JP2002500034A - 哺乳動物edg−7受容体相同体 - Google Patents

哺乳動物edg−7受容体相同体

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JP2002500034A JP2000527511A JP2000527511A JP2002500034A JP 2002500034 A JP2002500034 A JP 2002500034A JP 2000527511 A JP2000527511 A JP 2000527511A JP 2000527511 A JP2000527511 A JP 2000527511A JP 2002500034 A JP2002500034 A JP 2002500034A
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ムンロー、ドナルド、ジー.
ガプタ、アシュワニ、ケー.
ザストウニー、ローマン、エル.
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エヌピーエス アレリックス コーポレーション
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、哺乳動物EDG-7受容体相同体、特にヒトEDG-7受容体相同体の核酸配列およびアミノ酸配列に関する。また本発明は、EDG-7受容体に対するアゴニストおよびアンタゴニストを決定する方法、ならびにアッセイ、発現ベクター、宿主細胞およびEDG-7の異常発現または活性に関連した疾患の治療方法も提供する。

Description

【発明の詳細な説明】発明の分野 本発明は、分子生物学の分野に関し、より具体的には、本発明は、哺乳動物の
EDG-7受容体相同体、特にヒトのEDG-7受容体相同体についての核酸配列およびア
ミノ酸配列を記載するものである。発明の背景 edg受容体のファミリーは、その内因性リガンドが知られていないことから一 般にオーファン受容体に分類される(例えばHla TおよびMaciag T(1990)J Biol.
Chem. 265:9308-13; 米国特許第5,585,476号を参照されたい)。しかしながら、 近年、リゾホスファチジン酸がedg-2受容体の内因性リガンドであることが示さ れた(Hechtら(1996)J. Cell. Biol. 135:1071-1083; Anら(1997)Biochem. Bioph
ys. Res. Comm. 213:619-622)。
【0001】 受容体のedgファミリーは、7回膜貫通Gタンパク質結合受容体(T7GまたはGPCR
)である。T7Gは、その7個の疎水性ドメインによりそう呼ばれており、7個の疎水
性ドメインは、形質膜に広がっており、逆平行αヘリックスの束状構造を形成し
ている。これらの膜貫通セグメント(TMS)は、ローマ数字I〜VIIで示され、受容 体の構造的および機能的特徴の原因となる。大部分の場合、ヘリックス形態の束
状構造は結合ポケットを形成するが、結合部位がより嵩張る分子を収容しなけれ
ばならない場合、細胞外のN-末端セグメントまたは3個の細胞外ループのうちの1
個以上が結合に関与し、次いで受容体の細胞内部分のコンホメーション変化の誘
導に関与する。特に、TM-VIIは一般にT7G受容体の高度に保存された部分であり 、しばしばリガンド結合および受容体活性化に大いに関与する。細胞内カルボキ
シ-末端は、受容体活性化における細胞内シグナルを伝達するタンパク質などの 細胞内タンパク質との相互作用に関与しており、カルボキシ末端は通常親水性で
あり、受容体ポリペプチド全体と比較して非常に抗原性であり、保存性が非常に
低い。
【0002】 受容体が一旦活性化されると、受容体はさらに細胞内シグナル伝達活性、一般
にはサイクリックAMP(cAMP)、ホスホリパーゼC、イノシトール三リン酸のような
第二メッセンジャーの産生、プロテインキナーゼの活性化、特定の遺伝子の発現
の変更を仲介する細胞内G-タンパク質複合体と相互作用する。
【0003】 T7G受容体は、多くの発育過程および疾患の過程の間に発現され、活性化され る。新規T7G受容体の同定によってそのような過程における診断または介入の機 会がもたらされ、受容体を生理学的または薬学的分子(これらの分子はかかる受
容体の活性を引き起こし、延長させ、もしくは阻害し、またはT7G受容体とは別 個の制御された細胞内経路を特異的にモジュレートする)を同定するためのスク
リーニングアッセイに用いることができる。発明の概要 本発明は、新規哺乳動物EDG-7受容体相同体、特に新規ヒトEDG-7(HEDG-7)受容
体相同体をコードする単離されたユニークなヌクレオチド配列を提供する。本明
細書では、HEDG-7をコードするヌクレオチド配列を、hedg-7と呼ぶ。
【0004】 また本発明は、hedg-7 mRNAの相補配列である単離されたユニークなヌクレオ チド配列にも関する。さらに、本発明は、ストリンジェントな条件下でhedg-7に
ハイブリダイズするヌクレオチド配列を特徴とする。
【0005】 また本発明は、hedg-7の部分もしくは断片、またはその相補体をコードするヌ
クレオチド配列、またさらにそのようなヌクレオチド配列を含む発現ベクターお
よび宿主細胞にも関する。
【0006】 本発明はまた、アミノ酸断片、特にHEDG-7に対する抗体として有用なTM-VIIお
よびカルボキシ末端ドメインにおける断片を提供する。
【0007】 さらに、本発明は、HEDG-7のアミノ酸配列およびhedg-7の核酸配列、またはそ
の変異体を、hedg-7の異常発現に関連した罹患細胞および/または組織の診断ま
たは治療において使用することに関する。
【0008】 本発明のさらなる態様は、hedg-7のアンチセンスDNA;hedg-7を含むクローニ ングまたは発現ベクター;hedg-7を含む発現ベクターで形質転換された宿主細胞
または生物;hedg-7の染色体位置確認;hedg-7の発現および組織分布;宿主細胞
からの精製HEDG-7の製造および回収方法;精製タンパク質HEDG-7(これはHEDG-7
を含むシグナル伝達のダウンレギュレーションに対するインヒビターを同定する
ために用いられ得る);ならびに形質転換細胞を用いたhedg-7のリガンドのスク リーニング方法を含む。
【0009】 特に、本発明は、 (a) 図1A(配列番号1)のヌクレオチド16〜1170を含むヌクレオチド配列、 (b) 図1B(配列番号2)のヌクレオチド13〜1167を含むヌクレオチド配列、 (c) (a)または(b)に対して70%の配列同一性、より好ましくは約80〜85%の配
列同一性、より一層好ましくは少なくとも約90%の配列同一性、最も好ましくは
少なくとも約95%の配列同一性を有するヌクレオチド配列であって、ストリンジ
ェントな条件下で (a)または(b)のヌクレオチド配列にそれぞれハイブリダイズ するもの、またはその一部分、 (d) 図2A(配列番号3)のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、なら
びに、 (e) 図2B(配列番号4)のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列 からなる群から選択される単離されたヌクレオチド配列を提供する。
【0010】 また発現ベクター;宿主細胞;精製アミノ酸配列;相補的核酸配列;生物学的
に活性な断片;ならびにそのようなヌクレオチド配列およびそれらにコードされ
るアミノ酸配列に対するハイブリダイゼーションプローブも提供する。
【0011】発明の詳細な説明 本発明は、一つには、ヒトのedg-7受容体をコードする、単離された形態のポ リヌクレオチドに関する。EDG受容体は、7個の膜貫通領域などのG-タンパク質結
合受容体クラスに共通する構造的特徴およびリソフィンゴ脂質(lysophingolipid
)を選択的に結合する機能的特性によって特徴付けられる。宿主細胞において機 能的に、すなわち応答性第二メッセンジャー系と機能し得るように連結された状
態で発現する場合、EDG-7受容体はシグナル伝達によって、リソフィンゴ脂質に 結合可能であり、リソフィンゴ脂質に対してさらに応答可能である。この点に関
して、HEDG-7受容体の活性は、下記の種々の適切な機能アッセイのいずれかを用
いて測定することができる。
【0012】 本明細書で用いられる場合、大文字の略号で示されているHEDG-7は、天然また
は合成形態のヒトEDG-7受容体相同体を意味する。HEDG-7受容体は、S1PおよびSP
Cで活性化され、図2Aまたは図2Bのアミノ酸配列およびその生物学的に活性 な断片を含む。より具体的には、HEDG-7受容体は、好ましくは互いに少なくとも
90%以上の配列同一性を、そしてより好ましくは互いに少なくとも95%以上の同
一性を有している。
【0013】 本明細書で言及した刊行物および特許出願は全て、特に手法、細胞系およびベ
クターを説明する目的で参照により組み込まれる。しかしながら、本明細書にお
いて、本発明が、例えば先行発明によるそのような開示に先行する権利を有する
ものではないことを認めるものと解釈されるべきものはない。
【0014】定義 下記の定義は、本明細書において、本出願で用いられる特定の用語を説明する
目的で用いられる。特に定義されていない用語にはどれも本発明が属する技術分
野の当業者によって一般に理解された意味が付与されるべきである。
【0015】 本明細書で用いられる場合、「単離された」とは、その他のタンパク質をコー
ドするヌクレオチド配列から分離されていることを意味する。ポリヌクレオチド
ライブラリーに関して、例えば、hedg-7受容体コードヌクレオチド配列は、それ
が選択された場合に「単離された」とみなされ、よってライブラリー内の他のヌ
クレオチド配列との関係が解除される。そのようなヌクレオチド配列は、RNAの 形態またはcDNA、ゲノムDNA、合成DNAなどのDNAの形態で存在し得る。
【0016】 本明細書で用いられる場合、「精製された」とは、その天然環境から取り出さ
れ、そして単離または分離された配列を意味し、それらが天然で関連している他
の成分を少なくとも60%含まない、好ましくは75%含まない、最も好ましくは90
%含まないものを意味する。
【0017】 「オリゴヌクレオチド」は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)においてオリゴマー 、アンプライマー(amplimer)またはプローブとして用いるのに十分な数の塩基を
有するヌクレオチド残基のストレッチである。オリゴヌクレオチドは、ゲノムま
たはcDNA配列から調製され、特定の細胞または組織における類似のDNAもしくはR
NAを増幅し、その存在を明らかにし、または確認するために用いられる。オリゴ
ヌクレオチドまたはオリゴマーは、少なくとも約10個のヌクレオチド、約35個の
ヌクレオチド、好ましくは約25個のヌクレオチドを有するDNA配列の一部分を含 む。
【0018】 「プローブ」は、天然、組換えまたは化学合成された1本鎖または2本鎖核酸か
ら誘導され得るか、化学的に合成され得る。プローブは同一または類似の配列の
存在を検出するのに有用である。
【0019】 ヌクレオチド配列または核酸配列の「一部分」または「断片」には、約6kb以 下、好ましくは約1kb以下のヌクレオチドを含むヌクレオチド配列の全部分また は任意の部分が含まれる。一部分または断片はプローブとして用いることができ
る。そのようなプローブは、ニックトランスレーション、クレノウフィルイン(f
ill-in)反応、PCRまたは当技術分野で公知のその他の方法を用いてレポーター分
子で標識し得る。反応条件を最適化し、偽陽性体を排除するために、核酸プロー
ブをサザン、ノーザンまたはin situハイブリダイゼーションに用いてHEDG-7を コードするDNAまたはRNAが細胞型、組織または器官に存在するかどうかを確認す
ることができる。
【0020】 「レポーター」分子は、特定のヌクレオチドまたはアミノ酸配列と関連し、そ
の存在を証明し、その定量を可能にし得る放射性核種、酵素、蛍光物質、化学発
光物質または色素物質である。
【0021】 HEDG-7をコードする「組換えヌクレオチド変異体」は、遺伝子コード中の「重
複性」を用いることにより合成され得る。特定の制限部位またはコドン利用特異
的突然変異をもたらすサイレント変異などの種々のコドン置換を、プラスミドも
しくはウイルスベクターへのクローニング、または特定の原核宿主系もしくは真
核宿主系における発現を、それぞれ最適化するために導入することができる。
【0022】 「キメラ」分子は、HEDG-7特性、すなわち細胞位置、分布、リガンド結合親和
性、鎖間親和性、分解/代謝回転速度、シグナル伝達などのいずれか1つ(また は2以上)を変化させると考えられる追加の核酸配列を含むベクター中に、本発
明のヌクレオチド配列の全部または一部分を導入することにより構築し得る。
【0023】 「生物学的に活性なまたは活性な」とは、任意の天然HEDG-7の生物活性および
/または抗原活性の少なくとも一部を維持する任意のHEDG-7ポリペプチドの形態
、断片またはドメインを意味する。
【0024】 「天然HEDG-7」とは、遺伝子工学的に操作されていない細胞により産生された
ポリペプチドを意味し、特に、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば限定するもの
ではないがアセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、リン酸化、脂質化(lip
idation)およびアシル化などから生じる種々のポリペプチドを意図するものであ
る。
【0025】 「誘導体」とは、化学的に修飾されたアミノ酸配列およびヌクレオチド配列を
意味する。ポリペプチド誘導体についてのそのような技術としては、ユビキチン
化;標識化(上記参照);peg化(ポリエチレングリコールを用いた誘導体化) ;およびヒトタンパク質では通常生じないオルニチンなどのアミノ酸の化学的挿
入または置換が挙げられる。ヌクレオチド配列誘導体は、天然分子のその本質的
な生物学的特性を維持するアミノ酸をコードするであろう。
【0026】 「組換えポリペプチド変異体」とは、組換えDNA技術を用いて作製された、ア ミノ酸の挿入、欠失および/または置換によって天然HEDG-7とは異なる任意のポ
リペプチドを意味する。対象となる活性を破壊せずにどのアミノ酸残基を置換、
付加または欠失し得るかを決定するガイダンスは、HEDG-7の配列と関連ポリペプ
チドの配列とを比較し、高度に保存された領域でなされるアミノ酸配列の変異の
数を最小化することにより見出すことができるであろう。
【0027】 アミノ酸「置換」は、1個のアミノ酸を、類似の構造特性および/または化学 特性をもつ別のアミノ酸で置換すること、例えばロイシンのイソロイシンまたは
バリンによる置換、アスパルテートのグルタメートによる置換、またはトレオニ
ンのセリンによる置換などにより生じる場合、性質が保存される。
【0028】 「挿入」または「欠失」は、典型的には約1〜5個のアミノ酸の範囲である。
許容される変化は、ペプチドを合成的に製造するか、または組換えDNA技術を用 いてhedg-7配列内にヌクレオチドの挿入、欠失もしくは置換を系統的に行うこと
により、実験的に決定し得る。
【0029】 所望により「シグナルまたはリーダー配列」を用いてポリペプチドを細胞の膜
を通るように指令することができる。そのような配列は本発明のポリペプチド上
に天然に存在し得るか、または組換えDNA技術によって異種起源から得ることが できる。
【0030】 「オリゴペプチド」は、アミノ酸残基の短いストレッチであり、オリゴヌクレ
オチドから発現され得る。オリゴペプチドは、ポリペプチドの「断片」、「一部
分」または「セグメント」と機能的に等価であり、長さが同一(またはかなり短
い)ものであり得る。そのような配列は、少なくとも約5個、多くの場合約17個 以上のアミノ酸、典型的には少なくとも約9〜13個のアミノ酸からなり、生物活 性および/または抗原活性を示すのに十分な長さをもつアミノ酸残基のストレッ
チを含む。
【0031】 「インヒビター」は、生化学的、細胞性、または生理学的反応または応答を遅
らせるかまたは妨害する任意の物質である。一般的なインヒビタ−としては、限
定するものではないが、アンチセンス分子、抗体およびアンタゴニストが挙げら
れる。
【0032】 「標準」とは、比較のための定量的または定性的測定値である。これは、統計
学的に適切な数の標準サンプルに基づくものであり、診断アッセイを行う場合、
臨床試験を行う場合、または患者の治療プロフィールを追跡する場合の比較の基
礎として用いるために作成される。
【0033】 「ストリンジェントな条件」は、本明細書では、実質的に関連のある核酸配列
をハイブリダイズさせる条件を意味するために用いられる。そのようなハイブリ
ダイゼーション条件は、Sambrookら, Molecular Cloning: A Laboratory Manual
, 第2版, Cold Spring Harbor Press, 1989に記載されている。一般に、ストリ ンジェンシーは、プローブの融解温度よりも約5℃低い温度から該融解温度より も約20〜25℃低い温度までの範囲内で生じる。当業者には理解されるように、ス
トリンジェンシー条件は、同一または関連ヌクレオチド配列を同定または検出す
るために変更することができる。配列の長さおよび性質(DNA、RNA、塩基組成)、
標的の性質(DNA、RNA、塩基組成、溶液中の存在または固定化など)ならびに塩 およびその他の成分(例えばホルムアミド、硫酸デキストランおよび/またはポ リエチレングリコールの存在または不存在)の濃度のようなファクターが考えら れ、ハイブリダイゼーション溶液を変えることにより低または高ストリンジェン
シーのいずれかの条件を生じさせることができる。
【0034】 「動物」とは、本明細書で用いられる場合、ヒト、家畜(ネコ、イヌなど)、 農業動物(ウシ、ウマ、ヒツジなど)または試験生物種(マウス、ラット、ウサギ
など)を含むものと定義され得る。
【0035】 「ヌクレオチド配列」は、本明細書で用いられる場合、オリゴヌクレオチド、
ポリヌクレオチド、およびそれらの断片もしくは一部分であり、ゲノムまたは合
成起源のDNAまたはRNA(1本鎖でも2本鎖でもよい)であり、センス鎖または相補
鎖もしくはアンチセンス鎖を示す。
【0036】 「配列同一性」は、当技術分野で知られており、配列を比較することにより、
特にこのような配列のストリング間のマッチ(一致)により決定されるような、
2つ以上のポリペプチド配列間または2つ以上のポリヌクレオチド配列間の関係
である。配列同一性は、公知の方法(Computational Molecular Biology, Lesk,
A.M.編, Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informati
cs and Genome Projects, Smith, D.W.編, Academic Press, New York, 1993; C
omputer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A.M., およびGriffin,
H.G.編, Humana Press. New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular
Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; およびSequence Analysis P
rimer, Gribskov, M. およびDevereux, J.編, M. Stockton Press, New York, 1
991)により容易に計算することができる。2つの配列間の同一性を測定するため
の方法が多数存在すると同時に、この用語は当業者には公知である(例えば、Seq
uence Analysis in Molecular Biology; Sequence Analysis Primer; Carillo,
H.および Lipman, D., SIAM J. Applied Math, 48:1073(1988)を参照されたい) 。配列間の同一性を決定するのに一般的に用いられる方法としては、限定するも
のではないが、Carillo, H.およびLipman, D., SIAM J. Applied Math., 48:107
3(1988)または好ましくはNeedlemanおよびWunsch, J. Mol. Biol., 48:443-445,
1970(ここで、このパラメータはDNASIS(Hitachi Software Engineering社, Sa
n Bruno, CA)のバージョン2にセットされているとおりである)に開示された方 法が挙げられる。同一性を決定するためのコンピュータプログラムは公的に入手
可能である。2つの配列間の同一性を決定するための好ましいコンピュータプロ
グラム法としては、限定するものではないが、GCGプログラムパッケージ(Devere
ux, J.ら, Nucleic Acids Research 12(1): 387(1984))、BLASTP、BLASTNおよび
FASTA(Atschul, S.F.ら, J. Molec. Biol. 215: 403-410(1990))が挙げられる。
BLASTXプログラムは、NCBI(blast@ncbi.nlm.mih.gov)およびその他の供給源(BLA
ST Manual, Altschul, S.ら, NCBI NLM NIH Bethesda, MD 20894; Altschul, S.
ら, J. Mol. Bio. 215: 403-410(1990))から公的に入手可能である。コンピュー
タ分子生物学, Lesk, A.M.編。特許請求の範囲に特に記載しない限り、特許請求
の範囲を解釈する目的での同一性のパーセンテージは、DNASISのバージョン2に セットされたパラメータを用いてNeedlemanおよびWucnschアルゴリズムにより計
算されるであろう。
【0037】 リン脂質は細胞活性の重要な調節物質であることが示されており、そのような
細胞活性には、有糸分裂誘発(Xuら(1995) J. Cell Physiol., 163:441-450)やア
ポトーシス、細胞接着、並びに遺伝子発現の調節が含まれる。例えば具体的には
、LPAは細胞増殖に対する成長因子様作用を誘発(Moolenar (1996) J. Biol. Che
m., 270:12949-12952)したり、細胞移動に対する成長因子様作用を誘発(Imamura
ら(1993) Biochem. Biophys. Res. Comm., 193:497-503)する。さらに、かなり の情況証拠により、リン脂質が癌(Imamuraら (1993) Biochem. Biophys. Res.
Comm., 193:497-503)、炎症性成分を有する疾患(Fourcadeら(1995), Cell, 80
(6):919-927;成人呼吸困難症を含む)、神経変性(Jalinkら(1993) Cell Growt
h Differ., 4:247-255)、関節リュウマチ(Natiarajanら(1995) J. Lipid Res.,
36(9):2005-2016)、乾癬、及び炎症性腸疾患を含む種々の疾病状態に関与して いる可能性があることが指摘されている。従って、HEDG-7の発現または活性のモ
ジュレーターは、上記疾病状態の治療又は予防に有用であると考えられる。
【0038】 T7G受容体のedg受容体ファミリーは、配列類似性およびゲノム組織性(genomic
organization)に基づいて、2つのサブグループにサブ分割されてきた(Chun, C
ontos および Munroe, 印刷中)。本発明者等は、edg-2、edg-5(U.S.S.N. 08/99
7,803)およびedg-6(Genbank 受託番号 AF011466)がLPAに対してアゴニストとし
て応答し、それらのコード領域内で共通のイントロン構造を共有していることを
見出した。egd-1、edg-3およびedg-4/H218(受託番号 U10699)は、イントロンの ないコード領域を有し、S1PおよびSPCにアゴニストとして応答する。本発明のT7
G受容体HEDG-7は、コード領域にイントロンを有さないが、そのアミノ酸配列は 両方のedgファミリーのサブグループに特徴的なモチーフを示す。(図4参照)
【0039】 本発明の一つの態様は、組換えHEDG-7受容体をリガンドおよび薬剤となる可能
性のある候補のスクリーニングのためのアッセイにおいて使用する方法である。
高スループットスクリーニングにおけるT7G受容体の使用は公知であるが、HEDG-
7受容体についてのこのようなスクリーニングはこれまでに報告されていない。 より具体的には、本明細書に提示された新規HEDG-7受容体は、潜在的アゴニスト
の相対的効力および有効性を同定しランク付けするために使用できる。これらの
化合物は、それらがHEDG-7アゴニストに対する細胞性応答もしくは生理学的応答
をモジュレートすること、または受容体が生じる細胞においてHEDG-7シグナル伝
達を開始させるかまたは補完することが期待されるが故に、有用であり得る。同
様に、一旦定量的かつ信頼できるアッセイが確立されると、アッセイは容易に、
受容体アゴニストの相対的効力および有効性を同定しランク付けするために使用
できる。本明細書に記載されたスクリーニング方法のこの使用は、他の態様を制
限することなく、本発明の範囲内に包含され、組み込まれている。
【0040】 S1PおよびSPCは、HEDG-7に関するアゴニストであることが見出された(図7〜
9を参照)。他方、LPA、エデルフォシン、サイコシン、グルコサイコシン、ジ ヒドロS1P、アナンダミドおよび2-アラキドニルグリセロールは、HEDG-7のアゴ ニストとして作用しないことが見出された(図8、9を参照)。
【0041】 他のHEDG-7リガンドは、リン脂質クラスの化合物間で見出されると考えられる
。従って一実施形態において、リン脂質分子はリガンドを同定するためにスクリ
ーニングされ得る。特に、潜在的リガンドは、16、17、18、19、20、22および24
炭素単位等の異なる長さの脂肪酸鎖を、1、2、3または4の不飽和炭素-炭素結合 を有するかまたは有さずに含むと考えられている。ホスファチジン酸、スフィン
ゴシン、多数のリソリン脂質およびリソスフィンゴ脂質がヒト疾患の病態生理学
における役割を果たしている。HEDG-7は、このような生物活性脂質の低循環レベ
ルまたは局所的産生レベルに応答して、このような疾患における病態生理学的応
答の重要な成分を生じさせる可能性がある。edg-7は複数の組織のノーザンブロ ットでは検出されなかったが、このことは正常組織では高レベルの発現は広まっ
ていないことを示唆していた。RT-PCRにより、edg-7 mRNAが哺乳動物の腺および
リンパ節組織に存在することが示された。さらに、RT-PCRにより、いくつかのラ
ット組織(結腸、肺、脾臓、視床下部、菱脳、小腸、肝臓および腎臓を含む)に
おけるedg-7 RNAの発現が示された。edg-7 cDNA挿入断片はまた、小腸および胎 児脳から合成されたヒトcDNAライブラリーにおいても検出され、これらの組織お
よび他の組織の特定の細胞集団内において発現されている可能性がある。
【0042】 HEDG-7をコードするヌクレオチド配列(又はその相補体)は、分子生物学の当
業者に知られる技術において多数の応用を有している。これらの技術には、ハイ
ブリダイゼーションプローブとしての使用、PCR用オリゴマーの構築のための使 用、染色体及び遺伝子地図作成への使用、HEDG-7の組換えによる製造への使用、 並びにアンチセンスDNA若しくはRNA、それらの化学類似体などの作製への使用が
挙げられる。本明細書に開示されるHEDG-7をコードするヌクレオチドの使用は公
知の技術例であり、当業者に公知の技術へのそれらの使用を制限するものではな
い。さらに本明細書に開示されるヌクレオチド配列は未だ未開発の分子生物学技
術に使用することも可能であるが、但しその新規の技術は例えばトリプレットの 遺伝暗号、特定の塩基対相互作用などの現在知られているヌクレオチド配列の性
質に依存するものとする。
【0043】 遺伝暗号の縮重の結果、複数のHEDG-7をコードするヌクレオチド配列が作成可
能であることは当業者には理解されるだろう。これらのなかには公知の及び天然
のHEDG-7のヌクレオチド配列と最小の相同性しかもたないものもあるだろう。本
発明は特に、可能なコドン選択に基いて組合せを選択することによって為しうる
ヌクレオチド配列の可能な変異の各々及び全てを意図している。これらの組合せ
は、天然hedg-7のヌクレオチド配列に適用される標準トリプレット遺伝暗号にし
たがって作成され、そのような全ての変異は特定的に開示されているものと考え
られるべきである。
【0044】 HEDG-7をコードするヌクレオチド配列、その誘導体又はその変異体は好ましく
はストリンジェントな条件下で天然hedg-7のヌクレオチド配列とハイブリダイズ
可能であるが、実質的に異なるコドン使用を有する、HEDG-7若しくはその誘導体
をコードするヌクレオチド配列を作成することは有益かもしれない。特定のコド
ンが宿主によって利用される頻度にしたがって特定の真核若しくは原核発現宿主
において前記ペプチドの発現が起こる割合が高まるように、コドンを選択するこ
とができる。コードされるアミノ酸配列を変えずに、HEDG-7及び/又はその誘導 体をコードするヌクレオチド配列を実質的に変更する他の理由として、天然配列
から産生された転写体と比べてより望ましい性質(例えば、より大きい半減期)
を有するRNA転写体の産生が挙げられる。
【0045】 ヒト遺伝子はしばしば、無視できない実際的多型、即ち全ヒト人口のほんの一
部におけるヌクレオチド配列の変異、を示す。多くの場合、この多型の結果、1個
以上のアミノ酸置換が生じる。これらの置換のなかにはタンパク質機能の立証可
能な変化を全く示さないものもあるが、それ以外のものでは機能的作用の度合い
が変化する可能性がある。実際、多くの天然の又は人工的に作られた突然変異に
よって発現可能なHEDGタンパク質に導くことができる。天然に産生されても又は
人工的に作製されてもいずれの場合にも、これらの変異体の各々は等価物とみな
され、特に本発明に包含される。
【0046】 HEDG-7をコードするヌクレオチド配列は、十分に確立された組換えDNA技術(Sa
mbrookら(1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbo
r Laboratory, Cold Spring Harbor NY;又はAusubel FMら(1989) Current Proto
cols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York City)によって種々
の他のヌクレオチド配列と結合させることができる。hedg-7と結合させるのに有
用なヌクレオチド配列には、各種のクローニングベクター、例えばプラスミド、 コスミド、ラムダファージ誘導体、ファージミドなどが含まれる。対象となるベ
クターには、発現用ベクター、複製用ベクター、プローブ作製用ベクター、配列 決定用ベクターなどが含まれる。一般に対象となるベクターは、少なくとも1種 の生物で機能する複製開始点、都合のよい制限エンドヌクレアーゼ感受性部位、 及び1種以上の宿主細胞系用の選択マーカーを含むことができる。
【0047】 本発明の別の態様は、HEDG-7をコードする天然のヌクレオチド配列とハイブリ
ダイズ可能なhedg-7特異的ハイブリダイゼーションプローブを提供することであ
る。このようなプローブはまた、類似のT7Gをコードする配列の検出のために使 用可能であり、hedg-7配列に対し好ましくは少なくとも60%の同一性を含むべき である。本発明のハイブリダイゼーションプローブは、hedg−7の図において示 されるヌクレオチド配列、又は天然遺伝子のプロモーター、エンハンサー、イン トロン若しくは3'非翻訳領域を含むゲノム配列、から誘導することができる。 ハイブリダイゼーションプローブは、当技術分野でよく知られた技術を用いて種
々のレポーター分子で標識されてもよい。好ましくは、ハイブリダイゼーション
プローブは、hedg-5受容体の少なくとも15ヌクレオチド、好ましくは少なくとも
25ヌクレオチドを含む。適するハイブリダイゼーションプローブには、コンセン
サス断片即ちラット及びヒトのedg-5受容体において同一の、受容体の細胞外edg
-7結合ドメイン、規定された膜貫通領域、及びC末端部分が含まれる。
【0048】 HEDG-7の核酸配列の多くの欠失又は変異類似体はHEDG-7核酸用の有効なハイブ
リダイゼーションプローブである。従って、本発明はストリンジェントな条件下
でHEDG-7をコードする核酸配列とハイブリダイズする核酸配列に関する。
【0049】 ストリンジェントな条件は一般に、少なくとも約70%同一性をもつ配列、より
好ましくは少なくとも80〜85%配列同一性をもつ配列、さらにより好ましくは少
なくとも約90%配列同一性をもつ配列、最も好ましくは少なくとも約95%配列同
一性をもつ配列のハイブリダイゼーションを可能にするだろう。ハイブリダイゼ
ーション条件及びプローブは十分に特徴付けられた方法で調整してヒト由来プロ
ーブの選択的ハイブリダイゼーションを達成することができる。ストリンジェン
トな条件下でHEDG-7をコードする核酸とハイブリダイズするであろう核酸分子は
、上で概説した方法を用いるか、あるいは、Sambrookら, Molecular Cloning. A
Laboratory Manual, 2版, Cold Spring Harbor Press, 1989に総説されている 例えばハイブリダイゼーション則を用いることによって、機能的に同定可能であ
る。ハイブリダイゼーションプローブの使用例には、HEDG-7を発現する組織を同
定することなどの組織化学的使用、例えば異常な量のHEDG-7を発現する細胞を同
定したりあるいはサンプルの組織型を同定するためのmRNA量の測定、並びにHEDG
-7における多型性の検出が挙げられるが、これらに限定されない。RNAハイブリ ダイゼーション手順は、Maniatisら, Molecular Cloning, A Laboratory Manual
(Cold Spring Habor Press, 1989)に記載されている。米国特許第4,683,195号 明細書、米国特許第4,800,195号明細書及び米国特許特許第4,965,188号明細書に
記載されるようなPCRは、本発明のEDG−7配列をコードするヌクレオチド配列に 基いたオリゴヌクレオチドのさらなる使用を提供する。PCRに使用される上記の ようなプローブは、組換え起源のもの、化学合成されたもの、又はその両者の混
合物でありうる。オリゴマーは、特定の組織又は診断用途でのhedg-7の同定のた
めの最適条件下で使用する別々のヌクレオチド配列を含むことができる。同一の
2つのオリゴマー又はネステッド組のオリゴマー、あるいはオリゴマーの縮重プ
ールでさえも、近縁のDNA若しくはRNAの同定のために、より低いストリンジェン
ト条件下で使用できる。PCRプライマーを設計するための規則は、PCR Protocols
, Cold Spring Harbor Press, 1991によって総説されているように、現在確立さ
れている。縮重プライマー、即ち所与の配列位置に異種性があるプライマー調製 物は、hedg-7と同一ではないが高度に相同である核酸配列を増幅するために設計
することができる。現在、プライマーのうちの1つのみが既知の配列と特異的に ハイブリダイズするように要求できる戦略を利用できる。Fromanら, Proc. Natl
. Acad. Sci. USA 85:8998, 1988及びLohら, Science 243:217, 1989を参照のこ
と。例えば、適切な核酸プライマーを、増幅され且つ探し求める核酸に連結させ
てプライマーの1つに対するハイブリダイゼーション相手を得ることができる。
このように、必要なプライマーのうちの1つのみが、増幅され且つ探し求める核 酸の配列に基づくべきである。核酸を増幅するPCR法は少なくとも2つのプライ マーを利用することになる。これらのプライマーの1つは、増幅される核酸の第
1鎖にハイブリダイズすることが可能であり、また第1方向に酵素誘導の核酸合成
を開始することが可能である。他のプライマーは、第1鎖の逆方向配列とハイブ リダイズすることが可能であり(増幅される配列が一本鎖である場合、この配列
は初め仮想的であるが第1の増幅サイクルにおいて合成されるだろう。)、また 、第1方向と反対の且つ第1プライマーのハイブリダイゼーション部位に向く方向
にある鎖から核酸合成を開始することが可能である。特に好適なストリンジェン
トなハイブリダイゼーション条件下でこのような増幅を行うための条件はよく知
られている。例えばPCR Protocols, Cold Spring Habor Press, 1991を参照のこ
と。
【0050】 hedg-7用の特異的ハイブリダイゼーションプローブを作製するための他の手段
には、mRNAプローブの作製のためのベクター中にHEDG-7又はHEDG-7誘導体をコー
ドする核酸配列をクローニングすることが含まれる。このようなベクターは当技
術分野で知られており、市販されているし、これを用いて、適切なRNAポリメラ ーゼ(例えばT7又はSP6 RNAポリメラーゼ)及び適切なレポーター分子の添加に
よりin vitroでRNAプローブを合成することができる。
【0051】 さらに具体的には、hedg-7とハイブリダイズするポリヌクレオチドの検出法は
実施例9に例示されるが、ここにおいて陽性試験はおおよそ少なくとも70%同一
性、より好ましくは少なくとも80〜85%配列同一性に相関する。
【0052】 合成化学によって完全にDNA配列又はその一部を製造することができる。合成 後、当技術分野で公知の技術を用いて、核酸配列を多くの入手し得るDNAベクタ ーやそれらの個々の宿主細胞中に挿入することができる。さらに、合成化学を用
いて、ヌクレオチド配列中に突然変異を導入することができる。あるいは、突然
変異を望む配列部分を合成し、存在するゲノム又は組換え配列のより長い部分と
組換えることができる。
【0053】 hedg-7のヌクレオチド配列をアッセイに用いて、異常なレベルのHEDG-7発現に
関わる疾患又は炎症を検出することができる。そのcDNAを当技術分野で公知の方
法で標識し、患者からの体液、細胞若しくは組織サンプルに加え、ハイブリダイ
ゼーション条件下でインキュベートすることができる。インキュベーション期間
の後、サンプルを、場合によりレポーター分子を含む相容性液体で洗浄する。相 容性液体を濯いで除いた後、レポーター分子を定量し、予め規定しておいた標準
と比較する。
【0054】 HEDG-7の異常発現の診断検査は、例えば心臓、腎臓、肺及び精巣の異常症状の
診断や適正な治療の促進を可能にする。HEDG-7の異常発現が関与する症状の具体
例には、成人呼吸困難症、喘息、関節リュウマチ、心虚血、急性膵炎、敗血症性シ ョック、乾癬、急性シクロスポリン腎毒性、初期糖尿病糸球体症、並びにタバコ
の煙、アスベスト又はシリカに暴露した後の肺損傷が含まれる。
【0055】 新規のヌクレオチド配列は、物理地図作成によって染色体のサブ領域に帰属さ せることができる。新規の遺伝子若しくはヌクレオチド配列の地図作成により、
ポジッショナルクローニング又は他の遺伝子探索技術を用いて疾患遺伝子を検索
する研究者に対し有用な標識点が提供される。例えば毛細血管拡張性運動失調(
AT)などの疾患又は症候群が特定のゲノム領域への遺伝子連鎖によって一旦大雑
把に位置決めされると(例えば1 1q22-23に対するAT;Gattiら(1988) Nature 33
6:577-580)、その領域にマッピングする全ての配列は、さらなる調査のための 遺伝子を提示し得るか又は明らかにし得る。本発明のヌクレオチド配列を用いて
さらに、正常個体と、キャリア又は疾病に冒された個体との間で遺伝子配列の差
異を検出することができる。
【0056】 Hedg-7遺伝子の染色体における局在は、蛍光in situ ハイブリダイゼーション
(FISH)により、染色体の19p13.3とマッピングされた。この局在は、好適なBACま
たはPAC DNAクローンでのFISH分析を介して決定されたとおり、edg-6およびedg-
4の局在とほぼ同一である。これらの3つの遺伝子の、正確な距離および相対的な
順序は未決定であるが、このことによって、edg遺伝子クラスターが進化的選択 によって保持されているという可能性が提起された。
【0057】 hedg-7ゲノム配列に関するGenbankでの検索により、ゲノムhedg-7の3'隣接領 域の339 bpにわたる、Genbank登録HSRTLIPE(受託番号X65642)に対する94.7%の
同一配列が明らかとなった。このHSRTLIPE配列は、染色体19p13.1-19p13.2由来 のコスミドクローン(26710)内部の反復ジヌクレオチドエレメントであって、 ホルモン感受性リパーゼLIPEの遺伝子(Levittら、Cytogenet Cell Genet 1995;
69:211-4)の一部分を含むものとして同定された。HSRTLIPEとhegd7 3'-隣接領 域との同一性、またそれらの実質的に区別できない染色体上の位置とを合わせた
見地から、本発明者等はhedg7の遺伝子とLIPE遺伝子とは密接に関連しているこ とを予期するものである。
【0058】 hedg-7をコードするヌクレオチド配列を使用して、組換えDNA技術の公知方法 を用いて精製オリゴペプチド若しくはポリペプチドを製造することができる。Go
eddel(1990, Gene Expression Technology, Methods and Enzymology, Vol. 18
5, Academic Press, San Diego CA)は、単離ヌクレオチド配列の発現を教示す る多数の刊行物のうちの1つである。このオリゴペプチドは種々の宿主細胞(真 核又は原核のいずれか)内で発現させうる。宿主細胞はヌクレオチド配列が由来
する同じ種か又は異なる種に由来しうる。組換えDNA技術によってオリゴヌクレ オチドを製造する利点には、精製のために適当量のタンパク質を得ること、及び 簡素化された精製法を利用できることが含まれる。
【0059】 HEDG-7をコードするDNAを用いて形質転換した細胞をT7G、それらの細胞外、膜
貫通または細胞内ドメインの発現および細胞培養物からのそのようなペプチドの
回収に適した条件において培養しうる。組換え細胞により産生されるHEDG-7(ま
たはその任意のドメイン)は、用いられる特定の遺伝子構築法に依り、細胞膜上
で発現、分泌されるか、または細胞内に含まれうる。一般的に、分泌形態で組換
えタンパク質を調製するのがより好都合である。精製工程は製造方法および製造
される特定のタンパク質で異なる。しばしば、オリゴペプチドはキメラのヌクレ
オチド配列から製造しうる。これは、hedg-7またはそのポリペプチドの所望の部
分に由来するヌクレオチドを、タンパク質精製を容易にするポリペプチドドメイ
ンをコードする核酸配列にライゲートすることにより達成される(Kroll DJら(1
993) DNA Cell Biol. 12:441-53)。
【0060】 組換え法による製造に加え、HEDG-7の断片を固相技術(例えば、Stewartら(19
69) Solid-Phase Peptide Synthesis, WH Freeman Co., San Francisco QA; Mer
rifield J(1963) J Am Chem. Soc. 85:2149-2154)を用いる直接ペプチド合成に
より製造しうる。例えばApplied Biosystems 431Aペプチド合成器(Foster City,
CA)を製造業者により与えられる指示に従って使用して、自動合成を達成しうる
。更に、HEDG-7の特定の部分を直接合成の間に変異させ、化学的方法を用いてペ
プチドの他の部分と結合させることができる。
【0061】 抗体を誘導するためのHEDG-7は生物学的活性を必要としないが、タンパク質は
抗原性でなければならない。特異的抗体を誘導するのに用いられるペプチドは、
少なくとも5個のアミノ酸、好ましくは少なくとも10個のアミノ酸からなるアミ ノ酸配列を有しうる。ペプチドはタンパク質のアミノ酸配列の一部分を模倣すべ
きであるが、HEDG-7などの小さな天然分子のアミノ酸配列の全体を含んでもよい
。HEDG-7の抗原性部分をキーホールリンペットヘモシアニンなどの他のタンパク
質、および抗体産生に用いられるキメラ分子に融合しうる。
【0062】 HEDG-7に特異的な抗体を、ポリペプチドまたは抗原性断片により適当な動物に
接種することにより産生しうる。抗体が該ポリペプチドのエピトープに対して産
生され、天然または組換えタンパク質の少なくとも一部に結合する場合、抗体は
HEDG-7に特異的である。抗体産生には、動物に注射することによる免疫応答の刺
激だけでなく、合成抗体の作成、特異的に結合する分子についての組換え免疫グ
ロブリンライブラリーのスクリーニング(例えば、Orlandi Rら(1989) PNAS 86:
3833-3837、またはHuse WDら(1989) Science 256:1275-1281)、またはリンパ球
集団のin vitro刺激などの類似の方法も含まれる。現在の技術(Winter Gおよび
Mistein C(1991) Nature 349:293-299)により、抗体形成の原理に基づいて、多
数の非常に特異的な結合試薬が得られる。これらの技術を適用し、HEDG-7を特異
的に結合する分子を産生しうる。
【0063】 通常、細胞内カルボキシ-末端ドメインは、受容体活性化における細胞内シグ ナルを伝達するタンパク質などの細胞内タンパク質との相互作用に関与している
。HEDG-7細胞内ドメインは、図2A(配列番号3)に示されたアミノ酸305〜384
に位置している。さらに、カルボキシ末端ドメインは通常親水性であり、受容体
ポリペプチド全体と比較して抗原性が高い。さらに、このドメインは通常他のド
メインと比較して保存性が非常に低く、それ故に、所与のT7G受容体に関して最 もユニークなポリペプチド配列を含む。この多様性により、このドメインは、HE
DG-7関連疾患の診断、組織または細胞型内部でのHEDG-7発現細胞集団の同定、ま
たはこの配列を含むポリペプチドの精製および同定において使用できる、特異的
抗体の開発において特別の重要性を有する。多数のエピトープはポリクローナル
抗体によって認識されるので、この長さのポリペプチドは、いくつかの区別し得
るエピトープ、または、ポリペプチドの3次構造のフォールディングによって非 近傍ペプチド配列が近く近接することによってのみ創成されるエピトープを含む
ことが考えられる。
【0064】 本発明の更なる実施形態は、HEDG-7に特異的な抗体、インヒビター、リガンド
またはそれらの類似体を生物活性試薬として用いて、ウイルス性、細菌性若しく
は真菌性感染症;アレルギー反応;外傷に関連する機械的傷害;遺伝病;リンパ
腫若しくは癌;または腎臓、肺、心臓、リンパ若しくは神経系の組織の遺伝子を
活性化する他の病状を含むがこれらに限定されない疾患あるいは炎症を治療する
ことである。
【0065】 HEDG-7のアゴニスト、アンタゴニスト、受容体またはインヒビターを含む生物
活性組成物を、哺乳動物種における最大許容用量を決定する臨床試験、および正
常ヒト被験者における安全用量を決定する臨床試験を含む数種の方法のいずれか
によって決定した適当な治療用量で投与しうる。更に、該生物活性剤を、半減期
などの薬理学的特性または安定性を強化する、十分に確立された多様な化合物ま
たは組成物とともに複合体形成させることもできる。治療的、生物活性組成物を
、血流に静脈内注入することにより、あるいはEDG-7遺伝子の異常発現に関係す る問題を処理するために使用できる任意の他の有効手段により送達しうる。
【0066】 本発明を実証するために以下に実施例を提供する。これらの実施例は例示によ
り提供されるものであって、本発明の意図するものを限定するためのものではな
い。
【0067】実施例 実施例1:ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による部分マウスedg−7 DNAの増幅 発現配列タグ(expressed sequence tag;EST)を示すedg−1に関連する新規G
タンパク質共役型受容体(GPCR)についてジーンバンクデータベースを調査した。
これは、TBLASTNアルゴリズムを用いたインターネットを介してジーンバンクのE
STサブセットを検索して行われた。この手段により、アミノ酸配列(この場合、
ヒトedg−1ポリペプチド)を得て、ESTデータベースの部分cDNAそれぞれと比較 し、まず全6つの可能なリーディングフレームに翻訳される。続いて、edg−1ポ リペプチドに最も相関性を示す配列を、既知(90%同一性またはそれ以上)また
は未知(90%未満の同一性)遺伝子を示すとして分類された。
【0068】 前記分析により、一つのEST(ジーンバンク寄託番号AA451451、マウス乳腺cDN
A由来)が明らかになり、該ESTは新しいedg関連遺伝子を示すと考えられた。こ の遺伝子は、本明細書においてマウスedg−7またはmedgと呼ぶ。このESTを用い て、同じ遺伝子由来の重複ESTについてさらにESTデータベースを検索した。この
検索により、1つの更なるEST(ジーンバンク寄託番号AA254425、マウスリンパ節
由来)が明らかになり、該ESTは104bpの重複にわたって100%同一性を有してい た。この2つのESTを合わせて用いて、伸長したマウスedg−7配列を構築した。こ
の配列の部分的翻訳産物(213アミノ酸)は、ヒトedg−3に対し45.0%の同一性 および51.7%の類似性、ヒトedg−1に対し42.8%の同一性および54.6%の類似性
、並びにラットedg−2に対し32.9%の同一性および42.8%の類似性を示した。従
って、edg−7はGPCRのedgファミリーに、おそらくedg−2サブファミリー(edg−5
およびedg−6と共に)よりもedg−1サブファミリー(edg−3およびedg−4と共に) に属すると考えられる。
【0069】 集めたマウス部分edg−7配列を用いて、PCR増幅のためのオリゴヌクレオチド プライマーを設計した。edg−7の正常組織分布は未知であったため、ゲノムDNA をPCRの鋳型として用いた。イントロンがedg−7をコードする配列を中断させる 場合、このようなPCR反応は機能しないと予想されうる。しかし、高度に関連す る遺伝子edg−1およびedg−3の本発明者らの分析は、オープンリーディングフレ
ーム内にイントロンが全く存在しないということを示した。これは、一つ以上の
イントロンがオープンリーディングフレームを中断する、わずかに遠位のedg遺 伝子のedg−2群とは異なる。
【0070】 以下の反応においてベーリンガー・マンハイムのExpand(登録商標)PCRキット (カタログ番号1681−842)を用いて、マウスゲノムDNAを増幅した: 6μl 10×PCRバッファー1(Expand(登録商標)キット) 8.4μl 2.5mMの各dNTP混合物 1.8μl 10μM medg7−F2プライマー: [5'−TATGTGCTCTTTTGTGTGGTGGTC−3'] 1.8μl 10μM medg7−R1プライマー: [5'−AAGGTTCTTGTGTCCTGTCCCTTC−3'] 0.9μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ酵素(3単位) 40.1μl 水 1μl マウスゲノムDNA(Promega;カタログ番号G309A) PCR条件: インキュベーション:94℃、2分間 30サイクル :92℃、1分間 55℃、2分間 68℃、1分間 インキュベーション:68℃、8分間 保持 :4℃ 増幅した600bpのDNA断片(サンプルNo.806−33と称する)を、QiagenのQIAqui
ckPCR精製キット(カタログ番号28106)を用いて精製し、配列決定反応を開始す
るためのPCRプライマーと、製造業者の指示するプロトコルに従って配列を決定 するための蛍光ジデオキシ−ターミネーターヌクレオチドを用いて、社内のABI3
77自動シークエンサーで直接配列決定した。
【0071】実施例2:edg−7遺伝子を含むヒトゲノムDNAクローンの単離 本発明者らは、フィルターメンブレン上に高密度に配列された市販のヒトゲノ
ムDNAライブラリーを使用し、実施例1の放射性標識した部分マウスedg−7 cDNA
を用いたハイブリダイゼーションによりライブラリーを精査した。配列したクロ
ーンのそれぞれは、BAC(細菌人工染色体;bacterial artificial chromosome)
プラスミドベクター中に約120kbのゲノムDNAインサートを含む。 1. 放射性標識した縮重オリゴヌクレオチドを用いた、高密度に配列したBACク ローンからなるヒトゲノムDNAライブラリーのスクリーニング 縮重edg−7オリゴヌクレオチドEdg7−1[5'−CTGCTCYASCMTSCTGCCCCTCTACTCCA
AG−3']を用いて、以下の条件でハイブリダイズすることにより、高密度に配列
したBACライブラリー(Genome Systems Inc.;カタログ番号BAC−5231)を含む フィルターをスクリーニングした: 5×SSPE(2×SSPEは0.36M NaCl、20mM NaH2PO4、pH7.4、20mM EDTA、pH7.4) 5×デンハルト溶液(1%Ficoll、1%ポリビニルピロリドン、1% BSA) 25μg/mlニシン精子DNA 中で50℃にて一晩ハイブリダイズ、 2×SSPE 1% SDS 中で室温にて、30分間の洗浄を2回、 2×SSPE 1% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回、 1×SSPE 0.5% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回。 放射性標識した部分マウスedg−7 PCRプローブ(上述のサンプル806−33)を用 いて、上記のクローンを再びスクリーニングした後に、一つの陽性クローン460D
20(このクローンはGSIがコントロールNo.18241と名づけたものと同一であった 。)を同定した。 2. 放射性標識した部分マウスDNA(サンプル806−33)を用いた、高密度に配列
したPACクローンからなるヒトゲノムDNAライブラリーのスクリーニング ランダムプライムして放射性標識したマウスedg−7 DNAサンプル806−33を用 いて、以下の条件においてハイブリダイズすることにより、高密度に配列したPA
Cライブラリー(Genome Systems Inc.;カタログ番号PAC−6541)を含むフィル ターをスクリーニングした: 5×SSPE(2×SSPEは0.36M NaCl、20mM NaH2PO4、pH7.4、20mM EDTA、pH7.4) 5×デンハルト溶液(1%Ficoll、1%ポリビニルピロリドン、1% BSA) 25μg/mlニシン精子DNA 中で60℃にて一晩ハイブリダイズ、 2×SSPE 0.1% SDS 中で室温にて、30分間の洗浄を2回、 2×SSPE 0.1% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回、 0.2×SSPE 0.1% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回。 一つの陽性PACクローンである230F18(このクローンはGSIがコントロールNo.195
20と名づけたものと同一であった。)を同定し、Genome Systems Inc.から注文 した。このクローンを放射性標識プローブを用いて再びスクリーニングし、注文
したクローンがハイブリダイゼーションスクリーニングにおいて陽性シグナルを
出すものの一つであることを確証した。
【0072】実施例3;完全長ヒトedg−7 DNAのサブクローニング 放射性標識マウスedg−7 DNAサンプル806−33を用いてBACおよびPACクローン をサザンブロット分析することにより、次のハイブリダイズ制限断片を明らかに
した:HinDIII、>10kb;EcoRI、>10kn;MscI、1.5kb;DdeI、0.7kb。BACまたはP
ACクローンのそれぞれをpBluescriptII(SK+)(Stratagene;カタログ番号2122
05)中にショットガンサブクローニングし、得られたコロニーを、放射性標識マ
ウスedg−7 DNA806−33にハイブリダイズすることによりスクリーニングした。
【0073】 1.5kbのMscIおよび0.7kbのDdeI DNA断片を含むクローンを配列決定した。配列
決定分析により、上記クローンがヒトedg−7遺伝子の一部を含むことが証明され
た。部分ヒトedg−7配列に基づいて、新しいプライマーを合成し、>10kbのHinDI
IIおよびEcoRI断片を含むpBluescriptクローンからより長いヒトedg−7配列を得
た。更なる配列決定プライマーを設計し、この方法で、ヒトedg−7を完全にコー
ドする配列を決定した。更に、他のedg−1サブファミリーメンバーのように、ed
g−7遺伝子をコードする領域内にイントロンは全く見られなかった。
【0074】 二つの新しいプライマーを設計し、完全長発現性edg−7ポリペプチドをコード
するedg−7 DNA断片を真核生物発現ベクター中にサブクローニングするのを容易
にした。該プライマーを用いて以下の条件でPCR反応を行い、ヒトゲノムDNAを増
幅した: 4μl 10×PCRバッファー3(Expand(登録商標)キット) 0.8μl 2.5mMの各dNTP混合物 1.2μl 10μM H7−F14プライマー: [5'−GGAGGCCATGAACGCCACGGGGAC−3'] 1.2μl 10μM H7−R19プライマー: [5'−AACTTCAGATGCTCCGCACGCTGGAG−3'] 0.6μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ酵素(2単位) 31.2μl 水 1μl ヒトゲノムDNA(Progmega;カタログ番号G304A) PCR条件: インキュベーション:94℃、2分間 30サイクル :94℃、1分間 60℃、30秒間 68℃、1.5分間 インキュベーション:68℃、8分間 保持 :4℃ QIAquickPCR精製キットを用いて、増幅した1.25kbのDNA断片(サンプルNo.112
3−6と称する)を精製した。次に以下の条件において、真核生物発現ベクターpc
DNA3(Invitrogen;製造廃止)中にサブクローニングするのに便利な制限部位を
含むように改変されたedg−7プライマーを用いて、このDNAを再び増幅した: 10μl 10×PCRバッファー3(Expand(登録商標)キット) 2.0μl 2.5mMの各dNTP混合物 3.0μl 10μM H7−F24: [5'−TTTAAAAAGCTTGGAGGCCATGAACGCACGGGGAC−3'] 3.0μl 10μM H7−R21: [5'−TATATATCTAGAACTTCAGATGCTCCGCACGCTGGAG−3'] 1.5μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ酵素(5単位) 79.5μl 水 1μl ヒトedg−7 PCR DNAサンプル1123−6 PCR条件: インキュベーション:94℃、2分間 30サイクル :92℃、1分間 55℃、30秒間 68℃、1.5分間 インキュベーション:68℃、8分間 保持 :4℃ 増幅したDNA断片(サンプルNo.1125−4と称する)を精製し、HinDIIIおよびXbaI
を用いて制限処理し、その後適当に調製したpcDNA3ベクター中にクローニングし
た。edg−7インサートを含む一個のクローンpC3−hEdg7を単離し、DNA配列決定 並びに真核細胞におけるトランスフェクションおよびそれに続く発現分析のため
に、大規模なプラスミド調製を行った。図1AはBacおよびPacクローンから誘導 したhedg−7のヌクレオチド配列(配列番号1)を示している。図2AはTM領域お
よび予測されるアミノ酸配列(配列番号3)を示している。図3Aはアミノ酸配 列とヌクレオチド配列のアラインメントである。
【0075】実施例4:マウスedg−7遺伝子を含むBACクローンの単離 部分マウスedg−7 DNAサンプル806−33を用いて、高密度に配列したマウスゲ ノムDNA BACクローン(Genome Systems Inc.:カタログ番号BAC−4921)を含む フィルターをフィルターハイブリダイゼーションによってスクリーニングした。
以下の条件で実施した: 5×SSPE 5×デンハルト溶液 25μg/mlニシン精子DNA 中で64℃にて一晩ハイブリダイズ、 2×SSPE 0.1% SDS 中で室温にて、30分間の洗浄を2回、 2×SSPE 0.1% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回、 0.2×SSPE 0.1% SDS 中で50℃にて、20分間の洗浄を2回。
【0076】 3つの陽性クローンを、76N3(GSIコントロールNo.19983)、61L2(コントロー
ルNo.19984)および61O13(コントロールNo.19985)のスクリーニングから同定 した。プライマーmedg7−F2およびmedg7−R1(詳細は実施例1を参照)を用いて
この3つのクローンをPCR増幅し、それぞれについて600bpのPCR産物を得て、それ
により3つのクローン全てがマウスedg−7配列を含むことが示された。インサー トのサイズを考えると、3つのクローンの少なくとも1つが完全なマウスedg−7遺
伝子を含みうると仮定するのが妥当である。
【0077】実施例5:部分ラットedg−7 cDNA配列のクローニング A. ラットedg−7 cDNA断片のPCR増幅 前記プライマーmedg7−F2およびmedg7−R1を用いて、社内で調製したラット視
床下部cDNAライブラリー(RHT)を増幅した。このライブラリーをランダムプライ ムした第一鎖cDNAから合成し、pcDNA3発現ベクターのHinDIII/NotI部位に一方向
にクローニングした。PCRを以下の条件で実施した: 2μl 10×PCRバッファー1(Expand(登録商標)キット) 2.8μl 2.5mMの各dNTP混合物 0.6μl 10μM medg7−F2プライマー 0.6μl 10μM medg7−R1プライマー 0.3μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ酵素(1単位) 12.7μl 水 1μl RHT cDNA完全ライブラリーミニプレップDNA PCR条件: インキュベーション:92℃、2分間 30サイクル :92℃、40秒間 52℃、1分間 68℃、1分間 インキュベーション:68℃、8分間 保持 :4℃ 600bpの産物が見られ、RHT cDNAライブラリーがラットedg−7遺伝子を示すク ローンを含むことが証明された。 B. RHT cDNAライブラリーの2777クローンプールのedg−7クローンについてのス
クリーニング 1プールにつき2777個と算出されたクローンを含む一連のプールを、上述のAで
説明した条件でmedg7−F2およびmedg7−R1プライマーを用いてスクリーニングし
た。スクリーニングした884個のプールのうち、一つのプールのみがedg−7 PCR の600bpのPCR産物に対して陽性であった。このプール(No.198)を更なる試験に
用いた。 C. RHTプール198からのラットedg−7 cDNAの増幅 1つの特異的なプライマー(medg7−F2またはmedg7−R1)を一つのベクターベ ースのプライマーに対して用いることにより、RHTプール198からのcDNAインサー
トを2つの重複部分において増幅した。cDNAインサートを、方向を決めてクロー ニングしたので、特異的プライマー対ベクタープライマーの適切な組み合わせを
容易に選択しうる。反応条件は以下に示す: ベクターベースのプライマー: 830F:[5'−TAGAGAACCCACTGCTTAC−3'] 1186R:[5'−CCCAGAATAGAATGACACC−3'] 2μl 10×PCRバッファー1(Expand(登録商標)キット) 2.8μl 2.5mMの各dNTP混合物 0.6μl 10μMマウスedg−7特異的プライマー 0.6μl 10μMベクタープライマー 0.3μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ酵素(2単位) 12.7μl 水 1μl RHTプール198ミニプレップDNA PCR条件: インキュベーション:92℃、2分間 30サイクル :92℃、40秒間 50℃、1分間 68℃、3分間 インキュベーション:68℃、8分間 保持 :4℃ 最も顕著なバンド(プライマーセット830F対medg7−R1から800bpおよびプライマ
ーセットmedg7−F2対1186Rから1.3kb)を再増幅し、精製し、配列決定した。該 ヌクレオチド配列を図5に示し、該アミノ酸配列を図6に示す。
【0078】実施例6:ヒトジャーカット(Jurkat) T細胞cDNAからのHEDG7のクローニングお よび発現 アゴニストの特異性を決定し、薬物探索においてHEDG7を用いるための方法を 実証するために、ヒト供給源から完全長cDNAクローンを単離するのが望ましかっ
た。この目的のために、多数のcDNAライブラリーと第1鎖cDNAプールとをPCRによ
り調査して、さらなる分析のための供給源を同定した。この調査から、ヒトジャ
ーカットTリンパ腫細胞系から調製された市販のcDNAライブラリー(Origene Tech
nologies, カタログ番号DLH-115)を選択した。前記のPCRプライマーH7-F14およ びH7-R19を以下のように用いて、このcDNAライブラリー中に見出されうる任意の
完全長cDNAを増幅した: 全てのPCR増幅は、Expand(登録商標)PCR Kit(Boehringer-Mannheim,カタロ グ番号1681-842)を用いて行った。反応液は、以下の試薬を含む: 2μl 10x PCRバッファー3 0.4μl 25mM dNTP混合物 0.6μl プライマーH7-F14(10pmol/μl) 0.6μl プライマーH7-R19(10pmol/μl) 0.3μl Expandポリメラーゼ(3ユニット) 15.1μl 水 1μl OrigeneライブラリーDLH-115(製造会社により供給されたもの
)からのcDNA PCR条件: インキュベーション: 94℃、2分間 30サイクル: 94℃、1分間 60℃、1分間 68℃、2分間 インキュベーション: 68℃、8分間 保持: 4℃ PCR反応(トラッキング番号80629‐50)は、1200bpのDNA断片を増幅した。こ れを鋳型として用いて、プライマーH7-F23およびH7-R21で、ヒトedg7を前記のご
とく再増幅した。ヒトedg7は、真核発現ベクターpcDNA3.1(Invitrogen,カタログ
番号V790-20)中にサブクローニングするための制限酵素部位を有する。
【0079】 各反応液は、以下の試薬を含む: 5μl 10x PCRバッファー3 1.0μl 25mM dNTP混合物 1.5μl プライマーH7-F23(10pmol/μl) 1.5μl プライマーH7-R21(10pmol/μl) 0.75μl Expand(登録商標)ポリメラーゼ(5ユニット) 39.25μl 水 1μl 80629‐50 DNA PCR条件: インキュベーション: 94℃、2分間 10サイクル: 94℃、1分間 55℃、1分間 68℃、2分間 15サイクル: 94℃、1分間 68℃、3分間 インキュベーション: 68℃、8分間 保持: 4℃ PCR反応からの増幅断片(80630‐21および80630‐22)をQIAquick PCR精製キッ ト(Qiagen,カタログ番号28106)を用いて精製してプールし、インサートhedg7-M と命名した。hedg7-M cDNAをHindIIIおよびXbaIで制限処理し、QIAquick PCR精 製キットを用いて精製し、その後、アガロースゲル電気泳動により単離し、QIAq
uickゲル抽出キット(Qiagen,カタログ番号28704)を用いて精製した。次いで、該
cDNA断片を、HindIIIおよびXbaIで制限処理したpcDNA3.1(Invitrogen)中にサブ クローニングした。
【0080】 4クローンからのミニプレップDNAを、293‐EBNA細胞(Invitrogen,カタログ番 号R620-07)中に、自社内で構築した2XSRE-ルシフェラーゼリポーター遺伝子と共
トランスフェクションすることにより試験した。本発明者らは以前、これらの細
胞が、正常な培養条件下においては単一のedg遺伝子のみを発現する(LPA受容体
サブタイプedg-5、米国特許出願第08/997,803号を参照のこと)ため、スフィン ゴ脂質に応答するedg受容体の理想的な発現宿主であることを確認した。試験し た全ての他の細胞型は、S1P、SPC、LAPまたはこれらのリゾ脂質(lysolipid)のう
ちの一つ以上に対する許容されない応答性と共に、複雑なedg受容体発現パター ンを示した。したがって、以前に同定されたS1P受容体サブタイプ(edg-1、edg-
3、edg-4/H218)およびhedg-7(本明細書において決定された)の低い内因性発 現により、相対的に非応答性の細胞バックグラウンドにおける、これらの受容体
の過剰発現および機能分析が可能となる。この予備的な共トランスフェクション
実験から、発現クローンpC3-hEdg7#M10を、さらなる分析のために選択した。pC3
-hEdg7#M10クローンからのhedg-7配列のヌクレオチド配列(配列番号1)および アミノ酸配列(配列番号3)を、図1Bおよび図2Bにそれぞれ示した。さらに、pC3
-hEdg7#M10クローンから、およびゲノムDNA配列からのhedg-7アミノ酸配列のア ラインメントを、図3Bに示した。
【0081】 EBNA-293細胞は、クローンpC3-hEdg7#M10および2XSRE-ルシフェラーゼリポー ターのDNAでトランスフェクトした場合、2つの独立な実験において10μMのS1P処
理に対して5.3および6.5倍の応答を示した(図7)。
【0082】 293‐EBNAのための一過性トランスフェクションのプロトコル1日目 1)約80%の集密度を有する293‐EBNAの100mmプレートを、トランスフェクション
に用いた。 2)SREリポーター遺伝子共トランスフェクション:発現プラスミド(3.5 g)とリ ポータープラスミド(2xSREtk-p4Luc-zeo;0.5μg)DNAサンプルとを合わせ、750μ
lのDMEM/F12(無血清培地)および20μlのプラス試薬(リポフェクトアミンプラス
キット、Life Technologics、カタログ番号10964-013)中に希釈し、室温で15分
間インキュベートした。 3)30μlのリポフェクトアミン試薬(リポフェクトアミンプラスキット)を、75
0μlのDMEM/F12に希釈した。次いで、希釈したリポフェクトアミンをDNA/プラス
混合物と合わせ、室温で15分間インキュベートした。 4)293‐EBNAプレートをPBSで一回洗浄し、5 mlのDMEM/F12を各プレートに加え た。 5)DNA/プラス/リポフェクトアミン混合物を、293‐EBNA細胞の各プレートに加 えた。プレートを37℃で3時間、5% CO2インキュベーター中で放置した。 6)該トランスフェクション培地を、10% FBSを含むDMEM/F12と置換し、一晩回復
させた。2日目 2)トランスフェクトした細胞をトリプシン処理により回収し、ウェル当り20,00
0個の細胞を、ポリD-リシンで被覆した96穴Blackviewプレート(Becton Dickins
on Labware、カタログ番号40640)にプレートした。培地は、0.15% FBSを含むDM
EM/F12であった。96穴プレートの外側のウェルには、細胞をプレートしなかった
。該細胞を再び48時間インキュベーターに入れた。4日目 1)培地を除去し、無血清DMEM/F12培地中に希釈した化合物で細胞を処理し、続 いて以下の処理を行った:a)未処理:無血清DMEM/F12;b) DMEM/F12培地中に溶 解した10μMのS1P。 2)37℃インキュベーター中で5時間、細胞を処理した。 3)ルクライトキット(Luclite kit;Packard,カタログ番号6016911)を用いてルシ
フェラーゼアッセイを行った。全試薬は、使用前に室温に戻しておいた。 4)各ウェルから培地を除去した。50μlの0.5 M HEPES pH7.8、1 mM MgCl2、1 m
M CaCl2を、96穴プレートの全ウェルに加えた。 5)ルクライト基質を調製し、キットに指示されているように、50μlの基質を各
ウェルに加えた。 6)プレートを室温で30分間インキュベートした。 7)インキュベーション後、プレートを、ダークディレイ(dark delay)なしのプ ログラムで12検出器パッカードトップカウント(12-detector Packard Top Count
)でカウントした。
【0083】実施例7:HEDG7のアゴニスト特異性 HEDG7のアゴニスト特異性を決定するため、293‐EBNA細胞をpc3-hedg7#M10で トランスフェクトし、上記のように血清を与えず、5μM濃度のSPC、S1P、LPA、 リゾホスファチジルコリン(LPC)、エデルフォシン、サイコシン、アナンダミド 、または2‐アラキドニルグリセロールを含む無血清培地中で処理した。対照細 胞は、無血清培地のみで処理し、そのSRE応答は、この対照と比較して何倍の誘 導であるかとして表現された。処理の5時間後、ルシフェラーゼ活性を測定した 。 結果:SPCおよびS1Pの双方は、pC3-hEdg7#M10でトランスフェクトした細胞にお いて、SREリポーター遺伝子の発現を強く誘導した(図8)。反対に、LPA、LPC およびエデルフォシンは、edg-1、edg-3、edg-4/H218と共に、S1P受容体サブタ イプとしてのedg-7の働きを支持するSRE応答を活性化しなかった。この知見はま
た、これらの4つの受容体遺伝子に見出されるコード領域のイントロンの欠失に よるものである。
【0084】実施例8:HEDG7受容体アゴニストの相対的な効力および有効性の決定 本発明の一つの態様は、薬物スクリーニングプログラムにおいて組換えHEDG7 受容体を用いるための方法である。ハイスループットスクリーニングにおけるT7
G受容体の使用は、よく知られているが、そのようなスクリーニングは、HEDG-7 受容体については全く報告されていない。より具体的には、本明細書で提供され
る新規なHEDG7受容体を用いて、潜在的なアゴニストの相対的な効力および有効 性を同定し、ランク付けすることができる。これらの潜在的なアゴニスト化合物
は、それらがHEDG7アゴニストに対する細胞性または生理的応答を調節するか、 または、受容体が発現する細胞におけるHEDG7シグナル伝達を開始若しくは補足 すると期待されるのと同じくらい有用であるかもしれない。同じく、定量的で信
頼性のあるアッセイを一度確立すれば、受容体アンタゴニストの相対的な効力お
よび有効性を同定し、ランク付けするために容易に応用できる。
【0085】 HEDG7発現ベクターpC3-hEdg7#M10のトランスフェクションを、リポフェクトア
ミンプラス(Life Technologies、カタログ番号10964‐013)を用いて、説明書に 従って実施した。その次の日、トランスフェクトされた細胞をトリプシン処理に
より回収し、ウェル当り30,000個の細胞を、ポリD-リシンで被覆した96穴プレー
ト中で、0.15% FBS含有培地に再びプレートした。次の日、異なる濃度の種々の スフィンゴ脂質を含有する無血清培地中で細胞を処理した。薬物探索におけるHE
DG7の有用性を実証するため、本発明者らは、同様の方法でHEDG7のリガンド特異
性および応答性を試験した。
【0086】 種々の濃度のS1P、SPC、サイコシン、グルコサイコシン、またはジヒドロスフ
ィンゴシン1−リン酸(ジヒドロ−S1P)を96穴プレート中の細胞に三重に加え、
6時間処理後にルシフェラーゼレベルを測定した。結果をMicrosoft Excel中でま
とめ、GraphPad Prismソフトウェアで分析した。データに対する適合を有意に改
善した種々の勾配を除き、ヒルの勾配公式を用いてEC50値を決定した。ルシフェ
ラーゼ応答は、所与の化合物濃度において、pcDNA3でトランスフェクトされた細
胞における任意の内因性応答を減じた後、何倍の応答であるかとして表現された
。実験を3回繰り返したが同様の結果が得られた。代表的な実験を図9に示した 。 結果:表1は、試験化合物の相対的な効力および有効性についてまとめたもので
ある。これらのスフィンゴ脂質に対する濃度依存的応答を、図9に示した。
【0087】
【表1】
【0088】 ここで得られた結果から、S1Pは、SPCよりも低いEC50を示したが、HEDG7は、 完全なアゴニストとしてのS1PおよびSPCの双方に応答すると結論付けることがで
きる。反対に、サイコシンおよびグルコサイコシンの双方は、非毒性濃度でHEDG
7を活性化しなかった。公表された論文は、S1Pの多数の受容体の存在、これらの
うちの少なくともいくつかとSPC受容体との同一性、S1PおよびSPCの相対的な効 力におけるサブタイプ選択的な差異、並びにサイコシンおよびグルコサイコシン
の受容体の存在の可能性を支持する。本明細書において本発明者らは、HEDG7はS
1PおよびSPCの受容体であるが、サイコシンまたはグルコサイコシンの受容体で はないということを実証した。S1P受容体サブタイプをスクリーニングし、アナ ログおよび/または有機複素環式化合物の相対的な効力および有効性をランキン
グする方法を用いた場合、迅速な改善がS1Pの薬化学上でなされ得るという疑い はほとんどない。同様にこれらの新規化合物を用いて、本明細書中の他の場所に
記載したように、高−および低−増殖性の疾患を治療し、炎症性および抗原特異
的免疫応答を調節することができる。
【0089】実施例9:hedgを用いたハイブリダイゼーションによるhedgポリヌクレオチドの 検出 hedgポリヌクレオチドは、自然または人為の突然変異の誘導により、あるいは
クローニングおよび続いて操作することにより、変化しうる。更に、分岐進化の
歴史を通して蓄積されてきたヌクレオチド変化の結果として、特定の遺伝子の哺
乳動物相同染色体は種の間で通常10〜30%異なる。従って、本明細書においては
、hedgの変異体および他の非常に関連する遺伝子を検出および同定するための方
法を提供する。
【0090】 hedgのHEDG7をコードする領域を、HinDIIIおよびXbaIを用いてpC3−hEdg7また
はpc3−hedg7#M10のいずれかを制限することにより調製して完全長hedg−5イン
サートを放出させ、続いてアガロースゲル電気泳動後に標準法を用いて、cDNAイ
ンサートを精製する。32P−ヌクレオチド末端標識またはランダムプライマー法 (いくつかのキットが市販製品により入手可能である)を用いて、あるいは当技
術分野で公知の方法による抗体を用いる後の検出のために、非天然ヌクレオチド
の取り込みによって、該cDNAインサートを標識しうる。ポリヌクレオチドまたは
ポリヌクレオチドの混合物を保持するナイロンフィルター(例えば、Hybond N+
、カタログ番号RPN132B)を標準法により調製する。例として、サザンブロット 法、細菌コロニーまたはバクテリオファージプラークからのフィルターリフトな
どが含まれる。
【0091】 乾燥フィルターを水中で再び水和させ、その後10mlの(若しくはフィルターを
覆い、バッグを密封するのに十分な)ハイブリダイゼーション溶液(48%脱イオ
ン化ホルムアミド、4.8×SSC[20×SSCは3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム、pH7
.0]、1×デンハルト(Denhardt)溶液[50×デンハルトは、1% Ficoll 400、1%ポ
リビニルピロリドン、1% BSA(Pentax Fraction V)]、10%硫酸デキストラン 、0.1%ドデシル硫酸ナトリウム[SDS])を有する密封可能なバッグ中で、1時間 以上42℃で予めハイブリダイズする。
【0092】 放射性標識プローブをスクリューキャップチューブ中の1mlの超音波処理ニシ ン精子DNA(2mg/ml)に添加し、沸騰湯浴中で10分間インキュベートする。該チ ューブを氷に移し、2mlのハイブリダイゼーション溶液を添加し、該プローブ溶 液を密封バッグに注入する。>5×107cpm/μgDNAにおいて、1mlハイブリダイゼー
ションバッファー当り1〜15ngの放射性標識プローブの最終濃度を得るのに十分 なプローブを添加しなければならない。該バッグを再び密封し、十分に混合し、
水浴またはインキュベーターを振とうまたは回転させながら一晩42℃でインキュ
ベートする。
【0093】 前記フィルターを500mlの低ストリンジェントな洗浄バッファー(2×SSC、0.1
%SDS)を用いて、ゆっくりと回転するプラットホーム上で、室温で1回につき15
分間、3回洗浄する。その後、中程度にストリンジェントな洗浄バッファー(1×
SSC、0.1%SDS)を用いて、65℃で1回につき15分間、2回洗浄する。該フィルタ ーを乾燥し、蛍光画像装置カセットまたはオートラジオグラフィーフィルムに暴
露する。陽性スポットまたはDNAバンドを、バックグラウンドまたは適当な陰性 対照サンプルを差し引いた後に同定する(以下を参照)。
【0094】 必要であれば、10pmolのpC3−hEdg7の完全長hedgインサートを含むDNAスポッ トをフィルター上で陽性対照(Pos)として用いることができ、また10pmolの完 全長ヒトedg−1インサート(edg−1オープンリーディングフレームのみ)を含む
DNAスポットを陰性対照(Neg)として用いることができる。試験DNA(Test)に ハイブリダイズする放射性プローブの積分した光学密度(IOD)がIODNeg+(IODP os −IODNeg)/2より大きい場合、該試験DNAの完全長オープンリーディングフレ ーム(同じく10pmol)を陽性として記録する。そうでない場合は該試験DNAを陰 性として記録する。陽性試験は、ほぼ少なくとも70%の同一性で相関し、より好
ましくは少なくとも80〜85%の配列同一性で相関する。該試験遺伝子の部分長オ
ープンリーディングフレームを用いる場合、その後edg−7およびedg−1の相同領
域をそれぞれ陽性および陰性対照としてハイブリダイゼーションに用いる。
【0095】実施例10:アンチセンス分析 HEDG−7の正確で、完全なcDNA配列の知識により、遺伝子機能の研究における アンチセンス技術の手段としての利用が可能となる。hedg−7のアンチセンス鎖 を含むオリゴヌクレオチド、cDNAまたはゲノム断片をin vitroまたはin vivoの どちらかで用いて、mRNAの発現を阻害させる。このような技術は現在当技術分野
で公知であり、ヌクレオチド配列に沿った種々の位置においてアンチセンス分子
を設計しうる。そのようなアンチセンス配列を用いて細胞または試験動物全体を
処理することにより、目的の遺伝子を効率的に停止させる。しばしば、遺伝子の
機能は、細胞内、細胞、組織または生物レベルにおける作用(例えば、致死率、
分化した機能の欠損、形態学における変異など)を観察することにより確認され
る。
【0096】 特定のオープンリーディングフレームの転写を妨害するように構築された配列
を用いることに加え、イントロン領域、プロモーター/エンハンサー配列に、ま
たはトランス作用調節遺伝子に対するアンチセンス配列を設計することにより遺
伝子発現の改変を達成する。同様に、「三重らせん」塩基対合としても知られて
いるフーグブーム(Hoogboom)塩基対合法を用いて阻害を達成する。
【0097】実施例11:HEDG-7の発現 該cDNAを適当な発現ベクターにサブクローニングし、そのベクターを類似の発
現宿主例えば大腸菌などにトランスフェクトして、hedg-7の発現を実施する。特
定の場合においては、クローニング部位の上流にβ−ガラクトシダーゼのプロモ
ーター、次にアミノ末端のMet及びβ−ガラクトシダーゼの続きの7残基を含む 配列を含むように、該ベクターを設計する。これらの8残基の直後に続いている
のは、人為的なプライミング及び転写、並びにクローニングのための多数の特有
のエンドヌクレアーゼ制限部位を提供するのに有用な設計されたバクテリオファ
ージプロモーターである。
【0098】 標準的な方法を用いて、単離され、トランスフェクトされた細菌株をIPTGで誘
導すると、β−ガラクトシダーゼの最初の7残基、「リンカー」の約15残基及び
該cDNA内にコードされたペプチドに対応する融合タンパク質を産生するようにな
る。cDNAクローンのインサートは、本質的にはランダムなプロセスにより生成さ
れるので、含まれるcDNAが適切な翻訳のための正しいフレーム中にある確率は、
3分の1である。cDNAが適切なリーディングフレームにない場合、in vitro突然変
異誘発、エキソヌクレアーゼIII若しくは大豆ヌクレアーゼによる切断、または 適当な長さのオリゴヌクレオチドリンカーの封入などのよく知られた方法を用い
て、適当な数の塩基を欠失させる、または挿入することにより、該cDNAは得られ
る。
【0099】 特定の宿主でタンパク質を発現させるのに有用であると知られた他のベクター
に、該hedg-7 cDNAをシャトルする。クローニング部位と同時に、標的cDNAの両 端のストレッチにハイブリダイズするのに十分なDNAのセグメント(約25塩基) を含むオリゴヌクレオチドプライマーを、標準的な方法を用いて化学的に合成す
る。その後、これらのプライマーを用いて、PCRにより所望の遺伝子セグメント を増幅させる。得られる遺伝子セグメントを、標準的な条件下で適当な制限酵素
で切断し、ゲル電気泳動により単離する。あるいは、類似の遺伝子セグメントを
、適当な制限酵素でcDNAを切断することにより製造する。適当なプライマーを用
いて、1つ以上の遺伝子からのコード配列のセグメントを、共にライゲーション し、適当なベクターにクローニングする。そのようなキメラ配列を構築すること
により、発現を最適化することが可能である。
【0100】 そのようなキメラ分子のための適当な発現宿主としては、限定されるものでは
ないが、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)及びヒト293細胞などの哺乳動物
細胞、Sf9細胞などの昆虫細胞、Saccharomyces cerevisiaeなどの酵母細胞並び に大腸菌などの細菌細胞などが挙げられる。これらの細胞系の各々にとって、有
用な発現ベクターは、細菌を増殖させ得る複製開始点、及び細菌におけるプラス
ミド選択を可能にするβ−ラクタマーゼ抗生物質耐性遺伝子などの選択可能なマ
ーカーをも含む。さらに、該ベクターは、トランスフェクトされた真核宿主細胞
における選択を可能にするネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子などの
第2の選択可能なマーカーを含んでもよい。3'ポリアデニル化配列などのRNAプ ロセシングエレメントが目的のcDNAの一部分でない場合、真核発現宿主に用いる
ためのベクターは、RNAプロセシングエレメントを必要とする。
【0101】 さらに、該ベクターは、遺伝子発現を増進させるプロモーターまたはエンハン
サーを含む。そのようなプロモーターは、宿主特異的であり、CHO細胞のMMTV、S
V40及びメタロチオネインプロモーター;細菌宿主のtrp、lac、tac及びT7プロモ
ーター;並びに酵母のアルファ因子、アルコールオキシダーゼ及びPGHプロモー ターを含む。ラウス肉腫ウイルスエンハンサーなどの転写エンハンサーが、哺乳
動物宿主細胞において用いられる。組換え細胞の相同の培養物が、標準的な培養
法により一度得られれば、大量の組換え産生HEDG-7を条件培地から回収し、当技
術分野で知られたクロマトグラフ法を用いて分析することができる。例えば、本
明細書に例示されたように、発現ベクターpcDNA3中にHEDG-7を発現的にクローニ
ングすることができる。この産物を用いて、当技術分野で標準的な方法論により
、例えばHEK293またはCOS細胞を形質転換することができる。特に、例えば、リ ポフェクトアミン (Gibco BRL カタログ番号18324-020)を介した遺伝子導入を用
いるとよい。
【0102】実施例12:組換えHEDG-7の単離 タンパク質精製を容易にするために付加された1つ以上の付加的なポリペプチ
ドドメインを有するキメラタンパク質としてHEDG-7を発現させる。そのような精
製を容易にするドメインとしては、限定されるものではないが、固定された金属
上での精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュールなどの金属キレ
ートペプチド、固定された免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインA ドメイン及びFLAGS伸長/親和性精製システム(Immunex Corp., Seattle WA)で
用いられるドメインなどが挙げられる。精製ドメインとHEDG-7配列との間のXA因
子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen)などの切断可能なリンカー配列の封入は
、HEDG-7の発現を容易にするのに有用である。
【0103】実施例13:キメラT7Gの試験 新規なアイソフォームの細胞外及び/または膜貫通のリガンド−受容体配列と
、異なるT7Gの膜貫通及び/または細胞内セグメントとを組み合わせることによ り、試験目的のために機能的なキメラT7Gを構築する。この概念は、Kobilkaら(1
988、Science 240:1310-1316)により実証された。Kobilkaらは、革新的に大量の
α2−ARの膜貫通配列を、β2−ARに挿入することにより、一連のキメラα2−β2
アドレナリン受容体(AR)を作製したのである。公知のアゴニストの結合活性は、
β2コンフォメーションよりもα2コンフォメーションを有する分子からシフトす
るにつれて変化し、中間構築物は混合された特異性を示した。しかし、結合する
アンタゴニストの特異性は、ドメインVIIの源に相関した。キメラにおいては、 リガンドの認識のためにT7GドメインVIIが重要であることも、2種の酵母のα因 子受容体を用いて判明した。その重要性は、酵母受容体は多岐にわたる受容体と
して分類されているので、意義深い。このように、特異的なドメインの機能的役
割は、カテゴリーに関係なくT7Gファミリーを通じて維持されているようである 。
【0104】 同様の方法で、特定のアイソフォームからの内部セグメントまたは細胞質ドメ
インを、公知のT7Gの類似のドメインで置換し、それを用いて受容体を三量体Gタ
ンパク質に結合させるための構造決定因子を同定する(Dohlmanら(1991) Annu Re
v Biochem 60:653-88)。ドメインV、VI及びβ2−ARからの細胞内結合ループがα
2−ARに置換されたキメラ受容体は、α2−AR特異性を有するリガンドに結合する
が、β2−ARの方法でアデニル酸シクラーゼを刺激することが示された。このこ とは、アドレナリン作動型受容体にとって、Gタンパク質の認識がドメインV、VI
及びそれらの結合ループに存在することを示している。α1−ARからのV->VIル ープがβ2−ARの対応するドメインを置換し、得られた受容体がβ2−AR特異性を
有するリガンドに結合し、及びα1−AR の方法でGタンパク質を介したホスファ チジルイノシトール代謝回転を活性化したキメラにおいては、反対の状況が推定
され、観察された。最後に、ムスカリン受容体から構築されたキメラもまた、V-
>VIループがGタンパク質活性の特異性の主要な決定因子であることを示した(B
olander FF、上記)。
【0105】 細胞外及び膜貫通領域に置換を含むキメラの、または修飾されたT7Gは、受容 体のこれらの部分がリガンドの結合特異性を決定することを示した。例えば、あ
らゆるアドレナリン及びDカテコールアミンT7G受容体のドメインVで保存された2
個のセリン残基が、潜在的なアゴニスト活性に必要である。これらのセリンは、
T7G結合部位内でアゴニストのカテコール部分と水素結合を形成すると考えられ る。同様に、生体アミンを結合するあらゆるT7GのドメインIIIに存在するアスパ
ラギン酸残基は、T7G結合部位においてリガンドアミン基とイオン対を形成する と考えられる。
【0106】 異種発現系において、機能的な、クローン化されたT7Gを発現させ、それらの 生物学的活性を評価する(例えば、Marulloら、(1988) Proc Natl Acad Sci 85:
7551-55; Kingら、(1990) Science 250:121-23)。1つの異種系は、哺乳動物T7
G及び哺乳動物Gタンパク質の遺伝子を酵母細胞中に導入する。該T7Gは、適当な リガンド特異性及び親和性を有し、酵母細胞の適当な生物学的活性−増殖停止及
び形態学的変化−の引き金を引くことが示される。
【0107】 キメラ受容体を試験するための別の方法は、Erbら(1993, Proc Natl Acad Sci
90:104411-53)によって公表されたようなP2Uプリン作動性受容体(P2U)を用いる
方法に基づくものである。培養K562ヒト白血病細胞は、P2U受容体を欠損してい るため、この細胞において機能を容易に試験することができる。K562細胞を、正
常またはキメラのどちらかのP2Uを含む発現ベクターでトランスフェクトし、Ca2 + のための蛍光プローブであるfura-aを加える。細胞外UTPまたはATPによる、適 切に集合し、かつ機能的なP2U受容体の活性化は、fura-aと反応する細胞内Ca2+ を可動化し、それを分光蛍光的に測定する。上記のT7G受容体と同様、任意の新 規に発見されたT7Gポリペプチドの細胞外受容セグメントの配列と、既知のP2U
子の膜貫通及び細胞内セグメントのヌクレオチドを組み合わせることにより、キ
メラ遺伝子を作製する。トランスフェクトされたK562細胞を、適当なリガンドを
含有するマイクロウェルに浸すと、T7G分子のエフェクターを定義する蛍光活性 及び結合を引き起こす。一度リガンド及び機能が確立されれば、P2U系は、結合 を遮断し、そのような蛍光反応を阻害するアンタゴニストまたはインヒビターを
定義するのに有用である。
【0108】実施例14:HEDG-7特異的抗体の産生 2つの手法を用いて、HEDG-7に対する抗体を生成させることができる。各手法
は、ポリクローナルまたはモノクローナル抗体を生成させるのに有用である。1
つの手法では、逆相HPLC分離から最大75 mgまでの変性タンパク質が得られる。 この変性タンパク質を用いて、標準的なプロトコルによりマウスまたはウサギを
免疫する。マウスを免疫するのには、約100μgで十分であるが、一方、ウサギを
免疫するのには、1 mgまで使用することができる。マウスのハイブリドーマを同
定するために、変性タンパク質を放射性ヨウ素化し、それを用いて、抗体を産生
するものについて、潜在的なマウスB細胞ハイブリドーマをスクリーニングする 。この方法に必要なタンパク質は、ほんの少量である。数千クローンを標識し、
スクリーニングするのには、20 mgで十分である。
【0109】 第2の手法では、cDNAの翻訳物から推定されるとおりの適当なHEDG-7ドメイン
のアミノ酸配列を分析して、抗原性の高い領域を決定する。図2Aに示したよう に、適当な親水性領域を含むオリゴペプチドを合成し、それを用いて、適当な免
疫化のプロトコルで抗体を産生させる。適当なエピトープを選択するための分析
は、Ausubel FMら(上記)によって記載されている。免疫化するために最適なア
ミノ酸配列は、通常、C末端、N末端及びタンパク質がその天然のコンフォメーシ
ョンにあるときに外部環境に曝されがちなポリペプチドのそれらの介在する親水
性領域にある。
【0110】 典型的には、fmocケミストリーを用いるApplied Biosystems Peptide Synthes
izer Model 431Aを用いて、約15残基の長さの選択されたペプチドを合成し、M−
マレイミドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(MBS; Ausubel F
Mら、上記)と反応させることにより、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH;
Sigma, St.Louis MO)に結合させる。必要に応じて、ペプチドのN末端にシステイ
ンを導入して、KLHに結合させる。完全フロイントアジュバント中のペプチド−K
LH複合体を用いてウサギを免疫する。得られる抗血清を、ペプチドをプラスチッ
クに結合させること、1%ウシ血清アルブミンを用いてブロッキングすること、
抗血清と反応させること、洗浄すること及び標識され(放射性または蛍光)、ア
フィニティー精製された、特異的ヤギ抗ウサギIgGと反応させることにより、抗 ペプチド活性について試験する。
【0111】 標準的な手法を用いて、ハイブリドーマを調製し、スクリーニングする。標識
されたHEDG-7を用いてスクリーニングすることにより、目的のハイブリドーマを
検出して、所望の特異性を有するモノクローナル抗体を産生するそれらの融合物
を同定する。典型的なプロトコルでは、インキュベーション中、10 mg/mlのアフ
ィニティー精製された特異的ウサギ抗マウス(または適当な抗種のIg)抗体で プレートのウェル(FAST; Becton-Dickinson, Palo Alto CA)をコーティングする
。コーティングされたウェルを1% BSAでブロッキングし、洗浄し、ハイブリドー
マからの上清を用いてインキュベートする。ウェルを洗浄した後、1 mg/mlの標 識されたHEDG-7を用いてインキュベートする。特異的抗体を有する上清は、バッ
クグラウンドにおいて検出可能なものよりも、標識されたHEDG-7により多く結合
する。その後、特異的抗体を産生するクローンを増殖させ、限界希釈法でクロー
ニングを2サイクル行う。クローン化されたハイブリドーマをプリスタンで処理
したマウスに注入して腹水を生成させ、プロテインA上のアフィニティークロマ トグラフィーにより、マウスの腹水の液体からモノクローナル抗体を精製する。
典型的には、少なくとも108 M-1、好ましくは109〜1010以上に強い親和性を有す
るモノクローナル抗体を、Harlow及びLane(1988) 「抗体:研究室マニュアル」、
Cold Spring Harbor Laboratory, Cold Spring Harbor, NY並びにGoding (1986)
「モノクローナル抗体:原理と実践」、 Academic Press, New York City(双方 は参照により本明細書に組み入れられる)に記載されるような標準的な方法によ
り作製する。
【0112】実施例15:HEDG-7特異的抗体を使用した診断検査 ある特定のHEDG-7抗体は、シグナル伝達を研究するために、ならびにHEDG-7、
または活性シグナリングカスケードの下流生成物の量または分布の違いによって
特徴づけられる感染性状態または遺伝性状態を診断するために有用である。
【0113】 HEDG-7についての診断検査は、HEDG-7を検出するための抗体および標識を、ヒ
ト体液、膜、細胞、組織またはそれらの抽出物において利用する方法を含む。本
発明のポリペプチドおよび抗体は、改変されて、または改変されずに使用される
。ポリペプチドおよび抗体は、検出可能なシグナルを提供する物質と共有結合的
にまたは非共有結合的に結合されて、標識されることが多い。広範な種類の標識
および結合技術が知られており、科学文献および特許文献の両方で広く報告され
ている。適切な標識としては、放射性核種、酵素、基質、補助因子、インヒビタ
ー、蛍光物質、化学発光物質、発色物質、磁性粒子などが挙げられる。このよう
な標識の使用を教示している特許としては、米国特許第3,817,837号、同第3,850
,752号、同第3,939,350号、同第3,996,345号、同第4,277,437号、同第4,275,149
号および同第4,366,241号が挙げられる。また、組換え免疫グロブリンは、参照 により本明細書に組み入れる米国特許第4,816,567号に示されているように生成 できる。
【0114】 該タンパク質に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を使用して
、可溶性または膜結合型HEDG-7を測定するための様々なプロトコルが、当技術分
野において公知である。例として、固相酵素免疫検定法(ELISA)、ラジオイムノ アッセイ(RIA)および蛍光励起細胞分離捕集(FACS)が挙げられる。HEDG-7上の2 つの非妨害性エピトープと反応するモノクローナル抗体を利用する、2部位モノ
クローナルに基づくイムノアッセイが好ましいが、競合結合アッセイも使用でき
る。これらのアッセイは、特にMaddox, DEら(1983, J Exp. Med. 158:1211f)に 記載されている。
【0115】実施例16:特異的抗体を使用した天然型HEDG-7の精製 HEDG-7に特異的な抗体を用いたイムノアフィニティークロマトグラフィーによ
り、天然型または組換え型HEDG-7を精製する。一般的に、イムノアフィニティー
カラムは、抗TRH抗体を活性化クロマトグラフィー樹脂に共有結合的に結合させ ることによって構築される。
【0116】 ポリクローナル免疫グロブリンを、免疫血清から、硫酸アンモニウム沈殿、ま
たは固定化プロテインA(Pharmacia LKB Biotechnology, Piscataway NJ)上での
精製によって調製する。同様に、モノクローナル抗体を、硫酸アンモニウム沈殿
、または固定化プロテインA上でのクロマトグラフィーによってマウス腹水液か
ら調製する。部分的に精製された免疫グロブリンを、クロマトグラフィー樹脂( 例えば、CnBr活性化セファロース(Pharmacia LKB Biotechnology))に共有結合的
に付着させる。製造元の指示通りに、抗体を樹脂に結合させ、樹脂をブロックし
、誘導体樹脂を洗浄する。
【0117】 このようなイムノアフィニティーカラムは、可溶性形態のHEDG-7を含む細胞か
ら画分を調製して行うHEDG-7の精製に利用されている。この調製は、全細胞、ま
たは分画遠心分離によって(界面活性剤を添加して、もしくは添加せずに)得た細
胞画分の可溶化によって、または当技術分野において公知の他の方法によって行
う。あるいはまた、シグナル配列を含む可溶性HEDG-7は、細胞が増殖する培地に
有用な量で分泌される。
【0118】 可溶性HEDG-7を含む調製物を、イムノアフィニティーカラムにかけ、HEDG-7が
選択的に吸着される条件(例えば、界面活性剤の存在下での高イオン強度バッフ ァーの使用)下でカラムを洗浄する。次に、抗体/タンパク質結合を分断する条件
(例えば、pHが2〜3のバッファーの使用、または尿素もしくはチオシアン酸塩イ オンなどの高濃度カオトロープの使用)下で、カラムを溶出し、HEDG-7を回収す る。
【0119】実施例17:薬物スクリーニング 本発明は、HEDG-7またはその結合断片を様々な薬物スクリーニング技術のうち
の任意のものにおいて使用して治療化合物をスクリーニングするために特に有用
である。HEDG-7は、Gタンパク質結合受容体であるため、当技術分野において一
般的に使用されている方法のうちの任意のものを、HEDG-7リガンドを同定するた
めに使用できるかもしれない。例えば、受容体の活性化によりいくつかのメッセ
ンジャー系(アデニル酸シクラーゼ、グアニリルシクラーゼ、カルシウム動員ま たはイノシトールリン脂質加水分解)のレベルに観察可能な変化が生じるような 様々な適した機能アッセイのうちの任意のものを使用して、HEDG-7などのGタン
パク質結合受容体の活性が測定できる。そのような1つのアプローチでは、レポ
ーター遺伝子を用いて、細胞内二次メッセンジャー経路の活性化に対するリガン
ド結合の影響を測定する。典型的に、レポーター遺伝子は、容易に検出可能な遺
伝子産物(例えば、CATまたはルシフェラーゼ)の発現を制御する二次メッセンジ ャーのレベルに応答するプロモーターを有する。あるいはまた、細胞にレポータ
ー物質(例えば、FURA)を添加して、細胞内カルシウム濃度の変化により、リガン
ド結合による受容体のモジュレーションが示されるようにする。従って、本発明
は、薬物、またはシグナル伝達に影響をもたらす他の任意の物質をスクリーニン
グする方法を提供する。
【0120】 あるいはまた、上記検査に使用されるポリペプチドまたは断片は、溶液中に遊
離状態で存在するか、固体支持体に固定されているか、細胞表面上で担持されて
いるか、細胞内に位置している。薬物スクリーニングの1つの方法では、該ポリ
ペプチドまたは断片を発現する組換え核酸により安定に形質転換される真核生物
または原核生物宿主細胞(またはこれらから得た膜調製物)を利用する。薬物を、
競合結合アッセイにおいて、このような形質転換された細胞に対してスクリーニ
ングする。生存可能な形態または固定形態のいずれかである上記細胞を、標準結
合アッセイにおいて使用する。32P-標識S1Pを、HEDG-7についての上記競合結合 アッセイに使用してもよい。例えば、HEDG-7と検査する物質との複合体の形成を
測定する。あるいはまた、検査する物質によって生じる、HEDG-7とリガンドとの
複合体形成(例えば、S1P)の減少を試験する。
【0121】実施例18:合理的薬物設計 本明細書中において、合理的薬物設計の目標は、生物学的活性を有する目的の
リン脂質の構造的類似体、またはアゴニスト、アンタゴニストもしくはインヒビ
ターと相互作用する小分子の構造的類似体を製造することである。これらの例の
いずれもが、リン脂質のより活性もしくは安定した形態である薬物、またはin v
ivoでのリン脂質の機能を増強または妨害する薬物を作るために使用される。
【0122】 1つのアプローチでは、目的のタンパク質、またはタンパク質-インヒビター 複合体の三次元構造を、X線結晶学、コンピュータモデリング、または最も一般
的には該2つのアプローチを組み合わせて決定する。ポリペプチドの形状および
電荷の両方を確認して、構造を明らかにし、分子の活性部位を決定しなければな
らない。たまに、ポリペプチドの構造に関する有用な情報が、相同タンパク質の
構造に基づいてモデリングすることによって得られる。両方の場合とも、関連す
る構造情報を用いて、効率的なインヒビターをデザインする。合理的薬物設計の
有用な例としては、参照により本明細書に組み入れられる、Braxton SおよびWel
ls JA(1992, Biochemistry 31:7796-7801)に示されるような活性もしくは安定性
が向上した分子、またはAthauda SBら(1993 J Biochem 113:742-46)に示される ような天然型ペプチドのインヒビター、アゴニストまたはアンタゴニストとして
作用する分子が挙げられる。
【0123】実施例19:抗体、インヒビターまたはアンタゴニストの使用および投与 HEDG-7の抗体、インヒビター、またはアンタゴニスト(またはシグナル伝達を 制限するための他の治療薬(LST))は、治療的に投与される場合に異なる効果を提
供する。LSTは、非毒性、不活性、製薬上許容可能な水性担体媒体(好ましくは、
pHが約5〜8、より好ましくは6〜8であるが、ただし、製剤化される抗体、イ
ンヒビターもしくはアンタゴニストの特性、または治療される症状に応じてpHは
変化してもよい)中で製剤化される。LSTの特性としては、分子の可溶性、半減期
および抗原性/免疫原性が挙げられる。これらおよび他の特徴は、有効な担体を 規定する助けになる。
【0124】 LSTは、公知の投与経路によって送達される。これには、局部クリームおよび ゲル、経粘膜スプレーおよびエーロゾル、経皮パッチおよびバンデージ、注射可
能な静脈内洗浄製剤、ならびに(胃酸および酵素に耐性なように特に処方されて いる)経口投与される液体およびピルが挙げられる。特定の製剤、正確な用量お よび投与経路は医師によって決定され、それぞれの特定の状況に応じて変化する
【0125】 このような決定は、複数の変数(例えば、治療される症状、投与するLST、特定
のLSTの薬物動態学的プロフィールなど)を考慮することによってなされる。さら
に考慮する要因としては、疾患状態の重度、患者の年齢、体重、性別、食事、LS
T投与の時間および頻度、他の薬物との可能性のある組み合わせ、反応感度、な らびに治療に対する耐性/応答が含まれる。長時間作用性LST製剤は、特定のLST の半減期およびクリアランス率に応じて、3〜4日、毎週、または2週間に1度
投与される場合もあろう。
【0126】 通常投与量は、投与経路に応じて、0.1〜100,000マイクログラムの範囲で、合
計投与量は最高約1gである。特定の用量および送達方法に関するガイダンスは
文献に記載されている。米国特許第4,657,760号、同第5,206,344号または同第5,
225,212号を参照のこと。当業者は、異なるLSTに対して異なる製剤を使用する。
神経細胞などの細胞に対する投与は、血管内皮細胞などの他の細胞とは異なる手
法での送達を必要とする。
【0127】 異常シグナル伝達、外傷、またはHEDG-7活性を誘発する疾患は、LSTで治療で きる。これらの症状または疾患は、上述した検査によって明確に診断される。ま
た、そのような検査は、ウイルス、細菌もしくは真菌の感染、アレルギー反応、
外傷に関連する物理的傷害、遺伝性疾患、リンパ腫もしくは癌、またはリンパ組
織またはニューロン組織の遺伝子を活性化する他の症状の疑いのある場合に行わ
れる。
【0128】実施例20:トランスジェニック動物の作製 HEDG-7受容体の生理学的および挙動的役割を解明する動物モデル系は、トラン
スジェニック動物を作製することにより作られ、トランスジェニック動物では、
さまざまな技術によりHEDG-7受容体の活性が増加もしくは減少しているか、また
は発現されたHEDG-7受容体のアミノ酸配列が変化している。これらの技術例は、
限定はされないが:1)トランスジェニック動物を作製するための、マイクロイ
ンジェクション、エレクトロポレーション、レトロウイルストランスフェクショ
ン、または当業者に公知の他の方法による、HEDG-7受容体をコードするDNAの正 常型または変異型の、適切に受精した胚への挿入、または2)発現の調節または
これらHEDG-7受容体配列の構造を変更するための、これらの遺伝子のヒトまたは
動物の変異型または正常型とトランスジェニック動物の天然の遺伝子座との相同
的組換え、とを含む。相同的組換えの技術は、当技術分野で公知である。この技
術は、天然の遺伝子を挿入遺伝子と置き換えて、天然のHEDG-7受容体を発現する
ことはできないが、例えば、組換えにより動物のゲノムの天然HEDG-7受容体と置
き換わって挿入された、変異型HEDG-7受容体を発現し、輸送体が過小発現した動
物を作製するのに有用である。マイクロインジェクションは、遺伝子をゲノムに
追加するが、それらを除去しないので、それ自身および追加したHEDG-7受容体を
発現し、その結果HEDG-7受容体を過剰発現する動物を作製するのに有用である。
【0129】 トランスジェニック動物、例えばマウスを作製するために利用できる1つの手
段は次のとおりである。すなわち、雌マウスを交配させ、生じた受精卵を卵管か
ら解剖して取り出す。卵を、M2培地のような適切な培地中に保存する。HEDG-7を
コードするDNAまたはcDNAを、当技術分野で公知の方法によりベクターから精製 する。導入遺伝子の発現を制御する実験的手段を提供するために、誘導可能なプ
ロモーターをDNAのコード領域と融合してもよい。これとは別に、またはこれに 加えて、導入遺伝子の組織特異的発現を可能とするために、組織特異的制御エレ
メントをコード領域と融合してもよい。適切なバッファ溶液中のDNAをマイクロ インジェクションの注入針(パイパープラー(piper puller)を使って毛細管から
作ることができる)に入れ、注入される卵をディプレッションスライド(depress
ion slide) 中におく。針を卵の前核中に挿入し、DNA溶液を注入する。その後、
注入した卵を、偽妊娠マウス(適切なホルモンにより刺激されて妊娠を維持する
が、実際は妊娠していない)の卵管に移し、そこから子宮に進み、移植してしか
るべき時期まで発育させる。上記のように、マイクロインジェクションは、DNA を卵細胞に挿入する唯一の方法ではなく、本明細書では例示の目的でのみ使用し
た。
【0130】 本発明の範囲や精神を逸脱することなく、記載された本明細書の方法やシステ
ムの様々な改変や変形が当業者に明らかになるであろう。本発明は、特定の好ま
しい実施形態に関連して記載されたが、特許請求の範囲に示されるように本発明
はそのような特定の実施形態に不当に限られるべきではないことが理解されなけ
ればならない。
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1A(配列番号1)は、BACおよびPACクローンから誘導されたhedg-7のヌク
レオチド配列(全長HEDG-7のヌクレオチドの16〜1170をコードする)を示す。 図1B(配列番号2)は、pc-3-hedg7#M10クローンから誘導されたhedg-7のヌ
クレオチド配列(全長HEDG-7のヌクレオチドの13〜1167をコードする)を示す。
【図2】 図2A(配列番号3)は、図1Aのhedg-7によりコードされる予測アミノ酸配
列を示す。 図2B(配列番号4)は、図1Bのhedg-7によりコードされるアミノ酸配列を
示す。
【図3】 図3Aは、図1Aのhedg-7ヌクレオチド配列と図2AのHEDG-7アミノ酸配列と
を並べた図である。 図3Bは、図2Aと図2Bのアミノ酸配列を並べた図である。140および378位
において認められる、図2AのHEDG-7アミノ酸配列と比較しての、2つのアミノ 酸置換が存在する。
【図4】 図4は、図2AのHEDG-7予測アミノ酸配列と、他のEDG受容体のアミノ酸配列 とを並べた図である。
【図5】 図5は、ラットedg-7の部分ゲノムヌクレオチド配列を示す。
【図6】 図6は、ラットHEDG-7の部分予測アミノ酸配列を示す。
【図7】 図7は、10μMのS1Pに対するpcDNA3-HEDG7クローンのSRE応答を示す棒グラフ である。
【図8】 図8は、5μMのSPC、S1P、LPA、リソフォスファチジルコリン(LPC)、エデル
フォシン(edelfosine)、サイコシン、アナンダミドまたは2-アラキドニルグリ
セロールのSRE応答を示す棒グラフである。
【図9】 図9は、S1P、SPC、サイコシン、グルコサイコシンおよびジヒドロスフィンゴ
シン1-リン酸(ジヒドロ-S1P)のSRE用量応答を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/21 C12Q 1/68 A 5/10 G01N 33/15 Z C12Q 1/68 33/50 Z G01N 33/15 33/68 33/50 C12N 15/00 ZNAA 33/68 5/00 A (81)指定国 EP(AT,BE,CH,CY, DE,DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,I T,LU,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GW,ML, MR,NE,SN,TD,TG),AP(GH,GM,K E,LS,MW,SD,SZ,UG,ZW),EA(AM ,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM) ,AL,AM,AT,AU,AZ,BA,BB,BG, BR,BY,CA,CH,CN,CU,CZ,DE,D K,EE,ES,FI,GB,GE,GH,GM,HR ,HU,ID,IL,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,LU,L V,MD,MG,MK,MN,MW,MX,NO,NZ ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG,SI, SK,SL,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,U S,UZ,VN,YU,ZW (72)発明者 ガプタ、アシュワニ、ケー. カナダ国、エル5エヌ 6ワイ4 オンタ リオ州、ミシソーガ、ダンロビン ウェイ 7031 (72)発明者 ザストウニー、ローマン、エル. カナダ国、エム9ピー 3ジー2 オンタ リオ州、エトビコーク、ニューステッド ロード 21

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヒトEDG-7受容体をコードする、単離されたヌクレオチド配 列。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の単離されたヌクレオチド配列の生物学的に
    活性な断片。
  3. 【請求項3】 前記断片がS1PまたはLPAにより活性化される、請求項2に記
    載の生物学的に活性な断片。
  4. 【請求項4】 単離されたヌクレオチド配列であって、 (a) 配列番号1のヌクレオチド16〜1170を含むヌクレオチド配列、 (b) 配列番号2のヌクレオチド13〜116を含むヌクレオチド配列、 (c) (a)または(b)と少なくとも約70%の配列同一性を有し、かつストリンジェン トな条件下で配列(a)および(b)と、それぞれハイブリダイズするヌクレオチド配
    列、 (d) 配列番号3のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、および (e) 配列番号4のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列、 からなる群より選択される前記ヌクレオチド配列。
  5. 【請求項5】 ヌクレオチド配列が、 (a) 請求項4に記載の(a)、(b)、(d)または(e)のヌクレオチド配列;および (b) 請求項4に記載の(a)または(b)と少なくとも約80〜85%の配列同一性を有し 、かつストリンジェントな条件下で請求項4の配列(a)または(b)とハイブリダイ
    ズするヌクレオチド配列、 からなる群より選択される、請求項4に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  6. 【請求項6】 ヌクレオチド配列が、 (a) 請求項4に記載の(a)、(b)、(d)または(e)のヌクレオチド配列;および (b) 請求項4に記載の(a)または(b)と少なくとも約95%の配列同一性を有し、か つストリンジェントな条件下で請求項4に記載の配列(a)または(b)とハイブリダ
    イズするヌクレオチド配列、 からなる群より選択される、請求項4に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  7. 【請求項7】 ヌクレオチド配列が、S1PまたはSPCにより活性化されるHEDG
    -7をコードする、請求項6に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載のヌクレオチド配列の相補配列。
  9. 【請求項9】 請求項6に記載のヌクレオチド配列を含む発現ベクター。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。
  11. 【請求項11】 請求項6に記載のヌクレオチド配列またはそれらの生物学
    的に活性な部分によりコードされるHEDG-7受容体の単離、精製されたアミノ酸配
    列。
  12. 【請求項12】 配列番号3若しくは配列番号4のアミノ酸配列またはそれ
    らの生物学的に活性な部分を含む、請求項11に記載の単離、精製されたアミノ
    酸配列。
  13. 【請求項13】 ヌクレオチド配列が、請求項4に記載の(d)または(e)のヌ
    クレオチド配列である、請求項4に記載の単離されたヌクレオチド配列。
  14. 【請求項14】 請求項4に記載のヌクレオチド配列のうちの少なくとも1
    5個の連続したヌクレオチドを包含するハイブリダイゼーションプローブ。
  15. 【請求項15】 化合物をスクリーニングしてHEDG-7リガンドを同定する方
    法であって、 (a) HEDG-7受容体を発現する細胞を培養するか、または該細胞から膜調製物を得
    る工程、 (b) 前記細胞またはそれらからの前記膜調製物と、前記化合物とを共にインキュ
    ベートする工程、および (c) 前記HEDG-7受容体と前記化合物との間に結合が生じているか否かを測定する
    工程、 を含む前記方法。
  16. 【請求項16】 請求項15に記載の方法により同定されるHEDG-7リガンド
  17. 【請求項17】 化合物をスクリーニングしてHEDG-7アンタゴニストを同定
    する方法であって、 (a) HEDG-7受容体を発現する細胞を培養するか、または該細胞から膜調製物を得
    る工程、 (b) 前記細胞と、アゴニストおよび前記化合物を含む混合物とを接触させ、前記
    受容体におけるアンタゴニスト活性について試験する工程、および (c) 前記アゴニストとHEDG-7との間の結合の程度の指標となる応答を測定し、そ
    の測定された応答と、HEDG-7と前記化合物が存在しない場合の前記アゴニストと
    の間の結合についての標準的な応答とを比較することにより、アンタゴニスト活
    性の程度を決定する工程、 を含む前記方法。
  18. 【請求項18】 請求項17に記載の方法により同定されたアンタゴニスト
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