JP2002287171A - 光反応性部材、光透過性部材および装飾品 - Google Patents

光反応性部材、光透過性部材および装飾品

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JP2002287171A
JP2002287171A JP2001084139A JP2001084139A JP2002287171A JP 2002287171 A JP2002287171 A JP 2002287171A JP 2001084139 A JP2001084139 A JP 2001084139A JP 2001084139 A JP2001084139 A JP 2001084139A JP 2002287171 A JP2002287171 A JP 2002287171A
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Akira Fujishima
昭 藤嶋
Toru Tatsuma
徹 立間
Yoshihisa Oko
善久 大古
Shuichi Saito
修一 齋藤
Katsuhisa Kashiwazaki
勝久 柏崎
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Koyo Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光エネルギーを利用することで高い効率で結
晶構造変化を引き起こし得るような、光反応性部材を提
供する。 【解決手段】 本発明部材は、光照射時に励起されて電
子を生成する光励起半導体、および光励起半導体の伝導
帯の電位よりも正の酸化還元電位を有しており、還元時
に陽イオンの存在下に結晶構造が変化する酸化還元材料
を備えている。光照射時には光励起半導体からの電子を
酸化還元材料に供給して酸化還元材料を還元すると共
に、酸化還元材料の結晶構造が変化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光により結晶構造
が変化する光反応性部材、光透過性部材および装飾品に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属は非常に優れた構造材料であるが、
錆による劣化という短所をもつ。金属の錆を防止するた
めの防食塗料として酸化チタンが知られている。特開平
11−71684号公報においては、チタン酸化物被膜
を形成したステンレス鋼材において、光源の乏しい状態
では腐食が進行すると記載されている。そして、この問
題点を解決するために、チタン酸化物を含有する表面被
膜とステンレス鋼材との中間に中間膜を設け、中間膜
は、鉄、バナジウム、銅を含有するチタン酸化物被膜と
した。これによって、鉄、バナジウム、銅の価数は、光
照射時には低くなり(還元され)、光遮断時には高くな
る(酸化される)。従って、光遮断時には鉄、銅、バナ
ジウムから電子が発生し、この電子がステンレス鋼材に
注入され、防食効果が持続するものと主張されている。
【0003】一方、酸化タングステンは、電気化学的に
還元すると、電子とプロトンとを取り込んでタングステ
ンブロンズ構造に変化し、変色することが知られてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、酸化タングス
テンに対して例えば太陽光を照射しても、このような結
晶構造の変化はほとんど起こらず、視覚的に容易に判別
し得るほどの変色をもたらすことはできない。
【0005】本発明の課題は、光エネルギーを利用する
ことで高い効率で結晶構造変化を引き起こし得るよう
な、光反応性部材を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、光照射時に励
起されて電子を生成する光励起半導体、および光励起半
導体の伝導帯の電位よりも正の酸化還元電位を有してお
り、還元時に陽イオンの存在下に結晶構造が変化する酸
化還元材料を備えており、光照射時には光励起半導体か
らの電子を酸化還元材料に供給して酸化還元材料を還元
すると共にこの酸化還元材料の結晶構造が変化すること
を特徴とする、光反応性部材に係る。
【0007】最初に、図1(a)、(b)の模式図を参
照しつつ、本発明の原理を説明する。ただし、図1にお
いては、半導体と酸化還元材料(例えばエレクトロクロ
ミック材料:EC材料)との間に金属が介在している場
合について説明する。図1(a)に示すように、光照射
時には、光励起半導体が基底準位から伝導帯に励起され
る。この伝導帯の電位は、金属材料の腐食電位よりも負
であるものとする。半導体中で生成した電子は、金属材
料へと移動し、金属材料を還元し、金属材料の電位をそ
の腐食電位よりも負に維持する。これと共に、金属材料
からの電子が酸化還元材料(例えばEC材料)へと移動
する。酸化還元材料は、この電子を取り込み、外部から
陽イオンを取り込んで結晶構造の変化を引き起し、電子
および陽イオンを貯蔵する。
【0008】光の照射を停止すると、図1(b)に示す
ように、半導体の電位は正の方向に移動する。この際、
酸化還元材料が酸化され、酸化還元材料から電子とプロ
トンとが金属材料や外部の酸素へと移行し、酸化還元材
料の結晶構造が元に戻る。こうした酸化還元材料の結晶
構造変化は、特に外部から電圧を加えることなしに引き
起こされるし、また繰り返し引き起こすことが可能であ
る。この結果、酸化還元材料の結晶構造の変化を検出
し、利用することが可能である。
【0009】例えば、酸化還元材料の結晶構造変化は、
次のような物理化学的変化を伴うことがある。 (1)光の反射率、例えば可視光の反射率が上昇あるい
は下降する。 (2)光の反射率の周波数分布が変化し、着色する。 (3)光照射時に電気抵抗値が変化する。
【0010】なお、図1(a)の模式図においては、半
導体中で生成した電子が、いったん金属材料中に入り、
金属材料から酸化還元材料へと電子が移行している。し
かし、半導体からの電子を、金属材料を介在させること
なく、酸化還元材料へと直接に注入することも可能であ
る。
【0011】光励起半導体は、光照射時に電子を生成す
る半導体である。具体的には、TiO2、SrTiO2、Fe2O3 、
CdS 、CdSe、ZrO2、GaP 、SiC 、Si、Nb2O5 、ZnO 、WO
3 、SnO2などが挙げられるが、TiO2、SrTiO3、SiC が特
に好ましい。
【0012】また、光照射時とは、光励起半導体が電子
を生成するような光を照射している場合を言い、光励起
半導体が電子を生成しないような光は、このとき照射し
ていてもよく、照射していなくともよい。また、非照射
時とは、光励起半導体が電子を生成するような光を照射
していない場合を言い、光励起半導体が電子を生成しな
いような光は、このとき照射していてもよく、照射して
いなくともよい。
【0013】エレクトロクロミック材料は、還元性条件
下においては、プロトンなどの存在下に還元され、電子
とプロトンとを取り込んでブロンズ構造を形成する。そ
して、酸化性条件下では、電子を放出し、もとの結晶構
造に戻る。この酸化−還元反応は可逆的である。そし
て、この酸化−還元反応に伴い、特定の色を発色する性
質を有している。こうした材料としては、具体的には、
遷移金属酸化物である、WO3 、MoO3、Nb2O5 、V2O5、Ir
Ox、TiO2、NiOx、Cr2O3 、WO3-MoO3を挙げることができ
る。エレクトロクロミック材料としては、完全発色型の
材料が特に好ましく、WO3 、MoO3、Nb2O5 、TiO2、WO3-
MoO3が特に好ましい。
【0014】特に好適な実施形態においては、エレクト
ロクロミック材料は、還元性条件下においてタングステ
ンブロンズ構造を形成する材料である。この化合物は、
タングステンブロンズ(HxWO3)(0<x≦1)と
同様の構造を有する不定形化合物である。xが約1のと
きに青銅(ブロンズ)色をもつ。タングステンブロンズ
構造の化合物は極めて多く見出されている。一般式Ax
ByOzとしたとき、AはH、アルカリ金属、アルカリ
土類金属、Cu、Sn、Pbなどのイオンである。Bは
Mo、Nb、Re、Ti、Vなどのイオンである。
【0015】以下、酸化チタン(光励起半導体)と、酸
化タングステン(エレクトロクロミック材料)との組み
合わせを利用した場合について、更に具体的に説明す
る。気相中、液相中において、光照射下で、TiO
強い還元力によりWO3を還元させる(ブロンズ化)。
WO3はレモン色であるが、タングステンブロンズにな
ると青くなり、可視光の反射率は全体として低くなる。
酸化タングステン単体では、このような変色はほとんど
起こらない。この際の反応式は以下のとおりである。 TiO +hν → e- + h+ WO3 +xH+ (xNa+ )+xe- →Hx(Na
x)WO3 (0<x≦1)
【0016】暗状態になると、WO3が自然酸化し、電
子とプロトンとを放出する。この際の反応式は以下のと
おりである。Hx(Nax)WO3 → xe- +WO3
+xH+(xNa+
【0017】光励起半導体と酸化還元材料との位置関係
や各構成は、特に限定されない。しかし、光励起半導体
は、少なくとも光照射可能な位置になければならない。
また、酸化還元材料は、陽イオンを何らかの形で取り込
み可能な位置にある必要があり、陽イオン源に接触して
いることが好ましい。陽イオンとしては、プロトンの
他、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、カルシウ
ム、マグネシウム等のアルカリ土類金属、Cu、Sn、
Pb等の遷移金属のイオンが挙げられる。特にタングス
テンブロンズ構造の陽イオン部分を置換可能な金属元
素、あるいはプロトンが好ましい。プロトン源として
は、雰囲気中の水分、水、水分を含有する流体、水分を
含有する固体、水分を含有するゲル、ゾル、スラリーが
挙げられる。また、金属陽イオン源としては、前記水分
中に溶解あるいは分散している金属化合物、例えば金属
水酸化物、金属塩化物、金属硫酸塩、金属硝酸塩、金属
リン酸塩等が挙げられる。
【0018】具体的には、次の形態が好ましい。 (1)基体上に、酸化還元材料からなる電子貯蔵層と、
光励起半導体からなる半導体層とを設ける。この場合に
は、電子貯蔵層と半導体層とは、基体上で互いに重なり
合わないことが好ましい。図2(a)はこの形態の一例
である。金属材料などからなる基体11の表面上に、電
子貯蔵層12と半導体層13とが交互に形成されてお
り、各層12と13とは積層されていない。この場合に
は、基体11の材質は、できる限り導電性の高いものが
好ましく、具体的にはITOガラス、SnO2 、ガラ
ス、金属が好ましい。
【0019】(2)基体上に、電子貯蔵層と、電子貯蔵
層上の多孔質の半導体層とを設ける。図2(b)はこの
実施形態を示す。基体11上には、電子貯蔵層14が形
成されており、層14上に半導体層15が形成されてい
る。半導体層15は多孔質であるので、電子貯蔵層14
の表面は微視的には外部環境と接触する。
【0020】(3)エレクトロクロミック材料からなる
粉末と、光励起半導体からなる粉末との成形体を、本発
明の光反応性部材とする。成形体は熱処理してもよく、
焼結させてもよい。あるいは、各粉末の混合物をバイン
ダーによって固結させたものでよい。また、各粉末の混
合物を加圧して得られた加圧成形体であってよい。図2
(c)はこの形態に係る。基体11上には、酸化還元材
料からなる粉末16と、光励起半導体からなる粉末17
との混合物の成形体18が設けられている。なお、基体
11は必ずしも必要ない。また、基体11上に成形体1
8を形成した後に、基体11を成形体18から取り除く
こともできる。
【0021】(2)(3)の形態、特に(3)の形態
は、電子発生源と電子貯蔵源が微視的に見て接近してい
るので、電子貯蔵効率が一層高いものと考えられる。特
に酸化還元材料が外気等の気体に接触しており、液体に
対して直接には接触していない場合には、酸化還元材料
と光励起半導体との伝導距離が小さい点で(2)(3)
の形態が好ましい。
【0022】(4)第一の基体上に光励起半導体からな
る半導体層を設け、第一の基体とは別体の第二の基体上
に酸化還元材料を設け、この酸化還元材料と光励起半導
体層とを電気的に接続する。
【0023】半導体被膜は、例えば、ディップコート
法、スプレー法、スプレーパイロリシス法、スピンコー
ト法、バーコート法、刷毛練り法、スパッタリング法、
蒸着法によって形成できる。酸化還元材料の被膜は、例
えばディップコート法、スプレー法、スプレーパイロリ
シス法、スピンコート法、バーコート法、刷毛練り法、
スパッタリング法、蒸着法によって形成できる。塗膜を
500℃以下の温度で加熱することが好ましい。
【0024】好適な実施形態においては、以下のように
して膜を形成する。 (1)チタンアルコキシド、ビス(2,4−ペンタンジ
オナト)チタンオキシドエタノール溶液(アセチルアセ
トンチタンオキシドエタノール溶液)などの有機金属化
合物のゾルを、金属材料上に塗布し、熱分解させる。 (2)金属酸化物の微粒子分散ゾルやスラリーを金属材
料上に塗布し、加熱することで焼き付ける。金属微粒子
の粒径は、1nm〜10μmが好ましい。 (3)溶射法、スパッタリング法などによって金属材料
上に被膜を形成する。
【0025】基体の材質は限定されず、金属バルク体で
あってよいし、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエ
ステル、ポリアクリルニトリル等のプラスチックであっ
てよい。金属材料は限定はされないが、特にステンレス
鋼、炭素鋼、金属メッキ鋼が好ましい。メッキの材質
は、亜鉛、亜鉛−鉄、亜鉛−アルミニウム、アルミニウ
ム、クロムなどを例示できる。
【0026】基体として金属材料を使用した場合には、
基体の表面には、本発明の酸素還元部材とは別に、防食
被膜、特に犠牲防食被膜を形成することができる。こう
した防食被膜の材質としては、公知のものをすべて利用
できるが、以下のものが好ましい。油性塗料(油性ペイ
ント):ニトロセルロースラッカー(クリヤラッカー、
ラッカーエナメル、ハイソリッドラッカー、ホットラッ
カー、特殊ラッカー):合成樹脂塗料(フタル酸樹脂塗
料、アミノアルキド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ビニ
ル樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、不飽和ポリエステ
ル樹脂塗料、,アクリル樹脂塗料、塩化ゴム樹脂塗料、
水性塗料、珪素樹脂塗料、フッ素樹脂塗料):特殊性能
塗料(粉体塗料、電着塗料、ビニルゾル塗料、非水ディ
スパージョン塗料、紫外線硬化塗料、電子線硬化塗
料):特殊外観塗料(メタリック塗料、多彩模様塗
料)。
【0027】酸化還元材料が、液相、特には水か水分含
有流体に接触している場合には、水分のプロトンや、水
分に溶解、分散している無機化合物からの陽イオンが酸
化還元材料へと供給され易い。しかし、この酸化還元材
料が気相中に存在し、液相に接触していない場合には、
プロトンや他の金属陽イオンを酸化還元材料へと供給す
ることが難しい。この場合には、主として雰囲気中の水
分がプロトンの主要な供給源となる。紫外線の強度が同
じであっても、湿度が低くなると、プロトンが供給され
にくく、変色が生じにくく、あるいは変色の度合いが少
なくなる。また、湿度が高くなると、変色の度合いが大
きくなる。従って、本発明の部材は、光強度がほぼ一定
な条件下においては、湿度センサーとしても利用可能で
ある。
【0028】ただし、本発明の部材を光強度センサーと
して利用する場合や、光強度に応じて変色する光変色部
材として使用する場合には、酸化還元材料の物性変化
が、気相の湿度の影響を受けにくいようにすることが好
ましい。また、低湿度環境下においても、変色等の物性
変化には充分な量の陽イオンが酸化還元材料へと供給さ
れるようにすることが好ましい。
【0029】こうした観点からは、次の対策をとること
ができる。 (1)溶液、例えば水溶液を、本発明部材の近傍に設置
し、あるいは供給できるようにする。 (2)本発明部材の周囲雰囲気の湿度を一定に保つよう
な系を組み込む。例えば湿度調整装置の中に本発明部材
を収容する。あるいは除湿装置や加湿器を本発明部材の
近傍に設置する。 (3)膜表面および膜内のイオン伝導性を向上させる目
的で、本発明部材中に陽イオン伝導体を包含する。こう
した陽イオン伝導体は、光励起半導体および酸化還元材
料の表面を被覆する膜をなしていてよく、あるいは、光
励起半導体の中、あるいは酸化還元材料の中に含有させ
ることができる。
【0030】陽イオン伝導体としては、陽イオン伝導性
を向上できるものがあれば殆どのものを使用できる。し
かし、耐水性を有する物質が好ましく、あるいは水と反
応して水和物を生成し、本発明の部材に残留するような
物質が好ましい。こうした物質としては、例えばヘテロ
ポリ酸結晶が好ましい。ヘテロポリ酸結晶は、プロトン
伝導体として知られており、例えばケイタングステン
酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸、リンモリ
ブデン酸、モリブドピロリン酸、モリブドバナジン酸、
モリブド亜リン酸などが挙げられる。
【0031】本発明の部材は、光透過性物質からなる光
透過性部材に対して適用することによって、光強度、特
には紫外線強度に応じて変色するような光透過性部材を
提供できる。こうした光透過性部材としては、自動車の
窓、建造物の窓、サングラスのレンズ、眼鏡のレンズ、
コンタクトレンズ、時計の表示窓などを例示できるが、
これらには限定されない。
【0032】また、本発明の光強度センサーの用途も限
定されず、例えば建造物の外壁、自動車の塗装面上など
に取り付けることができる。また、人間の身体装着物に
本発明の光強度センサーを取り付けることによって、例
えば紫外線の強度を視認可能とすることができる。ま
た、本発明の紫外線強度センサーを家畜に取り付けるこ
とによって、家畜に太陽光から照射される紫外線の強度
を視認可能とすることができる。
【0033】 また、本発明の部材は、装飾品に利用で
きる。この装飾品用の部材は、酸化還元材料が反応する
光、例えば紫外線や赤外線の強度に応じて可視光吸収ス
ペクトルが変化するもの、つまり変色するものであるこ
とが好ましい。本発明の部材を装飾品の表面に取り付け
て被覆することによって、装飾品が光強度に応じて変色
するようにできる。こうした装飾品としては、宝石、宝
石取り付け用の基体、ネックレス、イヤリング等の身体
装飾物、靴、バッグ等の身体装飾物を例示できる。ま
た、装飾品の全体を本発明の部材によって構成し、人工
宝石とすることもできる。
【0034】
【実施例】(製造例1)図2(a)に示すセパレート型
の酸素還元部材を製造した。具体的には、ITOガラス
基板11の主面を2つの等面積の領域に区分した。そし
てこの一方の領域上に0.05Mのビス−2,4−ペン
タンジオナトチタンオキシド(アセチルアセトンオキシ
ド)のエタノール溶液300mlを原料とし、スプレー
パイロリシス法により成膜した。成膜温度は300℃で
あった。次いで、基板の他方の領域にWO3の微粒子
(粒径500nm)をシリカバインダー(「NDC−1
00A」日本曹達株式会社製)中に0.116g/ml
の割合で分散した分散液をスピンコーティング法によっ
て塗布し、成膜し、塗膜を200℃30分間焼成した。
【0035】(製造例2)図2(c)に示すミックス型
の酸素還元部材を製造した。具体的には、0.05Mの
ビス−2,4−ペンタンジオナトチタンオキシド(アセ
チルアセトンオキシド)のエタノール溶液200ml中
に、WO3微粒子(粒径500nm)0.232gを混
入させ、攪拌、分散させて分散液を得た。ITOガラス
基板11の主面上にこの分散液をコーティングし、スプ
レーパイロリシス法により成膜した。成膜温度は300
℃であった。なお、WO3の結晶系は斜方晶系結晶であ
り、レモン色であるが、膜にした場合は、粒径および膜
厚によっては白色、透明な膜もできる。
【0036】(比較例の試料の製造)WO3の微粒子
(粒径500nm)をシリカバインダー(「NDC−1
00A」日本曹達株式会社製)中に0.116g/ml
の割合で分散した分散液を導電性ガラス(ITO)上に
コーティングし、200℃で30分間焼成した。
【0037】(実験A:蒸留水中でのWO3、TiO
−WO3の紫外線照射による反射率変化)pH7の蒸留
水中に、比較例および製造例1、2の各試料を浸漬し
た。水銀−キセノン灯(波長360nm:光強度10m
W/cm2 :「LA‐200UV 」林時計工業製)を用いて紫
外線を照射し、各試料の反射率の変化を測定した。反射
率測定機としては、「handy-color-COLORIMETER 」( 米
国のBYK-GARDNER 社製)を使用した。この結果を図3、
図4、図5に示す。各図においては、紫外線(UV)照
射前および照射中(照射後)の各反射率を示した。
【0038】この結果、図3に示すように、比較例の試
料においては、紫外線照射時にも反射率がほとんど変化
しなかった。製造例1の試料の場合は、図4に示すよう
に、紫外線照射時に著しい反射率低下が見られ、かつ各
波長に対する反射率の分布も変化し、変色していること
が分かる。製造例2の試料の場合は、図5に示すよう
に、紫外線照射時に更に著しい反射率低下が見られ、か
つ変色の度合いも一層大きいことが分かる。
【0039】(実験B:気相中でのWO3およびTiO
−WO3の紫外線照射による反射率変化)実験Aと同
様にして各例の試料の反射率変化を測定した。ただし、
実験Aとは異なり、蒸留水は使用せず、各試料を湿度1
00%の大気中に設置した(気相)。
【0040】この結果、図6に示すように、比較例の試
料においては、紫外線照射時にも反射率がほとんど変化
しなかった。製造例1の試料の場合は、図7に示すよう
に、紫外線照射時に若干の反射率低下が見られたが、図
4に示した液相の場合と比べると反射率変化は小さかっ
た。製造例2の試料の場合は、図8に示すように、紫外
線照射時に更に著しい反射率低下が見られ、かつ変色の
度合いも一層大きいことが分かる。このように、図2
(c)に例示したような、光励起半導体の粉末と酸化還
元材料の粉末との成形体を利用した場合には、気相にお
いても酸化還元材料にきわめて高度の構造変化が見られ
た。この理由は、半導体と酸化還元材料とが微視的に見
て接近していることから電子の受け渡しが容易であり、
かつ雰囲気中の水分を利用しやすいためと思われる。
【0041】(実験C:WO3における充電量と着色量
の関係)製造例1のセパレートタイプの試料を使用し、
充電量と着色量との関係を調べた。具体的には、試料を
3重量%NaCl水溶液(pH5)中に浸漬した。参照
極として銀・塩化銀電極を使用し、対極として白金ワイ
ヤー電極を使用した。そして、前記水銀−キセノン灯を
使用し、紫外線照射下において電位変化を測定した。充
電量と反射率との関係を図9に示す。この結果から分か
るように、WO3における充電量と着色量は比例関係に
あることが確認できた。
【0042】(実験D:NaCl水溶液中におけるTi
−WO3への紫外線照射時および照射後の電位変
化)pH5の3重量%のNaCl水溶液中に、製造例
1、2の各試料を浸漬した。参照極として銀・塩化銀電
極を使用し、対極として白金ワイヤー電極を使用した。
そして、前記水銀−キセノン灯を使用し、紫外線照射下
および非照射下において電位変化を測定し、結果を図1
0に示す。この結果から分かるように、−0.4V近辺
において、酸化チタンからWO3 への電子の移動によ
り、WO3 のタングステンブロンズ化が生ずる。そし
て、紫外線の照射を止めると、タングステンブロンズの
自然酸化が進行し、−0.2V近辺において電位変化の
ほとんどない平衡領域が存在している。
【0043】(実験E:気相中における紫外線照射前後
の反射率の変化)製造例2のミックス型の試料を使用し
た。相対湿度100%の大気中で、前記水銀−キセノン
灯を用いて紫外線を照射し、WO3 の反射率の変化を
測定した。反射率測定機としては、「handy-color-COLO
RIMETER 」( 米国のBYK-GARDNER社製)を使用した。こ
の結果を図11に示す。この結果、紫外線照射時にWO
3 の反射率が変化しており、タングステンブロンズ構造
に変化していることが確証された。また、本実験におい
ては、気相中において繰り返し着色および脱色できるこ
とを確認した。
【0044】(実験F:TiO−WO3における紫外
線強度と反射率との関係(気相))製造例2のミックス
タイプの試料を使用し、実験Eと同様にして紫外線を照
射し、反射率を測定した。ただし、紫外線照射時間を5
分間とし、照射直後の着色量を測定し、この結果を図1
2に示した。紫外線強度が小さい場合は変色量が小さ
く、紫外線強度が大きい場合には変色量も大きくなるこ
とが分かる。
【0045】(実験G:TiO−WO3における湿度
と反射率との関係(気相))製造例2のミックスタイプ
の試料を使用し、実験Eと同様にして紫外線を照射し、
反射率を測定した。紫外線照射時間は20分間とした。
雰囲気は大気とし、その湿度は0、25、50または1
00%とした。この結果を図13に示す。湿度が低い場
合、膜のイオン伝導性が低い為、TiOからの電子に
よってWO3を充分に還元できず、着色量が低い。湿度
が高くなると、着色が促進される。
【0046】(実験H: NaCl、ケイタングステン
酸による表面処理前、表面処理後およびリンス後におけ
る着色量の変化)実験Gと同様にして製造例2の試料の
紫外線照射直後の着色量を測定した。ただし、相対湿度
は、0、25、50、100%に変更した。表面処理前
のデータを、図14、図15において各相対湿度につい
て最も左側に示す。
【0047】次いで、各試料を、NaClまたはケイタ
ングステン酸によって表面処理し、処理後の紫外線照射
直後の着色量を測定し、各相対湿度について真ん中に示
した。ただし、NaCl処理の際には、2重量%NaC
l−エタノール−水混合溶液(エタノール70%)を作
製し、この溶液を試料上にキャスト(10μl/c
2 )し、乾燥機にて100℃で30分間乾燥した。試
料表面に白くNaCl膜が生成した。ケイタングステン
酸処理の際には、2重量%ケイタングステン酸−エタノ
ール−水混合溶液(エタノール70%)を作製し、この
溶液を試料上にキャスト(10μl/cm2 )し、乾燥
機にて100℃で30分間乾燥した。試料表面に白くケ
イタングステン酸膜が生成した。また、処理後の各試料
をリンスし、リンス後の各試料について上記の測定を行
った。
【0048】図14、図15から分かるように、NaC
l処理、ヘテロポリ酸処理した各試料は、いずれも湿度
による変色量の変動が少なくなっている。また、図14
に示すように、NaClをリンスした後にば、NaCl
膜が殆ど洗い流されてしまうために、湿度による変色量
の変動が再び大きくなっている。しかし、ヘテロポリ酸
膜は、リンス後も殆ど洗い流されないので、図15に示
すように、湿度による変色量の変動が抑制されている。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、光
エネルギーを利用することで高い効率で結晶構造変化を
引き起こし得るような、光反応性部材を提供することで
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)、(b)は、本発明の原理を説明する
ための模式図である。
【図2】 (a)、(b)、(c)は、本発明の部材の
一例を模式的に示す図である。
【図3】 蒸留水中での酸化タングステンの紫外線照射
による反射率変化を示すグラフである。
【図4】 製造例1の試料の蒸留水中での紫外線照射に
よる反射率変化を示すグラフである。
【図5】 製造例2の試料の蒸留水中での紫外線照射に
よる反射率変化を示すグラフである。
【図6】 気相中での酸化タングステンの紫外線照射に
よる反射率変化を示すグラフである。
【図7】 製造例1の試料の気相中での紫外線照射によ
る反射率変化を示すグラフである。
【図8】 製造例2の試料の気相中での紫外線照射によ
る反射率変化を示すグラフである。
【図9】 製造例1の試料において、酸化タングステン
における充電量と着色量の関係を示すグラフである。
【図10】 NaCl水溶液中における、製造例1、2
の各試料への紫外線照射時および照射後の電位変化を示
すグラフである。
【図11】 製造例2の試料について、気相中における
紫外線照射前後の反射率の変化を示すグラフである。
【図12】 製造例2の試料について、TiO−WO
3における紫外線強度と反射率との関係(気相)を示す
グラフである。
【図13】 製造例2の試料について、紫外線照射時の
湿度と反射率との関係(気相)を示すグラフである。
【図14】 製造例2の試料について、NaClによる
表面処理前、表面処理後およびリンス後における着色量
の変化を示すグラフである。
【図15】 製造例2の試料について、ケイタングステ
ン酸による表面処理前、表面処理後およびリンス後にお
ける着色量の変化を示すグラフである。
【符号の説明】
11 基体 12、14 電子貯蔵層 1
3、15半導体層 16 酸化還元材料からなる
粉末 17 光励起半導体からなる粉末
16 混合物の成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大古 善久 東京都豊島区池袋本町3丁目21番地15 (72)発明者 齋藤 修一 栃木県宇都宮市宝木町2丁目880番地 光 陽電気工事株式会社内 (72)発明者 柏崎 勝久 栃木県宇都宮市宝木町2丁目880番地 光 陽電気工事株式会社内 Fターム(参考) 2K001 AA16 BB19 BB30 EA11

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光照射時に励起されて電子を生成する光
    励起半導体、および前記光励起半導体の伝導帯の電位よ
    りも正の酸化還元電位を有しており、還元時に陽イオン
    の存在下に結晶構造が変化する酸化還元材料を備えてお
    り、光照射時には前記光励起半導体からの電子が前記酸
    化還元材料に供給されることで前記酸化還元材料が還元
    され、この酸化還元材料の結晶構造が変化することを特
    徴とする、光反応性部材。
  2. 【請求項2】 前記酸化還元材料がエレクトロクロミッ
    ク材料であることを特徴とする、請求項1記載の部材。
  3. 【請求項3】 前記酸化還元材料が、前記還元時にタン
    グステンブロンズ構造の結晶構造をとる酸化物半導体で
    あることを特徴とする、請求項1記載の部材。
  4. 【請求項4】 基体と、この基体上に設けられた前記酸
    化還元材料からなる電子貯蔵層と、前記基体上に設けら
    れた前記光励起半導体からなる半導体層とを備えている
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求
    項に記載の部材。
  5. 【請求項5】 基体と、この基体上に設けられた前記酸
    化還元材料からなる電子貯蔵層と、この電子貯蔵層上に
    設けられた、前記光励起半導体からなる多孔質の半導体
    層とを備えていることを特徴とする、請求項1〜3のい
    ずれか一つの請求項に記載の部材。
  6. 【請求項6】 前記エレクトロクロミック材料からなる
    粉末と前記光励起半導体からなる粉末との成形体を備え
    ることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請
    求項に記載の部材。
  7. 【請求項7】 陽イオン伝導体を含有することを特徴と
    する、請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の部
    材。
  8. 【請求項8】 前記陽イオン伝導体が実質的に水に不溶
    性であることを特徴とする、請求項7記載の部材。
  9. 【請求項9】 気相中で使用されることを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか一つの請求項に記載の部材。
  10. 【請求項10】 光照射時に前記酸化還元材料の可視光
    反射率が変化することを特徴とする、請求項1〜9のい
    ずれか一つの請求項に記載の部材。
  11. 【請求項11】 光強度に応じた前記酸化還元材料の物
    性の変化から前記光強度を検知することを特徴とする、
    請求項1〜10のいずれか一つの請求項に記載の部材。
  12. 【請求項12】 湿度に応じた前記酸化還元材料の物性
    の変化から前記湿度を検知することを特徴とする、請求
    項1〜11のいずれか一つの請求項に記載の部材。
  13. 【請求項13】 光透過性物質からなる本体と、前記本
    体と一体化された、請求項1〜12のいずれか一つの請
    求項に記載の光反応性部材を備えていることを特徴とす
    る、光透過性部材。
  14. 【請求項14】 窓であることを特徴とする、請求項1
    3記載の光透過性部材。
  15. 【請求項15】 請求項1〜12のいずれか一つの請求
    項に記載の光反応性部材を備えていることを特徴とす
    る、装飾品。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008223086A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 National Institute For Materials Science 光カソード防食コーティング構造とその製造方法
US9500926B2 (en) 2013-03-14 2016-11-22 Ricoh Company, Ltd. Electrochromic display element and image display device
JP2017039218A (ja) * 2015-08-17 2017-02-23 学校法人東京理科大学 積層体及び積層体の製造方法
WO2022153995A1 (ja) * 2021-01-14 2022-07-21 長野県 酸化還元反応により導電性を示す下地導電層用材料並びにそれを用いた製造プロセス、デバイス、めっき品、めっき品の製造方法及びコーティング液

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