JP2002276087A - 太陽電池付き屋根材及び屋根葺き構造 - Google Patents

太陽電池付き屋根材及び屋根葺き構造

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JP2002276087A
JP2002276087A JP2001080757A JP2001080757A JP2002276087A JP 2002276087 A JP2002276087 A JP 2002276087A JP 2001080757 A JP2001080757 A JP 2001080757A JP 2001080757 A JP2001080757 A JP 2001080757A JP 2002276087 A JP2002276087 A JP 2002276087A
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roof
solar cell
roofing
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Toshihito Miyama
稔人 御山
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Sekisui Chemical Co Ltd
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  • Roof Covering Using Slabs Or Stiff Sheets (AREA)
  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 屋根下地材の上の一部分に太陽電池付き屋根
材を葺き、他の部分に一般の屋根材を葺いても意匠的に
統一性があり、違和感のない外観を呈する太陽電池付き
屋根材を提供する。 【解決手段】 太陽電池付き屋根材は屋根材基材4と、
この屋根材基材4の表面の上に取り付けた太陽電池5と
からなる。そして、この太陽電池5の周囲に屋根材基材
4の一部が現れている。この太陽電池5の周囲に現れて
いる屋根材基材4の表面が一般の屋根材と略同じ色にな
っている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は太陽電池付き屋根材
とこの太陽電池付き屋根材を屋根下地材の上に葺いた屋
根葺き構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、太陽電池付き屋根材としては種々
な構造のものが知られている。例えば、特開2000−
114578号公報には、金属板材の表面全体に太陽電
池を設置し、この金属板材の裏面に樹脂発泡体の板状体
を取り付けた太陽電池屋根材について記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記公報記載
の太陽電池付き屋根材だけで屋根全体を葺くと、全体が
統一されていて、それほど外観が悪くならないが、通
常、発電量の関係や日当たりの悪い部分等の関係で、屋
根下地材の上の一部分に太陽電池付き屋根材を葺き、他
の部分に一般の屋根材を葺くというように両者を隣接配
置させて葺くことがよく行われている。そして、このよ
うに屋根下地材の上に両者を隣接配置させて葺くと、意
匠的に統一性がなく、違和感のある外観を呈するという
問題がある。
【0004】更に、上記太陽電池付き屋根材は、金属板
材の表面全体に太陽電池が設置されているために、表面
には太陽電池のみが現れている。従って、この太陽電池
付き屋根材を葺いたり補修するとき、あるいは、屋根の
上にアンテナ等を取り付けるとき等には、この太陽電池
の上に人が載る必要があるが、このように太陽電池の上
に人が載ると、太陽電池が撓んで破壊し易いという問題
がある。
【0005】そこで、金属板材の一部に太陽電池を取り
付け、この太陽電池の取り付けてない部分を表面に現し
て、この部分に人が載れるようにしたところ、太陽電池
付き屋根材を葺いたり、補修し易くなるし、アンテナ等
も取り付け易くなり、極めて便利になったが、一般の屋
根材に隣接配置させて葺いたとき、上記公報記載の太陽
電池付き屋根材と同様に、意匠的に統一性がなく、違和
感のある外観を呈した。
【0006】更に、太陽電池付き屋根材を一般の屋根材
に隣接配置させて葺き、長年月経過すると、太陽電池の
取り付けられてない部分の表面の色が変化し、一般の屋
根材と太陽電池付き屋根材との差が大きくなり、違和感
が拡大して、悪い外観になった。そこで、この発明の目
的は屋根下地材の上の一部分に太陽電池付き屋根材を葺
き、他の部分に一般の屋根材を葺いても、意匠的に統一
性があり、違和感のない外観を呈する太陽電池付き屋根
材と、この太陽電池付き屋根材と一般の屋根材とを葺い
た屋根葺き構造を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するためになしたものであって、請求項1記載の発明
は、一般の屋根材に隣接配置させる太陽電池付き屋根材
であって、前記太陽電池付き屋根材は、屋根材基材と、
この屋根材基材の表面の上に取り付けられた太陽電池と
からなり、この太陽電池の周囲には、屋根材基材の一部
が現れていて、この太陽電池の周囲に現れている屋根材
基材の表面が前記一般の屋根材の表面と略同一の色にな
されている太陽電池付き屋根材を特徴とするものであ
る。
【0008】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明に係り、前記屋根材基材は、太陽電池付き屋根材と一
般の屋根材とをJIS−K−5400の促進耐候試験に
6000時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れている
屋根材基材の表面と一般の屋根材の表面とを色差計で測
定したときに、L*a*b*表色系におけるL*a*b
*値が3以下の色差(ΔE1)に収まる色になされてい
る太陽電池付き屋根材を特徴とするものである。
【0009】請求項3記載の発明は、請求項1記載の発
明に係り、前記屋根材基材は、太陽電池付き屋根材を促
進耐候試験にかける前と、太陽電池付き屋根材をJIS
−K−5400の促進耐候試験に6000時間かけた後
に、太陽電池の周囲に現れている屋根材基材の表面を色
差計で測定したときに、L*a*b*表色系におけるL
*a*b*値が、5以下の色差(ΔE2)に収まる色に
なされているものである。
【0010】請求項4記載の発明は、屋根下地材の上の
一部分に請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池付き
屋根材が葺かれ、その他の部分に一般の屋根材が葺かれ
ている屋根葺き構造を特徴とするものである。
【0011】本発明の太陽電池付き屋根材は、太陽電池
付き屋根材を屋根下地材の上の一部分に葺き、その他の
部分に一般の屋根材を葺くというように、一般の屋根材
に隣接配置させて葺くものであるが、一般の屋根材に隣
接させずに、屋根下地材の上の全体をこの太陽電池付き
屋根材だけで葺いてもよい。尚、この一般の屋根材と一
緒に葺く場合には、この太陽電池付き屋根材の外側に現
れる形状を従来の屋根材と略同じ形状にするか、一般の
屋根材の複数枚を結合させた形状にすると、葺き易い
し、全体が略同じ屋根材で葺いた状態に見えて美麗にな
り好ましい。
【0012】本発明に使用する屋根材基材は、陶磁器や
セメント等の無機質材料や合成樹脂等の有機質材料や鋼
板等の金属板材等の材料を屋根材の形状に成形したもの
である。本発明に使用する屋根材基材の好適なものとし
ては、金属板材製の屋根材基材や、着色セメント製の屋
根材基材や、着色コンクリート製の屋根材基材や、着色
繊維強化セメント製の屋根材基材等がある。特に、金属
板材が割れ難く耐候性に優れているし、プレス等で屋根
材基材に製造し易いので好ましい。
【0013】屋根材基材に使用される金属板材としては
鋼板、ステンレス板、ガルタイトやガルバニウム等の亜
鉛−アルミニウムメッキ鋼板、アルミニウムメッキ鋼
板、亜鉛メッキ鋼板、塩化ビニル被覆鋼板、アルミニウ
ム板、アルミニウム合金板、銅板等が好適である。そし
て、この金属板材を屋根材基材とするときには、金属板
材が薄いと曲がり易いし、この上に人が載ると撓み易い
ので、この金属板材の裏にバックアップ材を取り付ける
とよい。
【0014】この際に使用するバックアップ材の形状や
材質は適宜でよいが、このバックアップ材が重いと太陽
電池付き屋根材が重くなり、屋根を支持する構造材の負
担が大きくなるので、軽い方が好ましい。又、遮音性や
断熱性に優れている材料が、雨水が太陽電池付き屋根材
の上に落下する音等が聞こえ難くなり屋根の下にある居
室が静かになるし、太陽に照射されて熱くなったり、冬
の夜間等で冷やされたときに、この熱を遮断する等し
て、下方の居室に対する屋根の熱の影響を少なくするこ
とができ、建物の居住性がよくなるので、バックアップ
材は軽く、遮音性や断熱性のよい材質や形状が好まし
い。
【0015】この軽く、遮音性や断熱性のよい材質とし
ては、合成樹脂発泡体が好ましい。この合成樹脂発泡体
としては、ポリウレタン樹脂発泡体、ポリスチレン樹脂
発泡体、ポリエチレン樹脂発泡体、ポリプロピレン樹脂
発泡体、アクリロニトリル樹脂発泡体、PPO(ポリフ
ェニレンオキサイド)樹脂発泡体、PET(ポリエチレ
ンテレフタレート)樹脂発泡体、無水マレイン酸共重合
体樹脂発泡体、アクリロニトリル−スチレン共重合体樹
脂発泡体等の発泡体を挙げることができる。
【0016】又、この樹脂発泡体の中に塩素系、臭素
系、金属水和物系、燐系、シリコーン系等の難燃剤を添
加したものであってもよい。又、軽く、且つ、遮音性や
断熱性のよい形状としては、バックアップ材の下面に複
数のリブを設け、この複数のリブの凸部が屋根下地材に
接するような形状にすると、この複数のリブの間に隙間
が生じて、軽くなるし、遮音性や断熱性がよくなるの
で、かかる形状が好ましい。
【0017】このバックアップ材は、これを金属板材の
裏面に取り付けて使用するが、この取付方法としては、
適宜でよい。例えば、屋根材本体でバックアップ材を包
むようにして取り付けてもよいし、屋根材本体の裏面に
バックアップ材を接着剤で接着してもよいし、両面粘着
テープで接着させてもよいし、ビス等の固定部材で取り
付けてもよい。
【0018】又、バックアップ材と屋根材本体との間に
遮音シートを設けると、遮音性が向上し、屋根材本体の
上に落下する雨音等の音が小さくなるので好ましい。か
かる遮音シートとしては、ポリエチレン発泡体のシート
がある。そして、本発明においては、この屋根材基材の
表面の上に太陽電池が取り付けられているが、この太陽
電池の取付方法は、屋根材基材の表面の一部に平坦な部
分があると、この平坦な部分の上に取り付けてもよい
し、屋根材基材の表面に太陽電池と略同じ大きさの凹窪
部を設け、この凹窪部の中に納めて取り付けてもよい。
【0019】この凹窪部を設ける場合には、太陽電池に
は端子ボックスやリード線等が取り付けられているの
で、凹窪部の形状をかかる端子ボックスやリード線を収
納する形状にするとよい。更に、端子ボックスから外部
へ電力を取り出すケーブルもあるので、このケーブルを
挿入可能な形状にするとよい。そして、この金属板材と
太陽電池とは移動しないように固定することが望まし
い、この固定方法は接着剤や粘着剤で接着してもよい
し、固定金具で固定してもよいし、又、この両者を併用
してもよい。特に、固定金具で固定する方法が耐久性の
高い取り付けが実現できるので好ましい。
【0020】この屋根材基材の色は、屋根材基材自体の
色や屋根材基材の材質に顔料や染料を添加して着色した
色であってもよいし、屋根材基材の表面を塗装して着色
した色でもよい。屋根材基材の表面を塗装する場合に
は、屋根材基材の表面全体を塗装して着色してもよい
し、太陽電池の周囲に現れている部分のみ塗装をして着
色してもよい。
【0021】この塗装に使用する塗料には特に限定がな
い。かかる塗料としては、フッ素樹脂塗料、アクリルシ
リコーン樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料、アクリルウレタ
ン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、塩化ビニル樹脂塗料等
を挙げることができる。勿論、この塗料の中には、顔
料、染料、安定材、充填材等を通常含有しているものが
多い。尚、この太陽電池付き屋根材と一緒に葺く一般の
屋根材が塗装されている場合には、略同じ塗料が好まし
い。
【0022】しかし、塗料は、通常、材質に合わせて選
ぶものである。従って、本発明の屋根材基材が、一般の
屋根材と略同じ材質であれば、略同じ塗料が使用すれば
よいが、材質が異なる場合には、材質に合わせて異なる
塗料を使用してもよい。この際、略同じ色の塗料を選ん
で使用する。屋根材基材の材質が金属板材の場合には、
当該技術分野で一般に採用されていように、表面の洗
浄、脱脂、燐酸亜鉛や燐酸鉄等による化学的表面処理を
施した後に塗装を行うことが望ましい。又、防錆塗料を
下塗り塗料として塗装すれば、屋根材基材の耐久性を更
に高めることができる。
【0023】又、金属板材をプレスして屋根材基材に成
形する場合には、この成形する前に塗装を行ってもよい
し、塗装した後にプレス等で成形してもよい。この塗装
した後にプレスする場合には、塗装が剥げたり、傷つい
たりしないように、塗装面に保護フィルムを貼り付けた
後に成形するとよい。
【0024】本発明に使用する太陽電池は、特に限定が
ない。即ち、太陽電池には、シリコン系半導体、化合物
半導体等の太陽電池等があり、又、このシリコン系半導
体や化合物半導体にも、単結晶系や多結晶系やアモルフ
ァス系等種々な太陽電池があるが、本発明に使用する太
陽電池は、これ等のいずれでもよい。この太陽電池は金
属板材に1個だけ取り付けるようにしてもよいし、複数
個取り付けるようにしてもよい。そして、複数個取り付
ける場合には、この間に金属板材が現れるので、この場
所を人の載ることのできる場所とするとよい。
【0025】(作用)請求項1記載の発明では、太陽電
池付き屋根材は、屋根材基材と、この屋根材基材の表面
の上に取り付けられた太陽電池とからなり、この太陽電
池の周囲には、屋根材基材の一部が現れているので、こ
の太陽電池付き屋根材を屋根下地材の上に葺いたり、補
修するとき、アンテナ等を取り付けるとき等に、太陽電
池の周囲に現れている屋根材基材の上に人が上がること
ができる。
【0026】又、本発明では、この太陽電池の周囲に現
れている屋根材基材の表面が一般の屋根材の表面と略同
一の色になされているので、屋根下地材の一部分に太陽
電池付き屋根材を葺き、他の部分に一般の屋根材を葺く
というように、隣接配置させて葺いても略同じ色に見
え、意匠的に統一性があり極めて美麗な屋根となる。
【0027】請求項2記載の発明では、屋根材基材は、
太陽電池付き屋根材と一般の屋根材とをJIS−K−5
400の促進耐候試験に6000時間かけた後に、太陽
電池の周囲に現れている屋根材基材の表面と一般の屋根
材の表面とを色差計で測定したときに、L*a*b*表
色系におけるL*a*b*値が3以下の色差(ΔE1)
に収まる色になされているので、屋根下地材の一部に太
陽電池付き屋根材を葺き、他の部分に一般の屋根材を葺
いて長年月経過しても、同じ程度に変色して、太陽電池
付き屋根材と一般の屋根材との色の差が殆どなく、従っ
て、いつまでも意匠的な統一性が保たれて美麗な屋根と
なる。
【0028】本発明におけるL*a*b*表色系におけ
る色差とは、JIS−Z−8130に規定されるもので
あり、JIS−K−5400「塗膜の色・計測方に記載
された方法で測定できる。そして、請求項2記載の発明
では、この色差(ΔE1)が3以下になされているが、
この理由は、色差(ΔE1)が3以下の場合には、目視
では殆ど差が認められないからである。好ましくは、こ
の色差(ΔE1)を1.5以下にすると更に美麗になり
好ましい。
【0029】又、屋根下地材の上に本発明の太陽電池付
き屋根材だけで葺いたときでも、通常、一般の屋根材は
耐久性のよい色をしているので、この耐久性のよい一般
の屋根材の色との差が殆どないということは、長年月経
過しても、太陽電池付き屋根材の表面に現れている屋根
材基材の色の変化が殆どないということであり、何時ま
でも美麗な状態が保たれるのである。
【0030】請求項3記載の発明では、屋根材基材は、
太陽電池付き屋根材を促進耐候試験にかける前と、太陽
電池付き屋根材をJIS−K−5400の促進耐候試験
に6000時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れてい
る屋根材基材の表面を色差計で測定したときに、L*a
*b*表色系におけるL*a*b*値が、5以下の色差
(ΔE2)に収まる色になされているので、屋根下地材
の上に太陽電池付き屋根材を葺いて長年月経過しても、
色の変化が少なく、何時までも美麗な状態が保たれる。
この請求項3の発明では、色差(ΔE2)が3以下にな
されているが、この色差(ΔE1)を1.5以下にする
と更に美麗になり好ましい。
【0031】従って、太陽電池付き屋根材が破損したと
き等に新しい太陽電池屋根材に取り替えても、既に取り
付けられている太陽電池付き屋根材との差が殆どなく、
意匠的に統一があり美麗である。又、一般の屋根材は耐
久性のよい色をしているので、この耐久性のよい色をし
ている本発明の太陽電池付き屋根材を屋根下地材の一部
分に葺き、他の部分に一般の屋根材を葺いたときには、
両者とも耐久性がよく、意匠的な統一性が保たれて美麗
な屋根となる。
【0032】請求項4記載の発明では、屋根下地材の上
の一部分に請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池付
き屋根材が葺かれ、その他の部分に一般の屋根材が葺か
れているので、請求項1〜3の作用で説明したように、
太陽電池付き屋根材も一般の屋根材も色が殆ど同じで、
意匠的な統一性があり美麗であるし、長年月経過して
も、色が殆ど変化せず、いつまでも意匠的な統一性が保
たれて美麗な屋根である。
【0033】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を実施
例で説明する。図1〜図4は本発明の一実施例を示すも
ので、図1(イ)は表面を上にした状態の太陽電池付き
屋根材の斜視図、(ロ)は裏面を上にした状態の太陽電
池付き屋根材の斜視図、図2は太陽電池付き屋根材を葺
いた住宅を示す斜視図、図3は図2のA部分を拡大して
示す平面図、図4は図3のB−B線における断面図であ
る。
【0034】図1〜図4において、1は、傾斜屋根11
を備えた建物であり、この傾斜屋根11の屋根下地材1
2の上には、図2に示すように、一般の屋根材2と太陽
電池付き屋根材3とが葺かれている。一般の屋根材2は
繊維強化セメント板を従来の屋根瓦形状に成形し、表面
にカーボンブラック等の顔料を含むフッ素樹脂系の水系
塗料を塗布したものである。
【0035】太陽電池付き屋根材3は、屋根材2と略同
じ大きさ、略同じ形状をしたものであり、図1に示すよ
うに、金属板材(屋根材基材)4と太陽電池5とバック
アップ材6とからなる。金属板材4は厚みが0.8mm
のガルバリウム鋼板(55%アルミニウム−45%亜鉛
メッキ鋼板)をプレスして、図6に示すように、中央部
に設けられた凹窪部41と、この凹窪部41の周囲に金
属板材4が現れている周縁部42、この周縁部42から
下方に垂下した垂下部45とからなる形状に成形し、表
面全体にカーボンブラック等の顔料を含むフッ素系の溶
剤系塗料を塗布したものである。
【0036】太陽電池5は、アモルファスシリコン太陽
電池セルを複数個並べ、この周囲を防水材で包んだ矩形
状の板状体であり、凹窪部41の中に納められている。
バックアップ材6は、発泡性アクリロニトリルスチレン
共重合樹脂を型の中で40倍に発泡させた発泡体の成形
体であり、このバックアップ材6は、上面が屋根材本体
4の下側に沿う形状をし、下面には屋根下地材に載せ易
いようにリブ7が設けられている。
【0037】リブ7は、図1に示すように、水上側の縁
部から水下側に次第に高くなされた4条の断面四角形の
突起からなっていて、下段の太陽電池付き屋根材3の上
側縁部42の上に上段の太陽電池付き屋根材3の下側縁
部42を載せたときに、リブ7の先端が屋根下地材12
に沿うようになっている。一般の屋根材2の表面の色を
色差系で測定すると、L*a*b*表色系におけるL*
a*b*値は、L*=25.8、a*=0.0、b*=
1.8であった。
【0038】又、太陽電池付き屋根材3の太陽電池5の
周囲に現れている金属板材4の表面の色を色差系で測定
すると、L*a*b*表色系におけるL*a*b*値
は、L*=25.8、a*=−0.1、b*=2.0で
あった。従って、この両者のL*a*b*表色系におけ
るL*a*b*値の色差(ΔE)は1.2であり、目視
では殆ど差がなかった。
【0039】又、一般の屋根材2と太陽電池付き屋根材
とを太陽電池付き屋根材をJIS−K−5400の促進
耐候試験に6000時間かけた後に、太陽電池5の周囲
に現れている金属板材4の表面と一般の屋根材2の表面
とを色差計で測定したところ、L*a*b*表色系にお
けるL*a*b*値の色差(ΔE1)が2.2であり、
目視では気が付かない程度の差であった。
【0040】又、太陽電池付き屋根材3を促進耐候試験
にかける前と、JIS−K−5400の促進耐候試験に
6000時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れている
金属板材4の表面を色差計で測定したところ、L*a*
b*表色系におけるL*a*b*値の色差(ΔE2)が
2.9であり、目視では気が付かない程度の差であっ
た。
【0041】次に、この一般の屋根材2と太陽電池付き
屋根材3の施工方法について説明する。先ず、0.8m
mのガルバリウム鋼板を、図7に示す形状にプレスして
金属板材4を製造する。又、太陽電池5やバックアップ
材6を製造する。そして、図1に示すように、金属板材
4の窪み49の中に端子ボックスやリード線等が付いて
いる太陽電池5を挿入し、図示しない固定部材や両面粘
着テープで固定する。
【0042】次に、金属板材4の裏面に図示しない両面
粘着テープを貼り付け、この金属板材4の裏面にバック
アップ材6を押し付けて、金属板材4にバックアップ材
6を取り付けると、太陽電池付き屋根材3が完成する。
このように、この金属板材4の裏面にバックアップ材6
を取り付けると、金属板材4が補強され、太陽電池付き
屋根材3の機械的強度が大きくなるし、外観が一般の屋
根材2と略同じ形状になる。
【0043】従って、太陽電池付き屋根材3が曲がり難
くなり、取り扱い易くなるし、又、この太陽電池付き屋
根材3の太陽電池5が取り付けられていない左右の縁部
42の上に人が載ることができ、屋根下地材12の上に
葺き易い太陽電池付き屋根材3となる。又、一般の屋根
材2を製造する。この一般の屋根材2と太陽電池付き屋
根材3を施工現場に運搬し、施工現場で、既に建てられ
ている傾斜屋根11の屋根下地材12の上に一般の屋根
材2と太陽電池付き屋根材3を葺く。
【0044】この一般の屋根材2と太陽電池付き屋根材
3の施工方法を更に詳細に説明すると、先ず、傾斜屋根
11の上に、一般の屋根材2や太陽電池付き屋根材3
を、左右の縁部42、42を重ねて並べ、一般の屋根材
2や太陽電池付き屋根材3に設けられている図示しない
釘孔から屋根下地材12に釘を打ち込んで、屋根材2や
太陽電池付き屋根材3を固定する。このようにして、一
般の屋根材2や太陽電池付き屋根材3の下段を完成させ
る。
【0045】次に、この下段の一般の屋根材2や太陽電
池付き屋根材3の水上側の縁部42の上に、一般の屋根
材2や太陽電池付き屋根材3の水下側の縁部42を重
ね、且つ、左右の縁部42、42を重ねるようにし、屋
根材2と太陽電池付き屋根材3を傾斜屋根11の屋根下
地材12の上に並べ、屋根材2や太陽電池付き屋根材3
に設けられている図示しない釘孔から屋根下地材12に
釘を打ち込んで、一般の屋根材2や太陽電池付き屋根材
3を固定して上段を完成させる。
【0046】このようにして次々と上段を完成させて、
傾斜屋根11の屋根下地材12の上に太陽電池付き屋根
材3と屋根材2を複数段に葺くと、図2〜図4に示すよ
うに、傾斜屋根11が完成する。この際、図2に示すP
部分には、太陽電池付き屋根材3を葺き、その他の部分
には屋根材2を葺く。このように、太陽電池付き屋根材
3は一般の屋根材2と同様に葺くことができるし、太陽
電池付き屋根材3の太陽電池5の取り付けられてない両
側の縁部42に人が上って施工することができ、極めて
施工し易い。
【0047】しかも、太陽電池付き屋根材3が一般の屋
根材2と略同じ形状であり、且つ、表面の金属板材4が
略同じ色(L*a*b*表色系におけるL*a*b*の
色差(ΔE)が1.2)に塗装されているので、一部分
に太陽電池付き屋根材3を葺き、他の部分に一般の屋根
材2を葺いても、目視では、両者の差がなく、意匠的に
統一性があり、違和感がない外観を呈し、美麗な屋根で
ある。又、太陽電池付き屋根材3の両側縁部42に人が
上がることができるので、太陽電池付き屋根材3を補修
したり、屋根の上にアンテナ等を取り付けることが簡単
にできる。
【0048】又、太陽電池付き屋根材3と一般の屋根材
2とをJIS−K−5400の促進耐候試験に6000
時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れている金属板材
4の表面と一般の屋根材2の表面とを色差計で測定した
ときに、L*a*b*表色系におけるL*a*b*値の
色差(ΔE1)が2.2であるので、屋根下地材12の
上の一部分に太陽電池付き屋根材3を葺き、他の部分に
一般の屋根材2を葺きいて長年月経過しても、太陽電池
付き屋根材3と一般の屋根材2との色の差が殆どなく、
目視では殆ど差が認め難い。従って、いつまでも意匠的
な統一性が保たれて美麗である。
【0049】又、太陽電池付き屋根材3を促進耐候試験
にかける前と、JIS−K−5400の促進耐候試験に
6000時間かけた後に、太陽電池5の周囲に現れてい
る金属板材4の表面を色差計で測定したL*a*b*表
色系におけるL*a*b*値の色差(ΔE2)が2.9
であるので、屋根下地材12の上に太陽電池付き屋根材
3を葺いて長年月経過しても、色の変化が少なく、何時
までも美麗な状態が保たれる。又、長年月経過した後
に、太陽電池付き屋根材3が破損して、新しい太陽電池
付き屋根材3に取り替えても、殆ど区別がつかず、いつ
までも、意匠的な統一性が保たれて美麗である。
【0050】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1記
載の発明は、太陽電池付き屋根材が、屋根材基材と、こ
の屋根材基材の表面の上に取り付けられた太陽電池とか
らなり、この太陽電池の周囲には、屋根材基材の一部が
現れていて、この太陽電池の周囲に現れている屋根材基
材の表面が一般の屋根材の表面と略同一の色になされて
いるから、この太陽電池付き屋根材を屋根下地材の上に
葺いたり、補修するときや、アンテナ等を取り付けると
き等に、太陽電池の周囲に現れている屋根材基材の上に
人が上がることができ、施工し易いし、又、屋根下地材
の一部に太陽電池付き屋根材を葺き、他の部分に一般の
屋根材を葺くと、略同じ色に見え、意匠的に統一性が保
たれて美麗な屋根となる。
【0051】請求項2記載の発明は、屋根材基材が、太
陽電池付き屋根材と一般の屋根材とをJIS−K−54
00の促進耐候試験に6000時間かけた後に、太陽電
池の周囲に現れている屋根材基材の表面と一般の屋根材
の表面とを色差計で測定したときに、L*a*b*表色
系におけるL*a*b*値が3以下の色差(ΔE1)に
収まる色になされているから、屋根下地材の一部に太陽
電池付き屋根材を葺き、他の部分に一般の屋根材を葺い
て長年月経過したときに、同じ程度に色が変化して、太
陽電池付き屋根材と一般の屋根材との色の差が殆どな
く、いつまでも意匠的な統一性が保たれ、極めて美麗の
状態が続く屋根となる。
【0052】請求項3記載の発明は、屋根材基材が、太
陽電池付き屋根材を促進耐候試験にかける前と、太陽電
池付き屋根材をJIS−K−5400の促進耐候試験に
6000時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れている
屋根材基材の表面を色差計で測定したときに、L*a*
b*表色系におけるL*a*b*値が、5以下の色差
(ΔE2)に収まる色になされているから、屋根下地材
の上の太陽電池付き屋根材を葺いて長年月経過しても、
色の変化が少なく、何時までも美麗な状態が保たれる屋
根であるし、太陽電池付き屋根材が破損したとき等に新
しい太陽電池屋根材に取り替えても、既に取り付けられ
ている太陽電池付き屋根材との差が殆どなく、意匠的に
統一が取れて美麗である。
【0053】請求項4記載の発明は、屋根下地材の上の
一部分に請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池付き
屋根材が葺かれ、その他の部分に一般の屋根材が葺かれ
ているから、請求項1〜3の効果で説明したように、太
陽電池付き屋根材も一般の屋根材も色が殆ど同じで、意
匠的な統一性が保たれ、美麗であるし、長年月経過して
も、殆ど同じ色が変化せず、いつまでも、意匠的な統一
性が保たれて美麗な屋根である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すもので、(イ)は表面
を上にした状態の太陽電池付き屋根材の斜視図、(ロ)
は裏面を上にした状態の太陽電池付き屋根材の斜視図で
ある。
【図2】太陽電池付き屋根材を葺いた住宅を示す斜視図
である。
【図3】図2のA部分を拡大して示す平面図である。
【図4】図3のB−B線における断面図である。
【符号の説明】
1 建物 12 屋根下地材 2 屋根材 3 太陽電池付き屋根材 4 金属板材(屋根材基材) 42 太陽電池の周囲に現れている周縁部
(屋根材基材) 5 太陽電池 6 バックアップ材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般の屋根材に隣接配置される太陽電池
    付き屋根材であって、前記太陽電池付き屋根材は、屋根
    材基材と、この屋根材基材の表面の上に取り付けられた
    太陽電池とからなり、この太陽電池の周囲には、屋根材
    基材の一部が現れていて、この太陽電池の周囲に現れて
    いる屋根材基材の表面が前記一般の屋根材の表面と略同
    一の色になされていることを特徴とする太陽電池付き屋
    根材。
  2. 【請求項2】 前記屋根材基材は、太陽電池付き屋根材
    と一般の屋根材とをJIS−K−5400の促進耐候試
    験に6000時間かけた後に、太陽電池の周囲に現れて
    いる屋根材基材の表面と一般の屋根材の表面とを色差計
    で測定したときに、L*a*b*表色系におけるL*a
    *b*値が3以下の色差(ΔE1)に収まる色になされ
    ていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池付き屋
    根材。
  3. 【請求項3】 前記屋根材基材は、太陽電池付き屋根材
    を促進耐候試験にかける前と、太陽電池付き屋根材をJ
    IS−K−5400の促進耐候試験に6000時間かけ
    た後に、太陽電池の周囲に現れている屋根材基材の表面
    を色差計で測定したときに、L*a*b*表色系におけ
    るL*a*b*値が、5以下の色差(ΔE2)に収まる
    色になされていることを特徴とする請求項1記載の太陽
    電池付き屋根材。
  4. 【請求項4】 屋根下地材の上の一部分に請求項1〜3
    のいずれかに記載の太陽電池付き屋根材が葺かれ、その
    他の部分に一般の屋根材が葺かれていることを特徴とす
    る屋根葺き構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4916588B1 (ja) * 2011-11-21 2012-04-11 エンジェル合同会社 太陽光発電パネル装置

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JP4916588B1 (ja) * 2011-11-21 2012-04-11 エンジェル合同会社 太陽光発電パネル装置

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