JP2002358411A - プリペイメント分析システム、マイニング装置、統計分析装置、プリペイメント分析方法、およびプログラム - Google Patents

プリペイメント分析システム、マイニング装置、統計分析装置、プリペイメント分析方法、およびプログラム

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JP2002358411A
JP2002358411A JP2001165889A JP2001165889A JP2002358411A JP 2002358411 A JP2002358411 A JP 2002358411A JP 2001165889 A JP2001165889 A JP 2001165889A JP 2001165889 A JP2001165889 A JP 2001165889A JP 2002358411 A JP2002358411 A JP 2002358411A
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analysis
data
prepayment
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Masaru Yamazawa
大 山澤
Masayuki Katai
正行 片井
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IBM Japan Ltd
Sumitomo Mitsui Banking Corp
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IBM Japan Ltd
Sumitomo Mitsui Banking Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金融商品に対するプリペイメントの分析に際
して、精度の高いモデルを構築する。 【解決手段】 金融商品の履歴データを格納するヒスト
リカルDB(データベース)11と、履歴データに含まれ
ているパラメータの統計情報または傾向値を分析するデ
ータ準備機能21、クラスタの定義に有効となるキーフ
ィールドを決定するクラスタリングキーフィールド決定
機能22、履歴データに対してモデル分析で使用する集
約DB14を構築するための集約キーを選択し集約度を
定める集約レベル決定機能23、履歴データをデータの
属性から見ていくつかのグループに分けるためのクラス
タを定義するクラスタ定義機能24を備えるマイニング
装置20と、集約DB14を分析し、クラスタ定義機能
24により定義されたクラスタ毎にプリペイメントモデ
ルを構築する統計分析装置40とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅ローン等の繰
上返済であるプリペイメントを分析するプリペイメント
分析システム等に係り、より詳しくは、精度の高いモデ
ルの構築によりプリペイメントの分析を可能とするプリ
ペイメント分析システム等に関する。
【0002】
【従来の技術】銀行や証券会社等の金融機関では、例え
ば、各種住宅ローンの繰上返済、定期預金の満期前解約
や各種証券商品等の繰上償還等におけるプリペイメント
のリスクを抱えている。このプリペイメントにより、原
資産のキャッシュフローが大きく変わることから、金融
機関としては、プリペイメントリスクを予測することが
極めて重要な意味を有する。
【0003】従来、このプリペイメントを把握するに際
して、統計的経験値による把握の他、経過年月ベースを
基準とするモデルが存在していた。また、より高度なモ
デルとして、生存関数を利用したセミパラメトリックモ
デルであるCOX比例ハザードモデルが存在している。
このCOX比例ハザードモデルでは、各説明変数の効果
が生存時間分布(ベースラインハザード関数)とは独立に
比例係数の形でのみ影響する性質である比例ハザード性
を前提とし、時間依存要因は全てベースラインハザード
関数に含め、それ以外の要因をエクスポネンシャル(Exp
onential)の項にて表現している。更に、生存時間分布
(ベースラインハザード関数)に関数形を仮定する必要が
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の分
析手法では、単に経過期間をみる単純なモデルから、金
利水準、季節変動のモデル化、経路依存性効果の勘案
等、より高度なモデルへと進化している。しかしなが
ら、例えば、COX比例ハザードモデルでは、データ面
として、件別レベルのデータが必要であり、分析データ
の作成負荷が大きく、約定返済のために打ち切りデータ
が大量に発生した場合、取り扱いが難しい問題がある。
また、システム面から見ると、統計分析のシステム負荷
が大きいことから分析精度を上げることが困難な問題が
ある。更に、モデル特性から見ると、金利水準の変化が
不十分なデータでは、Exponentialの項により不自然に
高い期限前解約率が発生する場合があり、また、データ
の細かいノイズを忠実に拾いすぎることから、モデルの
補正が必要となる問題が存在する。
【0005】本発明は、以上のような技術的課題を解決
するためになされたものであって、その目的とするとこ
ろは、モデルの構築、評価プロセスを一体化し、プリペ
イメントの分析に際して精度の高いモデルを構築するこ
とにある。
【0006】また他の目的は、データの取り扱いを簡易
にすると共に、分析精度を上げ、充分にフィットしたプ
リペイメントモデルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的のもと、本発
明では、データマイニング手法によってデータをクラス
タに分け、そのクラスタ毎にプリペイメントモデルを構
築し、最終的にそれらを合わせてモデルを構築してい
る。
【0008】即ち、本発明が適用されるプリペイメント
分析システムは、金融商品の履歴データを格納するヒス
トリカルデータベースと、履歴データに含まれているパ
ラメータの統計情報または傾向値を分析するデータ準備
機能、クラスタの定義に有効となるキーフィールドを決
定するキーフィールド決定機能、履歴データに対してモ
デル分析で使用するデータベース構築のための集約キー
(決定されたキーフィールド)を選択し集約度を定める集
約レベル決定機能、履歴データをデータの属性から見て
いくつかのグループに分けるためのクラスタを定義する
クラスタ定義機能を備えるマイニング装置と、この集約
レベル決定機能により集約度が定められたデータを分析
し、クラスタ定義機能により定義されたクラスタ毎にプ
リペイメントモデルを構築する統計分析装置とを備える
ことを特徴としている。ここで、この統計分析装置によ
り構築されるプリペイメントモデルは、集約されたデー
タをもとに構築されるプリペイメント率を目的変数とし
た回帰モデルと言うことができる。
【0009】また、本発明が適用されるプリペイメント
分析システムは、データベースに格納された金融商品の
履歴データから、この履歴データに含まれるパラメータ
の統計情報を分析して分析用データを出力する分析用デ
ータ出力手段と、分析用データからクラスタリングに対
して影響を及ぼすキーフィールドを選択するキーフィー
ルド選択手段と、選択されたキーフィールドに基づいて
各変数の集約度を決定して集約データベースを生成する
集約手段と、選択されたキーフィールドに対してデータ
マイニングによりクラスタを定義するクラスタ定義手段
と、集約データベースを分析して、定義されたクラスタ
毎にプリペイメントモデルを構築するプリペイメントモ
デル構築手段とを備えることを特徴としている。
【0010】更に、集約データベースに対して分析対象
となる商品の商品性分析とプリペイメントを行なう要因
の要因別分析とを行なう事前分析手段と、プリペイメン
トモデルを構築するために必要とされる変数を決定する
変数分析手段とを備え、プリペイメントモデル構築手段
は、決定された変数に基づいて、集約データベースから
プリペイメントモデルを構築することを特徴とすること
ができる。
【0011】他の観点から把えると、本発明が適用され
るプリペイメント分析システムは、銀行金融商品に関す
る履歴データを格納するヒストリカルデータベースと、
この履歴データに対して所定の幅を用いてデータを集約
するデータ集約手段と、集約されたデータ集約のレベル
と、取組金額および取組期間を含むキーフィールドとか
らデータマイニングを用いて複数のクラスタを作成する
クラスタ定義手段と、定義されたクラスタ毎に集約され
たデータを分析してプリペイメントモデルを構築するプ
リペイメントモデル構築手段とを備えることを特徴とし
ている。
【0012】ここで、このクラスタ定義手段は、各クラ
スタにおけるキーフィールドの平均値が近いクラスタを
結合させて、例えば2〜3個からなる少数のクラスタ数
になるようにクラスタを再構成することを特徴とすれ
ば、モデル分析を行なう際に現実的なクラスタ数を得る
ことができる点で好ましい。
【0013】一方、本発明は、大量の顧客の振る舞いに
基づく履歴データベース(ヒストリカルデータベース)を
取り扱うサーバ側から把握することができる。即ち、本
発明が適用されるサーバ側のマイニング装置は、データ
ベースに格納された金融商品の履歴データから、この履
歴データに含まれるパラメータの統計情報を分析して分
析用データを出力する分析用データ出力手段と、分析用
データからクラスタリングに対して影響を及ぼすキーフ
ィールドを選択するキーフィールド選択手段と、選択さ
れたキーフィールドに基づいて各変数の集約度を決定
し、プリペイメントモデル構築に際して分析に用いられ
る集約レベルを決定する集約レベル決定手段と、選択さ
れたキーフィールドに対して、プリペイメントモデル構
築がなされる単位であるクラスタを定義するクラスタ定
義手段とを備えることを特徴としている。
【0014】他方、本発明は、サーバ側で集約されたデ
ータベースと、生成されたクラスタを利用して統計分析
を行なう、パーソナルコンピュータ等の統計分析装置と
して把握することができる。即ち、本発明が適用される
統計分析装置は、クライアント金融商品に対するデータ
ベースのデータ量を減らすための集約が施された集約デ
ータに対して、分析対象となる商品の商品性分析とプリ
ペイメントを行なう要因の要因別分析とを行なう事前分
析手段と、商品性分析と要因別分析の結果に基づいて、
プリペイメントモデルを表現するために必要とされる変
数を決定する変数分析手段と、決定された変数に基づい
て、更に、データベースに対して均質な性質を持つ数個
のクラスタに分割されたクラスタ定義に基づいて、集約
されたデータからクラスタ毎にプリペイメントモデルを
構築するプリペイメントモデル構築手段とを備えたこと
を特徴としている。
【0015】また、本発明は、プリペイメント分析方法
として把えることができる。例えば、本発明が適用され
るプリペイメント分析方法は、銀行金融商品に関する履
歴データから、データマイニング手法を用いて顧客の属
性によるクラスタリングを行ない、クラスタリングされ
た結果に対し、履歴データを構成する顧客を均質な性質
を持つ数個のクラスタに統合・分割し、このクラスタ毎
に、履歴データを分析してプリペイメントモデルを構築
することを特徴としている。
【0016】更に、本発明は、コンピュータに所定の機
能を実行させるプログラムとして把握することができ
る。その1つとして、金融商品に関して顧客が対応した
履歴データを備えるヒストリカルデータベースに接続さ
れるサーバ側のコンピュータに、履歴データに含まれる
パラメータの統計情報を分析して分析用データを出力す
る機能と、分析用データから、クラスタリングに対して
影響を及ぼすキーフィールドを選択する機能と、このキ
ーフィールドに基づいて各変数の集約度を決定し、プリ
ペイメントモデル構築に用いられる集約データを生成す
る機能と、キーフィールドに基づいてプリペイメントモ
デル構築の単位となるクラスタを定義する機能とを実現
させるためのプログラムとして把握できる。
【0017】また、ユーザに対して金融商品に対する統
計分析の結果としてのプリペイメントモデルを提供する
ためのクライアント側のコンピュータに、サーバ側で作
成された集約データに分析対象となる商品の商品性分析
とプリペイメントを行なう要因の要因別分析とを実行す
る機能と、商品性分析と要因別分析との結果に基づいて
プリペイメントモデルを説明するために必要とされる変
数を決定する機能と、この変数に基づいて、また、デー
タベースに対して均質な性質を持つ数個のクラスタに分
割されたクラスタ定義に基づいて、集約されたデータか
らプリペイメントモデルを構築する機能とを実現させる
ためのプログラムとして把握することができる。
【0018】これらのプログラムとしては、例えば、遠
隔地にあるプログラム伝送装置からネットワークを介し
て、各コンピュータに対して提供することができる。こ
のプログラム伝送装置としては、プログラムを記憶させ
たCD−ROM、DVD、メモリ、ハードディスク等の
記憶手段と、これらの記憶手段からプログラムを読み出
し、プログラムを実行する装置側にコネクタ、インター
ネットやLAN等のネットワークを介して伝送する伝送
手段とを備える構成とすれば良い。また、CD−ROM
等の記憶媒体を用いて、各コンピュータに対してこれら
のプログラムが提供される場合も考えられる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、添付図面に示す実施の形態
に基づいてこの発明を詳細に説明する。図1は、本実施
の形態におけるプリペイメント分析システムを構成する
コンピュータシステムの構成を説明するための図であ
る。本実施の形態における処理アルゴリズムは、図1に
示すようなコンピュータシステムにおいて実行可能なプ
ログラムとして構成することができる。この処理プログ
ラムは、ハードディスクドライブ(HDD)5に格納さ
れ、実行時にはメインメモリ2にロードされてCPU1
によって処理される。また、このHDD5には大量のデ
ータベースが格納されており、格納されるデータベース
としては、後述するヒストリカルデータベースや集約デ
ータ、モデル分析用の集約データ等がある。HDD5に
格納される処理プログラムは、これらのデータベースに
対するアクセスを行なう機能を備えている。
【0020】後述するマイニングシステムは、大量のデ
ータベースを処理することからサーバとしてのコンピュ
ータ装置として構成され、後述するモデル構築システム
は、クライアントとしてのパーソナルコンピュータとし
て構成される。即ち、図1に示すサーバとしてのコンピ
ュータシステムと、図1に示すクライアント装置として
のコンピュータシステムとが内部ネットワーク(図示せ
ず)を介して接続されて、本実施の形態におけるプリペ
イメント分析システムを構成している。
【0021】プリペイメント分析の計算結果は、クライ
アント装置側の表示装置6によってユーザに提示され
る。ユーザは、入力装置7にて調べたい目的関数の入力
や、データ出力の命令等を入力することができる。この
ような入力装置7には、キーボードやマウス、ポインテ
ィングデバイスやディジタイザ等が含まれる。更に、出
力結果を補助記憶装置であるフロッピー(登録商標)デ
ィスクドライブ(FDD)3を介して記憶媒体であるフロ
ッピーディスクに記憶したり、また新たなデータをFD
D3から入力することも可能である。また、CD−RO
Mドライブ4を用いてCD−ROMに格納された各種情
報を入力することもできる。
【0022】更に、本実施の形態を実現したコンピュー
タプログラムは、フロッピーディスクやCD−ROMと
いった記憶媒体に記憶して持ち運ぶことができる。この
場合、通常のデータベース検索プログラムのデータ取り
出し部分や、表示装置6に表示するだけの処理を行なう
プログラムは、すでにHDD5に記憶されている場合も
ある。従って、それ以外の部分が上記のような各種記憶
媒体にて流通することは通常行なわれる事項である。ま
た、図示されていない通信装置がバス8に接続されて、
遠隔地にあるデータベースを用いて処理されたり、処理
結果が遠隔地に送信されるように構成することも可能で
ある。例えば個人情報を含む大量のデータベースを図1
に示す構成の外部に設けるように構成することもでき
る。
【0023】図2は、本実施の形態におけるプリペイメ
ント分析システムの全体構成を示す機能ブロック図であ
る。このプリペイメント分析システムは、案件別の分析
を行なうサーバとしてのマイニング用システム10と、
案件別データを集約し、作成されたデータベースを基に
プリペイメント率算出を行なうクライアント装置として
のモデル構築システム30とを備えている。マイニング
用システム10およびモデル構築システム30は、それ
ぞれ、図1に示したようなコンピュータシステムを備え
ている。
【0024】まず、サーバ側であるマイニング用システ
ム10では、より高度なプリペイメントモデル構築を行
なうために、クラスタリングに関するデータを収集する
ための案件別分析を行なっている。マイニング用システ
ム10は、データマイニングを行なうためのツールであ
るマイニング装置20、例えば住宅ローンに取り組んだ
顧客の振る舞いを記録した金融商品の履歴データ(ヒス
トリカルデータ)を格納するヒストリカルDB(データベ
ース)11、ヒストリカルDB11に蓄積されているデ
ータベースから分析に必要となる可能性のあるデータを
取り出して格納する分析用DB12、集約レベルの定義
結果を受けて集約処理を実行する集約処理機能13、集
約処理機能13の集約結果としてデータ構築がなされる
集約DB14とを備えている。ヒストリカルDB11、
分析用DB12、集約DB14は、図1に示したHDD
5に構成される場合の他に、図1の構成の外部に設けら
れるメモリにて構成される場合がある。
【0025】マイニング装置20は、データ準備機能2
1、クラスタリングキーフィールド決定機能22、集約
レベル決定機能23、クラスタ定義機能24を備えてい
る。データ準備機能21では、ヒストリカルDB11に
格納される約定返済、プリペイメントを行なった案件の
両方を含んだ全案件別データより、データ中に含まれて
いるパラメータの基本統計情報や傾向値を分析してい
る。ヒストリカルDB11に格納されるデータ件数が多
い場合には、サンプリングによりデータ数を減らしてか
ら母集団のデータを分析している。また、分析対象を絞
り込むためのフィルタリングもここで検討される。クラ
スタリングキーフィールド決定機能22では、クラスタ
リングに有効となるキーフィールドの候補を決定するた
めに、変数の選択が行なわれる。また、統計分析を行な
う際に用いるデータ量を適切な大きさへと減らすための
集約キー、集約レベルの決定も行なわれる。
【0026】集約レベル決定機能23では、モデル分析
で使用するデータベースである集約DB14を構築する
ための集約キーを決定し、同時に集約レベルを定めてい
る。より具体的には、クラスタリングと統計分析を併用
して集約に有効な変数を見つけ、それぞれの変数に対す
る集約度の決定を行なっている。ここでの集約キーは、
クラスタリングキーフィールド決定機能22にて選択さ
れたキーフィールドを採用することができる。クラスタ
定義機能24は、クラスタリングキーフィールド決定機
能22にて得られた説明変数の候補と、集約レベル決定
機能23にて得られた集約レベルを用いてクラスタリン
グを行ない、適切なクラスタを定義している。このクラ
スタリングにより、各案件がデータの属性から見て幾つ
かのグループに分けられる。
【0027】一方、クライアント側であるモデル構築シ
ステム30では、マイニング用システム10により集約
されたデータを基に、プリペイメント率を目的関数とし
た回帰モデルを構築しており、実際に分析を行なう統計
分析装置40を備えている。この統計分析装置40は、
各商品の個別案件データを集約したデータセットや各種
論文等を入力データとし、各商品の件数、残高、商品の
プリペイメントの振る舞い等を要因別に表した関数形を
出力する事前分析機能41、プリペイメントの振る舞い
に影響を与える金利指標等を出力する変数分析機能4
2、設定した商品、モデル形に応じたプリペイメントモ
デルパラメータを出力するプリペイメントモデル構築機
能43を備えており、その結果として、プリペイメント
モデルが出力される。
【0028】次に、各部を構成する機能について詳述す
る。まず、マイニング用システム10のマイニング装置
20を構成する各機能について説明する。図3は、デー
タ準備機能21にて実施される処理を示したフローチャ
ートである。データ準備機能21では、まず、ヒストリ
カルDB11に格納された、例えば、住宅ローンの履歴
データである件別移動情報履歴、月末件別情報履歴、件
別移動補足情報等の情報の中から、分析用DB12を作
成する際に明らかに不要なデータを削除する作業が行な
われる(ステップ101)。次に、分析処理の効率向上の
ために、素データの特徴を失わないように配慮がなされ
た状態にて、データのサンプリングが行なわれる(ステ
ップ102)。但し、データ量がそれほど多くない場合
には、かかる処理を省略することも可能である。更に、
商品別にデータが抽出され(ステップ103)、最後に、
欠損値、はずれ値が削除され、または適切な値に変換す
るデータクリーニング作業が実施される(ステップ10
4)。
【0029】このように、データ準備機能21では、例
えば、ヒストリカルDB11に蓄積されているデータベ
ースより、住宅ローン分析に必要となる可能性のあるデ
ータを取り出し、分析用DB12としている。この際、
「詳細な仮定やルールなどを与えなくとも解析結果を導
くことができる。」というデータマイニングの特性を考
慮し、これらのデータベースからマイニング装置20に
与えるデータ項目として取り出すものを敢えて大きく絞
り込む必要はない。結果として、この分析用DB12に
は、今後の作業に直接は関係してこないパラメータがか
なりの割合で含まれている。
【0030】図4は、クラスタリングキーフィールド決
定機能22にて実施される処理を示したフローチャート
である。ここでは、データ準備機能21にて得られた分
析用DB12を入力される情報とし、例えば住宅ローン
データを特徴づけるキーフィールドの候補とその集約レ
ベルが出力される。そのために、まず影響のない変数の
削除が行なわれ(ステップ201)、相関係数の高い変数
の選択が行なわれる(ステップ202)。
【0031】このステップ202では、まず、ほとんど
同じ値しか持たない変数が除去される(ステップ21
0)。次に、変数間の相関が確認され、相関の高いいく
つかの変数がまとめられ、グループとしてその中より代
表値が1つ選択される(ステップ211)。ここでは、ま
た、定数候補間の和・差・比を取るなどして、1つにま
とめることも試行される。次に、相関関数によりキーフ
ィールドの選択が行なわれる(ステップ212)。その
際、カテゴリ値は相関分析の対象とはならないことか
ら、変数の性質を考慮して、カテゴリ値から連続値への
変換などの処理が必要となる。その後、相関関数による
キーフィールドの選択では、相関係数が例えば70%以
上の相関がある関数を1つのグループとしてまとめ、そ
の中から代表して1つの変数をキーフィールド候補とし
て選択する(ステップ213)。
【0032】ステップ202における相関係数の高い変
数が選択された後、入出力間の相関の高い変数が選択さ
れる(ステップ203)。ここでは、一般的な入出力の変
数間の相関を考え、相関性の高い変数があった場合は入
力する変数として残される。次に、値の分布による削除
がなされる(ステップ204)。即ち、各レコードがほと
んど異なる内容を持つ変数、ほとんど同じ値しか持たな
く意味のないと考えられる変数は削除される。その後、
非線形相関関係のチェックが行なわれる(ステップ20
5)。ここでは、散布図を用いて入出力間に非線形相関
が見られれば入力とされる。また、線形の相関が見られ
た場合には、相関のある他の変数で代替される。最後
に、分布の変換が行なわれる(ステップ206)。例えば
分布が偏りすぎている入力は削除するか、分布の偏りを
是正する処理が行なわれる。これらの一連の処理によっ
て、グループの中から代表となるフィールド(キーフィ
ールド)が選択される。
【0033】一例を挙げて説明すると、例えば、相関分
析により、支店所属地域、移動勘定日、対顧金
利、取組金額、取組期間、の5つのキーフィールド
候補が選択されたとする。この候補に対して、時系列変
化による影響を排除するために、日付データが削除さ
れ、支店所属地域、対顧金利、取組金額、取組
期間、の4つが選択される。この4つに対してクラスタ
リングの試行により、有効性が検討される。例えば、
支店所属地域について、東日本と西日本に分割してクラ
スタリングを行なう等である。この結果、明確な特徴が
得られた、例えば、対顧金利、取組金額、取組期
間をクラスタリングに用いるフィールドと決定し、支
店所属地域については、モデル評価時に検討するフィー
ルドとされる。
【0034】以上のようにして選択されたキーフィール
ドから、集約レベル決定機能23にて各集約を行なう集
約キーとその集約レベルが定められる。上述の例であれ
ば、3変数の集約度が決定される。集約度を定めるには
キーフィールドを分割する幅を与える必要があるが、幅
を決定する代表的なものとしては、以下に示す4つの手
法が挙げられる。 (1) ある範囲を指定し、その範囲を分割する幅を与え
て分割する。 (2) 変数を区切る特定の数値を与え、その数値により
変数を分割する。 (3) 標準偏差により範囲を指定し、その中を分割する
数を指定し分割する。 (4) 各階級幅に含まれるイベントが一定となるように
分割する。 データを分析する際に、これらの中から適当な手法が選
択される。
【0035】図5(a)〜(c)は、上記3変数によって集
約されたデータ例を示す図である。集約レベル決定機能
23によってデータベース集約化のためのレベルが決定
され、集約処理機能13によって集約処理がなされ、図
5(a)〜(c)の下段に示すような集約データを得ること
ができる。図5(a)〜(c)では、集約前の値に対して代
表となる値を中心に集約がなされている。図5(a)は、
当初取組金額にて1000万円の幅が決定され、この幅
を用いて集約がなされている。図5(b)では、当初取組
期間について6年の幅で集約されている。図5(c)で
は、対顧金利にて0.125%の幅で集約がなされてい
る。このような集約処理の結果は、集約DB14に格納
される。
【0036】次に、クラスタ定義機能24について説明
する。図6は、クラスタ定義機能24にて実施される処
理を示したフローチャートである。ここでは大きく、ク
ラスタリングとクラスタ再構成の処理に分類される。ク
ラスタリングでは、まず、クラスタリングキーフィール
ド決定機能22により決定されたクラスタリングのキー
フィールド(例えば、上述の例であれば、対顧金利、取
組金額、取組期間)と、集約レベル決定機能23により
決定された集約レベルから、データマイニングツールを
使用してクラスタの作成がなされる(ステップ301)。
このデータマイニングとは、大量のデータに内在するパ
ターンや法則を自動的に見出し、作成されたモデルを将
来の予測や業務上の決定に利用するための技術である。
従来における、一定の仮説を元に情報を検索し検証を行
なうというデータベースを元にした統計的手法とは異な
り、このデータマイニングは、膨大なデータから自動的
に未知の法則を見つけ出すことが可能な発見型の手法と
言える。例えば、このデータマイニングの手法によれ
ば、従来では長年の経験と勘でしか理解できなかったよ
うなデータ間の関連、トレンドの予測などをシステマチ
ックに見つけ出すことが可能となる。本実施の形態で
は、このデータマイニング手法を使用し、顧客の属性に
よりクラスタリングを行ない、顧客をできる限り均質な
性質を持つ数個のクラスタに分割している。
【0037】次に、ニューラルネットワークアルゴリズ
ムを用いてクラスタリングを実施する(ステップ30
2)。このニューラルネットワークアルゴリズムとは、
人の大脳の動きを情報処理的にモデル化したものであ
り、中心のテーマはパターン認識(入力値の組み合わせ
の認識)にある。クラスタリングのプロシージャには、
ニューラルネットワークアルゴリズムによるクラスタリ
ング以外に、カテゴリ変数のレコードをクラスタリング
するのに向いているデモグラフィックアルゴリズムによ
るクラスタリングもあるが、例えば住宅ローン情報等で
は数値データが多いことから、ニューラルネットワーク
アルゴリズムが適している。
【0038】このようなクラスタリングの処理によっ
て、例えば9つのクラスタが設定される。しかしなが
ら、クラスタ数を多くすることによって個々のクラスタ
が細かなものに分割されると、クラスタはキーフィール
ドにおける1つの集約レベルの幅の中にある案件だけを
含む可能性が高くなる。このような現象が起こると、特
徴を持つ案件を集めるという目的から外れてしまい、集
約レベルによりクラスタの大きさが制限を受けてしま
う。本実施の形態におけるクラスタ定義機能24では、
クラスタの特徴を分析し易い形とするために、性質の似
通ったクラスタを結合し、より大きなクラスタを作成す
るためのクラスタ再構成を実施している。
【0039】クラスタの再構成では、まず、モデル分析
に際して適切なクラスタ数(例えば2〜3個)が設定され
る(ステップ303)。次に、同じような特徴を持つクラ
スタが結合される(ステップ304)。クラスタを再構成
し、小さなクラスタを結合するには、結合が可能なクラ
スタを見つけるための指標が必要となる。マイニング装
置20では、各クラスタのキーフィールドとして用いた
変数の平均値、χ2値、エントロピー等がクラスタの指
標として出力される。ここでは、各クラスタの中心であ
るキーフィールドの平均値を代表値とし、このキーフィ
ールドの平均値が近いクラスタを結合している。尚、χ
2値は、クラスタリングに用いた全データの各パラメー
タにおける分散と、それぞれのクラスタに属する案件の
パラメータにおける分散との比を取ったものであり、あ
るパラメータがそのクラスタにおいて他のパラメータと
比較して特徴的かどうかを知ることができる。また、エ
ントロピー値は、クラスタ内におけるパラメータの値が
特定の値に偏っているほど大きな値となる。そのため、
エントロピーからは、あるパラメータがそのクラスタに
おいて他のパラメータと比較して特徴的かどうかと言う
ことをχ2値とは異なる観点から得ることができる。
【0040】最後に、再構成したクラスタから、全体の
構成比が所定量(例えば30%)以上のものを特徴的なク
ラスタと考え、それ以外の部分はまとめて結合して1つ
のクラスタとする(ステップ305)。即ち、このクラス
タの再構成では、大きな割合を占めるクラスタから特徴
的なものを発見していく。図7は、クラスタの再構成に
よって得られたクラスタ定義の結果を示した図であり、
クラスタ定義機能24からの出力結果として、期間階層
と金額階層とを持つ2つのクラスタに分類された結果が
得られる。ここでは、クラスタ1とクラスタ2とがクラ
スタ定義されており、このクラスタ定義の結果は、モデ
ル構築システム30のモデル構築に採用される。
【0041】次に、モデル構築システム30の統計分析
装置40を構成する各機能について詳述する。図8は、
事前分析機能41の処理を説明するための図である。事
前分析機能41では、マイニング用システム10の集約
処理機能13にて処理され、集約DB14に格納された
データセットに対して、ステップ401に示す商品性分
析、ステップ402に示す要因別分析がなされ、各商品
の件数、商品のプリペイメントの振る舞い等を要因別に
表した関数形が出力される。
【0042】ステップ401の商品性分析では、分析対
象となる商品と、プリペイメントを行なう要因の要因別
分析が行なわれる。ここでは、「(1)各商品における月
毎の取組件数の調査」、「(2)各月の取組案件がプリペ
イメントを起こした割合の調査」が実行される。各商品
の分類であるが、例えば、商品タイプとしてプライムレ
ート型やスプレッド型、キャッシュフロータイプとし
て、(固定、変動)一括返済、(固定、変動)元金均等(賞
与返済有り、無し)、(固定、変動)元利均等(賞与返済有
り、無し)、ゆとりプラン(賞与返済有り、無し)等があ
る。更に、金利タイプとして、旧長プラ、新長プラ、期
間2、3、5、10年等がある。
【0043】「(1)各商品における月毎の取組件数の調
査」では、これらの分析対象となる各商品について件数
や残高が調査され、各商品の傾向が把握される。また、
件数や残高が少ない商品については、統計分析が十分に
行なえない場合があることから、解約率を一定とする
か、他の商品と組み合わせてモデル化が検討される。次
に、「(2)各月の取組案件がプリペイメントを起こした
割合の調査」では、取組月毎に集約されたデータについ
て、プリペイメント率が調査される。例えば、プリペイ
メント率が0になる点が多い場合には、モデルの適応レ
ベルが低くなることから、商品を組み合わせたデータに
て分析を行なう。集約化を行なう商品としては、例え
ば、固定期間のものや、キャッシュフロータイプ等が好
ましい。これらの商品分析によって、プリペイメントモ
デル構築の検討対象となる商品の組み合わせが決定され
る。
【0044】ステップ402の要因別分析では、例え
ば、ローン案件別に記録されているデータの分析がなさ
れる。例えば、(1)金利借換関数、(2)住宅借換関数、
(3)バーンアウト関数、(4)季節指数、の4つの要因に
ついて、分析を行なうことができる。金利借換関数は、
金利の影響による純粋な借り換えであり、この要因によ
る借り換えは、市場金利が下がれば、繰上返済が増加す
るという形で現れる。ここでは、プリペイメント率に対
して、住宅ローンを市場金利と対顧金利の比、あるいは
スプレッドに集約し、関数形の分析がなされる。住宅借
換関数では、住宅ローンは期間が経過すれば繰上返済が
増加するという経年効果に着目しており、経過期間を説
明変数として表わされるものである。ここでは、プリペ
イメント率に対して、経過年に集約し、関数形の分析が
なされる。バーンアウト関数では、住宅ローンの経過期
間が長くなると、繰上返済は低くなる傾向があるバーン
アウト効果を要因とするものであり、プリペイメント率
に対して、経過年に集約し、経過年の長いものに対して
関数形の分析がなされる。更に、季節指数では、例え
ば、春・秋の転勤を理由とする住宅販売増加に伴う繰上
返済の増加や、賞与による繰上返済の増加等を考慮し
て、季節調整を行なうものである。ここでは、プリペイ
メント率に対して季節性指数分析を行ない、季節調整の
ための指数分析がなされる。
【0045】図9は、要因別分析の結果をイメージ表現
した図である。図9に示した2つのグラフでは、それぞ
れ横軸を要因、縦軸をプリペイメント率としている。本
実施の形態によれば、図9に示すように、実績データか
ら、所定の関数形を得ることができる。
【0046】次に、変数分析機能42について説明す
る。ここでは、データベースに記録してある項目間、お
よび金利指標間の相関分析を行ない、モデルを説明(表
現)するために必要とされる変数を決定する。例えば、
相関関係の高いものを1つのグループとし、その中から
1つを選ぶことで、プリペイメントモデル構築において
説明変数として使用する変数を決定する。説明変数は多
すぎるとモデルは説明過剰となり、適正な形に収束せ
ず、少なすぎるとフィッティングがうまくいかずに、モ
デルと実績の解約率を比較した場合に決定係数が小さく
なってしまう。そのために、モデル作成の試行により、
適切な説明変数が決定される。
【0047】次に、プリペイメントモデル構築機能43
について詳述する。ここでは、与えられたモデル形、説
明変数をもとに、線形回帰分析、非線形回帰分析を使用
し、モデルパラメータを決定している。図10は、プリ
ペイメントモデル構築機能43にて実施される処理を示
したフローチャートである。まず、季節指数を算出し、
回帰分析を行なう前に季節性の除去が行なわれる(ステ
ップ501)。この季節指数の算出では、例えば、統計
分析手法が用いられ、例えば、過去連続36ヶ月以上の
実績プリペイメント率から季節指数が算出される。次
に、選択された説明変数の候補をもとに、統計分析手法
の線形回帰分析で、モデルに有効な変数が選択される
(ステップ502)。この線形回帰分析では、例えば、モ
デル全体の当てはまりが良くなるまで説明変数の候補リ
ストから順次追加する方法であるステップワイズ(Step
Wise)法を用いて変数の数を増減させ、最適な変数が決
定される。
【0048】その後、非線形回帰分析に用いる初期値が
計算され(ステップ503)、モデル構築に移行する。モ
デル構築では、線形分析により選択された説明変数をも
とに、非線形のモデルが構築される(ステップ504)。
但し、説明変数は、検定で不要と判定された場合には除
かれる。最後に、線形分析において、選択したモデル形
で用いられる説明変数の係数が決定される(ステップ5
05)。即ち、モデル構築では、まず、線形回帰分析が
行なわれ、この線形回帰分析により選択された説明変数
を、非線形回帰分析の入力パラメータとして用い、選択
されたモデル形(関数形の組み合わせ)に対するフィッテ
ィングを行ない、モデルのパラメータを決定している。
これらの一連の処理によって、今回の分析に用いられる
モデルの形態が決定され、また、それぞれに対して用い
られる関数形が決定されて、プリペイメントモデルが構
築される。
【0049】このようにして、統計分析装置40にて生
成されたプリペイメントモデルとして、例えば、乗法モ
デル
【式1】 が得られる。ここでは、一旦、除かれた季節指数が、変
数の絞り込みを行なった後、モデル式に加えられてい
る。ここで、 Age : 案件の取組日からの経過月、 Spread : 対顧金利と市場金利の差、 Ratio : 対顧金利と市場金利の比、 である。また、各係数値は、商品毎に異なった値を取
る。
【0050】このようにして、本実施の形態では、プリ
ペイメントモデル構築に際し、季節性を算出し、その値
を用いて季節性を除去した後、そのデータを用いて線形
回帰分析により変数の絞り込みを行なった。この選択さ
れた変数と設定されたモデルに対して、実績解約率に対
するフィッティングを行ない、プリペイメントモデルを
構築した。このプリペイメントモデルの構築では、マイ
ニング用システム10のクラスタ定義機能24で定義さ
れたクラスタ毎に、プリペイメントモデルが構築され
る。本実施の形態では、図7に示す2つのクラスタに対
して、プリペイメントモデルが構築される。このように
して、作成されたクラスタを考慮したモデルが構築され
ることから、全部のものを均一に分ける場合に比べて、
充分にフィットしたモデルを得ることができ、分析精度
を上げることが可能となる。
【0051】図11は、図7に示したクラスタ1とクラ
スタ2とのクラスタ毎にプリペイメントモデルを構築
し、その結果と実績とを対比して示した図である。本実
施の形態では、集約レベル決定によって集約された集約
DB14からの情報をもとに分析を行なっており、構築
されたプリペイメントモデルと実際の解約率(実績)との
一致レベルが高い。更に、クラスタに分け、そのクラス
タ毎にプリペイメントモデルを構築し、その結果を例え
ば残高加重平均により足し合わせている。図11の細線
実線がクラスタ1におけるプリペイメントモデル、細線
破線がクラスタ2におけるプリペイメントモデル、太線
一点鎖線で示されるものが全体のプリペイメントモデル
である。尚、この例では、クラスタ1のプリペイメント
モデルが支配的であることが理解できる。
【0052】以上説明したように、本実施の形態では、
単にモデル構築のみに限定されるのではなく、上述した
包括的なプロセスによって、精度の高いモデル構築を行
なうことができる。また、大量データからなるローンデ
ータに対して、まず、クラスタに分けてプリペイメント
モデルを構築し、それを合わせることで、精度の高いモ
デル構築を可能としている。更には、個々にはデータ数
の少ないローン商品であっても、これらのローン商品
を、その均質な性質を持つもの等に組み合わせること
で、データ数の少ない商品にも適用できるプリペイメン
トモデルを構築することが可能となる。
【0053】
【発明の効果】このように、本発明によれば、金融商品
に対するプリペイメントの分析に際して、精度の高いモ
デルを構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本実施の形態におけるプリペイメント分析シ
ステムを構成するコンピュータシステムの構成を説明す
るための図である。
【図2】 本実施の形態におけるプリペイメント分析シ
ステムの全体構成を示す機能ブロック図である。
【図3】 データ準備機能にて実施される処理を示した
フローチャートである。
【図4】 クラスタリングキーフィールド決定機能にて
実施される処理を示したフローチャートである。
【図5】 (a)〜(c)は、3変数によって集約されたデ
ータ例を示す図である。
【図6】 クラスタ定義機能にて実施される処理を示し
たフローチャートである。
【図7】 クラスタの再構成によって得られたクラスタ
定義の結果を示した図である。
【図8】 事前分析機能の処理を説明するための図であ
る。
【図9】 要因別分析の結果をイメージ表現した図であ
る。
【図10】 プリペイメントモデル構築機能にて実施さ
れる処理を示したフローチャートである。
【図11】 図7に示したクラスタ1とクラスタ2との
クラスタ毎にプリペイメントモデルを構築し、その結果
と実績とを対比して示した図である。
【符号の説明】
1…CPU、2…メインメモリ、3…フロッピーディス
クドライブ(FDD)、4…CD−ROMドライブ、5…
ハードディスクドライブ(HDD)、6…表示装置、7…
入力装置、10…マイニング用システム、11…ヒスト
リカルDB(データベース)、12…分析用DB、13…
集約処理機能、14…集約DB、20…マイニング装
置、21…データ準備機能、22…クラスタリングキー
フィールド決定機能、23…集約レベル決定機能、24
…クラスタ定義機能、30…モデル構築システム、40
…統計分析装置、41…事前分析機能、42…変数分析
機能、43…プリペイメントモデル構築機能
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片井 正行 東京都港区六本木三丁目2番12号 日本ア イ・ビー・エム株式会社内 Fターム(参考) 5B075 NS10 UU40

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金融商品の履歴データを格納するヒスト
    リカルデータベースと、 前記ヒストリカルデータベースに含まれる履歴データに
    対してモデル分析で使用するデータベース構築のための
    集約キーを選択し集約度を定める集約レベル決定機能、
    当該履歴データをデータの属性から見ていくつかのグル
    ープに分けるためのクラスタを定義するクラスタ定義機
    能を備えるマイニング装置と、 前記マイニング装置の前記集約レベル決定機能により集
    約度が定められたデータを分析し、前記クラスタ定義機
    能により定義されたクラスタ毎にプリペイメントモデル
    を構築する統計分析装置と、を備えることを特徴とする
    プリペイメント分析システム。
  2. 【請求項2】 前記マイニング装置は、前記ヒストリカ
    ルデータベースに格納される履歴データに含まれている
    パラメータの統計情報または傾向値を分析するデータ準
    備機能、クラスタの定義に有効となるキーフィールドを
    決定するキーフィールド決定機能を更に備えることを特
    徴とする請求項1記載のプリペイメント分析システム。
  3. 【請求項3】 前記統計分析装置により構築されるプリ
    ペイメントモデルは、集約されたデータをもとに構築さ
    れるプリペイメント率を目的変数とした回帰モデルであ
    ることを特徴とする請求項1記載のプリペイメント分析
    システム。
  4. 【請求項4】 データベースに格納された金融商品の履
    歴データから、当該履歴データに含まれるパラメータの
    統計情報を分析して分析用データを出力する分析用デー
    タ出力手段と、 前記分析用データから、クラスタリングに対して影響を
    及ぼすキーフィールドを選択するキーフィールド選択手
    段と、 選択された前記キーフィールドに基づいて各変数の集約
    度を決定して集約データベースを生成する集約手段と、 選択された前記キーフィールドに対してデータマイニン
    グによりクラスタを定義するクラスタ定義手段と、 前記集約データベースを分析して、前記クラスタ定義手
    段により定義された前記クラスタ毎にプリペイメントモ
    デルを構築するプリペイメントモデル構築手段と、を備
    えることを特徴とするプリペイメント分析システム。
  5. 【請求項5】 前記集約データベースに対して分析対象
    となる商品の商品性分析とプリペイメントを行なう要因
    の要因別分析とを行なう事前分析手段と、プリペイメン
    トモデルを構築するために必要とされる変数を決定する
    変数分析手段と、を更に備え、 前記プリペイメントモデル構築手段は、前記変数分析手
    段により決定された前記変数に基づいて、前記集約デー
    タベースからプリペイメントモデルを構築することを特
    徴とする請求項4記載のプリペイメント分析システム。
  6. 【請求項6】 前記プリペイメントモデル構築手段は、
    プリペイメント率における季節性を算出し、算出された
    当該季節性を除去した後、線形回帰分析により変数を選
    択し、選択された当該変数と選択されたモデル形に基づ
    いて、非線形回帰分析によりモデルの関数形とパラメー
    タを決定することを特徴とする請求項4記載のプリペイ
    メント分析システム。
  7. 【請求項7】 銀行金融商品に関する履歴データを格納
    するヒストリカルデータベースと、 前記ヒストリカルデータベースに含まれる履歴データに
    対して所定の幅を用いてデータを集約するデータ集約手
    段と、 前記データ集約手段により集約されたデータ集約のレベ
    ルとキーフィールドとからデータマイニングを用いて複
    数のクラスタを作成するクラスタ定義手段と、 前記クラスタ定義手段により定義されたクラスタ毎に、
    前記データ集約手段により集約されたデータを分析して
    プリペイメントモデルを構築するプリペイメントモデル
    構築手段と、を備えることを特徴とするプリペイメント
    分析システム。
  8. 【請求項8】 前記クラスタ定義手段は、各クラスタに
    おけるキーフィールドの平均値が近いクラスタを結合さ
    せて、少数のクラスタ数になるようにクラスタを再構成
    することを特徴とする請求項7記載のプリペイメント分
    析システム。
  9. 【請求項9】 データベースに格納された金融商品の履
    歴データから、当該履歴データに含まれるパラメータの
    統計情報を分析して分析用データを出力する分析用デー
    タ出力手段と、 前記分析用データから、クラスタリングに対して影響を
    及ぼすキーフィールドを選択するキーフィールド選択手
    段と、 選択された前記キーフィールドに基づいて各変数の集約
    度を決定し、プリペイメントモデル構築に際して分析に
    用いられる集約レベルを決定する集約レベル決定手段
    と、 選択された前記キーフィールドに対して、プリペイメン
    トモデル構築がなされる単位であるクラスタを定義する
    クラスタ定義手段と、を備えることを特徴とするマイニ
    ング装置。
  10. 【請求項10】 金融商品に対するデータベースのデー
    タ量を減らすための集約が施された集約データに対し
    て、分析対象となる商品の商品性分析とプリペイメント
    を行なう要因の要因別分析とを行なう事前分析手段と、 前記事前分析手段による前記商品性分析と前記要因別分
    析の結果に基づいて、プリペイメントモデルを表現する
    ために必要とされる変数を決定する変数分析手段と、 前記変数分析手段により決定された前記変数に基づい
    て、集約されたデータからプリペイメントモデルを構築
    するプリペイメントモデル構築手段と、を備えたことを
    特徴とする統計分析装置。
  11. 【請求項11】 前記プリペイメントモデル構築手段
    は、前記データベースに対して均質な性質を持つ数個の
    クラスタに分割されたクラスタ定義に基づいて、分割さ
    れた当該クラスタ毎にプリペイメントモデルを構築する
    ことを特徴とする請求項10記載の統計分析装置。
  12. 【請求項12】 データベースに格納された金融商品の
    履歴データから統計情報を分析して分析用データを出力
    し、 前記分析用データから、クラスタリングに対して影響を
    及ぼすキーフィールドを選択し、 選択された前記キーフィールドに基づいて各変数の集約
    度を決定して集約データベースを生成し、 選択された前記キーフィールドに対してデータマイニン
    グによりクラスタを定義し、 前記集約データベースを分析して、定義された前記クラ
    スタ毎にプリペイメントモデルを構築することを特徴と
    するプリペイメント分析方法。
  13. 【請求項13】 前記集約データベースに対して、分析
    対象となる商品の商品性分析とプリペイメントを行なう
    要因の要因別分析とを行ない、 プリペイメントモデルを説明するために必要とされる変
    数を決定し、 決定された前記変数に基づいて、前記集約データベース
    からプリペイメントモデルを構築することを特徴とする
    請求項12記載のプリペイメント分析方法。
  14. 【請求項14】 銀行金融商品に関する履歴データか
    ら、データマイニング手法を用いて顧客の属性によるク
    ラスタリングを行ない、 クラスタリングされた結果に対し、前記履歴データを構
    成する顧客を均質な性質を持つ数個のクラスタに統合・
    分割し、 統合・分割された前記クラスタ毎に、前記履歴データを
    分析してプリペイメントモデルを構築することを特徴と
    するプリペイメント分析方法。
  15. 【請求項15】 前記履歴データに対して所定の幅を用
    いてデータを集約して集約データベースを生成し、 前記集約データベースに対して商品性分析と要因別分析
    を行ない、 前記集約データベースに記録されている所定の項目間お
    よび金利指標間の相関分析により変数を決定し、 決定された変数に基づいてプリペイメントモデルを構築
    することを特徴とする請求項14記載のプリペイメント
    分析方法。
  16. 【請求項16】 金融商品に関して顧客が対応した履歴
    データを備えるヒストリカルデータベースに接続される
    コンピュータに、 前記履歴データに含まれるパラメータの統計情報を分析
    して分析用データを出力する機能と、 前記分析用データから、クラスタリングに対して影響を
    及ぼすキーフィールドを選択する機能と、 選択された前記キーフィールドに基づいて各変数の集約
    度を決定し、プリペイメントモデル構築に用いられる集
    約データを生成する機能と、 選択された前記キーフィールドに基づいてプリペイメン
    トモデル構築の単位となるクラスタを定義する機能と、
    を実現させるためのプログラム。
  17. 【請求項17】 ユーザに対して金融商品に対する統計
    分析の結果としてのプリペイメントモデルを提供するた
    めのコンピュータに、 金融商品への顧客の振る舞いを記録したデータベースに
    対して集約が施された集約データに、分析対象となる商
    品の商品性分析とプリペイメントを行なう要因の要因別
    分析とを実行する機能と、 前記商品性分析と前記要因別分析との結果に基づいて、
    プリペイメントモデルを説明するために必要とされる変
    数を決定する機能と、 決定された前記変数に基づいて、集約されたデータから
    プリペイメントモデルを構築する機能と、を実現させる
    ためのプログラム。
  18. 【請求項18】 前記プリペイメントモデルを構築する
    機能は、前記データベースに対して均質な性質を持つ数
    個のクラスタに分割されたクラスタ定義に基づいて、分
    割された当該クラスタ毎にプリペイメントモデルを構築
    することを特徴とする請求項17記載のプログラム。
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