JP2002338494A - ムチン合成インヒビター - Google Patents

ムチン合成インヒビター

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JP2002338494A JP2001316115A JP2001316115A JP2002338494A JP 2002338494 A JP2002338494 A JP 2002338494A JP 2001316115 A JP2001316115 A JP 2001316115A JP 2001316115 A JP2001316115 A JP 2001316115A JP 2002338494 A JP2002338494 A JP 2002338494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ムチン合成を調節する方法、および疾患(例
えば、喘息および慢性気管支炎、炎症性肺疾患、嚢胞性
線維症ならびに急性または慢性の呼吸器感染疾患を含
む、慢性閉塞性肺疾患(COPD))に関連したムチン
過剰産生を制御する際の化合物の治療適用を提供するこ
と。 【解決手段】 ムチンの産生によって特徴付けられる疾
患を有する被験体の処置方法であって、該被験体におけ
るムチンの合成またはレベルを減少させる少なくとも1
つの化合物を含む組成物の有効量を該被験体に投与する
工程を包含する、方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】(発明の分野)本発明は、ム
チン合成を調節する方法、および疾患(例えば、喘息、
慢性気管支炎、炎症性肺疾患、嚢胞性線維症および急性
または慢性の呼吸器感染疾患ならびに慢性閉塞性肺疾患
(COPD))に関連するムチン過剰産生を制御する際
の化合物の治療適用に関する。
【0002】
【従来の技術】(関連出願の引用)本出願の基礎出願
は、2001年8月2日に出願された米国出願第09/
920,287号の一部継続出願であり、そして200
1年8月1日に出願された米国出願第09/918,7
11号の一部継続出願である。米国出願第09/92
0,287号および米国出願第09/918,711号
は両方とも、2001年1月31日に出願された米国出
願第09/774,243号の一部継続出願である。米
国出願第09/774,243号は、2000年1月3
1日に出願された米国仮出願第60/179,127
号、2000年3月30日に出願した米国仮出願第60
/193,111号、2000年9月7日に出願した米
国仮出願第60/230,783号、2000年10月
23日に出願した米国仮出願第60/242,134号
および2000年11月20日に出願した米国仮出願第
60/252,052号の利益を主張する。これらの出
願は全て、その全体が本明細書中に参考として援用され
る。
【0003】本発明はまた、1996年8月23日に出
願され、2000年3月14日に米国特許第6,03
7,149号として発行された米国特許出願第08/7
02,110号の主題に関し、そして1999年6月9
日に出願された米国特許出願第09/325,571号
および1999年6月1日に発行された米国特許第5,
908,839号に関する。これらは全て、その全体が
本明細書中に参考として援用される。さらに、本出願
は、その全体が本明細書中に参考として援用される、1
997年12月1日に出願した米国特許出願第08/9
80,872号に関する。
【0004】(発明の背景)気道上皮は、粘膜線毛(m
ucociliary)系および機械的障壁を通して、
気道防御機構において肝要な役割を果たすことが公知で
ある。近年の研究は、気道上皮細胞(AEC)が活性化
されて、複数の気道障害の病因において重要な生物学的
メディエーターを産生および放出し得ることを示す(P
olitoおよびProud、1998;Takiza
wa、1998)。上皮が、慢性気道障害(例えば、喘
息、慢性気管支炎、気腫および嚢胞性線維症)において
基本的に障害を受けているという証拠が示された(Ho
lgateら、1999;Jeffery PK、19
91;Salvato、1968;GlynnおよびM
ichaels、1960)。これらの気道障害の特徴
の1つは、AECによる粘液の過剰産生である。粘液の
主要な高分子成分は、ムチンとして公知の大きな糖タン
パク質である。近年、少なくとも7つのヒトムチンの分
子構造が決定された。公知のムチン転写産物は、不均質
であり、これらの遺伝子間に配列相同性はない(Voy
nowおよびRose、1994)が、これらはその全
体的な繰り返し構造が類似している。
【0005】有害な刺激は、AECを活性化することが
公知である。これらの刺激は、慢性閉塞性肺疾患の形態
に関連した薬物または環境汚染物質、タバコの煙および
感染性因子に対するアレルギー性疾患において抗原によ
って変化し得る。AECの活性化は、イオン輸送の変
化、毛様体の拍動の変化、ならびにムチンの産生および
分泌の増加をもたらし、粘液の増加をもたらす。AEC
活性化に応答して産生されるメディエーターとしては、
炎症細胞の流入を促進するケモカインが挙げられる(T
akizawa、1998)。これらの炎症細胞は次い
で、AECを損傷し得るメディエーターを産生し得る。
AECの損傷は、前炎症(pro−inflammat
ory)産物(肺の破壊および機能喪失をもたらし得
る、気道壁再造形を駆動する、プロテアーゼおよび増殖
因子を含む)の拡大しかつ連続した供給源をもたらす、
細胞増殖を刺激する(杯細胞および粘膜下腺細胞過形
成)(Holgateら、1999)。
【0006】粘液の過剰産生およびその生理化学的特徴
の変化は、肺の病因に多くの方法で寄与し得る。ムチン
の過剰産生による生理学的粘膜線毛クリアランスの破壊
は、粘液のつまり、空気の捕捉、およびしばしば感染を
併発する無気肺をもたらし得る。
【0007】喘息は、有病率および重篤度が増加してい
るようである慢性の閉塞性肺障害である(Gergen
およびWeiss、1992)。人口の30〜40%が
アトピー性アレルギーに罹患しており、そして人口のう
ち小児の15%および成人の5%が喘息に罹患している
と見積もられている(GergenおよびWeiss、
1992)。
【0008】喘息では、抗原による免疫系の活性化が、
アレルギー性炎症をもたらす。この型の免疫活性化が生
じた場合、これは、肺の炎症、気管支反応性亢進(br
onchial hyperresponsivene
ss)、杯細胞および粘膜下腺過形成、ならびにムチン
の過剰産生および過剰分泌を併発する(Basleら、
1989)(Paillasse、1989)(Bos
queら、1990)。杯細胞および粘膜下腺細胞過形
成に関連した粘液の過剰産生およびつまりは、喘息の病
因の重要な部分であり、そして軽度の喘息および喘息発
作重積状態で死亡した個体の両方の気道の検査について
記載されている(Earle、1953)(Carde
llおよびPearson、1959)(Dunnil
l、1960)(Dunnillら、1969)(Ai
kawaら、1992)(Cutzら、1978)。特
定の炎症細胞は、この反応において重要である。このよ
うな炎症細胞としては、T細胞、抗原提示細胞、IgE
を産生するB細胞、IgEを結合する好塩基球、および
好酸球が挙げられる。これらの炎症細胞は、アレルギー
性炎症の部位に蓄積し、そしてこれらが放出する毒性産
物は、AECおよびこれらの障害に関連する他の組織の
破壊に寄与する。
【0009】上記に述べた関連の特許出願では、出願人
は、インターロイキン−9(IL9)、そのレセプター
およびIL9によってもたらされる活性が、アトピー性
アレルギー、喘息および関連の障害において治療介入の
適切な標的であることを実証した。アレルゲンによって
肥満細胞から放出されるメディエーターは、アレルギー
における重要な開始事象であると考えられてきた。IL
9は元々、肥満細胞増殖因子として同定され、そしてI
L9が肥満細胞プロテアーゼ(MCP−1、MCP−
2、MCP−4を含む)(Eklundら、1993)
およびグランザイムB(Louahedら、1995)
の発現をアップレギュレートすることが実証された。従
って、IL9は、肥満細胞の増殖およびまたは分化にお
いて役割を果たすようである。さらに、IL9は、高親
和性IgEレセプターのα鎖の発現をアップレギュレー
トする(Dugasら、1993)。さらに、インビト
ロおよびインビボの両方での研究は、刺激されたB細胞
からのIgEの放出をIL9が増強することを示した
(Petit−Frereら、1993)。
【0010】近年、IL9は、ムチン合成を刺激するこ
とが示された。そしてIL9は、アレルギー性気道疾患
における肺の流体のムチン刺激活性のうちの50〜60
%程度を占め得る(Longpreら、1999)。バ
ックグラウンド系統由来のマウスと比較したムチン合成
および粘液過剰産生の正味のアップレギュレーション
は、IL9トランスジェニックマウスにおいて生じる。
IL9は、MUC2およびMUC5ACの遺伝子および
タンパク質をインビトロおよびインビボで特異的にアッ
プレギュレートする(Louahedら、2000)。
さらに、IL9中和抗体は、喘息の動物モデルにおける
抗原チャレンジに応答したムチンのアップレギュレーシ
ョンを完全に阻害する(McLaneら、2000)。
【0011】現行の喘息処置は、多数の欠点がある。主
な治療剤であるβ−レセプターアゴニストは、症状を減
少させ、それによって肺の機能を一時的に改善させる
が、基礎をなす炎症には影響を与えず、かつムチン産生
を抑制もしない。さらに、β−レセプターアゴニストの
不断の使用は、脱感作を生じ、これにより、その効力お
よび安全性が低下する(Molinoffら、199
5)。基礎をなす炎症を減少させ得、それによってムチ
ン産生を減少させ得る薬剤(例えば、抗炎症ステロイ
ド)は、免疫抑制から骨損失までの範囲にわたる、それ
自体の欠点のリストを有する(Molinoffら、1
995)。
【0012】慢性気管支炎は、別の形態の慢性閉塞性肺
障害である。成人のうちのほぼ5%がこの肺障害に罹患
している。慢性気管支炎は、痰の慢性過剰産生として定
義される。粘液過剰産生は一般に、誘導気道の炎症に関
連している。好中球およびマクロファージを含む、炎症
細胞のメディエーターは、この障害におけるムチン遺伝
子発現増加に関連し得る(Voynowら、1999;
Borchersら、1999)。粘液産生増加は、気
道閉塞に関連しており、気道閉塞は、この肺障害の主な
特徴のうちの一つである。治療は主に症候性であり、そ
して感染を制御することおよび肺機能のさらなる欠損を
防ぐことに集中する。気管支炎の症状を処置するために
しばしば用いられる、鬱血除去薬、去痰薬およびこれら
の薬剤の組み合わせは、ムチン産生を変化させるとは考
えられない。粘液溶解は、気道分泌物の粘度および/ま
たは弾性を減少させることによって粘膜線毛クリアラン
スを促進し得、そして症状の軽減を提供し得るが、ムチ
ンの合成も粘液過剰産生をも阻害しない(Takaha
shiら、1998)。
【0013】嚢胞性線維症(CF)は、肺に変化をもた
らし、そして濃い分泌物に関連するなお別の疾患であ
り、気道閉塞および吸入された病原性微生物によるその
後の集落形成(colonization)および感染
をもたらす(Engら、1996)。DNAレベルは、
CF肺において顕著に増加し、そして痰の粘度を上昇さ
せ得る。エアゾール化された組換えDNaseはこれら
の患者において有益なものであるが、病原性の粘液過剰
産生について有効な処置は存在しない。従って、当該分
野には、CFにおける気道上皮細胞によるムチン過剰産
生を阻害し得る薬剤の同定についての特異的な、まだ対
処されていない必要性がある。ムチン分泌物によって引
き起こされる気道閉塞に加えて、CF患者はまた、消化
管への消化酵素の送達を妨げる、膵管での粘液つまりを
罹患する。この結果は、吸収不良症候群、脂肪便および
下痢である。
【0014】慢性非アレルギー性副鼻腔炎には頻繁に、
この疾患に寄与する粘液産生における定量的変化および
定性的な変化が伴う。これらの変化としては、MUC
2、MUC5A/CおよびMUC5Bのようなゲル形成
ムチンの分泌過多が挙げられる。さらに、慢性副鼻腔炎
を伴う患者は頻繁に、ムコイドまたは粘液膿性鼻漏を訴
える。近年の研究は、慢性副鼻腔炎に関与する分泌過多
が局所的に増加したムチン合成の結果であり得ることを
示唆する(Shinogiら、Laryngoscop
e 111(2):240−245、2001)。
【0015】粘液過剰産生は多くの慢性閉塞性肺障害の
特徴のうちの1つであるが、当該分野には、これらの肺
障害に関連したムチンの合成または過剰産生をブロック
する方法はない。従って、当該分野には、ムチンの過剰
産生を阻害し、そしてこれらの患者の分泌物を薄めて粘
膜線毛クリアランスを促進し、そして肺の機能を保つと
いう、特定の必要性が存在する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ムチン合成
を調節する方法、および疾患(例えば、喘息および慢性
気管支炎、炎症性肺疾患、嚢胞性線維症ならびに急性ま
たは慢性の呼吸器感染疾患を含む、慢性閉塞性肺疾患
(COPD))に関連したムチン過剰産生を制御する際
の化合物の治療適用を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の処置方法は、ム
チンの産生によって特徴付けられる疾患を有する被験体
の処置方法であって、該被験体におけるムチンの合成ま
たはレベルを減少させる少なくとも1つの化合物を含む
組成物の有効量を該被験体に投与する工程を包含する。
【0018】1つの実施形態では、上記ムチン合成は、
塩素イオンチャネル依存性であり得る。
【0019】1つの実施形態では、上記化合物は、IC
ACC塩素イオンチャネルを発現する細胞におけるムチ
ンの合成を減少させ得る。
【0020】1つの実施形態では、上記化合物は、アン
トラニル酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−ニコ
チン酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−フェニル
酢酸のアナログおよび誘導体、ベンドロフルメチアジ
ド、アミノキノリンのアナログおよび誘導体、それらの
塩およびそれらのプロドラッグからなる群より選択され
得る。
【0021】1つの実施形態では、上記化合物は、タル
ニフルマート、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナ
ム酸、ベンドロフルメチアジド、N−(3−フルオロベ
ンジル)−3−アミノキノリン、それらの塩、それらの
誘導体およびそれらのプロドラッグからなる群より選択
され得る。
【0022】1つの実施形態では、上記組成物は、タル
ニフルマート、タルニフルマート誘導体、それらの塩ま
たはそれらのプロドラッグを含み得る。
【0023】1つの実施形態では、上記組成物は、吸入
によって投与され得る。
【0024】1つの実施形態では、上記組成物は、液体
の形態であり得る。
【0025】1つの実施形態では、上記組成物は、粉末
の形態であり得る。
【0026】1つの実施形態では、上記液体は、エアゾ
ール化されていてもよい。
【0027】1つの実施形態では、上記組成物は、少な
くとも1つの去痰薬、粘液溶解剤、抗生物質または鬱血
除去剤をさらに含み得る。
【0028】1つの実施形態では、上記去痰薬は、グア
イフェネシンであり得る。
【0029】1つの実施形態では、上記組成物は、少な
くとも1つの安定剤、吸収増強剤または矯味矯臭剤をさ
らに含み得る。
【0030】1つの実施形態では、上記安定剤はシクロ
デキストランであり得る。
【0031】1つの実施形態では、上記吸収増強剤はキ
トサンであり得る。
【0032】1つの実施形態では、上記疾患は、慢性閉
塞性肺疾患(COPD)、炎症性肺疾患、嚢胞性線維症
および急性または慢性の感染性疾患からなる群より選択
され得る。
【0033】1つの実施形態では、上記組成物は、吸入
によって投与され得る。
【0034】1つの実施形態では、上記組成物は、吸入
によって肺または鼻の通路へと投与され得る。
【0035】1つの実施形態では、上記COPDは、気
腫、慢性気管支炎および喘息からなる群より選択され得
る。
【0036】本発明の組成物は、肺への吸入送達のため
に処方された治療組成物であって、タルニフルマート、
フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、N−(3
−フルオロベンジル)−3−アミノキノリン、それらの
塩、それらの誘導体およびそれらのプロドラッグからな
る群より選択される少なくとも1つの化合物をムチンの
産生またはレベルを減少させるのに有効な量で含み得
る。
【0037】1つの実施形態では、上記組成物は、タル
ニフルマート、タルニフルマート誘導体、それらの塩ま
たはそれらのプロドラッグを含み得る。
【0038】1つの実施形態では、上記組成物は、液体
の形態であり得る。
【0039】1つの実施形態では、上記組成物は、粉末
の形態であり得る。
【0040】1つの実施形態では、上記組成物は、少な
くとも1つの去痰薬、粘液溶解剤、抗生物質または鬱血
除去剤をさらに含み得る。
【0041】1つの実施形態では、上記去痰薬は、グア
イフェネシンであり得る。
【0042】1つの実施形態では、上記組成物は、少な
くとも1つの安定剤、吸収増強剤または矯味矯臭剤をさ
らに含み得る。
【0043】1つの実施形態では、上記安定剤は、シク
ロデキストランであり得る。
【0044】1つの実施形態では、上記吸収増強剤は、
キトサンであり得る。
【0045】本発明の吸入デバイスは、上記のいずれか
の治療組成物を含む。
【0046】1つの実施形態では、上記化合物は、タル
ニフルマートであり得る。
【0047】1つの実施形態では、上記化合物は、N−
(3−フルオロベンジル)−3−アミノキノリン、その
塩、その誘導体およびそのプロドラッグからなる群より
選択され得る。
【0048】1つの実施形態では、上記化合物は、経口
投与され得る。
【0049】1つの実施形態では、上記組成物は、経口
投与され得る。
【0050】本発明の方法は、ムチンの産生によって特
徴付けられる疾患を有する被験体を処置する方法であっ
て、該被験体におけるムチンの合成またはレベルを減少
させ、そしてシクロオキシゲナーゼ酵素を阻害する少な
くとも1つの化合物を含む組成物の有効量を該被験体に
投与する工程を包含する。
【0051】1つの実施形態では、上記化合物は、シク
ロオキシゲナーゼ2を特異的に阻害し得る。
【0052】1つの実施形態では、上記化合物は、アン
トラニル酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−ニコ
チン酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−フェニル
酢酸のアナログおよび誘導体、ベンドロフルメチアジ
ド、アミノキノリンのアナログおよび誘導体、それらの
塩およびそれらのプロドラッグからなる群より選択され
得る。
【0053】1つの実施形態では、上記化合物は、タル
ニフルマート、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナ
ム酸、ベンドロフルメチアジド、N−(3−フルオロベ
ンジル)−3−アミノキノリン、それらの塩、それらの
誘導体およびそれらのプロドラッグからなる群より選択
され得る。
【0054】1つの実施形態では、上記組成物は、タル
ニフルマート、タルニフルマート誘導体、それらの塩ま
たはそれらのプロドラッグを含み得る。
【0055】1つの実施形態では、上記組成物は、N−
(3−フルオロベンジル)−3−アミノキノリン、その
塩、その誘導体およびそのプロドラッグを含み得る。
【0056】1つの実施形態では、上記組成物は、肺へ
の吸入送達のために処方されていてもよい。
【0057】1つの実施形態では、上記組成物は、経口
送達のために処方されていてもよい。
【0058】1つの実施形態では、上記組成物は、バイ
オアベイラビリティーを増加させるように処方されてい
てもよい。
【0059】1つの実施形態では、上記組成物は、微粉
化されていてもよい。
【0060】1つの実施形態では、上記組成物は、バイ
オアベイラビリティーを増加させるように処方されてい
てもよい。
【0061】1つの実施形態では、上記組成物は、微粉
化されていてもよい。
【0062】本発明の方法は、ムチンの産生によって特
徴付けられる慢性副鼻腔炎を有する被験体の処置方法で
あって、該被験体におけるムチンの合成またはレベルを
減少させる少なくとも1つの化合物を含む組成物の有効
量を該被験体に投与する工程を包含する。
【0063】1つの実施形態では、上記組成物は、タル
ニフルマートを含み得る。
【0064】本願発明は、ムチン合成を調節する方法、
および疾患(例えば、喘息および慢性気管支炎、炎症性
肺疾患、嚢胞性線維症ならびに急性または慢性の呼吸器
感染疾患を含む、慢性閉塞性肺疾患(COPD))に関
連したムチン過剰産生を制御する際の化合物の治療適用
に関する。
【0065】
【発明の実施の形態】(発明の要旨)本発明は、ムチン
糖タンパク質の合成および過剰産生を阻害する薬剤の発
見、ならびに慢性閉塞性肺障害および他の疾患における
粘液の病理的な過剰産生を処置するためのこれらの分子
を使用する方法に関する。
【0066】1つの局面では、本発明は、ムチンの産生
によって特徴付けられる呼吸器疾患を有する被験体を処
置する方法を提供し、この方法は、肺または胃腸管にお
けるムチンの合成またはレベルを減少させる少なくとも
1つの化合物を含む組成物の有効量をこの被験体に投与
する工程を包含する。いくつかの実施形態では、ムチン
合成は、塩素イオンチャネル依存性であり得る。いくつ
かの実施形態では、この化合物は、ICACC塩素イオ
ンチャネルを発現する細胞におけるムチン合成を減少さ
せる。いくつかの実施形態では、この化合物は、アント
ラニル酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−ニコチ
ン酸のアナログおよび誘導体、2−アミノ−フェニル酢
酸のアナログおよび誘導体、ベンドロフルメチアジド、
それらの塩およびそれらのプロドラッグからなる群より
選択される。いくつかの好ましい実施形態では、この化
合物は、タルニフルマート、フルフェナム酸、ニフルム
酸、メフェナム酸、それらの塩、それらの誘導体および
それらのプロドラッグからなる群より選択される。いく
つかの好ましい実施形態では、本発明の組成物は、タル
ニフルマート、タルニフルマート誘導体、それらの塩ま
たはそれらのプロドラッグを含む。
【0067】いくつかの実施形態では、本発明の組成物
は、肺または胃腸管におけるムチンの合成またはレベル
を減少させる少なくとも1つの化合物を含み得、ここ
で、この化合物は、キノリンまたはキノリン誘導体であ
る。いくつかの実施形態では、この化合物は、アミン基
を用いて、好ましくはキノリンの2位または3位で改変
されたキノリンであり得る。好ましい実施形態では、こ
の化合物は、環外窒素が1以上の部分を用いて改変され
た3−アミノ−キノリンであり得る。いくつかの実施形
態では、この環外アミン基は、芳香族部分を用いて改変
され得る。この芳香族部分は、改変されていても改変さ
れていなくてもよい。好ましい実施形態では、この芳香
族基は、1以上の置換基を用いて改変され得るベンジル
基である。適切な置換基としては、ハロゲンが挙げられ
るがこれらに限定されない。好ましい実施形態では、こ
の化合物は、N−(フルオロベンジル)−3−アミノ−
キノリン(図19)であり、好ましくは、このフッ素は
メタ位に存在する。
【0068】本発明の別の局面では、ムチン合成を減少
させる化合物はまた、酵素シクロオキシゲナーゼのイン
ヒビター(例えば、タルニフルマート)である。より好
ましい実施形態では、この化合物は、酵素シクロオキシ
ゲナーゼ−2の特異的インヒビターである。
【0069】別の実施形態では、本発明は、吸入によっ
て本発明の組成物を投与することによって、ムチンの産
生によって特徴付けられる呼吸器疾患を有する被験体を
処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、こ
の組成物は、液体の形態または粉末の形態である。いく
つかの実施形態では、この組成物は、エアゾール化され
ている。他の実施形態では、この組成物はさらに、少な
くとも1つの去痰薬、抗ヒスタミン薬、粘液溶解剤、抗
生物質または鬱血除去剤を含む。いくつかの実施形態で
は、この去痰薬は、グアイフェネシンである。本発明の
組成物は、少なくとも1つの安定剤、吸収増強剤または
矯味矯臭剤を含み得る。いくつかの好ましい実施形態で
は、この安定剤はシクロデキストランであり、そして/
またはこの吸収増強剤はキトサンである。
【0070】いくつかの好ましい実施形態では、本発明
の組成物および方法は、慢性閉塞性肺疾患(COP
D)、炎症性肺疾患、嚢胞性線維症および急性または慢
性の感染性疾患からなる群より選択される呼吸器疾患を
処置するために用いられ得る。これらの疾患のうちのい
ずれか1つの処置は、1以上の本発明の組成物を吸入に
よって投与することによって行われ得る。いくつかの実
施形態では、この組成物は、吸入によって肺へと投与さ
れる。好ましい実施形態では、本発明は、気腫、慢性気
管支炎および喘息からなる群より選択されるCOPDを
処置するための方法および材料を提供する。
【0071】別の好ましい実施形態では、本発明の組成
物および方法は、嚢胞性線維症の胃腸合併症(例えば、
吸収不良症候群、脂肪便および下痢)を処置するために
用いられ得る。この疾患の処置は、本発明の1以上の組
成物を経口投与することによって行われ得る。
【0072】別の実施形態では、本発明は、吸入送達の
ために処方された治療組成物を提供し、この組成物は、
タルニフルマート、フルフェナム酸、ニフルム酸、メフ
ェナム酸、それらの塩、それらの誘導体およびそれらの
プロドラッグからなる群より選択される少なくとも1つ
の化合物を、ムチンの産生またはレベルを減少させるの
に有効な量で含む。いくつかの好ましい実施形態では、
この組成物は、タルニフルマート、タルニフルマート誘
導体、それらの塩またはそれらのプロドラッグを含む。
いくつかの実施形態では、この組成物は、液体の形態ま
たは粉末の形態である。いくつかの実施形態では、この
組成物は、少なくとも1つの去痰薬、粘液溶解剤、抗生
物質、抗ヒスタミン薬または鬱血除去剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、この去痰薬は、グアイフェネ
シンである。
【0073】上記の薬剤に加えて、吸入のために処方さ
れた本発明の薬学的組成物は、少なくとも1つの安定
剤、吸収増強剤または矯味矯臭剤をさらに含み得る。い
くつかの実施形態では、この安定剤はシクロデキストラ
ンであり、そして/またはこの吸収増強剤はキトサンで
ある。
【0074】本発明はまた、上記のような治療組成物を
含む吸入デバイスを提供する。
【0075】(発明の詳細な説明)本発明は部分的に、
肺の非線毛性上皮細胞の活性化からもたらされる粘液過
剰産生が、MUC2およびMUC5ACを含むムチン遺
伝子の誘導によって引き起こされるという知見から誘導
される。従って、本発明の1つの局面は、上皮細胞活性
化の阻害である。AEC活性化のこの阻害は、ケモカイ
ン産生、気管支応答性およびムチン遺伝子発現をダウン
レギュレートする。それゆえ、ムチンの合成またはレベ
ルを減少させる分子は、本発明の一部である。
【0076】(ムチンの合成またはレベルを減少させる
薬剤)本明細書中に記載する場合、本発明の処方物およ
び組成物は、ムチンの合成もしくはレベルを減少させる
か、または何らかの方法でムチンの過剰産生を減少させ
る薬剤を含む。本明細書中で使用する場合、「減少させ
る」は、ムチンのレベル、活性化、機能、安定性または
合成のダウンレギュレーションと定義される。好ましい
薬剤は、ムチンの塩素イオンチャネル依存性のレベル、
活性化、機能、安定性または合成を減少させる。本明細
書中で使用される場合、「塩素イオンチャネル」とは、
ICACC塩素イオンチャネルおよびWO 99/44
620(これは、その全体が本明細書中に参考として援
用される)において言及された関連するチャネルをいう
がこれらに限定されない。これらの定義に入る薬剤は、
実施例に記載のアッセイにおけるスクリーニングによっ
てそれらの活性が同定され得るかまたは確認され得る。
例えば、実施例7および8に記載されるインビトロおよ
びインビボでのアッセイを用いて、薬剤の活性をスクリ
ーニング、同定または確認し得る。
【0077】ムチンの合成またはレベルを減少させる分
子としては、アントラニル酸(2−アミノ安息香酸)の
アナログおよび誘導体が挙げられる。いくつかの好まし
い実施形態では、この分子は、N−誘導体化アントラニ
ル酸であり得る。いくつかの実施形態では、アントラニ
ル酸のアミノ基は、1以上の基で改変され得る。いくつ
かの実施形態では、この基は、芳香族基であり得る。好
ましい実施形態では、この基は、トリフルオロメチル−
フェニル基(好ましくは3−トリフルオロメチル−フェ
ニル基)であり得、そしてムチンの合成またはレベルを
減少させる分子はフルフェナム酸である。別の好ましい
実施形態では、このアミノ基は、2,3−ジメチル−フ
ェニル基で誘導体化され得、そしてムチンの合成または
レベルを減少させる分子はメフェナム酸である。当業者
は、アントラニル酸の他のフェニル誘導体が本発明にお
いて用いられ得ることを認識する。他の好ましい実施形
態では、安息香酸の環は、1以上の置換基を含み得る。
好ましい実施形態では、安息香酸の環およびアミノ基の
両方が改変され得る。他の好ましい実施形態は、安息香
酸の環上の置換基および芳香族基がアミノ基に結合した
分子を含む。
【0078】いくつかの実施形態では、ムチンの合成を
減少させる分子は、2−アミノ−ニコチン酸のアナログ
および誘導体を含む。いくつかの実施形態では、環外ア
ミノ基は、1以上の基を含むように改変され得る。いく
つかの好ましい実施形態では、この環外アミン基は、全
ての芳香族基で改変され得る。適切な芳香族基として
は、以下が挙げられるがこれらに限定されない:フェニ
ル基、改変されたフェニル基、ベンジル基、改変された
ベンジル基など。好ましい実施形態では、この芳香族基
は3−トリフルオロメチル−フェニル基であり得、そし
て2−アミノ−ニコチン酸の誘導体はニフルム酸であ
る。
【0079】いくつかの実施形態では、ムチンの合成を
減少させる分子は、2−アミノ−フェニル酢酸のアナロ
グまたは誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、
このアミノ基は、1以上の基を含むように改変され得
る。いくつかの実施形態では、このアミノ基は、芳香族
基で改変され得る。適切な芳香族基としては以下が挙げ
られるがこれらに限定されない:フェニル基、改変され
たフェニル基、ベンジル基、改変されたベンジル基な
ど。好ましい実施形態では、2−アミノ−フェニル酢酸
は2,6−ジクロロフェニル基でN−改変され、そして
ムチンの合成またはレベルを減少させる分子はタルニフ
ルマートである。
【0080】いくつかの実施形態では、ムチンの合成ま
たはレベルを減少させる分子はベンドロフルメチアジド
であり得る。
【0081】本発明はまた、上記の、ムチンの合成また
はレベルを減少させる分子の1以上のプロドラッグの使
用を意図する。本明細書中で定義するように、プロドラ
ッグは、上記の形態以外の形態で投与され、そして被験
体の身体中で、記載された形態へと変換される分子であ
る。好ましいプロドラッグとしては、フェナメートのプ
ロドラッグが挙げられるがこれらに限定されない。いく
つかの好ましいプロドラッグは、ムチンの合成またはレ
ベルを減少させる酸の形態の分子のエステルである。好
ましいエステルとしては、NFAのエステル(例えば、
β−モルホリノエチルエステル、モルニフルメート(m
orniflumate)およびフタリジルエステル、
タルニフルマート)が挙げられるがこれらに限定されな
い。
【0082】(ムチンの産生を調節する薬剤についての
用途)実施例に提供するように、ムチンの発現を調節、
減少またはダウンレギュレートさせる薬剤を用いて、ム
チン産生に関連した、生物学的プロセスおよび病理プロ
セスを改変し得る。
【0083】出願人は、IL9がムチン遺伝子産物の発
現を選択的に誘導することを観察した。従って、IL9
(これは、多数の抗原誘発性応答に対して重要である)
についての多面的役割は部分的に、AECにおけるムチ
ンのアップレギュレーションに依存する。IL9の機能
が中和抗体処置によってダウンレギュレートされる場
合、動物は、肺における抗原誘発性応答から完全に防御
され得る。これらの応答としては、以下が挙げられる:
気管支反応性亢進、気管支洗浄液における好酸球増加お
よび細胞数上昇、血清IgEの上昇、炎症に関連した、
肺における組織学的変化、ならびに粘液の過剰産生に関
連した杯細胞および粘膜下腺細胞過形成。IL9のダウ
ンレギュレーションおよび喘息様応答は、ムチンのダウ
ンレギュレートされた発現に関連する(図10)。従っ
て、喘息の病因の基礎となり、そしてムチン産生をダウ
ンレギュレーションすることによって、この障害に関連
したアレルギー性炎症を特徴付ける、このような応答の
処置は、本発明の範囲内にある。
【0084】IL9トランスジェニックマウス気道の組
織学的分析は、非線毛化上皮細胞におけるムチン過剰産
生を示した(Temannら、1998;Louahe
dら、2000)。IL9トランスジェニックマウスの
肺におけるムチンの誘導は、IL9がこれらの細胞によ
る粘液産生を促進することを示唆する(図8を参照のこ
と)。MUC1、MUC2、MUC3、MUC4、MU
C5BおよびMUC5ACのmRNAを発現する、活性
化されたCaco2細胞が産生され、そしてムチン産生
のインヒビターについての試験のために用いられた。こ
れらの細胞は、過ヨウ素酸シッフ染色(PAS)を用い
てムチンについて染色され得る。図1Aに示すように、
処理されていない活性化されたCaco2細胞は、PA
S陽性ムチン糖結合体について強く染まる。コントロー
ルの細胞および活性化された細胞は、ニフルム酸(NF
A)または4,4’−ジイソチオシアノスチルベン−
2,2’−ジスルホン酸(DIDS)の存在下で培養さ
れた。インヒビターで処理した活性化された細胞のPA
S染色は、未処理細胞と比較して有意に少ない陽性染色
糖結合体を示した(図1Bと比較して図1D)。
【0085】ムチンダウンレギュレーションについての
治療の可能性が、喘息において同定された一方で、出願
人はまた、嚢胞性線維症におけるムチンのダウンレギュ
レーションについての治療の可能性を認めた。嚢胞性線
維症を有する患者は、濃い分泌物によって特徴付けられ
る肺疾患によって障害を受けている。これは、気道閉塞
および吸入された病原性微生物によるその後の集落形成
および感染を引き起こす(Engら、1996)。それ
ゆえ、出願人は、肺におけるムチン産生をダウンレギュ
レートすることによって嚢胞性線維症を処置するための
方法を提供する。
【0086】嚢胞性線維症におけるムチンの過剰産生は
また、消化酵素を消化管へと送達する膵管に存在して、
吸収不良症候群、脂肪便および下痢をもたらす。それゆ
え、出願人はまた、膵臓におけるムチン産生をダウンレ
ギュレートすることによって嚢胞性線維症を処置するた
めの方法を提供する。
【0087】出願人はまた、慢性気管支炎および気腫に
おけるムチンダウンレギュレーションについての治療の
可能性を同定した。慢性気管支炎および気腫を有する患
者は、濃い分泌物によって特徴付けられる肺疾患によっ
て妨げられている。これは、気道閉塞および吸入された
病原性微生物によるその後の集落形成および感染を引き
起こす(Engら、1996)。それゆえ、出願人は、
肺におけるムチン産生をダウンレギュレートすることに
よって慢性気管支炎および気腫を処置するための方法を
提供する。
【0088】本明細書中で使用する場合、哺乳動物がム
チン産生によって媒介される病理プロセスまたは生物学
的プロセスの調節を必要とする限り、被験体は、任意の
哺乳動物であり得る。用語「哺乳動物」は、哺乳綱に属
する個体を意味する。本発明はヒト被験体の処置におい
て特に有用である。
【0089】病理プロセスとは、有害な効果を生ずる生
物学的プロセスのカテゴリーをいう。例えば、本発明の
ムチンの過剰産生は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、
炎症性肺疾患、嚢胞性線維症ならびに急性または慢性の
感染性疾患を含む、呼吸器疾患に関連し得る。COPD
としては、気管支炎、喘息および気腫が挙げられるがこ
れらに限定されない。ムチンの過剰産生はまた、嚢胞性
線維症において存在する胃腸管疾患(例えば、吸収不良
症候群、脂肪便および下痢)に関連し得る。
【0090】本明細書中で使用される場合、薬剤が、病
理プロセスの程度または重篤度を減少させる場合、その
薬剤は、病理プロセスを調節すると言われる。例えば、
気道閉塞は、ムチンの合成、レベルおよび/または過剰
産生を何らかの方法で減少させるかまたは調節する薬剤
の投与によって、予防され得るか、または疾患の進行が
調節され得る。
【0091】(治療組成物)本発明の薬剤は、単独で提
供され得るか、または特定の病理プロセスを調節する他
の薬剤と組み合わせて提供され得る。例えば、本発明の
薬剤は、抗喘息剤と組み合わせて投与され得る。別の実
施形態では、薬剤は、去痰薬、粘液溶解剤、抗生物質、
抗ヒスタミン薬または鬱血除去薬と組み合わせて投与さ
れ得る。なお別の実施形態では、薬剤は、界面活性剤、
安定剤、吸収増強剤、βアドレナリン作用性レセプター
もしくはプリンレセプターのアゴニストまたは矯味矯臭
剤または組成物の嗜好性を増加させる他の薬剤とともに
投与され得る。一例として、本発明の組成物は、活性薬
剤に加えて、去痰薬(例えば、グアイフェネシン)、安
定剤(例えば、シクロデキストラン)および/または吸
収増強剤(例えば、キトサン)を含み得る。任意のこの
ような薬剤は、本発明の組成物において使用され得る。
【0092】本明細書中で使用される場合、2以上の薬
剤は、これらの薬剤が同時に投与されるかまたはこのよ
うな薬剤が同時に作用するような様式で独立して投与さ
れる場合、組み合わせて投与されるといわれる。
【0093】本発明の処置方法において用いられる化合
物は、処置されるべき条件、部位特異的処置の必要性、
投与されるべき薬物の量および同様の考慮すべき事柄の
ような考慮すべき事柄に依存して、全身的または局所的
に投与され得る。例えば、本発明の薬剤は、非経口経
路、皮下経路、静脈内経路、筋肉内経路、腹腔内経路、
経皮経路、局所経路または頬内経路を通して投与され得
る。あるいは、または同時に、投与は、経口経路もしく
は鼻腔内経路によって行われ得るか、または肺へと直接
的に行われ得る。好ましい実施形態では、本発明の化合
物は、吸入によって投与され得る。吸入治療のために
は、この化合物は、液体エアゾール、計量用量吸入器に
よる投与に有用な溶液、または乾燥粉末吸入器に適切な
形態であり得る。投与される投薬量(dosage)
は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、同時に
行われる処置の種類(存在する場合)、処置の頻度、お
よび所望される効果の性質に依存する。
【0094】いくつかの好ましい実施形態では、本発明
の薬剤は、エアゾールとして処方され得る。薬学的エア
ゾールの処方は、当業者には慣用である。例えば、Sc
iarra,J.、Remington:The Sc
ience and Practice of Pha
rmacy 第19版、第95章、Mack Publ
ishing Company、Easton、PAを
参照のこと。この薬剤は、乾燥粉末、エマルジョンまた
は半固体調製物の溶液のエアゾール、分散物または懸濁
物のエアゾールとして処方され得る。このエアゾール
は、当業者に公知の任意のプロペラント系を用いて送達
され得る。このエアゾールは、例えば、鼻腔内吸入によ
り、上気道に、または下気道に、あるいはその両方に適
用され得る。
【0095】本発明の他の好ましい実施形態では、この
治療薬剤は、粒子へと処方されてまたは微粉化されて、
バイオアベイラビリティーおよび消化吸収を改善し得
る。特に、タルニフルマートは、当該分野で標準的な技
術を用いて処方および微粉化され得る。このような方法
としては、Chaumeil,J.C.ら、Metho
ds Find.Exp.Clin.Pharmaco
l.20(3):211−215(1998)に記載さ
れた方法が挙げられる。このプロセスにおいて、本発明
のタルニフルマートまたは他の薬剤の粉砕は、慣習的な
種類のボールミルまたはハンマーミル中で行われ得る。
これらの手順はまた、微粉化される物質を加熱しないと
いう利点を有するガスジェットミクロナイザー(gas
eousjet micronizer)中での微粉化
によって行われ得る。
【0096】他の実施形態において、任意の一般的な局
所的処方物(例えば、溶液、懸濁物、ゲル、軟膏(oi
ntment)もしくは軟膏(salve)など)が用
いられ得る。このような局所処方物の調製は、例えば、
Remington’s Pharmaceutica
l Sciencesによって例示されるように、薬学
的処方物の分野において充分に記載されている。局所適
用のためには、これらの化合物はまた、粉末またはスプ
レーとして、特にエアゾール形態で投与され得る。その
活性成分は、全身投与に適合させた薬学的組成物中で投
与され得る。公知のとおり、薬物が全身投与される場合
には、薬物は、経口投与のための散剤、丸剤、錠剤など
として、またはシロップ剤もしくはエリキシル剤とし
て、調製され得る。静脈内、腹腔内または病巣内(in
tra−lesional)投与のためには、この化合
物は、注射により投与され得る溶液または懸濁物として
調製される。特定の場合には、これらの化合物を坐剤形
態で、または皮膚下貯蔵(deposit under
the skin)のための長期放出処方物または筋
肉内注射として処方することが有用であり得る。
【0097】これらに含まれる組成物または薬剤の有効
量は、ムチンの活性化、機能、安定性または合成を減
少、低下またはダウンレギュレートする量である。好ま
しい組成物または薬剤は、ICACC塩素イオンチャネ
ル依存性のムチンの活性化、機能、安定性または合成を
含む、塩素イオンチャネル依存性のムチンの活性化、機
能、安定性または合成を減少、低下、もしくはダウンレ
ギュレートする。所定の有効量は、状態によって変化
し、そして特定の場合では、処置される状態の重篤度お
よび患者の処置への感受性により変化し得る。従って、
所定の有効量は、慣用的な実験によりその時点および場
所について最良に決定される。しかし、本発明による慢
性閉塞性肺障害の処置において、0.001重量パーセ
ントと5重量パーセントとの間、好ましくは約0.01
〜1%を含む処方物が、通常、治療有効量を構成するこ
とが予想される。全身投与される場合、大部分の場合、
1日あたり体重1kgあたり0.01mgと100mg
との間の量、しかし好ましくは約0.1〜10mg/k
g/日が、治療結果を達成する。
【0098】吸入により投与される場合、大部分の場
合、1日あたり体重1kgあたり0.01mgと100
mgとの間の量、しかし好ましくは約0.10〜10m
g/kg/日が、治療結果を達成する。いくつかの例で
は、計量用量エアゾール単位は、約0.8mgの本発明
の化合物(例えば、タルニフルマート)を含む。この処
方では、成体のための維持用量は、約2回の吸入(約
1.6mg)を1日2回(約3.2mg)である。
【0099】本発明はまた、本発明の化合物を薬学的に
受容可能なキャリアとともに含む薬学的組成物を含む。
薬学的に受容可能なキャリアは、無菌の溶液(例えば、
水および油)であり得る。このような油としては、石
油、動物、植物または合成の起源の油(例えば、ラッカ
セイ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油など)が挙げられる。
水は、薬学的組成物が静脈内にまたは吸入によって投与
される場合、好ましいキャリアである。生理食塩水また
はリン酸緩衝化生理食塩水はまた、キャリアとして特に
エアゾールによる吸入のために用いられ得る。乳酸加生
理食塩水溶液ならびにデキストロースおよびグリセロー
ルの水溶液もまた、液体キャリアとして、特に注射可能
溶液のために用いられ得る。適切な薬学的キャリアは、
Remington’s Pharmaceutica
l Sciences、MackPublishing
Company、1995に記載される。
【0100】薬理学的に活性な薬剤に加えて、本発明の
組成物は、作用部位への送達のために薬学的に用いられ
得る調製物への活性化合物の加工を促進する賦形剤およ
び補助物質を含む、適切な薬学的に受容可能なキャリア
を含み得る。非経口投与のために適切な処方物として
は、水溶性形態(例えば、水溶性塩)の活性化合物の水
溶液が挙げられる。さらに、適切な油状注射懸濁物とし
ての活性化合物の懸濁物が投与され得る。適切な親油性
溶媒またはビヒクルとしては、脂肪油(例えば、ゴマ
油)または合成脂肪酸エステル(例えば、オレイン酸エ
チルもしくはトリグリセリド)が挙げられる。水性注射
懸濁物は、懸濁物の粘度を増加させる物質(例えば、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールお
よび/またはデキストランが挙げられる)を含み得る。
必要に応じて、懸濁物はまた、上記の通りの安定剤を含
み得る。リポソームもまた、細胞への送達のために薬剤
をカプセル化するために用いられ得る。
【0101】上記で議論した通り、本発明による、全身
投与のための薬学的処方物は、腸内、非経口または局所
での投与のために処方され得る。実際、3つ全ての型の
処方物は、同時に用いて、活性成分の全身投与を達成し
得る。
【0102】経口投与のために適切な処方物としては、
硬質または軟質のカプセル剤、丸剤、錠剤(コーティン
グされた錠剤を含む)、エリキシル剤、懸濁剤、シロッ
プ剤または吸入剤およびそれらの制御放出形態が挙げら
れる。経口吸入または鼻腔内吸入のために適切な処方物
としては、当該分野で周知の賦形剤を含むかまたは含ま
ない、水溶液が挙げられる。
【0103】本発明の治療的または薬学的な組成物また
は処方物は、この組成物または処方物が、気管支分泌物
が濃くなること、刺激された気道膜が粘液の流れの増加
を通して滑らかになることならびに/または粘着性の濃
縮した粘液の産生の減少およびその除去を促進すること
によって、下気道排液を促進する能力について扱う説明
書またはラベルを伴って、容器、バイアル、吸入デバイ
スなどの中に充填され得る。このラベルまたは説明書は
また、指標および使用法(例えば、本明細書中に記載さ
れるような種々の状態の症状の軽減の維持)を扱い得
る。このような状態としては、中程度から重度の喘息、
慢性気管支炎、嚢胞性線維症、上気道および下気道の感
染および気道または身体の他の場所における粘着性の粘
液の存続を伴う他の状態が挙げられるがこれらに限定さ
れない。
【0104】本発明のデバイスは、1以上の治療組成物
を上気道および/または下気道へと導入することに適応
させた任意のデバイスであり得る。いくつかの好ましい
実施形態では、本発明のデバイスは、計量用量吸入器で
あり得る。このデバイスは、本発明の治療組成物を、細
かく分散された霧状の液体、発泡物または粉末の形態で
送達するために適合され得る。このデバイスは、ポン
プ、液化ガス、圧縮ガスなどを含むがこれらに限定され
ない、当業者に公知の任意のプロペラント系を用い得
る。本発明のデバイスは代表的に、治療組成物の流れが
移動する1以上のバルブおよびこの流れを制御するため
のアクチュエータを備える容器を含む。本発明における
使用のために適切なデバイスは、例えば、Reming
ton:The Science and Pract
ice of Pharmacy、第19版、第95
章、1676−1692頁、Mack Publish
ingCo.、Easton PA 1995において
見出され得る。
【0105】本発明の実施では、当業者の通常の技術範
囲内である、分子生物学、薬理学、免疫学および生化学
の従来の用語および技術を用い得る。例えば、Samb
rookら、Molecular Cloning:A
Laboratory Manual、第2版、Co
ld Spring Harbor Laborato
ry Press、1985を参照のこと。
【0106】さらに説明することなしに、当業者は、前
述の記載および以下の例示的な実施例を用いて、本発明
の化合物を作製および利用し得、そして本願方法を実施
し得ると考えられる。それゆえ、以下の実施例は、本発
明の好ましい実施形態を具体的に指摘する。そして、以
下の実施例は、残りの部分の開示を制限するとは決して
解釈されるべきでない。
【0107】
【実施例】(実施例1:NFAは、ムチンを過剰産生す
るように活性化されたCaco2細胞によるムチン産生
を阻害する)MUC1、MUC2、MUC3、MUC
4、MUC5BおよびMUC5ACのmRNAを発現す
る活性化されたCaco2細胞を作製し、そしてこれを
用いてムチン産生のインヒビターについて試験した。こ
れらの細胞は、ムチンについて過ヨウ素酸シッフ染色
(PAS)を用いて染色され得る。図1に示すように、
Caco2コントロール細胞は、いくつかの小さな糖結
合体小胞が散在した基本的なPAS染色を提示した(パ
ネルA)とはいえ、Caco2細胞の活性化は、PAS
陽性ムチン糖結合体の数および強度を劇的に増加させた
(パネルB)。この活性化されたCaco2細胞を、ニ
フルム酸(NFA)または4,4’−ジイソチオシアノ
スチルベン−2,2’−ジスルホン酸(DIDS)の存
在下で培養した。示した濃度(NFAについては100
μm、そしてDIDSについては300μm)、インヒ
ビターで処理された活性化されたCaco2細胞のPA
S染色は、未処理の細胞と比較して有意に少ない陽性染
色ムチン糖結合体を示した(図1Bと比較して図1
D)。さらに、コントロール細胞において見られたわず
かな染色もまた阻害された(図1Aと比較して図1
C)。活性化されたCaco2細胞によるムチン産生も
また、フルフェナメート(FFA)、トルフェナメート
(TFLA)のような他のフェナメートによって阻害さ
れ得、そしてメフェナメート(MFA)およびメクロフ
ェナメート(MLFA)によって部分的に阻害され得た
(図2)。関連する化合物であるナプロキセン(MMN
A)およびスリンダクは無効であった。NFA処理細胞
におけるこの減少したムチン産生は、この細胞の生理学
的条件の劇的な変化には起因しなかった。なぜなら、こ
れらの細胞の生存率は、さらに高い濃度のNFAによっ
て影響されなかったからである(図3)。総合すると、
この結果は、これらの薬物が上皮の活性化を阻害するこ
とと一致する。さらに、この結果は、複数の慢性閉塞性
肺障害の特徴である粘液の過剰産生に対するNFAおよ
びそのアナログ(図11に示すフェニルアントラニル酸
誘導体)、DIDSおよびSIDSの直接的な効果を明
らかに実証する。
【0108】(実施例2:NFAは、ムチンを過剰産生
するように活性化されたCaco2細胞によるエオタキ
シン産生を阻害する)エオタキシンを発現および分泌す
る活性化されたLHL4細胞が産生され、そしてこの細
胞を用いて、エオタキシン産生のインヒビターについて
試験した。これらの細胞を、当該分野で周知のELIS
A技術(R&D Systems)によってエオタキシ
ンについてインビトロでアッセイした。図4に示すよう
に、活性化されたLHL4細胞を、ニフルム酸(NF
A)の非存在下(コントロール)または漸増濃度のニフ
ルム酸の存在下で培養した。エオタキシン産生の顕著な
阻害が、漸増濃度のNFAについて注目された。同様の
阻害は、同一の実験においてDIDSおよびSIDSに
ついて見られた。Mad/C3細胞は、NFA、DID
SおよびSIDSによるエオタキシン産生の類似の阻害
を示す。まとめると、これらの結果は明らかに、エオタ
キシン産生に対するNFAの直接的な効果を実証する。
【0109】(実施例3:NFAによる、喘息のマウス
モデルにおけるムチン過剰産生の阻害)以下の系統(D
BA、C57B6およびB6D2F1)の保証されたウ
イルスフリーの雄性および雌性のマウスを、Natio
nal Cancer InstituteまたはJa
ckson Laboratories(Bar Ha
rbor ME)から購入した。IL−9トランスジェ
ニックマウス(Tg5)およびそれらの親系統(FV
B)を、Ludwig Institute(Brus
sels、Belgium)から入手した。動物を、高
い効率の粒子濾過空気施設で飼育し、そして実験操作の
前に3日間〜7日間にわたって食物および水を自由に摂
らせた。この動物施設を22℃に維持し、そして明暗周
期を自動的に制御した(10時間:14時間の明:
暗)。
【0110】(表現型分類および前処理の効力)動物
は、気管支反応性亢進、気管支肺胞洗浄液の組成、ムチ
ン産生および血清IgEに対する前処理の効果を評価す
るために、前処理を受けなかったかまたはAsperg
illus fumigatus抗原の鼻腔内呼吸によ
って感作されたかのいずれかであった。マウスに、As
pergillusまたは生理食塩水を鼻腔内抗原投与
(challenge)し(0日目、7日目、14日
目、21日目および22日目)、そして最後の用量の2
4時間後に表現型分類(phenotype)した。感
作したマウスを、0〜21日目にPBSまたは100μ
gのNFAのいずれかで、気管内点滴注入(IT)によ
って処置した。肺における粘液産生およびムチン発現の
阻害を用いて、NFAの処置効果を評価したか、または
これを用いて、他の薬物候補の処置効果を評価し得る。
気管支収縮応答を決定するために、薬物への曝露の前お
よび曝露の間に呼吸器系の圧力を気管で測定し、そして
記録した。以前に記載されたように、マウスに麻酔を
し、そして器具を取り付けた(Levittら、198
8;LevittおよびMitzner、1989;K
leebergerら、1990;Levitt、19
91;LevittおよびEwart、1995;Ew
artら、1995)。気道応答性を、以下のうちの1
以上について測定する:5−ヒドロキシトリプタミン、
アセチルコリン、アトラクリウムまたはサブスタンスP
アナログ。気管支収縮抗原投与後のピーク吸息圧におけ
る変化の単純かつ反復可能な測定を用いた。これを、気
道圧力時間指数(Airway Pressure T
ime Index;APTI)(Levittら、1
988;LevittおよびMitzner、198
9)と呼んだ。APTIを、注射時点から、ピーク圧力
がベースラインまたはプラトーに戻るまで積算されたピ
ーク吸息圧における変化によって評価した。APTI
は、気道抵抗に匹敵した。しかし、APTIは、気管支
収縮からの回復に関連するさらなる成分を含む。
【0111】屠殺の前に、全血を、麻酔した動物の下大
静脈の針穿刺によって血清IgE測定のために収集し
た。サンプルを遠心分離して細胞を分離し、そして血清
を収集し、この血清を用いて総IgEレベルを測定し
た。すぐに測定しないサンプルを、−20℃にて凍結さ
せた。
【0112】全てのIgE血清サンプルを、ELISA
抗体サンドイッチアッセイを用いて測定した。マイクロ
タイタープレートを、アジ化ナトリウムを含む炭酸ナト
リウム−重炭酸ナトリウムのコーティング緩衝液中2.
5μg/mlの濃度のラット抗マウスIgE抗体(So
uthern Biotechnology)で1ウェ
ルあたり50μlでコーティングした。プレートを、プ
ラスチックラップで覆い、そして4℃にて16時間イン
キュベートした。このプレートを、1回の洗浄につき5
分間インキュベートして、リン酸緩衝化生理食塩水中
0.05% Tween−20の洗浄緩衝液で3回洗浄
した。非特異的結合部位のブロッキングを、リン酸緩衝
化生理食塩水中5%ウシ血清アルブミンを1ウェルあた
り200μl添加し、プラスチックラップで覆い、そし
て37℃にて2時間インキュベートすることによって達
成した。洗浄緩衝液で3回洗浄した後、2連の50μl
の試験サンプルを各ウェルに添加した。試験サンプル
を、洗浄緩衝液中の5%ウシ血清アルブミンで1:1
0、1:50および1:100に希釈した後でアッセイ
した。試験サンプルに加えて、洗浄緩衝液中の5%ウシ
血清アルブミン中の0.8ng/ml〜200ng/m
lの濃度のIgE標準(PharMingen)のセッ
トをアッセイして、標準曲線を作成した。サンプルも標
準もないブランクを用いて、プレートリーダーを0にし
た(バックグラウンド)。サンプルおよび標準を加えた
後、プレートをプラスチックラップで覆い、そして室温
にて2時間インキュベートした。洗浄緩衝液で3回洗浄
した後、50μlの二次抗体ラット抗マウスIgE−西
洋ワサビペルオキシダーゼ結合体を、洗浄緩衝液中の5
%ウシ血清アルブミン中250ng/mlの濃度で添加
した。このプレートをプラスチックラップで覆い、そし
て室温にて2時間インキュベートした。洗浄緩衝液で3
回洗浄した後、0.1Mクエン酸緩衝液中の基質0.5
mg/ml o−フェニレンジアミン100μlを全て
のウェルに添加した。5〜10分後、この反応を50μ
lの12.5%硫酸で停止させ、そして吸光度をMR5
000プレートリーダー(Dynatech)で490
nmにて測定した。標準曲線を、X軸を抗原濃度(対数
目盛)およびY軸を吸光度(一様目盛)にして標準Ig
E濃度から作成した。サンプル中のIgEの濃度を、標
準曲線から外挿した。
【0113】気管支肺胞洗浄(BAL)および細胞分析
を、以前に記載された(Kleebergerら、19
90)ように行った。肺の組織学を、肺にインサイチュ
で固定液を満たし、そしてホルマリンを入れた後、また
は、抽出し、そして液体窒素中で直ちに凍結した後のい
ずれかの後に行った。先の器具使用がアーチファクトを
導入し得ることから、別々の動物をこれらの研究に用い
た。従って、小さな群の動物を、これらの動物を気管支
応答性試験以外の他の試験に用いないこと以外は種々の
前処置を受けたコホートと正確に同じに並行して処置し
た。気管支応答性試験の後、肺を取り出し、そして上記
の通りに液体窒素に浸漬した。凍結切片化、染色および
組織学的検査を、当業者に明らかな様式で実施した。
【0114】NFAは、上皮細胞活性化をブロックし、
そしてインビトロでのムチンおよびエオタキシンの産生
をダウンレギュレートする。NFAを治療的に用いて、
抗原誘発性ムチン産生、気管支応答性、血清IgEおよ
びマウスにおいてBALによって評価した場合の気道炎
症に対するインビボでの上皮細胞活性化の重要性を評価
した。ビヒクル処置をした一致するコントロールと比較
した、気道応答性、BAL、粘液産生および血清IgE
レベルに対するNFA処置の効果を決定した。図5およ
び図6は、NFAが、気道反応性亢進およびBAL肺好
酸球増加をそれぞれ抑制し得るが、血清IgEレベルに
対しては何の効果もないことを示す。さらに、NFAは
また、抗原に対する曝露によって引き起こされる肺にお
ける粘液の過剰産生を抑制し得る(図7)。
【0115】(実施例4:トランスジェニックマウスに
おけるIL9による上皮活性化は、粘液過剰産生および
ムチン遺伝子のアップレギュレーションを生じる。薬物
スクリーニングについてのモデル)5〜6週齢の保証さ
れたウイルスフリーの雄性および雌性のIL9トランス
ジェニックマウス(IL9TG5−FVB/N)を、本
発明者らの研究室で交配させた。5〜6週齢の雄性およ
び雌性のFVB/Nマウスを、Jackson Lab
oratories(Bar Harbor ME)か
ら購入した。動物を、高い効率の粒子濾過空気施設で飼
育し、そして実験操作の前に3日間〜7日間にわたって
食物および水を自由に摂らせた。この動物施設を22℃
に維持し、そして明暗周期を自動的に制御した(10時
間:14時間の明:暗)。
【0116】(表現型分類および処置の効力)動物を、
未刺激、または気管内(IT)偽(ビヒクル)処置を受
けてから24時間後、同一に処置したコントロールで用
いたビヒクルと同じビヒクル中での薬物を受けてから2
4時間後に表現型分類した。マウスを、ITで一日1
回、3日間にわたって処置した。NFA(100μg)
またはIL−9に対する抗体を、PBS中でITで投与
した。処置応答を、組織学的検査(処置肺およびコント
ロール肺の全体についての10を超える切片のPAS染
色または同じ肺からのMUC1、MUC2およびMUC
3の発現のウェスタンブロット)によるムチン阻害の評
価によって測定した。図8は、IL−9トランスジェニ
ックマウスが、コントロールのFVBマウスと比較して
ムチンを構成的に過剰産生することを示す。喘息性IL
9トランスジェニックにおいて生じる高レベルの構成性
ムチン産生(図8)(未刺激およびビヒクルコントロー
ル)から、FVB/N肺(正常な陽性コントロール)に
おいて見出されるずっと低いベースラインのムチン産生
に匹敵するレベルへの減少を、任意の薬物について有意
であるとみなした。IL9トランスジェニックにおける
粘液産生のアップレギュレーションは、RT−PCRに
よって示されるようなMUC2およびMUC5ACの増
加した定常mRNAレベルに特異的に関連する(図
9)。
【0117】中和IL−9抗体は、IL9トランスジェ
ニック肺においてムチン産生の有意な減少を生じること
が示された(図10)。NFAはまた、このモデルにお
けるムチン産生を減少させた。
【0118】(実施例5:タルニフルマートによる喘息
のマウスモデルにおけるムチン過剰産生の阻害)5〜6
週齢の保証されたウイルスフリーの雄性のB6D2F1
マウスを、Jackson Laboratories
(Bar Harbor ME)から購入した。動物
を、高い効率の粒子濾過空気施設で飼育し、そして実験
操作の前に5日間〜7日間にわたって食物および水を自
由に摂らせた。この動物施設を22℃に維持し、そして
明暗周期を自動的に制御した(12時間:12時間の
明:暗)。
【0119】(表現型分類および処置の効力)動物に、
タルニフルマートを含むマウス用餌または通常のマウス
用餌のいずれかを自由に給餌した。動物は、気管支反応
性亢進、気管支肺胞洗浄液の組成、ムチン産生および血
清IgEに対する前処置の効果を評価するために、感作
を受けなかったかまたはAspergillus fu
migatus抗原の鼻腔内吸入によって感作されたか
のいずれかであった。マウスに、Aspergillu
sを鼻腔内抗原投与し(0日目、7日目、16日目およ
び17日目)、そして最後の用量の24時間後に表現型
を決定した。肺における粘液産生の阻害を用いて、タル
ニフルマートの処置効果を評価したか、またはこの阻害
を用いて、他の薬物候補の処置効果を評価し得る。気管
支収縮応答を決定するために、薬物への曝露の前および
曝露の間に呼吸器系の圧力を気管で測定し、そして記録
した。以前に記載されたように、マウスに麻酔をし、そ
して器具を取り付けた(Levittら、1988;L
evittおよびMitzner、1989;Klee
bergerら、1990;Levitt、1991;
LevittおよびEwart、1995;Ewart
ら、1995)。気道応答性を、以下のうちの1以上に
ついて測定する:5−ヒドロキシトリプタミン、アセチ
ルコリン、アトラクリウムまたはサブスタンスPアナロ
グ。気管支収縮抗原投与後のピーク吸息圧における変化
の単純かつ反復可能な測定を用いた。これを、気道圧力
時間指数(APTI)(Levittら、1988;L
evittおよびMitzner、1989)と呼ん
だ。APTIを、注射時点から、ピーク圧力がベースラ
インまたはプラトーに戻るまで積算されたピーク吸息圧
における変化によって評価した。APTIは、気道抵抗
に匹敵した。しかし、APTIは、気管支収縮からの回
復に関連するさらなる成分を含む。気管支肺胞洗浄(B
AL)および細胞分析を、以前に記載された(Kiee
bergerら、1990)通りに行った。肺の組織学
を、肺を採取し、そして液体窒素中で直ちに凍結した後
に実施した。気管支応答性試験の後、肺を取り出し、そ
して上記の通りに液体窒素に浸漬した。凍結切片化、染
色および組織学的検査を、当業者に明らかな様式で実施
した。
【0120】処置応答を、組織学的検査(処置肺および
コントロール肺のPAS染色)によるムチン阻害の評価
によって測定した。
【0121】タルニフルマートでの経口処置は、ムチン
染色を減少させた。図15Aは、通常のマウス用餌を給
餌したAsp−sensマウスから得られたマウス肺に
おけるPAS染色を示す。図15Bは、タルニフルマー
トを含む餌を給餌したAsp−sensマウスから得ら
れた結果を示す。図16は、タルニフルマートでコーテ
ィングされたマウス用餌を給餌した結果を、気管支肺胞
洗浄によって決定した肺好酸球増加について示す。タル
ニフルマートは、Aspergillus fumig
atusに感作させたマウスから得られる好酸球細胞の
数を、標準的なマウス用餌を給餌した感作したマウスと
比較して減少させた。
【0122】(実施例6:上皮細胞株におけるICAC
C−1の過剰発現は、ムチン産生を増強する)NCI−
H292細胞(ヒト肺粘液性類表皮癌細胞株)を、Am
ericanType Culture Collec
tion(Manassas VA)から購入し、そし
て10% FBSおよび1% ペニシリン/ストレプト
マイシン(Gibco/BRL)を補充したRPMI1
640培地中で培養した。加湿し、5% CO2を補充
した空気含有インキュベーター中で37℃にてこの細胞
を増殖させた。hICACC−Iを過剰発現する安定な
NCI−H292細胞株を、製造業者の指示書(Boe
hringer−Mannheim)に従ってFuji
n Transfectionキットを用いたpcDN
A3−hICACC−1のトランスフェクションによっ
て樹立した。同じ手順を用いたNCI−H292細胞株
へのpcDNA3(ctl)のトランスフェクションに
よってコントロール細胞株NCI−H292/ctlを
産生した。hICACC−1遺伝子の発現は、ノーザン
分析によってpcDNA3−hICACC−1トランス
フェクタントについて確認された。
【0123】s−ELLA(特異的酵素結合レクチンア
ッセイ)のために、細胞を24ウェル組織培養プレート
にプレーティングし、そして72時間インキュベートし
てコンフルエントにした。上清を、1μg/mlの抗M
UC5A/C抗体(Newmarker、Fremon
t CA)で予めコーティングしかつ1% BSAでブ
ロックした96ウェルプレート中に移した。次いで、抗
体が結合したMUC5A/Cを、HRP−レクチン(S
igma)を用いて検出した。
【0124】RT−PCRのために、総RNAを、製造
業者のプロトコルに従ってTRIzol試薬(Gibc
o/BRL)を用いて細胞株から単離した。RT−PC
Rを、1μgの総RNAを逆転写し、そして適切なプラ
イマーを用いてPCRによってcDNAを増幅すること
によって行った。産物を、2%アガロースゲルでの電気
泳動によって分離し、そして臭化エチジウム染色によっ
て可視化した。ヒトICACC−1メッセージを作製す
るために用いたプライマー対は以下の通りであった:セ
ンス5’−GGCACAGATCTTTTCATTGC
TA−3’およびアンチセンス5’−GTGAATGC
CAGGAATGGTGCT−3’(これらは、182
bpの産物を産生する)。ムチンのメッセージを作成す
るために用いられたプライマー対を表1に列挙する。
【0125】
【表1】
【0126】NCI−H292細胞はMUC1を構成的
に発現し、一方、MUC2およびMUC5A/C mR
NA発現は、ベースラインでは検出レベル未満である。
図12Aは、pcDNA3−hICACC−1でトラン
スフェクトされた細胞のノーザンブロット分析の結果を
示し、これは、ICACC mRNAについての発現レ
ベルの増加を示す。ICACC−1を過剰発現するクロ
ーンからの細胞全体の溶解産物のウェスタンブロット分
析は、MUC2タンパク質産生の増強を示した(図12
B)。MUC5A/C発現は、ICACC−1を過剰発
現する細胞において有意に増加し、一方、MUC1は、
RT−PCR分析において変化しなかった(図12
C)。特異的ELLA分析はまた、トランスフェクトし
ていないNCI−H292細胞または空のベクターでト
ランスフェクトした細胞と比較して、ICACC−Iを
発現するクローンにおいてMUC5A/Cタンパク質の
過剰産生を示した(図12D)。
【0127】(実施例7:hICACC−1を過剰発現
するNCI−H292細胞における粘液過剰産生および
MUC 5A/C発現の阻害)粘液糖結合体産生の決定
のために、NCI−H292/ctlおよびNCI−H
292/hICACC−1(AAF 15)細胞を、2
4ウェルプレート中で3日間にわたって培養した。次い
で、細胞をホルマリンで固定し、そして粘液糖結合体を
AB/PAS染色(Sigma)によって可視化した。
NCI−H292コントロール細胞は、いくつかの散在
した顆粒を伴って基本的PAS染色を提示した(図13
A)が、ICACC−1の過剰発現は、PAS陽性粘液
糖結合体の数および強度を劇的に増加させた(図13
B)。塩素イオンチャネル遮断研究のために、細胞を、
100μM濃度のニフルム酸(NFA)(Sigm
a)、125μMもしくは250μMのメフェナム酸
(MFA)または12.5μM、25μMもしくは50
μMのタルニフルマートの存在下で、または培地単独で
培養した。NFA、MFAまたはタルニフルマートで処
理した細胞のPAS染色は、未処理の細胞と比較して有
意に少ない陽性染色粘液糖結合体を示した(図13Cお
よび図13Dならびに図14の挿入図)。インヒビター
で処理したコントロール細胞のPAS染色は、未処理の
細胞との相違を実質的に全く示さなかった(図13Aお
よび図13C)。
【0128】タルニフルマート(図14)、ニメスリド
(図17)およびMSI−2079(図18、MSI−
2079の構造を図19に示す)についてのIC50
を、hCLCA1を発現するH292細胞におけるMU
C5A/C分泌の阻害に基づいて決定した。コンフルエ
ントな細胞を、このインヒビターで、OPTI MEM
中で0μM〜250μMの濃度で処理した。分泌された
MUC5A/Cは、実施例5に記載される通りのELL
Aアッセイによってこのインヒビターの添加の48時間
後に検出された。IC50値を、データ分析ソフトウェア
GraphPadPrismを用いて決定した。図14
の挿入図は、PAS染色によって検出された、タルニフ
ルマート処理に応答した細胞内ムチンレベルを示す。
【0129】(実施例8:CFアッセイにおけるタルニ
フルマートおよびアナログの効果)CFマウス(CFノ
ックアウトマウスおよびCF ΔF508マウスの両
方)は、機能的なCFTRタンパク質を発現しない。こ
れらのCFマウスを、離乳させ、そして浸透圧剤を投与
して生存させた。離乳の2週間以内に、浸透圧剤処置を
中断し、そしてこのマウスに、タルニフルマートを含む
餌またはコントロールの餌のいずれかを摂らせた。コン
トロールの餌を消費するCFマウスは、浸透圧剤の7日
以内に10〜15%体重が減少し、そして死亡した(C
Fノックアウト)かまたは動物の瀕死の状態に起因して
安楽死させた(CF ΔF508)。対照的に、タルニ
フルマート(経口で100mg/kgのおよその用量)
を消費したCFマウスは、8〜12%体重が増加し、そ
して少なくとも26日間生存し、この時点で、これらの
マウスを屠殺して組織病理を評価した(図20を参照の
こと)。
【0130】ムチン産生に対するタルニフルマート誘導
体の効果をまた、上記の方法において記載されるように
ELLAおよびIC50(表2)における変化についてア
ッセイした。
【0131】
【表2】
【0132】タルニフルマートの所望のアナログ(図2
1を参照のこと)を、以下に記載の反応スキームを介し
て合成した。ジメチルメチルホスホネートのアニオン
を、テトラヒドロフラン中で−78℃にてこのホスホネ
ートへブチルリチウムを添加することによって作製し
た。ニフルム酸メチルエステル(1[表2における対応
する化合物番号を参照のこと])を、ホスホネートカル
ボアニオンのこの溶液へと添加して、β−ケトホスホネ
ート(2)を生成した。次の反応工程では、(2)のホ
スホネートカルボアニオンを、テトラヒドロフラン中で
の(2)の溶液への、塩基であるナトリウム第三ブトキ
シド(sodium tertbutoxide)の添
加によって生成する。安息香酸2−カルボキシアルデヒ
ド(2−carboxaldehyde)のベンジルエ
ステルを、ホスホネートカルボアニオンを含む反応容器
に添加して、α,β不飽和ケトン(3)を生成した。ギ
酸および炭素担持Pd触媒を用いた(3)の交換水素化
は、2つの生成物を生じた。主要な生成物は所望のラク
トン(4)であり、そしてより少ない量は還元生成物
(5)である。
【0133】(実施例9:COPDアッセイにおけるタ
ルニフルマートの効果)MUC2転写を、Liら(19
98)Proc.Natl.Acad.Sci.、US
A、第95巻、5718−5723頁に記載される通り
にモニタリングした。手短に述べると、上皮細胞株を、
ルシフェラーゼレポーター遺伝子の上流にクローニング
された、MUC2遺伝子由来のプロモーター領域を含む
レポーター構築物でトランスフェクトした。トランスフ
ェクトされた細胞を、無血清培地(SFM)単独で、ま
たは示すように、S.aureus細菌由来のリポテイ
コ酸(LTA)、アデノシン(aden)もしくはタル
ニフルマート(MSI)を含む無血清培地で処理した。
次いで細胞を溶解させ、そして溶解産物中のルシフェラ
ーゼ酵素活性を測定した(RLU)。タルニフルマート
は、MUC2のリポテイコ酸誘導を調節した(図22を
参照のこと)。これはまた、CFについて適切なモデル
である。
【0134】(実施例10.塩素イオンチェネル活性に
対するタルニフルマートの効果)図23は、塩素イオン
チャネルを発現するプラスミドでトランスフェクトされ
た細胞についてのパッチクランプ実験の結果を示す。ヒ
ト塩素イオンチャネルhICACC−1を発現するプラ
スミドでトランスフェクトされたNCI−H292細胞
をパッチクランプし、そして塩素イオン電流(I)を一
定範囲の電圧(V)について測定した。ベースライン
(四角)と比較してかなりの塩素イオン電流が、2μM
イオノマイシンおよび2mMカルシウム(丸)の添加に
よって誘起された。このことは、hICACC−1の活
性化を示す。5マイクロモルのタルニフルマート(三
角)の添加は、陽電圧において塩素イオン電流の減少を
生じた。このことは、チャネル活性の阻害を示す。
【0135】タルニフルマートで観察された結果とは対
照的に、ジクロフェナクは、塩素イオンチャンネル活性
を阻害しなかった。マウス塩素イオンチャネルmICA
CC−1を発現するプラスミドでトランスフェクトした
HEK293細胞をパッチクランプし、そして塩素イオ
ン電流を、一定範囲の電圧(V、左の欄)について測定
した。そして結果を以下の表3に示す。各列は、イオノ
マイシンおよびカルシウムの非存在下(−)または存在
下(+)、および示した濃度(μM)のジクロフェナク
の存在下における特定の陽電圧で誘起された電流を列挙
する。かなりの電流が、2μMイオノマイシンおよび2
mMカルシウムの添加によって誘起された(最初の2つ
の欄を比較する)。このことは、イオノマイシン/カル
シウム処理によるmICACC−1の活性化を示す。例
えば、100mVの陽電圧では、塩素イオン電流は、3
9nA/pFから105nA/pFへと増加した。ジク
ロフェナクによるチャネル活性の阻害は、5μMから5
0μMの範囲のジクロフェナクの濃度では観察されなか
った。100mVの陽電圧では、ジクロフェナクの非存
在下では105nA/pFの電流が観察されたのと比較
して、5μMジクロフェナクは115nA/pFの電流
を、20μMジクロフェナクは109nA/pFの電流
を、そして50μMジクロフェナクは106nA/pF
の電流をもたらした。
【0136】
【表3】
【0137】本発明を種々の特定の材料、手順および例
を参照して本明細書中に記載および例示してきたが、本
発明は、その目的のために選択された材料および手順の
特定の組み合わせに制限されないことが理解される。こ
のような詳細の多数のバリエーションは、当業者に認識
されるように示され得る。本出願を通して引用される全
ての特許、特許出願および他の参考文献は、その全体が
本明細書中に参考として援用される。
【0138】(参考文献)以下の参考文献は、本出願に
おいて言及された全ての参考文献、特許または特許出願
と同様に、その全体が本明細書中に参考として援用され
る。
【0139】
【表4】
【0140】
【0141】
【0142】
【0143】
【0144】
【発明の効果】本発明により、ムチン合成を調節する方
法、および疾患(例えば、喘息および慢性気管支炎、炎
症性肺疾患、嚢胞性線維症ならびに急性または慢性の呼
吸器感染疾患を含む、慢性閉塞性肺疾患(COPD))
に関連したムチン過剰産生を制御する際の化合物の治療
適用が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、ムチン産生に対するNFAの効果を示
す顕微鏡写真である。NFAインヒビターは、インビト
ロでのムチン過剰産生をブロックする。
【図2】図2は、NFAおよび種々の化合物の、活性化
されたCaco2細胞によるムチンの過剰産生を抑制す
る能力を示す顕微鏡写真である。この図は、フェナメー
トによる、活性化されたCaco2細胞におけるムチン
産生の阻害を示す。
【図3】図3は、活性化されたCaco2細胞株の、N
FAでの処理が、そのCaco2細胞株の生存率に影響
を有さないことを示すグラフである。この図は、NFA
が上皮細胞増殖に影響を有さないことを示す。
【図4】図4は、ケモカインであるエオタキシンの上皮
細胞による産生の阻害を示すグラフである。この図は、
NFAが、ケモカイン産生を含む上皮活性化をブロック
することを示す。
【図5】図5は、NFAの気管内投与が、リン酸緩衝化
生理食塩水(PBS)と比較して、抗原誘発性気道反応
性亢進(Af+NFA)を抑制することを示すグラフで
ある。この図は、NFAが、気道反応性亢進を含む上皮
抗原応答をブロックすることを示す。
【図6】図6は、NFAの気管内投与の結果を示すグラ
フである。この図は、NFAが抗原誘発性肺好酸球増加
をインビボで減少させることを示す。これは、NFAの
存在下でAspergillus(Af+NFA)を用
いた活性化後の好酸球増加を、NFAが存在しないリン
酸緩衝化生理食塩水(Af+PBS)での活性化後の好
酸球増加と比較することにより見られる。
【図7】図7は、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)と
比較した、粘液(ムチン糖結合体)における抗原誘発性
増加に対するNFAの気管内投与(Af+NFA)の結
果を示す顕微鏡写真である。この図は、曝露したマウス
の肺における抗原に起因して、NFAがムチン発現の増
加をブロックすることを示す。
【図8】図8は、コントロールのFVBマウスとは対照
的に、IL9トランスジェニックマウスが、気道におい
てムチンを構成的に過剰産生することを示す顕微鏡写真
である。
【図9】図9は、IL9トランスジェニックマウスの肺
におけるムチンの構成的過剰産生が、バックグラウンド
の系統(FVB/NJ)のマウスと比較して、MUC2
およびMUC5ACの定常状態の転写物の特異的アップ
レギュレーションに関連することを示す顕微鏡写真であ
る。この図は、特異的ムチン遺伝子が、IL−9トラン
スジェニックマウスの肺においてアップレギュレートさ
れることを示す。
【図10】図10は、抗原に曝露されたマウスの肺にお
けるムチン過剰産生に対する抗IL−9抗体の効果を示
す顕微鏡写真である。この図は、中和IL−9抗体が、
抗原に曝露したマウスにおけるムチン過剰産生を妨げる
ことを示す。
【図11】図11は、ムチン産生をブロックするフェニ
ルアントラニル酸アナログの一般式を示す化学式であ
り、ここで、X1〜X9=各々他とは独立して、C、S、
OまたはNであり得、R1〜R11=各々他とは独立し
て、水素、アルキル、アリール、置換アルキル、置換ア
リール、ハロゲン、ハロゲン置換アルキル、ハロゲン置
換アリール、環を形成するアルキル、環を形成するアリ
ール、環を形成する置換アルキル、環を形成する置換ア
リール、ヒドロキシル、アルキルエーテル、アリールエ
ーテル、アミン、アルキルアミン、アリールアミン、ア
ルキルエステル、アリールエステル、アルキルスルホン
アミド、アリールスルホンアミド、チオール、アルキル
チオエーテル、アリールチオエーテル、アルキルスルホ
ン、アリールスルホン、アルキルスルホキシド、アリー
ルスルホキシド、アルキルスルホンアミドまたはアリー
ルスルホンアミドであり得、Y=カルボキシレート、ア
ルキルカルボキシレート、スルフェート、スルホネー
ト、ホスフェート、ホスホネート、カルボン酸のアミ
ド、カルボン酸のエステル、リン酸のアミド、リン酸の
エステル、スルホン酸のアミド、スルホン酸のエステ
ル、ホスホン酸のアミド、ホスホン酸のエステル、スル
ホンアミド、ホスホンアミド(phosphonami
de)、テトラゾール、ヒドロキサム酸または他の酸の
同配体、Z=O、NR10、S、CR1011、スルホキシ
ドまたはスルホン、m=0または1、n=1または2で
ある。
【図12】図12は、NCI−H292細胞においてh
ICACC−1によって誘導されたムチン発現を示すノ
ーザンブロットである。
【図13】図13は、hICACC−1を過剰発現する
NCI−H292細胞における粘液過剰産生を示す顕微
鏡写真である。
【図14】図14は、タルニフルマートによるムチン産
生の阻害を示すグラフである。
【図15A】図15Aは、マウスにおけるタルニフルマ
ートの経口投与によるムチン過剰産生の阻害を示す顕微
鏡写真である。図15Aは、Aspergillus
fumigatusに対して感作し、そして通常のマウ
ス用の餌を採らせたマウス由来の肺(H&Eで染色し
た)の切片を示す。
【図15B】図15Bは、マウスにおけるタルニフルマ
ートの経口投与によるムチン過剰産生の阻害を示す顕微
鏡写真である。図15Bは、Aspergillus
fumigatusに対して感作し、そしてタルニフル
マートを含有するマウス用の餌を採らせたマウス由来の
肺(H&Eで染色した)の切片を示す。
【図16】図16は、マウスにおけるタルニフルマート
の経口投与による肺好酸球増加の阻害を示すグラフであ
る。この図は、AHR373:Aspergillus
fumigatusで感作したB6D2F1/J雄性マ
ウスのBALに対するタルニフルマートマウス用餌の効
果を示す。
【図17】図17は、ニメスリドによるMUC5A/C
分泌の阻害を示すグラフである。
【図18】図18は、MSI−2079によるMUC5
A/C分泌の阻害を示すグラフである。
【図19】図19は、MSI−2079の構造を示す化
学式である。
【図20】図20は、CFマウスに対するタルニフルマ
ートの効果を示すグラフである。
【図21】図21は、MSI2214〜MSI2217
の構造を示す化学式である。
【図22】図22は、MUC2のリポテイコ酸(lip
oteichoic acid)依存性誘導に対するタ
ルニフルマートの効果を示すグラフである。
【図23】図23は、hICACC−Iを発現する細胞
における電圧の関数としての塩素イオン電流のグラフで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61K 31/09 A61K 31/09 31/196 31/196 31/36 31/36 31/44 31/44 31/443 31/443 31/47 31/47 31/549 31/549 47/40 47/40 A61M 11/00 A61M 11/00 D 15/00 15/00 Z A61P 11/00 A61P 11/00 11/02 11/02 11/06 11/06 11/10 11/10 43/00 123 43/00 123 (31)優先権主張番号 09/774,243 (32)優先日 平成13年1月31日(2001.1.31) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/242,134 (32)優先日 平成12年10月23日(2000.10.23) (33)優先権主張国 米国(US) (31)優先権主張番号 60/252,052 (32)優先日 平成12年11月20日(2000.11.20) (33)優先権主張国 米国(US) (72)発明者 ユーホン チョウ アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19462, ミィーティング ハウス, キャンパス ドライブ 5110 (72)発明者 ロイ シー. レビット アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19462, ミィーティング ハウス, キャンパス ドライブ 5110 (72)発明者 ニコラス シー. ニコレイディス アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19462, ミィーティング ハウス, キャンパス ドライブ 5110 (72)発明者 スティーブ ジョーンズ アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19462, ミィーティング ハウス, キャンパス ドライブ 5110 (72)発明者 マイク マクレーン アメリカ合衆国 ペンシルベニア 19462, ミィーティング ハウス, キャンパス ドライブ 5110 Fターム(参考) 4C076 AA11 AA24 AA29 AA93 BB01 BB25 BB27 CC04 CC15 CC42 EE37N EE39Q FF04 FF34 FF36 4C084 AA17 AA27 MA13 MA16 MA43 MA52 MA56 MA59 NA03 NA05 NA15 ZA34 ZA59 ZA63 ZC54 4C086 AA01 AA02 BC19 BC28 BC87 GA02 GA08 MA05 MA13 MA17 MA43 MA52 MA56 MA59 NA03 NA05 ZA59 4C206 AA01 AA02 CA34 FA33 KA01 MA05 MA33 MA37 MA63 MA72 MA76 MA79 ZA59

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ムチンの産生によって特徴付けられる疾
    患を有する被験体の処置方法であって、該被験体におけ
    るムチンの合成またはレベルを減少させる少なくとも1
    つの化合物を含む組成物の有効量を該被験体に投与する
    工程を包含する、方法。
  2. 【請求項2】 前記ムチン合成が、塩素イオンチャネル
    依存性である、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記化合物が、ICACC塩素イオンチ
    ャネルを発現する細胞におけるムチンの合成を減少させ
    る、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記化合物が、アントラニル酸のアナロ
    グおよび誘導体、2−アミノ−ニコチン酸のアナログお
    よび誘導体、2−アミノ−フェニル酢酸のアナログおよ
    び誘導体、ベンドロフルメチアジド、アミノキノリンの
    アナログおよび誘導体、それらの塩およびそれらのプロ
    ドラッグからなる群より選択される、請求項1に記載の
    方法。
  5. 【請求項5】 前記化合物が、タルニフルマート、フル
    フェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、ベンドロフル
    メチアジド、N−(3−フルオロベンジル)−3−アミ
    ノキノリン、それらの塩、それらの誘導体およびそれら
    のプロドラッグからなる群より選択される、請求項4に
    記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記組成物が、タルニフルマート、タル
    ニフルマート誘導体、それらの塩またはそれらのプロド
    ラッグを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記組成物が、吸入によって投与され
    る、請求項4に記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記組成物が、液体の形態である、請求
    項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記組成物が、粉末の形態である、請求
    項7に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記液体が、エアゾール化されてい
    る、請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記組成物が、少なくとも1つの去痰
    薬、粘液溶解剤、抗生物質または鬱血除去剤をさらに含
    む、請求項1に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記去痰薬が、グアイフェネシンであ
    る、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記組成物が、少なくとも1つの安定
    剤、吸収増強剤または矯味矯臭剤をさらに含む、請求項
    1に記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記安定剤がシクロデキストランであ
    る、請求項13に記載の方法。
  15. 【請求項15】 前記吸収増強剤がキトサンである、請
    求項13に記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記疾患が、慢性閉塞性肺疾患(CO
    PD)、炎症性肺疾患、嚢胞性線維症および急性または
    慢性の感染性疾患からなる群より選択される、請求項1
    〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 【請求項17】 前記組成物が、吸入によって投与され
    る、請求項16に記載の方法。
  18. 【請求項18】 前記組成物が、吸入によって肺または
    鼻の通路へと投与される、請求項17に記載の方法。
  19. 【請求項19】 前記COPDが、気腫、慢性気管支炎
    および喘息からなる群より選択される、請求項16に記
    載の方法。
  20. 【請求項20】 肺への吸入送達のために処方された治
    療組成物であって、タルニフルマート、フルフェナム
    酸、ニフルム酸、メフェナム酸、N−(3−フルオロベ
    ンジル)−3−アミノキノリン、それらの塩、それらの
    誘導体およびそれらのプロドラッグからなる群より選択
    される少なくとも1つの化合物をムチンの産生またはレ
    ベルを減少させるのに有効な量で含む、治療組成物。
  21. 【請求項21】 前記組成物が、タルニフルマート、タ
    ルニフルマート誘導体、それらの塩またはそれらのプロ
    ドラッグを含む、請求項20に記載の治療組成物。
  22. 【請求項22】 前記組成物が、液体の形態である、請
    求項20に記載の治療組成物。
  23. 【請求項23】 前記組成物が、粉末の形態である、請
    求項20に記載の治療組成物。
  24. 【請求項24】 前記組成物が、少なくとも1つの去痰
    薬、粘液溶解剤、抗生物質または鬱血除去剤をさらに含
    む、請求項20に記載の治療組成物。
  25. 【請求項25】 前記去痰薬が、グアイフェネシンであ
    る、請求項24に記載の治療組成物。
  26. 【請求項26】 前記組成物が、少なくとも1つの安定
    剤、吸収増強剤または矯味矯臭剤をさらに含む、請求項
    20に記載の治療組成物。
  27. 【請求項27】 前記安定剤が、シクロデキストランで
    ある、請求項26に記載の治療組成物。
  28. 【請求項28】 前記吸収増強剤が、キトサンである、
    請求項26に記載の治療組成物。
  29. 【請求項29】 請求項20〜28のいずれか1項に記
    載の治療組成物を含む、吸入デバイス。
  30. 【請求項30】 前記化合物が、タルニフルマートであ
    る、請求項5に記載の方法。
  31. 【請求項31】 前記化合物が、N−(3−フルオロベ
    ンジル)−3−アミノキノリン、その塩、その誘導体お
    よびそのプロドラッグからなる群より選択される、請求
    項5に記載の方法。
  32. 【請求項32】 前記化合物が、経口投与される、請求
    項4に記載の方法。
  33. 【請求項33】 前記組成物が、経口投与される、請求
    項30に記載の方法。
  34. 【請求項34】 ムチンの産生によって特徴付けられる
    疾患を有する被験体を処置する方法であって、該被験体
    におけるムチンの合成またはレベルを減少させ、そして
    シクロオキシゲナーゼ酵素を阻害する少なくとも1つの
    化合物を含む組成物の有効量を該被験体に投与する工程
    を包含する、方法。
  35. 【請求項35】 前記化合物が、シクロオキシゲナーゼ
    2を特異的に阻害する、請求項34に記載の方法。
  36. 【請求項36】 前記化合物が、アントラニル酸のアナ
    ログおよび誘導体、2−アミノ−ニコチン酸のアナログ
    および誘導体、2−アミノ−フェニル酢酸のアナログお
    よび誘導体、ベンドロフルメチアジド、アミノキノリン
    のアナログおよび誘導体、それらの塩およびそれらのプ
    ロドラッグからなる群より選択される、請求項34に記
    載の方法。
  37. 【請求項37】 前記化合物が、タルニフルマート、フ
    ルフェナム酸、ニフルム酸、メフェナム酸、ベンドロフ
    ルメチアジド、N−(3−フルオロベンジル)−3−ア
    ミノキノリン、それらの塩、それらの誘導体およびそれ
    らのプロドラッグからなる群より選択される、請求項3
    4に記載の方法。
  38. 【請求項38】 前記組成物が、タルニフルマート、タ
    ルニフルマート誘導体、それらの塩またはそれらのプロ
    ドラッグを含む、請求項34に記載の方法。
  39. 【請求項39】 前記組成物が、N−(3−フルオロベ
    ンジル)−3−アミノキノリン、その塩、その誘導体お
    よびそのプロドラッグを含む、請求項34に記載の方
    法。
  40. 【請求項40】 前記組成物が、肺への吸入送達のため
    に処方されている、請求項34に記載の方法。
  41. 【請求項41】 前記組成物が、経口送達のために処方
    されている、請求項34に記載の方法。
  42. 【請求項42】 前記組成物が、バイオアベイラビリテ
    ィーを増加させるように処方されている、請求項6に記
    載の方法。
  43. 【請求項43】 前記組成物が、微粉化されている、請
    求項42に記載の方法。
  44. 【請求項44】 前記組成物が、バイオアベイラビリテ
    ィーを増加させるように処方されている、請求項21に
    記載の組成物。
  45. 【請求項45】 前記組成物が、微粉化されている、請
    求項44に記載の組成物。
  46. 【請求項46】 ムチンの産生によって特徴付けられる
    慢性副鼻腔炎を有する被験体の処置方法であって、該被
    験体におけるムチンの合成またはレベルを減少させる少
    なくとも1つの化合物を含む組成物の有効量を該被験体
    に投与する工程を包含する、方法。
  47. 【請求項47】 前記組成物が、タルニフルマートを含
    む、請求項46に記載の方法。
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