JP2002365049A - 覆工厚測定方法 - Google Patents
覆工厚測定方法Info
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- JP2002365049A JP2002365049A JP2001177968A JP2001177968A JP2002365049A JP 2002365049 A JP2002365049 A JP 2002365049A JP 2001177968 A JP2001177968 A JP 2001177968A JP 2001177968 A JP2001177968 A JP 2001177968A JP 2002365049 A JP2002365049 A JP 2002365049A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明の課題は、トンネルにおいて、覆工と
その下層構造物との比誘電率とがほとんど等しい場合
や、覆工に鉄筋等が配設されている場合でも正確に覆工
厚を評価することが可能な覆工厚測定方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 トンネルの覆工の覆工厚の電磁波を用い
た覆工厚測定方法であって、前記覆工の外周を覆うよう
に導電性物質を配し、前記覆工の内周面より覆工厚方向
に電磁波レーダ・アンテナより電磁波を照射し、前記導
電性物質で反射された反射電磁波が前記電磁レーダ・ア
ンテナに入射するまでに要する時間から覆工厚を求める
ことを特徴とする覆工厚測定方法を提供する。
その下層構造物との比誘電率とがほとんど等しい場合
や、覆工に鉄筋等が配設されている場合でも正確に覆工
厚を評価することが可能な覆工厚測定方法を提供するこ
とである。 【解決手段】 トンネルの覆工の覆工厚の電磁波を用い
た覆工厚測定方法であって、前記覆工の外周を覆うよう
に導電性物質を配し、前記覆工の内周面より覆工厚方向
に電磁波レーダ・アンテナより電磁波を照射し、前記導
電性物質で反射された反射電磁波が前記電磁レーダ・ア
ンテナに入射するまでに要する時間から覆工厚を求める
ことを特徴とする覆工厚測定方法を提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トンネルにおける
覆工厚を電磁波を用いて非破壊で検査するための覆工厚
測定法に関する。
覆工厚を電磁波を用いて非破壊で検査するための覆工厚
測定法に関する。
【0002】
【従来の技術】トンネル施工は、一般に地山を所定形状
に掘削の後、掘削面に吹付けコンクリート、ロックボル
ト打設等の支保工を行い、最後に覆工を行う。
に掘削の後、掘削面に吹付けコンクリート、ロックボル
ト打設等の支保工を行い、最後に覆工を行う。
【0003】覆工は、吹付けコンクリートなどの支保工
部材と協働してトンネルの安定を確保するともに、トン
ネルの内装としての役割を果たす。覆工は外力を効果的
に支持するために、円弧を組み合わせたアーチ状又はリ
ング状構造を有し、トンネルに掛かる荷重を支持できる
構造とすることが一般的である。覆工としては、一般に
無筋コンクリートが用いられるが、坑口部等では偏土圧
に備えるために15cmピッチ程度のメッシュ鉄筋等が
配設される場合もある。
部材と協働してトンネルの安定を確保するともに、トン
ネルの内装としての役割を果たす。覆工は外力を効果的
に支持するために、円弧を組み合わせたアーチ状又はリ
ング状構造を有し、トンネルに掛かる荷重を支持できる
構造とすることが一般的である。覆工としては、一般に
無筋コンクリートが用いられるが、坑口部等では偏土圧
に備えるために15cmピッチ程度のメッシュ鉄筋等が
配設される場合もある。
【0004】力学的に明らかに覆工を必要としない場合
には、覆工はトンネルの内装としての機能に重点が置か
れるため、覆工の厚さは施工上必要最低限の厚さである
30cm程度とされることが多いが、トンネルの変形を
防ぐ等の力学的に覆工が必要とされる場合には、偏心荷
重の有無、トンネルが支持すべき地山の高さ等、種々の
条件を勘案して余裕を持った厚さの覆工を設ける必要が
ある。
には、覆工はトンネルの内装としての機能に重点が置か
れるため、覆工の厚さは施工上必要最低限の厚さである
30cm程度とされることが多いが、トンネルの変形を
防ぐ等の力学的に覆工が必要とされる場合には、偏心荷
重の有無、トンネルが支持すべき地山の高さ等、種々の
条件を勘案して余裕を持った厚さの覆工を設ける必要が
ある。
【0005】前記のように、覆工は、支保工と共にトン
ネルに作用する外力を支持し、トンネルの安全率を高め
る役割を担っており、覆工厚の調査はトンネル施工上、
非常に重要である。この覆工厚を非破壊で調査する場合
には通常電磁レーダ法が用いられる。
ネルに作用する外力を支持し、トンネルの安全率を高め
る役割を担っており、覆工厚の調査はトンネル施工上、
非常に重要である。この覆工厚を非破壊で調査する場合
には通常電磁レーダ法が用いられる。
【0006】電磁レーダ法による覆工厚の調査原理は、
異なる比誘電率を持つ物質が接する境界面において、照
射された電磁波の一部が反射されるという物理現象を利
用したものである。以下、電磁レーダ法による覆工厚の
調査原理を図3を用いて説明する。図3はトンネル断面
の一部拡大図である。掘削された地山101の表面に
は、支保構造として吹付けコンクリート102が施工さ
れており、吹付けコンクリート102の表面に覆工10
3が施されているものとする。
異なる比誘電率を持つ物質が接する境界面において、照
射された電磁波の一部が反射されるという物理現象を利
用したものである。以下、電磁レーダ法による覆工厚の
調査原理を図3を用いて説明する。図3はトンネル断面
の一部拡大図である。掘削された地山101の表面に
は、支保構造として吹付けコンクリート102が施工さ
れており、吹付けコンクリート102の表面に覆工10
3が施されているものとする。
【0007】ここで、覆工103に用いられる覆工コン
クリートの比誘電率がεaであり、吹付けコンクリート
102の比誘電率がεbであるとする。このような構造
を有するトンネルにおいて、覆工103表面から吹付け
コンクリート102方向に電磁レーダ・アンテナ104
より電磁波WFを照射すると、電磁波WFは、覆工103
と吹付けコンクリート102との境界面において、反射
係数Rで反射されて、反射電磁波WRが電磁レーダ・ア
ンテナ104に入射する。電磁波WFを照射してから電
磁レーダ・アンテナ104に反射電磁波WRが入射する
までに要する時間を計測し、この時間に電磁波の速度を
乗ずることにより、覆工厚を知ることが可能となる。
クリートの比誘電率がεaであり、吹付けコンクリート
102の比誘電率がεbであるとする。このような構造
を有するトンネルにおいて、覆工103表面から吹付け
コンクリート102方向に電磁レーダ・アンテナ104
より電磁波WFを照射すると、電磁波WFは、覆工103
と吹付けコンクリート102との境界面において、反射
係数Rで反射されて、反射電磁波WRが電磁レーダ・ア
ンテナ104に入射する。電磁波WFを照射してから電
磁レーダ・アンテナ104に反射電磁波WRが入射する
までに要する時間を計測し、この時間に電磁波の速度を
乗ずることにより、覆工厚を知ることが可能となる。
【0008】ここで、反射係数Rはεa,εbを用いて以
下の式で表すことができる。 R=(εa 1/2−εb 1/2)/(εa 1/2+εb 1/2)・・・・・(1)
下の式で表すことができる。 R=(εa 1/2−εb 1/2)/(εa 1/2+εb 1/2)・・・・・(1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した従来
の電磁レーダ法による覆工厚の評価には、次のような問
題点があった。
の電磁レーダ法による覆工厚の評価には、次のような問
題点があった。
【0010】式(1)によれば、覆工コンクリートの比
誘電率εaと吹付けコンクリート102の比誘電率εbと
が大きく異なっている場合には、反射係数Rが大きな値
となるので、強い反射電磁波WRを得ることが可能であ
る。しかし、εaとεbとがほぼ同程度の値である場合に
は、(1)式の分子((εa 1/2−εb 1/2))の値が0に
近くなるので、反射係数Rが小さくなり、反射電磁波W
Rの強度が弱くなってしまう。その結果、反射電磁波WR
を捉えることが難しくなり、正確に覆工厚を評価できな
いという問題点があった。
誘電率εaと吹付けコンクリート102の比誘電率εbと
が大きく異なっている場合には、反射係数Rが大きな値
となるので、強い反射電磁波WRを得ることが可能であ
る。しかし、εaとεbとがほぼ同程度の値である場合に
は、(1)式の分子((εa 1/2−εb 1/2))の値が0に
近くなるので、反射係数Rが小さくなり、反射電磁波W
Rの強度が弱くなってしまう。その結果、反射電磁波WR
を捉えることが難しくなり、正確に覆工厚を評価できな
いという問題点があった。
【0011】また、覆工103中に鉄筋が配設されてい
る場合にはさらに困難な問題が発生する。鉄筋は導電性
物質であり、絶縁物である覆工103と比較すると比誘
電率が非常に大きい。そのため、鉄筋の反射係数Rが非
常に大きな値となってしまう((1)式)。その結果、
電磁波WFを照射すると、鉄筋に由来する強度の強い反
射電磁波と、覆工103と吹付けコンクリート102境
界面からの比較的強度の弱い反射電磁波とが重畳したも
のが電磁レーダ・アンテナ104に検出されることとな
る。このため、電磁レーダ・アンテナ104で検出され
た反射電磁波の中から、覆工103と吹付けコンクリー
ト102境界面からの反射電磁波を分離できず正確な覆
工厚を評価することが難しかった。
る場合にはさらに困難な問題が発生する。鉄筋は導電性
物質であり、絶縁物である覆工103と比較すると比誘
電率が非常に大きい。そのため、鉄筋の反射係数Rが非
常に大きな値となってしまう((1)式)。その結果、
電磁波WFを照射すると、鉄筋に由来する強度の強い反
射電磁波と、覆工103と吹付けコンクリート102境
界面からの比較的強度の弱い反射電磁波とが重畳したも
のが電磁レーダ・アンテナ104に検出されることとな
る。このため、電磁レーダ・アンテナ104で検出され
た反射電磁波の中から、覆工103と吹付けコンクリー
ト102境界面からの反射電磁波を分離できず正確な覆
工厚を評価することが難しかった。
【0012】本発明はこのような問題点に鑑みなされた
ものであり、覆工103とその下層構造物との比誘電率
とがほとんど等しい場合や、覆工103に鉄筋等が配設
されている場合でも、非破壊で正確に覆工厚を評価する
ことが可能な覆工厚測定方法を提供することを課題とす
る。
ものであり、覆工103とその下層構造物との比誘電率
とがほとんど等しい場合や、覆工103に鉄筋等が配設
されている場合でも、非破壊で正確に覆工厚を評価する
ことが可能な覆工厚測定方法を提供することを課題とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の問題点
を解決するために次のように構成した。請求項1の発明
は、トンネルの覆工の覆工厚を電磁波を用いて測定する
覆工厚測定方法であって、前記覆工の外周を覆うように
導電性物質を配し、前記覆工の内周方向より覆工厚方向
に電磁波照入射手段より電磁波を照射し、前記導電性物
質で反射された反射電磁波が前記電磁波照入射手段に入
射するまでに要する時間から覆工厚を求めることを特徴
とする覆工厚測定方法である。
を解決するために次のように構成した。請求項1の発明
は、トンネルの覆工の覆工厚を電磁波を用いて測定する
覆工厚測定方法であって、前記覆工の外周を覆うように
導電性物質を配し、前記覆工の内周方向より覆工厚方向
に電磁波照入射手段より電磁波を照射し、前記導電性物
質で反射された反射電磁波が前記電磁波照入射手段に入
射するまでに要する時間から覆工厚を求めることを特徴
とする覆工厚測定方法である。
【0014】請求項1の発明によれば、覆工に用いられ
るコンクリートよりも比誘電率が非常に大きい導電性物
質で覆工の外周を覆っているので、覆工の内周方向より
電磁波照入射手段を用いて電磁波を照射した際に、この
導電性物質に由来する強度の強い反射電磁波を得ること
が可能となる。これにより、電磁波を照射してから反射
電磁波が電磁波照入射手段に戻ってくるまでの時間を従
来以上に正確に計測することが可能となり、より正確に
覆工厚を測定することが可能となる。
るコンクリートよりも比誘電率が非常に大きい導電性物
質で覆工の外周を覆っているので、覆工の内周方向より
電磁波照入射手段を用いて電磁波を照射した際に、この
導電性物質に由来する強度の強い反射電磁波を得ること
が可能となる。これにより、電磁波を照射してから反射
電磁波が電磁波照入射手段に戻ってくるまでの時間を従
来以上に正確に計測することが可能となり、より正確に
覆工厚を測定することが可能となる。
【0015】また、覆工に鉄筋が配設されている場合で
あっても、導電性物質に由来する反射電磁波は強度が強
いために、従来のように、覆工と覆工の下層構造物との
境界面に由来する反射電磁波が鉄筋に由来する反射電磁
波に隠されることがなく、正確に覆工厚を知ることが可
能となる。ここで、「覆工の外周を覆うように」とは、
覆工の外周面に接するように導電性物質を設けることは
勿論のこと、覆工の外周面が既知の厚さの物質で被覆さ
れており、この物質の外周面に導電性物質が設けられて
いる場合も含まれる。
あっても、導電性物質に由来する反射電磁波は強度が強
いために、従来のように、覆工と覆工の下層構造物との
境界面に由来する反射電磁波が鉄筋に由来する反射電磁
波に隠されることがなく、正確に覆工厚を知ることが可
能となる。ここで、「覆工の外周を覆うように」とは、
覆工の外周面に接するように導電性物質を設けることは
勿論のこと、覆工の外周面が既知の厚さの物質で被覆さ
れており、この物質の外周面に導電性物質が設けられて
いる場合も含まれる。
【0016】請求項2の発明は、前記覆工を覆うよう2
重の防水シートが設けられており、この2重の防水シー
トに前記導電性物質が介在していることを特徴とする請
求項1記載の覆工厚測定方法である。請求項2の発明に
よれば、トンネル施工時に防水工として施工される防水
シートを2枚重ね(2重)とし、この2枚の防水シート
の間隙に前記導電性物質を挟み込むようにしているの
で、トンネル施工の工程に大幅な変更を加えることな
く、トンネル施工を実施できる。このように、トンネル
施工の工程に従来法と大きな違いがないにも係わらず、
従来よりも正確に覆工厚を測定することが可能となる。
また、本発明では、防水シートを2重としているので、
従来よりもトンネルの防水性を高めることができる。
重の防水シートが設けられており、この2重の防水シー
トに前記導電性物質が介在していることを特徴とする請
求項1記載の覆工厚測定方法である。請求項2の発明に
よれば、トンネル施工時に防水工として施工される防水
シートを2枚重ね(2重)とし、この2枚の防水シート
の間隙に前記導電性物質を挟み込むようにしているの
で、トンネル施工の工程に大幅な変更を加えることな
く、トンネル施工を実施できる。このように、トンネル
施工の工程に従来法と大きな違いがないにも係わらず、
従来よりも正確に覆工厚を測定することが可能となる。
また、本発明では、防水シートを2重としているので、
従来よりもトンネルの防水性を高めることができる。
【0017】請求項3の発明は、前記導電性物質が、鉄
粉を含有する物質、炭素繊維を含有する物質、金属製メ
ッシュ及び水からなる群より選択される1種以上の物質
であることを特徴とする請求項1又は2記載の覆工厚測
定方法である。請求項3の発明によれば、前記導電性物
質として、入手及び取り扱いが容易な材料を用いている
ので、現場における簡単な施工により、従来よりも正確
に覆工厚を測定することができる。
粉を含有する物質、炭素繊維を含有する物質、金属製メ
ッシュ及び水からなる群より選択される1種以上の物質
であることを特徴とする請求項1又は2記載の覆工厚測
定方法である。請求項3の発明によれば、前記導電性物
質として、入手及び取り扱いが容易な材料を用いている
ので、現場における簡単な施工により、従来よりも正確
に覆工厚を測定することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を用いて説明するが、本発明は、この実施の形態にのみ
限定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化
する種々の変更が許されることは勿論である。
を用いて説明するが、本発明は、この実施の形態にのみ
限定されるものではなく、本発明の技術的思想を具現化
する種々の変更が許されることは勿論である。
【0019】図1は、通常の山岳トンネルの一部断面図
を示すものであり、本発明の第1の実施形態である。図
2は、ボックスカルバートの一部断面図を示すものであ
り、本発明の第2の実施形態である。山岳トンネルは、
最も一般的なトンネルであり、地山の掘削と支保構造物
の構築とを繰り返してトンネルを完成するものである。
を示すものであり、本発明の第1の実施形態である。図
2は、ボックスカルバートの一部断面図を示すものであ
り、本発明の第2の実施形態である。山岳トンネルは、
最も一般的なトンネルであり、地山の掘削と支保構造物
の構築とを繰り返してトンネルを完成するものである。
【0020】以下、このトンネルの断面構造をトンネル
施工工程に沿って説明する。掘削された地山1表面には
支保構造として吹付けコンクリート2が吹き付けられて
いる。この吹付けコンクリート2の表面は、次の工程で
ある防水シート3a,3b敷設のために、できるだけ平
坦にしておくことが望ましい。なお、地山1の状態によ
っては、支保構造として吹付けコンクリート2の他に、
ロックボルト、鋼アーチ支保工等が必要となる場合があ
る。
施工工程に沿って説明する。掘削された地山1表面には
支保構造として吹付けコンクリート2が吹き付けられて
いる。この吹付けコンクリート2の表面は、次の工程で
ある防水シート3a,3b敷設のために、できるだけ平
坦にしておくことが望ましい。なお、地山1の状態によ
っては、支保構造として吹付けコンクリート2の他に、
ロックボルト、鋼アーチ支保工等が必要となる場合があ
る。
【0021】吹付けコンクリート2の表面には、覆工4
後の漏水を防ぐために防水工が行われる。防水工として
は大別すると合成樹脂を貼り付ける防水シート工法及び
ゴムやアスファルトを吹付けコンクリート2表面に吹き
付ける吹付け工法とがある。
後の漏水を防ぐために防水工が行われる。防水工として
は大別すると合成樹脂を貼り付ける防水シート工法及び
ゴムやアスファルトを吹付けコンクリート2表面に吹き
付ける吹付け工法とがある。
【0022】第1の実施の形態では、2重の防水シート
3a,3bを用い、この2枚重ねの防水シート3a,3
bの間隙に導電性物質として鉄粉5が介在している。第
1の実施形態においては、2枚重ねの防水シート3a,
3bの間隙に鉄粉5を介在したが、介在する導電性物質
は後記の覆工材料(コンクリート)と比誘電率が大きく
異なっているものであれば、鉄粉5に限らない。
3a,3bを用い、この2枚重ねの防水シート3a,3
bの間隙に導電性物質として鉄粉5が介在している。第
1の実施形態においては、2枚重ねの防水シート3a,
3bの間隙に鉄粉5を介在したが、介在する導電性物質
は後記の覆工材料(コンクリート)と比誘電率が大きく
異なっているものであれば、鉄粉5に限らない。
【0023】例えば、鉄以外の金属粉末、炭素繊維、各
種金属製のメッシュ及び水等が挙げられる。これらの導
電性物質は単独で用いても良いし、複数を混合して用い
て構わない。ただし、水を用いる場合には、漏水の原因
ともなりかねないので、エアキャップ内に封入する等の
充分な漏水防止手段を講じることが望ましい。また、防
水工として吹付け工法を採用する場合であっても本発明
を応用することが可能であり、前記した導電性物質をア
スファルト又はゴムに混合し吹付けコンクリート表面に
吹き付けることでも本発明の効果が得られる。
種金属製のメッシュ及び水等が挙げられる。これらの導
電性物質は単独で用いても良いし、複数を混合して用い
て構わない。ただし、水を用いる場合には、漏水の原因
ともなりかねないので、エアキャップ内に封入する等の
充分な漏水防止手段を講じることが望ましい。また、防
水工として吹付け工法を採用する場合であっても本発明
を応用することが可能であり、前記した導電性物質をア
スファルト又はゴムに混合し吹付けコンクリート表面に
吹き付けることでも本発明の効果が得られる。
【0024】最後に防水シート3a,3b上に、トンネ
ルの内装として、また、トンネルにかかる土圧を支持す
るために、覆工4を所定の厚さで施す。
ルの内装として、また、トンネルにかかる土圧を支持す
るために、覆工4を所定の厚さで施す。
【0025】このような構造を有するトンネルの覆工厚
の電磁波による測定は以下のようにして行われる。覆工
4内周面に電磁波照入射手段である電磁レーダ・アンテ
ナ6を設置して測定用電磁波WMを外向き(覆工厚方
向)に照射する。すると、照射された測定用電磁波WM
は、覆工4内を進行していく。覆工4の外側には、比誘
電率が大きい鉄粉5が、2重の防水シート3a,3bの
間隙に介在しているので、測定用電磁波WMは、この鉄
粉5により強く反射される(式(1)参照)。鉄粉5か
ら反射された反射電磁波WBの内で、電磁レーダ・アン
テナ6方向に逆進する成分が、電磁レーダ・アンテナに
6より検出される。
の電磁波による測定は以下のようにして行われる。覆工
4内周面に電磁波照入射手段である電磁レーダ・アンテ
ナ6を設置して測定用電磁波WMを外向き(覆工厚方
向)に照射する。すると、照射された測定用電磁波WM
は、覆工4内を進行していく。覆工4の外側には、比誘
電率が大きい鉄粉5が、2重の防水シート3a,3bの
間隙に介在しているので、測定用電磁波WMは、この鉄
粉5により強く反射される(式(1)参照)。鉄粉5か
ら反射された反射電磁波WBの内で、電磁レーダ・アン
テナ6方向に逆進する成分が、電磁レーダ・アンテナに
6より検出される。
【0026】電磁レーダ・アンテナ6が測定用電磁波W
Mを照射した時刻及び、反射電磁波WBが電磁レーダ・ア
ンテナ6に検出された時刻は、レーダ制御装置7に記憶
されており、このレーダ制御装置7内で両者の差を取る
ことで、電磁波が覆工4内を往復するのに要した時間を
求め、この時間の半分に覆工4中における電磁波の伝播
速度を掛け合わせることで覆工厚を知ることが可能とな
る。
Mを照射した時刻及び、反射電磁波WBが電磁レーダ・ア
ンテナ6に検出された時刻は、レーダ制御装置7に記憶
されており、このレーダ制御装置7内で両者の差を取る
ことで、電磁波が覆工4内を往復するのに要した時間を
求め、この時間の半分に覆工4中における電磁波の伝播
速度を掛け合わせることで覆工厚を知ることが可能とな
る。
【0027】また図示はしていないが、覆工4内に鉄筋
が配設されている場合であっても、2重の防水シート3
a,3bに介在した鉄粉5が強い反射電磁波WBを発す
るために、鉄筋に由来する反射電磁波の妨害下において
も、鉄粉5に由来する反射電磁波WBを明確に検出する
ことが可能となり、覆工厚を知ることができる。
が配設されている場合であっても、2重の防水シート3
a,3bに介在した鉄粉5が強い反射電磁波WBを発す
るために、鉄筋に由来する反射電磁波の妨害下において
も、鉄粉5に由来する反射電磁波WBを明確に検出する
ことが可能となり、覆工厚を知ることができる。
【0028】図2はボックスカルバート8における本発
明の第2の実施形態である。尚、図2において、図1と
同等の構造については同じ符号を付し、その説明を省略
する。ボックスカルバート8においては、支保構造とし
て吹付けコンクリート2(図1)を施工せずに、掘削し
た地山に直接防水シート3a,3bを敷設することが一
般的である。また、第2の実施形態においては、ボック
スカルバート8には、荷重支持力を高めるために壁面に
沿って鉄筋9が配設されている。なお、第2の実施形態
においては防水シート3a,3bを2重にして、その防
水シート3a,3bの間隙に金属製メッシュ10を挿入
している。
明の第2の実施形態である。尚、図2において、図1と
同等の構造については同じ符号を付し、その説明を省略
する。ボックスカルバート8においては、支保構造とし
て吹付けコンクリート2(図1)を施工せずに、掘削し
た地山に直接防水シート3a,3bを敷設することが一
般的である。また、第2の実施形態においては、ボック
スカルバート8には、荷重支持力を高めるために壁面に
沿って鉄筋9が配設されている。なお、第2の実施形態
においては防水シート3a,3bを2重にして、その防
水シート3a,3bの間隙に金属製メッシュ10を挿入
している。
【0029】このようにボックスカルバート8の壁の内
部に鉄筋9が配設されている場合には、従来の電磁レー
ダ法では地山1とボックスカルバート8の材料(コンク
リート)との境界面に由来する反射電磁波が鉄筋9に由
来する強い反射電磁波WIにより隠されてしまうため
に、ボックスカルバート8の壁の厚さを非破壊で測定す
ることは困難であった。しかし、第2の実施形態では、
2重の防水シート3a,3bに金属製メッシュ10を介
在しており、この金属メッシュ10が測定用電磁波WM
を反射し、強い反射電磁波WBが電磁波照入射手段であ
る電磁レーダ・アンテナ6により検出されるので、鉄筋
9に由来する反射電磁波WIの存在下においてもボック
スカルバート8の壁厚を計測することが可能となった。
部に鉄筋9が配設されている場合には、従来の電磁レー
ダ法では地山1とボックスカルバート8の材料(コンク
リート)との境界面に由来する反射電磁波が鉄筋9に由
来する強い反射電磁波WIにより隠されてしまうため
に、ボックスカルバート8の壁の厚さを非破壊で測定す
ることは困難であった。しかし、第2の実施形態では、
2重の防水シート3a,3bに金属製メッシュ10を介
在しており、この金属メッシュ10が測定用電磁波WM
を反射し、強い反射電磁波WBが電磁波照入射手段であ
る電磁レーダ・アンテナ6により検出されるので、鉄筋
9に由来する反射電磁波WIの存在下においてもボック
スカルバート8の壁厚を計測することが可能となった。
【0030】
【発明の効果】本発明は、このように構成したので、以
下のような顕著な効果を奏する。本発明では、トンネル
の覆工の外周面を覆工の材料と比誘電率が大きく異なる
導電性物質で覆った。これにより、覆工厚を電磁波によ
り測定する際に、導電性物質に由来する反射電磁波の強
度を強くすることができ、従来法以上に正確に覆工厚を
評価することが可能となる(請求項1)。
下のような顕著な効果を奏する。本発明では、トンネル
の覆工の外周面を覆工の材料と比誘電率が大きく異なる
導電性物質で覆った。これにより、覆工厚を電磁波によ
り測定する際に、導電性物質に由来する反射電磁波の強
度を強くすることができ、従来法以上に正確に覆工厚を
評価することが可能となる(請求項1)。
【0031】また、トンネルへの漏水を防ぐための防水
シートを2重にし、その2枚重ねの防水シートの間隙に
前記導電性物質を介在するという単純な工程を追加する
のみで、従来以上に正確に覆工厚を測定することが可能
となる(請求項2)。また、防水シートを2重としたの
で、トンネルの防水性を従来以上に高めることが可能と
なる(請求項2)。
シートを2重にし、その2枚重ねの防水シートの間隙に
前記導電性物質を介在するという単純な工程を追加する
のみで、従来以上に正確に覆工厚を測定することが可能
となる(請求項2)。また、防水シートを2重としたの
で、トンネルの防水性を従来以上に高めることが可能と
なる(請求項2)。
【0032】さらに、前記導電性物質を入手及び取り扱
いが容易な物質としたので、トンネル施工時に特別な注
意を払うことなく、簡単に施工を行うことができるにも
係わらず、従来以上に正確に覆工厚を測定することが可
能となる(請求項3)。
いが容易な物質としたので、トンネル施工時に特別な注
意を払うことなく、簡単に施工を行うことができるにも
係わらず、従来以上に正確に覆工厚を測定することが可
能となる(請求項3)。
【図1】 本発明の第1の実施形態である山岳トンネル
の一部断面図である。
の一部断面図である。
【図2】 本発明の第2の実施形態であるボックスカル
バートの一部断面図である。
バートの一部断面図である。
【図3】 電磁レーダ法による覆工厚の調査原理を示す
図である。
図である。
1 地山 2 吹付けコンクリート 3a,3b 防水シート 4 覆工 5 鉄粉 6 電磁レーダ・アンテナ 7 レーダ制御装置 8 ボックスカルバート 9 鉄筋 10 金属製メッシュ WM 測定用電磁波 WB 反射電磁波 WI 鉄筋に由来する反射電磁波
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大田 光彦 東京都新宿区西新宿一丁目25番1号 大成 建設株式会社内 Fターム(参考) 2D055 CA00 DB00 LA13 2F067 AA27 CC00 HH01 JJ01 KK08
Claims (3)
- 【請求項1】 トンネルの覆工の覆工厚を電磁波を用い
て測定する覆工厚測定方法であって、前記覆工の外周を
覆うように導電性物質を配し、前記覆工の内周方向より
覆工厚方向に電磁波照入射手段より電磁波を照射し、前
記導電性物質で反射された反射電磁波が前記電磁波照入
射手段に入射するまでに要する時間から覆工厚を求める
ことを特徴とする覆工厚測定方法。 - 【請求項2】 前記覆工の外周を覆うよう2重の防水シ
ートが設けられており、この2重の防水シートに前記導
電性物質が介在していることを特徴とする請求項1記載
の覆工厚測定方法。 - 【請求項3】 前記導電性物質が、鉄粉を含有する物
質、炭素繊維を含有する物質、金属製メッシュ及び水か
らなる群より選択される1種以上の物質であることを特
徴とする請求項1又は2記載の覆工厚測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001177968A JP2002365049A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 覆工厚測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001177968A JP2002365049A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 覆工厚測定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002365049A true JP2002365049A (ja) | 2002-12-18 |
Family
ID=19018737
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001177968A Pending JP2002365049A (ja) | 2001-06-13 | 2001-06-13 | 覆工厚測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002365049A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008504542A (ja) * | 2004-06-30 | 2008-02-14 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 高周波に基づいた材料強度測定のための方法および装置 |
JP2020172784A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 清水建設株式会社 | 山岳トンネルコンクリート厚測定方法および測定装置 |
CN116255904A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-06-13 | 北京城建设计发展集团股份有限公司 | 矿山法隧道洞壁喷混凝土体积自动测量方法及系统 |
CN118463828A (zh) * | 2024-07-11 | 2024-08-09 | 山东鲁中公路建设有限公司 | 隧道防水层厚度检测装置及方法 |
-
2001
- 2001-06-13 JP JP2001177968A patent/JP2002365049A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4709837B2 (ja) * | 2004-06-30 | 2011-06-29 | ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング | 高周波に基づいた材料厚測定のための方法および装置 |
JP2020172784A (ja) * | 2019-04-10 | 2020-10-22 | 清水建設株式会社 | 山岳トンネルコンクリート厚測定方法および測定装置 |
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CN116255904A (zh) * | 2023-02-27 | 2023-06-13 | 北京城建设计发展集团股份有限公司 | 矿山法隧道洞壁喷混凝土体积自动测量方法及系统 |
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