JP2002343645A - 静止誘導機器 - Google Patents

静止誘導機器

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JP2002343645A
JP2002343645A JP2001143992A JP2001143992A JP2002343645A JP 2002343645 A JP2002343645 A JP 2002343645A JP 2001143992 A JP2001143992 A JP 2001143992A JP 2001143992 A JP2001143992 A JP 2001143992A JP 2002343645 A JP2002343645 A JP 2002343645A
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Takeshi Aida
剛 合田
Teruhiko Maeda
照彦 前田
Hiroshi Shioda
広 塩田
Yoshihiro Takei
義博 竹井
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な冷却性能を発揮すると共に、防災面お
よび環境面に優れた静止誘導機器を提供する。 【解決手段】 巻線1および鉄心2を金属製のタンク3
内に収容している。このタンク3には半導電性液体4を
満たしている。巻線1の周りには高分子材料からなる絶
縁被覆6を設けている。さらに、絶縁被覆6の周りには
半導電層7を設置している。この半導電層7は半導電性
液体4が浸透しない材料で構成している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、産業用および電力
用の変圧器またはリアクトルなどの静止誘導機器に係
り、特に、絶縁被覆された巻線を備えた静止誘導機器に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、変電所や発電所などの電気所に
は変圧器またはリアクトルなどの静止誘導機器が設置さ
れている。静止誘導機器の電力範囲は数kVAから12
00MVAにわたり、電圧範囲は1kVから1000k
Vあるいはそれ以上の非常に高い変換電圧までにわたっ
ている。このような静止誘導機器は通常、鉄心の周囲に
巻線を巻き、これら鉄心および巻線を金属製のタンク内
に収容してなる。ここで、電力用変圧器の従来例につい
て図7を参照して具体的に説明する。図7は従来のケー
ブル巻線の代表的な鳥瞰図である。電力用変圧器には鉄
心2が設けられている。鉄心2は薄板状に形成されたケ
イ素鉄の集合体で形成されている。鉄心2の周囲には、
1次巻線15および2次巻線16,17が同心状に配置
されている。また、損失により発生する熱を放散するた
めに空気冷却を行う必要がある。そこで、巻線15,1
6,17間には冷却用の間隔を設けるためのスペースバ
ー18が設けられている。
【0003】ところで、変圧器に対し外部から侵入する
可能性のある電圧としては、運転電圧に加えて、雷イン
パルス電圧、スイッチング時に発生する過電圧などがあ
る。巻線の素線となる中心導体において、鉄心より漏洩
した磁束が鎖交することで付加的な損失が発生する。特
に、高電力範囲における電力用変圧器にとっては、この
ような損失をできるだけ低く抑えなくてはならない。そ
のため、電気的に絶縁した複数の素線を並列接続したM
TCケーブルと呼ばれる撚り線が採用されている。この
撚り線は、それぞれの撚り線に誘起される電圧が等しく
なるように周期的に位置を変える転移を行い、撚り線間
に誘起される電圧差を小さくして、内部循環電流成分を
低減している。また、巻線の内側、並びに巻線同士、お
よび他の金属部材同士の間で行う絶縁は、個々の方向に
対して施され、固体セルロース又はワニスを基本とした
絶縁設計がなされている。そして、この外側には液体状
の絶縁物が配置され、可能ならば気体状の絶縁物も配置
されている。
【0004】さらに、特表平11−514151号公報
に公開されているように、乾式変圧器巻線が知られてい
る。乾式変圧器巻線とは図8に示すようなケーブルから
なる。このケーブルは中心導体5の周りに表面電界を緩
和するための内部半導電層10が設けられ、その外側に
は固体絶縁物からなる絶縁被覆6が、さらにその外側に
は半導電層7が同心状に設けられた構成となっており、
このケーブルを巻線として鉄心の周りに巻くことで変圧
器を構成するものである。
【0005】当該ケーブルは、30〜300mmの導
体面積を持ち、20〜250mmのケーブル外径を持っ
ている。外側の半導電層7の抵抗率ρにおいては、最小
値がρmin=1Ωcm、最大値がρmax=100k
Ωcmの範囲が好ましい。さらに、ケーブルの軸方向に
おける単位長さ当たりの半導体層7の抵抗Rは、その最
小値がRmin=50Ω/m、最大値がRmax=50
MΩ/mの範囲を推奨する。また、その厚さは0.5か
ら1mmの間である。内側の導電層6の抵抗率ρおよび
抵抗Rの最小値・最大値の範囲は、ρmin=10−6
Ωcm、Rmin=50μΩ/m、ρmax=100k
Ωcm、Rmax=5MΩ/mが好適である。また、固
体絶縁物6としては、XLPE(架橋ポリエチレン)の
ような改良された架橋熱可塑性のケーブル、あるいはエ
チレンプロピレン(EP)ゴム、若しくはシリコンのよ
うな他のゴムの絶縁物を用いることが可能である。
【0006】以上のようなケーブルによれば、隣接する
素線同士の絶縁だけでなく、巻線間絶縁や対地絶縁も実
施でき、構成の簡素化を進めることができる。しかも、
このケーブルを用いた変圧器は、絶縁媒体として絶縁油
やSFガスを使用していないため、環境への負荷が少
なくて済む。したがって、優れた環境調和性が要求され
る近年、特に注目されるようになってきている。さら
に、上記の変圧器では、素線である中心導体5の絶縁被
覆6には主に高分子絶縁物を使用し、外側の半導電層に
は高分子絶縁物カーボン等の導電性粒子を練りこんだも
のを使用することができる。そのため、高圧導体の銅と
共にリサイクルが可能であり、環境低負荷につながると
いったメリットがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たようなケーブルを巻線とした変圧器には以下の問題点
があった。すなわち、巻線の絶縁被覆が厚いため、冷却
性能が低いという不具合がある。したがって、巻線の過
熱により絶縁被覆が劣化し、絶縁破壊を起こすおそれが
ある。また、絶縁被覆の材料には架橋ポリエチレンなど
が用いられており、巻線は大気に対し露出している。こ
のため、変圧器の短絡事故などが発生した場合、あるい
は外部で火災が発生した場合に、巻線が燃焼する可能性
があり、火災要因もしくは火災規模を大きくさせる要因
となっている。なお、環境への負荷を低くすることは、
環境保全がグローバルに問題となっている今日、重要な
技術的な課題となっている。このため、静止誘導機器に
おいて環境低負荷を維持することは強く要請されてい
る。
【0008】本発明は、以上の問題点を解消するために
提案されたものであり、良好な冷却性能を発揮すると共
に、防災面および環境面に優れた静止誘導機器を提供す
ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、鉄心を備え、この鉄心の周囲に中心導体を有する
巻線を巻き、これら鉄心および巻線を接地したタンク内
に収容した静止誘導機器において、次のような技術的な
特徴を有している。請求項1の発明は、前記巻線の外周
を絶縁被覆し、前記タンク内に半導電性の液体を満たし
たことを特徴としている。このような請求項1の発明に
よれば、巻線を絶縁物で被覆し、巻線および鉄心を半導
電性の液体と共にタンク内に収容したことで、変圧器ま
たはリアクトルとしての機能が得られると共に、半導電
性の液体で直接巻線の冷却が可能となり、冷却性能の向
上を図ることができる。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の静止
誘導機器において、前記絶縁被覆の周りに半導電層を設
置したことを特徴としている。このような請求項2の発
明によれば、絶縁被覆の周りにさらに半導電層を設置し
たことで、半導電性の液体と絶縁被覆との間に気泡が生
じた場合でも、絶縁被覆の表面電位を半導電性の液体と
同電位とすることが可能である。したがって、絶縁被覆
の表面電位が上昇することがなく、優れた絶縁信頼性を
得ることができる。
【0011】請求項3の発明は、請求項2に記載の静止
誘導機器において、前記半導電層を上記半導電性の液体
が浸透しない材料で構成したことを特徴としている。請
求項4の発明は、請求項1または2に記載の静止誘導機
器において、前記絶縁被覆または前記半導電層の周りに
上記半導電性の液体が浸透しない材料を設置したことを
特徴としている。このような請求項3、4の発明によれ
ば、絶縁被覆に対する半導電性液体の浸透を回避するこ
とができる。そのため、絶縁被覆におけるトリーの発生
を確実に防止でき、優れた絶縁信頼性を確保することが
できる。
【0012】請求項5の発明は、請求項1〜4のうちの
いずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記絶縁
被覆と前記巻線の中心導体との間に内部半導電層を設置
したことを特徴としている。このような請求項5の発明
によれば、内部半導電層が中心導体表面の突起などによ
る電界を緩和することができる。したがって、前記突起
などから発生する絶縁破壊を妨げることが可能である。
【0013】請求項6の発明は、請求項1〜5のうちの
いずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記絶縁
被覆を高分子材料としたことを特徴としている。上記の
請求項6の発明では、絶縁被覆を絶縁強度の高い高分子
材料から構成したので、絶縁被覆自体を薄くすることが
でき、巻線の占積率を向上させることができる。
【0014】請求項7の発明は、前記巻線の周りに樹脂
をモールドし、前記タンク内に半導電性の液体を満たし
たことを特徴としている。このような請求項7の発明で
は、巻線を樹脂でモールドし、それらを半導電液体と共
にタンクに収容したことで、従来の空気冷却であるモー
ルド静止誘導機器よりも冷却性能を向上させることがで
きる。
【0015】請求項8の発明は、請求項7に記載の静止
誘導機器において、モールドした前記樹脂と前記巻線の
中心導体との間に内部半導電層を設置したことを特徴と
している。以上の請求項8の発明では、前記請求項5の
発明と同じく、巻線の中心導体とモールド樹脂との界面
に内部半導電層を設置したことで、巻線の中心導体の突
起による巻線周りの電界の不均一さを防止でき、絶縁耐
圧を高めることが可能となる。
【0016】請求項9の発明は、請求項1〜8のうちの
いずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記半導
電性の液体を不燃性または難燃性の液体としたことを特
徴としている。以上の請求項9の発明では、半導電性の
液体を不燃性または難燃性の液体としたことで、優れた
防災性を発揮することができる。
【0017】請求項10の発明は、請求項1〜9のうち
のいずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記半
導電性の液体を水としたことを特徴としている。このよ
うな請求項10の発明では、半導電性の液体を水とした
ことで、安価な冷媒を用いて経済的に有利であると共
に、環境に優しい静止誘導機器を得ることができる。
【0018】請求項11の発明は、請求項10に記載の
静止誘導機器において、前記水に電解質を混入したこと
を特徴としている。この請求項11の発明では、水に電
解質を混入し半導電としたことで、水の抵抗値を簡便に
制御することが可能である。
【0019】請求項12の発明は、請求項1〜11のう
ちのいずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記
半導電性の液体の抵抗値を制御する制御装置を設置した
ことを特徴としている。このような請求項12の発明に
よれば、半導電性液体の抵抗値を制御する制御装置を設
置したことで、液体の抵抗値を一定に保ち、半導電液体
中に流れるうず電流などの損失を抑制することができ
る。
【0020】請求項13の発明は、請求項1〜12のう
ちのいずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記
タンクは非金属材料からなり、該タンク内面を導電性の
材料で覆ったことを特徴としている。上記請求項13の
発明によれば、タンクをFRPなどの非金属材料とし、
タンク内面を導電性の材料で覆ったことで、半導電の液
体を接地電位であるタンク電位と同等にできると共に、
タンクの軽量化を図ることができる。
【0021】請求項14の発明は、請求項1〜13のう
ちのいずれか1項に記載の静止誘導機器において、前記
タンクにコンサベータを設置したことを特徴としてい
る。このような請求項14の発明では、コンサベータを
タンクに設置することで、半導電性液体の温度による体
積膨張分を吸収することが可能である。これにより、半
導電性液体の液漏れを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した複数の実
施の形態について、図面を用いて説明する。なお、図7
および図8にて示した従来例と同一の部材に関しては同
一の符号を付して説明は省略する。
【0023】(1)第1の実施の形態 [構成]第1の実施の形態は、請求項1、2、3、6記
載の発明を適用した変圧器またはリアクトルの1例であ
る。第1の実施の形態では、図1に示すように、巻線1
および鉄心2を金属製のタンク3内に収容し、半導電性
液体4を満たした構成となっている。つまり、巻線1は
半導電性液体4の中に漬けられている。また、図2に示
すように、巻線1の周りには高分子材料からなる絶縁被
覆6を設けている。高分子材料の具体例としては、電力
用、産業用のケーブルに実績のある架橋ポリエチレンや
EPゴムなどがある。さらに、絶縁被覆6の周りには半
導電層7を設置している。この半導電層7は半導電性液
体4が浸透しない材料で構成している。なお、金属製の
タンク3は接地電位となっており、タンク3を介して半
導電性液体4は接地または接地に近い低電圧となってい
る。さらに、タンク3上部には窒素などの不活性ガスを
封入している。
【0024】[作用効果]以上のような構成を有する第
1の実施の形態の作用効果は次の通りである。すなわ
ち、高電圧となる巻線1の中心導体5と半導電性液体4
の間に絶縁被覆6を設けたため、巻線1の絶縁を確実に
保つことができる。また、巻線1の外側が半導電性液体
4となっているので、変圧器またはリアクトルとしての
作用が得られる。しかも、半導電性液体4を冷媒として
直接巻線1を冷却できるので冷却性能が向上する。さら
には、タンク3上部には窒素などの不活性ガスを封入し
たので、半導電性液体4の温度による体積変動を緩和す
ることが可能である。
【0025】また、第1の実施の形態において、半導電
性液体4に気泡8が存在し、図2で示したように巻線1
の外周に気泡8が付着している場合でも、半導電層7が
存在するため、絶縁被覆6の表面電位を半導電性液体4
と同電位とすることが可能であり、絶縁被覆6の表面電
位が上昇することがない。この結果、気泡8中で部分放
電が発生する可能性がなく、絶縁信頼性を向上できる。
さらに、半導電層7を半導電液体4が浸透しない材料で
構成しているため、絶縁被覆6への半導電性液体4の進
入を阻止できる。したがって、半導電性液体4が高電界
にさらされることで絶縁被覆6を侵食し、ひいてはトリ
ーが発生するといった不具合を防止できる。しかも、第
1の実施の形態では絶縁的な実績の高い架橋ポリエチレ
ンやEPゴムなどの高分子材料を絶縁被覆6としている
ため、優れた信頼性を確保すると共に、絶縁強度が高い
ので絶縁被覆6を薄くすることができ、巻線1の占積率
を向上させることができる。
【0026】(2)第2の実施の形態 [構成]第2の実施の形態は、請求項4、5記載の発明
を適用した場合における変圧器またはリアクトル巻線の
1例である。第2の実施の形態では、図3の断面図に示
すように、中心導体5の周りに内部半導電層10を設置
し、その周りに絶縁被覆6を設置している。さらに、絶
縁被覆6の周りに半導電層7を設置し、その外側にジャ
ケット9が設置している。このように構成した巻線1を
半導電性液体4の中に漬けてある。なお、内部半導電層
10は電圧に応じて設置、非設置を分けている。また、
ジャケット9は半導電性液体4が浸透しない材料で、且
つ半導電性の材料からなる。
【0027】[作用効果]以上のような第2の実施の形
態では、内部半導電層10が中心導体5の電圧が高い場
合にその突起の電界を緩和する役目を果たすようになっ
ている。また、ジャケット9は半導電性の材料で構成し
ているため、外側の半導電層7と絶縁被覆6が例えば架
橋ポリエチレンなどの同じ材料で構成されている場合
に、半導電層7と半導電性液体4の間の導通を図ること
ができる。さらに、ジャケット9は半導電性液体4が浸
透しない材料なので、絶縁被覆6への半導電性液体4の
進入を防ぐことができ、トリーの発生を防止できる。
【0028】(3)第3の実施の形態 [構成]第3の実施の形態は、請求項7、8記載の発明
を適用した場合における変圧器またはリアクトルの1例
である。第3の実施の形態では、図4に示すように、巻
線1の中心導体5の周りに内部半導電層10を設置し、
これをエポキシ樹脂11でモールドする。このモールド
した巻線1を半導電性液体4中に設置する。内部半導電
層10は電圧またはエポキシ樹脂11と中心導体5の密
着性に応じて設置している。また、エポキシ樹脂11の
外表面には半導電層7を設けている。
【0029】[作用効果]以上のような第3の実施の形
態においては、内部半導電層10により中心導体5表面
の電界を緩和することができる。また、半導電層7は半
導電性液体4とエポキシ樹脂11表面の電位を同一にす
る役目を果たしている。このような構成により従来の空
気冷却であるモールド変圧器またはリアクトルよりも優
れた冷却性能を得ることができる。さらに、中心導体5
とモールド樹脂11との界面に内部半導電層10を設置
しているため、中心導体5の突起が存在しても電界を均
一に保つことができる。これにより、絶縁耐圧をより高
めることが可能となる。
【0030】(4)第4の実施の形態 [構成]第4の実施の形態は、請求項13記載の発明に
対応しており、図5に示すように、タンク12はFRP
などの非金属材料からなり、このタンク12内面を導電
性材料13で覆ったことを特徴としている。
【0031】[作用効果]以上のような第4の実施の形
態によれば、タンク12内面の導電性材料13の電位を
接地電位とすることで半導電性液体4の電位を接地電位
とすることができる。また、タンク12を非金属材料か
ら構成するため、静止誘導機器の軽量化が可能である。
【0032】(5)第5の実施の形態 [構成]第5の実施の形態は、請求項14記載の発明に
対応しており、その特徴は図6に示すように、タンク3
にコンサベータ14が設置されている点にある。
【0033】[作用効果]以上の第5の実施の形態で
は、コンサベータ14をタンク3に設置することで、半
導電性液体4の温度による体積膨張分を吸収し、液漏れ
を防止できるといった利点ある。
【0034】(6)他の実施の形態 なお、本発明は以上の実施の形態に限定されるものでは
なく、各実施の形態の組み合わせなどは適宜選択自由で
あり、例えば、上記第1の実施の形態において、第2の
実施の形態と同じく半導電層7の周りにジャケット9を
配置しても良い。また、請求項9の発明に対応するもの
として、半導電性液体4を不燃性または難燃性とした実
施の形態も包含する。この実施の形態では巻線1の絶縁
被覆5が短絡事故を起こした場合、または静止誘導機器
外部で火災が発生した場合でも特別の防火設備を設けず
に、火災の発生を防止できる。したがって、防災面で優
れた信頼性を発揮することができる。
【0035】また、請求項10の発明に対応する実施の
形態では半導電性液体4を水としている。この場合、タ
ンクから水が漏れた場合でも環境への影響は無く、また
安価で冷却性能もよい。さらに、請求項11の発明に対
応する実施の形態において、半導電性液体4を水とした
場合にその抵抗率のコントロールに電解質を用いること
もできる。このとき、電解質の量により水の抵抗をコン
トロール可能である。しかも、NaClなどの電解質を
用いれば、環境への影響が少なく安全であり、環境調和
性が高い。
【0036】請求項12の発明に対応するものとして、
常時抵抗率が一定となるような調整器を設けた実施の形
態も包含する。この実施の形態では、鉄心2や巻線1の
溶け出しの影響で半導電性液体4の抵抗率が変化するこ
とがない。特に、抵抗率の低減が大きい場合には鉄心の
漏れ磁束による、うず電流損が大きくなるため、抵抗率
の調整は重要であり、このような調整器を有する実施の
形態は有効である。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
巻線を収容するタンク内に半導電性液体を満たすといっ
た極めて簡単な構成により、良好な冷却性能を発揮する
と共に、防災面にも優れた静止誘導機器を提供すること
ができる。さらに、半導電性の液体を水とすることで環
境面に配慮した静止誘導機器を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施の形態の概略図。
【図2】第1の実施の形態における巻線の断面図。
【図3】本発明に係る第2の実施の形態における巻線の
断面図。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態における巻線の
断面図。
【図5】本発明に係る第4の実施の形態の概略図。
【図6】本発明に係る第5の実施の形態の概略図。
【図7】従来の静止誘導機器である電力用変圧器の鳥瞰
図。
【図8】従来の静止誘導機器である電力用変圧器におけ
るケーブルの斜視図。
【符号の説明】
1…巻線 2…鉄心 3,12…タンク 4…半導電性液体 5…中心導体 6…絶縁被覆 7…半導電層 8…気泡 9…ジャケット 10…内部半導電層 11…エポキシ樹脂 13…導電性材料 14…コンサベータ 15…一次巻線 16,17…二次巻線 18…スペースバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 塩田 広 三重県三重郡朝日町大字繩生2121番地 株 式会社東芝三重工場内 (72)発明者 竹井 義博 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 Fターム(参考) 5E043 DA06 5E044 AD06 CA02 CB03 5E050 CA03 DA04

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄心を備え、この鉄心の周囲に中心導体
    を有する巻線を巻き、これら鉄心および巻線を接地した
    タンク内に収容した静止誘導機器において、 前記巻線の外周を絶縁被覆し、 前記タンク内に半導電性の液体を満たしたことを特徴と
    する静止誘導機器。
  2. 【請求項2】 前記絶縁被覆の周りに半導電層を設置し
    たことを特徴とする請求項1に記載の静止誘導機器。
  3. 【請求項3】 前記半導電層を上記半導電性の液体が浸
    透しない材料で構成したことを特徴とする請求項2に記
    載の静止誘導機器。
  4. 【請求項4】 前記絶縁被覆または前記半導電層の周り
    に上記半導電性の液体が浸透しない材料を設置したこと
    を特徴とする請求項1または2に記載の静止誘導機器。
  5. 【請求項5】 前記絶縁被覆と前記巻線の中心導体との
    間に内部半導電層を設置したことを特徴とする請求項1
    〜4のうちのいずれか1項に記載の静止誘導機器。
  6. 【請求項6】 前記絶縁被覆を高分子材料としたことを
    特徴とする請求項1〜5のうちの1項に記載の静止誘導
    機器。
  7. 【請求項7】 鉄心を備え、この鉄心の周囲に中心導体
    を有する巻線を巻き、これら鉄心および巻線をタンク内
    に収容した静止誘導機器において、 前記巻線の周りに樹脂をモールドし、 前記タンク内に半導電性の液体を満たしたことを特徴と
    する静止誘導機器。
  8. 【請求項8】 モールドした前記樹脂と前記巻線の中心
    導体との間に内部半導電層を設置したことを特徴とする
    請求項7に記載の静止誘導機器。
  9. 【請求項9】 前記半導電性の液体を不燃性または難燃
    性の液体としたことを特徴とする請求項1〜8のうちの
    いずれか1項に記載の静止誘導機器。
  10. 【請求項10】 前記半導電性の液体を水としたことを
    特徴とする請求項1〜9のうちのいずれか1項に記載の
    静止誘導機器。
  11. 【請求項11】 前記水に電解質を混入したことを特徴
    とする請求項10に記載の静止誘導機器。
  12. 【請求項12】 前記半導電性の液体の抵抗値を制御す
    る制御装置を設置したことを特徴とする請求項1〜11
    のうちのいずれか1項に記載の静止誘導機器。
  13. 【請求項13】 前記タンクは非金属材料からなり、該
    タンク内面を導電性の材料で覆ったことを特徴とする請
    求項1〜12のうちのいずれか1項に記載の静止誘導機
    器。
  14. 【請求項14】 前記タンクにコンサベータを設置した
    ことを特徴とする請求項1〜13のうちのいずれか1項
    に記載の静止誘導機器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101156152B1 (ko) * 2004-11-01 2012-06-18 가부시키가이샤 히다치 산키시스템 아몰퍼스 철심 변압기
CN112652470A (zh) * 2020-12-07 2021-04-13 阳光电源股份有限公司 一种变压器

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