JP2002267921A - レンズ駆動装置 - Google Patents

レンズ駆動装置

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JP2002267921A
JP2002267921A JP2001067028A JP2001067028A JP2002267921A JP 2002267921 A JP2002267921 A JP 2002267921A JP 2001067028 A JP2001067028 A JP 2001067028A JP 2001067028 A JP2001067028 A JP 2001067028A JP 2002267921 A JP2002267921 A JP 2002267921A
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lens
holding frame
optical axis
liquid phase
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JP2001067028A
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Shinichi Matsuda
信一 松田
Shigeo Kato
重雄 加藤
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】移動レンズを移動させる駆動源として、内部に
充填された流体の圧力を制御することにより伸縮動作し
てレンズ保持枠を撮影光軸に沿って移動させる流体圧駆
動源を適用し、モータに代わる振動の低い駆動源を備え
たレンズ駆動装置を提供する。 【解決手段】本発明の気液相アクチュエータ10を、レ
ンズ保持枠に連結されたベローズ12と、ベローズ12
に充填された液化気化可能な作動液体と、作動液体を気
化させる熱量を発生するヒータ18とから構成する。ヒ
ータ18で作動液体を気化させると、ベローズ12内の
圧力が高まるので、ベローズ12が撮影光軸Xと平行な
方向に伸張する。これにより、ベローズ12に連結され
たレンズ保持枠が撮影光軸X方向に移動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ズームレンズやフ
ォーカスレンズ等の移動レンズを撮影光軸に沿って移動
させるためのレンズ駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学装置や撮影レンズは、レンズの光軸
方向移動や光軸に対する進退動作により、多くの性能機
能を達成している。例えば、広範に利用されているTV
カメラに用いられる撮影レンズでは、ズームレンズを、
あらかじめ形成したカムのガイドに従って精密に光軸方
向に移動することでズーミングを実施している。また、
フォーカスレンズを光軸方向に移動することでフォーカ
シングも実施している。このようなレンズ装置の場合、
レンズを精度良く駆動する手段がいくつか実用されてい
るが、その多くはモータを動力源としている。
【0003】また、撮影レンズには、光学エクステンダ
ーやフィルターの着脱駆動を行う等の複数の可動機構を
有しているものもある。このため、撮影レンズには、複
数台のモータや駆動力伝達切替えのためのクラッチが設
けられ、これらのモータはカメラ本体側から供給される
電源もしくは個別に供給される電源によって駆動されて
いる。
【0004】図15は、モータ1によってレンズ2を光
軸X方向に移動させるレンズ駆動装置3の一例を示して
いる(特開平9−96753号公報)。レンズ2は保持
枠4に保持され、この保持枠4は、光軸Xと平行に配設
されたガイド棒5、5によって光軸X方向に移動自在に
支持されている。また、保持枠4の端部にはラック6が
刻設され、このラック6がモータ1の出力軸に連結され
たねじ軸7に螺合されている。したがって、モータ1を
駆動すると、その回転力がねじ軸7からラック6に伝達
されることにより回転運動が直進運動に変換され、これ
によって、保持枠4が光軸X方向に移動する。
【0005】ところで、モータを駆動源とするレンズ駆
動装置は、複数の可動機構が、単独または同時に駆動す
ることによって、金属やプラスチック等によるレンズ構
造部材や動力伝達経路、たとえば支持部材はじめ歯車列
やベルト・ プーリーを振動させ、二次的な音源となって
行く。これらに対する静粛化の対策として、共振を避
け、閉じた剛体構造をとり、振動や音を吸収する部材を
適切に配置するなどの多くの処置がなされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、モータ
を駆動源とするレンズ駆動装置は、モータは回転子と固
定電極で構成され、駆動力を多数の磁極による電磁力で
生成しているため、コギングと称される脈動が発生す
る。 このため、駆動の平滑化の工夫が従来から多数なさ
れているが、モータの脈動は完全に消去できず、この脈
動は駆動構成機構部材に伝達するので、多くの機構部材
に二次的に振動音を発生させる原因になっていた。
【0007】TVカメラの中でも放送用TVカメラは、
利用分野が広範に及び、取材環境の騒音が大きい分野か
ら、全く音の無い静粛な環境、騒音を極端に嫌う分野ま
で広く利用されている。 TVカメラに用いられる撮影レ
ンズは、カメラ本体の前側に設置され、また、撮影レン
ズの近傍にはマイクロフォンが併設される場合が多く、
取材環境の音を受け入れるとともに、撮影レンズ自体が
発生する音も同時に集音する。したがって、撮影レンズ
自体の駆動音や振動音は極力低いことが望まれるのは当
然である。このことはとりもなおさず、モータに代わる
振動を起こさない駆動源が必要とされてきていることを
意味している。
【0008】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、モータに代わる振動の低い駆動源を備えたレ
ンズ駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、移動レンズを保持したレンズ保持枠と、
該レンズ保持枠を撮影光軸に沿って移動自在に支持する
支持部材と、該レンズ保持枠に連結され、その内部に充
填された流体の圧力を制御することにより伸縮動作して
前記レンズ保持枠を撮影光軸に沿って移動させる流体圧
駆動源とを備えたことを特徴とする。
【0010】請求項1に記載の発明によれば、移動レン
ズを移動させる駆動源として、内部に充填された流体の
圧力を制御することにより伸縮動作してレンズ保持枠を
撮影光軸に沿って移動させる流体圧駆動源を適用したの
で、モータに代わる振動の低い駆動源を備えたレンズ駆
動装置を提供できる。
【0011】請求項2に記載の発明によれば、発熱手段
で流体を気化させると、ベローズ内の圧力が高まるの
で、ベローズが撮影光軸と平行な方向に伸張する。これ
により、ベローズに連結されたレンズ保持枠が撮影光軸
方向に移動する。レンズ保持枠の移動量は、制御手段が
発熱手段による液体の発熱量を制御することにより、制
御することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下添付図面に従って本発明に係
るレンズ駆動装置の好ましい実施の形態について詳説す
る。
【0013】図1は、本発明のレンズ駆動装置に適用さ
れる流体圧駆動源10の原理を説明するための断面図で
ある。同図に示す流体圧駆動源10は、金属製ベローズ
12の伸縮動作でレンズを移動させる駆動源である。ベ
ローズ12は、その先端部12Aが封止されるととも
に、その開放基端部12Bが固定部材14に取り付けら
れて封止されている。また、ベローズ12内には作動液
体16が充填され、さらに、ヒータ18がベローズ12
の軸方向に沿って内設されている。
【0014】ヒータ18は、電線20を介して電流制御
装置22に接続され、この電流制御装置22は、不図示
の撮影レンズ全体を統括制御するCPU(中央制御装
置)24によって制御されている。したがって、CPU
24は、電流制御装置22を制御することにより、直流
電源26からヒータ18に供給する電力を制御する。な
お、CPU24は、撮影レンズのフォーカス用駆動部、
ズーム用駆動部、及びアイリス用駆動部を制御し、ま
た、エクステンダ用駆動部がある場合には当該駆動部も
制御する。
【0015】ベローズ12に充填される作動液体16に
は、液化と気化を瞬時に行うことができるものが使用さ
れる。作動液体16については、その沸点が環境温度よ
りも摂氏で10℃程度高いものが好ましい。例えば、塩
素を含まない弗化炭素であるC5 11NOは沸点が摂氏
50℃であるので、屋内及び屋外で使用されるTVカメ
ラ用レンズのレンズ駆動装置用に適している。
【0016】このように構成された流体圧駆動源10
は、組立時においてはベローズ12に作動液体16が充
填されてベローズ12内が負圧に保持されている。した
がって、ベローズ12は、図1の如く収縮している。次
に、CPU24が電流制御装置22を制御して、直流電
源26からヒータ18に所定の電力を供給すると、作動
液体16がヒータ18によって加熱され、気化すること
によりベローズ12内に正圧が発生し、ベローズ12が
図1上左方向に伸張する。その後、電流を切ると、気化
した作動液体16が自然冷却されて再び液化し、ベロー
ズ12が自己の復元力で収縮するので図1に示した状態
に復帰する。
【0017】金属製のベローズ12は、半径方向の膨張
は僅少で、軸方向に大きく膨張変位することで駆動力を
発生する。 同時に、べローズ12が金属であることか
ら、ばね常数に相当する膨張時の抵抗力、すなわち冷却
時の復元力が発生する。これにより、ヒータ18の加熱
と冷却とによって制御可能な往復運動の動力源をなすこ
とができる。この運動に、脈動する源はなく、専らベロ
ーズ12の伸縮により駆動力が生ずることから、振動も
発生しない。よって、この駆動源10を撮影レンズ用の
駆動源に適用することで、振動のない撮影レンズを提供
できる。
【0018】以下、図1に示した流体圧駆動源10を、
流体の気液相変化による圧力を利用して被駆動部材(レ
ンズ)を動作させるものであることから、気液相アクチ
ュエータ10と改称し、同一の符号を用いて説明する。
【0019】図2は、ステンレス薄板製べローズ12を
用いた気液相アクチュエータ10が示され、べローズ先
端部12Aが駆動力伝達可能な構造に構成されている。
レンズ側と連結するための封止端30は、べローズ12
と同一材料で形成される。封止端30のベローズ側に
は、溶着のためにべローズ薄板と同一厚さの封止溶着部
位が形成され、例えばYAGレーザー等を用いてベロー
ズ端とともに溶接封止される。封止端30のもう一方の
端には、作動軸32及びこれにレンズ側部材を締結する
連結ねじ34が形成され、レンズ側部材と連結される。
封止端30を有するべローズ12のもう一方の端におい
ては、べローズ12と同一材料による取付けフランジ3
6が溶着形成される。溶着封止の方法は、封止端30と
同じ方法による。
【0020】取付けフランジ36には、気液相アクチュ
エータ10を固定部に取り付けるためのフランジ38
と、このフランジ38に開口された取付固定用ねじが挿
入される穴40と、ヒータープラグ42を取り付けるた
めの雌ねじ44とが形成される。取付けフランジ36に
取り付けられるヒータープラグ42は、雌ねじ44にね
じ込まれる雄ねじ46、密閉のためのOリング48、ス
パナ掛け部(図では六角ナットの形状)50、ヒータ1
8及びサーミスタ52を絶縁封止するハーメチックシー
ル54、ヒータ用電極56、56及びサーミスタ用電極
58、58によって構成される。
【0021】前述の作動流体であるC5 11NOを、ベ
ローズ12内に一定量封入した後、ヒータープラグ42
を取り付けて気液相アクチュエータ10を完成させる。
図3は完成した気液相アクチュエータ10の斜視図であ
る。図4は、図3に示した作動軸32の代わりに、駆動
力や駆動方向案内のガイド軸のために軸穴60と対をな
すU字形ガイド軸溝62を持ち、レンズを動かすための
動作レバー64を有する封止端66がベローズ12に取
り付けられた気液相アクチュエータ10である。
【0022】金属ベローズ12はばね性を有し、一定条
件下では直線的に動き且つヒシテリシスが少ないことが
知られている。 発明者は、図3の気液相アクチュエータ
10において、図5の特性を確認した。図5は、横軸に
ベローズ12内の温度変化、縦軸には温度変化に対応す
るベローズ作動端の変位を示している。
【0023】室温から、ベローズ12内のヒータ18に
通電しC5 11NOを加熱すると、液相が気相に変化
し、内部圧力が高まる。予熱によってベローズ12の常
温での緩み状態が緩やかになくなり、50℃近辺からリ
ニアなべローズ12の延伸が見られる。 リニアの部分
は、弾性の限度内では冷却によって復帰し可逆的である
が弾性限を越えると、リニア復帰しない。本発明は、こ
の可逆直線域に対し、位置センサを併用して制御可能な
気液相アクチュエータ10を提供する。
【0024】図6にその実施例を示す。 図6は気液相ア
クチュエータ10にリニアポジションセンサー68が連
結されている。また、気液相アクチュエータ10は、取
付けフランジ36を介して台座11にねじ固定されてい
る。封止端30の作動軸32に固着されたL字型レバー
70に形成された孔72に、リニアポジションセンサー
68のスライダーピン74を係合させて摺動子76を動
かすことで位置信号出力を得ることができる。 リニアポ
ジションセンサー68は、定格電圧のもとにスライダー
ピン74の位置に従って位置情報を出力し、例えば摺動
抵抗0.25N以下のものが市販されており、軽微な負
荷で済むことが知られている。 これを利用すると、ベロ
ーズ12の伸縮に応じた位置情報が得られる。
【0025】また、図6には、このようなスプリングバ
ック式の気液相アクチュエータ10の制御回路部78が
示されている。 この制御回路部78のヒータ用コネクタ
80に、気液相アクチュエータ10の電極56が接続さ
れ、サーミスタ用コネクタ82に電極58が接続され、
そして、リニアポジション用コネクタ84に、リニアポ
ジションセンサー68の電極88が接続されている。
【0026】制御回路部78は、外部からの位置指示信
号を得て、その信号とリニアポジションセンサー68か
らの位置信号とを比較し、リニアポジション位置信号が
位置指示の位置に達したことを検出する位置検出部86
を有している。また、制御回路部78は、リニアポジシ
ョンセンサー68からの出力信号をトリガーとし、位置
指示の位置に保持するように制御を行う位置制御部8
7、制御信号を適正に補正するためのリニア補正メモリ
部88、これらのための電源入力コネクタ90等から構
成されている。
【0027】リニア補正メモリ部88は、作動軸32の
理想特性とリニアポジションセンサー68の対応する作
動範囲の実測電気抵抗値との比較から、作動軸端の実変
位と許容範囲内で対応するための補正信号を提供するメ
モリである。 この例でのリニアポジションセンサー68
の原理は、図7(a)の如く直線運動をするポテンショ
メータであり、定格電圧を印加した電気抵抗体92に対
し、電気抵抗体92上を摺動する接点を経て変動電位出
力を得て位置信号としている。 しかしながら、電気抵抗
体92は、製造上の電気抵抗値のばらつきが許容されて
おり、作動端位置に対する電位出力は、図7(b)に示
すような理想のリニアな特性とは近似するが、厳密には
固有のバラツキ差異を生ずる。 この特性を個々に把握し
てリニアに補正させようとするものである。
【0028】図8は、図6に示した制御回路部78の回
路図であり、同図によれば、位置検出部86はリニアポ
ジションセンサー68を含み、コンパレーター(比較
器) 94等によって構成されている。
【0029】位置制御部87は位置信号切替部96、位
置保持温度検出部98、余熱温度検出部100、パルス
幅変調制御部102、サージ吸収部104等から構成さ
れている。 また、パルス幅変調制御部102は、パルス
幅変調制御回路106とスイッチング部108とから構
成される。
【0030】信号切替部96は、位置検出部86の出力
信号をトリガーにし、位置検出から位置保持するための
温度(サーミスタ52からの温度情報) の信号にアナロ
グスイッチIC素子を用いて切替える部分である。図8
には信号切替部96、110、112が3個所あるが、
実施に当たっては一体化された素子に同一の機能が多数
設置されるので、実質的には1個で済む。
【0031】位置保持温度検出部98は、べローズ内サ
ーミスタ52の出力信号を、ベローズ内部温度を制御位
置に維持するTn℃に相当する出力信号に設定してあ
り、この時の出力信号電圧が2.5Vになるように可変
抵抗を用いて調整されている。このサーミスタ52の出
力信号と、基準電圧2.5Vとがオペアンプにより比較
され、オペアンプの出力がトランジスタに接続されてい
るので、トランジスタがリニアに動作する。 トランジス
タ出力がパルス幅変調制御回路106のフィードバック
信号に相当する。
【0032】パルス幅変調制御回路106は、温度検出
部出力信号を基にパルス幅を制御する。 ここで言うパル
ス幅とは、ヒータ18に電力伝送する時間であり加熱時
間を意味し、膨張状態と放熱収縮状態を加熱断続時間の
断続に置換え、すなわち通電パルスで制御する。 具体的
には下記の様な動きとなる。
【0033】外部位置指示信号入力を受けて、べローズ
12と連動するリニアポジションセンサー68との差を
検知し、この差を限りなくゼロにするためのリニアポジ
ションセンサー位置に相当するべローズ内目標温度(T
n)になるようにヒータ18をパルス制御する。
【0034】図9に、この制御の概念を示す。 常温(T
o)から前記Tnに至るまで、一定周波数において、ヒ
ータ18ヘのパルス通電の通電パルス幅を大きくし、T
n超えてべローズ内温度が高くなった時に、通電パルス
幅を狭めてヒータ18に送る電力を抑制し、べローズ内
部がTnになるようにする。また、べローズ内部がTn
より下がった時には、パルス幅を広げ電力伝送を大きく
しヒータ18の温度を上げ、Tnに達するようにする。
これらの一連の動きをリニアに動作させることにより、
ベローズ内部温度を設定値であるTn℃に一定に保つこ
とが可能となる。 すなわち目標位置に到達し、サーミス
タ52からの出力信号により温度を一定にすることで位
置保持を行うことができる。
【0035】図8のスイッチング部108は、パルス幅
変調制御出力信号を受けて、べローズ内部のヒータ18
をスイッチング駆動する。 また、高速スイッチング駆動
を行うために、トランジスタではなくFET(電界効果
形) 素子を用い制御パルスの立ち上がり、立ち下がりの
急峻化を図っている。 ベローズ内部のヒータ18は抵抗
銅線を使用しており、コイル状に巻かれて挿入されてい
る。若干ではあるがヒータ18には、インダクタンス成
分が含まれる。 ヒータ18をスイッチング駆動すると、
ヒータ18のインダクタンス成分にエネルギーが蓄えら
れ、スイッチオフ時にエネルギー放出による逆起電力が
発生し、これがサージとなる。 このサージからFET素
子等の電子部品保護のために、サージ吸収部104が設
けられている。
【0036】図10は、気液相パワーアクチュエータ1
0が取り付けられたレンズ駆動装置の制御アルゴリズム
の一例を示している。
【0037】同図によれば、製品本体(撮影レンズ装置
又はカメラ本体)の電源をONにすると(S100)、
ベローズ内信号サーミスタ52がONになり(S11
0)、これによって予熱信号切替部112がONになる
とともに(S120)、予熱タイマー部114が動作し
始めて予熱時間がカウントされていく(S130)。
【0038】予熱信号切替部112がONになると、図
8のスイッチング部108が高速スイッチング駆動を行
うことにより(S140)、ベローズ12内の温度が急
上昇していく。そして、サーミスタ52からの温度情報
に基づいて、ベローズ12内の温度が49℃±0.5℃
となり(S150)、且つ予熱タイマー部114がカウ
ント終了したところで、予熱信号切替部112がOFF
になり(S160)、この後、位置信号切替部100が
ONになって(S170)、実際のベローズ12の伸縮
制御が開始される(S180)。
【0039】外部位置指示信号が例えばレンズ装置のズ
ーム操作ボタンから入力されて(S190)、ベローズ
12の伸縮量を制御する場合には、すなわち、ズームレ
ンズの移動位置(焦点距離)を制御する場合には(S2
00)、スイッチング部108が高速スイッチング駆動
を行う(S210)。この制御は、目標位置(目標の焦
点距離)に到達するまで行われる(S220)。そし
て、目標位置に到達すると、温度信号切替部110がO
Nになり(S230)、べローズ内目標温度(Tn)に
なるように(S240)、ヒータ18をパルス制御する
(S250)。 ズームレンズの位置保持温度が一定の場
合には(S260)、ズームレンズが目標位置に保持さ
れ(S270)、また、ズームレンズの位置保持温度が
一定ではない場合には、先のS210に戻り、S220
からS250までの制御を再び実施する。以上が、ズー
ムレンズを駆動する場合のレンズ駆動装置の制御アルゴ
リズムである。なお、フォーカスレンズについても同様
である。
【0040】図11は、気液相アクチュエータ10が取
り付けられたレンズ駆動装置120の斜視図である。 こ
のレンズ駆動装置120は、ズームレンズ122を図1
2に示す光軸X方向に駆動するものであり、ズームレン
ズ122は保持枠124に保持され、この保持枠124
は光軸Xと平行に配設されたガイドバー126、126
に移動自在に支持されている。
【0041】保持枠124には、気液相アクチュエータ
10の作動軸32が嵌合される孔128が形成され、こ
の孔128から突出した作動軸32の連結ねじ34に固
定ナット130が締結される。これにより、保持枠12
4が作動軸32を介して気液相アクチュエータ10に駆
動力伝達可能に連結される。したがって、ベローズ12
の伸縮動作によってズームレンズ122が光軸方向に移
動するので、ズーミングがなされる。
【0042】ズーミング調整は、図5に示したベローズ
温度に対するベローズ変位量の関係と、図10に示した
制御アルゴリズムとに基づいて実施される。すなわち、
ベローズ温度に対するベローズ変位量が図5のグラフに
よって得られ、そして、使用するズームレンズの特性か
らベローズ変位量に対する焦点距離が得られるので、ベ
ローズ温度を制御アルゴリズムに従って制御することに
より、焦点距離を制御することができる。
【0043】気液相アクチュエータ10は、ベローズ1
2内に充填された作動液体の気液相変化に依存して膨張
延伸するが、ヒータ18に加熱通電しないときにはべロ
ーズ12の表面からの放熱によって冷却収縮し、ベロー
ズ12のばね性で元の収縮状態に復帰する。 ここでは冷
却条件が重要となり、ベローズ12の自然放冷のみでは
冷却が不足の場合、封止端30に図13に示すペルチェ
素子30Aを設けて作動液体を急速冷却、又は冷却媒体
中にベローズ12を浸漬するなどの方法もある。 このた
めに、べローズ12や封止端30、及びフランジ36を
銅系合金にして熱伝達率を高めることが好ましい。
【0044】図14は、2個のベローズ12、12を封
止端66を介して直列に連結した気液相パワーアクチュ
エータの実施例を示している。この気液相アクチュエー
タは、封止端66に形成された下側の作動レバー64
が、保持枠124に形成された二股状部125に嵌合さ
れるとともに二股状部に貫通されたガイドバー126に
摺動自在に支持されている。したがって、ベローズ1
2、12の相反する伸縮動作で封止端66が移動する
と、保持枠124が作動レバー64に押されて光軸方向
に移動する。
【0045】一方、ベローズ12、12は、台座11に
取付けフランジ36が固定されることにより台座11に
支持され、また、封止端66は、その両端部が取付けフ
ランジ36に固定された一対のガイドバー132、13
2によって移動自在に支持されている。
【0046】このように構成された気液相アクチュエー
タによれば、ベローズ12、12を交互に加熱し、放冷
させることで収縮・膨張の応答性が向上する。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係るレンズ
駆動装置によれば、移動レンズを移動させる駆動源とし
て、内部に充填された流体の圧力を制御することにより
伸縮動作してレンズ保持枠を撮影光軸に沿って移動させ
る流体圧駆動源を適用したので、モータに代わる振動の
低い駆動源を備えたレンズ駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレンズ駆動装置に適用される気液相ア
クチュエータの原理を示した図
【図2】実施の形態の気液相アクチュエータの組立斜視
【図3】図2に示した気液相アクチュエータの斜視図
【図4】気液相アクチュエータの別実施例を示す斜視図
【図5】ベローズ温度に対するベローズ変位量の関係を
示す図
【図6】気液相アクチュエータにリニアポジションセン
サーが連結された実施例を示す図
【図7】リニアポジションセンサーの特性を説明した図
【図8】気液相アクチュエータの制御回路ブロック図
【図9】気液相アクチュエータのパルス幅変調制御の例
を示した説明図
【図10】気液相アクチュエータの制御アルゴリズムを
示したフローチャート
【図11】気液相アクチュエータにズームレンズが連結
されたレンズ駆動装置の斜視図
【図12】図11に示した気液相アクチュエータに連結
されるズームレンズの斜視図
【図13】封止端にペルチェ素子が取り付けられた気液
相アクチュエータの斜視図
【図14】2個のベローズが直列に連結された気液相ア
クチュエータの斜視図
【図15】駆動源としてモータを使用した従来のレンズ
駆動装置の一例を示す斜視図
【符号の説明】
10…駆動源、気液相アクチュエータ、12…ベロー
ズ、16…作動液体(C6F11NO)、18…ヒー
タ、22…電流制御装置、24…CPU、26…直流電
源、52…サーミスタ、68…リニアポジションセンサ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 移動レンズを保持したレンズ保持枠と、 該レンズ保持枠を撮影光軸に沿って移動自在に支持する
    支持部材と、 該レンズ保持枠に連結され、その内部に充填された流体
    の圧力を制御することにより伸縮動作して前記レンズ保
    持枠を撮影光軸に沿って移動させる流体圧駆動源とを備
    えたことを特徴とするレンズ駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記流体圧駆動源は、 前記レンズ保持枠に連結されるとともに前記撮影光軸と
    平行な方向に伸縮可能なベローズと、 該ベローズに充填された液化気化可能な前記流体と、 該ベローズに設けられ、前記流体を気化させる熱量を発
    生してベローズ内の圧力を高めることによりベローズを
    伸張動作させる発熱手段と、 該発熱手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴と
    する請求項1に記載のレンズ駆動装置。
JP2001067028A 2001-03-09 2001-03-09 レンズ駆動装置 Pending JP2002267921A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007032581A (ja) * 2005-07-22 2007-02-08 Pentax Corp 駆動装置
US7342733B2 (en) * 2005-06-08 2008-03-11 Sony Corporation Lens actuating device and image pickup apparatus
JP2011506181A (ja) * 2007-12-21 2011-03-03 メシエ−ダウティ・インコーポレイテッド 熱相変化による駆動を利用した着陸装置のアップロックメカニズム
CN105527689A (zh) * 2016-01-05 2016-04-27 西安应用光学研究所 一种温控液压变焦装置

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