JP2002296180A - 化粧料の紫外線透過率測定方法及び紫外線透過率測定装置 - Google Patents

化粧料の紫外線透過率測定方法及び紫外線透過率測定装置

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JP2002296180A
JP2002296180A JP2001094747A JP2001094747A JP2002296180A JP 2002296180 A JP2002296180 A JP 2002296180A JP 2001094747 A JP2001094747 A JP 2001094747A JP 2001094747 A JP2001094747 A JP 2001094747A JP 2002296180 A JP2002296180 A JP 2002296180A
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Seisuke Takashima
征助 高島
Ryosuke Murayama
良介 村山
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RYOSHINKAI
Okayama University NUC
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RYOSHINKAI
Okayama University NUC
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 日焼け防止剤等の化粧料の紫外線透過率を簡
便かつ迅速に測定する方法及びそのための測定装置を提
供すること。特に、化粧料の成分の詳細が不明な場合で
あっても、複数の化粧料の紫外線防止性能を客観的に比
較できる測定方法を提供すること。 【解決手段】 平滑なガラス板又はプラスチック板から
なる紫外線透過可能な2枚の試料保持板(2)間に一定
量の化粧料(4)を挟持し、該試料保持板(2)間に挟
持された化粧料(4)に一定の圧力を加えて薄膜状に
し、該薄膜状の化粧料(4)に紫外線を照射し、透過し
た紫外線の照度を測定することを特徴とする化粧料の紫
外線透過率測定方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、日焼け防止剤等の
化粧料の紫外線透過率測定方法、及び化粧料の紫外線透
過率測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】過去には日焼けした肌は健康の象徴であ
ると言われていたが、近年では日焼けは肌の老化を促進
し、時として皮膚ガンの原因となる危険性もあるとの指
摘がなされるようになってきている。また特に最近で
は、地球環境の変化に伴うオゾンホールの発生によっ
て、従来ほとんど地上には到達しなかった短波長の紫外
線が地上に到達する危険性も指摘されている。すなわち
UV−A領域(320〜400nm)の内でも短波長側
の光線や、UV−B領域(280〜320nm)の光線
が地上に到達することが問題となっている。このよう
に、健康保持上の理由から紫外線を遮蔽する日焼け防止
剤の重要性は高まっている。一方、近年若年層の女性を
中心に日焼けを防止して白い肌を保ちたいという要求が
高まってきており、美容上の観点からも日焼け防止剤の
重要性は高まっている。このような状況のもと、日焼け
防止剤の商品開発は一段と活発になってきている。
【0003】日焼け防止剤の効果を示す指標として現在
広く用いられているものがSPF(Sun Protection Fac
tor)値である。これは、ヒトの皮膚に日焼け防止剤を
塗布してから紫外線を照射し、日焼け防止剤を使用しな
かった場合に対して、皮膚に同等の炎症を起こさせる照
射エネルギー量の比で表すものである。しかしながら、
SPF法は被験者に実際に日焼けを起こさせるものであ
り、被験者に苦痛を与え、また被験者の健康を阻害する
虞のあるものである。また塗布方法が必ずしも統一され
ず、客観性にも問題のあるものであった。
【0004】これに対し、特開平5−248944号公
報には、ヒトの皮膚の代わりに紫外線透過性の人工皮膚
膜を用い、その表面に日焼け防止剤を塗布してから人工
光線を照射し、透過する紫外線のエネルギー量を測定す
る方法が記載されている。また、特開平11−1306
29号公報には化粧料をスライドグラス上に塗布し、こ
れを媒体と共に擦過した後、紫外線の透過度を測定する
方法が記載されており、当該方法は実使用との一致性の
高い評価ができるとしている。また、特開平11−51
859号公報には、ヒトの肌に化粧料を塗布し、紫外線
の反射率測定を行い、反射光の直線光成分の強度と散乱
光成分の強度とから、透過率を算出する方法が記載され
ており、ヒトの肌に実際に塗布した状態で日焼けさせず
に透過率を算出できるとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
5−248944号公報に記載のように、ポリウレタン
等の柔軟性高分子素材で形成された人工皮膚の上に均一
に日焼け防止剤を塗布するのは容易ではなく、厚さを一
定値に揃えることも表面を平滑にすることも困難であ
る。厚さが一定値に揃えられなければ紫外線吸収量は変
化するし、表面が平滑でなければ表面での光散乱によっ
て測定値がバラつくことになる。特に紫外線は波長が短
いために散乱の影響を受けやすく、表面を平滑にできな
い場合の測定データのバラツキは無視できない。また上
記SPF法同様、塗布方法が必ずしも統一できず、客観
性の点で問題を残している。この点は特開平11−13
0629号公報に記載の方法のように、スライドグラス
に塗布する場合においても同様である。また、特開平1
1−51859号公報に記載のヒトの肌に塗布する方法
の場合にも、一定かつ均質な塗布は困難であって、評価
結果の客観性にも問題を有する。
【0006】上記各先行文献に記載の方法は、いずれも
実際の使用状況における紫外線遮蔽性能を再現すること
を目的とするものであって、測定試料の準備や測定値の
客観性の担保は必ずしも容易ではなかった。それぞれの
日焼け防止剤ごとの好適使用態様に基づいて、商品開発
の段階で性能評価をするのには適当であるかもしれない
が、各種の日焼け防止剤を簡便、迅速かつ客観的に比較
するのには不向きである。近年多くの新製品が次々と市
場に投入されているが、それらは必ずしも製品の性能保
証が十分なされている企業の製品ばかりではない。製品
性能の評価が不十分な製品や、場合によっては製品性能
を偽った製品さえ市場に出回ることがある。このような
状況において、例えば消費生活センターのような消費者
保護団体や公的研究機関等で、複数の日焼け防止剤等の
化粧料を簡便、迅速かつ客観的に比較する手法が求めら
れているところである。
【0007】また、上記特開平11−51859号公報
の中で従来技術として挙げられている方法に、試料を溶
媒に溶解あるいは分散させて希釈した後に透過率や吸光
度を測定する方法がある。しかしながら、多くの日焼け
防止剤は乳液であったり分散液であったりするので、希
釈する際に相分離が起こったり、分散質の凝集や沈降が
起こったりして、適当に希釈することは容易ではない。
特に、消費者保護団体のような製造業者以外の者が測定
する場合には、日焼け防止剤の配合成分が十分にわから
ないことが多く、適当な希釈溶媒を選定することが一段
と困難である。
【0008】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、日焼け防止剤等の化粧料の紫外線透過
率を簡便かつ迅速に測定する方法及びそのための測定装
置を提供するものである。特に、化粧料の成分の詳細が
不明な場合であっても、複数の化粧料の紫外線防止性能
を客観的に比較できる測定方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題は、平滑なガラ
ス板又はプラスチック板からなる紫外線透過可能な2枚
の試料保持板間に一定量の化粧料を挟持し、該試料保持
板間に挟持された化粧料に一定の圧力を加えて薄膜状に
し、該薄膜状の化粧料に紫外線を照射し、透過した紫外
線の照度を測定することを特徴とする化粧料の紫外線透
過率測定方法を提供することによって達成される。
【0010】また、上記課題は、平滑なガラス板又はプ
ラスチック板からなる紫外線透過可能な2枚の試料保持
板と、該試料保持板を載置又は固定し紫外線透過部を有
する試料台と、該試料保持板と該試料台との間に圧力を
加える加圧手段と、紫外線を発生する光源と、試料保持
板を挟んで光源の反対側に配置される照度計とからなる
化粧料の紫外線透過率測定装置を提供することによって
も達成される。
【0011】本発明においては、日焼け防止剤等の化粧
料を直接試料保持板に挟持して測定することができる。
すなわち、試料を試料保持板の一方の表面上に載せてか
ら試料保持板の他方で挟んで加圧することで容易に試料
薄膜を調整することができる。塗布、乾燥したり、希釈
したりする操作が不要なので、作業が極めて簡便であ
る。
【0012】また、一定量の試料に対して一定の圧力を
加えることで、試料薄膜の厚みをほぼ一定に保つことが
できる。本発明で測定の対象となる化粧料には、液状、
クリーム状等、様々な性状のものが含まれるが、一定以
上の適当な圧力を加えると、意外にも、ほぼ同じ程度の
厚みが再現できるものである。その理由は定かではない
が、試料の有する粘弾性に由来する反発力、試料液体の
有する表面張力、あるいは試料保持板の弾性的性質等の
各種要因に基づくものであるとも想定される。化粧料、
特に日焼け防止剤は通常ある程度以上の粘度を有する場
合が多く、また酸化チタン等に代表される顔料を含有す
ることも多いことから、以上のような一定の厚みを得る
ことができるのかもしれない。これにより、成分の詳細
が不明な各種の日焼け防止剤等の化粧料に対して同じ程
度の試料厚みとすることが容易となるので、各種化粧料
の紫外線透過率を比較するのに適している。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明では、平滑なガラス板又は
プラスチック板からなる紫外線透過可能な2枚の試料保
持板間に日焼け防止剤を挟持する。試料保持板の試料保
持面が平滑であることで、挟持された日焼け防止剤を均
一な厚みとすることができる。ここで平滑であるとは、
例えば紫外線照射範囲内において、高さ10μm以上、
より好適には5μm以上の凹凸や波打ちがないようなも
のをいう。測定時の試料厚みが、通常数十μm程度であ
ることを考慮すると、定量的な測定のためにはその程度
の平滑性を有することが要求される。また、試料保持板
を介して試料に押圧できる程度の剛性を有していること
が必要である。
【0014】さらに、試料保持板は紫外線透過可能なガ
ラス又はプラスチックを材料とすることが必要である。
ただし通常は試料を挟持しない状態で測定する、いわゆ
るブランク測定を行い、その紫外線透過率を試料測定値
から差し引くので、ある程度の紫外線を吸収するもので
あっても構わない。ただし測定精度の観点からは、測定
波長の紫外線を50%以上、より好適には90%以上透
過するものを使用することが好ましい。
【0015】使用されるガラス板、プラスチック板は、
特に限定されるものではない。プラスチック板として
は、紫外線の透過性が良好で、剛性の高いアクリル樹脂
製のものが好適なものとして挙げられる。しかしなが
ら、試料で用いられている溶媒が明らかでない場合も多
いので、プラスチック製の場合には溶媒によって試料保
持板が溶解したり曇ったりする場合があるし、逆に試料
中にプラスチック中の添加剤などが溶出したりする虞も
あるので、ガラス板の方が好ましい場合が多い。ガラス
板の材料は特に限定されない。ソーダ石灰ガラスは価格
的には有利であるが、紫外線の一部を吸収するので測定
波長によっては不向きである。ホウケイ酸ガラス、無ア
ルカリガラス等のいわゆる硬質ガラスはUV−A領域の
波長の光線で測定するのであれば最適である。石英ガラ
スは、価格が高いものの、UV−B、UV−C領域の短
波長領域の光線で測定する場合に使用する。
【0016】試料保持板の形態は、板状であれば特に限
定されず、通常0.2〜5mm程度、好適には0.5〜
3mm程度の厚さのものが使用される。表面の平滑性が
良好で、取り扱いが容易な一定寸法のものを容易に入手
できる点から、顕微鏡観察用のスライドガラスが好適で
ある。
【0017】上記試料保持板間に一定量の化粧料を挟持
し、試料保持板間に挟持された化粧料に一定の圧力を加
えて薄膜状にしてから測定に供される。測定に供される
化粧料は特に限定されないが、日焼け防止剤、特に顔料
を含有する日焼け防止剤を測定することが好適である。
一定量の化粧料に対して一定の圧力を加えることで、ほ
ぼ一定の薄膜状の試料厚みにすることができる。試料の
量は、試料保持板の寸法や紫外線照射面積等に対応して
適宜調整されるが、測定に適当な試料厚みとするために
は通常2〜100mg程度であり、好適には5〜50m
gである。この量は、例えば天秤上に試料保持板を置い
て、試料を載せていくことで容易に調整できる。
【0018】試料に圧力を加えるための荷重は、試料の
量や試料保持板の寸法に対応して適宜調整されるが、通
常0.1N(約0.01kgf)以上である。これより
低いと試料によっては十分に薄膜状にならない。また、
通常は10N(約1kgf)以下であり、これより大き
いと試料保持板から試料がはみ出したり、試料保持板が
破損したりする場合がある。好適には0.5〜5N(約
0.05〜0.5kgf)である。例えばスライドグラ
スを用い、20mgの試料を測定する際に、2N(約
0.2kgf)の荷重を加えた場合にはほとんどの試料
において同程度の広がりを得ることができた。手指等で
荷重を加えることによっても薄膜状にすることは可能で
あるが、得られる試料の厚みに再現性が乏しく、また一
旦加えた荷重を弱めると気泡を噛み込むことがあり、好
ましくない。
【0019】一定波長の光の吸収強度は下記(1)式の
Lambert−Beerの法則に従う。 I/I=e−kcd (1) ここで、Iは透過光の強度、Iは入射光の強度、kは
吸収物質の吸光係数、cは吸収物質の濃度、dは吸収物
質層の厚さである。(1)式の両辺を常用対数に変形す
れば下記(2)式のようになる。 log(I/I)=−kcd (2)
【0020】(2)式の右辺に示されている−kcdの
値が吸光度である。すなわち一定厚みdで測定すること
ができれば、Iに対するIの値を測定することで、k
とcの積の値を求めることができる。すなわち製品固有
の値であるk、cの値を個別に求めることなく吸光度を
求めることができる。
【0021】日焼け防止剤等の化粧料中に含まれている
吸収物質の種類やその量については分析することが困難
であることから、k、cの値を個別に求めることは通常
困難である。特に市場に流通している各種の化粧料を比
較分析するような場合には内容成分は通常不明である。
このような場合に、前述のような方法で吸収物質層の厚
さdを揃えることができれば、化粧料の紫外線吸収性能
の比較評価が可能となる。
【0022】一定の荷重を加えるための手段は特に限定
されないが、試料を挟持した試料保持板を試料台に載置
して、あるいは試料台に固定して、試料保持板と試料台
との間に圧力を加える方法が好適に採用される。
【0023】上記試料台の形状は特に限定されず、試料
保持板を載置又は固定できれば良いが、紫外線を透過さ
せることのできる紫外線透過部を有していることが必要
である。紫外線透過部は、円形、方形等の開口部であっ
ても良いし、切り欠き状のものであっても良いし、試料
台が二分割されていてその間を紫外線が通るようにして
あっても良い。これらのうちでは、開口部を有するもの
が、一定範囲の紫外線のみを透過させることができるの
で好適である。紫外線透過部は空間であっても良いし、
紫外線を透過する材料でできていても良い。また試料台
全体が紫外線を透過する材料でできていても良い。かか
る試料台としては、顕微鏡のステージが好適に使用でき
る。適当なサイズの開口部が既に空いているし、スライ
ドグラスの載置が容易だからである。顕微鏡から鏡筒部
を取り外し、顕微鏡付属の白色光源の代わりに所定の波
長の紫外線光源を設置するだけで使用可能となる。ま
た、顕微鏡の反射鏡の位置に直接光源を配置しても良
い。
【0024】加圧方法としては、試料台の上に載置され
た試料保持板の上から一定荷重を加える方法が好適な方
法の一つとして挙げられる。一定荷重を加えるための治
具である加重治具は、試料保持板上の紫外線照射部を挟
んだ複数の位置で試料保持板に荷重を加える。具体的に
は試料保持板の表面と線接触あるいは球面接触する方法
で荷重を加えることが、ガタツキを防止し、試料保持板
を破損しないために好適である。上記加重治具を用いて
加える荷重は、治具の上部に分銅等の荷重を載せること
で容易に一定値に調整できる。また、この加重治具に光
源あるいは照度計のいずれかを固定することも、測定し
やすさの点から好ましい。
【0025】また、加圧方法として好適な別の方法は、
加圧ねじによって試料保持板上の紫外線照射部を挟んだ
複数の位置で荷重を加える方法である。この加圧ねじに
よって試料台と試料保持板の間に一定値の荷重を加える
ことができる。加圧ねじは、マイクロメーター様の構成
になっていて一定トルクまで締め付けると空転するよう
な構成になっているものが好ましく、この上限トルクを
調整して荷重を制御できるものであることが好適である
が、この方式に限定されず同様の効果が得られるもので
あれば良い。この場合には、試料保持板は試料台上に載
置される場合のみでなく、下側に固定される場合もあ
る。
【0026】照射される紫外線は、可視光線(400〜
800nm)よりも短波長側の光線である。波長によっ
て、UV−A領域(320〜400nm)、UV−B領
域(280〜320nm)及びUV−C領域(280n
m以下)の3つの領域に分類されている。測定に供され
る波長は特に限定されるものではなく、これらの波長の
うち、目的によってどの波長領域の光を使用してもよ
い。
【0027】波長とそのエネルギーとの間には下記式
(3)で示される関係が成り立つ。 E=h/λ (3) ここで、Eはその波長の持つエネルギー、hはプランク
定数、λは波長(nm)である。
【0028】したがって、短波長の光線の方が高エネル
ギーを有するが、短波長の光線は大気中に浮遊している
微粒子によって散乱したり、吸収されたりしやすいの
で、通常、我々の生活環境に到達する紫外線はUV−A
領域の光線、しかもその長波長側の光線が主体をなして
いる。最近はフロンガスの成層圏への拡散によってオゾ
ンホールが拡大し、より短波長の紫外線が地上に到達し
ていると言われているものの、定量的なデータは乏し
い。その点からは、測定波長としてはUV−A領域、と
くにその長波長側の波長を採用することが好ましい。ま
た、測定作業者の目あるいは皮膚に対する安全性を考慮
しても、上記波長領域が好ましい。具体的には、360
〜400nmの波長領域の紫外線で測定することが好ま
しく、380〜400nmがより好ましい。この場合、
単一波長の光源である必要はなく、主たる波長が上記波
長領域にあればよく、幅広のスペクトルの光源も使用可
能である。
【0029】このような紫外線を発生させる光源は特に
限定されるものではなく、水銀灯などを挙げることがで
きる。この場合の発生波長の制御は内封された水銀の圧
力などの調整によって可能である。特に特定の波長のみ
で測定を行いたい場合には、適当なフィルターを用いて
不要な波長領域の光をカットしても良い。光源を配置す
る位置は特に限定されないが、試料から遠すぎると紫外
線量が減少するし、近すぎると試料が不必要に加熱され
てしまうので、適当な間隔をおいて配置することが良
い。測定に不要な部分を加熱することを防止するため
に、適当な開口部を設けた遮光板を介して紫外線を照射
することが好ましい。前述のように、試料台に開口部が
空いている場合にはそれを介すればよい。
【0030】試料を介して光源の反対側に照度計が配置
される。照度計の種類は特に限定されるものではなく、
紫外線に対して感受性を有するものであればよく、光電
管を使用するものやフォトダイオードを使用するものな
どを適宜使用可能である。この時、試料を透過した光線
をできるだけ損失のないように検出するためには、試料
保持板に近いところに照度計を配置することが好まし
い。
【0031】上記光源からの紫外線の照射あるいは照度
計での受光に際して、試料に対して直接紫外線を照射あ
るいは受光しても良いが、適宜、ミラーやプリズム等を
用いて光路を調整してもよい。また、光ファイバー束な
どの光線ガイドを用いて光を光源から試料に導いたり、
試料から照度計に導いたりしても良い。
【0032】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を説明する。図
1は本実施例で用いた測定装置の構成を示す断面図であ
る。顕微鏡のステージからなる試料台1の上に硬質ガラ
ス製の顕微鏡用スライドガラスからなる試料保持板
(2,2’)が載置されている。スライドガラスの寸法
は25mm×75mm×1mmである。試料台1には1
5mm径の円形開口部3が設けられている。試料保持板
(2,2’)の間には化粧料4が薄膜状に挟持されてい
る。
【0033】試料保持板2の上に断面略コの字型の板状
体からなる加重治具5が載置される。このとき、試料保
持板2の長手方向の両端から対称の位置に加重治具5の
脚部(6,6’)の下端(7,7’)が位置するように
載置する。脚部(6,6’)の下端(7,7’)は断面
略円形状に加工されており、試料保持板2の表面に線接
触している。加重治具5の上面8には上皿天秤用の分銅
9が載置されている。
【0034】加重治具5の内側には棚部(10,1
0’)が設けられ、照度計11が、その受光部12を下
にして、試料台1の円形開口部3の全体を覆うように配
置される。この時、受光部12が試料保持板に接触しな
い範囲で近接した位置に配置される。使用した照度計1
1はトプコン株式会社製の「TOPCON UVR−1
型」である。試料台1の円形開口部3の真下には紫外線
ランプ13が配置される。
【0035】本実施例では下記表1に示すようにA〜J
の10種類の市販の日焼け防止剤を測定に供した。これ
らの日焼け防止剤の性状は様々であり、液状、クリーム
状などであった。20mgの試料に対し試料台の上で荷
重を加える試験を行ったところ、いずれの試料において
も、加重治具5及び照度計11の重量込みで1.96N
(0.2kgf)の荷重を加えたときに、全ての試料に
おいてほぼ同程度の試料の広がりが得られた。具体的に
は、図2に示すように、化粧料4が試料保持板2の間で
直径約35mmの円形に広がった。試料の一部はスライ
ドガラスの辺に到達していたが、流れ出すことはなかっ
た。
【0036】紫外線の光源として、365、376、3
92、423、480nmの各単色光の光源(いずれも
ニッポ電機株式会社製の特注ランプ)を用いて測定を行
った。その結果、各試料間の相対的な光線遮光性には、
上記各測定波長において大きな差は認められなかった。
したがって、上記各波長のうち任意の波長での測定によ
って相対的な性能評価が可能であることがわかった。U
V−A領域のうちでも、エネルギーが低くて作業者にと
って安全である波長として、392nmの単色光の光源
を用いて測定した結果を代表として以下に示す。
【0037】下記表1は上記方法によって、A〜Jの1
0種類の市販の日焼け防止剤を測定したものである。使
用した光源の波長は392nmで、試料保持板の表面の
位置に到達する光源のエネルギー密度は9.35mW/
cmであった。遮光率(%)は下記式(4)で示され
る値である。 遮光率=(I−I)/I×100(%) (4) ここで、Iは試料保持板として用いた2枚のスライド
グラスを、日焼け防止剤なしで重ねた時の透過光のエネ
ルギー密度(8.60mW/cm)であり、Iは日焼
け防止剤を挟持した時の透過光のエネルギー密度(mW
/cm)である。
【0038】
【表1】
【0039】表1から明らかなように、日焼け防止剤と
して市販されているものであっても、紫外線の遮光性能
に大きな差があることが確認された。また、液状やクリ
ーム状のように性状の異なるものについても、相対的な
比較が可能であった。
【0040】
【発明の効果】本発明の紫外線透過率測定方法は上述の
ように極めて簡便な方法であり、試料間の相対的な紫外
線遮光性能を客観的に評価するのが容易である。試料の
内容成分が不明であっても容易に測定ができるし、試料
ごとの塗布方法などを検討する必要もないので、消費者
保護団体や公的研究機関などで、市場流通サンプルを評
価したりする場合に極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いた測定装置の構成を示す断面図で
ある。
【図2】試料保持板間での化粧料の広がりの状況を示し
た図である。
【符号の説明】
1 試料台 2 試料保持板 3 円形開口部 4 化粧料 5 加重治具 6 脚部 7 脚部の下端 8 上面 9 分銅 10 棚部 11 照度計 12 受光部 13 紫外線ランプ
フロントページの続き Fターム(参考) 2G059 AA02 BB10 BB15 DD13 EE01 FF08 GG10 HH03 HH06 JJ02 JJ12 JJ13 JJ17 KK01 MM15 2G065 AB05 AB23 BA09 BB10 BB26 DA05 DA10

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平滑なガラス板又はプラスチック板から
    なる紫外線透過可能な2枚の試料保持板間に一定量の化
    粧料を挟持し、該試料保持板間に挟持された化粧料に一
    定の圧力を加えて薄膜状にし、該薄膜状の化粧料に紫外
    線を照射し、透過した紫外線の照度を測定することを特
    徴とする化粧料の紫外線透過率測定方法。
  2. 【請求項2】 平滑なガラス板又はプラスチック板から
    なる紫外線透過可能な2枚の試料保持板と、該試料保持
    板を載置又は固定し紫外線透過部を有する試料台と、該
    試料保持板と該試料台との間に圧力を加える加圧手段
    と、紫外線を発生する光源と、試料保持板を挟んで光源
    の反対側に配置される照度計とからなる化粧料の紫外線
    透過率測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103592252A (zh) * 2013-11-28 2014-02-19 中山鼎晟生物科技有限公司 一种防晒化妆品的防护测定方法

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