JP2002279575A - 状態変化の監視システム - Google Patents

状態変化の監視システム

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JP2002279575A
JP2002279575A JP2001083101A JP2001083101A JP2002279575A JP 2002279575 A JP2002279575 A JP 2002279575A JP 2001083101 A JP2001083101 A JP 2001083101A JP 2001083101 A JP2001083101 A JP 2001083101A JP 2002279575 A JP2002279575 A JP 2002279575A
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change
bending
water level
detecting
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JP2001083101A
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Takeshi Kawamura
武司 川村
Takashi Fujieda
敬史 藤枝
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Sumitomo Electric Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸水による水位レベルのような状態変化を光
ファイバ中の後方散乱光の伝送損失分布の変化により多
点位置のそれぞれで検出し、かつ光ファイバの系の故障
時に信頼性を失わない監視システムを得る。 【解決手段】 処理装置1、1’から光ファイバ3、
3’へ入射されたパルス光の後方散乱光の伝送損失分布
を測定し、光ファイバ3、3’に沿って多点位置に設け
られる多数のセンサ4による曲げ損失の増加で多点位置
のいずれかで水位レベルのような状態変化が生じたこと
を検出し、かつ光ファイバ3、3’の2つの系、処理装
置1、1’を備え、光ファイバ3、3’の2つの系は各
センサ4にそれぞれ2重に挿通され、一方の系が故障し
ても他方の系で検出、監視ができ、信頼性のある監視シ
ステムとして構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、監視すべき水位
等の状態に変化が生じたかを多地点で監視し得る状態変
化の監視システムに関する。
【0002】
【従来の技術】監視すべき水位等の監視対象として、例
えば大都市中心部に開発された大規模地下街などに分散
して設けられている出入口から集中豪雨による雨水が流
入することが予測され、局所的に一時的に急激な浸水が
生じた場合の異常水位の監視が必要とされている。水位
の監視は、この他にも大河川の豪雨時の増水変化の監視
など種々の監視対象があり得る。又、監視対象には水位
のような状態量の他に、例えば温度、圧力、電圧、磁場
など種々の状態量があり、それぞれの状態が多地点のい
ずれか又はそのいくつかの地点で異常状態などの変化を
生じた場合、各監視対象の特性に対応した対策が必要と
なる。
【0003】上述した浸水時の異常水位の発生の有無を
検出するシステムとして、光ファイバの損失分布を測定
するOTDR(Optical Time Domain Reflectmeter)シ
ステムにおいて、光ファイバの途中に所定水位を超えた
ことをフロートの変化により検出し、その動きを伝達し
て光ファイバに曲げ変位を与え、光ファイバの損失変化
を生じさせる水位検出センサを複数箇所設け、多地点で
異常水位が発生したことを検出するシステムが一般に知
られている。OTDRは、周知のように、後方散乱光の
強度分布から光ファイバの伝送損失の分布を測定する測
定装置である。
【0004】この測定装置において、光ファイバ中にパ
ルス光を入射すると、光ファイバ媒質中で散乱光が発生
し、この散乱光のうち入射端側へ戻って来る後方散乱光
の強度を時間的にサンプリングすると、サンプリングの
遅れ時間が後方散乱光の発生した箇所までの距離に対応
し、その強度の変化が発生箇所までの光ファイバ伝送損
失に比例することを利用して光ファイバの伝送損失分布
を知ることができるというものである。
【0005】水位以外の状態変化として、気体や液体な
どの流体の圧力の異常を多地点で検出したい場合があ
る。その一例として特開平8−219916号に開示さ
れた「圧力検知システム」が公知である。このシステム
でもOTDRシステムが用いられており、被検知流体の
圧力で伸縮するベローズと基準流体の圧力で伸縮するベ
ローズの両者を連結部材で連結し、ベローズの伸縮で移
動する連結部材の動きを光ファイバに応力を付与する応
力付与部に伝達し、被検知流体の圧力の異常発生の有無
をOTDRで監視するというものである。
【0006】上記特許公報と同様な流体の圧力異常を多
地点で検出する技術について特開平10−48084号
公報により「光損失付与構造」が開示されている。この
公報による圧力異常の検出もOTDRシステムが用いら
れ、ベローズの動きを変換して光ファイバに応力を付与
する機構が採用され、光ファイバに対しては張力付加部
を設け、光ファイバが曲げられた際に同一事象に対し常
に安定した曲率・曲げ長さを与えて損失変化の変動幅を
小さくし、再現性のよい圧力検出が出来るようにしたも
のである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したフ
ロート式又はベローズ式の検出手段を用いて水位又は圧
力変化を検出するシステムでは、各検出手段での水位又
は圧力の変化の検出を正確に行なえるようにする工夫を
行っているが、それぞれのシステムに使用される光ファ
イバの経路は1つであり、その光ファイバ経路に故障が
生じた場合などで測定系全体の信頼性をどのようにして
確保するかについては全く説明されていない。
【0008】一般に信号を伝送する系では、系の作動の
信頼性を確保する方法として、系の2重化が行なわれ
る。2つの系の一方が故障しても他方の系により正確な
情報を得て信頼性を確保できるようにしている。上記シ
ステムにこのような一般的な2重変化の手法を適用しよ
うとすると、監視装置やセンサ部も完全に2重化するこ
とになり、コストが2倍になるという問題がある。コス
トをかけずに系を構成しようとすると信頼性や精度が低
下する。
【0009】完全2重化でなく光ファイバ系は1つと
し、その両端に監視装置を設け、1つの光ファイバ系に
多点位置に設けた複数の検出器によって検出するシステ
ムが考えられる。しかし、このようなシステムでは、監
視装置からパルス光を同時に射出すると、OTDRを前
提とする監視システムは測定、検出が不可能である。こ
のような監視システムでは、微弱な後方散乱光が出射端
へ戻る光を測定することにより検出を行なう原理上、そ
の微弱光に強い光が重なると測定ができないからであ
る。従って、系の信頼性を向上させるためには光ファイ
バ系、監視装置はそれぞれ2重化しなければならない。
【0010】この発明は、上記の問題に留意して、状態
変化の監視をパルス光を光ファイバに入射しその後方散
乱光の伝送損失分布から測定し、多点位置の検出器によ
る検出信号により行なうシステムを、2重光ファイバ系
により信頼性を高め、その際検出器については2重に設
置せずにコストを安価にし得るシステムとした監視シス
テムを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の課題
を解決する手段として、パルス光が入射される光ファイ
バと、光ファイバに沿って複数箇所で水位変化のような
状態変化に応動し光ファイバに局所曲げを付与して状態
変化を検出する複数組の検出器と、光ファイバで生じる
後方散乱光をファイバ入射端で受光して測定される伝送
損失分布の上記曲げ損失による変化を検出して状態位置
を特定する処理回路とを備え、上記光ファイバを布設経
路に沿って2重に布設し、この2重の光ファイバの一方
の端と他方の光ファイバの他端にそれぞれ上記処理回路
を設け、検出器のそれぞれに2重の光ファイバを挿通し
て成る状態変化の監視システムとしたのである。
【0012】上記の構成としたこの発明の監視システム
では、水位変化のような状態変化が信頼性の高い情報と
して検出され、監視される。光ファイバは多点位置に亘
り並列に2重の系として設けられており、それぞれの系
の互いに反対側端に設けた処理回路からパルス光が、任
意のタイミングで並行してそれぞれの光ファイバに入射
され、検出器で多点位置のそれぞれの状態変化が検出さ
れ、監視される。
【0013】光ファイバの系のいずれかに故障が生じた
状態で、多点位置のいずれかに状態変化が生じた際に、
故障した系では故障した位置より遠方側で状態変化が生
じたとしてもその遠方側の状態変化は検出器で検出する
ことができないが、同じ位置の検出器を通る他の系によ
り同じ位置あるいは故障位置より遠方側の状態変化を検
出することができる。このため信頼性を確保した検出、
監視が行なわれることとなる。
【0014】上記のように監視する方法として、パルス
光を光ファイバ内に入射させ、光ファイバに沿った複数
箇所で水位変化のような状態変化を光ファイバに局所的
な曲げを付与して伝送損失分布の局所的な変化により検
出する際に、互いに並列に2重に設けられた光ファイバ
の系のそれぞれ反対側端からパルス光を入射し、光ファ
イバの2重の系が挿通された検出器で同一位置で2重に
状態変化を検出し、監視するようにした状態変化の監視
方法とすることができる。
【0015】上記システム及び方法に用いられる検出器
については、光ファイバに対し局所曲げを付与する曲げ
付与手段と、状態変化を検出する検出部と、検出部の検
出動作を曲げ付与手段に伝達する連結部材とから成る検
出手段とすることができる。この検出器の構成について
は、系の信頼性の問題とは別に、水位又は圧力のような
状態変化を検出する手段と光ファイバに曲げを付与する
曲げ付与機構を同一筐体内に設置することも考えられる
が、そうすると状態変化の検出手段が形式、サイズ、形
状等について変わると、筐体の全てを見直しする必要が
生じ、経済性の点で好ましくないという問題が生じる。
そこで、上記の検出器は、状態変化検出手段と曲げ付与
機構とは別体構造としている。
【0016】
【実施の形態】以下、この発明の実施の形態について図
面を参照して説明する。図1は実施形態の監視システム
の全体概略系統図を示す。図示の例は水位変化を検出
し、例えば大都市の地下街が集中豪雨で浸水した場合の
浸水状況を監視するシステムとして設置されるものであ
る。1、1’はOTDR(Optical Time Domain Reflec
tmeter:時間領域後方散乱光測定装置)を含む処理装
置、2、2’は表示装置、3、3’は光ファイバ、4
(41 〜415)はそれぞれセンサボックスに設けられる
センサである。
【0017】この実施形態では、監視システムの信頼性
を確保するため光ファイバは3、3’の2つの系を互い
に並行に布設し、処理装置も1、1’の2つを設けてい
るが、多数のセンサ4は2重に設けずに、2つの光ファ
イバの系を各センサ4に2重に挿通させる。
【0018】処理装置1、1’は、一方の処理装置1を
光ファイバ3の系の一端に設け、他方の処理装置1’は
もう1つの光ファイバ3’の系の他端に、即ち1と1’
を互いに反対側端となる位置に設けてそれぞれ接続され
ている。処理装置1、1’、及び光ファイバ3、3’の
それぞれは全く同じ装置、系であるから以下では特に説
明する必要がある場合以外は、一方の処理装置1、光フ
ァイバ3について説明する。処理装置1は、詳細は図示
していないが、光源のレーザからパルス光を出射し、光
ファイバ媒質中で散乱する後方散乱光が入射端側へ戻る
とこれを受光してその伝送損失の分布を測定するOTD
R機能だけでなく、次のような処理機能を備えている。
【0019】即ち、その処理回路には多点位置に設けた
センサボックス内で水位変化という状態変化を検出する
センサ4(41 〜415)による検出信号を受光処理して
各多点位置での水位変化を伝送損失の変化から検出する
機能を有する。この場合、センサ4は後で説明するよう
に、同一地点であっても状態変化の複数状態(図示の例
では2つ)を検出するため少なくとも2以上のセンサ4
が光ファイバ経路に挿置され、それぞれのセンサ4によ
る状態変化の検出信号を区別するため互いに一定距離を
置いて経路上に設けられるため、これらの検出信号は同
一地点での異なる状態を表す信号として区別して処理が
行なわれる。
【0020】図2、図3にセンサボックス内に設けられ
るセンサ4(41 〜415)の構成の概略を示す。なお、
センサ4に対して光ファイバ3、3’はそれぞれ2重に
挿通されているが、分り易く表示するため一方の経路を
代表させ、他方の経路は副次的に示している。光ファイ
バ3、3’中でのパルス光の進む方向は互いに反対方向
である。
【0021】図示のように、センサ4はセンサ部4aと
フロート部4bとを備え、センサ部4aはセンサボック
ス41内で光ファイバに局部曲げを付与するように設け
た左右1対の曲げ付与手段42L、42Rから成り、異
なる水位レベル(警報、警告)を検出する2つのフロー
ト部4bのそれぞれにフロート部の動作伝達手段である
連結部材43で連結されている。曲げ付与手段42L、
42Rは、上面に凹部を形成した受部材45と連結部材
43の先端の突子43aを対向配置し、受部材45と突
子43aとの間に挿通された光ファイバ部分3L、3R
を、突子43aで押圧することにより局部的な曲げを付
与するように構成されている。
【0022】連結部材43は、フレキシブルな保護材の
中を挿通されているフレキシブルな芯材の一端がフロー
ト部4bのフロートに接続され、他端は保護材の端を、
曲げ解除手段であるレバー手段44の左右一対のレバー
44L、44Rに係止された状態で、その端から突出し
て設けられている突子43aを備えている。各連結部材
43の保護材端の金具43bはレバー44L、44Rに
形成されている長穴に位置調整自在に嵌合され、ナット
で長穴の所定長さ位置に係止される。この係止される位
置は左右のレバー44L、44Rで異なっている。これ
については後で説明する。レバー手段44は、ボックス
41に支持された回転軸44xの回りに回転自在に保持
されている。
【0023】曲げ付与手段42L、42Rに挿通されて
いる光ファイバ部分3L、3Rは、光ファイバ3をその
経路からセンサボックス41内に引き入れた後融着トレ
イ46に設けたドラム46aに巻付けて右、左のループ
経路へ至るように布設されている。この光ファイバ部分
3L、3Rがドラム46aに巻かれる順路を図3に示
す。図示のように、光ファイバ3がセンサボックス41
内へ引き入れられた後ドラム46aの一側の溝に巻か
れ、その後右側ループの光ファイバ部分3Rに至り、そ
のループ端はドラム中央の溝に巻かれた後左側ループの
光ファイバ部分3Lに至り、その端がドラム他側の溝に
巻かれた後センサボックス41から出て光ファイバ3の
経路へと接続されている。
【0024】ループ状の光ファイバ部分3L、3Rはド
ラム側経路の途中を固定具3F、3Fでそれぞれ固定さ
れ、ループ外側の経路途中には錘り3G、3Gがそれぞ
れ設けられており、光ファイバ部分3L、3Rがその局
部位置を突子43a、43aで押圧された時、錘りを付
設されている側が上記押圧により位置が変動する動作を
吸収できるように光ファイバにはゆとりが設けられてい
る。なお、突子43a、43aの曲率を決めているのは
曲げ損失が常に一定になるようにするためである。又、
光ファイバ部分3L、3Rを途中でドラム46aに巻き
付けているのは左右の曲げ付与手段42L、42Rによ
る損失発生位置を場所的には同一位置であっても光ファ
イバ経路上では一定距離を置くことにより検出位置を明
確に区別できるようにするためである。
【0025】図2に示すセンサ4の2つのフロート部4
b、4bはそれぞれ全く同一構成のものであり、一方が
水位レベルについて警報レベル、他方が警告レベルに対
応する高さ位置に取付けられている。従って、フロート
部4bのそれぞれは低い水位レベルから順番に作動す
る。警報レベルは浸水が始まったことを知らせる高さ、
警告レベルは浸水レベルが危険高さまで迫って来ている
ことを知らせる高さを示している。
【0026】フロート部4bは、ボックス50内にフロ
ート47がチェーン48により吊り下げられて設置さ
れ、このフロート47の上端にはベローズ49を介して
連結部材43の芯材が連結されている。43cは取付金
具である。ボックス50の下底板51には多数の小孔が
設けられ、浸水した水をボックス内に受入れ、この浸水
によりフロート47が上昇すると、その動作が連結部材
43の芯材を介して曲げ付与手段42L、42Rへ伝達
される。ボックス内で浸水レベルが上昇するとボックス
内空気を排出するためボックス上面には空気孔4pが複
数箇所設けられている。
【0027】上記の構成とした実施形態の監視システム
は、大規模地下街が浸水した際に多地点で水位の変化を
監視することができる。大規模地下街は、広い範囲に亘
って開発され、種々の地理的、地形的要因によりあるエ
リアは幅が広く、隣りのエリアは急に狭くなっていた
り、又隣接するエリア毎に地下深さが段差になっていた
りと、その形態は千差万別である。従って、集中豪雨で
あるエリアが浸水してもその隣接するエリアには遅れて
浸水が起る、あるいは途中のシャッタで仕切られて浸水
は生じなかったりする。
【0028】このように、種々のエリアに亘る地下街の
いずれの地点が浸水するかは予想できないが、浸水地点
では時間の経過と共に水位が刻々と上昇する場合があ
る。このような地下街の全エリアに図1の光ファイバ
3、3’を布設し、多数の地点にセンサ4(41
15)を設置すると、浸水地点では水位の上昇に伴って
警報レベル、あるいは警告レベルのような複数レベルの
水位変化を検出し、警報を鳴らすなどの監視を行なうこ
とができる。
【0029】このような監視作業をする場合、処理装置
1、1’から一定の時間間隔でパルス光が光ファイバ
3、3’へ入射され、その光が光ファイバ3、3’中を
進む間にラマン散乱光を生じ、そのうちの後方散乱光は
光ファイバ3、3’内で入射端へ戻り、処理装置1、
1’のOTDRで受光され、その伝送損失はパルス光の
強度に対応して距離と共に減衰する。この伝送損失分布
の測定には、一般にラマン散乱光のうちの1次ストーク
ス光が利用され、これは距離と共に直線的に変化する。
なお、作用の説明も光ファイバ3、3’のそれぞれの経
路で全く同じであるから、以下では一方の光ファイバ3
の経路について説明する。
【0030】上記のような基準の伝送損失分布は、布設
される光ファイバ3の長さが決まれば既知のものとして
設定できる。そして、光ファイバ3の経路の途中に設け
られたセンサ4のいずれかが水位の上昇により作動する
と、その曲げ損失分だけ伝送損失が大きくなり、減衰線
がその位置で局部的に変化する。各センサ4(41 〜4
15)の設置位置は予め分っているから、伝送損失分布の
変化を調べれば、どの位置のセンサが作動したかを検出
することができ、作動したセンサを特定できれば、どの
地点で浸水が生じているかを知ることができる。
【0031】以上がこの実施形態の監視システムによる
水位変化の監視を行なう基本思想である。そして、この
実施形態ではさらに同一地点での水位変化の状態を少な
くとも2つの水位レベルで検知することができ、かつそ
の際の伝送損失を最小限に抑えることができる。上記少
なくとも2つの水位レベルの検出は、このシステムの特
徴である解除機能付きのセンサ4により行なわれる。
【0032】浸水が始まり水位レベルが図2の警報レベ
ルを検出するフロート部4b(図の右側)でフロート4
7を押し上げる高さになると、フロート47の浮力によ
る上向きの力が連結部材43を介して右側の曲げ付与手
段42Rへ伝達され、これに挿通されている光ファイバ
部分3Rに曲げを付与する。このため、光ファイバ部分
3Rは曲げ損失が増加し、その変化を処理装置1で検出
して作動したセンサ4の位置を特定し、その位置で浸水
が始まったことを検出することができる。
【0033】浸水による水位が上昇して警告レベルにな
ると、図2の左側のフロート部4bが作動し、そのフロ
ート47による上向きの力は連結部材43を介して左側
の曲げ付与手段42Lへ伝達され、これに挿通されてい
る光ファイバ部分3Lに曲げを付与する。このとき、右
側のフロート部4bは既に完全に水中に没した状態であ
り、そのフロート47による上向きの力も曲げ付与手段
42Rへ伝達されたままである。従って、右と左のフロ
ート部4b、4bによる上向きの力が同時に右と左の曲
げ付与手段42R、42Lへ伝達される。
【0034】しかし、右と左の連結手段43、43の上
端はレバー手段44の右と左のレバー44R、44Lに
対して回転軸44xの中心からの距離が、右側が短く左
側が長くなる位置とされているため、レバー手段44に
対する回転トルクの大きさが異なり、左側の曲げ付与手
段42Lの方が大きい。このため、回転トルクの差で左
側のレバー44Lは押し下げられ、右側のレバー44R
は押し上げられるから、これにより曲げ付与手段42R
による曲げ作用は解除される。従って、光ファイバ部分
3Lのみが曲げ損失を生じ、3Rの曲げ損失が重ねて生
じることはなく、光ファイバ3の経路における曲げ損失
が軽減される。
【0035】なお、前述したように、右側と左側の曲げ
付与手段42Rと42L間の光ファイバ部分3R、3L
は一定距離を置いて設けられているため、同一場所であ
ってもその一定距離異なる光ファイバ経路位置を特定し
易く、それぞれのセンサの位置を区別し、かつ警告レベ
ルという異なる水位状態が生じたことが的確に検出され
ることとなる。
【0036】上記の実施形態では、状態変化の一態様と
して水位を対象とし、水位変化を検出する検出部として
フロート部を用いる事例について説明したが、状態変化
の態様は水位だけでなく温度や圧力、その他電界、磁界
など種々の態様のものが対象となり得る。それぞれの態
様では検出部の構成をフロート部に代えて各態様に適合
する検出部構成(例えばベローズなど)でその検出動作
を連結部材を介して曲げ付与手段に曲げ作用を伝達でき
るものであればよい。
【0037】又、曲げ付与手段の曲げ作用を解除する曲
げ解除手段として2つのレバーを有するレバー手段を示
したが、このレバー手段は2つのレバーでなく2以上の
レバーが連結されたものとしてもよい。従って、この場
合はフロート部による検出部も2以上の複数のものがそ
れぞれ設けられることになる。複数のレバーはレバー手
段44の回転軸44x上に並列に設け、その作動角度が
互いに少しずつ異なる位相角度となるようにし、それぞ
れ先に作動した曲げ付与手段の曲げ作用を後の曲げ付与
手段を作動させると共に解除できるようにすればよい。
【0038】上記説明では、各センサ4に対して光ファ
イバ3、3’を2重に挿通させたその一方に光ファイバ
3の経路について説明したが、光ファイバ3’の経路も
全く同じであり、それぞれの経路が同一のセンサ4に2
重に挿通されて、処理装置1、1’による検出、監視が
常時並行して行なわれているため、一方の経路による検
出、監視が事故、故障等により不可能になった場合で
も、故障等の発生地点より遠方側について他方の経路に
よる検出、監視が可能である。又、一方の経路による監
視等が故障などによりできなくなっても、他方の経路に
よる監視等を継続することができる。
【0039】さらに、上記実施形態ではセンサ4は複数
状態の変化を検出し得る2つ又は2つ以上のセンサ部4
a、フロート部4bを有する例について説明したが、こ
の発明の光ファイバの2重化システムを実施する基本構
成としては、センサ4は最小限1組のセンサ部4a、フ
ロート部4bとしてもよいことは説明するまでもない。
【0040】又、上記実施形態では状態変化を検出する
検出器の構成を、曲げ付与手段と、状態変化を検出する
検出部(フロート部)と、検出部の検出動作を曲げ付与
手段に伝達する連結部材とから成るものとし、少なくと
も検出部を検出器の筐体と別体としたから、検出部が変
わっても筐体部分とは独立に取替え等の処理ができ、経
済コストの点で安価となる。
【0041】さらに、状態変化検出部の設置場所、検出
対象による制約が少なくなる。例えば、状態検出部は比
較的環境条件が悪い場所(例えば水位のレベル検出では
水没する)に設置されることが多く、長期間の設置では
保守が必要となり、場合によっては交換が必要となる場
合もある。このような場合に、悪い部分のみを交換する
だけで対応でき、従って保守管理費の観点での経済性が
良いという利点がある。又、他の扉の開閉監視やハンド
ホール、マンホールといった蓋の開閉監視についても、
同じ曲げ付与手段を使用することができ、装置の種類を
低減し、製造コストを低減できるという利点もある。
又、環境の悪い場所から光ケーブルを遠ざけることも可
能となり、全体システムの信頼性を高くすることも可能
となる。
【0042】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、この発明
の監視システムは、光ファイバに局所曲げを付与して状
態変化を多点位置で検出する複数の検出器と、その曲げ
による伝送損失分布の変化から状態変化位置を検出する
処理回路とを備え、光ファイバは並列に2つの系とし、
各系の光ファイバの互いに反対側端に処理回路を接続
し、各系の光ファイバを複数の検出器にそれぞれ2重に
挿通させたから、システムを完全な2重系でなく検出器
については2重の光ファイバの系に対しそれぞれ1組の
ものを多点位置に設けるだけで完全2重系と同様な信頼
性のある検出、監視が可能となり、コストを大幅に抑え
ることができるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の監視システムの全体概略系統図
【図2】センサの概略構成図
【図3】センサ内の光ファイバ部分の構成図
【図4】センサ作動時の伝送損失分布図
【符号の説明】
1、1’ 処理装置 2、2’ 表示装置 3、3’ 光ファイバ 4 センサ 4a センサ部 4b フロート部 42L、42R 曲げ付与手段 43 連結部材 43a 突子 44 レバー手段 45 受け部材 46a ドラム 47 フロート

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス光が入射される光ファイバと、光
    ファイバに沿って複数箇所で水位変化のような状態変化
    に応動し光ファイバに局所曲げを付与して状態変化を検
    出する複数組の検出器と、光ファイバで生じる後方散乱
    光をファイバ入射端で受光して測定される伝送損失分布
    の上記曲げ損失による変化を検出して状態位置を特定す
    る処理回路とを備え、上記光ファイバを布設経路に沿っ
    て2重に布設し、この2重の光ファイバの一方の端と他
    方の光ファイバの他端にそれぞれ上記処理回路を設け、
    検出器のそれぞれに2重の光ファイバを挿通して成る状
    態変化の監視システム。
  2. 【請求項2】 前記検出器を、光ファイバに対し局所曲
    げを付与する曲げ付与手段と、状態変化を検出する検出
    部と、検出部の検出動作を曲げ付与手段に伝達する連結
    部材とから成る検出手段としたことを特徴とする請求項
    1に記載の状態変化の監視システム。
  3. 【請求項3】 パルス光を光ファイバ内に入射させ、光
    ファイバに沿った複数箇所で水位変化のような状態変化
    を光ファイバに局所的な曲げを付与して伝送損失分布の
    局所的な変化により検出する際に、互いに並列に2重に
    設けられた光ファイバの系のそれぞれ反対側端からパル
    ス光を入射し、光ファイバの2重の系が挿通された検出
    器で同一位置で2重に状態変化を検出し、監視できるよ
    うにした状態変化の監視方法。
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