は、3H1応答のものより著しく低 く、これは免疫グロブリン分子の非イディオタイプ成分に対する応答を示すと思 われる。コントロール4DC6-Alugelと比較した3H1-Alugelに対する応答の差異は 、BSAと比較したCEAに対する応答(p<0.005)と同様に有意であった(p<0.003) 。Alugel自身に対する応答は存在しなかった。6人の患者のうち3人は、ペプチ ドに対して増殖応答を示した。生存結果 これらの6人の患者のうち4人は、3H1治療の開始後1〜2.5年疾患が無いまま であり、5人のうち1人は2.5年、疾患が無かった。1人の患者(#3)は、21 ヶ月後に進行を示した。別の患者(#6;以下に記載)は、20ヶ月後に進行を示 した。実施例5 CEA 関連腫瘍を有する極度に高い危険性の患者の3H1を用いた長期生存 実施例4での研究からの1人の患者(#4)は、結腸直腸ガンの以前の病歴を 有し、2回別々に骨盤が再発し、これを2年の経過にわたって外科的に切除した 。この患者は、最後の切除の12ヶ月以内に90%を超える再発の危険性を有する、 非常に高い再発の危険性を有していた。患者は、実施例5に記載のような3H1の レジメに置かれた。 この患者は、優れた体液性応答および細胞性応答を示し、そして処置が始まっ た後21ヶ月間疾患が無いままであった(すなわち、検出可能な疾患が無い)。処 置の21ヶ月後、CATスキャンは、腹膜後リンパ節および肝臓の潜在的な転移性疾 患を明らかにした。 実施例6 アジュバント設定における高い危険性の個体を処置するための3H1の使用につい てのさらなるデータ 実施例4に記載の研究を、計15人の患者を含むように拡大した。プロトコルお よび試験は、実施例4に記載の通りであった。表4は、全ての患者についてのデ ータを提供する(番号付けは表2に対応する)。全てのさらなる患者は、治療( すなわち、外科的切除、放射線治療、および/または化学療法)を以前に受けて いた。 表における進行は、研究に入った日から測定した進行に対する時間を示す。デ ータは、進行していた9人の患者のデータを示し、(研究に入った日からの)進 行に対する時間の範囲は、1ヶ月から36ヶ月であり、これらの患者のうち6人が 3H1での処置の20ヶ月以上まで進行しなかった。進行していなかった8人の患者 のうち、1人の患者(#8)は、処置の11ヶ月後でもなお疾患が無かった。患者 #5(23ヶ月後に進行した)と同じ医学的病歴を有する患者は、12ヶ月以内に約 80%の確率の再発を有すると評価される。実施例5に記載のように、医学的病歴 に基づいて、患者#4(21ヶ月後に進行した)は、12ヶ月以内に90%以上の可能 性の再発を有すると評価される。 別の有用な統計量は、最後の処置の日から測定された検出可能でない疾患の( または進行に対する)時間(すなわち、検出可能な疾患がない期間)である。従 って、測定された患者番号1および2は、進行まで23ヶ月間疾患がなかった。患 者#5は、進行まで24ヶ月間疾患が無かった。患者#7は、22ヶ月後でもなお疾 患が無かった。 前述の発明は、理解の明瞭の目的のための例示および例のためにいくらか詳細 に記載されたが、特定の変化および改変が行われ得ることは当業者には明らかで ある。従って、説明および実施例は、本発明の範囲を限定するものとして解釈さ れるべきでなく、添付の請求の範囲により正確に概説される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU ,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH, CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G B,GE,HU,IL,IS,JP,KE,KG,KP ,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU, LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,N Z,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI ,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,US, UZ,VN (72)発明者 フーン,ケネス エイ. アメリカ合衆国 ケンタッキー 40506, レキシントン,ローズ ストリート 800 (72)発明者 チャタージー,スンイル ケイ. アメリカ合衆国 ケンタッキー 40502, レキシントン,ザ ウッズ レーン 2400

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.低い腫瘍負担を有する個体においてCEA関連腫瘍の発達を遅延する方法であ って、有効量の抗イディオタイプ抗体3H1を個体へ投与する工程を包含する、方 法。 2.前記個体が高い危険性を有する、請求項1に記載の方法。 3.前記個体がアジュバント設定においてである、請求項2に記載の方法。 4.前記3H1がアジュバントと共に投与される、請求項1に記載の方法。 5.前記アジュバントが水酸化アルミニウムである、請求項4に記載の方法。 6.前記CEA関連腫瘍が胃腸起源である、請求項1に記載の方法。 7.前記CEA関連腫瘍が結腸直腸である、請求項6に記載の方法。 8.前記CEA関連腫瘍が肺である、請求項1に記載の方法。 9.前記3H1が約1mg〜約4mgの量で投与される、請求項1に記載の方法。 10.前記3H1が約2mgの量で投与される、請求項9に記載の方法。 11.前記3H1が1週間間隔で投与される、請求項1に記載の方法。 12.前記3H1が2週間間隔で投与される、請求項1に記載の方法。 13.前記3H1が投与前に熱処理される、請求項1に記載の方法。 14.前記個体が、約50ng/ml未満の循環CEAレベルを有する、請求項1に記載の 方法。 15.低い腫瘍負担を有する個体におけるCEA関連腫瘍の処置の方法であって、 有効量の抗イディオタイプ抗体3H1を該個体に投与する工程を包含する、方法。 16.低い腫瘍負担を有する個体におけるCEA関連腫瘍の処置の方法であって、 該個体が約50ng/ml未満の循環CEAのレベルを有し、該方法が有効量の抗イディオ タイプ抗体3H1を該個体に投与する工程を包含する、方法。 17.個体における大腸または結腸直腸起源のCEA関連腫瘍の処置の方法であっ て、(a)5-フルオロウラシルを投与する工程、(b)塩酸レバミゾールまたは ロイコボリンカルシウムを投与する工程;および(c)有効量の3H1該個体に投 与する工程を包含する、方法。
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