JP2002301458A - セルロース系廃棄物等の処理方法 - Google Patents

セルロース系廃棄物等の処理方法

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JP2002301458A
JP2002301458A JP2001110820A JP2001110820A JP2002301458A JP 2002301458 A JP2002301458 A JP 2002301458A JP 2001110820 A JP2001110820 A JP 2001110820A JP 2001110820 A JP2001110820 A JP 2001110820A JP 2002301458 A JP2002301458 A JP 2002301458A
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flame
generation
heating
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裕 川崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 セルロース系廃棄物の処理技術に関し、特
に、環境破壊に繋がる従来からの焼却方式から脱却する
セルロース系廃棄物の新規な処理方法を提供しようとす
るものである。 【解決手段】 セルロース系廃棄物等に添加液を含浸状
とした上、それらを、活性雰囲気下、略80℃ないし3
00℃程度の温度範囲内であって、添加液濃度に応じた
所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする際、前記添加
液の触媒効果等によって加熱または火炎による可燃性ガ
ス発生を抑制した脱水、炭化を促進し、セルロース系廃
棄物等の固形成分の大部分を炭化残渣に変質、固定化し
てしまうようにしたセルロース系廃棄物等の処理方法で
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】この発明は、セルロース系廃棄物、例え
ば家庭、事務所、官公庁等から出る紙屑や家屋解体時の
廃棄木材等に代表される廃棄物の処理技術に関するもの
であり、特に、これらセルロース系廃棄物は、これまで
一般的に焼却処理に回され、二酸化炭素や大気汚染物質
のダイオキシンを発生させて地球温暖化の原因の一つと
されていることから、そうした環境破壊要因の一つであ
る事実を回避するために、従来からの一般的処理手段と
なっていた焼却方式から脱却することができるようにす
る、セルロース系廃棄物の新規な処理方法を提供しよう
とするものである。
【0002】
【従来の技術】インフラの整った現代日本においては、
ゴミ収集車が毎週定期的に各種ゴミ類を回収して回り、
公費で処理してしまうようにしたシステムが完備されて
きていて、家庭や事務所等にそれらゴミが滞ってしまう
ことのない生活を送れるようになっているが、それら回
収された可燃ゴミの多くは、公設処理場等において焼却
処理されるか、そのまま埋め立てに回されるかしている
ことから、一つは、焼却後に排出する灰塵を含め、それ
らを処分するための埋立地の確保が新たに社会問題化し
てきているという事実があり、他の一つには、1997
年地球温暖化防止京都会義(COP3)において、二酸
化炭素の排出規制を、西暦2010年には1990年対
比で5%排出削減にすることが採択され、主催国日本で
は6%の削減目標が掲げられると共に、ドイツやフラン
ス等のヨーロッパでは二酸化炭素の排出に炭素税を課す
等といった国々も出てきていて、二酸化炭素の排出抑制
が焦眉の急に相当する問題であるという認識は確実に高
まってきていながら、最もそのための対策を必要として
いる日本を始めとする先進国において、必ずしも思うよ
うな対策、手段を見出せないでいるという現実がある。
【0003】更には、可燃ゴミの焼却処理では、それが
塩ビ等の有機塩素化合物等や漂白剤、殺菌剤等で使用さ
れる塩素を含んだゴミの場合、300℃から500℃程
度の比較的低温域で焼却されると人体に極めて有害なダ
イオキシンを生成してしまうという事実が既に科学的に
立証されていることから、事業所は勿論のこと、一般家
庭においてさへも、最早小型から中型の焼却炉の使用が
厳しく規制されると共に、公設処理場における大型焼却
炉にあっても、それらがダイオキシンの発生率が高いた
めに使用を規制されてしまったことから、それを回避す
るために高価な設備費用を掛け、ダイオキシンの発生を
少なくする高温での焼却を可能にする焼却炉に改修また
は新設したものも少なくない。
【0004】しかし、それら規制をクリアした大型焼却
炉の場合、高温焼却であるがために当然ランニングコス
トが嵩む上、施設としての寿命を縮めてしまうことか
ら、それらの要因だけでも維持管理費用を増大化させて
しまう外に、大気中へのダイオキシンの放出を抑制した
にも拘わらず、焼却されて残った灰の中からも多量のダ
イオキシンが検出されという事実があって、それら焼却
炉から排出する灰塵はそのまま埋め立てに回せない有害
物質としてセメント等で固める事後処理をしたり、再度
高温処理して無害化する必要が生じる等して新たな処理
費用も加わってしまう結果、一般市民が長期に渡ってそ
れら経済的負担をになっていかなければならないという
新たな課題が現実に派生してきている。
【0005】この発明は、以上見てきたとおりの可燃性
ゴミ、特に木材や枯葉、紙や木綿等といった日常的に大
量に排出するセルロース系廃棄物処理の実情に鑑み、二
酸化炭素およびダイオキシン等の有害ガスが従前からの
焼却手段に起因している事実に着目し、焼却によらない
処理手段を採用することによってそれらガスの発生を抑
制することができないものかとの見地から、逸早く開
発、研究に着手し、永年に渡る試行錯誤と幾多の試作実
験とを繰り返してきた結果、セルロースの熱分解機構に
注目し、薬剤によって熱分解機構を制御するようにすれ
ば、ダイオキシン等の有害ガスを生成することのない低
温域での炭化物への固定化が可能になるという事実を確
認するに至り、遂にこれまでに採用されたことのない極
めて新規な構成からなるセルロース系廃棄物の処理方法
の完成をみることに成功したものであり、以下では、幾
つかの実施例と共に、その構成について詳細に説示して
いくこととする。
【0006】
【発明の構成】本発明のセルロース系廃棄物等の処理方
法は、基本的に次のとおりの構成を要旨としている。即
ち、木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロース系廃棄
物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫酸、硫酸ア
ンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の何れか一つ
あるいは二つ以上との混合物かの何れかから成る添加液
を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気下、略80℃
ないし300℃程度の温度範囲内であって、添加液濃度
に応じた所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする際、
前記添加液の触媒効果等によって加熱または火炎による
可燃性ガス発生を抑制した脱水、炭化を促進し、セルロ
ース系廃棄物等の固形成分の大部分を炭化残渣に変質、
固定化してしまうようにしたセルロース系廃棄物等の処
理方法である。
【0007】この発明の上記した基本的な横成からなる
セルロース系廃棄物の処理方法について、より具体的な
記載によるものとして示せば、木材や枯葉、紙、木綿等
といったセルロース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物
か、燐化合物と硫酸、硫酸アンモニウム、硼酸、または
それらの誘導体の何れか一つあるいは二つ以上との混合
物かの何れかから成る添加液を含浸状とした上、それら
を、活性雰囲気下、略80℃ないし300℃程度、望ま
しくは略100℃ないし250℃程度の温度範囲内であ
って、添加液濃度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎
に曝すかする際、前記添加液の触媒効果等によって加熱
または火炎による可燃性ガス発生を抑制しながらの加熱
処理となるようにすることにより、有害ガスの発生を最
小限に止めた脱水、炭化が促進されて、セルロース系廃
棄物等の固形成分の大部分を炭化残渣に変質、固定化し
てしまうようにした構成を要旨とするセルロース系廃棄
物等の処理方法であるということができる。
【0008】そして、上記した基本的な横成からなるこ
の発明のセルロース系廃棄物の処理方法には、木材や枯
葉、紙、木綿等といったセルロース系廃棄物等に、燐酸
等の燐化合物か、燐化合物と硫酸、硫酸アンモニウム、
硼酸、またはそれらの誘導体の何れか一つあるいは二つ
以上との混合物かの何れかから成る添加液を含浸状とし
た上、それらを、活性雰囲気下、略80℃ないし300
℃程度、望ましくは略100℃ないし250℃程度の温
度範囲内であって、添加液濃度に応じた所要時間だけ加
熱するか火炎に曝すかする際、前記添加液の触媒効果等
によって加熱または火炎による可燃性ガス発生を抑制し
ながらの加熱処理となるようにすることにより、セルロ
ース系廃棄物等に含まれる有機塩素系素材等の塩素に原
因して、略300℃ないし500℃の低温燃焼において
発生するダイオキシンの発生を最小限に止めた脱水、炭
化が促進されて、セルロース系廃棄物等の固形成分の大
部分を炭化残渣に変質、固定化してしまうようにした構
成を要旨とするセルロース系廃棄物等の処理方法を包含
している。
【0009】また、木材や枯葉、紙、木綿等といったセ
ルロース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物
と硫酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導
体の何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れか
から成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲
気下、略80℃ないし150℃程度の温度範囲内、望ま
しくは略100℃程度の温度であって、添加液濃度に応
じた所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする際、前記
添加液の触媒効果等によって加熱または火炎による可燃
性ガス発生を抑制しながらの加熱処理となるようにする
ことにより、有害ガスの発生を最小限に止めた脱水、炭
化が促進されて、セルロース系廃棄物等の固形成分を極
力炭化残渣に変質、固定化してしまってから埋立地に投
棄処分するようにし、当該埋立地において、未処理セル
ロース系廃棄物等の分解、腐敗等による悪臭、ガスの発
生や地下水の汚染、あるいは未処理セルロース系廃棄物
等の分解、腐敗等による減量からくる地盤沈下等の弊害
を阻止または軽減するようにした構成を要旨とするとこ
ろのセルロース系廃棄物等の処理方法も包含されてい
る。
【0010】更には、この発明には、前記した基本的な
構成の処理方法に関連し、次のとおりの構成からなるセ
ルロース系廃棄物等の処理方法も含まれる。即ち、木材
や枯葉、紙、木綿等といったセルロース系素材を主体と
する廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫
酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の
何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れかから
成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気
下、略80℃ないし300℃程度、望ましくは略100
℃ないし250℃程度の温度範囲内であって、添加液濃
度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする
際、前記添加液の触媒効果等によって加熱または火炎に
よる可燃性ガス発生を抑制しながらの加熱処理となるよ
うにすることにより、有害ガスの発生を最小限に止めた
脱水、炭化が促進されて、セルロース系廃棄物等の固形
成分の大部分を炭化残渣に変質、固定化してしまうよう
にした後、それらを粉砕する工程に回してしまい、良好
に炭化したセルロース系素材はその過程で微粉化してし
まう性質を有することから、その性質を利用して微粉化
されているものとそうでないものとを分級、選別し、当
初の廃棄物等に紛れ込んでいたセルロース系素材以外の
もの、またはセルロース系素材でも不完全処理のものを
回収して適切な廃棄処理を施すか、再利用するようにし
た構成を要旨とするセルロース系廃棄物等の処理方法で
ある。
【0011】セルロース系廃棄物等は、最も代表的なも
のに新聞紙やチラシ、雑誌類の古紙や、使用済み段ボー
ルやその内部の段ボール緩衝材(場合によっては止め金
具やプラスチック製バインダー等で一体化されてしまっ
ていて、セルロース系素材だけではない廃棄物も含まれ
る。)、更には事務所、事業所や官公庁等から多量に排
出するコピー用紙やシュレッダー済みの古紙等であり、
その他、建築覿場や木材加工所、製材所、林業現場等か
ら発生する大量の木廃材や木片や木屑、樹皮、更には河
川や海岸に流れ着く流木等についてもその対象となり、
また、製紙業等で発生する再利用不能の短繊維屑(パル
バー滓)や木綿やレーヨン等のセルロース布系繊維等と
いった廃棄物類も包含している外、農業分野における水
稲の籾殻や稲藁、その他穀物であって収穫後の茎や葉等
の中、土壌に還元することが難しい廃棄物等であっても
差し支えはない。
【0012】添加液は、上記した各種セルロース系廃棄
物等を、その熱分解機構によって炭化していくことがで
き、その際のセルロ−スの熱分解時に発生する可燃性ガ
スの抑制効果と脱水、炭化とを促進させ、炭化残滓の量
を増やす機能を果たし得るものでなければならず、ま
た、処理液として採用することによる環境破壊に留意す
る必要があるため、燐酸、燐酸アンモニウム等の燐化合
物か、燐化合物と硫酸、硫酸アンモニウム、またはそれ
らの誘導体の何れか一つあるいは二つ以上との混合物か
の何れかから成るものとし、燃焼時のセルロース以外の
混入物に対してもガラス化による遮蔽効果を有している
硼酸、硼砂等も添加液に加える場合もある。
【0013】上記添加液を含浸状としたセルロース系廃
棄物は、活性雰囲気下で、略80℃ないし300℃程
度、望ましくは略100℃ないし250℃程度の温度範
囲内であって、添加液濃度に応じた所要時間だけ加熱す
るか、火炎に曝すかして、添加液とした所定の化学物質
が有する触媒効果等の作用によって可燃性ガスの発生を
抑制しながらの加熱処理を行うことにより、脱水、炭化
が確実に促進されていって、その重量減少率が40%以
上に達するようにした炭化物に固定されてしまうように
するものである。
【0014】なお、300℃以上の温度帯においても、
添加液濃度に応じた所要時間だけ加熱するか、火炎に曝
すかして、添加液とした所定の化学物質が有する触媒効
果等の作用によって可燃性ガス発生を抑制しながら加熱
処理を行うことにより、脱水、炭化を促進し、セルロー
ス系素材等を重量減少率40%以上の炭化素材とするこ
とは可能であるが、ダイオキシンの生成されてしまう温
度帯を避ける必要から、300℃以下の温度帯、望まし
くは250℃以下となるようにした温度帯に規制した炭
化が望ましいと言える。しかし、塩素系素材の未混入が
確認される素材(産業廃棄物等で成分の確認、安定性の
確保が可能な素材等)においては、300℃を超える温
度帯での炭化処理を行うことを妨げるものではなく、燃
焼排気の後工程において触媒加熱や集塵装置、吸着剤等
でのダイオキシン発生抑制装置等での処理を行う場合
も、300℃以上での炭化処理を妨げるものではない。
【0015】なお、上記のとおりの構成からなる発明の
セルロース系廃棄物処理技術には添加液を含浸状とする
ため、前工程としてセルロース系廃棄物を解砕等によ
り、チップ化、フレーク化、粉末化、シート化等、添加
液が素材全体に行き渡り易い性状に処理する工程を加え
たり、その後にコンペアー等での連続炭化処理等を実施
するため、積層状態またはシート状態とし、余分な添加
液を排出し易くしたり、無数の浸透孔を穿設した上でス
プレー等による添加液散布手段で含浸させるようにする
工程によるものとしたり、あるいは、吸引等による余剰
添加液の回収、添加液含浸後の予備乾燥工程における通
気や均一な加熱、炭化が行えるようにする処理工程を採
用することができる。
【0016】更に、セルロース系廃棄物を解砕し空気輸
送が可能な状態とし、添加液含最後、乾燥した物を空気
輸送中に加熱しながら炭化、または乾燥と炭化を同時に
空気輸送中に行い、炭化物を捕集する処理方法も包含さ
れる外、加熱等で蒸散した添加液、例えば、燐酸、アン
モニア等、水溶解性の高い化学物質等は水中捕集して回
収した上、この発明による炭化処理のための添加液の一
部に再利用するようにした処理方法も包含され、また、
炭化処理後の後工程として、炭化したセルロース系廃棄
物に残留する添加液内の化学物質を、水洗等適宜洗浄手
段を採用したり、沸点以上への再加熱をする等の気化手
段によって、炭化物から分離させて回収し、前記同様に
この発明の実施のために再利用するようにした処理方法
も包含されている。
【0017】このようにして、添加液を均質に含浸状と
したセルロース系廃棄物は、そのまま湿潤な状態か、一
旦乾燥するかした上で加熱処理されるが、通常のセルロ
ースの熱分解は、図1のように250℃前後から始ま
り、レポグルコサン(β−グルコサンC6H10O5)とな
り、更に可燃性ガス(フルフリルアルコールC5H6O
2、フルフラールC5H4O2、メタノールCH4O、エタ
ノールC2H6O、アセトアルデヒドC2H5O、グリオキ
サールC2H2O2等)に分解する経過を辿ることにな
る。
【0018】この発明のセルロース系廃棄物処理方法で
は、それら通常のセルロースの熱分解過程におけるレポ
グルコサン(タール分)を生成させない熱分解を進行さ
せ、そのことによってその後の可燃ガスへの分解を押さ
え込み、炭化残滓を増加させるようにするものである。
したがって、この発明の加熱工程では、対象とするセル
ロースが予め添加液含浸処理をしておく工程が必須とな
り、セルロースの熱分解に際してもレポグルコサンを生
成させないよう、燐酸や硫酸の強力な脱水作用や、燐酸
等によるエステル化反応を起こさせ、セルロースを急激
に分解させず、ヘミセルロースから多糖類の燐酸エステ
ルに分解していくことにより、タール分や可燃性ガスの
生成を抑え、効率よく炭化を行うものである。
【0019】この加熱工程は、上記した過程で所定の程
度まで炭化が進行したことを確認する上で目安となる重
量減少率40%以上(付着水等の重量を含まない)に達
するまで、連続、断続を問わず継続されなければなら
ず、加熱処理では温度帯を変えた処理を行うことを含
め、加熱または火炎等により可燃ガス発生を抑制しなが
ら炭化を促進することとなる。
【0020】上記の断続的加熱とは、例えば、廃棄物を
添加液で処理後、略120℃でセルロースの炭化をある
程度進行させた後、撹拌やクラッシヤー等で破砕し、脆
弱化したセルロース炭化途上の素材と他の混入不純物と
を分離し、焼却処分するセルロース以外の廃棄物を減量
させ、分離した脆弱化したセルロースだけを再度、略2
50℃に加熱し、炭化を終了させるようにした加熱処理
や、加熱温度を複数段階に変える(常温等への冷却も含
む。)手段を取り入れ、その取入れ方の工夫により、混
入不純物を適切に除去できるようにしたり、添加液内の
化学物質の蒸発、昇華、分解が有利になるようにした
り、あるいは、樹脂類の軟化や液化(ドリップ等)、冷
却による硬化を促すようにする処理工程も、この断続的
加熱工程に包含されている。以下、この発明の代表的な
実施例について説明を加え、この発明が包含するセルロ
ース系廃棄物の処理方法を更に理解し易くなるようにす
る。
【0021】
【実施例1】この実施例のセルロース系廃棄物等の処理
方法は、図13のフローシートの処理工程に示されてい
るとおりであり、解砕した紙系の廃棄物に、燐酸か燐酸
アンモニウムから成る1%から15%濃度水溶液添加液
を含浸状とし、活性雰囲気下(空気中)で、略80℃な
いし300℃程度、望ましくは略100℃ないし250
℃程度の温度範囲で、30分から1時間可燃性ガス発生
を抑制しながら加熱処理を行うことにより、脱水、炭化
を促進し、セルロース系廃棄物を炭化素材として成る物
とすることにより、セルロース系廃棄物等素材を燃焼、
炭化して炭化物として固定化してしまうようにすること
から、その過程で二酸化炭素の発生が抑制され、地球の
温暖化現象に悪影響のないセルロース系廃棄物等の処理
を可能とするものである。
【0022】この加熱処理過程で分解や蒸発または昇華
したアンモニアや燐酸、硫酸等の化学物質は、一般的な
洗浄集塵装置スプレー塔、スクラバー等で水滴等と採
触、溶解し、燐駿、硫酸、アンモニア等を回収すること
ができ、そのままか、濃縮により再度、添加液としての
リサイクルが可能となり、また、炭化したセルロースを
水洗し、含有する燐酸等の化学物質を回収して次の処理
のための添加液に再利用することができると共に、炭化
物自体は、内部の化学物質濃度を下げることとなって、
安全な炭素素材としての応用、例えば脱臭材や断熱材等
への利用が行えるようになる。
【0023】
【実施例2】図14のフローシートに示した処理工程に
従って処理されるこの実施例は、ゴミ処理場等におい
て、各種ゴミが入り交じった廃棄物等の処理に際し、炭
化したセルロース素材の脆性化を利用してセルロース系
素材のものとそうでないものとの分別/分級をしてしま
うを工程加えた処理方法の代表的な事例であって、先
ず、可燃性ゴミ(焼却ゴミ)にスプレー等により、燐酸
等の添加液、望ましくは燐酸水溶液(薬剤回収時の煩雑
さをなくす上で有利)を含浸させ、ゴミ焼却時の廃熱を
利用して乾燥、100℃から250℃程度での加熱を行
い、セルロース系ゴミを炭化してしまうようにする。こ
の処理過程で、ダイオキシンの生成温度である300℃
から500℃の温度範囲に到達していないため、ダイオ
キシンの発生は無いものと考えられる。
【0024】乾燥した他の素材や、軟化した樹脂類等も
混合された状態で、空冷等で冷却し、軟化した樹脂等を
硬化させ、その後、回転羽根やクラッシヤー等で他の素
材と混合された炭化したセルロース素材を解砕すると、
炭化したセルロース素材は素材強度が弱くなっているた
め、速やかに微粉砕されてしまう一方、樹脂等の他の素
材は冷却によって硬度が上がり、粗粒状となって降下、
堆積してしまうことから、浮遊状となっている微粉砕化
した炭化物をバグフィルターやサイクロン等で吸引、回
収した上、それらを水洗処理して燐酸等の化学物質を極
力除去、回収してしまえば、回収した化学物質は再利用
に回すことができ、他方水洗された炭化物は、安全な微
粉炭としての活用が可能になる。
【0025】粗粒状となって堆積している他のゴミ材
は、再度加熱して燐酸の蒸発温度261℃以上にまで処
理し、燐酸を蒸発させてスクラバー等で回収するか、あ
るいは、水洗洗浄するかして燐酸を回収した後、100
0℃以上での焼却処理を実施してしまえば、この焼却処
理によって焼却するものの大部分からはセルロース系廃
棄物が殆ど除かれているため、発生する焼却灰の量を大
幅に減少させることができ、また、処理液である燐酸
は、水への溶解性が高いことを利用し、回収/再利用を
図ることが可能になることから、全体として廃棄物等の
処理コストを下げることができることになる。
【0026】なお、回収された炭化物は、土壌改良材等
として土壌に戻すことが可能となり、その際に回収され
ずじまいとなって炭化物内に残留する微量の燐酸は、植
物の栄養源として作用することから、これらはより有効
な土壌改良材として利用が促進され、また、回収した微
粉炭を固形燃料等として利用するようにすることも可能
であるが、二酸化炭素排出規制が叫ばれている昨今で
は、炭素として固定する利用法を検討すべきものと考え
られる。
【0027】
【発明の作用】以上のとおりの構成からなるこの発明の
セルロ−ス系廃棄物の処理方法において、その重要な構
成要件の一つとなっているセルロースの燐酸によるエス
テル化からの脱水反応と脱水位置、およびその生成組成
が、図2に示されている。そして、エステル化による脱
水反応は、図3の水酸基と水素基とが脱水され、図4の
反応式のエステル化からの加熱により、脱水と共に燐酸
が離脱して、図2下段のヘミセルロースへと分解してい
く。
【0028】このように、燐酸等での脱水反応により、
セルロースは、レポグルコサンになることを阻害される
結果、可燃性ガスの発生は抑えられ、火炎を伴うことな
く効率的な脱水、炭化が行われる。この反応は、通常セ
ルロ−スの熱分解が起こると言われている略250℃以
下の低温域においても実現することが確認されている。
【0029】セルロースに燐酸を添加し、加熱時のセル
ロースの吸発熱反応を熱分析の示査熱分析(DTA)で
測定すると、図5に示されているように、燐酸の添加量
の増加と共に、セルロースの吸熱ピークが低温域にシフ
トしていくことが知られており、この事実から、セルロ
ースの脱水反応は、燐酸の添加によってレポグルコサン
やその後分解して発生する可燃性ガス等の生成に優先し
て起こることが判明する。
【0030】また、セルロース(木綿)に燐酸等の燐化
合物を添加して発熱性試験のコンダクションカロリーメ
ーターで加熱、測定すると、図6に示すように、燐の添
加量の増加と共に、発熱速度が遅くなって行くことか
ら、セルロースの燃焼は穏やかに行われ、急激な酸化で
ある火炎やフラッシュバックを伴わない、緩やかな酸化
反応に移行していくことが判明する。
【0031】図7から図9には、セルロースへの燐酸処
理濃度と恒温乾焼機による加熱温度と重量減少の時間的
変化を表し、図10から図12にはその減少率を表して
ある。図7および図9からも判るように、100℃設定
の乾操機においては、燐酸未処理のセルロース(ペーパ
ータオル=キムタオル白/十條製紙製)の重量変化は、
付着水分(吸湿)と思われる1時間以内の重量変化以
後、72時間後も重量変化は見られない。しかし、この
発明の主成分である燐酸含浸処理したセルロースの加熱
処理による挙動は、燐酸処理濃度の増加と共に重量減少
が大きくなる。また、シリカゲルにより乾焼機内を除湿
した場合は、更に重量変化が大きく150℃乾燥と同様
な挙動を示している。
【0032】したがって、通常のセルロース分解温度
(略250℃)以下である100℃でも燐酸の濃度次第
では湿度条件で十分脱水反応が起こるものであり、更
に、硫酸アンモニウムを混合したものを添加剤にする
と、アンモニアの離脱温度である略65℃以降でも処理
雰囲気中の湿度(水分)を下げれば炭化が起こることを
確認できる。
【0033】また、図8および図11に示すように、1
50℃設定の乾焼機においては、100℃以上に顕著な
脱水炭化が起こり、低濃度の燐酸処理品においても大き
な重量減少が見られ、8時間以内の重量減少が23%か
ら40%発生、黒色化しているが、添加液未処理品で
は、1時間以内の初期減量(付着水)後は殆ど重量変化
が見られず、白色のままであった。即ち、通常は150
℃においてセルロースは分解しないものが、添加液含浸
後の加熱処理によって脱水反応が起こっていることが判
明する。
【0034】200℃となると、図9および図12が示
すように、脱水炭化作用は顕著に現れ、1時間以内の重
量変化が最大であり、その後の重量変化は、添加量の少
ないセルロースの方が大きくなっている。また、添加液
未処理のセルロースも、24時間以降に分解が始まり、
72時間後には添加液含覆処理品と同等までの重量変化
が見られたが、その表面は明らかに異なり、添加液未処
理品は表面が濃い褐色で、表面の一部や縁の部分にはセ
ルロースが分解したタールの付着が見受けられたが、添
加液処理品は、全面が黒色で、縁部のタール化も見受け
られず、したがって、通常は200℃では長時間処理し
ないと分解は起こらないが、添加液含浸後の加熱処理に
より1時間程度で急速に脱水反応が起こっているという
ことになる。
【0035】なお、特にデーターを示してはいないが、
100℃恒温加熱において、恒温乾燥機内をシリカゲル
により湿度を20%以下に調整した試験においては、1
50℃乾焼と全く同じ挙動を示した。したがって、特殊
用途等でのセルロースの炭化処理を実施するには、処理
雰囲気中の湿度を下げれば炭化速度や炭化状態を促進す
ることができるということになる。即ち、温度による炭
化ではあるが、飽和水蒸気の充満した状態(オートクレ
ープ等)の蒸気による加熱処理では、炭化が進行しない
ということは明白な事実である。但し、蒸気を充満させ
ず、熱源として使用することは、勿論可能である。
【0036】
【発明の効果】以上のとおりの構成からなるこの発明の
セルロース系廃棄物の処理方法は、セルロースの熱分解
機構に注目し、薬剤によって可燃性ガスの発生を抑制
し、炭化させることができるとの見地に基づくものであ
って、セルロース系廃棄物に燐酸を主成分とする添加液
を含浸処理した上、加熱処理を行うことにより、可燃性
ガスの生成を抑制しながら、脱水、炭化を促進するよう
にしたことから、セルロース系廃棄物の焼却処理で発生
する多量の二酸化炭素を、炭素の形で固定することがで
き、地球温暖化の原因物質の排出を確実に阻止すること
ができ、しかも、薬品処理によるセルロースの脱水、炭
化が100℃程度の低い温度で実施可能となることか
ら、ゴミ焼却時に塩素系物質の混入と300℃から50
0℃の温度範囲とが相俟って生成することになるダイオ
キシンの発生も抑制できることになるという秀れた特徴
が得られることになる。
【0037】特に、実施例に取り上げたこの発明を代表
するセルロース系廃棄物の処理方法による場合には、上
記した効果が確実に達成可能になると同時に、各種ゴミ
が混在する廃棄物等の処理に際しても、その廃棄物等の
中で可燃性ゴミの大部分を占めているセルロース系廃棄
物が確実に炭化処理されてしまい、残された他の可燃ゴ
ミを分別して焼却処理したとしても、その絶対量の減少
によって焼却灰を減少させることができることから、最
終処分場(埋立地)の不足の緩和に大いに役立つものに
なると共に、炭化物や処理液についてまでも簡単に選
別、分離して、各種用途に回すことができる上、リサイ
クルや特殊処理等の可能性にも繋げることができるとい
う極めて有利な効果を期待することができるものにな
る。
【0038】叙述の如く、この発明のセルロ−ス系廃棄
物等の処理方法は、その新規な構成から所期の目的を普
く達成可能にするものであり、日夜大量に発生する古紙
をはじめとする廃棄物としてのセルロースを、焼却処分
のために貴重な税金を費やした上、大気汚染や地球温暖
化の原因と言われるダイオキシンや二酸化炭素を排出す
ることになっていた従前からの廃棄物等の処理方法から
脱却し、それらの元凶となっていたセルロ−ス系廃棄物
等を殆ど安全な状態で簡便且つ確実に処理することを可
能とするばかりではなく、それら廃棄物を再資源として
利用することまでをも可能にすることから、公害防止技
術として社会的価値は極めて高く、したがって、関係各
部署から十分な評価が得られ、広範囲に渡って採用、普
及していくものになると予想される。
【図面の簡単な説明】
【図1】セルロースが通常の熱分解してレポグルコサン
から可燃性ガス生成の構造式である。
【図2】セルロースの燐酸脱水反応の構造式である。
【図3】セルロースの燐酸脱水反応時の脱水する水酸基
と水素基の位置を示す構造式である。
【図4】燐酸によるエステル化からの脱水反応の模造式
である。
【図5】セルロースを燐酸で処理した場合の、濃度の違
いによる加熱時の示差熱分析データの対比グラフであ
る。
【図6】燐化合物で処理したセルロース(木綿)の燃焼
時の発熱速度の変化を表すグラフである。
【図7】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱温
度100℃の重量変化を示すグラフである。
【図8】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱温
度150℃の重量変化を示プ音ラフである。
【図9】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱温
度200℃の重量変化を示すグラフである。
【図10】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱
温度100℃の重量変化率を示すグラフである。
【図11】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱
温度150℃の重量変化率を示すグラフである。
【図12】セルロースの燐酸処理濃度の違いによる加熱
温度200℃の重量変化率を示すグラフである。
【図13】実施例1に対応した処理工程図である。
【図14】実施例2に対応した処理工程図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10B 53/02 B09B 5/00 L

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロ
    ース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫
    酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の
    何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れかから
    成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気
    下、略80℃ないし300℃程度の温度範囲内であっ
    て、添加液濃度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎に
    曝すかする際、前記添加液の触媒効果等によって加熱ま
    たは火炎による可燃性ガス発生を抑制した脱水、炭化を
    促進し、セルロース系廃棄物等の固形成分の大部分を炭
    化残渣に変質、固定化してしまうようにしたことを特徴
    とするセルロース系廃棄物等の処理方法。
  2. 【請求項2】 木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロ
    ース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫
    酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の
    何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れかから
    成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気
    下、略80℃ないし300℃程度、望ましくは略100
    ℃ないし250℃程度の温度範囲内であって、添加液濃
    度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする
    際、前記添加液の触媒効果等によって加熱または火炎に
    よる可燃性ガス発生を抑制しながらの加熱処理となるよ
    うにすることにより、有害ガスの発生を最小限に止めた
    脱水、炭化が促進されて、セルロース系廃棄物等の固形
    成分の大部分を炭化残渣に変質、固定化してしまうよう
    にしたことを特徴とするセルロース系廃棄物等の処理方
    法。
  3. 【請求項3】 木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロ
    ース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫
    酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の
    何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れかから
    成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気
    下、略80℃ないし300℃程度、望ましくは略100
    ℃ないし250℃程度の温度範囲内であって、添加液濃
    度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする
    際、前記添加液の触媒効果等によって加熱または火炎に
    よる可燃性ガス発生を抑制しながらの加熱処理となるよ
    うにすることにより、セルロース系廃棄物等に含まれる
    有機塩素系素材等の塩素に原因して、略300℃ないし
    500℃の低温燃焼において発生するダイオキシンの発
    生を最小限に止めた脱水、炭化が促進されて、セルロー
    ス系廃棄物等の固形成分の大部分を炭化残渣に変質、固
    定化してしまうようにしたことを特徴とするセルロース
    系廃棄物等の処理方法。
  4. 【請求項4】 木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロ
    ース系廃棄物等に、燐酸等の燐化合物か、燐化合物と硫
    酸、硫酸アンモニウム、硼酸、またはそれらの誘導体の
    何れか一つあるいは二つ以上との混合物かの何れかから
    成る添加液を含浸状とした上、それらを、活性雰囲気
    下、略80℃ないし150℃程度の温度範囲内、望まし
    くは略100℃程度の温度であって、添加液濃度に応じ
    た所要時間だけ加熱するか火炎に曝すかする際、前記添
    加液の触媒効果等によって加熱または火炎による可燃性
    ガス発生を抑制しながらの加熱処理となるようにするこ
    とにより、有害ガスの発生を最小限に止めた脱水、炭化
    が促進されて、セルロース系廃棄物等の固形成分を極力
    炭化残渣に変質、固定化してしまってから埋立地に投棄
    処分するようにし、当該埋立地において、未処理セルロ
    ース系廃棄物等の分解、腐敗等による悪臭、ガスの発生
    や地下水の汚染、あるいは未処理セルロース系廃棄物等
    の分解、腐敗等による減量からくる地盤沈下等の弊害を
    阻止または軽減するようにしたことを特徴とするセルロ
    ース系廃棄物等の処理方法。
  5. 【請求項5】 木材や枯葉、紙、木綿等といったセルロ
    ース系素材を主体とする廃棄物等に、燐酸等の燐化合物
    か、燐化合物と硫酸、硫酸アンモニウム、硼酸、または
    それらの誘導体の何れか一つあるいは二つ以上との混合
    物かの何れかから成る添加液を含浸状とした上、それら
    を、活性雰囲気下、略80℃ないし300℃程度、望ま
    しくは略100℃ないし250℃程度の温度範囲内であ
    って、添加液濃度に応じた所要時間だけ加熱するか火炎
    に曝すかする際、前記添加液の触媒効果等によって加熱
    または火炎による可燃性ガス発生を抑制しながらの加熱
    処理となるようにすることにより、有害ガスの発生を最
    小限に止めた脱水、炭化が促進されて、セルロース系廃
    棄物等の固形成分の大部分を炭化残渣に変質、固定化し
    てしまうようにした後、それらを粉砕する工程に回して
    しまい、良好に炭化したセルロース系素材はその過程で
    微粉化してしまう性質を有することから、その性質を利
    用して微粉化されているものとそうでないものとを分
    級、選別し、当初の廃棄物等に紛れ込んでいたセルロー
    ス系素材以外のもの、またはセルロース系素材でも不完
    全処理のものを回収して適切な廃棄処理を施すか、再利
    用するようにしたことを特徴とするセルロース系廃棄物
    等の処理方法。
  6. 【請求項6】 良好に炭化して固定化したセルロース系
    廃棄物等を、水洗等の洗浄手段、あるいは再加熱による
    気化手段によって処理し、当初添加した燐化合物その他
    の化学物質で分離可能な物質を回収しては、セルロース
    系廃棄物等の炭化処理において必要とする化学物質に充
    当して炭化処理するようにした、請求項1ないし4何れ
    か記載のセルロース系廃棄物等の処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013034950A (ja) * 2011-08-09 2013-02-21 Mitsunori Ueda 通気性・保水性・吸着性・pH調整機能を有する木炭・pH緩衝調整剤混練粒状資材の製造方法とその使用方法
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