JP2002297565A - 最適配備システム、及び、最適配備方法 - Google Patents

最適配備システム、及び、最適配備方法

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JP2002297565A
JP2002297565A JP2001097882A JP2001097882A JP2002297565A JP 2002297565 A JP2002297565 A JP 2002297565A JP 2001097882 A JP2001097882 A JP 2001097882A JP 2001097882 A JP2001097882 A JP 2001097882A JP 2002297565 A JP2002297565 A JP 2002297565A
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investment
efficiency
total
sequence
investment efficiency
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Hiroyuki Iba
博之 射場
Shintaro Kumano
信太郎 熊野
Kenji Okubo
健司 大久保
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Mitsubishi Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】初期コストがあからさまに表現された混合整数
計画問題の高速解法を確立すること。 【解決手段】投資候補1〜Nのそれぞれの投資可能量λ
jと初期コストcjとに基づいて総投資量qの範囲内で
トータル投資効率rj(q,λj)を計算するトータル
投資効率計算ユニット2と、トータル投資効率rj
(q,λj)を大小関係r1≧r2≧・・・≧rNの順
序が与えられる第1トータル投資効率順序列1〜Nを生
成する第1トータル投資効率順序列生成ユニット4と、
第1トータル投資効率順序列1〜Nの指標1〜Nの第1
集合がSで表され、Σj∈Sλjを積算する第1積算ユ
ニット5−1と、第1トータル投資効率順序列1−Nの
うちから式:Σj∈Sλj≧qを充足する第1トータル
投資効率順序列解1〜jを出力する第1出力ユニット5
−2,5とから構成されている。トータル投資効率と単
純投資効率の定義を混合整数計画問題中に導入する経済
学的仮説によって、計算速度が各段に速くなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最適配備システ
ム、及び、最適配備方法に関し、特に、混合整数計画法
を用いる最適配備システム、及び、最適配備方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】施設又は設備の配置は、その最適化が行
われることが望ましい。大規模発電プラント、中規模発
電設備、小規模発電機のような発電機の配置は、更に、
原子力、火力、水力、風力、太陽光のような多様なエネ
ルギー資源に分けられて計画される。このような配置計
画は、その最適化が行われる。施設又は設備の配置の最
適化は、混合整数計画問題を解くことにより可能である
ことが知られている。混合整数計画問題の解法として
は、分岐限定法と呼ばれる汎用解法が知られている。多
くのパターンを列挙して比較するそのような分岐限定法
は、その問題の規模が大きくなった場合、その計算量が
急に増大する。大規模問題の最適化の解法には、高速化
が求められる。
【0003】例えば、火力の配備が例示される。大規模
火力発電所、中規模火力発電所、小規模火力発電所に
は、それぞれに、リスクとコストが発生する。それぞれ
の発電所の火力発電量に応じたコストとリスクを伴う効
果が考慮されて、定められた総投資額の範囲で、エネル
ギー供給体制の全体の最適化が行われることが望まし
い。他の配備が、下記のように例示される。多数の候補
地から複数の展開地を選択する多店舗展開では、それぞ
れの候補地の取得コストと予想される利益率を同時に考
慮して、定められた総投資額の範囲で、多店舗展開地を
選択抽出することが重要である。
【0004】混合整数計画問題は、次のように定式化さ
れる。 Maximize: f(x) = Σj=1〜N・・・(101) Constraints: Σj〜Nij≦b,(i=1,2,・・・,m) ・・・(102−1) x=∈{0,1},(j=1,2,・・・,N01)・・・(102−2) u≦x≦w,(j=N0+1,N0+2,・・・,N)・・・(102 −3) ここで、c、aij、b、u、wは、実数の係
数である。式(102−2)に示されるように、jが1
からN01までの数であれば、xは1又は0である。
式(102−3)に示されるように、jがN0+1から
Nまでの数であれば、xは実数uと実数wとの間
の実数(連続数)である。式(101)と(102)
は、整数計画問題を定式化している。N01が0であれ
ば、式(102−2)は存在せず、式(102−3)の
みによって変数xは定義され、この場合、変数x
その全てが連続変数である。式(102−2)で表され
る2値変数xは、一般の整数に拡大的に定義され得
る。この場合、変数xは2進数展開のような数学的処
理により、0−1変数に変換される。
【0005】混合整数計画問題には、分岐限定法と呼ば
れる汎用解法が知られている。分岐限定法は、与えられ
た問題を解く代わりに、当該問題をいくつかの部分問題
に分割して、それらの部分問題の全てを解くことにより
等価的に元の問題を解く解法である。このような分割
は、その分割により生成された部分問題にも次々に適用
される。原問題は、多数の小規模な部分問題に次々に分
割されていく。このように可能な全ての分割を行う列挙
法は、各部分問題に簡単なテストを行って、そのテスト
の結果によりその部分問題の最適解が求まり、又は、逆
に原問題の最適解を与えないことがわかれば、その部分
問題の計算は終了する。このような工夫を行う列挙法
は、無駄な部分問題の計算量を削減して、その計算の効
率を高めることができる。分岐法は、このように計算量
の削減を行うことが可能であるが、問題の規模が大きく
なれば、そのテストの結果によりその部分問題の最適解
を求めるまでの計算量が既に膨大になっていて、その削
減効果は無意味化してしまう。
【0006】式(101)は、最高度に抽象化されてい
て、これが経済活動の分野に適用される場合、経済活動
にとって極めて重要である初期投資コストがあからさま
には見えていない。初期投資コストが考慮されて最終的
に必要である式(101)の出力f(x)の最大化(利
益の最大化)が高速に行われなければならない。
【0007】初期コストがあからさまに表現された混合
整数計画問題の高速解法の確立が求められ、その解法に
基づく経済活動の物理的最適配置が望まれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、初期
コストがあからさまに表現された混合整数計画問題の高
速解法を確立することができる最適配備システム、及
び、最適配備方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】その課題を解決するため
の手段が、下記のように表現される。その表現中に現れ
る技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添
記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複
数・形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実
施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特
に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現さ
れている技術的事項に付せられている参照番号、参照記
号等に一致している。このような参照番号、参照記号
は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の
技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このよ
うな対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の
形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されるこ
とを意味しない。
【0010】本発明による最適配備システムは、投資候
補1〜Nのそれぞれの投資可能量λ と初期コストc
とに基づいて総投資量qの範囲内でトータル投資効率r
(q,λ)を計算するトータル投資効率計算ユニッ
ト(2)と、トータル投資効率r(q,λ)を大小
関係r≧r≧・・・≧rの順序が与えられる第1
トータル投資効率順序列1〜Nを生成する第1トータル
投資効率順序列生成ユニット(4)と、第1トータル投
資効率順序列1〜Nの指標1〜Nの第1集合がSで表さ
れ、Σj∈sλを積算する第1積算ユニット(5−
1)と、第1トータル投資効率順序列1−Nのうちから
式:Σj∈sλ≧qを充足する第1トータル投資効率
順序列解1〜jを出力する第1出力ユニット(5−2,
5)とから構成されている。ここで、投資とは人間の経
済的・社会的行為であるが、その人的行為はコンピュー
タ内レジスタのトランジスタに投資額が数として物理的
に存在することであり、その投資額は発電機、株価に相
当する商品のような物理的実体に自由市場で一致して対
応している。施設の配備は、輸送ネットワーク上のトラ
ック、配送センタ、通信衛星のような物理的実在に対応
する経済学的価値である。
【0011】初期投資が考慮されたトータル投資効率が
高いものから投資していくことが最大利益を得ることが
できるという経済的原則が適用されることにより、混合
整数計画問題を高速に解くことができる。トータル投資
効率r(q,λ)は、次式: r(q,λ)=f(min{q,λ})/mi
n{q,λ} で規定され、ここで、x=min{q,λ}で表さ
れ、利益を示す評価関数fは、f=f(x)=c
+eで示され、そのmin{q,λ}は総投
資量qが定められている場合の各投資候補の投資可能量
(投資最大量)λ である。このようなトータル投資効
率r(q,λ)の定義は、経済学的に最も適正であ
る。一般的に利益yは、y=a+kxで表され、aは負
の値を取る初期投資額であり、xは投資量であり、kは
投資効率である。投資されない限り零になる変数xが用
いられた混合整数計画問題は、トータル投資効率の順序
に投資先を選択していくという条件により、総当たり計
算から開放されて、その計算速度は格段に速くなる。こ
こで、kは単純投資効率と呼ばれる。
【0012】第1トータル投資効率順序列解1〜jを単
純投資効率が高い順に並べ替えて第1単純投資効率順序
列解1〜jを出力する第1単純投資効率順序列生成ユニ
ット(8)が追加される。後述される問題が発生しない
限り、即ち、Σj∈sλ=qである場合、第1単純投
資効率順序列解1〜jは、第1トータル投資効率順序列
解1〜jに投資先決定候補として同義である。この場
合、解としては、その順序に経済学的意義はない。Σ
j∈sλ>qであれば、第1単純投資効率順序列解1
〜jの最後の投資候補jには、その上限値まで投資する
ことができないという問題が発生する。図5に示される
ように、最後の投資候補に上限値より少ない額が投資さ
れる場合、利益は負になることがあり得る。このような
場合、第1単純投資効率順序列解1〜j以外の投資候補
を投資候補jに替えて選択することにより、最大利益を
得ることができる場合があり得る。
【0013】投資候補1−Nのうちで第1単純投資効率
順序列解1〜jとして選択されない非選択投資候補があ
り、且つ、投資候補jの投資額が上限λに達しない場
合、投資候補jの投資額がvで表され、λ>v
ある場合、式:(e−e)v<(c−c)の
判定を実行する第1判定ユニット(10,12)が更に
追加される。このような条件が充足される場合には、図
5に示されるように、投資候補を変更することが賢明で
ある。
【0014】その判定に基づいて、投資候補jが除外さ
れる。第2トータル投資効率順序列生成ユニット(2)
は、第1トータル投資効率順序列生成ユニット(2)が
兼用されて、残りの投資候補j+1〜Nについて、再
び、トータル投資効率r(q,λ)を大小関係r
j+1≧rj+2≧・・・≧rの順序が与えられる第
2トータル投資効率順序列j+1〜Nを生成する。第2
トータル投資効率順序列の指標j+1〜Nの第2集合が
S’で表され、Σj∈s’λを積算する第2積算ユニ
ットは、第1積算ユニット(5−1)が兼用され得る。
この場合、投資量qは、投資残量q’に置換される。投
資残量q’は、第1単純投資効率順序列解1〜jのうち
から投資候補jが除外された第1単純投資効率順序列解
部分1〜j−1に関する全投資量Σi=1〜j−1λ
が総投資量qから引かれた値であり、判定により既述の
式を充足する第2投資効率順序列j+1〜Nのうちから
単純投資効率ejiが高い順番にΣi∈s’λを計算
して、式:Σi∈s’λ≧q’を充足する第2トータ
ル投資効率順序列解j+1〜mが第2出力ユニットから
出力される。第2出力ユニットは、第1出力ユニット
(5)が兼用され得る。
【0015】第2単純投資効率順序列生成ユニットは、
第2トータル投資効率順序列解j+1〜mを単純投資効
率が高い順に並べ替えて第2単純投資効率順序列解j+
1〜mを出力する。第2単純投資効率順序列生成ユニッ
トは、第1単純投資効率順序列生成ユニット(8)が兼
用され得る。このような2回目の第1単純投資効率順序
列の生成は、最大利益に更に近づく解を与えることがで
きるが、問題がまだ残っている可能性がある。
【0016】第2トータル投資効率順序列j+1〜Nの
うちで第2単純投資効率順序列解j+1〜mとして選択
されない非選択投資候補があり、且つ、投資候補mの投
資額が上限λに達しない場合、投資候補mの投資額が
で表され、λ>vである場合、次式:(e
)v<(c−c)の判定を実行する第2判定
ユニットが更に追加されている。その判定に基づいて、
投資候補mを除外して、残りの投資候補m+1〜Nにつ
いて、トータル投資効率r(q,λ)を大小関係r
m+1≧rm+2≧・・・≧rの順序が与えられる第
3トータル投資効率順序列m+1〜Nを生成する第3ト
ータル投資効率順序列生成ユニットと、第3トータル投
資効率順序列m+1〜Nの指標m+1〜Nの第3集合が
S”で表され、Σj∈s”λを積算する第3積算ユニ
ットと、投資残量q”は、第2単純投資効率順序列解m
+1〜m’のうちから投資候補mが除外された第2単純
投資効率順序列解部分m+1〜m’に関する全投資量Σ
i=1〜j−1λが総投資量q’から引かれた値であ
り、判定により既述の式を充足する第3トータル投資効
率順序列m+1〜Nのうちから単純投資効率ejiが高
い順番にΣi∈s”λを計算して、式:Σi∈s”λ
≧q”を充足する第3単純投資効率順序列解m+1〜
m’を出力する第3出力ユニットとが更に追加される。
これらの追加ユニットは、既述のユニットが兼用され
る。このような計算の繰り返しが実行されて、最終的に
最大利益を得ることができる。このような繰り返し計算
には、総当たり的計算はなく無駄な計算が全くなく、そ
の計算スピードは公知計算に比べて逆等比級数的に少な
くなる。
【0017】本発明による最適配備方法は、投資対象j
に投資する投資量がxで表され、初期投資量がc
表され、単純投資効率がeで表され、総投資量がqで
あり、利益yがy=c+eで定義され、ト
ータル投資効率rが、r=y/xで定義され、
ステップS1:r≧r≧・・・≧rで表されるト
ータル投資効率列r〜rを生成すること、ステップ
S2:1〜jを要素とする集合Sについて、Σ
j∈sj≧qを充足させること、ステップS3:ト
ータル投資効率列r〜rに対応する第1投資対象列
1〜jのうち単純投資効率eがより高い順に第1投資
対象列1〜jを並べ替えて第2投資対象列1〜jを生成
すること、ステップS4:第2投資対象列1〜jのうち
の投資対象列部分1〜j−1の各投資対象にx〜x
j−1をそれぞれに投資することとから構成されてい
る。1〜j−1を要素とする集合Sj−1について、Σ
j∈sj−1を計算すること、第2投資対象列1〜
jのうちの投資対象列部分jにq−Σ j∈sj−1
を投資することは、好ましい。
【0018】i>jであり、x≧q−Σj∈sj−1
であり、且つ、e−e(q−Σj∈sj
<(c−c)である投資候補iについて、ステップ
S1〜ステップS4が実行され、漸近的に最大利益を得
る解に接近することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】図に対応して、本発明による最適
配備システムの実施の形態は、電力供給のネットワーク
システムが例示されて記述される。そのような例示にか
かわらず、本発明による最適配備システムは多様に適用
され得る。モデルの明確化のために架空の企業の存在が
想定される。架空の企業として、電力供給者の集合とし
ての存在(現実には存在しない)が想定される。その集
合の中で、既存の複数の電力会社が複数の大規模発電所
の新設を担当し、複数の地方公共団体が中規模発電設備
の新設を担当し、複数の地域的会社群が大規模熱併給発
電機を新たに導入し、複数のホテル・コンビニが小規模
熱併給発電機を新たに導入し、複数の個人が熱併給マイ
クロタービン発電機を購入するような電力供給計画が立
案され得る。このような事例では、電力会社、地方公共
団体、会社群、ホテル、コンビニ、個人である各発電者
は、番号づけられて、連続番号jで表される。各発電者
jの発電量に対応する資源量(投入可能な最大限)は、
で表される。その場合の、各発電者が得る利益率
は、eで表わされる。
【0020】 問題: Maximize: f(y、v) =Σj=1〜N+Σj=1〜Nejv,c≦0.・・ ・(1) Constraints: Σj=1〜N≦N・・・(2−1) Σj=1〜N =q・・・(2−2) v≦λ,j=1,2,・・・,N・・・(2−3) y=∈{0,1},(j=1,2,・・・,N)・・・(2−4) 0≦v≦q,(j=1,2,・・・,N)・・・(2−5)
【0021】式(101)に代えられた式(1)には、
あからさまに、初期投資を示す初期投資項Σj=1〜N
が組み込まれている。ここで、c(負)は、
初期コストを示している。式(2−3,4,5)に共通
に示されるように、式(102−1,2,3)のN01
はNが選ばれている。式(2−2)のqは、総資源量
(投入可能な最大総資源量)を示している。式(2−
3)のλは、各発電者が投入することができる最大資
源量(上限量)を示している。投資者である各発電者に
は初期コストが必要であり、その初期コストを投入する
という条件のもとで、利益率eが予め算出されてい
る。式(1)の第2項であるΣj=1〜Nは、
買電により直接に得られる利益である。発電分のうち自
らが消費する分の利益は、買電換算額である。評価関数
式(1)の評価関数を最大にする解を得ることにより、
全体計画で最大の利益が得られる。
【0022】初期コストは、0−1変数(0−or−1
変数)により簡単に計算される。資源を投入する発電者
jについてyは1であるから、c・1でcであ
り、資源を投入しない発電者kのyは0であるから、
・0により零である。投資量に対する利益は、投資
量が連続変数vであることが自然である。投資量v
は、投資可能である最大投資量であるか、又は、それよ
り小さい値であり、その投資量vは連続変数である。
は、正になることはない(初期コストは、利益が正
として定義される限り、常に0又は負である。)。v
は、逆に負になることはない。vが正である場合、即
ち、投資を行った発電者jについてyが1であり、且
つ、vが0である場合、即ち、投資を行った発電者j
のyが0であるためには、次式: v≦λ,j=1,2,・・・,N・・・(2−3) が成立する。この式(2−3)は、制約条件として式群
(2)の中に含まれる。他の制約条件(2−1)は、本
発明では考慮されない。今の場合、N=N、に限定さ
れる: Σj=1〜N≦N・・・(2−1’)
【0023】他の制約条件である式(2−2)は、等号
制約条件式として表されているが、式(2−2)は下記
される連立不等号制約式に同値である。 Σj=1〜N ≦q・・・(2−2−1) Σj=1〜N(−v)≦−q・・・(2−2−2)
【0024】このように制限を受けた問題は、混合整数
計画問題の範囲内の問題であり、汎用解法である分岐限
定法により解かれ得る。分岐限定法は、既述のように、
基本的に列挙法であり、末端の部分問題(0−1変数を
全て固定して連続変数のみについて線形計画問題にな
る)の最適化のためには、単体法等の手法が用いられる
ため、大規模問題に関しては、計算時間が膨大になる場
合がある。特に本問題の最適化を何度も反復する必要が
ある場合には、計算時間の抜本的短縮が必要であること
は既述の通りである。
【0025】一般の混合整数計画問題では、0−1変数
と連続変数vとは、独立に値を取り得る。本発明
による最適配備システムの問題では、0−1変数y
連続変数vとは連動する。こ連動性による問題の特殊
化は、解法を高速化することができる。
【0026】0−1変数yと連続変数vとの連動化
は、本問題を連続ナップサック問題と呼ばれる問題の拡
張を促す。連続ナップサック問題は、整数計画問題であ
るナップサック問題の連続化であり、下記のように定式
化される: Maximize: Σj=1〜N・・・(3) Constraints: Σj=1〜N≦b・・・(4−1) 0≦x≦1,j=1,2,・・・,N・・・(4−2)
【0027】ナップサック問題では、式(4−2)の変
数xが取り得る値が0、1のみとされる。ナップサッ
ク問題では、e、x>0が仮定されても一般性を失
わないことは、以下の操作により明らかである: e≦0, a≧0であれば、x=0に固定 e≧0, a≦0であれば、x=1に固定 e<0, a<0であれば、x’=1−xとし
て新しい変数x’を導入して定式化する。
【0028】連続ナップサック問題では、係数aが発
電者jの発電量(他の例では、品物jの質量)を示し、
が当該発電量(対応例では、品物1個当たりの価
値)を示し、bは総発電量(対応例では、総質量)をそ
れぞれに示している。このような解釈のもとでは、本問
題は、総発電量がb以下であり、且つ、和である式
(3)のΣj=1〜Nが最大化するように個々
の発電量(対応例では、個々の品物)を選ぶ問題に帰着
する。最適解を求めるためには、必要に応じて添字の順
序を並べ替えることが便利である: e/a≧e/a≧・・・≧e/a≧・・・
≧e/a /aは、単位発電量の価値又は利益(対応例で
は、単位質量当たりの価値)を示す。
【0029】本発明による最適配備システムでは、この
値e/aが大きいものから順に発電者j(対応例で
は、品物j)が順序列上で選択される。連続ナップサッ
ク問題であり式(3),(4−1,2)の最適解は、下
記式(5)に規定される添字Nの導入のもとで、下記
式(6)で定義されるxの集合である(この証明は既
知)。
【0030】添え字Nは、次のように規定される: Σj=1〜Nc−1<b,Σj=1〜Nc≧b・・・(5) xは、次のように規定される。 x=1,j=1,2,・・・,Nc−1・・・(6−1) x=(b−Σj〜Nc−1)/aN,j=q・・・(6−2 ) x=0,j=Nc+1,Nc+2,・・・,N・・・(6−3)
【0031】初期コストを伴う利益最大化問題(1),
(2−1,2,3,4,5)は、連続変数vのみに注
目すれば、連続ナップサック問題とみなすことができ
る。更に、既述のように、離散変数yと連続変数v
に関連がある場合、これら変数はペアで考えられる。こ
のように離散変数yと連続変数vに関連があってこ
れら変数をペアで考える本発明による最適配備システム
は、連続ナップサック問題の拡張を促す。拡張前の連続
ナップサック問題の解法では、既述の対応例で記述され
れば、単位質量当たりの価値を考えることにより、選ぶ
品物(投資先)を直接に決定した。分岐限定法のように
あらゆるパターンを調べあげる解法に比べて、直接に投
資先を決定する解法は計算効率が高い。そのような連続
ナップサック問題の解法を応用する本発明による最適配
備システムは、投資先を直接に決定する数学的解法を踏
襲してこれを経済問題に応用する。
【0032】式(1)ので離散変数yと連続変数v
をペアy−vとして考えるので、評価関数fでは、
離散変数yと連続変数vがまとめられて(括弧
・()の中にまとめられて)次のように表現される。 Maximize: f(y、v) =Σj=1〜N(c+e),c≦0・・・(7) Constraints: Σj=1〜N≦N・・・(8−1) Σj=1〜N =q・・・(8−2) v≦λ,j=1,2,・・・,N・・・(8−3) y=∈{0,1},(j=1,2,・・・,N)・・・(8−4) 0≦v≦q,(j=1,2,・・・,N)・・・(8−5)
【0033】このような表現の変更のもとで、初期コス
トを含めた投資効率に基づく投資先の決定(最適化・最
大化の解の導出)が次に述べられる。既述の通り、連続
ナップサック問題では、発電者(品物・投資先)当たり
の価値が考えられた。本発明による最適配備システムで
は、発電量(質量)に対応する式(4−1)の係数a
が、式(8−1)に示されるように、全て1であるか
ら、発電量の利益(品物1つ当たりの価値)eが大き
いものから選択されることが基本的である。
【0034】但し、本問題では、投資(発電所の建設又
は導入)の際に、初期コストが発生することを回避する
ことができない。単に投資効率eを考えるだけでは不
十分であり、初期コストを含めたトータルな投資効率を
考えることが重要である。そこで、次のように表現が変
更される: f(x)=c+ex,j=1,2,・・・,N・・・(9) この式で表現される関数f(x)は、選択候補jにx
(>0)だけ投資したときに得られる利益を示してい
る。更に、次式が規定される: r(q):=f(min{q,λ})/min{q,λ}・・・(1 0) =f(x)/x 式(10)は、手持ちの資源の中で、各候補に上限まで
投資した場合の初期コストを含めたトータルな投資効率
を定義している。このように規定される投資効率は、以
下、”トータル投資効率”といわれる。一方で、初期コ
ストを考えない既述の単純な投資効率eは、以下、”
単純投資効率”といわれる。
【0035】連続ナップサック問題の解法は、単純投資
効率eに基づいて投資候補が決定されたが、本発明に
よる最適配備システムでは、トータル投資効率r
(q)に基づいて投資候補が決定される。トータル投
資効率r(q)のうちでその値がより大きい候補が選
択され、トータル投資効率順序列式(11)が生成され
る。そのような順序の並び替えのための添字の並べ替え
は、次式(11)で表現される: r(q)≧r(q)≧・・・≧r(q)≧・・・≧r(q)・・・(1 1) この順序列上で投資先が順々に、図4に示されるように
選択される。r(q)が選択されれば、次に選択され
る投資先はrj+1(q)である。この順列上では、単
純投資効率eはその大小の順序に並んでいない。
【0036】図1は、投資量xと利益f(x)の関係を
示している。トータル投資効率r(q)は、式(1
0)で表されているように、直線y=f(x)の線上
で、点(λ,f(min{q,λ})と原点を結ぶ
直線の傾きであり、その傾きは図2にそれぞれに点線で
示されている。図1で、候補1の直線の端点の座標は、
(x,c+ex)である。図1の直線の傾きは単純
投資効率を示すが、トータル投資効率の傾きは、f(m
in{q,λ})/x(=f(x)/x)であるか
ら、図2の点線の傾きとして幾何学的に表現される。図
2の点線の傾斜は、本発明による最適配備システムが採
択するトータル投資効率を示している。単純投資効率e
に基づいて選択される投資候補2,3は、本発明によ
る最適配備システムでは選択されず、原点から見た傾き
が大きい順序の図2の候補2が候補1に次いで採択され
る。図1の候補1と図2の候補1とが偶然に一致するこ
とはあり得る。
【0037】図2に示される幾何学的描像である式(1
1)により示されるトータル投資効率順序列式(11)
で選択された選択済み候補について、資源をそれぞれの
候補に配分する基準は、次のように規定される。2階添
字表示候補列j,j,・・・,j(m≦N)に対
してそれぞれに投資量(各資源量)xj1,xj2,・
・・,xjm(ここで、並んでいる2添字の右側添字は
その左側添字の右下添字)を総資源量の範囲で配分する
場合、全ての候補jに対して、xji>0(本明細書
で、右下2つ目添字は右下1つ目添字の右下添字を意味
する)であれば、得られる利益は次式で表される: Σi=1〜mji(xji)=Σi=1〜m(cji+ejiji)・・ ・(12) 投資が決定されれば、投資が決定された投資先の式
(7)のcのyは、1である。投資が決定され
た投資先jについて、vはxで表されている。
【0038】既述の順序列に従って、投資先が一旦決定
されれば(即ち、xji>0であれば)、単純投資効率
jiのより大きな投資先に投資する方がより多くの利
益を得ることができる。従って、投資量の決定の際に
は、単純投資効率のより大きい投資先から順にそれぞれ
の上限値まで投資する。このような投資方法が、本発明
による最適配備システムの特徴であり、従って、計算量
を大幅に削減することができる。
【0039】拡張された連続ナップサック問題の解法で
あるこのような高速解法は、下記されるコンピュータに
入力される下記プログラムに基づくコンピュータ部分に
より実行される。コンピュータ部分は、以下、ユニット
と呼ばれる。”ユニット”は、プログラムにより規定さ
れ動作するコンピュータのハード部分を示す標準用語で
ある。
【0040】図3は、本発明による最適配備システムの
実施の形態を示している。初期コストc、単純投資効
率e、各上限資源量λとは、投資計画の際に既に算
出されている計画定数である。初期コストc、単純投
資効率e、各上限資源量λ とは、コンピュータ内メ
モリユニット1に入力される。以下、”コンピュータ内
XXXユニット”の”コンピュータ内”は省略される。
【0041】vは、既述の通り、v=x=min
(q,λ)で表されている。初期コストc、単純投
資効率e、各上限資源量λとは、メモリユニット1
から出力されてトータル投資効率計算ユニット2に入力
される。トータル投資効率計算ユニット2は、式(1
0)のトータル投資効率r(q)3を計算する。トー
タル投資効率r(q)3は、トータル投資効率計算ユ
ニット2から出力されてトータル投資効率大小順序列生
成ユニット4に入力される。トータル投資効率大小順序
列生成ユニット4は、各トータル投資効率r(q)3
を要素とする集合に関して、トータル投資効率r
(q)3の任意の2つの大小を比較して、集合内の全
要素の大小関係を計算して、式(11)のトータル投資
効率順序列を確定する。
【0042】トータル投資効率大小順序列生成ユニット
4は、トータル投資効率順序列のうちから投資総額を越
えない範囲で投資額総量を最大にする順序列を選択する
順序列選択ユニット5に接続している。順序列選択ユニ
ット5は、積分ユニット5−1と、総投資量充足判定ユ
ニット5−2を備えている。積分ユニット5−1は、下
記式: Σj∈sλ≧q・・・(13) の左辺を計算して、離散的積分値Σj∈sλを計算す
る。離散的積分値Σj∈ λは、積分ユニット5−1
から出力されて総投資量充足判定ユニット5−2に入力
される。総投資量充足判定ユニット5−2は、式(1
3)の充足/不充足を計算により判定する。式(13)
が充足されない場合(離散的積分値がqを越えない場
合)、総投資量充足判定ユニット5−2は、不充足を判
定して不充足信号6を出力する。不充足信号6は、積分
ユニット5−1に入力される。積分ユニット5−1は、
j=j+1として、式(13)の左辺を計算する。総投
資量充足判定ユニット5−2は、式(13)が充足され
た場合、不充足信号6を出力しない。順序列選択ユニッ
ト5は、離散的積分値Σj∈sλの計算を一旦中止
し、その時のjが固定してその値が一旦決定する。この
ような決定により、式(11)でありトータル投資効率
大小順序列生成ユニット4により決定されたトータル投
資効率順序列のうちの上位部分列であるトータル投資効
率選択順序列7を出力する。順序列選択ユニット5は、
単純投資効率順序列生成ユニット8に接続している。ト
ータル投資効率選択順序列7は、順序列選択ユニット5
から出力されて、単純投資効率順序列生成ユニット8に
入力する。
【0043】このような順序列の確定により順序が与え
られた投資先1〜mは、投資先として選択され得る順序
付き投資候補である。順序付き投資候補の中から順に現
実の投資先として選択されるアルゴリズムが、選択実行
ステップとして以下に述べられる。
【0044】ステップS1:選択される順序付き投資先
1〜mを要素とする集合は、Sで示される。図3に表れ
ているSは、そのようなSが既に用いられている。ステ
ップ1である選択ステップは、総投資量充足判定ユニッ
ト5−2が式(13)が充足されていることを判定した
ときに終了する。このステップでは、投資先1〜jの全
てが選択されてもなお式(13)が充足されない場合、
即ち、全投資先候補に対する総投資額が投資計画の投資
準備額に達しない場合、全ての投資先1〜jに各最大投
資額である各上限λjmaxが投入されることになる。
選択された候補が1つだけであるような極端なケースで
は、即ち、j=i=m=1であれば、その順位1のトー
タル投資効率r(q)の投資先にその総資源が投資さ
れる。選ばれた投資候補が2つ又はそれ以上であれば、
次のステップS2に進む。
【0045】ステップS2:ステップS1で選ばれた投
資候補1〜mのうち、単純投資効率eがより大きい投
資先から順に上限まで資源が投入される。図3に示され
るように、順序列選択ユニット5により決定されたトー
タル投資効率順序列信号7は順序列選択ユニット5から
出力され、単純投資効率順序列生成ユニット8に入力さ
れる。単純投資効率順序列生成ユニット8は、ステップ
S1で選ばれたトータル投資効率順序列候補1〜mを改
めて単純投資効率eがより高い順に並べ替えて、単純
投資効率順序列r’,r’,・・・,r’(j=
1〜m)を生成する。単純投資効率順序列r’,r’
,・・・,r’は、図3に示されるように、順序列
選択ユニット5に順々に入力される。単純投資効率が高
いものから順に上限まで資源λmmaxが配分され、そ
の資源について積分ユニット5−1により新たに離散的
積分値が順々に計算される。その離散的積分値は、総投
資量充足判定ユニット5−2により新たに式(13)に
従って判定が行われ、その離散的積分値がqを越える場
合に、単純投資効率順序列r’,r’,・・・,
r’が解信号9として順序列選択ユニット5から出力
される。解信号9は、本問題の概最適切投資候補解とし
て単純投資効率順序列r’,r’,・・・,r’
である。この解では、mとnとが一致しない場合があ
る。
【0046】式(10)で示されるmin{q,λ
(=x)は、順序式(11)を作成する場合にトータル
投資効率r(q)を計算する場合に仮に与えられる仮
配分量である。既述のステップS1とステップS2によ
る投資量の再配分方法は、次の2つのケースで問題が発
生する。
【0047】CASE1:ステップS2で、トータル投
資効率r(q)を計算したときの仮配分量min
{q,λ}まで配分することができないことがある。 CASE2:ステップS1で投資候補先として選択され
ながら、式(13)の制約のために現実には配分されな
いことがある。例えば、λが大きい量である場合、投
資先1〜k(k<m)の積分値が投資準備額qを越える
場合、単純投資効率順序列の下位側投資先候補(例示:
最下位単純投資効率の投資先について、k=m)の投資
額は零になることがある。
【0048】このように仮配分量に達しなかったり、全
く配分されないことが起こる。CASE1とCASE2
に対して、下記されるような対策が採られる。 ステップS3(CASE1の対策) トータル投資効率r(q)は、あくまで、仮配分量m
in{q,λ}を投資した場合の投資効率である。ス
テップS1では、トータル投資効率がより高いものから
選択されているが、既述の制約によって仮配分量min
{q,λ}を投資できない場合、その投資候補よりも
トータル投資効率がより高い候補が存在する可能性があ
る。図5は、そのような可能性が現実化する場合の存在
を示している。線形計画的には、投資量xの全ての値で
候補1の単純投資効率は候補2の単純投資効率よりも高
いが、トータル投資効率r(q)は、投資量xの全て
の値で、候補1と候補2とで異なっている。候補1と候
補2の利益を示す2直線が交叉する幾何学的位置の投資
量が、αで示されている。このαの位置で、候補1と候
補2のトータル投資効率r(q,α),r(q,
α)は等しくなっている。このαが境になって投資量x
が多いか少ないかによって、候補1と候補2のトータル
投資効率の大小関係は逆転する。 r(q,α’)>r(q,α’),α’>α・・・(14)
【0049】図5に示されるような逆転関係がある場
合、トータル投資効率を計算した際の仮配分量まで投資
できない場合、一度残りの資源と残りの投資候補に関し
て、トータル投資効率を計算し直し、トータル投資効率
大小順序列生成ユニット4は改めてその残りの投資先に
ついて順序を定める。新しく順序が定められた残りのグ
ループについて、既述の両ステップS1,2が繰り返さ
れる。
【0050】ステップS4(CASE2の対策):ステ
ップS1で投資候補として選択されながら、現実にはス
テップS2で配分されない投資候補が存在する場合であ
り、且つ、ステップS2で現実に配分されなかった候補
iと、現実に配分された候補jの間で、候補iに投資し
た方が候補jに投資するよりも有利になる場合が次に考
察される。候補iには現実に投資されず候補jには現実
に投資されたことは、下記条件を成立させている。 e≦e・・・(15) 候補jに投資された資源vとλとの大小関係によ
り、場合分けが行われる。トータル投資効率r(q)
を計算したときの仮配分量min{q,λ}まで配分
することができないか、又は、ステップS1で投資候補
先として選択されながら、式(13)の制約のために現
実には配分されない場合、単純投資効率順序列生成ユニ
ット8は、図6に示されるように、投資先変更判断ユニ
ット10を動作させる動作信号11を出力する。投資先
変更判断ユニット10は、λ<v、又は、λ≧v
のいずれであるかを判断する。
【0051】ステップS5(λ<v):候補jに投
資された資源のうち、投資候補jを投資候補iに振り替
えて投資することが考えられる。候補iに投資すること
の方が有利になる場合は、候補jでの利益減少分を候補
iへの投資による利益で補うことができる場合である。
このように有利にする条件は、下記式で表される。 c+eλ>eλ⇔(e−e)λ<c・・・(16) 投資先変更判断ユニット10は、λ<vであること
を判断して、式(16)を判断する有利不利判定ユニッ
ト12を動作させる信号13を出力する。c≦0であ
り、且つ、明らかにλ>0である。式(16)は、e
<eを意味する。この関係は、式(15)に矛盾す
る。λ<vであるステップS5では、式(16)に
基づいて、候補jと候補iの入れ替えはしない。
【0052】ステップS6(λ≧v) 候補jに投資された全資源v(≦λ)を候補iに振
り替えて投資することが次に考えられる。候補iに投資
先を変更することが有利になる場合は、候補での利益
減少分を候補iへの投資による利益で補うことができる
場合である。このように有利にする条件は、下記式で表
される。 c+e>c+e⇔(e−e)v<(c−c)・・ ・(17) 有利不利判定ユニッ12は、式(17)の成立・不成立
を判定して、式(17)が成り立つ投資候補iが図3に
示されるメモリユニット1に入力される。投資候補jの
投資量は零にされる。投資候補iについて残りの資源に
基づいて、既述のステップS1,2を繰り返し実行す
る。即ち、投資候補jに振り替えられる投資候補j+1
〜Nについて、トータル投資効率順序列を再度のステッ
プS1で作成し、資源qを残りの資源q’について、q
=q’とし、順序列選択ユニット5のjをj+1〜Nと
し、単純投資効率順序列生成ユニット8は投資候補j+
1〜Nについて、順序列選択ユニット5はステップS2
で新たに第2単純投資効率順序列を生成し、その第2単
純投資効率順序列を第2解信号9’として出力する。投
資残量q’は、次式で示される。 q’=q−Σj∈sj−1・・・(18)
【0053】この場合にも、既述の問題が発生すること
がある。この問題が発生すれば、更に残存する投資候補
について、ステップS3〜ステップS6を繰り返す。こ
のような繰り返しの計算は、常に、高い利益を得られる
ように実行され、従来の総当たり計算に比べて、その計
算量は格段に減殺されている。
【0054】
【発明の効果】本発明による最適配備システム、及び、
最適配備方法は、高い精度で最大利益を得る計算が、経
済学的仮説の導入により格段に速くなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による最適配備システムの投資
効率を定義するグラフである。
【図2】図2は、本発明による最適配備システムの他の
投資効率を定義するグラフである。
【図3】図3は、本発明による最適配備システムの実施
の形態を示す回路ブロック図である。
【図4】図4は、投資先−投資量を示すグラフである。
【図5】図5は、投資効率の逆転関係を示すグラフであ
る。
【図6】図6は、本発明による最適配備システムの実施
の形態を示す回路ブロック図である。
【符号の説明】
2…トータル投資効率計算ユニット 4…第1トータル投資効率順序列生成ユニット 5−1…第1積算ユニット 5,5−2…第1出力ユニット 10,12…第1判定ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 健司 愛知県小牧市大字東田中1200番地 三菱重 工業株式会社名古屋誘導推進システム製作 所内 Fターム(参考) 5B056 AA04 BB91 HH00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】投資候補1〜Nのそれぞれの投資可能量λ
    と初期コストcとに基づいて総投資量qの範囲内で
    トータル投資効率r(q,λ)を計算するトータル
    投資効率計算ユニットと、 前記トータル投資効率r(q,λ)を大小関係r
    ≧r≧・・・≧rNの順序が与えられる第1トータル
    投資効率順序列1〜Nを生成する第1トータル投資効率
    順序列生成ユニットと、 前記第1トータル投資効率順序列1〜Nの指標1〜Nの
    第1集合がSで表され、Σj∈sλを積算する第1積
    算ユニットと、 前記第1トータル投資効率順序列1−Nのうちから式:
    Σj∈sλ≧qを充足する第1トータル投資効率順序
    列解1〜jを出力する第1出力ユニットとを含む最適配
    備システム。
  2. 【請求項2】前記第トータル投資効率r(q,λ
    は、次式: r(q,λ)=f(min{q,λ})/mi
    n{q,λ} で規定され、ここで、x=min{q,λ}で表さ
    れ、利益を示す評価関数fは、f=f(x)=c
    +e で示され、前記min{q,λ}は総投
    資量qが定められている場合の各前記投資候補の前記投
    資可能量λである請求項1の最適配備システム。
  3. 【請求項3】前記第1トータル投資効率順序列解1〜j
    を単純投資効率が高い順に並べ替えて第1単純投資効率
    順序列解1〜jを出力する第1単純投資効率順序列生成
    ユニットを更に含む請求項2の最適配備システム。
  4. 【請求項4】前記投資候補1−Nのうちで前記第1単純
    投資効率順序列解1〜jとして選択されない非選択投資
    候補があり、且つ、前記投資候補jの投資額が上限λ
    に達しない場合、前記投資候補jの投資額がvで表さ
    れ、λ>v である場合、次式:(e−e)v
    <(c−c)の判定を実行する第1判定ユニットを
    更に含み、 前記判定に基づいて、前記投資候補jを除外して、残り
    の投資候補j+1〜Nについて、前記トータル投資効率
    rj(q,λ)を大小関係rj+1≧rj+ ≧・・
    ・≧rの順序が与えられる第2トータル投資効率順序
    列j+1〜Nを生成する第2トータル投資効率順序列生
    成ユニットと、 前記第2トータル投資効率順序列の指標j+1〜Nの第
    2集合がS’で表され、Σj∈s’λを積算する第2
    積算ユニットと、 投資残量q’は、前記第1単純投資効率順序列解1〜j
    のうちから前記投資候補jが除外された第1単純投資効
    率順序列解部分1〜j−1に関する全投資量Σ
    1〜j−1λが前記総投資量qから引かれた値であ
    り、前記判定により前記式を充足する前記第2投資効率
    順序列j+1−Nのうちから単純投資効率e が高い
    順番にΣi∈s’λを計算して、式:Σi∈s’λ
    ≧q’を充足する第2トータル投資効率順序列解j+1
    〜mを出力する第2出力ユニットとを更に含む請求項1
    又は2の最適配備システム。
  5. 【請求項5】前記第2トータル投資効率順序列解j+1
    〜mを単純投資効率が高い順に並べ替えて第2単純投資
    効率順序列解j+1〜mを出力する第2単純投資効率順
    序列生成ユニットを更に含む請求項4の最適配備システ
    ム。
  6. 【請求項6】前記第2トータル投資効率順序列j+1〜
    Nのうちで前記第2単純投資効率順序列解j+1〜mと
    して選択されない非選択投資候補があり、且つ、投資候
    補mの投資額が上限λに達しない場合、前記投資候補
    の投資額がvで表され、λ>vである場合、次
    式:(e−e)v<(c−c )の判定を実行
    する第2判定ユニットを更に含み、 前記判定に基づいて、前記投資候補mを除外して、残り
    の投資候補m+1〜Nについて、前記トータル投資効率
    (q,λ)を大小関係rm+1≧rm+ ≧・・
    ・≧rの順序が与えられる第3トータル投資効率順序
    列m+1〜Nを生成する第3トータル投資効率順序列生
    成ユニットと、 前記第3トータル投資効率順序列m+1〜Nの指標m+
    1〜Nの第3集合がS”で表され、Σj∈s”λを積
    算する第3積算ユニットと、 投資残量q”は、前記第2単純投資効率順序列解m+1
    〜m’のうちから前記投資候補mが除外された第2単純
    投資効率順序列解部分m+1〜m’に関する全投資量Σ
    1〜j−1λが前記総投資量q’から引かれた値
    であり、前記判定により前記式を充足する前記第3トー
    タル投資効率順序列m+1〜Nのうちから単純投資効率
    jiが高い順番にΣi∈s”λを計算して、式:Σ
    i∈s”λ≧q”を充足する第3単純投資効率順序列
    解m+1〜m’を出力する第3出力ユニットとを更に含
    む請求項5の最適配備システム。
  7. 【請求項7】投資対象jに投資する投資量がxで表さ
    れ、初期投資量がc で表され、単純投資効率がe
    表され、総投資量がqであり、利益yがy =c
    で定義され、トータル投資効率rが、r
    /xで定義され、 ステップS1:r≧r≧・・・≧rで表されるト
    ータル投資効率列r〜rを生成すること、 ステップS2:1〜jを要素とする集合Sjについて、
    Σj∈sj≧qを充足させること、 ステップS3:トータル投資効率列r〜rに対応す
    る第1投資対象列1〜jのうち前記単純投資効率e
    より高い順に前記第1投資対象列1〜jを並べ替えて第
    2投資対象列1〜jを生成すること、 ステップS4:前記第2投資対象列1〜jのうちの投資
    対象列部分1〜j−1の各投資対象に前記x〜x
    j−1をそれぞれに投資することを含む最適配備方法。
  8. 【請求項8】1〜j−1を要素とする集合Sj−1につ
    いて、Σj∈sj− を計算すること、前記第2投
    資対象列1〜jのうちの投資対象列部分jにq−Σ
    j∈sj−1を投資することを更に含む請求項7の
    最適配備方法。
  9. 【請求項9】i>jであり、x≧q−Σj∈sj−1
    であり、且つ、e−e(q−Σj∈sj−1
    )<(c−c)である投資候補iについて、前記
    ステップS1〜ステップS4を実行することを更に含む
    請求項7の最適配備方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006048267A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Chugoku Electric Power Co Inc:The 設備増強計画支援システム

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JP2006048267A (ja) * 2004-08-03 2006-02-16 Chugoku Electric Power Co Inc:The 設備増強計画支援システム

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