JP2002304531A - 電子決済データ引受装置、電子決済データ引受プログラム、記憶媒体、及び電子決済システム - Google Patents

電子決済データ引受装置、電子決済データ引受プログラム、記憶媒体、及び電子決済システム

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JP2002304531A
JP2002304531A JP2001107621A JP2001107621A JP2002304531A JP 2002304531 A JP2002304531 A JP 2002304531A JP 2001107621 A JP2001107621 A JP 2001107621A JP 2001107621 A JP2001107621 A JP 2001107621A JP 2002304531 A JP2002304531 A JP 2002304531A
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JP2001107621A
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Joji Kondo
譲二 近藤
Tomio Umezaki
富雄 梅崎
Toshiharu Iizaka
俊治 飯坂
Misao Okuhara
操 奥原
Kenjiro Ichimura
憲二郎 市村
Tokio Kiyomasa
登喜夫 清正
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ADVANCED SYSTEM CONSULTING CO
ADVANCED SYSTEM CONSULTING CO Ltd
MORIYA SHOKAI KK
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MUFG Bank Ltd
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ADVANCED SYSTEM CONSULTING CO
ADVANCED SYSTEM CONSULTING CO Ltd
MORIYA SHOKAI KK
Cyber SIGN Japan Inc
Bank of Tokyo Mitsubishi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 当事者の信用を損なうことなく安全かつ簡便
に手形などの電子決済データをネットワークを介して流
通する。 【解決手段】 発行体16は、加盟店14を特定するた
めの加盟店情報に、加盟店公開鍵を付与しかつ発行体署
名データを付与した電子為替手形台紙データを発行して
加盟店14へ送出し、加盟店14はそれを受け取って、
取引情報を付与しかつ取引情報の追加を保証する加盟店
署名データを付与して利用者12へ送出する。利用者1
2は、振り出された電子為替手形データ20に手書サイ
ン(自己認識サイン・データ)による署名データが付与
された電子為替手形データ22を加盟店14へ戻す。こ
の署名は、利用者12が、電子為替手形データ20を引
き受けるという意志を反映した自己認識サイン・データ
による署名で、後の処理で判別が容易なように暗号化デ
ータも付与される。従って、第三者のなりすましやデー
タ改竄を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子決済データ引
受装置、電子決済データ引受プログラム、記憶媒体、及
び電子決済システムにかかり、特に、法人(企業)間、
法人と個人、及び個人間で資金の流通を目的として取引
されるデータを、コンピュータ・ネットワークを介して
流通及び決済するための電子決済データ引受装置、電子
決済データ引受プログラム、記憶媒体、及び電子決済シ
ステムに関する。
【0002】
【従来の技術】商取引で広く利用されている手形は、一
定の金額の支払いを目的とする有価証券であり、為替手
形と約束手形がある。為替手形は振出人が支払人に宛て
て受取人その他手形の正当な所持人に対し一定の金額の
支払いをなすべきことを委託する証券であり、また約束
手形は振出人が受取人その他正当な所持人に対し一定の
金額を支払うべきことを約束する証券である。約束手形
の振出は、手形を受取人に交付することによってなされ
る。約束手形を作成するには、振出人が証券に法定事項
を記載し、振出人が署名することを要する。約束手形は
商取引代金の決済を銀行を通して行うことができ、手形
の満期が来れば銀行でその手形を現金に変えることがで
きる。また手形には信用によって支払いを繰り延べる手
段としても使用されるので、手形貸付や手形割引などを
受けることができ、資金の調達のための手段ともなる。
【0003】ところで、近年の情報通信インフラの発展
に伴って、パーソナルコンピュータ(PC)を情報端末
としてネットワークに参加して、各種情報を発信した
り、入手したりすることが可能になってきている。最近
では、平易に利用可能になったネットワークとして、イ
ンターネットが知られており、通信装置を含むPCを用
意するのみで手軽に情報授受が可能すなわち双方向性情
報授受が可能になった。そこで、従来の手取引に代え
て、ネットワークの利点を用い、ネットワークを経由し
て、取引の決済を安全かつ容易に行うことが可能な電子
決済システムが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ネット
ワークを経由して、主に取引の決済のための電子決済デ
ータを流通したり決済したりする場合、手形の振出人と
受取人間やこれらの者と金融機関の間のように、電子決
済データの真正すなわち当事者間の信用の確保をいかに
実現するかが課題であり、また、取引における金額が高
額になる場合、その取引の安全性の確保も重要な課題と
なる。
【0005】本発明は、上記事実を考慮して、当事者の
信用を損なうことなく安全かつ簡便に電子決済のための
電子決済データをネットワークを介して流通できる電子
決済データ引受装置、電子決済データ引受プログラム、
記憶媒体、及び電子決済システムを得ることが目的であ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の発明は、電子決済のために運営機関
で発行された基本情報に基づいて振り出された電子決済
データを通信回線を介して引き受ける利用者側に設けら
れた電子決済データ引受装置であって、前記電子決済デ
ータを通信回線を介して受け取る受取手段と、前記利用
者の手書きによる自己認識のための入力状態を表しかつ
入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン・データ
を入力するための入力手段と、前記受け取った電子決済
データに前記自己認識サイン・データに基づいて前記利
用者の署名を付加しかつ通信回線を介して送出する送出
手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】本発明の電子決済データ引受装置は、電子
決済のために運営機関で発行された基本情報に基づいて
振り出された電子決済データを通信回線を介して引き受
ける利用者側に設けられている。すなわち、金融機関な
どの運営機関では、電子決済のため、すなわち電子決済
データをネットワーク上で流通させるために、基本情報
を発行する。基本情報は、電子決済データをネットワー
ク上で流通させる基本となるデータであり、例えば、フ
ォーマット・データや流通の基となるひな形データがあ
る。この基本情報に基づいて電子決済データが振り出さ
れる。電子決済データは、少なくとも電子決済に利用さ
れるデータであり、決済に必要となるデータを含んでい
る。
【0008】本発明の電子決済データ引受装置は、受け
取り手段によって電子決済データを通信回線を介して受
け取る。受け取った電子決済データには、送出手段にお
いて利用者の署名が付加される。この利用者の署名は、
入力手段により入力される。入力手段では、利用者の手
書きによる自己認識のための入力状態を表しかつ入力毎
に異なる入力状態を表す自己認識サイン・データが入力
される。自己認識サイン・データは、利用者の手書きに
よる自己認識のための入力状態を表す。この入力状態に
は、利用者の手書きのくせに相当する位置座標を含む筆
跡、筆圧、大きさ、書き順などがある。この入力状態
は、利用者の手書きによれば、毎回異なるものとなる。
すなわち、利用者の手書きのくせは、利用者毎に異なる
ものであり、それは筆跡、筆圧、大きさ、書き順など利
用者の個々人で異なるものになる。この入力状態は、そ
の利用者であっても全く同一のものを入力することはで
きない。
【0009】すなわち、手書きという性質上、同一の入
力状態を得ることは困難である。このため、入力毎に異
なる入力状態を表す自己認識サイン・データを入力する
こととすれば、同一の利用者のみによる確認が可能であ
る。そこで、送出手段によって、前記受け取った電子決
済データに自己認識サイン・データに基づいて利用者の
署名を付加しかつ通信回線を介して送出すれば、利用者
の署名が付加された電子決済データは、利用者のみに確
認が可能な利用者の引き受けるという意図が付与された
ものとなり、電子決済データの真正すなわち当事者間の
信用の確保を確実にすることができる。
【0010】前記受取手段は、前記基本情報として前記
電子決済のための決済用の台紙情報に前記電子決済に関
係する取引情報が付加された電子決済データを受け取る
ことができる。
【0011】台紙情報とは、為替や手形などを用いた決
済に関係する情報の授受を電子的に流通する場合の基本
となる情報である。取引情報とは、電子決済に関係する
ものであり、当事者間で行われるべき取引に関係するも
のを表している。すなわち、為替や手形などを用いた決
済では、通常、発行元、振出人、引き受ける利用者など
の当事者及びその当事者の取引明細などを台紙に記し、
その媒体を流通していた。電子的に決済を行う場合、単
にそれらデータのみでは、コンピュータのハードウェア
によって様々な形態で出現することがある。そこで、例
えば、フォーマット・データや流通の基となるひな形デ
ータを基本とし、取引情報を付加することにより、流通
する電子決済データは、一定の基準すなわち台紙情報で
規格化されたものとして、汎用化しつつそのデータは標
準的なものとして扱うことが可能となる。このような電
子決済データを受け取ることができる受け取り手段を備
えることで、電子決済を簡便に行うことを可能にする電
子決済データ引受装置を提供することができる。
【0012】例えば、電子的に為替や手形などの決済を
流通するシステムは、運営側コンピュータと、振出側コ
ンピュータと、引受側コンピュータとの間で通信回線を
介して各コンピュータ間のデータ授受により電子為替手
形などの電子決済データを流通するものがある。運営側
コンピュータは、金融機関などの運営機関に設けられ、
電子為替手形などの電子決済データのための台紙情報を
発行する。振出側コンピュータは、電子為替手形などの
電子決済データを振り出す加盟店に設けられ、前記発行
された台紙情報を用いて電子為替手形などの電子決済デ
ータを振り出す。振り出された電子為替手形などの電子
決済データは、利用者による引受側コンピュータに受け
取られることで、利用者によって引き受けられる。
【0013】前記入力手段は、前記利用者の手書きによ
る図形及び該図形の入力時の物理量を入力状態として自
己認識サイン・データが入力されることを特徴とする。
【0014】利用者の手書きによる自己認識のためのも
のとしては、所謂サインがある。サインは、利用者の筆
跡を顕著に表したものであり、類似することが容易では
ない。ところが、その形状のみでは模写することが容易
である。そこで、入力状態を表すものとして、利用者の
手書きによる図形及び該図形の入力時の物理量を採用す
る。図形の入力時の物理量には、利用者の手書きの過程
における位置座標の推移を表す座標、座標変位、その座
標に対する圧力、圧力変位、その座標の進行方向や座標
に対する圧力方向などのベクトル、図形の総体としての
大きさ、図形の描画順序を表す番号などの少なくとも1
つがある。このように、入力状態に、図形及び該図形の
入力時の物理量を採用することで、入力毎に異なる入力
状態を容易に実現でき、自己認識サイン・データを確実
に入力することができる。
【0015】前記電子決済データ引受装置の機能は、次
のプログラムをコンピュータにより実行させることで容
易に達成することができる。詳細には、請求項4に記載
の発明は、通信回線に接続されかつ電子決済のために運
営機関で発行された基本情報に基づいて振り出された電
子決済データを通信回線を介して引き受ける利用者側に
設けられた引受側コンピュータにおいて実行される電子
決済データ引受プログラムであって、前記電子決済デー
タを通信回線を介して受け取らせるステップ(a)と、
前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
・データを入力するための入力手段に、前記自己認識サ
イン・データを入力させるステップ(b)と、前記受け
取った電子決済データに前記自己認識サイン・データに
基づいて前記利用者の署名を付加させるステップ(c)
と、前記署名が付加された電子決済データを通信回線を
介して送出させるステップ(d)と、を含むことを特徴
とする。
【0016】前記プログラムは、次の記憶媒体に記憶さ
せることで、容易に持ち運び、任意のコンピュータへ導
入することができる。詳細には、請求項5に記載の発明
は、通信回線に接続されかつ電子決済のために運営機関
で発行された基本情報に基づいて振り出された電子決済
データを通信回線を介して引き受ける利用者側に設けら
れた引受側コンピュータにおいて実行される電子決済デ
ータ引受プログラムを記憶した記憶媒体であって、電子
決済データ引受プログラムは、前記電子決済データを通
信回線を介して受け取らせ、前記利用者の手書きによる
自己認識のための入力状態を表しかつ入力毎に異なる入
力状態を表す自己認識サイン・データを入力させ、前記
受け取った電子決済データに前記自己認識サイン・デー
タに基づいて前記利用者の署名を付加させ、前記署名が
付加された電子決済データを通信回線を介して送出させ
る。
【0017】請求項6に記載の発明は、電子決済のため
の基本情報を発行する運営機関に運営側コンピュータが
設けられ、前記基本情報に基づいて電子決済データを出
力する加盟店に振出側コンピュータが設けられ、前記電
子決済データを引き受ける利用者に引受側コンピュータ
が設けられ、各々が通信回線に接続されると共に通信回
線を介して各コンピュータ間でデータ授受する電子決済
システムであって、前記引受側コンピュータに、前記電
子決済データを通信回線を介して受け取る受取手段と、
前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
・データを入力するための入力手段と、前記受け取った
電子決済データに前記入力手段により入力された自己認
識サイン・データに基づいて前記利用者の署名を付加し
かつ通信回線を介して送出する送出手段と、を備えてい
る。
【0018】本発明の電子決済システムは、電子決済の
ための基本情報を発行する運営機関に運営側コンピュー
タが設けられ、前記基本情報に基づいて電子決済データ
を出力する加盟店に振出側コンピュータが設けられ、前
記電子決済データを引き受ける利用者に引受側コンピュ
ータが設けられ、各々が通信回線に接続されると共に通
信回線を介して各コンピュータ間でデータ授受する電子
決済システムに適用される。
【0019】この電子決済システム上では、引受側コン
ピュータに受取手段が設けられ、通信回線を介して電子
為替手形などの電子決済データが受け取られる。受け取
られた電子為替手形などの電子決済データには、入力手
段によって入力された利用者の手書きによる自己認識の
ための入力状態を表しかつ入力毎に異なる入力状態を表
す自己認識サイン・データによる署名が付加されて、署
名が付加された電子決済データが送出手段により通信回
線を介して送出される。従って、電子為替手形などの電
子決済データをシステム上で流通するときに、利用者の
手書きによる自己認識のための入力状態を表すデータに
よる署名が付加されるので、利用者が電子為替手形など
の電子決済データを引き受けるという意図が確実に反映
された電子決済データを流通させることができる。
【0020】請求項7に記載の発明は、請求項6に記載
の電子決済システムにおいて、前記受取手段は、前記基
本情報として前記電子決済のための決済用の台紙情報に
前記電子決済に関係する取引情報が付加された電子決済
データを受け取ることを特徴とする。
【0021】電子的に決済を行う場合に、例えば、フォ
ーマット・データや流通の基となるひな形データなどの
台紙情報で代表される基本情報を基本とし、取引情報を
付加することにより、流通する電子決済データは、一定
の基準すなわち台紙情報で規格化されたものとして、汎
用化しつつそのデータは標準的なものとして扱うことが
可能となる。
【0022】請求項8に記載の発明は、請求項6または
請求項7に記載の電子決済システムにおいて、前記入力
手段は、前記利用者の手書きによる図形及び該図形の入
力時の物理量を入力状態として自己認識サイン・データ
が入力されることを特徴とする。
【0023】ここでは、入力状態を表すものとして、利
用者の手書きによる図形及び該図形の入力時の物理量を
採用する。このようにすれば、入力状態に、図形及び該
図形の入力時の物理量が反映され、入力毎に異なる入力
状態を容易に実現でき、自己認識サイン・データを確実
に入力することができる。
【0024】請求項9に記載の発明は、請求項6乃至請
求項8の何れか1項に記載の電子決済システムにおい
て、前記運営側コンピュータは、前記加盟店を識別する
ための加盟店情報と前記運営機関の真正を表す運営者署
名とを記憶する記憶手段及び前記加盟店情報に前記運営
者署名を付与した権限情報を前記基本情報に付与する付
与手段を備え、前記引受側コンピュータは、前記権限情
報に基づいて、受け取った電子決済データの真正性を検
証する検証手段を備えたことを特徴とする。
【0025】前記運営側コンピュータは、加盟店を識別
するための加盟店情報と運営機関の真正を表す運営者署
名とを記憶する記憶手段及び加盟店情報に運営者署名を
付与した権限情報を基本情報(台紙情報)に付与する付
与手段を備えることができる。従って、運営側コンピュ
ータにおいて、台紙情報で代表される基本情報に加盟店
情報と運営者署名とを容易に付与することができる。そ
して、引受側コンピュータは、権限情報に基づいて、受
け取った電子為替手形などの電子決済データの真正性を
検証する検証手段を備える。これによって、加盟店の識
別及び運営機関の真正を容易に判別できる。
【0026】請求項10に記載の発明は、請求項9に記
載の電子決済システムにおいて、前記振出側コンピュー
タは、前記加盟店の真正を表す加盟店署名を記憶する記
憶手段と、前記台紙情報に前記加盟店と該加盟店を利用
した利用者との間の取引に関係する取引情報を前記加盟
店署名と共に付加した電子為替手形を発行する発行手段
を含むことを特徴とする。
【0027】前記振出側コンピュータは、加盟店の真正
を表す加盟店署名を記憶する記憶手段を備えて、加盟店
真正の判別を容易にするためのデータを簡単に導出でき
る。そして、発行手段は、台紙情報で代表される基本情
報に加盟店と該加盟店を利用した利用者との間の取引に
関係する取引情報を加盟店署名と共に付加した電子為替
手形などの電子決済データを発行するので、引受側コン
ピュータではその取引の真正性を容易に判別することが
できる。
【0028】請求項11に記載の発明は、請求項9また
は請求項10に記載の電子決済システムにおいて、前記
引受側コンピュータは、前記運営者署名及び前記加盟店
署名の各々の真正性を検知するための鍵を記憶する鍵記
憶手段を備え、前記検証手段は、前記鍵記憶手段に記憶
された鍵を用いて受け取った電子決済データの真正性を
検証することを特徴とする。
【0029】前記引受側コンピュータは、運営者署名及
び加盟店署名の各々の真正性を検知するための鍵を鍵記
憶手段で記憶している。検証手段は、鍵記憶手段に記憶
された鍵を用いて受け取った電子為替手形などの電子決
済データの真正性を検証するので、検証の確実性が増加
する。
【0030】請求項12に記載の発明は、請求項6乃至
請求項11の何れか1項に記載の電子決済システムにお
いて、前記引受側コンピュータは、前記運営機関により
予め定められた暗号用鍵を記憶する暗号用鍵記憶手段を
備え、前記送出手段は、前記入力手段により入力された
自己認識サイン・データを前記暗号用鍵で暗号化して前
記受け取った電子決済データに付加することを特徴とす
る。
【0031】前記引受側コンピュータは、運営機関によ
り予め定められた暗号用鍵を記憶する暗号用鍵記憶手段
を備えている。これにより、容易に暗号化が可能とな
り、送出手段によって、自己認識サイン・データを暗号
化して電子為替手形などの電子決済データに付加するこ
とができる。
【0032】請求項13に記載の発明は、請求項12に
記載の電子決済システムにおいて、前記運営側コンピュ
ータは、前記利用者により予め定められた自己認識サイ
ン・データを記憶するサイン記憶手段と、前記予め定め
た暗号用鍵に基づいて、自己認識サイン・データの真正
性を確認する確認手段とを備えたことを特徴とする。
【0033】前記運営側コンピュータは、利用者により
予め定められた自己認識サイン・データを記憶するサイ
ン記憶手段と、前記予め定めた暗号用鍵に基づいて、自
己認識サイン・データの真正性を確認する確認手段とを
備えている。これにより、自己認識サイン・データの真
正性の判別が容易となる。
【0034】請求項14に記載の発明は、請求項6乃至
請求項13の何れか1項に記載の電子決済システムにお
いて、前記運営側コンピュータは、電子決済データにつ
いて前記取引情報、前記加盟店情報及び前記署名の真正
性を確認し、前記真正性が確認されたときに前記利用者
側の資金を前記加盟店側への移動を指示する指示手段を
備えたことを特徴とする。
【0035】前記運営側コンピュータは、電子為替手形
などの電子決済データについて取引情報、加盟店情報及
び署名の真正性を確認し、前記真正性が確認されたとき
に前記利用者側の資金を加盟店側への移動を指示する指
示手段を備えている。これによって、資金の移動を指示
することができ、円滑に電子為替手形などの電子決済デ
ータに属する資金を扱うことができる。
【0036】なお、前記署名は、予め定めた公開鍵によ
り復号することで該署名の真正を検証することが可能な
暗号コードを採用できる。例えば、秘密鍵により署名用
に暗号化された暗号コードを用いることができる。
【0037】以上説明したシステムは、次の方法を達成
するためのものである。
【0038】具体的には、電子為替手形を振り出す振出
側コンピュータと、前記電子為替手形を受け取り引き受
ける引受側コンピュータと、前記電子為替手形に関する
資金を移動する運営側コンピュータと、の各々が通信回
線に接続されかつ通信回線を介して各コンピュータ間の
データ授受により電子為替手形を流通する電子為替手形
流通方法であって、電子為替手形を振り出す加盟店を識
別するための加盟店情報を保証する署名が付与された電
子為替手形用の台紙情報を発行し、前記台紙情報に、加
盟店と該加盟店の利用者との間でなされた取引に関係す
る取引情報を付加した電子為替手形を振り出し、前記取
引情報及び前記加盟店情報を確認すると共に、確認結果
に基づいて前記利用者の手書きによる自己認識サインの
文字筆跡データの署名を付与して電子為替手形を戻し、
戻された電子為替手形について前記取引情報、前記加盟
店情報及び前記署名の真正性を確認し、前記真正性が確
認されたときに前記利用者側の資金を前記加盟店側へ移
動することを特徴とする。
【0039】また、電子為替手形を振り出す振出側コン
ピュータと、前記電子為替手形を受け取り引き受ける引
受側コンピュータと、前記電子為替手形に関する資金を
移動する運営側コンピュータと、の各々が通信回線に接
続されかつ通信回線を介して各コンピュータ間のデータ
授受により電子為替手形を流通する電子為替手形流通方
法であって、前記引受側コンピュータへ送信するための
電子為替手形情報の基となる電子為替手形を振り出す加
盟店を識別するための加盟店情報を保証する署名が付与
された台紙情報を、通信回線を介して予め受け取り、受
け取った台紙情報を予め記憶し、前記台紙情報に、加盟
店と該加盟店を利用した利用者との間でなされた取引に
関係する取引情報を付加した電子為替手形を生成し、生
成した電子為替手形を、通信回線を介して前記引受側コ
ンピュータへ向けて送信することにより振り出し、振り
出された電子為替手形について、前記取引情報及び前記
加盟店情報を確認すると共に、確認結果に基づいて手書
き入力による文字筆跡データの署名を付与して確認後の
電子為替手形を生成し、生成した確認後の電子為替手形
を、通信回線を介して前記振出側コンピュータへ向けて
送信することによって戻し、戻された確認後の電子為替
手形を、通信回線を介して前記運営側コンピュータへ向
けて送信することを特徴とする。
【0040】さらに、次のシステムによっても達成でき
る。具体的には、電子為替手形を振り出す加盟店を識別
するための加盟店情報を保証する署名が付与されかつ予
め発行された電子為替手形用の台紙情報を記憶すると共
に、前記台紙情報に、加盟店と該加盟店を利用した利用
者との間でなされた取引に関係する取引情報を付加した
電子為替手形を振り出す振出側コンピュータと、前記振
り出された電子為替手形を受け取って、前記取引情報及
び前記加盟店情報を確認すると共に、確認結果に基づい
て手書き入力による文字筆跡データの署名を付与して電
子為替手形を戻す引受側コンピュータと、戻された電子
為替手形について前記取引情報、前記加盟店情報及び前
記署名の真正性を確認し、前記真正性が確認されたとき
に前記利用者側の資金を前記加盟店側へ移動する運営側
コンピュータと、の各々を通信回線に接続しかつ通信回
線を介して各コンピュータ間のデータ授受により電子為
替手形を流通する電子為替手形システム。
【0041】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態の一例を詳細に説明する。本実施の形態では、
本発明の電子決済システムとして、加盟店による手形な
どの電子決済データの振出側と、その電子決済データを
引き受ける利用者側と、その電子決済データに基づき資
金を移動したり電子決済データによる運営をしたりする
運営側との間において、電子決済データをネットワーク
上で流通するネットワークシステムに適用したものであ
る。
【0042】本実施の形態では、ネットワーク上で流通
する電子決済データとして、好適な為替手形などの電子
為替手形データを採用して説明する。なお、電子為替手
形データを電子決済データとして採用することは、電子
決済データの適用に関する一例にすぎず、本発明はこれ
に限定されない。本発明は、データの真正や当事者間の
信用確保を必要としたり、安全性の確保を必要としたり
するすなわち電子的に決済するにあたって、データをネ
ットワーク上で流通するネットワークシステムに適用可
能である。
【0043】図2には、本発明が適用可能な第1実施の
形態にかかるネットワークシステム80の概略構成が示
されている。各構成の詳細は後述するが、ネットワーク
システム80は、電子為替手形データの振出側の加盟店
コンピュータ82、引受側の利用者コンピュータ84,
及び運営側の発行体コンピュータ86が、それぞれモデ
ム、ルータ、TA(ターミナル・アダプタ:Terminal A
dapter)等の接続装置を介して、ネットワーク(例え
ば、電話回線やインターネット)88に接続されて構成
されている。これらのコンピュータは、ネットワーク8
8を介して、相互通信により情報授受が可能である。
【0044】以下の説明では、各々のコンピュータが電
子為替手形データを授受するにあたって、データの送出
側のコンピュータと受取側のコンピュータが電話回線を
介する接続関係を確立して情報授受する直接接続型のシ
ステムを採用する。すなわち、各コンピュータは、独立
して稼働可能な構成(所謂スタンドアロン型)とし、デ
ータの送出時には、相手先を特定して接続を求め許可の
後に行い、データの受取時には、他のコンピュータから
の接続要求を受諾した後に行う。
【0045】上記の加盟店コンピュータ82が本発明の
振出側コンピュータに相当し、利用者コンピュータ84
が本発明の引受側コンピュータに相当し、発行体コンピ
ュータ86が本発明の運営側コンピュータに相当する。
また、利用者コンピュータ84は、本発明の引受側コン
ピュータ及び電子決済データ引受装置に相当し、ネット
ワーク88は本発明の通信回線に相当する。
【0046】なお、データを授受するための構成とし
て、少なくとも1つのコンピュータが各種情報の授受を
管理するコンピュータ(所謂「サーバ・コンピュー
タ」)として機能し、他のコンピュータが、サーバ・コ
ンピュータの管理下で稼働するコンピュータ(所謂「ク
ライアント・コンピュータ」)として機能する構成を利
用しても良い。
【0047】本実施の形態では、直接接続型のシステム
を採用する場合を説明するが、本発明はこれに限定され
るものではない。例えば、ネットワークとしてインター
ネットを適用することができる。この場合、少なくとも
1つのコンピュータを、WWW(World Wide Web)サー
バとして機能させ、他のマシンはWWWクライアントと
して機能させればよい。詳細には、各コンピュータに、
WWWブラウザをインストールさせ、このWWWブラウ
ザが起動されることにより、ネットワークを介して他の
コンピュータ(例えばサーバ)に任意にアクセス可能と
なる。このとき、アクセス位置(アクセス先のコンピュ
ータの位置、及びコンピュータ内の情報の位置で構成さ
れるデータ)は、URL(Uniform Resource Locator)
で指定することができる。
【0048】また、データは、一般に、HTTP(Hype
r Text Transfer Protocol)に従って転送させることが
できる。コンピュータの識別には、IP(Internet Pro
tocol)アドレスを用いることができ、また、コンピュ
ータを操作するユーザの識別には、ユーザ自信の入力
や、予め定められているコード等のユーザIDを用いる
ことができる。
【0049】図3には、発行体コンピュータ86の概略
構成が示されている。発行体コンピュータ86は、本実
施の形態にかかる電子的な為替や手形の流通を運営する
金融機関などの発行体16に属するコンピュータ装置2
3であり、このコンピュータ装置23は、CPU23
A、ROM23B、RAM23C、入出力ポート(I/
O)23Dを備え、これらはアドレスバス、データバ
ス、制御バス等のバスを介して互いに接続されている。
入出力ポート23Dには、通信装置24、各種の入出力
機器として、ポインティング・デバイスであるマウス2
6、キーボード28、CRTやLCDから成るディスプ
レイ30、記憶媒体に対してデータやコマンドの読み出
し及び書き出しの少なくとも一方を行う記録装置(R/
W)32、後述する各種データやデータベースを記憶す
るハードディスク装置等の記憶装置34が各々接続され
ている。通信装置24は、他のコンピュータと相互通信
による情報授受を可能とするためにネットワーク88に
接続されている。この通信装置24には、例えば、電話
回線やインターネットに接続するためのモデム、ルー
タ、TA(ターミナル・アダプタ:Terminal Adapter)
等の接続装置がある。
【0050】上記記録装置32には、記録媒体としての
フロッピー(登録商標)ディスクが挿抜可能なフロッピ
ーディスクユニット(FDU)がある。なお、後述する
処理ルーチン等は、FDUを用いてフロッピーディスク
に対して読み書き可能である。従って、後述する処理ル
ーチンは、ROM23Bに記憶することなく、予めフロ
ッピーディスクに記録しておき、FDUを介してフロッ
ピーディスクに記録された処理プログラムを実行しても
よい。本実施の形態では、コンピュータ装置23に装備
したハードディスク装置等の大容量記憶装置34に、フ
ロッピーディスク等の記憶媒体に記録された処理プログ
ラムを格納(インストール)して該当する処理を実行す
る。なお、記録媒体としては、CD−ROM,MD,M
O,DVD等のディスクやDAT等の磁気テープがあ
り、これらを用いるときには、上記FDUに代えてまた
はさらにCD−ROM装置、MD装置、MO装置、DV
D装置、DAT装置等を用いればよい。
【0051】記憶装置34には、後述する処理ルーチン
等の処理プログラムを記憶したファイル34A、金融機
関などの証としてのデジタル署名などに利用する署名デ
ータを記憶した発行体データ34B、利用者の手書きに
よりなされる手書サインの入力状態のデータ(自己認識
サイン・データ、詳細後述)を利用者毎に記憶した手書
サイン・データベース34C、各種公開鍵や自己の秘密
鍵などの鍵データを記憶した鍵データベース34D、加
盟店に関するデータを加盟店毎に記憶した加盟店データ
ベース34Eが格納されている。
【0052】なお、発行体データ34Bに記憶した署名
データは、以下の説明では、発行体署名データという。
また、以下の説明では、鍵データベース34Dに記憶し
た鍵データのうち、発行体についての公開鍵及び秘密鍵
を発行体公開鍵及び発行体秘密鍵といい、加盟店につい
ては加盟店公開鍵という。さらに、加盟店データベース
34Eに記憶したデータは、以下の説明では、加盟店情
報という。
【0053】上記の記憶装置34が本発明の運営側コン
ピュータに備えた記憶手段に相当し、また手書サイン・
データベース34Cがサイン記憶手段に相当する。な
お、利用者の手書きによりなされる手書サインの入力状
態のデータは、本発明の自己認識サイン・データに相当
し、以下の説明では自己認識サイン・データと総称して
説明する。
【0054】図4には、加盟店コンピュータ82の概略
構成が示されている。加盟店コンピュータ82は、電子
為替手形データを振り出す加盟店14に属するコンピュ
ータ装置36であり、このコンピュータ装置36は、上
記発行体コンピュータ86と同様に、CPU38A、R
OM38B、RAM38C、入出力ポート(I/O)3
8Dを備え、これらはアドレスバス、データバス、制御
バス等のバスを介して互いに接続されている。入出力ポ
ート38Dには、通信装置40、マウス42、キーボー
ド44、ディスプレイ46、記録装置(R/W)48、
及び記憶装置50が各々接続されている。
【0055】記憶装置50には、後述する処理ルーチン
等の処理プログラムを記憶したファイル50A、加盟店
の証としてのデジタル署名などに利用する署名データを
記憶した加盟店データ50B、利用者との間の取引に関
係する取引データを記憶した取引データベース50C、
各種公開鍵や自己の秘密鍵などの鍵データを記憶した鍵
データベース50Dが格納されている。
【0056】なお、加盟店データ50Bに記憶した署名
データは、以下の説明では、加盟店署名データという。
この加盟店データ50Bには加盟店情報を記憶すること
もできる。また、以下の説明では、鍵データベース50
Dに記憶した鍵データのうち、加盟店についての公開鍵
及び秘密鍵を加盟店公開鍵及び加盟店秘密鍵という。
【0057】上記の記憶装置50が本発明の振出側コン
ピュータに備えた記憶手段に相当する。
【0058】図5には、利用者コンピュータ84の概略
構成が示されている。利用者コンピュータ84は、電子
為替手形データを引き受ける個人や法人などの総体であ
る利用者12に属するコンピュータ装置52であり、こ
のコンピュータ装置52は、上記加盟店コンピュータ8
2とほぼ同様に、CPU54A、ROM54B、RAM
54C、入出力ポート(I/O)54Dを備え、これら
はアドレスバス、データバス、制御バス等のバスを介し
て互いに接続されている。入出力ポート54Dには、通
信装置56、マウス60、キーボード62、ディスプレ
イ64、記録装置(R/W)66、及び記憶装置68が
各々接続されている。
【0059】利用者コンピュータ84を構成するコンピ
ュータ装置52の入出力ポート54Dには、利用者の手
書きサインの入力状態を入力するためのタブレット(サ
イン入力装置)58が接続されている。手書きサインの
入力状態は、図系及び図形入力に関係する物理量を表す
データである。なお、詳細は後述するが、本発明にかか
る入力状態を入力するための入力装置は、上記タブレッ
トに限定されるものではなく、手書きサインによる利用
者の入力状態を物理的データとして入力可能なものであ
ればよい。
【0060】記憶装置68には、後述する処理ルーチン
等の処理プログラムを記憶したファイル68A、及び各
種公開鍵や自己の秘密鍵などの鍵データを記憶した鍵デ
ータベース68Bが格納されている。
【0061】なお、鍵データベース68Bに記憶した鍵
データのうち、自己のすなわち利用者についての公開鍵
及び秘密鍵を利用者公開鍵及び利用者秘密鍵という。こ
の利用者秘密鍵は、自己認識サイン・データを用いるこ
とができる。
【0062】上記の記憶装置68が本発明の引受側コン
ピュータに備えた鍵記憶手段及び暗号用鍵記憶手段に相
当する。
【0063】なお、上記コンピュータは、上記構成の他
に種々の構成を有するが、汎用的かつ一般的な構成であ
るため、詳細な説明を省略する。
【0064】ところで、本実施の形態では、発行体16
で電子為替手形台紙データを発行し、その台紙データを
用いて加盟店14で電子為替手形データを振り出し、利
用者12により引き受けられる。この流通についてネッ
トワークを介して行われるので、電子為替手形データの
安全確保を維持して確実に流通させるため、発行体16
と加盟店14、加盟店14と利用者12、発行体16と
利用者12との各々のコンピュータ間において真正性を
確保しなければならない。
【0065】そこで、本実施の形態では、電子為替手形
データの出所の証を明示すると共に、電子為替手形デー
タを引き受ける証を付与し、さらにデータの秘匿性を有
させている。詳細は後述するが、出所の証を明示するた
めに、署名データを付与し、電子為替手形データを引き
受ける証として利用者が手書きによりなされた手書きサ
インの入力状態のデータ(自己認識サイン・データ)を
付与している。また、データの秘匿性は暗号化によって
行われる。
【0066】図1には、本実施の形態のネットワークシ
ステム80において電子為替手形データが流通される状
態を概略的に示した。また、図7には、電子為替手形デ
ータが流通されるときの各コンピュータの時系列的な作
動状態を示した。
【0067】図1に示すように、発行体16は、電子為
替手形台紙データ18を発行する。電子為替手形台紙デ
ータ18は、電子為替手形データを振り出すための基本
情報を含んだ電子情報であり、その基本情報は加盟店情
報及び発行体署名データから構成される。発行体16
は、電子為替手形台紙データ18を発行する該当の加盟
店14を特定するための加盟店情報に、加盟店公開鍵を
付与すると共に、これらの加盟店情報及び加盟店公開鍵
が真正であることを保証する発行体署名データを付与し
た電子為替手形台紙データを発行する(図7のプロセス
P1に相当)。なお、加盟店情報には、加盟店を識別す
るための加盟店ID、受け取り口座番号、この電子為替
手形台紙データ18より発行される電子為替手形データ
の有効期限などの電子為替手形データに関係する各種情
報が含まれる。発行した電子為替手形台紙データ(図7
のデータD1に相当)を加盟店14へ送出する。
【0068】加盟店14は、発行体16で発行された電
子為替手形台紙データ18を受け取って、取引情報を付
与すると共に、当該取引情報が加盟店14で追加された
ことを保証する加盟店署名データを付与することによっ
て署名し(図7のプロセスP2に相当)、利用者12へ
送出することによって(図7のデータD2の送出に相
当)、電子為替手形データ20を発行する。従って、電
子為替手形データ20は、加盟店公開鍵及び発行体署名
データが付与された加盟店情報と、加盟店署名データが
付与された取引情報とから構成される。
【0069】このようにして、加盟店14は、利用者1
2へ向けて電子為替手形データ20を振り出す。なお、
取引情報には、取引の番号、取引に対する対価の支払期
日、及び対価に対応する金額などの通常の為替や手形な
どの取引で要求される金銭と同様に関係する各種情報が
含まれる。
【0070】次に、利用者12は、振り出された電子為
替手形データ20に手書サイン(自己認識サイン・デー
タ)に基づく署名を行いその自己認識サイン・データが
含まれる電子為替手形データ22を加盟店14へ戻す。
【0071】まず、利用者12は、加盟店14から送出
された電子為替手形データ20を受け取って、各種検証
を行う(図7のプロセスP3に相当)。第1の検証は、
予め内部に記憶した発行体公開鍵により加盟店の振り出
し権限を検証する。これは、発光体公開鍵を生成した暗
号化プログラムと同一の暗号化プログラムにより、発行
体公開鍵を用いて加盟店情報に付与された発光体署名デ
ータが発行体16により生成されたものであることをチ
ェックすることによってなされる。第2の検証は、予め
内部に記憶した加盟店公開鍵により加盟店で付与された
はずである取引情報の真正性を検証する。これは、加盟
店公開鍵を生成した暗号化プログラムと同一の暗号化プ
ログラムにより、加盟店公開鍵を用いて取引情報に付与
された加盟店署名データが加盟店14により生成された
ものであることをチェックすることによってなされる。
【0072】上記第1の検証及び第2の検証で正規のも
のであることが検証されると、利用者12は、電子為替
手形データ20を引き受けるという意志を反映した手書
サイン(自己認識サイン・データ)による署名処理と、
その自己認識サイン・データの暗号化処理を行う(図7
のプロセスP4に相当)。まず、署名処理は、詳細は、
後述するが、タブレット58に入力された名前、記号や
図形などの手書き入力を手書サインとして入力させ、そ
の手書サインによる入力状態、例えばイメージデータ
(図形)を手書サインによる署名データとして、取引情
報及び加盟店情報に付与する。この場合、入力状態の全
てのデータを署名データに用いても良く、一部のデータ
を用いても良い。
【0073】なお、自己認識サイン・データは、1つに
限定されるものではなく、複数付与してもよい。すなわ
ち、自己認識サイン・データは、最終的に発行体16で
真正性が検証されるが、手書きであるため、微妙に異な
る場合がある。そこで、後に最適なものを選択させるた
めに同一利用者による複数の自己認識サイン・データを
複数付与してもよい(所謂捨印)。
【0074】また、付与する自己認識サイン・データ
は、同一の利用者12による自己認識サイン・データに
限定しない。例えば、電子為替手形データを引き受ける
利用者が複数ある場合には、それら複数の利用者の連名
が必要となることがある。この場合には、複数の異なる
利用者による自己認識サイン・データを付与すればよ
い。
【0075】さらに、自己認識サイン・データの真正性
を向上させるため、同一の利用者12による手書き入力
を複数実行させ、複数の自己認識サイン・データの各々
について検証を要求することが好ましい。これは、同一
の利用者であっても同一の入力状態を生成することが困
難であることを想定し、類似性から利用者の真正性の確
度向上及び複写や偽造を回避するためである(詳細後
述)。
【0076】次に、自己認識サイン・データの暗号化処
理は、自己認識サイン・データの全ての情報を秘匿性を
有したまま送出するために必要となる。この暗号化処理
は、予め内部に記憶した発行体公開鍵を生成した暗号化
プログラムと同一の暗号化プログラムにより、発行体公
開鍵をキーとして用いて自己認識サイン・データを暗号
化する処理である。
【0077】すなわち、取引情報及び加盟店情報に署名
として付与する自己認識サイン・データは、イメージデ
ータ(図形)のみでも可能であるが、本来、利用者の筆
跡を含む入力状態として有する情報の一部である。とこ
ろが、図形は模写が容易であるため、第三者が利用者に
なりすますことが可能である。そこで、本実施の形態で
は、手書サインの図形成分と書き方成分との筆跡データ
などの入力状態を含めて自己認識サイン・データとす
る。これによって、第三者のなりすましやデータ改竄を
防止できる。
【0078】このようにして署名処理と暗号化処理とが
なされた電子為替手形データ22を、加盟店14へ向け
て送出する(図7のデータD3の送出に相当)。なお、
この利用者12と加盟店14との間の通信は、SSL
(Secure Sockets Layer:セキュリティ機能の付きのht
tpプロトコル)等のように秘匿性を有する通信プロトコ
ルを用いることが好ましい。
【0079】加盟店14は、利用者12からの電子為替
手形データ22を受け取って、その電子為替手形データ
22を発行体16へ送出することによって、受け取った
電子為替手形データ22が真正のものであるかの確認を
発行体16へ依頼する(図7のプロセスP5、データD
4の送出に相当)。
【0080】発行体16は、加盟店14からの電子為替
手形データ22を受け取って、その電子為替手形データ
22について種々の確認処理を実行する(図7のプロセ
スP6に相当)。先ず、第1の確認処理は、自己認識サ
イン・データの真正性の確認処理である。発行体16に
は、利用者12の自己認識サイン・データの全てのデー
タを予め記憶しておく。そして、発行体16は、受け取
った電子為替手形データ22に含まれる暗号化された自
己認識サイン・データを復号化する。この復号化された
自己認識サイン・データと、予め記憶した自己認識サイ
ン・データとを比較し、所定の類似度を超えたときに真
正と判別する。
【0081】次に、第2の確認処理は、コピー検知処理
である。コピー検知処理は、電子為替手形データ22に
付与された自己認識サイン・データが複写物であるか否
かを検知する処理である。このコピー検知処理は、手書
サインを複数回実施させ、複数の自己認識サイン・デー
タを得ることにより容易に達成できる。すなわち、利用
者の手書きサインは、1度として同一のものが出現する
ことはない。これは、フリーハンドで同一物を書こうと
したとき、それぞれ似てはいるけれど異なる物になると
いうことに起因する。一方、複写物は、全く同一物が出
現する。従って、同一の利用者から得た複数の自己認識
サイン・データが全く同一であるとき、利用者12の自
己認識サイン・データではないと判別できる。一方、各
々の自己認識サイン・データが異なり、後述する検知手
法で認知されれば、利用者12により手書きでサインさ
れたことによる自己認識サイン・データであり真正と判
別できる。
【0082】次の第3の確認処理は、改竄検知処理であ
る。改竄検知処理は、電子為替手形データ22に含まれ
る取引情報及び加盟店情報の少なくとも一方が、電子為
替手形データ20から改竄されているかを検知する処理
である。この改竄検知処理は、取引情報に含まれる取引
番号の差異及び加盟店情報に含まれる加盟店IDの整合
性を検知すればよい。何れもが一致していれば、改竄さ
れたことはないとの判別により真正と判別し、何れか一
方でも異なれば、改竄されたものと検知する。
【0083】発行体16は、以上の第1乃至第3の確認
処理の各々で真正と判別されたときに、電子決済データ
である電子為替手形データの本来の要求である資金の移
動を行う(図7のプロセスP7に相当)。すなわち、利
用者12の口座から取引情報で明示された金額を、電子
為替手形データを振り出した加盟店14の口座へ移動す
る。このようにして電子為替手形データを発行し、資金
移動を安全かつ確実に実行できる。
【0084】次に、手書サインについて説明する。
【0085】図6(A)に示すように、利用者コンピュ
ータ84に接続されたタブレット(サイン入力装置)5
8は、利用者12によって、その上面にペン58Aの先
端が接触または浮遊されることにより、利用者12が意
図する位置に線分や点の描画に対応するデータが入力さ
れることになる。また、タブレット58は、利用者12
による筆圧や浮遊状態(ペン先の高さ)も入力可能にな
っている。これらのペン58Aの位置座標、線分の長さ
位置、点の描画に対応するデータ、筆圧、浮遊状態(ペ
ン先の高さ)が入力状態に対応し、そのデータが自己認
識サイン・データとなる。
【0086】図6(B)に示すように、利用者12がペ
ン58Aを移動させつつ描画を試みた手書きサインとし
て、連続曲線58Sであった場合、タブレット58の出
力として得られるペン58Aの先端の位置及び筆圧は時
々刻々と変化する。図6(C)には時間と共に変化する
筆圧Pを示し、図6(D)には時間と共に変化するX座
標位置を示し、図6(E)には時間と共に変化するY座
標位置を示した。
【0087】手書サインは、手書き動作毎に異なるもの
である。すなわち、手書きサインとして一定の文字や図
形を描画しようとするとき、利用者の書き方には所謂く
せがある。この書き方は筆圧の配分や接触リズム、方向
性など様々である。その結果として、2次元的なイメー
ジの図形が現れる。ところが、図6(C)に示すよう
に、その2次元図形が得られるまでには、筆圧の変動に
よる情報が内包されている。この筆圧変動は、利用者毎
に異なる特性である。この特性を抽出することで、利用
者個々の特性を引き出すことができる。
【0088】従って、利用者は一定の図形を書こうとし
ても、全く同じ特性になることはない。すなわち、類似
の図形になる。これはその時々によって筆圧や位置など
が違うことによる。このため、得られる特性は、ばらつ
きを有することになる。このばらつきを求めておけば、
そのばらつき内の手書きサインは、同じ利用者による手
書きサインと判別できる。また、そのばらつきの閾値の
大きさを変動させることで、手書きサインの類似性につ
いて許容度を変動させることができる。すなわち、閾値
を大きくすれば類似性が低くとも同一の利用者と判別さ
れ、閾値を小さくすれば類似性が高くなければ同一の利
用者と判別できない。本実施の形態では、閾値の大きさ
を10段階に設定し、利用者による設定を可能な構成と
している。
【0089】このように、利用者毎に上記ばらつきの許
容を設定し、利用者毎に設定した閾値で、同一の図形や
文字を入力して、登録しておけば、第三者がイメージを
模写したのみでは、手書サインを模写することはできな
い。このため、利用者の各々に固有なデータとして手書
サインを用いることができる。
【0090】上記では、入力状態として筆圧、X座標、
Y座標、それらの時間変位を採用した場合を説明した
が、本発明はこれに限定されるものではない。ペンによ
る指示座標の移動に関する物理量、例えば速度や加速
度、方向(ベクトル)を用いることができる。このペン
による指示座標の移動範囲は、2次元に限定されず、3
次元でもよい。
【0091】なお、本実施の形態では、タブレット58
により入力状態を入力する場合を説明したが、タブレッ
ト58に限定されるものではなく、手書きサインによる
利用者の入力状態を物理的データとして入力可能なもの
であればよい。例えば、入力状態を入力するための入力
装置として、座標に対応する位置に応じたアナログ信号
を出力するパッドを用いることができる。この場合に
は、アナログデジタル変換装置を備えて変換処理するこ
とによって座標に対応するデジタルデータを得ることが
できる。また、入力装置から入力状態として得られるデ
ータは、連続信号であることに限定されない。例えば、
離散的にサンプリングしたデータでもよい。この場合に
は、得られるデータが離散的になるが、その間隙のデー
タを保管するようにしてもよく、隣り合うデータを関連
させてベクトルデータを求めても良い。
【0092】次に、ネットワークシステム80におけ
る、振出側の加盟店コンピュータ82、引受側の利用者
コンピュータ84,及び運営側の発行体コンピュータ8
6の各々の作動についてさらに説明する。
【0093】図8に示す処理ルーチンが、運営側の発行
体コンピュータ86において実行される。先ず、ステッ
プ100では、電子為替手形台紙データが要求されたか
否かを判断する。これは、加盟店側からなされるもので
あり、通信による要求によってなされる。ステップ10
0で肯定されると、ステップ102へ進み、基本台紙デ
ータが生成される。この基本台紙データは、電子為替手
形データの台紙の基本となるデータであり、加盟店情報
や署名を含ませることができるデータフォーマットを生
成することである。
【0094】次のステップ104では、これから生成す
る台紙データを利用する加盟店を表す加盟店情報を設定
する。このステップ104では、要求のあった加盟店1
4を識別する加盟店IDに対応する予め記憶された受取
口座などを加盟店データベース34Eから読み出すと共
に、これから生成する台紙データの有効期限を設定す
る。この有効期限は予め設定された日時や時間を設定す
る。次のステップ106では、電子為替手形台紙データ
18を生成する。
【0095】すなわち、発行体データ34Bから署名デ
ータを読み出しかつ鍵データベース34Dから該当する
加盟店14の加盟店公開鍵を読み出すと共に、該当する
加盟店14を特定するための加盟店情報に、その加盟店
公開鍵を付与しかつ、これらの加盟店情報及び加盟店公
開鍵が真正であることを保証する発行体署名データを付
与した電子為替手形台紙データ18を生成する。次のス
テップ108では、ステップ106で生成した電子為替
手形台紙データ18を該当する加盟店コンピュータ82
へ送出することで発行体署名データが付与された電子為
替手形台紙データ18を発行する(図7のプロセスP
1、データD1の送出に相当)。
【0096】上記のステップ104乃至ステップ106
の処理が本発明の運営側コンピュータに備えた付与手段
の作動に相当する。
【0097】一方、ステップ100で否定判断のときに
は、ステップ110へ進む。これは、加盟店コンピュー
タ82から電子為替手形データの真正性確認指示があっ
た場合である。まずステップ110では、加盟店コンピ
ュータ82からの電子為替手形データ22を受け取っ
て、次のステップ112において、第1の確認処理であ
る、自己認識サイン・データの真正性の確認を行う。発
行体コンピュータ86には、利用者12の自己認識サイ
ン・データ(手書サインによる入力状態の全データ)を
予め記憶しておく(手書サインデータベース34C)。
そして、受け取った電子為替手形データ22に含まれる
暗号化された自己認識サイン・データを復号化し、復号
化された自己認識サイン・データと、予め記憶した自己
認識サイン・データとを比較し、所定の類似度を超えた
(設定された閾値以内)ときに真正と判別する。
【0098】上記のステップ110乃至ステップ112
の処理が本発明の運営側コンピュータに備えた確認手段
の作動に相当する。
【0099】次のステップ114では、コピー検知処理
を実施し、電子為替手形データ22に付与された自己認
識サイン・データが複写物であるか否かを検知する。上
述のようにコピー検知処理は、複数の自己認識サイン・
データを比較することによってなされる。自己認識サイ
ン・データが全く同一のものでなければ、複写物ではな
い。従って、各々の自己認識サイン・データが異なれ
ば、ここではコピーした自己認識サイン・データではな
いと判別できる。
【0100】次のステップ116では、改竄検知処理を
実施し、電子為替手形データ22に含まれる取引情報及
び加盟店情報の少なくとも一方が電子為替手形データ2
0から改竄されているかを検知する。この改竄検知処理
は、上述のように、取引情報に含まれる取引番号の差異
及び加盟店情報に含まれる加盟店IDの整合性を検知す
ればよい。
【0101】自己認識サイン・データが真正であり、コ
ピーされたものでもなく、改竄もされていないとき真正
と判別し、次のステップ118で肯定され、ステップ1
20へ進み、電子為替手形データの本来の要求(電子決
済)である資金の移動を行う(図7のプロセスP7に相
当)。一方、何れか1つでも否定されたときには、ステ
ップ118で否定され、他処理を行った後、本ルーチン
を終了する。この他処理は、電子為替手形データが真正
のものではない偽物であることを報知したり、そのまま
電子為替手形データを消去したりする処理が考えられ
る。この場合、どの時点で真正性が否定されたかを報知
することが好ましい。
【0102】上記のステップ120の処理が本発明の運
営側コンピュータに備えた指示手段の作動に相当する。
【0103】次に、振出側の加盟店コンピュータ82の
作動についてさらに説明する。
【0104】図9に示す処理ルーチンが、振出側の加盟
店コンピュータ82において実行される。先ず、ステッ
プ124では、現時点が電子為替手形データを発行する
のであるか否かを判断する。電子為替手形データの発行
であるときは、ステップ124で肯定され、ステップ1
26へ進む。ステップ126では、発行体コンピュータ
86から予め受け取った電子為替手形台紙データ18を
読み取り(複写し)、次のステップ128において、発
行すべき電子為替手形データの対象となる利用者との間
の取引情報を読み取る。
【0105】ところで、本実施の形態では、加盟店14
で振り出す利用者12により引き受けられるべき電子為
替手形データ20は、有効期限内であれば、取引情報を
変えるのみで複数回振り出すことができる。従って、電
子為替手形データ20を振り出すたびに発行体コンピュ
ータ86に要求する必要はない。すなわち、一度要求し
た電子為替手形台紙データ18を加盟店コンピュータ8
2の記憶装置に一時的に格納しておき、複写によって発
行すればよい。つまり、記憶装置に手形ファイルを作成
しておいて、取り出しの自由を制御できる形式で保存し
ておくことが好ましい。なお、保存時の流通形式は特に
限定されない。すなわち、発行体側で電子為替手形台紙
データ18をフロッピディスクなどの記憶媒体に格納し
ておき、格納されている電子為替手形台紙データをフロ
ッピディスクから読み出して加盟店コンピュータ82の
記憶装置に格納すればよい。
【0106】次のステップ130では、上記ステップ1
26で読み取った電子為替手形台紙データ18に取引情
報を付与しかつ加盟店署名を付与し、電子為替手形デー
タ20を生成する。このステップ130では、これから
生成する電子為替手形データ20に関する取引情報を取
引番号をインデックスとして取引データベース50Cか
ら読み出すと共に、加盟店データ50Bから署名データ
を読み出して、取引情報に、その加盟店署名データを付
与した電子為替手形データ20を生成する。次のステッ
プ132では、ステップ130で生成した電子為替手形
データ20を該当する利用者コンピュータ84へ送出す
ることで加盟店署名データが付与された電子為替手形デ
ータ20を発行する(図7のプロセスP2、データD2
の送出に相当)。
【0107】上記のステップ126乃至ステップ130
の処理が本発明の振出側コンピュータに備えた発行手段
の作動に相当する。
【0108】一方、ステップ124で否定判断のときに
は、ステップ134へ進む。これは、利用者コンピュー
タ84から電子為替手形データが戻された場合である。
まずステップ134では、利用者コンピュータ84から
の電子為替手形データ22を受け取って、次のステップ
136において、発行体コンピュータ86へ送出するこ
とによって、自己認識サイン・データの真正性の確認を
依頼して本ルーチンを終了する。
【0109】このようにして、加盟店14は、利用者1
2へ向けて電子為替手形データ20を振り出したり、利
用者側から戻された電子為替手形データの確認を依頼し
たりする。
【0110】次に、引受側の利用者コンピュータ84の
作動についてさらに説明する。
【0111】図10に示す処理ルーチンが、引受側の利
用者コンピュータ84において実行される。先ず、ステ
ップ140では、加盟店側(加盟店コンピュータ82)
から電子為替手形データ20が振り出され引受要求がな
されるまで待機する。ステップ140で肯定されると、
ステップ142へ進み、加盟店コンピュータ82から送
出された電子為替手形データ20を受け取って、受け取
った電子為替手形データ20の加盟店の権限を次のステ
ップ144で検証する(図7のプロセスP3に相当)。
【0112】ステップ144では、発光体公開鍵を生成
した暗号化プログラムと同一の暗号化プログラムが予め
設定されており、鍵データベース68Bから発行体公開
鍵を読み取ると共に、設定されている暗号化プログラム
により、発行体公開鍵を用いて加盟店情報に付与された
発光体署名が発行体16により生成されたものであるこ
とを検知することによってなされる。
【0113】上記のステップ144の処理が本発明の引
受側コンピュータに備えた検証手段の作動に相当する。
【0114】次のステップ146では、鍵データベース
68Bから加盟店公開鍵を読み出して、その加盟店公開
鍵により加盟店で付与されたはずである取引情報の真正
性を検証する。このステップ146では、加盟店公開鍵
を生成した暗号化プログラムと同一の暗号化プログラム
により、加盟店公開鍵を用いて取引情報に付与された加
盟店署名データが加盟店14により生成されたものであ
ることを検知することによってなされる。
【0115】次のステップ148では、加盟店の権限が
あること及び取引情報の真正であることが共に肯定され
たときに肯定され、ステップ150へ進む。ステップ1
50では、電子為替手形データ20を引き受けるという
意志を反映した手書サインによる入力状態のデータ化
(自己認識サイン・データ)が行われる。すなわち、上
述のように、利用者コンピュータ84に接続されたタブ
レット(サイン入力装置)58に、利用者による手書サ
インの入力を促し、利用者によって、その上面にペン5
8Aの先端が接触または浮遊されることにより、利用者
が意図する位置に線分や点の描画、及びそれらの状態に
対応するデータが入力される。ここでは、入力による筆
圧、X座標及びY座標の各々の時系列データを取り込ん
で、自己認識サイン・データを得る。
【0116】次のステップ152では、その自己認識サ
イン・データのイメージ(図形)のデータ張り付けによ
る署名処理を行った後、次のステップ154においてそ
の自己認識サイン・データの暗号化処理を行う。署名処
理は、タブレット58に入力された名前や記号などの手
書き入力のイメージデータ(図形)を署名データとし
て、取引情報及び加盟店情報に付与する。自己認識サイ
ン・データの暗号化処理は、予め内部に記憶した発行体
公開鍵を生成した暗号化プログラムと同一の暗号化プロ
グラムにより、発行体公開鍵をキーとして用いて自己認
識サイン・データを暗号化する。
【0117】一方、ステップ148で否定されると、ス
テップ158において他処理を行った後に本ルーチンを
終了する。この他処理は、電子為替手形データが真正の
ものではない偽物であることを利用者12に報知した
り、そのまま電子為替手形データを消去したりする処理
が考えられる。この場合、どの時点で真正性が否定され
たかを報知することが好ましい。その真正性が否定され
た電子為替手形データ20について加盟店に報告するこ
とによって、加盟店で偽物が流通していることを教示で
きる。
【0118】このようにして、取引情報及び加盟店情報
に署名として自己認識サイン・データが付与され、かつ
暗号化された自己認識サイン・データが付加された電子
為替手形データ22を加盟店コンピュータへ送出するこ
とによって、加盟店コンピュータから受け取った電子為
替手形データ20を引き受けて、本ルーチンを終了す
る。これによって、第三者のなりすましやデータ改竄を
防止しつつ電子為替手形データを引き受けることができ
る。
【0119】次に、本発明の第2実施の形態を説明す
る。なお、本実施の形態は、上記実施の形態とほぼ同様
の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0120】図11には、第2実施の形態のネットワー
クシステム80において電子為替手形データが流通され
る状態を概略的に示した。図12の構成は、図1の構成
とほぼ同様であり、異なる点は、図1の構成が1つの発
行体16であったのに対して、図12の構成は、第1の
発行体16Aと、第2の発行体12Bと、ルート認証局
15とから構成されていることである。
【0121】第1の発行体16Aは、利用者12の口座
を運営する発行体であり、認証局を兼ねている。また、
第2の発行体12Bは、加盟店14の口座を運営する発
行体であり、認証局も兼ねている。これら第1の発行体
16Aと第2の発行体16Bの各々は、ルート認証局1
5とデータ授受可能に構成されている。ルート認証局1
5は、第1の発行体16Aと第2の発行体16Bの各々
の公開鍵を保証する認証局である。
【0122】まず、第2の発行体16Bは、要求により
電子為替手形台紙データ18Aを発行する。電子為替手
形台紙データ18Aは、本実施の形態において電子為替
手形データを振り出すための基本情報を含んだ電子情報
であり、その基本情報は加盟店情報、発行体署名デー
タ、認証情報、及びルート認証局署名データから構成さ
れる。第2の発行体16Bは、電子為替手形台紙データ
18Aを発行する。この電子為替手形台紙データ18A
は、加盟店公開鍵を付与しかつ加盟店公開鍵が真正であ
ることを保証する第2発行体16Bの発行体署名データ
を付与した加盟店情報と、第2発行体16Bの発行体署
名データを保証するルート認証局15のルート認証局署
名データが付与された第2の発行体16Bの発行体公開
鍵からなる認証情報とから構成されている。この発行し
た電子為替手形台紙データ18Aを加盟店14へ送出す
る。
【0123】加盟店14は、第2の発行体16Bで発行
された電子為替手形台紙データ18Aを受け取って、取
引情報を付与すると共に、当該取引情報が加盟店14で
追加されたことを保証する加盟店署名データを付与し、
利用者12へ送出することによって、電子為替手形デー
タ20Aを発行する。従って、電子為替手形データ20
Aは、加盟店公開鍵及び第2の発行体16Bの発行体署
名データが付与された加盟店情報と、加盟店署名データ
が付与された取引情報と、第2発行体16Bの発行体署
名データを保証するルート認証局15のルート認証局署
名が付与された第2の発行体16Bの発行体公開鍵から
なる認証情報とから構成される。このようにして、加盟
店14は、利用者12へ向けて電子為替手形データ20
Aを振り出す。
【0124】次に、利用者12は、振り出された電子為
替手形データ20Aに手書サイン(自己認識サイン・デ
ータ)に基づく署名を行いその自己認識サイン・データ
が含まれる電子為替手形データ22Aを加盟店14へ戻
す。
【0125】まず、利用者12は、加盟店14から送出
された電子為替手形データ20Aを受け取って、各種検
証を行う。第1の検証である振出権限の検証は、予め内
部に記憶した第2の発行体16Bの発行体公開鍵及びル
ート認証局15のルート認証局公開鍵により行う。すな
わち、第2の発行体16Bの署名データ及びルート認証
局15の署名データの各々について真正性を検証する。
第2の検証である取引情報の真正性の検証は、予め内部
に記憶した加盟店公開鍵により加盟店で付与されたはず
である取引情報の真正性を検証する。
【0126】上記第1の検証及び第2の検証で正規のも
のであることが検証されると、利用者12は、電子為替
手形データ20Aを引き受けるという意志を反映した手
書サイン(自己認識サイン・データ)による署名処理
と、その自己認識サイン・データの暗号化処理を行う。
まず、署名処理は、上述のようにタブレット58に入力
された名前や記号などの手書き入力による自己認識サイ
ン・データを入力させ、その自己認識サイン・データの
イメージデータ(図形)を手書サインによる署名データ
として、取引情報及び加盟店情報に付与する。
【0127】次に、自己認識サイン・データの暗号化処
理は、予め内部に記憶した対価の支払いのために、第1
の発行体16Aの発行体公開鍵をキーとして用いて自己
認識サイン・データを暗号化する。このようにして署名
処理と暗号化処理とがなされた電子為替手形データ22
Aを、加盟店14へ向けて送出する。
【0128】加盟店14は、利用者12からの電子為替
手形データ22Aを受け取って、その電子為替手形デー
タ22Aを第2の発行体16Bへ送出することによっ
て、受け取った電子為替手形データ22が真正のもので
あるかの確認を第2の発行体16Bへ依頼する。
【0129】第2の発行体16Bは、加盟店14からの
電子為替手形データ22Aを受け取って、その電子為替
手形データ22Aについて種々の確認処理を実行する。
第1の確認処理である自己認識サイン・データの真正性
の確認は、第1の発行体16Aとの間でなされる。すな
わち、第2の発行体16Bには、利用者12の自己認識
サイン・データは記録されておらず、第1の発行体16
Aに記録されている。そこで、第2の発行体16Bは、
受け取った電子為替手形データ22Aに含まれる暗号化
された自己認識サイン・データの復号化及び検証を第1
の発行体16Aへ依頼する。第1の発行体16Aでは、
自己認識サイン・データの復号化及び検証を行う。その
結果である真正の判別結果を、第2の発行体16Bへ出
力する。これにより、第2の発行体16Bにおいて自己
認識サイン・データの真正性の確認を行うことができ
る。
【0130】第2の確認処理であるコピー検知処理は、
上記と同様にして、電子為替手形データ22Aに付与さ
れた自己認識サイン・データが複写されたものであるか
否かを検知する。これによって、利用者12の自己認識
サイン・データであることすなわち真正を判別する。ま
た、第3の確認処理である改竄検知処理は、取引情報に
含まれる取引番号の差異及び加盟店情報に含まれる加盟
店IDの整合性を検知する。何れもが一致しているとき
に真正と判別する。
【0131】第2の発行体16Bは、以上の第1乃至第
3の確認処理の各々で真正と判別されたときに、資金の
移動を行う。すなわち、利用者12の口座から取引情報
で明示された金額を、電子為替手形データを振り出した
加盟店14の口座へ移動するために、第1の発行体16
Aへ資金の移動を依頼する。このようにして電子為替手
形データを発行し、資金移動を安全かつ確実に実行でき
る。
【0132】なお、本実施の形態では、発行体とルート
認証局とを分離した構成にしたが、本発明はこれに限定
されるものではなく、何れかの発行体がルート認証局を
兼ねるように構成してもよい。
【0133】次に、本発明の第3実施の形態を説明す
る。なお、本実施の形態は、上記実施の形態とほぼ同様
の構成であるため、同一部分には同一符号を付して詳細
な説明を省略する。
【0134】図12には、第3実施の形態のネットワー
クシステム80において電子為替手形データが流通され
る状態を概略的に示した。図12の構成は、図11の構
成とほぼ同様であり、異なる点は、図11の構成が認証
局を兼ねる第1の発行体16Aと、認証局を兼ねる第2
の発行体12Bと、ルート認証局15とであったのに対
して、図12の構成は、単一の認証局である独立認証局
17と、利用者12の口座を運営する発行体である第1
の発行体16Cと、加盟店14の口座を運営する発行体
である第2の発行体12Dと、から構成されていること
である。
【0135】本実施の形態では、利用者12,加盟店1
4,第1の発行体16C、及び第2の発行体16Dの各
々は、独立認証局17とデータ授受可能に構成されてい
る。独立認証局17は、認証自体を独立して行う基地局
である。この独立認証局17には、第1の発行体16
C、第2の発行体16D、及び加盟店14の公開鍵と、
利用者12の自己認識サイン・データとのそれぞれを予
め登録しておく。
【0136】まず、第2の発行体16Dは、要求により
電子為替手形台紙データ18Bを発行する。電子為替手
形台紙データ18Bは、上記実施の形態の台紙データ1
8Aと同様に基本情報を含んだ電子情報であり、その基
本情報は加盟店情報、発行体署名データ、認証情報、及
び独立認証局署名データから構成される。第2の発行体
16Dは、電子為替手形台紙データ18Bを発行する。
この電子為替手形台紙データ18Bは、加盟店公開鍵を
付与しかつ加盟店公開鍵が真正であることを保証する第
2発行体16Dの発行体署名データを付与された加盟店
情報と、第2発行体16Dの発行体署名データを保証す
る独立認証局17の独立認証局署名データが付与された
第2の発行体16Dの発行体公開鍵からなる認証情報と
から構成されている。この発行した電子為替手形台紙デ
ータ18Bを加盟店14へ送出する。
【0137】加盟店14は、第2の発行体16Dで発行
された電子為替手形台紙データ18Bを受け取って、取
引情報を付与すると共に、当該取引情報が加盟店14で
追加されたことを保証する加盟店署名データを付与し、
利用者12へ送出することによって、電子為替手形デー
タ20Bを発行する。従って、電子為替手形データ20
Bは、加盟店公開鍵及び第2の発行体16Dの発行体署
名データが付与された加盟店情報と、加盟店署名が付与
された取引情報と、加盟店14の加盟店署名データを保
証する独立認証局17の独立認証局署名データが付与さ
れた加盟店14の加盟店公開鍵からなる認証情報Aと、
第2発行体16Dの発行体署名データを保証する独立認
証局17の独立認証局署名データが付与された第2の発
行体16Dの発行体公開鍵からなる認証情報Bと、から
構成される。このようにして、加盟店14は、利用者1
2へ向けて電子為替手形データ20Bを振り出す。
【0138】次に、利用者12は、振り出された電子為
替手形データ20Bに手書サイン(自己認識サイン・デ
ータ)による署名を行いその自己認識サイン・データが
含まれる電子為替手形データ22Bを加盟店14へ戻
す。
【0139】まず、利用者12は、加盟店14から送出
された電子為替手形データ20Bを受け取って、各種検
証を行う。第1の検証である振出権限の検証は、予め内
部に記憶した第2の発行体16Dの発行体公開鍵及び独
立認証局17の独立認証局公開鍵により行う。すなわ
ち、第2の発行体16Dの署名データ及びその署名を保
証する第2の発行体16Dの公開鍵に対する独立認証局
17の署名データ(認証情報B)の各々について真正性
を検証する。第2の検証である取引情報の真正性の検証
は、予め内部に記憶した加盟店公開鍵により加盟店で付
与されたはずである取引情報の真正性を検証する。すな
わち、加盟店署名データ(取引情報)及びその署名デー
タを保証する加盟店14の公開鍵に対する独立認証局1
7の署名データ(認証情報A)の各々について真正性を
検証する。
【0140】上記第1の検証及び第2の検証で正規のも
のであることが検証されると、利用者12は、電子為替
手形データ20Bを引き受けるという意志を反映した手
書サイン(自己認識サイン・データ)による署名処理
と、その自己認識サイン・データの暗号化処理を行う。
まず、署名処理は、上記と同様のため説明を省略する。
【0141】次に、自己認識サイン・データの暗号化処
理は、予め内部に記憶した対価の支払いのために、第1
の発行体16Aの発行体公開鍵をキーとして用いて自己
認識サイン・データを暗号化する。このようにして署名
処理と暗号化処理とがなされた電子為替手形データ22
Bを、加盟店14へ向けて送出する。
【0142】加盟店14は、利用者12からの電子為替
手形データ22Bを受け取って、その電子為替手形デー
タ22Bを第2の発行体16Bへ送出することによっ
て、受け取った電子為替手形データ22Bが真正のもの
であるかの確認を第2の発行体16Bへ依頼する。
【0143】第2の発行体16Bは、加盟店14からの
電子為替手形データ22Bを受け取って、その電子為替
手形データ22Bについて種々の確認処理を実行する。
第1の確認処理である自己認識サイン・データの真正性
の確認は、独立認証局17との間でなされる。すなわ
ち、第2の発行体16Bには、利用者12の自己認識サ
イン・データは記録されておらず、独立認証局17に記
録されている。そこで、第2の発行体16Bは、受け取
った電子為替手形データ22Bに含まれる暗号化された
自己認識サイン・データの復号化及び検証を独立認証局
17へ依頼する。独立認証局17では、自己認識サイン
・データの復号化及び検証を行う。その結果である真正
の判別結果を、第2の発行体16Bへ出力する。これに
より、第2の発行体16Bにおいて自己認識サイン・デ
ータの真正性の確認を行うことができる。
【0144】第2の確認処理であるコピー検知処理は、
電子為替手形22Bに付与された自己認識サイン・デー
タが複写されたものであるか否かを検知する。これによ
って、利用者12による自己認識サイン・データである
ことすなわち真正を判別する。また、第3の確認処理で
ある改竄検知処理は、取引情報に含まれる取引番号の差
異及び加盟店情報に含まれる加盟店IDの整合性を検知
する。何れもが一致しているときに真正と判別する。
【0145】第2の発行体16Bは、以上の第1乃至第
3の確認処理の各々で真正と判別されたときに、資金の
移動を行う。すなわち、利用者12の口座から取引情報
で明示された金額を、電子為替手形データを振り出した
加盟店14の口座へ移動するために、第1の発行体16
Aへ資金の移動を依頼する。このようにして電子為替手
形データを発行し、資金移動を安全かつ確実に実行でき
る。
【0146】なお、本実施の形態では、発行体と独立認
証局とを分離した構成にしたが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、何れかの発行体が独立認証局を兼ね
るように構成してもよい。
【0147】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、引
受側コンピュータで受け取った電子為替手形などの電子
決済データに、入力手段により入力された利用者の手書
きによる自己認識サイン・データによる署名が付加され
るので、利用者の手書きによる自己認識サイン・データ
による署名を付加でき、利用者が電子為替手形などの電
子決済データを引き受けるという意図が確実に反映する
ことができる、という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施の形態にかかる、ネットワー
クシステムにおける電子為替手形データが流通される状
態を概略的に示した概念図である。
【図2】第1実施の形態にかかるネットワークシステム
の概略構成を示したブロック図である。
【図3】発行体コンピュータの概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図4】加盟店コンピュータの概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図5】利用者コンピュータの概略構成を示したブロッ
ク図である。
【図6】手書サインの入力状態である自己認識サイン・
データの説明図であり、(A)は入力のためのタブレッ
トの概要を示し、(B)はペン移動による描画のイメー
ジ図を示し、(C)は筆圧特性を示し、(D)はX座標
特性を示し、(E)はY座標特性を示した。
【図7】第1実施の形態にかかる電子為替手形データが
流通されるときの各コンピュータの時系列的な作動状態
を示したプロセス図である。
【図8】発行体コンピュータの処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図9】加盟店コンピュータの処理の流れを示すフロー
チャートである。
【図10】利用者コンピュータの処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図11】第2実施の形態にかかる、ネットワークシス
テムにおける電子為替手形データが流通される状態を概
略的に示した概念図である。
【図12】第3実施の形態にかかる、ネットワークシス
テムにおける電子為替手形データが流通される状態を概
略的に示した概念図である。
【符号の説明】
12 利用者 14 加盟店 16 発行体 18 電子為替手形台紙データ 23 コンピュータ装置 20 電子為替手形データ 22 電子為替手形データ 58 タブレット 58A ペン 68 記憶装置 80 ネットワークシステム 82 加盟店コンピュータ 84 利用者コンピュータ 86 発行体コンピュータ 88 ネットワーク
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/60 ZEC G06F 17/60 ZEC G09C 1/00 640 G09C 1/00 640A H04L 9/32 H04L 9/00 673D (71)出願人 501140005 アスコット・コム株式会社 東京都港区西新橋1−12−10 (72)発明者 近藤 譲二 東京都中央区八重洲1−4−22 株式会社 守谷商會内 (72)発明者 梅崎 富雄 東京都千代田区丸の内2−7−1 株式会 社東京三菱銀行内 (72)発明者 飯坂 俊治 東京都千代田区丸の内2−7−1 株式会 社東京三菱銀行内 (72)発明者 奥原 操 東京都世田谷区用賀4丁目5番16号TEビ ル 日本サイバーサイン株式会社内 (72)発明者 市村 憲二郎 東京都世田谷区用賀4丁目5番16号TEビ ル 日本サイバーサイン株式会社内 (72)発明者 清正 登喜夫 東京都港区西新橋1−12−10 アスコッ ト・コム株式会社内 Fターム(参考) 5J104 AA09 LA03 LA06 PA07 PA10

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子決済のために運営機関で発行された
    基本情報に基づいて振り出された電子決済データを通信
    回線を介して引き受ける利用者側に設けられた電子決済
    データ引受装置であって、 前記電子決済データを通信回線を介して受け取る受取手
    段と、 前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
    表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
    ・データを入力するための入力手段と、 前記受け取った電子決済データに前記自己認識サイン・
    データに基づいて前記利用者の署名を付加しかつ通信回
    線を介して送出する送出手段と、 を備えたことを特徴とする電子決済データ引受装置。
  2. 【請求項2】 前記受取手段は、前記基本情報として前
    記電子決済のための決済用の台紙情報に前記電子決済に
    関係する取引情報が付加された電子決済データを受け取
    ることを特徴とする請求項1に記載の電子決済データ引
    受装置。
  3. 【請求項3】 前記入力手段は、前記利用者の手書きに
    よる図形及び該図形の入力時の物理量を入力状態として
    自己認識サイン・データが入力されることを特徴とする
    請求項1または請求項2に記載の電子決済データ引受装
    置。
  4. 【請求項4】 通信回線に接続されかつ電子決済のため
    に運営機関で発行された基本情報に基づいて振り出され
    た電子決済データを通信回線を介して引き受ける利用者
    側に設けられた引受側コンピュータにおいて実行される
    電子決済データ引受プログラムであって、 前記電子決済データを通信回線を介して受け取らせるス
    テップ(a)と、 前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
    表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
    ・データを入力するための入力手段に、前記自己認識サ
    イン・データを入力させるステップ(b)と、 前記受け取った電子決済データに前記自己認識サイン・
    データに基づいて前記利用者の署名を付加させるステッ
    プ(c)と、 前記署名が付加された電子決済データを通信回線を介し
    て送出させるステップ(d)と、 を含むことを特徴とする電子決済データ引受プログラ
    ム。
  5. 【請求項5】 通信回線に接続されかつ電子決済のため
    に運営機関で発行された基本情報に基づいて振り出され
    た電子決済データを通信回線を介して引き受ける利用者
    側に設けられた引受側コンピュータにおいて実行される
    電子決済データ引受プログラムを記憶した記憶媒体であ
    って、 前記電子決済データを通信回線を介して受け取らせ、 前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
    表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
    ・データを入力させ、 前記受け取った電子決済データに前記自己認識サイン・
    データに基づいて前記利用者の署名を付加させ、 前記署名が付加された電子決済データを通信回線を介し
    て送出させる電子決済データ引受プログラムを記憶した
    記憶媒体。
  6. 【請求項6】 電子決済のための基本情報を発行する運
    営機関に運営側コンピュータが設けられ、前記基本情報
    に基づいて電子決済データを出力する加盟店に振出側コ
    ンピュータが設けられ、前記電子決済データを引き受け
    る利用者に引受側コンピュータが設けられ、各々が通信
    回線に接続されると共に通信回線を介して各コンピュー
    タ間でデータ授受する電子決済システムであって、 前記引受側コンピュータに、 前記電子決済データを通信回線を介して受け取る受取手
    段と、 前記利用者の手書きによる自己認識のための入力状態を
    表しかつ入力毎に異なる入力状態を表す自己認識サイン
    ・データを入力するための入力手段と、 前記受け取った電子決済データに前記入力手段により入
    力された自己認識サイン・データに基づいて前記利用者
    の署名を付加しかつ通信回線を介して送出する送出手段
    と、 を備えたことを特徴とする電子決済システム。
  7. 【請求項7】 前記受取手段は、前記基本情報として前
    記電子決済のための決済用の台紙情報に前記電子決済に
    関係する取引情報が付加された電子決済データを受け取
    ることを特徴とする請求項6に記載の電子決済システ
    ム。
  8. 【請求項8】 前記入力手段は、前記利用者の手書きに
    よる図形及び該図形の入力時の物理量を入力状態として
    自己認識サイン・データが入力されることを特徴とする
    請求項6または請求項7に記載の電子決済システム。
  9. 【請求項9】 前記運営側コンピュータは、前記加盟店
    を識別するための加盟店情報と前記運営機関の真正を表
    す運営者署名とを記憶する記憶手段及び前記加盟店情報
    に前記運営者署名を付与した権限情報を前記基本情報に
    付与する付与手段を備え、前記引受側コンピュータは、
    前記権限情報に基づいて、受け取った電子決済データの
    真正性を検証する検証手段を備えたことを特徴とする請
    求項6乃至請求項8の何れか1項に記載の電子決済シス
    テム。
  10. 【請求項10】 前記振出側コンピュータは、前記加盟
    店の真正を表す加盟店署名を記憶する記憶手段と、前記
    基本情報に前記加盟店と該加盟店を利用した利用者との
    間の取引に関係する取引情報を前記加盟店署名と共に付
    加した電子決済データを発行する発行手段を含むことを
    特徴とする請求項9に記載の電子決済システム。
  11. 【請求項11】 前記引受側コンピュータは、前記運営
    者署名及び前記加盟店署名の各々の真正性を検知するた
    めの鍵を記憶する鍵記憶手段を備え、前記検証手段は、
    前記鍵記憶手段に記憶された鍵を用いて受け取った電子
    決済データの真正性を検証することを特徴とする請求項
    9または請求項10に記載の電子決済システム。
  12. 【請求項12】 前記引受側コンピュータは、前記運営
    機関により予め定められた暗号用鍵を記憶する暗号用鍵
    記憶手段を備え、前記送出手段は、前記入力手段により
    入力された自己認識サイン・データを前記暗号用鍵で暗
    号化して前記受け取った電子決済データに付加すること
    を特徴とする請求項6乃至請求項11の何れか1項に記
    載の電子決済システム。
  13. 【請求項13】 前記運営側コンピュータは、前記利用
    者により予め定められた自己認識サイン・データを記憶
    するサイン記憶手段と、前記予め定めた暗号用鍵に基づ
    いて、自己認識サイン・データの真正性を確認する確認
    手段とを備えたことを特徴とする請求項12に記載の電
    子決済システム。
  14. 【請求項14】 前記運営側コンピュータは、電子決済
    データについて前記取引情報、前記加盟店情報及び前記
    署名の真正性を確認し、前記真正性が確認されたときに
    前記利用者側の資金を前記加盟店側への移動を指示する
    指示手段を備えたことを特徴とする請求項6乃至請求項
    13の何れか1項に記載の電子決済システム。
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