JP2002262697A - 犬のような動物に好適なおもちゃ - Google Patents

犬のような動物に好適なおもちゃ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐久性に優れると共に、犬が飽きることなく噛
み続ける魅力を備えた犬用おもちゃを提供する。 【手段】おもちゃ1は、筒状の本体2とこれに内蔵した
発音具3とから成っている。本体2は、ほぼ等しい肉厚
で蛇腹状に形成されている。本体2を犬が噛むと、本体
2は、潰れるように変形しつつ凹凸が引き延ばされるよ
うに変形する。この複雑な弾性変形によって犬の噛む力
が吸収されるため、耐久性が高い。犬の歯に複雑な刺激
が加わることと、発音具3によって聴覚面からも刺激さ
れることとが相俟って、犬は飽きることなく噛み続け
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に犬が噛んで遊
ぶのに適したおもちゃに関するものである。
【0002】
【従来の技術】犬が噛んで遊ぶおもちゃは、繊維系のも
のとゴム系のものとに大別される。
【0003】このうち繊維系のものとしては、ロープを
骨のような形状に結んだものや、毛羽立った柔らかい素
材でボール状に形成したもの、或いは、綿布のような布
をロープ状に撚ったりボール状に丸めたりしたものなど
がある。
【0004】他方、ゴム系のものとしては、ボール状や
ハンバーガー状で中空に形成したもの、動物の骨などの
形に似せて塊になっているもの、チューブを結んだも
の、或いは、中空又は中実の球状本体の表面に多数の棒
状突起を設けてウニのような形状に形成したものなどが
ある(このウニ状のものは歯磨き効果も備えている)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、犬の歯は鋭
いため、おもちゃには相応の強度(耐久性)が求められ
る。また、犬用のおもちゃは、犬が飽きることなく噛み
続ける魅力を備えている必要もある。
【0006】しかるに、繊維系のおもちゃの場合は、噛
んだときの感触の点では優れていると考えられるが、強
度が低いためにすぐに噛み千切られてしまい、耐久性が
劣るという欠点があった。従って、犬が自分だけで長時
間にわたって遊び続けるためのおもちゃとしては問題が
あった。
【0007】他方、ゴム系のおもちゃのうち中空ボール
状のものは、噛むと大きく変形するため犬に対する刺激
の点では優れていると考えられるが、肉厚が薄くて犬の
歯で突き破られやすいため、繊維系のものと同様に耐久
性に劣っていた。
【0008】また、ゴム系のうち骨形などの塊に形成し
たものは、犬の歯が貫通することはないため強度的には
優れている。しかし、単なる圧縮変形しかしないことか
ら噛みごたえが単調であるためと考えられるが、犬はす
ぐに噛むのに飽きてしまう傾向があり、おもちゃとして
の魅力に欠けていた。
【0009】更に、ウニのような形状のおもちゃでは、
本体が中空になっている場合は、ゴムボールと同様に耐
久性が低く、本体が塊(中実)になっている場合は、噛
み応えが単調であるため犬が飽きやすいという問題があ
った。
【0010】本発明は、このような現状を改善すること
を目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係るお
もちゃは、ゴムのような弾性変形自在な軟質材により、
中空状や板状のような非塊状に形成されており、その表
裏ともに凹凸が連続した断面形状になっている。
【0012】おもちゃは様々の外観に形成することがで
きるが、請求項2の発明では、全体としてほぼ等しい肉
厚の中空筒状で、かつ、縦断面視又は横断面視で凹凸が
連続する蛇腹状に形成されている。
【0013】請求項3の発明では、請求項1又は請求項
2に記載されている構成の本体に、動いたり押圧力がか
かったりすると音が出る発音具を取付けている。
【0014】
【発明の作用・効果】各請求項の発明とも、おもちゃが
凹凸状の断面形状であるため、例えば犬が噛むと、おも
ちゃは全体として曲がり変形したり、凹凸を引き伸ばす
ように変形したり、複雑に弾性変形する。
【0015】このようにおもちゃが複雑に弾性変形する
ことにより、犬の噛む力が吸収されることになり、その
結果、塊の状態でないにもかかわらず高い耐久性を保持
できる。
【0016】また、おもちゃが複雑に弾性変形すること
によって犬の歯に複雑な刺激が与えられるためと考えら
れるが、犬はおもちゃを長時間にわたって噛み続けても
飽きることがなく、おもちゃとしての魅力も高い。
【0017】したがって、本発明によると、動物の興味
を引き続けるというおもちゃの本質的機能を十分に発揮
しつつ、高い耐久性を確保することができる。また、お
もちゃの凹凸によって犬の歯が擦られるため、歯磨きの
効果も備えている。
【0018】請求項2のようにおもちゃを筒状でかつ断
面凹凸の蛇腹状に形成すると、おもちゃは、曲がり変形
したり潰れ変形したりして、一層複雑に弾性変形するた
め、犬等が噛む力を一層吸収できると共に、犬に対して
より強い刺激を与えることができる。
【0019】請求項2のうちおもちゃを縦断面視で凹凸
状に形成すると、おもちゃは軸方向にも延び縮みするた
め、弾性変形の複雑化さがより一層増すこととなり、そ
の結果、耐久性とおもちゃとしての魅力とをより一層向
上させることができる。
【0020】ところで、犬や猫のようなペットは音にも
反応するものであり、音が出る物に興味を示す性質があ
る。このため、請求項3のようにおもちゃに発音具を設
けると、動物の興味をより強く引くことができて、おも
ちゃとしての魅力を格段に向上させることができる。
【0021】本発明のおもちゃは、特に犬のおもちゃと
して好適であるが、猫のように物を噛む習性のある哺乳
類のペットや家畜類など、他の動物のおもちゃとして使
用することも可能である。
【0022】
【発明の実施形態】次に、本発明の実施形態を図面に基
づいて説明する。
【0023】(1).第1実施形態(図1〜図3) 図1〜図3では第1実施形態を示している。図1は一部
を破断した正面図、図2は側面図、図3は使用状態の一
例の部分正面図である。
【0024】本実施形態では、おもちゃ1は、両端を開
口した筒状の本体2と、本体2の中間部に嵌め入れた発
音具3とから成っている。
【0025】本体2は、合成ゴムや熱可塑性エラストマ
ーのように大きく弾性変形(伸び変形及び曲がり変形)
する素材から成っており、全体としてほぼ等しい厚さ
で、かつ、内外において凹凸が軸方向に連続する蛇腹状
に形成されている。従って、本体2の表面(外面)と裏
面(内面)と相似形の凹凸が連続した断面形状になって
いる。
【0026】本体2は、その左右両端部が小径で中央部
が大径となるように、全体として中央部が緩く膨れた紡
錘状に形成されている(ストレート状でも良い)。
【0027】なお、本体2は、割り方式の外型を使用し
たブロー成形法や射出成形法によって簡単に製造するこ
とができる(割り方式の外型と一体構造の内型とを使用
して成形する場合、成形された本体2は伸び変形するた
め、外型を割った型開きすると本体2は内型から簡単に
取り外すことができる)。
【0028】発音具3は、プラスチック製等の中空ボー
ル4と、中空ボール4の内部に遊び移動自在に入れた鈴
5とで構成されている(鈴5に代えて、金属製等の球を
適宜個数入れ、球同士の衝突や球と中空ボール4との衝
突によって音を出してもよい)。また、必ずしも中空ボ
ール4は必要はなく、鈴5を紐で本体2の内面に取付け
るなどしても良い。
【0029】したがって、本体2を動かすと鈴5が鳴る
(音が出る)。発音具3の抜けを防止するため、本体2
のうち中間部を挟んだ左右両側に、凹凸の内向き突出寸
法を大きくしたストッパー部6を形成している。
【0030】本体2のうち中空ボール4の外側の部分を
犬が噛むと、例えば図3のように、本体2は、潰れ変形
すると共に凹凸が引き延ばされるように複雑に変形す
る。図では表示していないが、実際には、軸線が曲がる
ような変形や、軸線回りにねじるような変形も加わるこ
とが多い。
【0031】そして、この本体2の複雑な変形によって
犬の噛む力が吸収されるため、本体2が中空で薄肉であ
るにもかかわらず、犬の歯で本体2が突き破られること
は殆どない。そのため耐久性が高い。
【0032】また、本体2の複雑な変形によって犬の歯
に常に新たな刺激が加えられることと、おもちゃ1を動
かすたびに発音具3が鳴って聴覚面からも刺激も加えら
れることとが相俟って、犬はおもちゃ1を噛み飽きるこ
とはなく、長い時間にわたって遊ぶことができる。
【0033】(2).第2実施形態(図4) 図4に示す第2実施形態では、蛇腹状の本体2は、一端
寄り部位が大径部2aで他端寄り部位が小径部2bとな
るように、左右非対称に形成されている。また、発音具
3は、中空ボール4に複数個の玉7を入れた構造になっ
ている。
【0034】この実施形態では、小犬のときは主として
小径部1aを噛んで遊び、成犬になると大径部1bを噛
んで遊ぶというように、1種類で犬の大きさに対応でき
る利点がある。
【0035】(3).第3実施形態(図5) 図5に示す第3実施形態では、本体2は筒状の蛇腹状で
かつ全体として湾曲した形状になっており、本体2の中
間部に発音具3を嵌め入れている。図4と同様に、発音
具3を挟んだ両側で径を異ならせても良い。また、本体
2を三ツ矢状や十字状に形成してもよい。
【0036】(4).第4実施形態(図6) 図6に示す第4実施形態では、本体2の凹凸をねじのよ
うな螺旋状に形成している。本体2がほぼ等しい肉厚の
中空である点は他の実施形態と同じである。凹凸は1条
方式でも良いし、多条方式でも良い。
【0037】(5).第5実施形態(図7) 図7に示す第5実施形態では、本体2は、全体にわたっ
てほぼ等しい肉厚でかつ横断面凹凸に形成されている。
この場合も、犬が本体2を噛むと、本体2は潰れ変形し
つつ、凹凸が引き延ばされるように複雑に変形するた
め、犬の噛む力を吸収して、高い耐久性を確保すること
ができる。
【0038】(6).第6実施形態(図8〜図9) 図8〜図9では第6実施形態を示しており、図8は平面
図、図9は図8の部分的なIX−IX視断面図である。
【0039】この実施形態では、本体2は全体にわたっ
てほぼ等しい肉厚で円板状に形成されており、同心円状
に広がる凹凸が形成されている。
【0040】(7).第7実施形態(図10) 図10に示す第7実施形態では、本体2は、動物の骨に
似せて両端部がやや大径に形成されている。本体2はほ
ぼ等しい肉厚で中空の蛇腹状になっている。本体2は完
全に密閉された状態でも良いし、端部等の適当な部分に
穴を空けておいても良い。
【0041】本体2が完全に密閉されている場合は、犬
が本体2を噛んだときに内部の空気がクッション作用を
果たすため、耐久性をより一層向上できる。また、端部
等に小さな穴を空けておくと、犬が噛んだときに、空気
が徐々に抜けることによるダンパ作用によって本体2の
潰れ変形が抑制されるため、この場合も、耐久性を向上
できると共に、犬に適度の噛み応えを与えることができ
る。
【0042】本体2の端部等に小さな笛状発音具を取り
付けておき、犬が本体2を噛むたびに、内部の空気の排
出によって音が出るように構成することも可能である。
【0043】(8).第8実施形態(図11) 図11に示す第8実施形態では、本体2は中空のボール
状でかつ断面凹凸に形成されている。この場合も、本体
2は完全に密閉させておいても良いし、端部等に適当な
大きさの穴を空けておいても良い。
【0044】(9).第8実施形態(図12) 図12に示す第8実施形態では、本体2は、円筒部2c
と、その外周面と内周面とに形成された多数のリブ2
d,2eとから成っている。内外のリブ2d,2eは軸
方向に交互にずれている。
【0045】この実施形態でも、内向きリブ2eの存在
によって本体2は複雑に撓み変形するため、犬が本体2
を噛んだときの力の多く本体2の撓み変形によって吸収
される。
【0046】図6〜図12の各実施形態の場合、本体2
だけを単独でおもちゃとして使用しても良いし、別に発
音具を設けても良い。
【0047】(10). その他 本発明は上記の実施形態の他に様々に具体化することが
できる。
【0048】例えば、おもちゃの本体は、犬や猫、或い
は鼠のみのような各種の動物の形状に似せたり、各種キ
ャラクターの形状に似せたりするなど、様々のデザイン
を選択できる。色彩や模様も自由に設定できる。
【0049】ペットの興味をより引き付けるために、表
面を毛羽立った起毛状態にすることも可能である。更
に、発音具を設ける場合、発音原理(構造)や大きさ、
個数、或いは本体への取付け手段などは様々に具体化で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の一部破断正面図である。
【図2】第1実施形態の側面図である。
【図3】第1実施形態の使用状態の一例を示す部分正面
図である。
【図4】第2実施形態の一部破断正面図である。
【図5】第3実施形態の正面図である。
【図6】第4実施形態の正面図である。
【図7】第5実施形態を示す図である。
【図8】第6実施形態の平面図である。
【図9】図8のIX−IX視部分断面図である。
【図10】第7実施形態の平面図である。
【図11】第8実施形態の平面図である。
【図12】第9実施形態の正面図である。
【符号の簡単な説明】
1 おもちゃ 2 本体 3 発音具 4 中空ボール 5 鈴

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゴムのような弾性変形自在な軟質材によ
    り、中空状や板状のような非塊状に形成されており、そ
    の表裏ともに凹凸が連続した断面形状になっている、犬
    のような動物に好適なおもちゃ。
  2. 【請求項2】全体としてほぼ等しい肉厚の中空筒状で、
    かつ、縦断面視又は横断面視で凹凸が連続する蛇腹状に
    形成されている、請求項1に記載した犬のような動物に
    好適なおもちゃ。
  3. 【請求項3】請求項1又は請求項2に記載されている構
    成の本体に、動いたり押圧力がかかったりすると音が出
    る発音具を取付けている、犬のような動物に好適なおも
    ちゃ。
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