JP2002263644A - 抗菌方法 - Google Patents
抗菌方法Info
- Publication number
- JP2002263644A JP2002263644A JP2001070542A JP2001070542A JP2002263644A JP 2002263644 A JP2002263644 A JP 2002263644A JP 2001070542 A JP2001070542 A JP 2001070542A JP 2001070542 A JP2001070542 A JP 2001070542A JP 2002263644 A JP2002263644 A JP 2002263644A
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- laser
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- pulse
- laser beam
- bacteria
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 薬剤を用いることなく、安全かつ効果的に細
菌数の増殖を抑制しうる物理的な抗菌方法を提供する。 【解決手段】 紫外、可視若しくは近赤外域の高ピーク
パワーパルスレーザビームを照射して抗菌する。
菌数の増殖を抑制しうる物理的な抗菌方法を提供する。 【解決手段】 紫外、可視若しくは近赤外域の高ピーク
パワーパルスレーザビームを照射して抗菌する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、殺菌剤や静菌剤の
ような薬剤を用いることなく、安全かつ効果的に細菌類
の増殖を抑制しうる新規な抗菌方法に関するものであ
る。
ような薬剤を用いることなく、安全かつ効果的に細菌類
の増殖を抑制しうる新規な抗菌方法に関するものであ
る。
【０００２】
【従来の技術】これまで、食品や飲料中に存在する有害
細菌の除去や、器具、装置の消毒などには、主として種
々の殺菌剤、静菌剤、消毒剤を用いて細菌を殺滅した
り、その増殖を抑制する化学的、生理的な処理が行われ
ている。しかしながら、殺菌剤や静菌剤は、人体に対し
ても悪影響を与えるものが多く、その使用が制限される
傾向があるし、アルコール、オゾン、塩素などによる消
毒、滅菌においても、環境汚染などの事後処理について
配慮しなければならないという問題がある。
細菌の除去や、器具、装置の消毒などには、主として種
々の殺菌剤、静菌剤、消毒剤を用いて細菌を殺滅した
り、その増殖を抑制する化学的、生理的な処理が行われ
ている。しかしながら、殺菌剤や静菌剤は、人体に対し
ても悪影響を与えるものが多く、その使用が制限される
傾向があるし、アルコール、オゾン、塩素などによる消
毒、滅菌においても、環境汚染などの事後処理について
配慮しなければならないという問題がある。
【０００３】一方、放射線技術の急速な発展に伴って、
これを用いる除菌方法も開発されているが、この方法は
特殊な設備を必要とする上に、対象物に対する品質の損
傷を伴うことから、目下のところプラスチック器材の消
毒に用いられているだけであり、食品に対しては、品質
の変化、毒性物質の副生などの危険性からその適用範囲
が著しく制限されている。
これを用いる除菌方法も開発されているが、この方法は
特殊な設備を必要とする上に、対象物に対する品質の損
傷を伴うことから、目下のところプラスチック器材の消
毒に用いられているだけであり、食品に対しては、品質
の変化、毒性物質の副生などの危険性からその適用範囲
が著しく制限されている。
【０００４】その他、最近に至り、超音波、超高圧、電
気的衝撃などによる物理的な殺菌方法も提案されている
が、経済的な問題や対象物の品質低下、損傷などの問題
が解決されないため、実用化には至っていない。
気的衝撃などによる物理的な殺菌方法も提案されている
が、経済的な問題や対象物の品質低下、損傷などの問題
が解決されないため、実用化には至っていない。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情のもとで．薬剤を用いることなく、安全かつ効果的
に細菌数の増殖を抑制しうる物理的な抗菌方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
事情のもとで．薬剤を用いることなく、安全かつ効果的
に細菌数の増殖を抑制しうる物理的な抗菌方法を提供す
ることを目的としてなされたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、レーザを
用いる抗菌方法を開発するために鋭意研究を重ねた結
果、特定の照射条件において、レーザを照射すると細菌
の増殖が抑制されること見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至った。
用いる抗菌方法を開発するために鋭意研究を重ねた結
果、特定の照射条件において、レーザを照射すると細菌
の増殖が抑制されること見出し、この知見に基づいて本
発明をなすに至った。
【０００７】すなわち、本発明は、紫外、可視若しくは
近赤外域の高ピークパワーパルスレーザビームを照射す
ることを特徴とする抗菌方法を提供するものである。
近赤外域の高ピークパワーパルスレーザビームを照射す
ることを特徴とする抗菌方法を提供するものである。
【０００８】
【発明の実施の形態】本発明方法においては、細菌を含
む流体や細菌が付着した固体に対し、紫外、可視若しく
は近赤外域、すなわち波長１５０ｎｍ〜１０μｍの範囲
に高ピークパワーを有するレーザビームを照射する。上
記の流体の例としては、塩水、淡水及び各種物質の水溶
液のような液体や、空気、酸素ガスのような気体を挙げ
ることができる。
む流体や細菌が付着した固体に対し、紫外、可視若しく
は近赤外域、すなわち波長１５０ｎｍ〜１０μｍの範囲
に高ピークパワーを有するレーザビームを照射する。上
記の流体の例としては、塩水、淡水及び各種物質の水溶
液のような液体や、空気、酸素ガスのような気体を挙げ
ることができる。
【０００９】また、本発明方法において用いるレーザと
しては、例えば、エキシマレーザ、ＱスイッチＹＡＧレ
ーザ、ガラスレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ｑス
イッチＹＬＦレーザ、チタンサファイアレーザなどがあ
る。本発明方法においては、これらのレーザを８０ナノ
秒以下、好ましくは１０フェムト秒〜５０ナノ秒のパル
ス幅を有するパルスレーザとして用いるのがよい。８０
ナノ秒よりもパルス幅が大きいと、細菌に対する増殖抑
制効果が不十分になる。
しては、例えば、エキシマレーザ、ＱスイッチＹＡＧレ
ーザ、ガラスレーザ、アレキサンドライトレーザ、Ｑス
イッチＹＬＦレーザ、チタンサファイアレーザなどがあ
る。本発明方法においては、これらのレーザを８０ナノ
秒以下、好ましくは１０フェムト秒〜５０ナノ秒のパル
ス幅を有するパルスレーザとして用いるのがよい。８０
ナノ秒よりもパルス幅が大きいと、細菌に対する増殖抑
制効果が不十分になる。
【００１０】また、これらのパルスレーザは、レンズや
ミラーなどからなる光学系により、パルスピークにおい
て１００ｋＷ／ｃｍ2以上、好ましくは１０００ｋＷ／
ｃｍ2以上のパワー密度を有するように調整された後で
処理対象物に照射される。パルスピークにおけるパワー
密度が１００ｋＷ／ｃｍ2よりも小さいと、細菌に対す
る十分な増殖効果が得られない。
ミラーなどからなる光学系により、パルスピークにおい
て１００ｋＷ／ｃｍ2以上、好ましくは１０００ｋＷ／
ｃｍ2以上のパワー密度を有するように調整された後で
処理対象物に照射される。パルスピークにおけるパワー
密度が１００ｋＷ／ｃｍ2よりも小さいと、細菌に対す
る十分な増殖効果が得られない。
【００１１】本発明方法においては、照射するレーザの
パルスエネルギーを一定とした場合、パルス幅を小さく
すれば、ピークパワー密度を高くすることができる。す
なわち、短パルス化することにより、小さいレーザエネ
ルギーで高い抗菌効果を得ることができる。
パルスエネルギーを一定とした場合、パルス幅を小さく
すれば、ピークパワー密度を高くすることができる。す
なわち、短パルス化することにより、小さいレーザエネ
ルギーで高い抗菌効果を得ることができる。
【００１２】次に、添付図面に従って、本発朋方法をさ
らに詳細に説明する。図１は本発明方法を実施するのに
用いられる装置の１例の側面略解図であって、この図に
おいてレーザ発振器１から出力されたレーザビーム２は
波長変換装置３により１／２波長に変換され、ミラー４
及びミラー５で反射され、余分な波長成分が取り除かれ
たのち、凹レンズ６及び凹レンズ７で整波され、流体流
路又は容器すなわち対象処理物８に照射される。
らに詳細に説明する。図１は本発明方法を実施するのに
用いられる装置の１例の側面略解図であって、この図に
おいてレーザ発振器１から出力されたレーザビーム２は
波長変換装置３により１／２波長に変換され、ミラー４
及びミラー５で反射され、余分な波長成分が取り除かれ
たのち、凹レンズ６及び凹レンズ７で整波され、流体流
路又は容器すなわち対象処理物８に照射される。
【００１３】上記の流体流路又は容器８の少なくとも被
照射部は、レーザ波長に対して十分な透過性を有する材
料、例えば透明ガラス、透明プラスチックで構成されて
いることが必要である。本発明方法は、パイプのような
流路内に流体を通しながら、操業を停止することなく抗
菌処理することができるという利点を有している。
照射部は、レーザ波長に対して十分な透過性を有する材
料、例えば透明ガラス、透明プラスチックで構成されて
いることが必要である。本発明方法は、パイプのような
流路内に流体を通しながら、操業を停止することなく抗
菌処理することができるという利点を有している。
【００１４】
【発明の効果】本発明によれば、塩水、淡水及び各種水
溶液のような液体や空気のような気体を、有害な化学薬
品を用いることなく、また、基本的な装置のレイアウト
変更を施すことなく、しかも操業を停止せずに、効果的
に抗菌処理しうるという利点がある。
溶液のような液体や空気のような気体を、有害な化学薬
品を用いることなく、また、基本的な装置のレイアウト
変更を施すことなく、しかも操業を停止せずに、効果的
に抗菌処理しうるという利点がある。
【００１５】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
するが、本発明はこれらの例によってなんら限定される
ものではない。
【００１６】実施例１ 図１に示される装置において、容器として直径１５ｍｍ
のガラス製試験管を、レーザ発振器及び波長変換装置と
してスペクトラフィジックス社製Ｎｄ：ＹＡＧレーザ発
振器、製品記号ＧＣＲ−１７０を用い、塩水中で活性な
海洋性ビブリオ菌（原名Ｖｉｂｌｉｏ．ｓｐ）１単位
を、塩水ベースの培養液［デイフコ社製、製品名「マリ
ン・ブロス（Ｍａｒｉｎｅ ｂｒｏｔｈ）」５ｍｌとと
もに容器に収容し、振とう培養した。次いで、濁度計
（タイテック社製、製品記号ｍｉｎｉ ｐｈｏｔｏ５１
８）の吸収指示値が０．１５となった時点で、Ｎｄ：Ｙ
ＡＧレーザ２倍波を１パルス当り０．０５Ｊ／ｃｍ2に
なるように整形し、パルス幅５ナノ秒、パルスピークに
おけるパワー密度１０7Ｗ／ｃｍ2の条件下で５分間又は
１５分間照射して得たサンプルと未照射のサンプルにつ
いて、その増殖カーブを求め、図２に示した。この図か
ら分るように、経過時間２００分で、各サンプルの濁度
計指示値は０．１５となり、照射後の値は、未照射、５
分間照射、１５分間照射の順に低下している。そして、
この濁度計指示値を比較することにより、レーザ照射に
より、細菌の増殖は１５分ないし５０分ほど遅れること
が分る。
のガラス製試験管を、レーザ発振器及び波長変換装置と
してスペクトラフィジックス社製Ｎｄ：ＹＡＧレーザ発
振器、製品記号ＧＣＲ−１７０を用い、塩水中で活性な
海洋性ビブリオ菌（原名Ｖｉｂｌｉｏ．ｓｐ）１単位
を、塩水ベースの培養液［デイフコ社製、製品名「マリ
ン・ブロス（Ｍａｒｉｎｅ ｂｒｏｔｈ）」５ｍｌとと
もに容器に収容し、振とう培養した。次いで、濁度計
（タイテック社製、製品記号ｍｉｎｉ ｐｈｏｔｏ５１
８）の吸収指示値が０．１５となった時点で、Ｎｄ：Ｙ
ＡＧレーザ２倍波を１パルス当り０．０５Ｊ／ｃｍ2に
なるように整形し、パルス幅５ナノ秒、パルスピークに
おけるパワー密度１０7Ｗ／ｃｍ2の条件下で５分間又は
１５分間照射して得たサンプルと未照射のサンプルにつ
いて、その増殖カーブを求め、図２に示した。この図か
ら分るように、経過時間２００分で、各サンプルの濁度
計指示値は０．１５となり、照射後の値は、未照射、５
分間照射、１５分間照射の順に低下している。そして、
この濁度計指示値を比較することにより、レーザ照射に
より、細菌の増殖は１５分ないし５０分ほど遅れること
が分る。
【００１７】実施例２ 実施例１において、パルス幅２０ナノ秒及び１００マイ
クロ秒の基本波に変えた以外は、同じ条件で１５分間照
射したところ、前者では増殖抑制効果が認められたが、
後者では認められなかった。
クロ秒の基本波に変えた以外は、同じ条件で１５分間照
射したところ、前者では増殖抑制効果が認められたが、
後者では認められなかった。
【図１】 本発明方法において用いられる装置の１例の
側面略解図。
側面略解図。
【図２】 レーザ照射時間と細菌の増殖との関係を示す
グラフ。
グラフ。
１ レーザ発振器 ２ レーザビーム ３ 波長変換装置 ４，５ ミラー ６，７ 凹レンズ ８ 対象処理物
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 矢野 哲夫 香川県高松市林町2217番14 経済産業省産 業技術総合研究所四国工業技術研究所内 (72)発明者 内海 明博 香川県高松市林町2217番14 経済産業省産 業技術総合研究所四国工業技術研究所内 (72)発明者 米田 理史 香川県高松市林町2217番14 経済産業省産 業技術総合研究所四国工業技術研究所内 Ｆターム(参考） 4C058 AA01 AA20 AA25 BB06 CC02 KK02 KK05 KK46 4D037 AA05 AA06 AB03 BA16 BA17 BA18
Claims (3)
- 【請求項１】 紫外、可視若しくは近赤外域の高ピーク
パワーパルスレーザビームを照射することを特徴とする
抗菌方法。 - 【請求項２】 パルスピークにおけるパワー密度が少な
くとも１００ｋＷ／ｃｍ2の高ピークパワーパルスレー
ザビームを８０ナノ秒以下のパルス幅で照射する請求項
１記載の抗菌方法。 - 【請求項３】 少なくとも一部がレーザ波長に対して十
分な透過性を有する材料からなる流路中に、細菌を含む
流体を通過させながら、上記材料部分を通して、高ピー
クパワーパルスレーザビームを照射する請求項１又は２
記載の抗菌方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001070542A JP2002263644A (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | 抗菌方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001070542A JP2002263644A (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | 抗菌方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002263644A true JP2002263644A (ja) | 2002-09-17 |
Family
ID=18928399
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2001070542A Pending JP2002263644A (ja) | 2001-03-13 | 2001-03-13 | 抗菌方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002263644A (ja) |
Cited By (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013019894A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-31 | Sharp Corp | 流体浄化・流体浄化度測定システム、および方法 |
| CN104511033A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-04-15 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 一种用于医疗器械的手持式双波段半导体激光灭菌系统 |
| KR20210014924A (ko) * | 2019-07-31 | 2021-02-10 | 서울대학교병원 | 체내 검사용 프로브 살균장치 |
| JPWO2020032109A1 (ja) * | 2018-08-08 | 2021-08-10 | 株式会社クレハ | 樹脂成形体、樹脂成形体の製造方法、および殺菌方法 |
-
2001
- 2001-03-13 JP JP2001070542A patent/JP2002263644A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013019894A (ja) * | 2011-07-12 | 2013-01-31 | Sharp Corp | 流体浄化・流体浄化度測定システム、および方法 |
| CN104511033A (zh) * | 2014-12-29 | 2015-04-15 | 中国工程物理研究院流体物理研究所 | 一种用于医疗器械的手持式双波段半导体激光灭菌系统 |
| JPWO2020032109A1 (ja) * | 2018-08-08 | 2021-08-10 | 株式会社クレハ | 樹脂成形体、樹脂成形体の製造方法、および殺菌方法 |
| JP7205022B2 (ja) | 2018-08-08 | 2023-01-17 | 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 | 樹脂成形体、樹脂成形体の製造方法、および殺菌方法 |
| KR20210014924A (ko) * | 2019-07-31 | 2021-02-10 | 서울대학교병원 | 체내 검사용 프로브 살균장치 |
| KR102656868B1 (ko) * | 2019-07-31 | 2024-04-12 | 정메드 주식회사 | 체내 검사용 프로브 살균장치 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040226 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20040426 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040902 |
|
| A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041029 |
|
| A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20041125 |
|
| A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20050317 |