JP2002306171A - 転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法 - Google Patents
転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法Info
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- JP2002306171A JP2002306171A JP2001110037A JP2001110037A JP2002306171A JP 2002306171 A JP2002306171 A JP 2002306171A JP 2001110037 A JP2001110037 A JP 2001110037A JP 2001110037 A JP2001110037 A JP 2001110037A JP 2002306171 A JP2002306171 A JP 2002306171A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測
定する簡便な方法を提供すること。 【解決手段】 酵母において前記転写因子を発現する第
1のベクターと,その活性が転写因子により制御される
プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能
なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2
のベクターとを酵母に導入し,試験薬剤の存在下におけ
るプロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプ
ロモーターの活性と比較する。
定する簡便な方法を提供すること。 【解決手段】 酵母において前記転写因子を発現する第
1のベクターと,その活性が転写因子により制御される
プロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能
なように連結されたアッセイリポーターを含有する第2
のベクターとを酵母に導入し,試験薬剤の存在下におけ
るプロモーターの活性を試験薬剤の非存在下におけるプ
ロモーターの活性と比較する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,転写因子活性に影
響を及ぼす薬剤のスクリーニング方法に関する。
響を及ぼす薬剤のスクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】真核細胞生物における遺伝子の転写は,
3種類のRNAポリメラーゼ(polI,polII,
polIII)が,それぞれ対応する基本転写因子と相
互作用することにより行われる。mRNAを転写するR
NAポリメラーゼIIは,プロモーター付近に集合する
6種類の基本転写因子と相互作用することが知られてい
る。遺伝子の転写の促進および抑制に関与する蛋白質
は,転写因子(または転写制御因子)と称されており,
プロモーターの特定の配列を認識してトランスに作用
し,プロモーターの活性を制御する。転写因子は,転写
因子と基本転写因子とを結びつけるメディエーター複合
体を介してプロモーターに作用する。これまでに数百種
類の転写因子が同定されており,対応するプロモーター
の同定および制御機構の解明を目的とした研究が進めら
れている。
3種類のRNAポリメラーゼ(polI,polII,
polIII)が,それぞれ対応する基本転写因子と相
互作用することにより行われる。mRNAを転写するR
NAポリメラーゼIIは,プロモーター付近に集合する
6種類の基本転写因子と相互作用することが知られてい
る。遺伝子の転写の促進および抑制に関与する蛋白質
は,転写因子(または転写制御因子)と称されており,
プロモーターの特定の配列を認識してトランスに作用
し,プロモーターの活性を制御する。転写因子は,転写
因子と基本転写因子とを結びつけるメディエーター複合
体を介してプロモーターに作用する。これまでに数百種
類の転写因子が同定されており,対応するプロモーター
の同定および制御機構の解明を目的とした研究が進めら
れている。
【0003】転写因子は,医薬のターゲットとして有望
であると考えられる。これは,転写因子が病変の発生・
進行過程に重要な役割を演じるので原因療法のターゲッ
トとなりうること,転写因子がDNAや蛋白質と特異的
な結合活性を有するので,それらの選択的活性化・不活
性化を行う低分子化合物を医薬品候補とすることができ
ること,転写因子には特定の組織やシグナルに応答する
ものがあるので,細胞特異的な生体反応を制御しうる可
能性があること,および,ゲノムプロジェクトの成果と
して標的因子のDNA・アミノ酸配列についてばく大な情
報がえられること,等の創薬上の利点を持つためであ
る。しかし,現時点では転写因子を実際にターゲットと
する薬剤はほとんど知られていない。これはこれまで転
写因子に作用する薬剤の良いスクリーニング法がなかっ
たためであり,ゲノム情報に基づく創薬のツールとなり
うる簡便な方法の開発が待たれている。
であると考えられる。これは,転写因子が病変の発生・
進行過程に重要な役割を演じるので原因療法のターゲッ
トとなりうること,転写因子がDNAや蛋白質と特異的
な結合活性を有するので,それらの選択的活性化・不活
性化を行う低分子化合物を医薬品候補とすることができ
ること,転写因子には特定の組織やシグナルに応答する
ものがあるので,細胞特異的な生体反応を制御しうる可
能性があること,および,ゲノムプロジェクトの成果と
して標的因子のDNA・アミノ酸配列についてばく大な情
報がえられること,等の創薬上の利点を持つためであ
る。しかし,現時点では転写因子を実際にターゲットと
する薬剤はほとんど知られていない。これはこれまで転
写因子に作用する薬剤の良いスクリーニング法がなかっ
たためであり,ゲノム情報に基づく創薬のツールとなり
うる簡便な方法の開発が待たれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,転写因子活
性に影響を及ぼす薬剤をスクリーニングする簡便な方法
を提供することを目的とする。
性に影響を及ぼす薬剤をスクリーニングする簡便な方法
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,試験薬剤が転
写因子の活性に及ぼす影響を判定する方法を提供する。
該方法は,
写因子の活性に及ぼす影響を判定する方法を提供する。
該方法は,
【0006】(1) 酵母において転写因子を発現する
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして
(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下にお
けるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む。好
ましくは,第1のベクターはさらに内部標準リポーター
を発現する。
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そして
(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下にお
けるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む。好
ましくは,第1のベクターはさらに内部標準リポーター
を発現する。
【0007】本発明はまた,酵母において転写因子およ
び内部標準リポーターを発現する第1のベクター,およ
びその活性が転写因子により制御されるプロモーター
と,プロモーターの下流に動作可能なように連結され
た,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーター
とを含有する第2のベクターを含む酵母細胞を提供す
る。
び内部標準リポーターを発現する第1のベクター,およ
びその活性が転写因子により制御されるプロモーター
と,プロモーターの下流に動作可能なように連結され
た,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポーター
とを含有する第2のベクターを含む酵母細胞を提供す
る。
【0008】本発明はまた,酵母において転写因子を発
現するベクター,並びに該ベクターを含む酵母細胞を提
供する。該ベクターは,転写因子をコードする核酸配
列,内部標準リポーターをコードする核酸配列,およ
び,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネー
ター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,転写因子
をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードす
る核酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるよ
うに配置されている。
現するベクター,並びに該ベクターを含む酵母細胞を提
供する。該ベクターは,転写因子をコードする核酸配
列,内部標準リポーターをコードする核酸配列,およ
び,酵母において動作可能なプロモーター,ターミネー
ター,およびマーカー遺伝子を含み,ここで,転写因子
をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードす
る核酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるよ
うに配置されている。
【0009】さらに本発明は,酵母において転写因子を
発現する発現ベクターを構築するためのクローニングベ
クターを提供する。該ベクターは,転写因子をコードす
る核酸配列を挿入するためのクローニング部位,内部標
準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母にお
いて動作可能なプロモーター,ターミネーター,および
マーカー遺伝子を含み,ここで,クローニング部位と内
部標準リポーターをコードする核酸配列は,挿入される
べき転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポータ
ーをコードする核酸配列とが同じプロモーターにより駆
動されるように配置されている。
発現する発現ベクターを構築するためのクローニングベ
クターを提供する。該ベクターは,転写因子をコードす
る核酸配列を挿入するためのクローニング部位,内部標
準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母にお
いて動作可能なプロモーター,ターミネーター,および
マーカー遺伝子を含み,ここで,クローニング部位と内
部標準リポーターをコードする核酸配列は,挿入される
べき転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポータ
ーをコードする核酸配列とが同じプロモーターにより駆
動されるように配置されている。
【0010】本発明はまた,試験薬剤が転写因子の活性
に及ぼす影響を判定するためのキットを提供する。該キ
ットは,
に及ぼす影響を判定するためのキットを提供する。該キ
ットは,
【0011】(1) 酵母において転写因子および内部
標準リポーターを発現する第1のベクター,および,
(2) その活性が転写因子により制御されるプロモー
ターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結さ
れた,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポータ
ーとを含有する第2のベクターを含む。
標準リポーターを発現する第1のベクター,および,
(2) その活性が転写因子により制御されるプロモー
ターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結さ
れた,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポータ
ーとを含有する第2のベクターを含む。
【0012】本発明はまた,試験薬剤が蛋白質−蛋白質
相互作用に及ぼす影響を測定する方法であって,(1)
酵母において第1の蛋白質を発現する第1のベクター
を用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの
下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーター
を含有する第2のベクターを用意し,(3) 酵母にお
いて第2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,
ここで,プロモーターの活性は,第1の蛋白質と第2の
蛋白質との間の相互作用により制御され,(4) 第1
のベクター,第2のベクターおよび第3のベクターを酵
母に導入し,(5) 酵母を試験薬剤と接触させ,そし
て(6) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下に
おけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法。
相互作用に及ぼす影響を測定する方法であって,(1)
酵母において第1の蛋白質を発現する第1のベクター
を用意し,(2) プロモーターおよびプロモーターの
下流に動作可能なように連結されたアッセイリポーター
を含有する第2のベクターを用意し,(3) 酵母にお
いて第2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,
ここで,プロモーターの活性は,第1の蛋白質と第2の
蛋白質との間の相互作用により制御され,(4) 第1
のベクター,第2のベクターおよび第3のベクターを酵
母に導入し,(5) 酵母を試験薬剤と接触させ,そし
て(6) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下に
おけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法。
【0013】本発明はまた,試験薬剤が蛋白質−蛋白質
相互作用に及ぼす影響を測定するためのキットを提供す
る。該キットは,
相互作用に及ぼす影響を測定するためのキットを提供す
る。該キットは,
【0014】(1) 酵母において第1の蛋白質および
内部標準リポーターを発現する第1のベクター,(2)
その活性が第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互
作用により制御されるプロモーターと,プロモーターの
下流に動作可能なように連結された,内部標準リポータ
ーとは異なるアッセイリポーターを含有する第2のベク
ター,および(3) 酵母において第2の蛋白質を発現
する第3のベクターを含む。
内部標準リポーターを発現する第1のベクター,(2)
その活性が第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互
作用により制御されるプロモーターと,プロモーターの
下流に動作可能なように連結された,内部標準リポータ
ーとは異なるアッセイリポーターを含有する第2のベク
ター,および(3) 酵母において第2の蛋白質を発現
する第3のベクターを含む。
【0015】本発明はまた,転写因子の活性に影響を及
ぼす薬剤を同定する方法,ならびに該方法により同定さ
れる薬剤を提供する。該方法は,
ぼす薬剤を同定する方法,ならびに該方法により同定さ
れる薬剤を提供する。該方法は,
【0016】(1) 酵母において転写因子を発現する
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を
変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤
として同定するの各工程を含む。
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を
変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤
として同定するの各工程を含む。
【0017】本発明はまた,薬剤によりその活性が影響
を受ける転写因子を同定する方法を提供する。該方法
は,
を受ける転写因子を同定する方法を提供する。該方法
は,
【0018】(1) 酵母において転写因子を発現する
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が
変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を
受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が
変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を
受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
【0019】
【発明の実施の形態】転写因子をターゲットとする薬剤
のスクリーニング法としては次の4つの条件を満たさな
ければならない:1) 数百〜数千の医薬品候補分子に
つき高効率なスクリーニングが可能なこと,2) 単に
転写活性のオン/オフではなく,正確な定量的評価が可
能なこと,3) 転写因子そのものだけではなく,その
補助因子(コアクチベーター)との相互作用も同時にテ
ストできること,4) 1つの転写因子は多数の遺伝子
を制御する故に,制御される応答遺伝子の特異性を確保
し,副作用を避けるため,対応する多数のプロモーター
配列を簡便に比較テストできること。
のスクリーニング法としては次の4つの条件を満たさな
ければならない:1) 数百〜数千の医薬品候補分子に
つき高効率なスクリーニングが可能なこと,2) 単に
転写活性のオン/オフではなく,正確な定量的評価が可
能なこと,3) 転写因子そのものだけではなく,その
補助因子(コアクチベーター)との相互作用も同時にテ
ストできること,4) 1つの転写因子は多数の遺伝子
を制御する故に,制御される応答遺伝子の特異性を確保
し,副作用を避けるため,対応する多数のプロモーター
配列を簡便に比較テストできること。
【0020】本発明者らは酵母内にヒトプロモーター/
転写因子系を再構成した酵母システムを用いれば上記の
要請を全て満たす方法の開発が可能であることを見いだ
し,本発明を完成した。
転写因子系を再構成した酵母システムを用いれば上記の
要請を全て満たす方法の開発が可能であることを見いだ
し,本発明を完成した。
【0021】すなわち,第1の観点においては,本発明
は,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測定する
方法であって,(1) 酵母において転写因子を発現す
る第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよ
びプロモーターの下流に動作可能なように連結されたア
ッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,
ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御さ
れ,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵
母に導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そし
て(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下に
おけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法を特徴とする。
は,試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を測定する
方法であって,(1) 酵母において転写因子を発現す
る第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよ
びプロモーターの下流に動作可能なように連結されたア
ッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,
ここで,プロモーターの活性は転写因子により制御さ
れ,(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵
母に導入し,(4) 酵母を試験薬剤と接触させ,そし
て(5) プロモーターの活性を試験薬剤の非存在下に
おけるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法を特徴とする。
【0022】本発明の方法にしたがえば, 1) 薬剤が転写因子のプロモーター領域への結合を助
長または阻害する能力, 2) 薬剤が転写因子と基本転写因子の架橋形成を助長
または阻害する能力, 3) 薬剤が転写因子とその補助因子との分子間相互作
用を助長または阻害する能力,を,酵母システムを用い
て簡単に測定することが可能である。これらの項目は,
同時にテストできるようにも,また,単独でテストでき
るようにもアッセイを設計することができる。
長または阻害する能力, 2) 薬剤が転写因子と基本転写因子の架橋形成を助長
または阻害する能力, 3) 薬剤が転写因子とその補助因子との分子間相互作
用を助長または阻害する能力,を,酵母システムを用い
て簡単に測定することが可能である。これらの項目は,
同時にテストできるようにも,また,単独でテストでき
るようにもアッセイを設計することができる。
【0023】本明細書において用いる場合,「転写因
子」とは,プロモーターの転写調節領域と呼ばれる配列
に結合して,下流にある遺伝子の転写量を調節する蛋白
質を意味する。これまでに,数百種類の転写因子が同定
されており,例としては,p53,p73,p51,Tcf4,Sp1,
E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Ju
n,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体,エストロジ
ェン受容体が挙げられる。以下の表は、これまでに同定
されている転写因子の例を示す。
子」とは,プロモーターの転写調節領域と呼ばれる配列
に結合して,下流にある遺伝子の転写量を調節する蛋白
質を意味する。これまでに,数百種類の転写因子が同定
されており,例としては,p53,p73,p51,Tcf4,Sp1,
E2F,SRF,Oct-1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Ju
n,Ets,WT1,グルココルチコイド受容体,エストロジ
ェン受容体が挙げられる。以下の表は、これまでに同定
されている転写因子の例を示す。
【0024】 表 転写因子の分類 Superclass: Basic Domains Class: Leucine zipper factors (bZIP) Family: AP-1(-like) components Subfamily: Jun XBP-1, v-Jun, c-Jun, JunB, JunD, dJRA Subfamily: Fos v-Fos, c-Fos, FosB , FosB1, FosB2, Fra-1, Fra-2, dFRA, LRF-1 Subfamily: Maf v-Maf, c-Maf, MafB, MafK, MafF, MafG, NRL, kreisler Subfamily: NF-E2 NF-E2 p45, aNF-E2, fNF-E2, Nrf1, Nrf1 long form, Nrf1 short for m, Nrf2, ECH, Cnc Subfamily: fungal AP-1-like factors GCN4, CPC1, yAP-1, yAP-2, Pap1+ Subfamily: CRE-BP/ATF CREB-2, ATF-3, ATF-3, ATF-3DeltaZip, CRE-BP, CRE-BP1, CRE-BP2, CRE-BP3, CRE-BPa, ATF-a, ATF-a, ATF-aDelta, yATF Subfamily: Others Zta, CYS3 Family: CREB CREB, CREB-341, CREB-327, CREBbeta, ATF-1, CREM, CREMalpha, CRE Mbeta, CREMgamma, CREMepsilon, CREMtau, CREMtaualpha, CREMtau1, CREMtau2 , CREMdeltaC-F, CREMdeltaC-G, S-CREM, ICER-I, ICER-Igamma, ICER-II, ICER -IIgamma, BBF-2, dCREB2, dCREB2-a, dCREB2-b, dCREB2-c, dCREB2-d, dCREB2- q, dCREB2-r, dCREB2-s, SKO1, HAC1, Pcr1 Family: C/EBP-like factors C/EBPalpha, C/EBPalpha, p30C/EBPalpha, p20C/EBPalpha, C/EBPbeta , C/EBPbeta, p34C/EBPbeta, LIP, p20C/EBPbeta, C/EBPgamma, C/EBPdelta, C/ EBPepsilon, CHOP-10, slbo, AcC/EBP Family: bZIP /PAR DBP, VBP, Hlf, TEF Family: Plant G-box binding factors Subfamily: CPRF-2 ("V") CPRF-2 Subfamily: EmBP-1 ("E") HBP-1a(1), EmBP-1a, EmBP-1b, GBF1 (maize), GBF2, GBF3, CPRF-1, TAF-1 Subfamily: HBP-1a ("Q") HBP-1a, HBP-1a(c14), GBF9, GBF1 (A.t., G.m.), GBF4, GBF12, CPRF -3 Subfamily: TGA1a ("L/M") TGA1a, HBP-1b/OBF3.1, HBP-1b(c1), OBF3.2, OBF4, OBF5 Subfamily: TGA1b ("R") TGA1b, O2 Family: ZIP only SWI6, SWI4, STE4, IREBF-1, GCF Family: Other bZIP factors Giant, OPI1 Class: Helix-loop-helix factors (bHLH) Family: Ubiquitous (class A) factors E2A, E12, E47, ITF-1, E2-2, ITF-2 /SEF2-1B, SEF2-1A, m3, HEB /S CBP, SCBPgamma, SCBPalpha, SCBPbeta, Daughterless Family: Myogenic transcription factors MyoD, Myogenin, Myf-5, MRF4, SUM-1, CeMyoD, Nau, Esc1 Family: Achaete-Scute Lethal of Scute, Scute, Achaete, Asense, MASH-1, MASH-2, ASH-3a , ASH-3b Family: Tal/Twist/Atonal/Hen Subfamily: Lymphoid factors Tal-1, p42Tal-1, p39Tal-1, p22Tal-1, Tal-2, Lyl-1 Subfamily: Mesodermal Twist-like factors Twist, M-Twist, X-Twist, Dermo-1, bHLH-EC2, Th1, SGC1 Subfamily: HEN HEN1, HEN2 Subfamily: Atonal NeuroD /BETA2, LIN-32, Ato, MATH-1, MATH-2 Subfamily: Pancreatic factors INSAF, BETA3 Family: Hairy Subfamily: Hairy Hairy, Deadpan, HES-1, HES-2, HES-3, HES-5, Stra13 Subfamily: Esp E(spl)m5, E(spl)m7, E(spl)m8 Subfamily: Fungal regulators PHO4, NUC-1 Family: Factors with PAS domain AhR, Arnt, Single-minded Family: INO INO2, INO4 Family: HLH domain only Emc, Id1, Id1 (long form), Id1 (short form), Id2, Id3, Id4, Olf -1, Olf-1, EBF Family: Other bHLH factors Delilah, Lc, CBF1 Class: Helix-loop-helix / leucine zipper factors (bHLH-ZIP) Family: U biquitous bHLH-ZIP factors Subfamily TFE3 TFE3, TFE3-L, TFE3-S, TFEB, TFEC, Mi, Mi (419 AA), Mi (413 AA) Subfamily USF SpF1, USF, USF2, USF2a, USF2b Subfamily SREBP SREBP-1, SREBP-1a, SREBP-1b, SREBP-1c, SREBP-2 Subfamily AP-4 AP-4 Family: Cell-cycle controlling factors Subfamily Myc c-Myc, c-Myc 2 (c, h, m), c-Myc 1 (c, h, m), p64c-Myc (X), N-My c, L-Myc, L-Myc, L-Myc (206 AA), L-Myc2 (X), B-Myc, v-Myc Subfamily Mad/Max Max, Max2, Max1, DeltaMax, Mad1, Mxi1, Mxi1, Mxi1-WR, Mad3, Mad 4 Subfamily: E2F E2F-1, E2F-2, E2F-3, E2F-4, E2F-5, dE2F Subfamily: DRTF DRTF1 /DP-1, DP-2, dDP Class: NF-1 Family: NF-1 NF-1A /mNF-1B, NF-1A1, NF-1A1.1, NF-1A2, NF-1A3, NF-1A4, NF-1A5 , NF-1A6, NF-1B, NF-1B1, NF-1B2, NF-1B3, NF-1B4, NF-1C, NF-1C1 /CTF1, NF -1C2 /CTF2, CTF-3, CTF-4, CTF-5, CTF-6, CTF-7, NF-1C4, NF-1X, NF-1X1, NF -1X2, NF-1X3 Class: RF-X Family: RF-X RF-X1, RF-X2, RF-X3, RF-X5 Class: bHSH Family: AP-2 AP-2alpha, AP-2alphaA /AP-2alpha1, AP-2alpha2, AP-2alpha3, AP-2 alpha4, AP-2alphaB, AP-2beta, AP-2gamma Superclass: Zinc-coordinating DNA-binding domains Class: Cys4 zinc finger of nuclear receptor type Family: Steroid hormone receptors Subfamily: Corticoid receptors GR, GR a, GR b, MR Subfamily: Progesterone receptor PR, PR-B, PR-A Subfamily: Androgen receptor AR, AR-A, AR-B Subfamily: Estrogen receptor ER, ER (h) /ER-A (X), ER (482 AA) (h), ER-B (X) Family: Thyroid hormone receptor-like factors Subfamily: Retinoic acid receptors RAR-alpha, RAR-alpha1, RAR-alpha2, RAR-beta, RAR-beta1, RAR-bet a2, RAR-beta3, RAR-beta4, RAR-gamma, RAR-gamma1, RAR-gamma2, RAR-delta Subfamily: Retinoid X receptors RXR-alpha, RXR-beta, RXR-beta1, RXR-beta2, RXR-gamma, USP Subfamily: Thyroid hormone receptors T3R-alpha, T3R-alpha1, T3R-alpha2, T3R-beta 851, 840, 852, 853, T3R-beta1, T3R-beta2, Rev-ErbAalpha, Rev-ErbAalpha (long), Rev-ErbAalph a (short) Subfamily:Vitamin D receptor VDR Subfamily: NGFI-B NGFI-B Subfamily: FTZ-F1 SF-1, FTZ-F1-like, ELP, FTZ-F1, alpha FTZ-F1, beta FTZ-F1 Subfamily: PPAR PPARalpha, PPARbeta, PPARgamma, PPARgamma2, PPARgamma1 Subfamily: EcR EcR, EcR A, EcR B1, EcR B2 Subfamily: ROR HR3, RORalpha / RZRalpha, RORalpha1, RORalpha2, RORalpha3, RZRb eta, RORgamma Subfamily: Tll / COUP Tailless, Tlx, TR2, TR2-11, TR2-5, TR2-9, TR2-7, TR4, COUP-TFI, ARP-1 / COUP-TFII Subfamily: HNF-4 HNF-4alpha, HNF-4alpha1, HNF-4alpha2, HNF-4alpha3, HNF-4alpha4, HNF-4alpha5, HNF-4alpha6, HNF-4alpha7, HNF-4beta, HNF-4gamma Subfamily: CF1 CF1 Subfamily: Knirps Knirps Class: diverse Cys4 zinc fingers Family: GATA-Factors Subfamily: vertebral GATA-Factors GATA-1, GATA-1, GATA-1s, GATA-2, GATA-3, GATA-4 Subfamily: fungal metabolic regulators AREA / NIT-2, GLN3, UGA 43, NTL 1 Family: Trithorax Ttx, Hrx Family: Other factors BUF2 Class: Cys2His2 zinc finger domain Family: Ubiquitous factors TFIIIA, Sp1, Sp3, Sp4, YY1 Family: Developmental / cell cycle regulators Subfamily: Egr/Krox SWI5, Egr-1, Egr-2, Egr-3 Subfamily: Krueppel-like Krueppel, Hunchback, Glass, Odd-skipped, Ovo, Snail, CF2, CF2-I , CF2-II, CF2-III, Evi-1, Ikaros, MZF-1, Sdc-1, NRSF, NRSF form 1, NRSF form 2, Gfi-1 Subfamily: GLI-like GLI, GLI3, WT1, WT1 +KTS, WT1 -KTS, WT1 I, WT1 I -KTS, WT1-del2 , WT1-del2 I, Tra-1, Tra-1 (long), Tra-1 (short), RME1, BrlA Subfamily: Others Teashirt, Tramtrack, Tramtrack 69K, Tramtrack 88K, RGM1 Family: Metabolic regulators in fungi ACE2, ADR1, MIG1, CreA, MSN2, MSN4 Family: Large factors with NF-6B-like binding properties HIV-EP1, HIV-EP2, MBP-2, KBP-1, alphaA-CRYBP1, AGIE-BP1 Family: Viral regulators T-Ag Class: Cys6 cysteine-zinc cluster Family: Metabolic regulators in fungi ARG RII, CAT8, GAL4, LAC9, HAP1, MAL63, LEU3, UGA3, qa-1F, UME6 , AmdR, PUT3 Class: Zinc fingers of alternating composition Family: Cx7Hx8Cx4C zinc fingers BAF1 Family: Cx2Hx4Hx4C zinc fingers Byr3 Superclass: Helix-turn-helix Class: Homeo domain Family: Homeo domain only Subfamily: AbdB Abd-B, Ceh-11, HOXA9, GPK5 (G.p.), GPK9 (G.p.), HOXB9, HOXC9, H OXD9, HOXA10, PL1, PL2, HOXC10, HOXD10, HOXA11, HOXC11, HOXD11, HOXC12, HOXD12, HOXA13, HOXC13, HOXD13 Subfamily: Antp abd-A, Antp, Ceh-15, Dfd, Flh, Ftz, HOXA2, HOXB2, HOXA3, HOXB3, (m), (m), HOXD3, HOXA4, HOXB4, HOXC4, HOXD4, HOXA5, HOXB5, HOXC5, HOXA6 , HOXB6, HOXC6, HOXA7, (X.l.), (X.l.), HOXB7, HOXB8, HOXC8, HOXD8, IPF1, Mab-5, NK-1, Pb, Scr, Ubx, Zen-1, Zen-2 Subfamily: Cad Cad, Cdx-1, Cdx-2, Cdx-3 Subfamily: Cut CDP, Cut Subfamily: Dll Dll, Dlx-1 Subfamily: Ems Ems, EMX1, EMX2 Subfamily: En En, En-1, En-2 Subfamily: Eve Eve, Evx-1 Subfamily: Prd al, Alx3, Gsc, K-2, K-2a, K-2b, S8, Otd, Otx1, Otx2, Phox-2, Un c-4 Subfamily: HD-ZIP HAT1, HAT2, HAT3, HAT4, HAT7, HAT9, HAT14, HAT22, Athb-1, Athb- 2, Athb-3, Athb-4 Subfamily: H2.0 HB24, Hox11 / Hlx Subfamily: HNF1 HNF-1, HNF-1A, HNF-1B, HNF-1C, vHNF-1, vHNF-1A, vHNF-1B, vHNF-1 C Subfamily: Lab HOXA1, ERA-1-993, ERA-1-399, HOXB1, HOXD1, Lab, Lab (635 AA), L ab (629 AA) Subfamily: Msh Msx-1, Msx-2 Subfamily: NK-2 NK-2, NK-3, NK-4, Nkx-2.2, Nkx-2.5, Nkx-6.1, Tinman, TTF-1 Subfamily: Bcd Bcd Subfamily: XANF Hesx1/XANF-1 Subfamily: PBC Ceh-20, Exd, MATa1, Pbx1, Pbx1a, Pbx1b, Pbx2, Pbx3, Pbx3a, Pbx3 b Subfamily: not assigned Gtx, KN1, Knox3, MATalpha1, MATalpha2, Pc, PHO2, Prh, Ro, Zeste , Zmhox1a, HAT24, Unc-30, HB9, BarH1, BarH2, Aalpha Y1, Aalpha Y2, Aalph a Y3, alpha2-1, beta2-1, d1-1 Family: POU domain factors Subfamily: I Pit-1, Pit-1a, Pit-1b, Pit-1c Subfamily: II Oct-1, Oct-1A, Oct-1B, Oct-1C, Oct-2, Oct-2.1, Oct-2.2/Oct-2A, Oct-2.3, Oct-2.4, Oct-2.5/Oct-2B, Oct-2.6, Oct-2.7, Oct-2.8, Oct-11, dOc t-2, PDM-1, PDM-2, Nrl-16, Oct-1.5, Oct-1.13, Oct-1.17, Oct-1.32 Subfamily: III POU-M1, N-Oct-3, N-Oct-3, N-Oct-5A, N-Oct-5B, Oct-6, Brn-4, Cf1 a, Brn-1, Nrl-19, Nrl-20, XLPOU-1/Nrl-22 Subfamily: IV Brn-3a, Brn-3a(l), Brn-3a(s), Brn-3b, Brn-3c, I-POU, I-POU, tI- POU, Unc-86, Unc-86 (467 aa), Unc-86 (429 aa) Subfamily: V Oct-3/4, Oct-5, Oct-3A, Oct-3B, Oct-3C, pou2, pou2, t-Pou2, Oct -25, Oct-60, Oct-91 Subfamily: VI Brn-5, Brn-5 (c2), Brn-5 (c1), Brn-5 (c7), TCFbeta1, pou[c] Subfamily: other POU factors CEH-18, Sprm-1, b1-1 Family: Homeo domain with LIM region Subfamily: Homeo domain with LIM region Lin-11, Isl-1, Lmx-1, Lim-1, Lim-3, LH-2, Ap, Mec-3, Isl-2, Lim -2, Lmx2 Subfamily: LIM-only transcription (co-)factors MLP, DMLP1 Family: homeo domain plus zinc finger motifs ATBF1, ATBF1-B, ATBF1-A, Zfh1, Zfh2 Class: Paired box Family: Paired plus homeo domain Prd, Pax-3, Pax-6, Pax-6 / Pd-5, Pd-5a, Pax-7, Gsb, Gsbn Family: Paired domain only Pax-1, Pax-2, Pax-2a, Pax-2b, Pax-5, Pax-8, Pax-8a, Pax-8b, Pax -8c, Pax-8d, Poxn Class: Fork head / winged helix Family: Developmental regulators Fkh, Slp1, Slp2, lin-31, XFD-1, BF-1, v-Qin, c-Qin, Axial, Croc , Whn Family: Tissue-specific regulators HNF-3alpha, HNF-3beta, HNF-3gamma, HFH-4, SGF-1 Family: Other regulators ILF, FKHR, HTLF, QRF-1, HCM1, FD1, FD2, FD3, FD4, FD5, HFH-1, H FH-2, HFH-3, HFH-4, HFH-5, HFH-6, HFH-7, HFH-B2, HFH-B3, Fkh-1, Fkh-2, F kh-3, Fkh-4, Fkh-5, Fkh-6, BF-2 Class: Heat shock factors Family: HSF HSF1, HSF1 (long), HSF1 (short), HSF2, HSF3, dHSF, HSF24, HSF30 , HSF8, fungal HSF Class: Tryptophan clusters Family: Myb Subfamily: Myb-factors c-Myb, A-Myb, A-Myb, A-Myb, B-Myb, v-Myb, GL1, MybSt1, P, P (lo ng), P (short), C1, C1 (long), C1 (short), MYB.Ph2, MYB.Ph3, ATMYB1, ATM YB2 Subfamily: Myb-like factors BAS1, REB1, FlbD, Adf-1, RAP1 Family: Ets-type c-Ets-1, c-Ets-1 p54, c-Ets-1 p68 (c), Ets-1 Delta IV, Ets-1 De lta VII, Ets-1 Delta IV/VII, Ets-2, v-Ets, PEA3, Elk-1, SAP-1, SAP-1a, S AP-1b, SAP-2, Erg-1, Erg-1, Erg-2, p38erg, p55erg, p49erg, Fli-1, Fli-1a , Fli-1b, PU.1, Spi-B, E4TF1-60 / GABP-alpha, Elf-1, Tel, E74, E74A, E74 B, yan, Pnt, P1, P2, Elg, D-Ets-3, D-Ets-4, D-Ets-6, N-Ets-3, ER71, ER81 Family: Interferon-regulating factors IRF-1, IRF-2, IRF-3, Pip, ICSBP, LSIRF-2, ISGF-3gamma Class: TEA domain Family: TEA TEF-1, Sd, TEC1, abaA Superclass: beta-Scaffold Factors with Minor Groove Contacts Class: RHR (Rel homology region) Family: Rel/ankyrin NF-kappaB1, p105, p50, NF-kappaB2, p100, p52, p49, RelA, p65, p 65Delta, RelB, c-Rel, v-Rel, Dorsal Family: ankyrin only IkappaBalpha, IkappaBbeta, IkappaBgamma, IkappaBgamma, IkappaBg amma-1, IkappaBgamma-2, IkappaBR, Bcl-3, Cactus Family: NF-AT NF-ATc, NF-ATp, NF-ATx, NF-ATc3 Class: STAT Family: STAT STAT1, p91, p84, STAT2, STAT3, STAT4, STAT5A, STAT5B, STAT6 Class: p53 Family: p53 p53, p53, p53as Class: MADS box Family: Regulators of differentiation Subfamily: MEF-2 MEF-2A, MEF-2A, aMEF-2, RSRFC4, RSRFC9, MEF-2B, MEF-2B1, MEF-2B 2, MEF-2B3, MEF-2B4, MEF-2C, MEF-2C, MEF-2C/ Delta8, MEF-2C/Delta32, MEF -2C/Delta8,Delta32, MEF-2D, MEF-2DAB, MEF-2DA'B, MEF-2D0B, MEF-2DA0, MEF -2DA'0, MEF-2D00, D-MEF2 Subfamily: homeotic genes AG, AP1, DEF A, GLO, NMH7, ZEM, ZEM1, ZEM2, ZEM3, ZEM4, ZEM5, P I, PMADS3, Fbp2, Fbp3, AGL1, AGL2, AGL3, AGL4, AGL5, AGL6, SQA, O-MADS, TAG1, TDR3, TDR4, TDR5, TDR6, NAG1, Tobmads1, MADS1, AP1, AP3 Subfamily: yeast regulators MCM1, YBR182C Family: Responders to external signals SRF, RLM1 Family: Metabolic regulators ARG RI Class: beta-Barrel alpha-helix transcription factors Family: E2 E2, EBNA-1 Class: TATA-binding proteins Family: TBP TBP Class: HMG Family: SOX SRY, Sox-2, Sox-4, Sox-5, Sox-9, Sox-18, SOX-LZ, Sox-8, Sox-10, Sox-11, Sox-12, Sox-13, Sox-14, Sox-15, Sox-16 Family: TCF-1 TCF-1alpha, LEF-1L, LEF-1S, TCF-1, TCF-1A, TCF-1B, TCF-1C, TCF- 1D, TCF-1E, TCF-1F, TCF-1G, TCF-1P, TCF-3, TCF-4 Family: HMG2-related SSRP1, Dm-SSRP1, Ixr1, DSP1 Family: UBF UBF, UBF1 / xUBF2, UBF2, xUBF1 Family: MATA mat-Mc Family: Other HMG box factors IRE-ABP, MNB1b, Rox1 Class: Heteromeric CCAAT factors Family: Heteromeric CCAAT factors CP1A / HAP3, CP1B / HAP2, CP1B, CP1B, CP1B, CP1B, CBF-C / HAP4 Class: Grainyhead Family: Grainyhead CP2, LBP-1a, Grainyhead Class: Cold-shock domain factors Family: csd Subfamily: A (DbpA-like) DbpA, DbpA, DbpAv, Ybx-3, RSV-EF-II Subfamily: B (YB-1/DbpB-like) YB-1 / DbpB / EFIA / FRG Y1, YB-3 Subfamily: C (FRG Y2-like) FRG Y2 Class: Runt Family: Runt Subfamily: PEBP2alphaA PEBP2alphaA/AML3, PEBP2alphaA/Osf-2, PEBP2alphaA/Til-1, PEBP2al phaA/Til-1(Y), PEBP2alphaA/Til-1(U), PEBP2alphaA1/AML-3, PEBP2alphaA2 Subfamily: PEBP2alphaB PEBP2alphaB/AML1, PEBP2alphaB1/AML1b, PEBP2alphaB2, AML1a, AML1 c, AML1DeltaN, Ch-runtB2 Subfamily: PEBP2alphaC PEBP2alphaC1/AML2 Subfamily: Runt Runt Subfamily: Lozange Lozange Superclass: Other Transcription Factors Class: Copper fist proteins Family: Fungal regulators ACE1/CUP2, AMT1 Class: HMGI(Y) Family: HMGI(Y) HMG I(Y), HMG I, HMG Y, HMGI-C, cHMGI Class: Pocket domain Family: Rb Rb, p107 Family: CBP CBP Class: E1A-like factors Family: E1A E1A, E1A 12S, E1A 13S Class: AP2/EREBP-related factors Family: AP2 AP2, ANT, Gl15, IDS1 Family: EREBP ABI4, CBF1/DREB1B, DREB1A, DREB1C, DREB2A, DREB2B, EBP, EREBP-1 , EREBP-2, EREBP-3, EREBP-4, ERF1, RAP2.5, TINY Family: AP2/B3 RAV1, RAV2 これらの転写因子の詳細については、例えば、http://t
ransfac.gbf.de/TRANSFAC/cl/cl.htmlに見いだすことが
できる。
ransfac.gbf.de/TRANSFAC/cl/cl.htmlに見いだすことが
できる。
【0025】特定の転写因子とそれにより制御されるプ
ロモーターとの組み合わせについては,これまでに多く
の報告がある。1つの転写因子が複数のプロモーターを
制御する場合もあり,例えば,癌抑制因子として知られ
るp53は,p21, Mdm-2, Bax, Gadd45, Fas/APO-1, EG
FR, TGF-alpha, A28-RGS14 (G-蛋白質レギュレーター),
Rb, IGF-BP3, サイクリンG, hMSH2, PCNA, スロンボス
ポンジン-1, DDR, 筋クレアチンキナーゼ, サイトケラ
チン8, KILLER/DR5, H-ras, GML, c-fos, 筋特異的ホス
グリセレートムターゼ, c-fos, PA26, 平滑筋アルファ
−アクチン, MMP-2, TP53TG5, TP53TG3, P2XM (22q), 1
4-3-3sigma, BAI-1, TP53AIP1 等のプロモーターの転写
を促進し、サイクリンA, bcl-2, myc, IGF-II, IGF-IR,
VEGF, bFGF, IL-6, MDR-1, MGMT, iNOS, c-fos, c-ju
n, myb, hsc70, hsp70, p53, MHCI, チミジレートシン
ターゼ, DP-1, MMP-1, MMP-13, MRP-1のプロモーターの
転写を抑制することが知られている。これらのうち、MD
R-1は多剤耐性遺伝子であり,IGF-IR, EGFRは癌細胞の
増殖促進,VEGFは血管新生,MMP-13は癌細胞の浸潤にか
かわる遺伝子であり,p53による癌の抑制は、これらの
プロモーターの制御を介して作用しているものと考えら
れる。また、p53の変異体は通常,転写活性化を行う能
力を失っているが、IGF-IR, EGFR, VEGF, IL-6, MDR-1,
PCNA, MMP-13, グルタチオンペルオキシダーゼなどの
プロモーターについては逆説的に強く転写活性化を行う
ことが知られている。
ロモーターとの組み合わせについては,これまでに多く
の報告がある。1つの転写因子が複数のプロモーターを
制御する場合もあり,例えば,癌抑制因子として知られ
るp53は,p21, Mdm-2, Bax, Gadd45, Fas/APO-1, EG
FR, TGF-alpha, A28-RGS14 (G-蛋白質レギュレーター),
Rb, IGF-BP3, サイクリンG, hMSH2, PCNA, スロンボス
ポンジン-1, DDR, 筋クレアチンキナーゼ, サイトケラ
チン8, KILLER/DR5, H-ras, GML, c-fos, 筋特異的ホス
グリセレートムターゼ, c-fos, PA26, 平滑筋アルファ
−アクチン, MMP-2, TP53TG5, TP53TG3, P2XM (22q), 1
4-3-3sigma, BAI-1, TP53AIP1 等のプロモーターの転写
を促進し、サイクリンA, bcl-2, myc, IGF-II, IGF-IR,
VEGF, bFGF, IL-6, MDR-1, MGMT, iNOS, c-fos, c-ju
n, myb, hsc70, hsp70, p53, MHCI, チミジレートシン
ターゼ, DP-1, MMP-1, MMP-13, MRP-1のプロモーターの
転写を抑制することが知られている。これらのうち、MD
R-1は多剤耐性遺伝子であり,IGF-IR, EGFRは癌細胞の
増殖促進,VEGFは血管新生,MMP-13は癌細胞の浸潤にか
かわる遺伝子であり,p53による癌の抑制は、これらの
プロモーターの制御を介して作用しているものと考えら
れる。また、p53の変異体は通常,転写活性化を行う能
力を失っているが、IGF-IR, EGFR, VEGF, IL-6, MDR-1,
PCNA, MMP-13, グルタチオンペルオキシダーゼなどの
プロモーターについては逆説的に強く転写活性化を行う
ことが知られている。
【0026】本発明の方法においては,酵母細胞内で転
写因子を発現する第1のベクターが用いられる。転写因
子発現ベクターは,転写因子をコードする遺伝子,およ
びこの遺伝子に適切に連結された,酵母内で動作可能な
プロモーターを含み,さらに任意にターミネーターを含
んでいてもよい。このようなプロモーターの例として
は,CYC1プロモーター,ADH1プロモーターが挙げられ
る。転写因子発現ベクターは,さらに,ベクターを保有
するクローンを選択するための選択マーカーを含む。選
択マーカーとしては,URA3,TRP1,LEU2,
HIS3,LYS2等が知られており,適切な酵母栄養
要求性株と組み合わせて用いることができる。さらに,
ベクターの構築および増幅等の操作を容易にするため,
転写因子発現ベクターは,大腸菌において動作可能な複
製起点およびマーカーをさらに含むことが好ましい。
写因子を発現する第1のベクターが用いられる。転写因
子発現ベクターは,転写因子をコードする遺伝子,およ
びこの遺伝子に適切に連結された,酵母内で動作可能な
プロモーターを含み,さらに任意にターミネーターを含
んでいてもよい。このようなプロモーターの例として
は,CYC1プロモーター,ADH1プロモーターが挙げられ
る。転写因子発現ベクターは,さらに,ベクターを保有
するクローンを選択するための選択マーカーを含む。選
択マーカーとしては,URA3,TRP1,LEU2,
HIS3,LYS2等が知られており,適切な酵母栄養
要求性株と組み合わせて用いることができる。さらに,
ベクターの構築および増幅等の操作を容易にするため,
転写因子発現ベクターは,大腸菌において動作可能な複
製起点およびマーカーをさらに含むことが好ましい。
【0027】酵母内で転写因子を発現するベクターは,
当該技術分野において知られる酵母シャトルベクター
に,転写因子をコードする遺伝子を適当なプロモーター
・ターミネーターとともに挿入することにより構築する
ことができる。例えば,酵母シャトルベクターpRS315
(Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(Sikorski R, Hieter P:
Asystem of shuttle vectors and yeast host strains
designed for efficientmanipulation of DNA in Sacch
aromyces cerevisiae. Genetics 122: 19-27, 1989)に
1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,転写因子のcDNA
を含む断片,さらにその下流にCYC1ターミネーター配列
をこの順に組み込む。あるいは,当該技術分野において
よく知られる酵母発現ベクターの適切なクローニング部
位に,転写因子のcDNAを挿入することにより構築するこ
ともできる。
当該技術分野において知られる酵母シャトルベクター
に,転写因子をコードする遺伝子を適当なプロモーター
・ターミネーターとともに挿入することにより構築する
ことができる。例えば,酵母シャトルベクターpRS315
(Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(Sikorski R, Hieter P:
Asystem of shuttle vectors and yeast host strains
designed for efficientmanipulation of DNA in Sacch
aromyces cerevisiae. Genetics 122: 19-27, 1989)に
1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,転写因子のcDNA
を含む断片,さらにその下流にCYC1ターミネーター配列
をこの順に組み込む。あるいは,当該技術分野において
よく知られる酵母発現ベクターの適切なクローニング部
位に,転写因子のcDNAを挿入することにより構築するこ
ともできる。
【0028】転写因子の発現量を制御するため,転写因
子発現ベクターは,このベクターが導入された酵母にお
いて1コピーで維持されることが好ましい。酵母の染色
体外で1コピーで安定に維持されるベクターは,当該技
術分野においてよく知られており,一般にYCpベクタ
ーと称される。
子発現ベクターは,このベクターが導入された酵母にお
いて1コピーで維持されることが好ましい。酵母の染色
体外で1コピーで安定に維持されるベクターは,当該技
術分野においてよく知られており,一般にYCpベクタ
ーと称される。
【0029】本発明のさらに好ましい態様においては,
転写因子発現ベクターはさらに,転写因子の発現量の指
標を与える内部標準リポーターを含む。リポーターと
は,プロモーターの下流に連結してプロモーターの転写
量の測定を可能とする蛋白質である。内部標準リポータ
ーとしては,その活性を簡便に測定することができる酵
素,例えば,各種ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダー
ゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
等を用いることができる。内部標準リポーターの発現量
を用いることにより,転写因子の発現量の相違により生
ずるプロモーター活性の測定誤差を補正することができ
る。
転写因子発現ベクターはさらに,転写因子の発現量の指
標を与える内部標準リポーターを含む。リポーターと
は,プロモーターの下流に連結してプロモーターの転写
量の測定を可能とする蛋白質である。内部標準リポータ
ーとしては,その活性を簡便に測定することができる酵
素,例えば,各種ルシフェラーゼ,β−ガラクトシダー
ゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
等を用いることができる。内部標準リポーターの発現量
を用いることにより,転写因子の発現量の相違により生
ずるプロモーター活性の測定誤差を補正することができ
る。
【0030】より好ましくは,転写因子をコードする遺
伝子と内部標準リポーターをコードする遺伝子とは,こ
れらの転写が同じプロモーターにより駆動されるように
配置される。このことにより,転写因子の発現量が内部
標準リポーターの発現量と比例するため,転写因子発現
量に依存する誤差を補正することにより,試験薬剤が転
写因子の活性に及ぼす影響をより正確に定量することが
可能となる。この場合,転写因子をコードする遺伝子
と,内部標準リポーターをコードする遺伝子の配置は,
これらの遺伝子の発現量と用いる検出系の感度に応じ
て,適宜選択することができる。
伝子と内部標準リポーターをコードする遺伝子とは,こ
れらの転写が同じプロモーターにより駆動されるように
配置される。このことにより,転写因子の発現量が内部
標準リポーターの発現量と比例するため,転写因子発現
量に依存する誤差を補正することにより,試験薬剤が転
写因子の活性に及ぼす影響をより正確に定量することが
可能となる。この場合,転写因子をコードする遺伝子
と,内部標準リポーターをコードする遺伝子の配置は,
これらの遺伝子の発現量と用いる検出系の感度に応じ
て,適宜選択することができる。
【0031】2以上の因子が複合体を形成して転写因子
として作用する場合には,これらの因子をコードする遺
伝子を同一ベクター上に配置して酵母に導入することに
より,アッセイをより簡便にすることができる。例え
ば,β-カテニンと Tcf-4のそれぞれをコードする遺伝
子を,同一のベクター上にそれぞれのプロモーターの下
流に配置するか,または同一のプロモーターの下流に配
置することにより,共発現させることができる。
として作用する場合には,これらの因子をコードする遺
伝子を同一ベクター上に配置して酵母に導入することに
より,アッセイをより簡便にすることができる。例え
ば,β-カテニンと Tcf-4のそれぞれをコードする遺伝
子を,同一のベクター上にそれぞれのプロモーターの下
流に配置するか,または同一のプロモーターの下流に配
置することにより,共発現させることができる。
【0032】別の観点においては,本発明は,酵母にお
いて転写因子を発現するベクターであって,転写因子を
コードする核酸配列,内部標準リポーターをコードする
核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモータ
ー,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,こ
こで,転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポー
ターをコードする核酸配列とが,同じプロモーターによ
り駆動されるように配置されているベクターを特徴とす
る。
いて転写因子を発現するベクターであって,転写因子を
コードする核酸配列,内部標準リポーターをコードする
核酸配列,および,酵母において動作可能なプロモータ
ー,ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,こ
こで,転写因子をコードする核酸配列と内部標準リポー
ターをコードする核酸配列とが,同じプロモーターによ
り駆動されるように配置されているベクターを特徴とす
る。
【0033】このような発現ベクターの1つの好ましい
例は,以下の構造を有する:→ADH1プロモーター::転写
因子::ポリA付加領域::ターミネーター→LEU2→Renilla
Luc→CEN/ARS→Amp→ColE1ori→このプラスミドベクタ
ーは,ロイシン欠損培地上においてyPH857酵母内で1コ
ピーのみ維持され,転写因子とウミシイタケルシフェラ
ーゼ(Renilla Luc)を比例発現する。ウミシイタケルシ
フェラーゼ活性は強いのでADH1プロモーターからの距離
を上記のように設定し配置することにより,測定範囲内
での適切な発現を得ることができる。
例は,以下の構造を有する:→ADH1プロモーター::転写
因子::ポリA付加領域::ターミネーター→LEU2→Renilla
Luc→CEN/ARS→Amp→ColE1ori→このプラスミドベクタ
ーは,ロイシン欠損培地上においてyPH857酵母内で1コ
ピーのみ維持され,転写因子とウミシイタケルシフェラ
ーゼ(Renilla Luc)を比例発現する。ウミシイタケルシ
フェラーゼ活性は強いのでADH1プロモーターからの距離
を上記のように設定し配置することにより,測定範囲内
での適切な発現を得ることができる。
【0034】ウミシイタケルシフェラーゼをコードする
遺伝子は,市販のプラスミドに含まれている配列を適宜
切り出すか,またはそのようなプラスミドをテンプレー
トとして用いて,末端に適当な制限酵素部位が生じるよ
うにPCR増幅することにより得ることができる。これ
を上述の発現ベクター中に挿入することにより,転写因
子・ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターを構
築することができる。
遺伝子は,市販のプラスミドに含まれている配列を適宜
切り出すか,またはそのようなプラスミドをテンプレー
トとして用いて,末端に適当な制限酵素部位が生じるよ
うにPCR増幅することにより得ることができる。これ
を上述の発現ベクター中に挿入することにより,転写因
子・ウミシイタケ ルシフェラーゼ共発現ベクターを構
築することができる。
【0035】本発明の別の観点においては,本発明は,
酵母において転写因子を発現する発現ベクターを構築す
るためのクローニングベクターを特徴とする。このクロ
ーニングベクターは,転写因子をコードする核酸配列を
挿入するためのクローニング部位,内部標準リポーター
をコードする核酸配列,および,酵母において動作可能
なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝
子を含み,ここで,クローニング部位と内部標準リポー
ターをコードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子
をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードす
る核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるよう
に配置されている。
酵母において転写因子を発現する発現ベクターを構築す
るためのクローニングベクターを特徴とする。このクロ
ーニングベクターは,転写因子をコードする核酸配列を
挿入するためのクローニング部位,内部標準リポーター
をコードする核酸配列,および,酵母において動作可能
なプロモーター,ターミネーター,およびマーカー遺伝
子を含み,ここで,クローニング部位と内部標準リポー
ターをコードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子
をコードする核酸配列と内部標準リポーターをコードす
る核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるよう
に配置されている。
【0036】さらに,本発明の方法においては,上述の
第1のベクターから発現される転写因子により制御され
るプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なよ
うに連結されたアッセイリポーターとを含有する第2の
ベクターをアッセイに用いる。
第1のベクターから発現される転写因子により制御され
るプロモーターと,プロモーターの下流に動作可能なよ
うに連結されたアッセイリポーターとを含有する第2の
ベクターをアッセイに用いる。
【0037】このリポーターベクターにおいては,アッ
セイリポーターとして,その発現の有無またはその量を
発色などにより確認することができる蛋白質,または適
当なアッセイ系において吸光度変化または蛍光発色を検
出することによりその活性を簡便に測定することができ
る酵素を用いることができる。例としては,各種ルシフ
ェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダー
ゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
等が挙げられる。当業者には明らかなように,上述の内
部標準リポーターとアッセイリポーターとは,異なるも
のを用いなければならない。
セイリポーターとして,その発現の有無またはその量を
発色などにより確認することができる蛋白質,または適
当なアッセイ系において吸光度変化または蛍光発色を検
出することによりその活性を簡便に測定することができ
る酵素を用いることができる。例としては,各種ルシフ
ェラーゼ,酵母ADE2,GFP,β−ガラクトシダー
ゼ,クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
等が挙げられる。当業者には明らかなように,上述の内
部標準リポーターとアッセイリポーターとは,異なるも
のを用いなければならない。
【0038】本発明の第2のベクター,すなわち,プロ
モーターとアッセイリポーターとを含有するリポーター
ベクターは,転写因子に対応するプロモーターを市販の
アッセイ用ベクター,例えばルシフェラーゼアッセイベ
クター GL3-Basic(Promega社)に組み込むことにより構
築することができる。
モーターとアッセイリポーターとを含有するリポーター
ベクターは,転写因子に対応するプロモーターを市販の
アッセイ用ベクター,例えばルシフェラーゼアッセイベ
クター GL3-Basic(Promega社)に組み込むことにより構
築することができる。
【0039】本発明のリポーターベクターは,酵母染色
体中に組み込まれるよう,酵母自律複製配列を有しない
ことが好ましい。このことにより,1コピーのリポータ
ーベクターを安定して保有する酵母細胞を容易に増殖さ
せることができる。酵母染色体上に組み込むためのベク
ターは,当該技術分野においてよく知られており,一般
にYIpと称される。
体中に組み込まれるよう,酵母自律複製配列を有しない
ことが好ましい。このことにより,1コピーのリポータ
ーベクターを安定して保有する酵母細胞を容易に増殖さ
せることができる。酵母染色体上に組み込むためのベク
ターは,当該技術分野においてよく知られており,一般
にYIpと称される。
【0040】プロモーター,すなわち遺伝子の発現調節
領域は通常遺伝子のコード領域の直近上流あるいは第一
イントロン内にある。プロモーター配列は,転写開始点
の100-200塩基上流までにあり,基本転写因子および構
成的転写因子が結合して基本転写量を決定する構成的制
御領域と,そのさらに上流にあり,応答性転写因子の有
無に応じて転写量を制御する調節的制御領域に2分され
る。従って,ヒトプロモーターとアッセイリポーターと
を含むリポーターベクターを構築する場合には次の組み
合わせがある:
領域は通常遺伝子のコード領域の直近上流あるいは第一
イントロン内にある。プロモーター配列は,転写開始点
の100-200塩基上流までにあり,基本転写因子および構
成的転写因子が結合して基本転写量を決定する構成的制
御領域と,そのさらに上流にあり,応答性転写因子の有
無に応じて転写量を制御する調節的制御領域に2分され
る。従って,ヒトプロモーターとアッセイリポーターと
を含むリポーターベクターを構築する場合には次の組み
合わせがある:
【0041】1) ヒト調節的制御領域+ヒト構成的制
御領域+アッセイリポーター(以下,タイプAと称す
る) 2) ヒト調節的制御領域+酵母構成的制御領域+アッ
セイリポーター(以下,タイプBと称する) タイプAのベクターの1つの好ましい例は,以下の構造
を有する:→ [クローニング部位]::アッセイリポータ
ー:: ポリA付加領域::ターミネーター→URA3→ColE1 or
i→Amp→ タイプBのベクターの1つの好ましい例は,以下の構造
を有する:→ [クローニング部位]::CYC最小プロモータ
ー::アッセイリポーター:: ポリA付加領域::ターミネー
ター→URA3→ColE1 ori→Amp→ このクローニング部位に所望のプロモーターを挿入する
ことにより,本発明のリポーターベクターを構築するこ
とができる。タイプAの場合には,プロモーターとし
て,ヒトBax遺伝子プロモーター,ヒトp21遺伝子プロモ
ーター等を用いることができる。タイプBの場合には,
ヒト調節的制御領域としては,転写因子が結合する配列
として知られる配列,例えばRGC配列,Tcf結合配列等を
用いることができる。酵母構成的制御領域としては,例
えばCYC最小プロモーター(Flaman,J.-M. et al. A simp
le p53 functional assay for screening cell lines,
blood, and tumors.Proc Natl Acad Sci USA 92, 3963-
3967, 1995)を用いることができる。
御領域+アッセイリポーター(以下,タイプAと称す
る) 2) ヒト調節的制御領域+酵母構成的制御領域+アッ
セイリポーター(以下,タイプBと称する) タイプAのベクターの1つの好ましい例は,以下の構造
を有する:→ [クローニング部位]::アッセイリポータ
ー:: ポリA付加領域::ターミネーター→URA3→ColE1 or
i→Amp→ タイプBのベクターの1つの好ましい例は,以下の構造
を有する:→ [クローニング部位]::CYC最小プロモータ
ー::アッセイリポーター:: ポリA付加領域::ターミネー
ター→URA3→ColE1 ori→Amp→ このクローニング部位に所望のプロモーターを挿入する
ことにより,本発明のリポーターベクターを構築するこ
とができる。タイプAの場合には,プロモーターとし
て,ヒトBax遺伝子プロモーター,ヒトp21遺伝子プロモ
ーター等を用いることができる。タイプBの場合には,
ヒト調節的制御領域としては,転写因子が結合する配列
として知られる配列,例えばRGC配列,Tcf結合配列等を
用いることができる。酵母構成的制御領域としては,例
えばCYC最小プロモーター(Flaman,J.-M. et al. A simp
le p53 functional assay for screening cell lines,
blood, and tumors.Proc Natl Acad Sci USA 92, 3963-
3967, 1995)を用いることができる。
【0042】これらのプロモーター配列または制御領域
配列は,市販のベクターから適宜切り出すか,既知の配
列に基づいてPCR増幅するか,または合成オリゴヌク
レオチドを用いることにより作成することができる。
配列は,市販のベクターから適宜切り出すか,既知の配
列に基づいてPCR増幅するか,または合成オリゴヌク
レオチドを用いることにより作成することができる。
【0043】ポリA付加領域::ターミネーターはアッセ
イリポーターのmRNA形成およびその安定化のため,ColE
1 ori (大腸菌複製起点)およびAmp (アンピシリン耐性
遺伝子)は大腸菌内でのプラスミド増幅のためである。
タイプAの場合において,転写量が少ないためにアッセ
イが困難な場合には,クローニング部位とリポーター蛋
白質の間にポリオーマウイルス早期応答遺伝子プロモー
タ配列Py ori: (Kern, S. E. et al. Oncogenic forms
of p53 inhibit p53-regulated gene expression. Scie
nce 256, 827-830, 1992)を挿入することができる。
イリポーターのmRNA形成およびその安定化のため,ColE
1 ori (大腸菌複製起点)およびAmp (アンピシリン耐性
遺伝子)は大腸菌内でのプラスミド増幅のためである。
タイプAの場合において,転写量が少ないためにアッセ
イが困難な場合には,クローニング部位とリポーター蛋
白質の間にポリオーマウイルス早期応答遺伝子プロモー
タ配列Py ori: (Kern, S. E. et al. Oncogenic forms
of p53 inhibit p53-regulated gene expression. Scie
nce 256, 827-830, 1992)を挿入することができる。
【0044】本発明の方法においては,次に,上述の転
写因子発現ベクターおよびリポーターベクターを酵母内
に導入する。この工程は,当該技術分野において知られ
る標準的な方法,例えば酢酸リチウム法を用いて行うこ
とができる。適切な栄養要求性マーカーと酵母変異株を
用いることにより,リポーターベクターが染色体中に組
み込まれた酵母株を容易に単離することができる。この
ような組換え技術は,当該技術分野において広く知られ
ており,種々の染色体組込用ベクター,例えばpRS406
(Stratagene,CA,USA)が市販されている。
写因子発現ベクターおよびリポーターベクターを酵母内
に導入する。この工程は,当該技術分野において知られ
る標準的な方法,例えば酢酸リチウム法を用いて行うこ
とができる。適切な栄養要求性マーカーと酵母変異株を
用いることにより,リポーターベクターが染色体中に組
み込まれた酵母株を容易に単離することができる。この
ような組換え技術は,当該技術分野において広く知られ
ており,種々の染色体組込用ベクター,例えばpRS406
(Stratagene,CA,USA)が市販されている。
【0045】一例として,ベクターをURA3の内部で制限
酵素により切断し,酢酸リチウム法によりura3-の酵母
株に導入する。酵母内に導入された線状化プラスミドの
切断されたベクター上のURA3は酵母内で酵母染色体上変
異型URA3と遺伝子相同組み換えを起こし,プロモーター
およびアッセイリポーターが酵母染色体上に組み込まれ
る。染色体上組み込みが行われた酵母株はウラシル非要
求性株となるため,ウラシル欠乏半合成最少培地にて形
質転換された酵母を選択することができる。
酵素により切断し,酢酸リチウム法によりura3-の酵母
株に導入する。酵母内に導入された線状化プラスミドの
切断されたベクター上のURA3は酵母内で酵母染色体上変
異型URA3と遺伝子相同組み換えを起こし,プロモーター
およびアッセイリポーターが酵母染色体上に組み込まれ
る。染色体上組み込みが行われた酵母株はウラシル非要
求性株となるため,ウラシル欠乏半合成最少培地にて形
質転換された酵母を選択することができる。
【0046】さらに別の観点においては,本発明は,酵
母において転写因子および内部標準リポーターを発現す
る第1のベクター,およびその活性が転写因子により制
御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可
能なように連結された,内部標準リポーターとは異なる
アッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む
酵母細胞を特徴とする。
母において転写因子および内部標準リポーターを発現す
る第1のベクター,およびその活性が転写因子により制
御されるプロモーターと,プロモーターの下流に動作可
能なように連結された,内部標準リポーターとは異なる
アッセイリポーターとを含有する第2のベクターを含む
酵母細胞を特徴とする。
【0047】本発明の1つの態様においては,第1のベ
クターと第2のベクターは,同一のベクター上に存在し
ていてもよい。
クターと第2のベクターは,同一のベクター上に存在し
ていてもよい。
【0048】本発明の好ましい態様においては,本発明
の方法は,工程(3)において,転写因子の補助因子を
発現する第3のベクターを酵母に導入することをさらに
含む。補助因子とは,転写因子と相互作用して,転写因
子の活性を促進または抑制する蛋白質である。例えば,
転写因子p53の活性は,p33ING1,p33IN
G2,c−Ablキナーゼ,p300 (アセチル化),カゼ
イン・キナーゼ I (リン酸化),カゼイン・キナーゼ II
(リン酸化),DNAプロテインキナーゼ (リン酸化),ATM
(リン酸化), 14-3-3蛋白 (結合)などにより促進され,
細胞蛋白であるMdm2,Bcl-2,p40など,ウイルス蛋白で
あるSV40 Large T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒト
パピローマウイルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EB
ウイルスEBNA-5, HTLV-1 Tax蛋白などにより抑制される
ことが知られている。さらに補助因子として、PK270,
二本鎖-RNA-活性化蛋白質キナーゼ, CDK7-サイクリンH
複合体,MAPキナーゼ, サイクリンB/cdc2複合体,サイ
クリンA/cdk2複合体,プロテインキナーゼC,Ref1,Rad
51, HIF-1, p53-BP1, p53-BP2, JCウイルス蛋白,アデ
ノ随伴ウィルスRep78, EBウィルスBZLF1,サイトメガロ
ウィルスIE84,ヘルペスウィルス6 orf1などが知られ
ている。本発明のこの態様においては,試験薬剤が転写
因子と補助因子との分子間相互作用に及ぼす影響を測定
することができる。
の方法は,工程(3)において,転写因子の補助因子を
発現する第3のベクターを酵母に導入することをさらに
含む。補助因子とは,転写因子と相互作用して,転写因
子の活性を促進または抑制する蛋白質である。例えば,
転写因子p53の活性は,p33ING1,p33IN
G2,c−Ablキナーゼ,p300 (アセチル化),カゼ
イン・キナーゼ I (リン酸化),カゼイン・キナーゼ II
(リン酸化),DNAプロテインキナーゼ (リン酸化),ATM
(リン酸化), 14-3-3蛋白 (結合)などにより促進され,
細胞蛋白であるMdm2,Bcl-2,p40など,ウイルス蛋白で
あるSV40 Large T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒト
パピローマウイルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EB
ウイルスEBNA-5, HTLV-1 Tax蛋白などにより抑制される
ことが知られている。さらに補助因子として、PK270,
二本鎖-RNA-活性化蛋白質キナーゼ, CDK7-サイクリンH
複合体,MAPキナーゼ, サイクリンB/cdc2複合体,サイ
クリンA/cdk2複合体,プロテインキナーゼC,Ref1,Rad
51, HIF-1, p53-BP1, p53-BP2, JCウイルス蛋白,アデ
ノ随伴ウィルスRep78, EBウィルスBZLF1,サイトメガロ
ウィルスIE84,ヘルペスウィルス6 orf1などが知られ
ている。本発明のこの態様においては,試験薬剤が転写
因子と補助因子との分子間相互作用に及ぼす影響を測定
することができる。
【0049】これらの補助因子を発現するベクターは,
上述の第1のベクターと同様に,市販の酵母発現ベクタ
ーを用いて,当該技術分野においてよく知られる方法に
より構築することができる。補助因子を発現するベクタ
ーは,その発現量による影響を補正するために,内部標
準リポーターを含むように構築してもよい。
上述の第1のベクターと同様に,市販の酵母発現ベクタ
ーを用いて,当該技術分野においてよく知られる方法に
より構築することができる。補助因子を発現するベクタ
ーは,その発現量による影響を補正するために,内部標
準リポーターを含むように構築してもよい。
【0050】次に,このようにして調製した酵母細胞に
試験薬剤を接触させ,プロモーターの活性を測定する。
好ましい態様においては,酵母細胞を96穴プレートに
播種し,各ウエルに試験薬剤を加え,アッセイリポータ
ーの発現量を指標としてプロモーター活性を判定する。
試験薬剤を接触させ,プロモーターの活性を測定する。
好ましい態様においては,酵母細胞を96穴プレートに
播種し,各ウエルに試験薬剤を加え,アッセイリポータ
ーの発現量を指標としてプロモーター活性を判定する。
【0051】アッセイリポーターとしてADE2を用い
る場合には,転写活性は酵母のコロニーの色として判定
することができる。活性が高い場合には白色,低い場合
にはピンク色から赤色を呈する。
る場合には,転写活性は酵母のコロニーの色として判定
することができる。活性が高い場合には白色,低い場合
にはピンク色から赤色を呈する。
【0052】アッセイリポーターとして定量可能な酵素
遺伝子を用いる場合には,標準的な方法により,対応す
る基質を加えて,吸光度の変化,発光量の変化等を測定
することにより,酵素活性を測定することができる。こ
の場合,内部標準リポーターを利用して,転写因子の発
現量を補正することにより,プロモーター活性,すなわ
ち転写因子の活性をより定量的に測定することができ
る。
遺伝子を用いる場合には,標準的な方法により,対応す
る基質を加えて,吸光度の変化,発光量の変化等を測定
することにより,酵素活性を測定することができる。こ
の場合,内部標準リポーターを利用して,転写因子の発
現量を補正することにより,プロモーター活性,すなわ
ち転写因子の活性をより定量的に測定することができ
る。
【0053】好ましくは,酵母を試験薬剤と接触させる
前にザイモリアーゼで処理することにより,薬剤の透過
性を高めることができる。
前にザイモリアーゼで処理することにより,薬剤の透過
性を高めることができる。
【0054】本発明の方法を用いて,転写因子の活性に
影響を及ぼす薬剤を容易にスクリーニングすることがで
きる。
影響を及ぼす薬剤を容易にスクリーニングすることがで
きる。
【0055】すなわち,本発明の1つの観点において
は,本発明は,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を同
定する方法,ならびに該方法により同定される薬剤を特
徴とする。該方法は,
は,本発明は,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を同
定する方法,ならびに該方法により同定される薬剤を特
徴とする。該方法は,
【0056】(1) 酵母において転写因子を発現する
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を
変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤
として同定するの各工程を含む。
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性を
変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤
として同定するの各工程を含む。
【0057】1次スクリーニングとしては,ターゲット
となる転写因子に対応するプロモーターの下流にGFPな
どの発色または蛍光蛋白質をアッセイリポーターとして
連結したリポーターベクターを酵母染色体内に組み込
み,転写因子発現ベクターを単独で,またはその補助因
子を発現するベクターとともに,この酵母に導入する。
薬剤浸透を確実にするために細胞壁をザイモリアーゼ消
化したのち,96穴マイクロタイタープレートの各ウェル
に一定量ずつ入れる。これにスクリーニング用の試験薬
剤を各ウェルに添加して,一定時間後,吸光度変化また
は蛍光発色をプレートリーダーにて測定する。対照の転
写量に比し,増減のあったウェルの薬剤を,転写因子の
活性に影響を及ぼす薬剤として選択する。
となる転写因子に対応するプロモーターの下流にGFPな
どの発色または蛍光蛋白質をアッセイリポーターとして
連結したリポーターベクターを酵母染色体内に組み込
み,転写因子発現ベクターを単独で,またはその補助因
子を発現するベクターとともに,この酵母に導入する。
薬剤浸透を確実にするために細胞壁をザイモリアーゼ消
化したのち,96穴マイクロタイタープレートの各ウェル
に一定量ずつ入れる。これにスクリーニング用の試験薬
剤を各ウェルに添加して,一定時間後,吸光度変化また
は蛍光発色をプレートリーダーにて測定する。対照の転
写量に比し,増減のあったウェルの薬剤を,転写因子の
活性に影響を及ぼす薬剤として選択する。
【0058】2次スクリーニングとしては,より詳細に
転写活性化能の変化を定量できるよう,例えばアッセイ
リポーターとして蛍ルシフェラーゼを,内部標準リポー
ターとしてウミシイタケルシフェラーゼを用いる。この
ような酵母システムを用いて1次スクリーニングにより
選択された薬剤をテストすることにより,用量依存性,
プロモーター種別での効果,薬剤の作用点について検討
することができる。
転写活性化能の変化を定量できるよう,例えばアッセイ
リポーターとして蛍ルシフェラーゼを,内部標準リポー
ターとしてウミシイタケルシフェラーゼを用いる。この
ような酵母システムを用いて1次スクリーニングにより
選択された薬剤をテストすることにより,用量依存性,
プロモーター種別での効果,薬剤の作用点について検討
することができる。
【0059】本発明にしたがう薬剤スクリーニング方法
により,1) 癌の増殖やアポトーシスに関わる転写因子
(=癌遺伝子)を制御できる薬剤,2) Th1/Th2バランスな
ど免疫系を制御できる薬剤,3) cAMP応答エレメントに
よる心・血管系作動を制御できる薬剤,4) AIDSなどウ
イルスの転写因子を制御することによる抗ウイルス剤,
など多領域での創薬が可能となると考えられる。
により,1) 癌の増殖やアポトーシスに関わる転写因子
(=癌遺伝子)を制御できる薬剤,2) Th1/Th2バランスな
ど免疫系を制御できる薬剤,3) cAMP応答エレメントに
よる心・血管系作動を制御できる薬剤,4) AIDSなどウ
イルスの転写因子を制御することによる抗ウイルス剤,
など多領域での創薬が可能となると考えられる。
【0060】また,本発明の方法を用いて,薬剤により
その活性が影響を受ける転写因子を同定することができ
る。すなわち,本発明の1つの観点においては,本発明
は,薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定
する方法を特徴とする。該方法は,
その活性が影響を受ける転写因子を同定することができ
る。すなわち,本発明の1つの観点においては,本発明
は,薬剤によりその活性が影響を受ける転写因子を同定
する方法を特徴とする。該方法は,
【0061】(1) 酵母において転写因子を発現する
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が
変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を
受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
第1のベクターを用意し,(2) プロモーターおよび
プロモーターの下流に動作可能なように連結されたアッ
セイリポーターを含有する第2のベクターを用意し,こ
こで,プロモーターの活性は転写因子により制御され,
(3) 第1のベクターおよび第2のベクターを酵母に
導入し,(4) 酵母を薬剤と接触させ,(5) プロ
モーターの活性を薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) プロモーターの活性が
変化した場合,転写因子を薬剤によりその活性が影響を
受ける転写因子として同定するの各工程を含む。
【0062】この方法は,薬剤の作用機序を解明する研
究に,または薬剤の副作用の可能性の検討に有用であ
る。上述の転写因子発現ベクターは,それぞれ異なる転
写因子を含む2以上のベクターからなるベクターライブ
ラリとして提供してもよい。
究に,または薬剤の副作用の可能性の検討に有用であ
る。上述の転写因子発現ベクターは,それぞれ異なる転
写因子を含む2以上のベクターからなるベクターライブ
ラリとして提供してもよい。
【0063】さらに,本発明の方法を用いて,1つの転
写因子に対応する多数のプロモーター配列につきアッセ
イシステムを簡便かつ迅速に構築することが可能であ
る。ヒトプロモーター断片をPCRにて増幅する際,増幅
断片両端に24 baseの相同組換え配列を付加するか,あ
るいはDNA合成にてプロモーター配列を相同組換え配列
を両端に付け合成する。次にこれらのプロモータ断片を
酵母株yPH857 (遺伝子型 MATa ura3-53 lys2-801 ade2-
101 his3-Δ200trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R)に同時導入
する(酢酸リチウム法)。ウラシル欠損培地で出現したコ
ロニーには相同組換えにてクローニング部位に正しくプ
ロモータが挿入されたコンストラクトプラスミドがほぼ
100%の確実性で存在する。これを抽出し,CEN/ARS配列
をBamH I制限酵素で切断,自己再環状化させ,大腸菌に
て増幅する。これを制限酵素Sbf I にてURA3内部で切
断,新たにyPH857に導入する。ウラシル欠損培地にて出
現した酵母コロニーは酵母染色体のURA3遺伝子部位にリ
ポーターベクターが組み込まれており,即座にアッセイ
に使用可能である。
写因子に対応する多数のプロモーター配列につきアッセ
イシステムを簡便かつ迅速に構築することが可能であ
る。ヒトプロモーター断片をPCRにて増幅する際,増幅
断片両端に24 baseの相同組換え配列を付加するか,あ
るいはDNA合成にてプロモーター配列を相同組換え配列
を両端に付け合成する。次にこれらのプロモータ断片を
酵母株yPH857 (遺伝子型 MATa ura3-53 lys2-801 ade2-
101 his3-Δ200trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R)に同時導入
する(酢酸リチウム法)。ウラシル欠損培地で出現したコ
ロニーには相同組換えにてクローニング部位に正しくプ
ロモータが挿入されたコンストラクトプラスミドがほぼ
100%の確実性で存在する。これを抽出し,CEN/ARS配列
をBamH I制限酵素で切断,自己再環状化させ,大腸菌に
て増幅する。これを制限酵素Sbf I にてURA3内部で切
断,新たにyPH857に導入する。ウラシル欠損培地にて出
現した酵母コロニーは酵母染色体のURA3遺伝子部位にリ
ポーターベクターが組み込まれており,即座にアッセイ
に使用可能である。
【0064】本発明の別の観点においては,本発明は,
試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定するため
のキットを提供する。該キットは,
試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響を判定するため
のキットを提供する。該キットは,
【0065】(1) 酵母において転写因子および内部
標準リポーターを発現する第1のベクター,および,
(2) その活性が転写因子により制御されるプロモー
ターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結さ
れた,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポータ
ーとを含有する第2のベクターを含む。本発明のキット
はさらに転写因子の補助因子を発現する第3のベクタ
ー,宿主酵母,酵母の形質転換に必要な試薬,これらを
収容する容器,および操作マニュアルを含んでいてもよ
い。
標準リポーターを発現する第1のベクター,および,
(2) その活性が転写因子により制御されるプロモー
ターと,プロモーターの下流に動作可能なように連結さ
れた,内部標準リポーターとは異なるアッセイリポータ
ーとを含有する第2のベクターを含む。本発明のキット
はさらに転写因子の補助因子を発現する第3のベクタ
ー,宿主酵母,酵母の形質転換に必要な試薬,これらを
収容する容器,および操作マニュアルを含んでいてもよ
い。
【0066】さらに,本発明の方法を用いて,試験薬剤
が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定すること
ができる。該方法は,
が蛋白質−蛋白質相互作用に及ぼす影響を測定すること
ができる。該方法は,
【0067】(1) 酵母において第1の蛋白質を発現
する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターお
よびプロモーターの下流に動作可能なように連結された
アッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意
し,(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3
のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は,
第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互作用により制
御され,(4) 第1のベクター,第2のベクターおよ
び第3のベクターを酵母に導入し,(5) 酵母を試験
薬剤と接触させ,そして(6) プロモーターの活性を
試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較
するの各工程を含む。
する第1のベクターを用意し,(2) プロモーターお
よびプロモーターの下流に動作可能なように連結された
アッセイリポーターを含有する第2のベクターを用意
し,(3) 酵母において第2の蛋白質を発現する第3
のベクターを用意し,ここで,プロモーターの活性は,
第1の蛋白質と第2の蛋白質との間の相互作用により制
御され,(4) 第1のベクター,第2のベクターおよ
び第3のベクターを酵母に導入し,(5) 酵母を試験
薬剤と接触させ,そして(6) プロモーターの活性を
試験薬剤の非存在下におけるプロモーターの活性と比較
するの各工程を含む。
【0068】本発明の方法を用いて,例えば,試験薬剤
がβ−カテニンとAPCとの相互作用に及ぼす影響を検
出することができる。
がβ−カテニンとAPCとの相互作用に及ぼす影響を検
出することができる。
【0069】以下に,実施例により本発明をより詳細に
説明するが,これらの例は単なる例示であり,本発明の
範囲を限定するものではない。
説明するが,これらの例は単なる例示であり,本発明の
範囲を限定するものではない。
【0070】
【実施例】実施例1 p53単独発現ベクターの作成 酵母内にp53を発現するベクターpLS76は,Flaman, 1995
(Flaman, J.-M. et al. A simple p53 functional assa
y for screening cell lines, blood, and tumors.Proc
Natl Acad Sci USA 92, 3963-3967, 1995)に記載のと
おり作成した。簡単には,酵母シャトルベクターpRS315
(Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(前掲 Sikorski R, Hie
ter P,1989)に,1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,
ヒトp53cDNAを含むHindIII-EagI断片,さらにその下流
にCYC1ターミネーター配列をこの順に組み込んだ。
(Flaman, J.-M. et al. A simple p53 functional assa
y for screening cell lines, blood, and tumors.Proc
Natl Acad Sci USA 92, 3963-3967, 1995)に記載のと
おり作成した。簡単には,酵母シャトルベクターpRS315
(Leu2 ColE1ori Amp CEN/ARS)(前掲 Sikorski R, Hie
ter P,1989)に,1.6kbのADH1プロモーターを含む断片,
ヒトp53cDNAを含むHindIII-EagI断片,さらにその下流
にCYC1ターミネーター配列をこの順に組み込んだ。
【0071】実施例2 p53, ウミシイタケ ルシフェラ
ーゼ共発現ベクターの作成 ウミシイタケルシフェラーゼcDNAを含むpRL-CMVベクタ
ー(Promega)を鋳型として,制限酵素Hind IIIとEag I
の認識配列を入れたプライマー(5'-AAGCTTGCCACCATGACT
TCGAAAG-3', 5'-CGGCCGCTCTAGAATTATTGTTCATT-3')を用
いてウミシイタケルシフェラーゼ(rLuc) cDNAを増幅
し,pCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen,USA)にクローニ
ングした。
ーゼ共発現ベクターの作成 ウミシイタケルシフェラーゼcDNAを含むpRL-CMVベクタ
ー(Promega)を鋳型として,制限酵素Hind IIIとEag I
の認識配列を入れたプライマー(5'-AAGCTTGCCACCATGACT
TCGAAAG-3', 5'-CGGCCGCTCTAGAATTATTGTTCATT-3')を用
いてウミシイタケルシフェラーゼ(rLuc) cDNAを増幅
し,pCR2.1-TOPOベクター(Invitrogen,USA)にクローニ
ングした。
【0072】pLS76をHind IIIとEag Iで切断してp53 cD
NA配列を除去したものに,上記ベクターからHind IIIと
Eag Iにより切り出したrLuc cDNA断片(950 bp)をライゲ
ーションし,得られたベクターをpLS-Renillaと命名し
た。これを鋳型にして制限酵素Bgl II認識配列をそれぞ
れの5'側に持つプライマ-(5'-AGATCTATGACTTCGAAAGTTTA
TG-3',5'-A-GATCTTCGAGCGCTCCCAAAAC-3')で,rLuc-CYC
1 ターミネーターを一塊のcDNAとして増幅し,pCR2.1TO
POベクターにTAクローニングした。次に酵母内野生型p5
3発現ベクターpLS76のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列にP
CR 変異導入で制限酵素Bgl IIの認識配列を入れた。変
異導入で使用したプライマーは,5'-TCCGCTTACAGACAAGA
TCTGACCGTCTCCGGGAGC-3', 5'-AGACGGTCAGATCTTGTCTGTAA
GCGGATGCCGGGAG-3'である。
NA配列を除去したものに,上記ベクターからHind IIIと
Eag Iにより切り出したrLuc cDNA断片(950 bp)をライゲ
ーションし,得られたベクターをpLS-Renillaと命名し
た。これを鋳型にして制限酵素Bgl II認識配列をそれぞ
れの5'側に持つプライマ-(5'-AGATCTATGACTTCGAAAGTTTA
TG-3',5'-A-GATCTTCGAGCGCTCCCAAAAC-3')で,rLuc-CYC
1 ターミネーターを一塊のcDNAとして増幅し,pCR2.1TO
POベクターにTAクローニングした。次に酵母内野生型p5
3発現ベクターpLS76のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列にP
CR 変異導入で制限酵素Bgl IIの認識配列を入れた。変
異導入で使用したプライマーは,5'-TCCGCTTACAGACAAGA
TCTGACCGTCTCCGGGAGC-3', 5'-AGACGGTCAGATCTTGTCTGTAA
GCGGATGCCGGGAG-3'である。
【0073】PCR 変異導入は,以下の条件で行った。プ
ライマーそれぞれを0.05μM,Pfuポリメラーゼ 2.5単位
(Stratagene,USA),同添付反応液,0.05mM dNTP を加
え,PCR反応条件は,95℃30秒,55℃60秒,68℃18分で1
6サイクル行った。酵母内野生型p53発現ベクターpLS76
のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列に制限酵素Bgl IIの認
識配列をもつpLS76をpLS76-Bgl II と命名した。pLS76-
Bgl II を制限酵素BglIIで完全消化し,このベクターと
前述のrLuc-CYC1 ターミネーター cDNAのBglII断片をラ
イゲーションした。CEN/ARS→rLuc-CYC1 ターミネータ
ー→LEU2の方向のものをpLS76Rと命名した。
ライマーそれぞれを0.05μM,Pfuポリメラーゼ 2.5単位
(Stratagene,USA),同添付反応液,0.05mM dNTP を加
え,PCR反応条件は,95℃30秒,55℃60秒,68℃18分で1
6サイクル行った。酵母内野生型p53発現ベクターpLS76
のLEU2とCEN/ARSの間の塩基配列に制限酵素Bgl IIの認
識配列をもつpLS76をpLS76-Bgl II と命名した。pLS76-
Bgl II を制限酵素BglIIで完全消化し,このベクターと
前述のrLuc-CYC1 ターミネーター cDNAのBglII断片をラ
イゲーションした。CEN/ARS→rLuc-CYC1 ターミネータ
ー→LEU2の方向のものをpLS76Rと命名した。
【0074】実施例3 p73, ウミシイタケ ルシフェラ
ーゼ共発現ベクターの作成 p73は,p53遺伝子ファミリーに属する腫瘍抑制遺伝子で
ある(Kaghad et al,Nature 389, 122-3, 1997)。実施
例1のpLS76を使用し,p53の代わりにp73alphaおよびp7
3betaのcDNA配列を組み込んだ発現ベクター(それぞれp
MT10およびpMT9)を作成した(Nozaki M, et al. No p73
mutations in meningiomas as determined with a sim
ple functional yeast assay, instead, increased p73
expression characterizes malignant meningiomas. B
rain Pathol 印刷中)。これらのベクターに実施例2と
同様な方法でウミシイタケ ルシフェラーゼを組み込
み,それぞれpMT10R(p73 alpha),pMT9R(p73 beta)と命
名した。
ーゼ共発現ベクターの作成 p73は,p53遺伝子ファミリーに属する腫瘍抑制遺伝子で
ある(Kaghad et al,Nature 389, 122-3, 1997)。実施
例1のpLS76を使用し,p53の代わりにp73alphaおよびp7
3betaのcDNA配列を組み込んだ発現ベクター(それぞれp
MT10およびpMT9)を作成した(Nozaki M, et al. No p73
mutations in meningiomas as determined with a sim
ple functional yeast assay, instead, increased p73
expression characterizes malignant meningiomas. B
rain Pathol 印刷中)。これらのベクターに実施例2と
同様な方法でウミシイタケ ルシフェラーゼを組み込
み,それぞれpMT10R(p73 alpha),pMT9R(p73 beta)と命
名した。
【0075】実施例4 p63/p51, ウミシイタケ ルシフ
ェラーゼ共発現ベクターの作成 p51はp53の関連遺伝子であり,2つのスプライシングバ
リアント(p51Aおよびp51B)がある(Osada et al, Nat
ure Medicine 4 (7), 839-843, 1998)。p51Aおよびp51
BのcDNAは東北大井川俊太郎博士より供与を受けた。pLS
76Rのp53部分をHindIII, EagIで切り出し,p51Aまたはp
51BのcDNAを組み込み,それぞれ,p51AR,p51BRと命名し
た。
ェラーゼ共発現ベクターの作成 p51はp53の関連遺伝子であり,2つのスプライシングバ
リアント(p51Aおよびp51B)がある(Osada et al, Nat
ure Medicine 4 (7), 839-843, 1998)。p51Aおよびp51
BのcDNAは東北大井川俊太郎博士より供与を受けた。pLS
76Rのp53部分をHindIII, EagIで切り出し,p51Aまたはp
51BのcDNAを組み込み,それぞれ,p51AR,p51BRと命名し
た。
【0076】実施例5 p33ING1, ING2, c-Abl発現ベク
ターの作成 p33ING1, ING2およびc-Ablは,p53と相互作用してその
転写活性を増強させることが知られている蛋白質である
(Garkavtsev, et al, Nature 391, 295-298,1998; Shi
mada et al, Cytogenet Cell Genet., 83, 232-235, 19
98; Agami etal, Nature 399, 809-813, 1999; Yuan et
al, Nature 399, 814-817, 1999; Nie et al, MCB 20
(3), 741-748, 2000)。これらの因子を発現するベクタ
ーの作成には,pLS76のLeu2マーカーをTrp1マーカーに
入れ換えたpTSHP53を使用した(Marutani, M.et al. Dom
inant-negative mutations of the tumor suppressor p
53 relating to early onset of glioblastoma multifo
rme. Cancer Res 59, 4765-4769, 1999)。
ターの作成 p33ING1, ING2およびc-Ablは,p53と相互作用してその
転写活性を増強させることが知られている蛋白質である
(Garkavtsev, et al, Nature 391, 295-298,1998; Shi
mada et al, Cytogenet Cell Genet., 83, 232-235, 19
98; Agami etal, Nature 399, 809-813, 1999; Yuan et
al, Nature 399, 814-817, 1999; Nie et al, MCB 20
(3), 741-748, 2000)。これらの因子を発現するベクタ
ーの作成には,pLS76のLeu2マーカーをTrp1マーカーに
入れ換えたpTSHP53を使用した(Marutani, M.et al. Dom
inant-negative mutations of the tumor suppressor p
53 relating to early onset of glioblastoma multifo
rme. Cancer Res 59, 4765-4769, 1999)。
【0077】まず,PCR-変異導入にてp53配列の5'側に
あるHind III部位(GCAAGCTT)をNhe I配列(GCTAGCTT)に
変更した。使用したプライマーは Q-NheI F 5'-CATACA
ATCAACTGCTAGCTTCATGGAGGAGCCG-3' Q-NheI R 5'-CCTC
CATGAAGCTAGCAGTTGATTGTATGCTTGGTATAGC-3' である。こ
れをNhe I/Eag Iにて消化,p53配列を除去し,2本鎖オ
リゴDNAをNheI/Eag I断端部にライゲーションし,Flag-
tag配列を挿入した。使用したオリゴDNAはoligoF-1 5'-
CTAGGATGGATTACAAGGATGACGACGATAAGATCGCTAGCGCTGCTATC
-3', oligoF-2 5'- GGCCGATAGCAGCGCTAGCGATCTTATCGTCG
TCATCCTTGTAATCCATC-3' である。これによりNheI-EagI
認識配列の5'側にFLAG-tagを持つ酵母内発現ベクターpT
S-FLAGを得た。A549細胞のRNAから得たcDNA (RT-PCR産
物)よりPCRによりp33ING1, ING2の全長cDNAを増幅し,T
A クローニングを行った。用いたプライマーは,
あるHind III部位(GCAAGCTT)をNhe I配列(GCTAGCTT)に
変更した。使用したプライマーは Q-NheI F 5'-CATACA
ATCAACTGCTAGCTTCATGGAGGAGCCG-3' Q-NheI R 5'-CCTC
CATGAAGCTAGCAGTTGATTGTATGCTTGGTATAGC-3' である。こ
れをNhe I/Eag Iにて消化,p53配列を除去し,2本鎖オ
リゴDNAをNheI/Eag I断端部にライゲーションし,Flag-
tag配列を挿入した。使用したオリゴDNAはoligoF-1 5'-
CTAGGATGGATTACAAGGATGACGACGATAAGATCGCTAGCGCTGCTATC
-3', oligoF-2 5'- GGCCGATAGCAGCGCTAGCGATCTTATCGTCG
TCATCCTTGTAATCCATC-3' である。これによりNheI-EagI
認識配列の5'側にFLAG-tagを持つ酵母内発現ベクターpT
S-FLAGを得た。A549細胞のRNAから得たcDNA (RT-PCR産
物)よりPCRによりp33ING1, ING2の全長cDNAを増幅し,T
A クローニングを行った。用いたプライマーは,
【0078】p33クローニング用プライマー p33FP 5'-GCTAGCATGTTGAGTCCTGCCAAC-3' p33RP 5'-CGGCCGCTACCTGTTGTAAGCCCTCT-3' ING2クローニング用プライマー ING2 FP 5'-GCTAGCATGTTAGGGCAGCAGCAGCAGCAACTG-3’ ING2 RP 5'-GCGGCCGCTACCTCGATCTTCTATCCTTTTTTGTCTTT
TCAGTACTTTTGTCC-3’ である。クローニング後,p33は制限酵素NheI-EagIで,
ING2は制限酵素NheI-NotIで切り出し,前述のpTS-FLAG
のNheI/EagIにて線形化したベクターとそれぞれライゲ
ーションし,酵母内p33ING1, ING2発現ベクターpTSH-in
g1, pTSH-ing2をそれぞれ得た。
TCAGTACTTTTGTCC-3’ である。クローニング後,p33は制限酵素NheI-EagIで,
ING2は制限酵素NheI-NotIで切り出し,前述のpTS-FLAG
のNheI/EagIにて線形化したベクターとそれぞれライゲ
ーションし,酵母内p33ING1, ING2発現ベクターpTSH-in
g1, pTSH-ing2をそれぞれ得た。
【0079】c-Ablはオレゴン健康科学大の小田博士よ
り供与を受けたものを使用した。cDNAをベクターを鋳型
に5'側にNheIを3'側にNotI 認識配列を含むプライマー
で増幅し,TAクローニングした後NheI-NotIで切り出し
て,pTS-FLAGのNheI-EagI消化断片とライゲーションし
た。用いたプライマーは
り供与を受けたものを使用した。cDNAをベクターを鋳型
に5'側にNheIを3'側にNotI 認識配列を含むプライマー
で増幅し,TAクローニングした後NheI-NotIで切り出し
て,pTS-FLAGのNheI-EagI消化断片とライゲーションし
た。用いたプライマーは
【0080】 c-AblFP 5'-GCTAGCATGGGGCAGCAGCCTGGAAAAGTTC-3' c-AblRP 5'-GCGGCCGCTACCTCTGCACTATGTCACTGATTTCCT-
3' である。
3' である。
【0081】実施例6 p53各種変異体のpLS76Rへの組み
込み pLS76Rを制限酵素PshA IとStu Iで完全消化しp53翻訳領
域の第168〜1036塩基を切り出し,線状化pLS76Rとし
た。p53 cDNAの174〜179塩基のAGGTCCをAGGCCTの制限酵
素Stu I認識配列に変異させるため,Stu I認識配列を組
み込んだプライマーでpLS76を鋳型としてPCRを行いStu
I認識配列を174〜179塩基に組み込んだ変異p53 cDNA断
片を増幅した。使用したプライマーの配列は5'-GAACAAT
GGTTCACTGAAGACCCAGGCCTAGATGAAGCTC-3'と5'-ATGGCGGGA
GGTAGACTGACCCTTTTTGGACTTCAG-3'である。この制限酵素
Stu I認識配列を入れた変異p53 PCR反応液と前述の制限
酵素PshA IとStuI線状化pLS76Rを酵母株yIG397に酢酸リ
チウム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシ
ン欠乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現
したコロニーよりプラスミドDNAを抽出した。XL-1Blue
大腸菌に電気穿孔法で導入し,アンピシリン加 L-broth
にて培養した大腸菌から再度プラスミドDNAを抽出し
た。プラスミド中のp53 cDNA塩基配列を解析し,Stu I
配列の挿入を確認した。このp53cDNAの塩基177〜1036を
削除した線状化プラスミド(ギャップベクター)を作製
した。この線状化プラスミドは,CIAP処理し,電気泳
動,約10Kbの線状化プラスミド断片をアガロースから回
収した。pLS76Rギャップベクターは,酵母p53ルシフェ
ラーゼアッセイ用に100ng/μlとなるようにTE緩衝液に
溶解した。
込み pLS76Rを制限酵素PshA IとStu Iで完全消化しp53翻訳領
域の第168〜1036塩基を切り出し,線状化pLS76Rとし
た。p53 cDNAの174〜179塩基のAGGTCCをAGGCCTの制限酵
素Stu I認識配列に変異させるため,Stu I認識配列を組
み込んだプライマーでpLS76を鋳型としてPCRを行いStu
I認識配列を174〜179塩基に組み込んだ変異p53 cDNA断
片を増幅した。使用したプライマーの配列は5'-GAACAAT
GGTTCACTGAAGACCCAGGCCTAGATGAAGCTC-3'と5'-ATGGCGGGA
GGTAGACTGACCCTTTTTGGACTTCAG-3'である。この制限酵素
Stu I認識配列を入れた変異p53 PCR反応液と前述の制限
酵素PshA IとStuI線状化pLS76Rを酵母株yIG397に酢酸リ
チウム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシ
ン欠乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現
したコロニーよりプラスミドDNAを抽出した。XL-1Blue
大腸菌に電気穿孔法で導入し,アンピシリン加 L-broth
にて培養した大腸菌から再度プラスミドDNAを抽出し
た。プラスミド中のp53 cDNA塩基配列を解析し,Stu I
配列の挿入を確認した。このp53cDNAの塩基177〜1036を
削除した線状化プラスミド(ギャップベクター)を作製
した。この線状化プラスミドは,CIAP処理し,電気泳
動,約10Kbの線状化プラスミド断片をアガロースから回
収した。pLS76Rギャップベクターは,酵母p53ルシフェ
ラーゼアッセイ用に100ng/μlとなるようにTE緩衝液に
溶解した。
【0082】ヒト腫瘍に由来する変異型p53をpLS76に組
み込んだものを鋳型として,PCRにより変異型p53cDNA
断片を増幅した。変異型p53は,Q168(168番目のアミノ
酸のHisからGlnへの変異),L197(197番目のアミノ酸のV
alからLeuへの変異),Q248(248番目のアミノ酸のArgか
らGlnへの変異)の三種類を用いた。用いたプライマー
は,Forward 5'-ATGCTGTCCCCGGACGATA-3'または5'-ATTT
GATGCTGTCCCCGGACGATATTGAAC-3'とReverse 5'-ACCCTTTT
TGGACTTCAGGTGGCTGGAGTG-3' である。PCRは,以下の条
件で行った。鋳型1ng プライマーを0.5μM,Pfu ポリメ
ラーゼ 1.25単位,同添付反応液,0.175mMdNTP を加
え,PCR反応条件は95℃30秒,67℃40秒,78℃60秒で35
サイクル行った。
み込んだものを鋳型として,PCRにより変異型p53cDNA
断片を増幅した。変異型p53は,Q168(168番目のアミノ
酸のHisからGlnへの変異),L197(197番目のアミノ酸のV
alからLeuへの変異),Q248(248番目のアミノ酸のArgか
らGlnへの変異)の三種類を用いた。用いたプライマー
は,Forward 5'-ATGCTGTCCCCGGACGATA-3'または5'-ATTT
GATGCTGTCCCCGGACGATATTGAAC-3'とReverse 5'-ACCCTTTT
TGGACTTCAGGTGGCTGGAGTG-3' である。PCRは,以下の条
件で行った。鋳型1ng プライマーを0.5μM,Pfu ポリメ
ラーゼ 1.25単位,同添付反応液,0.175mMdNTP を加
え,PCR反応条件は95℃30秒,67℃40秒,78℃60秒で35
サイクル行った。
【0083】この変異型p53cDNAの反応液1μlとpLS76R
ギャップベクター50ngを酵母yIG397に前述の酢酸リチウ
ム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシン欠
乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現した
ピンク又は赤コロニーを10mlの200μg/mlYPDA培地アデ
ニン加(YPDA++)にて30℃14時間振盪培養し,集菌したも
のをザイモリアーゼ100T 処理し,アルカリリシス法に
よりプラスミドDNAを抽出した。これを電気穿孔法によ
りXL-1 Blue 大腸菌に導入し,培養した大腸菌から再度
アルカリリシス法によりプラスミドDNAを抽出した。プ
ラスミド中のp53塩基配列は,シーケンス解析し,変異
を確認した。
ギャップベクター50ngを酵母yIG397に前述の酢酸リチウ
ム法にて導入し,低アデニン(5μg/ml)加・ロイシン欠
乏半合成最少培地にて30℃,48時間培養した。出現した
ピンク又は赤コロニーを10mlの200μg/mlYPDA培地アデ
ニン加(YPDA++)にて30℃14時間振盪培養し,集菌したも
のをザイモリアーゼ100T 処理し,アルカリリシス法に
よりプラスミドDNAを抽出した。これを電気穿孔法によ
りXL-1 Blue 大腸菌に導入し,培養した大腸菌から再度
アルカリリシス法によりプラスミドDNAを抽出した。プ
ラスミド中のp53塩基配列は,シーケンス解析し,変異
を確認した。
【0084】実施例7 β-カテニン, Tcf-4発現ベクタ
ーの作成 pRS313 (His3, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基
本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter
P,1989)。pRS313のマルチクローニングサイトにADH1プ
ロモーターをEcoRIとBamHIにて,CYC1プロモーターをEc
oRIとBglIIにて反対向きに上流を合い接する形で挿入
し,それぞれの下流にCYC1ターミネーターをBamHI, Sac
IおよびBglII, ApaIにて挿入した。ADH1プロモーターに
連結してβ-カテニン cDNAをBamHI 部位に,またCYC1プ
ロモーターに連結してTCF4 cDNAをBglII 部位に挿入し
た。このベクターをpRS313-bcat/tcf4と命名した。遺伝
子型は [CYC1p:TCF4 ori Amp CEN4/ARSH1 HIS3 ADH1p:
β-カテニン]である。
ーの作成 pRS313 (His3, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基
本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter
P,1989)。pRS313のマルチクローニングサイトにADH1プ
ロモーターをEcoRIとBamHIにて,CYC1プロモーターをEc
oRIとBglIIにて反対向きに上流を合い接する形で挿入
し,それぞれの下流にCYC1ターミネーターをBamHI, Sac
IおよびBglII, ApaIにて挿入した。ADH1プロモーターに
連結してβ-カテニン cDNAをBamHI 部位に,またCYC1プ
ロモーターに連結してTCF4 cDNAをBglII 部位に挿入し
た。このベクターをpRS313-bcat/tcf4と命名した。遺伝
子型は [CYC1p:TCF4 ori Amp CEN4/ARSH1 HIS3 ADH1p:
β-カテニン]である。
【0085】実施例8 APC, ウミシイタケ ルシフェラ
ーゼ共発現ベクターの作成 pRS315 (Leu2, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基
本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter
P,1989)。pRS315のマルチクローニングサイトにADH1プ
ロモーターをEcoRIとBamHIにて,その下流にCYC1ターミ
ネーターをBamHI, SacIにて挿入した。ADH1プロモータ
ーに連結してAPC cDNAをBamHI 部位に挿入した。これを
pRS315-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARS
H1 LEU2ADH1p:APC]である。さらにADH1プロモーター: A
PC:CYC1プロモーターを一塊としてApaI, SacI にて切り
出し,前述のpLS76Rのp53をSacI, ApaIにてADH1プロモ
ーター: APC: CYC1プロモーターに置換し,これをpLS76
R-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARSH1 Re
nilla Luc LEU2 ADH1p:APC]である。
ーゼ共発現ベクターの作成 pRS315 (Leu2, CEN/ARS, lacZ, F1(+), Amp, ori)を基
本ベクターとして使用した(前掲 Sikorski R, Hieter
P,1989)。pRS315のマルチクローニングサイトにADH1プ
ロモーターをEcoRIとBamHIにて,その下流にCYC1ターミ
ネーターをBamHI, SacIにて挿入した。ADH1プロモータ
ーに連結してAPC cDNAをBamHI 部位に挿入した。これを
pRS315-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARS
H1 LEU2ADH1p:APC]である。さらにADH1プロモーター: A
PC:CYC1プロモーターを一塊としてApaI, SacI にて切り
出し,前述のpLS76Rのp53をSacI, ApaIにてADH1プロモ
ーター: APC: CYC1プロモーターに置換し,これをpLS76
R-apcと命名した。遺伝子型は [ori Amp CEN4/ARSH1 Re
nilla Luc LEU2 ADH1p:APC]である。
【0086】実施例9 リポーターベクターの作成 タ
イプ A-1:ヒトBax遺伝子プロモーター::蛍ルシフェラ
ーゼ (Firefly Luc) Bax プロモーター・ルシフェラーゼリポーターベクター
pMO23はMosch Oren博士より供与を受けた。このコンス
トラクトはヒトBaxのプロモーターを自然配列のままTAT
Aboxまでとりだし,ルシフェラーゼ アッセイ用のpGL3-
Basicベクター(Promega社)に組み込んだものである(Fri
edlander, P., et al. A mutant p53 that discriminat
es between p53-responsive genes cannot induce apop
tosis.Mol Cell Biol 16, 4961-4971,1996)。酵母組み
込みベクターpRS406 (Stratagene,CA,USA)を酵母染色
体組換えのための基本ベクターとして使用した。pRS406
は,酵母の栄養要求性マーカーURA3を有し,自律複製配
列を持たないため,URA3変異酵母株のURA3部位に相同組
換えにて組み込まれる性質を有する。pRS406を制限酵素
Sma I, BamH I 切断したものにpMO13よりBax プロモー
ター + ルシフェラーゼ の制限酵素Fsp I, BamH I 断片
をライゲーションしてpMT15と命名した。
イプ A-1:ヒトBax遺伝子プロモーター::蛍ルシフェラ
ーゼ (Firefly Luc) Bax プロモーター・ルシフェラーゼリポーターベクター
pMO23はMosch Oren博士より供与を受けた。このコンス
トラクトはヒトBaxのプロモーターを自然配列のままTAT
Aboxまでとりだし,ルシフェラーゼ アッセイ用のpGL3-
Basicベクター(Promega社)に組み込んだものである(Fri
edlander, P., et al. A mutant p53 that discriminat
es between p53-responsive genes cannot induce apop
tosis.Mol Cell Biol 16, 4961-4971,1996)。酵母組み
込みベクターpRS406 (Stratagene,CA,USA)を酵母染色
体組換えのための基本ベクターとして使用した。pRS406
は,酵母の栄養要求性マーカーURA3を有し,自律複製配
列を持たないため,URA3変異酵母株のURA3部位に相同組
換えにて組み込まれる性質を有する。pRS406を制限酵素
Sma I, BamH I 切断したものにpMO13よりBax プロモー
ター + ルシフェラーゼ の制限酵素Fsp I, BamH I 断片
をライゲーションしてpMT15と命名した。
【0087】実施例10 リポーターベクターの作成
タイプ A-2: ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori::
蛍ルシフェラーゼ 哺乳動物p21 プロモーター・ルシフェラーゼコンストラ
クト(プラスミド) pG13 Py LucはBertVogelstein博士よ
り供与を受けた。このコンストラクトはp21プロモータ
ー中にあるp53結合部位を13個入れた配列にポリオーマ
ウイルス早期応答遺伝子プロモータ配列を結合し(Kern,
S. E. et al. Oncogenic forms of p53inhibit p53-re
gulated gene expression. Science 256, 827-830, 199
2),それにルシフェラーゼ遺伝子とSV40poly A配列を結
合したものである。pRS406を制限酵素Sma I, Kpn I切断
したものにpG13 Py Lucよりp21 プロモーター + ルシフ
ェラーゼを含むPvu II, Kpn I 断片をライゲーションし
てpMT16と命名した。
タイプ A-2: ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori::
蛍ルシフェラーゼ 哺乳動物p21 プロモーター・ルシフェラーゼコンストラ
クト(プラスミド) pG13 Py LucはBertVogelstein博士よ
り供与を受けた。このコンストラクトはp21プロモータ
ー中にあるp53結合部位を13個入れた配列にポリオーマ
ウイルス早期応答遺伝子プロモータ配列を結合し(Kern,
S. E. et al. Oncogenic forms of p53inhibit p53-re
gulated gene expression. Science 256, 827-830, 199
2),それにルシフェラーゼ遺伝子とSV40poly A配列を結
合したものである。pRS406を制限酵素Sma I, Kpn I切断
したものにpG13 Py Lucよりp21 プロモーター + ルシフ
ェラーゼを含むPvu II, Kpn I 断片をライゲーションし
てpMT16と命名した。
【0088】実施例11 リポーターベクターの作成
タイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::AD
E2 RGC配列は,p53の結合部位である。このリポータ
ーベクターは,ヒト3xRGC配列::CYC1最小プロモータ
ー::ADE2::ターミネーター,ColE1ori,Amp,URA3から
なる環状プラスミドであり,Flaman ら(前掲)の記載
にしたがって作成した。
タイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::AD
E2 RGC配列は,p53の結合部位である。このリポータ
ーベクターは,ヒト3xRGC配列::CYC1最小プロモータ
ー::ADE2::ターミネーター,ColE1ori,Amp,URA3から
なる環状プラスミドであり,Flaman ら(前掲)の記載
にしたがって作成した。
【0089】実施例12 リポーターベクターの作成
タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::ADE2 pLS349[CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori Amp URA3]
(スイス国立癌研究所Richard Iggo博士より供与)を基
本ベクターとして使用した。このCYC1最小プロモーター
の上流に,互いにアニールし両端に酵素切断端をつくる
オリゴヌクレオチド,3xR, 5'-TCGAGAATCAAAGGTGCAGAAA
TCAAAGGTGCAGAAATCAAAGG-3'; 3xF, 5'-CCGGCCTTTGATTTC
TGCACCTTTGATTTCTGCACCTTTGATTC-3' (TCF結合エレメン
トx3; XmaI, XhoI段端)および4xR, 5'-TCGAAAGTTCAAAGG
AAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGC-3'; 4xF, 5'-TCG
AGCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTT-3'
(TCF結合エレメントx3 ; 両 XhoI段端)にてTCF結合領域
を7箇所挿入した。これをpLS349-TBE:ADE2と命名した。
遺伝子型は[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori
Amp URA3]である。
タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::ADE2 pLS349[CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori Amp URA3]
(スイス国立癌研究所Richard Iggo博士より供与)を基
本ベクターとして使用した。このCYC1最小プロモーター
の上流に,互いにアニールし両端に酵素切断端をつくる
オリゴヌクレオチド,3xR, 5'-TCGAGAATCAAAGGTGCAGAAA
TCAAAGGTGCAGAAATCAAAGG-3'; 3xF, 5'-CCGGCCTTTGATTTC
TGCACCTTTGATTTCTGCACCTTTGATTC-3' (TCF結合エレメン
トx3; XmaI, XhoI段端)および4xR, 5'-TCGAAAGTTCAAAGG
AAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGAAGTTCAAAGGC-3'; 4xF, 5'-TCG
AGCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTTCCTTTGAACTT-3'
(TCF結合エレメントx3 ; 両 XhoI段端)にてTCF結合領域
を7箇所挿入した。これをpLS349-TBE:ADE2と命名した。
遺伝子型は[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: ADE2 ori
Amp URA3]である。
【0090】実施例13 リポーターベクターの作成
タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::蛍ルシフェラーゼ pLS349-TBE:ADE2のADE2をBamHIにて削除し,同部位に蛍
ルシフェラーゼ(FLuc) を挿入し,pLS349-TBE:FLucと
命名した[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: FLuc ori Am
p URA3]。
タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::蛍ルシフェラーゼ pLS349-TBE:ADE2のADE2をBamHIにて削除し,同部位に蛍
ルシフェラーゼ(FLuc) を挿入し,pLS349-TBE:FLucと
命名した[TBEx7-CYC1 最小 プロモーター: FLuc ori Am
p URA3]。
【0091】実施例14 リポーターベクターの酵母染
色体への導入 上述の実施例9−13において作成したリポーターコン
トラクトを酵母染色体中に組み込んだ。
色体への導入 上述の実施例9−13において作成したリポーターコン
トラクトを酵母染色体中に組み込んだ。
【0092】タイプ A-1, ヒトBax遺伝子プロモータ
ー::蛍ルシフェラーゼ (F Luc) タイプ A-2, ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori:: 蛍
ルシフェラーゼ タイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::AD
E2 タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::ADE2 タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::蛍ルシフェラーゼ pMT15 (Bax-Luc)を制限酵素Nco I で,pMT16 (p21-Luc)
を制限酵素Sbf I で完全消化しURA3内部切断したプラス
ミドを,それぞれ酵母株yPH857 [ MATa ura3-53 lys2-8
01 ade2-101 his3-Δ200 trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R]
に導入した。導入の方法は,以下の行程(酢酸リチウム
法)にて行った。酵母株yPH857を100mlのYPD培地に200
μg/mlのアデニンを添加したYPDA培地でOD600が0.8に
達するまで培養した。培養液を室温で5分間1000gで遠
心,集菌し,培地を除去してから500μlの酢酸リチウム
溶液(10 mM Tris-HCl pH 8.0, 1 mM EDTA, 0.1 M 酢酸
リチウム)にて懸濁した。懸濁液50μlにpMT15 (Bax-Lu
c)または,pMT16 (p21-Luc)の制限酵素完全消化プラス
ミド25-150ng,そして50μgの超音波処理一本鎖サケ精
子DNAを加えてから酢酸リチウム溶液/40% ポリエチレン
グリコール 4000(関東化学,東京)溶液300μlを加え
た。これを30℃で30分間保温し,続いて42℃15分間熱シ
ョックを加えた。 酵母内に導入された線状化プラスミ
ドpMT15 (Bax-Luc)またはpMT16 (p21-Luc)の切断された
ベクター上のURA3は,酵母内で酵母染色体上変異型URA3
(ura3-53 )と遺伝子相同組み換えを起こし,p21 プロモ
ーター-ルシフェラーゼリポーター,またはBax プロモ
ーター-ルシフェラーゼリポーターがそれぞれ酵母染色
体上に組み込まれる。酢酸リチウム法でリポーターベク
ターが染色体上組み込みが行われた酵母株yPH857は,ウ
ラシル非要求性株となる。形質転換された酵母を,ウラ
シル欠乏半合成最少培地にて30℃で48時間選択培養し選
択した。
ー::蛍ルシフェラーゼ (F Luc) タイプ A-2, ヒトp21遺伝子プロモーター::Py ori:: 蛍
ルシフェラーゼ タイプ B-1, ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::AD
E2 タイプ B-2, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::ADE2 タイプ B-3, ヒト7xTcf結合配列::CYC最小プロモータ
ー::蛍ルシフェラーゼ pMT15 (Bax-Luc)を制限酵素Nco I で,pMT16 (p21-Luc)
を制限酵素Sbf I で完全消化しURA3内部切断したプラス
ミドを,それぞれ酵母株yPH857 [ MATa ura3-53 lys2-8
01 ade2-101 his3-Δ200 trp1-Δ63 leu2-Δ1 cyh2R]
に導入した。導入の方法は,以下の行程(酢酸リチウム
法)にて行った。酵母株yPH857を100mlのYPD培地に200
μg/mlのアデニンを添加したYPDA培地でOD600が0.8に
達するまで培養した。培養液を室温で5分間1000gで遠
心,集菌し,培地を除去してから500μlの酢酸リチウム
溶液(10 mM Tris-HCl pH 8.0, 1 mM EDTA, 0.1 M 酢酸
リチウム)にて懸濁した。懸濁液50μlにpMT15 (Bax-Lu
c)または,pMT16 (p21-Luc)の制限酵素完全消化プラス
ミド25-150ng,そして50μgの超音波処理一本鎖サケ精
子DNAを加えてから酢酸リチウム溶液/40% ポリエチレン
グリコール 4000(関東化学,東京)溶液300μlを加え
た。これを30℃で30分間保温し,続いて42℃15分間熱シ
ョックを加えた。 酵母内に導入された線状化プラスミ
ドpMT15 (Bax-Luc)またはpMT16 (p21-Luc)の切断された
ベクター上のURA3は,酵母内で酵母染色体上変異型URA3
(ura3-53 )と遺伝子相同組み換えを起こし,p21 プロモ
ーター-ルシフェラーゼリポーター,またはBax プロモ
ーター-ルシフェラーゼリポーターがそれぞれ酵母染色
体上に組み込まれる。酢酸リチウム法でリポーターベク
ターが染色体上組み込みが行われた酵母株yPH857は,ウ
ラシル非要求性株となる。形質転換された酵母を,ウラ
シル欠乏半合成最少培地にて30℃で48時間選択培養し選
択した。
【0093】出現したコロニーをルシフェラーゼ配列特
異的プライマーを用いたPCRにて,リポーターベクター
が酵母株yPH857 の染色体に組み込まれていることを確
認した。使用したプライマーはLUC-F(5'-TTTTGAAGCGAAG
GTTGTGG-3')およびLUC-R(5'-GAAGATGTTGGGGTGTTGTA-3')
である。PCRの条件は,30μl脱イオン水に酵母コロニー
を溶かし95℃5分間加熱処理した後,5分間氷中にて急冷
した。この上清1μlにルシフェラーゼ特異的プライマー
をそれぞれ0.5μM,Gene Taq NT DNAポリメラーゼ 0.5
単位(NIPPON GENE,東京),同添付反応液,0.075μM dN
TP を加え,Gene Amp PCR System 2400-R(Perkin Elme
r,千葉)でPCR反応を行った。反応条件は95℃40秒,52
℃52秒,72℃60秒で35サイクルである。酵母株yPH857
にpMT15 (Bax-Luc)を組み込んだものをyMTbax-luc,pMT
16 (p21-Luc)を組み込んだものをyMTp21-lucと命名し
た。ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::ADE2 リポ
ーターベクターのyIG397酵母株への組み込みは,Flama
n, J.-M.らにより記載された方法にしたがった (前掲
Flaman, 1995)。
異的プライマーを用いたPCRにて,リポーターベクター
が酵母株yPH857 の染色体に組み込まれていることを確
認した。使用したプライマーはLUC-F(5'-TTTTGAAGCGAAG
GTTGTGG-3')およびLUC-R(5'-GAAGATGTTGGGGTGTTGTA-3')
である。PCRの条件は,30μl脱イオン水に酵母コロニー
を溶かし95℃5分間加熱処理した後,5分間氷中にて急冷
した。この上清1μlにルシフェラーゼ特異的プライマー
をそれぞれ0.5μM,Gene Taq NT DNAポリメラーゼ 0.5
単位(NIPPON GENE,東京),同添付反応液,0.075μM dN
TP を加え,Gene Amp PCR System 2400-R(Perkin Elme
r,千葉)でPCR反応を行った。反応条件は95℃40秒,52
℃52秒,72℃60秒で35サイクルである。酵母株yPH857
にpMT15 (Bax-Luc)を組み込んだものをyMTbax-luc,pMT
16 (p21-Luc)を組み込んだものをyMTp21-lucと命名し
た。ヒト3xRGC配列::CYC最小プロモーター::ADE2 リポ
ーターベクターのyIG397酵母株への組み込みは,Flama
n, J.-M.らにより記載された方法にしたがった (前掲
Flaman, 1995)。
【0094】実施例15 p53の転写活性の測定 正常の転写活性を持つ野生型p53,転写活性を完全に失
った変異p53 (R248Q,アミノ酸248がArgからGlnに変
異),転写活性を部分的に保持する変異p53 (H168Q, ア
ミノ酸168がHisからGlnに変異;V197L, アミノ酸197がV
alからLeuに変異)の4種のp53について転写活性の測定を
行った。これらは上述のpLS76Rに組み込み,酵母に導入
した。
った変異p53 (R248Q,アミノ酸248がArgからGlnに変
異),転写活性を部分的に保持する変異p53 (H168Q, ア
ミノ酸168がHisからGlnに変異;V197L, アミノ酸197がV
alからLeuに変異)の4種のp53について転写活性の測定を
行った。これらは上述のpLS76Rに組み込み,酵母に導入
した。
【0095】転写活性が酵母色として判定できるタイプ
B-1リポーターを用いた結果では,野生型p53は白色,R
248Qは赤色,H168QおよびV197Lは中間のピンク色を呈
し,転写活性を反映した結果が得られた。
B-1リポーターを用いた結果では,野生型p53は白色,R
248Qは赤色,H168QおよびV197Lは中間のピンク色を呈
し,転写活性を反映した結果が得られた。
【0096】次に,タイプ A-1およびタイプ A-2のリポ
ータを用い,ウミシイタケ ルシフェラーゼを内部標準
として、定法により転写活性を測定した。結果は,野生
型p53の蛍ルシフェラーゼ活性の平均平均を100%の活性
としたときの相対活性で表す。
ータを用い,ウミシイタケ ルシフェラーゼを内部標準
として、定法により転写活性を測定した。結果は,野生
型p53の蛍ルシフェラーゼ活性の平均平均を100%の活性
としたときの相対活性で表す。
【0097】
【表1】
【0098】表1から明らかなように,Baxおよびp21プ
ロモーターに対する転写活性を定量することができた。
ロモーターに対する転写活性を定量することができた。
【0099】実施例16 p53に相互作用する蛋白質の転
写活性化に対する影響 p53蛋白質に相互作用し,p53転写活性を増強することが
知られているp33ING1,ING2, c-Ablの影響を測定した。
タイプ A-1リポーターを組み込んだ酵母株に,実施例2
で作成したpLS76Rにより野生型p53を,実施例5で作成
したpTSH-ing1,pTSH-ing2または pTSH-Ablによりそれぞ
れp33ING1, ING2 またはc-Ablを,同時導入した。ルシ
フェラーゼ活性は,実施例15に記載されるようにして
測定した。
写活性化に対する影響 p53蛋白質に相互作用し,p53転写活性を増強することが
知られているp33ING1,ING2, c-Ablの影響を測定した。
タイプ A-1リポーターを組み込んだ酵母株に,実施例2
で作成したpLS76Rにより野生型p53を,実施例5で作成
したpTSH-ing1,pTSH-ing2または pTSH-Ablによりそれぞ
れp33ING1, ING2 またはc-Ablを,同時導入した。ルシ
フェラーゼ活性は,実施例15に記載されるようにして
測定した。
【0100】
【表2】
【0101】表2に示されるように,いずれの場合に
も,転写活性の増加を検出することができた。
も,転写活性の増加を検出することができた。
【0102】さらに,免疫沈降-ウェスタンブロットに
より,p33ING1, ING2とp53との結合が確認された。ま
た,c-Ablによるp53のリン酸化が確認された。
より,p33ING1, ING2とp53との結合が確認された。ま
た,c-Ablによるp53のリン酸化が確認された。
【0103】実施例17 p53ファミリー蛋白質による
転写活性化の測定 p53と相同のp53ファミリー蛋白質p73の2種のアイソフォ
ームについて,転写活性をタイプ A-1およびタイプ A-2
リポーターにて測定した。これらは実施例3に記載され
る転写因子発現ベクターpMT10R(p73 alpha)およびpMT9R
(p73 beta)により導入した。活性は,実施例15に記載
されるようにして測定した。
転写活性化の測定 p53と相同のp53ファミリー蛋白質p73の2種のアイソフォ
ームについて,転写活性をタイプ A-1およびタイプ A-2
リポーターにて測定した。これらは実施例3に記載され
る転写因子発現ベクターpMT10R(p73 alpha)およびpMT9R
(p73 beta)により導入した。活性は,実施例15に記載
されるようにして測定した。
【0104】
【表3】
【0105】また,p51の2種のアイソフォームについて
転写活性をタイプ A-1およびタイプA-2リポーターにて
測定した。いずれも,これまでに報告されている転写活
性と矛盾しない測定値が得られた。
転写活性をタイプ A-1およびタイプA-2リポーターにて
測定した。いずれも,これまでに報告されている転写活
性と矛盾しない測定値が得られた。
【0106】実施例18 Tcf-4, β-カテニンの転写活
性およびAPC蛋白質によるTcf-4/β-カテニン転写活性の
阻害 タイプ B-2リポーター酵母株にTcf-4とβ-カテニンを同
時導入したところ,Tcf-4とβ-カテニンが酵母内で複合
体を形成し,プロモーターを駆動し,酵母色を白色にす
ることが確認された。
性およびAPC蛋白質によるTcf-4/β-カテニン転写活性の
阻害 タイプ B-2リポーター酵母株にTcf-4とβ-カテニンを同
時導入したところ,Tcf-4とβ-カテニンが酵母内で複合
体を形成し,プロモーターを駆動し,酵母色を白色にす
ることが確認された。
【0107】次に,タイプ B-3リポータ酵母株にTcf-4
とβ-カテニンを同時導入し,蛍ルシフェラーゼの活性
を内部標準ウミシイタケルシフェラーゼの活性で補正し
て,転写活性の定量的測定をすることができた。
とβ-カテニンを同時導入し,蛍ルシフェラーゼの活性
を内部標準ウミシイタケルシフェラーゼの活性で補正し
て,転写活性の定量的測定をすることができた。
【0108】次に,タイプ B-2リポーター酵母株にTcf-
4とβ-カテニンを同時導入し,さらにAPC発現ベクター
を導入したところ,Tcf-4/β-カテニンの転写活性が低
下することが確認された。これは,APCがβ-カテニンと
結合し,Tcf-4とβ-カテニンの複合体の核内への輸送が
妨げられたためであると考えられる。
4とβ-カテニンを同時導入し,さらにAPC発現ベクター
を導入したところ,Tcf-4/β-カテニンの転写活性が低
下することが確認された。これは,APCがβ-カテニンと
結合し,Tcf-4とβ-カテニンの複合体の核内への輸送が
妨げられたためであると考えられる。
【0109】
【表4】
【0110】実施例19 薬剤による転写抑制の測定 ピフィスリンα(pifithrin-α;2-(2-イミノ-4,5,6,7-
テトラヒドロベンゾチアゾール-3-イル)-1-p-トリルエ
タノン)は,p53の転写を抑制することが知られている
化合物である(Komarov, P. G., Komarova, E. A., Kon
dratov, R. V., Christov-Tselkov, K., Coon, J. S.,
Chernov, M. V., and Gudkov, A. V. A chemical inhib
itor of p53 that protects mice from the side effec
ts of cancer therapy, Science. 285: 1733-7, 199
9)。
テトラヒドロベンゾチアゾール-3-イル)-1-p-トリルエ
タノン)は,p53の転写を抑制することが知られている
化合物である(Komarov, P. G., Komarova, E. A., Kon
dratov, R. V., Christov-Tselkov, K., Coon, J. S.,
Chernov, M. V., and Gudkov, A. V. A chemical inhib
itor of p53 that protects mice from the side effec
ts of cancer therapy, Science. 285: 1733-7, 199
9)。
【0111】実施例11で作成したリポーターベクター
を実施例14にてyIG397酵母株に組み込んだ酵母を使用
した。この酵母に,実施例2で作成したp53・ウミシイ
タケルシフェラーゼ共発現ベクターpLS76Rを導入した。
を実施例14にてyIG397酵母株に組み込んだ酵母を使用
した。この酵母に,実施例2で作成したp53・ウミシイ
タケルシフェラーゼ共発現ベクターpLS76Rを導入した。
【0112】形質転換した酵母を,ロイシン欠乏, アデ
ニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培地にて2日間選択培
養を行った後,集菌し,同一体積のPBS緩衝液にて懸濁
した。96穴マイクロタイタープレートの各ウエルににロ
イシン欠乏,アデニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培
地を50μl入れ,懸濁した酵母を各10μl添加,さらに各
試験ウエルには100mMのピフィスリンα 10μlを,
対照ウエルには水10μlを加え,30℃で 24時間イン
キュベートした。なお,負対照としては,リポーターベ
クターを有するがpLS76Rを導入していない酵母を用い
た。試験ウエルの酵母はピンク色を呈したのに対し,対
照ウエルの酵母は白色を呈し,薬剤による転写活性の阻
害を目視により確認することができた。
ニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培地にて2日間選択培
養を行った後,集菌し,同一体積のPBS緩衝液にて懸濁
した。96穴マイクロタイタープレートの各ウエルににロ
イシン欠乏,アデニン制限(5μg/ml)半合成最少平板培
地を50μl入れ,懸濁した酵母を各10μl添加,さらに各
試験ウエルには100mMのピフィスリンα 10μlを,
対照ウエルには水10μlを加え,30℃で 24時間イン
キュベートした。なお,負対照としては,リポーターベ
クターを有するがpLS76Rを導入していない酵母を用い
た。試験ウエルの酵母はピンク色を呈したのに対し,対
照ウエルの酵母は白色を呈し,薬剤による転写活性の阻
害を目視により確認することができた。
【0113】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Genetic Lab <120> Method for identifying agent which affects activity of transcripti on factor <130> PGL-0001 <160> 27 <170> PatentIn Ver. 2.1 <210> 1 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 1 aagcttgcca ccatgacttc gaaag 25 <210> 2 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 2 cggccgctct agaattattg ttcatt 26 <210> 3 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 3 agatctatga cttcgaaagt ttatg 25 <210> 4 <211> 23 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 4 agatcttcga gcgctcccaa aac 23 <210> 5 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 5 tccgcttaca gacaagatct gaccgtctcc gggagc 36 <210> 6 <211> 37 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 6 agacggtcag atcttgtctg taagcggatg ccgggag 37 <210> 7 <211> 34 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 7 catacaatca actgctagct tcatggagga gccg 34 <210> 8 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 8 cctccatgaa gctagcagtt gattgtatgc ttggtatagc 40 <210> 9 <211> 50 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 9 ctaggatgga ttacaaggat gacgacgata agatcgctag cgctgctatc 50 <210> 10 <211> 50 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 10 ggccgatagc agcgctagcg atcttatcgt cgtcatcctt gtaatccatc 50 <210> 11 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 11 gctagcatgt tgagtcctgc caac 24 <210> 12 <211> 26 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 12 cggccgctac ctgttgtaag ccctct 26 <210> 13 <211> 33 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 13 gctagcatgt tagggcagca gcagcagcaa ctg 33 <210> 14 <211> 53 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 14 gcggccgcta cctcgatctt ctatcctttt ttgtcttttc agtacttttg tcc 53 <210> 15 <211> 31 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 15 gctagcatgg ggcagcagcc tggaaaagtt c 31 <210> 16 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 16 gcggccgcta cctctgcact atgtcactga tttcct 36 <210> 17 <211> 40 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 17 gaacaatggt tcactgaaga cccaggccta gatgaagctc 40 <210> 18 <211> 36 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 18 atggcgggag gtagactgac cctttttgga cttcag 36 <210> 19 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 19 atgctgtccc cggacgata 19 <210> 20 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 20 atttgatgct gtccccggac gatattgaac 30 <210> 21 <211> 30 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 21 accctttttg gacttcaggt ggctggagtg 30 <210> 22 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 22 tcgagaatca aaggtgcaga aatcaaaggt gcagaaatca aagg 44 <210> 23 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 23 ccggcctttg atttctgcac ctttgatttc tgcacctttg attc 44 <210> 24 <211> 49 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 24 tcgaaagttc aaaggaagtt caaaggaagt tcaaaggaag ttcaaaggc 49 <210> 25 <211> 49 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 25 tcgagccttt gaacttcctt tgaacttcct ttgaacttcc tttgaactt 49 <210> 26 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 26 ttttgaagcg aaggttgtgg 20 <210> 27 <211> 20 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 27 gaagatgttg gggtgttgta 20
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12Q 1/68 G01N 21/78 C 4C084 G01N 21/78 33/15 Z // G01N 33/15 33/50 Z 33/50 C12R 1:645 (C12Q 1/68 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:645) Fターム(参考) 2G045 AA40 BA11 CB21 FA29 GC15 JA02 2G054 AA08 AB10 BA04 EA03 4B024 AA11 AA20 CA02 CA04 DA12 EA04 FA01 FA02 FA07 FA10 FA15 GA11 HA11 4B063 QA01 QA05 QA18 QQ07 QQ13 QQ20 QQ22 QQ26 QQ35 QQ79 QR32 QR60 QR80 QS24 QS36 QS38 QX01 4B065 AA72X AB01 AC14 AC20 BA02 BC50 CA46 4C084 AA02 AA03 AA06 AA17 BA44 CA62 NA14 ZC412
Claims (47)
- 【請求項1】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響
を測定する方法であって,(1) 酵母において前記転
写因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プ
ロモーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能な
ように連結されたアッセイリポーターを含有する第2の
ベクターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は
前記転写因子により制御され,(3) 前記第1のベク
ターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4)
前記酵母を前記試験薬剤と接触させ,そして(5)
前記プロモーターの活性を前記試験薬剤の非存在下にお
けるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法。 - 【請求項2】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影響
を測定する方法であって,(1) 酵母において前記転
写因子および内部標準リポーターを発現する第1のベク
ターを用意し,(2) プロモーターおよび前記プロモ
ーターの下流に動作可能なように連結されたアッセイリ
ポーターを含有する第2のベクターを用意し,ここで,
前記プロモーターの活性は前記転写因子により制御さ
れ,かつ,前記アッセイリポーターは前記内部標準リポ
ーターとは異なるものであり,(3) 前記第1のベク
ターおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4)
前記酵母を前記試験薬剤と接触させ,そして(5)
前記プロモーターの活性を前記試験薬剤の非存在下にお
けるプロモーターの活性と比較するの各工程を含む方
法。 - 【請求項3】 前記第1のベクターにおいて,前記転写
因子をコードする遺伝子の転写と前記内部標準リポータ
ーをコードする遺伝子の転写とが同じプロモーターによ
り駆動される,請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 工程(3)において,前記転写因子の補
助因子を発現する第3のベクターを前記酵母に導入する
ことをさらに含む,請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項5】 工程(4)において,前記酵母を前記試
験薬剤と接触させる前にザイモリアーゼで処理すること
をさらに含む,請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項6】 工程(5)におけるプロモーターの活性
の測定が,吸光度変化または蛍光発色を検出することに
より行われる,請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項7】 前記第1のベクターが,前記第1のベク
ターが導入された酵母において1コピーで維持される,
請求項1または2に記載の方法。 - 【請求項8】 前記内部標準リポーターが,ウミシイタ
ケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクトシ
ダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼからなる群より選択される,請求項2記載の方
法。 - 【請求項9】 前記転写因子が,p53,その変異体,
p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-1,C/
EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,グルコ
コルチコイド受容体およびエストロジェン受容体からな
る群より選択される,請求項1または2記載の方法。 - 【請求項10】 前記転写因子がp53であり,前記プ
ロモーターがBaxプロモーター、p21プロモータ
ー、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプ
ロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモータ
ーである,請求項1または2記載の方法。 - 【請求項11】 前記第2のベクターが,酵母染色体上
に組み込まれる,請求項1または2記載の方法。 - 【請求項12】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制
御領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項1また
は2記載の方法。 - 【請求項13】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制
御領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項1また
は2記載の方法。 - 【請求項14】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフ
ェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE
2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選
択される,請求項1または2記載の方法。 - 【請求項15】 前記補助因子が,p33ING1,p
33ING2,c−Ablキナーゼ,p300,カゼイン・
キナーゼ I,カゼイン・キナーゼ II,DNAプロテインキ
ナーゼ,ATM,14-3-3蛋白,Mdm2,Bcl-2,p40,SV40 La
rge T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒトパピローマウ
イルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EBウイルスEBNA
-5およびHTLV-1 Tax蛋白からなる群より選択される,請
求項4記載の方法。 - 【請求項16】 酵母において転写因子および内部標準
リポーターを発現する第1のベクター,およびその活性
が前記転写因子により制御されるプロモーターと,前記
プロモーターの下流に動作可能なように連結された,内
部標準リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含
有する第2のベクターを含む酵母細胞。 - 【請求項17】 前記第1のベクターにおいて,前記転
写因子をコードする遺伝子と前記内部標準リポーターを
コードする遺伝子とが同じプロモーターにより駆動され
るよう配置されている,請求項16記載の酵母細胞。 - 【請求項18】 前記転写因子の補助因子を発現する第
3のベクターをさらに含む,請求項16記載の酵母細
胞。 - 【請求項19】 前記第1のベクターが1コピーで維持
される,請求項16記載の酵母細胞。 - 【請求項20】 前記内部標準リポーターが,ウミシイ
タケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクト
シダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼからなる群より選択される,請求項16記載
の酵母細胞。 - 【請求項21】 前記転写因子が,p53,その変異
体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-
1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,
グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体
からなる群より選択される,請求項16記載の酵母細
胞。 - 【請求項22】 前記転写因子がp53であり,前記プ
ロモーターがBaxプロモーター、p21プロモータ
ー、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプ
ロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモータ
ーである,請求項16記載の酵母細胞。 - 【請求項23】 前記第2のベクターが,酵母染色体上
に組み込まれている,請求項16記載の酵母細胞。 - 【請求項24】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制
御領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項16記
載の酵母細胞。 - 【請求項25】 前記第2のベクターが,ヒト調節的制
御領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項16記
載の酵母細胞。 - 【請求項26】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフ
ェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE
2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選
択される,請求項16記載の酵母細胞。 - 【請求項27】 前記補助因子が,p33ING1,p
33ING2,c−Ablキナーゼ,p300,カゼイン・
キナーゼ I,カゼイン・キナーゼ II,DNAプロテインキ
ナーゼ,ATM,14-3-3蛋白,Mdm2,Bcl-2,p40,SV40 La
rge T抗原,アデノウイルスE1B蛋白,ヒトパピローマウ
イルスE6蛋白,B型肝炎ウイルスX抗原,EBウイルスEBNA
-5およびHTLV-1 Tax蛋白からなる群より選択される,請
求項18記載の酵母細胞。 - 【請求項28】 酵母において転写因子を発現するベク
ターであって,転写因子をコードする核酸配列,内部標
準リポーターをコードする核酸配列,および,酵母にお
いて動作可能なプロモーター,ターミネーター,および
マーカー遺伝子を含み,ここで,前記転写因子をコード
する核酸配列と前記内部標準リポーターをコードする核
酸配列とが,同じプロモーターにより駆動されるように
配置されていることを特徴とするベクター。 - 【請求項29】 前記転写因子が,p53,その変異
体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-
1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,
グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体
からなる群より選択される,請求項28記載のベクタ
ー。 - 【請求項30】 前記内部標準リポーターが,ウミシイ
タケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクト
シダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼからなる群より選択される,請求項28記載
のベクター。 - 【請求項31】 大腸菌において動作可能な複製起点お
よびマーカーをさらに含む,請求項28記載のベクタ
ー。 - 【請求項32】 請求項28記載のベクターを含む酵母
細胞。 - 【請求項33】 酵母において転写因子を発現する発現
ベクターを構築するためのクローニングベクターであっ
て,転写因子をコードする核酸配列を挿入するためのク
ローニング部位,内部標準リポーターをコードする核酸
配列,および,酵母において動作可能なプロモーター,
ターミネーター,およびマーカー遺伝子を含み,ここ
で,前記クローニング部位と前記内部標準リポーターを
コードする核酸配列は,挿入されるべき転写因子をコー
ドする核酸配列と前記内部標準リポーターをコードする
核酸配列とが同じプロモーターにより駆動されるように
配置されていることを特徴とするベクター。 - 【請求項34】 試験薬剤が転写因子の活性に及ぼす影
響を判定するためのキットであって,(1) 酵母にお
いて前記転写因子および内部標準リポーターを発現する
第1のベクター,および,(2) その活性が前記転写
因子により制御されるプロモーターと,前記プロモータ
ーの下流に動作可能なように連結された,前記内部標準
リポーターとは異なるアッセイリポーターとを含有する
第2のベクターを含むキット。 - 【請求項35】 前記転写因子の補助因子を発現する第
3のベクターをさらに含む,請求項34記載のキット。 - 【請求項36】 前記アッセイリポーターが,蛍ルシフ
ェラーゼ,ウミシイタケルシフェラーゼ,酵母ADE
2,GFP,β−ガラクトシダーゼおよびクロラムフェ
ニコールアセチルトランスフェラーゼからなる群より選
択される,請求項34記載のキット。 - 【請求項37】 前記転写因子が,p53,その変異
体,p73,p51,Tcf4,Sp1,E2F,SRF,Oct-
1,C/EBP,CREB,Pit-1,NF-kB,Fos/Jun,Ets,WT1,
グルココルチコイド受容体およびエストロジェン受容体
からなる群より選択される,請求項34記載のキット。 - 【請求項38】 前記転写因子がp53であり,前記プ
ロモーターがBaxプロモーター、p21プロモータ
ー、MDR-1プロモーター、IGF-IRプロモーター、EGFRプ
ロモーター、VEGFプロモーターまたはMMP-13プロモータ
ーである,請求項34記載のキット。 - 【請求項39】 前記内部標準リポーターが,ウミシイ
タケルシフェラーゼ,蛍ルシフェラーゼ,β−ガラクト
シダーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランス
フェラーゼからなる群より選択される,請求項34記載
のキット。 - 【請求項40】 前記プロモーターが,ヒト調節的制御
領域およびヒト構成的制御領域を含む,請求項34記載
のキット。 - 【請求項41】 前記プロモーターが,ヒト調節的制御
領域および酵母構成的制御領域を含む,請求項34記載
のキット。 - 【請求項42】 試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に
及ぼす影響を測定する方法であって,(1) 酵母にお
いて第1の蛋白質を発現する第1のベクターを用意し,
(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に
動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有
する第2のベクターを用意し,(3) 酵母において第
2の蛋白質を発現する第3のベクターを用意し,ここ
で,前記プロモーターの活性は,前記第1の蛋白質と前
記第2の蛋白質との間の相互作用により制御され,
(4) 前記第1のベクター,前記第2のベクターおよ
び前記第3のベクターを酵母に導入し,(5) 前記酵
母を前記試験薬剤と接触させ,そして(6) 前記プロ
モーターの活性を前記試験薬剤の非存在下におけるプロ
モーターの活性と比較するの各工程を含む方法。 - 【請求項43】 試験薬剤が蛋白質−蛋白質相互作用に
及ぼす影響を測定するためのキットであって,(1)
酵母において第1の蛋白質および内部標準リポーターを
発現する第1のベクター,(2) その活性が前記第1
の蛋白質と前記第2の蛋白質との間の相互作用により制
御されるプロモーターと,前記プロモーターの下流に動
作可能なように連結された,前記内部標準リポーターと
は異なるアッセイリポーターを含有する第2のベクタ
ー,および(3) 酵母において第2の蛋白質を発現す
る第3のベクターを含むキット。 - 【請求項44】 転写因子の活性に影響を及ぼす薬剤を
同定する方法であって,(1) 酵母において前記転写
因子を発現する第1のベクターを用意し,(2) プロ
モーターおよび前記プロモーターの下流に動作可能なよ
うに連結されたアッセイリポーターを含有する第2のベ
クターを用意し,ここで,前記プロモーターの活性は前
記転写因子により制御され,(3) 前記第1のベクタ
ーおよび前記第2のベクターを酵母に導入し,(4)
前記酵母を前記薬剤と接触させ,(5) 前記プロモー
ターの活性を前記薬剤の非存在下におけるプロモーター
の活性と比較し,そして(6) 前記プロモーターの活
性を変化させる薬剤を,転写因子の活性に影響を及ぼす
薬剤として同定するの各工程を含む方法。 - 【請求項45】 請求項44記載の方法により選択され
る薬剤。 - 【請求項46】 薬剤によりその活性が影響を受ける転
写因子を同定する方法であって,(1) 酵母において
前記転写因子を発現する第1のベクターを用意し,
(2) プロモーターおよび前記プロモーターの下流に
動作可能なように連結されたアッセイリポーターを含有
する第2のベクターを用意し,ここで,前記プロモータ
ーの活性は前記転写因子により制御され,(3) 前記
第1のベクターおよび前記第2のベクターを酵母に導入
し,(4) 前記酵母を前記薬剤と接触させ,(5)
前記プロモーターの活性を前記薬剤の非存在下における
プロモーターの活性と比較し,そして(6) 前記プロ
モーターの活性が変化した場合,前記転写因子を薬剤に
よりその活性が影響を受ける転写因子として同定するの
各工程を含む方法。 - 【請求項47】 前記第1のベクターが,それぞれ異な
る転写因子を含む2以上のベクターからなるベクターラ
イブラリとして提供される,請求項46記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001110037A JP2002306171A (ja) | 2001-04-09 | 2001-04-09 | 転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001110037A JP2002306171A (ja) | 2001-04-09 | 2001-04-09 | 転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002306171A true JP2002306171A (ja) | 2002-10-22 |
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ID=18961883
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001110037A Pending JP2002306171A (ja) | 2001-04-09 | 2001-04-09 | 転写因子活性に影響を及ぼす薬剤の同定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2002306171A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1296491C (zh) * | 2004-01-08 | 2007-01-24 | 华中科技大学同济医学院 | 一种转录因子活性检测方法及试剂盒 |
WO2010025420A2 (en) * | 2008-08-28 | 2010-03-04 | The Salk Institute For Biological Studies | Methods of identifying functional characteristics of promoters, transcription modifying proteins and transcription modulating agents |
CN112739819A (zh) * | 2018-09-24 | 2021-04-30 | 中东科技大学 | 利用启动子工程化设计醇脱氢酶2(adh2)启动子变体 |
-
2001
- 2001-04-09 JP JP2001110037A patent/JP2002306171A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN1296491C (zh) * | 2004-01-08 | 2007-01-24 | 华中科技大学同济医学院 | 一种转录因子活性检测方法及试剂盒 |
WO2010025420A2 (en) * | 2008-08-28 | 2010-03-04 | The Salk Institute For Biological Studies | Methods of identifying functional characteristics of promoters, transcription modifying proteins and transcription modulating agents |
WO2010025420A3 (en) * | 2008-08-28 | 2010-07-01 | The Salk Institute For Biological Studies | Methods of identifying functional characteristics of promoters, transcription modifying proteins and transcription modulating agents |
CN112739819A (zh) * | 2018-09-24 | 2021-04-30 | 中东科技大学 | 利用启动子工程化设计醇脱氢酶2(adh2)启动子变体 |
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